(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】配管部材、配管部材を接続する管継手及びそれらを用いた仮設配管路並びに仮設配管路の施工方法
(51)【国際特許分類】
E03C 1/00 20060101AFI20220907BHJP
F16L 1/00 20060101ALI20220907BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
E03C1/00
F16L1/00 B
F16L1/00 T
E04G21/32 D
(21)【出願番号】P 2018196389
(22)【出願日】2018-10-18
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】595086328
【氏名又は名称】株式会社光明製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】金村 哲志
(72)【発明者】
【氏名】階元 鳴彰
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-062944(JP,A)
【文献】特開2007-053835(JP,A)
【文献】特開2009-247126(JP,A)
【文献】実開昭61-152873(JP,U)
【文献】特開2012-122209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00
F16L 1/00
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路を形成し、二つ割り状のハウジング形の管継手により接続される配管部材であって、前記配管部材は、少なくとも二つの開口端部を有する管本体と、前記管本体の各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手により覆われる環状の鍔部を形成した筒状の受け口又は筒状の挿し口若しくは筒状の接続部と、前記管本体、筒状の受け口、筒状の挿し口又は筒状の接続部の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えていることを特徴とする配管部材。
【請求項2】
前記配管部材を、少なくとも落下防止用の係止手段をそれぞれ備えた直管、チーズ、エルボ、伸縮管、筒状のフレキシブル継手、レジューサー、筒状のエンドキャップ又は筒状の変換アダプタの何れかとしたことを特徴とする請求項1に記載の配管部材。
【請求項3】
前記配管部材を、複数の合成樹脂製の管体を突合せ融着により接続して成るユニット本体と、前記ユニット本体の各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手により覆われる環状の鍔部を形成した筒状の受け口又は筒状の挿し口若しくは筒状の接続部と、前記ユニット本体、筒状の受け口、筒状の挿し口又は筒状の接続部の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えた仮設配管ユニットとしたことを特徴とする請求項1に記載の配管部材。
【請求項4】
前記係止手段は、少なくとも作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条が着脱自在に係止されるリング又はリング状部を備えていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の配管部材。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の配管部材を接続する管継手であって、前記管継手は、
二つの配管部材の端部に覆い被される一対の半円状ハウジングから成る二つ割りの環状ハウジングと、一対の半円状ハウジングの一端部にそれぞれ設けた連結片同士を回動自在に連結する連結ピンと、一方の半円状ハウジングの他端部に設けた締め付け片に回動自在に設けられ、他方の半円状ハウジングの他端部に設けた二股状の締め付け片間に挿通されるボルト及び当該ボルトに螺着されて二股状の締め付け片に面接触状態で緊密に係止されるナットから成る緊締具と、前記連結ピン又は一方の半円状ハウジングに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えたハウジング形の管継手に構成されていることを特徴とする管継手。
【請求項6】
前記係止手段は、少なくとも作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条が着脱自在に係止されるリング又はリング状部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の管継手。
【請求項7】
数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路であって、前記仮設配管路は、少なくとも請求項1~4の何れかに記載の配管部材と、請求項5又は6に記載の管継手と、を備えていることを特徴とする仮設配管路。
【請求項8】
数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路の施工方法であって、請求項1~4の何れかに記載の配管部材を請求項5又は6に記載の管継手で縦向きに接続する際に、前記配管部材に設けた係止手段や前記管継手に設けた係止手段に、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条を係止した後、この状態で前記配管部材同士を管継手で接続するようにしたことを特徴とする仮設配管路の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅、学校、病院、ビル等の数階建ての建物内に敷設されている給水配管路(上水道管路)の更新工事や補修工事等を行う際に用いられる配管部材、配管部材を接続する管継手及びそれらを用いた仮設配管路並びに仮設配管路の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、マンション等の集合住宅、学校、病院、ビル等の数階建ての建物内に敷設されている給水配管路は、これを長年使用していると、亜鉛メッキ鋼管等の給水管内に発生した錆等が原因となって赤水の流出、管内のぬめり、バクテリアの発生、流量及び水圧の低下、スケールの発生、スケールの流出等が生じ、水質の悪化や衛生面の問題が生じるうえ、パッキンの劣化による漏水事故等の様々な悪影響が生じて来る。
【0003】
そのため、集合住宅等の数階建ての建物においては、上述した問題が発生すると、給水配管路の更新工事や補修工事を行っている。このとき、建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事においては、居住民の生活があるため、長期間、長時間の断水による管路更新や補修は許されない。
【0004】
このように、従来の給水配管路の更新工事や補修工事においては、長期間、長時間の断水による管路更新や補修が許されないため、所謂仮設配管路を設ける工法が採用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
前記仮設配管路には、鋼管等の金属管に代えて軽量で取扱性に優れたビニル管やポリエチレン管等が広く使用されている。特に、ビニル管を用いて仮設配管路を敷設する場合には、ビニル管同士の接続に接着剤を使用し、永久的な結合を行っている。
【0006】
しかし、ビニル管を用いた場合、ビニル管同士の接合に時間が掛かるだけでなく、接合完了から水道水の供給開始までに相当の時間を要するという問題があった。
【0007】
また、仮設配管路の撤去には、永久的な結合を行っているために配管を切断しなければならず、時間と労費を費やすうえ、配管の再利用が出来ないために撤去後に仮設配管路の形成部材を全てスクラップ処分する必要があり、省資源や環境保全を図る上で多くの問題を抱えている。
【0008】
一方、本件出願人は、上述した問題を解決する仮設配管路を開発し、特開2012-122209号公報(特許文献3)として公開している。
【0009】
即ち、前記各仮設配管路は、図示していないが、ポリエチレン樹脂材により形成した直管、エルボ、チーズ、異径管、伸縮管等の管本体を適宜に突合せ融着すると共に、端部に位置する管本体の開口端部にポリエチレン樹脂製の筒状接続部を突合せ融着して仮設配管ユニットを形成し、当該仮設配管ユニットの筒状接続部同士を対向せしめて筒状接続部の先端部外周面に形成した環状の鍔部に環状のパッキンを被せ、前記環状の鍔部及び環状のパッキンを二つ割り状のハウジング形の管継手で抱き込んで締め付け固定し、仮設配管ユニット同士を環状のパッキン及びハウジング形の管継手で気密状に接続することにより形成されている。
【0010】
このように、前記仮設配管路は、仮設配管ユニット同士を環状のパッキン及びハウジング形の管継手で気密状に接続することにより形成されるため、仮設配管路を簡単に形成することができて工期の短縮を図れると共に、管継手及び環状のパッキンを外すだけで仮設配管ユニットを簡単に分離することができ、また、仮設配管路の分解時に仮設配管ユニット、管継手が損傷することが殆どなく、再利用できると言う利点がある。
【0011】
ところで、上述した仮設配管路を用いた給水配管路の更新工事や補修工事においては、集合住宅等の建物に仮設配管路の設置スペースが無い場合、仮設配管路を形成する縦配管路を更新工事や補修工事の期間中だけ建物の外側に設置するようにしている。
【0012】
即ち、仮設配管路の縦配管路は、例えば、集合住宅等の建物の外廊下や外階段等に設けた手摺壁や手摺の外側位置に所定の間隔を空けて並列状に複数配設されており、前記各縦配管路は、建物内の各住戸のメーターボックス内又はパイプスペース内に設置されている水道メーターを装着したメーターユニットに給水ホース等から成る給水用配管により接続されている。
【0013】
ところで、前記仮設配管路の縦配管路は、建物の屋上から最下部のフロアに亘って設けられており、建物の外廊下や外階段等に設けた手摺壁や手摺の外側位置に設置する際に、建物の屋上側から階下へ向って直管、チーズ、エルボ等の管本体や仮設配管ユニットを環状のパッキン及びハウジング形の管継手により順次接続するようにしている。
【0014】
しかしながら、仮設配管路の縦配管路を建物の外側に施工する際に、管本体同士の接続又は管本体と仮設配管ユニットの接続若しくは仮設配管ユニット同士の接続を環状のパッキン及びハウジング形の管継手を用いて行うときに、管本体や仮設配管ユニット、ハウジング形の管継手を落とすことがあり、人身事故につながったり、或いは、建物や落下した管本体、仮設配管ユニット、ハウジング形の管継手が損傷・破損したりすると言う問題があった。
特に、仮設配管ユニットにおいては、複数の管本体や筒状接続部を突合せ融着することにより形成されているため、可なり重たくなっており、落下時の衝撃が大きくて前記問題がより助長されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開平10-306472号公報
【文献】特開平11-107335号公報
【文献】特開2012-122209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、建物の外側に仮設配管路の縦配管路を施工する際に、縦配管路を形成する配管部材をハウジング形の管継手により接続するときに、配管部材やハウジング形の管継手が落下するのを防止でき、安全に作業できると共に、建物や配管部材、ハウジング形の管継手の損傷・破損を防止できるようにした配管部材、配管部材を接続する管継手及びそれらを用いた仮設配管路並びに仮設配管路の施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の配管部材は、数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路を形成し、二つ割り状のハウジング形の管継手により接続される配管部材であって、前記配管部材は、少なくとも二つの開口端部を有する管本体と、前記管本体の各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手により覆われる環状の鍔部を形成した筒状の受け口又は筒状の挿し口若しくは筒状の接続部と、前記管本体、筒状の受け口、筒状の挿し口又は筒状の接続部の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えていることに特徴がある。
【0018】
本発明の請求項2に記載の配管部材は、請求項1に記載の配管部材において、前記配管部材を、少なくとも落下防止用の係止手段をそれぞれ備えた直管、チーズ、エルボ、伸縮管、筒状のフレキシブル継手、レジューサー、筒状のエンドキャップ又は筒状の変換アダプタの何れかとしたことに特徴がある。
【0019】
本発明の請求項3に記載の配管部材は、請求項1に記載の配管部材において、前記配管部材を、複数の合成樹脂製の管体を突合せ融着により接続して成るユニット本体と、前記ユニット本体の各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手により覆われる環状の鍔部を形成した筒状の受け口又は筒状の挿し口若しくは筒状の接続部と、前記ユニット本体、筒状の受け口、筒状の挿し口又は筒状の接続部の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えた仮設配管ユニットとしたことに特徴がある。
【0020】
本発明の請求項4に記載の配管部材は、請求項1~3の何れかに記載の配管部材において、前記係止手段は、少なくとも作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条が着脱自在に係止されるリング又はリング状部を備えていることに特徴がある。
【0021】
本発明の請求項5に記載の管継手は、請求項1~4の何れかに記載の配管部材を接続する管継手であって、前記管継手は、二つの配管部材の端部に覆い被される一対の半円状ハウジングから成る二つ割りの環状ハウジングと、一対の半円状ハウジングの一端部にそれぞれ設けた連結片同士を回動自在に連結する連結ピンと、一方の半円状ハウジングの他端部に設けた締め付け片に回動自在に設けられ、他方の半円状ハウジングの他端部に設けた二股状の締め付け片間に挿通されるボルト及び当該ボルトに螺着されて二股状の締め付け片に面接触状態で緊密に係止されるナットから成る緊締具と、前記連結ピン又は一方の半円状ハウジングに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段と、を備えたハウジング形の管継手に構成されていることに特徴がある。
【0022】
本発明の請求項6に記載の管継手は、請求項5に記載の管継手において、前記係止手段は、少なくとも作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条が着脱自在に係止されるリング又はリング状部を備えていることに特徴がある。
【0023】
本発明の請求項7に記載の仮設配管路は、数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路であって、前記仮設配管路は、少なくとも請求項1~4の何れかに記載の配管部材と、請求項5又は6に記載の管継手と、を備えていることに特徴がある。
【0024】
本発明の請求項8に記載の仮設配管路の施工方法は、数階建ての建物内に敷設されている給水配管路の更新工事や補修工事を行う際に設けられる仮設配管路の施工方法であって、請求項1~4の何れかに記載の配管部材を請求項5又は6に記載の管継手で縦向きに接続する際に、前記配管部材に設けた係止手段や前記管継手に設けた係止手段に、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条を係止した後、この状態で前記配管部材同士を管継手で接続するようにしたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、仮設配管路を形成する配管部材と配管部材を接続するハウジング形の管継手とに、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段をそれぞれ設けているため、配管部材を縦向きに接続する際に、配管部材及びハウジング形の管継手にそれぞれ設けた係止手段に、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条を係止しておけば、配管部材やハウジング形の管継手が落下するのを防止することができる。
その結果、本発明は、建物の外側に仮設配管路(縦配管路)を施工する際に、安全に作業できると共に、配管部材やハウジング形の管継手等の落下による建物や配管部材、ハウジング形の管継手等の損傷・破損を防止することができる。
【0026】
また、本発明は、係止手段が、作業者が着用している安全帯に設けたフックや作業者が身に付けている索条が着脱自在に係止されるリング又はリング状部を備えているため、係止手段のリング又はリング状部と安全帯のフック又は索条との係止を確実且つ強固に行え、配管部材やハウジング形の管継手等が落下するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る配管部材等を用いて仮設配管路をマンション等の集合住宅の建物に設けた一例を示す配管割図である。
【
図2】仮設配管路の縦配管路を固定金具により建物の手摺壁に固定し、縦配管路とメーターユニットとを給水用吊下げ配管で接続した状態を示す建物の要部の概略縦断面図である。
【
図3】配管部材を形成する直管を示し、(A)は一端部に受け口を、また、他端部に挿し口を設けた直管の正面図、(B)は同じく直管の平面図、(C)は同じく直管の縦断正面図、(D)は
図3(B)のa-a線拡大断面図である。
【
図4】配管部材を形成するチーズを示し、両端部に受け口及び挿し口を、また、T字状の突出部に受け口をそれぞれ設けたチーズの正面図である。
【
図5】配管部材を形成するエルボを示し、一端部に受け口を、また、他端部に挿し口を設けたエルボの正面図である。
【
図6】配管部材を形成する伸縮管を示し、一端部に受け口を、また、他端部に挿し口を設けた伸縮管の正面図である。
【
図7】配管部材を形成するフレキシブル継手を示し、一端部に受け口を、また、他端部に挿し口を設けたフレキシブル継手の正面図である。
【
図8】配管部材を形成するレジューサーを示し、一端部に受け口を、また、他端部に挿し口を設けたレジューサーの正面図である。
【
図9】配管部材を形成するエンドキャップを示し、開口端部に受け口を設けたエンドキャップの正面図である。
【
図10】配管部材を形成する変換アダプタを示し、一端部に受け口を設けた変換アダプタの正面図である。
【
図11】配管部材を形成する仮設配管ユニットの正面図である。
【
図12】
図11に示す仮設配管ユニットの一部省略拡大縦断正面図である。
【
図13】ハウジング形の管継手を示し、(A)はハウジング形の管継手の正面図、(B)はハウジング形の管継手の左側面図、(C)はハウジング形の管継手の右側面図、(D)はハウジング形の管継手の背面図、(E)はハウジング形の管継手の平面図、(F)はハウジング形の管継手の底面図である。
【
図16】脱落防止用の係止手段を設けた止水栓の正面図である。
【
図17】配管部材同士をハウジング形の管継手で接続した状態を示す要部の拡大図である。
【
図18】配管部材同士をハウジング形の管継手で接続した状態を示す要部の拡大断面図である。
【
図19】配管部材に設ける係止手段の他の例を示す平面図である。
【
図20】配管部材に設ける係止手段の更に他の例を示す正面図である。
【
図21】配管部材に設ける係止手段の更に他の例を示す正面図である。
【
図22】ハウジング形の管継手に設けた係止手段の他の例を示し、(A)は係止手段をリング状部としたハウジング形の管継手の正面図、(B)は係止手段をリングとしたハウジング形の管継手の正面図である。
【
図23】配管部材の各開口端部に、ハウジング形の管継手により覆われる環状の鍔部を形成した筒状の接続部を設け、配管部材同士を環状のパッキン及び二つ割り状のハウジング形の管継手で抱き込んで締め付け固定した状態の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る配管部材(例えば、仮設配管ユニット1、直管2、チーズ3、エルボ5、エンドキャップ7等)やハウジング形の管継手4を用いて仮設配管路Lをマンション等の集合住宅に設置した一例を示す配管割図であり、前記仮設配管路Lは、集合住宅等の数階建ての建物B内に敷設されている既設の給水配管路(上水道管路)の更新工事や補修工事を行う際に、建物Bの外側に設置して長時間断水することなく給水配管路の更新工事や補修工事を行えるようにしたものであり、給水用のタンクやポンプ(何れも図示省略)に接続されている既設の水道管(図示省略)に接続されて建物Bの屋上に配設された仮設の屋上配管路L1と、仮設の屋上配管路L1に接続されて建物Bの屋上から最下部のフロア(F1)まで並列状に配設された複数の仮設の縦配管路L2と、を備えている。
【0029】
前記仮設の屋上配管路L1は、
図1に示す如く、直管2、チーズ3(同径チーズ又は異径チーズ)、ハウジング形の管継手4、ボールバルブ等の止水栓(図示省略)、エルボ(図示省略)、フレキシブル継手(図示省略)等を備えており、前記各部材2,3をハウジング形の管継手4で順次接続することにより形成されている。この仮設の屋上配管路L1は、最も上流側に位置する部材がVS継手(図示省略)等を介して給水用のタンク又はポンプ(何れも図示省略)に接続されている既設の水道管(図示省略)に接続されており、既設の水道管から水道水が流入するようになっている。
【0030】
一方、前記複数の仮設の縦配管路L2は、
図1に示す如く、仮設配管ユニット1、直管2、チーズ3、エルボ5、止水栓6(ボールバルブ)、ハウジング形の管継手4、エンドキャップ7等をそれぞれ備えており、前記各部材1,2,3,5,6,7をハウジング形の管継手4で直列状に接続することにより形成されている。これらの各縦配管路L2は、何れも建物Bに設けた外廊下の外側位置に並列状に配設されており、固定金具8により外廊下の手摺壁B1に固定されている(
図2参照)。尚、固定金具8は、手摺壁B1の上端部に着脱自在に固定されており、手摺壁B1の外側面に沿って配設された縦配管路L2の一部分を保持固定している。
【0031】
また、仮設配管路Lの各縦配管路L2は、
図2に示す如く、建物Bの各住戸のメーターボックスS内(又はパイプスペース内)に収納した水道メーターMを装着したメーターユニットUにそれぞれ給水用吊下げ配管9により接続されており、縦配管路L2内を流れる水道水を給水用吊下げ配管9により各住戸へ供給するようになっている。
【0032】
尚、前記給水用吊下げ配管9は、
図2に示す如く、建物Bの外廊下の天井面の下方位置に水平姿勢で配置され、基端部が縦配管路L2の仮設配管ユニット1に接続された横向き配管10と、横向き配管10の先端部に接続された管継手11と、外廊下の壁面に沿って縦向き姿勢で配置され、上端部が管継手11に接続されると共に、下端部が水道メーターMを装着したメーターユニットUに接続される縦向き配管12と、仮設配管ユニット1と管継手12との間に張設された索条13(可撓性を有するロープ、紐、ワイヤー、チェーン等)と、を備えており、前記仮設配管ユニット1と管継手11との間に張設した索条13により横向き配管10及び縦向き配管12を保持する構成となっている。
【0033】
そして、前記屋上配管路L1及び縦配管路L2を形成する配管部材は、少なくとも仮設配管ユニット1、直管2、チーズ3、エルボ5、筒状のエンドキャップ7、伸縮管14、筒状のフレキシブル継手15、レジューサー16又は筒状の変換アダプタ17等から成る。
【0034】
これらの配管部材2,3,5,7,14,15,16,17は、仮設配管ユニット1を除いて、合成樹脂製の管本体2a,3a,5a,7a,14a,15a,16a,17aと、前記管本体2a,3a,5a,7a,14a,15a,16a,17aの各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手4により覆われる環状の鍔部20c,21dを形成した合成樹脂製の筒状の受け口20又は筒状の挿し口21と、前記管本体2a,3a,5a,7a,14a,15a,16a,17a、受け口20又は挿し口21の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯(図示省略)に設けたフック19や作業者が身に付けている索条(図示省略)に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段22と、を備えている(
図3~
図10参照)。これらの配管部材2,3,5,7,14,15,16,17は、その管径や長さ、肉厚、大きさ等が自由に設定可能であり、現場の状況に応じて適宜に選択して組み合わされ、仮設配管路Lを形成するようになっている。
【0035】
尚、前記安全帯には、従来公知の胴ベルト式の安全帯やフルハーネス式の安全帯等が使用されており、安全帯に設けたロープ18の先端部に開閉自在なフック19を備えている。また、落下防止用の係止手段22に連結される前記索条には、図示していないが、可撓性を有するロープ、紐、ワイヤー、チェーン等が使用されており、これらの基端部側は、安全帯に連結されたり、或いは、作業者の身体に直接結び付けられている。
【0036】
図3(A)~(D)は配管部材を形成する直管2を示し、当該直管2は、合成樹脂製の直線状の管本体2aと、管本体2aの一方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、管本体2aの他方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の挿し口21と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。この直管2の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、直管2の挿し口21には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0037】
前記受け口20の先端部には、受け口20の基端部よりも大径の受け筒部20aが一体的に形成され、また、前記挿し口21の先端部には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の受け口20に設けた受け口20に気密状態で着脱自在に挿着される挿し筒部21aが一体的に形成されており、当該挿し筒部21aの外周面には、Oリング23が嵌め込まれる環状のOリング溝21bが二列形成され、受け口20の受け筒部20aの内周面と挿し口21の挿し筒部21aの外周面との間をOリング23によりシールするようにしている。
【0038】
更に、前記受け口20の受け筒部20aの内周縁部には、内方へ行くに従って漸次縮径するテーパ面20bが形成され、また、前記挿し口21の挿し筒部21aの外周縁部には、面取り21cが施されており、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の受け口20と他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の挿し口21との挿着を簡単且つ容易に行えるようにしている。
【0039】
更に、前記受け口20の受け筒部20aの外周面と挿し口21の挿し筒部21aに隣接する外周面とには、二つ割り状のハウジング形の管継手4により覆われて突き合せ状態で密着状に締め付け固定される環状の鍔部20c,21dがそれぞれ形成されている。
【0040】
更に、前記挿し口21の鍔部21dの外側端面には、突き合せ状に挿着された受け口20と挿し口21を引き離すための工具(マイナスドライバ等)が差し込まれる分離用溝21eが180度の間隔を空けて二つ形成されている。
【0041】
そして、前記落下防止用の係止手段22は、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17同士を接続する際に、作業者が着用している安全帯(図示省略)に設けたフック19や作業者が身に付けている索条(図示省略)に係止されて配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17が落下するのを防止するのに用いられるものであり、少なくとも安全帯のフック19が着脱自在に係止されるリング27(又はリング状部)、或いは、索条の先端部が結び付けられるリング27(又はリング状部)を備えている。
【0042】
即ち、前記係止手段22は、
図3(A)~(D)に示す如く、例えば、直管2の受け口20の小径部分の外周面に着脱自在に外嵌された帯状金属板により形成した二つの半円状のバンド部24a、二つのバンド部24aの端部同士を回動自在に連結して二つのバンド部24aを開閉自在としたヒンジ25及び二つのバンド部24aの自由端に連設された対向する一対の締め付け片24bから成る円形の配管支持金具24と、配管支持金具24の一対の締め付け片24b同士を締め付け固定して配管支持金具24を受け口20の外周面に締め付け固定するボルト及びナットから成る緊締具26と、一対の締め付け片24bに形成した貫通穴24cに挿通係止され、作業者が着用している安全帯に設けたフック19や作業者が身に付けている索条の端部が着脱自在に係止される金属製のリング27と、を備えている。
【0043】
この係止手段22は、緊締具26を締め付けたり、緩めたりすることによって、受け口20に着脱自在に取り付けられている。そのため、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17が損傷したり、破損したりした場合には、係止手段22を配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17から取り外し、新しい配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に取り付けることができる。
【0044】
上記の実施形態においては、前記直管2は、管本体2aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設けると共に、管本体2aの他方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記直管2は、管本体2aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、或いは、管本体2aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0045】
図4は配管部材を形成するチーズ3を示し、当該チーズ3は、合成樹脂製のT字状の管本体3aと、管本体3aの両方の開口端部にそれぞれ突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20及び筒状の挿し口21と、管本体3aのT字状の突出部3a′に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、一方の受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。このチーズ3の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、チーズ3の挿し口21には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0046】
上記の実施形態においては、前記チーズ3は、管本体3aの両方の開口端部に筒状の受け口20及び挿し口21をそれぞれ設けると共に、管本体3aの突出部3a′に筒状の受け口20を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記チーズ3は、管本体3aの両方の開口端部及び突出部3a′の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、また、管本体3aの両方の開口端部に筒状の受け口20及び筒状の挿し口21をそれぞれ設けると共に、管本体3aの突出部3a′の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としても良く、更に、管本体3aの両方の開口端部及び突出部3a′の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良く、更に、管本体3aの両方の開口端部に筒状の挿し口21をそれぞれ設けると共に、管本体3aの突出部3a′の開口端部に筒状の受け口20を設ける構成としても良い。
【0047】
図5は配管部材を形成するエルボ5を示し、当該エルボ5は、合成樹脂製のL字状の管本体5aと、管本体5aの一方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、管本体5aの他方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の挿し口21と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。このエルボ5の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、エルボ5の挿し口21には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0048】
上記の実施形態においては、前記エルボ5は、管本体5aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設けると共に、管本体5aの他方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記エルボ5は、管本体5aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、或いは、管本体5の両方の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0049】
図6は配管部材を形成する伸縮管14を示し、当該伸縮管14は、直径の異なる合成樹脂製の二つのパイプを摺動自在に嵌合した二重構造の管本体14aと、二つのパイプの結合部に両パイプを任意の結合位置で固定し得る伸縮調節具14bと、管本体14aの一方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、管本体14aの他方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の挿し口21と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。この伸縮管14の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、伸縮管14の挿し口21には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0050】
上記の実施形態においては、前記伸縮管14は、管本体14aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設けると共に、管本体14aの他方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記伸縮管14は、管本体14aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、或いは、管本体14aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0051】
図7は配管部材を形成する筒状のフレキシブル継手15を示し、当該フレキシブル継手15は、可撓性を有する金属製の管本体15aと、管本体15aの一方の開口端部に接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、管本体の他方離開口端部に接続された合成樹脂製の筒状の挿し口21と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。このフレキシブル継手15の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、フレキシブル継手の挿し口には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0052】
上記の実施形態においては、前記フレキシブル継手15は、管本体15aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設けると共に、管本体15aの他方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記フレキシブル継手15は、管本体15aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、或いは、管本体15aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0053】
図8は配管部材を形成するレジューサー16を示し、当該レジューサー16は、両端部の直径が異なる合成樹脂製の直線状の管本体16aと、管本体16aの一方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、管本体16aの他方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の挿し口21と、受け口20に設けた係止手段22と、を備えている。このレジューサー16の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着され、また、レジューサー16の挿し口21には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0054】
上記の実施形態においては、前記レジューサー16は、管本体16aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設けると共に、管本体16aの他方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記レジューサー16は、管本体16aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の受け口20を設ける構成としても良く、或いは、管本体16aの両方の開口端部にそれぞれ筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0055】
図9は配管部材を形成するエンドキャップ7を示し、当該エンドキャップ7は、一端部が閉塞された合成樹脂製の直線状の管本体7aと、管本体7aの開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。このエンドキャップ7の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0056】
上記の実施形態においては、前記エンドキャップ7は、管本体7aの開口端部に筒状の受け口20を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記エンドキャップ7は、管本体7aの開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0057】
図10は配管部材を形成する変換アダプタ17を示し、当該変換アダプタ17は、合成樹脂製の管本体17aと、管本体17aの一方の開口端部に突合せ融着Wにより接続された合成樹脂製の筒状の受け口20と、受け口20に設けた落下防止用の係止手段22と、を備えている。この変換アダプタ17の受け口20には、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた挿し口21が気密状態で着脱自在に挿着されるようになっている。
【0058】
上記の実施形態においては、前記変換アダプタ17は、管本体17aの一方の開口端部に筒状の受け口20を設ける構成としたが、他の実施形態においては、図示していないが、前記変換アダプタ17は、管本体17aの一方の開口端部に筒状の挿し口21を設ける構成としても良い。
【0059】
尚、上述した配管部材を形成する直管2、チーズ3、エルボ5、エンドキャップ7、伸縮管14、フレキシブル継手15、レジューサー16及び変換アダプタ17の受け口20と挿し口21は、何れもポリエチレン樹脂材により形成されている。また、配管部材を形成する直管2、チーズ3、エルボ5、エンドキャップ7、伸縮管14、フレキシブル継手15、レジューサー16及び変換アダプタ17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,15a,16a,17aは、フレキシブル継手15を除いて、何れもポリエチレン樹脂材により形成されている。更に、配管部材を形成する直管2、チーズ3、エルボ5、エンドキャップ7、伸縮管14、フレキシブル継手15、レジューサー16及び変換アダプタ17の受け口20、挿し口21及び係止手段22は、何れも同じ形状及び同じ構造に形成されている。
【0060】
また、上述した配管部材を形成する直管2、チーズ3、エルボ5、エンドキャップ7、伸縮管14、フレキシブル継手15、レジューサー16及び変換アダプタ17においては、何れも受け口20に落下防止用の係止手段22を設けるようにしたが、各配管部材2,3,5,7,14,15,16,17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,15a,16a,17a又は挿し口21に落下防止用の係止手段22を設けるようにしても良い。
【0061】
図11及び
図12は配管部材を形成する仮設配管ユニット1を示し、当該仮設配管ユニット1は、複数の合成樹脂製の管体を突合せ融着Wにより接続して成るユニット本体28と、ユニット本体28の各開口端部に設けられ、外周面にハウジング形の管継手4により覆われる環状の鍔部20c,21dを形成した合成樹脂製の筒状の受け口20及び筒状の挿し口21と、前記ユニット本体28、筒状の受け口20又は筒状の挿し口21の何れかに設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフック19や作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段22と、を備えている。
【0062】
また、ユニット本体28を形成する管体は、上述した配管部材2,3,5,7,14,15,16,17と別の直管28a、チーズ28b、エルボ(図省略)又は伸縮管(図示省略)等から成る。
【0063】
この実施形態においては、前記仮設配管ユニット1は、ポリエチレン樹脂製の直管28aとポリエチレン樹脂製のチーズ28bとを突合せ融着Wにより接続して成るユニット本体28と、ユニット本体28のチーズ28bに突合せ融着Wにより接続され、他の仮設配管ユニット1の挿し口21に気密状態で着脱自在に挿着されるポリエチレン樹脂製の筒状の受け口20と、ユニット本体28の直管28aに突合せ融着Wにより接続され、他の仮設配管ユニット1の受け口20に気密状態で着脱自在に挿着されるポリエチレン樹脂製の筒状の挿し口21と、ユニット本体28のチーズ28bのT字形の突出部28b′に突合せ融着Wにより接続されたポリエチレン樹脂製の筒状の分岐口29と、分岐口29の先端部に設けた継手30と、受け口20に設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフック19や作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段22と、を備えており、前記受け口20に他の仮設配管ユニット1の挿し口21を、また、前記挿し口21に更に他の仮設配管ユニット1の受け口20をそれぞれ気密状態で着脱自在に挿着し、各仮設配管ユニット1の端部同士をハウジング形の管継手4で接続することにより直列状に接続されるようになっている。
【0064】
この仮設配管ユニット1の受け口20及び挿し口21には、他の仮設配管ユニット1の他に、配管部材である直管2、エルボ3、チーズ5、止水栓6、エンドキャップ7、伸縮管14、フレキシブル継手15、レジューサー16、変換アダプタ17等がハウジング形の管継手4を介して着脱自在に接続される構成となっている。
【0065】
また、仮設配管ユニット1は、その長さ(高さ)が建物Bの階高に合わせた長さに設定されており、各仮設配管ユニット1を縦向きに接続して建物Bの外廊下の外側位置に配設したときに、仮設配管ユニット1が建物Bの各階に一つずつ確実に配置され、仮設配管ユニット1の分岐口29及び継手30の位置が必ず各階の天井面B2よりも少し低い位置に位置するようにしている。
【0066】
尚、仮設配管ユニット1の受け口20、挿し口21及び係止手段22は、他の配管部材2,3,5,7,14,15,16,17の受け口20、挿し口21及び係止手段22と同じ形状及び同じ構造に形成されており、他の配管部材2,3,5,7,14,15,16,17の受け口20、挿し口21及び係止手段22と同じ部位・部材には、同一の参照番号を付している。
【0067】
更に、仮設配管ユニット1の継手30は、
図12に示す如く、分岐口29にシール材30aを介して気密状態で挿着された短管30bと、分岐口29の端面に固定され、短管30bを抜け止めする止めナット30cと、短管30bに回転自在且つ軸線方向へ移動自在に外嵌されたユニオンナット30dと、を備えており、従来公知のユニオン継手と同様構造に構成されている。
【0068】
上記の実施形態においては、仮設配管ユニット1を、ユニット本体28と受け口20と挿し口21と分岐口29と継手30と係止手段22とから構成したが、仮設配管ユニット1の構成は、上記の実施形態に係るものに限定されるものではなく、少なくとも複数の管体と受け口20と挿し口21と係止手段22とを備えておれば、如何なる形態及び構造であっても良い。
【0069】
また、上記の実施形態においては、仮設の縦配管路L2の一部に
図11に示すような仮設配管ユニット1を使用したが、他の実施形態においては、仮設配管ユニット1を省略し、複数の配管部材2,3,5,7,14,15,16,17をハウジング形の管継手4により直列状に接続して仮設の縦配管路L2を形成するようにしても良い。
【0070】
図13~
図15は二つ割り状のハウジング形の管継手4を示し、当該ハウジング形の管継手4は、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17等を着脱自在に接続するものである。
【0071】
即ち、ハウジング形の管継手4は、
図13~
図15に示す如く、接続する配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた受け口20及び挿し口20の両鍔部20c,21dに覆い被されるポリエチレン樹脂材により形成された一対の半円状ハウジング31′から成る二つ割りの環状ハウジング31と、一方の半円状ハウジング31′の一端部に設けた連結片31aと他方の半円状ハウジング31′の一端部に設けた二股状の連結片31′とを回動自在に連結する連結ピン32と、一方の半円状ハウジング31′の他端部に設けた二股状の締め付け片31bに取り付けピン33を介して回動自在に設けられ、他方の半円状ハウジング′31′の他端部に設けた二股状の締め付け片31b間に挿通されるボルト34a及び当該ボルト34aに螺着されて二股状の締め付け片31bに面接触状態で係止されるナット34bから成る緊締具34と、連結ピン32に設けられ、作業者が着用している安全帯に設けたフック19や作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段22と、を備えている。
【0072】
前記落下防止用の係止手段22は、一対の半円状ハウジング31′を回動自在に連結する連結ピン32の両端部に取り付けた平面形状がコ字状の係止部材35を備えており、前記コ字状の係止部材35が安全帯に設けたフック19や索条の先端部が着脱自在に係止されるリング状部となっている。このコ字状の係止部材35は、連結ピン32と一緒に連結ピン32の軸心回りに回動するようになっている。
【0073】
尚、前記ハウジング形の管継手4は、
図14に示す如く、半円状ハウジング31′の二股状の締め付け片31bのナット34bに係止される面が、外方向へ向うに従って上り傾斜状の傾斜面31cに形成されており、ナット34bがボルト34aに対して緩み、ボルト34aが二股状の締め付け片31b間から抜ける方向へ回動しようとしても、ナット34bが締め付け片31bの傾斜面31cに係止され、ボルト34aが回動するのを防止できるようにしている。
【0074】
図16は屋上配管路L1や縦配管路L2に介設される止水栓6を示し、当該止水栓6は、ボールバルブ構造に構成されており、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の受け口20に気密状態で着脱自在に挿着される筒状の挿し口21′と、他の配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の挿し口21に気密状態で着脱自在に挿着される筒状の受け口20′と、止水栓本体6aに設けられ、作業者が着用している安全帯設けたフック19や作業者が身に付けている索条に着脱自在に係止される落下防止用の係止手段22と、を備えており、ハウジング形の管継手4により配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に気密状に接続されるようになっている。
【0075】
尚、前記落下防止用の係止手段22は、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17に設けた係止手段22と同じ形状及び同じ構造に形成されており、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の係止手段22と同じ部位・部材には、同一の参照番号を付している。
また、
図16において、20a′は受け口20′の鍔部、21a′は挿し口21′の挿し筒部、21b′は挿し口21′の鍔部、23はOリングである。
【0076】
而して、上述した仮設の屋上配管路L1は、
図1に示す如く、直管2、チーズ3、止水栓(図示省略)、エルボ(図示省略)、フレキシブル継手(図示省略)等をハウジング形の管継手4で順次接続することにより形成される。この仮設の屋上配管路L1は、上流側部分がVS継手(図示省略)等を介して給水用のタンク又はポンプ(何れも図示省略)に接続されている既設の水道管(図示省略)に接続されており、既設の水道管から水道水が流入するようになっている。
【0077】
また、上述した仮設の縦配管路L2は、
図1及び
図2に示す如く、仮設配管ユニット1、直管2、チーズ3、エルボ5、止水栓6及びエンドキャップ7等をハウジング形の管継手4で順次接続すると共に、各仮設配管ユニット1の継手30と建物Bの各住戸のメーターボックスS内に収納した水道メーターMを装着したメーターユニットUとを給水用吊下げ配管9でそれぞれ接続することにより形成される。この仮設の縦配管路L2は、最も上流側に位置する止水栓6がハウジング形の管継手4を介して仮設の屋上配管路L1のチーズ3に接続されており、仮設の屋上配管路L1から水道水が流入するようになっている。また、縦配管路L2は、固定金具により建物B等の手摺壁B1に固定支持されている。
【0078】
尚、仮設配管ユニット1、直管2、チーズ3、エルボ5及びエンドキャップ7等の各部材は、
図17及び
図18に示す如く、各部材1,2,3,5,7の挿し口20に設けたOリング23に滑剤を塗布した後、滑剤を塗布した挿し口21を他の部材1,2,3,5,7の受け口20にOリング23を介して気密状に挿し込み、受け口20及び挿し口21の外周面に形成した環状の鍔部20c,21dをハウジング形の管継手4の環状ハウジング31で覆い、緊締具34のボルト34aを半円状ハウジング31′の二股状の締め付け片31b間に挿通し、ボルト34aに螺着したナット34bを締め込んで一対の半円状ハウジング31′の締め付け片31b同志を締め付け固定することにより気密状に接続される。
【0079】
ところで、仮設の縦配管路L2を施工する際、屋上から給水するタイプの建物Bにおいては、縦配管路L2を建物Bの屋上から階下へ向って施工するようにしているため、各配管部材1,2,3,5,7をハウジング形の管継手4で接続する際に、配管部材1,2,3,5,7やハウジング形の管継手4を落とすことがあった。
【0080】
そこで、縦配管路L2を施工する際には、配管部材1,2,3,5,7に設けた係止手段22のリング27やハウジング形の管継手4に設けた係止手段22のコ字状の係止部材35(リング状部)に、作業者が着用している安全帯に設けたフック19や作業者が身に付けている索条を係止した後、この状態で各配管部材1,2,3,5,7同士を接続する。尚、止水栓6をハウジング形の管継手4により各配管部材1,2,3,5,7に接続する際にも、止水栓6に設けた係止手段22のリング27に安全帯に設けたフック19や索条を係止する。
【0081】
このようにすれば、配管部材1,2,3,5,7やハウジング形の管継手4、止水弁6が落下するのを防止することができる。その結果、建物の外側に仮設配管路Lを施工する際に、安全に作業できると共に、配管部材1,2,3,5,6,7やハウジング形の管継手4、止水弁6の落下による建物や配管部材1,2,3,5,7やハウジング形の管継手4、止水弁6の損傷・破損を防止することができる。
【0082】
また、上述した配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6においては、次のような優れた効果を奏することができる。
(1)配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6は、受け口20,20′及び挿し口 21,21′を備えているため、受け口20,20′に挿し口21,21′を気密状 に挿着し、受け口20,20′及び挿し口21,21′にハウジング形の管継手4を 装着するだけで、配管部材1,2,3,5,7同士、配管部材1,2,3,5,7と 止水弁6の接続を行えるので、仮設配管路Lの縦配管路L2を簡単且つ迅速に形成で きて高能率で建物Bに敷設することができ、工期の短縮及びコストの低減を図れる。
(2)配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6の受け口20,20′と挿し口21, 21′との間をOリング23によりシールするようにしているため、従来の仮設配管 路のように環状のパッキンが管継手に噛み込んでパッキンのシール性が損なわれると 言うことがなく、シール性に優れたものとなる。
(3)配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6の受け口20,20′の受け筒部21, 21′を大径に形成すると共に、受け筒部21,21′aの内周縁部をテーパ面 20,20′bに形成し、また、挿し筒部21,21′の外周縁部に面取り21, 21′cを施しているため、受け口20,20′への挿し口21,21′の挿着を簡 単且つ容易に行え、接続作業時間の短縮を図れる。
(4)ハウジング形の管継手4を外し、配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6の挿し 口21,21′を他の配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6の受け口20, 20′から引き抜くだけで、配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6を簡単に分離 することができ、用済み後の仮設配管路Lの取り外しを容易に行えると共に、取り外 し時に配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6が損傷することが殆んどなく、その 結果、配管部材1,2,3,5,7及び止水弁6の再利用率が大幅に向上する。
【0083】
尚、上記の実施形態においては、係止手段22の円形状の配管支持金具24をヒンジ25により開閉自在としたが、他の実施形態においては、
図19に示す如く、円形状の配管支持金具24を、弾性変形可能な帯状の金属板を折り曲げ加工することにより形成されて受け口20や挿し口21の小径部分等に外嵌されるC字状のバンド部24aと、バンド部24aの両端に連設された対向する一対の締め付け片24bとを備えた配管支持金具24とし、ヒンジ25を省略するようにしても良い。
【0084】
また、上記の実施形態においては、係止手段22が金属製のリング27を備えているが、他の実施形態においては、
図20に示す如く、係止手段22のリング27を省略し、配管支持金具24の締め付け片24bに形成した貫通穴24cを安全帯のフック19や索条が挿通係止される大きさに形成し、配管支持金具24の締め付け片24bの先端部側をリング状部としても良い。
【0085】
更に、上記の実施形態においては、係止手段22の配管支持金具24の一対の締め付け片24bをボルト及びナットから成る緊締具26で締め付けるようにしたが、他の実施形態においては、図示していないが、緊締具26を省略し、配管支持金具24の一対の締め付け片24b同士を溶接により固着するようにしても良い。
【0086】
更に、上記の実施形態においては、係止手段22を、配管支持金具24と緊締具26とリング27とから構成したが、係止手段22は、上記の実施形態に係るものに限定されるものではなく、安全帯のフック19や索条が係止されるリングやリング状部を備えておれば、如何なる形態及び構造のものであっても良い。
【0087】
例えば、係止手段22は、
図21に示す如く、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の一部に、安全帯のフック19や索条が挿通係止される貫通穴36aを形成したリング状部36を一体的に形成するようにしても良い。このリング状部36を形成する位置は、配管部材1,2,3,5,7,14,15,16,17の如何なる位置であっても良い。また、図示していないが、
図21のリング状部36の貫通穴36aにリングを挿通係止し、このリングに安全帯のフック19や索条を係止するようにしても良い。
【0088】
更に、上記の実施形態においては、ハウジング形の管継手4は、係止手段22が平面形状がコ字状の係止部材35を備え、前記係止部材35をリング状部としたが、ハウジング形の管継手4の係止手段22は、上記の実施形態に係るものに限定されるものではなく、安全帯のフック19や索条が係止されるリングやリング状部を備えておれば、如何なる形態及び構造のものであっても良い。
【0089】
例えば、ハウジング形の管継手4の係止手段22は、
図22(A)に示す如く、一方の半円状ハウジング31′に、安全帯のフック19や索条が挿通係止される貫通穴36aを形成したリング状部36を一体的に形成するようにしても良く、或いは、
図22(B)に示す如く、一方の半円状ハウジング31′に貫通穴31dを形成し、当該貫通穴31dに安全帯のフック19や索条が挿通係止されるリング27を挿通係止しても良い。
【0090】
更に、上記の実施形態においては、配管部材2,3,5,7,14,16,17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aの開口端部及び配管部材1(仮設配管ユニット1)のユニット本体28の開口端部に受け口20や挿し口21を突合せ融着Wするようにしたが、他の実施形態においては、配管部材2,3,5,7,14,16,17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aの開口端部及び配管部材1(仮設配管ユニット1)のユニット本体28の開口端部に受け口20や挿し口21を一体的に形成するようにしても良い。
【0091】
更に、上記の実施形態においては、配管部材2,3,5,7,14,16,17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aの開口端部、配管部材1(仮設配管ユニット1)のユニット本体28の開口端部、止水弁6の開口端部に、それぞれ受け口20,20′や挿し口21,21′を設けるようにしたが、他の実施形態においては、
図23に示す如く、配管部材2,3,5,7,14,16,17の管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aの開口端部、配管部材1(仮設配管ユニット1)のユニット本体28の開口端部、止水弁6の開口端部に、外周面にハウジング形の管継手4により覆われる環状の鍔部37aを形成した合成樹脂製の筒状の接続部37を設け、対向せしめた筒状の接続部37の鍔部37aに環状のパッキン38を被せ、環状の鍔部37a及び環状のパッキン38を二つ割り状のハウジング形の管継手4で抱き込んで締め付け固定し、配管部材1,2,3,5,7,14,16,17及び止水弁6を気密状に接続するようにしても良い。この筒状の接続部37は、管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aやユニット本体28の開口端部に突合せ融着Wにより接続しても良いし、或いは、管本体2a,3a,5a,7a,14a,16a,17aやユニット本体28、止水栓6の開口端部に一体的に形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、建物B内に敷設した上水道管の更新工事に用いるようにしたが、これに限らず、建物B内に敷設したガス管や排水管等の更新工事や補修工事等にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0093】
1は仮設配管ユニット
2は直管
3はチーズ
4はハウジング形の管継手
5はエルボ
7はエンドキャップ
14は伸縮管
15はフレキシブル継手
16はレジューサー
17は変換アダプタ
19はフック
20は受け口
21は挿し口
22は係止手段
27はリング
28はユニット本体
35は係止部材
36はリング状部
37は筒状の接続部
Bは建物
Lは仮設配管路