(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】クロッチ部を有する衣類
(51)【国際特許分類】
A41C 1/00 20060101AFI20220907BHJP
A41C 1/02 20060101ALI20220907BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A41C1/00 D
A41C1/00 F
A41C1/02 B
A41B9/04 G
(21)【出願番号】P 2018147379
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】隈井 順子
(72)【発明者】
【氏名】尼口 賢
(72)【発明者】
【氏名】阪口 はるな
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-122168(JP,A)
【文献】特開2012-102419(JP,A)
【文献】登録実用新案第3048210(JP,U)
【文献】登録実用新案第3053370(JP,U)
【文献】登録実用新案第3076162(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 1/00-1/20
A41B 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の臀部を被覆するクロッチ部を有する衣類であって、
クロッチを被覆するクロッチ部と、
前記クロッチ部に接続し、左右の臀部をそれぞれフィットして被覆する一対の後身頃部と、
前記クロッチ部の後端と前記一対の後身頃部を、左右中心線上で接続する中心部を備え、
前記後身頃部に、ヒップトップを囲う一対の緊締部が設けられ、
前記後身頃部に前記緊締部が設けられた位置は、前記後身頃部に緊締部が設けられない位置に比べて、強い緊締力を与え、
前記後身頃部に、臀裂と臀溝が交差する部分を被覆し、前記緊締部と、前記クロッチ部の後端との間に、前記緊締部が設けられ
ず、前記クロッチ部よりも伸びやすいクロッチ後端上方被覆部が
形成される
ことを特徴とするクロッチ部を有する衣類。
【請求項2】
前記後身頃部に接続し、左右の足をそれぞれ被覆する一対の足被覆部をさらに備え、
前記後身頃部の下端は、左右中心側で、前記クロッチ部の後端に接続し、前記クロッチ部の脇側後端から前記着用者の臀溝ラインに沿って、前記足被覆部に接続し、
前記後身頃部の下端と、前記足被覆部が接続する位置に、前記後身頃部よりも伸びにくい接続部が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項3】
前記緊締部は、前記クロッチ部の左右中心線上の後端よりも上方で、前記中心部に接続し、前記クロッチ部の脇側後端より脇側で、前記接続部に接続し、
前記クロッチ後端上方被覆部
は、前記接続部、前記中心部、前記クロッチ部の後端および前記緊締部で囲われる皮膚を被覆する
ことを特徴とする請求項2に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項4】
ウエストを被覆し、前記後身頃部に接続するウエスト部をさらに備え、
前記緊締部の上端は前記ウエスト部に接続し、
前記緊締部は、前記接続部と前記中心部を外縁とする略U字形状を有し、
前記緊締部の臀溝ライン側は、左右脇上方よりも強い緊締力を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項5】
前記緊締部は、
前記外縁の左右中心線側の下端において前記後身頃部と遊離して設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項6】
前記緊締部は、
前記外縁の脇側および左右中心線側において前記後身頃部に接続し、内縁において前記後身頃部と遊離して設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項7】
前記緊締部
の内縁において
、前記後身頃部に対する生地の余剰
が形成される
ことを特徴とする請求項6に記載のクロッチ部を有する衣類。
【請求項8】
前記ウエスト部において、前記緊締部の略U字形状の上端の開口の上方に、前記ウエスト部よりも伸びにくい伸び止め部が設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載のクロッチ部を有する衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の臀部を被覆するクロッチ部を有する衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
女性のヒップは、加齢により、形状が変化することが知られている。例えば、若い女性のヒップ形状は、丸みのある円形であるが、加齢によりたわみ、下垂、ヒップトップの位置の低下等により、ヒップ形状が変化する。
【0003】
ヒップトップを上げるために、臀部の輪郭に沿いながら、臀部の下方と側面につり上げ用サポーター(緊締部)を配設して、ヒップアップ、ボリュームアップおよび装着感を実現するクロッチ部を有する衣類が開示されている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に示すクロッチ部を有する衣類において、クロッチ部と緊締部とが隣接して配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クロッチ部の後端近傍は、臀裂と臀溝が交差するので複雑な形状を有する。特許文献1に示すように、パワーの強い緊締部がクロッチ部に隣接して配置されると、緊締部が皮膚に沿いにくく浮いてしまう場合がある。従って特許文献1の緊締部で、適切にクロッチ部後端近傍の皮膚を体の中心方向に押圧することができず、適切に補整をできない場合がある。
【0006】
従って本発明の目的は、クロッチ部の後端近傍で皮膚にフィットさせて、美しいヒップラインの形成を実現するクロッチ部を有する衣類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、着用者の臀部を被覆するクロッチ部を有する衣類に関する。本発明の特徴に係るクロッチ部を有する衣類は、クロッチを被覆するクロッチ部と、クロッチ部に接続し、左右の臀部をそれぞれフィットして被覆する一対の後身頃部と、クロッチ部の後端と一対の後身頃部を、左右中心線上で接続する中心部を備える。後身頃部に、ヒップトップを囲う一対の緊締部が設けられ、後身頃部に緊締部が設けられた位置は、後身頃部に緊締部が設けられない位置に比べて、強い緊締力を与え、緊締部と、クロッチ部の後端との間に、緊締部が設けられないクロッチ後端上方被覆部が設けられる。
【0008】
後身頃部に接続し、左右の足をそれぞれ被覆する一対の足被覆部をさらに備え、後身頃部の下端は、左右中心側で、クロッチ部の後端に接続し、クロッチ部の脇側後端から着用者の臀溝ラインに沿って、足被覆部に接続し、後身頃部の下端と、足被覆部が接続する位置に、後身頃部よりも伸びにくい接続部が形成されても良い。
【0009】
緊締部は、クロッチ部の左右中心線上の後端よりも上方で、中心部に接続し、クロッチ部の脇側後端より脇側で、接続部に接続し、クロッチ後端上方被覆部に配設される後身頃部は、接続部、中心部、クロッチ部の後端および緊締部で囲われる皮膚を被覆しても良い。
【0010】
ウエストを被覆し、後身頃部に接続するウエスト部をさらに備え、緊締部の上端はウエスト部に接続し、緊締部は、接続部と中心部を外縁とする略U字形状を有し、緊締部の臀溝ライン側は、左右脇上方よりも強い緊締力を有しても良い。
【0011】
緊締部は、略U字形状の外縁の左右中心線側の下端において後身頃部と遊離して設けられても良い。
【0012】
緊締部は、略U字形状の外縁の脇側および左右中心線側において後身頃部に接続し、内縁において後身頃部と遊離して設けられても良い。
【0013】
緊締部は、クロッチ部を有する衣類における配設位置よりも、内縁の曲率が小さい生地を、後身頃部に接続し、内縁において生地の余剰を形成しても良い。
【0014】
ウエスト部において、緊締部の略U字形状の上端の開口の上方に、ウエスト部よりも伸びにくい伸び止め部が設けられても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、クロッチ部の後端近傍で皮膚にフィットさせて、美しいヒップラインの形成を実現するクロッチ部を有する衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係るガードルを着用した状態を背面から観察した図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るガードルを着用した状態を、後身頃部を透過して背面斜方から観察した図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るガードルの後身頃部を説明する図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るガードルの後身頃部とクロッチ部との接続部分を肌側から観察した状態を説明する図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るガードルの肌側を表にして平置きした状態を説明する図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るガードルについて、後身頃部、足被覆部およびウエスト部を透過した状態での緊締部を形成する生地を説明する図である。
【
図7】
図7(a)は、下垂のあるヒップを側面から観察した図であって、
図7(b)は、本発明の実施の形態に係るガードルを着用した状態を側面から観察した図であって、
図7(c)は、下垂のないヒップを側面から観察した図である。
【
図8】
図8(a)は、下垂のあるヒップを背面から観察した図であって、
図8(b)は、本発明の実施の形態に係るガードルを着用した状態を背面から観察した図である。
【
図9】下垂したヒップと下垂のないヒップを側面から比較した図である。
【
図10】本発明の実施の形態において着目する内ヒップラインを説明する図である。
【
図11】下垂したヒップと下垂のないヒップの内ヒップラインを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0018】
(実施の形態)
図1ないし
図3を参照して、本発明の実施の形態に係るガードル(クロッチ部を有する衣類)1を説明する。ガードル1は、着用者の臀部を被覆する。本発明の実施の形態に係るガードル1は、生地を重ねたカットソーで形成される場合を説明する。本発明の実施の形態において上下方向は、それぞれ着用者の立位状態での上下に対応する。
【0019】
本発明の実施の形態に係るガードル1は、下垂したヒップを、下垂のないヒップの状態に引き上げる。
図9(a)に、下垂したヒップの例を側面から示し、
図9(b)に、下垂のないヒップの例を側面から示す。
図9(a)および(b)に示す線L1は、下垂のないヒップのヒップトップを通る水平線である。
図9(a)に示す下垂したヒップのヒップトップの位置が、L1よりも下方にあることから、下垂したヒップのヒップトップの位置が、下垂のないヒップのヒップトップよりも低い位置にあることがわかる。
【0020】
本発明の実施の形態において、ガードル1による効果を測るために、
図10に示す仮想の内ヒップラインHを定義する。なお
図10においてL11は、臀溝最下点を通る水平線で、L12は、左右中心線である。
【0021】
仮想の内ヒップラインHは、
図10に示すようにP1、P2およびP3を滑らかに通る曲線である。P1は、臀溝最下点である。P2は、P1を通る左右中心線(後正中線)側上方45度の仮想線L13と左右中心線P12との交点である。P3は、P1と後方視太腿部の内側の中央点P4と、この中央点P4を通る左右中心線側上方45度の仮想線L14と左右中心線上の仮想の垂直線L12との交点P5との後方視の中央点である。発明者らの知見によると、
図10で定義される点P3は、加齢等に伴って脂肪がたまり、ヒップラインの下垂が現れやすい特徴点である。なおP1ないしP5および直線L11ないしL14は、垂直平面(着用者の立位時)上の点または線である。
【0022】
図11(a)は、下垂したヒップの左右中心線近傍を示し、
図11(b)は、下垂のないヒップの左右中心線近傍を示す。
図11(a)および(b)に示す内ヒップラインH1およびH2は、それぞれ、
図10に示す定義に従って定められた内ヒップラインHである。下垂したヒップにおける内ヒップラインH1は曲率が小さく、下垂のないヒップにおける内ヒップラインH2は曲率が大きい。内ヒップラインH1は、内ヒップラインH2に比べて、急な曲線になる。
【0023】
本発明の実施の形態に係るガードル1を着用することによりクロッチ部の後端近傍でガードル1が皮膚にフィットする。これによりガードル1の非着用時の内ヒップラインH(特にP3)が、ヒップトップ側(脇側上方)に移動する。
図11(a)に示す内ヒップラインH1は、ガードル1の着用により、
図11(b)に示す内ヒップラインH2に近づく。このようにガードル1の着用により、クロッチ部の後端近傍の脂肪がヒップトップ側に移動し、内ヒップラインHを上げることができるので、本発明の実施の形態は、ガードル1の着用により、後方視におけるクロッチ部後端近傍をすっきりさせ、美しいヒップラインを形成することができる。
【0024】
また本発明の実施の形態において、
図11(a)および(b)に示すように、左右中心線近傍において内ヒップラインH1およびH2によりそれぞれ形成される後方視デルタ形状の空間D1およびD2に着目する。空間D1は、後方視で、臀溝の最下部に接する仮想の水平線L11上の辺と、左右中心線上の仮想の垂直線L12上の辺と、水平線L11および垂直線L12とそれぞれ45度をなし内ヒップラインH1に接する斜辺とで形成される二等辺三角形を有する空間である。同様に空間D2は、後方視で、臀溝に接する仮想の水平線L11上の辺と、左右中心線上の仮想の垂直線L12上の辺と、水平線L11および垂直線L12とそれぞれ45度をなし内ヒップラインH2に接する斜辺とで形成される二等辺三角形を有する空間である。
【0025】
下垂したヒップにおいて形成される空間D1は、下垂のないヒップにおいて形成される空間D2よりも狭く、下垂のないヒップにおいて形成される空間D2は、下垂したヒップにおいて形成される空間D1よりも広く形成される。そこで本発明の実施の形態において、左右中心線上近辺において、左右の内ヒップラインHにより形成される後方視デルタ形状の空間の大きさの違いに着目する。本発明の実施の形態に係るガードル1は、下垂のあるヒップにおいても、下垂のないヒップで形成される後方視デルタ形状の空間に近づけるように補整することにより、ヒップの造形を実現する。
【0026】
図1ないし
図3を参照して、本発明の実施の形態に係るガードル1を説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るガードルは左右対称に形成される。ガードル1は、左右一対の後身頃部2、左右一対の足被覆部3、ウエスト部4、中心部5、クロッチ部6および前身頃部(図示せず)を備える。前身頃部は、複数の部材により形成されても良いし、足被覆部3の生地を前面まで延伸して、前身頃部の一部を形成するようにしても良い。
【0027】
後身頃部2は、
図2に示すように、左右の臀部をそれぞれフィットして被覆する。後身頃部2は、上方においてウエスト部4に接続し、下方の中心側(左右中心線側)においてクロッチ部6に接続し、下方の脇側において足被覆部3に接続する。後身頃部2の下端は、臀溝ラインに対応する位置である。後身頃部2は、伸縮性を有する生地で形成され、左右の臀部にそれぞれフィットすることができる。
【0028】
後身頃部2に、ヒップトップを囲う略U字形状を有する一対の緊締部21が設けられる。後身頃部2に緊締部21が設けられることにより、後身頃部2に緊締部21が設けられた位置は、後身頃部2に緊締部21が設けられない位置に比べて、着用者の皮膚に対して、強い緊締力を与える。緊締部21は、後身頃部2を形成する生地よりも、緊締力が高い生地が用いられる。当て布として後身頃部2に付される緊締部21を形成する生地そのものの緊締力が、後身頃部2よりも強い必要はない。例えば、後身頃部2を形成する生地と、同じ緊締力を発揮する生地を緊締部21の生地として用いた場合でも、緊締部21に対応する位置には、後身頃部2の生地と、緊締部21の生地の2枚の生地によるパワーがかかるので、緊締部21が配設される位置において、緊締部21が配設されない位置よりも強いパワーがかかるように形成される。
【0029】
また緊締部21の上端はウエスト部4に接続する。これにより緊締部21は、強い緊締力によりウエスト部4から臀溝近傍の肉を引き上げ、ヒップアップを実現する。
【0030】
足被覆部3は、後身頃部2に接続し、左右の足をそれぞれ被覆する。本発明の実施の形態において足被覆部3は、一枚の生地を内股で接続することで筒状に形成される。足被覆部3は、後身頃部2と同様に、伸縮性を有する生地で形成され、左右の足にそれぞれフィットすることができる。
【0031】
後身頃部2および足被覆部3は、パワーネット、ツーウェイラッセル、トリコネットなどのタテ編み部材が用いられても良いし、ベアスムースなどのヨコ編み部材が用いられても良い。後身頃部2および足被覆部3に、同じ部材を用いても良いし、異なる部材を用いても良い。
【0032】
図1に示すように、後身頃部2の下端と、足被覆部3が接続する位置に、後身頃部2よりも伸びにくい接続部24が形成される。後身頃部2の下端は、臀溝ラインに対応する位置に設けられるので、接続部24は、臀部と足部との境界に設けられ、ヒップを構成する肉と、足部の肉とを区別し、緊締部21がヒップを構成する肉を適切に持ち上げることを可能にする。接続部24は、後身頃部2と足被覆部3の接ぎ線であっても良いし、伸びにくいテープ部材が設けられても良い。
【0033】
ウエスト部4は、ウエストを被覆し、後身頃部2に接続する。ウエスト部4は、ウエストの周方向にフィットしてガードル1のずり下がりを防止できるように、後身頃部2よりも緊締力が高くなるように形成される。またウエスト部4の上端の周方向に、ゴムなどの緊締力の高いテープ状部材が配設されても良い。
【0034】
中心部5は、クロッチ部6の後端から臀裂に沿ってウエスト部4の上端まで配設され、後身頃部2を、左右中心線上で接続する。中心部5は、左右の後身頃部2の接ぎ線であっても良いし、さらにゴムなどの伸びにくいテープ状部材が配設されても良い。本発明の実施の形態において中心部5は、ウエスト部4の上端まで延伸して配設されるが、これに限られない。中心部5は例えば、ウエスト部4の下端まで延伸し、ウエスト部4に延伸しなくても良い。
【0035】
クロッチ部6は、着用者のクロッチを被覆する。クロッチ部6は、後身頃部2よりも伸びにくい生地で形成され、クロッチ部6とウエスト部4により着くずれを回避し、ガードル1を密接に着用することができる。
【0036】
(クロッチ部後端近傍)
クロッチ部6の後端61の近傍、より具体的には、クロッチ部6の後端61よりも上方の後身頃部2について、
図4を参照して説明する。
図4は、後身頃部2とクロッチ部6との接続部分を肌側から観察した図である。
図4の図面上方が背面側で、図面下方が前側である。
【0037】
緊締部21は、クロッチ部6の後端61の近傍で、脇側において後身頃部2の下端(足被覆部3または接続部24)に接続するように配設される一方、クロッチ部6には接続しないように形成される。緊締部21とクロッチ部6の後端との間に、緊締部21が設けられないクロッチ後端上方被覆部25が設けられる。緊締部21は、後身頃部2および足被覆部3と同様の、パワーネット、ツーウェイラッセル、トリコネットなどのタテ編み部材、またはベアスムースなどのヨコ編み部材を、用いても良いし、必要に応じてこの部材を重ねて用いても良い。また緊締部21は、マーキゼット等の非伸縮性ないし難伸縮部材を用いても良い。
【0038】
クロッチ部6の後端61の左右中心線上の位置61aに、中心部5が接続される。後身頃部2の下端は、左右中心側で、クロッチ部6の左右中心線上の後端61に接続し、クロッチ部6の脇側後端の位置61bから着用者の臀溝ラインに沿って、接続部24で足被覆部3に接続する。
【0039】
これに対し緊締部21は、
図4に示すように、クロッチ部6の左右中心線上の後端61aよりも上方で、中心部5に接続し、クロッチ部6の脇側後端61bより脇側で、接続部24に接続する。緊締部21の左右中心線側の下端は、クロッチ部6の後端61に接続しないので、クロッチ部6の後端61と緊締部21の下端との間に、後身頃部2が露出するクロッチ後端上方被覆部25が設けられる。
【0040】
クロッチ後端上方被覆部25に配設される後身頃部2は、接続部24、中心部5、クロッチ部6の後端61および緊締部21で囲われる皮膚を被覆する。ここで、緊締部21は、後身頃部2に緊締力の強い生地が重ねられて形成される。一方クロッチ後端上方被覆部25は、緊締力の強い生地が重ねられず、後身頃部2によって被覆されるので、緊締部21と比べて、着用者の肌への当たりが弱く、皮膚にフィットしやすい。従って、クロッチ後端上方被覆部25は、クロッチ部6の後端近傍の皮膚に、クロッチ後端上方被覆部25を沿わせることが可能になる。またクロッチ部6の後端61の左右中心線上の位置61aからウエスト部4に、後身頃部2よりも伸びにくい中心部5が配設される。中心部5は、クロッチ部6の左右中心線上の後端61aとウエスト部4の方向の上端を支点として、位置61aから臀裂に食い込むように配設されるので、中心部5に隣接するクロッチ後端上方被覆部25をより皮膚に沿わせることが可能になる。
【0041】
これにより、クロッチ後端上方被覆部25は、皮膚に当接しながら肉を持ち上げ、クロッチ後端上方被覆部25近傍の肉を、左右の緊締部21の方向に移動させることが可能になり、背面から観察した際の左右中心線近傍で左右の内ヒップラインHにより形成される後方視デルタ形状の空間を広くすることができる。緊締部21の方向に移動された肉は、緊締部21によって引き上げることができるので、ヒップトップにより多くの肉を集めて、ヒップトップを、より高く、かつ、よりボリュームアップして形成することができる。
【0042】
(緊締部)
図1および
図2に示すように緊締部21は、接続部24と中心部5を外縁27とする略U字形状を有する。緊締部21は、ヒップトップを被覆しないように、ヒップトップを囲うように形成される。これにより、緊締部21が持ち上げた肉を押しつぶすことなく、美しいヒップラインを形成することができる。
【0043】
緊締部21の臀溝ライン側は、左右脇上方よりも強い緊締力を有する。緊締部21は、強い緊締力を有する強緊締部22と、強緊締部22よりも弱い緊締力を有する弱緊締部23を備える。強緊締部22は、臀溝ラインから左右中心線側に配設され、弱緊締部23は、左右脇側上方に配設され、強緊締部22よりも弱い緊締力を有する弱緊締部23を備える。
【0044】
本発明の実施の形態において緊締部21は、緊締力の高い生地で形成される。本発明の実施の形態において強緊締部22は、緊締力の高い2枚の生地で形成され、弱緊締部23は、緊締力の高い1枚の生地で形成される。他の実施例として、強緊締部22を、緊締力の高い1枚の生地で形成し、弱緊締部23を、強緊締部22よりも緊締力の弱い1枚の生地で形成するなど、様々な方法が考えられる。
【0045】
図2に示すように、緊締部21において、略U字形状の生地に、後左身頃において略J字形状の生地を重ね合わせても良い。後身頃部2において、略U字形状の生地が重なった部分に、弱緊締部23が形成され、略U字形状の生地と略J字形状の生地が重なった部分に、強緊締部22が形成される。さらに
図2に示すように、強緊締部22の内縁よりも、弱緊締部23の内縁をヒップトップに近く設けることにより、生地の重なりによる段差の影響を抑制することができる。
【0046】
ここで、強緊締部22と弱緊締部23とで、
図2に示すように幅を変更するようにしても良い。強緊締部22、特に臀溝ライン近傍は、弱緊締部23よりも幅広に形成される。これにより強緊締部22は、下垂した臀部の肉を、強いパワーで持ち上げることができる。
【0047】
強緊締部22は、左右中心線側においてウエスト部4に接続するとともに、脇側において弱緊締部23を介してウエスト部4に接続する。これにより、強緊締部22は、ボリュームのある臀溝近傍の肉をウエスト部4から持ち上げて、ヒップトップのボリュームアップを実現する。
【0048】
弱緊締部23は、ガードル1の着脱のしやすさの観点から、強緊締部22に比べて弱い緊締力を有するように形成される。弱緊締部23は、ヒップトップの高さ位置(ヒップトップから水平方向に引いた仮想線)近傍より上方に配設され、ヒップアップに貢献しづらい肉を緊締するので、当該部分の緊締力を弱く形成してもヒップアップの効果に対する影響は少ない。また弱緊締部23は、ウエスト部4と強緊締部22を接続して、強緊締部22による臀溝の持ち上げ力を発揮可能な程度の緊締力を発揮する。
【0049】
緊締部21は、略U字形状の外縁27の脇側および左右中心線側(左右中心線側の上方)において後身頃部2に接続し、内縁26において後身頃部2と遊離するように形成される。例えば
図5に示すように、ガードル1の肌側を表に返して平置きした際、外縁27の脇側および左右中心線側が後身頃部2に接続する一方、内縁26は後身頃部2から浮く場合がある。また
図4等に示すように、クロッチ部6の後端61の近傍において、緊締部21とクロッチ部6との間に、緊締部21が設けられず、後身頃部2のみで被覆するクロッチ後端上方被覆部25が設けられる。また緊締部21は、略U字形状の外縁27の左右中心線側の下端28において後身頃部2と遊離するように形成される。
【0050】
これにより、緊締部21は、内縁26と、外縁27のうち左右中心線側の下端28が後身頃部2と遊離するので、後身頃部2に対して浮き構造を形成する。従って、後身頃部2が、着用者の動きに追従して伸縮しずれ動く場合でも、緊締部21は、皮膚に当接し、緊締力を発揮することが可能になるので、着くずれを軽減することができる。
【0051】
緊締部21は、ガードル1における配設位置よりも、内縁26の曲率が小さい生地を、後身頃部2に接続し、内縁26において生地の余剰を形成する。緊締部21の内縁26における生地の余剰を、
図6を参照して説明する。
図6は、ガードル1の緊締部21の右側の身頃において、ガードル1に配設された緊締部21の左右中心線側に、緊締部21を形成する生地21’の左右中心線側を重ねた図である。
【0052】
図6に示すように、緊締部21を形成する生地21’は、外縁27’の脇側において、緊締部21の外縁27の脇側と距離が同じになるように形成される一方、内縁26’の脇側において、ガードル1において配設される位置よりも緩やかなカーブを描きかつ距離が長くなるように形成される。このような生地21’を緊締部として後身頃部2に装着した際に、内縁26において生地21’に余剰が生じ、ヒップトップの盛り上がりを潰すことなく、ヒップトップに立体的に追従して覆うことが可能になる。
【0053】
また
図6に示す形状の生地21’を緊締部21として形成することにより、左右中心側で強いパワーがかかり、脇側で弱いパワーがかかるので、臀部下部の下垂した脂肪を強力に押し上げることが可能になる。
【0054】
(ウエスト部)
ウエスト部4において、緊締部の略U字形状の上端の開口の上方に、ウエスト部4よりも伸びにくい伸び止め部41が設けられる。伸び止め部41は、例えば、袋状に縫製されたウエスト部4の内部に、内包される。
【0055】
本発明の実施の形態に係るガードル1は、緊締部21が略U字形状を有するので、伸び止め部41を設けない場合、後身頃部2とウエスト部4との接続部42が、左右方向に広がり、ヒップが左右方向に流れてしまう場合がある。そこで、後身頃部2とウエスト部4との接続部42の近傍であって、緊締部21の略U字形状の上端を跨ぐように伸び止め部41を配置することにより、ヒップの左右方向の広がりを抑制することができる。
【0056】
伸び止め部41は、左右中心線近傍(中心部5近傍)には、設けられないのが好ましい。これにより、ガードル1の着脱しやすさを担保することができる。
【0057】
(部材特性)
後身頃部2および足被覆部3は、それぞれ、上下方向の伸び率が、180%から240%程度で、左右方向の伸び率が、120%から180%程度の素材が好ましい。後身頃部2および足被覆部3は、それぞれ、上下方向の伸長回復力が、100cNから160cN程度で、左右方向の伸長回復力が、60cNから120cN程度の素材が好ましい。
【0058】
後身頃部2に重ねられた強緊締部22は、左右中心線から脇側下方45度の方向の伸び率が、60%から120%程度で、左右中心線から脇側下方45度の方向に直交する方向の伸び率が、30%から90%程度の素材が好ましい。後身頃部2に重ねられた強緊締部22は、左右中心線から脇側下方45度の方向の伸長回復力が、270cNから330cN程度で、左右中心線から脇側下方45度の方向に直交する方向の伸長回復力が、580cNから640cN程度の素材が好ましい。この強緊締部22の測定値は、略U字形状の生地と略J字形状の生地を重ねた生地によって与えられる。
【0059】
後身頃部2に重ねられた弱緊締部23は、上下方向の伸び率が、40%から100%程度で、左右方向の伸び率が、120%から180%程度の素材が好ましい。後身頃部2に重ねられた弱緊締部23は、上下方向の伸長回復力が、330cNから390cN程度で、左右方向の伸長回復力が、130cNから190cN程度の素材が好ましい。この弱緊締部23の測定値は、略U字形状の生地によって与えられる。
【0060】
後身頃部2および強緊締部22を重ねた生地は、左右中心線から脇側下方45度の方向の伸び率が、25%から85%程度で、左右中心線から脇側下方45度の方向に直交する方向の伸び率が、15%から75%程度の素材が好ましい。後身頃部2および強緊締部22を重ねた生地は、左右中心線から脇側下方45度の方向の伸長回復力が、580cNから640cN程度で、左右中心線から脇側下方45度の方向に直交する方向の伸長回復力が、670cNから730cN程度の素材が好ましい。この強緊締部22の測定値は、後身頃部2の生地に、略U字形状の生地と略J字形状の生地を重ねた生地によって与えられる。
【0061】
後身頃部2および弱緊締部23を重ねた生地は、左右方向の伸び率が、60%から120%程度で、上下方向の伸び率が、30%から90%程度の素材が好ましい。後身頃部2および弱緊締部23を重ねた生地は、左右方向の伸長回復力が、270cNから330cN程度で、上下方向の伸長回復力が、580cNから640cN程度の素材が好ましい。この弱緊締部23の測定値は、後身頃部2の生地に、略U字形状の生地を重ねた生地によって与えられる。
【0062】
本発明の実施の形態において、伸び率および伸長回復力は、160mm×25mmの試験片を、上部つかみ25mm、下部つかみ35mmおよびつかみ間隔100mmで、定速伸長形引張試験機に取り付けて、測定される。生地の経方向および緯方向がそれぞれ長手方向(16mm側)になるように裁断された、複数の試験片が用いられる。
【0063】
伸び率は、試験片を定速伸長形引張試験機に取り付け、試験片を左右方向および上下方向にそれぞれ荷重14.7Nをかけて測定されたものである。伸長回復力は、試験片を定速伸長形引張試験機に取り付け、300mm/分程度の速度で伸長回復を複数回繰り返し、30%伸長した際の伸長力(cN)と、30%に回復した際の回復力(cN)の平均により算出される。
【0064】
図7および
図8を参照して、本発明の実施の形態に係るガードル1の着用の効果を説明する。
図7(a)は、下垂したヒップを側面から観察した図で、
図7(b)は、下垂したヒップに本発明の実施の形態に係るガードル1を着用した状態を側面から観察した図で、
図7(c)は、下垂のないヒップを側面から観察した図である。
図7の線Lは、下垂のないヒップのヒップトップの水平方向の高さを示し、
図7(b)および(c)の破線は、
図7(c)のヒップの輪郭を示す。
【0065】
図7に示すように、本発明の実施の形態に係るガードル1を着用すると、
図7(a)のように、線Lよりも下垂したヒップを、より下垂のないヒップに近づけることが可能になる。
【0066】
図8(a)は、下垂したヒップを背面から観察した図で、
図8(b)は、下垂したヒップに本発明の実施の形態に係るガードル1を着用した状態を背面から観察した図である。
図8(a)に示す内ヒップラインHの位置は、ガードル1の着用により、
図8(b)に示す内ヒップラインH’の位置に移動する。また
図8(a)に示すP3の位置は、
図8(b)に示すように、ヒップトップ側のP3’の位置に移動する。
図8(a)に示すP3は、
図10に示す手法で決定したP3を着用者の皮膚上に移した点である。また
図8(b)に示すP3’は、ガードル1の着用によって
図8(a)の皮膚上のP3が移動した皮膚上の位置を示す。
【0067】
ガードル1の着用時の内ヒップラインH’により形成される後方視デルタ形状は、ガードル1の非着用時の内ヒップラインHにより形成される後方視デルタ形状よりも広く形成され、下垂のないヒップにおける後方視デルタ形状に近づいていることがわかる。これにより本発明の実施の形態に係るガードル1の着用により、内ヒップラインHがヒップトップ側へ移動するのに伴って、後方視デルタ形状の空間を広くし、かつ、下垂のないヒップの形状に近く補整できていることがわかる。
【0068】
このような本発明の実施の形態に係るガードル1によれば、ヒップを持ち上げるための緊締部21が、クロッチ部6の後端61と接続しないので、クロッチ部6の後端61の上方の臀部の肉を、滑らかに伸びる後身頃部2で押圧して引き上げることが可能である。後身頃部2が押圧して引き上げた肉は、緊締部21により強いパワーで引き上げることができるので、クロッチ部6の後端61近傍の内ヒップラインHの開きを大きくして、左右中心線近傍で左右の内ヒップラインHにより形成される後方視デルタ形状の空間を形成することができる。これにより、より多くの肉を、緊締部21が引き上げることができ、ヒップアップとヒップのボリュームアップを実現するとともに、左右中心線近傍の内ヒップラインHを上げて、左右中心線近傍の後方視のシルエットをすっきりとスリムに形成することができる。
【0069】
従って、このような本発明の実施の形態に係るガードル1によれば、クロッチ部6の後端近傍で皮膚にフィットさせて、美しいヒップラインの形成を実現することが可能になる。
【0070】
また本発明の実施の形態に係るガードル1において、後身頃部2と足被覆部3との間に、後身頃部2および足被覆部3よりも伸びにくい接続部24が形成され、緊締部21は接続部24に接続する。これにより接続部24は、臀部の肉と足部の肉を区切ることができるので、緊締部21は、臀部の肉を適切に持ち上げることが可能になる。
【0071】
さらに本発明の実施の形態において、臀部近傍は、緊締部21を形成する生地(当て布)を、後身頃部2に重ね、緊締部21の中心部5側、上端、および下端の脇側を、後身頃部2に接続する。緊締部21の内縁26、および下端の左右中心線側は、後身頃部2に接続しないので、緊締部21の中央が後身頃部2から遊離可能なハンモック構造を形成する。従って緊締力の強い緊締部21は、臀部の肉を強く緊締するとともに、伸縮しやすい後身頃部2は、着用者の動作に伴う皮膚の動きに追従することができるので、ヒップの造形と着くずれのしにくさを両立することが可能になる。
【0072】
(変形例)
本発明の実施の形態に係るガードル1は、生地を重ねたカットソーで形成される場合を説明したが、所望の位置に所望のパワーをかけてガードルを形成できればよく、どのような方法で形成しても良い。
【0073】
例えば、編み方を変更して、
図1等に示す中心部5、緊締部21、接続部24等のそれぞれの位置に、所望のパワーがかかるように形成することができる。或いは、中心部5、緊締部21、接続部24等のそれぞれの位置に、緊締力を発揮する樹脂等を生地に塗布して、所望のパワーがかかるように形成することができる。
【0074】
このような変形例に係るガードルによれば、本発明の実施の形態に係るガードル1と同様に、クロッチ部6の後端61近傍の内ヒップラインHを、ヒップトップ側に移動させることができる。また内ヒップラインHの開きを大きくして、左右中心線近傍で内ヒップラインHにより形成される後方視デルタ形状の空間を形成することができる。変形例に係るガードルによれば、ヒップアップとヒップのボリュームアップを実現するとともに、臀部のクロッチ部6の後端より後身頃部2側の脂肪(特に、左右中心線側の脂肪)をすっきりと整えることができる。従って、このような変形例に係るガードルによれば、クロッチ部6の後端近傍で皮膚にフィットさせて、美しいヒップラインの形成を実現することが可能になる。
【0075】
また、接続部24が、臀部の肉と足部の肉を区切ることができるので、緊締部21は、臀部の肉を適切に持ち上げることが可能になる。
【0076】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態とその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0077】
例えば、本発明の実施の形態において、クロッチ部を有する衣類は、膝上を覆う長さを有するガードルである場合を説明したが、膝下まで覆うガードルに適用されても良い。またガードルではなく、水着、レオタード、ボディスーツなど、体にフィットするクロッチ部を有する衣類にも同様に適用することができる。
【0078】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 ガードル
2 後身頃部
3 足被覆部
4 ウエスト部
5 中心部
6 クロッチ部
21 緊締部
22 強緊締部
23 弱緊締部
24、42 接続部
25 クロッチ後端上方被覆部
26 内縁
27 外縁
28 外縁の左右中心線側の下端
41 伸び止め部
61 後端