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特許7136974自動運転車両の制御装置、制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】自動運転車両の制御装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20220906BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B60W30/06
G01C21/26 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021112877
(22)【出願日】2021-07-07
(62)【分割の表示】P 2017014713の分割
【原出願日】2017-01-30
(65)【公開番号】P2021178632
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/166811(WO,A1)
【文献】特開2016-188788(JP,A)
【文献】特開2016-045628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-60/00
G01C 21/26
G08G 1/00-99/00
G05D 1/02
B60K 31/00-31/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両の制御装置における制御方法であって、
前記制御装置が、
撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別し、
識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定し、
前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定し、
前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、
前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する
自動運転車両の制御方法。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
前記第1の駐停車予定位置を含む所定の領域を示す駐停車エリアを記憶部に記憶させ、
前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、
前記所定の変更条件は、前記駐停車エリアのうち前記第1の駐停車不可領域以外の領域である駐停車可能領域を決定し、前記自動運転車両を駐停車した場合に、駐停車した前記自動運転車両の領域が前記第1の駐停車不可領域に重複せず、且つ、前記自動運転車両の前記領域の少なくとも一部が前記駐停車可能領域に含まれる位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件である
請求項1に記載の自動運転車両の制御方法。
【請求項3】
前記制御装置は、さらに、
前記第1の駐停車予定位置に基づき、前記第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定し、
地図情報及び駐停車禁止に関する規則に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域として予め決定された第2の駐停車不可領域を記憶部に記憶させ、
前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、
前記所定の変更条件は、決定された前記周辺領域と前記第2の駐停車不可領域とに基づき、前記周辺領域において前記自動運転車両が駐停車することが可能な位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件である
請求項1に記載の自動運転車両の制御方法。
【請求項4】
前記制御装置は、さらに、
前記自動運転車両が順番に駐停車する予定の複数の駐停車予定位置を示す駐停車予定リストを記憶部に記憶させ、
前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、
前記所定の変更条件は、前記駐停車予定リストに基づき、前記複数の駐停車予定位置のうち前記第1の駐停車予定位置の次に駐停車する予定の駐停車予定位置を前記第2の駐停車予定位置に決定する、という条件である
請求項1に記載の自動運転車両の制御方法。
【請求項5】
自動運転車両の制御装置であって、
撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別する被撮影物識別部と、
前記被撮影物識別部により識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定する駐停車不可領域決定部と、
前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定する駐停車可否判定部と、
前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定する移動制御部と、を備え、
前記移動制御部は、さらに、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する
自動運転車両の制御装置。
【請求項6】
自動運転車両の制御装置を制御するプログラムであって、
撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別し、
識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定し、
前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定し、
前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、
前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転車両の制御装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人で自動的に走行する自動運転車両を用いたオンライン配送システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このオンライン配送システムでは、ロッカーを搭載した自動運転車両が配送センターから荷物の配送先(例えば、受取人の自宅前)まで走行する。自動運転車両が荷物の配送先に到着した際に、受取人は、自宅を出て自動運転車両まで移動することにより、自動運転車両のロッカーから荷物を受け取ることができる。
【0003】
これに対して、配送業者のドライバーが運転する車両による配送の場合、車両が荷物の配送先に到着した際には、ドライバーが荷物を受取人の自宅の玄関口まで届けることにより、受取人は自宅に居ながらドライバーから荷物を直接受け取ることができる。
【0004】
そのため、自動運転車両を用いたオンライン配送システムでは、受取人の手間が増える一方で、配送業者のドライバーが不要となるため、ドライバーの人件費を抑えることができる。その結果、ドライバーが運転する車両による配送に比べて、配送料金を安く設定することができる。特に、ドライバーの人件費が高騰する時間帯(例えば、早朝又は深夜等)における配送を安価に提供することができる。また、受取人は、ドライバーに住所を知られることなく荷物を受け取ることができるので、受取人の個人情報を保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9256852号明細書
【文献】特開2009-31196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した自動運転車両を用いたオンライン配送システムでは、受取人が配送先において荷物を受け取ることができるように、自動運転車両は、配送先に駐停車することになる。しかしながら、配送先が道路交通法に規定されている駐停車禁止領域に含まれている場合には、自動運転車両を配送先に駐停車することにより、道路交通法違反となるおそれが生じる。
【0007】
なお、ドライバーが運転する車両が駐停車禁止領域に駐停車した際に、ドライバーに駐停車違反を通知する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この技術は、ドライバーが運転する車両を対象とするものであるため、無人で走行する自動運転車両には適用することができない。
【0008】
そこで、本発明は、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、自動運転車両の移動を制御することができる自動運転車両の制御装置、制御方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る自動運転車両の制御方法は、自動運転車両の制御装置における制御方法であって、前記制御装置が、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別し、識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定し、前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定し、前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係る自動運転車両の制御方法等によれば、被撮影物が移動体であると識別され、且つ、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、車両位置から第1の駐停車予定位置までの経路を設定する。そして、自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、第1の駐停車予定位置に到着するように、上記経路に基づき自動運転車両を自律的に移動させる。これにより、自動運転車両を第1の駐停車予定位置に駐停車させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係るオンライン配送システムの全体構成を示す概念図である。
図2】実施の形態1に係る自動運転車両の機能構成を示すブロック図である。
図3】道路交通法第44条の規定に基づく駐停車不可領域決定ルールの一例を示す図である。
図4】第1の駐停車不可領域の例1を示す図である。
図5】第1の駐停車不可領域の例2を示す図である。
図6】第1の駐停車予定位置の一例を示す図である。
図7】街区方式での住居表示の一例を示す図である。
図8】道路方式での住居表示の一例を示す図である。
図9図7の例における第1の駐停車予定位置の一例を示す図である。
図10】自動運転車両の駐停車予定位置を変更する方法の一例を示す図である。
図11】自動運転車両の駐停車予定位置を変更する方法の一例を示す図である。
図12】実施の形態1に係る受取人端末の機能構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態1に係る自動運転車両の動作の流れを示すフローチャートである。
図14】実施の形態1に係る受取人端末における通知情報の表示例1を示す図である。
図15】実施の形態1に係る受取人端末における通知情報の表示例2を示す図である。
図16】実施の形態1に係る受取人端末における通知情報の表示例3を示す図である。
図17】道路交通法第45条の規定に基づく駐車不可領域設定ルールの一例を示す図である。
図18】駐車不可領域の一例を示す図である。
図19】実施の形態1に係る受取人端末における通知情報の表示例4を示す図である。
図20】実施の形態2に係る自動運転車両の機能構成を示すブロック図である。
図21】第1の駐停車予定位置の周辺領域の例1を示す図である。
図22】第1の駐停車予定位置の周辺領域の例2を示す図である。
図23】実施の形態2に係る自動運転車両の動作の流れを示すフローチャートである。
図24】実施の形態2に係る受取人端末における通知情報の表示例1を示す図である。
図25】実施の形態2に係る受取人端末における通知情報の表示例2を示す図である。
図26】実施の形態2に係る受取人端末における通知情報の表示例3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一態様に係る自動運転車両の制御方法は、自動運転車両の制御装置における制御方法であって、前記制御装置が、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別し、識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定し、前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定し、前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する。
【0014】
例えば、前記制御装置は、さらに、前記第1の駐停車予定位置を含む所定の領域を示す駐停車エリアを記憶部に記憶させ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、前記所定の変更条件は、前記駐停車エリアのうち前記第1の駐停車不可領域以外の領域である駐停車可能領域を決定し、前記自動運転車両を駐停車した場合に、駐停車した前記自動運転車両の領域が前記第1の駐停車不可領域に重複せず、且つ、前記自動運転車両の前記領域の少なくとも一部が前記駐停車可能領域に含まれる位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0015】
例えば、前記制御装置は、さらに、前記第1の駐停車予定位置に基づき、前記第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定し、地図情報及び駐停車禁止に関する規則に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域として予め決定された第2の駐停車不可領域を記憶部に記憶させ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、前記所定の変更条件は、決定された前記周辺領域と前記第2の駐停車不可領域とに基づき、前記周辺領域において前記自動運転車両が駐停車することが可能な位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0016】
例えば、前記制御装置は、さらに、前記自動運転車両が順番に駐停車する予定の複数の駐停車予定位置を示す駐停車予定リストを記憶部に記憶させ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、前記所定の変更条件は、前記駐停車予定リストに基づき、前記複数の駐停車予定位置のうち前記第1の駐停車予定位置の次に駐停車する予定の駐停車予定位置を前記第2の駐停車予定位置に決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0017】
本発明の一態様に係る自動運転車両の制御装置は、自動運転車両の制御装置であって、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別する被撮影物識別部と、前記被撮影物識別部により識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定する駐停車不可領域決定部と、前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定する駐停車可否判定部と、前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定する移動制御部と、を備え、前記移動制御部は、さらに、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する。
【0018】
本発明の一態様に係るプログラムは、自動運転車両の制御装置を制御するプログラムであって、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別し、識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が不可能である領域を示す第1の駐停車不可領域を決定し、前記第1の駐停車不可領域と前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定し、前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する。
【0019】
本発明の一態様に係る自動運転車両の制御装置は、自動運転車両の制御装置であって、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別する被撮影物識別部と、前記被撮影物識別部により識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域を示す第1の駐停車不可領域を決定する駐停車不可領域決定部と、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置を記憶する記憶部と、前記第1の駐停車不可領域と前記第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定する駐停車可否判定部と、前記駐停車可否判定部により前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更する駐停車予定位置変更部と、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第2の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御する移動制御部と、を備える。
【0020】
本態様によれば、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、自動運転車両が駐停車する予定の位置を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、変更した第2の駐停車予定位置に自動運転車両を自律的に移動させる。これにより、自動運転車両が第1の駐停車予定位置に不正に駐停車してしまうのを抑制することができる。
【0021】
例えば、前記記憶部は、さらに、前記第1の駐停車予定位置を含む所定の領域を示す駐停車エリアを記憶し、前記所定の変更条件は、前記駐停車エリアのうち前記第1の駐停車不可領域以外の領域である駐停車可能領域を決定し、前記自動運転車両を駐停車した場合に、駐停車した前記自動運転車両の領域が前記第1の駐停車不可領域に重複せず、且つ、前記自動運転車両の前記領域の少なくとも一部が前記駐停車可能領域に含まれる位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0022】
本態様によれば、例えば駐停車エリアが荷物の配送先として指定された領域である場合、第2の駐停車予定位置は、配送先として指定された領域内となる。これにより、荷物の受取人の希望通りに荷物を配送先に配送することができる。
【0023】
例えば、前記制御装置は、さらに、前記第1の駐停車予定位置に基づき、前記第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定する周辺領域決定部を備え、前記記憶部は、さらに、地図情報及び駐停車禁止に関する規則に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域として予め決定された第2の駐停車不可領域を記憶し、前記所定の変更条件は、前記周辺領域決定部により決定された前記周辺領域と前記第2の駐停車不可領域とに基づき、前記周辺領域において前記自動運転車両が駐停車することが可能な位置を前記第2の駐停車予定位置として決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0024】
本態様によれば、駐停車エリアにおいて自動運転車両の駐停車予定位置を変更できない場合に、第1の駐停車予定位置の周辺領域において、第1の駐停車予定位置の代替場所となる位置を決定し、その位置に自動運転車両の駐停車予定位置を変更するので、駐停車エリアを優先して駐停車予定位置の変更を試みることができる。例えば、駐停車エリアが荷物の配送先として指定された領域である場合、配送先として指定された領域を優先して駐停車予定位置の変更を試みることになるため、可能な限り荷物の受取人の希望に沿うように荷物を配送することができる。
【0025】
例えば、前記記憶部は、さらに、前記自動運転車両が順番に駐停車する予定の複数の駐停車予定位置を示す駐停車予定リストを記憶し、前記所定の変更条件は、前記駐停車予定リストに基づき、前記複数の駐停車予定位置のうち前記第1の駐停車予定位置の次に駐停車する予定の駐停車予定位置を前記第2の駐停車予定位置に決定する、という条件であるように構成してもよい。
【0026】
本態様によれば、簡単な構成により自動運転車両の駐停車予定位置を変更することができる。また、複数の駐停車予定位置に駐停車する時刻が予め決定している場合においては、駐停車できないと判定された第1の駐停車予定位置以外の駐停車予定位置には、予定された時刻通りに自動運転車両を駐停車することができる。
【0027】
例えば、前記駐停車予定位置変更部は、前記被撮影物識別部により前記被撮影物が移動体であると識別され、且つ、前記駐停車可否判定部により前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から前記第2の駐停車予定位置に変更せず、前記移動制御部は、さらに、前記車両位置から前記第1の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、前記第1の駐停車予定位置に到着するように、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御するように構成してもよい。
【0028】
本態様によれば、第1の駐停車予定位置に他の移動体が駐停車しているため、一時的に自動運転車両を駐停車することが不可能であることを自律的に判断し、自動運転車両が所定の期間の経過後に再度、第1の駐停車予定位置に到着するように、自動運転車両の移動を制御することができる。さらに、自動運転車両の駐停車予定位置を変更しなくてもよいため、自動運転車両の処理を簡単にすることができる。
【0029】
例えば、前記自動運転車両は、配送先に荷物を配送するための車両であり、前記記憶部は、さらに、前記荷物の受取人が操作する受取人端末のアドレスを予め記憶し、前記制御装置は、さらに、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から前記第2の駐停車予定位置に変更した旨を示す第1の通知情報を生成し、前記アドレスに基づき、生成した前記第1の通知情報を前記受取人端末に送信する通知制御部を備えるように構成してもよい。
【0030】
本態様によれば、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、配送先の受取人は、自動運転車両の駐停車予定位置が変更されたことを把握することができる。
【0031】
例えば、前記通知制御部は、さらに、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を変更した理由を示す第2の通知情報を生成し、前記アドレスに基づき、生成した前記第2の通知情報を前記受取人端末に送信するように構成してもよい。
【0032】
本態様によれば、例えば自動運転車両の駐停車予定位置を変更した理由が、第1の駐停車予定位置が第1の駐停車不可領域に含まれるという理由である場合、配送先の受取人は、第1の駐停車予定位置では荷物を受け取ることは不可能であることを認識することができる。一方、自動運転車両の駐停車予定位置を変更した理由が、第1の駐停車位置に他の車両が駐停車しているという理由である場合、配送先の受取人は、a)配送時刻を変更して再度、自動運転車両に第1の駐停車位置まで配送してもらう、あるいは、b)自動運転車両に別の場所に駐停車してもらう、という2つの選択肢があることを認識することができる。
【0033】
例えば、前記通知制御部は、さらに、前記第2の駐停車予定位置が前記駐停車エリア内に含まれる場合には、前記第1の通知情報を前記受取人端末に送信しないように構成してもよい。
【0034】
本態様によれば、荷物の受取人の希望に沿った配送を行うことができる場合には、受取人に対して自動運転車両の駐停車予定位置を変更する旨を通知することは不要であるため、通知制御部による通知処理を省略することができる。
【0035】
例えば、前記通知制御部は、さらに、前記第2の駐停車予定位置を示す第3の通知情報を生成し、前記アドレスに基づき、生成した前記第3の通知情報を前記受取人端末に送信するように構成してもよい。
【0036】
本態様によれば、受取人は、第3の通知情報に基づき、第2の駐停車予定位置を把握することができ、自動運転車両が駐停車する第2の駐停車予定位置に荷物を受け取りに行くことができる。
【0037】
例えば、前記制御装置は、さらに、前記被撮影物識別部により識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐車が禁止されている領域を示す駐車不可領域を決定する駐車不可領域決定部と、前記駐停車可否判定部により前記自動運転車両を駐停車することが可能であると判定された場合に、前記駐車不可領域と前記第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐車することが可能か否かを判定する駐車可否判定部と、を備え、前記通知制御部は、さらに、前記駐車可否判定部により前記自動運転車両を駐車することが不可能であると判定された場合に、前記自動運転車両が前記第1の駐停車予定位置に所定期間停車のみ可能である旨を示す第4の通知情報を生成し、前記アドレスに基づき、生成した前記第4の通知情報を前記受取人端末に送信するように構成してもよい。
【0038】
本態様によれば、受取人は、自動運転車両が第1の駐停車予定位置にて所定期間しか停車できない旨を把握することができる。これにより、受取人は、自動運転車両が停車している所定期間内に、荷物の受け取りを行う必要があることを認識することができる。
【0039】
例えば、前記移動制御部は、さらに、前記駐車可否判定部により前記自動運転車両を駐車することが不可能であると判定された場合に、前記自動運転車両を前記第1の駐停車予定位置に所定期間停車させるように構成してもよい。
【0040】
本態様によれば、自動運転車両を第1の駐停車予定位置に所定期間停車させるので、自動運転車両を第1の駐停車予定位置に不正に駐車することを防ぐことができる。
【0041】
例えば、前記通知制御部は、さらに、前記受取人に前記荷物の配送方法の選択を促す旨を示す第5の通知情報を生成し、前記アドレスに基づき、生成した前記第5の通知情報を前記受取人端末に送信するように構成してもよい。
【0042】
本態様によれば、自動運転車両の駐停車予定位置を変更したことに伴い、受取人に荷物の配送方法の選択(変更)について問い合わせるため、受取人の希望に沿った配送方法により荷物の配送を行うことができる。
【0043】
例えば、前記移動制御部は、前記受取人端末から前記第5の通知情報に対する前記受取人の選択情報を受信した際に、受信した前記選択情報に基づき、前記自動運転車両の移動を制御するように構成してもよい。
【0044】
本態様によれば、受取人の応答に基づき自動運転車両を移動制御するので、受取人の希望に沿った配送方法により荷物の配送を行うことができる。
【0045】
例えば、前記被撮影物識別部は、前記自動運転車両の位置が前記第1の駐停車予定位置から所定距離の範囲内にある場合に、前記撮影画像を取得するように構成してもよい。
【0046】
本構成によれば、第1の駐停車予定位置から遠く離れた場所においては、上述した各処理を行わないようにすることができる。これにより、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)等の処理資源を浪費してしまうことを抑制することができる。
【0047】
また、本発明の一態様に係る自動運転車両の制御方法は、自動運転車両の制御方法であって、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別するステップと、識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域を示す第1の駐停車不可領域を決定するステップと、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置を記憶部に記憶させるステップと、前記第1の駐停車不可領域と前記第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定するステップと、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更するステップと、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第2の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御するステップと、を含む。
【0048】
本態様によれば、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、自動運転車両が駐停車する予定の位置を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、変更した第2の駐停車予定位置に自動運転車両を自律的に移動させる。これにより、自動運転車両が第1の駐停車予定位置に不正に駐停車してしまうのを抑制することができる。
【0049】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、自動運転車両を制御するプログラムであって、撮像部により撮影された被撮影物の撮影画像を取得し、前記撮影画像に基づき前記被撮影物を識別するステップと、識別された前記被撮影物に基づき、前記自動運転車両の駐停車が禁止されている領域を示す第1の駐停車不可領域を決定するステップと、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置を記憶部に記憶させるステップと、前記第1の駐停車不可領域と前記第1の駐停車予定位置とに基づき、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが可能であるか否かを判定するステップと、前記第1の駐停車予定位置に前記自動運転車両を駐停車することが不可能であると判定された場合に、所定の変更条件に基づき、前記自動運転車両が駐停車する予定の位置を前記第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更するステップと、前記自動運転車両の現在位置を示す車両位置を取得し、前記車両位置から前記第2の駐停車予定位置までの経路を設定し、前記経路に基づき前記自動運転車両の移動を制御するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0050】
本態様によれば、第1の駐停車予定位置に自動運転車両を駐停車することが不可能である場合に、自動運転車両が駐停車する予定の位置を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更し、変更した第2の駐停車予定位置に自動運転車両を自律的に移動させる。これにより、自動運転車両が第1の駐停車予定位置に不正に駐停車してしまうのを抑制することができる。
【0051】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0052】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0053】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0054】
(実施の形態1)
[1-1.オンライン配送システムの全体構成]
まず、図1を参照しながら、実施の形態1に係るオンライン配送システムの全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係るオンライン配送システムの全体構成を示す概念図である。
【0055】
実施の形態1に係るオンライン配送システムは、例えばオンラインショッピングにおいて、自動運転車両1により商品(荷物)を配送先に配送するシステムである。図1に示すように、オンライン配送システムは、自動運転車両1と、インターネット等のネットワークを介して自動運転車両1と通信する受取人端末2とを備えている。
【0056】
図1では、自動運転車両1が配送先の建物3の周辺に到着し、予め記憶された第1の駐停車予定位置(後述する)に駐停車しようとする様子を表している。配送先の建物3の周辺には、駐停車禁止を示す道路標識4が設置されている。配送先の建物3には荷物の受取人5が居住しており、受取人5は受取人端末2を有している。
【0057】
自動運転車両1は、走行プログラムにより無人で自動的に走行する車両であり、複数の荷物を収納するためのロッカー等を搭載している。自動運転車両1は、自動運転車両1の周辺の被撮影物(例えば道路標識4等)を撮影して撮影画像を取得し、撮影画像から被撮影物を識別する。さらに、自動運転車両1は、被撮影物の識別結果に基づき、自動運転車両1の駐停車が禁止されている領域を示す第1の駐停車不可領域(後述する)を決定し、第1の駐停車不可領域と予め記憶された第1の駐停車予定位置とに基づき、第1の駐停車予定位置に駐停車することが可能であるか否かを判定する。さらに、自動運転車両1は、第1の駐停車予定位置に駐停車することが不可能であると判定した場合に、所定の変更条件に基づき、駐停車する予定の位置(駐停車予定位置)を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置(後述する)に変更し、且つ、受取人端末2に通知を行う。
【0058】
受取人端末2は、受取人5により操作される端末であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。受取人端末2は、例えば、自動運転車両1からの通知を受取人5に表示する機能と、受取人5による入力操作を受け付ける機能と、自動運転車両1と通信する機能とを有する。
【0059】
以下、自動運転車両1及び受取人端末2の各構成について、詳細に説明する。
【0060】
[1-2.自動運転車両の機能構成]
まず、図2を参照しながら、自動運転車両1(自動運転車両1の制御装置)の機能構成について説明する。図2は、実施の形態1に係る自動運転車両1の機能構成を示すブロック図である。
【0061】
図2に示すように、自動運転車両1は、通信部11と、撮像部12と、位置測定部13と、センサー部14と、駆動部15と、制御部16と、記憶部17とを備えている。
【0062】
通信部11は、無線を用いて、受取人端末2の通信部41(後述する図12参照)に種々の情報を送信し、且つ、受取人端末2の通信部41から種々の情報を受信する。
【0063】
撮像部12は、自動運転車両1の周辺の被撮影物を撮影するためのカメラである。例えば、撮像部12は、自動運転車両1に複数台搭載され、例えば自動運転車両1の前端部、後端部、右側部及び左側部にそれぞれ取り付けられている。なお、自動運転車両1の周辺の被撮影物を撮影できる構成であれば、撮像部12を搭載する位置及び台数は、上記の構成には限定されない。例えば、1台の撮像部12を自動運転車両1の右側部(左側部)に取り付ける構成に代えて、2台の撮像部12をそれぞれ自動運転車両1の右前端部(左前端部)及び右後端部(左後端部)の2箇所に取り付ける構成であってもよい。
【0064】
位置測定部13は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機等から構成され、自動運転車両1の現在位置を示す車両位置に関する情報を定期的に測定して取得する。車両位置に関する情報は、例えば、緯度及び経度で表される。
【0065】
センサー部14は、自動運転車両1の周辺環境に関する情報や、自動運転車両1の状態に関する情報をセンシングする。
【0066】
なお、自動運転車両1の周辺環境に関する情報をセンシングするセンサーとして、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)やミリ波レーダーがある。LIDARは、赤外線レーザーを照射してから物体で反射して戻るまでの時間を計測して、周囲にある物体までの距離や相対速度を検知する。これにより、周辺環境の3次元的な構造を読み取ることができる。また、ミリ波レーダーは、LIDARと同様の計測を行うが、赤外線レーダーではなく、電波を用いて計測を行う。赤外線レーダーを用いるLIDARは、夜間でも使えるが、悪天候では機能が低下してしまう。これに対して、電波を用いるミリ波レーダーは、分解能はLIDARよりも劣るが、天候に拘わらず検知可能であり、LIDARで計測できない場合を補完する。
【0067】
自動運転車両1の状態に関する情報をセンシングするセンサーとしては、走行距離計や慣性センサー等がある。走行距離計は、タイヤの回転数を計測して、自動運転車両1が進んだ距離を計測する。慣性センサーは、3軸の角速度センサーと3方向の加速度センサーとから構成された、慣性運動量を検出するセンサーであり、自動運転車両1の挙動を検知する。
【0068】
駆動部15は、自動運転車両1がエンジン車両である場合は、例えばエンジン及びトランスミッションである。また、駆動部15は、自動運転車両1が狭義の電気自動車(battery vehicle)である場合は、例えば走行モータ及びトランスミッションである。これらのエンジン及び走行モータではいずれも、イグニッションスイッチを介して始動及び停止が行われる。
【0069】
制御部16は、例えばCPUで構成されている。制御部16は、移動制御部21と、被撮影物識別部22と、駐停車不可領域決定部23と、駐停車可否判定部24と、駐停車予定位置変更部25と、通知制御部26とを備える。
【0070】
移動制御部21は、自動運転基本プログラム記憶部302(後述する)に記憶された自動運転基本プログラムに基づき、自動運転車両1の移動を制御する。具体的には、移動制御部21は、経路情報記憶部303(後述する)に記憶された経路と位置測定部13で取得された車両位置とに基づき、自動運転車両1の移動方向を決定し、自動運転基本プログラムに基づき、決定した移動方向に向けて自動運転車両1を移動させる。
【0071】
被撮影物識別部22は、被撮影物識別プログラム記憶部308(後述する)に記憶された被撮影物識別プログラムに基づき、撮像部12により撮影された被撮影物を識別する。被撮影物識別部22は、例えば、予め記憶された画像テンプレートと被撮影物の撮影画像とをパターンマッチングさせることにより、被撮影物を識別する。なお、画像テンプレートと被撮影物の撮影画像とのパターンマッチングは、機械学習を用いて、より高い精度で被撮影物を識別する構成が好ましい。機械学習で用いる学習データは、自車両のデータだけでなく、他車両のデータも含めた学習データである構成が好ましい。これらの学習データは、通信部11を介して、学習データを蓄積する管理装置である外部サーバ(図示せず)等から取得することができる。
【0072】
駐停車不可領域決定部23は、駐停車不可領域決定プログラム記憶部309(後述する)に記憶された駐停車不可領域決定プログラムに基づき、自動運転車両1の駐停車が禁止されている領域を示す第1の駐停車不可領域を決定する。具体的には、駐停車不可領域決定部23は、被撮影物毎に定めた駐停車不可領域設定ルールを予め記憶しておき、駐停車不可領域設定ルールに基づき、被撮影物識別部22により識別された被撮影物から第1の駐停車不可領域を決定する。駐停車不可領域設定ルールは、少なくとも、a)駐停車禁止に関する法令に基づき第1の駐停車不可領域を設定するルールと、b)被撮影物の存在する領域を第1の駐停車不可領域として設定するルールとを含む構成である。駐停車不可領域設定ルールは、予めシステムの管理者等により決定される。
【0073】
駐停車禁止に関する法令としては、例えば、日本の場合、道路交通法第44条に駐停車禁止に関する規定がある。図3は、道路交通法第44条の規定に基づく駐停車不可領域設定ルールの一例を示す図である。図3に示す例では、被撮影物が『横断歩道』である場合において、駐停車不可領域設定ルールは、道路交通法第44条第1号及び第3号の規定に基づき、『横断歩道の部分、及び、横断歩道の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分』と設定されている。
【0074】
図4は、第1の駐停車不可領域の例1を示す図である。図4に示す例では、被撮影物が『横断歩道』である場合において、第1の駐停車不可領域(破線で示す領域)は、図3に示す駐停車不可領域設定ルールに基づき設定される。
【0075】
また、被撮影物の存在する領域を第1の駐停車不可領域として設定するルールは、被撮影物の存在する領域には、被撮影物が障害物となるため自動運転車両1を駐停車することができないため必要となるルールである。図5は、第1の駐停車不可領域の例2を示す図である。図5に示す例では、道路上に他の車両6が駐車している場合、その車両6が存在する領域(破線で示す領域)が第1の駐停車不可領域として決定される。
【0076】
駐停車可否判定部24は、駐停車可否判定プログラム記憶部310(後述する)に記憶された駐停車可否判定プログラムに基づき、予め記憶された第1の駐停車予定位置(後述する)と駐停車不可領域決定部23により決定された第1の駐停車不可領域とに基づき、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定する。駐停車可否判定部24は、例えば、第1の駐停車予定位置が第1の駐停車不可領域に含まれるか否かにより、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定する。第1の駐停車予定位置が第1の駐停車不可領域に含まれる場合には、駐停車可否判定部24は、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定する。一方、第1の駐停車予定位置が第1の駐停車不可領域に含まれない場合には、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であると判定する。
【0077】
図6は、第1の駐停車予定位置の一例を示す図である。図6に示すように、駐停車可否判定部24は、第1の駐停車不可領域以外の領域において、所定の大きさの図形(例えば、自動運転車両1の大きさに対応する大きさの図形)を第1の駐停車予定位置を含むように配置することが可能であるか否かにより、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定してもよい。図6において、★マークは、第1の駐停車予定位置を表し、斜線で示す領域は、所定の大きさの図形を表す。
【0078】
図6に示す例では、駐停車可否判定部24は、地図情報上に第1の駐停車不可領域を重畳した後、地図情報上に所定の大きさの図形を第1の駐停車予定位置を含む範囲において移動可能に配置する。これにより、駐停車可否判定部24は、第1の駐停車不可領域以外の領域において、所定の大きさの図形を配置することが可能であるか否かにより、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定する。駐停車可否判定部24は、所定の大きさの図形を配置することが可能である場合には、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であると判定する。一方、駐停車可否判定部24は、所定の大きさの図形を配置することが不可能である場合には、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定する。
【0079】
この構成にすることで、自動運転車両1の大きさを考慮した上で、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定することができる。例えば、第1の駐停車予定位置は空いているが、第1の駐停車予定位置の前後に他の車両が駐停車している場合において、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定することができる。なお、上述した所定の大きさの図形を配置する場合には、所定の方向にのみ配置可能とする構成が好ましい。その理由として、自動運転車両1を道路上に駐停車する場合、自動運転車両1の前後方向が道路の進行方向と平行になるように駐停車する必要があるためである。
【0080】
駐停車予定位置変更部25は、駐停車可否判定部24により、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定された場合に、駐停車予定位置変更プログラム記憶部311(後述する)に記憶された駐停車予定位置変更プログラムに基づき、自動運転車両1が駐停車する予定の位置を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更する。本実施の形態では、配送先として指定される範囲内において、自動運転車両1が駐停車する予定の位置を変更する方法について説明する。
【0081】
まず、配送先として指定される範囲について説明する。受取人5が配送業者に荷物の配送を依頼する際には、多くの場合、配送先として受取人5の住所を指定する。住所は住居表示の仕組みに基づき構成されているが、住居表示の仕組みで指定される場所は、点ではなく、領域で表される。そのため、住居表示の仕組みで指定される場所である領域が、配送先として指定される範囲ということになる。
【0082】
住居表示の仕組みには、大きく分けて、街区方式と道路方式とがある。以下、街区方式及び道路方式の仕組みと、配送先として指定される位置について説明する。
【0083】
まず、図7を参照しながら、日本で多く採用されている街区方式の仕組みについて説明する。図7は、街区方式での住居表示の一例を示す図である。街区方式は、原則として道路に囲まれた区画(ブロック)が単位(街区)となり、1つの町名は1又は複数の街区で構成される。街区方式では、街区符号と呼ばれる符号が付与される。図7に示すように、この街区符号は、街区周辺を市町村の中心に近い角を起点にし、そこから街区の外周に沿って時計回りに距離を測って、10m~15m毎に区切り、順番に「1」、「2」、「3」、・・・、「12」と付与された基礎番号である。例えば、『・・・○丁目△番×号』という住居表示の場合、△の部分が街区を示す番号であり、×の部分が基礎番号である。
【0084】
この街区方式での住居表示は、住居表示の対象となる建物の玄関又は建物の主要な出入口が面する位置の基礎番号により表される。図7に示す例では、建物Aの住居表示は、建物Aの玄関が面する位置における基礎番号である「3」となる。このため、配送先として建物Aの住所が指定された場合には、配送先として指定される位置は、建物Aの住居表示で示される基礎番号「3」の領域全てとなる。
【0085】
次に、図8を参照しながら、海外で多く採用されている道路方式の仕組みについて説明する。図8は、道路方式での住居表示の一例を示す図である。図8に示すように、道路方式では、道路に名前「ABC Street」が付与され、且つ、当該道路に面する又は当該道路に通ずる道路を有する建物に住居番号「1」、「2」、「3」、・・・、「10」が付与されている。道路方式での住居表示は、道路の名前と、建物に付与された住居番号とで表される。図8に示す例では、道路「ABC Street」の一方側における建物に奇数番号の住居番号が付与され、他方側における建物に偶数番号の住居番号が付与されている。図8に示す例では、建物Aの住居表示は、建物Aの住居番号である「1」となり、その範囲は、建物Aが道路に面する部分の領域となる。このため、配送先として建物Aの住所が指定された場合には、配送先として指定される位置は、住居表示で示される建物Aが道路に面する部分の領域となる。なお、住居番号の付与の仕方は、国又は地域により異なるが、道路の名前と建物に付与された住居番号とで住居を表示する仕組みは同じである。
【0086】
上記のとおり、配送先として指定される住所は領域を示すため、自動運転車両1により荷物を配送する場合には、住所で示される領域のうち、任意の点を第1の駐停車予定位置として選択することになる。第1の駐停車予定位置の選択方法としては、ユーザによって選択してもよいし、専用のプログラムによって自動的に選択する構成であってもよい。図9は、図7の例における第1の駐停車予定位置の一例を示す図である。図9に示す例では、配送先として指定される領域の中心が第1の駐停車予定位置として選択されている。なお、他の例として、建物の入口の位置が予め分かっている場合において、建物の入口から最も近い場所を第1の駐停車予定位置として決定する構成であってもよい。
【0087】
ここで、図10及び図11を参照しながら、駐停車予定位置変更部25により自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する方法について説明する。図10及び図11は、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する方法の一例を示す図である。図10に示す例では、第1の駐停車予定位置(★マークで示す位置)が第1の駐停車不可領域(破線で示す領域)に含まれるため、駐停車可否判定部24は、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定する。この場合、駐停車予定位置変更部25は、まず、配送先として指定される範囲(以下、「駐停車エリア」という)と駐停車不可領域決定部23により決定された第1の駐停車不可領域とに基づき、駐停車エリアのうち、第1の駐停車不可領域に含まれない領域(以下、「駐停車可能領域」という)を決定する。そして、図11に示すように、駐停車予定位置変更部25は、自動運転車両1を駐停車した場合に、駐停車した自動運転車両1の領域が第1の駐停車不可領域に重複せず、且つ、自動運転車両1の領域の少なくとも一部が駐停車可能領域に含まれる位置を第2の駐停車予定位置(☆マークで示す位置)として決定する。この構成により、自動運転車両1を第1の駐停車不可領域に駐停車しないようにすることができ、且つ、自動運転車両1を指定された配送先の示す位置に駐停車することができる。
【0088】
通知制御部26は、通知制御プログラム記憶部312(後述する)に記憶された通知制御プログラムに基づき、受取人5に通知するための通知情報を生成し、生成した通知情報を受取人端末2に送信する。なお、通知制御部26は、受取人端末情報記憶部307(後述する)に予め記憶された受取人端末2のアドレスに基づき、通知情報を受取人端末2に送信する。
【0089】
例えば、通知制御部26は、駐停車可否判定部24により自動運転車両1を駐停車することが可能であると判定された場合には、配送先に自動運転車両1が駐停車した旨を示す通知情報を受取人端末2に送信する。また、例えば、通知制御部26は、駐停車可否判定部24により駐停車エリア内において自動運転車両1の駐停車予定位置を変更することが不可能であると判定された場合に、配送先に自動運転車両1を駐停車することが不可能である旨を示す通知情報を受取人端末2に送信する。
【0090】
記憶部17は、例えば、半導体メモリで構成されている。記憶部17は、地図情報記憶部301と、自動運転基本プログラム記憶部302と、経路情報記憶部303と、車両位置情報記憶部304と、駐停車予定位置情報記憶部305と、駐停車エリア記憶部306と、受取人端末情報記憶部307と、被撮影物識別プログラム記憶部308と、駐停車不可領域決定プログラム記憶部309と、駐停車可否判定プログラム記憶部310と、駐停車予定位置変更プログラム記憶部311と、通知制御プログラム記憶部312とを備える。
【0091】
地図情報記憶部301は、地図情報を記憶する。地図情報には、例えば、a)道路リンクに関する道路データ、b)交差点に関する交差点データ、c)施設に関する施設データ、d)ドライバーに各種の走行上の情報及び案内等を提供するために道路上に設置又は形成された表示物を示す地物データ等が含まれている。この地図情報は、例えば、外部サーバ等から予め取得し、記憶する。なお、外部サーバ等に定期的にアクセスして、地図情報を最新のものに更新する構成であることが好ましい。
【0092】
自動運転基本プログラム記憶部302は、自動運転車両1を移動制御するための自動運転基本プログラムを記憶する。移動制御部21は、この自動運転基本プログラムに従って、センサー部14で計測されたセンシング情報や位置測定部13で取得された車両位置の情報に基づき、駆動部15を制御することにより、自動運転車両1の移動を制御する。
【0093】
経路情報記憶部303は、出発地から配送先である駐停車予定位置までの経路を示す情報を記憶する。自動運転車両1は、例えば、外部サーバ等が有する既存の経路設定プログラムにより設定された経路を示す情報を、外部サーバ等から受信することにより取得することができる。あるいは、自動運転車両1が有する経路生成プログラムにより、経路を示す情報を設定してもよい。
【0094】
車両位置情報記憶部304は、位置測定部13により取得された車両位置を示す情報を記憶する。移動制御部21は、車両位置情報記憶部304に記憶された車両を示す位置と経路情報記憶部303に記憶された経路を示す情報とに基づき、自動運転車両1の移動方向を決定することができる。
【0095】
駐停車予定位置情報記憶部305は、自動運転車両1が駐停車する予定の位置を示す第1の駐停車予定位置の情報を記憶する。第1の駐停車予定位置は、例えばオンラインショッピングにおいて受取人端末2により入力された配送先に基づき、予め決定される。また、駐停車予定位置変更部25により自動運転車両1の駐停車予定位置が変更された場合、駐停車予定位置情報記憶部305に記憶された第1の駐停車予定位置の情報も変更される。なお、第1の駐停車予定位置の情報とは、例えば、地図情報に第1の駐停車予定位置を重畳した情報である。
【0096】
駐停車エリア記憶部306は、配送先の情報により表される領域を示す情報を記憶する。配送先が住所である場合、配送先の情報により表される位置は領域を示すため、その領域を示す情報を記憶する。
【0097】
受取人端末情報記憶部307は、例えば、受取人端末2のアドレスを示す情報を記憶する。受取人端末2のアドレスは、例えば、自動運転車両1が受取人端末2に対して通知情報を送信する際に利用される。例えばオンラインショッピングにおける配送依頼時に、受取人端末2により入力されたアドレスの情報を受取人端末情報記憶部307に記憶させる。
【0098】
被撮影物識別プログラム記憶部308は、撮像部12により撮影された被撮影物を識別するための被撮影物識別プログラムを記憶する。被撮影物識別プログラムは、被撮影物識別部22により実行される。被撮影物識別プログラムには、予め、被撮影物を識別するための画像テンプレートの情報が含まれている。
【0099】
駐停車不可領域決定プログラム記憶部309は、被撮影物識別部22により識別された被撮影物に基づき第1の駐停車不可領域を決定するための駐停車不可領域決定プログラムを記憶する。駐停車不可領域決定プログラムは、駐停車不可領域決定部23により実行される。駐停車不可領域決定プログラムには、予め、被撮影物毎に定めた駐停車不可領域設定ルールが含まれている。
【0100】
駐停車可否判定プログラム記憶部310は、第1駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定するための駐停車可否判定プログラムを記憶する。駐停車可否判定プログラムは、駐停車可否判定部24により実行される。
【0101】
駐停車予定位置変更プログラム記憶部311は、駐停車可否判定部24により自動運転車両1の駐停車が不可能であると判定された場合に、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更するための駐停車予定位置変更プログラムを記憶する。駐停車予定位置変更プログラムは、駐停車予定位置変更部25により実行される。
【0102】
通知制御プログラム記憶部312は、自動運転車両1から受取人端末2への通知情報を生成し、且つ、通知情報を受取人端末2に送信するための通知制御プログラムを記憶する。通知制御プログラムは、通知制御部26により実行される。
【0103】
[1-3.受取人端末の機能構成]
次に、図12を参照しながら、受取人端末2の機能構成について説明する。図12は、実施の形態1に係る受取人端末2の機能構成を示すブロック図である。
【0104】
図12に示すように、受取人端末2は、通信部41と、表示部42と、入力部43と、制御部44と、記憶部45とを備えている。
【0105】
通信部41は、自動運転車両1の通信部11に種々の情報を送信し、且つ、自動運転車両1の通信部11から種々の情報を受信する。
【0106】
表示部42は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、自動運転車両1から受信した通知情報等を表示する。
【0107】
入力部43は、例えば、キーボードやマウス等である。受取人5は、入力部43を用いることにより、例えば配送先の情報等を入力することができる。なお、入力部43は、例えばスマートフォンのタッチパネルのように表示部と一体となった構成であってもよい。
【0108】
制御部44は、例えば、CPUであり、受取人端末2の種々の制御を行う。
【0109】
記憶部45は、例えば、半導体メモリ等であり、自動運転車両1から受信した情報や入力部43により入力された情報等を記憶する。
【0110】
[1-4.自動運転車両の動作]
次に、図13を参照しながら、自動運転車両1の動作について説明する。図13は、実施の形態1に係る自動運転車両1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0111】
図13に示すように、まず、被撮影物識別部22は、撮像部12から被撮影物の撮影画像を取得し(S1)、取得した撮影画像に基づき被撮影物を識別する(S2)。
【0112】
次に、駐停車不可領域決定部23は、被撮影物識別部22により識別された被撮影物に基づき、第1の駐停車不可領域を決定する(S3)。
【0113】
次に、駐停車可否判定部24は、予め記憶している第1の駐停車予定位置と駐停車不可領域決定部23により決定された第1の駐停車不可領域とに基づき、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが可能であるか否かを判定する(S4)。
【0114】
ステップS4にて、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置において自動運転車両1を駐停車することが可能であると判定された場合、移動制御部21は、自動運転車両1を第1の駐停車予定位置まで移動させ、自動運転車両1を第1の駐停車予定位置に駐車させる(S5)。
【0115】
一方、ステップS4にて、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置において自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定された場合、駐停車予定位置変更部25は、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する。
【0116】
駐停車予定位置変更部25は、まず、駐停車エリア記憶部306に記憶された駐停車エリアとステップS3にて駐停車不可領域決定部23より決定された第1の駐停車不可領域とに基づき、駐停車エリアのうち、第1の駐停車不可領域以外の領域(駐停車可能領域)を抽出する(S6)。その後、駐停車予定位置変更部25は、自動運転車両1を駐停車した場合に、駐停車した自動運転車両1の領域が第1の駐停車不可領域に重複せず、且つ、自動運転車両1の少なくとも一部が駐停車可能領域に含まれる位置を第2の駐停車予定位置として決定する。これにより、駐停車予定位置変更部25は、自動運転車両1の駐停車予定位置を、第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更する(S7)。
【0117】
次に、移動制御部21は、位置測定部13から車両位置の情報を取得する(S8)。この処理は、例えば、移動制御部21が位置測定部13に指示した際に、位置測定部13で測定された車両位置の情報を位置測定部13から受信することにより行われる。あるいは、位置測定部13が定期的に車両位置の情報を測定している場合には、移動制御部21は、最後に測定された車両位置の情報を車両位置情報記憶部304から取得してもよい。但し、この場合、最後に車両位置の情報を測定した時刻からの経過時間が長くなるほど、測定した時点の車両位置と現在の車両位置との差異が大きくなる可能性がある。そのため、最後に車両位置の情報を測定した時刻が現在時刻から所定期間以内である場合のみ、移動制御部21は、最後に測定された車両位置の情報を車両位置情報記憶部304から取得することが好ましい。
【0118】
その後、移動制御部21は、ステップS8で取得した車両位置の情報に基づき、車両位置から第2の駐停車予定位置までの経路を設定し、設定した経路に基づき、自動運転車両1を車両位置から第2の駐停車予定位置まで移動させ、自動運転車両1を第2の駐停車予定位置に駐車させる(S9)。
【0119】
その後、通知制御部26は、自動運転車両1を配送先に駐車した旨を示す通知情報を生成し(S10)、受取人端末情報記憶部307に記憶された受取人端末2のアドレスに基づき、生成した通知情報を受取人端末2に送信する(S11)。図14は、実施の形態1に係る受取人端末2における通知情報の表示例1を示す図である。図14に示す例では、受取人端末2の表示部42には、自動運転車両1が配送先に駐車した旨を示す通知情報として、『配送先に到着しました。荷物の受け取りをお願いします。』というメッセージが表示される。
【0120】
[1-5.効果]
以上の構成により、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1を駐停車することが不可能であると判定された場合には、自動運転車両1が駐停車する予定の位置を第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更する。これにより、例えば道路交通法を違反することなく、自動運転車両1を駐停車することができる。
【0121】
[1-6.変形例]
実施の形態1では、ステップS10において、通知制御部26は、自動運転車両1が配送先に駐車した旨を示す通知情報を受取人端末2に送信する構成であったが、駐停車予定位置変更部25により駐停車エリア内において自動運転車両1の駐停車予定位置が変更された場合は、さらに、変更された駐停車予定位置(第2の駐停車予定位置)を示す通知情報(第3の通知情報の一例)を受取人端末2に送信する構成であってもよい。図15は、実施の形態1に係る受取人端末2における通知情報の表示例2を示す図である。図15に示す例では、受取人端末2の表示部42には、第2の駐停車予定位置を示す通知情報として、第2の駐停車予定位置を★マークで示した地図情報が表示されている。この構成にすることで、例えば、事前に第1の駐停車予定位置を受取人端末2に通知していた場合、通知していた第1の駐停車予定位置とは異なる場所に駐停車したことを受取人端末2に通知できるので、受取人は、迷わずに、駐停車している自動運転車両1まで荷物を受け取りに行くことができる。
【0122】
また、実施の形態1では、駐停車予定位置変更部25により駐停車エリア内において自動運転車両1の駐停車予定位置が変更された場合、自動運転車両1が配送先に到着した旨を示す通知情報を受取人端末2に送信する構成であったが、駐停車予定位置を変更した旨を示す通知情報(第1の通知情報の一例)を受取人端末2に送信する構成であってもよい。この構成にすることで、例えば、事前に駐停車予定位置を受取人端末2に通知していた場合、受取人は、通知された駐停車予定位置が変更された旨を知ることができる。
【0123】
このとき、第2の駐停車予定位置が駐停車エリア内に含まれる場合には、通知制御部26は、駐停車予定位置を変更した旨を示す通知情報を受取人端末2に送信しないようにしてもよい。これは、受取人5の希望に沿った配送を行うことができる場合には、受取人5に対して自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する旨を通知することは不要であるためである。
【0124】
また、実施の形態1では、駐停車可否判定部24により自動運転車両1の駐停車の可否の判定を行う構成であったが、さらに、制御部16が駐車不可領域決定部31及び駐車可否判定部32(図2参照)を備えることにより、自動運転車両1の駐車の可否の判定を行う構成であってもよい。
【0125】
具体的には、ステップS4にて、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置において自動運転車両1の駐停車が可能であると判定された場合、駐車可否判定部32により第1の駐停車予定位置において自動運転車両1の駐車が可能であるか否かが判定される。駐車が可能であると判定された場合は、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に駐車する旨を示す通知情報を受取人端末2に送信し、駐車が不可能であると判定された場合は、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に所定期間停車のみ可能である旨を示す通知情報(第4の通知情報の一例)を受取人端末2に送信する。図16は、実施の形態1に係る受取人端末2における通知情報の表示例3を示す図である。図16に示す例では、受取人端末2の表示部42には、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に所定期間停車のみ可能である旨を示す通知情報として、『指定された配送先には、自動運転車両を5分間のみ停車可能です。』というメッセージが表示される。
【0126】
この構成にすることで、受取人5は、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置にて駐車可能であるのか、所定期間停車のみ可能であるのかを把握することができる。ここで、所定期間とは、予め定められる期間であり、例えば道路交通法第45条により定められた駐車とみなされない停車可能期間(例えば5分)である。この所定期間は、法的に定められた駐車とみなされない停車可能期間より短い期間であれば、任意の期間(例えば3分)であってもよい。図16に示すように、この所定期間の情報を通知情報に含める構成にすることで、受取人5は、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に所定期間停車のみ可能である場合、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に到着してから所定期間内に荷物の受け取りを行う必要があることを認識することができる。
【0127】
なお、この構成にする場合、駐車不可領域決定部31は、駐停車不可領域決定部23と同様に、被撮影物毎に定めた駐車不可領域設定ルールを予め記憶しておき、駐車不可領域設定ルールに基づき、被撮影物識別部22により識別された被撮影物から駐車不可領域を決定する。駐車不可領域設定ルールは、少なくとも、a)駐車禁止に関する法令に基づき駐車不可領域を設定するルールと、b)被撮影物の存在する領域を駐車不可領域として設定するルールとを含む構成である。駐車禁止に関する法令としては、例えば、日本の場合、道路交通法第45条に駐車禁止に関する規定がある。図17は、道路交通法第45条の規定に基づく駐車不可領域設定ルールの一例を示す図である。図17に示す例では、被撮影物が『消火栓』である場合において、駐車不可領域設定ルールは、『消火栓が設けられている位置から五メートル以内の部分』と設定されている。
【0128】
図18は、駐車不可領域の一例を示す図である。図18に示す例では、被撮影物が『消火栓』である場合において、駐車不可領域(破線で示す領域)は、図17に示す駐車不可領域設定ルールに基づき設定される。
【0129】
また、駐車可否判定部32は、駐停車可否判定部24と同様に、第1の駐停車予定位置と駐車不可領域とに基づき、第1の駐停車予定位置において自動運転車両1の駐車可否を判定し、駐車できないと判断した場合に、配送先が示す領域である駐停車エリアにおいて、駐停車予定位置を変更する構成であってもよい。所定期間停車している自動運転車両1に受取人5が荷物を受け取りに行く場合、受取人5は荷物の受け取りの時間に縛られてしまうため、配送先が示す領域において駐車可能な場所に駐停車することが望まれる。この構成にすることで、配送先が示す領域である駐停車エリアにおいて、駐車可能な場所を優先して抽出し、受取人5に通知することができる。
【0130】
なお、駐車可否判定部32により第1の駐停車予定位置において自動運転車両1の駐車が不可能であると判定され、受取人端末2に所定期間停車のみ可能である旨を示す通知情報を送信した場合、移動制御部21は、自動運転車両1を第1の駐停車予定位置に移動させ、所定期間停車する構成とする。この構成にすることで、自動運転車両1を第1の駐停車予定位置に違法に駐車してしまうことがない。
【0131】
なお、図13で示したフローチャートの各処理(S1~S11)は、自動運転車両1の位置が第1の駐停車予定位置から所定距離の範囲内にある場合に実行される。これは、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置から遠く離れた位置にある場合には、図13で示したフローチャートの各処理を実行することは不要であるためである。この構成にすることで、上記各処理に要する処理負荷を削減することができる。
【0132】
なお、実施の形態1では、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1の駐停車が不可能であると判定された場合は、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する構成であった。このような構成に代えて、被撮影物が車両(移動体の一例)であり、その車両により決定された第1の駐停車不可領域により、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1の駐停車が不可能であると判定された場合は、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更せず、自動運転車両1が所定の期間の経過後に再度、第1の駐停車予定位置に到着するように、自動運転車両1の移動を制御する構成であってもよい。この構成の場合、移動制御部21は、第1の駐停車予定位置を出発点及び目的地とする閉ループとなる経路を設定し、設定した経路に基づき自動運転車両1の移動を制御する。
【0133】
また、上述のように設定された経路に基づき、自動運転車両1の移動時間を算出することができる。さらに、この移動時間に基づき、自動運転車両1が第1の駐停車予定位置に再び到着する時間を算出することができる。この構成にすることで、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更することなく、受取人5が指定した配送先に荷物を配送することができる。なお、この構成の場合、自動運転車両1の到着時刻を変更して、再度、荷物を配送する旨を示す通知情報を受取人端末2に送信する構成が好ましい。図19は、実施の形態1に係る受取人端末2における通知情報の表示例4を示す図である。図19に示す例では、受取人端末2の表示部42には、上記通知情報として、『30分後に再度配送します。』というメッセージが表示される。この構成にすることで、受取人5は、荷物が再度配送されることを認識することができる。なお、この場合、荷物が再度配送される理由を示す通知情報も併せて受取人端末2に送信する構成が好ましい。図19に示す例では、受取人端末2の表示部42には、上記通知情報として、『指定された配送先に他の車両が駐車しているため、自動運転車両を駐停車できません。』というメッセージが表示される。この構成にすることで、受取人5は、荷物が再度配送される理由を知ることができる。
【0134】
なお、実施の形態1の自動運転車両1の制御部16及び記憶部17のうち、構成要素の一部又は全部をサーバ等の外部装置(制御装置)に配置し、外部装置にて自動運転車両1を制御する構成であってもよい。この構成の場合、自動運転車両1と外部装置との間で必要な情報がやりとりされるようになる。例えば、自動運転車両1の撮像部12で撮影した撮影画像を外部装置に送信し、外部装置にて撮影画像に基づき被撮影物を識別してもよい。
【0135】
(実施の形態2)
[2-1.自動運転車両の機能構成]
次に、図20を参照しながら、実施の形態2に係る自動運転車両1A(自動運転車両1Aの制御装置)の機能構成について説明する。図20は、実施の形態2に係る自動運転車両1Aの機能構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0136】
図20に示すように、自動運転車両1Aは、図2に示す自動運転車両1に対して、制御部16A及び記憶部17Aが異なる。
【0137】
制御部16Aは、図2に示す自動運転車両1の制御部16に対して、駐停車予定位置変更部25A、通知制御部26A及び周辺領域決定部27Aが異なる。
【0138】
周辺領域決定部27Aは、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合、第1の駐停車予定位置と予め定めた周辺領域決定ルールとに基づき、第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定する。周辺領域決定ルールは、任意のルールであってよい。図21は、第1の駐停車予定位置の周辺領域の例1を示す図である。図21に示す周辺領域決定ルールの例では、第1の駐停車予定位置から所定距離内の領域が周辺領域として決定される。図21において、★マークが第1の駐停車予定位置を表し、横線の領域が第1の駐停車予定位置の周辺領域を表している。なお、第1の駐停車予定位置は、自動運転車両1Aが到達可能な位置である必要があるため、図21に示す横線の領域のうち、自動運転車両1Aが到達可能な範囲を第1の駐停車予定位置の周辺領域として決定する構成が好ましい。自動運転車両1Aが到達可能な範囲とは、例えば、道路である。なお、道路以外に予め自動運転車両1Aの走行が可能な領域が定められている場合は、その領域も自動運転車両1Aが到達可能な範囲とすることができる。
【0139】
図22は、第1の駐停車予定位置の周辺領域の例2を示す図である。図22に示す周辺領域決定ルールの例では、受取人5により指定された配送先が住所である場合、配送先の住所「3」の両側に隣接する住所「2」及び「4」が周辺領域として決定される。図22において、★マークが第1の駐停車予定位置を表し、横線の領域が第1の駐停車予定位置の周辺領域を表している。
【0140】
駐停車予定位置変更部25Aは、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合に、周辺領域決定部27Aにより決定された第1の駐停車予定位置の周辺領域と事前駐停車不可領域記憶部314A(後述する)に記憶された事前駐停車不可領域(第2の駐停車不可領域)とに基づき、自動運転車両1の駐停車予定位置を変更する。例えば、駐停車予定位置変更部25Aは、周辺領域のうち第2の駐停車不可領域以外の領域を抽出し、抽出した第2の駐停車不可領域以外の領域の面積が所定の閾値よりも大きいと判断した場合に、自動運転車両1の駐停車予定位置を第1の駐停車予定位置から上記領域における第2の駐停車予定位置に変更する。あるいは、駐停車予定位置変更部25Aは、周辺領域のうち第2の駐停車不可領域以外の領域を抽出し、抽出した領域に所定の大きさの図形(例えば、自動運転車両1Aの大きさに対応する大きさの図形)を配置することが可能であると判断した場合に、自動運転車両1の駐停車予定位置を第1の駐停車予定位置から上記領域における第2の駐停車予定位置に変更してもよい。
【0141】
なお、駐停車予定位置変更部25Aは、抽出した第2の駐停車不可領域以外の領域が複数存在する場合は、例えば、第1の駐停車予定位置から最も近い領域から順に第2の駐停車予定位置として適切か否かを判断し、最初に適切と判断した領域における位置を第2の駐停車予定位置として決定してもよい。この構成にすることで、受取人5が指定した配送先から最も近くにおいて駐停車予定位置を変更することができる。
【0142】
あるいは、駐停車予定位置変更部25Aは、抽出した第2の駐停車不可領域以外の領域が複数存在する場合は、自動運転車両1Aの現在位置からの移動距離が最も短い領域から順に第2の駐停車予定位置として適切か否かを判断し、最初に適切と判断した領域における位置を第2の駐停車予定位置として決定してもよい。この構成にすることで、自動運転車両1Aの位置から最も近くの位置に駐停車予定位置を変更することができる。
【0143】
通知制御部26Aは、駐停車予定位置変更部25Aにより駐停車予定位置が変更された場合、自動運転車両1Aが配送先に駐停車することが不可能である旨を示す通知情報を生成し、生成した通知情報を受取人端末2に送信する。
【0144】
記憶部17Aは、図2に示す自動運転車両1の記憶部17に対して、駐停車予定位置変更プログラム記憶部311Aと、通知制御プログラム記憶部312Aと、周辺領域決定プログラム記憶部313Aと、事前駐停車不可領域記憶部314Aとが異なる。
【0145】
駐停車予定位置変更プログラム記憶部311Aは、駐停車予定位置を変更するための駐停車予定位置変更プログラムを記憶する。駐停車予定位置変更プログラムは、駐停車予定位置変更部25Aにより実行される。
【0146】
通知制御プログラム記憶部312Aは、通知情報を生成して受取人端末2に送信するための通知制御プログラムを記憶する。通知制御プログラムは、通知制御部26Aにより実行される。
【0147】
周辺領域決定プログラム記憶部313Aは、第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定するための周辺領域決定プログラムを記憶する。周辺領域決定プログラムは、周辺領域決定部27Aにより実行される。周辺領域決定プログラムは、第1の駐停車予定位置に基づき周辺領域を決定する周辺領域決定ルールを含む。
【0148】
事前駐停車不可領域記憶部314Aは、地図情報及び駐停車禁止に関する法令(例えば道路交通法第44条)(規則の一例)に基づき、自動運転車両1Aの駐停車が禁止されている領域として予め決定された事前駐停車不可領域(第2の駐停車不可領域)を記憶する。ここで、第2の駐停車不可領域と駐停車不可領域決定部23により決定される第1の駐停車不可領域との違いについて説明する。第1の駐停車不可領域は、自動運転車両1Aの撮像部12により撮影された被撮影物に基づき決定されるのに対して、第2の駐停車不可領域は、地図情報に基づき予め決定される。上述した駐停車不可領域設定ルールにより決定される第1の駐停車不可領域は、第2の駐停車不可領域と重複する部分が多いと考えられるが、重複しない部分もある。例えば、新たに道路や施設等が建設された場合、あるいは、道路や施設等が変更された場合には、必ずしも地図情報の更新がリアルタイムに行われるわけではない。そのため、これらの場所における地図情報の更新が遅れてしまう場合があり、そのような場所においては、地図情報に基づき第2の駐停車不可領域を生成することができない。また、地図情報によっては、道路交通法第44条の規定に基づき、第2の駐停車不可領域を決定するために必要とされる情報(例えば、停留所の表示柱の位置に関する情報)が含まれていない場合も考えられ、その場合も地図情報から第2の駐停車不可領域を生成することができない。このように、地図情報から生成できる第2の駐停車不可領域は必ずしも十分とは言い切れないため、自動運転車両1Aの撮像部12により撮影された被撮影物により第1の駐停車不可領域を決定することが必要である。
【0149】
なお、本実施の形態では、地図情報及び駐停車禁止に関する法令に基づき、事前駐停車不可領域を予め決定したが、これに限定されず、地図情報及び私有地(例えば、テーマパーク等)における駐停車禁止に関する規則に基づき、事前駐停車不可領域を予め決定してもよい。
【0150】
[2-2.自動運転車両の動作]
次に、図23を参照しながら、自動運転車両1Aの動作について説明する。図23は、実施の形態2に係る自動運転車両1Aの動作の流れを示すフローチャートである。なお、図23に示すフローチャートでは、図13に示すフローチャートと同一のステップには同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0151】
図23に示すフローチャートでは、図13に示すフローチャートに対して、S1A、S2A及びS3Aの各ステップが異なる。
【0152】
まず、上記実施の形態1と同様に、ステップS1~S4が実行される。その後、ステップS6にて、駐停車可否判定部24が駐停車エリアのうち第1の駐停車不可領域以外の駐停車可能領域を抽出できなかった場合、すなわち、駐停車エリア内に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定した場合、周辺領域決定部27Aは、第1の駐停車予定位置に基づき、第1の駐停車予定位置の周辺領域を決定する(S1A)。
【0153】
次に、駐停車予定位置変更部25Aは、周辺領域決定部27Aにより決定された周辺領域と事前駐停車不可領域記憶部314Aに記憶された第2の駐停車不可領域とに基づき、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を、第1の駐停車予定位置から第2の駐停車予定位置に変更する(S2A)。
【0154】
次に、通知制御部26Aは、自動運転車両1Aを配送先に駐停車することができない旨を示す通知情報を生成する(S3A)。この通知情報により、駐停車エリアには、自動運転車両1Aを駐停車することができないことを受取人5に通知することができる。図24は、実施の形態2に係る受取人端末2における通知情報の表示例1を示す図である。図24に示す例では、受取人端末2の表示部42には、自動運転車両1Aを配送先に駐停車することができない旨を示す通知情報として、『指定された配送先に自動運転車両を駐停車できません。』というメッセージが表示される。
【0155】
[2-3.効果]
以上の処理により、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合に、第1の駐停車予定位置の周辺領域のうち駐停車可能な場所に自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更することにより、変更した駐停車予定位置に自動運転車両1Aを移動させることができる。その結果、可能な限り受取人5の意図に沿うように、荷物を配送することができる。
【0156】
[2-4.変形例]
実施の形態2では、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合に(S4)、駐停車エリアから駐停車可能領域を抽出したが(S6)、このステップS6を省略し、第1の駐停車予定位置の周辺領域のうち駐停車可能な場所に自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更する構成であってもよい。この構成にする場合は、第1の駐停車予定位置の周辺領域のうち、駐停車エリアを優先して駐停車予定位置を変更する処理を行う構成が好ましい。この構成にすることで、できる限り受取人5の意図に沿うように、荷物を配送することができる。
【0157】
また、実施の形態2では、通知制御部26Aは、配送先に自動運転車両1Aを駐停車することができない旨を示す通知情報を生成し、受取人端末2に送信する構成であったが、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更した旨を示す通知情報を生成し、受取人端末2に送信する構成であってもよい。
【0158】
また、実施の形態2では、ステップS3において、通知制御部26Aは、配送先に自動運転車両1Aを駐停車することができない旨を示す通知情報を生成し、受取人端末2に送信する構成であったが、さらに、配送先に自動運転車両1Aを駐停車することができない理由を示す通知情報を生成し、受取人端末2に送信する構成であってもよい。図25は、実施の形態2に係る受取人端末2における通知情報の表示例2を示す図である。図25に示す例では、受取人端末2の表示部42には、配送先に自動運転車両1Aを駐停車することができない理由を示す通知情報として、『指定された配送先は、道路交通法第44条で規定される横断歩道の側端から五メートル以内の部分に含まれるため、配送先に自動運転車両を駐停車することができません。』というメッセージが表示される。この構成にすることで、受取人5は、自動運転車両1Aが配送先に駐停車できなかった理由を知ることができ、次回、自動運転車両1Aでの配送を依頼する場合に、この通知情報を参考にすることができる。なお、通知制御部26Aは、配送先に自動運転車両1Aを駐停車することができない理由に代えて、自動運転車両1Aの駐停車位置を変更した理由を示す通知情報(第2の通知情報の一例)を生成してもよい。
【0159】
また、通知制御部26Aは、さらに、受取人5に配送方法をどのように変更(選択)するかの問い合わせ情報(すなわち、受取人5に荷物の配送方法の選択を促す旨)を示す通知情報(第5の通知情報の一例)を生成し、受取人端末2に送信する構成であってもよい。図26は、実施の形態2に係る受取人端末2における通知情報の表示例3を示す図である。図26に示す例では、受取人端末2の表示部42には、受取人5に配送方法をどのように変更するかの問い合わせ情報を示す通知情報として、配送方法の選択肢(★の位置で荷物受取、荷物受取場所の変更、ドライバーによる再配送)が表示される。受取人5により選択された配送方法に関する情報は、受取人端末2から自動運転車両1Aに送信される。これにより、自動運転車両1Aは、受取人端末2から受信した配送方法に関する選択情報に基づき、自動運転車両1Aの移動を制御する。
【0160】
例えば、受取人5が『★の位置で荷物受取』の選択肢を選択した場合、自動運転車両1Aは、図26に示す★の位置で駐車を継続する。また、受取人5が『荷物受取場所の変更』の選択肢を選択した場合、自動運転車両1Aは、第1の駐停車予定位置の周辺領域から、再度、第2の駐停車予定位置を決定し、決定した第2の駐停車予定位置を配送先の変更場所の候補として、受取人端末2に送信する。受取人端末2により第2の駐停車予定位置を配送先の変更場所として決定された場合に、移動制御部21は、第2の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを移動させる。また、受取人5が『ドライバーによる再配送』の選択肢を選択した場合、自動運転車両1Aに積まれた荷物をドライバーが使用する車両に移動させる必要があるため、例えば、配送センターの集配地等の予め決められた位置に自動運転車両1Aを移動させる。以上の構成により、受取人5は、受取人端末2に表示された問い合わせ情報に基づき、希望の配送方法を指定することができる。
【0161】
また、実施の形態2では、通知制御部26Aは、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが可能であると判定された場合、配送先である第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐車した旨を示す通知情報を生成する構成とした。ここで、通知制御部26Aは、自動運転車両1Aの駐停車予定位置が変更された場合には、第2の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐車した旨を示す通知情報を生成する構成であってもよい。
【0162】
また、実施の形態2では、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合に、第1の駐停車予定位置の周辺領域のうち、駐停車可能な位置に駐停車予定位置を変更する構成とした。ここで、記憶部17Aに、自動運転車両1Aが順番に駐停車する予定の複数の駐停車予定位置を示す駐停車予定リストが予め記憶されている場合において、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合、駐停車予定位置変更部25Aは、駐停車予定リストに基づき、複数の駐停車予定位置のうち第1の駐停車予定位置の次に駐停車する予定の駐停車予定位置を第2の駐停車予定位置に決定してもよい。この構成にすることで、簡単な構成により自動運転車両1の駐停車予定位置を変更することができ、且つ、第1の駐停車予定位置以外の駐停車予定位置には、予定された時刻に自動運転車両1Aにより荷物を配送することができる。
【0163】
このとき、駐停車可否判定部24は、駐停車エリアにおいて自動運転車両1Aの駐停車予定位置の変更の可否を判断してもよい。駐停車可否判定部24により駐停車位置の変更が不可能であると判定された場合にのみ、駐停車予定位置変更部25Aは、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を次の第2の駐停車予定位置に変更する構成であってもよい。この構成にすることで、次の順番の第2の駐停車予定位置より、駐停車エリアにおける駐停車可能な位置を優先して、駐停車予定位置の変更を行うことができる。
【0164】
また、通知制御部26Aは、駐停車できないと判定された第1の駐停車予定位置の配送先の受取人端末2に、第1の駐停車予定位置に荷物を配送することができない旨を示す情報と、配送方法をどのように変更するかについて受取人5に問い合わせを行うための情報とを含む通知情報を受取人端末2に送信してもよい。この場合、自動運転車両1Aは、次の第2の駐停車予定位置に移動している間に受取人端末2からの回答を受信し、受信した回答に基づき、移動制御方法を決定する構成であってもよい。この構成にすることで、自動運転車両1Aは、次の配送先である第2の駐停車予定位置に移動しながら、駐停車できないと判定された第1の駐停車予定位置の配送先の受取人端末2からの回答に基づき、移動制御方法を決定することができるので、効率的に配送を行うことができる。
【0165】
また、他の車両が第1の駐停車予定位置に駐車しているために、第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定された場合、第1の駐停車予定位置を次の配送先である第2の駐停車予定位置に変更し、且つ、駐停車できないと判定された第1の駐停車予定位置の配送順序を変更する構成であってもよい。この構成にすることで、駐停車できないと判定された第1の駐停車予定位置の配送順序を変更するだけで、第1の駐停車予定位置を変更しなくてもよくなる。
【0166】
また、複数の駐停車予定位置の配送順序、及び、各駐停車予定位置における配送時刻が予め決まっている場合において、駐停車可否判定部24により第1の駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車することが不可能であると判定され、且つ、次の第2の駐停車予定位置に到着するまでに時間の余裕があると判断された場合は、駐停車可能な位置に駐停車予定位置を変更して、変更した駐停車予定位置に自動運転車両1Aを駐停車する構成であってもよい。この構成にすることで、受取人は、変更した駐停車予定位置にて荷物を受け取ることができ、また、予定していた第1の駐停車予定位置における配送時刻にも遅延することなく、荷物の配送を行うことができる。
【0167】
また、実施の形態2では、駐停車予定位置変更部25Aは、第1の駐停車予定位置の周辺領域と第2の駐停車不可領域不可領域とに基づき、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更する構成であったが、さらに、地図情報及び法令等により予め決定された事前駐車不可領域をも考慮して、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更する構成であってもよい。この構成にすることで、第1の駐停車予定位置の周辺領域のうち、駐車可能な領域において駐停車予定位置を変更することができる。
【0168】
また、駐停車予定位置変更部25Aにより第1の駐停車予定位置の周辺領域において自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更できなかった場合は、周辺領域決定部27Aは、第1の駐停車予定位置の周辺領域を拡大(変更)する処理を行い、駐停車予定位置変更部25Aは、再度、拡大した周辺領域において自動運転車両1Aの駐停車予定位置を変更する処理を行う構成であってもよい。この構成にすることで、第1の駐停車予定位置の周辺領域において、自動運転車両1Aの駐停車予定位置を確実に変更することができる。
【0169】
(他の変形例)
以上、一つ又は複数の態様に係る自動運転車両の制御装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態及び変形例に施したものや、異なる実施の形態又は変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。例えば、上記実施の形態及び変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【0170】
例えば、上記各実施の形態では、撮像部12は自動運転車両1に搭載されるように構成したが、これに限定されず、撮像部12は、例えば道路脇等に設置された防犯カメラであってもよい。
【0171】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0172】
実施の形態1及び2に係る自動運転車両1,1Aの制御装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0173】
また、実施の形態1及び2に係る自動運転車両1,1Aの制御装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0174】
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
【0175】
また、図13及び図23に示すフローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0176】
さらに、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
【0177】
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしても良い。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0178】
本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしても良い。また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしても良い。また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明に係る自動運転車両の制御装置は、例えば、自動運転車両による荷物の配送方法の指定を受け付けるオンライン配送システム配送方法等に用いられる。
【符号の説明】
【0180】
1,1A 自動運転車両
2 受取人端末
3 建物
4 道路標識
5 受取人
6 車両
11 通信部
12 撮像部
13 位置測定部
14 センサー部
15 駆動部
16,16A 制御部
17,17A 記憶部
21 移動制御部
22 被撮影物識別部
23 駐停車不可領域決定部
24 駐停車可否判定部
25,25A 駐停車予定位置変更部
26,26A 通知制御部
27A 周辺領域決定部
31 駐車不可領域決定部
32 駐車可否判定部
41 通信部
42 表示部
43 入力部
44 制御部
45 記憶部
301 地図情報記憶部
302 自動運転基本プログラム記憶部
303 経路情報記憶部
304 車両位置情報記憶部
305 駐停車予定位置情報記憶部
306 駐停車エリア記憶部
307 受取人端末情報記憶部
308 被撮影物識別プログラム記憶部
309 駐停車不可領域決定プログラム記憶部
310 駐停車可否判定プログラム記憶部
311,311A 駐停車予定位置変更プログラム記憶部
312,312A 通知制御プログラム記憶部
313A 周辺領域決定プログラム記憶部
314A 事前駐停車不可領域記憶部
図1
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