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特許7137165材料のウェブまたはシートを切削するための切削工具および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】材料のウェブまたはシートを切削するための切削工具および方法
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/14 20060101AFI20220907BHJP
   B26F 1/08 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
B26F1/14 E
B26F1/08 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018560144
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2017061617
(87)【国際公開番号】W WO2017198621
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】16169774.3
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ガボール・ベンケ
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-297397(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01303838(GB,A)
【文献】特開平08-025297(JP,A)
【文献】米国特許第05809858(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0166733(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/14
B26F 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動食用の容器を形成するためのコア材料層(10)にキャップ、クロージャ-、又はストロー用の貫通穴を設けるための切削工具(100)であって、
前記コア材料層(10)を突き通すように構成され、前記コア材料層(10)にキャップ、クロージャ-、又はストロー用の貫通穴を設けるための切れ刃(112)を有する切削ナイフ(110)と、
前記切削ナイフ(110)が取り付けられる支持構造(120)であって、少なくとも部分的に弾性材料によって形成される支持構造(120)と、を備え、
前記支持構造(120)は、弾性部材(122)と剛性支持プレート(124)とを含み、前記弾性部材(122)は、硬化ゴムで作られており、前記剛性支持プレート(124)と前記切削ナイフ(110)との間に配置される、
切削工具(100)。
【請求項2】
前記切削ナイフ(110)は、前記切れ刃(112)が延在する剛性ベース部材(114)を含む、請求項1に記載の切削工具(100)。
【請求項3】
前記切れ刃(112)は、閉鎖経路に沿って延在する、請求項1又は2に記載の切削工具(100)。
【請求項4】
前記閉鎖経路は、円形状を有する、請求項3に記載の切削工具(100)。
【請求項5】
切削デバイス(150)であって、ローラー(152)と、前記ローラー(152)の外周に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの切削工具(100)とを含む切削デバイス(150)。
【請求項6】
複数の切削工具(100)は、前記ローラー(152)の前記外周に沿って配置される、請求項5に記載の切削デバイス(150)。
【請求項7】
切削システム(200)であって、請求項1~4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの切削工具(100)と、使用中にコア材料層(10)を支持し、かつ前記少なくとも1つの切削工具(100)に係合するためのアンビル(220)とを含む切削システム(200)。
【請求項8】
前記アンビル(220)は、剛性材料によって形成される、請求項7に記載の切削システム(200)。
【請求項9】
前記アンビル(220)は、アンビルローラー(230)の一部を形成し、前記切削工具(100)は、請求項5または6に記載の切削デバイス(150)の一部を形成する、請求項7または8に記載の切削システム(200)。
【請求項10】
前記アンビルローラー(230)の円周に沿って配置された複数の切削デバイス(150)を含む、請求項9に記載の切削システム(200)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの切削デバイス(150)は、前記アンビルローラー(230)に対して半径方向に可動である、請求項9または10に記載の切削システム(200)。
【請求項12】
流動食用の容器を形成するためのコア材料層にキャップ、クロージャ-、又はストロー用の貫通穴を設けるための方法であって、
コア材料層を剛性アンビルの支持面上に配置し、
切削工具の円周方向切れ刃を、前記コア材料層が切削されると同時に前記切削工具の支持構造が変形されるように前記コア材料層に押し付け、前記コア材料層にキャップ、クロージャ-、又はストロー用の貫通穴を設け、前記支持構造は、弾性部材と剛性支持プレートとを含み、前記弾性部材は、硬化ゴムで作られており、前記剛性支持プレートと前記切削工具との間に配置され、前記剛性支持プレートは切削ローラーのコアシリンダを形成する、
方法。
【請求項13】
流動食用の容器を形成するための包装材料を提供するための方法であって、
コア材料層を準備し、
請求項12に記載の方法を実施することにより、前記コア材料層に少なくとも1つの貫通穴を設け、
前記切削されたコア材料層に少なくとも1つのポリマー層を設ける、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に包装材料などの材料のウェブまたはシートにおける切削準備特徴部の分野、特にそのような包装材料のための切削工具および切削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流動食を包み込みかつ保存するための容器などの製品容器を形成するために、板紙ベースの包装材料を使用することが一般に知られている。
【0003】
例えば、食品の安全性および完全性に関して必要とされる最終的なパッケージの品質を確保するために、包装材料は、異なる層を含み得る。例として、積層包装材料は、板紙であって、少なくとも1つの第1プラスチック層が、最終的なパッケージの外面を構成するその一方側に施され、および1つまたは複数の第2プラスチック組成物または層が反対側または内側に施された板紙を含み得る。第2プラスチック組成物は、場合によりアルミニウム箔などの保護層へ積層され得、積層材料は、したがって、通常、最終的なパッケージに含まれることを意図された製品に接触する内側に外側または遠位層も含む。
【0004】
最終的なパッケージにキャップまたはクロージャーが設けられる場合、包装材料に対する調整が行われる必要がある。任意の追加的な層が板紙に施される前に、板紙は、その目的のための穴を組み込むことにより、キャップが後に施されることに対して適合されることが既知である。穴を作ることを必要とする別の用途は、例えば、ストロー穴を有する包装である。
【0005】
そのような穴は、通常、積層に先立って、すなわち何らかのポリマー層が最終的な包装材料を形成するために追加される前に板紙に切り込まれる。切削プロセスは、切削工具、例えば打抜きナイフを嵌め合いアンビルに逆らって動くように作動させることによって実施される。作動中、切削される板紙は、雄型工具を形成する打抜きナイフと、雌型工具を形成する嵌め合いアンビルとの間に位置付けられる。
【0006】
高精度な切削を達成するために、雄型工具および雌型工具を完璧に整列させて配置することが最も重要である。工具間に何らかのオフセットがあると、穴が適切に切削されず、または雄および/もしくは雌型工具が損傷を受けることになる。
【0007】
包装材料の製造は、400メートル毎分を遥かに超える極めて高速で作動する。工具間に何らかの不整合がある場合、誤差が時間内に検出されないと莫大な量の包装材料が浪費されることが容易に理解される。
【0008】
材料の浪費のリスクを減少させ、かつ穴切削プロセス全体の費用効率性を向上させるため、必要とされる工具の校正および整列を達成するのに丸1日超を費やすことは珍しいことではない。
【0009】
これを考慮して、先行技術の欠点を少なくとも部分的に克服するために、より効率的でありかつより敏感でない切削工具を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1態様によると、コア材料層に穴を設けるための切削工具が提供される。切削工具は、コア材料層を突き通すように構成された切れ刃を有する切削ナイフと、切削ナイフが取り付けられる支持構造であって、少なくとも部分的に弾性材料によって形成される支持構造とを含む。
【0012】
実施形態において、切削ナイフは、剛性ベース部材であって、それから切れ刃が延在する、剛性ベース部材を含む。これは、切れ刃が剛性ベース部材と同じ材料で形成され得るため、切削ナイフの製造を円滑にする。
【0013】
支持構造は、弾性部材と剛性支持プレートとを含み得、前記弾性部材は、剛性支持プレートと切削ナイフとの間に配置される。これは、切削ナイフ全体が弾性的に支持され得るという点で有利である。
【0014】
実施形態において、切れ刃は、閉鎖経路に沿って延在し、この閉鎖経路は、円形状を有し得る。したがって、切削工具は、穴、例えば円形の開口穴を包装材料に設けるために特に有利であり得る。
【0015】
第2態様によると、切削デバイスが提供される。切削デバイスは、ローラーと、前記ローラーの外周に配置されている、第1態様による少なくとも1つの切削工具とを含む。これは、穴がローラーの回転中に切削され得るため、高速作動を可能にする。
【0016】
実施形態において、複数の切削工具は、前記ローラーの外周に沿って配置される。
【0017】
第3態様によると、切削システムが提供される。切削システムは、第1態様による少なくとも1つの切削工具と、使用中にコア材料層を支持し、かつ少なくとも1つの切削工具に係合するためのアンビルとを含む。
【0018】
アンビルは、例えば、アンビルローラーの一部を形成することにより、剛性材料によって形成され得、および切削工具は、第2態様による切削デバイスの一部を形成し得る。
【0019】
実施形態において、切削システムは、前記アンビルローラーの円周に沿って配置された複数の切削デバイスを含み、これは、極めて多目的な切削システムが提供されるように、各切削デバイスが特定の包装材料および/または穴の寸法のために構成され得るという点で有利である。
【0020】
サービスおよび/または補修管理を円滑にするために、少なくとも1つの切削デバイスは、前記アンビルローラーに対して半径方向に可動であり得る。切削デバイスが交換または他の行為を必要とする場合、切削システム全体を停止する必要はない。
【0021】
第4態様によると、コア材料層にスリットまたは貫通穴を設けるための方法が提供される。本方法は、コア材料層を剛性アンビルの支持面上に配置することと、切削工具の円周方向切れ刃を、コア材料層が切削されると同時に切削工具の支持構造が変形されるように前記コア材料層に押し付けることとを含む。
【0022】
第5態様によると、包装材料を提供するための方法が提供される。本方法は、コア材料層を提供することと、第4態様による方法を実施することにより、前記コア材料層に少なくとも1つの貫通穴を設けることと、ポリマー層が、切削穴を含むコア層全体を覆うように、切削されたコア材料層を少なくとも1つのポリマー層に積層することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1a-c】先行技術による打抜きプロセスの概略図である。
図2】本実施形態による切削工具を有する切削システムの概略図である。
図3】本実施形態による切削工具の断面図である。
図4】さらなる実施形態による切削システムの概略図である。
図5】本実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1a~cから始めると、先行技術による、コア材料層10に貫通穴を設けるための一般的な方法が説明される。図1aにおいて、コア材料層10は、剛性支持面12上に配置される。例えば、金属によって形成された支持面12は、雌型工具14がその中に配置される凹部を有する。雌型工具14は、雄型打抜き工具16を受けるように寸法決めされる。このために、雌型工具14には、雄型打抜き工具16の切れ刃17を受けるように適合された幅を有する環状溝15が設けられる。雄型打抜き工具16が下方に移動するにつれ、切れ刃17は、コア材料層10全体が穿孔されるまでコア材料層10を突き通す。図1bにおいて最もよく示されたこのポイントで、雄型打抜き工具16の切れ刃17は、雌型工具14の溝15に受け入れられる。雄型打抜き工具16が上向きに後退するにつれ、切削部分18は取り出され得る。図1a~cから明らかであるとおり、雄型工具16に対する雌型工具14の整列は、切れ刃17が雌型工具16の溝15に受け入れられるために極めて重要である。
【0025】
先行技術システムの説明から明らかなとおり、雄型工具16と雌型工具14との間に何らかの不整合があった場合、雄型工具16の切れ刃17が雌型工具14の一部に接触するリスクが生じる。コア材料層10の良好な切削を提供するために、雌型工具14の溝15の幅は、溝15の壁と雄型工具16の切れ刃17との間に緊密な適合度があるように寸法決めされなければならないため、この特定のリスクは、なお一層問題となる。雌型工具14に対する雄型工具16の極めて小さい傾斜または変位は、結果的な切削の品質低下と、さらに雄型工具16、雌型工具14または両方の損傷との原因となる。
【0026】
ここで、図2を見ると、実施形態による改良された切削システム200が示されている。以下で説明されるとおり、切削システム200は、切削システム200の部品間の整列の必要性を大幅に減少させる。
【0027】
切削システム200は、切削工具100が取り付けられたローラー152の形態の切削デバイス150を含む。ローラー152は、アンビルローラー230の形態のアンビル220に対して回転するように構成される。アンビル220は、剛性外面を有する。包装材料の一部を形成するため、後に説明されるコア材料層10のウェブが1つまたは複数の案内ローラー202、204、206、208を介して切削システム200を通して供給される。好ましくは、アンビルローラー230の直径は、コア材料層の切削される部分が、切削工具100がコア材料層10に係合するときに実質的に平坦となることを可能にするために、切削ローラー152の直径より実質的に大きい。したがって、切削ローラー152がアンビルローラー230に対して回転されると、切削工具100は、コア材料層10に定期的に接触し、それによりコア材料層10から穴が切り抜かれる。図2を参照して説明されるとおり回転システムを用いることにより、切削システム200を極めて高速で作動させることが可能である。さらに、コア材料層10の供給速度に対する切削ローラー152の回転速度を調整することにより、コア材料層10における切欠き/穴の最終位置を制御することが比較的容易である。
【0028】
ここで、図3を見ると、切削工具100のより詳細な図が示されている。切削工具100は、切削ナイフ110であって、コア材料層10に穴を形成するためにコア材料層10の切欠き部分18が除去され得るように、コア材料層10を突き通すように構成された円周方向切れ刃112を有する切削ナイフ110を含む。
【0029】
切削ナイフ110には、好ましくは、剛性ベース部材114であって、それから切れ刃112が延在する、剛性ベース部材114が設けられ、剛性ベース部材114は、平坦な形状を有し得、切削ナイフ110およびその関連する切れ刃は、剛性ベース部材114から切削されるコア材料層10に向かう方向に外向きに突出する。
【0030】
切削ナイフ110は、いくつかの実施形態において、剛性ベース部材114と一体的に形成され得る。切削システム200の高い堅牢性および正確さを達成するために、切削ナイフ110および剛性支持部材114は、鋼または他の任意の好適な金属で作られ得る。
【0031】
コア材料層10に円形の穴を設けるために、切削ナイフ110は、円形の円周方向形状を有し得、これは、切れ刃112が切削工具100の円形状の遠位外周を形成することを意味する。したがって、切削ナイフ110は、コア材料層10に向かって延在する管状体であり得、切削ナイフ110の遠位端部は、切れ刃112を形成する。述べたとおり、切削ナイフ110の管状体の断面は、コア材料層10に円形の穴を設けるために円形であり得るが、しかしながら、穴のために他の形状が好ましい場合、切削ナイフ110の管状体の断面は相応して構成されるべきである。切削ナイフ110、およびしたがってコア材料層10における結果的な穴の他の形状は、例えば、楕円形、長方形、三角形などであり得る。切削ナイフ110の他の形状および寸法も用いられ得ることが認められなければならず、例えば、切削ナイフ110は、直線または曲線のスリットまたは穿孔ラインを提供するように構成され得る。
【0032】
剛性ベース部材114は、少なくとも部分的に弾性材料によって形成される支持構造120上に配置される。支持構造120の弾性特性は、切削工具100がアンビル220に押し付けられるときの支持構造120の小さい変形を可能にする。通常、半径方向に0.003~0.01mm内のそのような変形を可能にすることにより、切削動作のプロセスウィンドウが著しく増大し、したがって良好な結果を依然として提供しつつ、装置および/またはコア材料層10に損害を与えるリスクを低下させる。
【0033】
作動中、切削ローラー152とアンビルローラー230との間の距離は、切削工具10がコア材料層10を穿孔したときに切れ刃112が実際にアンビル220の平坦面に接触するように設定され、「平坦な」という用語により、任意の連続的な面、例えばアンビルローラー230の半径の結果として提供されるわずかに凸状の表面が含まれることが意図されることが理解されるべきである。アンビル面は平坦であるため、いずれの雌型工具も整列の必要性はなく、したがって必要とされる切削システム200のためのセットアップ時間を大幅に減らす。
【0034】
支持構造120の変形性は、この特定の実施形態において、剛性ベース部材114の、コア材料層10に面する側の反対側における切削ナイフ110の剛性ベース部材114に接触して配置された弾性部材122によって実現される。作動中、すなわち切削ナイフ110がアンビル220に押し付けられるときに切削ナイフ110に作用する反力は、したがって、切れ刃112から、相応して変形する弾性部材122へ伝えられる。好ましくは、弾性部材122は、硬化ゴムで作られるが、他の材料も使用され得る。
【0035】
弾性部材122は、好ましくは、剛性支持プレート124上に配置される。剛性支持プレート124は、例えば、アンビルローラー230のコアシリンダを形成し得る。このような場合、剛性支持プレート124は、弾性部材122が取り付けられ得る凸状外面を受ける。他の実施形態において、剛性支持プレート124は、アンビルローラー230の凸状表面への取付けのためのアダプタを形成する。支持構造120の剛性ベース部材114について既に提案されたとおり、切削ナイフ110の剛性支持プレート124は、例えば、鋼で作られ得る。
【0036】
ここで、図4を見ると、切削システム200の別の実施形態が示される。切削システム200は、図2を参照して説明されたローラー230と同様のアンビルローラー230を含み、すなわち、ローラー230は、切削プロセスのための剛性アンビル220を形成する。
【0037】
好ましくは、剛性アンビル220は、切削される穴の寸法に対応する寸法を有する小さい領域が、この説明に関連して平坦であるように連続的な外面を有する。
【0038】
切削システム200は、複数の切削デバイス150をさらに含み、各切削デバイス150は、1つまたは複数の切削工具100を有する。本例において、5つの切削デバイス150が設けられ、各切削デバイス150は、それぞれの切削ローラー152の円周に沿って離間された4つの切削工具100を有する。しかしながら、任意の数の切削デバイス150および/または切削工具100が、それらが利用可能な装置と適合する限り設けられ得る。
【0039】
さらに、4つの切削工具100が円周に沿って離間されている本例は、追加的な切削工具100がそれぞれの切削ローラー152の軸方向に沿って設けられるように拡張され得ることに留意するべきである。したがって、本例を再び参照すると、各切削ローラー152に切削工具100の列が設けられ得、切削工具110の各列は、ローラー152の軸方向延在部に沿って分布し、切削工具100の隣接した列から円周方向に離間される。
【0040】
他の実施形態において、切削工具100は、コア材料層の穴のそれぞれの望ましい位置に依存して、軸方向および円周方向の両方に等しくない距離で分布され得る。
【0041】
各切削ローラー152に例えば複数の接続領域が設けられ得、切削工具100は、例えば、ねじなどによって選択された接続領域に取り付けられ得る。切削工具100が接続領域から半径方向に外向きに突出するため、切削システム200は、切削工具100を各接続領域に取り付ける必要なしに完全に機能する。
【0042】
一実施形態において、1つまたは複数の切削デバイス150は、切削される特定のタイプの穴と関連し得る。したがって、切削デバイス150は、好ましくは、それらがアンビルローラー230に係合または接触するかまたはしないように制御され得るように、アンビルローラー230に対して半径方向に可動である。特定の穴タイプについて、切削デバイス150の1つまたは複数は、アンビルローラー230に係合するように移動される一方、別の穴タイプを提供するように構成された残りの切削デバイス150は、アンビルローラー230との係合から離れるように半径方向に移動する。この方法により、切削システムが依然として作動する一方、未使用の切削デバイスが相応して構成され得るため、穴のデザインを変更することが極めて容易である。また、切削工具100のサービスおよび/または補修管理も、それが交換または修理される必要のある非作動切削工具100である限り、切削システム200の作動を止めることなく達成され得る。
【0043】
例えば、特定のタイプのコア材料層が切削システム200を通じて供給される場合、2つの異なる穴をコア材料層10に設けることが望ましい場合がある。これは、コア材料層10が、2つの隣接するが異なるパッケージタイプに対応する幅を有するウェブである場合に起こり得る。コア材料層10のウェブの右側は、流動食製品の1000mlパッケージを形成することを意図される一方、コア材料層10のウェブの左側は、例えば、流動食製品の250mlパッケージを形成することを意図され得る。したがって、2つの異なるタイプの包装材料の皺ライン、積層および長手方向分離を提供するさらなるプロセスステップが必要とされる。しかしながら、コア材料層10のそのようなウェブのために、ストロー穴をコア材料層10の左側に設けるように設計された切削工具100が1つの切削デバイス150に設けられ得る。したがって、切削工具100は、ストロー穴がコア材料層の右側に作られないように特定の軸方向延在部にのみ分布され得る。同様に、開口デバイスのための穴をコア材料層10の右側へ設けるように設計された切削工具100が別の切削デバイス150に設けられ得る。この切削デバイスのために、切削工具100は、穴がコア材料層10のウェブの左側に作られないように特定の軸方向延在部にのみ分布され得る。
【0044】
400メートル毎分を遥かに超えるウェブ速度が用いられる場合、上述の切削システムは、高速作動にとって特に有利であることが分かっている。依然として、このために高速で正確な切削が達成される。
【0045】
本実施形態によると、コア材料層に貫通穴を設けるための方法300が図5に概略的に示される。方法300は、コア材料層を剛性アンビルの支持面上に配置する第1ステップ304と、切削工具の円周方向切れ刃を、コア材料層が切削されると同時に切削工具の支持構造が変形されるように前記コア材料層に押し付ける第2ステップ306とを含む。好ましくは、図2~4を参照して上述のように、切削工具およびアンビルは、切削システムの一部を形成する。
【0046】
方法300は、積層包装材料を提供するための方法のためにさらに構成され得る。そのような態様によると、方法300は、コア材料層を提供する初期ステップ302と、ステップ306後に実施され、切削されたコア材料層に少なくとも1つのポリマー層が設けられる最終ステップ308とを含み、少なくとも1つのポリマー層は、穴の領域を含むその表面全体にわたってコア層に積層され、したがっていわゆる積層穴を形成する。
【0047】
したがって、包装材料は、コア材料層と、外部層と、内部層とを含み、外部層および内部層は、少なくとも1つの穴が切り抜かれた後にコア材料層の両側に施される。コア材料層の一方側に施された外部層は、製造されるパッケージの外面を提供するように適合され、この外面および外部層は、パッケージの周囲に面する。内部層は、コア材料層の他方側に施され、かつ製造されるパッケージに含まれる材料に接触する内面を提供するように適合される。
【0048】
コア材料は、剛性を包装材料に提供するためのシートであり得、かつ好ましくはコア材料またはボール紙で作られ得る。
【0049】
外部層は、コア材料層に施されたポリマー材料の少なくとも1つの層を含み得る。さらに、外部層を構成する層の1つは、形成される包装の外面を構成する装飾層を覆う最外プラスチック層であり得る。
【0050】
印刷層は、外部層に隣接してコア材料層上に含まれ得る。
【0051】
内部層は、ポリマー材料の少なくとも1つの層を含み得る。
【0052】
保護層は、コア材料層と内部層との間に存在し得る。保護層は、箔、例えば金属箔、好ましくはアルミニウム箔であり得る。保護層は、周囲温度でのパッケージにおける食品の栄養的価値および風味を維持するために酸素から保護する。
【0053】
加えて、積層が保護層とコア材料層との間に存在し得る。積層は、ポリマー材料の少なくとも1つの層であり得る。
【0054】
一実施形態によると、パッケージに含まれる材料に接触する完成したパッケージの内部のための包装材料の層は、コア材料層から始まり、積層と、保護層と、シーリング層とを含む。積層は、コア材料が施された任意の保護層に接着接合することを可能にする。シーリング層は、シーリング層の両面の熱溶接により、パッケージシーリングを可能にする。
【0055】
包装材料のポリマー層は、任意のタイプのポリマー材料、好ましくはポリエチレンなどのプラスチック材料であり得る。
【0056】
異なるタイプの容器を包装材料から得ることができる。本発明による包装材料または容器は、好ましくは液体であり得る食料品のために使用され得る。
図1a-c】
図2
図3
図4
図5