(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】スポットエアコン
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20220907BHJP
F24H 9/06 20060101ALI20220907BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20220907BHJP
F24F 1/005 20190101ALI20220907BHJP
【FI】
F24F1/02 411A
F24H9/06 302B
F24F13/32
F24F1/005
F24F1/02 411D
(21)【出願番号】P 2020199429
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】391007242
【氏名又は名称】三菱重工冷熱株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】池田 義昭
(72)【発明者】
【氏名】中川 翼
【審査官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-66319(JP,U)
【文献】実開平3-67935(JP,U)
【文献】実開昭53-72853(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第101592395(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24H 9/06
F24F 13/32
F24F 1/005
F24F 1/02
B65D 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプを構成する部品が内蔵された略直方体を成す筐体と、
前記筐体の底面部に設けられた脚部と、
前記筐体の側面部の上部に設けられた吊部と、を備え、上下方向に互いに積載可能なスポットエアコンであって、
前記吊部は、前記筐体において対向配置されている一対の側面部それぞれの水平方向両端部に配置され、かつ該側面部から外方に突出しており、
下段のスポットエアコンの上面部に積載された上段のスポットエアコンの脚部に、これらスポットエアコン同士の相対移動を規制する4つの規制片が着脱可能に取り付けられ、
それぞれの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンの前記側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部との相対移動を規制する第1規制面と、前記下段のスポットエアコンの吊部と前記上段のスポットエアコンの脚部との相対移動を規制する第2規制面と、を有し、
2つの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンにおける一の側面部に設けられた一対の前記吊部の間にて、当該側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部とに架設され、
残り2つの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンにおける他の側面部に設けられた一対の前記吊部の間にて、当該側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部とに架設されていることを特徴とするスポットエアコン。
【請求項2】
前記規制片には、前記脚部に形成された挿入部に挿入される連結部材を挿通可能な複数の挿通孔が水平方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスポットエアコン。
【請求項3】
前記脚部には、前記規制片に形成された挿通孔に挿通された連結部材を挿入可能な複数の挿入部が水平方向に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスポットエアコン。
【請求項4】
前記規制片には、連結部材を挿通可能な複数の挿通孔が水平方向に形成され、
前記脚部には、前記連結部材を挿入可能な複数の挿入部が水平方向に形成されており、
前記複数の挿通孔の水平方向におけるピッチは、前記複数の挿入部の水平方向におけるピッチと異なっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスポットエアコン。
【請求項5】
前記上段のスポットエアコンの脚部に対向配置される前記第1規制面の一部は、当該規制面よりも下方に延びる延設部よりも肉厚である固定部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスポットエアコン。
【請求項6】
前記下段のスポットエアコンの側面部に対向配置される前記第1規制面の一部は、前記規制片に設けられた雌ねじ部に螺合されたボルトの端面であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスポットエアコン。
【請求項7】
前記規制片は、上面視略L字状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスポットエアコン。
【請求項8】
前記第1規制面及び前記第2規制面の少なくともいずれかの一部は、弾性部材によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のスポットエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的に空気調和を行うことができるスポットエアコンに関する。
【背景技術】
【0002】
工場や製鉄所などの作業場や屋外において、作業環境を改善するために局所的に空気調和を行うことができるスポットエアコンが用いられている。このようなスポットエアコンは、ヒートポンプを備えており、これらが1つの筐体内に収容されているものがある。このようなスポットエアコンは、筐体の取り扱いが容易で機動性が高く、任意の場所に移動させることが容易になっており、またその不使用時においては、工場、倉庫等に保管するにあたって必要な床面積を極力抑えるべく、複数のスポットエアコンを上下に積載して載置することがある。
【0003】
特許文献1に示されるスポットエアコンは、圧縮機等のヒートポンプを構成する部品が内蔵された略直方体を成す筐体が、その上部に他のスポットエアコンを載置しても十分に耐え得る程度の構造強度を具備している。また、筐体の底面部に複数の脚部が設けられており、フォークリフトのフォーク爪を挿入可能な空間が形成されている。
【0004】
また、スポットエアコンには、筐体の上端部にクレーン等の重機の吊り金具を取り付け可能な吊りピースを有するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-329263号公報(第4頁、第2,4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように特許文献1のようなスポットエアコンにあっては、フォークリフトまたは重機を用いて持ち上げて搬送し、容易に他のスポットエアコンの上面部に積載することが可能となっているものの、積載状態を保つ手段が自重のみであることから、積載済みである複数のスポットエアコンに対して、フォークリフトまたは重機で持ち上げ搬送している途中のスポットエアコンが接触する、地震が発生する等による外力が加わると、積載済みである複数のスポットエアコン同士が相対的に横ずれする虞があり、場合によっては荷崩れが起こり得るため、積載時の安全性の向上がより一層求められている。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、安全性高く積載可能なスポットエアコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明のスポットエアコンは、
ヒートポンプを構成する部品が内蔵された略直方体を成す筐体と、
前記筐体の底面部に設けられた脚部と、
前記筐体の側面部の上部に設けられた吊部と、を備え、上下方向に互いに積載可能なスポットエアコンであって、
前記吊部は、前記筐体において対向配置されている一対の側面部それぞれの水平方向両端部に配置され、かつ該側面部から外方に突出しており、
下段のスポットエアコンの上面部に積載された上段のスポットエアコンの脚部に、これらスポットエアコン同士の相対移動を規制する4つの規制片が着脱可能に取り付けられ、
それぞれの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンの前記側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部との相対移動を規制する第1規制面と、前記下段のスポットエアコンの吊部と前記上段のスポットエアコンの脚部との相対移動を規制する第2規制面と、を有し、
2つの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンにおける一の側面部に設けられた一対の前記吊部の間にて、当該側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部とに架設され、
残り2つの前記規制片は、前記下段のスポットエアコンにおける他の側面部に設けられた一対の前記吊部の間にて、当該側面部と前記上段のスポットエアコンの脚部とに架設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、下段のスポットエアコンの上面部に上段のスポットエアコンを積載した後、上段のスポットエアコンの脚部に4つの規制片を取り付けることにより、規制片の第1規制面によって下段のスポットエアコンの側面部のいずれかと上段のスポットエアコンの脚部との相対移動が規制され、規制片の第2規制面によって下段のスポットエアコンの吊部のいずれかと上段のスポットエアコンの脚部との相対移動が規制されるため、安全性を高めることができる。
【0009】
前記規制片には、前記脚部に形成された挿入部に挿入される連結部材を挿通可能な複数の挿通孔が水平方向に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、下段のスポットエアコンに上段のスポットエアコンを積載した位置に応じて、連結部材を挿通させる規制片の挿通孔を選択することができるため、規制片を取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0010】
前記脚部には、前記規制片に形成された挿通孔に挿通された連結部材を挿入可能な複数の挿入部が水平方向に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、下段のスポットエアコンに上段のスポットエアコンを積載した位置に応じて、連結部材を挿入させる脚部の挿入部を選択することができるため、規制片を取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0011】
前記規制片には、連結部材を挿通可能な複数の挿通孔が水平方向に形成され、
前記脚部には、前記連結部材を挿入可能な複数の挿入部が水平方向に形成されており、
前記複数の挿通孔の水平方向におけるピッチは、前記複数の挿入部の水平方向におけるピッチと異なっていることを特徴としている。
この特徴によれば、挿通孔の位置と挿入部との位置の組合せによって、規制片を取り付け可能な範囲をより広く設けることができる。
【0012】
前記上段のスポットエアコンの脚部に対向配置される前記第1規制面の一部は、当該規制面よりも下方に延びる延設部よりも肉厚である固定部に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、上段のスポットエアコンの脚部と規制片の固定部とを近接配置することができるため、(連結部材による)連結強度を高めることができる。
【0013】
前記下段のスポットエアコンの側面部に対向配置される前記第1規制面の一部は、前記規制片に設けられた雌ねじ部に螺合されたボルトの端面であることを特徴としている。
この特徴によれば、規制片の雌ねじ部に螺合させたボルトの端面を下段のスポットエアコンの側面部に当接させることによって下段のスポットエアコンの筐体の相対移動を規制できるばかりでなく、下段のスポットエアコンと上段のスポットエアコンとの相対的な位置に応じてボルトの進出度合いを調節することができるため、規制片を取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0014】
前記規制片は、上面視略L字状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、構造強度が高く軽量な規制片とすることができる。
【0015】
前記第1規制面及び前記第2規制面の少なくともいずれかの一部は、弾性部材によって構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、上段のスポットエアコンの脚部や下段のスポットエアコンの吊部の相対的な移動を規制するにあたって、これら脚部や吊部に傷・変形が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1における積載・固定された2台のスポットエアコンを示す正面斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1における積載・固定された2台のスポットエアコンを示す背面斜視図である。
【
図3】(a)は本発明の実施例におけるスポットエアコンを示す正面斜視図、(b)は同じく背面斜視図である。
【
図6】規制片による固定方法を説明するための側面図である。
【
図7】積載された2台のスポットエアコンを固定している要部を拡大して示す側面図である。
【
図8】積載された2台のスポットエアコンを固定している要部を拡大して示す正面図である。
【
図9】
図6と比較して水平方向に位置ずれして積載された2台のスポットエアコンを固定している要部を拡大して示す側面図である。
【
図10】
図7と比較して水平方向に位置ずれして積載された2台のスポットエアコンを固定している要部を拡大して示す正面図である。
【
図11】本発明の実施例2における積載された2台のスポットエアコンを固定している要部を拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るスポットエアコンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0018】
実施例1に係るスポットエアコンにつき、
図1から
図10を参照して説明する。以下、スポットエアコンの吹出口側を正面側(前方側)とし、正面から見て左右をスポットエアコンの左右側として説明する。
【0019】
図1及び
図2に示されるように、スポットエアコン1,1’は、例えば工場や製鉄所などの作業場に配置され、作業者の近傍に対して局所的に冷気を供給し、空気調和を行い、作業環境を改善することができるものであり、冬等、冷房を要さない不使用時においては2台のスポットエアコン1,1’を上下に積載し、4つの規制片7A,7B,7C,7Dで固定して保管することが可能となっている。本実施例では、スポットエアコン1,1’を冷房用として使用する形態を例示するが、暖房用にも使用可能である。
【0020】
先ず、スポットエアコン1,1’について説明する。尚、
図1及び
図2に示される2台のスポットエアコン1,1’は、互いに同一構成のものであるため、ここでは下段のスポットエアコン1を例に説明し、上段のスポットエアコン1’については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0021】
図3及び
図4に示されるように、スポットエアコン1は、略直方体を成す筐体10と、筐体10内に収容されたヒートポンプ20と、から主に構成されている。筐体10は、複数のフレーム材11aにより組み立てられた枠体11と、枠体11に取付けられ筐体10の外面を構成する複数の壁面パネル12と、により組み立てられている。
【0022】
筐体10の前面部10F(側面部)には、後述する空調済み空気A1を空調対象となる適所に供給する供給口10aが設けられている。また、筐体10の上面部10Uには、後述する排空気A2を筐体10の外部に排出する排気口10bが設けられている。また、筐体10の右面部には空調用の吸込口10cが、筐体10の後面部10R(側面部)には排熱用の吸込口10dが設けられている。吸込口10c及び吸込口10dには通気性を有するカバー部材14,15が取付けられており、吸込む外気に含まれる塵芥等の微粒子を捕捉するとともに雨粒の進入を防止し、後述する排熱用熱交換器22、空調用熱交換器23に外部から触れることが防止されている。尚、カバー部材15は塵芥等の微粒子を捕捉するフィルター機能がなくてもよい。
【0023】
また、筐体10の底面部10Bを構成する壁面パネル12は、ドレンパンとして機能しており、筐体10内で発生したドレン水を一時的に貯留し、図示しない排水口より筐体10外に排出できるようになっている。
【0024】
この筐体10の内部には、空調用の吸込口10cと供給口10aとの間を繋ぐ空調用通路R1と、排熱用の吸込口10dと排気口10bとの間を繋ぐ排熱用通路R2と、が設けられている。空調用通路R1は、筒状のダクト16により構成されており、排熱用通路R2は筐体10の内部空間におけるダクト16以外の空間で構成されている。すなわち、筐体10の内部で空調用通路R1と排熱用通路R2はダクト16により区画されている。
【0025】
ヒートポンプ20は、圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁(図示略)、空調用熱交換器23、アキュームレータ24から主に構成され、圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁、空調用熱交換器23、アキュームレータ24の順に熱媒を循環させるようになっている。冷房時には、空調用熱交換器23は蒸発器として機能し、また排熱用熱交換器22は凝縮器として機能する。
【0026】
熱媒は、圧縮機21によって高温高圧の過熱蒸気となり、排熱用熱交換器22によって吸込口10dから吸い込んだ空気と熱交換され低温高圧の過冷却液となり、膨張弁により減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、空調用熱交換器23によって吸込口10cから吸い込んだ空気と熱交換されて少し過熱された蒸気となる。このように、吸込口10cから吸い込んだ空気は、空調用熱交換器23と熱交換されて冷却された空調済み空気A1となる。また、アキュームレータ24は空調用熱交換器23で蒸発されなかった液熱媒を気体と液体に分離して、液熱媒が圧縮機21に吸い込まれることが防止されるようになっている。
【0027】
尚、暖房時には、ヒートポンプ20の圧縮機21、空調用熱交換器23、膨張弁、排熱用熱交換器22の順、すなわち冷房時とは逆向きに熱媒を循環させればよい。このとき、空調用熱交換器23は凝縮器として機能し、また排熱用熱交換器22は蒸発器として機能する。より詳しくは、排熱用熱交換器22は低温の熱媒の熱を外気と熱交換して外気から吸熱するようになっている。換言すれば、排熱用熱交換器22は外気と熱交換して熱媒の低温の熱を筐体10の外部に排熱している。
【0028】
圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁、アキュームレータ24は、排熱用通路R2に配置されており、空調用熱交換器23は、空調用通路R1に配置されている。具体的には、排熱用熱交換器22は排熱用の吸込口10dの近傍に配置され、空調用熱交換器23は空調用の吸込口10cの近傍に配置されている。
【0029】
排気口10bには、排熱用送風機2が取付けられている。排熱用送風機2は、ファン3と駆動モータ(図示略)とがユニット化されており、上下方向を向く駆動モータの駆動軸回りにファン3が回転するようになっている。この排熱用送風機2により排熱用の吸込口10dから外気が排熱用通路R2内に導入され、排熱用熱交換器22と熱交換された後、排熱用通路R2を通って排気口10bから上方に排空気A2として排出される。
【0030】
ダクト16内には、空調用送風機(図示略)が取付けられている。この空調用送風機により空調用の吸込口10cから外気が空調用通路R1内に導入され、空調用熱交換器23と熱交換された後、空調用通路R1を通って供給口10aから前方に空調済み空気A1として供給される(
図3(a)参照)。
【0031】
筐体10の底面部10Bの下方四隅部には、それぞれ側面視略コ字状に形成された脚部5が溶接により固定されている。より詳しくは、脚部5は筐体10の底面部10Bの四隅よりもわずかに筐体10の中心側に配置されている。
【0032】
脚部5において上下方向に延びる正面視矩形状の平板部51は、筐体10において対向配置されている一対の前面部10F及び後面部10Rと略平行に、より詳しくはそれぞれの壁面パネル12と略平行に配置されている。
【0033】
前方左側に配置されている脚部5と後方左側に配置されている脚部5とは、筐体10の前後方向における略同一直線上にて平板部51同士が対向配置されており、前方右側に配置されている脚部5と後方右側に配置されている脚部5とは、筐体10の前後方向における略同一直線上にて平板部51同士が対向配置されている。
【0034】
また、前方左側に配置されている脚部5と前方右側に配置されている脚部5とは、筐体10の左右方向における略同一直線上に配置されており、後方左側に配置されている脚部5と後方右側に配置されている脚部5とは、筐体10の左右方向における略同一直線上に配置されている。
【0035】
また、平板部51には、前後方向に貫通する雌ねじ孔52(挿入部)が2行2列の計4つ形成されている。尚、本実施例では、左右方向(水平方向)に並ぶものを「行」、上下方向に並ぶものを「列」として記載している。
【0036】
上側の行に沿って略同一直線上に配置されている雌ねじ孔52と、下側の行に沿って略同一直線上に配置されている雌ねじ孔52とは、互いに略平行に配置され、左側の列に沿って略同一直線上に配置されている雌ねじ孔52と、右側の列に沿って略同一直線上に配置されている雌ねじ孔52とは、互いに略平行に配置されている。
【0037】
また、筐体10の底面部10Bの下方には、左側に配置される各脚部5と右側に配置される各脚部5との間に左右一対のフォーク挿入部4が設けられている。
【0038】
また、筐体10の前面部10F及び後面部10Rの上部の左右両端部に配置されているフレーム材11aには、前後方向に突出し、上下方向に延びる平板状の吊りピース6(吊部)が溶接により固定されている。
【0039】
次に、2台のスポットエアコン1,1’を上下方向に積載した状態について説明する。
図1及び
図2に示されるように、上下に積載されている2台のスポットエアコン1,1’は、形状寸法及び内部構造が同じく構成されたものであり、上段のスポットエアコン1’の脚部5及び下段のスポットエアコン1の前面部10Fまたは後面部10Rに架設されて固定されている4つの規制片7A,7B,7C,7Dにより互いに固定されている。尚、規制片7Aは前方左側の脚部5に、規制片7Bは後方左側の脚部5に、規制片7Cは前方右側の脚部5に、規制片7Dは後方右側の脚部5に固定されている。
【0040】
図5を参照して、規制片7Aは、上面視略L字状に形成されており、金属材料で上面視略L字状に形成された柱状の基材70と、後述する基材70の第1面部71の後端面に溶接により固定された固定部73と、固定部73の後端面を覆って貼着され、ゴム材料で形成された平板状の第1パッキン74(弾性部材)と、第1面部71、固定部73及び後述する基材70の第2面部72の左端面を覆って貼着され、ゴム材料で形成された平板状の第2パッキン75(弾性部材)と、後述する雌ねじ孔77(雌ねじ部)に螺合されている規制ボルト9(ボルト)から構成されている。
【0041】
基材70は、脚部5の平板部51と対向配置される平板状の第1面部71と、第1面部71の左端部に略直交して前方に延び、吊りピース6と対向配置される平板状の第2面部72を備える上面視略L字状に形成されているため、第1規制面及び第2規制面を有する多角柱状または多角筒状に形成された規制片と比較して、略同一程度の高い構造強度を保持しつつ軽量化されている。
【0042】
固定部73は、金属材料で第1面部71よりも肉厚であり、左右方向の寸法が略同一であり、上下方向の寸法が短寸である正面視矩形状の平板状に形成され、その上端及び左右端は、第1面部71の上端及び左右端と略同一平面を成すように位置合わせされている。
【0043】
第1面部71、固定部73及び第1パッキン74には、前後方向、すなわち厚み方向に貫通する挿通孔76が2行3列の計6つ形成されており、各挿通孔76には、脚部5の雌ねじ孔52に螺合可能な固定ボルト8(連結部材)(
図6(b)参照)を挿通可能となっている。
【0044】
上側の行に沿って略同一直線上に配置されている挿通孔76と、下側の行に沿って略同一直線上に配置されている挿通孔76とは、互いに略平行に配置され、左側の列に沿って略同一直線上に配置されている雌ねじ孔52と、中央の列に沿って略同一直線上に配置されている挿通孔76と、右側の列に沿って略同一直線上に配置されている挿通孔76とは、互いに略平行に配置されている。
【0045】
また、各列における上下2つの挿通孔76における中心軸間のピッチは、脚部5の各列における上下2つの雌ねじ孔52それぞれの中心軸間のピッチと略同一となっている。
【0046】
また、各行において隣接する左右2つの挿通孔76それぞれの中心軸間のピッチ、すなわち左側と中央の挿通孔76における中心軸間のピッチと、中央と右側の挿通孔76における中心軸間のピッチは、共に略同一となっている。
【0047】
また、第1面部71の6つの挿通孔76よりも下方には、1つの雌ねじ孔77が形成され、当該雌ねじ孔77には規制ボルト9を着脱可能となっている。
【0048】
規制片7Bは、第1面部71及び該第1面部71の左端部に略直交して後方に延びる第2面部72を備えている上面視逆L字状に形成された基材70と、基材70の第1面部71の前端面に溶接により固定されている固定部73と、第1パッキン74と、第2パッキン75と、規制ボルト9から構成されている。すなわち、規制片7Bは、側面視で規制片7Aと対称形状であり、上記以外の構成については、規制片7Aと略同一であるため、説明を省略する。
【0049】
また、規制片7A,7Dは互いに同一形状の部材であり、規制片7B,7Cは互いに同一形状の部材であるため、規制片7C,7Dの説明は省略する。
【0050】
次に、スポットエアコン1,1’への規制片7A~7Dの取り付けについて説明する。尚、規制片7A~7Dの取り付け態様は同様であるため、本説明では、特に断らない限り規制片7Aを例に説明する。
【0051】
図6に示されるように、スポットエアコン1’を他のスポットエアコン1に積載するにあたって、図示しないフォークリフトのフォーク爪を各フォーク挿入部4(
図3参照)に挿入してスポットエアコン1’を持ち上げ、または4つの吊りピース6に図示しないクレーン等の重機の吊り金具を取り付けてスポットエアコン1’を吊り上げ、他のスポットエアコン1の上面部10Uに載置させる(
図6(a)参照)。このとき、上下に積載した2台のスポットエアコン1,1’の前後端及び左右端が略同一平面を成すように載置することが好ましい。
【0052】
次いで、規制片7Aの各列における上下2つの挿通孔76のうち、第2パッキン75を吊りピース6の右端面に最も近接させた状態で、前方左側の脚部5における2列右側の上下2つの雌ねじ孔52に固定ボルト8を螺合可能な挿通孔76を選択する。そして、選択した上下2つの挿通孔76に固定ボルト8を挿通させて雌ねじ孔52に螺合させる(
図6(b)参照)。このとき、規制片7Aは、上述したように軽量化がなされていることから、取り回しが良好である。
【0053】
これにより、第1パッキン74が脚部5の平板部51に圧着されて規制片7Aが上段のスポットエアコン1’の脚部5に固定される。一方、規制片7Aの第1パッキン74よりも下方側の第1面部71および規制ボルト9は、下段のスポットエアコン1と離間した状態となっている。そこで、規制片7Aの規制ボルト9を、その雄ねじ部の先端面9aが下段のスポットエアコン1の筐体10の前方かつ最上段のフレーム材11aに当接するまで進出させる。
【0054】
このようにして、上段のスポットエアコン1’の脚部5及び下段のスポットエアコン1の前面部10Fに規制片7Aを架設した状態で固定することができる。尚、規制片7B,7C,7Dについても略同一である。
【0055】
より具体的には、
図7,
図8に示されるように、上下に積載した2台のスポットエアコン1,1’の前後端及び左右端が略同一平面上に配置されている場合であれば、規制片7Aは、各挿通孔76のうち3列中央に位置する2つの挿通孔76に固定ボルト8が挿通され、上段のスポットエアコン1’における前方左側の脚部5の2列右側に位置する2つの雌ねじ孔52に螺合されて当該脚部5に固定されている。
【0056】
同様に、規制片7Bは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、上段のスポットエアコン1’における後方左側の脚部5の2列右側の雌ねじ孔52に螺合されて当該脚部5に固定されている。また、規制片7Cは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、上段のスポットエアコン1’における前方右側の脚部5の2列左側の雌ねじ孔52に螺合されて当該脚部5に固定されている。また、規制片7Dは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、上段のスポットエアコン1’における後方右側の脚部5の2列左側の雌ねじ孔52に螺合されて当該脚部5に固定されている。
【0057】
これにより、規制片7Aの第1パッキン74は前方左側の脚部5の平板部51に圧着され、規制片7Bの第1パッキン74は後方左側の脚部5の平板部51に圧着され、規制片7Cの第1パッキン74は前方右側の脚部5の平板部51に圧着され、規制片7Dの第1パッキン74は後方右側の脚部5の平板部51に圧着されている。
【0058】
また、規制片7A~7Dは、上の行と下の行の挿通孔76に挿通された2本の固定ボルト8を2つの雌ねじ孔52に螺合させて脚部5に固定されるため、規制片7A~7Dが上方側の固定ボルト8または下方側の固定ボルト8を軸に回動することが防止されている。
【0059】
また、規制片7Aの規制ボルト9は、雄ねじ部の先端面9aが下段のスポットエアコン1における前方側かつ最上段のフレーム材11aの左側端部に当接している。同様に、規制片7Bの規制ボルト9は雄ねじ部の先端面9aが下段のスポットエアコン1における後方側かつ最上段のフレーム材11aの左側端部に当接し、規制片7Cの規制ボルト9は雄ねじ部の先端面9aが下段のスポットエアコン1における前方側かつ最上段のフレーム材11aの右側端部に当接し、規制片7Dの規制ボルト9は雄ねじ部の先端面9aが下段のスポットエアコン1における後方側かつ最上段のフレーム材11aの右側端部に当接している。
【0060】
これにより、積載されている2台のスポットエアコン1,1’に対して外力が作用するなどして、前後方向に相対移動しようとしても、規制片7A~7Dの上端部は、固定ボルト8によって上段のスポットエアコン1’の脚部5に強固に固定されており、規制ボルト9の先端面9aは、下段のスポットエアコン1の最上段のフレーム材11aに当接されているため、当該相対移動を規制できる。すなわち、脚部5に対向配置される第1パッキン74の端面74a、及び下段のフレーム材11aに対向配置される規制ボルト9の先端面9aは、本実施例における第1規制面である。
【0061】
また、各規制片7A~7Dは、上述したようにその剛性が高いことから、積載されている2台のスポットエアコン同士が相対的に移動しようとしても、変形しにくいため、安定して当該相対移動を規制できる。
【0062】
また、規制片7A~7Dは、第1パッキン74が、基材70の第1面部71よりも脚部5に突出する固定部73に設けられていることから、例えば規制片7A~7Dが固定部73を有さない構成と比較して、本実施例のように、筐体10の中心側、すなわち筐体10の側縁よりも奥まって脚部5が配置されているような構成であっても、脚部5と規制片7A~7Dの固定部73とを近接配置することができる。これにより、外力等により振動する固定ボルト8の振れ幅を減じられるため、固定ボルト8による連結強度を高めることができる。
【0063】
加えて、固定部73によって第1パッキン74の端面74aを脚部5に圧着させやすいため、第1パッキン74の端面74aが脚部5から離間して固定されている場合と比較して、積載されている2台のスポットエアコン1,1’同士が互いに相対移動しようとした場合に、固定ボルト8の雄ねじ部における挿通孔76に挿通されている部分と雌ねじ孔52に螺合されている部分との間のモーメントアームが短くなり、作用するモーメントを小さくすることができる。さらに、第1パッキン74の端面74aを脚部5に圧着させことで、第1パッキン74によって力が分散されやすくなっている。これらにより、固定ボルト8が破損しにくくなっている。
【0064】
また、規制ボルト9の先端面9aは、他のスポットエアコン1を積載可能な構造強度を備える枠体11を構成する、剛性の高いフレーム材11aに当接されているため、例えば相対的に剛性の低い壁面パネル12に当接されている構成と比較して、スポットエアコン1,1’同士が相対移動しようとして力が作用しても変形しにくいことから、より確実に当該相対移動を規制することができる。
【0065】
また、
図8を参照して、規制片7Aの第2パッキン75の端面75aは、前方左側の吊りピース6の右端面に当接しており、規制片7Cの第2パッキン75の端面75aは、前方右側の吊りピース6の左端面に当接している。同様に、規制片7Bの第2パッキン75の端面75aは、後方左側の吊りピース6の右端面に当接しており、規制片7Dの第2パッキン75の端面75aは、後方右側の吊りピース6の左端面に当接している。
【0066】
このとき、規制片7A,7Cは、筐体10の前面部10Fにおける左右一対の吊りピース6の間に配置されており、規制片7B,7Dは、筐体10の後面部10Rにおける左右一対の吊りピース6の間に配置されていることから、積載されている2台のスポットエアコン1,1’同士が左右方向に相対移動しようとしても、また相対的に垂直軸回りに回動しようとしても、これらの相対移動を規制することができる。すなわち、吊りピース6に対向配置される第2パッキン75の端面75aは、本実施例における第2規制面である。
【0067】
また、吊りピース6は、クレーン等の重機の吊り金具を取り付けて吊り下げられることに耐え得る剛性を備え、構造強度の高いフレーム材11aと溶接により強固に連結されているため、スポットエアコン1,1’同士が相対移動しようとして力が作用しても変形しにくいことから、より確実に当該相対移動を規制することができる。
【0068】
また、
図9を参照して、上段のスポットエアコン1’が下段のスポットエアコン1よりも後方にずれて載置されている場合には、規制片7Aに螺合された規制ボルト9の進出量を
図7よりも小さく、規制片7Bに螺合された規制ボルト9の進出量を
図7よりも大きく調整することで、2台のスポットエアコン1,1’の前後方向のずれを許容しながら規制ボルト9の先端面9aを下段のスポットエアコン1のフレーム材11aに当接させることができる。
【0069】
このように、下段のスポットエアコン1と上段のスポットエアコン1’との相対的な位置に応じて規制ボルト9の進出度合いを調整することができるため、規制片7A~7Dを取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0070】
また、
図10を参照して、上段のスポットエアコン1’が下段のスポットエアコン1よりも右側にずれて載置されている場合には、規制片7Aは、3列中央の挿通孔76に固定ボルト8が挿通されて、脚部5に固定されている。また、規制片7Cは、3列右側の挿通孔76に固定ボルト8が挿通されて、脚部5に固定されている。
【0071】
このとき、規制片7Aの第2パッキン75は、吊りピース6の右端面から離間しているものの、固定可能な位置の中で左側の吊りピース6に最も近接させた状態で固定されているため、積載されている2台のスポットエアコン1,1’同士が互いに相対移動しようとしても移動可能な余地を減じている。そのため、僅かに相対移動することはあっても、規制片7Aが吊りピース6を超えて移動することが防止されていることに加え、移動距離が僅かであることから移動によって生じる力も小さいうちに抑え込むことができるため、安定して相対移動を規制することができる。これは、他の規制片7B~7Dについても同様である。
【0072】
このように、下段のスポットエアコン1に上段のスポットエアコン1’を積載した位置に応じて、固定ボルト8を挿通させる規制片7A~7Dの挿通孔76を3列の中から選択することができるため、規制片7A~7Dを取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施例のスポットエアコン1,1’は、下段のスポットエアコン1の上面部10Uに上段のスポットエアコン1’を積載した後、上段のスポットエアコン1’の脚部5に規制片7A~7Dを取り付けることにより、規制片7A~7Dの第1パッキン74の端面74a及び規制ボルト9の先端面9aによって各スポットエアコン1同士の前後方向への相対移動が規制され、規制片7A~7Dの第2パッキン75の端面74aによって各スポットエアコン1,1’同士の左右方向への相対移動及び垂直軸回りの回動が規制されるため、安全性を高めることができる。
【0074】
また、第1規制面の一部は第1パッキン74の端面74aであり、第2規制面は第2パッキン75の端面75aであるため、上段のスポットエアコン1’の脚部5や下段のスポットエアコン1の吊りピース6の相対的な移動を規制するにあたって、これら脚部5や吊りピース6に傷・変形が生じることを防止することができる。
【0075】
また、規制片7A~7Dは、スポットエアコン1,1’の筐体10に対して着脱可能であるため、例えばスポットエアコンの筐体に一体に固定されている構成と比較して、上段のスポットエアコン1’を他の筐体10の上に積載するにあたって要求される位置合わせ精度を低減することができることから、積載が容易である。
【0076】
また、各規制片7A~7Dは、下段のスポットエアコン1のフレーム材11aに規制ボルト9を当接させることで固定することが可能となっているため、例えば規制ボルト9を下段のスポットエアコンに形成した雌ねじ部に螺合させて固定するような構成と比較して、上段のスポットエアコン1’を他の筐体10の上に積載するにあたって要求される位置合わせ精度を低減することができることから、積載が容易である。
【実施例2】
【0077】
次に、実施例2に係るスポットエアコンにつき、
図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
【0078】
図11(a)(b)を参照して、スポットエアコン101,101’の脚部5には2行3列の計6つの雌ねじ孔52,152が形成されている。雌ねじ孔152は、前方左側の脚部5における右半分において互いに略平行に2列形成されており、各行における2つの雌ねじ孔152における中心軸間のピッチは、規制片7Aの各行において隣接する左右2つの挿通孔76それぞれの中心軸間のピッチよりも広い。
【0079】
図11(a)を参照して、上下に積載した2台のスポットエアコン101,101’の前後端及び左右端が略同一平面上に配置されている場合には、規制片7Aは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、2列左側の雌ねじ孔152に螺合されて、脚部5に固定されている。また、規制片7Cは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、2列右側の雌ねじ孔152に螺合されて、脚部5に固定されている。
【0080】
図11(b)を参照して、上段のスポットエアコン101’が下段のスポットエアコン101よりも左側にずれて載置されている場合には、規制片7Aは、3列右側の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、2列右側の雌ねじ孔152に螺合されて、脚部5に固定されている。また、規制片7Cは、3列中央の挿通孔76に挿通された固定ボルト8が、2列左側の雌ねじ孔152に螺合されて、脚部5に固定されている。
【0081】
このように、下段のスポットエアコン101に上段のスポットエアコン101’を積載した位置に応じて、固定ボルト8を挿入させる脚部5の雌ねじ孔152を選択することができるため、規制片7A~7Dを取り付け可能な範囲を広く設けることができる。
【0082】
また、複数の挿通孔76の水平方向におけるピッチは、雌ねじ孔152の水平方向におけるピッチと異なっているため、規制片7Aを脚部5に固定可能な挿通孔76と雌ねじ孔152との組み合わせが6通りとなる。すなわち、挿通孔76の位置と雌ねじ孔52,152の位置との組合せによって、規制片7A~7Dを取り付け可能な範囲をより広く設けることができる。そのため、前記実施例と比較して、より吊りピース6に規制片7A~7Dを近接配置させやすくなっている。
【0083】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0084】
例えば、上下に積載する2台のスポットエアコン1,1’は略同一であると説明したが、これに限らず大きさが若干異なっていてもよい。
【0085】
また、規制片7A~7Dには第1パッキン74及び第2パッキン75が備えられていると説明したが、なくてもよい。この場合、第1規制面は固定部73の端面及び規制ボルト9の先端面9a、第2規制面は第2面部72の端面となる。
【0086】
さらに、規制片7A~7Dは固定部73及び第1パッキン74を備えると説明したが、なくてもよい。この場合、第1規制面は第1面部71の端面及び規制ボルト9の先端面9aとなる。
【0087】
また、規制片7A~7Dは、第1面部71に固定部73が溶接により固定されている構成といて説明したが、これに限らず、鋳造または切削等により一体に形成されている構成であってもよい。
【0088】
規制片7A~7Dは、上面視L字状または逆L字状に形成されている構成として説明したが、これに限らず、第1規制面及び第2規制面を有する構成であれば、多角柱状、多角筒状、平板状であってもよく、適宜変更されてもよい。
【0089】
また、挿入部は、雌ねじ孔52として説明したが、これに限らず、有底の雌ねじ穴であってもよく、貫通孔であってもよい。挿入部が貫通孔である場合には、連結部材として例えばボルトナットを用いると良い。すなわち、挿入部及び連結部材は適宜変更されてもよい。
【0090】
また、固定ボルト8を各脚部5に対して上下2本嵌合させると説明したが、これに限らず1本または3本以上でもよい。
【0091】
また、規制片の挿通孔は、例えば一つだけ形成されている構成であってもよく、2つ以上形成されている構成であってもよい。特に4列以上形成されている構成であれば、前記実施例1,2よりも規制片を取り付け可能な範囲を広く設けることができるため、より吊部に規制片を近接配置させることができる。加えて、3列以上形成されている場合には、各列の水平方向におけるピッチが異なっていてもよい。
【0092】
また、脚部の雌ねじ孔は、例えば一つだけ形成されている構成であってもよく、2つ以上形成されている構成であってもよい。特に3列以上形成されている構成であれば、前記実施例1,2よりも規制片を取り付け可能な範囲を広く設けることができるため、より吊部に規制片を近接配置させることができる。加えて、3列以上形成されている場合には、各列の水平方向におけるピッチが略同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0093】
また、第1パッキン74は固定部73の後端面を覆って貼着され、第2パッキン75は第1面部71及び固定部73の左端面を覆って貼着されている構成として説明したが、これに限らず、固定部73と脚部5との間、または第2面部72と吊りピース6の間の少なくとも一部に配置されていればよい。加えて、第1パッキン74が規制ボルト9の雄ねじ部の先端部に設けられていてもよい。
【0094】
また、第1規制面は、脚部5に圧着されている構成として説明したが、これに限らず、脚部5の移動を規制可能に配置されているのであれば離間配置されていてもよい。このような構成であっても、2台のスポットエアコン同士が互いに相対移動しようとしても移動可能な余地を減じることができる。
【符号の説明】
【0095】
1,1’ スポットエアコン
5 脚部
6 吊りピース(吊部)
7A~7D 規制片
8 固定ボルト(連結部材)
9 規制ボルト(ボルト)
9a 先端面(第1規制面)
10 筐体
10B 底面部
10F 前面部(側面部)
10R 後面部(側面部)
10U 上面部
52 雌ねじ孔(挿入部)
73 固定部
74 第1パッキン(弾性部材)
74a 端面(第1規制面)
75 第2パッキン(弾性部材)
75a 端面(第2規制面)
76 挿通孔
77 雌ねじ孔(雌ねじ部)
101,101’ スポットエアコン
152 雌ねじ孔(挿入部)
A1 空調済み空気
A2 排空気