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特許7137189バケット用アタッチメント、及びバケット用アタッチメントの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】バケット用アタッチメント、及びバケット用アタッチメントの使用方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
E02F3/40 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018123212
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020002639
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】518231080
【氏名又は名称】有限会社大里不動産
(74)【代理人】
【識別番号】100106404
【弁理士】
【氏名又は名称】江森 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100214994
【弁理士】
【氏名又は名称】三瓶 文寛
(72)【発明者】
【氏名】吉原 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】堀 宏明
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-001456(JP,U)
【文献】特開2002-194765(JP,A)
【文献】実開昭61-206751(JP,U)
【文献】実開平06-024041(JP,U)
【文献】特開2008-095380(JP,A)
【文献】特開2006-089992(JP,A)
【文献】米国特許第06022184(US,A)
【文献】特開2006-124977(JP,A)
【文献】実開平03-086144(JP,U)
【文献】特開平11-247240(JP,A)
【文献】米国特許第06928758(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも掻き出し部と、ストッパーと、取り付け部と、を具備し、油圧ショベルのバケットに対して着脱されるバケット用アタッチメントであって、
前記取り付け部が、前記バケット用アタッチメントを、前記バケットの先端部に固定する固定部材を有しており、当該固定部材を介して、前記掻き出し部が、前記バケットの進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、
前記ストッパーが、ゴム類、合成樹脂、天然樹脂、セラミック、又は木材からなり、かつ、
前記掻き出し部の幅をW1(mm)、前記バケットの幅をW2(mm)、作業領域の幅をW3(mm)、前記ストッパーの幅をW4(mm)とした場合に、下記関係式(1)及び(2)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメント。
W1<W2 (1)
W3<W4 (2)
【請求項2】
前記掻き出し部の幅(W1)を50~300mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のバケット用アタッチメント。
【請求項3】
前記バケットの幅(W2)を400~2000mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のバケット用アタッチメント。
【請求項4】
前記掻き出し部の長さ(L1)を200~700mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のバケット用アタッチメント。
【請求項5】
前記ストッパーの幅(W4)を500~700mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のバケット用アタッチメント。
【請求項6】
少なくとも掻き出し部と、ストッパーと、取り付け部と、を具備する油圧ショベルのバケットに対して着脱される、下記工程(a)~(c)を含むバケット用アタッチメントの使用方法であって、
前記取り付け部が、前記バケット用アタッチメントを、前記バケットの先端部に固定する固定部材を有しており、当該固定部材を介して、前記掻き出し部が、前記バケットから、進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、
前記ストッパーが、ゴム類、合成樹脂、天然樹脂、セラミック、又は木材からなり、かつ、
前記掻き出し部の幅をW1(mm)、前記バケットの幅をW2(mm)、作業領域の幅をW3(mm)、前記ストッパーの幅をW4(mm)とした場合に、下記関係式(1)及び(2)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメントの使用方法。
W1<W2 (1)
W3<W4 (2)
(a)前記バケット用アタッチメントの取り付け対象である、前記油圧ショベルのバケットを準備する工程
(b)前記バケット用アタッチメントを、前記取り付け部により、前記油圧ショベルのバケット先端部に固定する工程
(c)前記油圧ショベルを動作させ、前記バケット用アタッチメントで、対象物を掻き出す工程
【請求項7】
前記工程(c)における対象物が、鋼矢板の壁面の窪みに溜まった土砂、又は降雪地における雪であることを特徴とする請求項に記載のバケット用アタッチメントの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルに用いられるバケット用アタッチメント、及び、そのようなバケット用アタッチメントの使用方法に関する。
特に、簡易構造であって、鋼矢板で形成された壁面の窪みに溜まった土砂等を効率的に掻き出すことに適した、油圧ショベルのバケット用アタッチメント、及び、そのような油圧ショベルのバケット用アタッチメントの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場や降雪地では、様々なタイプの油圧ショベルが運用されている。
かかる油圧ショベルは、アームの先端に、土砂や雪を収容するためのバケットを取り付けることを標準としているが、用途に応じて様々な作業装置に付け替えることが可能である。
【0003】
ここで、油圧ショベル用の作業装置は多様に存在するが、アームの動きとしては、基本的に、前後左右方向及び回転移動のみであるとともに、アームの先端に取り付けるバケットでも、その横幅は少なくとも500mm程度となり、相当な重量である。
そのため、バケットの動作が制限されることから、鋼矢板により形成される壁面の窪み等、油圧ショベルでの作業に適さない箇所が存在する。
したがって、鋼矢板の壁面の窪みが狭小場所に溜まった土砂等の除去(掻取り)は、基本的に、作業者によるスコップ等を用いた人的作業によって行われている。
しかしながら、鋼矢板の壁面の窪みに溜まる土砂等は、数メートルの高さにも及ぶ場合が多く、これらの土砂等の除去作業を手作業で行うことは、きわめて過酷かつ非効率であった。
【0004】
そこで、油圧ショベル系掘削機に着脱自在に装着でき、駆動装置付きアタッチメント部材と一体に設け、しかも、場所を占めずに狭い処でも、丸形の穴堀、曲がりのある溝掘削、周辺からの植木の根切り等ができ、アタッチメント部材を取り替えることによって,油圧ショベル系掘削機の移動をせずに様々な作業が可能となる油圧ショベル及びそのバケット用アタッチメントの駆動装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
より具体的には、油圧ショベル系掘削機において、アームの先端部に掘削用駆動シリンダと、回動用駆動シリンダとを並設し、該掘削用駆動シリンダのチューブの頭部に同心円状に軸着されたロッドを設け、該ロッドにはギアを設け、該ギアと隣接する回動用駆動シリンダのピストンロッドに軸着したドライブギアとを噛み合わせて連動し、該回動用駆動シリンダのピストンロッドの中途には、回転防止機構を設け、かつ、ピストンロッド先端付近には回転螺旋スプラインを穿設し、ピストンの上下運動を回転運動に変えることを特徴とする油圧ショベルにおけるアタッチメントの駆動装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第2946040号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のアタッチメントの駆動装置は、油圧ショベル系掘削機において、アームの先端部に、掘削アタッチメント部材と、該部材の掘削用駆動シリンダと、該駆動シリンダと掘削アタッチメント部材とを回動させるための回動用駆動シリンダからなるアタッチメントを、一体に設ける必要があった。
したがって、このような一体的なアタッチメントは、構造上、サイズや重量が過度に大きくなって、油圧ショベル系掘削機への負荷が大きくなるとともに、油圧ショベル系掘削機の寿命を低下させるという問題があった。
また、一体的なアタッチメントの着脱のために、所定の着脱装置を用いたとしても、構成上、その着脱が極めて困難であって、かつ、交換時間がかかり、その上、コストが高くなって、経済的に不利になるという問題が見られた。
さらに言えば、アタッチメントの幅を全く考慮しておらず、一体的なアタッチメントをバケットに対して取り付けるため、バケット幅よりも狭小な空間での作業に適さないという問題も見られた。
【0008】
そこで、本発明の発明者は鋭意検討した結果、油圧ショベルのバケット用アタッチメントとして、掻き出し部の幅(W1)と、バケットの幅(W2)を考慮した簡易構造とするだけで、着脱が容易かつ迅速でありながら、鋼矢板で形成された壁面の窪みなどの狭小な空間に溜まった土砂等を掻き出す作業が、迅速かつ効率的にできることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、簡易構造であって、油圧ショベルのバケットの所定場所への着脱が容易であり、さらには狭小な空間に溜まった土砂等を掻き出す作業を、迅速かつ効率的に行うことができるバケット用アタッチメント、及びそのようなバケット用アタッチメントの使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、少なくとも掻き出し部と、取り付け部と、を具備する油圧ショベルのバケットに対して着脱させるバケット用アタッチメントであって、取り付け部が、バケット用アタッチメントを、バケットの先端部に固定する固定部材を有しており、当該固定部材を介して、掻き出し部が、バケットから、進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、かつ、掻き出し部の幅をW1(mm)、バケットの幅をW2(mm)とした場合に、下記関係式(1)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメントが提供され、上述した問題点を解決することができる。
W1<W2 (1)
すなわち、本発明の油圧ショベルのバケット用アタッチメントであれば、所定の掻き出し部と、取り付け部とから構成することにより、きわめて簡易構造かつ経済的である。
また、小型かつ軽量な上に、所定の取り付け部が設けてあることによって、バケットへの着脱を容易なものとし、例えば、作業者が油圧ショベルに乗ったまま、片手であってもバケット用アタッチメントを、バケットの所定場所に取り付けることが可能である。
さらに、掻き出し部の幅(W1)と、バケットの幅(W2)を考慮して、バケット用アタッチメントを構成していることから、狭小な空間に溜まった土砂等の対象物であっても、バケットの損傷を防止しつつ、迅速かつ効率的に掻き出すことができる。
【0011】
本発明のバケット用アタッチメントを構成するにあたり、掻き出し部の幅(W1)を50~300mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように掻き出し部の幅(W1)を制限することによって、バケット用アタッチメントの大きさや重量と、所定の狭小な空間における使用性と、対象物としての土砂等の除去作業の効率性と、の間バランスをさらに良好なものとすることができる。
【0012】
本発明のバケット用アタッチメントを構成するにあたり、バケットの幅(W2)を400~2000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このようにバケットの幅(W2)を制限することによって、油圧ショベルの本来の土木作業(穴堀作業、溝掘削作業、整地作業、植木の根切り作業、雪かき作業等)の作業性と、所定の狭小な空間における使用性と、の間バランスをさらに良好なものとすることができる。
【0013】
本発明のバケット用アタッチメントを構成するにあたり、掻き出し部の長さ(L1)を200~700mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように掻き出し部の長さ(L1)を制限することによって、バケットの衝突防止や接触防止性と、所定の狭小な空間における使用性と、バケット用アタッチメントの大きさや重量と、対象物としての土砂等の除去作業の効率性と、の間バランスをさらに良好なものとすることができる。
【0014】
本発明のバケット用アタッチメントを構成するにあたり、掻き出し部に、当該掻き出し部の幅(W1)よりも広い、幅(W4)を有するストッパーが設けてあることが好ましい。
このようにストッパーを具備することによって、バケット用アタッチメント(バケットも含む)の衝突防止や接触防止性と、所定の狭小な空間におけるバケット用アタッチメントの使用性と、対象物としての土砂等の除去作業の効率性と、の間のバランスを良好なものとすることができる。
【0015】
本発明のバケット用アタッチメントを構成するにあたり、取り付け部の固定部材が、屈曲部を有する圧着棒部材、屈曲部を有する圧着板部材、土台及びU字部材を含み、当該土台及びU字部材を前記バケットに固定するためのねじ部材をさらに含む構成の少なくとも一つであることが好ましい。
このように取り付け部を構成することによって、バケット用アタッチメントの大きさや重量が調整しやすいとともに、バケットに対するバケット用アタッチメントの固定性が良好になり、着脱自体もさらに容易になるためである。
【0016】
本発明の別の態様は、少なくとも掻き出し部と、取り付け部と、を具備する油圧ショベルのバケットに対して着脱させる、下記工程(a)~(c)を含むバケット用アタッチメントの使用方法であって、取り付け部が、バケット用アタッチメントを、バケットの先端部に固定する固定部材を有しており、当該固定部材を介して、掻き出し部が、バケットの進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、かつ、掻き出し部の幅をW1(mm)、バケットの幅をW2(mm)とした場合に、下記関係式(1)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメントの使用方法である。
W1<W2 (1)
(a)バケット用アタッチメントの取り付け対象である、油圧ショベルのバケットを準備する工程
(b)バケット用アタッチメントを、取り付け部の固定部材を介して、油圧ショベルのバケット先端部に固定する工程
(c)油圧ショベルを動作させ、バケット用アタッチメントで、対象物を掻き出す工程
【0017】
また、本発明のバケット用アタッチメントの使用方法を実施するにあたり、工程(c)における対象物が、鋼矢板の壁面の窪みに溜まった土砂、又は降雪地における雪であることが好ましい。
この理由は、鋼矢板の壁面の窪みが、バケットの幅よりも狭い場合が多く、大きさを調節しやすい、本発明のバケット用アタッチメントであれば、好適に掻き出し作業を行えるためである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明のバケット用アタッチメントにおける、掻き出し部及び取り付け部の構成を説明するために供する図である(No.1)。
図2図2は、本発明の別なバケット用アタッチメントにおける掻き出し部及び取り付け部の構成を説明するために供する図である(No.2)。
図3図3は、本発明のさらに別のバケット用アタッチメントにおける掻き出し部及び取り付け部の構成を説明するために供する図である(No.3)。
図4図4は、本発明のバケット用アタッチメントにおける、バケットに対する取り付け方を説明するために供する図である。
図5図5は、本発明のバケット用アタッチメントの使用方法を説明するために供する図である。
図6図6は、本発明のバケット用アタッチメントの使用方法を説明するために供するフロー図である。
図7図7は、実施例1で使用したバケット用アタッチメントの全体図(写真)である。
図8図8は、実施例2で使用したバケット用アタッチメントの全体図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に例示するように、少なくとも掻き出し部10と、取り付け部11と、を具備する油圧ショベルのバケットに対して着脱させるバケット用アタッチメント1であって、取り付け部11が、バケット用アタッチメント1を、バケットの先端部に固定する固定部材12、13、14を有しており、当該固定部材12、13、14を介して、掻き出し部10が、バケットの進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、かつ、掻き出し部10の幅をW1(mm)、バケットの幅をW2(mm)とした場合に、下記関係式(1)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメント1である。
W1<W2 (1)
【0020】
以下、第1の実施形態のバケット用アタッチメントについて、図1図3等の図面を適宜参照して、具体的に説明する。
なお、図1は、バケット用アタッチメントにおける掻き出し部がスコップ状であって、かつ、取り付け部がネジ固定式の構成である。
また、図2は、バケット用アタッチメントにおける掻き出し部がスコップ状であって、かつ、取り付け部が屈曲部を有する金属棒の構成である。
さらに、図3は、バケット用アタッチメントにおける掻き出し部が櫛形形状(フォーク状)であって、かつ、取り付け部がネジ固定式の構成である。
【0021】
1.掻き出し部
(1)基本構成
図1に示すように、本発明の油圧ショベルのバケット用アタッチメント1は、基本構成として、バケット15の先端部に取り付けられて、対象物としての土砂等を除去するための掻き出し部10を有することを特徴とする。
そして、掻き出し部10は、油圧ショベルのバケット15から、油圧ショベルのバケットの進行方向に沿って、前方に突き出すよう固定されている。
これは、掻き出し部10の固定方向を所定の向きとすることで、バケット用アタッチメント1の向きが装着先であるバケット15と、事実上、同一になることから、ショベル先端部として操作しやすくなるためである。
【0022】
(2)掻き出し部の幅(W1)
また、図1図3に示すように、掻き出し部10の幅(W1)を50~300mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように掻き出し部10の幅を制限することによって、バケット用アタッチメント1の大きさや重量と、所定の狭小な空間における使用性と、対象物としての土砂等の除去作業の効率性と、の間バランスを良好なものとすることができるためである。
すなわち、掻き出し部10の幅(W1)が50mm未満の値になると、狭小な空間に溜まった土砂等の除去効率が著しく低下する場合があるためである。
一方、掻き出し部10の幅(W1)が300mmを超えた値になると、狭小な空間に、バケット用アタッチメント1を挿入することが困難になる場合があるためである。
したがって、掻き出し部10の幅(W1)を80~250mmの範囲内の値とすることがより好ましく、100~200mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0023】
(3)バケットの幅(W2)との関係
図1~3に示す掻き出し部10の幅をW1(mm)、図4に示すようにバケットの幅をW2(mm)とした場合に、関係式(1)を満足することを特徴とする。
W1<W2 (1)
すなわち、掻き出し部10の幅(W1)と、バケットの幅(W2)を考慮して、バケット用アタッチメント1を構成していることから、狭小な空間に溜まった土砂等の対象物であっても、バケットの損傷を防止しつつ、迅速かつ効率的に掻き出すことができる。
【0024】
なお、上述した関係式(1)を満足するにあたり、バケットの幅(W2)を400~2000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように制限することによって、油圧ショベルの本来の土木作業(穴堀作業、溝掘削作業、整地作業、植木の根切り作業、雪かき作業等)の作業性と、所定の狭小な空間における使用性と、の間のバランスをさらに良好なものとすることができるためである。
【0025】
(4)掻き出し部の長さ(L1)
また、図1図3に示す掻き出し部10の長さ(L1)としては、過度に短くなると、効果的に掻き出し作業を行うことができない場合が生じ、逆に、過度に長くなると、使用性が低下し、作業者に対して、より高精度な操縦技能が求められることとなる。
すなわち、掻き出し部10の長さ(L1)を調整することにより、バケットの衝突防止や接触防止性と、所定の狭小な空間における使用性と、バケット用アタッチメント1の大きさや重量と、対象物としての土砂等の除去作業の効率性と、の間バランスをさらに良好なものとすることができる。
したがって、より具体的には、掻き出し部10の長さ(L1)を200~700mmの範囲内の値とすることが好ましく、250~650mmの範囲内の値とすることがより好ましく、300~600mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0026】
(5)掻き出し部の平面形状
また、図1図3に示す掻き出し部10の平面形状としては、特に制限されるものではないが、例えば、スコップ形状、扇型形状、櫛形形状(フォーク形状)、円錐形状、多角形状、楕円形状等のいずれか一方であることが好ましい。
この理由は、このような平面形状とすることにより、掻き出し対象と壁面や床面の間の隙間に、バケット用アタッチメント1を差し込むことが容易となり、さらに効率よく作業を行えるためである。
なお、掻き出し部10の平面形状が、スコップ状や櫛形状であれば、バケット用アタッチメント1を差し込むことがさらに容易となり、効率よく作業を行えることから、より好適である。
【0027】
(6)掻き出し部の組み合わせ
また、図5に示す作業領域の幅(W3)や、所定の狭小な空間における使用性等に応じて、掻き出し部10の幅(W1)が異なる複数のバケット用アタッチメントを、作業ごとに使い分けることも好ましい。
より具体的には、作業領域の幅(W3)が300mm以上であった場合は、掻き出し部10の幅(W1)が250~290mmのバケット用アタッチメント1、作業領域の幅(W3)が200~250mmであった場合は、掻き出し部10の幅(W1)が150~190mmのバケット用アタッチメント1を使用するのが好ましい。
【0028】
(7)掻き出し部の構成材料
図1図3に示す掻き出し部10の構成材料としては、作業に応じた強度を保てるものであれば、特に限定されるものではない。
そのため、雪の掻き出し作業など、作業に必要な強度が低い場合などは、コスト削減の観点から、安価な樹脂素材を用いるのが好ましい。
したがって、掻き出し対象を問わず使用でき、かつ比較的安価であることから、炭素鋼、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、ステンレス、セラミックなどの少なくとも一種を用いることがより好ましい。
【0029】
(8)掻き出し部の厚さ
図1及び図2に示す掻き出し部10の厚さ(t1)としては、構成材料の種類を踏まえた上で、作業に応じた強度を保てるものであり、かつ、掻き出しの対象物に挿し込む事のできる厚みであれば、特に限定されるものではない。
より具体的には、掻き出し部10の厚さ(t1)を1~25mmの範囲内の値とすることが好ましく、1.5~10mmの範囲内の値とすることがより好ましく、2~5mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0030】
2.ストッパー
(1)基本構成
図1に示すように、掻き出し部10の根元部分には、当該掻き出し部10が作業対象の空間に深く入りすぎることを防止するために、ストッパー16が設置されることが好ましい。
これは、バケット用アタッチメント1やバケット15が壁面などに衝突し、傷や騒音が発生するのを事前に防ぐためである。
【0031】
(2)構成材料
また、ストッパー16の構成材料としては、バケット用アタッチメント1やバケット15が壁面などに衝突した際の衝撃を軽減するのに、適度な緩衝性を持つものであれば特に限定されないが、例えば、ゴム類、合成樹脂、天然樹脂、セラミック、木材などが上げられる。
また、CCDカメラや距離センサーを設けて、バケット用アタッチメント1やバケット15と、壁面との距離を測定し、それが所定値以内となった場合に、警報を発する機構を、ストッパーとして設けてもよい。
【0032】
(3)幅
ストッパー16の幅(W4)は、バケット用アタッチメント1の掻き出し部10´が、作業対象の空間に深く入りすぎることを防止するために、作業領域の幅(W3)との関係性において、下記関係式(2)を満足することが好ましい。
W3<W4 (2)
【0033】
より具体的には、ストッパー16の幅(W4)は、500~700mmの範囲内の値とすることが好ましい。
これは、ストッパー16の幅(W4)が小さすぎる場合、バケット用アタッチメント1やバケット15が周囲に衝突するのを防ぐことができず、ストッパー16の幅(W4)が大きすぎる場合、バケット用アタッチメント1の重量が増大し、安定性が損なわれる場合があるためである。
したがって、ストッパー16の幅(W4)を470~670mmの範囲内の値とすることがより好ましく、450~650mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】
3.取り付け部
(1)基本構成
図1図3に示すように、バケット用アタッチメント1は、基本構成として、当該バケット用アタッチメント1を油圧ショベルのバケット15の先端部に固定するために、取り付け部11、11´を有することを特徴とする。
すなわち、取り付け部11、11´の固定部材が、屈曲部を有する圧着棒部材、屈曲部を有する圧着板部材、土台及びU字部材を含み、当該土台及びU字部材を前記バケットに固定するためのねじ部材をさらに含む構成の少なくとも一つであることが好ましい。
【0035】
(1)-1 ねじ止め構成
図1に示すように、バケット用アタッチメント1の取り付け部11は、土台12とU字部材13と、U字部材13の先端から当該土台12に向かって垂直に進む、ねじ先が平らなねじ14とを備える構成であってもよい。
すなわち、このように土台及びU字部材を含み、当該土台及びU字部材をバケットに固定するためのねじ部材をさらに含む構成であれば、バケットの先端部に対して、より強固に固定することができる。
したがって、このような構成であれば、自動ねじ締め機等を用いることでバケット15へのバケット用アタッチメント1の取り付けが非常に容易かつ迅速となり、バケット15とバケット用アタッチメント1の間をさらに強固に保つことができる。
また、自動ねじ締め機等を用いることにより、バケット15へのバケット用アタッチメント1の取り外しについても、非常に容易かつ迅速となる。
【0036】
(1)-2 圧着構造
また、図2に示すように、バケット用アタッチメントの取り付け部11´は、屈曲部11c、11dを備える圧着部材11a、11bからなる圧着構構造であることが好ましい。
より具体的には、かかる取り付け部11´は、120~180°の範囲で折り曲げてなる、金属製の屈曲部11c、11dを備え、その間に、バケットの先端部を挟みこみ、圧接構造とすることが好ましい。
すなわち、このように圧着構造とすることにより、バケット15へのバケット用アタッチメント1の着脱を、非常に容易かつ迅速なものとすることができる。
【0037】
なお、図1に示す圧着部材11a、11bは、2本の棒状部材として記載されているが、取り付けが容易でありつつ、取り付け時の安定性が保たれるのであれば、3本以上の棒状部材や、屈曲部を備える板状部材で構成されていてもよい。
【0038】
(2)構成材料
取り付け部11、11´として用いられる構成材料は、所定の形状を保ち、バケット用アタッチメント1を固定するために、適度な強度を備えた金属等であれば特に限定されないが、例えば、炭素鋼、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、ステンレス、セラミックなどの少なくとも一種が挙げられる。
【0039】
(3)接合工程
取り付け部11、11´と掻き出し部10との接合においては、接合部の強度が好適に保たれ、かつ、それぞれの材質に応じた接合方法であれば、特に限定されるものではない。
そのため、掻き出し部10が樹脂素材であった場合は、接着剤による化学的接合、掻き出し部10´と取り付け部11、11´とが金属素材であった場合、溶接やねじ固定などを用いるのが好ましい。
【0040】
なお、ストッパーは、取り付け部11、11´と掻き出し部10との接合後、掻き出し部10の先端から挿し込む形で設置されるのが好ましい。
【0041】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、少なくとも掻き出し部と、取り付け部と、を具備する油圧ショベルのバケットに対して着脱させる、下記工程(a)~(c)を含むバケット用アタッチメントの使用方法であって、取り付け部が、バケット用アタッチメントを、バケットの先端部に固定する固定部材を有しており、当該固定部材を介して、掻き出し部が、バケットの進行方向に沿って前方に突き出すよう固定され、かつ、掻き出し部の幅をW1(mm)、バケットの幅をW2(mm)とした場合に、下記関係式(1)を満足することを特徴とするバケット用アタッチメントの使用方法である。
W1<W2 (1)
(a)バケット用アタッチメントの取り付け対象である、油圧ショベルのバケットを準備する工程
(b)バケット用アタッチメントを、取り付け部の固定部材を介して、油圧ショベルのバケット先端部に固定する工程
(c)油圧ショベルを動作させ、バケット用アタッチメントで、対象物を掻き出す工程
以下、第2の実施形態の特有の構成について、図4図6等を適宜参照しながら具体的に説明する。
【0042】
1.前工程(S1)
図6の記号S1で示されるように、バケット用アタッチメントを装着する前工程として、バケット付き油圧シャベルを用いて、通常作業を行うことが好ましい。
例えば、図5に示される作業領域において、作業領域に溜まった対象物としての土砂や雪等を整地し、平坦化することが好ましい。
【0043】
2.バケット付き油圧シャベルの準備(S2)
図6の記号S1で示されるように、図4及び図5に示す作業装置としてのバケット15が装着されてなる油圧ショベルを準備する工程である。
かかるS1の工程が、上述した(a)バケット用アタッチメントの取り付け対象である、油圧ショベルのバケットを準備する工程に相当する。
なお、油圧ショベルと同義であるが、かかる油圧ショベルの中に、ユンボやバックフォー等も含めることができる。
【0044】
3.バケット用アタッチメントの取り付け(S3)
図6の記号S3で示されるように、バケット15の所定位置に、バケット用アタッチメントを取り付ける工程である。
すなわち、かかるS3の工程が、上述した工程(b)に相当するが、例えば、図4の油圧ショベルのバケット15と、バケット用アタッチメント1の構成に示すように、ねじ止め構成からなる取り付け部11´を用いて、準備した油圧ショベル用のバケット15の先端をねじ14と土台12とで挟み込み、バケット用アタッチメント1を固定する工程である。
【0045】
ここで、バケット用アタッチメント1を設置する位置は、バケット15の先端の中央とすることが基本となるが、操縦者の技量に応じて、左端部や右端部など作業を行いやすい任意の位置へ設置されることが好ましい。
また、作業の種類や作業領域の大きさ等にもよるが、バケット用アタッチメント1を複数用意して、バケット15の先端の中央部はもちろん、左端部や、右端部にもバケット用アタッチメント1をそれぞれ取り付けて、複数のバケット用アタッチメント1を用いて、同時に所定作業を行うことも好ましい。
【0046】
また、バケット用アタッチメント1の固定を、圧着構成からなる取り付け部11´を用いて行う場合、屈曲部11c、11dを備える圧着部材11a、11bで、準備した油圧ショベル用のバケット15の先端挟み込んで圧着することが好ましい。
この場合も、バケット用アタッチメント1を固定する位置は、バケット15の先端の中央であることが基本であり、操縦者の技量に応じて、左端部や右端部など作業を行いやすい任意の位置へ設置されることが好ましい。
【0047】
4.バケット用アタッチメントによる掻き出し(S4)
図6の記号S4で示されるように、バケット用アタッチメントを取り付けたバケットを含む油圧ショベルを動作させ、バケット用アタッチメントによる対象物の掻き出し作業を行う工程である。
すなわち、かかるS4の工程が、上述した工程(c)に相当するが、例えば、図5に示すように、バケット用アタッチメント1を取り付けた状態で、油圧ショベルを稼働させ、作業領域に溜まった対象物としての土砂や雪等を掻き出す工程である。
【0048】
ここで、S4において、対象物を掻き出すにあたっては、通常、図5に示すように、上部から下部に向かって油圧ショベルを稼働させるのが好ましい。
これは、作業領域が工事現場の鋼矢板であった場合、鋼矢板により形成される壁面に堆積する土砂は、2m近い高さになる可能性が高く、下部から作業を行うとすると、対象物の重量に耐えられず、バケット用アタッチメント1が破損する可能性があるためである。
【0049】
5.バケット用アタッチメントの脱離(S5)
図6の記号S5で示されるように、バケット用アタッチメント1を用いてなる作業が終了したのち、油圧ショベルの本来の作業、すなわち、整地作業等ができるように、バケット用アタッチメント1を取り外すことが好ましい。
その場合でも、本発明のバケット用アタッチメント1は、取り付け部11が圧着構成であっても、ねじ止め構成であっても、基本的に圧接して取り付けてあることから、作業者が、油圧ショベルの座席に座ったまま、それらのバケット用アタッチメント1を取り外すことができるという利点がある。
【実施例
【0050】
以下、実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。但し、特に理由なく、本発明の範囲は、実施例の記載によって制限されるものではない。
【0051】
[実施例1]
1.油圧ショベルのバケット用アタッチメントの製造
(1)掻き出し部の形成
掻き出し部として、スコップ形状に加工された湾曲した鉄板(厚さ:8mm)を用意した。また、掻き出し部の長さ(L1)は、200mm、幅は150mmであった。
【0052】
(2)取り付け部の形成
取り付け部として、アルミニウム合金を用意し、機械加工にて、それぞれ直径が10mmである2本の棒状部材(滑り止めの凹凸ライン付き)を形成した。
次いで、棒状部材を170°に折り曲げ変形させ、油圧ショベルのバケットを屈曲部に挟み込んで、圧着できるよう形成した。
【0053】
(3)接合工程
形成した掻き出し部と、取り付け部とを溶接により接合し、図7に示すように、油圧ショベルのバケット用アタッチメントとした。
【0054】
2.油圧ショベルの準備
取り付け対象である油圧ショベルとして、バケットの幅(W2)が550mmの油圧ショベル(日立建機日本(株)製、ZX75US5B)を用意し、バケットの縁の中央付近に、図7に示すバケット用アタッチメントを取り付けた。
【0055】
3.作業領域の準備
作業領域として奥行き125mm、幅600mmの凹面を持つ鋼矢板(ジェコス(株)製、サイズSP-3)を用いて壁を構成し、壁面に向けて高さ1500mmの土砂を堆積した。
【0056】
4.評価
(1)作業性
作業領域である鋼矢板の凹部分に溜まった土砂を、用意した油圧ショベルのバケット用アタッチメントで掻き出した後、下記基準に沿って、4段階で作業性を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:完全に土砂を掻き出せており、壁面の傷は一切確認できない。
○:ほぼ完全に土砂を掻き出せているが、壁面の一部に傷が見られた。
△:ある程度の土砂を掻き出すことができたが、壁面に少々の傷が見られた。
×:土砂の掻き出しが不十分であったか、壁面に顕著な傷が見られた。
【0057】
(2)作業時間
鋼矢板(高さ:10m、幅:30cm、窪み:50mm)の一つの窪みにおいて、溜まった土砂(高さ2m)を掻き出すのに要した時間を測定し、下記基準に沿って、4段階で作業時間を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:掻き出しに要した時間は10秒未満であった。
○:掻き出しに要した時間は10秒以上、100秒未満であった。
△:掻き出しに要した時間は100秒以上、180秒未満であった。
×:掻き出しに要した時間は180秒以上であった。
【0058】
(3)取り付け性
用意した油圧ショベルのバケットに、バケット用アタッチメントを取り付ける際の取り付け性を、下記基準に沿って、4段階で取り付け性を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:一人で運転席に居ながら、10秒以内に取り付けることができた。
○:一人で運転席に居ながら、30秒以内に取り付けることができた。
△:一人で運転席に居ながら、90秒以内に取り付けることができた。
×:一人で運転席に居ながら、90秒以内に取り付けることができなかった。
【0059】
[実施例2]
実施例2では掻き出し部の長さ(L1)を200mm、幅(W1)を100mmとし、取り付け部を、土台とU字部材と、U字部材の先端から当該土台に向かって、垂直方向に進む、ねじ先が平坦な六角ねじとを備える構成としたほかは、実施例1と同様に、図8に示すようなバケット用アタッチメントを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
【0060】
[実施例3]
実施例3では掻き出し部の長さ(L1)を200mm、幅(W1)を250mmとし、取り付け部を、図8に示すような土台とU字部材と、U字部材の先端から当該土台に向かって、垂直方向に進む、ねじ先が平坦な六角ねじと、を備える構成としたほかは、実施例1と同様に、バケット用アタッチメントを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
【0061】
[実施例4]
実施例4では掻き出し部の形状において、長さ(L1)を200mm、幅(W1)を50mmの櫛型(直径:10mm/本)に加工し、かつ、取り付け部を、土台とU字部材と、U字部材の先端から当該土台に向かって、垂直方向に進む、ねじ先が平坦な六角ねじとを備える構成としたほかは、実施例1と同様にバケット用アタッチメントを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
【0062】
[比較例1]
比較例1では、油圧ショベルのバケット用アタッチメントを使用せずに、土砂の書き出しを行い、評価した。得られた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0064】
上述したように、本発明によれば、油圧ショベルのバケット用アタッチメントとして、掻き出し部の幅(W1)と、バケットの幅(W2)を考慮した簡易構造とするだけで、着脱が容易かつ迅速でありながら、鋼矢板で形成された壁面の窪みなどの狭小な空間に溜まった土砂等を掻き出す作業が、迅速かつ効率的にできるようになった。
【0065】
したがって、所定の掻き出し部と、取り付け部とから構成することにより、きわめて簡易構造かつ経済的なバケット用アタッチメント及びその使用方法を提供できるようになった。
また、小型かつ軽量な上に、所定の取り付け部が設けてあることによって、バケットへの着脱を容易なものとし、例えば、作業者が油圧ショベルに乗ったまま、片手であってもバケット用アタッチメントを、バケットの所定場所に取り付けることも可能となった。
さらに、掻き出し部の幅(W1)と、バケットの幅(W2)を考慮して、バケット用アタッチメントを構成していることから、狭小な空間に溜まった土砂等の対象物であっても、バケットの損傷を防止しつつ、迅速かつ効率的に掻き出すことができるようになった。
【0066】
よって、工事現場等での油圧ショベルによる土木作業(穴堀作業、溝掘削作業、整地作業、植木の根切り作業、雪かき作業等)の作業性と、所定の狭小な空間における使用性との間のバランスをとりながら、従来、手作業で行っていた作業も含めて、油圧ショベルによる作業を拡大させ、著しく作業効率を高めることが期待される。
【符号の説明】
【0067】
1:バケット用アタッチメント、10:掻き出し部、11、11´:取り付け部、11a、11b:圧着部材、11c、11d、屈曲部、12:土台、13:U字部材、14:ねじ、15:バケット、16:ストッパー、20:油圧ショベルのアーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8