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特許7137438布類の姿勢判別装置、姿勢判別方法、および布類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】布類の姿勢判別装置、姿勢判別方法、および布類
(51)【国際特許分類】
   D06F 93/00 20060101AFI20220907BHJP
   D06H 3/08 20060101ALI20220907BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
D06F93/00
D06H3/08
G01N21/17 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018206360
(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公開番号】P2020069204
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江浪 寧彦
(72)【発明者】
【氏名】井本 大雄
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-273860(JP,A)
【文献】特開2017-079881(JP,A)
【文献】特開2012-022518(JP,A)
【文献】特開平07-082675(JP,A)
【文献】特開2017-079882(JP,A)
【文献】特開2008-000937(JP,A)
【文献】特開2001-228757(JP,A)
【文献】特開2002-326762(JP,A)
【文献】特開2006-173814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 89/00-93/00
D06H 1/00-3/16
G01N 21/17
G06K 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別装置であって、
前記布類を縦方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送装置で搬送されている前記布類の一方の面を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記画像から前記姿勢タグが付されている前記角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きを判別する
ことを特徴とする布類の姿勢判別装置。
【請求項2】
縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別装置であって、
前記布類を縦方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送装置で搬送されている前記布類の一方の面を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別する
ことを特徴とする布類の姿勢判別装置。
【請求項3】
前記布類には、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に前記第1姿勢タグと異なる種類の第2姿勢タグが付されており、
前記画像処理装置は、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置または前記第2姿勢タグが付されている前記第2角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別する
ことを特徴とする請求項2記載の布類の姿勢判別装置。
【請求項4】
前記布類には、色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせが前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されており、
前記画像処理装置は、前記画像に含まれる前記一または複数の種類タグに基づいて前記布類の種類を識別する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の布類の姿勢判別装置。
【請求項5】
縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別方法であって、
縦方向に搬送されている前記布類の一方の面を撮影して画像を得、
前記画像から前記姿勢タグが付されている前記角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きを判別する
ことを特徴とする布類の姿勢判別方法。
【請求項6】
縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別方法であって、
縦方向に搬送されている前記布類の一方の面を撮影して画像を得、
前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別する
ことを特徴とする布類の姿勢判別方法。
【請求項7】
前記布類には、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に前記第1姿勢タグと異なる種類の第2姿勢タグが付されており、
前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置または前記第2姿勢タグが付されている前記第2角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別する
ことを特徴とする請求項6記載の布類の姿勢判別方法。
【請求項8】
前記布類には、色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせが前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されており、
前記画像に含まれる前記一または複数の種類タグに基づいて前記布類の種類を識別する
ことを特徴とする請求項5、6または7記載の布類の姿勢判別方法。
【請求項9】
縦横方向の区別があり、表裏面の区別がある方形状の布類であって、
前記縦横方向および前記表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の両方に姿勢タグが付されている
ことを特徴とする布類。
【請求項10】
縦横方向の区別があり、表裏面の区別があり、縦方向の両端に位置する上下縁の区別がある方形状の布類であって、
前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されており、
前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に前記第1姿勢タグと異なる種類の第2姿勢タグが付されている
ことを特徴とする布類。
【請求項11】
縦横方向の区別があり、表裏面の区別がある方形状の布類であって、
前記縦横方向および前記表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されており、
色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせ(ただし、色のみを除く。)が前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されている
ことを特徴とする布類。
【請求項12】
縦横方向の区別があり、表裏面の区別があり、縦方向の両端に位置する上下縁の区別がある方形状の布類であって、
前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されており、
色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせ(ただし、色のみを除く。)が前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されている
ことを特徴とする布類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布類の姿勢判別装置、姿勢判別方法、および布類に関する。さらに詳しくは、布類の表裏面の向きなど、布類の姿勢を判別する装置、方法、および姿勢の判別に適した布類に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル、病院などでは大量にタオル、シーツなどの布類が使用される。使用済みの布類は回収してランドリー工場で洗濯・乾燥・折り畳みが行なわれ、再度ホテル、病院などに運んで、そこで使用されることが一般的である。ランドリー工場では折畳装置を用いて洗濯・乾燥済みの布類を折り畳む(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-117489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
布類にはロゴマークが付されているものがある。この種の布類はロゴマークが外側に現れるように折り畳むことが求められる。そのためには、表裏面の向きなど、姿勢を正しくした状態で布類を折畳装置に投入する必要がある。従来は布類の姿勢を正しくする作業を作業員が行なっており、作業員の負担が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、布類の姿勢を自動で判別できる装置および方法を提供することを目的とする。また、本発明は、姿勢の判別に適した布類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の布類の姿勢判別装置は、縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別装置であって、前記布類を縦方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置で搬送されている前記布類の一方の面を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記画像から前記姿勢タグが付されている前記角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きを判別することを特徴とする。
第2発明の布類の姿勢判別装置は、縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別装置であって、前記布類を縦方向に搬送する搬送装置と、前記搬送装置で搬送されている前記布類の一方の面を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別することを特徴とする。
第3発明の布類の姿勢判別装置は、第2発明において、前記布類には、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に第2姿勢タグが付されており、前記画像処理装置は、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置または前記第2姿勢タグが付されている前記第2角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別することを特徴とする。
第4発明の布類の姿勢判別装置は、第1、第2または第3発明において、前記布類には、色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせが前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されており、前記画像処理装置は、前記画像に含まれる前記一または複数の種類タグに基づいて前記布類の種類を識別することを特徴とする。
第5発明の布類の姿勢判別方法は、縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別方法であって、縦方向に搬送されている前記布類の一方の面を撮影して画像を得、前記画像から前記姿勢タグが付されている前記角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きを判別することを特徴とする。
第6発明の布類の姿勢判別方法は、縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されている方形状の布類の姿勢を判別する姿勢判別方法であって、縦方向に搬送されている前記布類の一方の面を撮影して画像を得、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別することを特徴とする。
第7発明の布類の姿勢判別方法は、第6発明において、前記布類には、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に第2姿勢タグが付されており、前記画像から前記第1姿勢タグが付されている前記第1角部の位置または前記第2姿勢タグが付されている前記第2角部の位置を特定し、その結果に基づいて前記布類の前記表裏面の向きおよび前記上下縁の向きを判別することを特徴とする。
第8発明の布類の姿勢判別方法は、第5、第6または第7発明において、前記布類には、色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせが前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されており、前記画像に含まれる前記一または複数の種類タグに基づいて前記布類の種類を識別することを特徴とする。
第9発明の布類は、縦横方向の区別があり、表裏面の区別がある方形状の布類であって、前記縦横方向および前記表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する2つの角部の一方または両方に姿勢タグが付されていることを特徴とする。
第10発明の布類は、縦横方向の区別があり、表裏面の区別があり、縦方向の両端に位置する上下縁の区別がある方形状の布類であって、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第1角部に第1姿勢タグが付されていることを特徴とする。
第11発明の布類は、第10発明において、前記縦横方向、前記表裏面および前記上下縁との位置関係で一意に定められた第2角部に第2姿勢タグが付されていることを特徴とする。
第12発明の布類は、第9、第10または第11発明において、色、大きさ、取付位置および数のうち一または複数の組み合わせが前記布類の種類に対して一意に定められた一または複数の種類タグが付されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1発明によれば、姿勢タグが付されている角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きを自動で判別できる。また、画像処理により姿勢タグの位置を特定することは比較的容易であるので、姿勢判別精度が高い。
第2発明によれば、第1姿勢タグが付されている第1角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きおよび上下縁の向きを自動で判別できる。
第3発明によれば、第1姿勢タグおよび第2姿勢タグのいずれかに基づいて布類の姿勢を判別するので、布類の角折れにより一方のタグが認識できない場合でも、布類の姿勢を判別できる。
第4発明によれば、種類タグに基づいて布類の種類を識別できる。
第5発明によれば、姿勢タグが付されている角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きを判別できる。
第6発明によれば、第1姿勢タグが付されている第1角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別できる。
第7発明によれば、第1姿勢タグおよび第2姿勢タグのいずれかに基づいて布類の姿勢を判別するので、布類の角折れにより一方のタグが認識できない場合でも、布類の姿勢を判別できる。
第8発明によれば、種類タグに基づいて布類の種類を識別できる。
第9発明によれば、姿勢タグが付されている角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きを判別できる。
第10発明によれば、第1姿勢タグが付されている第1角部の位置に基づいて布類の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別できる。
第11発明によれば、第1姿勢タグおよび第2姿勢タグのいずれかに基づいて布類の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別できる。
第12発明によれば、種類タグに基づいて布類の種類を識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】図(A)は1つの角部に姿勢タグが付された第1タイプの布類を、縦方向を上下方向に合わせ、表面から視た状態の図である。図(B)は2つの角部に姿勢タグが付された第1タイプの布類を、縦方向を上下方向に合わせ、表面から視た状態の図である。
図2】図(B)は1つの角部に姿勢タグが付された第2タイプの布類を、縦方向を上下方向に合わせ、上縁を上とし、表面から視た状態の図である。図(B)は2つの角部に姿勢タグが付された第2タイプの布類を、縦方向を上下方向に合わせ、上縁を上とし、表面から視た状態の図である。
図3】姿勢判別装置および折畳装置の側面図である。
図4】姿勢判別装置の検査台付近の拡大図である。
図5】姿勢判別装置および折畳装置のブロック図である。
図6】種類タグが付された布類の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る姿勢判別装置AAは布類Cの姿勢を判別する。まず、姿勢判別の対象物である布類Cについて説明する。
【0010】
(布類)
布類Cは4つの角部を有する方形状である。布類Cは長方形であってもよいし、正方形であってもよい。この種の布類Cとしてタオル、シーツ、デュベカバー、包布、ピロケースなどが挙げられる。布類Cには複数のタイプが存在する。そのうち第1タイプおよび第2タイプを以下に説明する。なお、以下の説明において、符号C1は第1タイプの布類を意味する。符号C2は第2タイプの布類を意味する。布類のタイプを区別しない場合、符号Cを用いる。
【0011】
・第1タイプ
第1タイプの布類C1には縦横方向の区別があり、表裏面の区別がある。しかし、第1タイプの布類C1には上下縁の区別がない。
【0012】
図1(A)に示すように、第1タイプの布類C1は、平行な一対の側縁11、11と、平行な一対の端縁12、12とを有する。一の側縁11と一の端縁12とは垂直に交わる。例えば、布類C1は長方形であり、長手方向と短手方向との区別がある。このような場合、布類C1には縦横方向の区別が生じる。すなわち、長手方向が縦方向に相当し、短手方向が横方向に相当する。長手方向が横方向に相当し、短手方向が縦方向に相当してもよい。なお、縦方向と横方向とを合わせて縦横方向と称する。
【0013】
例えば、布類C1にはジャガード織、刺繍、プリントなどによりロゴマークMが付されている。このような場合、布類C1には表裏面の区別が生じる。すなわち、ロゴマークMが正像(通常視認される像)として現れる面が表面に相当し、ロゴマークMが鏡像として現れる面またはロゴマークMが現れない面が裏面に相当する。なお、表面と裏面とを合わせて表裏面と称する。
【0014】
例えば、布類C1には2つのロゴマークM、Mが付されている。しかも、2つのロゴマークM、Mは布類C1の中心周りに180°回転対称となっている。例えば、2つの端縁12のそれぞれに沿ってロゴマークMが付されており、両ロゴマークM、Mは上部が布類C1の中心を向いている。このような場合、布類C1には上下縁の区別が生じない。ここで、上下縁は一対の端縁12、12に相当する。端縁12のいずれが上縁で、いずれが下縁であるか区別できない。
【0015】
第1タイプの布類C1では、縦横方向および表裏面との位置関係で対角を一意に定めることができる。例えば、布類C1の縦方向を上下方向に合わせ、表面から視た状態(図1(A)に示す状態)で、左上および右下の対角13、13を一意に特定できる。また、右上および左下の対角14、14を一意に特定できる。すなわち、縦横方向および表裏面との位置関係から対角13、13と対角14、14とを区別できる。なお、左上の角部13と右下の角部13とは区別できない。また、右上の角部14と左下の角部14とは区別できない。
【0016】
図1(A)に示すように、布類C1には2つの角部13、13の一方に姿勢タグ21が付されている。ここで、2つの角部13、13は縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する。なお、姿勢タグ21を付す角部として他方の対角14、14を選択してもよい。対角13、13と対角14、14とのいずれを選択するかは、予め定めておけばよい。
【0017】
姿勢タグ21は、特に限定されないが、単色無地のタグでよい。姿勢タグ21の色は布類C1の布地と異なる色が好ましい。姿勢タグ21の取り付け方法は特に限定されない。タオルであれば、ヘム(端縁12の縫製部分)の縫製の際に姿勢タグ21を縫い込んでもよい。ミミ(側縁11の縫製部分)の縫製の際に姿勢タグ21を縫い込んでもよい。姿勢タグ21は布類C1の表裏面の両方に現れてもよいし、一方のみに現れてもよい。
【0018】
このように、布類C1に姿勢タグ21が付されていることから、姿勢タグ21が付されている角部13の位置に基づいて布類C1の表裏面の向きを判別できる。具体的には、姿勢タグ21が付されている角部13が左上または右下に位置している場合、布類C1の表面が現れていると判別できる。また、姿勢タグ21が付されている角部13が右上または左下に位置している場合、布類C1の裏面が現れていると判別できる。
【0019】
図1(B)に示すように、2つの角部13、13の両方に姿勢タグ21を付してもよい。この場合、2つの姿勢タグ21として同種の(色および大きさなどが同じ)タグが用いられる。この場合も、同様に、姿勢タグ21が付されている角部13の位置に基づいて布類C1の表裏面の向きを判別できる。
【0020】
・第2タイプ
第2タイプの布類C2には縦横方向の区別があり、表裏面の区別があり、上下縁の区別がある。ここで、上下縁は布類C2の縦方向の両端に位置する。
【0021】
図2(A)に示すように、第2タイプの布類C2は、第1タイプの布類C1と同様に縦横方向の区別があり、表裏面の区別がある。また、一対の端縁12a、12bのうち、一方が上縁12aであり、他方が下縁12bである。例えば、布類C2には1つのロゴマークMが付されている。このような場合、布類C2には上下縁の区別が生じる。ロゴマークMの上下に合わせて、上縁12aと下縁12bとが区別される。なお、上縁12aと下縁12bとを合わせて上下縁と称する。
【0022】
第2タイプの布類C2では、縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で1つの角部を一意に定めることができる。例えば、布類C2の縦方向を上下方向に合わせ、上縁12aを上とし、表面から視た状態(図2(A)に示す状態)で、左上の角部15、右下の角部16、右上の角部17、左下の角部18をそれぞれ一意に特定できる。すなわち、縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係から4つの角部15~18のそれぞれを区別できる。
【0023】
図2(A)に示すように、布類C2には1つの角部15に姿勢タグ21が付されている。ここで、角部15は縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められる。なお、姿勢タグ21を付す角部として他の角部16~18を選択してもよい。角部15~18のいずれを選択するかは、予め定めておけばよい。
【0024】
このように、布類C2に姿勢タグ21が付されていることから、姿勢タグ21が付されている角部15の位置に基づいて布類C2の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別できる。具体的には、姿勢タグ21が付されている角部15が左上または右下に位置している場合、布類C2の表面が現れていると判別できる。また、姿勢タグ21が付されている角部15が右上または左下に位置している場合、布類C2の裏面が現れていると判別できる。さらに、姿勢タグ21が付されている角部15が左上または右上に位置している場合、布類C2の上縁12aは上向きであると判別できる。また、姿勢タグ21が付されている角部15が右下または左下に位置している場合、布類C2の上縁12aは下向きであると判別できる。
【0025】
図2(B)に示すように、2つの角部15、16に姿勢タグ21、22を付してもよい。説明の便宜のため、一方の角部15を第1角部15と称し、他方の角部16を第2角部16と称する。また、第1角部15に付された姿勢タグ21を第1姿勢タグ21と称し、第2角部16に付された姿勢タグ22を第2姿勢タグ22と称する。
【0026】
第2角部16は縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められる。第2角部16は第1角部15と異なる角部であればよい。第2角部16は第1角部15の対角であってもよいし、対角でなくてもよい。第2姿勢タグ22を付す角部として他の角部17、18を選択してもよい。角部16~18のいずれを選択するかは、予め定めておけばよい。第1、第2姿勢タグ21、22として異種の(色または大きさなどが異なる)タグが用いられる。
【0027】
この場合も、第1姿勢タグ21および第2姿勢タグ22のいずれかに基づいて布類C2の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別できる。
【0028】
(姿勢判別装置)
つぎに、姿勢判別装置AAの構成を説明する。
姿勢判別装置AAは、布類Cを撮影するカメラと、カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置とを備えていればよく、その機械的構成は特に限定されない。以下では姿勢判別装置AAの構成の一例を説明する。
【0029】
図3に示すように、本実施形態の姿勢判別装置AAは、布類Cの品質を検査する検査装置と一体に構成されている。換言すれば、検査装置に姿勢判別装置AAとしての機能を追加している。なお、姿勢判別装置AAと検査装置とを独立した別の装置としてもよい。
【0030】
姿勢判別装置AAは布類Cを搬送する搬送装置30を備えている。搬送装置30は第1コンベア31、第2コンベア32、第3コンベア33からなる。第1コンベア31は、作業員が洗濯・乾燥済みの布類Cを投入するコンベアである。第1コンベア31の下流端に第2コンベア32が接続されている。第2コンベア32の下流端に第3コンベア33が接続されている。
【0031】
作業員は、布類Cの一方の端縁12を左右に広げて、第1コンベア31に載せる。第1コンベア31は布類Cをその姿勢のまま機械奥方向に搬送する。そのため、布類Cは縦方向が搬送方向に沿った状態で搬送される。すなわち、搬送装置30は布類Cを縦方向に搬送する。
【0032】
姿勢判別装置AAは2つのカメラ41、42を備えている。第1カメラ41は装置の上部に配置されている。第1カメラ41は搬送装置30で搬送されている布類Cの上面を撮影する。第2カメラ42は装置の下部の配置されている。第2カメラ42は搬送装置30で搬送されている布類Cの下面を撮影する。
【0033】
なお、搬送装置30による搬送状態における布類Cの上方を向いた面を「上面」と称する。また、布類Cの下方を向いた面を「下面」と称する。上面が表面である場合もあるし、裏面である場合もある。下面が裏面である場合もあるし、表面である場合もある。
【0034】
姿勢判別装置AAは少なくとも1つのカメラ41を備えていればよい。姿勢タグ21が布類Cの表裏面の両方に現れるよう取り付けられている場合は、1つのカメラ41で布類Cの一方の面(上面または下面)を撮影するだけで、姿勢タグ21の位置を特定できる。姿勢タグ21が布類Cの表裏面の一方のみに現れるよう取り付けられている場合は、2つのカメラ41、42で両方の面(上面および下面)を撮影する必要がある。いずれかのカメラ41、42で撮影した画像から、姿勢タグ21の位置を特定できる。
【0035】
第1、第2カメラ41、42としては、例えば、布類Cをその横方向に沿って直線状に撮影するラインカメラが用いられる。
【0036】
図4に示すように、第2コンベア32の下流端と第3コンベア33の上流端との間には検査台50が設けられている。検査台50は暗色部51と透光部52とからなる。暗色部51は布類Cの布地に比べて暗い色であればよく、黒色、灰色などが選択される。透光部52は光が透過すればよく、無色透明が好ましい。なお、検査台50に透光部52を設けるのに代えて、隙間を設けてもよい。
【0037】
検査台50の周囲には光源53が設けられている。第1カメラ41の光軸は暗色部51に達するよう設定されている。布類Cは暗色部51の上を通過する際、上面が光源53により照らされる。第1カメラ41は暗色部51を通過する布類Cの反射光を撮影する。
【0038】
第2カメラ42の光軸は透光部52に達するよう設定されている。布類Cは透光部52の上を通過する際、光源53から照射された光が上面から下面に透過する。第2カメラ42は透光部52を通過する布類Cの透過光を撮影する。
【0039】
図3に示すように、姿勢判別装置AAから排出された布類Cは次工程の処理装置に供給される。次工程の処理装置は、例えば布類Cを折り畳む折畳装置FMである。折畳装置FMは布類Cを折り畳む機構を有する。
【0040】
図5に示すように、姿勢判別装置AAは画像処理装置43を有する。画像処理装置43はCPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。第1、第2カメラ41、42で撮影された布類Cの画像は画像処理装置43に入力されている。
【0041】
画像処理装置43は布類Cの画像に基づいて布類Cの姿勢を判別する。すなわち、布類Cの表面が上を向いているか、下を向いているか判別する。また、布類Cの上縁が搬送方向の上流側を向いているか、下流側を向いているか判別する。
【0042】
前述のごとく、姿勢判別装置AAは検査装置としての機能を有する。画像処理装置43は第1カメラ41で撮影された布類Cの反射光画像と、第2カメラ42で撮影された布類Cの透過光画像とを比較して、孔、汚れなどの欠陥の有無を判断する。
【0043】
折畳装置FMは制御部60を備えている。制御部60はCPU、メモリなどで構成されたコンピュータであり、折畳装置FMを構成する各機構を制御する機能を有する。例えば、制御部60は反転装置61、スタック部62の動作を制御する。
【0044】
反転装置61は布類Cの姿勢を変える装置である。反転装置61は少なくとも布類Cの表裏面を反転させる機能を有する。反転装置61は布類Cの上下縁を反転させる機能を有してもよい。また、スタック部62は布類Cを種類別に積み重ねる装置である。
【0045】
画像処理装置43は布類Cの姿勢の判別結果を制御部60に入力する。そうすると、制御部60は判別結果に基づいて反転装置61を動作させ、必要に応じて布類Cを反転させる。これにより、布類Cを適切に折り畳むことができる。例えば、布類CをロゴマークMが外側に現れるように折り畳むことができる。
【0046】
(姿勢判別方法)
つぎに、布類Cの姿勢判別方法を説明する。
姿勢判別装置AAに投入された布類Cは搬送装置30により搬送される。この際、布類Cは第1、第2カメラ41、42で撮影され、布類Cが含まれる画像が得られる。ここで、布類Cは縦方向が搬送方向に沿った状態で搬送される。したがって、画像に含まれる布類Cは縦横方向が常に特定の方向(上下方向)を向くよう整えられている。
【0047】
画像処理装置43は、第1、第2カメラ41、42で撮影された2つの画像のうち、姿勢タグ21が含まれる一の画像を用いて布類Cの姿勢を判別する。以下、判別処理の詳細を、第1タイプ、第2タイプそれぞれについて順に説明する。
【0048】
・第1タイプ
図1(A)に示すように、第1タイプの布類C1には一の角部13に姿勢タグ21が付されている。ここで、角部13は縦横方向および表裏面との位置関係で一意に定められた対角に位置する。例えば、布類C1の縦方向を上下方向に合わせ、表面から視た状態(図1(A)に示す状態)で、左上および右下の対角のいずれかに角部13が位置する。この位置関係は予め画像処理装置43に記憶されている。
【0049】
まず、画像処理装置43は、布類C1の画像から姿勢タグ21が付されている角部13の位置を特定する。布類C1の姿勢によって、姿勢タグ21が付されている角部13は左上、右下、右上、左下のいずれかに位置する。
【0050】
つぎに、画像処理装置43は、角部13の位置特定結果に基づいて、布類C1の表裏面の向きを判別する。角部13の位置関係が上記の通りである場合はつぎのように判断する。姿勢タグ21が付されている角部13が左上または右下に位置している場合、画像には布類C1の表面が現れていると判断する。また、姿勢タグ21が付されている角部13が右上または左下に位置している場合、画像には布類C1の裏面が現れていると判断する。
【0051】
第1カメラ41で撮影された画像を用いた場合にはつぎのように判断する。画像に布類C1の表面が現れている場合には、布類C1の表面が上方を向いていると判断する。画像に布類C1の裏面が現れている場合には、布類C1の表面が下方を向いていると判断する。第2カメラ42で撮影された画像を用いた場合には、表裏面の向きが逆の判断となる。
【0052】
このように、姿勢タグ21が付されている角部13の位置に基づいて、布類C1の表裏面の向きを自動で判別できる。
【0053】
図1(B)に示すように、対角に位置する2つの角部13、13の両方に姿勢タグ21が付されている場合の判断は、基本的に上記と同様である。2つの姿勢タグ21のうち一方を基準として、布類C1の表裏面の向きを判別すればよい。ここで、2つの姿勢タグ21を区別する必要はない。したがって、2つの姿勢タグ21として同種のタグを用いればよい。
【0054】
布類C1は柔軟性を有するため、その形状が変化しやすい。作業員が布類C1を第1コンベア31の載せる際、布類C1がコンベア間を乗り継ぐ際などに、角部がめくれる場合がある。これを「角折れ」と称する。姿勢タグ21が付されている角部13がめくれると、姿勢タグ21が隠れて認識できない場合がある。
【0055】
これに対して、姿勢タグ21を2つの角部13、13に付した場合には、布類C1の角折れにより一方の姿勢タグ21が認識できない場合でも、他方の姿勢タグ21を認識でき、布類C1の姿勢を判別できる。姿勢タグ21を認識できる確率が高くなることから、布類C1の姿勢を判別しやすくなる。
【0056】
・第2タイプ
図2(A)に示すように、第2タイプの布類C2には一の角部15に姿勢タグ21が付されている。ここで、角部15は縦横方向、表裏面および上下縁との位置関係で一意に定められる。例えば、布類C2の縦方向を上下方向に合わせ、上縁12aを上とし、表面から視た状態(図2(A)に示す状態)で、左上に角部15が位置する。この位置関係は予め画像処理装置43に記憶されている。
【0057】
まず、画像処理装置43は、布類C2の画像から姿勢タグ21が付されている角部15の位置を特定する。布類C2の姿勢によって、姿勢タグ21が付されている角部15は左上、右下、右上、左下のいずれかに位置する。
【0058】
つぎに、画像処理装置43は、角部15の位置特定結果に基づいて、布類C2の表裏面の向きを判別する。角部15の位置関係が上記の通りである場合はつぎのように判断する。姿勢タグ21が付されている角部15が左上または右下に位置している場合、画像には布類C2の表面が現れていると判断する。また、姿勢タグ21が付されている角部15が右上または左下に位置している場合、画像には布類C2の裏面が現れていると判断する。
【0059】
第1カメラ41で撮影された画像を用いた場合にはつぎのように判断する。画像に布類C2の表面が現れている場合には、布類C2の表面が上方を向いていると判断する。画像に布類C2の裏面が現れている場合には、布類C2の表面が下方を向いていると判断する。第2カメラ42で撮影された画像を用いた場合には、表裏面の向きが逆の判断となる。
【0060】
また、画像処理装置43は、角部15の位置特定結果に基づいて、布類C2の上下縁の向きを判別する。角部15の位置関係が上記の通りである場合はつぎのように判断する。姿勢タグ21が付されている角部15が左上または右上に位置している場合、布類C2の上縁12aは搬送方向下流向きであると判断する。また、姿勢タグ21が付されている角部15が右下または左下に位置している場合、布類C2の上縁12aは搬送方向上流向きであると判断する。
【0061】
このように、姿勢タグ21が付されている角部15の位置に基づいて、布類C2の表裏面の向きおよび上下縁の向きを自動で判別できる。
【0062】
図2(B)に示すように、第1角部15に第1姿勢タグ21が付されており、第2角部16に第2姿勢タグ22が付されている場合の判断は、基本的に上記と同様である。第1、第2姿勢タグ21、22のうち一方を基準として、布類C2の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別すればよい。
【0063】
まず、画像処理装置43は、布類C2の画像から第1姿勢タグ21が付されている第1角部15の位置を特定する。または、画像処理装置43は、布類C2の画像から第2姿勢タグ22が付されている第2角部16の位置を特定する。ここで、第1、第2姿勢タグ21、22の両方が認識できる場合には、予め定めた一方のタグの位置を特定すればよい。また、第1、第2姿勢タグ21、22の一方のみが認識できる場合には、認識できる方のタグの位置を特定すればよい。
【0064】
つぎに、画像処理装置43は、第1角部15または第2角部16の位置特定結果に基づいて、布類C2の表裏面の向きおよび上下縁の向きを判別する。ここで、第1姿勢タグ21と第2姿勢タグ22とを区別する必要がある。そのため、第1、第2姿勢タグ21、22として異種のタグが用いられる。例えば、色、大きさの違いにより第1姿勢タグ21と第2姿勢タグ22とを区別する。
【0065】
このように、第1姿勢タグ21および第2姿勢タグ22のいずれかに基づいて布類C2の姿勢を判別するので、布類C2の角折れにより一方のタグが認識できない場合でも、布類C2の姿勢を判別できる。姿勢タグ21を認識できる確率が高くなることから、布類C2の姿勢を判別しやすくなる。
【0066】
以上のように、本実施形態の姿勢判別装置AAによれば、布類Cを撮影した画像から布類Cの姿勢を判断できる。ここで、姿勢判別装置AAは姿勢タグ21の位置に基づいて、布類Cの姿勢を判断する。したがって、姿勢タグ21に付された細かな文字、布類Cに付されたロゴマークMなどを識別する必要がない。画像処理により姿勢タグ21の位置を特定することは比較的容易であるので、姿勢判別精度が高い。
【0067】
図5に示すように、姿勢判別装置AAの判断結果(布類Cの姿勢)は、次工程の折畳装置FMに入力される。反転装置61は必要に応じて布類Cを反転させ所望の姿勢にする。これにより、布類Cを適切に折り畳むことができる。
【0068】
このように、布類Cを自動的に反転させる構成とすれば、作業員は布類Cを投入する際に、姿勢を正しく整える必要がない。作業員は布類Cの表裏面の向き、上下縁の向きを意識することなく投入作業ができる。そのため、作業が簡単になり、生産性が向上する。
【0069】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る姿勢判別装置AAは布類Cの姿勢の判別に加えて、または代えて、布類Cの種類の識別を行なう。まず、種類識別の対象物である布類C3について説明する。
【0070】
(布類)
布類C3は第1タイプであってもよいし、第2タイプであってもよいし、その他のタイプであってもよい。布類C3は、納入先(ホテル、病院などの布類C3の使用者)、購入年度、サイズなど種々の属性を有する。リネン設備で処理される布類C3は、これらの属性に基づいて種類分けされている。そして、布類C3は種類ごとに仕分けなどがなされる。
【0071】
図6に示すように、布類C3には種類タグ23が付されている。この種類タグ23は布類C3の種類を示す機能を有する。種類タグ23の色で布類C3の種類を示してもよい。この場合、種類タグ23の色は布類C3の種類に対して一意に定められる。種類タグ23の大きさで布類C3の種類を示してもよい。この場合、種類タグ23の大きさは布類C3の種類に対して一意に定められる。種類タグ23の取付位置で布類C3の種類を示してもよい。ここで、取付位置とは側縁11および/または端縁12と種類タグ23との距離を意味する。この場合、種類タグ23の取付位置は布類C3の種類に対して一意に定められる。種類タグ23の数で布類C3の種類を示してもよい。ここで、種類タグ23の数は一の角部に付されるタグの数として考えてもよいし、布類C3に付されるタグの総数として考えてもよい。この場合、種類タグ23の数は布類C3の種類に対して一意に定められる。色、大きさ、取付位置および数のうち任意に選択した複数を組合せて布類C3の種類を示してもよい。この場合、色、大きさ、取付位置および数のうち任意に選択した複数の組合せが布類C3の種類に対して一意に定められる。
【0072】
このように、布類C3に種類タグ23が付されていることから、種類タグ23に基づいて布類C3の種類を識別できる。
【0073】
種類タグ23は第1実施形態の姿勢タグ21と共通化できる。すなわち、一のタグを姿勢タグ21として使用しつつ、種類タグ23としても使用できる。
【0074】
(姿勢判別装置)
第2実施形態に係る姿勢判別装置AAの機械的構成は、第1実施形態と同様である。姿勢判別装置AAは、つぎの手順で布類C3の種類を識別する。
【0075】
第1、第2カメラ41、42で撮影された布類C3の画像は画像処理装置43に入力される。画像処理装置43は、第1、第2カメラ41、42で撮影された2つの画像のうち、種類タグ23が含まれる一の画像を用いて布類C3の種類を識別する。
【0076】
画像処理装置43には、予め、種類タグ23の形態(色、大きさ、取付位置、数)と布類C3の種類との対応関係が記憶されている。例えば、種類タグ23の色と布類C3の種類との対応関係が記憶されている。
【0077】
まず、画像処理装置43は、布類C3の画像に含まれる一または複数の種類タグ23の形態を認識する。すなわち、画像処理装置43は、種類タグ23の色、大きさ、取付位置、数を認識する。つぎに、画像処理装置43は、種類タグ23の認識結果に基づいて、布類C3の種類を識別する。
【0078】
以上のように、本実施形態の姿勢判別装置AAによれば、種類タグ23に基づいて布類C3の種類を識別できる。図5に示すように、姿勢判別装置AAの識別結果(布類C3の種類)は、次工程の折畳装置FMに入力される。スタック部62は布類C3を種類別に積み重ねる。これにより、布類C3の仕分けが行なわれる。
【0079】
布類C3の種類を識別する方法として、布類C3に付されたロゴマークMを読み取ることが考えられる。しかし、布類C3は柔軟性がありロゴマークMが変形することから、画像処理によりロゴマークMを読み取ることは比較的難しい。これに対して、種類タグ23の色、大きさ、取付位置、数を認識することは容易である。そのため、種類識別精度が高い。
【符号の説明】
【0080】
C 布類
11 側縁
12 端縁
13~18 角部
21、22 姿勢タグ
23 種類タグ
AA 姿勢判別装置
30 搬送装置
41、42 カメラ
43 画像処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6