(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】行動検知装置および該方法ならびに被監視者監視支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220907BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2019535606
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2018018636
(87)【国際公開番号】W WO2019031012
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2017155073
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】新田 和馬
(72)【発明者】
【氏名】保理江 大作
【審査官】佐伯 憲太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-106282(JP,A)
【文献】特開2016-115054(JP,A)
【文献】特開2014-092946(JP,A)
【文献】特開2012-170483(JP,A)
【文献】特開2016-067812(JP,A)
【文献】国際公開第2017/061371(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視者を測定する第1および第2センサと、
前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定部と、
前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動を判定する行動判定部と、
前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御する処理制御部とを備え、
前記第2センサは、被監視者を測定する第1および第2サブセンサを含み、
前記行動判定部は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定する第1サブ行動判定処理を実行する第1サブ行動判定部と、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する第2サブ行動判定部とを含み、
前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1および第2サブ行動判定部のうちの少なくともいずれかを制御し、
前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果で補助するか否かを制御する、
行動検知装置。
【請求項2】
前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを判定する処理であり、
前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部が実行する第1サブ行動判定処理における第1行動判定閾値を変更する、
請求項
1に記載の行動検知装置。
【請求項3】
前記第2サブ行動判定処理は、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを判定する処理であり、
前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第2サブ行動判定部が実行する第2サブ行動判定処理における第2行動判定閾値を変更する、
請求項
1に記載の行動検知装置。
【請求項4】
前記第1サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第1行動であると、予め設定された第1継続判定時間、継続している場合に、前記第1行動であると最終的に判定する処理であり、
前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部が実行する第1サブ行動判定処理における第1継続判定時間を変更する、
請求項
1に記載の行動検知装置。
【請求項5】
前記第2サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第2行動であると、予め設定された第2継続判定時間、継続している場合に、前記第2行動であると最終的に判定する処理であり、
前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第2サブ行動判定部が実行する第2サブ行動判定処理における第2継続判定時間を変更する、
請求項1に記載の行動検知装置。
【請求項6】
前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果および過去の第1サブ行動判定結果に基づいて、今回、第1行動であるか否かを判定する処理であり、
前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて今回の第1サブ行動判定結果を予め設定された規定値に強制的に変更する、
請求項
1に記載の行動検知装置。
【請求項7】
年月日時分を計時する時計部と、
少なくとも睡眠の時間帯を含む前記被監視者のスケジュール、を表すスケジュール情報を前記被監視者に対応付けて記憶するスケジュール情報記憶部とを備え、
前記処理制御部は、前記時計部から現在の時刻を取得し、前記取得した現在の時刻に対応する前記被監視者のスケジュールを前記スケジュール情報記憶部から抽出し、前記抽出した前記被監視者のスケジュールおよび前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御する、
請求項1ないし請求項
6のいずれか1項に記載の行動検知装置。
【請求項8】
第1および第2センサそれぞれで被監視者を測定する測定工程と、
前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定工程と、
前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動を判定する行動判定工程と、
前記睡眠状態判定工程の睡眠判定結果に応じて前記行動判定工程を制御する処理制御工程とを備える、
コンピュータによって実行される行動検知方法であって、
前記第2センサは、被監視者を測定する第1および第2サブセンサを含み、
前記行動判定工程は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定する第1サブ行動判定処理を実行する第1サブ行動判定工程と、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する第2サブ行動判定工程とを含み、
前記処理制御工程は、前記睡眠状態判定工程の睡眠判定結果に応じて前記第1および第2サブ行動判定工程のうちの少なくともいずれかを制御し、
前記処理制御工程は、前記睡眠状態判定工程の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定工程における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定工程における第2サブ行動判定結果で補助するか否かを制御する、
行動検知方法。
【請求項9】
被監視者に対応して設けられ、前記被監視者における所定の行動を検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置から受信した検知結果を管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記検知結果を受信して表示する端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、
前記センサ装置は、請求項1ないし請求項
7のいずれか1項に記載の行動検知装置を含む、
被監視者監視支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視すべき監視対象である被監視者における所定の行動を検知する行動検知装置および行動検知方法に関する。そして、本発明は、この行動検知装置を用いた被監視者監視支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国(日本)は、高齢化社会、より詳しくは、高齢化率が26.7%(2015年10月1日現在、内閣府)を超える超高齢化社会になっている。このような高齢化社会では、病気や怪我や高齢等による看護や介護を必要とする要看護者や要介護者等(要看介護者)は、高齢化社会ではない通常の社会で生じる要看護者や要介護者等よりもその増加が見込まれる。これら要看介護者は、一般的には、病院や、老人福祉施設(日本の法令では老人短期入所施設、養護老人ホームおよび特別養護老人ホーム等)等の施設に入所し、その看護や介護を受ける。このような施設では、看護師や介護士等(看介護者)は、定期的に巡視することによってその安否や様子を確認している。
【0003】
しかしながら、要看介護者の増加数に対し看介護者の増加数が追い付かずに、看護業界や介護業界では、慢性的に人手不足になっている。さらに、日勤の時間帯に較べ、準夜勤や夜勤の時間帯では、看介護者の人数が減り、一人当たりの業務負荷が増大するので、前記業務負荷の軽減が要請される。このような人手不足や看介護者の負担を軽減するため、看護業務や介護業務を補完する技術が求められている。このため、近年では、要看介護者の、監視すべき監視対象である被監視者を監視(モニタ)する被監視者監視技術が研究、開発されている。
【0004】
このような被監視者監視技術の1つとして、特許文献1に開示された状態検知装置がある。この特許文献1に開示された状態検知装置は、ベッド上の対象者を撮像した画像を解析することにより、前記対象者の移動方向を検出する画像処理部と、前記画像処理部によって検出された移動方向と前記対象者の過去の状態とに基づいて、前記対象者の現在の状態を判別する判別部と、前記判別部によって得られた前記対象者の現在の状態を示す情報を出力する出力部と、を備える。前記過去の状態および前記現在の状態は、前記対象者が前記ベッド上に横たわっている着床状態と、前記対象者が前記ベッド上で上半身を起こしている起床状態と、前記対象者が前記ベッドの端の部分にいる離床状態と、前記対象者が前記ベッドから離れている不在状態とを含み、前記判別部は、前記複数種類の前記過去の状態ごとに異なる基準を用いて、前記対象者の現在の状態を判別する。より具体的には、前記判別部は、過去の、検知領域に対する対象者の像の位置と、現在の、前記検知領域に対する前記対象者の像の位置とから、前記状態を判別している(例えば[0022]段落ないし[0031]段落)。
【0005】
一方、安否確認の点では、一人暮らしの独居者も前記要看護者等と同様であり、監視対象である被監視者となる。
【0006】
ところで、前記特許文献1に開示された状態検知装置は、上述のように、前記状態を判別しているので、ベッド付近での付添人の動きや、対象者の寝返り等によって、誤判別してしまう虞がある。判別結果が、例えば看護師や介護士等の監視者に発報(通知、報知)されるシステムでは、誤判別による誤報が発生すると、前記監視者への無駄な通知が増えることになる結果、例えば、現地に赴くことで、あるいは、画像で確認すること等で、例えば要看護者や要介護者等の被監視者の安否を確認する作業等の、誤報による作業の負荷が増えてしまう。特に、通常、監視者の人数が減る、準夜勤や夜勤の時間帯では、誤判別による誤報の発生は、重要な問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、誤判別(誤判定、誤検知)をより低減できる行動検知装置および行動検知方法、ならびに、この行動検知装置を用いた被監視者監視支援システムを提供することである。
【0009】
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した行動検知装置および行動検知方法ならびに被監視者監視支援システムは、第1および第2センサそれぞれで被監視者を測定し、前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定し、前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動を判定し、睡眠判定結果に応じて前記行動の判定処理を制御する。
【0010】
発明の1または複数の実施形態により与えられる利点および特徴は、以下に与えられる詳細な説明および添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
【
図2】前記被監視者監視支援システムにおける、実施形態の行動検知装置が組み込まれたセンサ装置の構成を示す図である。
【
図3】サービスモードにおける、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図3に示す睡眠判定結果に応じた行動判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図4に示す転落判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図4に示す転倒判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図4に示す入床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図4に示す起床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図4に示す離床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図4に示す微体動異常判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】前記端末装置に表示されるメイン画面の一例を示す図である。
【
図12】前記端末装置に表示される第1設定画面の一例を示す図である。
【
図13】前記端末装置に表示される第2設定画面の一例を示す図である。
【
図14】前記端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0013】
実施形態における被監視者監視支援システムは、被監視者Obに対応して設けられ、前記被監視者Obにおける所定の行動を検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置から受信した検知結果を管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記検知結果を受信して表示する端末装置を備え、前記被監視者Obの監視を支援するためのシステムである。このセンサ装置は、本実施形態における行動検知装置を含む。この実施形態における行動検知装置は、被監視者Obを測定する第1および第2センサと、前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者Obの睡眠状態を判定する睡眠状態判定部と、前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者Obにおける所定の行動を判定する行動判定部と、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御する処理制御部とを備える。この行動検知装置は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御するので、誤判定をより低減できる。このような行動検知装置は、本実施形態では、前記第2センサは、被監視者Obを測定する第1および第2サブセンサを含み、前記行動判定部は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果に基づいて前記被監視者Obにおける所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定する第1サブ行動判定処理を実行する第1サブ行動判定部と、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果に基づいて前記被監視者Obにおける所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する第2サブ行動判定部とを含み、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1および第2サブ行動判定部のうちの少なくともいずれかを制御する。これによれば、前記所定の行動を、睡眠状態で生じ得ない第1グループに属する第1行動と、睡眠状態で生じ得る第2グループに属する第2行動とに分けることが可能となるので、このような行動検知装置は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部をより適切に制御でき、誤判定をより低減できる。以下、より具体的に説明する。
【0014】
なお、前記端末装置は、1種類の装置であって良いが、本実施形態態では、前記端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用される一方、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様である。
【0015】
図1は、実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
図2は、前記被監視者監視支援システムにおける、実施形態の行動検知装置が組み込まれたセンサ装置の構成を示す図である。
【0016】
より具体的には、被監視者監視支援システムMSは、例えば、
図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。
図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0017】
構内交換機(回線切換機)CXは、ネットワークNWに接続され、携帯端末装置TA同士における発信、着信および通話等の内線電話の制御を行って前記携帯端末装置TA同士の内線電話を実施し、そして、例えば固定電話網や携帯電話網等の公衆電話網PNを介して例えば固定電話機や携帯電話機等の外線電話機TLに接続され、外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における発信、着信および通話等の外線電話の制御を行って外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における外線電話を実施する装置である。構内交換機CXは、例えば、デジタル交換機や、IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)等である。
【0018】
被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。
図1に示す例では、被監視者監視支援システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
【0019】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知してこの検知した前記イベントを管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。前記所定のイベント(事象)は、好ましくは、対処(対応)が必要なイベントを含む。本実施形態では、前記所定のイベントは、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を含み、ナースコールを含む。このようなセンサ装置SUは、例えば、
図2に示すように、センサ部11と、センサ側音入出力部(SU音入出力部)12と、ナースコール受付操作部13と、センサ側制御処理部(SU制御処理部)14と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)15と、センサ側記憶部(SU記憶部)16とを備える。
【0020】
センサ部11は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obにおける予め設定された所定の諸量を測定する装置である。本実施形態では、センサ部11は、被監視者Obの睡眠状態を判定するために、第1センサを備え、被監視者Obにおける前記所定の行動を判定するために、第2センサを備える。
【0021】
前記第1センサは、本実施形態では呼吸状態に基づいて被監視者Obの睡眠状態を判定するため、被監視者Obの呼吸を前記所定の諸量の1つとして測定できる任意の種類の装置であって良い。前記第1センサは、例えば、手首等に装着して脈拍を測る脈拍計等であって良いが、本実施形態では、被監視者Obに対し非接触で呼吸を測定できることから、ドップラセンサ112を備えて構成される。
【0022】
前記第2センサは、前記所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定するために、第1サブセンサを備え、前記所定の行動のうち、第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定するために、第2サブセンサを備える。前記所定の行動は、例えば、本実施形態では、被監視者Obが寝具BDに入った入床、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具BDから離れた離床、被監視者Obが寝具BDから落ちた転落、被監視者Obが寝具BD外で倒れた転倒、および、被監視者の呼吸による微体動の異常である微体動異常を含む。そして、本実施形態では、これら所定の行動は、睡眠状態で生じ得ない第1グループと、睡眠状態で生じ得る第2グループとに分けられる。この睡眠状態で生じ得ない第1グループに属する第1行動には、入床、起床、離床、転落および転倒が含まれ、前記睡眠状態で生じ得る第2グループに属する第2行動には、微体動異常が含まれる。前記第1サブセンサは、このような第1行動を判定できる任意の装置であって良い。前記第1サブセンサは、例えば、温度分布から人物領域を抽出できるサーモグラフィー装置や、距離分布から人物領域を抽出できる距離画像センサ等であっても良いが、本実施形態では、画像に基づいて第1行動を判定するので、画像を前記所定の諸量の1つとして生成するカメラ111を備えて構成される。前記第2サブセンサは、このような第2行動を判定できる任意の装置であって良い。本実施形態では、第2行動は、被監視者の呼吸による微体動の異常である微体動異常であるので、被監視者Obの呼吸を前記所定の諸量の1つとして測定できる装置であり、例えば、ドップラセンサ112を備えて構成される。すなわち、本実施形態では、ドップラセンサ112は、前記第1センサと前記第2サブセンサとに兼用されている。
【0023】
このように本実施形態では、センサ部11は、カメラ111と、ドップラセンサ112とを備える。
【0024】
カメラ111は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、画像(画像データ)を生成する装置である。前記画像には、静止画(静止画データ)および動画(動画データ)が含まれる。カメラ111は、被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、
図1に示す例では配設場所の居室RM)を監視可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像(対象画像)をSU制御処理部14へ出力する。好ましくは、被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部111は、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)BDにおける、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。センサ装置SUは、このカメラ111によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上から撮像した画像を取得する。
【0025】
このようなカメラ111は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成するデジタル赤外線カメラである。このようなデジタル赤外線カメラ111は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、イメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えて構成される。カメラ111の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
【0026】
ドップラセンサ112は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obにおける、呼吸に伴う胸部の体表の動きを測定する装置である。ドップラセンサ112は、送信波を送信し、物体で反射した前記送信波の反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいてドップラ周波数成分のドップラ信号を出力する体動センサである。前記物体が動いている場合、いわゆるドップラ効果により前記物体の動いている速度に比例して反射波の周波数がシフトするため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラ周波数成分)が生じる。ドップラセンサ112は、このドップラ周波数成分の信号をドップラ信号として所定のサンプリングレートで生成し、SU制御処理部14へ出力する。SU制御処理部14は、ドップラセンサ112からドップラ信号を受信すると、この受信したドップラ信号を時系列でSU記憶部16に記憶する。前記送信波は、超音波やマイクロ波等であって良いが、本実施形態では、マイクロ波である。マイクロ波は、着衣を透過して被監視者Obの体表で反射できるため、被監視者Obが衣服を着ていても体表の動きを検知でき、好ましい。
【0027】
SU音入出力部12は、SU制御処理部14に接続され、外部の音を取得してセンサ装置SUに入力するための回路であって、SU制御処理部14の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。SU音入出力部12は、例えば、音の音響振動を電気信号に変換するマイクロホン等と、音の電気信号を音の音響振動に変換するスピーカ等とを備えて構成される。SU音入出力部12は、外部の音を表す電気信号をSU制御処理部14へ出力し、また、SU制御処理部14から入力された電気信号を音の音響振動に変換して出力する。
【0028】
ナースコール受付操作部13は、SU制御処理部14に接続され、ナースコールを当該センサ装置SUに入力するための例えば押しボタン式スイッチ等のスイッチ回路である。なお、ナースコール受付操作部13は、有線でSU制御処理部14に接続されて良く、また、例えばBluetooth(登録商標)規格等の近距離無線通信でSU制御処理部14に接続されて良い。
【0029】
SU通信IF部15は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部15は、SU制御処理部14から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SU通信IF部15は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部14が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部14へ出力する。SU通信IF部15は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0030】
SU記憶部16は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、センサ装置SUの各部11~13、15、16を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSU制御プログラムや、センサ部11の出力に基づいて被監視者Obの睡眠状態を判定する睡眠状態判定プログラムや、センサ部11の出力に基づいて被監視者Obにおける所定の行動を判定して管理サーバ装置SVへ通知する行動判定プログラムや、前記睡眠状態判定プログラムの睡眠判定結果に応じて前記行動判定プログラムを制御する処理制御プログラムや、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を管理サーバ装置SVへ通知し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うナースコール処理プログラムや、カメラ111で生成した動画を、その動画を要求した端末装置SP、TAへストリーミングで配信するストリーミング処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、センサ装置SUを特定し識別するための識別子であるセンサ装置識別子(センサID)、および、管理サーバ装置SVの通信アドレス等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SU記憶部16は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、SU記憶部16は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSU制御処理部14のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0031】
SU制御処理部14は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知してこの検知した前記イベントを管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信するための回路である。SU制御処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SU制御処理部14は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、センサ側制御部(SU制御部)141、睡眠状態判定部142、行動判定部143、処理制御部144、ナースコール処理部145およびストリーミング処理部146を機能的に備える。
【0032】
SU制御部141は、センサ装置SUの各部11~13、15、16を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUの全体制御を司るものである。
【0033】
睡眠状態判定部142は、センサ部11の出力、すなわち、前記第1センサの第1測定結果に基づいて被監視者Obの睡眠状態を判定するものである。より具体的には、睡眠状態判定部142は、前記第1センサの第1測定結果に基づいて、被監視者Obの睡眠の深さの度合いを表す睡眠度、および、前記睡眠度に対する信頼性の度合いを表す信頼度、を求める。本実施形態では、睡眠状態判定部142は、前記第1センサの一例であるドップラセンサ112のドップラ信号に基づいて睡眠状態を判定する。より具体的には、睡眠状態判定部142は、測定時点から過去へ、所定時間(例えば1分や2分等)内に測定されたドップラ信号を例えば高速フーリエ変換(FFT)し、このFFTで得られたスペクトルから、一般的な呼吸の周波数に対応する周波数帯における振幅の平均値を求め、この求めた平均値と睡眠度を決めるための閾値(睡眠度区分閾値)とを比較して睡眠度を求める。そして、睡眠状態判定部142は、この求めた睡眠度の継続時間を求め、この求めた睡眠度の継続時間と信頼度を決めるための閾値(信頼度区分閾値)とを比較して信頼度を求める。例えば、前記睡眠度区分閾値は、例えば、複数のサンプルを用いて適宜に1または複数で設定される。本実施形態では、覚醒状態であるか、睡眠状態であるかの別によって、行動判定部143を後述のように制御するので、前記睡眠度区分閾値は、覚醒か睡眠かを弁別する1つの値であって良く、あるいは、さらに、睡眠度を、眠りが浅い低睡眠度、眠りが中程度である中睡眠度、および、眠りが深い高睡眠度の3段階に分けるために、全3つの各値であって良い。また例えば、前記信頼度区分閾値は、例えば、複数のサンプルを用いて適宜に1または複数で設定される。本実施形態では、信頼度が相対的に高い高信頼度であるか、信頼度が相対的に低い低信頼度であるかの別によって、行動判定部143を後述のように制御するので、前記信頼度区分閾値は、高信頼度か低信頼度かを弁別する1つの値であって良く、あるいは、信頼度を、信頼度が相対的に高い高信頼度、信頼度が相対的に中程度である中信頼度、および、信頼度が相対的に低い低信頼度の3段階に分けるために、全2つの各値であって良い。睡眠状態判定部142は、その睡眠判定結果、本実施形態では、上述のように求めた睡眠度および信頼度を処理制御部144へ出力(通知)する。
【0034】
行動判定部143は、センサ部11の出力、すなわち、前記第2センサの第2測定結果に基づいて、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を判定して管理サーバ装置SVへ通知するものである。本実施形態では、前記所定の行動は、上述したように、入床、起床、離床、転落、転倒および微体動異常である。これら入床、起床、離床、転落および転倒は、前記第1グループに属する第1行動であり、カメラ111の出力(対象画像)に基づいて判定され、微体動異常は、前記第2グループに属する第2行動であり、ドップラセンサ112の出力(ドップラ信号)に基づいて検知される。このため、行動判定部143は、機能的に、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果に基づいて被監視者Obにおける所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定する第1サブ行動判定処理を実行する第1サブ行動判定部1431と、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果に基づいて前記被監視者Obにおける所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する第2サブ行動判定部1432とを備えて構成される。より具体的には、本実施形態では、第1サブ行動判定部1431は、カメラ111の対象画像に基づいて第1行動(入床、起床、離床、転落および転倒)を判定して管理サーバ装置SVへ通知し、第2サブ行動判定部1432は、ドップラセンサ112のドップラ信号に基づいて第2行動(微体動異常)を判定して管理サーバ装置SVへ通知する。
【0035】
より詳しくは、入床、起床、離床、転落、転倒および微体動異常は、次のように判定されている。なお、対象画像中における寝具BDが配置されている領域(寝具BDの所在領域)は、前記各種データの1つとして予め記憶部16に記憶され、以下に説明における、各種の閾値や継続判定時間は、複数のサンプルから適宜に設定され、前記各種データの1つとして予め記憶部16に記憶されている。
【0036】
入床の判定では、第1サブ行動判定部1431は、前回の状態変数(行動判定結果を格納する変数)が「離床」であって、今回、カメラ111から取得した対象画像から例えば背景差分法によって抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域に完全に重なる場合(前記人物領域が完全に前記寝具BDの所在領域内となる場合)、入床と仮判定し、その完全重畳状態の継続時間が入床継続判定時間を超えて継続している場合に、入床有りと最終的に判定し、前記入床を検知する。そして、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「入床」で更新する。前記入床継続判定時間は、前記抽出した人物領域と前記寝具BDの所在領域との完全に重なりによって仮に判定された入床を、最終的に入床であると判定するための閾値である。
【0037】
起床の判定では、第1サブ行動判定部1431は、前回の状態変数が「入床」であって、今回、カメラ111から取得した対象画像から抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域からはみ出しているはみ出し領域が起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である場合、起床と仮判定し、その起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である状態のはみ出し領域の継続時間が起床継続判定時間を超えている場合に、起床有りと最終的に判定し、前記起床を検知する。そして、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「起床」で更新する。前記起床判定閾値は、前記はみ出し領域の大きさによって起床であるか否かを判定するための閾値であり、前記離床判定閾値は、前記はみ出し領域の大きさによって離床であるか否かを判定するための閾値であり、前記離床判定閾値は、前記起床判定閾値より大きな値に設定される。前記起床継続判定時間は、前記はみ出し領域と前記起床判定閾値との比較によって仮に判定された起床を、最終的に起床であると判定するための閾値である。
【0038】
離床の判定では、第1サブ行動判定部1431は、前回の状態変数が「入床」および「起床」のうちのいずれかであって、今回、カメラ111から取得した対象画像から抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域からはみ出しているはみ出し領域が離床判定閾値以上である場合、離床と仮判定し、その離床判定閾値以上である状態のはみ出し領域の継続時間が離床継続判定時間を超えている場合に、離床有りと最終的に判定し、前記離床を検知する。そして、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「離床」で更新する。前記離床継続判定時間は、前記はみ出し領域と前記離床判定閾値との比較によって仮に判定された離床を、最終的に離床であると判定するための閾値である。
【0039】
転落の判定では、第1サブ行動判定部1431は、今回、カメラ111から取得した対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、前記頭部領域の大きさの変化速度が転落判定速度閾値以上であって、前記人物領域が前記寝具BDの所在領域の周囲に設定された転落判定領域内に在る場合に、転落有りと判定し、前記転落を検知する。前記横臥姿勢判定閾値は、横臥姿勢における頭部領域の大きさであるか否かを判別するための閾値である。前記転落判定速度閾値は、前記頭部領域の大きさの変化速度によって転落であるか否かを判別するための閾値である。
【0040】
転倒の判定では、第1サブ行動判定部1431は、今回、カメラ111から取得した対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、前記頭部領域の大きさの変化速度が転倒判定速度閾値以上であって、前記人物領域が前記寝具BDの所在領域および前記転落判定領域を除く領域に在る場合に、転倒有りと判定し、前記転倒を検知する。前記転倒判定速度閾値は、前記頭部領域の大きさの変化速度によって転倒であるか否かを判別するための閾値である。
【0041】
微体動異常では、第2サブ行動判定部1432は、前記第2サブセンサの一例であるドップラセンサ112のドップラ信号に基づいて微体動異常を判定する。より具体的には、第2サブ行動判定部1432は、睡眠状態判定部141と同様に、測定時点から過去へ、所定時間内に測定されたドップラ信号を例えば高速フーリエ変換(FFT)し、このFFTで得られたスペクトルから、一般的な呼吸の周波数に対応する周波数帯における振幅の平均値を求め、この求めた平均値と、微体動異常であるか否かを判定するための閾値(微体動異常判定閾値)とを比較し、前記求めた平均値が前記微体動異常判定閾値以下である場合、微体動異常と仮判定し、前記平均値が前記微体動異常判定閾値以下である状態の継続時間が微体動異常継続判定時間を超えて継続している場合に、微体動異常有りと最終的に判定し、前記微体動異常を検知する。そして、第2サブ行動判定部1432は、前記状態変数を「微体動異常」で更新する。前記微体動異常継続判定時間は、前記求めた平均値と前記微体動異常判定閾値との比較によって仮に判定された微体動異常を、最終的に微体動異常であると判定するための閾値である。
【0042】
このように前記所定の行動を検知すると、行動判定部143は、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)の内容を表すイベント情報(事象情報)を収容した、前記イベントを通知するための第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ通知する。より詳しくは、行動判定部143は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記入床、起床、離床、転落および転倒の検知の際に用いられた対象画像を収容した通信信号(第1イベント通知通信信号)を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記イベント情報は、本実施形態では、入床、起床、離床、転落、転倒、微体動異常およびナースコール(NC)のうちの1または複数であり、ここでは、行動判定部143は、検知した入床、起床、離床、転落、転倒および微体動異常のうちの1または複数を前記イベント情報として第1イベント通知通信信号に収容する。前記画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方であって良く、本実施形態では、後述するように、まず、静止画が報知され、ユーザの要求に応じて動画が配信される。なお、まず、動画が配信されても良く、また、静止画および動画が送信され、画面分割で静止画および動画が端末装置SP、TAに表示されても良い。
【0043】
処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御するものである。本実施形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて第1および第2サブ行動判定部1431、1432のうちの少なくともいずれかを制御する。より具体的には、本実施形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて、第1サブ行動判定部1431における前記第1サブ行動判定処理を実行するか否か、および、第2サブ行動判定部1432における前記第2サブ行動判定処理を実行するか否かを制御する。より詳しくは、例えば、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブ行動判定処理を実行させず、そして、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブ行動判定処理を実行させる。前記睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合とは、前記睡眠度が予め設定された所定の睡眠判定閾値以上である場合、または、前記信頼度が予め設定された所定の信頼判定閾値以上である場合である。また例えば、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブ行動判定処理を実行させ、そして、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブ行動判定処理を実行させない。睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合とは、前記睡眠度が予め設定された所定の睡眠判定閾値未満であって、かつ、前記信頼度が予め設定された所定の信頼判定閾値未満である場合である。
【0044】
ナースコール処理部145は、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を前記所定のイベントの他の一例として収容した第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ通知し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、ナースコール処理部145は、ナースコール受付操作部13が入力操作されると、自機のセンサIDおよび前記イベント情報としてナースコールを収容した第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。そして、ナースコール処理部145は、SU音入出力部12等を用い、端末装置SP、TAとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0045】
SUストリーミング処理部146は、通信IF部3を介して固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAから動画の配信の要求があった場合に、この要求のあった固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAへ、カメラ11で生成した動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生でSU通信IF部15を介して配信するものである。
【0046】
図1には、一例として、被監視者Obに対応して設けられた、4個の第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0047】
なお、このような構成のセンサ装置SUにおいて、センサ部11、睡眠状態判定部142、行動判定部143および処理制御部144は、行動検知装置の一例を構成する。
【0048】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記第1イベント通知通信信号で前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報)を管理し、前記所定のイベントを第2イベント通知通信信号で所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、報知、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMS全体を管理する装置である。前記監視情報は、本実施形態では、例えば、前記第1イベント通知通信信号の送信元であるセンサ装置SUのセンサID、前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像、および、前記通知を受けた時刻(通知時刻)等であり、これらは、互いに対応付けられて記憶(記録、管理)される。前記第2イベント通知通信信号には、これら監視情報が収容される。前記第2イベント通知通信信号は、例えば同報通信(ブロードキャストやマルチキャスト)で送信されて良く、また例えば、前記第1イベント通知通信信号の送信元であるセンサ装置SUに対応付けられた1または複数の端末装置SP、TAに送信されて良い。このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0049】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視支援システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0050】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータやスマートフォンや携帯電話機等の、持ち運び可能な通信端末装置によって構成可能である。
【0051】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図3は、サービスモードにおける、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図4は、
図3に示す睡眠判定結果に応じた行動判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図5は、
図4に示す転落判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図6は、
図4に示す転倒判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図7は、
図4に示す入床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図8は、
図4に示す起床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図9は、
図4に示す離床判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図10は、
図4に示す微体動異常判定処理における、前記センサ装置の動作を示すフローチャートである。
図11は、前記端末装置に表示されるメイン画面の一例を示す図である。
図12は、前記端末装置に表示される第1設定画面の一例を示す図である。
図13は、前記端末装置に表示される第2設定画面の一例を示す図である。
図14は、前記端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
【0052】
上記構成の被監視者監視支援システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。センサ装置SUでは、その制御処理プログラムの実行によって、SU制御処理部14には、SU制御部141、睡眠状態判定部142、行動判定部143、処理制御部144、ナースコール処理部145およびストリーミング処理部146が機能的に構成され、行動判定部143には、第1サブ行動判定部1431および第2サブ行動判定部1432が機能的に構成される。
【0053】
電源が投入され、その稼働を始めると、端末装置SP、TA、例えば固定端末装置SPでは、例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)によるログイン操作が受け付けられる。前記ログイン操作では、前記監視者(ユーザ)におけるユーザ名等のID等が入力され、その記憶部に記憶される。ログイン操作によって固定端末装置SPが被監視者監視支援システムMSにログインすると、固定端末装置SPは、その表示部にメイン画面を表示する。
【0054】
前記メイン画面は、固定端末装置SPの動作モードを受け付けるための画面である。このメイン画面21は、例えば、
図11に示すように、「サービスモード」ボタン211と、「設定モード」ボタン212とを備える。「サービスモード」ボタン211は、被監視者Obを監視するサービスモードを固定端末装置SPの動作モードとして要求するためのボタンであって、固定端末装置SPをサービスモードで動作させる指示(命令、コマンド)を入力するためのボタンである。「設定モード」ボタン212は、予め規定された所定のパラメータを設定する設定モードを固定端末装置SPの動作モードとして要求するためのボタンであって、固定端末装置SPを設定モードで動作させる指示を入力するためのボタンである。
【0055】
このようなメイン画面21を表示している際に、固定端末装置SPの入力部から入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、その制御処理部によって、前記受け付けた入力操作が、「サービスモード」ボタン211の入力操作であるか、「設定モード」ボタン212の入力操作であるか、を判定する。
【0056】
この判定の結果、前記受け付けた入力操作が「サービスモード」ボタン211の入力操作である場合には、固定端末装置SPは、被監視者Obを監視するように、サービスモードで動作を始める。前記入力操作は、例えば、マウスの移動によってカーソルが「サービスモード」ボタン211上に移動され、マウスが左クリックされる操作である。
【0057】
一方、前記判定の結果、前記受け付けた入力操作が「設定モード」ボタン212の入力操作である場合には、固定端末装置SPは、前記所定のパラメータを設定するように、設定モードで動作を始める。
【0058】
設定モードでは、上述のように、「設定モード」ボタン212の入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、その表示部に設定画面を表示する。なお、本実施形態では、ユーザ名等のIDを用いて認証が実行され、設定モードには、その権限あるユーザ(設定者)のみ入ることができる。
【0059】
前記設定画面は、前記所定のパラメータを入力して設定するための画面である。前記所定のパラメータは、本実施形態では、前記所定のイベントを適切に判定するために用いられる設定値であり、例えば画像から被監視者Obを抽出するための撮像条件、および、前記判定のための閾値(判定閾値)等である。より具体的には、本実施形態では、前記所定のパラメータは、フレームレート、明るさレベル、天井高さ、および、寝具BDの所在領域である。前記設定画面は、本実施形態では、2個の第1および第2設定画面を備える。前記第1設定画面は、パラメータ設定の対象となる被監視者Ob(センサ装置SU)を入力(決定)し、前記所定のパラメータのうち、主に、数値的なパラメータ(本実施形態ではフレームレート、明るさレベルおよび天井高さ)を入力して設定するための画面である。前記第2設定画面は、前記所定のパラメータのうち、数値的なパラメータを除く他のパラメータ(本実施形態では寝具BDの所在領域)を入力して設定するための画面である。
【0060】
より具体的には、その入力部から「設定モード」ボタン212の入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、その制御処理部によって、その表示部4に前記第1設定画面を表示する。
【0061】
この第1設定画面22は、例えば、
図12に示すように、被監視者Obの名前を入力して設定するための被監視者名入力設定領域221と、フレームレートを入力して設定するためのフレームレート入力設定領域222と、明るさレベルを入力して設定するための明るさレベル入力設定領域223と、天井高さを入力して設定するための天井高さ入力設定領域224と、「エリア設定」ボタン225と、「メイン画面に戻る」ボタン226とを備える。各入力設定領域221~224は、パラメータ値の入力欄と、前記入力欄に入力されたパラメータ値でパラメータを記憶し設定する「更新」ボタンとを備える。「エリア設定」ボタン225は、第2設定画面を要求するためのボタンであって、固定端末装置SPに第2設定画面を表示させる指示を入力するためのボタンである。「メイン画面に戻る」ボタン226は、メイン画面21を要求するためのボタンであって、固定端末装置SPにメイン画面21を表示させる指示を入力するためのボタンである。「メイン画面に戻る」ボタン226は、さらに、その記憶部にパラメータとして記憶された各パラメータ値を管理サーバ装置SVを介してセンサ装置SUに設定するためのボタンでもある。
【0062】
この
図12に示す例では、これら各入力設定領域221~224における前記各入力欄には、それぞれ、「Aさん」、「15fps」、「5」および「2.4m」が入力されている。被監視者名入力設定領域221の「更新」ボタンが入力操作されると、固定端末装置SPの制御処理部によって、パラメータ設定の対象が「Aさん」に設定され、固定端末装置SPの記憶部に記憶される。なお、「Aさん」を監視するセンサ装置SUあるいはそのセンサIDがパラメータ設定の対象として入力され設定されても良い。フレームレート入力設定領域222の「更新」ボタンが入力操作されると、固定端末装置SPの制御処理部によって、フレームレートが「15fps」に設定され、固定端末装置SPの記憶部に記憶される。本実施形態では、センサ装置SUは、フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、イベントの検出動作を実行するので、フレームレートを設定することによって、イベントの検出動作の実行間隔が規定される。明るさレベル入力設定領域223の「更新」ボタンが入力操作されると、固定端末装置SPの制御処理部によって、明るさレベルが「5」に設定され、固定端末装置SPの記憶部に記憶される。センサ装置SUで撮像される対象画像が暗すぎたり、明るすぎたりすると、対象画像から被監視者Obの人物領域が抽出し難くなり、人物の識別もし難くなる。明るさレベルを設定することによって、適正な露出で対象画像が生成でき、前記人物領域がより適切に抽出でき、人物の識別がより適切にできる。天井高さ入力設定領域224の「更新」ボタンが入力操作されると、固定端末装置SPの制御処理部によって、天井高さが「2.4m」に設定され、固定端末装置SPの記憶部に記憶される。センサ装置SUが基準の天井高さ(例えば2.4m等)の天井に配設された場合における前記横臥姿勢判定閾値等がデフォルト値としてセンサ装置SUに予め記憶されている。天井高さを設定することによって、デフォルト値の横臥姿勢判定閾値が補正され、この補正された横臥姿勢判定閾値が上述した前記所定の行動の検知に用いられる。天井高さを設定することによって、実際に設置されたセンサ装置SUの状況に応じて横臥姿勢判定閾値が調整できる。
【0063】
「エリア設定」ボタン225の入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、その表示部に前記第2設定画面を表示する。
【0064】
この第2設定画面23は、例えば、
図13に示すように、対象画像を表示する対象画像表示領域231と、「更新」ボタン232と、「戻る」ボタン233を備える。対象画像表示領域231には、第1設定画面22の被監視者名入力設定領域221に入力された被監視者Obの名前を持つ被監視者Ob、を監視するセンサ装置SU、のカメラ111で生成された対象画像が表示される。「更新」ボタン232は、対象画像表示領域231に表示された対象画像を参照しながらその入力部から入力された領域でパラメータの設定を要求するためのボタンである。「戻る」ボタン233は、第1設定画面22を要求するためのボタンであって、固定端末装置SPに第1設定画面22を表示させる指示を入力するためのボタンである。
【0065】
このような第2設定画面23では、第2設定画面23が表示されると、固定端末装置SPは、寝具BDの所在領域の入力を待つ。ユーザによってその入力部から寝具BDの所在領域の4頂点が入力され、「更新」ボタン232が入力操作されると、固定端末装置SPの制御処理部によって、寝具BDの所在領域の4頂点の各画素位置が入力され、その記憶部に記憶され、寝具BDの所在領域が設定される。
図13には、このユーザによって寝具BDの所在領域の4頂点が入力された様子が図示されている。
【0066】
そして、「戻る」ボタン233が入力操作されると、第1設定画面22がその表示部4に表示される。さらに、「メイン画面に戻る」ボタン226が入力操作されると、メイン画面21が表示され、この際に、固定端末装置SPは、その記憶部にパラメータとして記憶された各パラメータ値を管理サーバ装置SVを介してセンサ装置SUに送信し、センサ装置SUは、この受信した各パラメータ値を自機SUのSU記憶部16に記憶して設定する。これによって前記所定のパラメータの各値がセンサ装置SUに設定される。
【0067】
一方、上述のメイン画面21において、「サービスモード」ボタン211の入力操作を受け付けると、固定端末装置SPは、サービスモードで動作し、被監視者監視支援システムMSは、次のように動作することによって被監視者Obを監視している。
【0068】
被監視者Obの監視では、センサ装置SUは、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、次のように動作することで、被監視者Obにおける所定の動作を検知し、また、ナースコールの受付の有無を判定している。
【0069】
図3において、まず、センサ装置SUは、SU制御処理部14の睡眠状態判定部142によって、センサ部11におけるドップラセンサ112のドップラ信号に基づく被監視者Obに対する睡眠状態判定処理を実行する(S1)。より具体的には、睡眠状態判定部142は、現時点から過去へ、所定時間内、例えば1分以内に測定されたドップラ信号をSU記憶部16から取得する。続いて、睡眠状態判定部142は、この取得した1分間のドップラ信号を例えば高速フーリエ変換(FFT)する。続いて、睡眠状態判定部142は、このFFTで得られたスペクトルから、一般的な呼吸の周波数に対応する周波数帯における振幅の平均値を求める。続いて、睡眠状態判定部142は、この求めた平均値と前記睡眠度区分閾値とを比較して睡眠度を求め、この求めた睡眠度を時系列でSU記憶部16に記憶する。続いて、睡眠状態判定部142は、SU記憶部16を参照することによって、この求めた睡眠度の継続時間を求める。続いて、睡眠状態判定部142は、この求めた睡眠度の継続時間と前記信頼度区分閾値とを比較して信頼度を求める。例えば、本実施形態では、前記睡眠度区分閾値は、覚醒か睡眠かを弁別する1つの値であり、前記信頼度区分閾値は、高信頼度か低信頼度かを弁別する1つの値である。そして、睡眠状態判定部142は、その睡眠判定結果、本実施形態では、上述のように求めた睡眠度および信頼度を処理制御部144へ出力(通知)する。
【0070】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動判定部143によって、処理S1によって睡眠状態判定部142で判定された睡眠判定結果に応じた、センサ部11におけるカメラ111の対象画像に基づく被監視者Obに対する行動判定処理を実行する(S2)。より具体的には、本実施形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて、行動判定部143の第1サブ行動判定部1431における前記第1サブ行動判定処理を実行するか否か、および、行動判定部143の第2サブ行動判定部1432における前記第2サブ行動判定処理を実行するか否かを制御する。より詳しくは、本実施形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431における前記第1サブ行動判定処理を実行せず、そして、第2サブ行動判定部1432における前記第2サブ行動判定処理を実行する。すなわち、第1サブ行動判定部1431による後述の第1行動(本実施形態では入床、起床、離床、転落および転倒)を判定するための処理S21ないし処理S27は、実行されず、第2サブ行動判定部1432による後述の第2行動(本実施形態では微体動異常)を判定するための処理S28のみが実行される。一方、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431における前記第1サブ行動判定処理を実行し、そして、第2サブ行動判定部1432における前記第2サブ行動判定処理を実行しない。すなわち、第1サブ行動判定部1431による後述の第1行動を判定するための処理S21ないし処理S27は、実行され、第2サブ行動判定部1432による後述の第2行動を判定するための処理S28のみが実行されない。
【0071】
つまり、この処理S2では、まず、処理制御部144は、処理S1によって睡眠状態判定部142で判定された睡眠度および信頼度それぞれと前記睡眠判定閾値および前記信頼度判定閾値それぞれとを比較する。この比較の結果、前記睡眠度が前記睡眠判定閾値以上である場合、または、前記信頼度が前記信頼判定閾値以上である場合には、処理制御部144は、第1サブ行動判定部1431に、前記第1行動を判定するための処理S21ないし処理S27を実行させずに、第2サブ行動判定部1432に、前記第2行動を判定するための処理S28のみを実行させる。一方、前記比較の結果、前記睡眠度が前記睡眠判定閾値未満であって、かつ、前記信頼度が前記信頼判定閾値未満である場合には、処理制御部144は、第1サブ行動判定部1431に、前記第1行動を判定するための処理S21ないし処理S27を実行させ、第2サブ行動判定部1432に、前記第2行動を判定するための処理S28のみを実行させない。
【0072】
次に、このように処理S1によって睡眠状態判定部142で判定された睡眠判定結果に応じて実行か非実行かを処理制御部144が制御する処理S21ないし処理S28の各処理について説明する。
【0073】
図4において、処理S21では、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動判定部143によって、センサ部11のカメラ111から、1フレーム分の画像を対象画像として取得する。
【0074】
続いて、処理S22では、センサ装置SUは、行動判定部143の第1サブ行動判定部1431によって、処理S21で取得した対象画像から、例えば背景差分法によって人物領域を抽出する。なお、第1サブ行動判定部1431は、処理S21で取得した対象画像から、例えばフレーム差分法によって動体領域を人物領域として抽出しても良い。
【0075】
続いて、処理S23では、センサ装置SUは、第1サブ行動判定部1431によって、この抽出した人物領域に基づく転落判定処理を実行する。
【0076】
より具体的には、この転落判定処理では、
図5において、まず、第1サブ行動判定部1431は、処理S22で抽出した人物領域に基づいて転落の判定条件を満たすか否かを判定する(S231)。より詳しくは、第1サブ行動判定部142は、今回、処理S22で対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、前記頭部領域の大きさの変化速度が転落判定速度閾値以上であって、前記人物領域が前記寝具BDの所在領域の周囲に設定された転落判定領域内に在る場合に、転落有りと判定し(Yes)、次に、処理S232を実行し、これを除く他の場合に、転落無しと判定し(No)、本転落判定処理を終了する。ここで、頭部領域の抽出は、前記人物領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデル(テンプレート)を用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部抽出用に学習したニューラルネットワークによって、抽出される。前記処理S232では、第1サブ行動判定部1431は、転落発生を決定して転落有りを表す転落有り情報(例えば転落の有無を表す転落フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶し、本転落判定処理を終了する。
【0077】
図4に戻って、上記処理S23に続く処理S24では、センサ装置SUは、第1サブ行動判定部1431によって、この抽出した人物領域に基づく転倒判定処理を実行する。
【0078】
より具体的には、この転倒判定処理では、
図6において、まず、第1サブ行動判定部1431は、処理S22で抽出した人物領域に基づいて転倒の判定条件を満たすか否かを判定する(S241)。より詳しくは、第1サブ行動判定部142は、今回、処理S22で対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、前記頭部領域の大きさの変化速度が転倒判定速度閾値以上であって、前記人物領域が前記寝具BDの所在領域および前記転落判定領域を除く領域に在る場合に、転倒有りと判定し(Yes)、次に、処理S242を実行し、これを除く他の場合に、転倒無しと判定し(No)、本転倒判定処理を終了する。前記処理S242では、第1サブ行動判定部1431は、転倒発生を決定して転倒有りを表す転倒有り情報(例えば転倒の有無を表す転倒フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶し、本転倒判定処理を終了する。
【0079】
図4に戻って、上記処理S24に続く処理S25では、センサ装置SUは、第1サブ行動判定部1431によって、この抽出した人物領域に基づく入床判定処理を実行する。
【0080】
より具体的には、この入床判定処理では、
図7において、まず、第1サブ行動判定部1431は、状態変数(前回の状態変数)が何であるか否かを判定する(S251)。この判定の結果、状態変数が「離床」ではない場合(No)には、第1サブ行動判定部1431は、本入床判定処理を終了する。一方、前記判定の結果、状態変数が「離床」である場合(Yes)には、第1サブ行動判定部1431は、次に、処理S252を実行する。この処理S252では、第1サブ行動判定部1431は、処理S22で抽出した人物領域に基づいて入床の判定条件を満たすか否かを判定する。より詳しくは、第1サブ行動判定部1431は、今回、処理S22で対象画像から抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域に完全に重なる場合(前記人物領域が完全に前記寝具BDの所在領域内となる場合)、入床と仮判定し、その完全重畳状態の継続時間が入床継続判定時間を超えて継続している場合に、入床有りと最終的に判定し(Yes)、次に、処理S253を実行し、これを除く他の場合に、入床無しと判定し(No)、本入床判定処理を終了する。前記処理S253では、第1サブ行動判定部1431は、入床発生を決定して入床有りを表す入床有り情報(例えば入床の有無を表す入床フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶する。続いて、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「入床」で更新し(状態変数←「入床」)(S254)、本入床判定処理を終了する。
【0081】
図4に戻って、上記処理S25に続く処理S26では、センサ装置SUは、第1サブ行動判定部1431によって、この抽出した人物領域に基づく起床判定処理を実行する。
【0082】
より具体的には、この起床判定処理では、
図8において、まず、第1サブ行動判定部1431は、状態変数(前回の状態変数)が何であるか否かを判定する(S261)。この判定の結果、状態変数が「入床」ではない場合(No)には、第1サブ行動判定部1431は、本起床判定処理を終了する。一方、前記判定の結果、状態変数が「入床」である場合(Yes)には、第1サブ行動判定部1431は、次に、処理S262を実行する。この処理S262では、第1サブ行動判定部1431は、処理S22で抽出した人物領域に基づいて起床の判定条件を満たすか否かを判定する。より詳しくは、第1サブ行動判定部1431は、今回、処理S22で対象画像から抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域からはみ出しているはみ出し領域が起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である場合、起床と仮判定し、その起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である状態のはみ出し領域の継続時間が起床継続判定時間を超えている場合に、起床有りと最終的に判定し(Yes)、次に、処理S263を実行し、これを除く他の場合に、起床無しと判定し(No)、本起床判定処理を終了する。前記処理S263では、第1サブ行動判定部1431は、起床発生を決定して起床有りを表す起床有り情報(例えば起床の有無を表す起床フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶する。続いて、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「起床」で更新し(状態変数←「起床」)(S264)、本転倒判定処理を終了する。
【0083】
図4に戻って、上記処理S26に続く処理S27では、センサ装置SUは、第1サブ行動判定部1431によって、この抽出した人物領域に基づく離床判定処理を実行する。
【0084】
より具体的には、この離床判定処理では、
図9において、まず、第1サブ行動判定部1431は、状態変数(前回の状態変数)が何であるか否かを判定する(S271)。この判定の結果、状態変数が「入床」でも「起床」でもない場合(No)には、第1サブ行動判定部1431は、本離床判定処理を終了する。一方、前記判定の結果、状態変数が「入床」および「起床」のうちのいずれかである場合(Yes)には、第1サブ行動判定部1431は、次に、処理S272を実行する。この処理S272では、第1サブ行動判定部1431は、処理S22で抽出した人物領域に基づいて離床の判定条件を満たすか否かを判定する。より詳しくは、第1サブ行動判定部1431は、今回、処理S22で対象画像から抽出した人物領域が前記寝具BDの所在領域からはみ出しているはみ出し領域が離床判定閾値以上である場合、離床と仮判定し、その離床判定閾値以上である状態のはみ出し領域の継続時間が離床継続判定時間を超えている場合に、離床有りと最終的に判定し(Yes)、次に、処理S273を実行し、これを除く他の場合に、離床無しと判定し(No)、本離床判定処理を終了する。前記処理S273では、第1サブ行動判定部1431は、離床発生を決定して離床有りを表す離床有り情報(例えば離床の有無を表す離床フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶する。続いて、第1サブ行動判定部1431は、前記状態変数を「離床」で更新し(状態変数←「離床」)(S274)、本転倒判定処理を終了する。
【0085】
図4に戻って、上記処理S27に続く処理S28では、センサ装置SUは、行動判定部143の第2サブ行動判定部1432によって、センサ部11におけるドップラセンサ112のドップラ信号に基づく微体動異常判定処理を実行する。
【0086】
より具体的には、この微体動異常判定処理では、
図10において、まず、第2サブ行動判定部1432は、ドップラセンサ112のドップラ信号に基づいて微体動異常の判定条件を満たすか否かを判定する(S281)。より詳しくは、第2サブ行動判定部142は、まず、現時点から過去へ、所定時間内、例えば1分以内に測定されたドップラ信号をSU記憶部16から取得する。続いて、睡眠状態判定部142は、この取得した1分間のドップラ信号を例えば高速フーリエ変換(FFT)する。続いて、第2サブ行動判定部142は、このFFTで得られたスペクトルから、一般的な呼吸の周波数に対応する周波数帯における振幅の平均値を求める。続いて、第2サブ行動判定部142は、この求めた平均値と前記微体動異常判定閾値とを比較し、前記求めた平均値が前記微体動異常判定閾値以下である場合、微体動異常と仮判定し、前記平均値が前記微体動異常判定閾値以下である状態の継続時間が微体動異常継続判定時間を超えて継続している場合に、微体動異常有りと最終的に判定し(Yes)、次に、処理S282を実行し、これを除く他の場合に、微体動異常無しと判定し(No)、本微体動異常判定処理を終了する。前記処理S282では、第2サブ行動判定部1432は、微体動異常発生を決定して微体動異常有りを表す微体動異常有り情報(例えば微体動異常の有無を表す微体動異常フラグが「0」から「1」へ変更される)をSU記憶部16に記憶し、本微体動異常判定処理を終了する。
【0087】
以上のような処理S21ないし処理S28の各処理に対する実行か非実行かが、上述したように、処理制御部144によって、前記処理S1によって睡眠状態判定部142で判定された睡眠判定結果に応じて制御される。
【0088】
図3に戻って、次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14によって、所定のイベントの通知が必要か否かを判定する(S3)。より具体的には、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動判定部143によって、SU記憶部16に、例えば前記転落有り情報や前記転倒有り情報等の、所定の行動を判定した結果を記憶しているか否かを判定し、前記所定の行動を判定した結果がSU記憶部16に記憶されている場合には、行動判定部143は、通知が必要と判定し(Yes)、次に、処理S4を実行した後に、今回の本処理を終了し、一方、前記所定の行動を判定した結果がSU記憶部16に記憶されていない場合には、行動判定部143は、通知が不要と判定し(No)、今回の本処理を終了する。
【0089】
この処理S4では、センサ装置SUは、行動判定部143によって、その判定した所定の行動を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、前記イベント情報として判定した前記所定の行動を収容した、前記所定の行動の検知にかかる第1イベント通知通信信号を、管理サーバ装置SVへ送信する。一具体例では、SU記憶部16に起床有り情報が記憶されている場合には、行動判定部143は、自機のセンサID、イベント情報としての「起床」、前記起床の判定の際に用いられた対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0090】
そして、上述のように処理S1ないし処理S4の各処理を実行している間に、センサ装置SUは、SU制御処理部14のナースコール処理部145によって、ナースコールを受け付けているか否かを判定し、ナースコールを受け付けると、そのナースコールの受付を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、前記イベント情報として前記受け付けたナースコールを収容した、前記ナースコールの受付にかかる第1イベント通知通信信号を、管理サーバ装置SVへ送信する。
【0091】
管理サーバ装置SVは、第1イベント通知通信信号をネットワークNWを介してセンサ装置SUから受信すると、この第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶(記録)する。すなわち、管理サーバ装置SVは、第1イベント通知通信信号に収容された、センサIDとイベント情報等の各情報と互いに対応付けて記憶する。そして、管理サーバ装置SVは、前記受信した第1イベント通知通信信号における送信元(通知元)のセンサ装置SUに対応する通知先の端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号を送信する。
【0092】
固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAは、前記第2イベント通知通信信号をネットワークNWを介して管理サーバ装置SVから受信すると、この第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶(記録)し、前記監視情報を表示する。例えば、センサ装置SUが所定のイベントの検知動作を繰り返し実行しているが前記所定のイベントを検知していない場合では、端末装置SP、TA、例えば、固定端末装置SPには、
図14Aに示す監視情報画面31aが表示され、センサ装置SUが所定のイベントを検知し第2イベント通知通信信号によって前記検知した所定のイベントが通知された場合では、固定端末装置SPには、
図14Bに示す監視情報画面31bが表示される。
図14Aに示す監視情報画面31aは、センサ装置SUで撮像された画像を表示する監視画像表示領域311を備える。
図14Bに示す監視情報画面31bは、センサ装置SUで検知したイベントの種類を表示するイベント表示領域312をさらに備える。
図14Bに示す例では、監視画像表示領域311に重畳して「離床検知」のメッセージを表示したイベント表示領域312が図示されている。
【0093】
例えば、被監視者が睡眠状態であれば、例えば入床、離床および転倒等の行動は、生じ得ず、行動判定部143がこのような睡眠状態では生じ得ない行動を判定した場合、それは、誤判定である蓋然性が高い。本実施形態における被監視者監視支援システムMS、ならびに、センサ装置SUに組み込まれた行動検知装置および行動検知方法は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御するので、誤判定をより低減できる。
【0094】
上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、前記所定の行動を、睡眠状態で生じ得ない第1グループに属する第1行動(本実施形態では、入床、起床、離床、転落および転倒)と、睡眠状態で生じ得る第2グループに属する第2行動(本実施形態では微体動異常)とに分けることが可能となるので、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143をより適切に制御でき、誤判定をより低減できる。
【0095】
上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のみを実行したり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のみを実行したり等するように、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0096】
なお、上述の実施形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431に第1サブ行動判定処理を実行させず、そして、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定処理を実行させ、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431に第1サブ行動判定処理を実行させ、そして、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定処理を実行させたが、以下の各変形形態のように、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御しても良い。
【0097】
第1変形形態では、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定処理の実行の有無にかかわらず、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第2サブ行動判定部1432のみを制御対象とし、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定処理を実行させる。第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定処理の実行の有無にかかわらず、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第2サブ行動判定部1432のみを制御対象とし、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定処理を実行させない。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理を実行するか否かを制御せずに、処理S28を実行するか否かを睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて制御する。これによって睡眠状態で生じ得る行動のみを判定するように、行動判定部143が制御され、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、誤判定をより低減できる。
【0098】
第2変形形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果の出力を行うか否か、および、第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果の出力を行うか否かを制御する。第2変形形態では、第1および第2サブ行動判定処理それぞれは、実行されるものの、その結果の出力を制御することで、その実行の制御によって得られる効果と同等の効果が得られる。より具体的には、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブ行動判定結果の出力を行わせず、そして、第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定結果の出力を行わせる。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理において、第1サブ行動判定部1431が前記所定の行動を判定しても、第1サブ行動判定部1431に、例えば前記転落有り情報や前記転倒有り情報等の、前記所定の行動を判定した結果をSU記憶部16に記憶させず、
図4を用いて説明した上述の処理S28において、第2サブ行動判定部1432が前記所定の行動を判定した場合に、第2サブ行動判定部1432に、例えば前記微体動異常有り情報の、前記所定の行動を判定した結果をSU記憶部16に記憶させる。処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431に第1サブ行動判定結果の出力を行わせ、そして、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定結果の出力を行わせない。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理において、第1サブ行動判定部1431が前記所定の行動を判定した場合、第1サブ行動判定部1431に、例えば前記転落有り情報や前記転倒有り情報等の、前記所定の行動を判定した結果をSU記憶部16に記憶させ、
図4を用いて説明した上述の処理S28において、第2サブ行動判定部1432が前記所定の行動を判定しても、第2サブ行動判定部1432に、例えば前記微体動異常有り情報の、前記所定の行動を判定した結果をSU記憶部16に記憶させない。
【0099】
あるいは、この第2変形形態において、第1サブ行動判定部1431の第1サブ行動判定結果の出力の有無にかかわらず、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第2サブ行動判定部1432のみを制御対象とし、第2サブ行動判定部1432に第2サブ行動判定結果の出力を行わせる。処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第2サブ行動判定部1432のみを制御対象とし、第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果の出力を行わせない。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理における第1サブ行動判定結果を出力するか否かを制御せずに、処理S28における第2サブ行動判定結果を出力するか否かを睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて制御する。
【0100】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果のみを出力したり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果のみを出力したり等するように、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0101】
第3変形形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果を第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果で補助するか否かを制御する。より具体的には、例えば、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果を第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果で補助し、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果を第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果で補助しない。より詳しくは、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果を第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果に書き換える。すなわち、第1サブ行動判定結果にかかわらず、第2サブ行動判定結果のみが有効となる。あるいは、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431における第1サブ行動判定結果に第2サブ行動判定部1432における第2サブ行動判定結果を追記する。すなわち、第1サブ行動判定結果に、第2サブ行動判定結果が添えられ、第1イベント通知通信信号には、前記イベント情報として、判定した第1行動および第2行動が収容される。
【0102】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果を、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果で補助すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0103】
第4変形形態では、前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを判定する処理であり、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて第1サブ行動判定部1431が実行する第1サブ行動判定処理における第1行動判定閾値を変更する。より具体的には、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1行動判定閾値を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第1行動であると判定され易い値に、前記第1行動判定閾値を変更する。上述の実施形態では、前記起床判定閾値、前記離床判定閾値、前記横臥姿勢判定閾値、前記転落判定速度閾値および前記転倒判定速度閾値は、それぞれ、前記第1行動判定閾値の一例に相当し、これら前記起床判定閾値、前記離床判定閾値、前記横臥姿勢判定閾値、前記転落判定速度閾値および前記転倒判定速度閾値のうちの1または複数が、処理制御部144によって、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて変更される。
【0104】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理の行動判定閾値を、前記行動であると実質的に判定できない値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0105】
第5変形形態では、前記第2サブ行動判定処理は、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを判定する処理であり、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて第2サブ行動判定部1432が実行する第2サブ行動判定処理における第2行動判定閾値を変更する。より具体的には、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第2行動であると判定され難い値に、前記第2行動判定閾値を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2行動判定閾値を変更する。上述の実施形態では、前記微体動異常判定閾値は、前記第2行動判定閾値の一例に相当し、この前記微体動異常判定閾値が、処理制御部144によって、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて変更される。
【0106】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理の行動判定閾値を、前記行動であると判定され易い値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0107】
第6変形形態では、前記第1サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第1行動であると、予め設定された第1継続判定時間、継続している場合に、前記第1行動であると最終的に判定する処理であり、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて第1サブ行動判定部1431が実行する第1サブ行動判定処理における第1継続判定時間を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1継続判定時間を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第1行動であると判定され易い値に、前記第1継続判定時間を変更する。上述の実施形態では、前記入床継続判定時間、前記起床継続判定時間および前記離床継続判定時間は、それぞれ、前記第1継続判定時間の一例に相当し、これら前記入床継続判定時間、前記起床継続判定時間および前記離床継続判定時間のうちの1または複数が、処理制御部144によって、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて変更される。
【0108】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理の継続判定時間を、前記行動であると実質的に判定できない値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0109】
第7変形形態では、前記第2サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第2行動であると、予め設定された第2継続判定時間、継続している場合に、前記第2行動であると最終的に判定する処理であり、処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて前記第2サブ行動判定部が実行する第2サブ行動判定処理における第2継続判定時間を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2継続判定時間を変更する。処理制御部144は、前記制御として、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第2行動であると判定され難い値に、前記第2継続判定時間を変更する。上述の実施形態では、前記微体動異常継続判定時間は、前記第2継続判定時間の一例に相当し、この前記微体動異常継続判定時間が、処理制御部144によって、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて変更される。
【0110】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理の継続判定時間を、前記行動であると判定され易い値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0111】
第8変形形態では、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果を使用させるか否か、および、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果を使用させるか否かを制御する。上述の実施形態や第1変形形態では、行動判定部143における行動判定処理の実行が制御され、第2変形形態では、行動判定部143における行動判定結果の出力が制御されたが、この第8変形形態では、行動判定部143の入力を制御することで、その実行の制御やその出力の制御によって得られる効果と同等の効果が得られる。より具体的には、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果(上述の実施形態ではセンサ部11のカメラ111で生成された対象画像)を使用させ、そして、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果(上述の実施形態ではセンサ部11のドップラセンサ112で生成されSU記憶部16に記憶されたドップラ信号)を使用させる。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理において、第1サブ行動判定部1431にカメラ111で生成された対象画像を使用させ、処理S28において、第2サブ行動判定部1432にドップラセンサ112で生成されSU記憶部16に記憶されたドップラ信号を使用させる。処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果(上述では対象画像)を使用させ、そして、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果(上述ではドップラ信号)を使用させない。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理において、第1サブ行動判定部1431にカメラ111で生成された対象画像を使用させ、処理S28において、第2サブ行動判定部1432にドップラセンサ112で生成されSU記憶部16に記憶されたドップラ信号を使用させない。すなわち、処理S28が実行されない。処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、第1サブ行動判定部1431に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果(上述では対象画像)を使用させず、そして、第2サブ行動判定部1432に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果(上述ではドップラ信号)を使用させる。一例では、処理制御部144は、
図4を用いて説明した上述の処理S21ないし処理S27の各処理において、第1サブ行動判定部1431にカメラ111で生成された対象画像を使用させず、処理S28において、第2サブ行動判定部1432にドップラセンサ112で生成されSU記憶部16に記憶されたドップラ信号を使用させる。すなわち、処理S21ないし処理S27の各処理が実行されない。
【0112】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定部にサブ測定結果を使用させなかったり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定部にサブ測定結果を使用させたり等するように、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0113】
第9変形形態では、前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果および過去の第1サブ行動判定結果に基づいて、今回、第1行動であるか否かを判定する処理であり、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて今回の第1サブ行動判定結果を予め設定された規定値に強制的に変更する。上述の実施形態では、前記状態変数が過去の第1サブ行動判定結果の一例に相当する。例えば、処理制御部144は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記状態変数を「入床」で強制的に更新する。このため、起床が誤判定されても、再度、起床が判定できるようになり、誤判定をより低減できる。
【0114】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて今回の第1サブ行動判定結果を予め設定された規定値に強制的に変更するので、次回の第1サブ行動判定処理をより適切に処理でき、誤判定をより低減できる。
【0115】
第10変形形態では、
図2に破線で示すように、センサ装置SUは、年月日時分を計時する時計部147を、SU制御処理部14に機能的にさらに備え、少なくとも睡眠の時間帯を含む被監視者Obのスケジュール、を表すスケジュール情報を被監視者Obに対応付けて記憶するスケジュール情報記憶部161を、SU記憶部16にさらにを備え、処理制御部144は、時計部147から現在の時刻を取得し、この取得した現在の時刻に対応する被監視者Obのスケジュールをスケジュール情報記憶部161から抽出し、この抽出した被監視者Obのスケジュールおよび睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御する。例えば、現在の時刻に対応する被監視者Obのスケジュールが睡眠の時間帯であれば、処理制御部144は、例えば、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1行動判定閾値を変更したり、また例えば、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2行動判定閾値を変更したり、また例えば、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1継続判定時間を変更したり、また例えば、睡眠状態判定部142の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2継続判定時間を変更したり等する。
【0116】
これによれば、上記被監視者監視支援システムMS、上記行動検知装置および上記行動検知方法は、被監視者Obのスケジュールおよび睡眠状態判定部142の睡眠判定結果に応じて行動判定部143を制御するので、被監視者Obのスケジュールを勘案でき、誤判定をより低減できる。
【0117】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0118】
一態様にかかる行動検知装置は、被監視者を測定する第1および第2センサと、前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定部と、前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動を判定する行動判定部と、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御する処理制御部とを備える。
【0119】
例えば、被監視者が睡眠状態であれば、例えば入床、離床および転倒等の行動は、生じ得ず、行動判定部がこのような睡眠状態では生じ得ない行動を判定した場合、それは、誤判定である蓋然性が高い。上記行動検知装置は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御するので、誤判定をより低減できる。
【0120】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第2センサは、被監視者を測定する第1および第2サブセンサを含み、前記行動判定部は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、第1グループに属する第1行動を判定する第1サブ行動判定処理を実行する第1サブ行動判定部と、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する第2サブ行動判定部とを含み、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1および第2サブ行動判定部のうちの少なくともいずれかを制御する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記第1行動は、被監視者が寝具に入った入床、被監視者が起きた起床、被監視者が寝具から離れた離床、被監視者が寝具から落ちた転落、および、被監視者が寝具外で倒れた転倒を含む。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記第2行動は、被監視者の呼吸による微体動の異常である微体動異常を含む。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記第1センサおよび第2サブセンサは、兼用の1つのドップラセンサであり、前記睡眠状態判定部は、前記ドップラセンサのドップラ信号に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定処理を実行し、前記第2サブ行動判定部は、前記ドップラセンサのドップラ信号に基づいて前記被監視者における所定の行動のうち、前記第1グループと異なる第2グループに属する第2行動を判定する第2サブ行動判定処理を実行する。
【0121】
このような行動検知装置は、前記所定の行動を、睡眠状態で生じ得ない第1グループに属する第1行動と、睡眠状態で生じ得る第2グループに属する第2行動とに分けることが可能となるので、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部をより適切に制御でき、誤判定をより低減できる。
【0122】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて、前記第1サブ行動判定部における前記第1サブ行動判定処理を実行するか否か、および、前記第2サブ行動判定部における前記第2サブ行動判定処理を実行するか否かを制御する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記睡眠状態判定部は、前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠の深さの度合いを表す睡眠度および前記睡眠度に対する信頼性の度合いを表す信頼度を求める。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブ行動判定処理を実行させず、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定処理を実行させる。前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合とは、前記睡眠度が予め設定された所定の睡眠判定閾値以上である場合、または、前記信頼度が予め設定された所定の信頼判定閾値以上である場合である。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブ行動判定処理を実行させ、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定処理を実行させない。前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合とは、前記睡眠度が予め設定された所定の睡眠判定閾値未満であって、かつ、前記信頼度が予め設定された所定の信頼判定閾値未満である場合である。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第2サブ行動判定部のみを制御対象とし、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定処理を実行させる。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第2サブ行動判定部のみを制御対象とし、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定処理を実行させない。
【0123】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のみを実行したり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のみを実行したり等するように、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0124】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて、前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果の出力を行うか否か、および、前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果の出力を行うか否かを制御する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブ行動判定結果の出力を行わせず、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定結果の出力を行わせる。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブ行動判定結果の出力を行わせ、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定結果の出力を行わせない。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第2サブ行動判定部のみを制御対象とし、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定結果の出力を行わせる。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第2サブ行動判定部のみを制御対象とし、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブ行動判定結果の出力を行わせない。
【0125】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果のみを出力したり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果のみを出力したり等するように、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0126】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果で補助するか否かを制御する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果で補助し、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果で補助しない。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果を前記第2サブ行動判定部における第2サブ行動判定結果に書き換える。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部における第1サブ行動判定結果に前記第2サブ行動判定部における前記第2サブ行動判定結果を追記する。
【0127】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果を、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理のサブ行動判定結果で補助すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0128】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを判定する処理であり、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部が実行する第1サブ行動判定処理における第1行動判定閾値を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1行動判定閾値を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第1行動であると判定され易い値に、前記第1行動判定閾値を変更する。
【0129】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理の行動判定閾値を、前記行動であると実質的に判定できない値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0130】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第2サブ行動判定処理は、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを判定する処理であり、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第2サブ行動判定部が実行する第2サブ行動判定処理における第2行動判定閾値を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第2行動であると判定され難い値に、前記第2行動判定閾値を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2行動判定閾値を変更する。
【0131】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理の行動判定閾値を、前記行動であると判定され易い値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0132】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第1サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果と、前記第1行動に対応付けられた、予め設定された第1行動判定閾値とを比較することによって前記第1行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第1行動であると、予め設定された第1継続判定時間、継続している場合に、前記第1行動であると最終的に判定する処理であり、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第1サブ行動判定部が実行する第1サブ行動判定処理における第1継続判定時間を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第1行動であると判定され難い値に、前記第1継続判定時間を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第1行動であると判定され易い値に、前記第1継続判定時間を変更する。
【0133】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定処理の継続判定時間を、前記行動であると実質的に判定できない値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0134】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第2サブ行動判定処理は、予め設定された所定の時間間隔で、前記第2サブセンサの第2サブ測定結果と、前記第2行動に対応付けられた、予め設定された第2行動判定閾値とを比較することによって前記第2行動であるか否かを仮に判定し、前記仮に判定した仮判定結果が前記第2行動であると、予め設定された第2継続判定時間、継続している場合に、前記第2行動であると最終的に判定する処理であり、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記第2サブ行動判定部が実行する第2サブ行動判定処理における第2継続判定時間を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合に比し前記第2行動であると判定され易い値に、前記第2継続判定時間を変更する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記制御として、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合に比し前記第2行動であると判定され難い値に、前記第2継続判定時間を変更する。
【0135】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態の場合に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定処理の継続判定時間を、前記行動であると判定され易い値に変更すること等が可能となるので、誤判定をより低減できる。
【0136】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果を使用させるか否か、および、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果を使用させるか否かを制御する。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果を使用させ、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果を使用させる。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度が共に低い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果を使用させ、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果を使用させない。好ましくは、上述の行動検知装置において、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果が前記睡眠度および前記信頼度のうちのいずれかが高い場合には、前記第1サブ行動判定部に前記第1サブセンサの第1サブ測定結果を使用させず、そして、前記第2サブ行動判定部に前記第2サブセンサの第2サブ測定結果を使用させる。
【0137】
このような行動検知装置は、例えば、睡眠状態で生じ得ない行動を判定するサブ行動判定部にサブ測定結果を使用させなかったり、逆に、睡眠状態で生じ得る行動を判定するサブ行動判定部にサブ測定結果を使用させたり等するように、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御することで、誤判定をより低減できる。
【0138】
他の一態様では、上述の行動検知装置において、前記第1サブ行動判定処理は、前記第1サブセンサの第1サブ測定結果および過去の第1サブ行動判定結果に基づいて、今回、第1行動であるか否かを判定する処理であり、前記処理制御部は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて今回の第1サブ行動判定結果を予め設定された規定値に強制的に変更する。
【0139】
このような行動検知装置は、前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて今回の第1サブ行動判定結果を予め設定された規定値に強制的に変更するので、次回の第1サブ行動判定処理をより適切に処理でき、誤判定をより低減できる。
【0140】
他の一態様では、これら上述の行動検知装置において、年月日時分を計時する時計部と、少なくとも睡眠の時間帯を含む前記被監視者のスケジュール、を表すスケジュール情報を前記被監視者に対応付けて記憶するスケジュール情報記憶部とを備え、前記処理制御部は、前記時計部から現在の時刻を取得し、前記取得した現在の時刻に対応する前記被監視者のスケジュールを前記スケジュール情報記憶部から抽出し、前記抽出した前記被監視者のスケジュールおよび前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御する。
【0141】
このような行動検知装置は、前記被監視者のスケジュールおよび前記睡眠状態判定部の睡眠判定結果に応じて前記行動判定部を制御するので、被監視者のスケジュールを勘案でき、誤判定をより低減できる。
【0142】
他の一態様にかかる行動検知方法は、第1および第2センサそれぞれで被監視者を測定する測定工程と、前記第1センサの第1測定結果に基づいて前記被監視者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定工程と、前記第2センサの第2測定結果に基づいて前記被監視者における所定の行動を判定する行動判定工程と、前記睡眠状態判定工程の睡眠判定結果に応じて前記行動判定工程を制御する処理制御工程とを備える。
【0143】
このような行動検知方法は、前記睡眠状態判定工程の睡眠判定結果に応じて前記行動判定工程を制御するので、誤判定をより低減できる。
【0144】
他の一態様にかかる被監視者監視支援システムは、被監視者に対応して設けられ、前記被監視者における所定の行動を検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され前記センサ装置から受信した検知結果を管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記検知結果を受信して表示する端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、前記センサ装置は、これら上述のいずれかの行動検知装置を含む。
【0145】
これによれば、これら上述のいずれかの行動検知装置を用いた被監視者監視支援システムが提供できる。このような被監視者監視支援システムは、これら上述のいずれかの行動検知装置を用いるので、誤判定をより低減できる。
【0146】
この出願は、2017年8月10日に出願された日本国特許出願特願2017-155073を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0147】
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
【0148】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明によれば、監視対象である被監視者における所定の行動を検知する行動検知装置および行動検知方法ならびにこの行動検知装置を用いた被監視者監視支援システムが提供できる。