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  • 特許-室内用ラッチ錠 図1
  • 特許-室内用ラッチ錠 図2
  • 特許-室内用ラッチ錠 図3
  • 特許-室内用ラッチ錠 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】室内用ラッチ錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 15/10 20060101AFI20220907BHJP
   E05B 63/08 20060101ALI20220907BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20220907BHJP
   E05B 9/02 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
E05B15/10 B
E05B63/08 C
E05B65/06 C
E05B9/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018038131
(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2019152035
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】593088773
【氏名又は名称】技研金物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087974
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】納口利彦
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-293491(JP,A)
【文献】実開平4-8676(JP,U)
【文献】米国特許第4573333(US,A)
【文献】独国特許出願公開第19810700(DE,A1)
【文献】特開2007-154499(JP,A)
【文献】特開2008-231829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 15/10
E05B 63/08
E05B 65/06
E05B 9/02
E05B 55/00-57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材の回動により常時施錠方向に付勢された操作棹と、ラッチ背面とラッチ傾斜面とを有し常時ラッチ背面側に付勢されて回動可能に前記操作棹の端部に設けられた反転ラッチと、前記ラッチ傾斜面を案内する第二のガイド面と、施錠状態では全体が前記ラッチ背面に接し、かつ前記第二のガイド面よりも短くて前記ラッチ背面の後端部を露出させる第一のガイド面とから構成された室内用ラッチ錠。
【請求項2】
前記反転ラッチは、その後端側に形成された凹部に捻りバネと前記操作棹の一部を収容して回動可能に前記操作棹に設けられている請求項1に記載の室内用ラッチ錠。
【請求項3】
前記第一のガイド面及び前記第二のガイド面は、ブッシュに形成されていて筒形外装ケース構成部材に挿入されている請求項1に記載の室内用ラッチ錠。
【請求項4】
前記操作棹、及び前記反転ラッチが前記筒形外装ケース構成部材に収容されている請求項に記載の室内用ラッチ錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーやノブの操作により反転ラッチを操作する室内用ラッチ錠に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1、2に見られるように見られるように室内錠としてノブやレバーなどの操作部材により反転ラッチを回動、移動させて開錠する箱形ラッチ錠が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-54703号公報
【文献】特開2017-71971号公報
【文献】特開2007-205112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、構造が複雑でサイズが大型であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小型で、操作部材の操作量を抑えることができる室内用ラッチ錠を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために本発明は、操作部材の回動により常時施錠方向に付勢された操作棹と、ラッチ背面とラッチ傾斜面とを有し常時ラッチ背面側に付勢されて回動可能に前記操作棹の端部に設けられた反転ラッチと、前記ラッチ傾斜面を案内する第二のガイド面と、施錠状態では全体が前記ラッチ背面に接し、かつ前記第二のガイド面よりも短くて前記ラッチ背面の後端部を露出させる第一のガイド面とから構成されている。
【発明の効果】
【0006】
操作棹の移動により反転ラッチの拘束が解除されて容易に回動可能となるから操作棹の少ない移動、つまりノブの少ない操作量で開錠出来るとともに操作棹の先端に反転ラッチを設けるという簡単な構造で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】図(A)(B)は、それぞれ本発明の一実施例を施錠時の形態で示す縦断面図と横断面図。
図2】図(A)(B)は、それぞれ本発明の一実施例を開錠初期の形態で示す縦断面図と横断面図。
図3】本発明の主要部材の組み立て斜視図。
図4】図(A)(B)は、それぞれ施錠状態及び開錠初期の状態で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1(A)、(B)、図2(A)、(B)、及び図3は、本発明の一実施例を示すものであって、前板1aを備えた筒形外装ケース構成部材1、1’に収容され、角孔2aに挿入されたノブ、ハンドルにより回動されるハンドル操作カム2により進退する操作棹は、スライド片3とラッチ保持体4により構成されている。
【0009】
ラッチ保持体4の先端は、ラッチ保持体収容凹部5aに反転ラッチ5が軸ピン6により回動可能に設けられている。反転ラッチ5は、枠体7の受座金具8の阻止面8aに並行な面(以下、ラッチ背面という)5bと、受座金具8の阻止面8aに傾斜して当接する面(以下、ラッチ傾斜面という)5cとを有し、捻りばね9により後述の保持ブッシュ10と共同してラッチ背面5bが操作棹(ラッチ保持体4)の移動方向に並行となるように付勢されている。
【0010】
さらに反転ラッチ5の後端5d(図3)は、ラッチ傾斜面5cに作用する力を受けて保持ブッシュ10の内面で容易に回動するように断面円形に形成するのが望ましい。
【0011】
これら移動部材(反転ラッチ、ラッチ保持体、スライド片)は、反転ラッチ5の後端近傍に位置しラッチ保持体4に形成されたばね受け座4aと筒形外装ケース構成部材1’の突起との間に装填されたコイルバネ11により反転ラッチ側、つまり施錠側(図中、左方側)に突出するように常時付勢されている。
【0012】
また反転ラッチ5の移動領域には反転ラッチ5の移動をガイドするとともに、施錠状態では反転ラッチ5のラッチ背面5bの全体と接して施錠力を保持する一方、ノブやレバーの回動操作θにより反転ラッチ5が若干後退した場合に(図2B)ラッチ背面5bの後端5dが突出、つまり露出する程度の長さの第一面10aと、ラッチ傾斜面5cをガイドする第二面10bと備えた保持ブッシュ10が装填されている。なお、符号10cは側方ガイド面である。またこの実施例では第一面10aと第二面10bを保持ブッシュに形成しているが、筒形外装ケース構成部材1に直接形成してもよい。
【0013】
なお、この実施例では特許文献3にみられるようにバックセット、つまりスライド片3とラッチ保持体4とを係合させたときの軸長を調整できるように軸方向に2つの切り替え溝が形成されている。
【0014】
すなわち、スライド片3の先端の貫通孔3aをラッチ保持体4の2つの凹部4b、4cのいずれかに挿入するかにより2つの部材の全体を長短に調整できる。スライド片3の貫通孔3aはラッチ保持体4の後端が挿通可能(a<b)で、かつ二者を相対的に90度ほど変位させると凹部4b、4cのいずれかの位置にセット、固定できるように構成されている。
【0015】
この実施例において施錠状態(図4(A))では、反転ラッチ5が枠7の受座金具8の阻止孔8aの縁と軸ピン6との距離L1が極めて短く、かつラッチ背面5bの後端が保持ブッシュ10の第一面10aに接し回動が阻止されているため、扉12に作用する開放方向の力Fによる回動が確実に防止されている。なお、図中符号13は、スライド片3を施錠方向に付勢するコイルバネである。
【0016】
このように構成された室内用ラッチ錠において、施錠状態(図4の状態)で開錠すべくレバー、ノブなどの操作部材を回動させると、反転ラッチ5のラッチ背面5bの後端が保持ブッシュ10の第一の面10aから若干突出する(図4(B)の状態)。これにより反転ラッチ5は、保持ブッシュ10の第一の面10aによる拘束を解かれ軸ピン6を中心に回動が可能となる。
【0017】
同時に受座金具8の縁と軸ピン6との距離L2が施錠時よりも拡大するので扉12を開く力Fにより反転ラッチ5が捻りバネ9の付勢力に抗して受座金具8の縁と軸ピン6との距離L2が拡大しているため容易に回動しかつ後退するため受座金具8から脱出し開錠される。
【0018】
これにより、操作棹の直線移動だけで受座金具からラッチを退避させるよりも、操作棹の移動量、つまりノブ、レバーの操作量が少なくても開錠できる。すなわち、反転ラッチ5は、回動と直線運動との2種類の変位により受座金具8から退避するのでノブやレバーの操作量が少なくなる。
【0019】
開放状態の扉12を閉めると、通常のラッチ錠のラッチと同様に反転ラッチ5のラッチ傾斜面5cが受座金具8のガイド面8bに押され、これにより発生した力のうち進退方向の分力を受けてバネ11の付勢力に抗して反転ラッチ5が後退する。これにより反転ラッチ5が筒形外装ケース構成部材1に没入して扉12が閉まり施錠状態となる。
【符号の説明】
【0020】
1、1’ 筒形外装ケース構成部材 2 ハンドル操作カム 3 スライド片 4 ラッチ保持体 5 反転ラッチ 5b ラッチ背面 5c ラッチ傾斜面 6 軸ピン 7 枠体 8 受座金具 9 捻りばね 10 保持ブッシュ 11 コイルバネ
図1
図2
図3
図4