(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】遠隔監視能力を有する電気齧歯動物捕獲装置
(51)【国際特許分類】
A01M 19/00 20060101AFI20220906BHJP
A01M 23/18 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A01M19/00
A01M23/18
(21)【出願番号】P 2020564826
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 US2019022523
(87)【国際公開番号】W WO2019157536
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】501416405
【氏名又は名称】ウッドストリーム、コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】WOODSTREAM CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】クレッツリー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】エブナー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ブレア,コーリー
(72)【発明者】
【氏名】コージャー,ジュニア,ピーター
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】実公第024663(大正15年)(JP,Y1T)
【文献】特公昭47-039039(JP,B1)
【文献】実公昭47-035594(JP,Y1)
【文献】特開昭54-029760(JP,A)
【文献】実公昭06-009784(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 19/00
A01M 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気齧歯動物捕獲装置であって、
少なくとも1つの捕獲装置進入口を有し、前記捕獲装置進入口から反対端まで長手方向に延びる捕獲装置本体と、
前記捕獲装置本体内で動作可能な高電圧殺傷回路と、を備え、前記殺傷回路が、実質的に相互に平行関係にあり、前記捕獲装置本体内に長手方向に延びる少なくとも部分を有する少なくとも2つの逆帯電した下方殺傷プレートであって、前記逆帯電した下方殺傷プレートが、前記下方殺傷プレート間の長手方向に延びる間隙によって互いから離間される、少なくとも2つの逆帯電した前記下方殺傷プレートと、前記下方殺傷プレートより上に位置付けられるトリガ要素であって、齧歯動物が前記トリガ要素に到達し得る前に前記捕獲装置に進入しなければならないように前記進入口から内側に離間される、トリガ要素と、を含み、前記高電圧殺傷回路が、前記齧歯動物が前記下方殺傷プレートに接触すると同時に前記トリガ要素が前記齧歯動物を検知しているときにのみ、少なくとも前記2つの下方殺傷プレートを活性化し、前記齧歯動物を殺処理するようにトリガされ
、
前記少なくとも2つの逆帯電した下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離される、電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項2】
前記トリガ要素が、前記捕獲装置本体の天井に隣接しており、前記下方殺傷プレートと同時に活性化される帯電したプレートである、請求項1に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項3】
前記トリガ要素が、前記捕獲装置本体内へ下方に延びる中央バッフルの部分であり、前記中央バッフルが、エサを受容するための中空内部を有し、前記エサが前記齧歯動物によって盗まれることを防ぎながら前記エサからの香りを前記捕獲装置本体の内部全体にわたって広げることを可能にするために通気される、請求項2に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項4】
前記進入口に隣接する入口バッフルをさらに備え、前記入口バッフルが、入ってくる齧歯動物を前記下方殺傷プレートの方へ強制的に向かわせ、前記齧歯動物が前記捕獲装置から出ることを防ぐために、高さ制限を作り出す、請求項1に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項5】
前記捕獲装置本体が、2つの進入口を有し、両端にある進入口が、齧歯動物が一方の進入口から他方まで前記捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にするトンネルを作成するために、対向関係にある、請求項1に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項6】
前記下方殺傷プレートが、前記高くなったトラック上で実質的に平らである平坦部、および前記平坦部に対して実質的に垂直である上向きの屈曲部を含み、前記屈曲部が、前記中央溝に隣接し、そこと実質的に平行に伸びる、請求項
1に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項7】
前記捕獲装置本体が、2つの進入口を有し、両端にある進入口が、齧歯動物が一方の進入口から他方まで前記捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にするトンネルを作成するために、対向関係にある、請求項
6に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項8】
各進入口に隣接する入口バッフルをさらに備え、各入口バッフルが、入ってくる齧歯動物を強制的に前記下方殺傷プレートへ向かわせ、前記下方殺傷プレートの前記屈曲部と接触させるために、高さ制限を作り出す、請求項
7に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項9】
電気齧歯動物捕獲装置であって、
対向する捕獲装置進入口、および殺傷室を画定するために、対向する長手方向の側壁の間、前記捕獲装置進入口の間に、長手方向に延びる床を有する捕獲装置本体と、
前記捕獲装置本体内で動作可能な高電圧殺傷回路であって、前記殺傷回路が、前記長手方向に延びる床に沿って相互に実質的な平行関係にある、隣接する前記捕獲装置進入口から延びる少なくとも部分を有する少なくとも一対の逆帯電した下方殺傷プレートを含み、前記一対の下方殺傷プレートの少なくとも前記長手方向に延びる部分が、前記プレート間の長手方向に延びる間隙によって相互に横方向に離間され、前記一対の下方殺傷プレートの前記長手方向に延びる部分が、左下方プレートおよび右下方プレートとして鉄道線路のように配置され、前記左右下方プレートが、前記長手方向に延びる間隙によって分離され、前記左右下方プレートの各々が、前記側壁のそれぞれに隣接する、高電圧殺傷回路と、
前記捕獲装置進入口のうちの1つを通じた前記捕獲装置への進入時に、前記右下方プレートに右前足でおよび前記左下方プレートに左前足で接触する齧歯動物の存在に反応するように前記捕獲装置の長手中央領域内に位置付けられるトリガ要素と、を備え、
前記齧歯動物が、後足でのその後の接触を含め、前記左右下方プレートと接触したままであり、前記齧歯動物が、前記捕獲装置を通って移動すると、前記トリガ要素は、前記齧歯動物が、左右の足で前記左右下方プレートそれぞれの上に立っている間に前記トリガ要素が前記齧歯動物を検知しているとき、少なくとも前記左右下方プレートを活性化し、齧歯動物を殺処理するように前記高電圧殺傷回路をトリガ
し、
前記少なくとも一対の逆帯電した下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離される、ことを特徴とする電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項10】
前記左右下方プレートのうちの一方が、前記長手方向に延びる床の長さに実質的に延び、前記左右下方プレートのうちの他方が、前記捕獲装置本体内で互いから離間される2つのL字形状部を有し、前記2つのL字形状部は、前記高電圧殺傷回路において電気結合される請求項
9に記載の電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項11】
モジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、
基部および蓋を含む外部ハウジングであって、前記蓋が、前記捕獲装置が使用中のときは閉じられ、前記基部に対して固定される、外部ハウジングと、
前記蓋を開けることによって前記外部ハウジング基部内に受容されるように構成される取り外し可能なトンネルモジュールであって、前記トンネルモジュールが、捕獲装置基部およびカバーパネルを含み、前記捕獲装置基部およびカバーパネルが、外壁、天井、および少なくとも1つの捕獲装置進入口を伴う床を有する殺傷室を画定し、前記殺傷室の長手方向の長さが、前記捕獲装置進入口から反対端まで延びる、取り外し可能なトンネルモジュールと、
前記蓋を開けることによって前記外部ハウジング基部内に受容されるように構成される取り外し可能な電子装置モジュールであって、前記モジュラ電気齧歯動物捕獲装置が、前記蓋が閉じた状態の前記外部ハウジング基部内に位置付けられる前記トンネルモジュールおよび前記電子装置モジュールを用いて組み立てられるとき、前記電子装置モジュールが、前記トンネルモジュールと電気的係合状態にあり、前記電子装置モジュールが、前記電気的係合を通じて前記殺傷室内に位置付けられる複数の下方殺傷プレートと共に動作可能な高電圧回路であって、前記複数の下方殺傷プレートが、前記床に隣接して相互に実質的に平行な関係にある部分を有し、各プレートが、前記外壁のそれぞれに隣接して前記捕獲装置基部内で前記捕獲装置進入口から長手方向に延びる少なくとも部分を有し、逆帯電した
前記下方殺傷プレートの少なくとも前記実質的に平行な部分が前記プレート間の溝によって互いから離間される、高電圧回路と、トリガ要素であって、前記複数のプレートより上の離間された関係で位置付けられ、齧歯動物が、前記トリガ要素に到達し得る前に前記殺傷室に進入しなければならないように前記進入口ドアから内向きに離間され、前記高電圧殺傷回路が、前記齧歯動物が2つの逆帯電した
前記下方殺傷プレートに接触すると同時に前記トリガ要素が前記齧歯動物を検知しているときにのみ、少なくとも前記2つの逆帯電した下方殺傷プレートを活性化し、前記齧歯動物を殺処理するようにトリガされる、トリガ要素とを含む、取り外し可能な電子装置モジュールと、を備え、
前記トンネルモジュールおよび前記電子装置モジュールが、前記外部ハウジングの前記蓋を開けることによって、別個に取り外し可能および交換可能であ
り、
前記2つの逆帯電した下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離される、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項12】
前記トリガ要素が、前記天井に隣接する帯電したトリガプレートであり、前記帯電したトリガプレートが、前記2つの逆帯電した下方殺傷プレートと同時に活性化される、請求項
11に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項13】
前記捕獲装置基部が、2つの進入口を有し、両端に進入口が、齧歯動物が一方の進入口から他方まで前記捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にするトンネルを作成するために、対向関係にある、請求項
12に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項14】
前記トリガプレートが、前記殺傷室の前記長手方向の長さに沿っておよそ真ん中で前記殺傷室内へ下方に延びる中央バッフルの部分であり、前記中央バッフルが、エサを受容するための中空内部を有し、前記エサが前記齧歯動物によって盗まれることを防ぎながら前記エサからの香りを前記殺傷室全体にわたって広げることを可能にするために通気される、請求項
13に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項15】
前記溝の底が、前記床と対応し、前記複数のプレートが、高くなったトラック上に置かれて前記床よりも上に上昇される、請求項
11に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項16】
各プレートが、前記高くなったトラック上で実質的に平らである平坦部、および前記平坦部に対して実質的に垂直である上向きの屈曲部を含み、前記屈曲部が、前記溝に隣接する、請求項
15に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項17】
各進入口に隣接する入口バッフルをさらに備え、前記入口バッフルが、入ってくる齧歯動物を強制的に前記プレートに押し当て、前記プレートの前記屈曲部と接触させるため、および前記齧歯動物が前記捕獲装置から出ることを防ぐために、高さ制限を作り出す、請求項
16に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項18】
前記モジュール間の前記電気的係合が、前記モジュールが前記外部ハウジング基部内で互いに隣接して位置付けられるとき、前記トンネルモジュールの外壁上の対応する接点との積極的な係合をもたらされる前記電子装置モジュールの外壁上の電気接点を含む、請求項
11に記載のモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項19】
モジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、
外部ハウジングと、
前記外部ハウジング内に受容されるように構成される取り外し可能なトンネルモジュールであって、前記トンネルモジュールが、捕獲装置基部およびカバーパネルを含み、前記捕獲装置基部およびカバーパネルが、外壁、天井、および少なくとも1つの捕獲装置進入口を伴う床を有する殺傷室を画定し、前記殺傷室の長手方向の長さが、前記捕獲装置進入口から反対端まで延びる、取り外し可能なトンネルモジュールと、
前記外部ハウジング内に受容されるように構成される取り外し可能な電子装置モジュールであって、前記電子装置モジュールが、前記殺傷室内に位置付けられる複数の下方殺傷プレートと共に動作可能な高電圧回路であって、前記複数の下方殺傷プレートが、前記床に隣接して相互に実質的に平行の関係にある部分を有する少なくとも2つの逆帯電した下方殺傷プレートを含み、各プレートが、前記外壁のそれぞれに隣接して前記捕獲装置基部内に前記捕獲装置進入口から長手方向に延在する少なくとも一部分を有し、前記逆帯電した下方殺傷プレートの少なくとも前記実質的に平行の部分が、前記プレート間の溝によって互いから離間される、高電圧回路と、第3のトリガ要素であって、前記複数のプレートより上に位置付けられ、齧歯動物が前記トリガ要素に到達し得る前に前記殺傷室に進入しなければならないように、前記進入口ドアから内向きに離間され、前記トリガ要素による前記齧歯動物の検知が、前記プレートを活性化し、前記齧歯動物を殺処理するように前記高電圧殺傷回路をトリガする、第3のトリガ要素とを含む、取り外し可能な電子装置モジュールと、を備え、
前記少なくとも2つの逆帯電した下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離され、
前記電子装置モジュールが、マウス回路およびラット回路の両方に結合されるマイクロプロセッサを含み、前記外部ハウジングが、蓋を有し、前記蓋は、前記蓋が閉じられるまで前記高電圧回路の活性化を防ぐために安全スイッチを備え、前記安全スイッチが、前記マイクロプロセッサへのそれぞれの入力を各々が有する第1および第2の閉係合部を含み、前記第1の閉係合部の活性化が、前記ラット回路を活性化するように前記マイクロプロセッサに指示し、前記第2の閉係合部の活性化が、前記マウス回路を活性化するように前記マイクロプロセッサに指示し、以て、同じ電子装置モジュールが、前記安全スイッチからの入力を通じて前記電気齧歯動物捕獲装置のマウス捕獲装置バージョンおよびラット捕獲装置バージョンの両方を動作するために使用され得る、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項20】
モジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、
外部ハウジングと、
前記外部ハウジング内に受容されるように構成され、殺傷室を画定する取り外し可能なトンネルモジュールであって、前記殺傷室は、前記殺傷室の一端における進入口開口部から延び、前記殺傷室が、前記殺傷室内に位置付けられる複数の下方殺傷プレートおよびトリガ要素を有する、取り外し可能なトンネルモジュールと、
前記外部ハウジング内に受容されるように構成され、前記下方殺傷プレートに電力供給するように動作可能な高電圧回路を含む取り外し可能な電子装置モジュールと、を備え、
前記トンネルモジュールおよび前記電子装置モジュールが各々、前記モジュールが前記外部ハウジング内に位置付けられるとき相互に接合する電気接点を有する対向する壁を有し、その結果、前記高電圧回路が、前記殺傷室の内側の齧歯動物が前記下方殺傷プレートに接触すると同時に前記トリガ要素が前記齧歯動物を検知しているときに、前記下方殺傷プレートを活性化
し、
前記複数の下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離されるモジュラ電気齧歯動物捕獲装置。
【請求項21】
電気齧歯動物捕獲装置を動作させる方法であって、
少なくとも1つの進入口と、前記捕獲装置進入口に対して垂直の、長手方向に延び、鉄道線路のように相互に実質的に平行の関係にある部分を有する少なくとも第1および第2の逆帯電した下方殺傷プレートに、および前記下方殺傷プレートより上の上昇された位置に配置され、前記進入口の内側に位置付けられるトリガ要素に結合される高電圧殺傷回路とを有する捕獲装置本体を提供するステップと、
前記捕獲装置に電力供給することによって前記捕獲装置をアクティブスタンバイモードにするステップと、
前記捕獲装置が、齧歯動物が前記捕獲装置進入口を通って前記捕獲装置に進入し、左足のうちの少なくとも一方で前記第1の下方殺傷プレートに、右足のうちの少なくとも一方で第2の下方殺傷プレートに接触するが、前記トリガ要素が記齧歯動物を検知しないときにはアクティブスタンバイモードに留まるステップと、
前記捕獲装置が、齧歯動物が前記第1および第2の下方殺傷プレートと接触しながら、前記トリガ要素が記齧歯動物を検知しているときにのみ、高電圧パルストレインを前記第1および第2の下方殺傷プレートに送達するために前記高電圧殺傷回路を自動的に活性化するステップと、
前記捕獲装置が、殺傷サイクルを規定する指定の時間期間後に電流フローを終了するステップと、
前記捕獲装置が、前記第1および第2の下方殺傷プレートにわたる継続した抵抗をチェックすることによって殺傷検証を実施するステップと、
抵抗が前記第1および第2の下方殺傷プレートにわたって残っているという検出に応答して、捕獲装置点検が必要とされるという通知を遠隔監視ユニットに送信するステップと、
を含
み、
前記第1および第2の逆帯電した下方殺傷プレートが、高くなったトラック上に置かれて前記捕獲装置本体の床より上に上昇され、前記高くなったトラックが、前記下方殺傷プレートを分離する前記長手方向に延びる間隙を形成する溝によって分離されている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除の分野、より詳細には、改善された齧歯動物相互作用および殺処理を実証する、ならびに改善された報告精度を伴う遠隔監視能力を有する電気齧歯動物捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気齧歯動物捕獲装置は、長年にわたって利用されてきた。これらの捕獲装置は、典型的には、単一の進入口ドアを有し、齧歯動物を検出すること、および齧歯動物を殺処理するために高電圧パルストレインを送達することの両方の役割を果たす2つまたは3つの殺傷プレートを備える。2つまたは3つの殺傷プレートを有する電気齧歯動物捕獲装置は、本出願の譲受人によって所有される米国特許第6,735,899号(「‘899特許」)および同第7,219,466号(「‘466特許」)に説明されるものを含む。‘899特許および‘466特許は、それらの全体が完全に明記されるかのように参照により本明細書内に明示的に組み込まれる。
【0003】
多くの齧歯動物捕獲装置での一つの問題は、齧歯動物が、単一の進入口の捕獲装置およびエサ箱の周辺において注意深い、またはこれを完全に回避する、という立証された挙動を有するということである。この挙動が理由で、齧歯動物捕獲装置への単一の進入口のみを有することは、より低い相互作用、または完全な捕獲装置回避をもたらし得る。
【0004】
既存の電気齧歯動物捕獲装置での別の問題は、プレートが、3つの殺傷プレート構成において、齧歯動物がまずプレート1に、次いでプレート2、次いでプレート3に遭遇するように、直列に配向されることである。プレート1および2は、齧歯動物がプレート3に接触するまでは、高電圧回路によって通電されない。その結果、齧歯動物が完全に捕獲装置に進入しない場合には、捕獲装置はトリガされない場合がある。代替的に、捕獲装置は、捕獲装置内に適切に配向されない齧歯動物によってトリガされ得、高電圧が開始されるときに齧歯動物が後ろに跳び退いて、感電死から逃れる可能性を増大させる。
【0005】
遠隔監視能力を有するこれまでに開発された電気齧歯動物捕獲装置でのさらに別の問題は、水などの環境条件、または昆虫が捕獲装置に進入する際など、非ターゲット種との捕獲装置相互作用に起因する、捕獲装置の誤トリガの傾向である。そのような誤トリガの通知が遠隔報告する捕獲装置によって送信されるとき、実際には齧歯動物によってトリガされたのではない捕獲装置をチェックすることに時間が無駄にされる。遠隔ワイヤレス通知電気齧歯動物捕獲システムおよび方法は、本発明の譲受人によって同じく所有される米国特許第9,743,657号(「‘657特許」)に開示される。‘657特許の完全な開示は、その全体が完全に明記されるかのように参照により本明細書内に明示的に組み込まれる。
【0006】
したがって、齧歯動物によって進入される可能性が高く、かつそのような進入の際に、より良好なプレート配置および関連した捕獲装置構造設計特徴により、効果的に齧歯動物を殺処理する可能性が高い電気齧歯動物捕獲装置の必要性が存在する。環境条件および/または捕獲装置との非齧歯動物相互作用の結果としてユーザに送信される誤った通知の数を低減するように、動作がよりロバストでありかつ誤トリガの影響を受けにくい、遠隔監視能力を有する電気齧歯動物捕獲装置の必要性も存在する。
【発明の概要】
【0007】
先述の観点から、本発明は、電気齧歯動物捕獲装置、および好ましくは、遠隔報告能力を有する電気齧歯動物捕獲装置を対象とする。捕獲装置は、捕獲装置の床に隣接する少なくとも2つの下方プレート、および捕獲装置の床より上に位置付けられ、好ましくは天井に隣接する第3または上方プレートを有する、高電圧殺傷回路を含む。長手方向に延びる2つの下方プレートは、互いと平行に配向され、鉄道線路のように延びるように中央溝によって分離される。上方プレートは、トリガプレートであり、その結果、齧歯動物が、まず捕獲装置に進入し、2つの平行の下方プレートと接触するようになるときは、捕獲装置は活性化しない。しかしながら、齧歯動物が、例えば鼻などで、上方プレートに触れるのに十分に捕獲装置に進入すると、齧歯動物が立っている2つの下方プレートは、高電圧パルストレインを送達して齧歯動物を殺処理するために上方プレートと一緒に通電される。
【0008】
下方プレートの各々は、好ましくは、床と概して平行な第1の平坦部材、および床から離れて上方に突出するように第1の平坦部材に対して概して垂直の第2の平坦部材を有して、横断面が実質的にL字形状である。好ましくは、第1および第2の平坦部材は、互いと一体であり、約90°の角度で屈曲される単一の導電性材料によって形成されている。下方プレートの上方屈曲内縁とも称される第2の平坦部材は、相互に、および中央溝と概して平行に延びる。
【0009】
1つの実施形態によると、中央溝の底が捕獲装置の床に対応する一方で、下方プレートは、床より上に離間されるように高くされる。上方プレートは、好ましくは、捕獲装置の長手方向の長さに対して実質的に直角の高さ制限バリアを作成するために床に向かって下方に突出する中央バッフル上に位置付けられる。
【0010】
捕獲装置は、好ましくは、齧歯動物が一方の進入口から他方まで捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にするトンネルを作成するために、相互に整列される捕獲装置の対向する端に少なくとも2つの進入口開口部を有する。平行プレートが捕獲装置のほぼ長さ全体に延びる一方で、上方プレートは、いずれかの進入口から等しくアクセス可能であるように、捕獲装置トンネルの長手方向の長さに沿っておよそ真ん中に配置される。
【0011】
捕獲装置は、好ましくは、それぞれの進入口開口部に隣接し、かつその内側の、捕獲装置の各端における依存入口バッフル(depending entry baffle)も含む。入口バッフルは、捕獲装置に進入する際に齧歯動物を強制的に下方プレートの上方屈曲内縁と接触状態にさせ、捕獲装置がトリガされるときに齧歯動物の中背部に接触することによって、ショックサイクル中に齧歯動物が後方に跳ぶ能力および/または下方プレートから外れる能力を低減する。
【0012】
好ましい実施形態によると、捕獲装置は、遠隔監視および報告能力を有する。捕獲装置の床より上の下方プレートの上昇された位置は、捕獲装置が、水または結露に起因する誤トリガに対する感受性があまりなく、「ホースによる水かけ」または屋外環境において効果的に動作することを可能にする。加えて、有害生物が下方プレートおよび上方プレートの両方に接触して、捕獲装置を活性化するという要件は、捕獲装置に進入する昆虫による望ましくないトリガに事実上影響されない捕獲装置を提供する。その結果、誤トリガおよび遠隔監視ステーションに送信される誤った通知の関連生成が低減される。
【0013】
本発明に従う捕獲装置は、改善された食餌誘引法をさらに含む。エサカップは、捕獲装置全体にわたってエサの香りを広げるために空気の流れを可能にする、少なくとも1つの、および好ましくは数個の穴、スロット、または他の孔で通気される中央バッフルより上に位置付けられる。この通気されたバッフルは、エサの臭いが齧歯動物を上方トリガプレートに効果的に引きつけて、捕獲装置活性化および殺処理のために齧歯動物を適切に位置付けることを可能にしながらも、シールドとして作用し、齧歯動物がエサを盗むことを防ぐ。
【0014】
特に商業用の有害生物防除システムおよび方法において実装されるような、向上された耐久性および費用効果の高い動作のため、本発明に従う電気齧歯動物捕獲装置は、モジュラ構成を有し得る。好ましい実施形態によると、モジュラ構成は、内部捕獲装置コンポーネントとして、取り外し可能な電子装置モジュールおよび取り外し可能なトンネルアセンブリまたはトンネルモジュールを受容するように構成される基部を有する外部ハウジングを含む。基部は、基部に対して蝶番で動かされ得る蓋によってカバーされ、取り外し可能なトンネルアセンブリ内の進入口開口部と整列するアクセス開口部をさらに含む。モジュラ設計が、外部ハウジングの蓋を開けることによって、これらの内部コンポーネントまたはモジュールが別個に取り外され、交換されることを可能にする一方で、外部ハウジングは、内部捕獲装置コンポーネントを保護し、環境における、または捕獲装置の取り扱いと関連付けられた、おそらくは損傷を与える条件に対して、捕獲装置をより耐性のあるものにする。
【0015】
モジュラ構成において、電子装置モジュールは、トンネルアセンブリの殺傷室内に位置付けられる殺傷プレートを活性化するために使用される電源(バッテリ)および高電圧回路を含む防水性または耐水性の電子装置モジュールハウジングを含む。電子装置モジュールハウジングの外壁およびトンネルモジュールの外壁は各々、捕獲装置が完全に組み立てられたときに電子装置モジュール内の電源および高電圧回路をトンネルモジュール内の殺傷プレートと接続するように相互作用する接合電気接点を備える。
【0016】
トンネルアセンブリは、対向する進入口開口部の間に延びる床および2つの側壁を有するトンネル基部、ならびにトンネル基部と一緒に殺傷室を画定する取り外し可能なカバーパネルを含む。下方プレートは、トンネル基部の床に隣接して位置付けられ、好ましくは、すでに説明されるように、床より上の上昇されたトラックの上にある。入口バッフル、および第3のプレートを有する中央バッフルは、パネルがトンネル基部に固定されるとき、殺傷室内へと下方に延びるようにカバーパネルの内側または下側から突出する。カバーパネルの外側または上側は、エサカップを受容するための中央バッフル内への開口部を含む。
【0017】
組み立てられると、電子装置モジュールおよびトンネルモジュールは、トンネル基部の外壁上の電気接点がトンネルモジュール内の殺傷プレートを電子装置モジュールハウジング上の接点に結合している状態で、互いに隣接して嵌め合わされ、かつ外部ハウジング内に封入される。外部ハウジングの蓋が閉じているとき、齧歯動物は、整列された外部ハウジングアクセス開口部およびトンネルモジュール進入口開口部を通じて殺傷室に進入し得、この間、電子装置モジュールハウジングは、高電圧回路コンポーネントを齧歯動物との接触から安全に離隔した状態に保つ。
【0018】
したがって、本発明の目的は、互いと実質的に平行に離間した関係で配置され、進入口開口部(複数可)に対して概して垂直の鉄道線路のように、捕獲装置を通って長手方向に延びる少なくとも2つの下方プレートを含む複数の殺傷プレートを含む高電圧殺傷回路と、第3のトリガプレートであって、齧歯動物が進入する際、齧歯動物が、左足で捕獲装置の左側の第1の下方プレートに、および右足で捕獲装置の右側の第2の下方プレートに接触し、この間、捕獲装置は非アクティブのままであり、次いで、齧歯動物が、下方プレートの上に立つと同時に第3のトリガプレートに接触すると、第3のプレートが殺傷回路の活性化をトリガするように、下方プレートより上に離間される上昇された位置にある第3のトリガプレートと、を有する電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、下方プレートが、床と概して平行の第1の平坦部材および第1の平坦部材に対して概して垂直の第2の平坦部材を有して、横断面が概してL字形状であり、第2の平坦部材が上方屈曲内縁として突出するように、好ましくは、プレートを約90°屈曲させることによって形成され、下方プレートの屈曲形状が、特に捕獲装置がトリガされるときに、下方プレートとの齧歯動物の接触を増大させる、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置が、好ましくは捕獲装置の対向する端にあり、齧歯動物が一方の進入口から他方まで捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にして、捕獲装置との相互作用、およびそこへの入来を増加させるトンネルを作成するために相互に整列される、少なくとも2つの進入口を含む、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、上方プレートは、捕獲装置の天井に隣接して位置付けられ、下方プレートは、捕獲装置が、下方プレートに接触する水または水分に起因する誤トリガに対する感受性があまりなく、「ホースによる水かけ」または屋外環境において効果的に動作することを可能にするために、捕獲装置の床よりも上に高くされ、以て、遠隔監視ステーションへ送信される誤った通知の生成を回避する、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0022】
さらに本発明のさらなる目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、昆虫進入に応答した誤トリガ、および昆虫によって引き起こされる遠隔監視ステーションに送信される誤った通知の関連生成もまた、上方および下方プレートの両方が接触されて初めて捕獲装置が活性化するという要件に起因して低減される、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0023】
本発明の依然としてさらなる目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置が、各捕獲装置進入口に隣接しかつその内側に位置付けられる入口バッフルを含み、入口バッフルが、齧歯動物を強制的に下方プレート、特に下方プレートの上方屈曲内縁と接触させ、また齧歯動物が捕獲装置をトリガするときに齧歯動物の中背部に接触するように位置付けられて、齧歯動物を適所に保持し、ショックサイクル中に齧歯動物が後方に跳ぶことを防ぐ役割を果たす、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置が、各端に進入口を有するトンネル形状にされ、上方プレートが、捕獲装置の長手方向の長さに対して実質的に直角の、およびこれに沿っておよそ真ん中の、高さ制限されたバリアを作成するために、床に向かって下方に延びる中央バッフル上に位置付けられる、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、エサカップが、中央バッフルより上に位置付けられ、中央バッフルが、エサを齧歯動物によって盗まれないように保護するが、エサの香りが捕獲装置全体にわたって広がって、齧歯動物を捕獲装置の中心に向かって引き付けることを可能にするように通気される、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、遠隔報告および/または監視能力ありまたはなしの電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置床近くに互いと実質的に平行に配置される一対の逆帯電した殺傷プレートであって、一対のプレートが、捕獲装置進入口開口部に対して概して垂直の、捕獲装置の長手方向の長さに沿って少なくとも部分的に延び、長手方向に延びる間隙または溝によって互いから離間される、一対の逆帯電した殺傷プレートと、捕獲装置の床より上の上昇された位置にある、トリガまたはセンシング要素、好ましくは、第3の帯電したプレートであって、トリガまたはセンシング要素との齧歯動物の接触が、高電圧回路をトリガし、齧歯動物を殺処理するためにプレートを活性化する、トリガまたはセンシング要素との組み合わせを含む、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、先行する目的に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置が、齧歯動物が一方の端から他方の端まで捕獲装置を見通すことを可能にするために相互に整列状態にある2つの対向する進入口を伴うトンネル形状を有する、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、先行する2つの目的のうちのいずれかまたは両方に従う電気齧歯動物捕獲装置であって、下方プレートが、下方プレートを床より上に離間する高くなったトラック上に支持され、下方プレートを分離する間隙または溝の底が捕獲装置の床に対応する、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0029】
本発明の依然として別の目的は、先行する3つの目的のうちのいずれかまたはすべてに従う電気齧歯動物捕獲装置であって、下方プレートが、高くなったトラック上で平らである平坦部分、および上向きの屈曲内縁部を有して約90°で屈曲され、下方プレートの屈曲形状が、プレートと齧歯動物との接触を増大させる、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0030】
本発明のさらなる目的は、先行する4つの目的のうちのいずれかまたはすべてに従う電気齧歯動物捕獲装置であって、各進入口が、関連付けられた入口バッフルを有し、入口バッフルが、齧歯動物を強制的に下方プレート、特にその上方屈曲内縁部分と接触させ、齧歯動物が捕獲装置をトリガするときに齧歯動物の中背部に接触するように位置付けられる、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0031】
本発明の依然としてさらなる目的は、先行する5つの目的のうちのいずれかまたはすべてに従う電気齧歯動物捕獲装置であって、上方プレートが、捕獲装置天井から下方に延びる中央バッフルの部分であり、捕獲装置が、中央バッフルの後ろに位置付けられるエサカップを含み、中央バッフルが、エサを齧歯動物によって盗まれないように保護するが、エサの香りが捕獲装置全体にわたって広がって、齧歯動物を捕獲装置の中心に向かって引き付け、上方プレートと接触することを可能にするように通気される、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0032】
さらに本発明のさらなる目的は、幅よりも大きい長手方向の長さを有し、捕獲装置進入口から反対端まで延びる捕獲装置本体と、捕獲装置本体内で動作可能な高電圧殺傷回路であって、殺傷回路が、互いと実質的に平行の関係にある一対の逆帯電した殺傷プレートを含み、各プレートが、側壁のそれぞれに隣接して捕獲装置本体内に長手方向に延在し、一対の殺傷プレートが、プレート間の長手方向に延びる間隙によって互いから離間される、高電圧殺傷回路と、第3のプレートであって、一対のプレートより上に位置付けられ、齧歯動物が、第3のプレートに到達し得る前に捕獲装置に進入しなければならないように、進入口ドアから内側に離間され、齧歯動物による第3のプレートとの接触が、3つすべてのプレートを活性化し、齧歯動物を殺処理するように高電圧殺傷回路をトリガする、第3のプレートと、を含む電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0033】
本発明の依然としてさらなる目的は、殺傷室を画定するために少なくとも1つの捕獲装置進入口および捕獲装置進入口から長手方向に延びる床を含む捕獲装置本体と、長手方向に延びる床に沿って相互に実質的に平行の関係で延びる一対の逆帯電した殺傷プレートを含む、捕獲装置本体内で動作可能な高電圧殺傷回路であって、一対の殺傷プレートが、プレート間の長手方向に延びる間隙によって互いから離間される、高電圧殺傷回路と、殺傷プレートにわたって位置付けられる齧歯動物の存在を検知するため、および一対の殺傷プレートを活性化し、齧歯動物を殺処理するように高電圧殺傷回路をトリガするためのトリガセンサと、を含む電気ネズミ捕獲装置を提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、先行する目的のうちのいずれかまたはすべてに従う遠隔報告能力を有する電気齧歯動物捕獲装置であって、モジュラ設計であり得、電子装置モジュールおよびトンネルアセンブリ、またはトンネルモジュールを含む取り外し可能な内部捕獲装置コンポーネントを受容するように構成される外部ハウジングを含み、外部ハウジングが、内部捕獲装置コンポーネントを保護すると同時に、そのような内部コンポーネントまたはモジュールが別個に交換されることを可能にする、電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0035】
本発明のさらに別の目的は、先行する目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、電子装置モジュールが、トンネルアセンブリの殺傷室内に位置付けられる複数の殺傷プレートに電力供給するために使用される電源(バッテリ)および高電圧回路を含む防水性の電子装置ハウジングを含み、電子装置モジュールハウジングの外壁およびトンネルモジュールの外壁が、捕獲装置が完全に組み立てられたとき、電子装置モジュール内の電源および高電圧回路をトンネルモジュール内の殺傷プレートと接続するように相互作用する接合電気接点を備える、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0036】
本発明の依然として別の目的は、先行する目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、取り外し可能なトンネルモジュールが、2つの対向する進入口開口部の間に延びる床および2つの側壁を有するトンネル基部と、殺傷室を画定するためにトンネル基部をカバーする取り外し可能なカバーパネルとを含み、一対の下方プレートが、トンネル基部の床に隣接して位置付けられ、入口バッフル、および上に第3のプレートを有する中央バッフルは、パネルがトンネル基部に固定されるときに殺傷室内へ下方に延びるように、カバーパネルの内側または下側から突出し、カバーパネルの外側または上側が、エサカップを受容するための中央バッフル内への開口部を含む、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、取り外し可能な電子装置モジュールおよび取り外し可能な殺傷室モジュールを受容するように構成される基部を伴う外部ハウジングを有するモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、殺傷室モジュールが、複数の殺傷プレートを含み、かつ少なくとも1つの進入口開口部を有し、外部ハウジング基部が、捕獲装置が組み立てられたとき殺傷室モジュール進入口開口部と整列状態にあるアクセス開口部を有し、電子装置モジュールが、殺傷室モジュール内に位置付けられる複数の殺傷プレートを通電するために使用される電源および高電圧回路を含む防水性または耐水性の電子装置ハウジングを含み、電子装置モジュールハウジングの外壁および殺傷室モジュールの外壁が、モジュールが外部ハウジング内に互いに隣接して装着されたときに電子装置モジュール内の高電圧回路を殺傷室モジュール内の殺傷プレートと接続するように相互作用する接合電気接点を備え、外部ハウジングは、殺傷室内へのアクセスが、ハウジングアクセス開口部と整列される進入口開口部を通じてのみ獲得され得るように、基部の上に嵌め合わされる蓋を有する、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0038】
本発明の依然として別の目的は、先行する目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、複数の殺傷プレートが、殺傷室モジュールの床に隣接して位置付けられる少なくとも2つの逆帯電した下方プレートを含み、殺傷室モジュールがまた、床より上に離間される上昇された位置にトリガ要素を含み、高電圧回路の活性化は、齧歯動物が、下方プレート上に立つと同時に、鼻などでトリガ要素に接触するときにトリガされる、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0039】
本発明のさらに別の目的は、先行する2つの目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、2つの下方プレートが、互いと実質的に平行に配向され、齧歯動物が左足で一方のプレートに、および右足で他方の実質的に平行のプレートに接触するように、進入口開口部に対して垂直に配向される鉄道線路のように長手方向に延びる少なくとも部分を有し、下方プレートの長手方向に延びる部分が、長手方向に延びる溝によって互いから分離される、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0040】
本発明の依然として別の目的は、先行する3つの目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、トリガ要素が、下方プレートより上に離間したままでありながら、殺傷室内へ下方に突出する第3の帯電したプレートである、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0041】
本発明のさらに別の目的は、先行する4つの目的に従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、殺傷室モジュールが、捕獲装置の対向する端に2つの進入口を有し、該2つの進入口は、齧歯動物が一方の進入口から他方まで長手方向に捕獲装置を見通すことを可能にするトンネルを作成するために相互に整列され、外部ハウジング基部が、その対向する側に、対応するアクセス開口部を有し、第3の帯電したプレートが、トンネル捕獲装置の長手方向の長さに沿っておよそ真ん中に位置付けられる中央バッフルと関連付けられる、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0042】
本発明のさらなる目的は、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。モジュラ電気齧歯動物捕獲装置は、外部ハウジングと、外部ハウジング内に受容されるように構成され、殺傷室を画定する取り外し可能なトンネルモジュールと、外部ハウジング内に受容されるように構成され、殺傷プレートに電力供給するように動作可能な高電圧回路を含む取り外し可能な電子装置モジュールとを有し、該殺傷室は、殺傷室の一端における進入口開口部から延び、殺傷室が、その中に位置付けられる少なくとも2つの殺傷プレートおよびトリガ要素を有する。トンネルモジュールおよび電子装置モジュールは各々、殺傷室の内側の齧歯動物が、殺傷プレートおよびトリガ要素に同時に接触するときに、高電圧回路が殺傷プレートを活性化するように、モジュールが外部ハウジング内に位置付けられるときに互いと接合する電気接点を有する対向する側壁を有する。
【0043】
本発明の依然としてさらなる目的は、先行する目的のうちのいずれかに従うモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、マウス回路およびラット回路の両方に結合されるマイクロプロセッサを有する電子装置モジュールを有し、外部ハウジングが、蓋を有し、蓋は、蓋が閉じられるまで高電圧回路の活性化を防ぐために安全スイッチを備え、安全スイッチが、マイクロプロセッサへのそれぞれの入力を各々が有する第1および第2の閉係合部を含み、第1の閉係合部の活性化が、ラット回路を活性化するようにマイクロプロセッサに指示し、第2の閉係合部の活性化が、マウス回路を活性化するようにマイクロプロセッサに指示し、以て、同じ電子装置モジュールが、安全スイッチからの入力を通じて電気齧歯動物捕獲装置のマウス捕獲装置バージョンおよびラット捕獲装置バージョンの両方を動作するために使用され得る、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0044】
さらに本発明のさらなる目的は、先行する目的に従う遠隔通知能力を有するモジュラ電気齧歯動物捕獲装置であって、浸水の可能性がある倉庫または他の疑似屋外環境においてロバストであり、捕獲装置が、齧歯動物殺処理および正確な殺傷通知の両方において改善された機能性を提供し、モジュラ設計が、捕獲装置を動作中により耐久性があり費用効果の高いものにする、モジュラ電気齧歯動物捕獲装置を提供することである。
【0045】
後に明白になる他の目的及び利点と一緒にこれらは、以後より詳細に説明され特許請求される構造および動作の詳細の中に存在し、本明細書の一部を形成する添付の図面に対して参照がなされ、全体を通して同じ番号は同じ部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】捕獲装置内部を露出するために一方の側面の部分が取り除かれた状態で示される、本発明の第1の実施形態に従う電気齧歯動物捕獲装置の斜視図である。
【
図2】一方の側面全体および蓋が取り除かれている、
図1に示される捕獲装置の別の斜視図である。
【
図3】上方屈曲内縁を有する下方プレートおよび入口バッフルを示す、
図1に示される捕獲装置の部分端面斜視図である。
【
図4】上方屈曲内縁を有する下方プレートおよび入口バッフルを同様に示す、
図1に示される捕獲装置の端面図である。
【
図5】下方殺傷プレートおよび中央溝を示す、
図4の線A-Aに沿って取られた上面図である。
【
図6】V字形状の中央バッフルの中空内部内に位置付けられるエサカップを示す、
図1に示される捕獲装置の側面切断斜視図である。
【
図7】通気された中央バッフルおよび上方に屈曲した下方プレートを示す、
図2の線A-Aに沿って取られた断面図である。
【
図8】
図6に示される捕獲装置に従う、中央バッフルの内側のエサカップを示すために蓋が取り除かれた状態の捕獲装置の中央の部分上方斜視図である。
【
図9】本発明の好ましい実施形態に従う、外部ハウジング、電子装置モジュール、およびトンネルモジュールを有するモジュラ電気齧歯動物捕獲装置の斜視図である。
【
図10】外部ハウジングの蓋が閉まった状態の、
図9に示されるモジュラ捕獲装置の斜視図である。
【
図11】蓋が開いた状態の、
図9に示される捕獲装置の外部ハウジングの分離された斜視図である。
【
図12】電源オンボタン、ワイヤレス接続インジケータ、およびLEDパワーインジケータを示す、
図9に示される捕獲装置の電子装置モジュールの分離された斜視図である。
【
図13】電子装置モジュールハウジングの内側壁上の電気接点を示す、
図12に示される電子装置モジュールの別の斜視図である。
【
図14】
図13に示される電子装置モジュール上の電気接点と接合する電気接点を示す、
図9に示される捕獲装置のトンネルモジュールの分離した斜視図である。
【
図15B】
図15Aに示されるトンネルモジュールのトンネル基部の中に入れ子にされるプロセスにある、トンネルモジュールのカバープレートを示す図である。
【
図17】電子装置モジュールに面する側壁が取り除かれた状態の、
図14に示されるトンネルモジュールの上方斜視図である。
【
図18】
図17に示されるトンネルモジュールの下方殺傷プレートの上面図である。
【
図19】
図14に示されるトンネルモジュールの斜視端面図である。
【
図20】
図19に示されるトンネルモジュールの端面図である。
【
図21A】
図14に示されるトンネルモジュールと共に使用されるエサカップの斜視図である。
【
図21B】中にエサを置くために開かれている、
図21Aに示されるエサカップの上方斜視図である。
【
図21C】
図14に示されるトンネルアセンブリのカバーパネル内の開口部に装着されたエサカップの上面図である。
【
図22A】
図9に示されるモジュラ電気齧歯動物捕獲装置のトンネルアセンブリおよび電子装置モジュールをどのように取り外すかを3段階で示す上方斜視図である。
【
図22B】
図9に示されるモジュラ電気齧歯動物捕獲装置のトンネルアセンブリおよび電子装置モジュールをどのように取り外すかを3段階で示す上方斜視図である。
【
図22C】
図9に示されるモジュラ電気齧歯動物捕獲装置のトンネルアセンブリおよび電子装置モジュールをどのように取り外すかを3段階で示す上方斜視図である。
【
図23】スイッチ接触係合に応じてマウス捕獲装置としてまたはラット捕獲装置としての動作のために電子装置モジュールを構成するように作用する外部ハウジング蓋のための安全スイッチを含むモジュラ電気齧歯動物捕獲装置のブロック図である。
【
図24】本発明に従う本明細書内に開示される種類の電気齧歯動物捕獲装置を動作させるおよび監視する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書内に説明される実施形態は、単に例証として開示されるということを理解されたい。以下の説明に明記され又は図面に例証されたコンポーネントの構造および配置の詳細に、本発明の範囲を限定することは意図していない。また、好ましい実施形態を説明することにおいて、特定の用語は、明瞭性の目的のために行使されるものとする。各々の特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の様式で動作するすべての技術的等価物を含むということを理解されたい。
【0048】
さらに、本発明に従う電気齧歯動物捕獲装置は、齧歯動物のサイズおよび頑強性の違いに必要とされるように、当業者によって理解されるような定寸、寸法、出力、および同様のものにおける適切な調節を伴って、マウス捕獲装置として、またはラット捕獲装置として構成され得る。したがって、捕獲装置の1つのみのバージョンまたは構成に係る特定の説明がない場合、以下の説明は、本明細書内に説明される実施形態の各々のマウス捕獲装置バージョンおよびラット捕獲装置バージョンの両方を網羅することが意図される。
【0049】
図1に示されるように、本発明は、参照番号10で全体的に表される電気齧歯動物捕獲装置を対象とする。捕獲装置10は、参照番号20によって全体的に表される捕獲装置本体を画定する2つの側壁12、14、床16、および天井18(
図2を参照)を含む。
図1では、側壁12の部分は、捕獲装置の内部を示すために切断されている。使用中、捕獲装置本体の天井は、捕獲装置が、
図9~
図23と関連して本明細書内で後に説明されるように、外部ハウジングを有するモジュラ構造で構成されるときなど、好ましくは、取り外し可能な蓋22によってカバーされる。
【0050】
図1~
図8に示される実施形態において、捕獲装置本体は、その対向する端に、参照番号24で全体的に表される第1の進入口、および参照番号26で全体的に表される第2の進入口を伴って、長手方向に延びる。進入口24、26は、好ましくは、齧歯動物が一方の進入口から他方まで捕獲装置を長手方向に見通すことを可能にするトンネルを作成するために、互いと整列される。この可視性が、捕獲装置との齧歯動物相互作用およびそこへの入来を助長する。しかしながら、本発明に従う捕獲装置は、本明細書内に説明されることになる殺傷プレート構成および他の特徴が、単一の進入口のみを有する捕獲装置においても使用され得ることから、トンネル形状の捕獲装置、あるいは2つ以上の進入口を有する捕獲装置に限定されることは意図されない。そのため、より一般的には、本発明は、2つの側壁、蓋または天井、および少なくとも1つの捕獲装置進入口を伴う床を有する捕獲装置本体またはハウジングを含む電気齧歯動物捕獲装置であって、捕獲装置本体の長手方向の長さが、その幅よりも大きく、捕獲装置進入口から反対端まで延び、反対端が、好ましくは第2の進入口を有する、電気齧歯動物捕獲装置を含む。
【0051】
概して垂直の入口バッフル28は、各捕獲装置進入口に隣接して、かつその内側に、位置付けられる。各入口バッフル28は、天井18から床16に向かって下方に延び、好ましくは、アーチ形状の下縁30を形成する概して半円形の切り抜きを有する。しかしながら、この特定の形状は、必須ではない。入口バッフル28は、捕獲装置を最も効果的にし、さらには、以後さらに論じられるように捕獲装置がトリガされると齧歯動物の動きの範囲を制限するために、齧歯動物を正しく位置付ける助けをする役割を果たす。
【0052】
さらに、天井18から下方に延びるのは、中央バッフル32であり、これは、捕獲装置本体20の部分図が蓋22および側壁12が取り除かれた状態で提供される
図2においてより良く見える。中央バッフル32は、捕獲装置の長手方向の長さに対して実質的に直角の、およびこれに沿っておよそ真ん中の、高さ制限されたバリアを作成するために、床に向かって下方に延びる。示される実施形態における中央バッフル32は、概して矩形の上方開口部34から、角度の付いたまたは尖った下縁36を有するV字形状の本体35へと先細りになる。この形状は、本発明の意図される範囲から逸脱することなく変化され得る。しかしながら、上方開口部34は、エサカップ40を保持するバッフル32(
図6および
図8を参照)内の、参照番号38で全体的に表される中空内部へのアクセスを提供する。蓋22を取り外すことにより、ユーザは、上方開口部34を通じてエサカップ40内にエサを置くことができる。カップ内に入り、蓋が元に戻されると、このエサを、齧歯動物が盗むことはできないが、エサの臭いは、それにもかかわらず、中央バッフル32内の通気開口部42(
図7を参照)を通じて捕獲装置全体にわたって広がることが可能である。捕獲装置の中央というエサの場所がまた、捕獲装置活性化の前に齧歯動物を適切に配置することを助け、捕獲装置の上部を通じてエサカップへのアクセスを提供することにより、ユーザが様々な異なる種類のエサを導入すること、および/または洗浄のためにエサカップを取り外すことを容易にする。
【0053】
図3~
図5に最も良く見られるように、床は、各側壁12、14に沿って長手方向に延びる2つの上昇されたトラック44を有する。トラックの各々の幅は、約0.1インチ~約3.0インチ、好ましくは、マウスの場合は約0.75インチおよびラットの場合は約0.875インチである。トラック44は、2つの進入口の間に捕獲装置本体の長さの少なくとも一部に亘る溝46によって分離される。溝46の幅は、最大約1.5インチであり得、好ましくは、ラットの場合は0.1インチ~約1.5インチ、マウスの場合は最大約0.75インチであり、より好ましくは、捕獲装置が対象とする齧歯動物(ラットまたはマウス)の平均サイズのための快適な空間を提供するために、ラットの場合は約0.5インチおよびマウスの場合は約0.375インチである。床より上の上昇されたトラック44の高さは、最大約1.5インチであり得、好ましくは約0.5インチである。トラックは、好ましくは、中央溝46の側面に沿って伸び、かつこれを画定する、さらに高くなった内縁48を含む。縁48は、トラック44と一体であり得るか、または別個の壁要素によって形成され得る。
【0054】
捕獲装置は、互いと実質的に平行に配置され、上昇されたトラック44の上に捕獲装置を通って長手方向に延びる、参照番号50、52で全体的に表される少なくとも2つの逆帯電した下方プレートを含む少なくとも3つの殺傷プレートを含む。示されるように、平行プレート50、52は、進入口開口部24、26に対して概して垂直である。トラックおよびその上のプレートは、捕獲装置本体内で長手方向に、かつ側壁のそれぞれに隣接して延び、2つの下方プレートの幅は、それらが装着されるトラックの幅とほぼ同じである。
【0055】
2つの逆帯電したプレート50、52の平行配置は、齧歯動物が捕獲装置に進入すると即時に両方のプレートに接触することを確実にする。
図3に示される進入口24を参照すると、捕獲装置への進入時、齧歯動物は、右前足で右下方プレート50に、および左前足で左下方プレート52に接触し、齧歯動物は、捕獲装置を通って移動する際、後足でのその後の接触を含め、両方のプレートと接触したままである。しかしながら、以後説明されるように、プレートのすべてを通電する上昇された第3のプレートとの接触があるまでは、捕獲装置はトリガされない。
【0056】
下方プレート50、52は、断面が概してL字形状であり、各々が、床中央溝46と概して平行の第1の平坦部材54、および第1の平坦部材54に対して概して垂直の第2の平坦部材56を有する(
図4および
図7を参照)。2つの平坦部材54、56は、好ましくは、第2の平坦部材56が、プレートが支持される上昇されたトラックのそれぞれの高くなった内縁48に隣接し、かつそれと概して平行に位置付けられる屈曲内縁として上方に突出するように、各プレート50、52を約90°屈曲することによって形成される。示されるように、第2の平坦部材56の上縁58は、最大約0.75インチおよび好ましくは約0.25インチの高さを有して、高くなった内縁48の上縁を越えて上方に延びる。下方プレート50、52の屈曲形状は、齧歯動物の足が第1の平坦部材54上にあると同時に、第2の平坦部材56が、特に齧歯動物が入口バッフルの下に無理に入る場合、齧歯動物の毛を通じて齧歯動物の胸部および/または腹部近くにおける齧歯動物との追加の接触を提供するため、下方プレートとの齧歯動物の接触を増大させる。これは、捕獲装置活性化の間、屈曲形状が齧歯動物とのより良い接触を提供すること、ならびにまた、より素早い殺処理のため、およびさらに、捕獲装置活性化後の殺傷検証のために、ショックを齧歯動物の胸部/胴体にわたるようにさらに近づけることの両方から有利である。
【0057】
捕獲装置活性化後の殺傷検証に関して、好ましい構成に従う本発明の捕獲装置は、遠隔監視能力を有し、殺傷サイクル後にユーザに殺傷通知を送信する前に、齧歯動物の継続した存在を検証するように構成される。このプロセスは、本明細書内に参照により以前に組み込まれている、‘466特許に説明されるものと同じである。しかしながら、乏しい接触を引き起こすプレート上の埃および屑に起因して抵抗センシング応力が劣化され得る‘466特許内の平らなプレートとは異なり、屈曲した下方プレート50、52の上向きの第2の部材56は、捕獲装置が、齧歯動物の毛を通じて齧歯動物の皮膚まで通過される抵抗を検出することを可能にする。これは、殺傷検証、および遠隔監視の正確性を改善する。
【0058】
捕獲装置は、別個であり得るか、または中央バッフル32内に構築され得る第3または上方プレート33をさらに含む。バッフル32の上方プレート33は、下方プレート上に立っている齧歯動物を殺処理するように捕獲装置の高電圧回路を活性化するトリガプレートである。したがって、齧歯動物が捕獲装置に進入し、両方の下方プレート50、52に接触するとき、捕獲装置は非アクティブのままである。しかしながら、齧歯動物が、エサの方へ引き付けられ、鼻などでバッフル32上の上方プレート33に触れると、捕獲装置は、トリガされ、‘466特許の3つの殺傷プレート構成に説明されるような同様の様式で2つの下方プレートと一緒に上方プレートを活性化する。齧歯動物は、殺傷サイクルの間は第3のプレートとの接触を失う可能性が高いが、バッフル32が、そのようなサイクルの全持続時間にわたって齧歯動物を捕獲装置内に留めることを助ける。
【0059】
捕獲装置の中央に上方プレート33を配置することは、齧歯動物が、捕獲装置内へ十分に奥まで入り、捕獲装置がトリガされる前に高くなったトラック44上の下方プレート50、52と適切な接触を有することを確実にする。一旦トリガされると、入口バッフル28(齧歯動物の後ろにある方)は、齧歯動物の中背部に当たって、齧歯動物の位置付けおよびプレートとの接触をさらに向上させ、これが、齧歯動物が捕獲装置の外に後方に跳ぶことを防ぐことと、齧歯動物を強制的に、毛を通じて下方プレートの屈曲部材56と、ならびに齧歯動物が立っている平坦部材54と接触させることとの両方になる。ラットの場合、バッフルの下縁30とプレート50、52との間の距離は、約0.75インチ~約3.0インチである。この範囲内で、バッフルの下縁30から第1の平坦部材54までの距離は、好ましくは約1.4インチであり、第2の平坦部材56の上縁までは、約1.2インチである。マウスの場合、バッフルの下縁30とプレート50、52との間の距離は、約0.25インチ~約1.5インチである。この範囲内で、バッフルの下縁30から第1の平坦部材54までの距離は、好ましくは約0.7インチであり、第2の平坦部材56の上縁までは、約0.6インチである。
【0060】
捕獲装置がトリガされる前に齧歯動物が捕獲装置内に十分に入ることを確実にすることに加えて、捕獲装置の天井に隣接したプレート33などの上昇された第3のプレートの使用、および捕獲装置がトリガされる前に上方プレートが下方プレートと一緒に接触されるという要件は、捕獲装置動作に2つの重要な便益を提供する。
【0061】
第一に、上方プレートと下方プレートとの間の分離は、捕獲装置が昆虫によって活性化されないことを事実上確実にする。そのような誤トリガを低減または除去することにより、捕獲装置によって遠隔監視ステーションに送信される誤った通知の数も低減され、さもなければ空の捕獲装置をチェックすることに費やされる時間および労力を節約する。
【0062】
第二に、および高くなったトラック上に下方プレートを配置することと併せて、本発明に従う捕獲装置は、水によってトリガされることに対して耐性がある。その結果、捕獲装置は、下方プレートに接触する水に起因する誤トリガに対する感受性があまりなく、「ホースによる水かけ」または屋外環境において効果的に使用され得、以て、遠隔監視ステーションに送信される誤った通知の生成をさらに回避する。中央バッフルの中かつ蓋の下にエサを配置することはまた、ユーザが捕獲装置周辺の領域にホースによる水かけを行う事象において、エサを水から保護する。
【0063】
万が一捕獲装置が、正の(positive)下方プレートからはね返って上方プレートに当たる水によってなど、ホースによる水かけの状況においてトリガされた場合、捕獲装置は、殺傷サイクルを完了し得る。しかしながら、高くなったプレート間の間隙は、殺傷を確認するために必要とされる抵抗が存在しないように、水が下方プレートにわたって架橋することを防ぐ。その結果、捕獲装置の誤トリガが、確認された殺傷通知の送信をもたらす可能性は低い。
【0064】
万が一増水状況が発生し、その結果として、室内の水レベルが上方プレートに接触するところまで上昇する場合、同じレベルにあるユーザの捕獲装置のすべてがほぼ同時にトリガされる。そのような事象において、有害生物防除器は、齧歯動物防除以外の別の問題に見舞われていることをユーザに警告することができる。
【0065】
したがって、上方トリガプレートと共に、高くなった平行プレートは、捕獲装置を誤トリガおよび不正確な殺傷通知の送信の影響を受けにくくする役割を果たす。捕獲装置がトリガされるときに齧歯動物を強制的に少なくとも1つの足が両方のプレート上にあるようにさせることによって、および、齧歯動物が捕獲装置内に十分に入って上方プレートに接触するまでトリガを遅らせることによって、殺傷の成功の可能性が向上される。
【0066】
図9~
図23に示されるような本発明の好ましい実施形態によると、電気齧歯動物捕獲装置は、特に商業用の有害生物防除システムおよび方法内に実装されるときに向上された耐久性および費用効果の高い動作を提供する、モジュラ設計である。
【0067】
より詳細には、
図9は、参照番号104で全体的に表される電子装置モジュールおよび参照番号106で全体的に表されるトンネルアセンブリまたはトンネルモジュールを含む取り外し可能かつ交換可能な内部コンポーネントを伴う、参照番号102で全体的に表される外部ハウジングを含む、参照番号100で全体的に表されるモジュラ電気齧歯動物捕獲装置を示す。外部ハウジング102は、電子装置モジュール104およびトンネルモジュール106が互いに隣接して密接に嵌め合わされる基部108と、
図10に示されるように、捕獲装置が使用中のときは、閉じられ、基部に固定される蓋110とを含む。蓋110は、基部に対して蝶番で動かされ得るか、または基部108から完全に分離可能であり得る。示される実施形態において、外部ハウジング基部108は、示されるようにトンネルモジュール106内の2つの進入口開口部114と整列する2つのアクセス開口部112を有する。基部108はまた、外部ハウジング内での内部コンポーネントモジュールの滑動または移動を防ぐようにそれらを位置付け、固定することを助けるために内側リブまたは整列構造体(図示されない)を含み得る。
【0068】
モジュラ設計が、外部ハウジングの蓋を開けることによって、これらの内部コンポーネントまたはモジュールが別個に取り外され、交換されることを可能にする一方で、外部ハウジング102は、内部捕獲装置コンポーネント、すなわち、電子装置モジュール104およびトンネルモジュール106を保護し、環境における、または捕獲装置の取り扱いと関連付けられた、おそらくは損傷を与える条件に対して、捕獲装置をより耐性のあるものにする。外部ハウジング102の蓋110はまた、好ましくは、蓋が開いているときに捕獲装置が活性化されることを防ぐ安全スイッチ(図示されない)を備える。
【0069】
図12および
図13に示されるように、取り外し可能な電子装置モジュール104は、トンネルモジュール106内に位置付けられる殺傷プレートに電力供給するために使用される高電圧回路を含む防水性の電子装置ハウジング120を含む。電子装置ハウジングの外壁122は、トンネルモジュール106上の対応する接点126(
図14を参照)との積極的な係合がもたらされる電気接点124を備える。トンネルモジュール106上の接点126は、捕獲装置が完全に組み立てられたときに殺傷室の内側の殺傷プレートに結合される。電子装置ハウジング120の外壁122はまた、ハウジング120をトンネルモジュールに固定し、捕獲装置が使用中のときに接点124、126を堅固な接続状態に保つためにトンネルモジュールの外壁上の突出溝130と整列し、かつそこに滑り入るフランジ128を備える(内部コンポーネント取り外しシーケンスについては
図22A~
図22Cを参照)。電子装置ハウジング120の外壁122は、好ましくは、電源オンボタン117、LEDパワーインジケータ111、および捕獲装置ワイヤレス接続インジケータ119を含む。
【0070】
組み立てられた際のトンネルモジュール106は、
図14に示され、参照番号136で全体的に表されるトンネル基部、および参照番号138で全体的に表される取り外し可能なカバーパネルを含む。
図15Aは、トンネル基部136およびカバーパネル138の分解図である一方、
図15Bは、カバーパネルが適所に置かれているところを示す。トンネル基部136およびカバーパネル138は一緒に、参照番号137で全体的に表される殺傷室を画定するトンネルモジュールを形成する(
図16を参照)。
【0071】
トンネル基部136は、対向する進入口開口部114の間に延びる床140および2つの側壁141、142を含む。代替的に、カバーパネルは、基部の床の上に嵌合するように2つの側壁を伴って構築され得る。示されるように、接点126は、側壁141上にある。下方プレート150、152は、トンネル基部の床140に隣接して位置付けられ、好ましくは、すでに説明されるように、床より上の上昇されたトラック144の上にある。入口バッフル228、および第3のプレート133(
図16を参照)を有する中央バッフル232は、カバーパネル138がトンネル基部136に固定されるとき、殺傷室137内へ下方に延びるようにカバーパネル138の内側または下側から突出する。示されるように、第3のプレート133は、ぎざぎざまたは不揃いの下縁を備え得る。必須ではないが、ぎざぎざまたはのこぎり歯状の下縁は、歯が齧歯動物の毛をより容易に通過させて、齧歯動物の胴体と接触することから、捕獲装置を活性化せずにバッフルおよびプレートの下に進む齧歯動物の能力を低減する。カバーパネル138の外側または上側146は、エサカップ240を受容するための中央バッフル232内への開口部150を含む。
【0072】
図17~
図19は、本明細書内に例証されるモジュラ構成における下方プレート150、152の配置を示す。プレート150は、側壁142に隣接し、かつそれと平行である長い側149、および捕獲装置の長手方向の長さに対して直角に延び、かつ側壁141を通って電子装置モジュール104に電気結合される垂直柄151を有する、T字形状である。プレート152は、側壁141に隣接して位置付けられる2つの短いプレート152a、152bからできている。短いプレート152a、152bは、電子装置モジュール104の内側で互いに電気接続される。
図18において最も良く見られるように、短いプレート152a、152bは、それぞれ接点126a、126bと接続される一方、プレート150の垂直柄151は、接点126cと接続される。中央バッフル232上の第3のプレート133は、上方接点126dに結合される(
図15Aを参照)。
【0073】
プレート150、152は、本明細書内で以前に説明されるようなプレート50、52の間の溝46によって提供される分離と同様の様式で、溝246a、246bによって分離される。加えて、プレート150、152は、好ましくは、
図1~
図8に関連して既に説明される実施形態のように、高くなったトラック144上で平らである平坦部分、および上向きの縁部分156を伴って、約90°で屈曲される。
【0074】
中央バッフル232内の開口部150に受容されることになるエサカップ240は、
図21Aに示され、
図21Cでは開口部内に位置付けられて示される。エサカップ240は、
図21Bに示されるように互いにスナップフィットする2つの半体240a、240bからできていてもよいが、他の設計も可能である。2つの半体が、エサからの香りの分散を可能にするために通気スリット239を含む一方、中央バッフルもまた、
図1~
図8に示される実施形態と関連して既に説明されているように、通気穴242を含む。
【0075】
組み立ての際、電子装置モジュール104およびトンネルモジュール106は、互いに隣接して嵌め合わされ、外部ハウジング102内に封入される。トンネル基部136の側壁141上の電気接点126は、殺傷プレート150、152を電子装置モジュールハウジング104上の接点124に結合する。外部ハウジング102の蓋110が閉じているとき、齧歯動物は、整列された外部ハウジングアクセス開口部112およびトンネルモジュール進入口開口部114を通じて殺傷室137に進入し得、この間、電子装置モジュールハウジング120は、高電圧回路コンポーネントを齧歯動物接触から安全に離隔した状態に保つ。
【0076】
捕獲装置100を分解するため、外部ハウジング102の蓋が開けられ、トンネルモジュール106は、上方に引っ張られ、
図22Aに示されるように、電子装置ハウジング120のフランジ128をトンネルモジュール上の溝130から解放する。次いで、電子装置モジュール104は、ハウジング102の後壁に向かって押されて、アクセス開口部112と整列され(
図22B)、引き上げられる(
図22C)。
【0077】
プレートがトンネルモジュール106内に封入されて、プレートとの不注意なユーザ接触が起こりにくくする一方、電子装置モジュールは好ましくは、電子装置モジュール104内のマイクロプロセッサ500が、外部ハウジング102の蓋が閉まっていることを示す入力が検知されない限りは、高電圧回路501を活性化しないことを確実にするため、
図23のブロック図に描写される安全スイッチ502により動作可能である。捕獲装置のモジュラ性を増大させるため、本発明に従う安全スイッチ502は、第1および第2のホール効果デバイス508、510とそれぞれ通信状態にある第1および第2の蓋磁石504、506によって表され得る2つの潜在的な接点の開閉を含むように構成される。外部ハウジング102の蓋110が閉まっているときにどちらの磁石が係合されるかによって、安全スイッチ502は、高電圧回路501のマウス回路520部分またはラット回路530部分のいずれかを使用した動作のために高電圧回路501を構成するそれぞれのホール効果デバイスを介してマイクロプロセッサ500と通信するように動作可能である。したがって、磁石504が、外部ハウジング102の蓋110を閉じた際に接触されるとき、その関連したホール効果デバイス508が活性化され、ラット回路530を活性化するようにマイクロプロセッサ500に伝える。逆に、磁石506が、蓋を閉じる際に接触されてホール効果デバイス510を活性化するとき、マイクロプロセッサ500は、マウス回路520を活性化することに進む。このやり方では、トンネルアセンブリおよび全捕獲装置接地面積において異なる寸法を有する、本発明に従う電気齧歯動物捕獲装置のマウスおよびラット捕獲装置バージョンは、安全スイッチ502の磁石閉係合部に応じて、利用可能である動作の両方のモードを有する共通の電子装置アセンブリ104を利用し得る。このモジュラ性があれば、ユーザは、同じ電子装置アセンブリ104を用いて両方の種類の捕獲装置に電力供給することができ、設備費の低減および資源の活用の増加を伴う。
【0078】
ちょうど説明したような特徴のすべてを用いて例証されるが、本発明はまた、床の近くに互いと実質的に平行に配置され、かつ捕獲装置の長手方向の寸法に沿って延びる一対の離間した殺傷プレート、および捕獲装置の床より上の上昇された位置にある第3のプレートであって、トリガプレートである、第3のプレートの組み合わせを含む、いかなる電気齧歯動物捕獲装置も対象とする。第3のプレートの上昇された位置付け、ならびに下方プレートおよび上方プレートの両方が捕獲装置をトリガするために接触されるという要件は、トンネルの形状以外の形状を有する捕獲装置と共に、単一のドアのみを有する捕獲装置と共に、下方プレートが床より上に高くされない捕獲装置と共に、または中央バッフルおよび/または入口バッフルを有さない捕獲装置と共に効果的に使用され得る。
【0079】
説明されてきたように、下方プレートは、高くなったトラック上で平らである平坦部分および上向きの縁部分を伴って、約90°で屈曲されるのが好ましい。下方プレートの屈曲形状は、捕獲装置が、齧歯動物を強制的に下方プレートの上方屈曲縁と接触させる入口バッフルを、齧歯動物が捕獲装置をトリガするときにバッフルが齧歯動物の中背部に接触するように位置付けられている状態で、備えるときに特に、齧歯動物との接触を増大させる。
【0080】
加えて、上方プレートが中央バッフルの部分である構成が好ましいが、上方プレートは、天井の上に直接、または捕獲装置の側面上など、単独で位置付けられてもよい。捕獲装置の側面上の場合、上方プレートは、例えば、側壁の中腹またはそれより高いなど、床より上に離間されなければならない。齧歯動物は、捕獲装置をトリガした後に上方プレートと接触したままであることは予期されず、むしろ、活性化された下方プレートによって殺処理されることになる。したがって、上方プレートは、上方および下方プレートに同時に接触する水による、または、床の上もしくは別の表面上を捕獲装置内へとはって進むが、典型的には間隙をまたいで2つの離間した表面に一度に接触するほど十分に大きくない昆虫による、捕獲装置のトリガを回避するために、下方プレートより上に十分に離間される限りは、捕獲装置内の様々な位置にあり得る。
【0081】
本明細書内に説明されるような平行な長手方向に延びる殺傷プレートを有するモジュラ構成が好ましいが、当業者は、接合電気接点を伴う別個の電子装置モジュールおよびトンネルモジュールを外部ハウジング内に有する本明細書内に開示されるモジュラ捕獲装置設計が、‘899、‘466、および‘657特許に示されるように殺傷プレートが直列で配置されるトンネルモジュールを含み得ることを容易に理解するものとする。したがって、本発明のモジュール設計特徴は、トンネルモジュール内に平行プレート配置を有する電気齧歯動物捕獲装置に限定されるものではないと理解されるものとする。
【0082】
したがって、本発明は、取り外し可能な電子装置モジュール、および少なくとも1つの進入口開口部を有する取り外し可能な殺傷室モジュールを受容する外部ハウジングを含むモジュラ電気齧歯動物捕獲装置を対象とし得る。外部ハウジングは、捕獲装置が外部ハウジングの内側の2つのモジュールを用いて組み立てられるときに殺傷室モジュール進入口開口部と整列するアクセス開口部を備える。
【0083】
電子装置モジュールは、殺傷室モジュール内に位置付けられる、様々な構成にあり得る複数の殺傷プレートを通電するために使用される電源および高電圧回路を含む防水性または耐水性の電子装置ハウジングを含む。電子装置モジュールハウジングの外壁上の電気接点は、捕獲装置が内部モジュールを保護する外部ハウジングを用いて完全に組み立てられるときに、電子装置モジュール内の電源および高電圧回路を殺傷室モジュール内の殺傷プレートと接続するために、殺傷室モジュールの外壁の電気接点との接合係合がもたらされる。
【0084】
さらに、本発明は、捕獲装置の殺傷室内の上昇された位置に位置付けられる別個のトリガ要素によってトリガされる、長手方向に、すなわち捕獲装置進入口に対して垂直に延びる一対の離間した実質的に平行なプレートを有する任意の電気齧歯動物捕獲装置を含むことが意図される。このトリガ要素は、第3のプレートであり得、または代替的に、米国特許第7,690,147号(「‘147特許」)にあるようなメカニカルスイッチ、もしくは米国特許第7,757,430号(「‘430特許」)にあるような赤外線センサ、もしくは当業者によって好適であると見なされるような任意の他の知られているセンサであり得る。‘147特許および‘430特許もまた、それらの全体が完全に明記されるかのように参照により本明細書内に明示的に組み込まれる。
【0085】
したがって、本発明は、進入口開口部よりアクセスされ、複数の殺傷プレートおよび上昇されたトリガまたはセンシング要素を含む殺傷室を伴う捕獲装置本体を有する電気齧歯動物捕獲装置を対象とし得る。複数の殺傷プレートは、殺傷室の床に隣接して位置付けられ、かつ互いと実質的に平行に配向される少なくとも2つの逆帯電した下方プレートであって、齧歯動物が左足で一方のプレートに、および右足で他方の実質的に平行のプレートに接触するように、進入口開口部に対して垂直に配向される鉄道線路のように長手方向に延びる、少なくとも部分を有し、下方プレートの長手方向に延びる部分が、長手方向に延びる溝によって互いから分離される、少なくとも2つの逆帯電した下方プレートを含む。上昇されたトリガ要素は、床より上に、および捕獲装置進入口開口部から内向きに離間され、高電圧回路の活性化は、齧歯動物が左右の足でそれぞれ左右の下方平行プレートの上に立ちながら、鼻などでトリガ要素に接触するときにトリガされる。トリガ要素は、本明細書内で説明されているように第3の帯電したプレートであり得るか、または、電気齧歯動物捕獲装置における使用に好適な齧歯動物捕獲装置の分野において当業者によって知られているような、メカニカルスイッチ、IRセンサ、もしくは同様のものであり得る。
【0086】
さらに、本発明は、
図24に要約されるように、本明細書内に開示される種類の電気齧歯動物捕獲装置を使用するおよび/または動作させる方法を含む。本方法は、少なくとも1つの進入口を有する捕獲装置本体と、捕獲装置進入口に対して垂直の、長手方向に延びかつ鉄道線路のように互いと実質的に平行の関係にある第1および第2の逆帯電した下方プレートに、ならびに下方プレートより上の上昇された位置にあり、かつ進入口の内側に位置付けられる、第3のプレートなどのセンシング又はトリガ要素に結合される高電圧殺傷回路とを有する電気齧歯動物捕獲装置を提供すること(ステップ300)を含む。捕獲装置に電力供給することによって捕獲装置をアクティブスタンバイモードにする(ステップ302)。捕獲装置がアクティブスタンバイにある状態で、捕獲装置進入口を通って捕獲装置に進入する齧歯動物が、左足のうちの少なくとも一方で第1の下方プレートに、右足のうちの少なくとも一方で第2の下方プレートに接触する(ステップ304)。第3のプレートが接触されない場合(ステップ306)、捕獲装置は、非アクティブのままであり、スタンバイモードにある。齧歯動物が、上昇されたセンシングまたはトリガ要素、例えば、第3の上昇されたプレートと接触をすると(ステップ306)、高電圧殺傷回路は、自動的に活性化されて、高電圧パルストレインを第1、第2、および第3のプレートに送達する(ステップ308)。電流フローは、殺傷サイクルを規定する指定の時間期間後に終了され(ステップ310)、捕獲装置は、第1および第2のプレートにわたる継続した抵抗をチェックすることによって殺傷検証を実施する(ステップ312)。抵抗がない場合(ステップ314)、捕獲装置は、自動的に再作動し(ステップ316)、スタンバイモードに戻る(ステップ302)。抵抗がプレートにわたって残っている場合(ステップ314)、捕獲装置は、捕獲装置点検が必要とされるという通知を遠隔監視ユニットに送信する(ステップ316)。第3のプレートの上昇された位置付けは、動作の方法を、捕獲装置内の昆虫の存在および/または水汚染に起因する望ましくないトリガおよび関連した誤通知により影響されないものにする。加えて、例えば水の存在に起因する、誤通知の可能性を低減するために、殺傷検証を実施するステップは、好ましくは、水が下方プレートから流出することを可能にするために、殺傷サイクルの完了後にある時間期間にわたって待機した後に実施される。
【0087】
本発明はまた、本明細書内に説明されている種類の複数の電気齧歯動物捕獲装置を監視する方法を対象とする。電気齧歯動物捕獲装置は、’466特許および‘657特許に説明されるものと実質的に同様の遠隔監視能力を有し、両方の特許が以前に参照により組み込まれている。本方法によると、トリガされている捕獲装置は、殺傷サイクルの完了時、およびある時間期間待機した後、殺処理された齧歯動物と一致する抵抗が下方プレートにわたって残っているかどうかを決定する。そのような抵抗がない場合、捕獲装置は、リセットし、次の相互作用を待つ。しかしながら、抵抗が検出される場合、捕獲装置は、トリガされた捕獲装置のステータスおよび捕獲装置点検の必要性について遠隔監視ステーションへの伝達を送信する。‘466特許内の1つの実施形態に従って、および‘657特許内の別の実施形態に従って要約される、そのような方法は、例えば、同時に上方および下方プレートの両方との水の偶然の接触に起因する誤トリガが、捕獲装置ステータス検証時に水が2つの下方プレートを架橋すべく残っている可能性が低いことから、その後確認する可能性を低減する上昇された下方プレートによって向上される。その結果、遠隔監視ステーションに送信される誤った捕獲装置ステータス通知の数は減少されることになる。
【0088】
万が一室内の水レベルが下方プレートを覆うところまで上昇した増水状況が発生する場合、同じレベルにあるユーザの捕獲装置すべてが、同時に点検の必要性を示す。有害生物防除器は、齧歯動物防除以外の問題を示すそのような結果を理解し、それに応じて捕獲装置が配備される設備の所有者に助言することができる。
【0089】
モジュラ電気齧歯動物捕獲装置の組み立ておよび分解の方法はまた、
図22A~Cに示されるように提供される。
【0090】
先述の説明および図面は、本発明の原則の単に例証として見なされるべきである。本発明は、様々な形状およびサイズで構成され得、好ましい実施形態の寸法によって制限されない。本発明の多数の応用は、当業者に容易に想起されるものとする。したがって、本発明を開示される例または示され説明される正確な構造および動作に限定することは望ましくない。むしろ、すべての好適な修正形態および等価物が、本発明の範囲内に入るものとされ得る。