(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】アミノペプチダーゼA阻害剤としての新規なアミノホスフィン酸誘導体
(51)【国際特許分類】
C07F 9/30 20060101AFI20220906BHJP
A61K 31/662 20060101ALI20220906BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220906BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220906BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220906BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220906BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20220906BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20220906BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220906BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
C07F9/30 CSP
A61K31/662
A61P9/12
A61P9/00
A61P9/10
A61P13/12
A61P13/02
A61P27/06
A61P25/00
A61P25/28
(21)【出願番号】P 2021523633
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2019079288
(87)【国際公開番号】W WO2020084147
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-26
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521180441
【氏名又は名称】クワンタム・ゲノミクス
(73)【特許権者】
【識別番号】507241492
【氏名又は名称】アンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム)
(73)【特許権者】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(73)【特許権者】
【識別番号】519226908
【氏名又は名称】コレージュ・ド・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス・ヴァラボワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デルフィーヌ・コンペール
(72)【発明者】
【氏名】カトリーヌ・ロレンス-コルテス
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0271926(US,A1)
【文献】GEORGIADIS,D. et al,Potent and Selective Inhibition of Zinc Aminopeptidase A (EC 3.4.11.7, APA) by Glutamyl Aminophosphinic Peptides: Importance of Glutamyl Aminophosphinic Residue in the P1 Position,Biochemistry,2000年,Vol.39, No.5,p.1152-1155
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO
2H、-SO
3H、又は-PO
3H
2を表し;
1は2又は3であり;
mは0、1、2又は3であり;
R
1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、任意選択でアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基又はアリールアルキル基を表し;
R
2及びR
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基を独立に表すか、又は式(I)に描かれた隣接炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成することができる);
それらの薬学的塩、溶媒和物、又は双性イオン。
【請求項2】
以下の式(II):
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
- mは0若しくは1であり;及び/又は
- AHは、CO
2H若しくはSO
3H若しくはPO
3H
2であり; 及び/又は
- R
1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基若しくはアリールアルキル基を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
以下の式(III):
【化3】
を有する化合物
(式中、
1は2又は3であり;
mは0、1、2又は3であり;
R
1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、任意選択でアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基又はアリールアルキル基を表し;
R
2及びR
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基を独立に表すか、又は式(III)に描かれた隣接炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成することができ;
Aは、-SO
3Z、-CO
2Z又は-P(O)(OZ)
2を表し、Zは、水素原子、アルキル及びアリールアルキル基からなる群から選択され、
Xは、水素原子、-(CO)-アルキル、-(CO)-アルコキシ、-(CO)-ベンジルオキシ、
【化5】
を表し、
Rは、アルキル基を表し、R'及びR"は、水素原子又はアルキル基を独立に表し、
Yは、水素原子、アルキル、アリール、アリールアルキル基又は
【化6】
を表し、R、R'及びR"は、上記に規定の通りであり、
Z、X及びYの少なくとも1つは、水素原子と異なる)。
【請求項5】
以下の式(IV):
【化4】
を有する、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-メチルブチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4-メチルペンチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(2-シクロヘキシルエチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(ペンチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヘキシル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(シクロブチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(シクロヘキシルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
4-アミノ-4-[(シクロペンチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(5-メチルヘキシル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4,4,4-トリフルオロブチル)ホスホリル]ブタン酸
;及び
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[(プロパン-2-イル)アミノ]メチル})ホスホリル]ブタン酸からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を、薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物。
【請求項9】
動脈高血圧症及び直接又は間接的に関係する疾患の処置における使用のための、請求項7又は8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
心臓疾患、心不全、脳卒中、末梢及び/又は大脳の血管系疾患、脳、眼及び/又は腎臓の疾患からなる群において選択される動脈高血圧症に直接又は間接的に関係する障害の処置における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
原発性及び/又は続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓機能不全、腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群、緑内障、神経変性疾患及び記憶障害からなる群において選択される障害の処置における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それを含む組成物、該化合物を調製する方法、及び治療におけるこれらの化合物の使用に関する。特に、本発明は、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群及び緑内障の処置及び予防に有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
本態性高血圧(HTN)及び心不全(HF)は、心臓血管疾患における2つの主要な病状である。HTNは、世界中でおよそ10億人の個人に影響を及ぼしている。それは、冠動脈心疾患、HF、脳卒中及び腎臓機能不全の主要なリスク要因である。有効で安全な薬物の有効性にもかかわらず、HTN及びその付随するリスク要因は、多くの患者で制御されていないままである。HFは、西洋の国々における65歳を超える患者について依然として入院の主要な原因である。HFは、工業国において千人中1から5に影響し、全ての年齢を考慮に入れて、千人中3から20人の有病率である。米国で、HFの健康管理の出費は、2012年に210億ドルに相当して、コストの大部分は入院に関するものであった。多くの薬物が利用可能であるにもかかわらず、1年生存は、全てのステージを考慮に入れて約65%であるから、HFの予後は良くない。HFは、依然として心臓血管死の第1の原因の1つであり、その結果として、新規な効率的で安全なクラスの薬物を開発することにはまだ満たされていない医学的必要性がある。
【0003】
全身的レニン-アンジオテンシン系(RAS)は、血圧(BP)調節及びナトリウム代謝において中心的役割を果たすことが公知である。アンジオテンシンI変換酵素(ACE)阻害剤及びアンジオテンシン-II受容体タイプ1(AT1)アンタゴニスト等のRASを標的とする全身的薬物は、BPを低下させること、及び患者における心臓血管及び腎臓の病的状態及び死を予防することに臨床的に有効である。更に、レニン-アンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)の活性は、HFを有する患者で上昇しており、その適応不良の機構は、心臓の構造変化及び交感神経の活性化等の有害な効果をもたらし得る。最新の証拠に基づくガイドラインIAで、駆出分率の低下したHFのために薦められる医薬は、主としてACE阻害剤又はAT1受容体遮断薬及びベータ-アドレナリン作用性の受容体遮断剤のようなRAAS作用分子である。
【0004】
心臓血管機能及び体液のホメオスタシスを制御する機能性RASは、脳にも存在する。幾つかの研究は、脳RASの上昇した活性は、交感神経のニューロン活性及びバソプレシン放出における増大を生じさせること、及び脳RASの活性亢進は、HTNの種々の動物モデルで高BPを媒介すること、並びにHFの動物モデルで心臓の構造変化及び機能障害に非常に重要な役割を果たすことを示唆する(Marc Y、Llorens-Cortes、C Progress in Neurobiology 2011、95、pp 89-103; Westcott KVら、Can. J. Physiol. Pharmacol. 2009、87、pp 979-988)。最近の証拠は、アンジオテンシンIII(Ang III)が、AT1受容体に対するその作用を通して、BPの中枢制御のための脳RASの真のペプチドエフェクターであり得ることを支持するので、脳においてアンジオテンシンII(Ang II)からAng IIIを発生させる脳アミノペプチダーゼA(APA)酵素は、HTNの処置及びHFの処置のための有望な治療薬の目標となる。
【0005】
アミノペプチダーゼA(APA、EC3.4.11.7)は、脳中におけるAngIIのAngIIIへの変換を担当する酵素として特徴づけられた、膜に結合した亜鉛メタロプロテアーゼである(Zini Sら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996、93、pp 11968-11973)。これまでに、数種のAPA阻害剤が開発されている(Chauvel ENら、J. Med. Chem. 1994、37、pp 1339-1346; Chauvel ENら、J. Med. Chem. 1994、37、pp 2950-2957; David Cら、J. Med. Chem. 1999、42、pp 5197-5211; Georgiadis Dら、Biochemistry 2000、39、pp1152-1155; Inguimbert Nら、J. Peptide Res. 2005、65、pp 175-188)。それらの中で、EC33((3S)-3-アミノ-4-チオール-ブチルスルホネート)が、特異的及び選択的APA阻害剤として報告された。EC33の中枢点滴が、脳APA活性を阻害して、Ang IIの脳室内(icv)点滴に対する昇圧応答を遮蔽して、数匹の高血圧症の実験モデルでBPを低下させることが見出された(Fournie-Zaluski MCら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2004、101、pp 7775-7780)。
【0006】
意識のある高血圧のDOCA-塩ラット及びRB150のSHRラット(Firibastatとしても公知である)(15から150mg/kg)における短期の経口投与で、EC33の脳に浸透するプロドラッグは、用量依存性のBP低下を誘発することも更に示された(Bodineau Lら、Hypertension 2008、51、pp 1318-1325; Marc Yら、Hypertension 2012、60、pp 411-418)。興味深いことに、RB150は、第1に、バソプレシン放出を減少させ、水性利尿及びナトリウム排泄を増大させ、それにより血液体積を減少させてBPを制御値に低下させることにより、第2に、交感神経の感受性を低下させて、それにより血管抵抗を低下させて、その結果としてBPを低下させることにより、DOCA塩ラット及びSHRにおけるBPを低下させることが見出された。RB150の長期の中枢点滴、及びAT1R遮断薬、ロサルタンも、交感神経の活性亢進及びMI後のHFを有するラットで観察される心臓の機能障害を阻止することに同様に有効であることも報告された(Huang BSら、Cardiovascular Res. 2013、97、pp 424-431)。したがって、RB150は、まず脳に進入できる経口APA阻害剤を構成し、脳のAPA活性を遮断して、高血圧症のラットでBPを正常化し、脳のAPA阻害剤は、HTN及びHFの処置のための中枢に作用する新しいクラスの薬剤となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Marc Y、Llorens-Cortes、C Progress in Neurobiology 2011、95、pp 89-103;
【文献】Westcott KVら、Can. J. Physiol. Pharmacol. 2009、87、pp 979-988
【文献】Zini Sら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996、93、pp 11968-11973
【文献】Chauvel ENら、J. Med. Chem. 1994、37、pp 1339-1346
【文献】Chauvel ENら、J. Med. Chem. 1994、37、pp 2950-2957
【文献】David Cら、J. Med. Chem. 1999、42、pp 5197-5211
【文献】Georgiadis Dら、Biochemistry 2000、39、pp1152-1155
【文献】Inguimbert Nら、J. Peptide Res. 2005、65、pp 175-188
【文献】Fournie-Zaluski MCら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2004、101、pp 7775-7780
【文献】Bodineau Lら、Hypertension 2008、51、pp 1318-1325
【文献】Marc Yら、Hypertension 2012、60、pp 411-418
【文献】Huang BSら、Cardiovascular Res. 2013、97、pp 424-431
【文献】T. Higuchi及びV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery system」、Vol.14、A.C.S Symposium Series、American Chemical Society(1975)
【文献】E.B.Rocheによって編集された「Bioreversible Carriers in Grug Design: Theroy and Application」Pergamon Press: New York、14~21(1987)
【文献】Stereochemistry of Carbon Compounds、E. L. Eliel (Mcgraw Hill、1962)
【文献】Tables of Resolving Agents、S. H. Wilen
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、強いAPA阻害剤として作用し、その関係で動脈高血圧を低下させることに有効であり得、動脈高血圧症、及び心不全等の、それが間接及び直接的に一因となる疾患の処置に効用を有することができる新規化合物を、現在特定した。前記化合物は、満足なバイオアベイラビリティ及び薬物動態パラメーターも示し、そのことが前記化合物を経口又は非経口的投与の優れた候補にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、以下の式(I):
【0011】
【0012】
を有する、より具体的には以下の式(II):
【0013】
【0014】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO2H、-SO3H、-PO3H2を表し;
lは2又は3であり;
mは、0、1、2又は3であり;
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、任意選択でアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又はアリールアルキル基を表し;
R2とR3は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基を表すか、又は図(I)若しくは(II)に描かれた隣接炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成することができる);
それらの薬学的塩、溶媒和物、双性イオン形態又はプロドラッグ
を提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、式(I)、より具体的には式(II)の前記化合物を含む組成物を開示する。該組成物は、より詳細には医薬組成物である。したがって、本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物を、好ましくは薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0016】
別の態様によれば、本発明は、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む、動脈高血圧症及び間接的に及び直接関係する疾患の予防又は処置のための方法に関する。別の態様において、本発明は、治療又は医薬において、特に、ヒトの医薬において、より具体的には動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患又は障害の処置のために使用するための本発明の化合物を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患又は障害を処置するための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、それらを必要とする患者における、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む、動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患を患う患者を処置する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
したがって、本発明は、以下の式(I):
【0020】
【0021】
を有する、より具体的には以下の式(II):
【0022】
【0023】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO2H、-SO3H、-PO3H2を表し;
1は2又は3であり;
mは、0、1、2又は3であり;
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、任意選択でアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基又はアリールアルキル基を表し;
R2及びR3は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基を表すか、又は式(I)若しくは(II)に描かれた隣接炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成することができる)
に関する。
【0024】
本発明は、動脈高血圧症及び動脈高血圧症が直接又は間接的に一因となる疾患を予防又は処置する方法を提供する。そのような疾患には、心臓、末梢及び大脳血管系、脳、眼及び腎臓の疾患が含まれる。特に、疾患には、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群及び緑内障が含まれる。
【0025】
本明細書において使用する「本発明の化合物」は、上で記載された化合物又はそれらのプロドラッグ若しくはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは任意の双性イオン形態を意味する。
【0026】
本発明の文脈内で、
用語「アルキル」又は「Alk」は、1価の又は2価の、直鎖状又は分岐した、1から8個の炭素原子を有する飽和炭化水素鎖((C1~C8)アルキルとも名付けられる)、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、tert-ブチル-メチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、又はn-オクチル基等を意味する。
【0027】
用語「アシル」は、Rが、前に規定されたアルキル基又はフェニル基である-C(O)R基を意味する。アシル基は、例えば、アセチル、エチルカルボニル、又はベンゾイル基を含む。
【0028】
用語「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、Alkが前に規定されたアルキル基である-OAlk基を意味する。アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、又はtert-ブチルオキシ基を含む。
【0029】
用語「アリール」は、4から10個の炭素原子((C4~C10)アリールとも名付けられる)を有する芳香族の単環式又は二環式系を意味し、二環式系の場合には、環の1つが芳香族であり、他の環は芳香族であるか又は不飽和であると理解される。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、インデニル、又はベンゾシクロブテニル基を含む。
【0030】
用語「アリールアルキル」は、-Alk-Ar基(即ち、分子の残部にアルキル基が接続しているアリール基)を意味し、式中、Alkは、上に規定されたアルキル基を表し、Arは上に規定されたアリール基を表す。
【0031】
用語「ヘテロアルキル」は、1から5個の炭素原子とイオウ、窒素又は酸素原子等の少なくとも1個又は2個のヘテロ原子とを有する直鎖状の又は分岐した飽和炭化水素鎖を意味する。ヘテロアルキルは、例えば、-O(CH2)2OCH3又は-(CH2)2OCH3基を含む。
【0032】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素原子を意味する。
【0033】
用語「シクロアルキル」は、例えば、3から12個の炭素原子を有する飽和した単環式又は多環式系((C3~C12)シクロアルキルとも名付けられる)等、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、デカリニル、又はノルボルニル基等を意味する。
【0034】
用語「O-シクロアルキル」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたシクロアルキル基を意味する。O-シクロアルキルは、例えば、O-シクロペンチル又はO-シクロヘキシル基を含む。
【0035】
用語「O-アリール」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたアリール基を意味する。O-アリールは、例えば、O-フェニル基を含む。
【0036】
用語「O-アリールアルキル」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたアリールアルキル基を意味する。O-アリールアルキルは、例えば、O-ベンジル基を含む。
【0037】
「エステル」は、Rが前に規定されたアルキル、アリール又はアリールアルキル基を表す-C(O)OR基を意味する。
【0038】
用語「ハロアルキル」は、1から6個の炭素原子を有し、1個又は複数の、とりわけ1~6個のハロゲン原子で置換された直鎖状又は分岐した飽和炭化水素鎖、例えば、トリフルオロメチル又は2,2,2-トリフルオロエチル基等を意味する。
【0039】
用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子を通して化合物に接続した、1から6個の炭素原子を有し、1個又は複数の、とりわけ1~6個のハロゲン原子で置換された直鎖状又は分岐した飽和炭化水素鎖、例えば、トリフルオロメトキシ又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基等を意味する。
【0040】
用語「アミノ基」は、任意選択で、上に規定されたアルキル基によりモノ置換又はジ置換された-NH2基を意味する。
【0041】
用語「保護基(protective group)」又は「保護基(protection group)」は、化学反応が、別の保護されていない反応性部位で選択的に実施され得るように、多官能性化合物中の反応性部位を選択的に遮断する基を意味し、その意味は、従来、合成化学において後者と関連する。
【0042】
本発明において、用語「薬学的に許容される」は、生物学的に又はその他で、一般的に安全な、無毒性で且つ望ましくないことがなく、獣医学の又はヒトの医薬で使用するために一般的に受け入れられている医薬組成物の調製に使用され得ることを指す。
【0043】
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される無機若しくは有機酸又は塩基並びに第四級アンモニウム塩から形成される従来の塩を含む。適当な酸塩のより特定の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルモ酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフト酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステロ酸、タンニン酸その他の塩を含む。適当な塩基塩のより特定の例は、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン及びプロカイン塩を含む。
【0044】
例えば、好ましい塩の形態は塩酸塩を含む。
【0045】
用語「プロドラッグ」は、生理学的媒体との、とりわけ酵素反応による自発的化学反応、光分解及び/又は代謝性反応によってインビボで発生する本発明の目的の化合物の化学的誘導体を意味する。存在する場合に、本発明の化合物のプロドラッグは、アミノペプチダーゼAの阻害剤と同定される化合物をインビボで発生する。
【0046】
プロドラッグは、特定の不安定な部分を有する官能基を誘導体化することにより得ることができる。酸官能基(ホスフィン酸、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸等)を有するプロドラッグは、とりわけエステルを含み、アミン官能基を有するプロドラッグは、とりわけカルバメート基を通して[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシカルボニルを含み、又はアミド基を通して2-オキソ-[1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミドを含む。
【0047】
他の例は、T. Higuchi及びV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery system」、Vol.14、A.C.S Symposium Series、American Chemical Society(1975)及びE.B.Rocheによって編集された「Bioreversible Carriers in Grug Design: Theroy and Application」、Pergamon Press: New York、14~21(1987)に記載されている。
【0048】
用語「異性体」は、本明細書で同定されたものと同一の分子式を有するが、それらの性質により又は原子の結合配列又は空間におけるそれらの原子配置が異なる化合物を指す。空間におけるそれらの原子配置が異なる異性体は、「立体異性体」により表示される。互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と表示され、互いに重ね合わされ得ない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」又は「光学異性体」と表示される。「立体異性体」とはラセミ体、鏡像異性体及びジアステレオ異性体を指す。
【0049】
当業者は、立体中心が本発明の化合物に存在することを認識するであろう。本発明の化合物の任意のキラル中心は、(R)、(S)又はラセミ体であり得る。したがって、本発明は、式(I)の化合物の全ての可能な立体異性体及び幾何異性体を含み、ラセミ化合物だけでなく、光学活性異性体も同様に含む。好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、式(II)のものである。式(I)の化合物が単一の鏡像異性体として望まれる場合、それは、最終の生成物の分割によるか又は異性体として純粋な出発原料若しくは任意の適当な中間体のいずれかからの立体特異的合成によるかのいずれかで得ることができる。最終の生成物、中間体又は出発原料の分割は、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって実行することができる。例えば、Stereochemistry of Carbon Compounds by E. L. Eliel (Mcgraw Hill、1962)及びS. H. WilenによるTables of Resolving Agentsを参照されたい。
【0050】
当業者は、本発明の化合物が、少なくとも1個の正電荷及び1個の負電荷を含有することができ、その結果本発明の化合物は、それらの双性イオン形態を含むことを認識するであろう。化学において、両性イオン(内部塩とも呼ばれる)は、2つ以上の官能基を有する分子であり、分子の官能基の少なくとも1つは正の電荷を有し、1つは負の電荷を有し、異なる官能基の電荷が互いに均衡して、分子は全体として電気的に中性である。このことが起こるpHは、等電点として公知である。したがって、それらのプロドラッグを含む本発明の化合物の任意の双性イオン形態は、本発明の範囲内である。
【0051】
有機化学分野の専門家は、多くの有機化合物が、それらが溶媒中で反応するか又は沈殿して又は結晶化して溶媒と錯体を形成することができることを認識するであろう。これらの錯体は、「溶媒和物」として公知である。例えば、水との錯体は「水和物」として公知である。式(I)又は(II)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。
【0052】
多くの有機化合物が、2種以上の結晶形で存在し得ることも、有機化学における専門家によって認識されているであろう。例えば、結晶形は、或る溶媒和物から別の溶媒和物へと変化し得る。したがって、全ての本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容される溶媒和物の結晶形は本発明の範囲内である。
【0053】
本発明による化合物に対する本明細書における言及は、式(I)又は(II)の化合物の両方及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグを含む。
【0054】
好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、一般式(I) 、より具体的には式(II)に対応し、式中、
- mは0若しくはlであり; 及び/又は
- AHは、CO2H若しくはSO3H若しくはPO3H2であり; 及び/又は
- R1は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、ヘテロアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基若しくはアリールアルキル基を表す。
【0055】
本発明による化合物に対する本明細書における言及は、式(I)又は(II)の両方の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、双性イオンの形態又はプロドラッグを含む。
【0056】
特定の実施形態によれば、本発明による化合物のプロドラッグは、以下の式(III):
【0057】
【0058】
、より具体的には以下の式(IV):
【0059】
【0060】
を有する生成物
(式中、
1、m、R1、R2、R3は、上に規定の通りであり;
Aは、-SO3Z-CO2Z又は-P(O)(OZ)2を表し、Zは、水素原子、アルキル及びアリールアルキル基からなる群から選択され;
Xは、水素原子、-(CO)-アルキル、-(CO)-アルコキシ、-(CO)-ベンジルオキシ、
【0061】
【0062】
を表し;
Rは、アルキル基を表し、R'及びR"は、独立に、水素原子又はアルキル基を表し;
Yは、水素原子、アルキル、アリール、アリールアルキル又は
【0063】
【0064】
を表し、
R、R'及びR"は上に規定の通りであり、
ここで、Z、X、及びYの少なくとも1つは、水素原子と異なる)
であり得る。
【0065】
特定の実施形態によれば、本発明の化合物は:
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-メチルブチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4-メチルペンチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(2-シクロヘキシルエチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(ペンチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヘキシル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(シクロブチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(シクロペンチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(5-メチルヘキシル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4,4,4-トリフルオロブチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(シクロヘキシルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;及び
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[(プロパン-2-イル)アミノ]メチル})ホスホリル]ブタン酸;
からなる群から選択される。
【0066】
本発明の化合物は、医薬組成物の形態で便利に投与される。そのような組成物は、従来様式で、1種又は複数の生理学的に許容される担体又は賦形剤との混合物で便利に使用するために提供され得る。担体は、製剤の他の成分と適合性であり、それらを受ける対象者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0067】
本発明の化合物は、未加工の化学物質として治療に投与することができることは実現可能であるが、有効成分を医薬製剤として提供することも可能である。
【0068】
したがって、本発明は、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び任意選択で、他の有効成分と共に本発明の化合物を含む医薬組成物を更に提供する。
【0069】
該医薬組成物は、経口、非経口(例えば、皮下注射により又はデポ錠剤、皮内、髄腔内、眼内、筋肉内、例えば、デポ及び静脈内によりを含む)、直腸及び局所(真皮(即ち、皮膚に)、バッカル及び舌下を含む)で、又は吸入又は吹入による投与に適当な形態で適当なものを含むが、最も適当な経路は、例えば、受容者の状態及び障害に依存し得る。該組成物は、単位剤形で便利に提供することができ、製薬分野において周知の任意の方法によって調製することができる。全ての方法は、本発明の化合物を、任意選択で少なくとも1種の他の有効成分と、1種又は複数の付属の成分を構成する担体と合体させる工程を含む。一般的に、製剤は、均一に及び密に、有効成分を、液体担体又は微細に分割された固体担体と又は両方と合体させて、次に、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
【0070】
経口投与のために適当な医薬組成物は、所定の量の有効成分を、散剤又は顆粒剤として、水性液体若しくは非水性液体中の溶液剤若しくは懸濁液剤として; 又は水中油液体エマルション剤若しくは油中水液体エマルション剤として各々含有するカプセル、カシェ剤又は錠剤(例えば、特に小児用投与のための噛むことができる錠剤)等の離散的単位として提供することができる。有効成分は、ボーラス、舐剤又はペーストとして提供することもできる。
【0071】
錠剤は、圧縮又は鋳型成型により、任意選択で1種又は複数の付属の成分と共に作製することができる。圧縮された錠剤は、適当な機械で、粉末又は顆粒等の自由に流動する形態にある有効成分を、任意選択で、他の従来の賦形剤、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン糊、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、スクロース、微結晶セルロース、トウモロコシ-デンプン、リン酸カルシウム又はソルビトール)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はナトリウムデンプングリコレート)又はラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤等と混合して圧縮することにより調製することができる。鋳型成型された錠剤は、適当な機械で、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物で鋳型成型することにより作製することができる。錠剤は、任意選択で、コートされても又は刻み目をつけられてもよく、その中の有効成分の遅延又は制御された放出を提供するように、製剤化することができる。錠剤は、当技術分野において周知の方法に従ってコートされてもよい。
【0072】
或いは、本発明の化合物は、経口液体調製物、例えば、水性又は油性の懸濁液剤、溶液剤、エマルション剤、及び例えば、シロップ剤又はエリキシル剤等に組み込むことができる。その上、これらの化合物を含有する医薬組成物(又は製剤)は、使用前に水又は他の適当なビヒクルで構成するための乾燥した製品として提供することができる。そのような液体調製物は、従来の添加剤、例えば、懸濁剤等、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は水素化された可食性脂肪; 乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート又はアラビアゴム、非水性ビヒクル(それは可食性油を含んでもよい)、例えば、アーモンド油、分画されたココナツ油、油性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコール等; 及び、p-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル又はソルビン酸等の防腐剤を含有することができる。これらの調製物は、例えば、ココアバター又は他のグリセリド等の従来坐薬賦形剤を含有する坐薬としても製剤化され得る。
【0073】
非経口的投与のための製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び意図される受容者の血液と等張の製剤を与える溶質を含有してもよい水性及び非水性滅菌注射溶液; 並びに懸濁剤及び増粘剤を含んでいてもよい水性及び非水性滅菌懸濁液剤を含む。製剤は、単位用量又は複数用量の容器、例えば、封じられたアンプル及びバイアルで提供することもでき、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用の水の添加だけが必要な凍結乾燥された(lyophilized)状態で貯蔵することもできる。即席の注射溶液及び懸濁液は、前に記載された種類の滅菌散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0074】
直腸投与のための組成物は、ココアバター、硬質脂肪又はポリエチレングリコール等の通常の担体を用いて、坐薬として調製することができる。
【0075】
口で、例えば、バッカルで又は舌下に局所投与するための製剤は、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴム等の賦形剤中に有効成分を含む香味料を含む賦形剤、例えば、スクロース及びアラビアゴム又はトラガカント、及びトローチ剤中に有効成分を含むロゼンジを含む。皮膚上に局所投与するために、化合物は、クリーム剤、ゲル剤、軟膏又はローション剤として又は経皮パッチとして製剤化され得る。眼投与のために、組成物は、液体溶液剤(点眼溶液剤等)、ゲル剤、クリーム剤又は任意のタイプの眼科組成物であり得る。
【0076】
化合物は、デポ調製物としても製剤化され得る。これらの長く作用する製剤は、埋め込みにより(例えば、皮下又は筋肉内に)又は筋肉内注射により投与され得る。したがって、例えば、該化合物は、適当なポリマー又は疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂を用いて、又はやや溶けにくい誘導体として、例えば、やや溶けにくい塩として製剤化され得る。
【0077】
鼻内投与のためには、本発明の化合物を、例えば、液体スプレーとして、散剤として又は液滴の形態で使用することができる。
【0078】
吸入による投与のためには、本発明による化合物は、加圧された容器又はネブライザーから、適当な噴射剤、例えば、1,1,1,2-トリフルオロエタン(HFA134A)及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA227)、二酸化炭素又は他の適当なガスを使用して、エアロゾルスプレー調製物の形態で、便利に送達される。加圧されたエアロゾルの場合に厳密な投薬は、計量された量を送達するために適合されたバルブを備えることにより決定することができる。例えば、ゼラチンのカプセル及びカートリッジは、吸入器又は吹入器中で使用するために、本発明の化合物及びラクトース又はデンプン等の適当な粉末賦形剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
上で特に言及した成分に加えて、製剤は、問題の製剤のタイプに関係を有する技術で従来の他の薬剤を含むことができ、例えば、経口投与のために適当なものは、香味剤を含むことができる。
【0079】
処置に対する本明細書における言及が、確立された疾患又は症状の防御並びに処置に拡張されることは、当業者により認識されるであろう。その上、処置で使用するために必要な本発明の化合物の量は、処置されている状態の性質並びに患者の年齢及び状態で変化するので、最終的には、付き添う医師又は獣医師の裁量によるであろうということは認識されるであろう。しかし、一般的に、成人のヒトの処置のために使用される用量は、典型的には、1日に0.02~5000mg、好ましくは1日に1~1500mgの範囲内であろう。所望の用量は、単一の用量で、又は例えば、1日当たり2、3、4又はそれを超える分割用量のように適当な間隔で投与される分割された用量として、便利に提供され得る。本発明による製剤は、0.1~99%の間の有効成分、便利には、錠剤及びカプセルについては30~95%及び液体調製物については3~50%を含有することができる。
【0080】
本発明で使用するための本発明の化合物は、1種又は複数の他の有効な治療剤、例えば、ベータ-アドレナリン作用性の受容体アンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断剤、チアジド利尿剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤と共に使用することができる。したがって、本発明は、更なる態様で、動脈高血圧症の処置において、本発明の化合物と更なる治療剤とを含む組み合わせの使用を提供する。
【0081】
本発明の化合物が他の治療剤と共に使用される場合、該化合物は、順次又は同時のいずれかで任意の適当な経路により投与されてもよい。
【0082】
上で言及した併用は、医薬製剤の形態で使用するために適当に提供され得るので、薬学的に許容される担体又は賦形剤と最適に一緒にした上に規定された併用を含む医薬製剤は、本発明の更なる態様である。そのような併用の個々の構成要素は、順次又は同時のいずれかで、別々に又は組み合わされた医薬製剤で投与されてもよい。
【0083】
同じ製剤中に組み合わされる場合には、その2種の化合物が、安定で且つ及び製剤の他の構成要素と適合性でなければならず、投与のために製剤化され得ることは認識されるであろう。別々に製剤化される場合、それらは、当技術分野でそのような化合物のために公知の様式で適当に、任意の適当な製剤で提供することができる。
【0084】
本発明の化合物が、第2の治療剤の活性物質と共に同じ疾患に対して使用される場合、各化合物の用量は、該化合物が単独で使用される場合に投与される量と異なり得る。適当な用量は当業者により容易に決定されるであろう。
【0085】
別の態様では、本発明の対象は、動脈高血圧症及び直接及び間接的に関係する疾患の予防又は処置のための、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む方法である。
【0086】
別の態様では、本発明は、治療薬で使用するために、特に獣医学又はヒトの医学で、本発明の化合物を提供する。
【0087】
本発明は、アミノペプチダーゼAに関する選択的阻害剤としての式(I)又は(II)の化合物の使用にも関する。
【0088】
別の態様では、本発明は、動脈高血圧症並びに直接及び間接的に関係する疾患の処置で使用するための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0089】
別の態様では、本発明は、動脈高血圧症及び直接及び間接的に関係する疾患を患う患者を処置する方法であって、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0090】
本発明は、動脈高血圧症及び動脈高血圧症が直接又は間接的に一因となる疾患の予防又は処置のための方法を提供する。これらの疾患は、心臓疾患、心不全、脳卒中、末梢及び/又は大脳血管系疾患、並びに脳、眼及び腎臓の疾患を含む。特に、該疾患は、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓機能不全及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群、緑内障、神経変性疾患及び記憶障害を含む。
【0091】
式(I)又は好ましくは(II)の化合物は、数通りの方法によって調製することができる。出発製品は市販の製品であるか又は市販の化合物からの公知の合成により調製されるか若しくは当業者に公知の製品である。より具体的には、本発明の化合物を調製する方法は、以下の連続的工程を含む:
本発明の目的の式(I)の化合物は、以下の式(V)、(VI)及び(VII)の前駆体を使用することにより、後で記載される合成経路に従って調製することができる
【0092】
【0093】
(式中、l、m、R1、R2、R3、A及びXは、上に規定の通りである)。
【0094】
この合成経路に従って、複数の構成要素の反応が、式(VIII)の化合物を導くために、例えば、トルエン等の有機溶媒中で酢酸及び塩化アセチルの存在下で、化合物(V)、(VI)及び(VII)の間で実施される:
【0095】
【0096】
次に、官能基Aの保護基及びアミノ官能基の保護基Xの同時脱保護が、式(I)の本発明の化合物の形成を導く水素化分解によって起こり得る。
【0097】
幾つかの場合に、式(VIII)の化合物の基Aは、リチン(lithine)により選択的に脱保護され、例えば、式(IX)の中間体化合物を提供し、
【0098】
【0099】
次に、式(IX)の化合物は、アニソールのような有機溶媒中で加熱下に、水素化分解又はトリフルオロ酢酸等の酸性条件に供されて、式(I)の本発明の化合物を提供する。
【0100】
本発明の目的の式(I)の化合物は、以下の式(Vbis)及び(X)の前駆体を使用することにより、後で記載される合成経路に従って調製することができる
【0101】
【0102】
(式中、l、m、Y、R1、R2、R3及びAは、上に規定の通りである)。
【0103】
この合成経路に従って、式(XI)の化合物を導くために、化合物(Vbis)と、文献から周知の方法により得られたスルホ-イミン(X)との間で、反応が、ジクロロメタン等の有機溶媒中で、例えば、炭酸セシウムの存在下で実施される:
【0104】
【0105】
(式中、l、m、Y、R1、R2、R3及びAは、上に規定の通りである)。
【0106】
スルホ-イミン中間体(X)が、文献の周知の方法によりキラル形態で合成され得ることは、注目に値する。キラルを誘導する保護基がスルホ-イミン(X)により支持される場合、このシントンは、式(II)の化合物の前駆体の不斉合成への道筋を提供することができる。
【0107】
ラセミ形態又はキラル形態にある中間体(XI)に適用される適当な脱保護工程は、式(I)又は(II)の本発明の化合物のそれぞれへの道筋を提供する。
【0108】
式(V)の前駆体は、以下の式(XII)の化合物から、
【0109】
【0110】
対応するグリニャール試薬とジエチルクロロホスファイトとを、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランのような有機溶媒中で0~10℃等の冷却された条件下で反応させることにより得ることができる。
【0111】
以下の実施例は、本発明を例示するが、如何なる意味によっても、本発明を限定しない。
【実施例】
【0112】
使用される出発製品は、市販の製品であるか又は市販の化合物から公知の合成によって調製された又は当業者に公知の製品である。異なる一般的手順A、B、Cが、本発明の化合物を調製するために有用な合成中間体を導く。手順D及びEは、最終の本発明の化合物の合成を導く。
【0113】
実施例に記載された化合物の構造は、通常の分光学的技法(核磁気共鳴(NMR)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む質量分析法)によって決定し、純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定した。
【0114】
合成中間体及び本発明の化合物は、IUPAC(国際純正応用化学連合)の命名法に従って命名し、それらの中性形態で記載した。
【0115】
以下の略記号を使用した:
AIBN: アゾビスイソブチロニトリル
(Boc)2O: ジ-tert-ブチルジカーボネート
(n-Bu)4NBr: 臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム
(n-Bu)4NI: ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
AcCl: 塩化アセチル
AcOH: 酢酸
BTSP: ビス(トリメチルシリル)ホスホネート
Cbz: カルボキシベンジル
CH2Cl2又はDCM: ジクロロメタン
CHCl3: クロロホルム
cHex: シクロヘキサン
CuSO4: 硫酸銅
DCC: N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DTAD: ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート
EDCI: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)エチルカルボジイミド
Et2O: ジエチルエーテル
EtOAc: 酢酸エチル
HBF4.Et2O: テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル複合体
HCl: 塩酸
HMDS: 1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン
I2: ヨウ素
i-PrOH: イソプロパノール
K2CO3: 炭酸カリウム
KOtBu: カリウムtert-ブトキシド
LiAlH4: 水素化リチウムアルミニウム
LiHMDS: リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
LiOH.H2O: 水酸化リチウム一水和物(リチン)
MeOH: メタノール
Mg: マグネシウム
Na2S2O3: チオ硫酸ナトリウム
Na2SO4: 硫酸ナトリウム
NaBH4: 水素化ホウ素ナトリウム
NaHCO3: 重炭酸ナトリウム
NEt3: トリエチルアミン
NH2Cbz: ベンジルカルバメート
NH4Cl: 塩化アンモニウム
Pd(PPh3)4: テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
TFA: トリフルオロ酢酸
Eq.: 当量
ESI: エレクトロスプレーイオン化
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
NMR: 核磁気共鳴
PTFEフィルター: ポリテトラフルオロエチレンフィルター
【0116】
中間体(V)の調製のための一般的手順(手順A)
【0117】
【0118】
対応するグリニャール溶液(無水THF又はEt2O中0.5から1.0M、1.05当量)に変換した中間体(XII)を、添加の間内温を0~10℃の間で維持しながら、アルゴン雰囲気下ジエチルクロロ亜リン酸(1.0当量)の無水Et2O中冷却溶液(5℃) (ジエチルクロロ亜リン酸1.3mL/mmol)に滴下添加した。室温で16時間撹拌した後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、濃HCl水溶液(pH=1)で処理した。無色透明溶液が得られるまで(15分)、得られた混合物を室温で撹拌した。この溶液をEtOAc(3回)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。透明液体を2M NaOH水溶液に希釈し、得られた溶液を1時間撹拌した。水性層をEt2Oで洗浄し、次いで濃HClで(pH=1まで)酸性化した。得られた酸水性層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮して、所望の中間体(V)を得た。
【0119】
多成分反応のための一般的手順(手順B)
【0120】
【0121】
中間体(V)(1.0当量)及びカルバミン酸ベンジル(VII)(X=CBzであるH2N-X)(1.1当量)のAcOH(中間体(V) 0.9~1.8mL/mmol)及びAcCl(中間体(V) 0.09~0.52mL/mmol)の約6:1混合物中溶液に、中間体(VI)(1.2当量)を滴下添加した。室温で18時間撹拌した後、反応混合物をトルエン(3回)と共蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、次いで水を加えて残ったAcClをクエンチし、次いで水性層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製材料をEt2O中で摩砕し、濾過し、得られた固体を乾燥させて、所望の中間体(VIII)を得た。
【0122】
選択的脱保護化のための一般的手順(手順C)
【0123】
【0124】
THF/水(4:1)の混合物中の中間体(VIII)(1.0当量)に、LiOH.H2O(3.0当量)を一度に加えた。混合物は即座にオレンジ色になり、反応が完結するまで室温で撹拌した。混合物を濃縮してTHFを蒸発させ、次いで水性層をEtOAc(3回)で抽出した。次いで水性層をHCl水溶液でpH1に酸性化し、この間沈殿物が生成した。ほとんどの場合、水性層をDCM(5回)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、選択的に脱保護化された対応する中間体(IX)を得た。場合によっては、酸性化処理後に得られた沈殿物を直接濾過し、乾燥させて、この期待する中間体を得た。
【0125】
酸性条件における最終脱保護化のための一般的手順(手順D)
【0126】
【0127】
手順Cに従って選択的に脱保護化された中間体(IX)に、TFA/アニソールを加えた。得られた溶液をTFA/アニソール条件にて75℃で2から6時間、次いで必要な場合室温で撹拌した。濃縮し、トルエン(3回)で共蒸発させた後、又は沈殿物が生成した場合には直接濾過した後、粗製物を摩砕、分取LCMS又は逆相カラムにより精製して、本発明の式(I)の所望の化合物を得た。
【0128】
水素化分解のための一般的手順(手順E)
【0129】
【0130】
中間体(VIII)(1.0当量)をEtOH/AcOH又はMeOH/AcOHの混合物(全容量:その溶解性に依存して保護化化合物17~34mL/mmol)に溶解した。粉体を超音波処理して溶解性を促進し、次いで透明溶液をH-キューブ(触媒=10%Pd/C、T=40℃、流速=0.6~0.8mL/分、完全H2モード又は10bars)に供した。濃縮後、粗製物を摩砕により又は逆相カラムにより精製して、本発明の式(I)の所望する化合物を得た。
【0131】
ベンジル4-オキソブタノエートの調製
工程1:ベンジル4-ヒドロキシブタノエートの合成
γ-ブチロラクトン(20mL、255mmol、1.0当量)及びNaOH(10.2g、255mmol、1.0当量)を水(170mL)に溶解し、温度を70℃に上げた。12時間後、水を蒸発させ、白色糊状物をトルエンと共に蒸発させた(3回)。白色固体を真空下に置き、70℃に2時間加熱した。固体をトルエンで再度溶解して痕跡量の水を除去した。得られた白色固体をアセトン(280mL)に懸濁した。テトラブチルアンモニウムヨージド(4.72g、12.8mmol、0.05当量)及び塩化ベンジル(29.4mL、255mmol、1.0当量)を懸濁液に加えた。溶液を6時間還流し、次いで室温で終夜戻した。次いで反応混合物を6時間再度還流させた。室温で、混合物を濾過し、濾液を蒸発させて粗製物を得、これをシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題生成物(36.5g、74%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.31 (m, 5H); 5.13 (s, 2H); 3.69 (t, 2H, J = 6.0 Hz); 2.50 (t, 2H, J = 7.0 Hz); 1.93-1.88 (m, 2H)
【0132】
工程2:ベンジル4-オキソブタノエートの合成
ベンジル4-ヒドロキシブタノエート(10g、51.49mmol、1.0当量)をジクロロメタン(1.7L)に溶解し、0℃に冷却した。デス-マーチンペルヨージナン(33g、77.23mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で2時間30分撹拌した。混合物を濃縮し、粗製物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題化合物(8.0g、81%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.82 (s, 1H); 7.39-7.31 (m, 5H); 5.14 (s, 2H); 2.82 (t, 2H, J = 7.0 Hz); 2.71-2.67 (m, 2H)
【0133】
(実施例1)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-メチルブチル)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (3-メチルブチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.90mL、17.4mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(9mL)中のl-ブロモ-3-メチルブタン(2.76g、18.3mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(1.40g、59%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 137.2; [(Mx2)+H]+ = 273.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.02 (dt, J = 536.2, 2.0 Hz, 1H); 1.85-1.71 (m, 2H); 1.71-1.59 (m, 1H); 1.55-1.42 (m, 2H); 0.96 (d, J = 6.7 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 36.32
【0134】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](3-メチルブチル)ホスフィン酸
AcOH(10mL)及びAcCl(1.2mL)中の前段生成物(800mg、5.88mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(977mg、6.46mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(1.36g、7.05mmol、1.2当量)の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(1.75g、65%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 462.2; [(Mx2)+H]+ = 923.6
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.54-7.22 (m, 10H); 5.23-5.02 (m, 4H); 4.05-3.89 (m, 1H); 2.54-2.43 (m, 1H); 2.31-2.17 (m, 1H); 1.95-1.79 (m, 1H); 1.78-1.59 (m, 2H); 1.59-1.40 (m, 3H); 1.40-1.24 (m, 1H); 1.06-0.80 (m, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 51.31
【0135】
工程3: 4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-メチルブチル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、18mL)中の前段生成物(500mg、1.08mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、白色粉体として得られる表題化合物(164mg、76%)を調製した。
期待純度: >95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 220.2; [M+H]+ = 238.2; [(Mx2)+H]+ = 475.2; [(Mx3)+H]+ = 712.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 3.17-3.04 (m, 1H); 2.62 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 2.30-2.13 (m, 1H); 2.05-1.83 (m, 1H); 1.74-1.39 (m, 5H); 0.96 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.08
【0136】
(実施例2)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4-メチルペンチル)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (4-メチルペンチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.26mL、11.5mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(6mL)中の1-ブロモ-4-メチルペンタン(2.0g、12.1mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(740mg、43%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 151.2; [(Mx2)+H]+ = 301.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.01 (dt, J = 536.1, 2 Hz, 1H); 1.78-1.67 (m, 2H); 1.67-1.53 (m, 3H); 1.35-1.27 (m, 2H); 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 35.69
【0137】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](4-メチルペンチル)ホスフィン酸
AcOH(5mL)及びAcCl(428μL)中の前段生成物(300mg、2.0mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(362mg、2.4mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(5mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(460.8mg、2.4mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(416mg、44%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 474.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.39-7.23 (m, 10H); 5.20-5.00 (m, 4H); 3.96 (m, 1H); 2.57-2.43 (m, 2H); 2.27-2.13 (m, 1H); 1.85 (m, 1H); 1.71-1.45 (m, 5H); 1.21 (m, 2H); 0.88 (d, J = 6.7 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 50.75
【0138】
工程3: 4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4-メチルペンチル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、7mL)中の前段生成物(200mg、420μmmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの粉体として得られる表題化合物(45mg、42%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 250.2; [(Mx2)-H]- = 501.3; [(Mx3)-H]- = 752.5
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 234.2; [M+H]+ = 252.2; [(Mx2)+H]+ = 503.3; [(Mx3)+H]+ = 754.6
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.13-3.05 (m, 1H); 2.64-2.56 (m, 2H); 2.27-2.13 (m, 1H); 2.01-1.87 (m, 1H); 1.67-1.51 (m, 5H); 1.29 (q, J = 6.9 Hz, 2H); 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.67
【0139】
(実施例3)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(S-メチルヘキシル)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (5-メチルヘキシル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.15mL、10.54mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(5mL)中の1-ブロモ-5-メチルヘキサン(2.0g、11.17mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(797mg、46%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 165.2; [(Mx2)+H]+ = 329.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.00 (dt, J = 533.5, 1.99 Hz, 1H); 1.73 (s, 2H); 1.62-1.51 (m, 3H); 1.43 (dd, J = 8.6, 7.5 Hz, 2H); 1.23 (dd, J = 8.6, 7.0 Hz, 2H); 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 35.5
【0140】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](5-メチルヘキシル)5-ホスフィン酸
AcOH(4mL)及びAcCl(391μL)中の前段生成物(300mg、1.83mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(331mg、2.19mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(3mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(421mg、2.19mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(521mg、58%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 490.2; [(Mx2)+H]+ = 979.7
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.32 (dt, J = 20.9, 6.2 Hz, 10H); 5.23-4.90 (m, 4H); 4.08-3.84 (m, 1H); 2.72-2.34 (m, 2H); 2.21 (d, J = 13.5 Hz, 1H); 1.86 (tt, J = 14.0, 7.2 Hz, 1H); 1.72-1.38 (m, 5H); 1.37-1.07 (m, 4H); 0.88 (d, J = 6.8 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 50.6
【0141】
工程3: 4-アミノ-4-[ヒドロキシ(5-メチルヘキシル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中で、前段生成物(250mg、510μmmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの粉体として得られる表題化合物(32mg、23%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 264.2; [(Mx2)-H]- = 529.3; [(Mx3)-H]- = 794.6
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 248.2; [M+H]+ = 266.3; [(Mx2)+H]+ = 531.3; [(Mx3)+H]+ = 796.6
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.13-3.04 (m, 1H); 2.64-2.57 (m, 2H); 2.26-2.14 (m, 1H); 2.00-1.87 (m, 1H); 1.66-1.54 (m, 5H); 1.47-1.36 (m, 2H); 1.27-1.18 (m, 2H); 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.7
【0142】
(実施例4)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(ペンチル)ホスホリル]ブタン酸
工程1: ペンチルホスフィン酸
表題化合物(715mg、55%)を、手順Aに従って、無水Et2O(5mL)中でジエチルクロロ亜リン酸(1.05mL、9.58mmol、1.0当量)から、臭化ペンチルマグネシウム(Et2O中2.0M溶液、5.03mL、1.05当量)を添加することによって調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 135.0
MS (ESI+): [M+H]+ = 137.1; [(Mx2)+H]+ = 273.1
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.01 (dt, J = 535.4, 2.0 Hz, 1H); 1.80-1.67 (m, 2H), 1.66-1.53 (m, 2H), 1.49-1.30 (m, 4H), 0.93 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 35.8
【0143】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](ペンチル)ホスフィン酸
AcOH(9mL)及びAcCl(472μL)中の前段生成物(300mg、2.2mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(400mg、2.64mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(5mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(508mg、2.64mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(560mg、55%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 460.1; [(Mx2)-H]- = 921.5
MS (ESI+): [M+H]+ = 462.1; [(Mx2)+H]+ = 923.5
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.22 (m, 10H); 5.16-5.02 (m, 4H); 3.96 (m, 1H); 2.57-2.42 (m, 2H); 2.22 (m, 1H); 1.85 (m, 1H); 1.73-1.47 (m, 4H); 1.30 (m, 4H); 0.90 (t, J = 5.2, 3.8 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 50.8
【0144】
工程3: 4-アミノ-4-[ヒドロキシ(ペンチル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、540μmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの粉体として得られる表題化合物(65mg、50%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMSに基づいて)及び92%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 236.2; [(Mx2)-H]- = 473.3; [(Mx3)-H]- = 710.5
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 220.2; [M+H]+ = 238.2; [(Mx2)+H]+ = 475.3; [(Mx3)+H]+ = 712.5
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.12-3.07 (m, 1H), 2.63-2.56 (m, 2H), 2.28-2.14 (m, 1H), 2.00-1.87 (m, 1H), 1.68-1.52 (m, 4H), 1.46-1.31 (m, 4H), 0.99-0.85 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.7
【0145】
(実施例5)
4-アミノ-4-[ヘキシル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1: ヘキシルホスフィン酸
表題化合物(1.21g、63%)を、手順Aに従って、無水Et2O(7mL)中で、ジエチルクロロ亜リン酸(1.40mL、12.78mmol、1.0当量)に、臭化ヘキシルマグネシウム(Et2O中2.0M溶液、6.71mL、1.05当量)を添加することによって調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 149.1
MS (ESI+): [M+H]+ = 151.2; [(Mx2)+H]+ = 301.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.01 (dt, J = 535.4, 2.0 Hz, 1H); 1.79-1.67 (m, 2H), 1.65-1.52 (m, 2H); 1.50-1.40 (m, 2H); 1.40-1.27 (m, 4H); 0.96-0.87 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 35.8
【0146】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](ヘキシル)ホスフィン酸
AcOH(9mL)及びAcCl(428μL)中の前段生成物(300mg、2.0mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(362mg、2.4mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(5mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(460mg、2.4mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(572mg、60%)を調製した。
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.41-7.21 (m, 10H); 5.17-5.02 (m, 4H); 4.01-3.91 (m, 1H); 2.57-2.40 (m, 2H); 2.28-2.15 (m, 1H); 1.85 (m, 1H); 1.74-1.46 (m, 4H); 1.38-1.21 (m, 6H); 0.90 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 50.7
【0147】
工程3: 4-アミノ-4-[ヘキシル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、0.520mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(54mg、41%)を調製した。
期待純度: 97%(LCMSに基づいて)及び95%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 250.2; [(Mx2)-H]- = 501.3; [(Mx3)-H]- = 752.6
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 234.2; [M+H]+ = 252.2; [(Mx2)+H]+ = 503.3; [(Mx3)+H]+ = 754.6
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.13-3.04 (m, 1H); 2.64-2.56 (m, 2H); 2.27-2.14 (m, 1H); 2.00-1.86 (m, 1H); 1.69-1.52 (m, 4H); 1.47-1.27 (m, 6H); 0.97-0.86 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.7
【0148】
(実施例6)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4,4,4-トリフルオロブチル)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (4,4,4-トリフルオロブチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.12mL、10.2mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(5mL)中の4-ブロモ-1,1,1-トリフルオロブタン(2.0g、10.0mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(1g、56%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 175.1
MS (ESI+): [M+H]+ = 177.1; [(Mx2)+H]+ = 353.0
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.05 (dt, J = 537.3, 1.8 Hz, 1H); 2.38-2.24 (m, 2H), 1.90-1.77 (m, 4H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.5
【0149】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{{(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](4,4,4-トリフルオロブチル)ホスフィン酸
AcOH(9mL)及びAcCl(425μL)中の前段生成物(350mg、1.99mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(360mg、2.39mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(5mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(458mg、2.38mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(595mg、60%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 502.1
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.43-7.20 (m, 10H); 5.18-5.00 (m, 4H); 4.02-3.91 (m, 1H); 2.60-2.42 (m, 2H); 2.30-2.08 (m, 3H); 1.96-1.64 (m, 5H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.1
【0150】
工程3: 4-アミノ-4-[ヒドロキシ(4,4,4-トリフルオロブチル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、0.498mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(29mg、21%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 276.2; [(Mx2)-H]- = 553.2; [(Mx3)-H]- = 830.4
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 260.1; [M+H]+ = 278.2; [(Mx2)+H]+ = 555.2; [(Mx3)+H]+ = 832.4
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.15-3.06 (m, 1H); 2.61 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.36-2.14 (m, 3H); 2.01-1.80 (m, 3H); 1.72-1.58 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.9
【0151】
(実施例7)
4-アミノ-4-[(2-シクロヘキシルエチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (2-シクロヘキシルエチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.29mL、11.8mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(6mL)中の(2-ブロモエチル)シクロヘキサン(2.4g、12.6mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(1.2g、58%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 177.2; [(Mx2)+H]+ = 353.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.01 (dt, J = 535.8, 1.9 Hz, 1H); 1.82-1.63 (m, 7H); 1.52-1.40 (m, 2H); 1.39-1.13 (m, 4H); 1.02-0.86 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 36.5
【0152】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](2-シクロヘキシルエチル)ホスフィン酸
AcOH(9mL)及びAcCl(425μL)中の前段生成物(350mg、1.99mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(360mg、2.39mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(5mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(458mg、2.38mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(654mg、66%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 474.2
MS (ESI+): [M+H]+ = 476.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.41-7.21 (m, 10H); 5.23-4.97 (m, 4H); 3.96 (m, 1H); 2.60-2.42 (m, 2H); 2.32-2.14 (m, 1H); 1.86 (m, 1H); 1.73-1.60 (m, 7H); 1.44 (m, 2H); 1.28-1.10 (m, 4H); 0.85 (p, J = 11.6 Hz, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 51.4
【0153】
工程3: 4-アミノ-4-[(2-シクロヘキシルエチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、0.498mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(63mg、46%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 276.2; [(Mx2)-H]- = 553.3; [(Mx3)-H]- = 830.6
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 260.2; [M+H]+ = 278.2; [(Mx2)+H]+ = 555.3; [(Mx3)+H]+ = 832.7
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.14-3.04 (m, 1H); 2.64-2.57 (m, 2H); 2.27-2.14 (m, 1H); 2.00-1.86 (m, 1H); 1.82-1.45 (m, 9H); 1.33-1.13 (m, 4H); 1.01-0.86 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.1
【0154】
(実施例8)
4-アミノ-4-[(シクロブチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (シクロブチルメチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.26mL、11.5mmol、1.0当量)から、無水Et2O(6mL)中の(ブロモメチル)シクロブタン(1.4g、9.4mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(290mg、24%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 177
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 6.97 (dt, J = 533.5, 2.1 Hz, 1H), 2.76-2.58 (m, 1H); 2.25-2.13 (m, 2H), 1.99-1.76 (m, 6H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.1
【0155】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](2-シクロブチルメチル)ホスフィン酸
AcOH(5mL)及びAcCl(463μL)中の前段生成物(290mg、2.16mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(392mg、2.59mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(4mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(498mg、2.59mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(707mg、71%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 458
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.39-7.21 (m, 10H); 5.17-5.01 (m, 4H); 3.89 (s, 1H); 2.64 (m, 1H); 2.48 (m, 2H); 2.26-1.96 (m, 3H); 1.95-1.60 (m, 7H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.4
【0156】
工程3: 4-アミノ-4-[(シクロブチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、0.544mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(45mg、35%)を調製した。
期待純度: 97%(LCMSに基づいて)及び95%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 234.1; [(Mx2)-H]- = 469.2; [(Mx3)-H]- = 704.5
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 218.2; [M+H]+ = 236.2; [(Mx2)+H]+ = 471.2; [(Mx3)+H]+ = 706.4
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.02-2.96 (m, 1H); 2.75-2.65 (m, 1H); 2.62-2.56 (m, 2H); 2.22-2.14 (m, 3H); 1.97-1.85 (m, 2H); 1.85-1.77 (m, 3H); 1.74 (dd, J = 12.9, 7.4 Hz, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.1
【0157】
(実施例9)
4-アミノ-4-[(シクロペンチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (シクロペンチルメチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.26mL、11.5mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(6mL)中で(ブロモメチル)シクロペンタン(2.0g、12.3mmol、1.05当量)からの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(607mg、36%)を調製した。
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.06 (dt, J = 534.5, 2.1 Hz, 1H); 2.20-2.08 (m, 1H), 1.98-1.89 (m, 2H), 1.82 (mm, 2H), 1.73-1.65 (m, 2H), 1.63-1.54 (m, 2H), 1.33-1.21 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 34.4
【0158】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](シクロペンチルメチル)ホスフィン酸
AcOH(5mL)及びAcCl(433μL)中の前段生成物(300mg、2.03mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(367mg、2.43mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(4mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(467mg、2.43mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(541mg、56%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 472.2
MS (ESI+): [M+H]+ = 274.1
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.44-7.18 (m, 10H); 5.21-4.97 (m, 4H); 3.93 (m, 1H); 2.57-2.42 (m, 2H); 2.28-2.17 (m, 1H); 2.12 (m, 1H); 1.84 (m, 3H); 1.79-1.69 (m, 2H); 1.67-1.57 (m, 2H); 1.53 (m, 2H); 1.17 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.8
【0159】
工程3: 4-アミノ-4-[(シクロペンチルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1: 1、9mL)中の前段生成物(250mg、0.528mmol、1.0当量)から、水素化分解についての手順Eに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(62mg、47%)を調製した。
期待純度: 95%(LCMSに基づいて)及び93%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 248.2; [(Mx2)-H]- = 497.2; [(Mx3)-H]- = 746.5
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 232.2; [M+H]+ = 250.2; [(Mx2)+H]+ = 499.3; [(Mx3)+H]+ = 748.5
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.10-3.01 (m, 1H); 2.64-2.55 (m, 2H); 2.27-2.12 (m, 2H); 2.02-1.87 (m, 3H); 1.72-1.61 (m, 4H); 1.61-1.51 (m, 2H); 1.31-1.19 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.6
【0160】
(実施例10)
4-アミノ-4-[(シクロヘキシルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1: (シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.15mL、10.5mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O(5mL)中の(ブロモメチル)シクロヘキサン(2.0g、11.0mmol、1.05当量) の新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Aに従って表題化合物(475mg、28%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 163.2; [(Mx2)+H]+ = 325.2
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.01 (dt, J = 533.6, 2.2 Hz, 1H); 1.90-1.82 (m, 2H); 1.75-1.62 (m, 6H); 1.34-1.27 (m, 2H); 1.24-1.17 (m, 1H); 1.15-1.04 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.7
【0161】
工程2: [4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸
AcOH(4mL)及びAcCl(396μL)中の前段生成物(300mg、1.85mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(335mg、2.22mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてAcOH(3mL)中のベンジル4-オキソブタノエート(426mg、2.22mmol、1.2当量)の溶液の添加についての手順Bに従って、白色固体として得られる表題化合物(501mg、55%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 488.2; [(Mx2)+H]+ = 975.6
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.40-7.23 (m, 10H); 5.17-5.01 (m, 4H); 3.90 (t, J = 9.4 Hz, 1H); 2.56-2.41 (m, 2H); 1.96-1.45 (m, 10H); 1.35-1.20 (m, 3H); 1.06-0.93 (m, 2H)
【0162】
工程3: 4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[(シクロヘキシルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
LiOH.H2O(43mg、1.03mmol、2.0当量)の存在でTHF/水の混合物(2/1、5mL)中の前段生成物(250mg、0.513mmol、1.0当量)から、手順Cに従って、白色固体として得られる表題化合物(205mg、100%)を調製した。
MS (ESI-): [M-H]- = 396.2; [(Mx2)-H]- = 793.4
MS (ESI+): [M+H]+ = 398.2; [(Mx2)+H]+ = 795.4
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.42-7.22 (m, 5H); 5.22-5.03 (m, 2H); 3.97-3.86 (m, 1H); 2.51-2.33 (m, 2H); 2.26-2.13 (m, 1H); 1.92-1.53 (m, 9H); 1.35-1.11 (m, 3H); 1.07-0.93 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.1
【0163】
工程4: 4-アミノ-4-[(シクロヘキシルメチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
TFA/アニソール(1.5mL/355μL)中の前段生成物(205mg、510μmol、1.0当量)から、手順Dに従って、ベージュの固体として得られる表題化合物(27mg、20%)を調製した。
推定純度: 90%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 262.2; [(Mx2)-H]- = 525.3; [(Mx3)-H]- = 788.6
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 246.2; [M+H]+ = 264.2
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ (ppm): 3.07-2.97 (m, 1H), 2.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.28-2.12 (m, 1H); 1.99-1.60 (m, 7H); 1.55-1.46 (m, 2H); 1.40-1.26 (m, 2H); 1.26-1.14 (m, 1H); 1.12-0.99 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.8
【0164】
(実施例11)
インビトロにおけるAPA活性の測定
インビトロにおけるAPA活性の測定は、マイクロプレート上におけるアッセイの尺度にされたGoldbargのプロトコルに基づく(Pro Bind TM3915)(Chauvel et al.、1994)。インビトロにおいて、カルシウムイオンの存在下で、APAは、合成基質α-L-グルタミル-β-ナフチルアミド(GluβNa)をグルタメート及びβ-ナフチルアミン(βNa)に加水分解する。酸性媒体中におけるジアゾ化反応は、紫に着色した錯体の形成により、β-ナフチルアミンを明示することを可能にする: 次に、分光学的測定が、β-ナフチルアミンの増大する濃度で生じる標準曲線を参照することにより、形成された複合体の量を知ること、及び、試料の酵素活性を導き出すことを可能にする。
【0165】
試薬
Glu-βNa基質(Bachem社)及びβ-ナフチルアミン(Sigma社)を50%DMSO(ジメチルスルホキシド)及び0.1N HClにそれぞれ溶解して、-20℃、10-2Mの濃度で保存した。ジアゾ化反応は、亜硝酸ナトリウム(87mM)、スルファミン酸アンモニウム(130mM)及びN-(1-ナフチル)-エチレンジアミン二塩酸塩(95%エタノール中23mM)の存在下で実施した。
【0166】
酵素反応
反応は、50mMトリス-HCl緩衝剤中pH7.4で、カルシウム(4mM CaCl2)の存在下で起こり、組換えマウスAPAを、100μLの最終体積で、37℃で基質(200μM Glu-βNa)の存在下、及び種々の濃度の試験されるべき阻害剤の存在又は非存在下で、インキュベートする。反応を、10μLの3N HClを添加することにより停止させる。β-ナフチルアミンの標準曲線は、0.1N HCl中で増大する濃度(0.2mMまで)の2-ナフチルアミンをジアゾ化することにより、平行して準備した。
【0167】
形成された生成物の明示
以下のものを各ウェルに添加する: 25μLの亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(室温で混合して、5分待つ)、50μLのスルファミン酸アンモニウム(室温で混合して、5分待つ)、次に25μLのN-(1-ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩(37℃で混合して、紫色の安定化する間およそ30分間待つ)を添加する。
【0168】
次に吸光度を540nmで測定する。
【0169】
国際出願WO99/36066号に記載された化合物EC33((S)-3アミノ-4-メルカプト-ブチルスルホン酸)を参照化合物として使用した。
【0170】
Table 1(表1、表2)に報告された結果は、最良の化合物(分類a)が、少なくとも20の係数によって参照化合物を超える最高のAPA-阻害活性を発揮することを示す。
【0171】
【0172】