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特許7137462画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/20 20110101AFI20220907BHJP
【FI】
G06T19/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018241773
(22)【出願日】2018-12-25
(62)【分割の表示】P 2018137174の分割
【原出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020013534
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】507180054
【氏名又は名称】ピクシブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】関 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】城山 賢人
(72)【発明者】
【氏名】秋澤 一史
(72)【発明者】
【氏名】清水 智雄
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122297(JP,A)
【文献】下曽山 跳馬,外2名,“房の形状制御による非写実的頭髪モデリング”,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム(EC2015),情報処理学会,2015年,p.234-240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 13/40
G06T 19/00 - 19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される人の形をしたキャラクターモデルの頭部に対応する位置に始点が設定されると共に、前記表示部上において任意の位置に終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間に描かれる軌跡に沿い、予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理部と、
前記キャラクターモデルの色に関する処理を行う効果処理部と、
前記キャラクターモデルの表面形状に沿い、前記表示部には表示されないメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成部と、を備え、
前記画像処理部は、前記始点と前記終点との間に前記メッシュモデルの表面に沿って髪モデルを生成する
画像処理装置。
【請求項2】
前記効果処理部は、色に関する処理として、前記キャラクターモデル上の選択された位置に色を加える処理、前記キャラクターモデルの頬に色を加える処理、及び、前記キャラクターモデルの眼の色を変更する処理を行う
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記始点及び前記終点を指定する入力部を備え、
前記表示部は、前記入力部による入力操作に応じて動く、髪モデルを描いているように見せる髪作成モデルを表示する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記キャラクターモデルをVR空間において表示する
請求項1~3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置が、
表示部に表示される人の形をしたキャラクターモデルの表面形状に沿い、前記表示部には表示されないメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成ステップと、
前記表示部に表示される前記キャラクターモデルの頭部に対応する位置に始点が設定されると共に、前記表示部上において任意の位置に終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間に描かれる軌跡に沿い、予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理ステップと、
前記キャラクターモデルの色に関する処理を行う効果処理ステップと、を実行し、
前記画像処理ステップは、前記始点と前記終点との間に前記メッシュモデルの表面に沿って髪モデルを生成する
画像処理方法。
【請求項6】
画像処理装置に、
表示部に表示される人の形をしたキャラクターモデルの頭部に対応する位置に始点が設定されると共に、前記表示部上において任意の位置に終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間に描かれる軌跡に沿い、予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理機能と、
前記キャラクターモデルの色に関する処理を行う効果処理機能と、
前記キャラクターモデルの表面形状に沿い、前記表示部には表示されないメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成機能と、を実現させ、
前記画像処理機能は、前記始点と前記終点との間に前記メッシュモデルの表面に沿って髪モデルを生成する
画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータ上で3次元モデルを作成する処理が行われている。3次元モデルは、例えば、人モデルである。そして、モデルの作成においては、人モデルに髪の毛を付す等の処理が行われている。例えば、特許文献1に技術では、3次元モデルを作成し、その3次元モデルに髪を加える処理が行われている。この技術は、予め記憶部に記憶された髪モデルを読み出して、読み出した髪モデルを3次元モデルに付すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-342789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の技術は、予め記憶された髪モデルを3次元モデルに付すようになっている。このため、従来は、髪をユーザの好みの形状にすることができない可能性があり、髪モデルの形状の自由度が低い。
【0005】
本発明は、髪モデルの形状の自由度を従来に比べて向上させた画像処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記と同様に、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像処理装置は、3次元表示されたキャラクターモデルと、ポインタとを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記ポインタにより入力が行われる入力部と、前記表示部に3次元表示された前記キャラクターモデルの表面形状に沿うメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成部と、前記キャラクターモデルの頭部の位置の前記メッシュモデル上に前記ポインタで始点が設定されると共に、前記メッシュモデル上の任意の位置に前記ポインタで終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間の前記ポインタの軌跡に沿い、前記メッシュモデルの表面に沿って予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理部と、を備える。
【0007】
画像処理装置では、前記画像処理部は、前記ポインタによる入力に基づいて前記メッシュモデルが変形された場合、前記メッシュモデルの変形に応じて前記髪モデルの形状を変形させることが好ましい。
【0008】
画像処理装置では、前記画像処理部は、前記メッシュモデル上に前記髪モデルを生成した場合、前記ポインタによる入力に基づいて、前記髪モデルの位置を変え、既に生成した前記髪モデルを複製して新たに髪モデルを生成し、前記髪モデルの形状を変形させ、及び、前記髪モデルの色を変更する処理を行うことが好ましい。
【0009】
画像処理装置では、前記メッシュモデル作成部は、計時変化に応じて、既に生成した前記メッシュモデルを、前記キャラクターモデルの高さ方向に伸ばす処理を行うことが好ましい。この場合、前記画像処理部は、計時変化に応じた前記メッシュモデルの変形に応じて、前記髪モデルの長さを伸ばす処理を行うことが好ましい。
【0010】
画像処理装置では、前記メッシュモデル作成部は、前記髪モデルの任意の位置が前記ポインタで指定された場合、前記キャラクターモデルの高さ方向において前記ポインタで指定された位置から下側の前記メッシュモデルを削除する処理を行うことが好ましい。この場合、前記画像処理部は、削除された前記メッシュモデルの部分に沿う前記髪モデルを削除する処理を行うことが好ましい。
【0011】
画像処理方法では、コンピュータが、3次元表示されたキャラクターモデルと、ポインタとを表示部に表示する表示ステップと、前記ポインタが操作されることにより入力が行われる入力ステップと、前記表示ステップにおいて3次元表示された前記キャラクターモデルの表面形状に沿うメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成ステップと、前記キャラクターモデルの頭部に接する前記メッシュモデル上に前記ポインタで始点が設定されると共に、メッシュモデルの任意の位置にポインタで終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間の前記ポインタの軌跡に沿い、前記メッシュモデルの表面に沿う予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理ステップと、を実行する。
【0012】
画像処理プログラムは、コンピュータに、3次元表示されたキャラクターモデルと、ポインタとを表示部に表示する表示機能と、前記ポインタが操作されることにより入力が行われる入力機能と、前記表示ステップにおいて3次元表示された前記キャラクターモデルの表面形状に沿うメッシュモデルを作成するメッシュモデル作成機能と、前記キャラクターモデルの頭部に接する前記メッシュモデル上に前記ポインタで始点が設定されると共に、メッシュモデルの任意の位置にポインタで終点が設定された場合、前記始点と前記終点との間の前記ポインタの軌跡に沿い、前記メッシュモデルの表面に沿う予め設定された形状で髪モデルを生成する画像処理機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0013】
上記の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムによれば、髪モデルの形状の自由度を従来に比べて向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る画像処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
図2】キャラクターモデル、メッシュモデル、髪モデルの一例について説明するための図である。
図3】複数の髪モデルを生成した場合の一例について説明するための図である。
図4】髪モデルを変形する場合の例について説明するための第1の図である。
図5】髪モデルを変形する場合の例について説明するための第2の図である。
図6】表示部の表示画面の一例について説明する図である。
図7】画像処理方法について説明するためのフローチャートである。
図8】実施形態の変形例について説明するための第1の図である。
図9】実施形態の変形例について説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る画像処理装置の構成を説明するためのブロック図である。図2は、キャラクターモデル、メッシュモデル、髪モデルの一例について説明するための図である。図3は、複数の髪モデルを生成した場合の一例について説明するための図である。
【0016】
図1に示すように、画像処理装置1は、表示部11と、入力部12と、メッシュモデル作成部13と、画像処理部14と、を備える。画像処理装置1は、表示部11及び入力部12を備えるユーザ端末と、メッシュモデル作成部13及び画像処理部14を備えるサーバとが、通信ネットワークで接続された構成である。又は、画像処理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ等によって実現することができる。メッシュモデル作成部13及び画像処理部14は、不図示の制御部の一機能として実現される。すなわち、メッシュモデル作成部13及び画像処理部14は、例えば、サーバ又はパーソナルコンピュータの処理装置によって実現される。
【0017】
表示部11は、3次元表示されたキャラクターモデル21(図2参照)と、ポインタ111(図2参照)とを表示する。キャラクターモデル21は、例えば、人の形をしたものである。画像処理装置1は、一例として、不図示の記憶部からモデルデータを読み出すことにより、不図示の外部の記録媒体又はネットワークからモデルデータをダウンロードすることにより、又は、画像処理装置1においてモデルデータを作成することにより、表示部11においてキャラクターモデル21を表示することが可能になる。
ポインタ111は、例えば、入力部12の一例としてのマウスのポインタのことである。
【0018】
入力部12は、表示部11に表示されたポインタ111により入力が行われる。入力部12の一例は、上述したように、パーソナルコンピュータに接続するマウスである。また、入力部12は、マウスの他に、キーボードを備えていてもよい。
【0019】
メッシュモデル作成部13は、表示部11に3次元表示されたキャラクターモデル21の表面形状に沿うメッシュモデル22(図2参照)を作成する。メッシュモデル作成部13は、一例として、次のようにメッシュモデル22を作成する。すなわち、メッシュモデル作成部13は、まず、表示部11に表示されたキャラクターモデル21の複数の位置(前後方向及び左右方向に沿って)において初期点列を生成する。次に、メッシュモデル作成部13は、各初期点列からキャラクターモデル21の中心軸に向かう直線と、キャラクターモデル21の表面との交点を計算する。次に、メッシュモデル作成部13は、計算した各交点の間を楕円で補完してメッシュモデル22を作成する。次に、メッシュモデル作成部13は、作成したメッシュモデル22を適宜調整して、キャラクターモデル21に適したメッシュモデル22を作成する。
【0020】
このとき、メッシュモデル作成部13は、メッシュモデル22上に複数の位置(前後方向及び左右方向)に作業点を作成する。メッシュモデル作成部13は、操作可能な1の作業点と、操作不可の複数の作業点とに対して、それぞれ異なる色を付す。メッシュモデル作成部13は、例えば、操作可能な作業点に対して緑色を付し、操作不可の作業点に対して赤色を付す。メッシュモデル作成部13は、操作可能な1の作業点の位置がポインタ111による入力に基づいて移動された場合、その移動に応じてメッシュモデル22を変形するように、メッシュモデル22の再計算等を行う。メッシュモデル作成部13は、操作可能な作業点と、操作不可の作業点を、例えば、ポインタ111による選択に応じて、切り替えることが可能である。
【0021】
画像処理部14は、髪モデル23(図2参照)を生成する。画像処理部14は、一例として、次のように髪モデル23を生成する。まず、表示部11に表示されるポインタ111が入力部12によって操作されることにより、メッシュモデル22上に髪モデル23を生成するための始点と終点が設定される。始点は、キャラクターモデル21の頭部に向かい合う位置のメッシュモデル22上に設定される。終点は、メッシュモデル22上の任意の位置に設定される。次に、画像処理部14は、始点と終点が設定された場合、始点と終点との間のポインタ111の軌跡(ストローク)に沿い、メッシュモデル22の表面に沿って予め設定された形状の髪モデル23を生成する。
【0022】
より具体的な一例としては、メッシュモデル作成部13は、メッシュモデル22(キャラクターモデル21)の3次元表示上で、ポインタ111の軌跡上に複数の点を生成する。次に、メッシュモデル作成部13は、生成した複数の点とメッシュモデル22との交点とを計算する。次に、メッシュモデル作成部13は、各交点に沿って、予め設定された形状で髪モデル23を生成する。
画像処理部14は、適宜設定されることにより、種々の形状の髪モデル23を生成することができる、
【0023】
画像処理部14は、図3に示すように、複数の髪モデル23を生成することが可能である。画像処理部14は、始点及び終点が設定された場合に髪モデル23を生成することを繰り返すことにより、複数の髪モデル23を生成することが可能である。
【0024】
図4は、髪モデルを変形する場合の例について説明するための第1の図である。図5は、髪モデルを変形する場合の例について説明するための第2の図である。
【0025】
画像処理部14は、ポインタ111による入力に基づいてメッシュモデル22が変形された場合、メッシュモデル22の変形に応じて髪モデル23の形状を変形させることが可能である。すなわち、メッシュモデル作成部13は、ポインタ111による入力に基づいて上述した操作可能な作業点が移動され、この作業点の移動に伴ってメッシュモデル22が変形された場合、ポインタ111の入力に応じて、既に作成したメッシュモデル22の形状を変更する。メッシュモデル作成部13は、ポインタ111の入力に応じて、再計算等を行うことにおり、メッシュモデル22の形状を変更することが可能になる。次に、画像処理部14は、変更されたメッシュモデル22の形状に応じて、髪モデル23の形状を変更する。画像処理部14は、メッシュモデル22の変更後の形状に応じて、再計算を行うことにより、髪モデル23の形状を変更することが可能になる。
【0026】
図4に一例を示すように、画像処理部14は、作業点の移動に伴ってメッシュモデル22が横方向に伸ばされた場合、メッシュモデル22の変更に応じて、各髪モデル23の形状を変更する。
同様に、図5に一例を示すように、画像処理部14は、作業点の移動に伴ってメッシュモデル22が高さ方向に伸ばされた場合、メッシュモデル22の変更に応じて、各髪モデル23の形状を変更する。
【0027】
図6は、表示部の表示画面の一例について説明する図である。
画像処理部14は、メッシュモデル22上に髪モデル23を生成した場合、ポインタ111による入力に基づいて、髪モデル23を変更することが可能である。例えば、画像処理部14は、髪モデル23の位置を変える処理、既に生成した髪モデル23を複製して新たに髪モデル23を生成する処理、髪モデル23の形状を変形させる処理、及び、髪モデル23の色を変更する処理を行うことが可能である。
【0028】
画像処理部14は、髪モデル23の位置を変える処理として、例えば、メッシュモデル22上の髪モデル23の位置を上下左右に移動させる処理、及び、複数の髪モデル23の間隔を調整する処理等を行うことが可能である。画像処理部14は、髪モデル23を複製する処理として、例えば、髪モデル23を指定して、指定した髪モデル23を複製して、メッシュモデル22上に1又は複数の新たな髪モデル23を生成することが可能である。画像処理部14は、髪モデル23の形状を変形させる処理として、例えば、髪モデル23の長さ、太さ、及び、厚み等を変更する処理を行うことが可能である。画像処理部14は、髪モデル23の色を変更する処理として、既に生成した髪モデル23の色を、指定された他の色に変更する処理を行うことが可能である。
【0029】
画像処理部14は、髪モデル23の再計算等を行うことにより、上述した処理を実行する。画像処理部14は、表示部11に表示されるパラメータ112がポインタ111等によって調整された場合、そのパラメータ112の調整に応じた処理を実行する。
【0030】
また、画像処理装置1は、計時変化に応じて髪モデル23の長さを伸ばすようにすることが可能である。計時変化は、一例として、画像処理装置1が備える不図示の時計部の計時に応じた変化となる。
【0031】
この場合、メッシュモデル作成部13は、計時変化に応じて、既に生成した前記メッシュモデル22を、キャラクターモデル21の高さ方向に伸ばす処理を行う。メッシュモデル作成部13は、一例として、所定量の計時変化と、メッシュモデル22を高さ方向に伸ばす量とを予め対応付けておき、時間が経過するにしたがって、メッシュモデル22の再計算等を適宜行うことにより、メッシュモデル22を高さ方向に伸ばす処理を行う。
【0032】
画像処理部14は、計時変化に応じたメッシュモデル22の変形に応じて、髪モデル23の長さを伸ばす処理を行う。すなわち、画像処理部14は、上記のようにメッシュモデル22の形状が変更されるのに応じて、髪モデル23の再計算等を行うことにより、髪モデル23の長さを伸ばす処理を行う。
【0033】
また、画像処理部14は、髪が切られたことを再現するために、髪モデル23の一部を削除することが可能である。
この場合、メッシュル作成部は、髪モデル23の任意の位置がポインタ111で指定された場合、キャラクターモデル21の高さ方向において前記ポインタ111で指定された位置から下側のメッシュモデル22を削除する処理を行う。すなわち、メッシュモデル作成部13は、ポインタ111で指定された位置から下側の部分の髪モデル23を削除するために、まず、メッシュモデル22上でのポインタ111の指定位置を特定する。次に、メッシュモデル作成部13は、再計算等を行うことにより、メッシュモデル22上でのポインタ111の指定位置から下側を消去する。これにより、ポインタ111での指定位置よりも上側のメッシュモデル22は、残ったままの状態になる。
【0034】
画像処理部14は、削除されたメッシュモデル22の部分に沿う髪モデル23を削除する処理を行う。すなわち、画像処理部14は、上記のように、ポインタ111による指定位置より下側のメッシュモデル22が無くなるため、髪モデル23を生成するための計算等を行えなくなる。このため、画像処理部14は、ポインタ111による指定位置よりも下側の髪モデル23を削除する。一方、ポインタ111による指定位置よりも上側についてはメッシュモデル22が存在するため、髪モデル23を生成するための計算等を行うことが可能であり、髪モデル23を維持することが可能である。
【0035】
なお、以上のような画像処理装置1の処理は、画像処理装置1に記憶された画像処理プログラムによって実行されてもよい。画像処理プログラムは、表示機能、入力機能、メッシュモデル作成機能及び画像処理機能を画像処理装置1に実現させる。画像処理装置1は、この画像処理プログラムにより、上述した処理を実行することが可能である。画像処理プログラムは、ハードディスク及びメモリ等の種々の記録媒体に記録されることが可能である。
【0036】
図7は、画像処理方法について説明するためのフローチャートである。
画像処理装置1(コンピュータ)は、例えば、以下のステップを実行する。
【0037】
ステップST1として、表示部11は、3次元表示されたキャラクターモデル21と、ポインタ111とを表示する。
【0038】
ステップST2として、入力部12は、ポインタ111が操作されることにより入力が行われる。
【0039】
ステップST3として、メッシュモデル作成部13は、ステップST1において3次元表示されたキャラクターモデル21の表面形状に沿うメッシュモデル22を作成する。
【0040】
ステップST4として、画像処理部14は、キャラクターモデル21の頭部に接するメッシュモデル22上にポインタ111で始点が設定されると共に、メッシュモデル22の任意の位置にポインタ111で終点が設定された場合、髪モデル23を生成する。ここで、画像処理部14は、髪モデル23として、始点と記終点との間のポインタ111の軌跡に沿い、メッシュモデル22の表面に沿う予め設定された形状の髪モデル23を生成する。
【0041】
次に、実施形態の効果について説明する。
画像処理装置1は、メッシュモデル作成部13において、表示部11に3次元表示されたキャラクターモデル21の表面形状に沿うメッシュモデル22を作成し、画像処理部14において、ポインタ111で設定された始点と終点との間のポインタ111の軌跡に沿い、メッシュモデル22の表面に沿って予め設定された形状の髪モデル23を生成する。
これにより、画像処理装置1は、髪モデル23の形状の自由度を従来に比べて向上することができる。すなわち、画像処理装置1は、種々の形の髪モデル23を生成することができる。
また、ユーザにとっては、ポインタ111で指定するだけで髪モデル23が生成される。このため、画像処理装置1は、ユーザに容易な操作を提供することができる。
【0042】
また、画像処理装置1は、画像処理部14においてポインタ111による入力に基づいてメッシュモデル22が変形された場合、メッシュモデル22の変形に応じて髪モデル23の形状を変形させる構成である。
これにより、画像処理装置1は、メッシュモデル22を変形させることにより、髪モデル23の形状を自由に変更することができる。
【0043】
また、画像処理装置1は、画像処理部14において、髪モデル23の位置を変える処理、既に生成した髪モデル23を複製して新たに髪モデル23を生成する処理、髪モデル23の形状を変形させる処理、及び、髪モデル23の色を変更する処理を行う構成である。これらの処理は、表示部11に表示されるパラメータ112を調整することにより実行される。
これにより、画像処理装置1は、生成した髪モデル23を容易に変更することができる。
【0044】
また、画像処理装置1は、メッシュモデル作成部13において、計時変化に応じて、既に生成したメッシュモデル22を、キャラクターモデル21の高さ方向に伸ばす処理を行い、画像処理部14において、計時変化に応じたメッシュモデル22の変形に応じて、髪モデル23の長さを伸ばす処理を行う構成である。
これにより、画像処理装置1は、時間がたつにつれて髪モデル23の長さを伸ばすことができるので、ユーザを楽しませることができる。
【0045】
また、画像処理装置1は、メッシュモデル作成部13において、ポインタ111で位置が指定された場合、指定された位置から下側部分のメッシュモデル22を削除する処理を行い、画像処理部14において、削除されたメッシュモデル22の部分に沿う髪モデル23を削除する処理を行う構成である。
これにより、画像処理装置1は、キャラクターモデル21が髪を切ったような効果を与えることができる。
【0046】
また、画像処理方法では、画像処理装置1(コンピュータ)が、表示ステップと、入力ステップと、メッシュモデル22を作成するメッシュモデル作成ステップと、ポインタ111で設定された始点と終点との間のポインタ111の軌跡に沿い、メッシュモデル22の表面に沿う予め設定された形状で髪モデル23を生成する画像処理ステップと、を実行する。
これにより、画像処理方法は、髪モデル23の形状の自由度を従来に比べて向上することができ、種々の形の髪モデル23を生成することができる。
また、ユーザにとっては、ポインタ111で指定するだけで髪モデル23が生成される。このため、画像処理方法は、画像処理装置1の容易な操作をユーザに提供することができる。
【0047】
また、画像処理プログラムは、画像処理装置1(コンピュータ)に、表示機能と、入力機能と、メッシュモデル22を作成するメッシュモデル作成機能と、ポインタ111で設定された始点と終点との間のポインタ111の軌跡に沿い、メッシュモデル22の表面に沿う予め設定された形状で髪モデル23を生成する画像処理機能と、を実現させる。
これにより、画像処理プログラムは、髪モデル23の形状の自由度を従来に比べて向上することができ、種々の形の髪モデル23を生成することができる。
また、ユーザにとっては、ポインタ111で指定するだけで髪モデル23が生成される。このため、画像処理プログラムは、画像処理装置1の容易な操作をユーザに提供することができる。
【0048】
次に、変形例について説明する。
上記の実施形態は、画像処理装置1において処理を実行してキャラクターモデル21、メッシュモデル22及び髪モデル23を表示部11に表示する例について説明した。しかし、この例に限定されることはない。すなわち、図8に一例を示すように、画像処理装置1は、メッシュモデル作成部13及び画像処理部14等の処理により、キャラクターモデル21と、髪作成モデル31とを作成する。髪作成モデル31は、表示部11上で動くことにより、この髪作成モデル31があたかもキャラクターモデル21に髪を描いているように見せるためのモデルである。髪作成モデル31は入力部12によって操作され、表示部11は入力部12の操作に基づいて髪作成モデル31を動かす処理を行う。メッシュモデル作成部13は、メッシュモデル22を作成するが、好ましくは、そのメッシュモデル22を表示部11に表示させない。画像処理部14は、メッシュモデル22が表示部11に表示されていないが、上記の実施形態と同様に、髪モデル23を生成する。このとき、画像処理部14は、髪作成モデル31の動きに合わせて、髪モデル23を生成する。
【0049】
また、変形例として、表示部11は、VR(Virtual Reality)空間にキャラクターモデル21、メッシュモデル22及び髪モデル23を表示してもよい。この場合、表示部11は、VR区間に上述した髪作成モデル31も表示してもよい。これにより、画像処理装置1は、VR空間においても、髪モデル23を生成する処理を行うことができる。
【0050】
また、画像処理装置1は、髪モデル23を生成するのみではなく、キャラクターモデル21に対して種々の効果を加える処理を行うことができる。例えば、図9に示すように、画像処理装置1の効果処理部(図示せず)は、ポインタ111の代わりにブラシポインタ113を表示させ、入力部12の入力に基づいてブラシポインタ113を操作することにより、キャラクターモデル21上のブラシポインタ113で選択した位置に色を加える処理を行う。この処理により、効果処理部は、例えば、キャラクターモデル21の頬に赤色を加えたり、キャラクターモデル21の眼の色を変更したり等を行うことができる。このような処理は、上述した変形例と同様に、髪作成モデル31の動きに合わせて行うことができ、またVR空間においても行うことができる。
【0051】
なお、上記の実施形態では、人物のキャラクターモデルに髪を加える例について説明した。しかし、この例に限定されることはなく、例えば、キャラクターモデルは動物であってもよい。この場合、画像処理部は、例えば、動物の毛やヒゲのモデルを生成することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 画像処理装置
11 表示部
12 入力部
13 メッシュモデル作成部
14 画像処理部
21 キャラクターモデル
22 メッシュモデル
23 髪モデル
31 髪作成モデル
111 ポインタ
112 パラメータ
113 ブラシポインタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9