(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220906BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220906BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021082879
(22)【出願日】2021-05-17
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】515315026
【氏名又は名称】株式会社クロス・マーケティンググループ
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】熊田 誠
(72)【発明者】
【氏名】村越 翔太
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-012120(JP,A)
【文献】特開2021-002251(JP,A)
【文献】特開2002-007661(JP,A)
【文献】国際公開第2017/126411(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/181581(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/181580(WO,A1)
【文献】特開2002-092291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの複数のモニター端末と通信する通信部と、
前記各モニター端末へ複数の設問を含むアンケート画面を送信し、当該各モニター端末から前記複数の設問のうち各設問への回答情報を受信する度に、当該回答情報に含まれるテキストが所定の除外基準に合致するか否かを判定し、当該除外基準に合致すると判定した場合、前記
複数の設問の全てに対する回答情報の受信を待つことなく当該回答情報の回答元のモニター端末から受信される回答情報を除外し、当該除外された回答情報を除外した残りの回答情報の回答元のモニター端末の数が前記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数のモニター端末の回答情報を基に前記依頼者への納品情報を生成する制御部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記除外基準に合致すると判定された回答情報に第1フラグを付加し、前記除外基準に合致しないと判定された回答情報に第2フラグを付加し、前記回答情報に当該第2フラグが付加されるたびに、当該第2フラグが付加された回答情報の数が前記所定数に達したか否かを判定する
情報処理システム。
【請求項3】
依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの各モニター端末へ複数の設問を含むアンケート画面を送信し、
前記各モニター端末から前記複数の設問のうち各設問への回答情報を受信するたびに、当該回答情報が所定の除外基準に合致するか否かを判定し、
前記除外基準に合致すると判定した場合、前記
複数の設問の全てに対する回答情報の受信を待つことなく当該回答情報の回答元のモニター端末から受信される回答情報を除外し、当該除外された回答情報を除外した残りの回答情報の回答元のモニター端末の数が前記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数のモニター端末の回答情報を基に前記依頼者への納品情報を生成する
情報処理装置が実行する情報処理方法。
【請求項4】
情報処理装置に、
依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの各モニター端末へ複数の設問を含むアンケート画面を送信するステップと、
前記各モニター端末から前記複数の設問のうち各設問への回答情報を受信するたびに、当該回答情報に含まれるテキストが所定の除外基準に合致するか否かを判定するステップと、
前記除外基準に合致すると判定した場合、前記
複数の設問の全てに対する回答情報の受信を待つことなく当該回答情報の回答元のモニター端末から受信される回答情報を除外し、当該除外された回答情報を除外した残りの回答情報の回答元のモニター端末の数が前記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数のモニター端末の回答情報を基に前記依頼者への納品情報を生成するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介したWebアンケートの回答データを処理可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上でアンケート(Webアンケート)を実施する際に、異常値を含む回答や矛盾のある回答のデータを集計から除外する(データクリーニング)ための技術が知られている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、アンケートの回答者がそれぞれの質問パターンに回答するのに要した時間である回答所要時間を計測し、質問パターンごとに、その質問パターンに回答した回答者の回答所要時間の代表値を求め、回答者ごとに、回答した質問パターンにおける回答時間指数を、回答所要時間を代表値で除算して求めるとともに、回答時間指数の和を回答した質問パターンの数で割って平均値を求め、平均値が小さい順に所定の割合の回答を除外してアンケート集計を行うアンケート集計システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来のWebアンケートシステムにおいては、アンケートの全ての設問に対する各回答者による回答が終了し既定数の回答が得られた後に上記データクリーニングが実行されている。したがって従来技術では、クライアントから要求されている最終的な納品数を担保するために、データクリーニングによって除外される回答の数を予め見越して、クライアントへ納品予定の回答数よりも余分に回答を得ておく必要がある。
【0006】
またデータクリーニングの結果、除外後の回答数が納品予定の回答数に満たない場合には、追加でモニターへアンケートを配信したり、未回答のモニターへ回答を催促したりする等の処理が必要となる。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、アンケートにおける余分な回答サンプルの数を減らせるとともにデータクリーニング後に回答サンプルが不足するのを防ぐことが可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、通信部と制御部を有する。上記通信部は、依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの複数のモニター端末と通信する。上記制御部は、上記各モニター端末へ設問を含むアンケート画面を送信し、当該各モニター端末から上記設問への回答情報を受信する度に、当該回答情報が所定の除外基準に合致するか否かを判定する。そして制御部は、当該除外基準に合致すると判定された回答情報を除外した残りの回答情報の数が上記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数の回答情報を基に上記依頼者への納品情報を生成する。
【0009】
この構成により情報処理システムは、アンケートへの回答を受信するたびにデータクリーニングを実行し無用な回答を行ったモニターをアンケート対象から除外していくことで、アンケートにおける余分な回答サンプルの数を減らせるとともにクリーニング後に回答サンプルが不足するのを防ぎ、アンケートの追加配信等の通信コストが増加するのを防ぐことができる。当該情報処理システムは、1または複数の情報処理装置によって構成される。
【0010】
上記設問及び回答情報は1つのアンケートにつき複数存在してもよい。この場合上記制御部は、上記アンケートの全設問のうち一部に対する回答情報を受信する度に上記除外基準に合致するか否かを判定してもよい。
【0011】
これにより、1人のモニターにつきアンケートの全設問への回答が終了する前に当該モニターがいずれかの設問に対して無用な回答を行った場合には、(モニターはその後の設問への回答を継続したとしても)その時点で当該モニターの回答情報を除外対象とすることで、除外対象を早期に発見することができる。
【0012】
上記制御部は、上記除外基準に合致すると判定された回答情報に第1フラグを付加し、上記除外基準に合致しないと判定された回答情報に第2フラグを付加してもよい。そして制御部は、上記回答情報に当該第2フラグが付加されるたびに、当該第2フラグが付加された回答情報の数が上記所定数に達したか否かを判定してもよい。
【0013】
これにより、依頼者へ納品可能な回答情報が受信されるたびにそれが依頼者が定めた納品数に達したか否かを判定することで、回答情報が当該納品数に達した時点ですぐに納品情報の生成を開始することができ、納期を極力短縮することができる。
【0014】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの各モニター端末へ設問を含むアンケート画面を送信し、
上記各モニター端末から上記設問への回答情報を受信するたびに、当該回答情報が所定の除外基準に合致するか否かを判定し、
上記除外基準に合致すると判定された回答情報を除外した残りの回答情報の数が上記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数の回答情報を基に上記依頼者への納品情報を生成する、ことを含む。
【0015】
本発明の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの各モニター端末へ設問を含むアンケート画面を送信するステップと、
上記各モニター端末から上記設問への回答情報を受信するたびに、当該回答情報が所定の除外基準に合致するか否かを判定するステップと、
上記除外基準に合致すると判定された回答情報を除外した残りの回答情報の数が上記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数の回答情報を基に上記依頼者への納品情報を生成するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、アンケートにおける余分な回答サンプルの数を減らせるとともにデータクリーニング後に回答サンプルが不足するのを防ぐことができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアンケート処理システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るアンケート情報処理サーバのハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るアンケート情報処理サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るアンケート情報処理サーバによる、アンケート情報処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るアンケート情報処理システムの構成を示した図である。
【0020】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上のアンケート情報処理サーバ100と、複数のモニター端末200と、依頼者端末300とを含む。
【0021】
アンケート情報処理サーバ100は、依頼者からの依頼に基づいてWebアンケートを実施するサーバである。アンケート情報処理サーバ100は、複数のモニター端末200及び依頼者端末300とインターネット50を介して接続されている。
【0022】
アンケート情報処理サーバ100は、具体的には、モニター端末200へ、設問を含むアンケート画面と共にアンケート回答依頼を送信し、モニター端末200から回答情報を受信する。そしてアンケート情報処理サーバ100は、当該回答情報を集計して依頼者へのアンケート結果の納品情報を生成し、依頼者端末300へ送信する。
【0023】
モニター端末200(200A,200B,200C...)は、アンケート情報処理サーバ100により実施されるアンケートの回答者(モニター)となる会員として、アンケート情報処理サーバ100の運営元の企業と契約しているユーザの端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0024】
モニター端末200は、アンケート情報処理サーバ100からアンケート回答依頼及びアンケート画面を受信してブラウザ等により設問への回答を入力してアンケート情報処理サーバ100へ回答情報を送信する。
【0025】
依頼者端末300は、アンケートを依頼する企業(の担当者等)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。依頼者端末300は、アンケート情報処理サーバ100へアンケート実施依頼を送信し、アンケート完了後、アンケート情報処理サーバ100からアンケート結果の納品情報を受信する。
【0026】
[アンケート情報処理サーバのハードウェア構成]
図2は、上記アンケート情報処理サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、アンケート情報処理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0027】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらアンケート情報処理サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0028】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0029】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0030】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0031】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0032】
特に本実施形態では、記憶部18は、各モニター端末200のユーザに関するユーザ情報やアンケート対象となるモニター情報、アンケート(調査票)情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いてアンケート情報処理サーバ100がアンケート情報処理を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、依頼者情報データベース、モニター情報データベース、アンケート情報データベース及び納品情報データベースを有している。
【0033】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記モニター端末200との間の通信処理を担う。
【0034】
図示しないが、上記モニター端末200のハードウェア構成も上記アンケート情報処理サーバ100のハードウェア構成と同様である。またモニター端末200には、上記アンケート情報処理サーバ100と接続して飲食店検索処理を実行するためのアプリケーションがインストールされている。
【0035】
[アンケート情報処理サーバのデータベース構成]
図3は、上記アンケート情報処理サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0036】
同図に示すように、アンケート情報処理サーバ100は、記憶部18に、依頼者情報データベース31、モニター情報データベース32、アンケート情報データベース33及び納品情報データベース34を有している。
【0037】
ユーザ情報データベース31は、アンケート情報処理サーバ100の運営元企業の顧客であるアンケートの依頼者に関する情報を記憶する。具体的には、依頼者情報データベース42は、ユーザID、パスワード、企業名、担当者名、メールアドレス、電話番号、住所等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0038】
モニター情報データベース32は、上記アンケート情報処理サーバ100の運営元とモニター契約を締結している消費者であるモニター(モニター端末200のユーザ)に関する情報を記憶する。具体的には、モニター情報データベース42は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所(居住地)、年齢(層)、性別、家族構成(既婚/未婚、または家族の人数、子供の有無等)、職業(職種、学校)、年収(世帯年収、個人年収)、使用しているSNS、居住形態(戸建て、マンション、持ち家、賃貸など)、携帯電話(キャリア情報)、自動車の保有状況、免許の有無など、趣味の関心事項等の情報をモニター毎に記憶している。
【0039】
アンケート情報データベース33は、上記モニターを対象に作成されたアンケートに関する情報、すなわち、各モニター端末200へ送信した(または送信予定の)アンケートの調査票(アンケート画面)データや各モニター端末200から受信した回答データ等を記憶している。
【0040】
後述するが、当該アンケート情報データベース33中の回答データは、当該回答データが受信されるたびに所定の除外基準(判定ロジック)に基づいてデータクリーニングされる。そして、当該除外基準に合致しない回答データにはOK(納品可)フラグが付加され、除外基準に合致する回答データにはNG(納品不可)フラグが付加されている。記憶部18には、当該除外基準に関するデータも含まれる。
【0041】
除外基準は、例えば、回答者が自由に文章や単語で記入するフリーアンサー形式の設問について多く設定される。具体的には、以下のような条件が挙げられるが、これらに限られない。
・助詞、助動詞、感動詞、名詞、フィラーを所定数(例えば4)以上連続して含む
・所定の用語(差別用語その他の不適切な用語、「特になし」、「分からない」等の無用な用語)または文字を含む
・全てのテキストが記号
・同じ内容の繰り返し
・先頭文字がン、ヲ、撥音、拗音
・日本語を含まない
・漢字以外の1文字のみ
【0042】
記憶部18は、上記各除外基準のための辞書データも記憶している。その他、除外基準として、回答が設問間で矛盾することや、同一モニターで過去の同一設問への回答と矛盾すること等が設定されてもよい。
【0043】
納品情報データベース34は、上記アンケート情報データベース33においてOKフラグが付加された回答データについて、集計等のデータ加工及びデータ整形が行われることで依頼者への納品用に生成された納品データを記憶している。
【0044】
これら各データベースは、後述するアンケート情報処理サーバ100によるアンケート情報処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0045】
[アンケート情報処理サーバの動作]
次に、以上のように構成されたアンケート情報処理サーバ100の動作について説明する。当該動作は、アンケート情報処理サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0046】
図4は、アンケート情報処理サーバ100による、アンケート情報処理の流れを示したフローチャートである。
【0047】
同図の処理の前処理として、アンケート情報処理サーバ100のCPU11は、依頼者からのアンケート依頼を受け、複数の設問からなるアンケートの調査票を作成し、当該調査票を基にアンケート画面を作成し、上記アンケート情報データベース33に記憶する。
【0048】
CPU11はまず、複数のモニター端末200へ、上記アンケート画面を含むアンケート回答依頼を送信する(ステップ41)。アンケート回答依頼を送信するモニター端末200の数は、依頼者によってアンケート依頼時に予め定められた回答サンプル数に、回答が得られない場合を考慮して所定数または所定割合の数を加えた数とされる(例えば依頼された1000サンプルに対して1080のモニター端末200へ送信)。
【0049】
続いてCPU11は、いずれかのモニター端末200から、回答データを受信したか否かを判断する(ステップ42)。
【0050】
回答データを受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該回答データを上記アンケート情報データベース33に記憶する(ステップ43)。
【0051】
続いてCPU11は、当該受信した回答データを上記除外基準(上述したような複数の判定ロジックや辞書)と突合する(ステップ44)。
【0052】
続いてCPU11は、当該回答データが、上記除外基準に合致するか否かを判断する(ステップ45)。回答データが文章である場合には、形態素解析により各品詞に分割した上で除外基準を当てはめる。
【0053】
ここでCPU11は、設問の種別(例えば、商品名や企業名等の固有名詞を回答させる設問なのか、商品や企業に対する感想や意見を回答させる設問なのか等)による除外基準(判定ロジックや辞書)を切り替えて用いてもよい。
【0054】
当該回答データが上記除外基準に合致すると判断した場合(Yes)、CPU11は、当該回答データにNG(納品不可)フラグを付加する(ステップ46)。
【0055】
一方、当該回答データが上記除外基準に合致しないと判断した場合(No)、CPU11は、当該回答データにOK(納品可)フラグを付加する(ステップ47)。
【0056】
続いてCPU11は、上記アンケート情報データベース33を参照し、上記OKフラグが付加された回答データが依頼者の定めた所定数に達したか否かを判断する(ステップ48)。
【0057】
上記OKフラグが付加された回答データが上記所定数に達したと判断した場合(Yes)、当該所定数の回答データを、回答モニターの属性情報(上記モニター情報データベース32を参照)等の各種項目ごとに集計等して加工し、また整形等して、依頼者へ納品するための納品データを生成する(ステップ49)。
【0058】
一方、上記OKフラグが付加された回答データが上記所定数に達していないと判断した場合(No)、CPU11は上記ステップ42に戻り、当該回答データが所定数に達するまで、上記処理を繰り返し実行する。
【0059】
そしてCPU11は、上記生成した納品データを依頼者端末300へ送信し(ステップ50)、処理を終了する。
【0060】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、アンケート情報処理サーバ100は、アンケートへの回答データを受信するたびにデータクリーニングを実行し無用な回答(を行ったモニター)をアンケート対象から除外していくことで、アンケートにおける余分な回答サンプルの数を減らせるとともに、データクリーニング後に回答サンプルが不足するのを防ぎ、アンケートの追加配信等の余計な通信コストが増加するのを防ぐことができる。
【0061】
またアンケート情報処理サーバ100は、依頼者へ納品可能な回答情報が受信されるたびにそれが依頼者が定めた納品数に達したか否かを判定することで、回答データが当該納品数に達した時点ですぐに納品情報の生成を開始することができ、納期を極力短縮することができる。
【0062】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0063】
上述の実施形態においては、アンケートへの回答データは各モニター端末200から全設問に対してまとめて送信されるのを前提として説明がなされた。しかし、アンケート画面は、アンケートの全設問のうち一部(1つまたは複数)毎に生成されてモニター端末200へ送信され、モニター端末200は当該一部の設問ごとに回答データをアンケート情報処理サーバ100へ送信してもよい。
【0064】
そしてこの場合アンケート情報処理サーバ100は、上記アンケートの全設問のうち一部に対する回答データを受信する度にそれが上記除外基準に合致するか否かを判定してもよい。これにより、1人のモニターにつきアンケートの全設問への回答が終了する前に当該モニターがいずれかの設問に対して無用な回答を行った場合には、モニターはその後の設問への回答を継続するものの、その時点で当該モニターの回答データを除外対象と判断(上記NGフラグを付加)することで、早期に除外対象を発見することができる。なお、設問数が多い場合には、アンケートが前半と後半などでパートに分割されることがある。この場合、モニターが前半で無用な回答を行った場合には、その回答時点で除外対象とするとともに、当該モニターはアンケートの後半パートへは進めず(後半パートのアンケート画面をモニター端末200へ送信せず)前半パート終了時点でアンケートを終了しても構わない。
【0065】
上述の実施形態では、回答データの除外基準として判定ロジックや辞書が用いられたが、それに代えてまたは加えて、機械学習により設問種別ごとに回答データを機械学習によりスコアリングし、所定スコアを除外基準としてそれ以下の回答データにNG(納品不可)フラグを付加するようにしても構わない。
【0066】
上述の実施形態で示したアンケート情報処理サーバ100は、その機能が複数のサーバや情報処理装置に分散されたシステムとして構成されていても構わない。例えば、上述の処理のうち回答データの除外処理(
図4のステップ44~ステップ47)はアンケート情報処理サーバ100とは別のサーバで実行されてもよい。
【0067】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0068】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
31…依頼者情報データベース
32…モニター情報データベース
33…アンケート情報データベース
34…納品情報データベース
100…アンケート情報処理サーバ
200…モニター端末
300…依頼者端末
【要約】
【課題】アンケートにおける余分な回答サンプルの数を減らせるとともにデータクリーニング後に回答サンプルが不足するのを防ぐこと。
【解決手段】情報処理システムは、通信部と制御部を有する。上記通信部は、依頼者から依頼されたアンケートの対象となる複数のモニターの複数のモニター端末と通信する。上記制御部は、上記各モニター端末へ設問を含むアンケート画面を送信し、当該各モニター端末から上記設問への回答情報を受信する度に、当該回答情報が所定の除外基準に合致するか否かを判定する。そして制御部は、当該除外基準に合致すると判定された回答情報を除外した残りの回答情報の数が上記依頼者が定めた所定数に達した場合に、当該所定数の回答情報を基に上記依頼者への納品情報を生成する。
【選択図】
図4