(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】圧力スイッチ、及び密閉型電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
H01H 35/34 20060101AFI20220907BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
H01H35/34 D
F04B39/00 106Z
H01H35/34 G
(21)【出願番号】P 2021108880
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】591071274
【氏名又は名称】株式会社生方製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】村田 寛
(72)【発明者】
【氏名】奥村 英樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 建彦
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/150458(WO,A1)
【文献】特開2002-260505(JP,A)
【文献】特開2005-209438(JP,A)
【文献】特開2000-057916(JP,A)
【文献】特開昭50-080480(JP,A)
【文献】特開2020-119862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/02 - 35/42
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密性を有する金属製の耐圧容器と、
前記耐圧容器内に設けられ常時閉状態でかつ押圧力が作用すると開状態となる金属製の接点機構と、
前記耐圧容器を貫いて設けられ前記接点機構に接続された金属製の少なくとも1つの気密端子と、
前記耐圧容器の端面部である第1端面部に気密状態で設けられて第1動作圧力で動作しかつ前記第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能な金属製のダイヤフラムと、
前記第1端面部を貫いて設けられ前記ダイヤフラムの動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第1押圧部材と、
前記耐圧容器の端面部のうち前記第1端面部と異なる第2端面部に気密状態で設けられ前記第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作しかつ前記第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない金属製の受圧変形部材と、
前記第2端面部を貫いて設けられ前記受圧変形部材の動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第2押圧部材と、を備え、
前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、有機材料を含まずに無機材料で構成されて
おり、
前記第2押圧部材は、前記受圧変形部材が動作していない状態において、前記接点機構が収容されている空間とは異なる空間に配置されている、
圧力スイッチ。
【請求項2】
気密性を有する金属製の耐圧容器と、
前記耐圧容器内に設けられ常時閉状態でかつ押圧力が作用すると開状態となる金属製の接点機構と、
前記耐圧容器を貫いて設けられ前記接点機構に接続された金属製の少なくとも1つの気密端子と、
前記耐圧容器の端面部である第1端面部に気密状態で設けられて第1動作圧力で動作しかつ前記第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能な金属製のダイヤフラムと、
前記第1端面部を貫いて設けられ前記ダイヤフラムの動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第1押圧部材と、
前記耐圧容器の端面部のうち前記第1端面部と異なる第2端面部に気密状態で設けられ前記第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作しかつ前記第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない金属製の受圧変形部材と、
前記第2端面部を貫いて設けられ前記受圧変形部材の動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第2押圧部材と、を備え、
前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、有機材料を含まずに無機材料で構成されて
おり、
前記受圧変形部材は、前記第2端面部側に開口部を有しかつ前記開口部とは反対側に底部を有する有底円筒状に形成され、前記開口部側が前記第2端面部に気密状態で設けられており、
前記底部は、前記第2動作圧力未満の場合には外側へ向かって膨らんだ湾曲形状であり、前記第2動作圧力以上となった場合に前記受圧変形部材の内側へ向かって窪む方向へ復帰不可能に変形する、
圧力スイッチ。
【請求項3】
気密性を有する金属製の耐圧容器と、
前記耐圧容器内に設けられ常時閉状態でかつ押圧力が作用すると開状態となる金属製の接点機構と、
前記耐圧容器を貫いて設けられ前記接点機構に接続された金属製の少なくとも1つの気密端子と、
前記耐圧容器の端面部である第1端面部に気密状態で設けられて第1動作圧力で動作しかつ前記第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能な金属製のダイヤフラムと、
前記第1端面部を貫いて設けられ前記ダイヤフラムの動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第1押圧部材と、
前記耐圧容器の端面部のうち前記第1端面部と異なる第2端面部に気密状態で設けられ前記第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作しかつ前記第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない金属製の受圧変形部材と、
前記第2端面部を貫いて設けられ前記受圧変形部材の動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第2押圧部材と、を備え、
前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、有機材料を含まずに無機材料で構成されて
おり、
前記接点機構は、
固定接点が設けられ前記気密端子に接続された少なくとも1つの固定部材と、
可動接点が設けられ前記可動接点を前記固定接点に対して接する方向及び離れる方向へ移動させる可動部材と、
一方の端部が前記耐圧容器に接続され他方の端部が前記可動部材に接続されて、前記固定接点と前記可動接点とが接する方向へ前記可動部材に対して弾性力を作用させ、かつ前記可動接点が前記固定接点から離れる方向へ移動可能な状態で、前記可動部材を支持する弾性部材と、を有し、
前記可動部材は、前記第1押圧部材によって押圧される第1押圧点と前記第2押圧部材によって押圧される第2押圧点とを有し、
前記第1動作圧力未満において、前記第1押圧点は、前記固定接点及び前記可動接点よりも前記第1端面部の近くに位置している、
圧力スイッチ。
【請求項4】
前記第2押圧部材は、前記受圧変形部材の円筒形状の内側に収容されており、
前記受圧変形部材が動作していない場合に前記第2押圧部材が前記接点機構を押圧する方向へ移動することを規制する規制部材を更に備えている、
請求項
1から3のいずれか一項に記載の圧力スイッチ。
【請求項5】
前記規制部材は、一方の端部の直径と他方の端部の直径が異なる圧縮コイルバネで構成されている、
請求項4に記載の圧力スイッチ。
【請求項6】
気密性を有する圧縮機容器と、
前記圧縮機容器内に設けられ冷媒を圧縮し吐出する圧縮機構と、
前記圧縮機容器内に設けられ前記圧縮機構を駆動するモータと、
前記圧縮機容器内に設けられ前記モータの動力線に接続された請求項1から
5のいずれか一項に記載の圧力スイッチと、を備える密閉型電動圧縮機。
【請求項7】
前記モータは、三相モータであって、
前記圧力スイッチは、前記モータの中性点に接続されている、
請求項
6に記載の密閉型電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、圧力スイッチ、及び密閉型電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば冷凍サイクルに用いられる密閉型電動圧縮機においては、保護装置として圧力スイッチを備えたものがある。圧力スイッチは、密閉型電動圧縮機の外郭を構成する密閉容器内にモータ等と共に収容されており、密閉容器内の圧力が上昇して圧力異常になるとモータへの電力供給を遮断して圧縮機の動作を停止させる。
【0003】
ここで、圧力異常が冷凍サイクルの一時的な過負荷により生じたものである場合には、密閉容器内の機器や密閉容器自体に損傷は生じていないと考えられる。このような場合にまで、圧力スイッチが動作する度に圧力スイッチの修理や交換が必要になると手間がかかる。したがって、圧力異常が冷凍サイクルの一時的な過負荷により生じたものである場合には、圧力スイッチが動作してモータへの電力供給を遮断した後に、圧力スイッチを復帰させて密閉型電動圧縮機を再起動できるようにすることが好ましい。
【0004】
一方、密閉型電動圧縮機においては、冷凍サイクルの一時的な過負荷を許容するために例えば機械的な破壊に至らない設計上限が設定されるが、圧力異常が冷凍サイクルの一時的な過負荷の範囲を超えた場合すなわち設計上限を超えた場合には、密閉容器内の機器や密閉容器自体が損傷している可能性がある。この場合、圧力スイッチを復帰させて密閉型電動圧縮機を再起動すると、内部機器等の更なる損傷等を招くおそれがある。したがって、圧力異常が冷凍サイクルの一時的な過負荷の範囲を超えたものである場合には、圧力スイッチが動作してモータへの電力供給を遮断した後に、圧力スイッチを復帰させないようにして密閉型電動圧縮機を再起動できないようにすることが好ましい。
【0005】
上記の事情により、密閉型電動圧縮機には、動作後の復帰が可能な圧力スイッチと、動作後の復帰が不可能な圧力スイッチと、の両方を設けることが好ましい。これに対し、近年では圧縮機等の小型化の要望が高く、密閉容器内には機器や配線等が高密度に収納されているため、動作後の復帰が可能な圧力スイッチと動作後の復帰が不可な圧力スイッチとの両方を密閉容器内に設けようとすると、取付スペースの確保が難しい。そのため、動作後の復帰が可能な圧力スイッチと動作後の復帰が不可能な圧力スイッチとの両方の機能を備えた圧力スイッチが提案されている。
【0006】
しかしながら、このような密閉型電動圧縮機の密閉容器内すなわち圧縮機容器内に設置可能な圧力スイッチを実用化するためには、圧縮機容器内の温度や圧力に対する耐久性を更に向上させて長期の信頼性を確保する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、小型でかつ長期の信頼性を有する圧力スイッチ、及び圧力スイッチを用いた密閉型電動圧縮機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
圧力スイッチは、気密性を有する金属製の耐圧容器と、前記耐圧容器内に設けられ常時閉状態でかつ押圧力が作用すると開状態となる金属製の接点機構と、前記耐圧容器を貫いて設けられ前記接点機構に接続された金属製の少なくとも1つの気密端子と、前記耐圧容器の端面部である第1端面部に気密状態で設けられて第1動作圧力で動作しかつ前記第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能な金属製のダイヤフラムと、前記第1端面部を貫いて設けられ前記ダイヤフラムの動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第1押圧部材と、前記耐圧容器の端面部のうち前記第1端面部と異なる第2端面部に気密状態で設けられ前記第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作しかつ前記第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない金属製の受圧変形部材と、前記第2端面部を貫いて設けられ前記受圧変形部材の動作により前記接点機構を押圧して開状態に切り替える第2押圧部材と、を備える。前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、有機材料を含まずに無機材料で構成されている。
【0010】
密閉型電動圧縮機は、気密性を有する圧縮機容器と、前記圧縮機容器内に設けられ冷媒を圧縮し吐出する圧縮機構と、前記圧縮機容器内に設けられ前記圧縮機構を駆動するモータと、前記圧縮機容器内に設けられ前記モータの動力線に接続された上記の圧力スイッチと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態による圧力スイッチの一例について外観構成を示す斜視図
【
図2】一実施形態による圧力スイッチの一例について外観構成を示す平面図
【
図3】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、
図2のX3-X3線に沿って示す断面図
【
図4】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、
図3のX4-X4線に沿って示す断面図
【
図5】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、
図3のX5-X5線に沿って示す断面図
【
図6】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、第1動作圧力以上でかつ第2動作圧力未満となってダイヤフラムが動作した場合を示す
図2相当の断面図
【
図7】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、第2動作圧力以上となってダイヤフラム及び受圧変形部材が動作した場合を示す
図2相当の断面図
【
図8】一実施形態による圧力スイッチの一例について内部構成を概略的に示すもので、第2動作圧力以上となってダイヤフラム及び受圧変形部材が動作した後に大気圧まで低下した場合を示す
図2相当の断面図
【
図9】一実施形態による密閉型電動圧縮機の一例を示す断面図
【
図10】一実施形態による密閉型電動圧縮機の一例について、三相モータに対する圧力スイッチの接続形態を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の圧力スイッチ10は、常時閉状態となる1組の接点を備えており、2種類の異なる圧力に応答してその接点を開状態にする圧力応動スイッチである。
図1から
図3に示すように、圧力スイッチ10は、耐圧容器20を備えている。耐圧容器20は、耐圧性、気密性、及び導電性を有する金属製の容器であって、圧力スイッチ10の外殻を構成している。
【0013】
図3に示すように、耐圧容器20は、容器本体21及び蓋板22を有している。容器本体21は、例えば絞り加工等によって、一方に容器本体21の底となる第1端面部211を有し、他方が開口した略円筒形又は椀形の容器状に形成されている。本実施形態の場合、容器本体21は、第1端面部211から開口側へ向かって内径が拡大するような略円筒形の容器状に形成されている。この場合、第1端面部211の厚み寸法は、第1端面部211の周囲に設けられた側面部の厚み寸法よりも大きい。
【0014】
蓋板22は、例えば金属製の板、この場合円板であって、容器本体21の開口側の全周に亘って溶接固定されている。これにより、蓋板22は、容器本体21の開口を気密に閉塞している。蓋板22は、耐圧容器20の第2端面部22を構成する。以下の説明では、蓋板22を第2端面部22と称することがある。第2端面部22の厚み寸法は、第1端面部211の厚み寸法と同程度であり、かつ、第1端面部211の周囲に設けられた側面部の厚み寸法よりも大きい。
【0015】
なお、容器本体21は、第1端面部211を有さない構成であっても良い。すなわち、この場合、容器本体は、一方及び他方の端面部側の両方が開口した筒状に構成することができる。そして、容器本体の両側の開口には、それぞれ蓋板を溶接固定され、これにより、耐圧容器は、容器本体の両側の開口が蓋板によって気密に閉塞されたものとなる。
【0016】
圧力スイッチ10は、少なくとも1つの気密端子30を備えている。本実施形態の場合、圧力スイッチ10は、
図1及び
図2に示すように、2つの気密端子30を備えている。気密端子30は、例えば導電性を有する金属製であって、円柱棒状の部材で構成することができる。気密端子30は、耐圧容器20の例えば第2端面部22を貫いて設けられている。本実施形態の場合、各気密端子30は、
図3等に示すように、第2端面部22の中心からずれた位置に設けられており、第2端面部22に形成された端子用穴221に通されている。すなわち、本実施形態の場合、気密端子30は、耐圧容器20の他方の端面部に設けられている。気密端子30の周囲つまり端子用穴221の内側には、ガラスなどの電気絶縁性の充填材31が設けられている。これにより、気密端子30は、第2端面部22つまり耐圧容器20に対して気密でかつ電気的に絶縁された状態で固定されている。
【0017】
図3に示すように、圧力スイッチ10は、接点機構40を備えている。接点機構40は、耐圧容器20内に設けられている。接点機構40は、固定接点41と可動接点42とを有している。接点機構40は、これら固定接点41と可動接点42とを離接つまり開閉させる機構である。本実施形態の場合、圧力スイッチ10は、2つの気密端子30に対応して、2つの固定接点41及び2つの可動接点42を有している。
【0018】
接点機構40は、全て金属等の無機材料で構成されており、樹脂等の有機材料を含んでいない。接点機構40は、例えば固定部材43、可動部材44、及び弾性部材45を更に有して構成することができる。そして、固定部材43、可動部材44、及び弾性部材45は、いずれも例えば金属材料で構成することができる。本実施形態の場合、固定部材43の数は、気密端子30の数及び固定接点41の数に対応している。すなわち、本実施形態の場合、圧力スイッチ10は、2つの気密端子30及び2つの固定接点41に対応して2つの固定部材43を有している。
【0019】
固定部材43は、例えば導電性を有する金属製の板材を折り曲げて形成することができる。
図3及び
図5に示すように、固定部材43は、気密端子30側から耐圧容器20の中心側へ向かって延びている。気密端子30の耐圧容器20内側の端部は、固定部材43の一方の端部に溶接等によって固着されている。これにより、気密端子30と固定部材43とは電気的及び物理的に接続されている。すなわち、気密端子30は、固定部材43に溶接されることで、接点機構40に電気的及び物理的に接続されている。
【0020】
固定接点41は、例えば金属等の導電性を有する材料によって半球状に形成されている。固定接点41は、固定部材43の他方の端部に溶接等によって固着されている。これにより、固定接点41と固定部材43とは電気的及び物理的に接続されている。すなわち、固定接点41は、固定部材43を介して気密端子30に電気的に接続されている。
【0021】
可動部材44及び弾性部材45は、固定接点41に対して可動接点42を離接させるためのものである。本実施形態の場合、接点機構40は、1つの可動部材44を有している。この1つの可動部材44は、2つの固定接点41に対して2つの可動接点42を同時に離接させる機能を有する。
【0022】
可動部材44は、可動接点42を固定接点41に対して接する方向及び離れる方向へ移動可能である。可動部材44は、
図3及び
図5等に示すように、例えば導電性を有する金属製の板材を折り曲げて構成することができる。可動部材44は、例えば
図5に示すように、平面視で2つに分岐した略T字状若しくは略Y字状の板状の部材を折り曲げて構成することができる。
【0023】
可動接点42は、固定接点41と同様に、例えば金属等の導電性を有する材料によって半球状に形成されている。2つの可動接点42は、可動部材44上であって固定接点41と対向する位置に設けられている。すなわち、2つの可動接点42は、可動部材44の二股に分かれた部分の両端部における第1端面部211側の面に、溶接等によって固着されている。これにより、2つの可動接点42は、それぞれ対応する固定接点41に対向している。この場合、可動部材44は、
図3等に示すように、側面視で見た場合に、第1端面部211及び第2端面部22と平行方向において可動接点42とは反対側部分が第1端面部211側へ向かって突出する浅いU字状に折り曲げられており、更にその浅いU字状から連続して第2端面部22側へ向かって略直角に折り曲げられている。
【0024】
図3等に示す弾性部材45は、弾性を有しかつ導電性を有する部材で構成されている。弾性部材45の一方の端部は、耐圧容器20この場合第2端面部22の中央部付近に直接又は間接的に固定されている。例えば弾性部材45の一方の端部は、調整部材46を介して間接的に耐圧容器20に接続することができる。この場合、調整部材46は、金属等の無機材料でかつ導電性を有する部材で構成されており、例えば固定接点41と可動接点42との接触状態を調整する機能を有する。また、弾性部材45の他方の端部は、可動部材44の中央部付近に固定されている。これにより、可動接点42は、可動部材44及び弾性部材45を介して、耐圧容器20の第2端面部22に電気的に接続されている。この構成において、弾性部材45は、固定接点41と可動接点42とが閉状態となるように可動部材44に対して弾性力を作用させるとともに、可動接点42が固定接点41から離れる方向及び近づく方向へ移動可能に可動部材44を支持している。
【0025】
弾性部材45は、例えば導電性を有する金属板をU字形状に折り曲げた板バネで構成することができる。弾性部材45は、U字形状の一方の端部が耐圧容器20の第2端面部22に溶接等によって固着され、他方の端部が可動部材44の中央部分に溶接等によって固着されている。これにより、弾性部材45は、可動接点42を可動部材44及び弾性部材45を介して耐圧容器20に電気的に接続しているとともに、可動部材44を揺動可能に支持している。
【0026】
なお、上記構成では、可動部材44と弾性部材45とは別体に構成され、溶接等によって相互に接続されている。しかし、この構成に限られず、例えば可動部材44と弾性部材45とを打ち抜き形成等によって一体に構成しても良い。また、弾性部材45は、U字形状の板バネに限られず、例えばコイルバネであっても良い。この場合、コイルバネで構成された弾性部材45は、揺動に加えて、第1端面部211と第2端面部22との間で平行移動可能に可動部材44を支持する。
【0027】
可動部材44は、
図3に示すように、第1押圧点P1及び第2押圧点P2を有している。第1押圧点P1は、可動部材44の第1端面部211側に設けられている。一方、第2押圧点P2は、可動部材44の第2端面部22側に設けられている。この場合、
図3及び
図5に示すように、平面視において、可動接点42から第1押圧点P1までの距離と、可動接点42から第2押圧点P2までの距離とは異なっている。可動接点42から第1押圧点P1までの距離よりも、可動接点42から第2押圧点P2までの距離の方が長い。すなわち、
図5の紙面の左右方向について見た場合に、第1押圧点P1は、可動部材44において可動接点42と第2押圧点P2との間に位置している。
【0028】
図3及び
図5に示すように、第1押圧点P1は、例えば可動部材44の長手方向における中央付近であって、可動部材44における第1端面部211側の面に設定することができる。また、第2押圧点P2は、例えば可動部材44における可動接点42とは反対側の端部に設定することができる。この場合、可動部材44は、第1押圧点P1と第2押圧点P2との間を例えば略直角に折り曲げて構成し、可動部材44の厚み方向に延びる端面を第2押圧点P2に設定することができる。
【0029】
この構成において、可動部材44には、固定接点41と可動接点42とが閉状態となるように弾性部材45の弾性力が作用している。そのため、接点機構40は、可動部材44の第1押圧点P1及び第2押圧点P2に押圧力が作用していない通常時には、固定接点41と可動接点42とが接触して閉状態になっている。一方、可動部材44の第1押圧点P1又は第2押圧点P2に押圧力が作用すると、可動部材44が平行移動又は揺動して可動接点42が固定接点41から離れる。そのため、接点機構40は、可動部材44の第1押圧点P1又は第2押圧点P2に押圧力が作用すると、固定接点41と可動接点42との電気的接続が切断された開状態になる。
【0030】
また、圧力スイッチ10は、ダイヤフラム51、第1押圧部材52、受圧変形部材61、第2押圧部材62、及び規制部材63を更に備えている。ダイヤフラム51、第1押圧部材52、受圧変形部材61、第2押圧部材62、及び規制部材63は、いずれも金属又はセラミックス等の無機材料で構成されており、樹脂等の有機材料を含んでいない。
【0031】
ダイヤフラム51は、大気圧よりも大きい第1動作圧力で動作し、その動作により第1押圧部材52を耐圧容器20の内部方向に移動させ、第1押圧部材52が第1押圧点P1を押圧して接点機構40を可逆的つまり復帰可能な態様で開く機能を有する。ダイヤフラム51は、例えば金属製の板材を皿状に絞り加工したもので構成することができる。ダイヤフラム51は、耐圧容器20の一方の端面部、この場合、第1端面部211の外側面に設けられている。ダイヤフラム51は、耐圧容器20に例えば溶接されることによって気密に固着している。この場合、ダイヤフラム51の中心部と、第1端面部211の中心部とは略一致している。
【0032】
ダイヤフラム51は、例えば複数枚の薄板を積層して構成することができる。この場合、耐圧容器20は、保持部材23を更に備える。保持部材23は、例えば金属製でかつ円環状の板材で構成することができる。この場合、保持部材23の外径寸法とダイヤフラム51の外径寸法と第1端面部211の外径寸法とは等しい。また、保持部材23の厚み寸法は、積層されたダイヤフラム51の厚み寸法よりも大きい。
【0033】
複数の薄板を積層して構成されたダイヤフラム51は、容器本体21の第1端面部211と保持部材23との間に設置される。そして、ダイヤフラム51と第1端面部211と保持部材23との外周部分を共に溶接することで、ダイヤフラム51は、第1端面部211に気密状態で固着されている。この場合、第1端面部211とダイヤフラム51と保持部材23との外周面には、溶接による溶接痕Wが形成される。
【0034】
ダイヤフラム51は、第1動作圧力で動作し、かつ第1動作圧力よりも低い復帰圧力で復帰可能に構成されている。つまり、ダイヤフラム51は、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第1動作圧力を超えると、
図6に示すように湾曲形状が反転する方向へ変形して動作する。また、ダイヤフラム51は、圧力スイッチ10の周囲の圧力が復帰圧力以下になると、
図3に示すように元の形状に自己復帰する。この場合、復帰圧力は、第1動作圧力よりも低く、かつ、大気圧以上の圧力に設定することができる。そのため、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第1動作圧力よりも大きくなってダイヤフラム51が動作した後であっても、圧力スイッチ10の周囲の圧力が少なくとも大気圧まで低下すれば、ダイヤフラム51は復帰する。
【0035】
第1押圧部材52は、樹脂製ではなく例えば金属又はセラミックス等の無機材料で構成されている。第1押圧部材52は、全体として円柱棒状に構成されている。第1押圧部材52は、耐圧容器20の一方の端面部、この場合第1端面部211を貫いて設けられている。すなわち、第1端面部211を貫いて第1貫通穴212が形成されている。そして、第1押圧部材52は、第1貫通穴212に通されて、第1押圧部材52の軸方向へ向かって移動可能すなわち摺動可能に構成されている。第1押圧部材52の長さは、
図3に示すように大気圧下におけるダイヤフラム51と第1押圧点P1との距離以下に設定されている。このため、第1動作圧力未満において、第1押圧部材52の基端部521は、可動部材44を動作させない程度にダイヤフラム51に接触しているか、若しくはダイヤフラム51の中心部に接触していない。
【0036】
第1押圧部材52の先端部522は、可動部材44の第1押圧点P1側を向いている。ダイヤフラム51が動作していない状態つまり第1動作圧力未満では、第1押圧部材52の先端部522は、可動部材44の第1押圧点P1に接触していないか、又は可動部材44を動作させない程度に接触している。この場合、第1動作圧力未満において、つまりダイヤフラム51が動作していない場合において、第1押圧点P1は、第1押圧部材52の移動方向において、固定接点41及び可動接点42よりも第1端面部211の近くに位置している。
【0037】
受圧変形部材61、第2押圧部材62、及び規制部材63は、大気圧よりも大きくかつ第1動作圧力よりも大きい第2動作圧力で動作し、その動作により第2押圧点P2を押圧して接点機構40を不可逆的つまり復帰不可能な態様で開く機能を有する。
【0038】
受圧変形部材61は、金属製の板材を、例えばダイヤフラム51よりも深い容器状に絞り加工したもので構成することができる。受圧変形部材61は、耐圧容器20においてダイヤフラム51が設けられた第1端面部211とは異なる端面部である第2端面部22の外側面に設けられている。受圧変形部材61は、第2端面部22に例えば溶接されることによって、耐圧容器20に気密に固着している。
【0039】
この場合、受圧変形部材61は、例えば底部611、開口部612、及び接触部613を有して構成することができる。底部611は、深い容器状の受圧変形部材61の底を構成する。底部611は、圧力スイッチ10の周囲つまり受圧変形部材61の周囲の圧力が第2動作圧力未満の場合には、
図3及び
図6に示すように、受圧変形部材61の外側へ向かって膨らんだ湾曲形状すなわち浅い椀形状となっている。そして、底部611は、受圧変形部材61の周囲の圧力が第2動作圧力以上になると、
図7に示すように、受圧変形部材61の内側へ向かって、つまり第2端面部22側へ向かって窪む方向へ復帰不可能に変形する。
【0040】
開口部612は、底部611とは反対側つまり第2端面部22側に位置しており、容器状の開口を構成する。そして、接触部613は、開口部612から受圧変形部材61の径方向の外側へ向かっていわゆる鍔状に広がるように形成されている。すなわち、接触部613は、円環板状に形成されており、容器状の受圧変形部材61の開口部612の周囲に設けられて第2端面部22の外側表面に対向している。そして、接触部613は、第2端面部22の外側表面に溶接等により気密状態で固着されている。
【0041】
受圧変形部材61の動作圧力は、ダイヤフラム51の動作圧力よりも高い圧力、つまり第1動作圧力よりも高い第2動作圧力に設定されている。そして、受圧変形部材61は、第2動作圧力で動作し、かつ大気圧で復帰不可に構成されている。すなわち、受圧変形部材61は、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第2動作圧力を超えると主に底部611の湾曲形状が反転する方向へ変形して動作する。そして、受圧変形部材61は、一旦変形して動作した後は、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第2動作圧力及び第1動作圧力以下つまりダイヤフラム51の復帰圧力を下回る大気圧まで低下しても復帰しない。
【0042】
圧力スイッチ10は、例えば圧縮機内に設けることができる。第1動作圧力は、例えば通常運転時の圧力である3MPa以上でかつ圧縮機の設計圧力の上限よりも低い圧力に設定される。第1動作圧力は、例えば異常圧力である冷媒の65℃における凝縮圧以上でかつ圧縮機の設計圧力未満である4.0MPa付近に設定することができる。この場合、ダイヤフラム51の復帰圧力は、大気圧よりも大きく、かつ圧縮機の正常な運転範囲の上限圧力よりも低い圧力、例えば通常運転時の圧力である3MPa付近に設定することができる。そして、第2動作圧力は、例えば圧縮機の設計圧力の上限値以上の値、つまり圧縮機が破損する可能性のある異常圧力以上の10MPa付近に設定することができる。なお、第1動作圧力、復帰圧力、第2動作圧力は、上記した値に限られず、圧力スイッチ10の使用目的や設置環境等に応じて適宜変更することができる。
【0043】
図3等に示す第2押圧部材62は、樹脂製ではなく例えば金属又はセラミックス等の無機材料で構成されている。第2押圧部材62は、全体として棒状に構成されており、受圧変形部材61の円筒形状の内側に収容されている。第2押圧部材62は、第2端面部22を貫いて形成された第2貫通穴222に通されており、第2押圧部材62の軸方向へ向かって移動可能すなわち摺動可能に構成されている。第1押圧部材52の中心軸と第2押圧部材62の中心軸とはずれている。また、第1押圧部材52の軸方向つまり移動方向と、第2押圧部材62の軸方向つまり移動方向とは、平行方向に設定されている。
【0044】
第2押圧部材62は、受圧変形部材61が動作していない状態において、接点機構40が収容されている空間とは異なる空間に配置されている。本実施形態の場合、接点機構40は、耐圧容器20内すなわち容器本体21と蓋板22とで囲まれた空間に収容されている。一方、受圧変形部材61が動作していない場合、第2押圧部材62は、耐圧容器20内とは異なる空間に収容されている。つまり、受圧変形部材61が動作していない場合、第2押圧部材62のうち一部は、耐圧容器20の外部であって蓋板22と受圧変形部材61とで囲まれた空間内に収容されており、第2押圧部材62のうち残りの部分は、蓋板22に形成された第2貫通穴222内に収容されている。換言すれば、受圧変形部材61が動作していない場合において、第2押圧部材62は、耐圧容器20内へ突出していない。
【0045】
第2押圧部材62は、例えば第2押圧部材62の軸方向に沿って切断した線に対して非対称形に形成することができる。第2押圧部材62は、
図3に示すように、例えば基端部621、受け部622、逃げ部623、作用部624、及び回り止め部625を有して構成することができる。基端部621は、受圧変形部材61の両端部のうち第2押圧部材62の基端側つまり受圧変形部材61の底部611側の端部である。基端部621は、例えば底部611側へ向かって膨らんだ湾曲状に形成することができる。この場合、基端部621の湾曲形状の曲率半径は、底部611の湾曲状の曲率半径よりも小さい。
【0046】
受け部622は、第2押圧部材62の軸方向の途中部分に設けられており、第2押圧部材62の径方向の外側へ向かっていわゆる鍔状に広がるように形成されている。受け部622の外径は、基端部621を含めた第2押圧部材62の他の部分の外径よりも大きい。受け部622は、第2押圧部材62の長手方向において中心よりも基端部621側に設けられている。
【0047】
逃げ部623は、第2押圧部材62の基端部621とは反対側の先端部の一部を傾斜状に切り欠いて形成されている。逃げ部623は、受圧変形部材61の動作によって第2押圧部材62が耐圧容器20内に押し込まれた場合に、第2押圧部材62の先端部が弾性部材45に接触して干渉することを抑制する機能を有する。これにより、第2押圧部材62の移動量に関し、小さな空間で大きな移動量を確保することができる。
【0048】
作用部624は、第2押圧部材62の先端部に設けられており、受圧変形部材61の動作によって第2押圧部材62が耐圧容器20内に押し込まれた場合に、可動部材44の第2押圧点P2に接触して第2押圧点P2を押圧する機能を有する。
【0049】
この場合、第2押圧部材62が回転すると、第2押圧点P2に対して作用部624の位置がずれてしまい、確実な押圧が阻害される。そこで、第2押圧部材62は、回り止め部625を有している。回り止め部625は、例えば断面形状が非円形の構造とすることができ、受け部622と作用部624との間に設けることができる。この場合、
図4にも示すように、第2端面部22に形成された第2貫通穴222の一部には、回り止め部625に対応した形状の溝部223が形成されている。そして、第2押圧部材62は、第2貫通穴222に挿入された際に回り止め部625が溝部223に嵌まり込むことで、第2押圧部材62の回転を規制する。このように、回り止め部625は、第2押圧部材62の回転を止める機能を有する。これにより、第2押圧部材62が回転して第2押圧点P2と作用部624との位置関係がずれてしまうことを抑制でき、その結果、作用部624によって第2押圧点P2を確実に押圧することができる。
【0050】
なお、回り止め部625及び回り止め部625に対応した形状の溝部223の具体的な構成は、第2押圧部材62の回転を規制することができれば、上述したものに限られない。回り止め部625及び溝部223は、例えば多角形や楕円形又はこれらの組合せ等の断面形状を有するものであっても良い。
【0051】
図3等に示すように、規制部材63は、受圧変形部材61の内部に設けられている。規制部材63は、受圧変形部材61が動作していない場合に、第2押圧部材62が接点機構40を押圧する方向へ移動することを規制する機能を有する。規制部材63は、圧力スイッチ10の周囲が第2動作圧力未満であって受圧変形部材61が変形していない場合に、第2押圧部材62が耐圧容器20の内側へ移動して可動部材44の第2押圧点P2を押圧することを規制する機能を有する。
【0052】
規制部材63は、例えば金属等の無機材料の弾性部材で構成されている。規制部材63は、例えば圧縮コイルバネで構成し、第2端面部22と受け部622との間に設けることができる。これにより、規制部材63は、受け部622に対して第2端面部22から離れる方向へ弾性力を作用させることで、第2押圧部材62の耐圧容器20の内側への移動を規制することができる。また、規制部材63は、例えば薄い金属箔によって筒状に形成されたもので、かつ、受圧変形部材61が変形して第2押圧部材62が底部611に押圧された場合に潰れて変形する構成としても良い。
【0053】
規制部材63は、例えば複数の外径を有する金属製の圧縮コイルバネで構成することができる。すなわち、規制部材63は、規制部材63の伸縮方向に関し、一方の端部の直径と他方の端部の直径が異なる例えば多段式又は円錐形の圧縮コイルバネで構成することができる。
図3等において、規制部材63は、例えば受け部622側の外径を第2端面部22側の外径よりも小さくすることができる。そのため、第2押圧部材62が耐圧容器20内側へ移動する際に、規制部材63のうち外径の小さい受け部622側の部分が、外径の大きい第2端面部22側の部分に入り込む。なお、
図3等に示された規制部材63は上下逆に構成することもできる。すなわち、規制部材63は、受け部622側の外径を第2端面部22側の外径よりも大きく構成しても良い。
【0054】
この構成において、圧力スイッチ10の周囲の圧力が大気圧を超えて第1動作圧力から第2動作圧力の範囲の圧力になると、
図6に示すように、ダイヤフラム51が変形して動作し、これにより第1押圧部材52は、ダイヤフラム51に押されて第1押圧点P1を押圧する。すると、可動部材44は、第1押圧部材52から押圧力をうけて、弾性部材45の弾性力に逆らって第2端面部22側へ移動する。これにより、可動接点42が固定接点41から離され、その結果、接点機構40が開状態つまり遮断状態となる。なお、可動部材44と弾性部材45との接触部分と、可動部材44の揺動の支点部分とは、必ずしも一致している必要はない。
【0055】
この場合、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第2動作圧力を超えることなく復帰圧力以下に低下すると、
図3に示すように、ダイヤフラム51は初期状態に自己復帰する。これにより、第1押圧部材52は、主に可動部材44を介して伝わる弾性部材45の弾性力によってダイヤフラム51側へ移動して初期位置に復帰し、その結果、第1押圧点P1に対する押圧が解除される。すると、可動部材44は、弾性部材45による弾性力によって初期の状態に復帰され、可動接点42が固定接点41に再度接触する。これにより、接点機構40は、ダイヤフラム51が動作した後であっても、再度閉状態となる。
【0056】
一方、圧力スイッチ10の周囲の圧力が第2動作圧力を超えると、
図7に示すように、ダイヤフラム51に加えて受圧変形部材61も動作する。すると、第2押圧部材62は、受圧変形部材61に押されて第2押圧点P2を押圧し、これにより、可動部材44は、第1押圧部材52に加えて第2押圧部材62にも押圧される。すると、可動部材44は、弾性部材45と第2端面部22との接続部分を支点に揺動し、これにより、可動接点42が固定接点41から離される。
【0057】
この場合、受圧変形部材61が一旦動作した後であるため、
図8に示すように圧力スイッチ10の周囲の圧力が復帰圧力以下に低下してダイヤフラム51が復帰しても、受圧変形部材61は復帰しない。したがって、第2押圧点P2に対する押圧が解除されずに維持されるため、可動接点42が固定接点41に再度接触することがない。その結果、ひとたび圧力スイッチ10の周囲の圧力が第2動作圧力を超えた後は、接点機構40の開状態つまり遮断状態が維持される。
【0058】
上記構成の圧力スイッチ10は、
図9及び
図10に示すように、例えば密閉型電動圧縮機70の圧力保護装置として適用することができる。なお、以下の説明では、密閉型電動圧縮機70を単に圧縮機70と称することがある。圧縮機70は、全密閉型又は半密閉型の冷媒用の電動圧縮機であり、例えばエアコン等に使用されて冷凍サイクルの一部を構成することができる。圧縮機70は、圧縮機容器71、圧縮機構72、及びモータ73を備えている。圧縮機容器71は気密性及び耐圧性を有する容器であり、圧縮機70の外殻を構成する。
【0059】
圧縮機構72及びモータ73は、いずれも圧縮機容器71内に設けられている。モータ73は、ロータ731、ステータ732、及び巻き線733を有している。圧縮機構72とモータ73とは、シャフト74によって相互に連結されている。これにより、モータ73の回転力が圧縮機構72に伝達されて、圧縮機構72が駆動される。また、圧縮機容器71には、吸入管75及び吐出管76が気密に接続されている。吸入管75は、図示しない熱交換器等から冷媒を圧縮機容器71内の圧縮機構72に導くためのものである。吐出管76は、圧縮機構72によって圧縮された冷媒を吐出して図示しない熱交換器へ送るためのものである。
【0060】
また、圧縮機70は、気密端子ユニット77を備えている。気密端子ユニット77は、圧縮機容器71を貫いて気密に設けられており、圧縮機容器71内のモータ73と外部の電源とを接続する。すなわち、モータ73への電力供給は、気密端子ユニット77を介して行われる。
【0061】
圧力スイッチ10は、圧縮機容器71内に設けられて、モータ73の動力線734に接続される。本実施形態の場合、モータ73は、いわゆるY結線の三相モータである。そして、圧力スイッチ10は、例えば
図10に示すように、三相モータ73のY結線の中性点に接続される。この場合、モータ73の三相の動力線734のうち二相の動力線734は、2つの気密端子30にそれぞれ直接的又は間接的に電気的に接続される。モータ73の三相の動力線734のうち残り一相の動力線734は、耐圧容器20の外周面に直接的又は間接的に電気的に接続される。
【0062】
この場合、直接的に接続されるとは、耐圧容器20の外周面又は気密端子30に各動力線734が直接溶接等によって固着されて接続されることを意味する。また、間接的に接続されるとは、例えば耐圧容器20の外周面又は気密端子30に図示しない接続端子が溶接等によって固着されており、各動力線734が、この接続端子を介して気密端子30又は耐圧容器20の外周面に接続されることを意味する。
【0063】
この構成において、圧縮機容器71内の圧力が、第1動作圧力を超えると、上述したようにダイヤフラム51が動作して接点機構40が開状態になる。その結果、モータ73への電力供給が遮断されて圧縮機70が停止する。この場合、圧縮機容器71内の圧力が第2動作圧力を超えていなければ、受圧変形部材61は動作していない。このため、圧縮機容器71内の圧力が復帰圧力以下、例えば大気圧に開放されることで、ダイヤフラム51が復帰する。その結果、接点機構40が再度閉状態となって、モータ73への電力供給が再開可能となる。
【0064】
一方、圧縮機容器71内の圧力が第2動作圧力を超えた場合、受圧変形部材61も動作する。この場合、圧縮機容器71内の圧力が復帰圧力以下、例えば大気圧に開放されてダイヤフラム51が復帰しても、受圧変形部材61は復帰しない。その結果、接点機構40の開状態つまり電力の遮断状態が維持される。
【0065】
以上説明した実施形態によれば、圧力スイッチ10は、気密性を有する金属製の耐圧容器20と、接点機構40と、少なくとも1つの気密端子30と、ダイヤフラム51と、第1押圧部材52と、受圧変形部材61と、第2押圧部材62と、を備える。接点機構40は、耐圧容器20内に設けられ常時閉状態でかつ押圧力が作用すると開状態となる。気密端子30は、耐圧容器20を貫いて設けられ接点機構40に接続されている。ダイヤフラム51は、耐圧容器20の第1端面部211に気密状態で設けられている。ダイヤフラム51は、第1動作圧力で動作し、かつ、第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能である。第1押圧部材52は、第1端面部211を貫いて設けられており、ダイヤフラム51の動作により接点機構40を押圧して開状態に切り替える機能を有する。
【0066】
受圧変形部材61は、例えば金属等の無機材料で構成されており、樹脂等の有機材料を含んでいない。受圧変形部材61は、金属製であって、耐圧容器20の端面部のうち第1端面部211と異なる第2端面部22に気密状態で設けられている。受圧変形部材61は、第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作し、かつ、第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない。第2押圧部材62は、第2端面部22を貫いて設けられている。第2押圧部材62は、受圧変形部材61の動作により接点機構40を押圧して開状態に切り替える機能を有している。
【0067】
この構成によれば、1つの圧力スイッチ10によって、ダイヤフラム51による復帰可能な動作と、受圧変形部材61による復帰不可な動作と、の異なる2種類の動作態様が可能である。これにより、一時的な過負荷により生じた圧力異常と、一時的な過負荷を超えて生じた圧力異常と、の両方の圧力異常に対して、2つの圧力スイッチを設けることなく、1つの圧力スイッチ10で対応することができる。したがって、必要な圧力スイッチの数を減らすことができ、その結果、圧力スイッチ10の取付スペースを低減して圧縮機70等の小型化に寄与することができる。更には部品点数を減らして圧縮機70の製造工数やコストを低減させることができる。
【0068】
ここで、圧力スイッチ10が設置される圧縮機70において、例えば巻き線733のレイヤーショートや、圧縮機構72若しくはモータ73のロック等の不具合が生じた場合、圧縮機70内部の温度や圧力が過度に上昇する恐れがある。そのため、圧力スイッチ10は、高温や高圧力を受けても動作特性の変化や誤作動を引き起こさないことが重要である。そこで、本実施形態において、第1押圧部材52及び第2押圧部材62は、例えば樹脂等の有機材料を含まない材料、例えば金属やセラミックス等の無機材料で構成することができる。
【0069】
これによれば、導電性を有する必要のない第1押圧部材52及び第2押圧部材62を樹脂ではなく金属やセラミックス等の無機材料で構成することにより、圧力スイッチ10が設置される圧縮機70の内部の温度や圧力が上昇した場合であっても、第1押圧部材52及び第2押圧部材62から樹脂の分解によりガス等が発生するおそれがない。これにより、耐圧容器20内でガス等が発生してそのガス等によって接点機構40の特に接点41、42が汚染されることを抑制でき、その結果、接点機構40の接触抵抗値の変化つまり圧力スイッチ10の動作特性の変化が引き起こされてしまうことを抑制できる。
【0070】
更に、ダイヤフラム51や受圧変形部材61が数MPaの高い圧力を受けて動作する際に、第1押圧部材52及び第2押圧部材62は、ダイヤフラム51や受圧変形部材61から大きな荷重を受ける。この場合、高温や高荷重を受けた第1押圧部材52及び第2押圧部材62に変形や破損が生じると、接点機構40の正常な開閉が難しくなり、圧力スイッチ10の誤動作を引き起こす可能性がある。これに対し、本実施形態では、第1押圧部材52及び第2押圧部材62を熱に強くかつ耐荷重性の高い金属やセラミックス等の無機材料で構成している。これにより、圧力スイッチ10が例えば高温環境下に晒された状態で第1押圧部材52や第2押圧部材62が大きな荷重を受けた場合でも、第1押圧部材52や第2押圧部材62に変形や破損が生じてしまうことを効果的に抑制することができる。以上のように、本実施形態によれば、圧縮機の内部の温度や圧力の上昇によって圧力スイッチ10の動作特性の変化や誤動作の発生を抑制でき、その結果、耐久性を更に向上できて長期の信頼性を確保することができる。
【0071】
第2押圧部材62は、受圧変形部材61が動作していない状態において、接点機構40が収容されている空間とは異なる空間に配置されている。これによれば、接点機構40が収容されている空間とは異なる空間に第2押圧部材62を配置することで、第2押圧部材62が原因となって接点機構40が汚染されてしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0072】
受圧変形部材61は、第2端面部22側に開口部612を有し、かつ、開口部612とは反対側に底部611を有する有底円筒状に形成されている。また、受圧変形部材61は、開口部612側が第2端面部22に気密状態で設けられている。底部611は、第2動作圧力未満の場合には外側へ向かって膨らんだ湾曲形状となっている。そして、底部611は、第2動作圧力以上となった場合に受圧変形部材61の内側へ向かって窪む方向へ復帰不可能に変形する。
【0073】
すなわち、受圧変形部材61の底部611は、動作により湾曲形状が反転する。これによれば、受圧変形部材61の底部611は、ダイヤフラム51に比べて移動量つまり第2押圧部材62を押し込む量を大きく確保することができる。これにより、受圧変形部材61は、第2動作圧力以上の圧力を受けて動作した場合に第2押圧部材62を確実に押し込むことができて、固定接点41から可動接点42を確実に切り離すことができる。その結果、圧力スイッチ10の動作に関する信頼性を向上させることができる。
【0074】
第2押圧部材62は、受圧変形部材61の円筒形状の内側に収容されている。そして、圧力スイッチ10は、規制部材63を更に備えている。規制部材63は、受圧変形部材61が動作していない場合つまり変形していない場合に、第2押圧部材62が接点機構40の可動部材44つまり第2押圧点P2を押圧する方向へ移動することを規制する機能を有する。
【0075】
これによれば、第2動作圧力未満であるにも関わらず、圧力スイッチ10に加わる振動等によって第2押圧部材62が接点機構40の第2押圧点P2を押し込む方向へ移動してしまうことを抑制できる。すなわち、これによれば、第2動作圧力以上となって受圧変形部材61が動作するまでは、第2押圧部材62による第2押圧点P2の押し込みが規制されるため、第2動作圧力未満で圧力スイッチ10が誤動作してしまうことを抑制できる。その結果、圧力スイッチ10の動作に関する信頼性を更に向上させることができる。
【0076】
規制部材63は、一方の端部の直径と他方の端部の直径が異なる圧縮コイルバネで構成されている。規制部材63は、
図3等に示すように、例えば受け部622側の外径を第2端面部22側の外径よりも小さくすることができる。これによれば、第2押圧部材62が耐圧容器20内側へ移動する際に、規制部材63のうち外径の小さい受け部622側の部分が、外径の大きい第2端面部22側の部分に入り込む。これにより、規制部材63は、規制部材63の伸縮方向の寸法つまり第2押圧部材62の軸方向の寸法を抑えつつ規制部材63の伸縮量を大きく確保できる。そのため、規制部材63の寸法を極力小さくしつつ、第2押圧部材62の移動量をより大きく確保することができる。その結果、規制部材63や受圧変形部材61の小型化を図りつつ、第2動作圧力以上となった場合には可動部材44の第2押圧点P2を確実に押圧して接点機構40をより確実に開くことができる。その結果、本実施形態によれば、圧力スイッチ10全体の小型化を図りつつ、圧力スイッチ10の動作に関して信頼性を更に向上させることができる。
【0077】
また、接点機構40は、少なくとも1つの固定部材43と、可動部材44と、弾性部材45と、を備える。固定部材43は、固定接点41が設けられており、気密端子30に接続されている。可動部材44は、可動接点42が設けられており、可動接点42を固定接点41に対して接する方向及び離れる方向へ移動させる機能を有する。弾性部材45は、一方の端部が耐圧容器20に直接又は間接的に接続されており、他方の端部が可動部材44に接続されている。弾性部材45は、固定接点41と可動接点42とが接する方向へ可動部材44に対して弾性力を作用させ、かつ可動接点42が固定接点41から離れる方向へ移動可能な状態で、可動部材44を支持する機能を有する。
【0078】
また、可動部材44は、第1押圧部材52によって押圧される第1押圧点P1と第2押圧部材62によって押圧される第2押圧点P2とを有している。そして、第1動作圧力未満において、つまりダイヤフラム51が動作していない場合において、第1押圧点P1は、第1押圧部材52の移動方向において、固定接点41及び可動接点42よりも第1端面部211の近くに位置している。
【0079】
これによれば、例えば可動部材44を側面視で単純なL字状にした構成、つまり固定接点41から第1端面部211までの距離と第1押圧点P1から第1端面部211までの距離とが略等しい構成に比べて、第1押圧部材52の長さ寸法を短くすることができる。このため、例えば第1押圧部材52が第1押圧点P1を押圧した際に、第1押圧点P1から受ける反力により第1押圧部材52が傾いてしまい、第1押圧部材52が第1貫通穴212の内周部に引っかかって第1押圧部材52の移動が不安定になる等の不都合を回避することができる。このように、本実施形態の圧力スイッチ10は、第1押圧部材52による接点機構40の開閉を確実に行うことができ、その結果、圧力スイッチ10の動作に関する信頼性を更に向上させることができる。
【0080】
密閉型電動圧縮機70は、例えば冷凍サイクルに適用することができ、気密性を有する圧縮機容器71と、圧縮機構72と、モータ73と、圧力スイッチ10と、を備える。圧縮機構72は、圧縮機容器71内に設けられており、冷媒を圧縮し吐出する機能を有する。モータ73は、圧縮機容器71内に設けられており、圧縮機構72を駆動する機能を有する。圧力スイッチ10は、圧縮機容器71内に設けられており、モータ73の動力線734に接続される。モータ73は、三相モータで構成することができる。そして、圧力スイッチ10は、モータ73の中性点に接続されている。
【0081】
この場合、圧力スイッチ10の第1動作圧力は、例えば冷凍サイクルの一時的な過負荷により生じた圧力異常のように復帰可能であることが好ましい圧力値に設定される。また、第2動作圧力は、冷凍サイクルの一時的な過負荷の範囲を超えた、圧縮機容器71及び圧縮機容器71に接続した配管等に変形や破損を引き起こす異常圧力の様な復帰不可であることが好ましい圧力値に設定される。
【0082】
これによれば、圧力スイッチ10は、復帰可能にすることが好ましい圧力異常が生じた場合にはモータ73への電力供給を復帰可能な状態で遮断し、復帰不可にすることが好ましい圧力異常が生じた場合にはモータ73への電力供給を復帰不可な状態で遮断することができる。これにより、圧力異常が一時的な過負荷等によって生じた場合には、圧力スイッチ10を復帰させてモータ73を再起動可能にできるため、圧力スイッチ10を修理交換する手間を省くことができる。また、圧力異常が一時的な過負荷を超えて生じた場合には、圧力スイッチ10を復帰不可能にしてモータ73を再起動不可にできるため、モータ73に対する再通電を防止し、再通電した場合に生じうる二次事故を防止することができる。
【0083】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
また、上記各実施形態は、適宜組み合わせることができる。
【0084】
例えば圧力スイッチ10は、1又は複数の気密端子30に対応して1つの固定接点41と1つの可動接点42と1つの固定部材43とを備える構成であっても良い。この場合、1又は複数の気密端子30を、それぞれ1つの固定部材43に接続すれば良い。例えば圧力スイッチ10は、1つの気密端子30と、1つの固定接点41と、1つの可動接点42と、1つの固定部材43と、1つの可動部材44と、を備えた構成とすることができる。
また、第1押圧部材52と第1端面部211との間であって第1押圧部材52の周囲に、ダイヤフラム51の動作を補助するコイルばね等を設けても良い。
【0085】
また、耐圧容器20は、平断面が円形の略円筒形状に限られず、例えば断面が矩形状等であっても良い。しかし、耐圧容器20を、断面が円形の略円筒形状に形成することで、ダイヤフラム51や受圧変形部材61との親和性が良くなり、断面を矩形状に形成した場合に比べてより小型化することができる。
また、圧力スイッチ10は、圧縮機70以外にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
10…圧力スイッチ、20…耐圧容器、211…第1端面部、22…第2端面部、30…気密端子、40…接点機構、41…固定接点、42…可動接点、43…固定部材、44…可動部材、45…弾性部材、51…ダイヤフラム、52…第1押圧部材、61…受圧変形部材、611…底部、612…開口部、62…第2押圧部材、63…規制部材、70…圧縮機(密閉型電動圧縮機)、71…圧縮機容器、72…圧縮機構、73…モータ(三相モータ)、734…動力線、P1…第1押圧点、P2…第2押圧点
【要約】
【課題】小型でかつ耐久性が高く長期の信頼性を有する圧力スイッチ、及び圧力スイッチを用いた密閉型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】圧力スイッチは、耐圧容器と、接点機構と、少なくとも1つの気密端子と、第1動作圧力で動作しかつ第1動作圧力より低い復帰圧力で復帰可能なダイヤフラムと、ダイヤフラムの動作により接点機構を押圧して開状態に切り替える第1押圧部材と、第1動作圧力より高い第2動作圧力で変形して動作しかつ第2動作圧力で動作後は大気圧まで圧力が低下しても復帰しない受圧変形部材と、受圧変形部材の動作により接点機構を押圧して開状態に切り替える第2押圧部材と、を備える。第1押圧部材及び第2押圧部材は、有機材料を含まずに無機材料で構成されている。
【選択図】
図3