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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018055649
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019165953
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】椿谷 悠
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-060638(JP,A)
【文献】特開2015-033511(JP,A)
【文献】特開2016-073799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を前面側に形成する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口と、を有する遊技機において、
前記遊技領域で遊技球を落下させる落下手段と、
前記落下手段によって落下させられた遊技球を受止可能な受止部と、を有し、
前記入球口は、前記受止部より上側で前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、
前記受止部の前後方向の一端には、前後方向に傾斜し、受け止めた遊技球を前記入球口とは異なる方向に跳ね返す跳ね返し手段が設けられ、
前記跳ね返し手段に水平方向で対向する位置に配され、前記落下手段により落下させられた遊技球の勢いを低減可能な減勢手段を有する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2010-131374号(段落[0063]~[0064]、図5,6))の遊技機では、入球口の奥行方向にスライドする可動体が遊技球を受け止めて入球口側に転動させる。また、特許文献2(特開2012-235916号(段落[0127]~[0132]、図19~20))の遊技機では、入球口が上側に開放し、前後にスライドする可動体が入球口を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-131374号(段落[0063]~[0064]、図5~6)
【文献】特開2012-235916号(段落[0127]~[0132]、図19~20)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、遊技球が入球口を通りすぎたにもかかわらず、その遊技球が入球口より下方の部材に跳ね返されて入球口に入球するというイレギュラー入球が発生し得た。また、特許文献2の遊技機では、入球口に遊技球が入ったにもかかわらず、その遊技球が入球先の収容部の底壁に跳ね返されて入球口から飛び出るという問題が発生し得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、入球口への入球に係る不具合を抑制可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、遊技領域を前面側に形成する遊技盤と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口と、を有する遊技機において、前記遊技領域で遊技球を落下させる落下手段と、前記落下手段によって落下させられた遊技球を受止可能な受止部と、を有し、前記入球口は、前記受止部より上側で前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、前記受止部の前後方向の一端には、前後方向に傾斜し、受け止めた遊技球を前記入球口とは異なる方向に跳ね返す跳ね返し手段が設けられ、前記跳ね返し手段に水平方向で対向する位置に配され、前記落下手段により落下させられた遊技球の勢いを低減可能な減勢手段を有する遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、入球口への入球に係る不具合の発生を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技盤の正面図
図3】第2始動入賞装置周辺の正断面図
図4】始動可変部材が始動退避位置に配置されたときの第2始動入賞装置の(A)平断面図、(B)側断面図
図5】始動可変部材が始動突出位置に配置されたときの第2始動入賞装置の(A)平断面図、(B)側断面図
図6】始動可変部材の(A)平面図、(B)正面図、(C)右側面図
図7】遊技盤の前面と規制突部の間に挟まれた遊技球と球当接部の配置を示す(A)正断面図、(B)側断面図
図8】遊技盤の前面と規制突部の間に挟まれた遊技球と球当接部の配置を示す(A)正断面図、(B)側断面図
図9】峰部の曲率半径が遊技球の半径より小さい場合の球噛みを説明するための図
図10】受止傾斜面及び減勢突部の側断面図
図11】(A)受止傾斜面により跳ね返された遊技球の様子を示す側断面図、(B)減勢突部と衝突する遊技球の様子を示す側断面図、(C)受止傾斜面と減勢突部に挟まれる遊技球の様子を示す側断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1(図2参照)の全体が視認可能となっている。なお、遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
【0012】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23より下側部分の横方向の中央部には、第1始動入賞口14AKが設けられている。第1始動入賞口14AKは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなしている。
【0014】
第1始動入賞口14AKの下方には、第1大入賞部15Aが設けられている。第1大入賞部15Aは、右側に開放した第1大入賞口15AKと、第2大入賞口15AKの右側に配置された第1可変部材15ATと、を備えている。第1可変部材15ATは、左下り傾斜し、遊技盤11の前面から突出した第1突出位置と、該第1突出位置より突出が抑えられた第1退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第1可変部材15ATが第1突出位置に配置されたときに、第1可変部材15ATを案内にして遊技球が第1大入賞口15AKに入球可能となり、第1可変部材15ATが第1退避位置に配置されたときに、遊技球が第1大入賞口15AKに入球困難となる。
【0015】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0016】
始動ゲート18の下方には、第2始動入賞装置14Bが設けられている。第2始動入賞装置14Bは、左側に開放した第2始動入賞口14BKと、第2始動入賞口14BKの左側で右下がりに傾斜した始動可変部材14BTと、を備えている。始動可変部材14BTは、遊技盤11の前面から突出した始動突出位置と該始動突出位置より突出が抑えられた始動退避位置との間をスライド可能に構成されていて、通常は、始動退避位置に配置され、上述した普通図柄当否判定の結果が当りになると、所定の期間だけ始動突出位置に配置される。そして、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されたときに、始動可変部材14BTを案内にして遊技球が第2始動入賞口14BKに入球可能となり、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置されたときに、遊技球が始動入賞口14BKに入球困難となる。
【0017】
第2始動入賞装置14Bの下方には、第2大入賞装置15Bが設けられている。第2大入賞装置15Bは、上側に開放した第2大入賞口15BKと、第2大入賞口15BKを開閉する第2可変部材15BTと、を備えている。第2可変部材15BTは、遊技盤11の前面から突出した第2突出位置と、該第2突出位置より突出が抑えられた第2退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第2可変部材15BTが第2突出位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが閉塞されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球困難となり、第2可変部材15BTが第2退避位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが開放されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球可能となる。
【0018】
第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示画面13Gに表示される。
【0019】
表示画面13Gに特別図柄当否判定の結果が当りであることが表示されると、大当り遊技が実行され、第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球可能となる。第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0020】
遊技領域R1には、上述した入賞口14AK,14BK,15AK,15BKのほかに、上方又は側方に開放して遊技球が常時入球可能な一般入賞口20が複数設けられている。また、遊技領域R1の下端部、具体的には、第1可変部材15AKの下方には、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域R1の外側に排出するためのアウト口16が設けられている。さらに、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘Kが多数植設されている。
【0021】
[第2始動入賞口14BKへの入球ルート]
図3に示されるように、始動ゲート18の下方には、第1流路構成体110と第2流路構成体120とが左から順に並べて設けられている。そして、第1流路構成体110と表示装飾枠23との間に第1流路101が形成され、第1流路構成体110と第2流路構成体120との間に第2流路102が形成され、第2流路構成体120とガイドレール12との間に第3流路103が形成されている。第1流路101、第2流路102及び第3流路103は、それぞれ遊技球が1つずつ通過可能な幅に形成されている。
【0022】
第1流路構成体110は、略台形状の本体部111と、本体部111から左側に延設された誘導壁部112とを有している。具体的には、本体部111は、上側へ向かうにつれて横幅が狭くなる台形状に形成され、本体部111の右側面は下面に対して略垂直で、本体部111の左側面は左下がりに傾斜している。
【0023】
誘導壁部112は、本体部111の左下隅部から左側に延びる直線部112Aと、直線部112Aの左端部から左下がりに湾曲する湾曲部112Bと、湾曲部112Bの下端から下方に延びる垂下部112Cと、を有している。直線部112Aの下面は本体部111の下面と面一になっている。なお、垂下部112Cは、直線部112A及び湾曲部112Bと比べて、遊技盤11からの突出量が小さくなっている。
【0024】
ここで、表示装飾枠23には、誘導壁部112に沿って延びる装飾対向壁部23Wが設けられていて、この装飾対向壁部23Wと誘導壁部112との間に上述した第1流路101が形成されている。なお、装飾対向壁部23Wは、垂下部112Cよりも下側に延びている。
【0025】
第2流路構成体120は、第1流路構成体110の本体部111に対して右下側に配置された正面視略四角形状の本体部121と、本体部121から上方に張り出した上側張出部122と、本体部121から左方に張り出した左側張出部123と、を有している。詳細には、本体部121は、水平方向に沿って延在する上面及び下面と、鉛直方向に沿って延在する左側面及び右側面と、を有している。より詳細には、本体部121の左側面と右側面が下方へ向かうにつれて互いに若干離れるように傾斜し、本体部121の上面は左下がりに若干傾斜し、本体部121の下面は右下がりに若干傾斜している。
【0026】
図3に示されるように、第2流路構成体120の上側張出部122は、本体部121の右上隅部から張り出している。そして、第2流路構成体120の本体部121及び上側張出部122と、ガイドレール12との間に、上述した第3流路103が形成されている。なお、上側張出部122の右側面は、本体部121の右側面と面一になっていて、第3流路103は、直線状に形成されている。
【0027】
上側張出部122は、第1流路構成体110の本体部111に右側から対向し、上側張出部122と該本体部111との間には、遊技球が1つずつ通過可能な通路が形成されている。また、第2流路構成体120の左側張出部123は、本体部121の左上隅部から張り出して、第1流路構成体110の本体部111に下側から対向する。左側張出部123と該本体部111との間にも、遊技球が1つずつ通過可能な通路が形成されている。そして、第1流路構成体110と第2流路構成体120との間に、遊技球が1つずつ通過可能であって逆L字状をなす流路が形成され、この流路が上述した第2流路102となっている。
【0028】
なお、上側張出部122の左側面は、第1流路構成体110の本体部111の右側面と略平行に形成されている。また、左側張出部123の上面は、本体部121の上面と面一になっていて、第1流路構成体110の本体部111の下面と略平行になっている。
【0029】
第2流路構成体120の本体部121の上面と左側張出部123の上面は、第2流路102内の遊技球を受け止めて左側へ転動させる上側転動面120Mを形成する。また、第2流路構成体120の左側張出部123と第1流路構成体110の垂下部112Cとの間には、上側転動面120Mの上を転動してきた遊技球を1つずつ落下可能な落下口102Kが形成されている。
【0030】
第2流路構成体120の本体部121には、左側に開口する凹部121Aが形成されている。凹部121Aの開口端寄り位置には、上述した第2始動入賞口14BKとしての球検出センサが備えられている。第2始動入賞装置14Bの始動可変部材14BTは、第1流路構成体110の誘導壁部112と第2始動入賞口14BKとの間に配置され、始動突出位置に配置されたときに落下口102Kから落ちてくる遊技球を受け止め可能となっている。
【0031】
図3に示されるように、始動可変部材14BTに受け止められなかった遊技球は、第1流路構成体110及び第2流路構成体120の下方に設けられた第3流路構成体130に受け止められる。第3流路構成体130は、右側に尖った三角形状をなして、右下がりに傾斜する下側転動面130Mを上部に有する。第3流路構成体130とガイドレール12との間には、遊技球が通過可能な落下口105が形成されている。第3流路構成体130は、表示装飾枠23の装飾対向壁部23Wに隣接し、下側転動面130Mは、第1流路101を流下してきた遊技球も受け止め可能となっている。
【0032】
なお、遊技盤11の前面には、第2流路構成体120の上側転動面120Mの上を転動する遊技球と第3流路構成体130の下側転動面130Mの上を転動する遊技球の勢いを低減するための複数の減勢突部104が設けられている。
【0033】
このように、本実施形態の遊技機10では、始動突出位置に配置された始動可変部材14BTが、落下口102Kから落下する遊技球を受け止めて、第2始動入賞口14BKに誘導する構成となっている。この構成では、始動可変部材14BTは、上側転動面120Mの上を左側へ転動してきた遊技球を受け止めて、その遊技球を右側へ折り返させることになるので、第2始動入賞口14BKへの入球ルートが横長になることが抑えられ、第2始動入賞口14BKの設置自由度の向上が図られる。また、遊技機10では、図3に示されるように、始動突出位置に配置された始動可変部材14BTに左側から表示装飾枠23の装飾対向壁部23Wが対向するので、遊技球が始動可変部材14BTの上に左側から転動してくることが抑制される。言い換えれば、落下口102Kを通過しない遊技球が第2始動入賞口14BKに入球することが抑制され、第2始動入賞口14BKへの入球ルートが絞られる。
【0034】
また、遊技機10では、始動可変部材14BTの左側に配置される誘導壁部112の垂下部112Cは、直線部112A及び湾曲部112Bよりも遊技盤11からの突出量が小さくなっていて、垂下部112Cとその左側に位置する装飾対向壁部23Wとの間には、遊技球が1つずつ通過可能な第1流路101が形成されている。従って、始動可変部材14BTに受け止められた遊技球が左側、即ち、第1流路101側に落ちる可能性もあり、始動可変部材14BTに受け止められた遊技球の転動方向について遊技者に興味を持たせることが可能となる。
【0035】
また、遊技機10では、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置されたときには、落下口102Kから落下する遊技球は、始動可変部材14BTに受け止められることなく、その下方に配置された第3流路構成体130の下側転動面130Mに受け止められる。このように、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されるか、始動退避位置に配置されるかによって、第2流路102を流下してきた遊技球の行先を変化させることが可能となり、趣向性の向上を図ることが可能となる。しかも、下側転動面130Mは、右下がりに傾斜するので、第2始動入賞口14BTに入球しなかった遊技球についても右側に折り返させることが可能となる。
【0036】
また、遊技機10では、落下口102Kが、第2流路構成体120において上側転動面120Mを形成する左側張出部123と、第1流路構成体110の誘導壁部112と、の間に形成されているので、上側転動面120Mの上を転動してきた遊技球を誘導壁部112に衝突させて落下口102Kに誘導し易くなる。また、誘導壁部112は、左下がりに湾曲する湾曲部102Bを有するので、上側転動路120Mを転動してきた遊技球をスムーズに落下口102Kへと誘導することが可能となる。
【0037】
[第2始動入賞口14BKへの入球規制]
遊技機10では、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態での第2始動入賞口14BKへの入球を規制するために、始動可変部材14BTが以下の構成を採っている。即ち、始動可変部材14BTは、図4及び図5に示されるように、ベース部141と、該ベース部141から前側に張り出した前側張出部142と、前側張出部142の前端部から上側に突出する規制突部143と、を備えている。そして、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置されると(図4参照)、規制突部143は、第2始動入賞口14BKに左側から重なって入球を規制する。始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されると(図5参照)、規制突部143は、第2始動入賞口14BKよりも前側に配置されて入球を許容する。
【0038】
詳細には、図6(A)に示されるように、ベース部141は、平面視略矩形状に形成されていて、前側張出部142は、ベース部141の右端寄り部分から張り出している。なお、図6(B)に示されるように、ベース部141は、右下がりに傾斜する板状部分を主要部として備えている。
【0039】
図6(A)に示されるように、前側張出部142は、右側へ向かうにつれてベース部141からの突出量が大きくなった迫出部142Aと、迫出部142Aから右側に延設されてベース部141からの突出量が一定となった帯部142Bと、からなる。迫出部142Aの左側を向く端縁部は、右側へ向かうにつれて前側を向くように湾曲した円弧状に形成されている。なお、ベース部141と帯部142Bは、右端を揃えて配置されている。また、ベース部141及び迫出部142Aによって形成されるL字状部分の内縁部の上面は、そのL字の内側へ向かって下るように傾斜している(図6(C)参照)。
【0040】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、規制突部143は、前側張出部142の帯部142Bに突設されている。図6(C)に示されるように、規制突部143は、上側へ向かうにつれて前後に狭くなる略台形状に形成されていて、規制突部143の前面143Fは、略鉛直に配置され、規制突部143の後面143Bは、下側へ向かうにつれて徐々に後側を向くように湾曲した円弧状に形成されている。
【0041】
図6(A)~図6(C)に示されるように、規制突部143の上面143Jは、左右方向の略中央で尖った山状に形成されていて、峰部144と、峰部144の左側で左下がりに傾斜した左向き傾斜部144Lと、峰部144の右側で右下がりに傾斜した右向き傾斜部144Rと、からなる。また、規制突部143の後面143Bも、上面143Jと同様に、左右方向の略中央で尖った山状に形成されていて、峰部145と、峰部145の左側で左下がりに傾斜した左向き傾斜部145Lと、峰部145の右側で右下がりに傾斜した右向き傾斜部145Rと、からなる。峰部145は、上面143Jの峰部144に連絡する。このように、規制突部143において上側を向く部分を構成する上面143Jと後面143Bは共に、左右方向の略中央で尖った山状に形成されている。
【0042】
図4に示されるように、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態では、ベース部141が遊技盤11の前面より後側に配置され、前側張出部142の一部が遊技盤11の前面より前側に飛び出る。ここで、図4(A)に示されるように、前側張出部142のうち遊技盤11より前側に突出する部分は、図3で示した落下口102K(図4(A)では2点鎖線で示されている。)よりも左側に配置される。従って、落下口102Kから落下した遊技球が始動可変部材14BTに受け止められることがない。
【0043】
始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態では、規制突部143は、横方向から見て第2始動入賞口14BKの中央部と重なるように配置される(図4(B)参照)。具体的には、規制突部143の突出高さは、遊技球1/2個分となっていて、規制突部143の上端部が第2始動入賞口14BKの中央部に重ねられる。これにより、第2始動入賞口14BKへの遊技球の入球が規制される。
【0044】
図5に示されるように、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されると、ベース部141が遊技盤11の前面より前側に飛び出して遊技球を受け止め可能となり、遊技盤11に前側から対向するフロントカバー146とベース部141との間の間隔が遊技球の半径より小さくなる。従って、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置された状態では、ベース部141によって受け止められた遊技球がベース部141の前側に落ちることがなくなる。
【0045】
始動可変部材14BTが始動突出位置に配置された状態では、前側張出部142の前端部と規制突部143が、フロントカバー146に形成された収容孔146Aの中に収容される(図5(B)参照)。そして、規制突部143は、第2始動入賞口14BKよりも前側に配置され、横方向から見て第2始動入賞口14BKと重ならなくなる。これにより、第2始動入賞口14BKへの遊技球の入球が許容される。
【0046】
なお、ベース部141は、遊技盤11を前後に貫通する組付孔140Aに挿通されている(図4(A)参照)。組付孔140Aの右端部は、規制突部143を収容可能な大きさに形成されていて(図4(B)参照)、始動可変部材14Bは、遊技盤11の後側から組付孔140Aに組み付け可能となっている。
【0047】
[始動可変部材14Bによる球噛み対策]
本実施形態では、始動可変部材14BKが始動突出位置(図5参照)から始動退避位置(図4参照)へ移動するときに、始動可変部材14BKの上を転動中の遊技球が規制突部143と遊技盤11の前面に挟まれて、球噛みする可能性がある。この球噛みの対策として、本実施形態では、まず、規制突部143の後面143Bに峰部145が設けられることで、規制突部143と遊技盤11の前面との間に挟まれた遊技球が左右の何れか一方に移動し易くなっている。
【0048】
ところで、規制突部143に峰部145を備えていても、例えば、峰部145の真後ろに遊技球の中心が配置されていると、峰部145と遊技盤11の前面との間に遊技球が挟まれて、球噛みする可能性がある。この球噛みを解決するための第1の手段として、本実施形態では、図7(B)に示されるように、規制突部143の後面143Bの峰部145は、その最下部における曲率半径が遊技球の半径より大きくなるように形成されている。ここで、峰部145の最下部における曲率半径が遊技球の半径より小さくなっていると、図9(A)から図9(B)への変化に示されるように、始動可変部材14BTが始動退避位置に移動するときに遊技盤11と規制突部143の間に挟まれた遊技球は、遊技盤11の前面と、始動可変部材14BTのベース部141と、規制突部143の後面143Bの峰部145と、の3点で支持されることになり、該遊技球が左右方向に移動し難くなり、球噛みし易くなる。これに対し、本実施形態では、峰部145の最下部における曲率半径が遊技球の半径より大きくなっているので、図8(B)に示されるように、始動可変部材14BTが始動退避位置に移動するときに遊技盤11と規制突部143の間に挟まれた遊技球は、始動可変部材14BTの移動に伴って規制突部143の峰部145にすくい上げられる。その結果、遊技球は、遊技盤11の前面と峰部の2点で支持されることになり、図9に示した場合よりも該遊技球が左右方向に移動し易くなり、球噛みが発生し難くなる。
【0049】
第1の手段と同様の効果を奏する別の構成としては、規制突部143の後面143B(峰部145)を後下がりに傾斜した傾斜面とする構成が挙げられる。なお、上述のように、後面143Bが湾曲面となっている構成では、規制突部143を高くしつつ、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されたときに規制突部143を第2始動入賞口14BKよりも前側に配置することが容易となる。
【0050】
本実施形態では、第1の手段に次ぐ第2の手段として、規制突部143の峰部145にすくい上げられた遊技球と当接して、その遊技球を左右方向の何れか一方にずらす球当接部150を備えている。図7(A)及び図8(A)に示されるように、球当接部150は、第2流路構成体120の本体部121のうち、規制突部143に上側から対向する壁部、具体的には、本体部121のうち収容部121Aの天井壁121Tから下側に突出した当接突部151で構成されている。
【0051】
ここで、当接突部151の突出量は、始動可変部材14BTの始動退避位置への移動に伴って規制突部143の峰部145によってすくい上げられた遊技球が天井壁121Tに衝突する前に該遊技球と当接する大きさに設定されている。また、図7(A)に示されるように、当接突部151は、規制突部143(詳細には、規制突部143の峰部145)に対して左右方向にずれて配置されている。これにより、峰部145によってすくい上げられた遊技球を左右方向の何れか一方に移動させることが可能となり、球噛みが抑制される。なお、図7(A)の例では、当接突部151は、規制突部143に対して第2始動入賞口14BKに近い側に配置されているが、遠い側に配置されてもよい。
【0052】
また、図7(B)に示されるように、当接突部151は、左右方向から見て第2始動入賞口14BKと重ならないように配置されている。これにより、当接突部151が第2始動入賞口14BKへの入球の妨げになることが防がれている。
【0053】
なお、本実施形態では、当接突部151は、棒状に形成されているが、半球状に形成されてもよいし、板状に形成されてもよい。後者の場合、当接突部151は、遊技盤11の前面に連絡してもよい。
【0054】
本実施形態の遊技機10によれば、規制突部143と遊技盤11の前面との間に挟まれた遊技球が球当接部150によって横方向にずらされるので、球噛みが抑制される。しかも、球当接部150は、規制突部143に上側から対向する天井壁121Tに突設された当接突部151により構成されているので、規制突部143と遊技盤11の前面との間に挟まれた遊技球が規制突部143によって上側に持ち上げられた場合に、その遊技球に当接突部151が当接して該遊技球を横方向にずらすことが可能となる。また、この構成によれば、遊技盤11に形成された組付孔140Aとの関係で球当接部150を遊技盤11の前面に設けることができない場合であっても、球噛みを抑制することが可能となる。
【0055】
[第2始動入賞口14BKへのイレギュラー入球対策]
上述したように、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態では、落下口102Kから落下した遊技球は、始動可変部材14BTに受け止められることなく、第3流路構成体130へ向かって落下する。ここで、始動可変部材14BTに受け止められなかった遊技球が、第3流路構成体130によって上側に跳ね返されても、通常は、上述した規制突部143によって第2始動入賞口14BKへの入球が規制される。しかしながら、遊技球が始動可変部材14BTより上側まで跳ね上がったタイミングで始動可変部材14BTが始動突出位置へと移動すると、その始動可変部材14BTに受け止められて第2始動入賞口14BKへ入球する可能性がある。即ち、第2始動入賞口14BKに入球しないはずの遊技球が跳ね返りによって入球してしまうイレギュラー入球が発生する可能性がある。
【0056】
本実施形態の遊技機10では、イレギュラー入球を抑制するための第1の手段として、図10及び図11(A)に示されるように、始動可変部材14BTに受け止められなかった遊技球を受け止める第3流路構成体130に、第2始動入賞口14BK側、即ち、右側とは異なる方向に遊技球を跳ね返す跳ね返し部161が設けられている。具体的には、第3流路構成体130の下側転動面130Mには、水平面に対して前後方向に傾斜して遊技球を前後方向に跳ね返す受止傾斜面162が設けられ、この受止傾斜面162によって跳ね返し部161が構成されている。本実施形態では、受止傾斜面162は、下側転動面130Mのうち遊技盤11に近い側の部分で前下がりに傾斜することで遊技球を斜め上前方に跳ね返すように構成されているが(図11(A)参照)、下側転動面130Mのうち遊技盤11から遠い側の部分で後下がりに傾斜することで遊技球を斜め上後方に跳ね返すように構成されてもよい。
【0057】
図3に示されるように、受止傾斜面162は、下側転動面130Mが延びる方向(即ち、下側転動面130Mによって遊技球が転動される方向)に沿って延在する。具体的には、落下口102Kの下方位置と第1流路101の下方位置の両方に跨って配置されている。
【0058】
なお、受止傾斜面162の水平面に対する傾斜角は、45度以上となっていて、受止傾斜面162によって跳ね返された遊技球は、図11(A)に示されるように、第2始動入賞口14BKと同じ高さまで跳ね返されるより前に、遊技盤11やフロントカバー146と衝突し易くなっている(遊技盤11には、フロントカバー146に跳ね返された遊技球が衝突する。)。そして、受止傾斜面162によって跳ね返された遊技球は、遊技盤11又はフロントカバー146との衝突により減勢されることで、第2始動入賞口14BKと同じ高さに到達し難くなっている。
【0059】
このように、本実施形態の遊技機10では、第3流路構成体130の下側転動面130Mに設けられた跳ね返し部161(受止傾斜面162)によって、第2始動入賞口14BKが位置する右側とは異なる方向(具体的には、前側)に遊技球を跳ね返すことができるので、遊技球が第2始動入賞口14BKに到達することが抑制される。これにより、第2始動入賞口14BKに入球しなかった遊技球が下側転動面130Mに跳ね返されて入球するイレギュラー入球が抑制される。
【0060】
また、本実施形態の遊技機10では、イレギュラー入球を抑制するための第2の手段として、図10及び図11(B)に示されるように、始動可変部材14BTに受け止められなかった遊技球が第3流路構成体130に受け止められるより前に、その遊技球と衝突して該遊技球の勢いを低減可能な減勢部165を備えている。具体的には、減勢部165は、落下口102Kの下方空間を前後方向に挟む遊技盤11とフロントカバー146のうち少なくとも一方の部材に形成された減勢突部166により構成されている。なお、本実施形態では、減勢突部166が、フロントカバー146にのみ形成されているが、遊技盤11にのみ形成されてもよいし、遊技盤11とフロントカバー146の両方に形成されてもよい。
【0061】
詳細には、減勢突部166は、受止傾斜面162と同様に、下側転動面130Mが延びる方向(即ち、下側転動面130Mによって遊技球が転動される方向)に沿って延在する突条であって、詳細には、落下口102Kの下方位置と第1流路101の下方位置の両方に跨って配置されている。なお、減勢突部166の先端部は、断面半円状に形成されている。
【0062】
このように、本実施形態の遊技機10では、落下口102Kから落下した遊技球が下側転動面130Mに受け止められる前に、その遊技球の勢いを減勢突部166によって低減可能となっているので、下側転動面130Mに跳ね返された遊技球が第2始動入賞口14BKに到達することが抑制される。これによっても、イレギュラー入球が抑制される。
【0063】
また、本実施形態の遊技機10では、図10に示されるように、受止傾斜面162と減勢突部165は、前後方向で対向する。従って、受止傾斜面162によって前側に跳ね返された遊技球は、減勢突部165との衝突により減勢され易くなり、減勢突部165によって減勢された遊技球は、受止傾斜面162に跳ね返され易くなる。また、受止傾斜面162が前下がりに傾斜し、減勢突部165がフロントカバー146から後方に突出していることから、落下口102Kの下方で遊技盤11とフロントカバー146に挟まれた空間は、受止傾斜面162と減勢突部165によって前後方向に狭められている、とも言える。そして、この空間の狭まりによって、落下口102Kから落下した遊技球は、減勢され易くなっている。
【0064】
詳細には、受止傾斜面162と減勢突部165の間隔は、遊技球1個分より小さくなっている。また、減勢突部165は、受止傾斜面162との間に挟む遊技球が下側転動面130Mに接触しない高さに配置されている。従って、図11(C)に示されるように、始動可変部材14BTに受け止められなかった遊技球は、受止傾斜面162と減勢突部165の間に挟まれることがある。ここで、受止傾斜面162と減勢突部165は、上述の如く下側転動面130Mに沿って延在し、右下がりに傾斜している。従って、受止傾斜面162と減勢突部165は、遊技球を間に挟んで右側へ移動させることも可能となっている。
【0065】
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0066】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2012-235916号(段落[0127]~[0132]、図19~20))の遊技機では、上側に開放した大入賞口が前後にスライドする可変部材によって開閉される。可変部材は、遊技球の転動路の床部分の一部を構成し、大入賞口を閉じた状態で大入賞口に入球しない遊技球を下流側に流下させる橋渡し的な役割を担っている。」という背景技術について、「ところで、特許文献Aの遊技機において、可変部材の上を転動する遊技球の転動先に入球口を配置する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、入球口への入球ルートが横長になり、設置自由度が低いという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0067】
[特徴A1]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域には、遊技球を受け止めて横方向の一方側に転動させた後にその先端から遊技球を落下させる転動部(上側転動面120M)が設けられ、
前記入球口は、前記転動部の下側で前記横方向の一方側に開放しており、
前記転動部の下側で前後方向に沿って移動可能に構成され、前記転動部の先端から落下する遊技球を途中で受け止めて前記入球口側に転動させる第1状態(始動可変部材14BTが始動突出位置に配置された状態)と、前記転動部の先端から落下する遊技球を落下させる第2状態(始動退避位置に配置された状態)と、に変化する可変部材(始動可変部材14BTが始動可変部材14BT)を有する、遊技機。
【0068】
本特徴に示す構成では、可変部材が第1状態のときに、転動部の先端から落下する遊技球が可変部材に受け止められて入球口に入球可能となるので、入球口への入球ルートが横長になることが抑えられ、入球口の設置自由度の向上が図られる。
【0069】
[特徴A2]
前記第1状態の前記可変部材に対して横方向の一方側から対向する縦壁(装飾対向壁部23W)を有する、特徴A1に記載の遊技機。
【0070】
本特徴に示す構成によれば、遊技球が横方向の一方側から第1状態の可変部材の上に流下してくることが抑制される。
【0071】
[特徴A3]
前記縦壁は、前記第1状態の前記可変部材との間に遊技球1個分以上の隙間を形成する、特徴A2に記載の遊技機。
【0072】
本特徴に示す構成では、可変部材に受け止められた遊技球が縦壁側に落下する場合もあり、可変部材に受け止められた遊技球の転動方向について遊技者に興味を持たせることが可能となる。
【0073】
[特徴A4]
前記入球口の下側には、前記転動部の先端から落下する遊技球を受け止めて横方向の他方側に転動させる下側転動部(下側転動面130M)が設けられている、特徴A1乃至A3のうち何れか1に記載の遊技機。
【0074】
本特徴に示す構成では、可変部材に受け止められた遊技球と可変部材に受け止められなかった遊技球の両方を横方向の他方側に転動させることが可能となる。
【0075】
[特徴A5]
前記転動部との間に遊技球の落下口(落下口102K)を形成すると共に、前記転動部を転動してきた遊技球を前記落下口に誘導するガイド部(誘導壁部112の湾曲部112B)を有する、特徴A1乃至A4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0076】
本特徴に示す構成では、転動壁を転動してきた遊技球を落下口から落下させ易くなる。
【0077】
[特徴A6]
前記ガイド部は、上側へ向かうにつれて横方向の他端側へ向かうように湾曲して前記落下口を上側から覆う円弧状に形成された、特徴A5に記載の遊技機。
【0078】
本特徴に示す構成では、転動壁を転動してきた遊技球をスムーズに落下口へと誘導することが可能となる。
【0079】
[特徴A7]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域には、遊技球を落下させる落下口(落下口102K)と、前記落下口から落下した遊技球を受け止めて転動させる受止転動部(下側転動面130M)と、が設けられ、
前記入球口は、前記受止転動部より上側且つ前記落下口の斜め下方に位置して横方向で前記落下口側に開放し、
前記落下口の下側で前後方向に沿って移動可能に構成され、前記落下口から落下する遊技球を途中で受け止めて前記入球口側に転動させる第1状態(始動可変部材14BTが始動突出位置に配置された状態)と、前記落下口から落下する遊技球を落下させる第2状態(始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態)と、に変化する可変部材(始動可変部材14BT)を備えた、遊技機。
【0080】
本特徴に示す構成では、可変部材が第1状態のときに、落下口から落下する遊技球が可変部材に受け止められて入球口に入球可能となるので、入球口への入球ルートが横長になることが抑えられ、入球口の設置自由度の向上が図られる。
【0081】
[特徴A8]
前記可変部材には、前記第2状態で前記入球口に重ねられて前記入球口への入球を規制し、前記第1状態で前記入球口と重ならない位置に配置されて前記入球口への入球を許容する入球規制部(規制突部143)が設けられた、特徴A7に記載の遊技機。
【0082】
本特徴に示す構成によれば、可変部材が第2状態のときに、落下口から落下した遊技球が受止転動部に跳ね返されて入球口に入球することが規制される。
【0083】
[特徴A9]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域を落下する遊技球を受け止めて横方向の一方側へ転動させる第1状態(始動可変部材14BTが始動突出位置に配置された状態)と、前記遊技領域を落下する遊技球を受け止めずにそのまま落下させる第2状態(始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態)と、に変化する可変部材(始動可変部材14BT)を備え、
前記入球口は、前記第1状態の前記可変部材の上を転動する遊技球の転動先に配置されて、その遊技球を受け入れ可能に構成されている、遊技機。
【0084】
本特徴に示す構成では、可変部材が第1状態のときに、遊技領域を落下する遊技球が可変部材に受け止められて入球口に入球可能となるので、入球口への入球ルートが横長になることが抑えられ、入球口の設置自由度の向上が図られる。
【0085】
なお、特徴A7、A8に示す構成に、特徴A2~A6に示す構成が組み合わされてもよい。その際、特徴A4の「下側転動部」を特徴A7の「受止転動部」とすればよい。また、特徴A9に示す構成に、特徴A1~A8に示す構成が組み合わされてもよい。
【0086】
特徴A群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0087】
(a1)上記実施形態では、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置された状態で、ベース部141は、遊技盤11の前面より後側に配置されていたが、フロントカバー146との間に遊技球1個分より大きい間隔を形成すれば、遊技盤11の前面より前側に飛び出てもよい。この場合、落下口102Kから落下してきた遊技球は、ベース部141に一瞬受け止められた後、ベース部141及び迫出部142Aにより形成されるL字状部分の内縁部に形成された傾斜面によって第2始動入賞口14Bへ到達することなく落下させられる。
【0088】
(a2)上記実施形態において、始動ゲート18の下方には、少なくとも第2流路102が設けられていればよく、例えば、第1流路101と第2流路102のみ、又は、第2流路102と第3流路103のみが設けられた構成としてもよい。前者の場合には、第2流路構成体120をガイドレール12と一体化した構成とすればよい。後者の場合には、第1流路構成体110を表示装飾枠23と一体化するか又は第1流路構成体110を備えない構成とすればよい。
【0089】
(a3)第2始動入賞口14BKへの入球ルートが左右逆転してもよい。即ち、上側転動面120Mが右下がりに傾斜し、始動可変部材14BTが左下がりに傾斜し、第2始動入賞口14BKが右側に開放して始動可変部材14BTより左側に配置されてもよい。
【0090】
(a4)上記実施形態において、第3流路構成体130を備えない構成としてもよい。
【0091】
(a5)上記実施形態では、「入球口」は、特別図柄当否判定の契機となる始動入賞口であったが、大当り遊技時に開放される大入賞口であってもよい。
【0092】
(a6)誘導壁部112を備えない構成としてもよい。また、誘導壁部112の代わりに上下方向に沿って延びる壁体又は道釘を備える構成としてもよい。その際、壁体又は道釘の上端は、上側転動面120Mと同じ高さに配置されてもよいし、上側転動面120Mより上側に配置されてもよい。
【0093】
(a7)特徴A9に含まれる構成として、第2始動入賞口14BKが上側に開放したポケット構造であってもよい。
【0094】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を前面側に形成する遊技盤を備えた」遊技機に関し、「特許文献B(特開2012-235916号(段落[0127]~[0132]、図19~20))の遊技機では、前後にスライドするスライド部材が遊技盤の前面から突出したときに遊技球を受け止めて下流側へと転動させる。」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機において、スライド部材が後退した状態でスライド部材より下流側に遊技球が流下することを規制するために、スライド部材に流下規制用の突起を形成することが考えられる。しかしながら、この構成では、スライド部材が後退したときに、遊技盤の前面と突起との間に遊技球が挟まれて球噛みするという問題が起こり得る。」という課題をもってなされたものである。
【0095】
[特徴B1]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤の前面から突出する前進位置(始動突出位置)と該前進位置よりも突出が抑えられた後退位置(始動退避位置)との間を移動可能であって、前記前進位置に配置された状態で横方向の一方側に遊技球を転動させるように形成された可動体(始動可変部材14BT)と、
前記可動体に対し横方向の一方側に配置されて、前記前進位置に配置された前記可動体の上を転動してきた遊技球を受け入れ可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を備え、
前記可動体には、前記後退位置に配置された状態で前記入球口を遮って入球を規制する一方で前記前進位置に配置された状態で前記入球口から外れる進入規制部(規制突部143)が備えられていて、
前記可動体が前記前進位置から前記後退位置へ移動するときに、前記侵入規制部と前記遊技盤の前面との間に挟まれる遊技球に当接して該遊技球を横方向にずらす球当接部(球当接部150)を備えた、遊技機(遊技機10)。
【0096】
本特徴に示す構成では、進入規制部と遊技盤の前面との間に挟まれた遊技球が球当接部によって横方向にずらされるので、球噛みが抑制される。
【0097】
[特徴B2]
前記可動体は、遊技球を受け止めて転動させる転動部(ベース部141)と、前記転動部の横方向一方側の端部から前側に張り出した張出部(前側張出部142)と、を備え、
前記進入規制部は、前記張出部から上側に突出する突起(規制突部143)で構成され、
前記球当接部は、前記突起に上側から対向する対向壁(天井壁121T)に突設された対向突部(当接突部151)により構成されている、特徴B1に記載の遊技機。
【0098】
[特徴B3]
前記可動体は、前記遊技盤を前後方向に貫通する挿通孔(組付孔140A)に後側から挿通されて前記遊技盤に組み付けられている、特徴B2に記載の遊技機。
【0099】
本特徴に示す構成では、張出部から突出する突起と遊技盤の前面との間に挟まれた遊技球が突起によって上側に持ち上げられた場合に、対向突部が遊技球に当接して横方向にずらすことが可能となる。なお、本特徴の構成によれば、遊技盤を前後方向に貫通する挿通孔に後側から可動体を挿通して、可動体を遊技盤に組み付けることが可能となる(特徴B3)。
【0100】
[特徴B4]
前記突起の後側を向く面は、前側へ向かうにつれて上側へ向かうように湾曲した湾曲面である、特徴B2又はB3に記載の遊技機。
【0101】
[特徴B5]
前記湾曲面の最下部における曲率半径が遊技球の半径より大きくなっている、特徴B4に記載の遊技機。
【0102】
[特徴B6]
前記突起の後側を向く面は、後下がりに傾斜した傾斜面である、特徴B2又はB3に記載の遊技機。
【0103】
突起の後側を向く面は、前側へ向かうにつれて上側へ向かうように湾曲した湾曲面であってもよいし(特徴B4)、後下がりに傾斜した傾斜面であってもよい(特徴B6)。何れの場合であっても、突起と遊技盤の前面との間に挟まれた遊技球を上側に持ち上げ易くなる。なお、前者の場合には、湾曲面の最下部における曲率半径を遊技球の半径より大きくすることが好ましい(特徴B5)。
【0104】
[特徴B7]
前記球当接部は、前記進入規制部に対して横方向にずれて配置されている、特徴B1乃至B6のうち何れか1に記載の遊技機。
【0105】
本特徴に示す構成によれば、進入規制部と遊技盤の前面との間に挟まれた遊技球を横方向にずらし易くなる。
【0106】
[特徴B8]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤の前面から突出する前進位置(始動突出位置)と該前進位置よりも突出が抑えられた後退位置(始動退避位置)との間を移動可能な可動体(始動可変部材14BT)と、を備え、
前記可動体には、前記前進位置において前記遊技盤の前面との間に遊技球1個分以上の隙間を形成する隙間形成部(規制突部143)が備えられていて、
前記可動体が前記前進位置から前記後退位置へ移動するときに、前記隙間形成部と前記遊技盤の前面との間に挟まれる遊技球に当接して該遊技球を横方向にずらす球当接部(球当接部150)を備えた、遊技機(遊技機10)。
【0107】
本特徴に示す構成では、隙間形成部と遊技盤の前面との間に挟まれた遊技球が球当接部によって横方向にずらされるので、球噛みが抑制される。
【0108】
なお、特徴B8に示す構成に、特徴B2~B7に示す構成が組み合わされてもよい。その際、特徴B2~B7の「進入規制部」を特徴B8の「隙間形成部」とすればよい。
【0109】
特徴B群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0110】
(b1)球当接部150は、遊技盤11の前面に形成された突部で構成されてもよい。この場合、球当接部150は、組付孔140Aと干渉しない位置に形成されればよい。特に、規制突部143の後面143Bが上記実施形態で述べたような湾曲面や傾斜面に構成される場合には、球当接部150を構成する突部は、前側から見て組付孔140Aの斜め上方に配置されればよい。
【0111】
(b2)規制突部143の後面143Bを、山状とする代わりに、上側に凸となる半円状にしてもよい。
【0112】
(b3)上記実施形態において、跳ね返し部161又は減勢部165を備えない構成としてもよい。
【0113】
(b4)上記実施形態では、球当接部150の全体が規制突部143に対して横方向にずれて配置されていたが、球当接部150の一部が規制突部143に対して横方向にずれて配置されてもよい。この場合、規制突部143の後面143Bのうち最も後側に位置する部分、即ち、峰部145と、球当接部150のうち最も前側に位置する部分と、が横方向にずれて配置されればよい。
【0114】
(b5)特徴B8の可動体は、上記実施形態のように、入賞口への入球を補助するものであってもよいし、入賞口への入球とは無関係な演出用の役物であってもよい。
【0115】
(b6)特徴B8の可動体は、隙間形成部と遊技盤11の前面との間隔が変化するように移動すればよく、例えば、鉛直な軸を中心にして回動してもよい。
【0116】
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する」遊技機に関し、「特許文献C1(特開2010-131374号(段落[0063]~[0064]、図5,6))の遊技機では、入球口の奥行方向にスライドする可動体が遊技球を受け止めて入球口側に転動させる。また、特許文献C2(特開2012-235916号(段落[0127]~[0132]、図19~20))の遊技機では、入球口が上側に開放し、前後にスライドする可動体が入球口を開閉する。」という背景技術について、「特許文献C1の遊技機では、遊技球が入球口を通りすぎたにもかかわらず、その遊技球が入球口より下方の部材に跳ね返されて入球口に入球するというイレギュラー入球が発生し得た。また、特許文献C2の遊技機では、入球口に遊技球が入ったにもかかわらず、その遊技球が入球先の収容部の底壁に跳ね返されて入球口から飛び出るという問題が発生し得た。」という課題をもってなされたものである。
【0117】
[特徴C1]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域で遊技球を落下させる落下手段(落下口102K)と、
前記落下手段によって落下させられた遊技球を受止可能な受止部(第3流路構成体130の下側転動面130M)と、を有し、
前記入球口は、前記受止部より上側で前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、
前記受止部には、受け止めた遊技球を前記入球口とは異なる方向に跳ね返す跳ね返し手段(跳ね返し部161)が設けられている、遊技機。
【0118】
本特徴に示す構成では、受止部に設けられた跳ね返し手段によって遊技球が入球口とは異なる方向に跳ね返されるので、受止部に跳ね返された遊技球が入球口に到達することが抑制される。これにより、いったん入球した遊技球が受止部に跳ね返されて入球口から飛び出たり、入球口に入球しなかった遊技球が受止部に跳ね返されて入球したりする不具合が抑制される。
【0119】
[特徴C2]
前記入球口は、入球補助部材(始動可変部材14BT)を介して前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、
前記入球補助部材は、前記受止部の上側に配置され、遊技球を受け止めて前記入球口側へ誘導する第1状態(始動突出位置に配置された状態)と、遊技球を落下させる第2状態(始動退避位置に配置された状態)と、に変化する、特徴C1に記載の遊技機。
【0120】
本特徴に示す構成では、入球補助部材が第2状態であるときに、入球口に遊技球が入球することが抑制される。
【0121】
[特徴C3]
前記跳ね返し手段は、水平面に対して傾斜した傾斜面(受止傾斜面162)によって構成されている、特徴C1又はC2に記載の遊技機。
【0122】
[特徴C4]
前記傾斜面の水平面に対する傾斜角が45度以上である、特徴C3に記載の遊技機。
【0123】
本特徴に示す構成では、簡易な構成によって遊技球を入球口とは異なる方向に跳ね返すことが可能となる。なお、傾斜面の水平面に対する傾斜角は45度以上であることが好ましい(特徴C4)。
【0124】
[特徴C5]
前記跳ね返し手段に相対して前記落下手段により落下させられた遊技球の勢いを低減可能な減勢手段(減勢部165)を有する、特徴C1乃至C4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0125】
本特徴に示す構成では、落下する遊技球の勢いを減勢手段により低減可能となり、受止部に跳ね返された遊技球が入球口へ到達することが一層抑制される。また、減勢手段は、跳ね返し手段に相対するので、跳ね返し手段によって跳ね返された遊技球を減勢したり、減勢手段によって減勢された遊技球を跳ね返し手段に跳ね返させたりすることが可能となる。
【0126】
[特徴C6]
前記減勢手段は、前記受止部から上方に起立する起立壁(フロントカバー146)に形成された突部(減勢突部166)により構成されている、特徴C5に記載の遊技機。
【0127】
本特徴に示す構成によれば、突部に遊技球を衝突させてその遊技球の勢いを低減することが可能となる。
【0128】
[特徴C7]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域で遊技球を落下させる落下手段(落下口102K)と、
前記落下手段によって落下させられた遊技球を受止可能な受止部(第3流路構成体130の下側転動面130M)と、を有し、
前記入球口は、前記受止部より上側で前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、
前記落下手段により落下させられた遊技球が前記受止部に受け止められる前にその遊技球の勢いを低減可能な減勢手段(減勢部165)を有する、遊技機。
【0129】
本特徴に示す構成では、落下手段により落下させられた遊技球が受止部に受け止められる前に減勢されるので、受止部に跳ね返された遊技球が入球口に到達することが抑制される。これにより、いったん入球した遊技球が受止部に跳ね返されて入球口から飛び出たり、入球口に入球しなかった遊技球が受止部に跳ね返されて入球したりする不具合が抑制される。
【0130】
[特徴C8]
前記受止部には、受け止めた遊技球を前記減勢手段側に跳ね返す跳ね返し手段(跳ね返し部150)が設けられている、特徴C7に記載の遊技機。
【0131】
本特徴に示す構成では、減勢手段により減勢されなかった遊技球を減勢手段側に跳ね返すことで減勢し、遊技球が入球口へ到達することを一層抑制可能となる。
【0132】
[特徴C9]
前記跳ね返し手段は、前記減勢手段側に下るように傾斜した傾斜面(受止傾斜面162)によって構成されている、特徴C8に記載の遊技機。
【0133】
本特徴に示す構成によれば、簡易な構成によって遊技球を減勢手段側に跳ね返すことが可能となる。
【0134】
[特徴C10]
遊技領域(遊技領域R1)を前面側に形成する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第2始動入賞口14BK)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技領域で遊技球を落下させる落下手段(落下口102K)と、
前記落下手段によって落下させられた遊技球を受止可能な受止部(第3流路構成体130の下側転動面130M)と、を有し、
前記入球口は、前記受止部より上側で前側又は側方側に開放して前記落下手段により落下させられた遊技球を受け入れ可能に構成され、
前記落下手段により落下させられた遊技球が前記受止部に受け止められるまでに通過可能な落下領域(落下口102Kの下方空間であって遊技盤11とフロントカバー146との間に挟まれた領域)を前記入球口より下側で落下方向に垂直な方向で狭める絞り部(受止傾斜面162及び減勢突部166)を有する、遊技機。
【0135】
本特徴に示す構成では、落下手段により落下させられた遊技球が通過可能な落下領域が入球口より下側で落下方向に垂直な方向で狭められるので、遊技球が減勢され易く、受止部によって跳ね返された遊技球が入球口に到達することが抑制される。これにより、いったん入球した遊技球が受止部に跳ね返されて入球口から飛び出たり、入球口に入球しなかった遊技球が受止部に跳ね返されて入球したりする不具合が抑制される。
【0136】
なお、特徴C7~C9に示す構成に、特徴C1~C6に示す構成が組み合わされてもよい。また、特徴C10に示す構成に、特徴C1~C9に示す構成が組み合わされてもよい。なお、この場合、「絞り部」は、跳ね返し手段としての「傾斜面」と、減勢手段としての「突部」で構成される。
【0137】
特徴C群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0138】
(c1)上記実施形態では、特徴C1~C9における入球口は、始動可変部材14BTによって入球容易な状態と入球困難な状態とに変化する第2始動入賞口14BKであったが、第1可変部材15ATによって入球容易な状態と入球困難な状態とに変化する第1大入賞口15AKであってもよいし、第2可変部材15BTによって入球容易な状態と入球困難な状態とに変化する第2大入賞口15BKであってもよい。前者の場合には、上記実施形態と同様に、第1大入賞口15AKへのイレギュラー入球を抑制可能となる。後者の場合には、第2大入賞口15BKに遊技球が入ったにもかかわらず、その遊技球が入球先の収容部の底壁に跳ね返されて第2大入賞口15BKから飛び出るという問題を抑制可能となる。なお、前者の場合の落下手段は、第1可変部材15ATの右上で右上がりに並べられた道釘によって構成され、後者の場合の落下手段は、第2大入賞口15BKの右側の開口縁によって構成される。
【0139】
(c2)上記実施形態では、「入球口」は、側方側に開放していたが、前側に開放してもよいし、上側に開放してもよい。なお、前者の場合、特徴C2における入球補助部材は、入球口の奥側へ引っ込んだ状態と入球口から前側に飛び出た状態とに変化する可動舌片で構成されてもよい。
【0140】
(c3)落下口102Kから落下した遊技球の第2始動入賞口14BKへの入球は、障害釘Kによって補助されてもよいし、遊技盤11の前面より前側に突出する樹脂体によって補助されてもよい。
【0141】
(c4)特徴C1に含まれる形態して、減勢部165を備えない構成としてもよい。また、特徴C7に含まれる形態として、跳ね返し部161を備えない構成としてもよい。
【0142】
(c5)上記実施形態において、減勢突部166は、フロントカバー146の後面からではなく、遊技盤11の前面から突出してもよい。
【0143】
(c5)上記実施形態において、減勢部165は、遊技盤11の前面又はフロントカバー146の後面に貼り付けられた緩衝材(例えば、ゴムシート)であってもよい。
【0144】
(c6)上記実施形態において、始動可変部材14BTが規制突部143を備えない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0145】
10 遊技機
11 遊技盤
14BK 第2始動入賞口
14BT 始動可変部材
102K 落下口
143 規制突部
161 跳ね返し部
165 減勢部
R1 遊技領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11