(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 3/026 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
A47C3/026
(21)【出願番号】P 2018125376
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 駿介
(72)【発明者】
【氏名】森田 凌伍
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 友希
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-050243(JP,U)
【文献】特公昭47-043226(JP,B1)
【文献】特開2007-135625(JP,A)
【文献】実開昭59-044360(JP,U)
【文献】特開2003-024175(JP,A)
【文献】特開2008-104568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0360887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 3/026
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚の上端に設けたベースとその上方に配置された座、及び前記座の後ろ上方に配置された背もたれを備えており、前記座と背もたれとは互いに分離している構成であって、
前記ベースに、前記座のうち前後中間位置よりも前の部位の下面に向けて
前傾姿勢で突出したフロントフレームと、前記背もたれに向けて
後傾姿勢で突出したリアフレームとを設けており、
前記フロントフレームの上端に
前後長手の受け部が配置されて、前記受け部に、前記座が
前記背もたれと連動することなく少なくとも後傾し得るように取付けられて
いる一方、
前記リアフレームの上端に
は前記背もたれが取付けられて
おり、
前記座とベースとの間は前記フロントフレーム及びリアフレームを除いて部材が存在しない空間になっている、
椅子。
【請求項2】
前記リアフレームの上端に、前記背もたれが、
当該背もたれの上下中間高さ位置よりも下方の部位を支点にして後傾し得るように取付けられている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項3】
前記フロントフレームとリアフレームとは左右2本ずつ配置されており、これらフロントフレームとリアフレームとが、正面視と側面視とで互いの間隔を広げるように傾斜した姿勢で前記ベースから上向きに延びている、
請求項1又は2に記載した椅子。
【請求項4】
前記フロントフレームは左右一対配置されており、前記フロントフレームの上端に設けた
前記受け部に、前記座が弾性体に抗して後傾動及び前傾動し得るように取付けられている、
請求項1~3のうちのいずれかに記載した椅子。
【請求項5】
前記リアフレームは左右一対配置されていて、左右リアフレームの上端部が、前記背もたれの下部の外側面に重なっている、
請求項1~4のうちのいずれかに記載した椅子。
【請求項6】
脚の上端に設けたベースとその上方に配置された座、及び前記座の後ろ上方に配置された背もたれを備えて、前記座と背もたれとは互いに分離しており、
前記ベースに、前記座のうち前後中間位置よりも前の部位の下面に向けて突出したフロントフレームと、前記背もたれに向けて突出したリアフレームとを設けており、
前記フロントフレームの上端に、前記座が、少なくとも後傾し得るように取付けられて、前記座とベースとの間は部材が存在しない空間になっている一方、
前記リアフレームの上端に前記背もたれが取付けられている構成であって、
前記フロントフレームとリアフレームとは、前記ベースとは別体の部材として構成されており、前記フロントフレームの基部とリアフレームの基部とは、前記ベースの上において互いに当接又は密接しており、前記ベースが、前記フロントフレームの基部とリアフレームの基部とで上から覆われている、
椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、可動式の座及び背もたれを備えた椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子において、背もたれがばね手段に抗して後傾するものは広く使用されている。また、座がばね手段に抗して後傾又は前傾する椅子も、広く知られている。このような可動式の背もたれ及び座を有する椅子において、背もたれの後傾構造や座の傾動構造は多種多様であるが、背もたれの後傾動と座の後傾動等とを連動させていることが多いと云える。
【0003】
その例として特許文献1~3には、座を、その前端部を支点に後傾するようにベースに連結すると共に、座の後端部に背もたれを後傾可能に連結することが開示されている。また、特許文献4には、座と背もたれとを、別々のフレームでベースに取り付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5062614号公報
【文献】特許第5576187号公報
【文献】特許第5576798号公報
【文献】意匠登録第1167874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、椅子においては、座り心地や安楽性、身体の安定性、執務のし易さなど、使用者の身体との関係で機能(感覚的な機能)が求められていると共に、堅牢性や見た目の良さも求められる。見た目の良さについては、装飾美や機能美、シンプルさなどの様々な視点があるが、特に、メカニカルな機構部を目立たなくすると、美観の面からの評価は高くなるといえる。
【0006】
そこで、まず機能面で各特許文献を観察すると、使用者の身体の動きに追従して背もたれや座とが傾動すると、使用者へのフィット性は高くなって好適であるが、特許文献1~3は座と背もたれとが一体に繋がっているため、使用者の身体の動きに対する追従性が十分でないおそれがある。
【0007】
また、特許文献1~3は、座の下方が大きな空間になり過ぎていて、デザイン的に前後のバランスが良くないともいえるし、背もたれが座に連結されていると、背もたれに作用した荷重も座の前端の連結部にモーメントとして作用するため、強度面での不安感も残るおそれがある。
【0008】
他方、特許文献4は、座と背もたれとが別々のフレームで支持されているため、前後のバランスは一応採られているといえるが、背もたれが取り付くリアフレームは下方に大きく曲がっていため、デザイン的に違和感を与える可能性が高いといえる。
【0009】
本願発明はこのような現状を改善すべく成されたものであり、シンプルな外観でしかも機能的にも優れた椅子を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「脚の上端に設けたベースとその上方に配置された座、及び前記座の後ろ上方に配置された背もたれを備えており、前記座と背もたれとは互いに分離している構成であって、
前記ベースに、前記座のうち前後中間位置よりも前の部位の下面に向けて前傾姿勢で突出したフロントフレームと、前記背もたれに向けて後傾姿勢で突出したリアフレームとを設けており、
前記フロントフレームの上端に前後長手の受け部が配置されて、前記受け部に、前記座が前記背もたれと連動することなく少なくとも後傾し得るように取付けられている一方、
前記リアフレームの上端には前記背もたれが取付けられており、
前記座とベースとの間は前記フロントフレーム及びリアフレームを除いて部材が存在しない空間になっている」
というものである。
【0011】
この場合、座の後傾態様には、全体が後傾する場合と、例えば後半部のような後ろ側の一部が後傾する場合との両方が含まれる。また、後傾を許容する構造としては、ピンなどで連結して弾性手段に抗して後傾する場合と、座を構成する部材(例えば座板・インナーシェル)が弾性変形して後傾する場合との両方を含んでいる。
【0012】
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、
「前記リアフレームの上端に、前記背もたれが、当該背もたれの上下中間高さ位置よりも下方の部位を支点にして後傾し得るように取付けられている」
という構成になっている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記フロントフレームとリアフレームとは左右2本ずつ配置されており、これらフロントフレームとリアフレームとが、正面視と側面視とで互いの間隔を広げるように傾斜した姿勢で前記ベースから上向きに延びている」
という構成になっている。すなわち、請求項3では、4本のフレームがベースから対角方向に傾斜姿勢で立ち上がっている。なお、フロントフレームにしてもリアフレームにしても、対角方向に立ち上がってから途中で姿勢を変えてもよい。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1~3のうちのいずれかにおいて、
「前記フロントフレームは左右一対配置されており、前記フロントフレームの上端に設けた前記受け部に、前記座が弾性体に抗して後傾動及び前傾動し得るように取付けられている」
という構成になっている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1~4のうちのいずれかにおいて、
「前記リアフレームは左右一対配置されていて、左右リアフレームの上端部が、前記背もたれの下部の外側面に重なっている」
という構成になっている。
【0016】
請求項6の発明は、
「脚の上端に設けたベースとその上方に配置された座、及び前記座の後ろ上方に配置された背もたれを備えて、前記座と背もたれとは互いに分離しており、
前記ベースに、前記座のうち前後中間位置よりも前の部位の下面に向けて突出したフロントフレームと、前記背もたれに向けて突出したリアフレームとを設けており、
前記フロントフレームの上端に、前記座が、少なくとも後傾し得るように取付けられて、前記座とベースとの間は部材が存在しない空間になっている一方、
前記リアフレームの上端に前記背もたれが取付けられている構成であって、
前記フロントフレームとリアフレームとは、前記ベースとは別体の部材として構成されており、前記フロントフレームの基部とリアフレームの基部とは、前記ベースの上において互いに当接又は密接しており、前記ベースが、前記フロントフレームの基部とリアフレームの基部とで上から覆われている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0017】
本願発明は、フロントフレームとリアフレームとがベースから突出していて、座はフロントフレームに取り付いて、背もたれはリアフレームに取り付いたものであり、全体としてシンプルでスッキリしつつ、フロントフレームとリアフレームとが前後にあって、前後のバランスが採れている。従って、安定感に優れたシンプルなデザインとして、看者へのデザイン的訴求効果に優れていて高い商業的価値を有しているといえる。
【0018】
更に述べると、座とベースとの間の空間が周囲から視認できるため、いわば、座を空間で支えているかのような見え方をして、斬新なデザインになっているといえる。しかも、背もたれはリアフレームで支持されているため、背もたれに掛かった荷重がフロントフレームに作用することはなくて、堅牢性に優れている。
【0019】
更に、座と背もたれとが別々に分離しているため、使用者の動きや体重に対する座の追従性が高くて、座り心地にも優れている。また、座の回動支点は前後中間位置よりも手前側にずれているため、座に深く腰掛けると座は後傾しやすくなっている。従って、座が後傾する特性を活かして、高いクッション性を確保できる。
【0020】
請求項2では、背もたれも後傾してロッキング機能を有するため、使い心地は更に向上する。特に、背もたれと座とが別々に後傾し得るため、使用者の身体へのフィット性を高めして快適な使用感を得ることができる。また、本願発明の背もたれは、リアフレームは後傾せずに、背もたれだけが後傾する。従って、使用者の上半身が後ろに大きく移動することはない。このため、会議室用椅子のように、前後に並べて使用する場合に好適である。
【0021】
フロントフレーム及びリアフレームとも、左右中間部に1本ずつ配置することも可能であるが、この場合は、シンプルさを保持するためにフロントフレーム及びリアフレームの左右幅を細くすると、人によっては、安定性や強度が低いかのような印象を受けるおそれがある。
【0022】
これに対して、請求項3では、座と背もたれとは左右2本ずつのフレームで支持されているため、フロントフレーム及びリアフレームをできるだけ細くしつつ、座や背もたれを安定的に支持できるが、4本のフレームが傾斜姿勢で座の対角方向に立ち上がっているため、ベースは必要最小限度の大きさに保持できる。従って、座の下方において、4本のフレームがベースに向けて収束するような態様になっていて、ムダを省いたすっきりしたデザインになっていると共に、安定性に優れた外観を呈している。このため、商品価値の向上に貢献している。
【0023】
本願発明では、座は前後長手の受け部で支持されているため、座がフロントフレーム6の上端から後ろ向きに大きくオーバーハングした状態であっても、座を安定的に支持することができる。また、座は前傾動もするため、使用者の身体へのフィット性・追従性を高めて、使い心地を更に向上できる。
【0024】
請求項5では、リアフレームが背もたれの後ろにはみ出ないため、椅子の背面部がスッキリとして、美観を向上できる。また、例えば背もたれの後面に設けたブラケットをリアフレームに連結すると、背もたれは全体として上昇しながら後傾することになり、このため、使用者の背中と背もたれとの間に滑りが生じて使用者が違和感を持つことが有り得るが、請求項5では、背もたれは単に後傾するに過ぎないため、使用者の背中と背もたれとの間に滑りが生じることはなくて、使用者に違和感を与えることはない。従って、使い心地がよい。
【0025】
フロントフレームとリアフレームとを単一の部材として構成したり、ベースとフロントフレームとリアフレームとを一体化したりすることも可能ではあるが、この場合は、部材が大型化して製造が面倒になる。従って、請求項6のように、ベースとフロントフレームとリアフレームとを別部材で構成すると、部材の製造が容易になって現実性に優れている。
【0026】
そして、請求項6では、ベースはフロントフレーム及びリアフレームで隠れていて視認できないため、恰もベースが存在しないかのような外観を呈しており、その結果、シンプル性を高めて美観を向上できる。また、フロントフレームの基部とリアフレームの基部とは広い面積でベースに重ねることができるため、固定強度にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態の外観図で、(A)は肘掛けを設けた状態での斜視図、(B)は肘掛けを設けていない状態での斜視図、(C)は背面斜視図、(D)は座を分離した状態の斜視図である。
【
図2】(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図、(D)は背面図である。
【
図3】(A)は分離斜視図、(B)は座を下方から見た斜視図、(C)は底面図である。
【
図4】フレームの取付け構造を示す図で、(A)はひっくり返した状態での分離斜視図、(B)は上から見た分離斜視図である。
【
図5】ベースとフレームとの関係を示す分離斜視図である。
【
図7】(A)は座の支持手段を示す分離斜視図、(B)は傾動ユニットの斜視図である。
【
図8】(A)は
図6のVIII-VIII視方向から見た断面図、(B)は座用傾動ユニットの正面図であ
る。
【
図9】(A)は背もたれの一部破断斜視図、(B)は表皮材を取り外して背もたれを後ろから見た一部破断斜視図、(C)は背もたれの部分的な分離正面図である。
【
図10】背もたれの回動支持手段を示す図で、(A)は前から見た分離斜視図、(B)はばねユニットの分離斜視図である。
【
図11】背もたれの回動支持手段を示す分離斜視図、(B)(C)は、リアフレームとカバーとの関係を示す分離斜視図である。
【
図12】(A)は
図9(C)のXII-XII視方向から見た縦断側面図、(B)(C)は背用傾動ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を説明する。本願発明は、オフィス等で使用されている回転椅子に適用している。まず、
図1~3を参照して、椅子の概要を説明する。椅子は、座1と背もたれ2と脚装置3とを備えている。脚装置3は、5本の枝杆とガスシリンダよりなる脚支柱4とを備えており、各枝杆の先端にキャスタを設けている一方、脚支柱4の上端にベース5を嵌着している。脚支柱4は、座1の前後中間点よりも少し後ろに配置されている。例えば
図3(B)に示すように、座1を高さ調節するためのレバー5aは、ベース5の下方に配置されている。
【0029】
ベース5は平面視四角形(横長長方形) のブロック状の形態であり、ベース5に、左右のフロントフレーム6と左右のリアフレーム7とを固定して、フロントフレーム6に座1を前後傾動可能に取付けて、リアフレーム7に背もたれ2を後傾動可能に取り付けている。
図1(A)、
図2(C)に示すように、リアフレーム77の上端部には肘掛け8を取り付けることができる。
図3(C)の底面図では、肘掛け8を片側だけに取付けた状態を表示している。例えば
図3(B)に示すように、座の高さを調節するためのレバー9は、ベース5の下方から横向きに延ばしている。
【0030】
図2(B)(C)に明示するように、左右のリアフレーム7は、側面視では上に行くに従って前にずれるように傾斜しており、正面視では、上に行くに従って互いの間隔が広がるように傾斜している。フロントフレーム6が前傾しているのは、ベース5が、必要最小限度の前後幅で足りると共に座1の前後中間点よりもやや後ろに配置されてきることを前提にして、座1のうち前端寄りの部位をフロントフレーム6に取り付けているからである。
【0031】
また、フロントフレーム6が正面視で外向きに傾斜しているのは、ベース5は必要最小限度の大きさで足りる一方、座1を安定的に支持するには左右フロントフレーム6の上端間の間隔にある程度の寸法があるからである。
【0032】
リアフレーム7は、
図2(B)に明示するように、側面視では、ベース5から後傾姿勢で立ち上がって、概ね座1の高さ位置で前傾姿勢に変わるように屈曲したく字形になっており、正面視では、
図2(D)に明示するように、概ね座1の高さまでは上に向けて外広がりに傾斜して、概ね座1よりも上の範囲ではほぼ直立している。
【0033】
リアフレーム7の上部は背もたれ2の下部の左右外側に位置しており、背もたれ2は、その下部を支点にして後傾動するようにリアフレーム7の上端部に取付けられている。従って、背もたれ2の回動支点(回動中心)は背もたれ2の肉厚部内に位置している。
【0034】
ベース5は平面視で座1よりも遥かに小さくて座1の前後中途部の下方に配置されていることから、フロントフレーム6及びリアフレーム7の下半部は、
図2(D)及び
図3(C)に示すように、いわば対角方向に向けて広がるように、正面視及び側面視で傾斜している。換言すると、フロントフレーム6とリアフレーム7とは、平面視四角形のベース5のコーナー部から略対角方向に傾斜姿勢で立ち上がっている。更に換言すると、4本のフレーム6,7が、座1の下方においてベース5に向けて収束するような外観を呈している。
【0035】
左右のフロントフレーム6はアルミダイキャスト品又は樹脂成型品であり、平面視略角形(横長長方形)のフロント基体6aが一体に形成されている。他方、左右のリアフレーム7は互いに分離しており、それぞれ平面視略四角形のリア基体7aが一体に形成されている。そして、左右のリア基体7aは左右に連続するように重なって、左右のリア基体7aとフロント基体6aとは前後に重なっている。
【0036】
従って、フロント基体6aと左右のリア基体7aとの三者は全体として1つの部材を成すかのように重なっており、この三者によってベース5がすっぽりと覆われている。従って、2本のフロントフレーム6と2本のリアフレーム7とは、平面視略四角形の基部から対角方向に傾斜姿勢で立ち上がったような外観を呈しており、ベース5は、椅子をひっくり返さないと視認できない状態になっている。
【0037】
(2).外観に現れているデザイン的効果
このように、フロントフレーム6及びリアフレーム7は人目に触れるし、また、両者の基体6a,7aも特にバックビューにおいて人目に触れるが、基体6a,7aは座1との間にはフレーム6,7の他には部材は存在しておらずに空間が存在するだけであるため、ごくシンプルなデザインになっている。
【0038】
また、フロントフレーム6及びリアフレーム7は全体として対角方向に広がるように傾斜しているため、座1や背もたれ2がしっかりと支えられる状態になっている。従って、看者は、シンプルでありながら高い安定性というイメージを看取することができる。別の見方をすると、4本のフレーム6,7が座1の対角方向からベース5に向けて収束しているため、座1及び背もたれ2の支持機能は確保しつつ無駄を無くしたような外観を呈しており、機能と美観との両方において優れたデザインになっているといえる。
【0039】
背もたれ2は座1とは分離しており、背もたれ2の下端と座面との間には若干の間隔が空いている。そして、背もたれ2は、ニュートラル状態で全体として少し後傾しているが、着座者の腰が当たる部分が最も前に出るように下部は前向き凸状に湾曲しており、ロッキングの回動支点は、最も前に出ている部分の高さに位置している。
【0040】
また、リアフレーム7の上半部は側面視で直立姿勢に形成することも可能であるが、背もたれ2の下部は側面視で曲がっていて、曲がりの頂点よりも下方の部位は前傾姿勢になっているため、リアフレーム7の上半部を実施形態のように前傾させると、例えば
図1(B)や
図2(B)、
図3(A)から理解できるように、リアフレーム7の上部が背もたれ2の下端部の外側面に略同じ姿勢で重なった状態になるため、姿勢の統一感が出てスッキリとした美的効果が発揮されている。
【0041】
(3).フレームの取付け構造
以下、各部の詳細を説明する。まず、ベース5に対するフロントフレーム6及びリアフレーム7の取付け構造を、主として
図4,5を参照して説明する。
【0042】
ベース5はアルミダイキャスト品であって左右横長手のブロック状の形態を成しており、中央部に、脚支柱4の上端部が嵌着する中心穴10を空けている。ベース5の上面のうち前側の部位には、左右一対のフロント凹部11が形成されて、後ろ側の部位にはリア凹部12が形成されている。なお、ベース5には、肉厚の均等化や材料節約のために多数の上向き溝が形成されている(ベース5の内部に多数のリブが形成されていると見ることもできる。)。
【0043】
フロント凹部11及びリア凹部12は平面視四角形に形成されている。また、フロント凹部11はベース5の前面に切り開かれていて、リア凹部12はベース5で囲われている。また、フロント凹部11はベース5の左右外面よりも少し内側に位置しているが、リア凹部12はベース5の左右側部に寄せて配置されている。
【0044】
フロントフレーム6におけるフロント基体6aの下面には、ベース5のフロント凹部11にきっちり嵌合するフロント凸部13が形成されており、フロント凹部11及びフロント凸部13の箇所で、フロントフレーム6がベース5にフロントボルト14で固定されている。同様に、リアフレーム7のリア基体7aに、ベース5のリア凹部12にきっちり嵌合するリア凸部15が形成されており、リア凹部12及びリア凸部15の箇所で、左右のリアフレーム7がそれぞれリアボルト17によってベース5に固定されている。
【0045】
フロント基体6a及びリア基体7aには、ボルト14,17が挿通される取付け穴18が空いているが、取付け穴18には、ボルト14,17の頭が隠れる座繰り穴を設けている。
【0046】
リア基体7aは、ベース5の上面に対しては、左右側部と後部とに僅かに重なるようになっており、かつ、ベース5の後ろに位置した部分と、ベース5の左右外側に位置した部分とを有している。従って、リア基体7aは平面視でL形に形成されており、その内角部にリア凸部15が形成されている。
【0047】
一方、フロント基体6aには、左右のリアフレーム7で囲われた空間を覆う後ろ向き庇板19を形成しており、リア凸部15は後ろ向き庇板19で覆われている。従って、リアボルト17は外部から視認できず、また、リアボルト17の頭も取付け穴18の内部に入り込んでいるため、殆ど視認し難い。
【0048】
このような配慮により、フロントフレーム6とベース5とが一体成型品であるかのような外観を呈して、シンプルな美観の形成に貢献している。また、フロントフレーム6と左右のリア基体7aとはそれぞれ別部材であるため、製造のための金型をできるだけ小さくできる。このため、製造は容易である。リアフレーム7を左右に分離しているのは、リアフレーム7はフロントフレーム6に比べて高さが高くて、一体成型すると金型が相当に大型化するためである。リア基体7aには、フロント基体6aの後ろ向き庇板19が載る受け片20を形成している。
【0049】
なお、フロントフレーム6は、椅子の方向を基準にして述べると、上下方向に相対動する主成型型を備えた金型装置で製造されて、リアフレーム7は、左右方向又は前後方向に相対動する主成型型を備えた金型装置で製造される。
図4(A)から理解できるように、フロントフレーム6はベース5の前面よりも手前に張り出しており、この前向き張り出し部の下面に、軽量化や肉厚均等化のための逃がし凹所21を形成している。
【0050】
ベース5の凹部11,12とフレーム6,7の凸部13,15とは四角形に形成されて互いに嵌合しているため、ベース5とフレーム6,7との横ずれが防止されているが、実施形態では、この他にも、リアフレーム7同士の一体性や、フレーム6,7とベース5との一体性等を向上させるための連結手段を講じている。この点を説明する。
【0051】
まず、左右のリアフレーム7の連結関係であるが、例えば
図4(A)のとおり、左右のリア基体7aのうち一方のリアフレーム7の後部に係合突起22を横向きに突設して、他方のリア基体7aに、係合突起22がきっちり嵌合する横向き開口の係合穴23を形成している。これら係合突起22と係合穴23との嵌まり合いにより、左右のリアフレーム7の一体性を向上できる。係合突起22と係合穴23とは側面視で略三角形になっているが、四角形や円形などの、様々な形態を採用できる。
【0052】
次に、リアフレーム7とベース5との関係であるが、例えば
図4(B)のとおり、ベース5の前部の左右側面に円形のサイドボス24を横向きに突設している一方、リア基体7aにおいてベース5の外側面に重なる部分の前部に、サイドボス24に嵌合するサイド係合溝25を形成している。これにより、リア基体7aとベース5との一体性が向上する。
【0053】
また、ベース5とリアフレーム7との一体性向上の手段として、例えば
図4(A)に 示すように、フロントフレーム6における後ろ向き庇板19の後端から平面視四角形の係合片26を突設している一方、リアフレーム7のリア基体7aには、係合片26が上から嵌まる係合段部26を形成している。係合片26と係合段部26とは、フロントフレーム6とリアフレーム7との左右位置を正確に規定する位置決め手段としても機能している。
【0054】
(4).座の取付け構造
次に、フロントフレーム6に対する座1
の取付け構造を、主として
図6~8を参照して説明する。例えば
図7(A)に示すように、フロントフレーム6の上端は前後長手の受け部29になっており、この受け部29に、前後長手の座用傾動ユニット30を介して座1が前後傾動可能に取付けられている。
【0055】
例えば
図6に明示するように、座用傾動ユニット30は、前後に長い上下のブラケット31,32と、両者の間に配置された前後一対の弾性体33とを主要部材としている。下ブラケット32は左右の側板32aを有して、正面視で上向き開口コ字形の形態を成しており、フロントフレーム6の受け部29に形成された上向き開口の凹所に横ずれ不能に嵌まっている。
【0056】
図3(A)に示すように、座1は、合成樹脂製の座インナーシェル34にクッション材34aを重ね配置した構造になっており、例えば
図7(A)に明示するように、座インナーシェル34の左右両側部に、前後長手で下向きに開口した凹溝35が形成されており、この凹溝35に、座用傾動ユニット30を構成する上ブラケット31が嵌め込まれている。
【0057】
上ブラケット31も左右の側板31aを有する下向き開口コ字型の形態であり、
図7(B)から理解できるように、上ブラケット31で下ブラケット32が覆われている。上ブラケット31及び凹溝35は、下ブラケット32の手前に少しはみ出て、後ろには大きくはみ出ており、上ブラケット31は概ね下ブラケット32の2倍程度の長さになっている。これは、座インナーシェル34が樹脂製であることを考慮して、必要な支持強度を確保するためである。上ブラケット31及び凹溝35の後ろ半部は細くなっているが、これは、細くしても必要な強度は確保できるためである。
【0058】
図8(A)に示すように、上ブラケット31は前後の上ビス36で座インナーシェル34に固定されている一方、下ブラケット33は、前部に位置した下ビス37でフロントフレーム6の受け部29に固定されている。例えば
図8(A)に示すように、座インナーシェル34には、上ビス36がねじ込まれるT形ナット36aを配置している。従って、座インナーシェル34が樹脂製であっても、高い締結強度を確保できる。
【0059】
また、
図7(B)に示すように、下ブラケット32の後端に係合片32bを形成し、この係合片32bを、
図8(A)に示すように、受け部29の後端部に形成した位置決め溝38に手前から差し込んでいる。従って、下ブラケット32は、その後端は位置決め溝38によって上下動不能に保持されており、その結果、下ブラケット32は1本の下ビス37のみで受け部29に離脱不能に保持されている。
【0060】
上ブラケット31と下ブラケット32とは、左右長手のピン39によって相対回動可能に連結されている。ピン39は、ブッシュ39a介して上下ブラケット31,32の側板31a,32aを連結している。
【0061】
そして、ピン39を挟んだ前後両側に、樹脂系ゴム(チェラスト)から成る角形ブロック状の弾性体33を配置している。
図8(B)に明示するように、弾性体33の左右側面と下ブラケット32の側板32aとの間には空間が空いている。従って、弾性体33は圧縮変形しても、その変形が下ブラケット32の側板32aで規制されることはなくて、左右方向に自由に変形する。また、
図8(A)のとおり、弾性体33の前後両方にも空間が空いている。従って、弾性体33は前後方向にも自由に変形する。結局、弾性体33は、全周に亙って自由に膨らみ変形する。
【0062】
図6に示すように、弾性体33には上下に開口した位置決め穴40が空いており、
図8(A)のとおり、上ブラケット31と下ブラケット32とには、位置決め穴40に嵌まるバーリング部41を形成している。従って、弾性体33は、その周囲を他の部材で規制されていない状態でも、前後左右のいずれの方向にもれずれ不能に保持されている。下ビス37は、下ブラケット32のバーリング部41にねじ込んでいる。
図8(B)において一点鎖線を表示しているが、これは弾性体44の自由長を示している。従って、弾性体44は、予め圧縮した状態で座用傾動ユニット30にセットされている。
【0063】
椅子の通常の使用状態では、着座した人の重心はピン39よりも後ろにあるため、座1は後ろの弾性体33に抗して後傾する。これにより、クッション性が付与される。後傾の度合いは着座した人の体重に比例するが、平均的な体重の人が着座すると後傾開始するように設定しておくことになる。最大構成角度は、上ブラケット31の上板が下ブラケット32の側板33aに当たることによって規制される。
【0064】
人が座1の前端部にチョイ掛けしたり、背もたれ2に凭れかかりつつ身体を延ばしたりして、座1に対する押圧力がピン39よりも前の部位に作用した場合は、座1は前部の弾性体33に抗して前傾する。これにより、快適性を向上できる。図では、前後の弾性体33を同じ大きさに描いているが、前部の弾性体33を後部の弾性体33よりも小径に設定して、座1が軽い力で前傾するように構成することも可能である。
【0065】
図7(A)から理解できるように、座インナーシェル34における凹溝35の内側面には、ピン39の端部を逃がすための補助凹所35aを形成している。このため、上ブラケット31を凹溝35にきっちりと嵌め込んで、座用傾動ユニット30の姿勢も正確に揃えることができる。その結果、左右の座用傾動ユニット30のピン39を同心に正確に配置できて、座1の傾動をこじれ無くスムースに行える。
【0066】
なお、座1の後傾動及び前傾動に対して抵抗を付与する弾性手段としては、実施形態のようなゴム質ものには限らない。圧縮コイルばねやねじりばね、トーションバーなども採用できる。
【0067】
(5).背もたれの取付け構造
次に、リアフレーム7に対する背もたれ2の取付け構造を、主として
図9以下の図面を参照して説明する。
図9(A)に示すように、背もたれ2は、樹脂製の背インナーシェル45の前面に背クッション46を重ね配置した構造であり、背インナーシェル45の左右側部が、背用傾動ユニット47を介してリアフレーム7の上端部に後傾動可能に取付けられている。
【0068】
例えば
図10に示すように、背用傾動ユニット47は、背インナーシェル45と一体に動くアウターケース48と、アウターケース48の内部に配置されていてリアフレーム7に固定されたインナーブラケット49と、アウターケース48の外側面に重ね配置されたサイドブラケット50とを備えており、これらは、背インナーシェル45の曲がりに合わせて、側面視で略く字形になっている。
【0069】
背インナーシェル45の屈曲部には、アウターケース48が嵌まり込む凹所51を形成している。また、サイドブラケット50の下半部には外向き凸部50aが形成されており、
図9(C)に示すように、サイドブラケット50は、外向き凸部50aのみが背インナーシェル45の外側にはみ出ており、外向き凸部50aがリアフレーム7に重なっている。
【0070】
アウターケース48とインナーブラケット49とは、左右横長のピン52によって連結されており、かつ、アウターケース48とインナーブラケット49との間には、ピン52よりも上の位置においてばね53が配置されている。アウターケース48とインナーブラケット49とは、ばね53を位置決めするバーリング部54が形成されている。アウターケース48とインナーブラケット49とは、それぞれ側板48a,49aとを備えている。
【0071】
図9(A)や
図11(A)に示すように、背インナーシェル45の背面のうち屈曲部の箇所には、左右横長の補強板55が重ね配置されており、
図12に示すように、補強板55の端部と背インナーシェル45とアウターケース48の上部及び下部とが、ビス56で共締めされている。背インナーシェル45の背面には、補強板55をずれ不能に保持する凹部57が形成されており、補強板55は、凹部57に設けた位置決め突起58(
図9(A)参照)によっても位置決めされている。
【0072】
補強板55の左右両端には、アウターケース48の下端まで延びる下向き張り出し部が形成されており、下向き張り出し部がビス56で共締めされている。着座した人が背もたれ2にもたれ掛かると、背もたれ2の下端部には大きなモーメントが掛かるが、補強板55が存在するため、モーメントに抗する強度を確保できる。
【0073】
例えば
図10(B)に示すように、アウターケース48には、後ろ向きに開口した透かし穴59が形成されており、既述のとおり、ビス56による締結は、透かし穴59を挟んだ上と下との上下2か所において行われている。ピン52は、サイドブラケット50における外向き凸部50aの外側にはみ出た露出部52aを備えており、この露出部52aが、リアフレーム7に形成した長溝穴60に落とし込みによって嵌め込まれている。
【0074】
既述のとおり,ピン52は、インナーブラケット49にも貫通している。そして、リアフレーム7のうち長溝穴60よりも下方の部位に外側から横向きボルト61が挿通されていて、横向きボルト61が、インナーブラケット49の内側板49aにねじ込まれている。従って、横向きボルト61によって、インナーブラケット49を前後不能に保持されている。
【0075】
図12(B)(C)から理解できるように、サイドブラケット50の上端部と下端部とには、アウターケース48に向けて突出した上下の係合爪62が形成されている一方、アウターケース48の外側の側板48aには、係合爪62が係合する係合穴63が形成されている。
【0076】
従って、サイドブラケット50はアウターケース48と一体に回動する。そして、横向きボルト61はサイドブラケット50とアウターケース48とに貫通しているので、サイドブラケット50及びアウターケース48が背もたれ2と一体に回動することを許容するため、サイドブラケット50とアウターケース48とには、ピン52を曲率半径の中心とした円弧穴64が空いている。
【0077】
図1(A)のとおり、リアフレーム7の上端部に肘掛け8を取り付けることができるが、肘掛け8を取付けていない状態では、例えば
図11に示すように、リアフレーム7の上部は上カバー65で覆われている。上カバー65の外面はその下方の部位と同一面になっている。従って、上カバー65で覆われている部分は、その下方の部位から段落ちして少し細くなっている。
【0078】
上カバー65は、リアフレーム7を左右外側からすっぽり覆うように溝形になっている。そして、その上部の内面に、前後の横向き係合爪66が固定されている一方、リアフレーム7の前後両面に、横向き係合爪66が嵌まり係合する切り開き溝67を形成している。前後の横向き係合爪66は基端板66aを介して一体に繋がっており、基端板66aがビス68(
図11(C)参照)によって上カバー65の内面に固定されている。
【0079】
他方、切り開き溝67のうち背もたれ2に近い端部には、横向き係合爪66の鉤部が嵌合する段部67aが形成されている。従って、上カバー65は、外側からリアフレーム7に嵌め込んで押さえるだけで、リアフレーム7に脱落しないように取付けられる。
【0080】
背用傾動ユニット47は背もたれ2の内部に格納されているため、外部から背用傾動ユニット47を視認することはできない。従って、背もたれ2が後傾するロッキング機能を有する椅子でありながら、シンプルな外観を実現できている。
【0081】
また、背もたれ2は、最も前に出た部分(ランバーサポート部)においてリアフレーム7に連結されているため、ロッキングしても着座者と背もたれ2との間に滑りが発生することは殆どない。このため、違和感を無くして快適なロッキング状態を実現できる。実施形態のように、ピン52を利用してインナーブラケット49を回動不能に保持すると、構造を簡単化できる利点がある。ばね53に代えて、ゴム質樹脂のような弾性体を使用することも可能である。
【0082】
インナーブラケット49の回動範囲はアウターケース48の内部で規制されている。従って、背もたれ2の最大後傾姿勢とニュートラ姿勢とは、インナーブラケット49とアウターケース48とによって規定されている。
【0083】
(6).その他
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明の適用対象は回転椅子には限らず、会議用などに多用されている固定脚式椅子にも適用できる。また、図示は省略するが、フロントフレーム及びリアフレームとも、左右中間部に1本だけ配置することも可能である。
【0084】
座及び背もたれの構造も、任意に設定できる。例えば、フレームにメッシュを張った構造も採用できる。フロントフレーム又はリアフレームにベースを一体に設けることも可能であるし、フロントフレームとリアフレームとベースとを一体品として製造することも可能である。または、左右のフロントフレームを別々に構成することも可能であるし、フロントフレーム及びリアフレームの基部をカバーで覆うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本願発明は、椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0086】
1 座
2 背もたれ
3 脚装置
5 ベース
6 フロントフレーム
6a フロント基体
7 リアフレーム
7a リアフレームの基体
29 受け部
30 座用傾動ユニット
31 上ブラケット
32 下ブラケット
33 弾性体
47 背用傾動ユニット
48 アウターケース
49 インナーブラケット
50 サイドブラケット
53 ばね