(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む積層構造体
(51)【国際特許分類】
B32B 15/04 20060101AFI20220907BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20220907BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20220907BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20220907BHJP
B32B 15/14 20060101ALI20220907BHJP
B32B 15/20 20060101ALI20220907BHJP
C08J 5/24 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
B32B15/04 Z
B32B5/02 B
B32B5/28 Z
B32B5/26
B32B15/14
B32B15/20
C08J5/24 CEZ
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017231537
(22)【出願日】2017-12-01
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ビックフォード スティックラー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ルービン
【審査官】櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0052910(US,A1)
【文献】国際公開第2009/096059(WO,A1)
【文献】特開平08-309926(JP,A)
【文献】特開平05-193047(JP,A)
【文献】特表平11-507693(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0316148(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0196121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C08J 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最外層を構成するアルミニウム層と、
前記アルミニウム層に隣接する第1ガラス複合層と、
前記第1ガラス複合層に隣接するとともに、前記アルミニウム層の反対側に位置する炭素複合層と、
前記炭素複合層に隣接するとともに、前記第1ガラス複合層の反対側に位置する第2ガラス複合層と、を含み、
前記第1ガラス複合層は、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含み、前記炭素複合層は、1つ以上の炭素繊維強化
熱可塑性プリプレグ層を含み、
前記第2ガラス複合層は、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含むとともに、もう一つの最外層を構成する、積層構造体。
【請求項2】
前記アルミニウム層は、前記構造体に一体型の電磁効果(EME)導電性を付与するように構成されている、請求項1に記載の積層構造体。
【請求項3】
前記アルミニウム層は、前記アルミニウム層におけるアルミニウムの降伏強度に少なくとも部分的に基づいて、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている、請求項1又は2に記載の積層構造体。
【請求項4】
前記第1ガラス複合層は、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成されている、請求項1~3のいずれか1つに記載の積層構造体。
【請求項5】
前記第1ガラス複合層は、冷却中における前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている、請求項1~4のいずれか1つに記載の積層構造体。
【請求項6】
前記第1及び第2ガラス複合層は、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の積層構造体。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む、請求項6に記載の積層構造体。
【請求項8】
前記炭素複合層は、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の積層構造体。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む、請求項8に記載の積層構造体。
【請求項10】
前記第1及び第2ガラス複合層は、第1熱可塑性樹脂を含み、前記炭素複合層は、第2熱可塑性樹脂を含み、前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑性樹脂と同一である、請求項1~9のいずれか1つに記載の積層構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の要旨は、概して積層構造体に関する。より具体的には、本開示の要旨は、繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む積層構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
積層構造体は、繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、例えば、ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層である。また、繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、例えば、炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層の場合もある。
【0003】
さらに、積層構造体は、例えば、アルミニウム層、ガラス複合層、及び/又は、炭素複合層を含みうる。ガラス複合層は、ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。炭素複合層は、炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。このような積層構造体の中には、例えば、繊維金属積層構造体(FML)に分類されるものもある。FMLは、単純金属構造体(simple metal structures)と比べて特定の利点を有する。このような利点には、例えば、腐食、疲労、火災、及び/又は、衝撃に対する耐性が向上することが含まれる。これに加えて、又は、これに代えて、このような利点には、例えば、一体型電磁効果(EME:electromagnetic effects)導電性が含まれる。これに加えて、又は、これに代えて、このような利点には、例えば、特定の強度特性、及び/又は、単位体積当たりの重量低減が含まれる。
【0004】
航空宇宙産業、自動車産業、防衛産業、電子産業、海運産業、鉄道輸送業などの多くの産業は、従来の積層構造体の限界を広げようと絶えず努力している。したがって、改良された積層構造体が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、積層構造体に関する。いくつかの例においては、前記積層構造体は、アルミニウム層、前記アルミニウム層に隣接するガラス複合層、及び/又は、前記ガラス複合層に隣接するとともに、前記アルミニウム層の反対側に位置する炭素複合層を含みうる。前記ガラス複合層は、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。前記炭素複合層は、1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0006】
いくつかの実施例においては、前記積層構造体は、電気を通しうる。
【0007】
いくつかの実施例においては、前記アルミニウム層は、前記積層構造体に一体型の電磁効果(EME)導電性を付与するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施例においては、前記アルミニウム層は、前記アルミニウム層におけるアルミニウムの降伏強度に少なくとも部分的に基づいて、冷却中の熱応力を低減するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施例においては、前記アルミニウム層は、前記アルミニウム層におけるアルミニウムの降伏強度に少なくとも部分的に基づいて、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施例においては、前記ガラス複合層は、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の相互作用を防止するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施例においては、前記ガラス複合層は、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施例においては、前記ガラス複合層は、冷却中に、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する熱応力を低減するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施例においては、前記ガラス複合層は、冷却中における前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施例においては、前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、熱可塑性樹脂を含みうる。
【0015】
いくつかの実施例においては、前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)又はポリエーテルケトンケトン(「PEKK」)を含みうる。
【0016】
いくつかの実施例においては、前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、熱可塑性樹脂を含みうる。
【0017】
いくつかの実施例においては、前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)又はポリエーテルケトンケトン(「PEKK」)を含みうる。
【0018】
いくつかの実施例においては、前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第1熱可塑性樹脂を含みうる。前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2熱可塑性樹脂を含みうる。前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑性樹脂と同一であってもよい。
【0019】
いくつかの実施例においては、前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第1熱可塑性樹脂を含みうる。前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2熱可塑性樹脂を含みうる。前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑性樹脂とは異なっていてもよい。
【0020】
いくつかの実施例においては、前記積層構造体は、第1アルミニウム層、前記第1アルミニウム層に隣接する第1ガラス複合層、前記第1ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1アルミニウム層の反対側に位置する第1炭素複合層、及び/又は、前記第1炭素複合層に隣接するとともに、前記第1ガラス複合層の反対側に位置する第2ガラス複合層を含みうる。前記第1ガラス複合層は、1つ以上の第1ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。前記第1炭素複合層は、1つ以上の第1炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0021】
いくつかの実施例においては、前記第2ガラス複合層は、1つ以上の第2ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0022】
いくつかの実施例においては、前記積層構造体は、さらに、前記第2ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1炭素複合層の反対側に位置する第2炭素複合層を含みうる。
【0023】
いくつかの実施例においては、前記第2炭素複合層は、1つ以上の第2炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0024】
いくつかの実施例においては、前記積層構造体は、さらに、前記第2ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1炭素複合層の反対側に位置する第2アルミニウム層を含みうる。
【0025】
なお、上述した概括的な説明、及び、以下の詳細な説明は、両方とも例示的且つ説明的なものに過ぎず、請求の範囲に記載する本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
上記及び/又は他の態様及び利点は、添付図面と併せて、以下に記載する実施例の詳細な説明を読めば、より明確且つ容易に理解できるであろう。
【0027】
【
図1A】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図1B】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図1C】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図1D】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図1E】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図2A】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図2B】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図2C】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図2D】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図2E】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体を示す図である。
【
図3A】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、成形ツールに対する第1層のレイアップを示す図である。
【
図3B】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、
図3Aに示す第1層に対する第2層のレイアップを示す図である。
【
図3C】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、
図3Bに示す第2層に対する第3層のレイアップを示す図である。
【
図3D】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、第1炭素複合層、第1ガラス複合層、第2炭素複合層、第2ガラス複合層、及び/又は、アルミニウム層を含む積層体を示す図である。
【
図4A】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する温度のグラフを示す図である。
【
図4B】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する圧力のグラフを示す図である。
【
図4C】本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する温度及び圧力のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付図面を参照しながら、例示的な態様について以下により詳細に説明する。しかしながら、本開示の例は、多くの異なる形態で具現化することが可能であり、本明細書に記載の例に限定して解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が十分且つ完全なものとなるように、そして、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提示するものである。図面においては、構造的精度、詳細、及び/又は、縮尺を厳密に維持するのではなく、一部詳細を簡略化したり、理解を容易化するように描いたりしている。例えば、層及び領域の厚みは、明瞭化のために誇張されている場合がある。
【0029】
なお、ある要素が、他のコンポーネントに「接触している」、「接続している」、「電気的に接続している」、又は、「連結している」と記載されている場合、当該要素は、他のコンポーネントに直接的に接触しているか、接続しているか、電気的に接続しているか、又は、連結している場合もあるし、中間のコンポーネントが介在する場合もある。これに対して、コンポーネントが「直接接触している」、「直接接続している」、「直接電気的に接続している」、又は、「直接連結している」と記載されている場合、中間のコンポーネントは介在しない。本明細書において、「及び/又は」なる用語は、これに関連して列挙された要素のうちの1つ以上の全ての組み合わせを含む。
【0030】
本明細書において、第1、第2、第3などの用語を用いて様々な要素、コンポーネント、領域、層、及び/又は、セクションを説明しているが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、及び/又は、セクションは、これらの用語で限定されるべきでない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層、及び/又は、セクションを、他の要素、コンポーネント、領域、層、及び/又は、セクションと区別するためにのみ用いられる。例えば、第1の要素、コンポーネント、領域、層、又は、セクションを、実施例の開示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、又は、セクションと呼ぶことも可能である。
【0031】
「下方」、「下」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的な相対用語は、図に示すような、あるコンポーネント及び/又は特異部と、他の(複数の)コンポーネント及び/又は(複数の)特異部との関係の説明を容易にするために用いられている。なお、空間的な相対用語は、図示する配向に加えて、使用中又は動作中における装置の他の様々な配向を包含することを意図している。
【0032】
本明細書で用いる用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけのものであり、実施例を限定することを意図したものではない。本明細書での使用において、不定あるいは特定の対象を示す単数形の文言は、文脈によって明示的に排除されない限り、複数形の文言も含むことを意図している。また、「含む」や「有する」等の用語が本明細書で使われている場合、これらは、記載に係る特異部、部分、工程、動作、要素、及び/又はコンポーネントが存在することを意味するが、他の特異部、部分、工程、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループが、1つ以上存在すること、或いは追加されることを排除するものではない。
【0033】
特に明確に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、実施例が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。また、一般に使用される辞書に定義された用語を含む文言は、関連技術における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、特に明確に定義されていない限り、理想化又は過度に形式化された意味に解釈されるべきでない。
【0034】
本開示は、積層構造体に関する。
図1Aは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る積層構造体100Aを示す。
図1Aに示すように、積層構造体100Aは、アルミニウム層102Aと、アルミニウム層102Aに隣接するガラス複合層104Aと、ガラス複合層104Aに隣接するとともに、アルミニウム層102Aの反対側に位置する炭素複合層106Aと、を含む。ガラス複合層104Aは、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。炭素複合層106Aは、1つ以上の炭素繊維強化
熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0035】
本明細書において、「プリプレグ」なる用語は、熱可塑性樹脂などのマトリックス材料が、成形前に繊維強化材に既に含まれている「プリ・インプレグネイティッド(pre-impregnated:予備含浸)」複合繊維の略語である。プリプレグ製造技術は、例えば、航空機
や宇宙船の製造を含む様々な商業用の複合部品を製造するために用いられる。
【0036】
本明細書において、「プリプレグ層」なる用語は、プリプレグ布及びプリプレグテープの両方を含む。
【0037】
積層構造体100Aは、例えば、単純金属構造体と比較して、単位体積当たりの重量を低減することができる。
【0038】
アルミニウム層102A、ガラス複合層104A、及び、炭素複合層106Aは、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。
【0039】
アルミニウム層102Aは、アルミニウム副層(sublayer)を含んでもよいし含まなくてもよい。ガラス複合層104Aは、ガラス複合副層を含んでもよいし含まなくてもよい。炭素複合層106Aは、炭素複合副層を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0040】
本明細書において、「アルミニウム」なる用語は、原子番号13の金属元素やその同位体を意味する。
【0041】
本明細書において、「合金」なる用語は、2種類以上の金属を含む固体又は液体の混合物、或いは、炭素鋼などのように、1種類又は複種類の金属と共に1種類又は複種類の非金属元素を含む固体又は液体の混合物を意味する。
【0042】
本明細書において、「層」なる用語は、表面若しくは物体に、又は、表面若しくは物体の一部に敷設、形成、又は、塗布された、ある厚みの材料を意味する。層は、表面若しくは物体を覆う、又は、表面若しくは物体の一部を覆ってもよいし、表面若しくは物体を覆う、又は、表面若しくは物体の一部を覆う重畳材料部分又はセグメントを構成してもよい。層は、一定の厚みを有してもよいし、様々な厚みを有してもよい。
【0043】
本明細書において、「アルミニウム層」なる用語は、アルミニウムを含む層を意味する。アルミニウム層は、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、又は、アルミニウムを含む他の物質であってよい。アルミニウム層は、例えば、1100系アルミニウム(例えば、国際合金呼称システム(IADS: International Alloy Designation System)による、1100-O、1100-H12、1100-H14、1100-H16、1100-H18、1100-H22、1100-H24、1100-H26、1100-H28、1100-H112、又は1100-H113のアルミニウムなどの、工業用純アルミニウム合金(commercially pure))を含みうる。より一般的には、アルミニウム層は、例えば、1000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金1050、1060、1100、1145、1199、1200、1230、又は、1350)、2000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金2008、2011、2014、2017、2018、2024、2025、2036、2048、2090、2117、2124、2127、2195、2218、2219、2224、2319、2324、2524、又は、2618)、3000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金3003、3004、3005、3102、又は、3105)、5000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金5005、5050、5052、5056、5059、5083、5086、5154、5182、5183、5252、5254、5356、5357、5454、5456、5457、5554、5556、5652、5654、5657、又は、5754)、6000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金6003、6005、6005A、6009、6010、6013、6016、6053、6060、6061、6062、6063、6066、6070、6082、6101、6105、6111、6151、6162、6201、6205、6253、6262、6351、6463、又は、6951)、又は、7000系アルミニウム合金(例えば、IADSによるアルミニウム合金7001、7005、7008、7022、7039、7049、7050、7055、7068、7072、7075、7076、7079、7108、7116、7129、7150、7175、7178、又は、7475)を含みうる。
【0044】
純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質は、高温処理(例えば、600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上などの、熱可塑化処理又はコンソリデーション(consolidation:一体化)に必要な温度であって、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む他の物質の融点よりも低い温度での処理)に対応することができる。例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質は、低い降伏強度を有しうる(例えば、7.2×103ポンド/平方インチゲージ(「psig」)以下、5.8×103psig以下、5.1×103psig以下、又は、4.3×103psig以下)。これにより、冷却中及び/又は冷却後において、他の層に残留する熱応力を軽減することができる。冷却中及び/又は冷却後において、他の層に残留する熱応力を軽減するのに役立ちうる他の要因として、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の厚み、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の副層の存在及び数、及び/又は、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質が特定の隣接層(例えば、ガラス複合層)と直接接触しているか否か、などが挙げられる。
【0045】
純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質は、高い導電性を示しうる(例えば、国際軟銅規格(International Annealed Copper Standard(「IACS」))に従って、45%IACS以上、50%IACS以上、55%IACS以上、又は57%IACS以上)。これにより、例えば、重量効率の高い複合材航空機の構造体において、電気を伝えたり、一体型の電磁効果(「EME」)導電性(例えば、落雷保護(「LSP」))を付与したりすることができる。電気を伝えたり、一体型のEME導電性を付与したりするのに役立ちうる他の要因として、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の厚み、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の副層の存在及び数、及び/又は、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質が、機体の電気接地システム(例えば、金属接地面)と直接接触しているか否か、などが挙げられる。
【0046】
本明細書において、「一体型」なる用語は、EME導電性が、積層構造体100A自体によって付与され、他のコンポーネント、特に、積層構造体100Aの重量を増加させうる他の金属部品(例えば、付加的な銅箔やメッシュ)を利用しないことを意味する。EME導電性はまた、例えば、層一体型織り合わせワイヤ(ply-integrated interwoven wire
s)(例えば、織り合わせワイヤファブリック)、導電性不織布ベール、導電性ペイント、又は、導電性表面フィルムにも依存しない。
【0047】
純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質は、高い熱伝導性を示しうる(例えば、70英熱量/時-フィート-華氏度(「BTU/hr-ft-°F」)以上、85BTU/hr-ft-°F以上、100BTU/hr-ft-°F以上、115BTU/hr-ft-°F以上、又は、130BTU/hr-ft-°F以上)。これにより、積層構造体の熱エネルギーを伝達、消散、及び/又は、分散することができる。熱エネルギーを伝達、消散、及び/又は、分散するのに役立ちうる他の要因として、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の厚み、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質の副層の存在及び数、及び/又は、純アルミニウム、アルミニウム合金、及び/又は、アルミニウムを含む上記他の物質が、特定の隣接層、及び/又は、機体の電気接地システム(例えば、金属接地面)と直接接触しているか否か、などが挙げられる。
【0048】
アルミニウム層の表面は、アルカリ脱脂(alkaline degreasing)、クロム酸陽極酸化処理(chromic acid anodizing)若しくはその他の陽極酸化処理、下塗り(priming)(例えば、BR127腐食防止プライマーを用いる)、ゾルゲル法(sol-gel)、及び/又は、クロム硫酸による酸洗い(pickling)などの表面処理を受けることがある。上記表面はまた、擦過処理(abrasion)により粗面化することもできる。このような表面処理により、アルミニウム層と他の層との間の接着強度を高めることができる。
【0049】
また、アルミニウム層を利用して、積層構造体に通電能力を持たせることができる。この場合、概して、アルミニウム層の数及び/又は厚みは、通電能力を持たせるためにアルミニウム層を利用しない場合と比較して、大きい。
【0050】
また、アルミニウム層を利用して、積層構造体に一体型のEME導電性を付与することもできる。この場合、概して、アルミニウム層の数及び/又は厚みは、一体型のEME導電性を付与するためにアルミニウム層を利用しない場合と比較して、大きい。
【0051】
また、アルミニウム層を利用して、積層構造体に熱伝導性を付与することもできる。この場合、概して、アルミニウム層の数及び/又は厚みは、熱伝導性を付与するためにアルミニウム層を利用しない場合と比較して、大きい。
【0052】
また、アルミニウム層を利用して、重要な構造的サポートを提供することもできる。この場合、概して、アルミニウム層の数及び/又は厚みは、重要な構造的サポートを提供するためにアルミニウム層を利用しない場合と比較して、大きい。重要な構造的サポートを提供するのにアルミニウム層を利用しているか否かに関わらず、アルミニウム層の厚みは、例えば、0.005インチ以上であって0.020インチ以下であってよい(例えば、0.005インチ、0.010インチ、0.015インチ、又は、0.020インチ)。重要な構造的サポートを提供するのにアルミニウム層を利用する場合、アルミニウム層の厚みは、0.0020インチよりも大きくてもよい。
【0053】
本明細書において、「複合」なる用語は、完成した状態で固体であって、相互に不溶性であり、且つ、化学的性質が異なる2つ以上の材料のマクロスケール(macroscale)での混合又は機械的組み合わせを意味する。
【0054】
本明細書において、「テナシティー(tenacity)」なる用語は、繊維の単位重量当たりの強度を意味し、典型的には、デニール当たりのグラムで表される。
【0055】
本明細書において、「繊維」なる用語は、テナシティーが比較的高く、直径に対する長さの比率が非常に高い(例えば、1に対して数百以上)ことを特徴とする固体の基本的形態(通常は結晶質)を意味する。半合成繊維は、例えば、炭素またはガラスを用いて繊維状に押し出された無機物質を含む。合成繊維は、例えば、高重合体を用いて繊維状に押し出された物質を含む。
【0056】
本明細書において、「ガラス」なる用語は、非結晶性のアモルファス固体(amorphous solid)を意味する。ガラスは、例えば、シリカ、ソーダ灰、及び石灰の混合物を含むセ
ラミック材料を含みうる。ガラスは、例えば、Cガラス、Eガラス、Sガラス、又はTガラスのうちの1つ以上を含みうる。ガラスは、例えば、ガラス繊維(例えば、ファイバーガラス)の形態を有していてもよい。ガラスは、例えば、S-2ガラス(例えば、S-2ガラス繊維)を含みうる。
【0057】
ガラス繊維は、織布であっても不織布であってもよい(例えば、切り揃えられた状態(chopped)、絡め合わされた状態(matted)、又は、ランダム配向された状態)。織繊維の強度は、織繊維の織り方の種類及び/又は配向によって変化しうる(例えば、織繊維が平行に配向されている場合、一まとまりの織繊維の強度は、その配向に平行な方向においてより大きいと考えられる)。織り方の種類は、例えば、平織り(plain weave)(例えば、1×1)、綾織り(twill weave)(例えば2×2)、バスケット織り(basket weave)、魚織り(fish weave)、ハーネス織(harness weave)、絡織り(leno weave)、繻子織り(satin weave)、又は、一方向織りであってもよい。
【0058】
本明細書における「マトリクス」なる用語は、複合材の複数の強度部材をまとめて保持するために使用される物質を意味しており、当該物質は複合材の2つ以上の材料のうちの1つである。
【0059】
本明細書において、「樹脂」なる用語は、有機化合物の半固体状又は固体状の複合アモルファス混合物を意味する。
【0060】
本明細書において、「モノマー」なる用語は、通常、炭素を含み、分子量が比較的低く単純な構造の分子または化合物を意味する。
【0061】
本明細書において、「ポリマー」なる用語は、5つ以上の同一のモノマーの化学的結合によって形成される巨大分子を意味する。ポリマーは、例えば、無機質であってもよいし有機質であってもよい。有機ポリマーは、例えば、天然であってもよいし、合成(例えば、人工)であってもよい。合成有機ポリマーは、例えば、熱可塑性であってもよいし、熱硬化性であってもよい。
【0062】
本明細書において、「高重合体」なる用語は、分子量が5,000グラム/モル以上の有機ポリマーを意味する。
【0063】
本明細書において、「熱可塑性」なる用語は、熱に曝されると軟化し、室温に冷却すると元の状態に戻る、上述したような高重合体を意味する。熱可塑性ポリマーは、例えば、非晶質であってもよいし、半結晶質であってもよい。熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリアリールエーテルケトン(「PAEK」)、ポリエーテルイミド(「PEI」)、またはポリフェニレンスルファイド(「PPS」)のうちの1つ以上を含みうる。ポリアリールエーテルケトンは、例えば、ポリエーテルケトン(「PEK」)、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリエーテルケトンケトン(「PEKK」)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(「PEEKK」)、又は、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(「PEKEKK」)のうちの1つ以上を含むことができる。
【0064】
本明細書において、「熱硬化性ポリマー」なる用語は、加熱すると架橋(crosslinks)し、不可逆的に固化又は「硬化」する、上述したような高重合体を意味する。
【0065】
本明細書において、「ガラス複合層」なる用語は、ガラスを含む複合材を含んだ層を意味する。ガラスは、例えば、ガラス繊維の形態を有していてもよい。ガラス複合層におけるガラス繊維は、特定の配向を有さなくてもよいし(例えば、全方向性)、1つ以上の方向(例えば、一方向、二方向、または多方向)に配向されてもよい。ガラス繊維は、整列していてもよいし、連続していてもよいし、一方向性であってもよい。
【0066】
ガラス複合層は、例えば、マトリックス材を含みうる。マトリックス材は、例えば、樹脂を含みうる。樹脂は、例えば、熱可塑性ポリマーを含みうる。熱可塑性ポリマーは、例えば、PEEK(PEEKは比較的高いガラス転位点(約290°F)及び融点(約650°F)を有し、高温処理が可能である)、PEKK(PEKKは比較的高いガラス転位点(約315°F)及び融点(約640°F)を有し、高温処理が可能である)、又は、他の熱可塑性ポリマーのうちの1つ以上を含みうる。ガラス複合層は、例えば、ガラス繊維強化ポリマーを含みうる。ガラス複合層は、例えば、ガラス繊維強化熱可塑性物質を含みうる。
【0067】
1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層の熱可塑性樹脂により、ガラス繊維を結合させることができる。熱可塑性樹脂は、積層構造体の製造に関連する鋳造(molding)、成形(shaping)、及び/又は、他の処理のために、アルミニウム層(例えば、アルミニウム層102A)を軟化させるのに十分に高いガラス転位点、連続使用温度、及び/又は、結晶融点を示しうる。
【0068】
なお、ガラス複合層を利用して、重要な構造的サポートを提供することができる。この場合、概して、ガラス複合層の数及び/又は厚みは、重要な構造的サポートを提供するためにガラス複合層を利用しない場合と比較して、大きい。
【0069】
重要な構造的サポートを提供するのにガラス複合層を利用しているか否かに関わらず、ガラス複合層の厚みは、例えば、0.0020インチ以上であって0.0080インチ以下であってよい(例えば、0.0020インチ、0.0025インチ、0.0030インチ、0.0035インチ、0.0040インチ、0.0045インチ、0.0050インチ、0.0055インチ、0.0060インチ、0.0065インチ、0.0070インチ、0.0075インチ、又は、0.0080インチ)。重要な構造的サポートを提供するのにガラス複合層を利用する場合、ガラス複合層の厚みは、0.0080インチよりも大きくてもよい。
【0070】
重要な構造的サポートを提供するのにガラス複合層を利用しているか否かに関わらず、ガラス複合層の副層の厚みは、例えば、0.0020インチ以上であって0.0040インチ以下であってよい(例えば、0.0020インチ、0.0025インチ、0.0030インチ、0.0035インチ、又は、0.0040インチ)。重要な構造的サポートを提供するのにガラス複合層の副層を利用する場合、ガラス複合層の副層の厚みは、0.0040インチよりも大きくてもよい。
【0071】
本明細書において、「隣接」なる用語は、「近く、又は、直接接触している」ことを意味する。
【0072】
ガラス複合層の樹脂により、アルミニウム層及びガラス複合層(例えば、アルミニウム層102A及びガラス複合層104A)を直接結合するようにしてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、アルミニウム層102Aに隣接するとともに、アルミニウム層102Aに直接接触している。
【0073】
アルミニウム層102Aとガラス複合層104Aとの間には、追加的な層(不図示)が設けられてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、アルミニウム層102Aに隣接しているが、アルミニウム層102Aには直接接触していない。追加的な層により、アルミニウム層102Aとガラス複合層104Aとの結合力を向上させることができる。追加的な層は、アルミニウム層102Aとガラス複合層104Aとの結合に関連する影響(例えば、熱収縮、熱膨張、歪み、又は、応力)を少なくとも部分的に排除することができる。
【0074】
追加的な層は、例えば、接着層であってもよい。例えば、接着剤によっては、1つ以上の相互作用のメカニズム(例えば、ガルバニック腐食)によりアルミニウム層102A及び/又はガラス複合層104Aと相互に作用しうる銀、又は、その他の元素若しくは化合物を含む場合があるため、上記したような追加層の材料を選択する際には注意を払う必要がある。
【0075】
本明細書において、「炭素」なる用語は、原子番号6の非金属元素とその同位体を意味する。
【0076】
本明細書において、「炭素複合層」なる用語は、炭素を含む複合材を含んだ層を意味する。炭素は、例えば、炭素繊維の形態を有していてもよい。炭素複合層における炭素繊維は、特定の配向を有さなくてもよいし(例えば、全方向性)、1つ以上の方向(例えば、一方向、二方向、または多方向)に配向されてもよい。炭素繊維は、整列していてもよいし、連続していてもよいし、一方向性であってもよい。
【0077】
炭素繊維は、織布であってもよい。織繊維の強度は、織繊維の織り方の種類及び/又は配向によって変化しうる(例えば、織繊維が平行に配向されている場合、一まとまりの織繊維の強度は、その配向に平行な方向においてより大きいと考えられる)。織り方の種類は、例えば、平織り(例えば、1×1)、綾織り(例えば2×2)、バスケット織り、魚織り、ハーネス織、絡織り、繻子織り、又は、一方向織りであってもよい。
【0078】
炭素複合層は、例えば、マトリックス材を含みうる。マトリックス材は、例えば、樹脂を含みうる。樹脂は、例えば、熱可塑性ポリマーを含みうる。熱可塑性ポリマーは、例えば、PEEK、PEKK、又は、他の熱可塑性ポリマーのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層は、例えば、炭素繊維強化ポリマーを含みうる。炭素複合層は、例えば、炭素繊維強化熱可塑性物質を含みうる。
【0079】
1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層の熱可塑性樹脂により、炭素繊維を結合させることができる。熱可塑性樹脂は、積層構造体の製造に関連する鋳造、成形、及び/又は、他の処理のために、アルミニウム層(例えば、アルミニウム層102A)を軟化させるのに十分に高いガラス転位点、連続使用温度、及び/又は、結晶融点を示しうる。
【0080】
なお、炭素複合層を利用して、重要な構造的サポートを提供することができる。この場合、概して、炭素複合層の数及び/又は厚みは、重要な構造的サポートを提供するために炭素複合層を利用しない場合と比較して、大きい。
【0081】
重要な構造的サポートを提供するのに炭素複合層を利用しているか否かに関わらず、炭素複合層の厚みは、例えば、0.0400インチ以上であって0.0800インチ以下であってよい(例えば、0.0400インチ、0.0432インチ、0.0440インチ、0.0450インチ、0.0500インチ、0.0550インチ、0.0600インチ、0.0650インチ、0.0700インチ、0.0750インチ、又は、0.0800インチ)。重要な構造的サポートを提供するのに炭素複合層を利用する場合、炭素複合層の厚みは、0.0800インチよりも大きくてもよい。
【0082】
重要な構造的サポートを提供するのに炭素複合層の副層を利用しているか否かに関わらず、炭素複合層の副層の厚みは、例えば、0.0040インチ以上であって0.0080インチ以下であってよい(例えば、0.0040インチ、0.0044インチ、0.0045インチ、0.0050インチ、0.0054インチ、0.0055インチ、0.0060インチ、0.0065インチ、0.0070インチ、0.0075インチ、又は、0.0080インチ)。重要な構造的サポートを提供するのに炭素複合層の副層を利用する場合、炭素複合層の副層の厚みは、0.0080インチよりも大きくてもよい。
【0083】
1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、例えば、第1熱可塑性樹脂を含み、1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2熱可塑性樹脂を含み、第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂と同一であってもよい。第1熱可塑性樹脂が第2熱可塑性樹脂と同一である場合、積層構造体の製造を簡易化することができ、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂との適合性により、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層と1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層との間の結合が、時間の経過と共に、より均一及び/又はより安定化することができる。
【0084】
1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、例えば、第1熱可塑性樹脂を含み、1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2の熱可塑性樹脂を含み、第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂とは異なっていてもよい。第1熱可塑性樹脂が第2熱可塑性樹脂と異なる場合、積層構造体の製造においてより多くの設計オプションを選択することができ、特に、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂とが相互に化学的適合性を有するように選択された場合、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層と1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層との間の結合を初期段階、及び/又は、時間経過後において強化することができる。
【0085】
ガラス複合層は、アルミニウム層と炭素複合層との間の(例えば、直接的な)相互作用を防止するように構成することができる(例えば、ガラス複合層104Aは、アルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の相互作用を防止するように構成することができる)。ガラス複合層は、アルミニウム層と炭素複合層との間の(例えば、直接的又は間接的な)相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成することができる(例えば、ガラス複合層104Aは、アルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成することができる)。
【0086】
ガラス複合層は、例えば、アルミニウム層及び炭素複合層における熱収縮の影響を少なくとも部分的に排除することによって、又は、ガラス複合層におけるガラス繊維の配向に関連する効果によって、冷却中(例えば、コンソリデーション処理中)におけるアルミニウム層と炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する熱応力を低減するように構成することができる(例えば、ガラス複合層104Aは、冷却中におけるアルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の熱収縮の差に起因する熱応力を低減するように構成することができる)。ガラス複合層は、例えば、アルミニウム層及び炭素複合層における熱収縮の影響を少なくとも部分的に排除することによって、又は、ガラス複合層におけるガラス繊維の配向に関連する効果によって、冷却中におけるアルミニウム層と炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する、冷却後の残留熱応力を低減するように構成することができる(例えば、ガラス複合層104Aは、冷却中におけるアルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の熱収縮の差に起因する、冷却後の残留熱応力を低減するように構成することができる)。
【0087】
1つ以上のガラス複合層は、1つ以上の順応層(compliant layer)として機能し、冷
却中及び冷却後の両方において、熱応力を低減するように構成することができる。この順応機能により、隣接層間の境界、又はその近傍、又は、この境界を横切る応力の蓄積に起因する、隣接層の分離を回避することができる。
【0088】
ガラス複合層の樹脂により、ガラス複合層及び炭素複合層(例えば、ガラス複合層104A及び炭素複合層106A)を直接結合するようにしてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、炭素複合層106Aに隣接するとともに、炭素複合層106Aに直接接触している。
【0089】
炭素複合層の樹脂により、ガラス複合層及び炭素複合層(例えば、ガラス複合層104A及び炭素複合層106A)を直接結合するようにしてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、炭素複合層106Aに隣接するとともに、炭素複合層106Aに直接接触している。
【0090】
ガラス複合層の樹脂及び炭素複合層の樹脂により、ガラス複合層及び炭素複合層(例えば、ガラス複合層104A及び炭素複合層106A)を直接結合するようにしてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、炭素複合層106Aに隣接するとともに、炭素複合層106Aに直接接触している。
【0091】
ガラス複合層104Aと炭素複合層106Aとの間には、追加的な層(不図示)が設けられてもよい。この場合、ガラス複合層104Aは、炭素複合層106Aに隣接しているが、炭素複合層106Aに直接接触していない。追加的な層により、ガラス複合層104Aと炭素複合層106Aとの結合力を向上させることができる。追加的な層は、ガラス複合層104Aと炭素複合層106Aとの結合に関連する影響(例えば、熱収縮、熱膨張、歪み、又は、応力)を少なくとも部分的に排除することができる。
【0092】
追加的な層は、例えば、接着層であってもよい。例えば、接着剤によっては、1つ以上の相互作用のメカニズムによりガラス複合層104A及び/又は炭素複合層106Aと相互に作用する元素又は化合物を含む場合があるため、上記したような追加層の材料を選択する際には注意を払う必要がある。
【0093】
特定のアルミニウム層と特定の炭素複合層との間に1つ以上の層が設けられてもよい。上記1つ以上の層は、例えば、ガラス複合層及び/又は接着層を含みうる。上記1つ以上の層は、アルミニウム層と炭素複合層との間の(例えば、直接的な)相互作用を防止するように構成することができる(例えば、アルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の相互作用を防止するように構成することができる)。1つ以上の層は、アルミニウム層と炭素複合層との間の(例えば、直接的又は間接的な)相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成することができる(例えば、アルミニウム層102Aと炭素複合層106Aとの間の相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成することができる)。
【0094】
図1Bは、本開示の積層構造体のいくつかの例による、積層構造体100Bを示す。
図1Bに示すように、積層構造体100Bは、アルミニウム層102Bと、アルミニウム層102Bに隣接するガラス複合層104Bと、ガラス複合層104Bに隣接するとともに、アルミニウム層102Bの反対側に位置する炭素複合層106Bと、を含む。アルミニウム層102Bは、複数のアルミニウム副層102B1、102B2、102B3、102B4(例えば、102B1、102B2、...、102Bn)を含みうる。アルミニウム副層の数(n)は、例えば、2、3、4、5、6、又は、それ以上であってもよい。
【0095】
アルミニウム層102B、ガラス複合層104B、及び、炭素複合層106Bは、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。同様に、複数のアルミニウム副層102B1、102B2、102B3、102B4は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。
【0096】
図1Cは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体100Cを示す。
図1Cに示すように、積層構造体100Cは、アルミニウム層102Cと、アルミニウム層102Cに隣接するガラス複合層104Cと、ガラス複合層104Cに隣接するとともに、アルミニウム層102Cの反対側に位置する炭素複合層106Cと、を含む。ガラス複合層104Cは、複数のガラス複合副層104C1、104C2、104C3、104C4(例えば、104C1、104C2、...、104Cn)を含みうる。ガラス複合副層の数(n)は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は、それ以上であってもよい。
【0097】
アルミニウム層102C、ガラス複合層104C、及び、炭素複合層106Cは、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。同様に、複数のガラス複合副層104C1、104C2、104C3、104C4は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。
【0098】
図1Dは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体100Dを示す。
図1Dに示すように、積層構造体100Dは、アルミニウム層102Dと、アルミニウム層102Dに隣接するガラス複合層104Dと、ガラス複合層104Dに隣接するとともに、アルミニウム層102Dの反対側に位置する炭素複合層106Dと、を含む。炭素複合層106Dは、複数の炭素複合副層106D1、106D2、106D3、106D4(例えば、106D1、106D2、...、106Dn)を含みうる。炭素複合副層の数(n)は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、又は、それ以上であってもよい(例えば、8、16、24、32、40、又は、64枚の副層)。
【0099】
アルミニウム層102D、ガラス複合層104D、及び、炭素複合層106Dは、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。同様に、複数の炭素複合副層106D1、106D2、106D3、106D4は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。
【0100】
図1Eは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体100Eを示す。
図1Eに示すように、積層構造体100Eは、アルミニウム層102Eと、アルミニウム層102Eに隣接するガラス複合層104Eと、ガラス複合層104Eに隣接するとともに、アルミニウム層102Eの反対側に位置する炭素複合層106Eと、を含む。アルミニウム層102Eは、複数のアルミニウム副層102E1、102E2(例えば、102E1、102E2、...、102En)を含みうる。アルミニウム副層の数(n)は、例えば、2、3、4、5、6、又は、それ以上であってもよい。ガラス複合層104Eは、複数のガラス複合副層104E1、104E2、104E3、104E4(例えば、104E1、104E2、...、104Eo)を含みうる。ガラス複合副層の数(o)は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は、それ以上であってもよい。炭素複合層106Eは、複数の炭素複合副層106E1、106E2、106E3(例えば、106E1、106E2、...、106Ep)を含みうる。炭素複合副層の数(p)は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、又は、それ以上であってもよい(例えば、8、16、24、32、40、又は、64枚の副層)。
【0101】
アルミニウム副層の数は、ガラス複合副層の数と同じであってもよいし、異なっていてもよい。アルミニウム副層の数は、炭素複合副層の数と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ガラス複合副層の数は、炭素複合副層の数と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0102】
アルミニウム層102E、ガラス複合層104E、及び、炭素複合層106Eは、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。複数のアルミニウム副層102E1、102E2は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。複数のガラス複合副層104E1、104E2、104E3、104E4は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。複数の炭素複合副層106E1、106E2、106E3は、同じ厚みを有していてもよいし、異なる厚みを有していてもよい。
【0103】
ガラス複合層(例えば、ガラス複合層104A、104B、104C、104D、104E)は、第1熱可塑性樹脂を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第1熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層(例えば、炭素複合層106A、106B、106C、106D、106E)は、第2熱可塑性樹脂を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第2熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂と同一であってもよい。第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂と異なっていてもよい。
【0104】
図2Aは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体200Aを示す。
図2Aに示すように、積層構造体200Aは、第1アルミニウム層202Aと、第1アルミニウム層202Aに隣接する第1ガラス複合層204Aと、第1ガラス複合層204Aに隣接するとともに、第1アルミニウム層202Aの反対側に位置する第1炭素複合層206Aと、第1炭素複合層206Aに隣接するとともに、第1ガラス複合層204Aの反対側に位置する第2ガラス複合層208Aと、を含む。
【0105】
第2ガラス複合層208Aは、複数の第2ガラス複合副層(不図示)を含みうる。第2ガラス複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は、それ以上であってもよい。これらの副層の各々又は全ては、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0106】
第1ガラス複合層204Aは、第1熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第1ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第1炭素複合層206Aは、第2熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第1炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第2ガラス複合層208Aは、第3熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第2ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第1熱可塑性樹脂は、第3熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第2熱可塑性樹脂は、第3熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0107】
第1熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第1熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第2熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第3熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第3熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第3熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第3熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。
【0108】
図2Bは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体200Bを示す。
図2Bに示すように、積層構造体200Bは、第1アルミニウム層202Bと、第1アルミニウム層202Bに隣接する第1ガラス複合層204Bと、第1ガラス複合層204Bに隣接するとともに、第1アルミニウム層202Bの反対側に位置する第1炭素複合層206Bと、第1炭素複合層206Bに隣接するとともに、第1ガラス複合層204Bの反対側に位置する第2ガラス複合層208Bと、第2ガラス複合層208Bに隣接するとともに、第1炭素複合層206Bの反対側に位置する第2アルミニウム層210Bと、を含む。
【0109】
第2アルミニウム層210Bは、複数の第2アルミニウム副層(不図示)を含みうる。第2アルミニウム副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、又は、それ以上であってもよい。
【0110】
図2Cは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体200Cを示す。
図2Cに示すように、積層構造体200Cは、第1アルミニウム層202Cと、第1アルミニウム層202Cに隣接する第1ガラス複合層204Cと、第1ガラス複合層204Cに隣接するとともに、第1アルミニウム層202Cの反対側に位置する第1炭素複合層206Cと、第1炭素複合層206Cに隣接するとともに、第1ガラス複合層204Cの反対側に位置する第2ガラス複合層208Cと、第2ガラス複合層208Cに隣接するとともに、第1炭素複合層206Cの反対側に位置する第2炭素複合層212Cと、を含む。
【0111】
第2炭素複合層212Cは、複数の第2炭素複合副層(不図示)を含みうる。第2炭素複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、又は、それ以上であってもよい(例えば、8、16、24、32、40、又は、64枚の副層)。これらの副層の各々又は全ては、1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。
【0112】
第1ガラス複合層204Cは、第1熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第1ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第1炭素複合層206Cは、第2熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第1炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第2ガラス複合層208Cは、第3熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第2ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第2炭素複合層212Cは、第4熱可塑性樹脂を含む1つ以上の第2炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、第2熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第1熱可塑性樹脂は、第3熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第1熱可塑性樹脂は、第4熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第2熱可塑性樹脂は、第3熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第2熱可塑性樹脂は、第4熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第3熱可塑性樹脂は、第4熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0113】
第1熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第1熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第2熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第2熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第3熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第3熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第3熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第3熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第4熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第4熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第4熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第4熱可塑性樹脂は、例えば、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。
【0114】
図2Dは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体200Dを示す。
図2Dに示すように、積層構造体200Dは、第1アルミニウム層202D、第1アルミニウム層202Dに隣接する第1ガラス複合層204D、第1ガラス複合層204Dに隣接するとともに、第1アルミニウム層202Dの反対側に位置する第1炭素複合層206D、第1炭素複合層206Dに隣接するとともに、第1ガラス複合層204Dの反対側に位置する第2ガラス複合層208D、第2ガラス複合層208Dに隣接するとともに、第1炭素複合層206Dの反対側に位置する第2アルミニウム層210D、第2アルミニウム層210Dに隣接するとともに、第2ガラス複合層208Dの反対側に位置する第3ガラス複合層214D、第3ガラス複合層214Dに隣接するとともに、第2アルミニウム層210Dの反対側に位置する第2炭素複合層216D、第2炭素複合層216Dに隣接するとともに、第3ガラス複合層214Dの反対側に位置する第4ガラス複合層218D、及び/又は、第4ガラス複合層218Dに隣接するとともに、第2炭素複合層216Dの反対側に位置する第3アルミニウム層220Dを含みうる。
【0115】
アルミニウム層の各々は、複数のアルミニウム副層(不図示)を含みうる。アルミニウム副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、又は、それ以上であってもよい。ガラス複合層の各々は、複数のガラス複合副層(不図示)を含みうる。ガラス複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は、それ以上であってもよい。炭素複合層の各々は、複数の炭素複合副層(不図示)を含みうる。炭素複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、又は、それ以上であってもよい(例えば、8、16、24、32、40、又は、64枚の副層)。
【0116】
ガラス複合層の各々又は全ては、第1熱可塑性樹脂を含む1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。また、第1熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。さらに、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。第1熱可塑性樹脂は、他のガラス複合層又は炭素複合層における熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0117】
炭素複合層の各々又は全ては、第2熱可塑性樹脂を含む1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層の各々において、第2熱可塑性樹脂は、他の炭素複合層又はガラス複合層における熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0118】
図2Eは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体200Eを示す。
図2Eに示すように、積層構造体200Eは、第1アルミニウム層202E、第1アルミニウム層202Eに隣接する第1ガラス複合層204E、第1ガラス複合層204Eに隣接するとともに、第1アルミニウム層202Eの反対側に位置する第1炭素複合層206E、第1炭素複合層206Eに隣接するとともに、第1ガラス複合層204Eの反対側に位置する第2ガラス複合層208E、第2ガラス複合層208Eに隣接するとともに、第1炭素複合層206Eの反対側に位置する第2炭素複合層212E、第2炭素複合層212Eに隣接するとともに、第2ガラス複合層208Eの反対側に位置する第3ガラス複合層222E、第3ガラス複合層222Eに隣接するとともに、第2炭素複合層212Eの反対側に位置する第3炭素複合層224E、及び/又は、第3炭素複合層224Eに隣接するとともに、第3ガラス複合層222Eの反対側に位置する第4ガラス複合層226Eを含みうる。
【0119】
第1アルミニウム層202Eは、複数の第1アルミニウム副層(不図示)を含みうる。第1アルミニウム副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、又は、それ以上であってもよい。ガラス複合層の各々は、複数のガラス複合副層(不図示)を含みうる。ガラス複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は、それ以上であってもよい。炭素複合層の各々は、複数の炭素複合副層(不図示)を含みうる。炭素複合副層の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、又は、それ以上であってもよい(例えば、8、16、24、32、40、又は、64枚の副層)。
【0120】
ガラス複合層の各々又は全ては、第1熱可塑性樹脂を含む1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。ガラス複合層の各々又は全てにおいて、第1熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。ガラス複合層の各々又は全てにおいて、第1熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。ガラス複合層の各々又は全てにおいて、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。ガラス複合層の各々又は全てにおいて、第1熱可塑性樹脂は、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。ガラス複合層の各々において、第1熱可塑性樹脂は、他のガラス複合層又は炭素複合層における熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0121】
炭素複合層の各々又は全ては、第2熱可塑性樹脂を含む1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PEEKを含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PEKKを含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEI、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層の各々又は全てにおいて、第2熱可塑性樹脂は、PAEK、PEEK、PEEKK、PEI、PEK、PEKEKK、PEKK、又は、PPSのうちの1つ以上を含みうる。炭素複合層の各々において、第2熱可塑性樹脂は、他の炭素複合層又はガラス複合層における熱可塑性樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0122】
図3Aは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、成形ツール(例えば、マンドレル)に対する第1層のレイアップを示す。
図3Aに示すように、成形ツール300に第1層302がレイアップされる。成形ツール300は、実質的にどのような形状であってもよい。第1層302は、例えば、アルミニウム層、ガラス複合層、又は、炭素複合層を含みうる。後の工程において成形ツール300から積層構造体を取り外すのを容易にするために、成形ツール300と第1層302との間に離型フィルム又はこれと同様のものを用いてもよい。第1層302は、2つ以上の副層(不図示)を含みうる。
【0123】
図3Bは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、
図3Aに示す第1層に対する第2層のレイアップを示す。
図3Bに示すように、第1層302に第2層304をレイアップして、積層体318(
図3Dを参照)の第1部分を形成する。第2層304は、例えば、アルミニウム層、ガラス複合層、又は、炭素複合層を含む。ただし、(ガルバニック腐食の懸念があるため)アルミニウム層が炭素複合層に直接接触しないことを条件とする。第2層304は、2つ以上の副層(不図示)を含みうる。第2層304の形状は、第1層302の形状と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第2層304の厚みは、第1層302の厚みと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0124】
積層体318は、第1層302と第2層304との間に追加的な層(不図示)を含みうる。追加的な層により、第1層302と第2層304との結合力を向上させることができる。追加的な層は、例えば、接着層であってもよい。この場合、第2層304は、第1層302に隣接しているが、第1層302に直接接触していない。例えば、材料によっては、1つ以上の相互作用のメカニズムにより第1層302及び/又は第2層304と相互に作用する元素又は化合物を含む場合があるため、上述したような追加層の材料を選択する際には注意を払う必要がある。
【0125】
図3Cは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、
図3Bに示す第2層に対する第3層のレイアップを示す。
図3Cに示すように、第2層304に第3層306をレイアップして、積層体318の第2部分を形成する。第3層306は、例えば、アルミニウム層、ガラス複合層、又は、炭素複合層を含む。ただし、(ガルバニック腐食の懸念があるため)アルミニウム層が炭素複合層に直接接触しないことを条件とする。第3層306は、2つ以上の副層(不図示)を含みうる。第3層306の形状は、第1層302の形状と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第3層306の厚みは、第1層302の厚みと同一であってもよいし、異なっていてもよい。第3層306の形状は、第2層304の形状と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第3層306の厚みは、第2層304の厚みと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0126】
積層体318は、第2層304と第3層306との間に追加的な層(不図示)を含みうる。追加的な層により、第2層304と第3層306との結合力を向上させることができる。追加的な層は、例えば、接着層であってもよい。この場合、第3層306は、第2層304に隣接しているが、第2層304に直接接触していない。例えば、材料によっては、1つ以上の相互作用のメカニズムにより第2層304及び/又は第3層306と相互に作用する元素又は化合物を含む場合があるため、上述したような追加層の材料を選択する際には注意を払う必要がある。
【0127】
ガラス複合層は、ガルバニック腐食の懸念を解消できるだけでなく、順応層として機能することにより、ガラス複合層の隣接層(例えば、一方側のアルミニウム層及び他方側の炭素繊維層)における歪み、及び/又は、これらの層間の応力を低減することもできる。このような順応層により、ガラス複合層の隣接層に関連する影響(例えば、熱収縮、熱膨張、歪み、又は、応力)を少なくとも部分的に排除したり、ガラス複合層におけるガラス繊維の配向に関連する効果によって、層の歪み、及び/又は、これらの層間の応力を低減したりすることができる。
【0128】
層の追加は、所望の積層体が完成するまで継続して行われる。レイアップは、手作業及び/又は自動で行ってもよい。
【0129】
アルミニウム層の表面は、アルカリ脱脂、クロム酸陽極酸化処理若しくはその他の陽極酸化処理、下塗り(例えば、BR127腐食防止プライマーを用いる)、ゾルゲル法、及び/又は、クロム硫酸における酸洗いなどの表面処理を受けることがある。上記表面はまた、擦過処理により粗面化することもできる。
【0130】
積層体318は、成形ツール(例えば、マンドレル)上でバッグ(例えば、真空バッグ)に封入(bagged)されてもよい。
【0131】
上記積層及びコンソリデーションにおいては、静止圧縮成形(stationary compression molding)(例えば、オートクレーブ)、又は、連続圧縮成形(例えば、オートクレーブ外、又は、真空バッグのみ)が用いられてもよい。
【0132】
図3Dは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、第1炭素複合層、第1ガラス複合層、第2炭素複合層、第2ガラス複合層、及び/又は、アルミニウム層を含む積層体318を示す。
図3Dに示すように、成形ツール300に対する第1炭素複合層308のレイアップ、第1炭素複合層308に対する第1ガラス複合層310のレイアップ、第1ガラス複合層310に対する第2炭素複合層312のレイアップ、第2炭素複合層312に対する第2ガラス複合層314のレイアップ、及び/又は、第2ガラス複合層314に対するアルミニウム層316のレイアップを行って、積層体318を形成してもよい。
【0133】
第1ガラス複合層310は、第1炭素複合層308に隣接していてもよいし、第2炭素複合層312は、第1ガラス複合層310に隣接していてもよいし、第2ガラス複合層314は、第2炭素複合層312に隣接していてもよいし、アルミニウム層316は、第2ガラス複合層314に隣接していてもよい。
【0134】
第1炭素複合層308、第1ガラス複合層310、第2炭素複合層312、第2ガラス複合層314、又は、アルミニウム層316のうちの1つ以上は、2つ以上の副層(不図示)を含みうる。
【0135】
積層体318は、第1炭素複合層308と第1ガラス複合層310との間、第1ガラス複合層310と第2炭素複合層312との間、第2炭素複合層312と第2ガラス複合層314との間、及び/又は、第2ガラス複合層314とアルミニウム層316との間に追加的な層(不図示)を含みうる。追加的な層により、関連する隣接層の結合力を向上させることができる。追加的な層は、例えば、接着層であってもよい。この場合、層は互いに隣接しているが、互いに直接接触していない。例えば、材料によっては、1つ以上の相互作用のメカニズムにより他の層と相互に作用する元素又は化合物を含む場合があるため、上述したような追加層の材料を選択する際には注意を払う必要がある。
【0136】
第1ガラス複合層310又は第2ガラス複合層314のうちの一方又は両方は、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層を含みうる。1つ以上の熱可塑性プリプレグ層は、アルミニウム層316を軟化させるのに十分な温度でコンソリデーションされる。1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、例えば、オートクレーブにて行うことができる。
【0137】
第1ガラス複合層310又は第2ガラス複合層314のうちの一方又は両方における1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の圧力を50psig以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0138】
第1ガラス複合層310又は第2ガラス複合層314のうちの一方又は両方における1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、積層体318の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、積層体318の圧力を50psig以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、積層体318の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、積層体318の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0139】
第1炭素複合層308又は第2炭素複合層312のうちの一方又は両方は、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層を含みうる。1つ以上の熱可塑性プリプレグ層は、アルミニウム層316を軟化させるのに十分な温度でコンソリデーションされる。1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、例えば、オートクレーブにて行うことができる。
【0140】
第1炭素複合層308又は第2炭素複合層312のうちの一方又は両方における1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の圧力を50ポンド/平方インチゲージ(「psig」)以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、1つ以上の熱可塑性プリプレグ層の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0141】
第1炭素複合層308又は第2炭素複合層312のうちの一方又は両方における1つ以上の熱可塑性プリプレグ層のコンソリデーションは、積層体318の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、積層体318の圧力を50psig以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、積層体318の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、積層体318の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0142】
このような熱可塑性プリプレグ層を予め作製して、例えば、裏紙を有するロール状態にて保管してもよい。熱可塑性プリプレグ層のプリプレグテープは、一方向性の場合、例えば、押し出し成型又は引き抜き成形によって作製することができる。
【0143】
熱可塑性プリプレグ層は、コンソリデーションの前に(例えば、炉で)乾燥させてもよい。例えば、コンソリデーションの前に、熱可塑性プリプレグ層を最低10時間250°Fで乾燥させてもよい。
【0144】
第1ガラス複合層310又は第2ガラス複合層314のうちの一方又は両方は、第1熱可塑性樹脂を含みうる。積層構造体の成形時、積層体318をコンソリデーションさせるために、当該積層体318の温度及び圧力を調節してもよい。積層体318の温度及び圧力の調節は、第1熱可塑性樹脂の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、第1熱可塑性樹脂の圧力を50psig以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、第1熱可塑性樹脂の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、第1熱可塑性樹脂の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0145】
第1炭素複合層308又は第2炭素複合層312のうちの一方又は両方は、第2熱可塑性樹脂を含みうる。積層構造体の成形時、積層体318をコンソリデーションさせるために、第2熱可塑性樹脂の温度及び圧力を調節してもよい。積層体318の温度及び圧力の調節は、第2熱可塑性樹脂の温度を600°F以上、650°F以上、675°F以上、又は、700°F以上(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)に上昇させること、第2熱可塑性樹脂の圧力を50psig以上、100psig以上、150psig以上、200psig以上、250psig以上、又は、300psig以下(例えば、100psig±5psig、又は、最低290psig)に上昇させること、及び/又は、当該温度及び圧力を5分以上、10分以上、15分以上、又は、20分以上(例えば、20分+15分/-5分)維持することを含む。例えば、第2熱可塑性樹脂の温度を710°F±10°Fに上昇させ、圧力を100psig±5psigに調節し、温度及び圧力を、20分+15分/-5分の間これらの範囲内に維持してもよい。また、例えば、第2熱可塑性樹脂の温度を707°F±9°Fに上昇させ、圧力を最低290psigに調節し、温度及び圧力を、最低6分間これらの範囲内に維持してもよい。
【0146】
アルミニウム層316を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体318の温度及び圧力を調節して積層体318をコンソリデーションさせるための、時間に対する温度のグラフは3つの段階、すなわち、加熱段階(一般に正の傾き)、保持段階(一般にゼロ傾き)、及び、冷却段階(一般に負の傾き)を含みうる。加熱段階において、加熱速度は、ほぼ任意値をとりうる(例えば、°F/分)。保持段階において、温度及び圧力は、所定の範囲内又は所定の最小値よりも高い値で実質的に一定に保持されうる。冷却段階において、冷却速度(例えば、°F/分)は、例えば、熱により生じる応力、結晶性の問題、及び/又は、設備の制限などの事項により、制限されうる。上記に加えて又は上記に代えて、温度が大幅に低減されるまで圧力の範囲を維持しなければならない場合もある。
【0147】
図4Aは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体の成形時、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体をコンソリデーションさせるように積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する温度のグラフを示す。
図4Aに示すように、加熱段階において、加熱速度は、ほぼ任意値をとり、保持段階において、コンソリデーション温度(例えば、Tコンソリテ゛ーション)は、所定の範囲(例えば、707°F±9°F、又は、710°F±10°F)で実質的に一定に保持され、冷却段階において、冷却速度は、温度が大幅に低減されるまで(例えば、温度が250°F以下になるまで)制限される(例えば、100°F/分以下)。
【0148】
図4Bは、本開示の積層構造体のいくつかの実施例に係る、積層構造体の成形時、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体をコンソリデーションさせるように積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する圧力のグラフを示す。
図4Bに示すように、加熱段階において、圧力は低く、保持段階において、コンソリデーション圧力(例えば、Pコンソリテ゛ーション)は、所定の範囲で実質的に一定に保持され(例えば、20分+15分/-5分の間100psig±5psig、又は、最低6分間で最低290psig)、冷却段階において、圧力範囲は、温度が大幅に低減されるまで維持されなければならない(例えば、温度が250°F以下になるまで、100psig±5psig、又は、最低290psig)。
【0149】
図4Bに示すように、調節圧力になるまでの圧力の増加、及び/又は、調節圧力からの圧力の減少は、比較的速くてもよい。調節圧力になるまでの圧力の増加、及び/又は、調節圧力からの圧力の減少は、比較的遅くてもよく、圧力グラフの始端及び/又は終端の傾きがより緩やかであってもよい。調節圧力になるまでの圧力の増加、及び/又は、調節圧力からの圧力の減少は、一連のより小さいステップに分けて行われてもよい。
【0150】
図4Cは、本開示の積層体のいくつかの実施例に係る、アルミニウム層を軟化させるのに十分な温度で1つ以上の熱可塑性プリプレグ層をコンソリデーションさせるため、又は、積層体の温度及び圧力を調節するための、時間に対する温度及び圧力のグラフを示す。
図4Cに示すように、加熱段階において、加熱速度は、ほぼ任意値をとり、保持段階において、コンソリデーション温度(例えば、Tコンソリテ゛ーション)及びコンソリデーション圧力(例えば、Pコンソリテ゛ーション)は、所定の範囲又は上記所定の最小値(例えば、707°F±9°F、及び、最低6分間で最低290psig)で実質的に一定に保持され、冷却段階において、冷却速度は、温度が大幅に低減されるまで(例えば、温度が410°F以下になるまで)制限され(例えば、108°F/分以下)、これに加えて、或いは、これに代えて、最低圧力は、温度が大幅に低減されるまで維持されなければならない(例えば、温度が248°F以下になるまで、最低290psig)。
【0151】
加熱段階において、温度を安定化及び/又は標準化するために加熱を一時中断し、その後加熱を継続してもよい(例えば、図示は省略するが、加熱段階における中断時温度(dwell temperature)で、樹脂含浸(soaking)又はコンソリデーション前処理を効果的に作り出す)。同様に、冷却段階において、温度を安定化及び/又は標準化するために冷却を一時中断し、その後冷却を継続してもよい(例えば、図示は省略するが、冷却段階において含浸又はコンソリデーション後処理を効果的に作り出す)。
【0152】
積層構造体は、様々な部品断面形状を有するものが作製されてもよい。例えば、積層構造体の断面は、中実の丸形状(例えば、ロッド状)、中空の丸形状(例えば、管状)、中実の矩形状、又は、中空の矩形状の断面であってもよい。また、積層構造体の断面は、例えば、ブレード、ハット(hat)、及び/又は、大文字のC、I、L、T、U、若しくはZに似た形状であってもよい。
【実施例1】
【0153】
4層積層体は、アルミニウム層(層1)と、2つのガラス複合層(副層2~3及び12~13)と、炭素複合層(副層4~11)と、を含みうる。炭素複合層は、準等方性強度特性(quasi-isotropic strength properties)を示しうる。以下の表1によれば、各ガラス複合層は、2つの副層を含み、炭素複合層は、8つの副層を含む。
【表1】
【実施例2】
【0154】
4層積層体は、アルミニウム層(層1)と、2つのガラス複合層(副層2~3及び20
~21)と、炭素複合層(副層4~19)と、を含みうる。炭素複合層は、準等方性強度特性を示しうる。以下の表2によれば、各ガラス複合層は、2つの
副層を含み、炭素複合層は、16の副層を含む。
【表2】
【実施例3】
【0155】
4層積層体は、アルミニウム層(層1)と、2つのガラス複合層(副層2~3及び12~13)と、炭素複合層(副層4~11)と、を含みうる。炭素複合層は、準等方性強度特性を示しうる。以下の表3によれば、各ガラス複合層は、2つの副層を含み、炭素複合層は、8つの副層を含む。
【表3】
【実施例4】
【0156】
4層積層体は、アルミニウム層(層1)と、2つのガラス複合層(層2及び11)と、炭素複合層(副層3~10)と、を含みうる。炭素複合層は、準等方性強度特性を示しうる。以下の表4によれば、各ガラス複合層は、1つの層を含み、炭素複合層は、8つの副層を含む。
【表4】
【0157】
ガラス複合層などに用いられるEガラス、Sガラス、及び/又は、S-2ガラス繊維(例えば、933S-2ガラス繊維)は、例えば、S-2ガラス(登録商標)の商品名で、サウスカロライナ州エイキン(Aiken, South Carolina)を拠点とするAGY社から商業的に入手可能である。
【0158】
炭素複合層などに用いられる炭素繊維(例えば、AS4D4000炭素繊維)は、HexTow(登録商標)の商品名で、コネチカット州スタンフォードを拠点とするヘクセル社(Hexcel Corporation)から商業的に入手可能である。
【0159】
さらに、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0160】
付記1.アルミニウム層と、前記アルミニウム層に隣接するガラス複合層と、前記ガラス複合層に隣接するとともに、前記アルミニウム層の反対側に位置する炭素複合層と、を含み、前記ガラス複合層は、1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含み、前記炭素複合層は、1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む、積層構造体。
【0161】
付記2.前記構造体は、電気を通す、付記1に記載の積層構造体。
【0162】
付記3.前記アルミニウム層は、前記構造体に一体型の電磁効果(EME)導電性を付与するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0163】
付記4.前記アルミニウム層は、前記アルミニウム層におけるアルミニウムの降伏強度に少なくとも部分的に基づいて、冷却中の熱応力を低減するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0164】
付記5.前記アルミニウム層は、前記アルミニウム層におけるアルミニウムの降伏強度に少なくとも部分的に基づいて、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0165】
付記6.前記ガラス複合層は、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の相互作用を防止するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0166】
付記7.前記ガラス複合層は、前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の相互作用によるガルバニック腐食を防止するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0167】
付記8.前記ガラス複合層は、冷却中におけるアルミニウム層と炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する熱応力を低減するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0168】
付記9.前記ガラス複合層は、冷却中における前記アルミニウム層と前記炭素複合層との間の熱収縮の差に起因する、冷却後の残留熱応力を低減するように構成されている、付記1に記載の積層構造体。
【0169】
付記10.前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、熱可塑性樹脂を含む、付記1に記載の積層構造体。
【0170】
付記11.前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む、付記10に記載の積層構造体。
【0171】
付記12.前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、熱可塑性樹脂を含む、付記1に記載の積層構造体。
【0172】
付記13.前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む、付記12に記載の積層構造体。
【0173】
付記14.前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第1熱可塑性樹脂を含み、前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2熱可塑性樹脂を含み、前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑性樹脂と同一である、付記1に記載の積層構造体。
【0174】
付記15.前記1つ以上のガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第1熱可塑性樹脂を含み、前記1つ以上の炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層は、第2熱可塑性樹脂を含み、前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑性樹脂とは異なる、付記1に記載の積層構造体。
【0175】
付記16.第1アルミニウム層と、前記第1アルミニウム層に隣接する第1ガラス複合層と、前記第1ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1アルミニウム層の反対側に位置する第1炭素複合層と、前記第1炭素複合層に隣接するとともに、前記第1ガラス複合層の反対側に位置する第2ガラス複合層と、を含み、前記第1ガラス複合層は、1つ以上の第1ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含み、前記第1炭素複合層は、1つ以上の第1炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む、積層体。
【0176】
付記17.前記第2ガラス複合層は、1つ以上の第2ガラス繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む、付記16に記載の積層構造体。
【0177】
付記18.さらに、前記第2ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1炭素複合層の反対側に位置する第2炭素複合層を含む、付記16に記載の積層構造体。
【0178】
付記19.前記第2炭素複合層は、1つ以上の第2炭素繊維強化熱可塑性プリプレグ層を含む、付記18に記載の積層構造体。
【0179】
付記20.さらに、前記第2ガラス複合層に隣接するとともに、前記第1炭素複合層の反対側に位置する第2アルミニウム層を含む、付記16に記載の積層構造体。
【0180】
本明細書及び図面においていくつかの例を図示及び説明してきたが、図示及び/又は説明された例に対して、これらの原理及び思想から逸脱することなく変更を加えることが可能である。これらの原理及び思想の範囲は、以下の請求の範囲及びその均等物により規定される。