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特許7137298評価装置、評価方法および評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】評価装置、評価方法および評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220907BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20220907BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20220907BHJP
【FI】
G06T7/00 660B
A63B71/06 G
G06T7/20 300Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017157341
(22)【出願日】2017-08-17
(65)【公開番号】P2019036151
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 順
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 佳代
(72)【発明者】
【氏名】中村 聖子
(72)【発明者】
【氏名】松枝 徹
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-302122(JP,A)
【文献】特開2013-192744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00- 7/90
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラにより撮像された画像データからユーザ領域を抽出する抽出部と、
第1時刻に前記抽出部により抽出された第1のユーザ領域と、前記第1時刻と異なる第2時刻に前記抽出部により抽出された第2のユーザ領域との変化率を算出する算出部と、
前記変化率を基にして、ユーザの前後方向の評価値を判定する判定部と
を有することを特徴とする評価装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記ユーザ領域の特徴点を更に抽出し、前記算出部は、第1時刻に前記抽出部により抽出された特徴点から、前記第1時刻と異なる第2時刻に前記抽出部により抽出された特徴点までの移動量を更に算出し、前記判定部は、前記移動量を基にして、ユーザの横方向の評価値を更に判定することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記カメラにより撮像されるユーザの学年の情報と、ユーザの学年および時間間隔とを対応づけて記憶した記憶部を基にして、前記第1時刻と前記第2時刻との時間間隔を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の評価装置。
【請求項4】
前記記憶部の時間間隔は、高学年の時間間隔よりも、低学年の時間間隔のほうが長いことを特徴とする請求項に記載の評価装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する評価方法であって、
カメラにより撮像された画像データからユーザ領域を抽出し、
第1時刻に抽出した第1のユーザ領域と、前記第1時刻と異なる第2時刻に抽出した第2のユーザ領域との変化率を算出し、
前記変化率を基にして、ユーザの前後方向の評価値を判定する
処理を実行することを特徴とする評価方法。
【請求項6】
コンピュータに、
カメラにより撮像された画像データからユーザ領域を抽出し、
第1時刻に抽出した第1のユーザ領域と、前記第1時刻と異なる第2時刻に抽出した第2のユーザ領域との変化率を算出し、
前記変化率を基にして、ユーザの前後方向の評価値を判定する
処理を実行させることを特徴とする評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
センサを使って児童の運動能力を数値化し、学校、NPO(Nonprofit Organization)等の地域社会の中で、関係者が児童の運動のあり方について学び合うSSL(Social Sports Learning)と呼ばれる取り組みがある。
【0003】
SSLは、センサ(ウェアラブルセンサ)による運動の計測を行い、たとえば、クラウド上で計測データの蓄積と解析を行う。また、SSLは、解析結果を基にして、地域による運動指導、解析結果を基にしたフィードバック授業を行う。
【0004】
たとえば、SSLでは、センサを装着した児童に縄跳びをさせて、縄跳びによる跳躍回数、リズム、バランスを解析する。そして、SSLでは、センサの解析結果を基にして、生徒の運動能力を数値化し、レーダーチャートを用いて数値化した値を端末装置に表示する等の可視化を行うことで、フィードバック授業に役立てている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-035629号公報
【文献】特開平10-184436号公報
【文献】特開2004-007089号公報
【文献】特開平10-068607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、簡易的にユーザの運動能力を評価することができないという問題がある。
【0007】
たとえば、SSLで用いられるセンサは高価なものであるため、児童全員分のセンサを用意することが難しい。また、センサの紛失を防止するため、児童がセンサを気軽に自宅に持ち帰り、家庭などで縄跳びの練習を行いつつ、運動の計測を行うことが難しい。また、センサを体に取り付けることに違和感を感じる児童もおり、センサを用いないで、ユーザの運動能力を評価することも求められている。
【0008】
1つの側面では、本発明は、簡易的にユーザの運動能力を評価することができる評価装置、評価方法および評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の案では、評価装置は、抽出部と、算出部と、判定部とを有する。抽出部は、カメラにより撮像された画像データからユーザ領域を抽出する。算出部は、第1時刻に抽出部により抽出された第1のユーザ領域と、第1時刻と異なる第2時刻に抽出部により抽出された第2のユーザ領域との変化率を算出する。判定部は、変化率を基にして、評価値を判定する。
【発明の効果】
【0010】
簡易的にユーザの運動能力を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
図2図2は、本実施例に係る評価装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、待ち時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4図4は、第1評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、第2評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、評価結果テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、総合評価結果データのデータ構造の一例を示す図である。
図8図8は、抽出部が抽出したユーザ領域の一例を示す図である。
図9図9は、抽出部が抽出するユーザ領域を時系列で示す図である。
図10図10は、本実施例に係る評価装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。
図11図11は、本実施例に係る評価装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。
図12図12は、評価装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する評価装置、評価方法および評価プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例
【0013】
図1は、本実施例に係る評価装置の一例を示す図である。評価装置100は、カメラ110を備えるスマートフォンやタブレット端末、携帯PC(Personal Computer)等に対応する。評価装置100は、運動(縄跳び等)を行うユーザ40を、カメラ110を用いて撮像する。たとえば、評価装置100のカメラ110は、ユーザ40の正面に配置される。
【0014】
評価装置100は、カメラ110で撮像した画像データから、ユーザ40の領域を抽出する処理を繰り返し実行する。評価装置100は、抽出した領域の変化率を算出し、変化率に応じて、ユーザ40が運動を行う場合の体のブレを評価する。
【0015】
たとえば、ユーザ40が運動を行っている最中に、カメラ110に対して前後にぶれている場合には、変化率が大きくなる。評価装置100は、評価結果を、表示部120に表示する。
【0016】
上記のように、本実施例に係る評価装置100は、カメラ110で撮像した画像データを用いて、ユーザ40の運動の評価を行うので、センサを用いることなく、簡易的にユーザの運動を評価することができる。本実施例では一例として、ユーザ40が縄跳びを行い、評価装置100が、縄跳びを行うユーザを評価する場合について説明する。
【0017】
図2は、本実施例に係る評価装置の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、この評価装置100は、カメラ110と、表示部120と、入力部130と、通信部140と、記憶部150と、制御部160とを有する。
【0018】
カメラ110は、撮像範囲に含まれる画像(映像)を撮像するカメラである。カメラ110は、撮像した映像のデータを、制御部160に出力する。カメラ110に出力される映像のデータは、連続する複数の画像データ(フレーム)が含まれる。
【0019】
表示部120は、制御部160から出力される情報を表示する表示装置である。表示部120は、液晶画面、タッチパネルなどの表示装置に対応する。
【0020】
入力部130は、制御部160に各種の情報を入力する入力装置である。入力部130は、入力ボタン、タッチパネルなどの入力装置に対応する。
【0021】
通信部140は、ネットワークを介して、図示しない外部装置と通信を行う装置である。通信部140は、通信装置に対応する。
【0022】
記憶部150は、画像バッファ150a、待ち時間テーブル150b、第1評価テーブル150c、第2評価テーブル150d、評価結果テーブル150e、総合評価結果データ150fを有する。記憶部150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0023】
画像バッファ150aは、カメラ110に撮像された連続する画像データを格納するバッファである。たとえば、画像バッファ150aは、時刻と、画像データとを対応づけて保持する。
【0024】
待ち時間テーブル150bは、学年と、待ち時間とを対応づけるテーブルである。図3は、待ち時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、この待ち時間テーブル150bは、学年と、待ち時間とを対応づける。学年は、ユーザの学年を示すものである。待ち時間は、比較対象となるある画像データの時刻と他の画像データの時刻との間隔を示す時間である。
【0025】
たとえば、図3において、ユーザの学年が「1」である場合には、待ち時間は「3」となる。このため、後述する制御部160により、時刻tの画像データから抽出されるユーザ領域と、時刻t+3の画像データから抽出されるユーザ領域とを基にして、領域の変化率等が算出されることになる。
【0026】
第1評価テーブル150cは、変化率と、評価値とを対応づけるテーブルである。図4は、第1評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この第1評価テーブル150cは、変化率と、評価値とを対応づける。変化率は、時刻tの画像データから抽出されるユーザ領域と、時刻t+待ち時間の画像データから抽出されるユーザ領域との変化率を示すものである。評価値は、変化率に応じて付与される値であり、評価値が低いほど、ユーザの体が前後にぶれていないことを示す。
【0027】
第2評価テーブル150dは、移動量と、評価値とを対応づけるテーブルである。図5は、第2評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この第2評価テーブル150dは、移動量と、評価値とを対応づける。移動量は、時刻tの特徴点から、時刻t+待ち時間の特徴点までの移動量である。ここで特徴点は、画像データから抽出されるユーザ領域の特徴点であり、たとえば、ユーザの目や鼻に対応する。
【0028】
評価結果テーブル150eは、評価タイミング毎の、変化率に基づく評価値と、移動量に基づく評価値とを対応づけるテーブルである。図6は、評価結果テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、この評価結果テーブル150eは、計測番号と、第1評価値と、第2評価値とを対応づける。計測番号は、第1評価値、第2評価値を評価した順番を示すものである。第1評価値は、変化率に基づく評価値を示す。第2評価値は、移動量に基づく評価値を示す。
【0029】
総合評価結果データ150fは、変化率に基づく評価値の総合評価と、移動量に基づく評価値の総合評価とを有するデータである。図7は、総合評価結果データのデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、この総合評価結果データ150fは、評価項目と評価値とを対応づける。評価項目は、ユーザの運動に関する評価の項目を示すものである。評価値は、評価項目に対応する評価値である。評価項目「バランス(前後)」に対応する評価値を、変化率に基づく評価値とする。評価項目「バランス(横)」に対応する評価値を、移動量に基づく評価値とする。
【0030】
図2の説明に戻る。制御部160は、取得部160aと、抽出部160bと、算出部160cと、判定部160dと、出力部160eとを有する。制御部160は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって実現できる。また、制御部160は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
【0031】
取得部160aは、カメラ110から映像のデータを取得する処理部である。取得部160aは、映像のデータに含まれる各画像データを、時刻と対応づけて、画像バッファ150aに登録する。
【0032】
抽出部160bは、画像バッファ150aに格納された画像データを取得し、取得した画像データからユーザ領域を抽出する処理部である。たとえば、抽出部160bは、ユーザ40が含まれていない画像データを予め取得して保持しておくものとする。以下の説明では、ユーザ40が含まれていない画像データを、「背景画像データ」と表記する。
【0033】
抽出部160bは、背景画像データと、画像バッファ150aから取得した画像データとを比較することで、ユーザ領域を特定する。たとえば、背景画像データと画像データとの差分をとり、差分値が閾値以上となる領域がユーザ領域となる。抽出部160bは、特定したユーザ領域を抽出する。
【0034】
図8は、抽出部が抽出したユーザ領域の一例を示す図である。図8に示す例では、抽出部160bは、画像データ50から、ユーザ領域50aを抽出する。抽出部160bは、抽出したユーザ領域の情報を、算出部160cに出力する処理を繰り返し実行する。
【0035】
ここで、抽出部160bは、上記のユーザ領域を抽出する処理を、ユーザの学年に応じた待ち時間の間隔で実行する。ユーザ40は、予め、入力部130を操作して、学年の情報を入力する。抽出部160bは、入力部130から入力される学年の情報と、待ち時間テーブル150bとを比較して、待ち時間を特定する。たとえば、ユーザ40の学年が「1」である場合には、待ち時間は「3」となる。
【0036】
図9は、抽出部が抽出するユーザ領域を時系列で示す図である。図9に示す例では、tで撮影された画像データ51からユーザ領域51aが抽出されている。tで撮影された画像データ52からユーザ領域52aが抽出されている。tで撮影された画像データ53からユーザ領域53aが抽出されている。時刻tと時刻tとの時間間隔、時刻tと時刻tとの時間間隔は、ユーザの学年に応じた時間間隔である。抽出部160bは、ユーザ領域51a,52a,53aを、算出部160cに順に出力する。
【0037】
算出部160cは、抽出部160bから出力される前後のユーザ領域の情報を基にして、変化率および移動量を算出する処理部である。算出部160cは、算出した変化率および移動量の情報を、判定部160dに出力する。
【0038】
まず、算出部160cが、変化率を算出する処理について説明する。算出部160cは、ユーザ領域の面積を算出する。たとえば、算出部160cは、ユーザ領域の画素数を、画像データに含まれる全画素数で除算した値を、面積とする。算出部160cは、抽出部160bから出力される各ユーザ領域の面積を、上記処理により繰り返し実行する。
【0039】
算出部160cは、前後のユーザ領域の面積を比較することで、変化率を算出する。たとえば、算出部160cは、式(1)に基づいて、変化率を算出する。式(1)において、Aは、時刻tのユーザ領域の面積を示す。An+1は、時刻tn+1のユーザ領域の面積を示す。ただし、時刻tと時刻tn+1との時間間隔は、ユーザの学年に応じた待ち時間となる。
【0040】
変化率(%)=|A-An+1|/A×100・・・(1)
【0041】
算出部160cは、変化率を算出する度に、算出した変化率の情報を、判定部160dに出力する。
【0042】
続いて、算出部160cが、移動量を算出する処理について説明する。算出部160cは、ユーザ領域に含まれる特徴点を抽出する。たとえば、算出部160cは、人の顔の特徴を定義したテンプレートと、ユーザ領域とを比較することで、人の顔の鼻の座標を特徴点として抽出する。本実施例では一例として、鼻を特徴点として抽出する場合について説明するが、人と目、口等を特徴点として抽出してもよい。または、ユーザが予め、所定の色のシールを、体の一部に貼り付けておき、算出部160cは、ユーザに貼り付けられたシールを、特徴点として抽出してもよい。算出部160cは、抽出部160bから出力される各ユーザ領域から特徴点を抽出する処理を、上記処理により繰り返し実行する。
【0043】
算出部160cは、前後のユーザ領域の特徴点の位置を比較することで、移動量を算出する。たとえば、算出部160cは、式(2)に基づいて、移動量を算出する。式(2)において、Xは、時刻tのユーザ領域から抽出された特徴点の水平方向の座標値を示す。Xn+1は、時刻tn+1のユーザ領域から抽出された特徴点の水平方向の座標値を示す。
【0044】
移動量=|X-Xn-1|・・・(2)
【0045】
算出部160cは、移動量を算出する度に、算出した移動量の情報を、判定部160dに出力する。
【0046】
判定部160dは、変化率を基にして第1評価値を判定する処理、および、移動量を基にして第2評価値を判定する処理を実行する処理部である。第1評価値は、ユーザ40の前後方向のバランスを評価する値であり、第1評価値が大きいほど、体の前後のブレが大きいことを意味する。第2評価値は、ユーザ40の横方向のバランスを評価する値であり、第2評価値が大きいほど、体の横のブレが大きいことを意味する。
【0047】
判定部160dが、第1評価値を判定する処理について説明する。判定部160dは、算出部160cから出力される変化率と、第1評価テーブル150cとを比較して、第1評価値を判定する。判定部160dは、判定した第1評価値を、評価結果テーブル150eに順番に登録する。
【0048】
判定部160dが、第2評価値を判定する処理について説明する。判定部160dは、算出部160cから出力される移動量と、第2評価テーブル150dとを比較して、第2評価値を算出する。判定部160dは、判定した第2評価値を、評価結果テーブル150eに順番に登録する。
【0049】
判定部160dは、上記の第1評価値を判定する処理および第2評価値を判定する処理を、ユーザ40の運動が終了するまで繰り返し実行する。ユーザ40は、運動を終了する場合には、入力部130を操作して、終了要求を入力する。
【0050】
判定部160dは、入力部130から終了要求を受け付けると、評価結果テーブル150eを基にして、総合評価結果データ150fを生成する。たとえば、判定部160dは、評価結果テーブル150eの各第1評価値の平均値を算出し、算出した平均値を、評価項目「バランス(前後)」に対応する評価値として、総合評価結果データ150fに登録する。判定部160dは、評価結果テーブル150eの各第2評価値の平均値を算出し、算出した平均値を、評価項目「バランス(横)」に対応する評価値として、総合評価結果データ150fに登録する。
【0051】
出力部160eは、判定部160dに生成された総合評価結果データ150fを、表示部120に出力して表示させる処理部である。また、出力部160eは、ネットワーク上の図示しないサーバ装置等に、ユーザの識別情報を添付した総合評価結果データ150fを通知してもよい。
【0052】
次に、本実施例に係る評価装置100の処理手順の一例について説明する。図10、11は、本実施例に係る評価装置の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、評価装置100の抽出部160bは、i=1に設定する(ステップS101)。抽出部160bは、画像バッファ150aから画像データを取得する(ステップS102)。
【0053】
抽出部160bは、画像データからユーザ領域を抽出する(ステップS103)。評価装置100の算出部160cは、ユーザ領域から特徴点を抽出する(ステップS104)。算出部160cは、ユーザ領域の面積を算出し、算出した面積をAに格納する(ステップS105)。
【0054】
算出部160cは、特徴点の座標(水平方向の座標)を、Xに格納する(ステップS106)。抽出部160bは、学に応じた待機時間だけ待機する(ステップS107)。
【0055】
抽出部160bは、i=i+1に設定する(ステップS108)。抽出部160bは、画像バッファ150aから画像データを取得する(ステップS109)。抽出部160bは、画像データからユーザ領域を抽出する(ステップS110)。算出部160cは、ユーザ領域から特徴点を抽出する(ステップS111)。
【0056】
算出部160cは、ユーザ領域の面積を算出し、算出した面積をAに格納し(ステップS112)、図11のステップS113に移行する。
【0057】
図11の説明に移行する。算出部160cは、特徴点の座標(水平方向の座標)を、Xに格納する(ステップS113)。算出部160cは、Ai-1と、Aとの変化率を算出する(ステップS114)。算出部160cは、Xi-1と、Xとの移動量を算出する(ステップS115)。
【0058】
評価装置100の判定部160dは、変化率と第1評価テーブル150cとを比較して、第1評価値を判定する(ステップS116)。判定部160dは、移動量と第2評価テーブル150dとを比較して、第2評価値を判定する(ステップS117)。
【0059】
判定部160dは、第1評価値および第2評価値を評価結果テーブル150eに登録する(ステップS118)。評価装置100は、処理を継続する場合には(ステップS119,Yes)、図10のステップS108に移行する。一方、評価装置100は、処理を継続しない場合には(ステップS119,No)、ステップS120に移行する。判定部160dは、総合評価結果データ150fを生成する(ステップS120)。出力部160eは、総合評価結果データ150fを表示部120に出力する(ステップS121)。
【0060】
次に、本実施例に係る評価装置の効果について説明する。評価装置100は、時刻の異なる画像データから抽出した各ユーザ領域の変化率を基にして、評価値を判定する。これにより、ユーザにセンサを取り付けることなく、簡易的に、ユーザの前後方向のブレに関する評価を行うことができる。また、ユーザは、センサを取り付けないため、違和感を感じることなく、運動を行うことができる。
【0061】
評価装置100は、時刻の異なる画像データから抽出した各ユーザ領域から特徴点を抽出し、特徴点の移動量を基にして、評価値を判定する。これにより、ユーザにセンサを取り付けることなく、簡易的に、ユーザの横方向のブレに関する評価を行うことができる。
【0062】
評価装置100は、各ユーザ領域を抽出する場合の時間間隔(待ち値時間)を、ユーザの学年に応じた待ち時間に調整する。これにより、学年に応じた適切な時間間隔に基づく、変化率、移動量を算出することができる。たとえば、低学年のユーザ(児童)は、運動になれていない場合が多く、体のブレが大きいため、あまり評価時の精度が要求されないため、待ち時間を長めに設定することが可能である。これに対して、高学年のユーザは、運動になれており、スキル向上のため、より正確な数値を算出することが求められるため、待ち時間を短く設定することが好ましい。
【0063】
ここで、本実施例で説明した評価装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図12は、評価装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0064】
図12に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る読み取り装置204と、無線ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインターフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0065】
ハードディスク装置207は、取得プログラム207a、抽出プログラム207b、算出プログラム207c、判定プログラム207d、出力プログラム207eを有する。CPU201は、取得プログラム207a、抽出プログラム207b、算出プログラム207c、判定プログラム207d、出力プログラム207eを読み出してRAM206に展開する。
【0066】
取得プログラム207aは、取得プロセス206aとして機能する。抽出プログラム207bは、抽出プロセス206bとして機能する。算出プログラム207cは、算出プロセス206cとして機能する。判定プログラム207dは、判定プロセス206dとして機能する。出力プログラム207eは、出力プロセス206eとして機能する。
【0067】
取得プロセス206aの処理は、取得部160aの処理に対応する。抽出プロセス206bの処理は、抽出部160bの処理に対応する。算出プロセス206cの処理は、算出部160cの処理に対応する。判定プロセス206dの処理は、判定部160dの処理に対応する。出力プロセス206eの処理は、出力部160eの処理に対応する。
【0068】
なお、各プログラム207a~207eについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207eを読み出して実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0069】
100 評価装置
110 カメラ
120 表示部
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