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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】集合継手、集合継手システム、建築物
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/00 20060101AFI20220906BHJP
   F16L 41/03 20060101ALI20220906BHJP
   E03C 1/12 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F16L55/00 G
F16L41/03
E03C1/12 E
E03C1/12 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021149576
(22)【出願日】2021-09-14
(62)【分割の表示】P 2019159749の分割
【原出願日】2019-09-02
(65)【公開番号】P2021193316
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2018163594
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 英治
(72)【発明者】
【氏名】渕上 斉太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 総
(72)【発明者】
【氏名】徳丸 武司
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特許第2509381(JP,B2)
【文献】特開2013-032661(JP,A)
【文献】特開2013-117245(JP,A)
【文献】特開平03-224918(JP,A)
【文献】特開2017-197985(JP,A)
【文献】特開2016-142003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/00
F16L 41/03
E03C 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に横管接続部を備えた上部接続管と、
管状に形成され、軸線が上下方向に沿うように配置された下部接続管と、
を備え、
前記下部接続管は、前記上部接続管の下端、または前記上部接続管の下端に接続された中間管の下端が挿入される受口と、射出成形により前記下部接続管の内面と一体に設けられた旋回羽根と、上方から下方に向かうに従い漸次縮径する傾斜管部と、を有し、
前記受口は、前記軸線と同軸の円筒状に形成され、
前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、前記第1側を向く上面と、周方向の第2側を向く下面と、前記下部接続管の内面から前記下部接続管の内部へ突出する上端および下端と、前記旋回羽根の上端および前記下端とを接続し、前記軸線と対向する側部と、を有し、
前記旋回羽根は、前記上端が前記受口よりも下方に設けられ、かつ、少なくとも一部、前記傾斜管部の内周面に設けられ、
前記傾斜管部の内周面は、
上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線に接近するように傾斜した第1内面と、
前記旋回羽根の下面の下方の部分に配置された第2内面と、
前記第2内面における前記第2側の端から径方向外側に延び、前記第2側を向く第3内面を有し、
前記傾斜管部の外周面のうち、前記第2内面に対応する部分の外周面は凹んでおり、
前記第3内面は、前記軸線と平行、または下方に向かうに従い前記第2側に向かうように傾いている、集合継手。
【請求項2】
外周面に横管接続部を備えた上部接続管と、
管状に形成され、軸線が上下方向に沿うように配置された下部接続管と、
を備え、
前記下部接続管は、前記上部接続管の下端、または前記上部接続管の下端に接続された中間管の下端が挿入される受口と、射出成形により前記下部接続管の内面と一体に設けられた旋回羽根と、上方から下方に向かうに従い漸次縮径する傾斜管部と、を有し、
前記受口は、前記軸線と同軸の円筒状に形成され、
前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、前記第1側を向く上面と、周方向の第2側を向く下面を有し、
前記旋回羽根は、上端が前記受口よりも下方に設けられ、かつ、少なくとも一部、前記傾斜管部の内周面に設けられ、
前記傾斜管部の内周面は、
上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線に接近するように傾斜した第1内面と、
前記旋回羽根の下面の下方の部分に配置された第2内面と、
前記第2内面における前記第2側の端から径方向外側に延び、前記第2側を向く第3内面を有し、
前記傾斜管部の外周面のうち、前記第2内面に対応する部分の外周面は凹んでおり、
前記第3内面は、前記軸線と平行、または下方に向かうに従い前記第2側に向かうように傾き、
前記下部接続管の外面にシート状の耐火材が設けられ、
前記耐火材は、前記下部接続管の外面のうち、前記旋回羽根が設けられた位置の外面に設けられている、集合継手。
【請求項3】
外周面に横管接続部を備えた上部接続管と、
管状に形成され、軸線が上下方向に沿うように配置された下部接続管と、
を備え、
前記下部接続管は、前記上部接続管の下端、または前記上部接続管の下端に接続された中間管の下端が挿入される受口と、射出成形により前記下部接続管の内面と一体に設けられた旋回羽根と、上方から下方に向かうに従い漸次縮径する傾斜管部と、を有し、
前記受口は、前記軸線と同軸の円筒状に形成され、
前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、前記第1側を向く上面と、周方向の第2側を向く下面を有し、
前記旋回羽根は、上端が前記受口よりも下方に設けられ、かつ、少なくとも一部、前記傾斜管部の内周面に設けられ、
前記傾斜管部の内周面は、
上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線に接近するように傾斜した第1内面と、
前記旋回羽根の下面の下方の部分に配置された第2内面と、
前記第2内面における前記第2側の端から径方向外側に延び、前記第2側を向く第3内面を有し、
前記傾斜管部の外周面のうち、前記第2内面に対応する部分の外周面は凹んでおり、
前記第3内面は、前記軸線と平行、または下方に向かうに従い前記第2側に向かうように傾き、
前記下部接続管の外面にシート状の耐火材が設けられ、
前記耐火材は、前記上部接続管の下端、または前記中間管の下端が挿入された前記受口の外面に設けられている、集合継手。
【請求項4】
前記第2内面の径方向外側に配置された前記傾斜管部の外周面の少なくとも一部は、上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線から離間するように傾斜している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項5】
前記傾斜管部の外周面には凹みが設けられ、
前記傾斜管部の外周面には遮音カバーが設けられ、
前記遮音カバーは、前記凹みに充填された材料により支持される、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項6】
前記傾斜管部の外周面には凹みが設けられ、
前記凹みは、前記旋回羽根の上面、前記第2内面および前記第3内面に囲まれている請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項7】
前記傾斜管部の下部に下側管部を備え、
前記下側管部は差口とされ、
前記傾斜管部と前記下側管部の間に径方向の外側に突出する突起が設けられている、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項8】
前記傾斜管部の下部に下側管部を備え、
前記下側管部は、前記集合継手の下方に位置し上端に受口を備えた縦管と接続される差口とされ、
前記差口の長さは、前記縦管の受口内部に設けられた規制手段から前記受口の端部までの長さよりも長い、
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項9】
前記第2内面は、前記旋回羽根の下面の下方で、前記第1内面よりも径方向内側に張り出している、
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の集合継手。
【請求項10】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の集合継手と、
前記集合継手に接続された縦管および横管と、を備える、集合継手システム。
【請求項11】
請求項10に記載の集合継手システムを備える、建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅やオフィスビルディング等の建築物は、排水路等の集合継手システムを備えている(例えば、特許文献1及び2参照)。例えば、集合継手システムは、建築物の各階で排水を集める横管と、各横管で集めた排水を下方に向かって流す縦管と、横管と縦管とを接続する集合継手と、を備えている。
【0003】
集合継手は、管状に形成された継手本体と、継手本体の外周面に設けられた横管接続部と、継手本体の内周面に設けられた旋回羽根と、を備えている。
継手本体は、軸線が上下方向に沿うように配置されている。継手本体は、横管接続部よりも下方に、上方から下方に向かうに従い漸次、外径及び内径がそれぞれ小さくなるように形成された傾斜管部を有している。
旋回羽根の少なくとも一部は、傾斜管部の内周面に配置されている。継手本体の上端部及び下端部には、縦管がそれぞれ接続されている。横管接続部には、横管が接続されている。
【0004】
継手本体の上端部に接続された縦管、及び横管から継手本体内に流れ込んだ排水は、旋回羽根の上面に当たり、旋回羽根の上面に沿って螺旋状に流れる。集合継手の継手本体内を排水が螺旋状に流れ落ちる一方で、継手本体内の空気が、排水が流れない空間を上方に向かって流れる。
こうして、集合継手システムは、内部に生じる圧力差を抑えた状態での内部を流れる排水の流量である排水性能を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-096646号公報
【文献】特開2001-173866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に開示された集合継手は、鋳造により鋳鉄等で形成されていたが、最近、鋳造に代えて、集合継手を射出成形により樹脂等で形成することが行われている。この際に、傾斜管部が前述のように形成されているため、傾斜管部内における旋回羽根の上方の空間を金型のコアを用いて形成し、集合継手を射出成形により形成した後で集合継手に対してこのコアを上方に移動させて集合継手からコアを取り外すことがしやすい。
しかしながら、傾斜管部内における旋回羽根の下方の空間をコアを用いて形成しても、このコアが旋回羽根に係止するためにこのコアを上方に移動させることができず、一方、傾斜管部は下方に向かうに従い縮径しているためにこのコアを下方に移動させることもできず、集合継手を射出成形により形成した後で集合継手からコアを取り外すことが困難である。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、集合継手を射出成形により形成する場合に、傾斜管部内における旋回羽根の下方の空間を広く確保して排水性能を高めた集合継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の集合継手は、管状に形成され、軸線が上下方向に沿うように配置された継手本体と、前記継手本体の内周面に設けられた旋回羽根と、を備え、前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、前記継手本体は、上方から下方に向かうに従い漸次縮径する傾斜管部を有し、前記旋回羽根の少なくとも一部は、前記傾斜管部の内周面に設けられ、前記傾斜管部の内周面は、上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線に接近するように傾斜した第1内面と、前記旋回羽根の下方の部分に配置され、上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線から離間するように傾斜した第2内面と、を有することを特徴としている。
ここで言う旋回羽根の下方の部分とは、旋回羽根のいずれの部分よりも下方に配置された部分だけでなく、旋回羽根の一部よりも下方に配置されているが、旋回羽根の他の一部に対しては下方に配置されていない部分のことも含む意味である。
【0009】
この発明によれば、傾斜管部の第1内面は、下方から上方に向かうに従い漸次、軸線から離間するように傾斜している。このため、第1内面を、例えば金型の第1コアを用いて形成し、集合継手を射出成形により形成した後で集合継手に対して第1コアを上方に移動させて集合継手から第1コアを取り外すことができる。また、傾斜管部の第2内面は、旋回羽根の下方に配置され、下方に向かうに従い漸次、軸線から離間するように傾斜している。このため、第2内面を、例えば金型の第2コアを用いて形成し、集合継手を射出成形により形成した後で集合継手に対して第2コアを下方に移動させて集合継手から第2コアを取り外すことができる。
【0010】
このように、傾斜管部の内周面の一部であって旋回羽根の下方に配置された第2内面を、第2コアを用いて形成することができるため、傾斜管部内における旋回羽根の下方の空間を広く確保することができる。
例えば、集合継手内に排水が流れ込むと、この排水は旋回羽根の周方向の第1側を向く面に当たって旋回するように螺旋状に流れる。旋回羽根の下方に配置された空間により排水の流れが阻害され難くなるため、集合継手の排水性能を高めることができる。
【0011】
また、上記の集合継手において、前記第2内面の径方向外側に配置された前記傾斜管部の外周面の少なくとも一部は、上方から下方に向かうに従い漸次、前記軸線から離間するように傾斜していてもよい。
この発明によれば、第2内面と、第2内面の径方向外側に配置された傾斜管部の外周面の少なくとも一部と、の間に配置された傾斜管部の径方向の厚さを薄くし、射出成形により形成されたこの部分にヒケ等が生じて成形不良になるのを抑制することができる。
【0012】
また、上記の集合継手において、前記傾斜管部の内周面は、前記第2内面における周方向の第2側の端から径方向外側に延び、前記第2側を向く第3内面を有してもよい。
この発明によれば、傾斜管部の第1内面と第2内面との間を第3内面により連結することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の集合継手によれば、集合継手を射出成形により形成する場合に、傾斜管部内における旋回羽根の下方の空間を広く確保して、排水性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態の集合継手が用いられる集合継手システムの一部を破断した側面図である。
図2】同集合継手の下部接続管の一部を破断した斜視図である。
図3】同下部接続管の平面図である。
図4図3中の切断線IV-IVの断面図である。
図5図3中の切断線V-Vの断面図である。
図6図3中の切断線VI-VIの断面図である。
図7】同下部接続管の側面図である。
図8】同下部接続管を射出成形により形成するための金型の断面図である。
図9】本発明の他の実施形態の集合継手の下部接続管の断面図であって、図6に示す断面図に相当する図である。
図10図9に示す下部接続管が縦管に接続されている状態を示す断面図である。
図11】本発明の第1変形例の集合継手システムを構成する下部接続管及び縦管を示す断面図である。
図12】本発明の第2変形例の集合継手システムを構成する下部接続管及び縦管を示す断面図である。
図13】本発明の第3変形例の集合継手システムを構成する下部接続管及び縦管を示す断面図である。
図14】本発明の第4変形例の集合継手システムを構成する下部接続管及び縦管を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る集合継手の一実施形態が用いられる集合継手システムを、図1から図8を参照しながら説明する。
図1に示すように、この集合継手システム1は、建築物101の排水用として用いられる。集合継手システム1は、建築物101の床スラブ102に形成されたスラブ貫通孔102a内を通して各階に配置されている。なお、図1では、後述する下部接続管19の構成を簡略化して示している。
【0016】
集合継手システム1は、集合継手11と、縦管46と、横管48と、を備えている。
集合継手11は、継手本体16と、横管接続部41と、を備えている。継手本体16は、円管状に形成され、軸線Oが上下方向に沿うように配置されている。以下、継手本体16の周方向X(図3参照)を単に周方向Xと言う。
継手本体16は、上部接続管17と、上部接続管17に中間管18を介して接続された下部接続管19と、を備えている。
上部接続管17の外周面には、横管接続部41が固定されている。本実施形態では、横管接続部41は上部接続管17の外周面に複数設けられている。横管接続部41には、横管48が接続されている。
上部接続管17の内周面には、堰止め板22が固定されている。堰止め板22は、横管48に排水が逆流するのを抑制する。
上部接続管17は、塩化ビニル樹脂等で形成されている。
【0017】
上部接続管17の上端部には、縦管接続部23が取付けられている。縦管接続部23は、第1旋回羽根24を備えている。第1旋回羽根24は、上下方向において、横管48に対応する位置に配置されている。
縦管接続部23には、縦管46が接続されている。縦管46の外径は、上部接続管17の内径よりも小さい。
【0018】
中間管18及び下部接続管19は、横管接続部41よりも下方に配置されている。
中間管18は、ポリ塩化ビニル系樹脂で構成され、ポリ塩化ビニル系樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物を含有するものが好ましい。すなわち、中間管18は、樹脂組成物を成形することによって作製される。通常、中間管18は、樹脂組成物を押出成形することによって作製される。
また、中間管18は、中間管18の全体が樹脂組成物からなる単層構造でもよいし、複数の層からなる複層構造でもよい。複層構造の場合、いずれかの層が樹脂組成物から形成されていればよい。例えば、中間管18が、表層と中間層と内層とからなる3層構造である場合には、中間層が樹脂組成物から形成されたものが挙げられ、表層、中間層、内層は吸熱剤を含有していてもよい。
なお、中間管18が熱膨張性黒鉛を含有しない場合には、熱膨張性黒鉛を含有するシート状の耐火材を中間管18の外面または中間管18を覆う遮音材の外面に巻きつけ、耐火材をスラブ貫通孔102aに埋設するようにしてもよい。
【0019】
一例として、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、熱膨張性黒鉛を1~20重量部の割合で含む樹脂組成物からなる単層構造を採用できる。あるいは、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、熱膨張性黒鉛を1~20重量部の割合で含む樹脂組成物からなる熱膨張性耐火層と、この熱膨張性耐火層の内外面を覆う熱膨張性黒鉛非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物の被覆層とからなる3層構造であるものを採用できる。
【0020】
中間管18が単層構造の場合、熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られないおそれがあり、20重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣がスラブ貫通孔102aから脱落し、耐火性が低下してしまうおそれがある。
【0021】
中間管18が複層構造の場合、熱膨張性耐火材料を含む樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1~20重量部の割合で含むものが好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量は、4~18重量部の割合がより好ましく、6~16重量部の割合がさらに好ましい。
なお、中間管18がスラブ貫通孔102aの全体に亘って存在していれば、熱膨張性黒鉛の含有量が15重量部以上と比較的多く含有していて残渣がもろい場合であっても、残渣がスラブ貫通孔102a全体を閉塞して床スラブ102内に熱膨張後の残渣が保持され、脱落しにくくすることができる。
【0022】
中間層が熱膨張性黒鉛を含有する場合、中間層は黒色を呈する。そのため、表層と内層は黒色以外の着色剤を含有させ、中間層と区別可能にしておくことが好ましい。
表層および内層の厚みとしては、それぞれ0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.6mm以上1.5mm以下が好ましい。被覆層の厚みが0.3mm以上であれば、管としての機械的強度を十分に確保でき、3.0mm以下であれば、耐火性の低下を抑制できる。
また、中間管18は、JIS K6741に記載の性能を満たすものであることが好ましい。
すなわち、熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られないおそれがある。熱膨張性黒鉛が20重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣がスラブ貫通孔102aから脱落し、耐火性が低下してしまうおそれがある。
【0023】
本実施形態で用いる熱膨張性黒鉛は、一例として、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を無機酸と強酸化剤とで黒鉛の層間に無機酸を挿入する酸処理をした後、pH調整して得られる結晶化合物を用いることができる。
無機酸として、濃硫酸、硝酸、セレン酸等を用いることができる。強酸化剤として、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等を用いることができる。
【0024】
前記pH調整により、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物であって、pH1.5~7.0に調整された熱膨張性黒鉛、および、1.3倍膨張温度が180℃~280℃の熱膨張性黒鉛を用いることができる。
【0025】
熱膨張性黒鉛のpHが1.5未満であると、酸性が強すぎて、成形装置の腐食などを引き起こしやすく、pHが7.0を超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進効果が薄れ、十分な耐火性能が得られなくなるおそれがある。
熱膨張性黒鉛の粒径は、特に限定されないが、例えば100~400μmの範囲、好ましくは120~350μmの範囲のものを使用することができる。
【0026】
中間管18を構成する樹脂組成物には、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて安定剤、無機充填剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、熱可塑性エラストマーなどの添加剤が添加されていてもよい。
【0027】
中間管18の内周面には、第2旋回羽根が設けられてもよい。中間管18の上端部は、上部接続管17の下端部の内側に嵌合されている。上部接続管17と中間管18との接続部分は、例えば接着剤等により接合されている。
本実施形態においては、図1に示すように、上部接続管17と中間管18との接続部分は、床スラブ102のスラブ貫通孔102a内に配置されている。スラブ貫通孔102aには、モルタル103が充填されている。なお、これに限るものではなく、上部接続管17の下端及び中間管18の上端は、床スラブ102の上面よりも上方にあってもよい。
【0028】
なお、中間管18は無くても良い。
その場合、上部接続管17と下部接続管19とが直接接続される。下部接続管19の上端の接続管部31が受口の場合には、上部接続管17の下端が差口とされて下部接続管19に挿入される。下部接続管19の上端の接続管部31が差口の場合には、上部接続管17の下端が受口とされ、この下端に下部接続管19が挿入される。
これらの場合、前述したシート状の耐火材(以下、耐火シートともいう)を、上部接続管17と下部接続管19との接続部分に巻き付けることができる。この場合、前記耐火シートは、上部接続管17や下部接続管19のうち、横管接続部41より下側に位置する部分に巻かれる。なお、下部接続管19に耐火シートを巻く場合、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34が存在する範囲の外面は後述するように凹んでいて(凹み32e)、この範囲に耐火シートは巻きにくい。そのため、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34が存在しない範囲に耐火シートを巻くのが好ましい。一方、この範囲に後述する突部36が設けられている場合には、突部36により耐火シートが支持される。そのため、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34がある位置まで耐火シートを巻いてもよい。
【0029】
図2及び図3に示すように、下部接続管19は、接続管部31と、傾斜管部32と、下側管部(縦管接続部)33と、第3旋回羽根(旋回羽根)34と、を備えている。
【0030】
接続管部31は、円筒状に形成され、中間管18の下端部の外側に嵌合されている(図1参照)。接続管部31は、例えば接着剤等により中間管18に接合されている。
傾斜管部32は、円筒状に形成され、かつ、上方から下方に向かうに従い漸次、縮径するように形成されている。言い換えると、傾斜管部32は、上方から下方に向かうに従い漸次、外径及び内径がそれぞれ小さくなるように形成されている。すなわち、傾斜管部32の内面のうち、第3旋回羽根34の下方となる内面以外は、下方に向かうに従い軸線Oに接近するようなテーパー状である。
傾斜管部32は、接続管部31と同軸に配置されている。傾斜管部32の上端部は、接続管部31の下端部の内周面に固定されている。傾斜管部32の上端部は、中間管18の下端部に中間管18の下方から接触している(図1参照)。
【0031】
図2に示すように、下側管部33は、円筒状に形成されている。下側管部33は、傾斜管部32と同軸に配置されている。下側管部33の上端部は、傾斜管部32の下端部の外周面に固定されている。図1に示すように、下側管部33には、縦管46が接続されている。
継手本体16の上端部及び下端部には、縦管46がそれぞれ接続されている。両縦管46は、同軸に配置されている。
【0032】
第3旋回羽根34は、傾斜管部32の内周面における接続管部31よりも下方の部分に固定されている。なお、第3旋回羽根34の一部が傾斜管部32の内周面に固定され、第3旋回羽根34の残部が接続管部31や下側管部33の内周面に固定される等としてもよい。
図2及び図3に示すように、第3旋回羽根34は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向Xの第1側X1に向けて延びている。より詳しく説明すると、第3旋回羽根34の第1側X1を向く面34aは、上方から下方に向かうに従い漸次、第1側X1に向けて延びている。第3旋回羽根34の周方向Xの第2側X2を向く面34bは、上方から下方に向かうに従い漸次、第1側X1に向けて延びている。
なお、第3旋回羽根34の下面の一部が、上方から下方に向かうに従い漸次、第1側X1に向けて延び、第3旋回羽根34の下面の残部が水平面に沿って延びるように構成してもよい。
【0033】
図4は、図3中の切断線IV-IVの断面図である。同様に、図5図6は、図3中の切断線V-V、切断線VI-VIの断面図である。以下では、傾斜管部32の内周面及び外周面の形状の詳細について説明する。
図2から図6に示すように、傾斜管部32の内周面は、第1内面32aと、第2内面32bと、第3内面32cと、を備えている。
第1内面32aは、第3旋回羽根34の上方の部分、及び、周方向において第3旋回羽根34が配置されていない部分にそれぞれ配置されている。第1内面32aは、上方から下方に向かうに従い漸次、軸線Oに接近するように傾斜している。言い換えれば、第1内面32aは、下方から上方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。なお、第3旋回羽根34の下端が傾斜管部32の上端に配置されているとき等には、第3旋回羽根34の上方の部分に第1内面32aは形成されなくてもよい。
【0034】
第2内面32bは、第3旋回羽根34の下方の部分に配置されている。図4から図6に示すように、第2内面32bは、上方から下方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。第2内面32bは、第3旋回羽根34の面34bの下方に張り出している。第2内面32bは、第1内面32aよりも径方向内側に張り出している。
図2に示すように、第3内面32cは、第2内面32bにおける周方向の第2側X2の端から径方向外側に延びている。第3内面32cは、第2側X2を向き、軸線Oに平行である。なお、第3内面32cは、下方に向かうに従い漸次、周方向Xの第2側X2に向かうように傾いてもよい。
【0035】
図4及び図7に示すように、傾斜管部32の外周面は、第1外面32d(傾斜管部の外周面の少なくとも一部)を備えている。第1外面32dは、第2内面32bの径方向外側に配置されている。第1外面32dは、上方から下方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。すなわち、図4に示す断面において、第1外面32d及び第2内面32bは互いに平行であり、第1外面32d及び第2内面32bにより挟まれた傾斜管部32の厚さは一定である。第1外面32dは、第2内面32bに対応する全範囲にわたって形成されている。
すなわち、円筒状に形成された傾斜管部32では、第2内面32bに対応する部分の内周面及び外周面が軸線Oに向かって凹んでいる。傾斜管部32の第2内面32bに対応する部分では、いわゆる肉盗みがされている。言い換えると、傾斜管部32の外周面には、軸線Oに向けて凹む凹み32eが形成されている。
【0036】
図4及び図7に示すように、傾斜管部32の第1外面32dには、径方向外側に向かって突出する突部36が複数形成されている。複数の突部36は、周方向に延び、互いに上下方向に間隔を空けて配置されている。突部36を形成することで、傾斜管部32の強度を向上させ、排水が第3旋回羽根34にあった際に発生する振動を抑える効果がある。さらに、前述したように下部接続管19に耐火シートを巻き付けるとき、傾斜管部32の周囲に設けられる耐火シートや遮音カバーを保持する効果もある。
なお、第1外面32dは、第2内面32bに対応する範囲の一部に形成されてもよい。
【0037】
下部接続管19を構成する接続管部31、傾斜管部32、下側管部33、及び第3旋回羽根34は、例えば塩化ビニル樹脂等の射出成形により一体に形成されている。
継手本体16は、上部接続管17、中間管18、及び下部接続管19の3つの部材で構成されている。なお、継手本体を2つ、又は4つ以上の部材で構成してもよいし、継手本体を1つの部材で一体に構成してもよい。
また、上部接続管17及び下部接続管19を透明にしてもよい。これにより、上部接続管17、中間管18、及び下部接続管19の接続状態を外部から視認することができる。
【0038】
継手本体16の外周面に、遮音対策として遮音カバーを設けてもよい。遮音カバーは、例えば、厚さ0.8~2mmの軟質塩化ビニル、ブチルゴム、又はポリプロピレン(PP)樹脂製のシートで形成される。遮音カバーを、上記のシートの内側に、厚さ5~20mmのポリエステル繊維、ウレタン発泡体、又はグラスウールやロックウールなどの吸音層を設けた積層体としてもよい。
また、下部接続管19の傾斜管部32の外面に設けられた凹み32eに、前記吸音層を構成する材料を充填し、外観上、凹み32eを無くしてもよい。これにより、下部接続管19の周囲に設ける遮音カバーを、前記充填された材料によって支持することができる。
【0039】
次に、以上のように構成された下部接続管19の製造方法について説明する。
図8に示すように、下部接続管19は金型51を用いた射出成形により形成される。例えば金型51は、第1コア52と、第2コア53と、第1キャビティ54と、第2キャビティ55と、を備えている。
一般的な金型では、コア同士のパーティングラインは、下部接続管19における傾斜管部32と下側管部33との接続部分である、図8中に示す線Lのようになる。しかし、金型51では、第1コア52に凹部52aが形成され、第2コア53に、凹部52aに対応する凸部53aが形成されている。凸部53aが線Lを超えて凹部52a側に飛び込み、凸部53aと凹部52aとの間で第3旋回羽根34を形成している。
【0040】
第1コア52は、第3旋回羽根34の面34a、及び傾斜管部32の第1内面32aを形成している。第2コア53の凸部53aは、第3旋回羽根34の面34b、及び傾斜管部32の第2内面32bを形成している。
金型51内で下部接続管19を形成した後で、下部接続管19に対して第1コア52を上方に移動させて下部接続管19から第1コア52を取り外す。同様に、下部接続管19に対して第2コア53を下方に移動させて下部接続管19から第2コア53を取り外す。下部接続管19に対して第1キャビティ54を左側に移動させて下部接続管19から第1キャビティ54を取り外す。下部接続管19に対して第2キャビティ55を右側に移動させて下部接続管19から第2キャビティ55を取り外す。
こうして、射出成型により下部接続管19が製造される。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の集合継手11によれば、傾斜管部32の第1内面32aは、下方から上方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。このため、第1内面32aを金型51の第1コア52を用いて形成し、集合継手11の下部接続管19を射出成形により形成した後で下部接続管19に対して第1コア52を上方に移動させて下部接続管19から第1コア52を取り外すことができる。また、傾斜管部32の第2内面32bは、第3旋回羽根34の下方に配置され、下方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。このため、第2内面32bを金型51の第2コア53を用いて形成し、下部接続管19を射出成形により形成した後で下部接続管19に対し第2コア53を下方に移動させて下部接続管19から第2コア53を取り外すことができる。
【0042】
このように、傾斜管部32の内周面の一部であって第3旋回羽根34の下方に配置された第2内面32bを、第2コア53を用いて形成することができるため、傾斜管部32内における第3旋回羽根34の下方の空間を広く確保することができる。
集合継手11内に排水が流れ込むと、この排水は第3旋回羽根34の面34aに当たって旋回するように螺旋状に流れる。第3旋回羽根34の下方に配置された空間により排水の流れが阻害され難くなるため、集合継手11の排水性能を高めることができる。
【0043】
第2内面32bの径方向外側に配置された第1外面32dは、上方から下方に向かうに従い漸次、軸線Oから離間するように傾斜している。これにより、第2内面32bと第1外面32dとの間に配置された傾斜管部32の径方向の厚さを薄くし、射出成形により形成されたこの部分にヒケ等が生じて成形不良になるのを抑制することができる。
傾斜管部32の内周面は、第3内面32cを備えている。このため、傾斜管部32の第1内面32aと第2内面32bとの間を第3内面32cにより連結することができる。
【0044】
第3旋回羽根34の面34a,34bは、上方から下方に向かうに従い漸次、第1側X1に向けてそれぞれ延びている。このため、第3旋回羽根34の厚さを薄くし、射出成形により形成されたこの部分にヒケ等が生じて成形不良になるのを抑制することができる。そして、傾斜管部32内における第3旋回羽根34の下方の空間を広く確保して、集合継手11の排水性能をさらに高めることができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、第2内面32bの径方向外側に配置された傾斜管部32の外周面は、軸線Oに沿う平坦な形状等であってもよい。
また、第3旋回羽根34の面34a又は面34bは、平面ではなく、上方又は下方に向かって湾曲した曲面であってもよい。さらに、面34a又は面34bには、連続又は不連続な凸部や凹部が形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、第2内面32bの径方向外側に配置された突部36が、周方向Xに延び、互いに上下方向に間隔を空けて配置されている。しかしながら、突部36が上下方向(管軸方向)に延びていてもよく、周方向Xに延びる突部36と上下方向に延びる突部36の両方が設けられていてもよい。
【0046】
接続管部31、下側管部33は受口とされているが、差口でもよい。
接続管部31が差口である場合には、上記の通り中間管18を省略し、上部接続管17の下端(受口)に接続管部31を挿入することができる。
下側管部33が差口である場合には、図9及び図10に示す他の実施形態に係る下部接続管19Aのように構成することができる。この下部接続管19Aでは、集合継手11の下方に位置する縦管46Aの上端を受口46aとして、下側管部33を受口46aに挿入している。図示の例では、下側管部33の直径(外径、内径)は、傾斜管部32の下端の直径と同等である。
【0047】
なお図10に示すように、縦管46Aの上端が受口46aである場合、受口46a内に、止水性を高めるゴム輪46bを設けることができる。図示の例では、受口46aの内径は下側管部33の外径よりも大きい。ゴム輪46bは、受口46aに内側から嵌合され、かつ、下側管部33に外側から嵌合されている。言い換えると、ゴム輪46bは、受口46aと下側管部33との間に挟み込まれている。これにより、ゴム輪46bの止水性が発揮される。
【0048】
ところで、前記下部接続管19Aでは、例えば、縦管46Aと下部接続管19とが予期せず移動すること等を起因として、ゴム輪46bが、下側管部33の外周面ではなく傾斜管部32の外周面に嵌合するおそれがある。この種の予期せぬ移動は、例えば、縦管46Aが熱伸縮して移動したり、作業者が施工ミスしたりすること等を原因とする。
ここで、ゴム輪46bが傾斜管部32の外周面に嵌合する場合、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34による凹み32eの高さ位置に前記ゴム輪46bが位置するおそれがある。この場合、ゴム輪46bと下側管部33との間に隙間が生じ、ゴム輪46bによる止水性が損なわれる。
そこで、縦管46Aと下部接続管19の相対的な移動を規制する手段(以下、規制手段60という)を設ける。これにより、ゴム輪46bと凹み32eとが重なることが規制され、ゴム輪46bによる止水性が確保される。
【0049】
規制手段60の具体例を以下の図11から図14に示す。
【0050】
図11に示す規制手段60Aは、下部接続管19Bに設けられている。規制手段60Aは、下部接続管19Bにおける傾斜管部32と下側管部33との接続部分に設けられている。言い換えると、規制手段60Aは、凹み32eの高さ以下に位置する。規制手段60Aは、径方向の外側に突出する突起である。図示の例では、規制手段60Aは、周方向Xの全周にわたって設けられている。この場合、前述のような予期せぬ移動が生じようとするときには、縦管46Aの上端が規制手段60Aの下面に接触し、更なる移動が規制される。
【0051】
図12に示す規制手段60Cは、縦管46Bに設けられている。規制手段60Cは、縦管46Bにおける上端に設けられている。規制手段60Cは、径方向の内側に突出する突起である。図示の例では、規制手段60Cは、周方向Xの全周にわたって設けられている。規制手段60Cの内径は、下側管部33の外径と同等である。この場合、前述のような予期せぬ移動が生じようとするときには、規制手段60Cが傾斜管部32の下端に接触し、更なる移動が規制される。
【0052】
図13に示す規制手段60Dは、縦管46Cに設けられている。この変形例では、受口46aの形状が、他の変形例と異なっている。すなわち、この変形例における受口46aの内径は、下側管部33の外径と同等である。受口46aの内周面には、周方向Xに延びる環状の凹部46cが設けられている。ゴム輪46bは、その凹部46cに嵌合されている。規制手段60Dは、縦管46Cにおける上端によって形成されている。この場合、前述のような予期せぬ移動が生じようとするときには、図12に示す変形例と同様に、規制手段60D(縦管46Cの上端)が傾斜管部32の下端に接触し、更なる移動が規制される。
【0053】
図14に示す規制手段60Eは、ゴム輪46bに設けられている。規制手段60Eは、ゴム輪46bにおける下端に設けられている。規制手段60Eは、径方向の内側に突出する突起である。図示の例では、規制手段60Eは、周方向Xの全周にわたって設けられている。規制手段60Eの内径は、下側管部33の外径以下である。この場合、前述のような予期せぬ移動が生じようとするときには、規制手段60Eが下側管部33の下端に接触し、更なる移動が規制される。なおこの場合、規制手段60Eから下側管部33の下端までの距離L1は、縦管46Aの上端から凹み32eまでの距離L0よりも短い(L1<L0)ことが好ましい。また規制手段60Eが、受口46aの基端に設けられた段部46dによって形成されてもよく、受口46aの内部に突起として設けられていてもよい。これらの場合には、図13に示す縦管46Cのように、受口46aの内径が、下側管部33の外径と同等であってもよい。
【0054】
集合継手11は、縦管接続部23及び横管接続部41を備えなくてもよい。
継手本体16内に旋回羽根が設けられる位置は特に限定されず、上下方向において横管接続部41と同等の位置等でもよい。
継手本体16は円管状に形成されているとした。しかし、継手本体の形状はこれに限定されず、継手本体は楕円の管状や、角管状等に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
11 集合継手
16 継手本体
32 傾斜管部
32a 第1内面
32b 第2内面
32c 第3内面
32d 第1外面(傾斜管部の外周面の少なくとも一部)
34 第3旋回羽根(旋回羽根)
O 軸線
X 周方向
X1 第1側
X2 第2側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14