(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】顔マッチング方法および装置、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220906BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20220906BHJP
【FI】
G06T7/00 510F
G06V40/16
(21)【出願番号】P 2020560795
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2018122887
(87)【国際公開番号】W WO2019233086
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】201810569921.8
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520291939
【氏名又は名称】北京市商▲湯▼科技▲開▼▲發▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SENSETIME TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1101-1117,11th Floor No.58 Northwest 4th Ring Road, Haidian District Beijing 100080 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 帆
(72)【発明者】
【氏名】彭 彬緒
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-252654(JP,A)
【文献】特許第5876920(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 40/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するステップと、
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するステップと、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うステップと、を含
み、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うステップは、
少なくとも2つの優先マッチング範囲が存在するときに、前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の積集合を取ることと、
前記第1顔情報と前記積集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うことと、を含むことを特徴とする顔マッチング方法。
【請求項2】
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とのマッチングに失敗したときに、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲以外の第2顔情報とに対してマッチングを行うステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の顔マッチング方法。
【請求項3】
前記マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するステップは、
前記第1顔情報に基づいて、第1採取対象の対象属性を取得することと、
前記第1顔情報の採取属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の顔マッチング方法。
【請求項4】
前記第1顔情報に基づいて、第1採取対象の対象属性を取得することは、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の性別を取得することと、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の年齢を取得することと、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の髪の長さを取得することと、前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の着用品を取得することと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の顔マッチング方法。
【請求項5】
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するステップは、
前記第1採取対象の性別に基づいて、第1優先マッチング範囲を特定し、前記第1優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の性別と、前記第1採取対象の性別とは同じであることと、
前記第1採取対象の年齢に基づいて、第2優先マッチング範囲を特定し、前記第2優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の年齢に相応しいことと、
前記第1採取対象の髪の長さに基づいて、第3優先マッチング範囲を特定し、前記第3優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の髪の長さに相応しいことと、
前記第1採取対象の着用品に基づいて、第4優先マッチング範囲を特定し、前記第4優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象と、前記第1採取対象とは、同じ特定の装飾品を有することと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の顔マッチング方法。
【請求項6】
前記第1顔情報の採取属性を取得することは、
前記第1顔情報の採取位置を取得することと、
前記第1顔情報の採取位置の所在する空間の空間属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の顔マッチング方法。
【請求項7】
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するステップは、
前記採取位置に基づいて、第5優先マッチング範囲を特定し、前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象について記録された最後の出現地点と、前記採取位置との間の距離は、第1距離範囲内にあることと、
前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の採取位置に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定し、当該採取位置は、記録された住所、記録された勤務先アドレス、または頻度閾値よりも高い出現頻度の地点を含むことと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の顔マッチング方法。
【請求項8】
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するステップは、
前記空間属性に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定し、前記第6優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の少なくとも1つの身分識別情報は、前記空間属性に関連付けられることと、
前記空間属性に基づいて、第7優先マッチング範囲を特定し、前記第7優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象が所持する機器の機器識別情報は、前記空間属性に対応する空間で採取された機器識別情報内に含まれていることと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の顔マッチング方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの優先マッチング範囲をマージして前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の和集合を取得すること
をさらに含み、
前記第1顔情報と前記積集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うことは、
第1優先順位で前記第1顔情報と前記積集合における第2顔情報とに対してマッチングを行うことと、
第2優先順位で前記第1顔情報と前記和集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うことと、を含み、
前記第2優先順位は、前記第1優先順位よりも低いことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の顔マッチング方法。
【請求項10】
前記第1顔情報にマッチングする第2顔情報が少なくとも2つ存在するときに、第1顔情報の第2属性を取得するステップと、
前記第2属性と前記第1顔情報にマッチングする前記第2顔情報の属性ラベルとに対してマッチングを行うステップと、
前記属性ラベルとの類似度の最も大きい第2属性の第2顔情報を選択するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項1から
9の何れか一項に記載の顔マッチング方法。
【請求項11】
マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するように構成される特定モジュールと、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される第1マッチングモジュールと、を備え、
前記第1マッチングモジュールは、さらに、
少なくとも2つの優先マッチング範囲が存在するときに、前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の積集合を取ると共に、前記第1顔情報と前記積集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成されることを特徴とする顔マッチング装置。
【請求項12】
電子機器であって、
メモリと、
前記メモリに接続されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記メモリにおけるコンピュータ実行可能な指令を実行することにより、請求項1から
10の何れか一項に記載の方法を実施するであることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
コンピュータ実行可能な指令が記憶されるコンピュータ記憶媒体であって、
プロセッサは、前記コンピュータ実行可能な指令を実行すると、請求項1から
10の何れか一項に記載の方法を実施することを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータ実行可能な指令を含むコンピュータプログラム製品であって、
プロセッサは、前記コンピュータ実行可能な指令を実行すると、請求項1から
10の何れか一項に記載の方法を実施することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報技術分野に係るが、情報技術分野に限られず、特に顔マッチング方法および装置、記憶媒体に関する。
<関連出願の相互引用>
本願は、出願番号が201810569921.8であり、出願日が2018年06月05日である中国特許出願を基に提出され、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全文が参考として本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
顔マッチングは、人像認識またはフェース認識技術であり、採取された顔を予め取得された顔に照合することで、採取された顔の身分認識を実施する。しかし、関連技術において、顔マッチングの効率が非常に低いため、顔マッチングのフィードバック遅延が大きいことが発見されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本発明の実施例が顔マッチング方法および装置、記憶媒体を提供することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決手段は、以下のように講じられる。
【0005】
第1態様において、本発明の実施例は、顔マッチング方法を提供する。当該顔マッチング方法は、
マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するステップと、
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するステップと、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うステップと、を含む。
【0006】
第2態様において、本発明の実施例は、顔マッチング装置を提供する。当該顔マッチング装置は、
マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するように構成される特定モジュールと、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される第1マッチングモジュールと、を備える。
【0007】
第3態様において、本発明の実施例は、電子機器を提供する。当該電子機器は、
メモリと、
前記メモリに接続されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記メモリにおけるコンピュータ実行可能な指令を実行することにより、上記1つまたは複数の解決手段に供される顔マッチング方法を実施する。
【0008】
第4態様において、本発明の実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供する。前記コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ実行可能な指令が記憶され、プロセッサは、前記コンピュータ実行可能な指令を実行すると、上記1つまたは複数の解決手段に供される顔マッチング方法を実施できる。
【0009】
第5態様において、本発明の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供する。前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ実行可能な指令を含み、プロセッサは、前記コンピュータ実行可能な指令を実行すると、上記1つまたは複数の解決手段に供される顔マッチング方法を実施できる。
【0010】
本発明の実施例に係る顔マッチング方法および装置、記憶媒体では、顔マッチングを行う前に、マッチングすべき第1顔情報の第1属性を先に取得し、その後第1属性に基づいて、マッチングされる第2顔情報の選定を行うことにより、優先マッチング範囲を特定し、優先的に第1顔情報と優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行う。第1属性が反映したのは第1顔情報の属性であるため、優先マッチング範囲における第2顔情報に対応する属性は、第1属性に適応する。
【0011】
第1側面では、優先マッチング範囲外にある第2顔情報より、優先マッチング範囲内にある第2顔情報は、第1顔情報とのマッチングに成功する確率が高くなるため、明らかに、優先的に優先マッチング範囲内の第2顔情報でマッチングを行うことにより、第1顔情報とのマッチングに成功する第2顔情報がより迅速に見つけられ、マッチング効率が向上し、顔の高速マッチングが実現できる。
【0012】
第2側面では、優先マッチング範囲を利用して第1顔情報のマッチングを行い、第1顔情報にマッチングする第2顔情報を優先マッチング範囲内で迅速に見つけると、マッチングを終了可能であるため、マッチングに必要な回数や情報量が減少され、サーバによる顔情報マッチングの負荷量が低減され、不必要なマッチングが除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例に係る第1種の顔マッチング方法の模式的なフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例に係る顔マッチングシステムの構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る第2種の顔マッチング方法の模式的なフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例に係る
顔マッチング装置の構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る別の
顔マッチング装置の構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の解決手段について、図面および具体的な実施例を組み合わせてより詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施例は、顔マッチング方法を提供する。当該顔マッチング方法は、以下のステップS110~ステップS130を含む。
【0016】
ステップS110では、マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得する。
【0017】
ステップS120では、前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定する。
【0018】
ステップS130では、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行う。
【0019】
本実施例に係る顔マッチング方法は、データベースまたはバックグラウンドサーバ等の電子機器に適用可能である。
図2は、
顔マッチングシステムを示し、当該情報処理システムは、サービスバックグラウンドを含み、当該サービスバックグラウンドには、1つまたは複数のサーバが含まれ、当該方法は、サーバに適用可能である。
図2には、端末1、端末2および端末3等が示されている。なお、当該
図2に3種の端末が示されているが、具体的に実施する際に、サーバに接続された端末は、各種タイプの端末、例えば、各種タイプのモバイル端末または固定端末等であってもよく、
図2に示すものに限定されない。端末は、第1顔情報を含む画像情報、ログイン情報、MACアドレス、IPアドレスおよび接続情報、並びに、採取位置および採取パラメータ等の各種の情報をサーバへ伝送してもよい。
【0020】
ステップS110では、サーバは、端末機器から前記第1顔情報を受信してから、属性抽出ルールに従って前記第1属性を抽出し、第1属性に基づいて優先マッチング範囲を絞り込んでもよい。
【0021】
前記第1属性は、1つまたは複数の属性値を含んでもよい。1つまたは複数の属性値により前記優先マッチング範囲を特定できる。N個の属性値により1つの優先マッチング範囲を特定し、M個の属性値により2つ以上の優先マッチング範囲を特定した場合に、積集合を取ることで複数の優先マッチング範囲の積集合を最終的な優先マッチング範囲として取得してもよい。前記Nと前記Mは、何れも正整数である。前記Mは、前記Nよりも大きくなってもよい。他の幾つかの実施例では、マッチング漏れが減少されるように、M個の属性値により特定された少なくとも2つの優先マッチング範囲をマージして、マージされた優先マッチング範囲を取得し、マージされた優先マッチング範囲を必要なマッチングまたは最終マッチングの範囲としてもよい。幾つかの実施例では、積集合に対応する優先マッチング範囲は、第1優先順位のマッチング範囲であってもよく、和集合に対応する優先マッチング範囲は、最終的にマッチングされる優先マッチング範囲ではないときに、第2優先順位の優先マッチング範囲であってもよい。前記第1優先順位は、前記第2優先順位よりも高い。とにかく、前記優先マッチング範囲は複数あり得る。複数の優先マッチング範囲の間は、優先順位を設定可能である。
【0022】
ここで、優先レベルの優先性は、以下の幾つかの態様の少なくとも1つとして体現されてもよい。
【0023】
マッチング時間順。複数の優先マッチング範囲が早い順にマッチングされるものである場合に、優先順位の高い優先マッチング範囲は、先にマッチングされ、優先順位の低い優先マッチング範囲は、後でマッチングされる。
【0024】
マッチング結果の優先順。複数の優先順位の優先マッチング範囲の何れにも第1顔情報にマッチングする第2顔情報が存在する場合に、優先的に優先順位の高い優先マッチング範囲における、第1顔情報にマッチングする第2顔情報を最終的なマッチング結果として選択して出力する。例えば、幾つかの実施例では、異なる優先順位の優先マッチング範囲にマッチング時間順が規定されていない、同時に異なる優先順位の優先マッチング範囲を照合して得られた異なる優先マッチング範囲には第1顔情報にマッチングする第2顔情報が複数存在するときに、優先的に優先順位の高い優先マッチング範囲における第2顔情報を最終的なマッチング結果として選択する。
【0025】
当該優先マッチング範囲は、複数の第2顔情報の情報ライブラリを含んでもよい。通常の場合に、前記優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報のデータ量は、フルデータベースに含まれる第2顔情報のデータ量より小さい。当該優先マッチング範囲は、フルデータベースのうち、前記優先マッチング範囲以外の非優先マッチング範囲よりも、前記第1顔情報とのマッチング条件を満たす第2顔情報を含む確率が高い。
【0026】
優先マッチング範囲がフルデータベースよりもマッチングに必要な第2顔情報を減少し、前記第1顔情報にマッチングする第2顔情報を供給する確率も高いため、マッチングの回数が少なく、マッチングの効率が高いとともに、前記第1顔情報にマッチングする第2顔情報もより迅速に見つけることができる。
【0027】
幾つかの実施例では、第1顔情報と前記第2顔情報は、何れも顔図形を含む画像であってもよく、顔特徴を含むテキストであってもよい。
【0028】
他の幾つかの実施例では、
図3に示すように、前記方法は、ステップS140を更に含む。
ステップS140では、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とのマッチングに失敗したときに、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲以外の第2顔情報とに対してマッチングを行う。
【0029】
優先マッチング範囲内で前記第1顔情報とのマッチングに成功しなかった(即ち、第1顔情報と前記優先マッチング範囲内の第2顔情報とのマッチングに失敗した)場合に、前記第1顔情報とのマッチングに成功する第2顔情報が見つかるまで、または、前記フルデータベースの第2顔情報とのマッチングが完了するまで、引き続き第1顔情報と非優先マッチング範囲内の第2顔情報とに対してマッチングを行う。
【0030】
本実施例では、第1顔情報と優先マッチング範囲内の第2顔情報とのマッチングに失敗したときに、更に、優先マッチング範囲以外の第2顔情報とマッチングを行うため、優先マッチング範囲内の第2顔情報のみとマッチングを行うことによって漏れてしまう問題は回避可能であり、第1顔情報にマッチングする第2顔情報がフルデータベースに存在するときにマッチングの成功は確保される。
【0031】
幾つかの実施例では、前記ステップS110は、
前記第1顔情報に基づいて、第1採取対象の対象属性を取得することと、
前記第1顔情報の採取属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0032】
前記第1属性は、第1採取対象の第1顔情報であってもよく、前記第1採取対象は、採取される対象であってもよく、前記第1顔情報は、前記第1採取対象を採取して形成された情報であってもよい。前記対象属性は、前記第1採取対象を記述する情報である。
【0033】
幾つかの実施例では、前記対象属性は、第1採取対象の性別、年齢、身長、太り具合等の情報を含んでもよい。
【0034】
例えば、端末機器は、1つの写真またはビデオ等の画像情報(当該画像情報は、第1顔情報を含む全身像または半身像であってもよい)を採取し、まず、顔図形に基づいて、サーバ等の電子機器が当該顔図形に対応する第1採取対象の性別を認識してもよい。例えば、サーバは、認識モデルに基づいて第1採取対象の性別を認識してもよい。当該認識モデルは、サンプルデータの訓練によって得られたデータモデルを含んでもよい。前記データモデルは、ニューラルネットワーク、二分木モデル、線形回帰モデルまたはベクタマシン等のビッグデータモデルを含んでもよい。前記認識モデルは、データモデルを含むが、データモデルに限定されない。
【0035】
更に例えば、前記画像情報が半身像を含む場合に、半身像を基に、端末機器の採取パラメータ(例えば、焦点距離および採取角度)等を組み合わせて、前記第1採取対象の体重範囲(その太り具合に対応する)を推定してもよい。
【0036】
より更に例えば、前記画像情報が全身像を含む場合に、全身像を基に、端末機器の採取パラメータを組み合わせて、第1採取対象の身長範囲を推定してもよい。
【0037】
幾つかの実施例では、半身像または全身像に基づいて、第1採取対象の髪の長さ、身なり、装身具等の情報を特定してもよい。当該装身具は、ピアス、イヤリング、頭飾りまたはネックレス、ハンドアクセサリー等を含んでもよい。
【0038】
とにかく、前記対象属性は、採取対象の特点を記述する情報であってもよい。
【0039】
前記採取属性は、前記画像情報の採取位置、採取時間、採取位置に対応する空間のシーン特点情報を含んでもよい。
【0040】
例えば、画像情報の採取位置がA国である場合に、採取される第1採取対象の常駐住所がA国である可能性はある。
【0041】
幾つかの実施例では、前記第1顔情報に基づいて、第1採取対象の対象属性を取得することは、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の性別を取得することと、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の年齢を取得することと、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の髪の長さを取得することと、
前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の着用品を取得することと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0042】
幾つかの実施例では、前記ステップS120は、
前記第1採取対象の性別に基づいて、第1優先マッチング範囲を特定することと、
前記第1採取対象の年齢に基づいて、第2優先マッチング範囲を特定することと、
前記第1採取対象の髪の長さに基づいて、第3優先マッチング範囲を特定することと、
前記第1採取対象の着用品に基づいて、第4優先マッチング範囲を特定することと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
前記第1優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の性別と、前記第1採取対象の性別は、同じであり、前記第2優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の年齢に相応しく、前記第3優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の髪の長さに相応しく、前記第4優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象と、前記第1採取対象は、同じ特定の装飾品を有する。
【0043】
幾つかの実施例では、第1顔情報または前記第1顔情報を含む画像情報の解析により、前記第1採取対象の年齢の段階を特定してもよい。例えば、第1採取対象は、乳幼児、子供、少年、青年または老人等と特定可能である。幾つかの実施例では、更に、具体的な年齢区間を区分してもよい。例えば、5歳を1つの年齢層の年齢区間とし、第1顔情報または前記第1顔情報を含む画像情報の解析により、前記年齢区間を特定する。他の幾つかの実施例では、前記第1顔情報がビデオからのものであり、ビデオから採取された音声情報に基づいて前記年齢層および性別等の情報を特定してもよい。
【0044】
前記髪の長さは、少なくとも短髪および長髪に分けられてもよい。他の幾つかの実施では、前記髪の長さは、超短髪、短髪、中長髪、長髪および超長髪等に分けられてもよい。例えば、第1採取対象自身の身体ノードは、髪の長さを区分する区切り点としてもよい。例えば、クルーカット等を超短髪と見なし、超短髪以外の髪の先が耳以上にあるものを短髪と見なし、髪の先が耳以下且つ肩部以上にあるものを中長髪と見なし、髪の先が肩部以下且つ腰部以上にあるものを長髪と見なし、髪の先が腰部以下にあるものを超長髪と見なす。髪の長さは、第1顔情報を含む半身像または全身像によって特定されてもよい。
【0045】
幾つかの実施例では、優先マッチング範囲の絞り込みの精確性を確保するために、前記方法は、第2顔情報を定期的に或いは非定期的に更新することを更に含む。例えば、第2採取対象の顔情報または顔情報を含む画像を定期的に或いは非定期的に第2採取対象の所持する機器へ要求することを含む。
【0046】
前記着用品は、メガネ、服飾、アクセサリーおよびバッグのうちの少なくとも1つを含む。
【0047】
例えば、ユーザ(例えば、人)は、採取される対象の1つとしてもよい。視力障碍問題を有し、近視メガネ、遠視メガネ等の各種の視力矯正用のメガネを着用する必要があるユーザは存在する。このように、メガネは、優先マッチング範囲を特定する1つの参考依拠としてもよい。
【0048】
異なるユーザの着服スタイルが異なる可能性があるし、好きな服が異なる可能性もある。本実施では、服飾品に基づいて前記優先マッチング範囲を絞り込んでもよい。例えば、服のスタイルに基づいて前記優先マッチング範囲を特定する。
【0049】
アクセサリーは、頭部で装着される各種のアクセサリー、例えば、イヤリング、ネックレスを含んでもよい。幾つかの場合に、あるアクセサリーは、あるユーザにとって特定の意義を有するため、長期間に渡って装着されている。このように、同様にアクセサリーに基づいて前記優先マッチング範囲を絞り込んでもよい。
【0050】
バックパックまたはショルダーバッグが好きなユーザもいれば、バッグを持つのが嫌なユーザもいる。このように、バッグまたはバッグの特点は、優先マッチング範囲を絞り込む依拠としてもよい。
【0051】
本発明の実施例では、前記方法は、特定頻度よりも高い実頻度の着用品を選択して前記優先マッチング範囲を絞り込むことを更に含んでもよい。例えば、通常、実際に装着される頻度が特定頻度より高い着用品は、メガネ、特定意味を有するアクセサリー等を含んでもよい。
【0052】
本実施例では、対象属性を利用して初回選定を行ってもよく、前記優先マッチング範囲を選択可能であり、第1顔情報にマッチングしない一部の第2顔情報を除去する目的が達成されたため、正式的な顔情報マッチングの情報量が減少され、マッチング量が減少され、マッチングレートが高められる。
【0053】
幾つかの実施例では、前記第1顔情報の採取属性を取得することは、
前記第1顔情報の採取位置を取得することと、
前記第1顔情報の採取位置の所在する空間の空間属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
前記採取位置は、採取された経緯度情報、採取された地名(当該採取された地名は、採取の団地レベルまたはビルレベルの識別子情報を含んでもよい)等を含んでもよい。
【0055】
前記採取位置の所在する空間の空間属性は、当該空間用途を記述する用途情報、例えば、採取位置がデバートにおけるある店舗であることを含んでもよく、当該店舗の空間属性は、当該店舗で販売されているサービスまたは商品を記述する情報を含んでもよい。例えば、喫茶店、衣料品店等である。
【0056】
前記用途情報は、娯楽施設で発生可能な娯楽活動タイプ、または施設の名称、例えば、北京工人体育館を指示するために用いられてもよい。
【0057】
幾つかの実施例では、前記ステップS120は、
前記採取位置に基づいて、第5優先マッチング範囲を特定し、前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象について記録された最後の出現地点と前記採取位置との間の距離は、第1距離範囲内にあることと、
前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の採取位置に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定し、当該採取位置は、記録された住所、記録された勤務先アドレス、または頻度閾値よりも高い出現頻度の地点を含む。
【0058】
ここで頻度閾値よりも高い出現頻度の地点は、ユーザがよく行くデパート、よく行くレストランまたはフィットネスジム等の地点を含んでもよい。
【0059】
本実施例から見れば、第2採取対象の最後出現地点は、第2採取対象が最後にネットワークへアクセスした地点、第2採取対象が最後に消費した地点を含んでもよい。無論、ここでの最後出現地点の出現時間と当前時間とは、特定時間範囲内にあり、当該特定時間範囲は、30分、1時間、2時間または半日等であってもよい。第2採取対象が顔情報の採取位置に出現すれば、第2採取対象が第1採取対象である確率が高いことを意味する。
【0060】
採取位置が第2採取対象の住所、勤務先アドレスまたはよく行く地点であれば、当該第2採取対象が第1採取対象である確率が相対的に高いため、優先マッチング範囲に納入されて優先マッチングを行わせてもよい。マッチング効率が向上しつつ、マッチング数が適切に減少可能であり、不必要な無効マッチング操作も除去できる。
【0061】
幾つかの実施例では、前記ステップS120は、
前記空間属性に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定することと、
前記空間属性に基づいて、第7優先マッチング範囲を特定することと、を含んでもよい。
前記第6優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の少なくとも1つの身分識別情報は、前記空間属性に関連付けられ、前記第7優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象が所持する機器の機器識別情報は、前記空間属性に対応する空間で採取された機器識別情報内に含まれている。
【0062】
幾つかの実施例では、特定空間は、特定用途を有し、その自身が幾つかの会員カードまたはアプリ(Application、APP)アカウントの身分識別情報を発行した。例えば、特定の人群れを巡るスポーツ用品店が1つの顔情報を採取してサーバへ提出した場合に、マッチング範囲を減縮するために、優先的に当該スポーツ用品店の店員の画像を優先マッチング範囲内に含まれる第2顔情報としてもよい。
【0063】
他の幾つかの実施例では、所定空間に大量の機器識別情報が採取され、情報ライブラリ内に当該空間属性と採取された機器識別情報および対応ユーザの顔情報との対応関係が確立されている。したがって、その際、当該空間属性を依拠として、上記対応関係が存在する顔情報を優先マッチング範囲内の第2顔情報として特定可能である。前記機器識別情報は、ネットワークプロトコル(Internet Protocol、IP)アドレスまたは媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレス、国際携帯機器識別子(International Mobile Equipment Identity、IMEI)等の情報を含んでもよい。具体的に実施する際に、前記機器識別情報は、上記何れか一種に限定されない。幾つかの実施例では、前記機器識別情報は、更に、当該機器内に実装されたユーザ身分識別(例えば、SIM)カードに対応する通信識別子、例えば、携帯番号を含んでもよい。
【0064】
幾つかの実施例では、前記ステップS130は、
少なくとも2つの優先マッチング範囲が存在するときに、前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の積集合を取ることと、前記第1顔情報と前記積集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うこととを含んでもよい。例えば、上記第1優先マッチング範囲から第7優先マッチング範囲までに対して積集合を取る操作を行い、最終的な優先マッチング範囲(即ち、前記積集合)を取得し、第1優先順位で第1顔情報と当該最終的な優先マッチング範囲内の第2顔情報とに対してマッチングを行う。同時に少なくとも2つの優先マッチング範囲内に存在する第2顔情報と前記第1顔情報とのマッチングに成功する確率が明らかにもっと高いため、第1優先順位で最優先のマッチングを行うことにより、できるだけ最速のスピードで第1顔情報にマッチングする第2顔情報を特定することができる。
【0065】
幾つかの実施例では、前記方法は、更に、
第2優先順位で第1顔情報と積集合以外の優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うことを含む。前記第2優先順位は、前記第1優先順位よりも低い。
【0066】
他の幾つかの実施では、前記ステップS140は、
第3優先順位で第1顔情報と前記優先マッチング範囲外の第2顔情報とに対してマッチングを行うことを含んでもよい。前記第3優先順位は、前記第2優先順位よりも低い。
【0067】
幾つかの実施例では、第1顔情報と積集合内の第2顔情報とのマッチングに失敗した場合に、第1顔情報と積集合以外の優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行う。このように、マッチング効率をできるだけ向上させるとともに、不必要なマッチング量を減少することができる。
【0068】
幾つかの実施例では、前記方法は、
前記第1顔情報にマッチングする第2顔情報が少なくとも2つ存在するときに、第1顔情報の第2属性を取得することと、
前記第2属性と前記第1顔情報にマッチングする前記第2顔情報の属性ラベルとに対してマッチングを行うことと、
前記属性ラベルとの類似度の最も大きい第2属性の第2顔情報を選択することとを更に含む。
【0069】
前記第1顔情報と第2顔情報とに対してマッチングを行うことは、
2つの顔情報における顔特徴についてマッチングを行うことと、
プリセットの適合度に達した顔特徴の数を統計することと、
前記顔特徴の数が数量閾値に達せば、この2つの顔情報が互いにマッチングすると見なされ、そうでなければ、この2つの顔情報が互いにマッチングしないと見なされることと、を含んでもよい。
【0070】
幾つかの実施例では、顔特徴がプリセットの適合度に達したか否かを判断する手法は、従来技術の何れか一種の方法を採用すればよいため、ここで一々例を挙げない。
【0071】
幾つかの実施では、前記第1顔情報に対応する第1採取対象を認識するために、第1顔情報との適合度が最も高い第2顔情報を最終的なマッチング結果としてもよい。
【0072】
他の幾つかの実施例では、複数の適合度が同じである第2顔情報が出現し、または、複数の適合度が何れも適合度閾値よりも高い第2顔情報が出現する。その際、第2属性に基づいて顔認識を更に補助してもよい。
【0073】
ここでの第2属性は、前記第1属性に対応する同様の属性パラメータであってもよく、異なる属性パラメータであってもよい。
【0074】
幾つかの実施例では、前記第2属性は、
消費レベルと、
趣味嗜好と、
社交関係等とのうちの少なくとも1つを含んでもよく、当該社交関係は、家庭状況、婚姻状況等の情報を含んでもよい。
【0075】
これらの第2採取対象を記述する身分属性は、最終的にマッチングされる第2顔情報を補助的に特定するための補助情報としてもよい。
【0076】
例えば、前記空間属性に基づいて第1採取対象の可能な消費レベルを把握してもよい。例えば、採取位置が1つのホテルであれば、当該ホテルの平均消費または最低消費等を第2属性として第2採取対象の消費レベルに対してマッチングを行ってもよい。
【0077】
前記趣味嗜好は、第2採取対象の好み及び嫌みを記述する任意の情報であってもよい。例えば、採取された画像情報のうち、第1採取対象がペットを持ち歩いている場合に、ペットを好むことは、第2属性としてマッチングを補助する。
【0078】
更に例えば、前記採取位置が1つのクラブであれば、前記趣味嗜好は、当該クラブの活動に基づいて特定されてもよい。例えば、バスケットボールクラブの場合に、前記第2属性は、バスケットボールを好むことであってもよい。
【0079】
より更に例えば、第1顔情報を含む画像情報のうち、第1顔情報に対応する第1採取対象と他の対象との間の身振り等に基づいて、第1採取対象が連れ合いを有するか否か或いは家庭等の社交関係を有するか否かを前記第2属性として特定し、第1顔情報にマッチングする第2顔情報を更に特定してもよい。
【0080】
そのため、本実施例では、ここでの第2属性が対象属性等を含んでもよく、第1顔情報にマッチングする第2顔情報が最終的に正確に特定可能であるため、精確な顔情報マッチングが実現され、1つの第1顔情報と複数の第2顔情報とのマッチングによって第1採取対象の身分を最終的に特定できないという問題が解決できる。そして、本実施例では、優先マッチング範囲が先に特定されたため、第1顔情報と複数の第2顔情報とのマッチングの出現確率が減少され、第2顔情報にマッチングすることを最終的に特定することによって引き起こされた遅延および操作が減少され、顔マッチングの効率が更に向上する。
【0081】
例えば、第2属性は、複数の属性値を含んでもよく、本実施例では、複数の属性値と第2採取対象の身分属性とに対してマッチングを行い、マッチングに成功した属性値の最も多い第2採取対象の第2顔情報を最終のマッチング結果として選択する。当該マッチング結果は、前記第1採取対象の身分を認識するために用いられてもよく、および/または、最終のマッチング結果に対応する第2採取対象の身分属性ラベルは、前記第1採取対象の身分属性ラベルとして他の機器へ出力或いは伝送される。
【0082】
とにかく、本発明の実施例では、前記第1顔情報と第2顔情報とのマッチングにより、第1顔情報にマッチングする第2顔情報に対応する身分情報および/または身分属性ラベルを特定可能であるため、精確なサービスの指向的提供は実現される。当該精確なサービスは、ニュースおよび/または広告等のコンテンツデータの精確なプッシュ、更に例えば、友達推薦等を含んでもよい。
【0083】
幾つかの実施例では、前記身分属性ラベルと前記第1採取対象が出現する位置の位置属性ラベル(地理位置、所在する地理位置の空間属性)等との組み合わせを結合して精確なサービスの提供を行うことができる。
【0084】
図4に示すように、本実施例は、顔マッチング装置を提供する。当該顔マッチング装置は、
マッチングすべき第1顔情報の第1属性を取得するように構成される第1取得モジュール110と、
前記第1属性に基づいて、優先マッチング範囲を特定するように構成される特定モジュール120と、
前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される第1マッチングモジュール130と、を備える。
【0085】
当該顔マッチング装置は、上記サーバまたは端末機器に適用可能であり、各種の電子機器に実装されるクライアントまたはソフトウェア開発キット等に対応可能である。
【0086】
前記第1取得モジュール110、特定モジュール120および第1マッチングモジュール130は、何れもプログラムモジュールであってもよく、前記プログラムモジュールは、プロセッサによって実行されると、前記第1属性の取得、優先マッチング範囲の特定および顔情報のマッチングを実施可能である。
【0087】
幾つかの実施例では、
図5に示すように、前記装置は、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲における第2顔情報とのマッチングに失敗したときに、前記第1顔情報と前記優先マッチング範囲以外の第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される第2マッチングモジュール140を更に備える。
【0088】
他の幾つかの実施例では、前記第1取得モジュール110は、前記第1顔情報に基づいて、第1採取対象の対象属性を取得することと、前記採取属性、即ち前記第1顔情報の採取属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0089】
他の幾つかの実施例では、前記第1取得モジュール110は、前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の性別を取得することと、前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の年齢を取得することと、前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の髪の長さを取得することと、前記第1顔情報に基づいて、前記第1採取対象の着用品を取得することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0090】
他の幾つかの実施例では、前記特定モジュール120は、前記第1採取対象の性別に基づいて、第1優先マッチング範囲を特定し、前記第1優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の性別と、前記第1採取対象の性別とは同じであることと、前記第1採取対象の年齢に基づいて、第2優先マッチング範囲を特定し、前記第2優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の年齢に相応しいことと、前記第1採取対象の髪の長さに基づいて、第3優先マッチング範囲を特定し、前記第3優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象は、前記第1採取対象の髪の長さに相応しいことと、前記第1採取対象の着用品に基づいて、第4優先マッチング範囲を特定し、前記第4優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象と、前記第1採取対象とは、同じ特定の装飾品を有することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0091】
幾つかの実施例では、前記着用品は、メガネ、服飾、アクセサリーおよびバッグのうちの少なくとも1つを含む。
【0092】
幾つかの実施例では、前記第1取得モジュール110は、具体的に、
前記第1顔情報の採取位置を取得することと、
前記第1顔情報の採取位置の所在する空間の空間属性を取得することと、のうちの少なくとも1つを実行する。
【0093】
更に、幾つかの実施例では、前記特定モジュール120は、
前記採取位置に基づいて、第5優先マッチング範囲を特定し、前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象について記録された最後の出現地点と、前記採取位置との間の距離は、第1距離範囲内にあることと、
前記第5優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の採取位置に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定し、当該採取位置は、記録された住所、記録された勤務先アドレス、または頻度閾値よりも高い出現頻度の地点を含むことと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0094】
更に、前記特定モジュール120は、
前記空間属性に基づいて、第6優先マッチング範囲を特定し、前記第6優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象の少なくとも1つの身分識別情報は、前記空間属性に関連付けられることと、
前記空間属性に基づいて、第7優先マッチング範囲を特定し、前記第7優先マッチング範囲に含まれる第2顔情報に対応する第2採取対象が所持する機器の機器識別情報は、前記空間属性に対応する空間で採取された機器識別情報内に含まれていることと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成される。
【0095】
幾つかの実施例では、前記第1マッチングモジュール130は、少なくとも2つの優先マッチング範囲が存在するときに、前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の積集合を取り、前記第1顔情報と前記積集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される。
【0096】
幾つかの実施例では、前記第1マッチングモジュールは、少なくとも2つの優先マッチング範囲をマージして前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の和集合を取得し、前記第1顔情報と前記和集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される。
【0097】
他の幾つかの実施例では、前記第1マッチングモジュールは、少なくとも2つの優先マッチング範囲をマージして前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の和集合を取得し、少なくとも2つの優先マッチング範囲が存在するときに、前記少なくとも2つの優先マッチング範囲の積集合を取り、第1優先順位で前記第1顔情報と前記積集合における第2顔情報とに対してマッチングを行い、第2優先順位で前記第1顔情報と前記和集合における前記第2顔情報とに対してマッチングを行うように構成される。前記第2優先順位は、前記第1優先順位よりも低い。
【0098】
他の幾つかの実施例では、前記装置は、前記第1顔情報にマッチングする第2顔情報が少なくとも2つ存在するときに、第1顔情報の第2属性を取得するように構成される第2取得モジュールと、前記第2属性と前記第1顔情報にマッチングする前記第2顔情報の属性ラベルとに対してマッチングを行うように構成される第3マッチングモジュールと、前記属性ラベルとの類似度の最も大きい第2属性の第2顔情報を選択するための選択モジュールと、を更に備える。
【0099】
以下では、上記任意の実施例を組み合わせて幾つかの具体的な例示を提示する。
【0100】
<例示1>
本例示は、顔マッチング方法を提供する。当該方法におけるマッチングすべき顔情報(即ち、上記第1顔情報)は、フェース(Face)識別子(Identity、ID)とも呼称されてもよく、FaceIDと略称される。当該顔情報は、オフラインで何れか1つの顔写真を取ると、それのデータベースにおける記録にマッチング可能である。例えば、ホテル、デパート、交通サイト(空港または高速鉄道駅)等の場所の監視機器等で採取された顔情報である。
【0101】
精確性が保証されるように、マッチング範囲をできるだけ減縮する必要がある。
【0102】
第1ステップでは、写真を抽出する。当該写真は、上記マッチングすべき顔情報の情報源であってもよい。
【0103】
品質の高い写真(写真品質評価アルゴリズムが必要)を抽出する。例えば、各種の写真評価アルゴリズムを利用してプリセットの鮮明度よりも高い鮮明度の写真または最高鮮明度の写真を抽出し、または写真における顔の表し角度に基づいて、プリセットの変形値よりも小さい顔変形の写真を抽出し、または、所定採取角度で採取された顔の写真を抽出する。前記所定採取角度は、採取対象正面と採取機器の採取面との間の夾角が特定角度よりも小さい採取画角である。
【0104】
第2ステップでは、第1属性の抽出である。マッチングの前に、マッチング範囲が減縮されるように、ユーザ情報に対して抽出を行うべきである。抽出された情報は、画像情報の分析または画像情報の採取空間の分析により、第1属性が抽出されてもよく、当該第1属性は、
性別と、
年齢と
服飾(メガネ、服装、バッグ等)とのうちの何れか1つを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0105】
第3ステップでは、優先マッチング範囲を設定する。例えば、性別が異なり、年齢層の差が大きい記録を排除した後、顔情報マッチングを行ってもよい。
【0106】
オフラインシーンでFaceIDマッチングを行う際に、シーン特点および需要に応じて、優先マッチング範囲を設定してもよい。例えば、優先マッチング範囲は、以下の特点の1つを有する。
目標IDライブラリは、上記優先マッチング範囲として、例えば、オンラインマーケティング活動が行われた後、ユーザ群に触れた国際携帯機器識別子(IMEI)データを累積し、アクセスしたお客さんの状況に対する統計を望んでいる。当該シーン特点は、上記空間属性の1種であってもよく、当該空間のサービス供給属性または用途等の情報を記述可能である。
現場で採取されたMACアドレスがデータベース内にある(現場にMAC採取機器がある場合に向いている)。
マッチングされた採取対象が携帯する端末機器の直近出現点は、マッチングすべきFaceIDの採取位置の付近にある。
マッチングされた採取対象が携帯する端末機器は、マッチングすべきFaceIDの採取位置の付近にある。
マッチングされた採取対象の常住地とFaceIDの採取位置とが同じ町にある。
マッチングされた採取対象の勤務地とFaceIDの採取位置とが同じ町にある。
マッチングされた採取対象の年齢範囲は、FaceIDに対応する第1採取対象と近接する。
マッチングされた採取対象の常用服飾品は、FaceIDに対応する第1採取対象と同じまたは類似する。
【0107】
第4ステップでは、全データベースマッチングを行う。ここでの全データベースは、フルデータベースの略称であってもよい。
【0108】
優先マッチング範囲内でマッチングしなかったときに、全データベースマッチングを行うべきである。
【0109】
第5ステップでは、人群れを選定して結果を取る。
【0110】
優先マッチングであろうと全データベースマッチングであろうと、類似度が設定閾値を超える記録が複数出現する可能性はある。その際、人群れ属性ラベルを設定することにより選定を行ってもよい。人群れ属性ラベルは、例えば、
消費レベル
趣味嗜好
家庭状況
・・・である。
【0111】
選定された後、残りの記録のうち、目標との類似度が最も高いものをマッチング結果とする。
【0112】
図6に示すように、本実施例は、端末機器を提供する。当該端末機器は、メモリと、前記メモリに接続されるプロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記メモリにおけるコンピュータ実行可能な指令を実行することにより、上記1つまたは複数の解決手段に供される顔マッチング方法、例えば、
図1および
図3に示す顔マッチング方法のうちの1つまたは複数を実施可能である。
【0113】
当該メモリは、各種のタイプのメモリであってもよく、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ等であってもよい。前記メモリは、情報記憶に適用可能であり、例えば、コンピュータ実行可能な指令等を記憶する。前記コンピュータ実行可能な指令は、各種のプログラム指令、例えば、ターゲットプログラム指令および/またはソースプログラム指令等であってもよい。
【0114】
前記プロセッサは、各種タイプのプロセッサ、例えば、中央プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、プログラム可能なアレイ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向けの集積回路または画像プロセッサ等であってもよい。
【0115】
前記プロセッサは、バスを介して前記メモリに接続されてもよい。前記バスは、集積回路バス等であってもよい。
【0116】
幾つかの実施例では、前記端末機器は、通信インターフェースを更に備えてもよく、当該通信インターフェースは、ネットワークインターフェース、例えば、ローカルエリアネットワークインターフェース、送受信アンテナ等を含んでもよい。前記通信インターフェースは、同様に前記プロセッサに接続され、情報の送受信に適用可能である。
【0117】
幾つかの実施例では、前記端末機器は、マンマシンインターフェースを更に備え、例えば、前記マンマシンインターフェースは、各種の入出力機器、例えば、キーボード、タッチスクリーン等を含んでもよい。
【0118】
本実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供する。前記コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ実行可能な指令が記憶され、前記コンピュータ実行可能な指令が実行されると、上記1つまたは複数の解決手段に供される顔マッチング方法、例えば、
図1および
図3に示す顔マッチング方法のうちの1つまたは複数は、実施可能である。
【0119】
前記コンピュータ記憶媒体は、記録機能を有する各種の記録媒体、例えば、CD、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、Uディスクまたは移動ハードディスク等の各種の記憶媒体であってもよい。好適な前記コンピュータ記憶媒体は、非一時的記憶媒体であってもよく、当該コンピュータ記憶媒体がプロセッサによって読み取られることにより、コンピュータ記憶メカニズムに記憶されたコンピュータ実行可能な指令が第1プロセッサによって取得して実行されると、上記何れか1つの解決手段に供される顔マッチング方法は実施可能である。例えば、端末機器に用いられる顔マッチング方法またはサーバに用いられる顔マッチング方法は、実施可能である。
【0120】
本実施例は、コンピュータプログラム製品を更に提供し、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ実行可能な指令を含み、前記コンピュータ実行可能な指令が実行されると、上記1つまたは複数の解決手段に供される
顔マッチング方法、例えば、
図1および/または
図3に示す方法のうちの1つまたは複数は実施可能である。
【0121】
前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体に有形的に含まれるコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを含み、プログラムコードは、本発明の実施例に係る方法ステップを対応的に実行するための指令を含んでもよい。
【0122】
本発明に係る幾つかの実施例において、理解すべきことは、開示された機器及び方法が他の方式で実施され得る。以上で記述された機器実施例が単に例示であり、例えば、前記手段の区分が、単に1種の論理機能区分であり、実際に実施する際に他の区分方式があり得る。例えば、複数の手段若しくはユニットは、組み合わせられてもよく、或いは、別のシステムに統合されてもよく、または、幾つかの特徴が省略されてもよく、或いは実行されなくてもよい。また、表示若しくは議論された各構成部分同士間の結合、または直接結合、または通信接続は、幾つかのインターフェース、機器または手段の間接結合或いは通信接続によって実施されてもよく、電気的なもの、機械的なものまたは他の形態であってもよい。
【0123】
上記分離部品として説明された手段は、物理的に離間されたものであってもよく、でなくてもよい。手段として表示された部品は、物理手段であってもよく、でなくてもよい。即ち、当該部品は、1箇所に位置してもよく、複数のネットワークセルに分散されてもよい。本実施例の目的は、実際の需要に応じて、上記部品のうちの一部または全部の手段を選択して実施可能である。
【0124】
また、本発明の各実施例における各機能手段は、全部で1つの処理モジュールに統合されてもよく、各手段がそれぞれ単独で1つの手段としてもよく、2つまたは2つ以上の手段が1つの手段に統合されてもよい。上記統合手段は、ハードウェアの形態にて実施されてもよく、ハードウェアプラスソフトウェア機能手段の形態にて実施されてもよい。
【0125】
当業者であれば理解できるように、上記方法実施例の全部または一部のステップを実施するには、プログラム指令に関するハードウェアにて完成可能であり、上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムは、実行されるときに、上記方法実施例のステップを含むステップを実行し、上記記憶媒体は、移動記憶機器、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含んでもよい。
【0126】
上述したのが本発明の具体的な実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲は、それに限定されない。本技術分野に精通している如何なる技術者も本発明に記載の技術範囲内で変化または置換を容易に想到し得、それらは、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、上記請求項の保護範囲に準じるべきである。