(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】光学式のパティキュレートセンサ、特に排ガスセンサ
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20060101AFI20220906BHJP
F01N 11/00 20060101ALI20220906BHJP
G01N 21/53 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G01N15/06 D
F01N11/00
G01N15/06 C
G01N21/53 Z
(21)【出願番号】P 2021523403
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2019075369
(87)【国際公開番号】W WO2020088843
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】102018218734.7
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エンノ バールス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ブーフホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ラドスラフ ルサノフ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ヴェーバー
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102008041038(DE,A1)
【文献】英国特許出願公開第02459452(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0237505(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/06
F01N 11/00
G01N 21/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定ガスの流れ内のパティキュレート(12)を検出す
るパティキュレートセンサであって、
レーザ光(10)の発生手段または供給手段と、
レーザ光(10)の合焦手段と、
熱放射線の検出手段または伝搬手段と、
を備え、
前記パティキュレートセンサ(16)は、少なくとも1つの光学的な入口(40)を有し、該光学的な入口(40)は、前記測定ガスにさらされる領域(16.1)を、前記測定ガスとは反対側の、前記測定ガスにさらされない領域(16.2)から分離しており、
レーザ光(10)の前記発生手段または前記供給手段および/または熱放射線の前記検出手段または前記伝搬手段は、前記測定ガスとは反対側の前記領域(16.2)に配置されており、
前記パティキュレートセンサ(16)は、測定ガス流から部分流(321)を取り出し、レーザ焦点(22)に供給し、さらに、前記光学的な入口(40)を前記部分流(321)に対して流体的に遮蔽する、
パティキュレートセンサ。
【請求項2】
前記パティキュレートセンサ(16)はハウジング(100)を有し、該ハウジング(100)内にまたは該ハウジング(100)に接して前記光学的な入口(40)が配置されており、前記ハウジング(100)は、少なくとも1つの流入開口(101)であって、該流入開口(101)を通して、前記測定ガスの前記流れから前記部分流(321)が取出し可能であり、かつ前記ハウジング(100)の内部に導入可能である、流入開口(101)と、少なくとも1つの流出開口(102)であって、該流出開口(102)を通して、前記部分流(321)が前記ハウジング(100)から流出する、流出開口(102)と、を有し、前記ハウジング(100)の内部に、前記部分流(321)を、前記光学的な入口(40)から離反するように向けられた方向に変向する遮蔽体が設けられている、請求項1記載のパティキュレートセンサ。
【請求項3】
前記遮蔽体は、前記部分流(321)を、前記光学的な入口(40)へ向けられた方向から、該光学的な入口(40)から離反するように向けられた方向に変向する、請求項2記載のパティキュレートセンサ。
【請求項4】
前記遮蔽体は、前記部分流(321)を、前記流入開口(101)から前記光学的な入口(40)へ向けられた方向から、該光学的な入口(40)から離反して前記流出開口(102)に向けられた方向に変向する、請求項3記載のパティキュレートセンサ。
【請求項5】
前記ハウジング(100)はハウジングボディ(300)を有し、該ハウジングボディ(300)内にまたは該ハウジングボディ(300)に接して前記光学的な入口(40)が配置されており、前記ハウジング(100)は保護管モジュール(200)をさらに、有し、該保護管モジュール(200)は、前記ハウジングボディ(300)に固定されているかまたは前記ハウジングボディ(300)と一体であり、少なくとも1つの流入開口(101)であって、該流入開口(101)を通して、前記測定ガスの前記流れから部分流(321)が取出し可能であり、かつ前記保護管モジュール(200)の内部に導入可能である、流入開口(101)と、少なくとも1つの流出開口(102)であって、該流出開口(102)を通して、前記部分流(321)は前記保護管モジュール(200)から流出する、流出開口(102)と、を有し、前記保護管モジュール(200)の内部に、前記部分流(321)を、前記光学的な入口(40)から離反するように向けられた方向に変向する遮蔽体が設けられている、請求項2から4までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【請求項6】
前記保護管モジュール(200)は第1の保護管(210)を有し、該第1の保護管(210)は、少なくとも1つの流入開口(101)を有し、該流入開口(101)を通して、前記測定ガスの前記流れから部分流(321)が取出し可能であり、かつ前記保護管モジュール(200)の内部に導入可能であり、前記保護管モジュール(200)は第2の保護管(220)を有し、該第2の保護管(220)は、前記第1の保護管(210)内に配置されており、これによって、前記第1の保護管(210)と前記第2の保護管(220)との間に環状室(240)が形成されており、前記第2の保護管(220)は、少なくとも1つのオーバフロー開口(103)を有し、該オーバフロー開口(103)を通して、前記部分流(321)は、前記環状室(240)から、前記第2の保護管(220)の内部に配置されたガス室(250)内に流入し、前記流出開口(102)は、前記第1の保護管(210)または前記第2の保護管(220)に形成されており、前記部分流(321)を前記オーバフロー開口(103)の通流時にまたは前記オーバフロー開口(103)の通流に続いて、前記光学的な入口(40)から離反して前記流出開口(102)に向けられた方向に変向する手段が設けられている、請求項5記載のパティキュレートセンサ。
【請求項7】
前記部分流(321)を前記オーバフロー開口(103)の通流時にまたは前記オーバフロー開口(103)の通流に続いて、前記光学的な入口(40)から離反して前記流出開口(102)に向けられた方向に変向する前記手段は、前記第2の保護管(220)の前記オーバフロー開口(103)に形成された少なくとも1つの渦流発生フラップ(103’)であって、前記光学的な入口(40)から離反して前記流出開口(102)に向けられた方向に向いている渦流発生フラップ(103’)であり、かつ/または前記第2の保護管(220)内に配置されていて、前記光学的な入口(40)から前記流出開口(102)に向く方向において、前記オーバフロー開口(103)の高さで円錐形にまたは段付けされて先細りになっている第3の保護管(230)であり、または前記ハウジングボディ(300)の、前記光学的な入口(40)から離反するように向いている端面に形成され、前記第2の保護管(220)の前記オーバフロー開口(103)に向かい合って位置している切欠き(305
)である、請求項6記載のパティキュレートセンサ。
【請求項8】
前記部分流(321)を前記オーバフロー開口(103)の通流時にまたは前記オーバフロー開口(103)の通流に続いて、前記光学的な入口(40)から離反して前記流出開口(102)に向けられた方向に変向する前記手段は、前記流入開口(101)から見てかつ/または前記オーバフロー開口(103)から見て、前記光学的な入口(40)の視認性を完全にまたは部分的に阻止している、請求項6または7記載のパティキュレートセンサ。
【請求項9】
前記第2の保護管(220)は、少なくとも複数
のオーバフロー開口(103)を有し、該オーバフロー開口(103)はすべて、前記光学的な入口(40)から前記流出開口(102)に向いている方向において、同じ高さに配置されている、請求項6から8までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【請求項10】
前記流入開口(101)はすべて、前記光学的な入口(40)から前記流出開口(102)に向いている方向において、前記光学的な入口(40)から見て、前記オーバフロー開口(103)の下流に配置されている、請求項9記載のパティキュレートセンサ。
【請求項11】
前記流出開口(102)は、前記保護管モジュール(200)の、前記ハウジングボディ(300)から離反するように向いている端面に形成されており、前記流入開口(101)は、前記光学的な入口(40)から前記流出開口(102)に向いている方向において、前記光学的な入口(40)から見て前記流出開口(102)の上流に配置されている、請求項5から10までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【請求項12】
複数
の流入開口(101)が設けられており、該流入開口(101)はすべて、前記光学的な入口(40)から前記流出開口(102)に向いている方向において、同じ高さに配置されている、請求項2から11までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【請求項13】
前記レーザ焦点(22)は、流体的に遮蔽された領域(500)の外側に位置している、請求項1から12までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【請求項14】
レーザ光(10)の前記発生手段はレーザ(18)であり、かつ/またはレーザ光(10)の前記供給手段は光ファイバであり、かつ/または前記合焦手段はレン
ズであり、かつ/または熱放射線の前記検出手段は光検出器(26)であり、かつ/または熱放射線の前記伝搬手段は光ファイバであり、かつ/または前記光学的な入口(40)は窓または光ファイバである、請求項1から13までのいずれか1項記載のパティキュレートセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、測定ガスの流れ内のパティキュレートを検出するパティキュレートセンサ、特にバーナまたは自己着火式または外部点火式の内燃機関の排ガス通路内の煤粒子を検出するセンサであって、例えば相応の煤粒子フィルタのオンボード診断の目的で使用することができるセンサに関する。また、当然ながら、別の使用分野、例えばエミッションをモニタリングするポータブルシステムおよび室内空気品質を測定するシステムも可能である。
【0002】
例えば本出願人の公開後の独国特許出願公開第102017207402号明細書は、レーザを有するレーザモジュールと、熱放射線(Temperaturstrahlung)を検出するように構成された検出器とを備えた煤粒子センサを対象にしている。この明細書において開示された煤粒子センサは、レーザが、レーザ光を発生させるように構成されており、煤粒子センサは、レーザのビーム路内に配置された光学要素を有し、この光学要素は、レーザモジュールから発するレーザ光がスポットに合焦するように構成されており、かつ検出器は煤粒子センサにおいて、スポットから発する放射線を検出するように配置されていることによって傑出している。
【0003】
本出願人の公開後の独国特許出願公開第102017207402号明細書において開示されたセンサは、レーザ誘起される熱源の測定原理に基づいている。
【0004】
本出願人の公開後の独国特許出願公開第102017207402号明細書においてはさらに、また、煤粒子センサが、測定ガスにさらされるように構成された第1の部分と、煤粒子センサの光学コンポーネントを含んでいる、測定ガスにさらされない第2の部分とに分割されており、両部分は、測定ガスに対して不透過の分離壁によって分離されており、分離壁には、レーザ光のビーム路内に窓が取り付けられていて、この窓は、レーザ光に対しても、スポットから発する放射線に対しても透過性である。
【0005】
発明の開示
本発明は、パティキュレートセンサでは、このパティキュレートセンサの光学的な入口がその耐用年数にわたって汚染してしまうという発明者らの観察に基づいている。好ましくない環境下では、レーザ光および熱放射線に対する光学的な入口の十分な透明性がもはや保証されておらず、パティキュレートセンサがもはや適正に機能しなくなるまで、汚染が進行してしまうことが判った。
【0006】
したがって、本発明によれば、パティキュレートセンサが、測定ガス流から部分流を取り出し、レーザ焦点に供給し、さらに、光学的な入口を部分流に対して流体的に遮蔽することが提案されている。こうして、レーザ焦点、つまり、パティキュレート検出の本来の場所に、パティキュレート含有に関して測定ガス流の代わりになる部分流が供給される。しかも、光学的な入口は、測定ガス流からも部分流からも遮蔽されており、つまり、光学的な入口は、測定ガス流および部分流によって擦過されず、場合によって測定ガス流および部分流内に含まれている汚染物質、例えば煤粒子は、光学的な入口に達し得ない。したがって、光学的な入口の汚染は、耐用年数にわたってもはや発生しないかまたは許容可能な程度でしか発生せず、その限りにおいて、パティキュレートセンサの耐用年数は損なわれることがないかもしくは十分に高められている。
【0007】
本発明の範囲内では、パティキュレートの検出とは、特に、その結果が、パティキュレートの質量および/または数、および/または特にレーザ焦点における、単位時間当たりの流れ内のパティキュレートの質量および/または数である測定であると理解される。またパティキュレートのサイズおよび/またはサイズ分布に該当する情報の獲得も、パティキュレートの検出に含まれていてもよい。
【0008】
レーザ光の発生手段とは、本発明の範囲内では、特にレーザ、例えばダイオードレーザ、特にCWレーザであると理解され、このCWレーザの出力および合焦可能性は、煤粒子を、例えば3500Kを上回る値で熱放射線を放出させるために励起することができるような高さである。
【0009】
レーザ光の供給手段とは、本発明の範囲内では、特に、該当するレーザ光に対して透過性である光ファイバ、および/またはレーザ光に対して透過性である光学的な窓であると理解される。レーザ光は、基本的に紫外、可視、または赤外であってもよい。
【0010】
レーザ光の合焦手段とは、本発明の範囲内では、特に、該当するレーザ光に対して透過性である集光レンズであると理解される。代替的に、レーザ光の合焦手段は、凹面鏡であってもよい。
【0011】
熱放射線の伝搬手段とは、本発明の範囲内では、特に、該当する熱放射線に対して透過性である光ファイバ、および/または該当する熱放射線に対して透過性である光学的な窓であると理解される。熱放射線とは、本発明の範囲内では、特に、電磁放射線、高温の物体からの放出に相応して、例えば非コヒーレンスな赤外放射線および/または可視の放射線であると理解される。
【0012】
光学的な入口とは、本発明の範囲内では、特に、光ファイバまたは光学的な窓であると理解される。光学的な入口は、特に同時に、レーザ光の合焦手段の機能をも果たすことができ、光学的な入口は、例えば集光レンズとして形成されていてもよい。
【0013】
測定ガス流から部分流を取り出すとは、本発明の範囲内では、特に、測定ガス流の一部、つまり、部分流が、パティキュレートセンサの内部に導かれるのに対して、測定ガス流の残りの他の部分は、パティキュレートセンサを擦過して流れ、パティキュレートセンサの内部には達しないと理解される。部分流は、互いに別々にパティキュレートセンサの内部に達する複数の個別流から成っていてもよい。
【0014】
本発明の範囲内では、流入開口およびオーバフロー開口は、例えば1~3mmの直径を有しているかまたは非円形の幾何学形状では相応の横断面を有していてもよい。
【0015】
部分流に対する光学的な入口の流体的な遮蔽とは、本発明の範囲内では、特に、流体技術的な遮蔽であると理解され、つまり、部分流は、光学的な入口に衝突しないように変向されるか、または言い換えれば、光学的な入口の前に、部分流によって通流されない領域が残っているということであると理解される。このことは特に、通流されない領域は、特に対流が形成される流れ領域と見なすことができる、センサの内部における通流される領域とは異なり、搬送現象の意味において、拡散が生じる流れ領域であると表現することができる。
【0016】
光学的な入口の流体的な遮蔽は、特別な構造上の処置によって行うことができ、これらの処置については、以下においてかつ従属請求項において、ならびに実施例において、例として記載するが、特別な構造上の処置は、これらの記載に制限されるものではない。
【0017】
発展形態においては、パティキュレートセンサは、例えば金属製のハウジングを有しており、このハウジング内にまたはこのハウジングに接して、光学的な入口が配置されており、ハウジングは、少なくとも1つの流入開口であって、この流入開口を通して、測定ガスの流れから部分流が取出し可能であり、かつハウジングの内部に導入可能である、流入開口と、少なくとも1つの流出開口であって、この流出開口を通して、部分流はハウジングから流出する、流出開口と、を有し、ハウジングの内部に、部分流を、光学的な入口から離反するように向けられた方向に変向する遮蔽体が設けられており、つまり、特に変向によって、光学的な入口が部分流によって衝突されることが阻止され、かつ/または光学的な入口が部分流によって衝突されないようにすることが提案されている。
【0018】
つまり、光学的な入口の遮蔽を目的とした部分流の変向は、特に、光学的な入口に向けられた方向から、光学的な入口から離反するように向けられた方向に行われ、もし変向もしくは遮蔽を生ぜしめる処置が設けられていないと、部分流は光学的な入口に負荷を加えることになる。
【0019】
変向は、特に、流入開口から光学的な入口に向けられた方向から、光学的な入口から離反して流出開口に向けられた方向に行うことができる。
【0020】
変向は、特に、オーバフロー開口(下記参照)から光学的な入口に向けられた方向から、光学的な入口から離反して流出開口に向けられた方向に行うことができる。
【0021】
発展形態において、パティキュレートセンサのハウジングはハウジングボディを有し、ハウジングボディに固定された保護管モジュールを有していることが提案されていてもよい。
【0022】
ハウジングボディは、例えば、その内部に貫通通路を有している中実の鋼部材であってもよく、この鋼部材は、特にねじ山、例えば雄ねじ山と、組付け異形部、例えば外側六角成形部とを有している。ハウジングボディが2つの部分から成っている構成も可能であり、このようなハウジングボディでは、ハウジングボディスリーブに、ねじ山および組付け異形部を有しているキャップナット/ユニオンねじが嵌め込まれている。
【0023】
保護管モジュールは、例えば、例えば鋼薄板から製造されている複数の保護管を有していてもよく、これらの保護管のうちの少なくとも1つの保護管またはすべての保護管は、ハウジングボディに、例えば溶接によって固定されており、かつ/またはハウジングボディに差し込まれている。保護管は、互いに溶接されていても、または互いに差し込まれていても、特にプレス嵌めされていてもよい。
【0024】
ハウジングボディと保護管モジュールとの一体的な構成も好適である。
【0025】
保護管モジュールを設ける発展形態において、保護管モジュールは少なくとも1つの流入開口を有し、この流入開口を通して、測定ガスの流れから部分流が取出し可能であり、かつ保護管モジュールの内部に導入可能であり、保護管モジュールは、少なくとも1つの流出開口を有し、この流出開口を通して、部分流が保護管モジュールから流出することが提案されている。
【0026】
1つもしくは複数の流入開口および1つもしくは複数の流出開口、ならびに1つもしくは複数のオーバフロー開口(下記参照)は、保護管モジュールにおけるもしくは個々の保護管における孔として形成されていてもよい。さらに、それぞれ渦流発生フラップを付加することができ、これらの渦流発生フラップは、特に保護管モジュールもしくは保護管における剛性の成形部であり、部分流を孔の通流時に予め設定された方向に導き、かつ/または変向する。孔と渦流発生フラップとの組合せは、例えば保護管モジュールもしくは個々の保護管における部分的な切込みおよび押込みによって製造されていてもよい。
【0027】
特に、保護管モジュールの内部に、特に上に述べたように、部分流に対する光学的な入口の流体的な遮蔽を行う遮蔽体が設けられていることが提案されている。つまり、流体的な遮蔽によって、特に光学的な入口から離反するように方向付けられた方向への部分流の変向が行われる。もし遮蔽体が設けられていないと、部分流は光学的な入口に特に負荷を加えることになり、部分流内に含まれているパティキュレートが、特に光学的な入口を汚染するおそれがある。
【0028】
好適な発展形態において、保護管モジュールは、少なくとも2つの保護管を、つまり、第1の保護管と第2の保護管とを有している。
【0029】
このような構成では、第1の保護管は少なくとも1つの流入開口を有しており、この流入開口を通して、測定ガスの流れから部分流が取出し可能であり、かつ保護管モジュールの内部に導入可能である。
【0030】
このような構成では、第2の保護管は、第1の保護管内に配置されていて、これによって、第1の保護管と第2の保護管との間に環状室が形成されている。第1の保護管と第2の保護管とは、基本形状(つまり、孔、渦流発生フラップ、および製造に条件付けられた僅かな寸法誤差を無視すると)として、軸線方向において対称であってもよく、その限りにおいて、互いに同心的にまたは同軸的に配置されていてもよい。
【0031】
さらに、第2の保護管は、少なくとも1つのオーバフロー開口を有し、このオーバフロー開口を通して、部分流は、環状室から、第2の保護管の内部に配置されたガス室内に流入する。
【0032】
流出開口は、第1の保護管に形成されていてもよいし、第2の保護管に形成されていてもよく、特に、パティキュレートセンサの、光学的な入口から測定ガス側に配置された端面に形成されていてもよい。この流出開口は、特にただ1つの流出開口であってもよい。
【0033】
これに関連して、特に、部分流をオーバフロー開口の通流時にまたはオーバフロー開口の通流に続いて、光学的な入口から離反して特に流出開口に向けられた方向に変向する手段が設けられている。この手段は、特に上において既に述べた流体的な遮蔽体に相当する。相応の記載を参照のこと。
【0034】
部分流をオーバフロー開口の通流時にまたはオーバフロー開口の通流に続いて、光学的な入口から離反して特に流出開口に向けられた方向に変向するこのような手段は、種々様々な形式で実現されていてもよい。
【0035】
一実施形態によれば、この手段は、第2の保護管のオーバフロー開口に形成された少なくとも1つの渦流発生フラップであって、光学的な入口から離反して特に流出開口に向けられた方向に向いている渦流発生フラップによって実現されている。つまり、部分流は、既に、光学的な入口から離反するように向けられた方向で、ガス室内に流入する。したがって、部分流が光学的な入口に負荷を加えることはない。
【0036】
別の実施形態によれば、この手段は、第2の保護管内に配置されている第3の保護管によって実現されている。この手段は、光学的な入口から流出開口に向く方向において、オーバフロー開口の高さで円錐形にまたは段付けされて先細りになっている第3の保護管である。このような構成ではオーバフロー開口の通流後に、部分流は、第3の保護管に衝突し、かつこの保護管の先細りになっている幾何学形状に基づいて、部分流は光学的な入口から離反するように変向される。
【0037】
さらに、別の実施形態によれば、この手段は、ハウジングボディの、光学的な入口から離反するように向いている端面に形成された切欠き、例えば溝によって実現されており、この切欠きは、第2の保護管のオーバフロー開口に向かい合って位置している。切欠き、例えば溝は、部分流を、オーバフロー開口を通って部分流が流れた後で変向させ、例えば180°に至るまで、光学的な入口から離反して、特に流出開口に向かって変向させる。
【0038】
1つの手段はまた、部分流をオーバフロー開口の通流時にまたはオーバフロー開口の通流に続いて、光学的な入口から離反して特に流出開口に向けられた方向に変向し、流入開口から見てかつ/またはオーバフロー開口から見て、光学的な入口の視認性を阻止するような能力を有することもできる。言い換えれば、この手段は幾何学的に、流入開口と光学的な入口との間に、かつ/またはオーバフロー開口と光学的な入口との間に配置されている。この特徴は、光学的な入口の空間的な延在全体に関連していてもよいし、また、光学的な入口の空間的な延在の一部にだけ関連している場合、例えばオーバフロー開口から見て光学的な入口が部分的に可視であって、部分的にこの手段によって覆われる場合には、既に満たされていてもよい。
【0039】
好適な発展形態において、流出開口は、保護管モジュールの、ハウジングボディから離反するように向いている端面に形成されており、流入開口は、光学的な入口から流出開口に向いている方向において、光学的な入口から見て流出開口の上流に配置されていることが提案されていてもよい。つまり、言い換えれば、流出開口は、保護管モジュールもしくはパティキュレートセンサの遠位端に配置されており、少なくとも1つの流入開口は、流出開口の近くに配置されている。このような配置形態は、流れ通路の内部におけるパティキュレートセンサの配置時に、測定ガス流が流出開口の箇所において、流入開口の箇所におけるよりも高い速度を有していることを生ぜしめる。したがって、静圧は、流入開口の箇所において流出開口の箇所におけるよりも高く、保護管モジュールもしくはパティキュレートセンサの内部は、部分流によって流入開口を起点として流出開口へと通流される。
【0040】
また、複数の流入開口が設けられていてもよい。例えば6~12個の流入開口が設けられていてもよい。これらの流入開口は部分的にまたはすべて、光学的な入口から流出開口に向いている方向において、同じ高さに配置されていてもよい。複数の流入開口またはすべてのこれらの流入開口には、本出願の範囲内では流入開口に対して述べたことが該当する。代替的に、流入開口は、第1の保護管と第2の保護管との間に存在している環状間隙の開放した開口として形成されていてもよい。
【0041】
また複数のオーバフロー開口が設けられていてもよい。例えば4~12個のオーバフロー開口が設けられていてもよい。これらのオーバフロー開口は部分的にまたはすべて、光学的な入口から流出開口に向いている方向において、同じ高さに配置されていてもよい。複数のオーバフロー開口またはすべてのこれらのオーバフロー開口には、本出願の範囲内ではオーバフロー開口に対して述べたことが該当する。
【0042】
好適な発展形態において、流入開口は、光学的な入口から流出開口に向いている方向において、光学的な入口から見て、オーバフロー開口の下流に配置されていることが提案されていてもよい。このような配置形態は、部分流がまず光学的な入口への方向に流れることを生ぜしめる。部分流は変向後に、レーザ焦点へと向けられ、次いで、流出開口を通って保護管モジュールから流出する。
【0043】
好ましくは、レーザ焦点は、部分流から流体的に遮蔽された領域の外側に位置している。その代わりに、レーザ焦点は、特に、部分流によって擦過される領域に位置している。
【0044】
本発明の実施例は、図面に示されており、これらの実施例については、以下の記載において詳しく述べる。なお、異なる図における等しい符号は、それぞれ等しい要素または少なくともその機能に関して同等な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明において好適に使用される、レーザ誘起される熱源をベースにする測定原理を示す図である。
【
図2】センサの機能形式を説明するための原理構造を示す図である。
【
図3】本発明に係るパティキュレートセンサの原理構造を例示する図である。
【
図4a】本発明の第1の実施例の第1の変化形態を示す図である。
【
図4b】本発明の第1の実施例の第2の変化形態を示す図である。
【
図4c】本発明の第1の実施例の第3の変化形態を示す図である。
【
図5a】本発明の第2の実施例の第1の変化形態を示す図である。
【
図5b】本発明の第2の実施例の第2の変化形態を示す図である。
【
図5c】本発明の第2の実施例の第3の変化形態を示す図である。
【0046】
図1には、レーザ誘起される熱源をベースにする測定原理が示されている。高強度のレーザ光10が、パティキュレート12、例えば煤粒子に衝突する。レーザ光10の強度は、レーザ光10の、パティキュレート12によって吸収されたエネルギが、パティキュレート12を数千℃に加熱するような高さである。加熱の結果パティキュレート12は、自発的にかつ実質的に優先方向なしに有意に、熱放射線の形態の放射線14を放射する。したがって、熱放射線の形態で放射された放射線14の一部が、入射するレーザ光10の方向とは逆向きにも放射される。
【0047】
図2には、パティキュレートセンサ16の機能形式を示すための原理構造が概略的に示されている。パティキュレートセンサ16は、ここではCWレーザモジュール(CW:continuous wave; 連続波)として形成されたレーザ18を有しており、このレーザ18の、好ましくはコリメートされたレーザ光10は、レーザ18のビーム路内に配置された少なくとも1つの集光レンズ20によって、極めて小さな焦点22に合焦され、この焦点22においてレーザ光10の強度は、レーザ誘起される熱源のために十分に高い。本発明は、CWレーザの使用に制限されるものではない。パルス作動式のレーザを使用することも考えられる。
【0048】
スポット22の寸法は、数μmの範囲、特に最高で200μmの範囲であり、これによって、スポット22を横断するパティキュレート12が、レーザ誘起される熱源によってであろうとまたは化学反応(特に酸化)によってであろうと、評価可能な放射出力を放射するために励起される。結果として、多くの場合、常に最多でも1つのパティキュレート12がスポット22内にあり、かつパティキュレートセンサ16のその時点の測定信号が、単にこの最多で1つのパティキュレート12だけから発することを出発点とすることができる。測定信号は検出器26によって生成され、この検出器26は、スポット22を貫いて飛ぶパティキュレート12から発する放射線14、特に熱放射線を検出するように、パティキュレートセンサ16内に配置されている。そのために検出器26は、好ましくは少なくとも1つのフォトダイオード26.1を有している。これによって、基本的には、それどころか、サイズおよび速度のようなパティキュレート12に関する情報の抽出を可能にするシングルパティキュレート測定が可能になる。
【0049】
図3には、本発明に係るパティキュレートセンサ16の原理構造が例示されている。
【0050】
パティキュレートセンサ16は、第1の外側の保護管210と第2の内側の保護管220とから成るアセンブリを有している。保護管のアセンブリは、ここでは単に大まかにかつ概略的に示されているので、これについては
図4、
図5、および
図6を参照のこと。
【0051】
パティキュレートセンサ16は、好ましくはコリメートされたレーザ光10を発生させるレーザ18を有している。レーザ光10のビーム路内に、ビームスプリッタ34が位置している。レーザ光10の、ビームスプリッタ34を変向なしに通過する部分が、集光レンズ20によって極めて小さな焦点22に合焦される。この焦点22において光強度は、排ガス32によって運ばれたパティキュレート12を数千℃に加熱するのに十分に高く、これによって、加熱されたパティキュレート12は、有意に、熱放射線の形態の放射線14を放出する。この放射線14は、例えば近赤外線内にかつ可視のスペクトル範囲にあるが、本発明は、このスペクトル範囲における放射線14に制限されるものではない。方向付けられずに熱放射線の形態で放出されたこれらの放射線14の一部が、集光レンズ20によって捕捉され、ビームスプリッタ34を介して検出器26に向けられる。この構造には、排ガス32への単に1つの光学的な入口40だけが必要になるという利点がある。それというのは、同じ光学系、例えば同じ集光レンズ20が、焦点22を形成するために、かつパティキュレート12から発する放射線14を捕捉するために使用されるからである。排ガス32は、測定ガスの一例である。測定ガスは、例えば室内空気のような他のガスまたはガス混合物であってもよい。
【0052】
レーザ18は、レーザダイオード36と第2のレンズ38とを有しており、この第2のレンズ38は、レーザダイオード36から発するレーザ光10を好適にコリメートする。レーザダイオード36の使用は、レーザ光10の発生の、特に安価でかつ簡単に入手可能な可能性である。好適にコリメートされたレーザ光10は、集光レンズ20によって合焦される。
【0053】
光学式のパティキュレートセンサ16は、排ガスにさらされる第1の部分16.1(排ガス側)と、排ガスにさらされない第2の部分16.2(純粋ガス側)とを有しており、第2の部分16.2は、パティキュレートセンサ16の光学コンポーネントを含んでいる。両部分は、分離壁16.3によって分離されており、この分離壁16.3は、保護管210,220とパティキュレートセンサ16の光学要素との間において延びている。壁16.3は、排ガス32から敏感な光学要素を絶縁するために働く。分離壁16.3には、レーザ光10のビーム路内に、窓として形成された光学的な入口40が取り付けられており、この光学的な入口40を通してレーザ光10は、排ガス32内に入射し、かつ光学的な入口40を介して、焦点22から発する放射線14が集光レンズ20に、そこからビームスプリッタ34を介して検出器26に入射することができる。
【0054】
ここに図示された実施例とは代替的に、焦点22の形成と、焦点22おいてパティキュレートから発する放射線14の捕捉とは、別々の光学式のビーム路を介して行うことも可能である。
【0055】
ここでは単に実施例として記載されているレンズ組合せとは別のレンズ組合せによって、焦点22を形成することも考えられる。さらに、パティキュレートセンサ16を、ここでは実施例のために記載されたレーザダイオード36とは別のレーザ光源によって実現することも可能である。
【0056】
図4aには、本発明の第1の実施例が示されている。この第1の実施例では、排ガスにさらされない第2の部分16.2に配置されたコンポーネントは、
図4aにおいて図面を見やすくするために省かれている。これについては
図3を参照することができる。
【0057】
パティキュレートセンサ16はハウジング100を有しており、このハウジング100は、ハウジングボディ300と、ハウジングボディ300の排ガス側に固定された保護管モジュール200とから成っている。
【0058】
ハウジングボディ300は、さらに、円筒形のハウジングボディスリーブ310と、ハウジングボディスリーブ310に被嵌め可能なユニオンねじ320とから成っている。
【0059】
ハウジングボディスリーブ310は貫通通路311を有しており、この貫通通路311は、排ガスに向けられた側に、光学的な入口40を形成する光学的な窓によって気密に閉鎖される。これによって、光学的な入口40の、排ガスとは反対の側には、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされない第2の部分16.2が位置している。
【0060】
ハウジングボディスリーブ310は、さらに、排ガスに向けられた端部に、周方向に延在する環状の載置要素312を有しており、この載置要素312の、排ガス側の面は、例えば排気系統の管片に接触するように設けられている。載置要素312の、排ガスとは反対の側には、ユニオンねじ320によって力が加えられる。ユニオンねじ320は、その周面に雄ねじ山323と六角成形部322とを有しているので、パティキュレートセンサ16は、例えば内燃機関の排気系統に固定可能である。
【0061】
載置要素312の排ガス側において保護管モジュール200は、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされる部分16.1においてハウジングボディスリーブ310に固定されている。保護管モジュール200は、この例では第1の保護管210、第2の保護管220、および第3の保護管230から成っている。
【0062】
第1の保護管210は、ポット状に形成されていて、ポット縁部211でハウジングボディスリーブ310の載置要素312に、例えば溶接によって固定されている。第1の保護管210は、さらに、周面を形成するポット壁212と、ポット底部213とを有している。ポット壁212には、ポット底部213の近傍に、パティキュレートセンサ16の、例えば12の流入開口101から成る孔環列が形成されている。
【0063】
第2の保護管220は、実質的にハット状の形態を有し、実質的に第1の保護管210の内部に配置されている。第2の保護管220は、環状の半径方向フランジ部分221で、軸線方向においてハウジングボディスリーブ310の載置要素312に、かつ半径方向において第1の保護管210のポット壁212の内側に接触している。第2の保護管220の半径方向フランジ部分221には、第2の保護管220の、環状段部222を介して先細りになるオーバフロー開口部分223が接続している。オーバフロー開口部分223には、例えば12のオーバフロー開口103から成る孔環列が設けられており、オーバフロー開口103は、第1の保護管210と第2の保護管220との間に形成された環状室240を、第2の保護管220の内部に形成されたガス室250に接続している。第2の保護管220のオーバフロー開口部分223には、円錐形に先細りになる領域224が接続しており、この領域224には、第2の保護管220の、カップ状の端領域225が接続しており、この端領域225は、その周面225.1で、第1の保護管210のポット底部213における開口に押し嵌められている。第2の保護管220の端領域225の端面225.2には、パティキュレートセンサ16の流出開口102が設けられており、この流出開口102は、図示の例では、端面225.2よりも僅かだけ小さい。
【0064】
さらに、第2の保護管220の内部には、第3の保護管230が配置されている。第3の保護管230は、真っ直ぐな円筒形の第1の部分231を有しており、この第1の部分231で第3の保護管230は、載置要素312の開口312.1内に押し嵌められている。第3の保護管230の真っ直ぐな円筒形の部分231には、円錐形に先細りになる部分232が接続しており、この部分232は、第3の保護管230の、排ガスに向けられた側233において開放している。
【0065】
例えば光学的な入口40から流出開口102に向かう方向によって定義されている軸線方向400に沿って、第3の保護管230の、円錐形に先細りになる部分232は、第2の保護管220におけるオーバフロー開口103と同じ軸線方向高さに位置している。
【0066】
パティキュレートセンサ16の構造、特にハウジング100の構造によって、排ガス32の流れから部分流321が取出し可能であり、この部分流321は、まず、パティキュレートセンサ16の、第1の保護管210に配置された流入開口101を通って、第1の保護管210と第2の保護管220との間に配置された環状室240内に達し、この環状室240から部分流321は、第2の保護管220におけるオーバフロー開口103を通って、第2の保護管220の内部に配置されたガス室250内に達し、このガス室250内において、第3の保護管230の、円錐形に先細りになる部分232によって変向され、そして最後に第2の保護管220ひいては保護管モジュール200から流出開口102を通って再び流出する。
【0067】
第3の保護管230の、円錐形に先細りになる部分232における変向によって、部分流321は、光学的な入口40に達しないことが生ぜしめられる。この限りにおいて、この光学的な入口40は、部分流321から遮蔽された領域500内に位置している。したがって、場合によって排ガス32中に含まれているパティキュレート12が、光学的な入口40を汚染することはあり得ない。
【0068】
図4bに示された変化形態では、パティキュレートセンサ16の流入開口101は、単純な孔としてではなく、渦流発生フラップ101.1を備えた孔として形成されている。これらの渦流発生フラップ101.1は、環状室240内に流入する部分流321に、第1の保護管210の周面212に対して接線方向である成分と、さらに、ハウジングボディ300に、つまり、
図4bにおいて下方に向けられた成分とを有している流れ方向を加えるように、方向付けられている。
【0069】
孔と、付属の渦流発生フラップ101.1との組合せとしての流入開口101は、例えば第1の保護管210の部分的な切込みと押込みとによって製造されていてもよい。
【0070】
図4cには、
図4aに示されたパティキュレートセンサ16の別の変化形態が示されている。相違は、流入開口101が第1の保護管210のポット壁212に形成されているのではなく、第1の保護管210のポット底部213における孔環列に形成されていることにある。
【0071】
図5aには、本発明の第2の実施例が示されている。この第2の実施例では、排ガスにさらされない第2の部分16.2に配置されたコンポーネントは、
図5aにおいて図面を見やすくするために省かれている。これについては
図3を参照することができる。
【0072】
パティキュレートセンサ16はハウジング100を有しており、このハウジング100は、ハウジングボディ300と、ハウジングボディ300の排ガス側に固定された保護管モジュール200とから成っている。
【0073】
ハウジングボディ300は、さらに、円筒形のハウジングボディスリーブ310と、ハウジングボディスリーブ310に被嵌め可能なユニオンねじ320とから成っている。
【0074】
ハウジングボディスリーブ310は貫通通路311を有しており、この貫通通路311は、排ガスに向けられた側に、光学的な入口40を形成する光学的な窓によって気密に閉鎖される。これによって、光学的な入口40の、排ガスとは反対の側には、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされない第2の部分16.2が位置している。
【0075】
ハウジングボディスリーブ310は、さらに、その排ガスに向けられた端部に、周方向に延在する環状の載置要素312を有しており、この載置要素312の、排ガス側の面は、例えば排気系統の管片に接触するように設けられている。載置要素312の、排ガスとは反対の側には、ユニオンねじ320によって力が加えられる。ユニオンねじ320は、その周面に雄ねじ山323と六角成形部322とを有しているので、パティキュレートセンサ16は、例えば内燃機関の排気系統に固定可能である。
【0076】
載置要素312の排ガス側において保護管モジュール200は、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされる部分16.1においてハウジングボディスリーブ310に固定されている。保護管モジュール200は、この例では第1の保護管210と第2の保護管220とから成っている。
【0077】
第1の保護管210は、ポット状に形成されていて、ポット縁部211でハウジングボディスリーブ310の載置要素312に、例えば溶接によって固定されている。第1の保護管210は、さらに、周面を形成するポット壁212を有している。ポット壁212は、環状の肩部面216を介して階段状に先細りになっている。接続していて円錐形に先細りになる部分217は、端面側に、パティキュレートセンサ16の流出開口102である中央の開口を有している。
【0078】
第2の保護管220は、実質的に、両側において開放している段付けされたスリーブの形態を有している。第2の保護管220は、第1の保護管210の内部に配置されている。第2の保護管220は、環状の半径方向フランジ部分221で、軸線方向においてハウジングボディスリーブ310の載置要素312に、かつ半径方向において第1の保護管210のポット壁212の内側に接触している。第2の保護管220の半径方向フランジ部分221には、第2の保護管220の、環状段部222を介して先細りになっている実質的に円筒形のオーバフロー開口部分223が接続している。オーバフロー開口部分223には、例えば8のオーバフロー開口103から成る孔環列が設けられており、これらのオーバフロー開口103は、第1の保護管210と第2の保護管220との間に形成された環状室240を、第2の保護管220の内部に形成されたガス室250に接続している。
【0079】
オーバフロー開口103は、渦流発生フラップ103.1を備えた孔として形成されており、これらの渦流発生フラップ103は、環状室240からガス室250内に流入する部分流321に、光学的な入口から離反するように向けられかつ流出開口102へ向けられた方向を加える。
【0080】
孔と、付属の渦流発生フラップ103.1との組合せとしてのオーバフロー開口103は、例えば第2の保護管220の部分的な切込みと押込みとによって製造されていてもよい。
【0081】
第2の保護管220は、この例では、そのオーバフロー開口部分223の、排ガスに向けられた端部分223.1で、第1の保護管210のポット壁212の先細りになる部分において、シール作用を有する面状の接触部223.2を形成する。
【0082】
パティキュレートセンサ16の構造、特にハウジング100の構造によって、排ガス32の流れから部分流321が取出し可能であり、この部分流321は、まず、パティキュレートセンサ16の、第1の保護管210に配置された流入開口101を通って、第1の保護管210と第2の保護管220との間に配置された環状室240内に達し、この環状室240から部分流321は、第2の保護管220におけるオーバフロー開口103を通って、第2の保護管220の内部に配置されたガス室250内に達する。オーバフロー開口103の通過時に、部分流321に、光学的な入口40から離反するように向けられた方向、
図5aにおいて上方に向かう方向が加えられる。この限りにおいて、この光学的な入口40は、部分流321から遮蔽された領域500内に位置している。したがって、場合によって排ガス32中に含まれているパティキュレート12が、光学的な入口40を汚染することはあり得ない。
【0083】
図5bに示された変化形態では、パティキュレートセンサ16の流入開口101は、単純な孔としてではなく、渦流発生フラップ101.1を備えた孔として形成されている。これらの渦流発生フラップ101.1は、環状室240内に流入する部分流321に、第1の保護管210の周面212に対して接線方向である成分と、さらに、ハウジングボディ300に、つまり、
図5bにおいて下方に向けられた成分とを有している流れ方向を加えるように、方向付けられている。
【0084】
孔と、付属の渦流発生フラップ101.1との組合せとしての流入開口101は、例えば第1の保護管210の部分的な切込みと押込みとによって製造されていてもよい。
【0085】
図5cには、
図5aに示されたパティキュレートセンサ16の別の変化形態が示されている。相違は、流入開口101が第1の保護管210のポット壁212に形成されているのではなく、第1の保護管210のポット底部213における孔環列に形成されていることにある。
【0086】
図6には、本発明の第3の実施例が示されている。この第3の実施例では、排ガスにさらされない第2の部分16.2に配置されたコンポーネントは、
図6において図面を見やすくするために省かれている。これについては
図3を参照することができる。
【0087】
パティキュレートセンサ16はハウジング100を有しており、このハウジング100は、ハウジングボディ300と、ハウジングボディ300の排ガス側に固定された保護管モジュール200とから成っている。
【0088】
ハウジングボディ300は貫通通路311を有しており、この貫通通路311は、排ガスに向けられた側に、光学的な入口40を形成する光学的な窓によって気密に閉鎖される。これによって、光学的な入口40の、排ガスとは反対の側には、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされない第2の部分16.2が位置している。
【0089】
ハウジングボディ300は、その周面に例えば雄ねじ山323と六角成形部322とを有しているので、パティキュレートセンサ16は、例えば内燃機関の排気系統に固定可能である。
【0090】
排ガス側においてハウジングボディ300に、保護管モジュール200は、パティキュレートセンサ16の、排ガスにさらされる部分16.1において固定されている。保護管モジュール200は、この例では第1の保護管210と第2の保護管220とから成っている。
【0091】
第1の保護管210は、ポット状に形成されていて、ポット縁部211でハウジングボディ300に、例えば溶接によって固定されている。第1の保護管210は、さらに、周面を形成するポット壁212を有している。
【0092】
第2の保護管220は、実質的にハット状の形態を有し、半径方向において第1の保護管210の内部に配置されている。第2の保護管220は、環状のハットつば部分221’で、軸線方向においてハウジングボディ300に、かつ半径方向において第1の保護管210のポット壁212の内側に接触している。ハットつば部分221’には、さらに、例えば8のオーバフロー開口103から成る孔環列が配置されている。これによって、これらのオーバフロー開口103は、ハウジングボディ300の方向に向いており、これにより、第1の保護管210と第2の保護管220との間に形成された環状室240と、第2の保護管220の内部に形成されたガス室250との間におけるガス交換を可能にしている。
【0093】
第2の保護管220のハットつば部分221’には、半径方向において閉鎖されていて軸線方向においては両側で開放されているハット周壁部分222’が接続している。ハット周壁部分222’の、排ガスに向けられた開放した端部は、パティキュレートセンサ16の流出開口102を形成している。環状室240の、排ガスに向けられた開放した端部は、パティキュレートセンサ16の流入開口101を形成している。
【0094】
オーバフロー開口103に向かい合って位置するように、ハウジングボディ300の、排ガスに向けられた端面には、少なくとも1つの切欠き305が形成されている。この切欠き305は、オーバフロー開口103を通って流入する部分流321を、例えば実質的に180°、光学的な入口40から離れて流出開口102に向かう方向に変向する。
【0095】
それぞれのオーバフロー開口103に、ハウジングボディ300の端面の個々の切欠き305、例えば、例えば平面図で見て円形の横断面を有するカップ状の切欠き305が設けられていることが提案されていてもよい。しかしながら、また、ハウジングボディ300の端面に、すべてのオーバフロー開口103に共通に向かい合って位置している、ただ1つの環状の溝の形態のただ1つの切欠き305が設けられていることが提案されていてもよい。
【0096】
パティキュレートセンサ16の構造、特にハウジング100の構造によって、排ガス32の流れから部分流321が取出し可能であり、この部分流321は、まず、パティキュレートセンサ16の、第1の保護管210に配置された流入開口101を通って、第1の保護管210と第2の保護管220との間に配置された環状室240に達し、この環状室240から部分流321は、第2の保護管220におけるオーバフロー開口103を通って、第2の保護管220の内部に配置されているガス室250内に達する。
【0097】
ハウジングボディ300に設けられた切欠き305における変向によって、部分流321が光学的な入口40に達しないことが生ぜしめられる。この限りにおいて、光学的な入口40は、部分流321から遮蔽された領域500内に位置している。したがって、場合によって排ガス32中に含まれているパティキュレート12が、光学的な入口40を汚染することはあり得ない。