(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】ポータブルサーベイメータ及び方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/16 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
G01T1/16 A
(21)【出願番号】P 2018568351
(86)(22)【出願日】2017-06-30
(86)【国際出願番号】 GB2017051935
(87)【国際公開番号】W WO2018002657
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-04-08
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513201572
【氏名又は名称】クリエイト テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREATE TECHNOLOGIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】メラー マシュー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ネピア アシュリー
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-163390(JP,A)
【文献】特開2014-071013(JP,A)
【文献】特開2014-185967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0256080(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0043471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を測定するためのポータブルサーベイメータであって、
放射線の測定を実行するように構成された放射線検出器と、
前記ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離の距離データを少なくとも2次元で測定するように構成された距離センサと、
固定基準フレームとしての前記実際の構造物に対する前記ポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定することによって各測定が既知の位置において実行されるようにするために、前記測定された距離データを基準距離データに整合させるように構成された処理ユニットと、
を備えていることを特徴とするポータブルサーベイメータ。
【請求項2】
前記放射線検出器は、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的位置をソフトウェアが特定するのと同時に測定を実行するように構成されている、
請求項1に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項3】
ユーザが前記ポータブルサーベイメータを前記実際の構造物に対する目標位置に移動させるのに役立つ情報を前記ユーザに出力するように構成された位置フィードバックプロバイダを備えている、
請求項1又は2に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項4】
前記放射線検出器は、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満である時に自動的に測定を実行するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項5】
前記放射線検出器が前記目標位置において前記測定を実行した後に一連の目標位置の中から新たな目標位置を設定するように構成された目標位置設定ユニットを備えている、
請求項4に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項6】
前記目標位置設定ユニットは、ユーザからの前記目標位置をスキップする旨の命令によって前記一連の目標位置の中から新たな目標位置を設定するように構成されている、
請求項5に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項7】
前記距離センサは、LIDAR、SONAR又はRADARを用いて前記距離データを測定するように構成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項8】
前記ポータブルサーベイメータの現在位置において測定を実行するためにユーザが前記放射線検出器に命令することを可能にするように構成された入力装置を備えている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項9】
前記実際の構造物に対する前記ポータブルサーベイメータの瞬間的ヨー、瞬間的ロール及び瞬間的ピッチのうちの少なくとも1つを特定するように構成された配向検出器を備えている、
請求項1から8のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項10】
前記位置フィードバックプロバイダは、前記ユーザが前記ポータブルサーベイメータの前記ヨー、前記ロール及び前記ピッチのうちの少なくとも1つを前記実際の構造物に対する目標ヨー、目標ロール及び目標ピッチにそれぞれ変更するのに役立つ情報を前記ユーザに出力するように構成されている、
請求項3に従属する場合の請求項9に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項11】
前記放射線検出器は、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満であって、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的ヨー、前記瞬間的ロール及び前記瞬間的ピッチのうちの前記少なくとも1つと、目標ヨー、目標ロール及び目標ピッチとの間の差分がそれぞれ閾値ヨー差分、閾値ロール差分及び閾値ピッチ差分未満である時に、自動的に測定を実行するように構成されている、
請求項9又は10に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項12】
前記ポータブルサーベイメータの床上の瞬間的高さを特定するように構成された高さ検出器を備えている、
請求項1から11のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項13】
位置フィードバックプロバイダは、ユーザが前記ポータブルサーベイメータの前記高さを前記床に対する目標高さに変更するのに役立つ情報を前記ユーザに出力するように構成されている、
請求項12に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項14】
前記放射線検出器は、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満であって、前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的高さと目標高さとの間の差分が閾値高さ差分未満である時に、自動的に測定を実行するように構成されている、
請求項12又は13に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項15】
前記放射線検出器は、所定の期間にわたって受け取られたあらゆる方向からの放射線の量を検出することによって測定を実行するように構成されている、
請求項1から14のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項16】
各放射線測定が実行された前記ポータブルサーベイメータの前記位置を前記放射線測定に関連付けて記録するように構成されたローカルメモリを備えている、
請求項1から15のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項17】
前記処理ユニットは、調査領域のモデルを少なくとも2次元で構築するために、前記測定された距離データを前記基準距離データにリアルタイムで整合させるように構成されている、
請求項1から16のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項18】
前記モデルを前記ユーザに表示するように構成されたディスプレイを備えている、
請求項
17に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項19】
前記固定基準フレーム内における前記ポータブルサーベイメータの前記瞬間的位置を示す情報をユーザに出力するように構成されたディスプレイを備えている、
請求項1から17のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項20】
前記処理ユニットは、一定期間にわたる前記ポータブルサーベイメータの位置及び/又は配向の変化を測定するために、前記測定された距離データを前回の距離データと最適に整合させる並進及び回転を計算するように構成されている、
請求項1から19のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項21】
前記ポータブルサーベイメータはハンドヘルド型である、
請求項1から20のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項22】
前記放射線検出器は、電離放射線の測定を実行するように構成されている、
請求項1から21のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項23】
前記放射線検出器は、環境放射線の測定を実行するように構成されている、
請求項1から22のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項24】
各測定と、該測定が実行された前記ポータブルサーベイメータの前記位置とを示す情報を外部メモリに送信するように構成されたデータアップローダを備えている、
請求項1から23のいずれか一項に記載のポータブルサーベイメータ。
【請求項25】
放射線を測定する方法であって、
ポータブルサーベイメータを用いて放射線の測定を実行するステップと、
前記ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離の距離データを少なくとも2次元で測定するステップと、
固定基準フレームとしての前記実際の構造物に対する前記ポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定することによって各測定が既知の位置において実行されるようにするために、前記測定された距離データを基準距離データに整合させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を測定するためのポータブルサーベイメータ及び方法に関する。具体的には、本発明の実施形態は、核施設などの領域内で空間的に記録された放射線測定値を収集する自律的なポータブルサーベイメータに関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質を収容する施設を稼働又は閉鎖する際には、環境及びその環境に進入するあらゆる人々に対する放射能の影響を割り出すことができるように、しばしば放射能の分布を理解することが必要である。このような施設の物理的特性を求める必要があることも多い。通常、この情報を求めるための従来法は大型の設備を必要とし、施設周辺の様々な位置におけるマーカー又は固定基準点などの外部基準に依拠する。この方法は、潜在的に汚染された環境では認められず又は実際的でないことが多い。
【0003】
施設の放射線調査は、位置及び測定値を記録しながら行うことができる。その後の時点で、放射線の分布がどのように変化したかを特定するために調査を繰り返すことが望ましいと考えられる。放射線測定値は、測定値を採取する位置によって変化する。従って、反復調査で行われる測定では、前回の調査と同じ位置から測定値を採取することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、調査中の施設とは無関係な、いずれの外部入力又は外部基準にも依拠せずに展開できる形で空間データと放射線データの両方を収集する方法を提供することによってこの問題を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の1つの態様は、放射線を測定するためのポータブルサーベイメータであって、
放射線の測定を実行するように構成された放射線検出器と、
ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離の距離データを少なくとも2次元で測定するように構成された距離センサと、
固定基準フレームとしての実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定することによって各測定が既知の位置において実行されるようにするために、測定された距離データを基準距離データに整合させるように構成された処理ユニットと、
を含むポータブルサーベイメータを提供する。
【0007】
本発明の別の態様は、放射線を測定する方法であって、
ポータブルサーベイメータを用いて放射線の測定を実行するステップと、
ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離の距離データを少なくとも2次元で測定するステップと、
固定基準フレームとしての実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定することによって各測定が既知の位置において実行されるようにするために、測定された距離データを基準距離データに整合させるステップと、
を含む方法を提供する。
【0008】
従属請求項には、本発明の他の任意の態様を規定する。
【0009】
本発明の実施形態では、調査における放射線測定の空間的位置を従来の放射線調査よりも正確に記録することができる。本発明の実施形態は、調査をいかに正確に反復できるかを改善するものと見込まれる。
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態をほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態によるポータブルサーベイメータを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によるポータブルサーベイメータのLIDARの走査面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に、本発明の実施形態によるポータブルサーベイメータを概略的に示す。任意に、このポータブルサーベイメータは、放射線を測定するためのものである。任意に、このポータブルサーベイメータは、放射能汚染をチェックするためのものである。或いは、このポータブルサーベイメータを用いて、騒々しい工業作業場周辺の反復的騒音レベル調査(すなわち、音響強度の測定)を行うこともできる。
【0013】
このポータブルサーベイメータは、空間的に記録された放射線測定値を収集する方法において使用することができる。任意に、ポータブルサーベイメータは、放射線検出器7を含む。或いは、ポータブルサーベイメータは、音響強度の騒音測定を行うように構成されたノイズ検出器を含むこともできる。
【0014】
任意に、放射線検出器7は、電離放射線の測定(例えば、放射線測定)を行うように構成される。放射線検出器7は、電離放射線のレベルを測定する手段である。これに加えて、又はこれとは別に、放射線検出器7は、非電離放射線の測定を行うようにも構成される。
【0015】
任意に、ポータブルサーベイメータは、距離センサ1、2を含む。距離センサ1、2は、ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離の距離データを少なくとも2次元で測定するように構成される。この距離データは、固定基準フレームとしての実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定するアルゴリズムによって解釈される。距離センサは、実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの位置を特定するアルゴリズムを実行するソフトウェアを兼ね備える。従って、各放射線測定が既知の位置で行われる。
【0016】
ソフトウェアを兼ね備えた距離センサ1、2は、ポータブルサーベイメータを取り囲む実際の構造物に対する(検出器と呼ぶこともできる)ポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定する手段である。
【0017】
各距離センサ1、2は、ポータブルサーベイメータから壁などの実際の物体まで距離(すなわち、範囲)を測定するように構成される。距離センサ1、2は、ポータブルサーベイメータが実際の構造物から異なる方向にどれほど離れているかに関する時変距離データを測定するように構成される。具体的に言えば、第1の距離センサ1は、実際の物体までの距離をXY平面において測定するように構成される。その後、この距離データを用いて、実際の物体に対するポータブルサーベイメータの位置を特定する。この特定は、距離データを実際の構造物に関する既知の情報に整合(aligning)させることによって行うことができる。
【0018】
例えば、距離データは、ポータブルサーベイメータからある部屋の一連の地点までの距離に関する情報を提供することができる。その後、その部屋の地図に距離データを整合させることによってポータブルサーベイメータの位置を特定することができる。部屋の地図は、実際の構造物のレイアウトに関する既知の情報の一例である。従って、測定された距離データは、実際の構造物に対する位置情報を提供するように解釈される。この解釈は、距離データを基準距離データ(例えば、地図)に整合させることによってポータブルサーベイメータの動きを推定するように構成されたアルゴリズムを実行するソフトウェアによって行われる。
【0019】
測定された距離データを基準距離データ(例えば、実際の構造物の地図)に整合させることによって、固定基準フレームとしての実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの位置を特定することができる。この方法は、GPS、ラジオビーコン法及びQRコード(登録商標)リーダなどの他の位置検出手段とは異なる。GPS、ラジオビーコン法及びQRコード(登録商標)リーダは、ある座標系内の既知の位置を有する衛星、ビーコン又はQRコード(登録商標)までの距離を測定することに依拠する。この座標系内で複数の衛星、ビーコン又はQRコード(登録商標)までの距離を測定し、リーダの位置を特定する方程式を解くことによって、リーダの位置を特定することができる。これらの方法は、測定された衛星、ビーコン又はQRコード(登録商標)までの距離を基準距離データに整合させるものではない。
【0020】
本発明では、位置特定の目的で実際の物体を設置する必要がない。具体的に言えば、本発明は、いかなる衛星、ビーコン又はQRコード(登録商標)も必要としない。実際の構造物は、衛星、ビーコン又はQRコード(登録商標)ではない。代わりに、そこにちょうど存在する物体までの距離を距離センサ1、2が測定する。別の座標系内の物体の位置は分からなくてもよい。実際の構造物自体が固定基準フレームになるように、測定された距離データを基準距離データに整合させる。
【0021】
距離データの整合は、現在の距離データと1又は2以上の基準距離データ例との間の変換を計算できるいずれかのアルゴリズムによって行うことができる。本出願では、放射線測定装置の物理的空間及び電力要件を低く保つことができるように、このようなアルゴリズムが計算要件を最小限に保つように設計されることが好ましい。水平面距離データを整合させるのに特に適したアルゴリズムについて説明する。
【0022】
1)(現在の又は基準の)水平面距離データの各例は、基準データとの比較よりもむしろデータの固有特性に基づいて「回転正規化」されたものである。これにより、整合問題空間の次元が3次元(X、Y、シータ)から2次元(X、Y)に低減される。人為的環境における固有配向を測る正しい尺度は、回転候補を適用して距離データのX値及びY値の1次元ヒストグラムHを計算した後に、(Hの和にHの自然対数を乗じることによって近似させた)このヒストグラムのエントロピーを計算することである。固有配向は、エントロピースコアを最小化するものである。なお、この配向尺度は90度の回転まで不変であるため、90度の配向範囲にわたってサーチすればよい。
【0023】
2)次に、現在の距離データのX及びYヒストグラムと基準距離データのX及びYヒストグラムとを比較することによって2次元サーチを2つの1次元サーチに低減することができる。現在のデータのX軸を基準走査に整合させるには、Xoに対するF(Rx(X)、Cx(X+Xo))の最大値をサーチすれば十分であり、ここでのFは、ヒストグラムの整合時に出力が最大になる類似性尺度関数であり、Rx(X)は、基準データのX値のヒストグラムであり、Cx(X)は、現在のデータのヒストグラムであり、Xoは、基準データと現在のデータとの間のXオフセットの候補値である。Fは、ヒストグラム間又は確率分布間のあらゆる類似性尺度とすることができ、最も単純な方法は、2つの入力ヒストグラムのドット積である。この方法は計算コストが低いので、一般にしらみつぶしサーチ(exhaustive search)によってF(Rx(i)、Cx(i+Xo))を最大化することができる。なお、90度回転に関する配向正規化ステップの対称性に起因して、基準データと現在のデータとの間には90度の倍数の配向シフトが存在し得るので、Cx(i)をRx(i)と比較し、Cy(i)をRy(i)と比較するだけでは不十分である。これは、考えられる4つの配向全てを個別に整合させ、整合スコアが最も高い配向を真の配向として採用することによって解決することができる。これらの4つの整合は、Cx(i)をRx(i)と比較してCy(i)をRy(i)と比較し、Cx(i)をRy(i)と比較してCy(i)をRx(-i)と比較し、Cx(i)をRx(-i)と比較してCy(i)をRy(-i)と比較し、Cx(i)をRy(-i)と比較してCy(i)をRx(i)と比較することによって実施することができる。
【0024】
上記に関連するアルゴリズムは、ステップ2が垂直方向のみに制限される場合には垂直liderデータについても有効である。説明したように、このアルゴリズムは、現在のデータが基準データと大幅に重複する事例に制限される。そうでない場合には、キーフレームの概念を導入することによってアルゴリズムを拡張することができる。現在の距離データが基準データから所定の距離閾値だけオフセットされていると分かっている場合、又は類似性スコアが所定の閾値よりも低い場合には、現在のフレームを「キーフレーム」として指名する。その後の距離データは、元々の基準データではなく最新のキーフレームに合わせて記録される。次に、現在のデータと現在のキーフレームとの間の変換を(それ自体が他の中間キーフレームの変換に依存し得る)現在のキーフレームと基準フレームとの間の変換と組み合わせることによって、元々の基準データと現在のデータとの間の整合を推定することができる。
【0025】
任意に、ポータブルサーベイメータは、ポータブルサーベイメータが範囲内をあちこち移動するにつれて3Dモデルを生成できるように空間データを連続記録する手段を含む。
【0026】
放射線データ及び幾何学的データの測定は、センサ(例えば、放射線検出器7と距離センサ1、2)の組み合わせを用いて行うことができる。幾何学的データを提供するセンサは、実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの位置及び配向を6自由度で特定するように構成することができる。しかしながら、これは必ずしもそうでなくてもよい。幾何学的データを提供するセンサは、ポータブルサーベイメータの位置を2自由度(例えば、水平面)、3自由度(例えば、水平面及び垂直面)、4自由度(例えば、ポータブルサーベイメータの水平面、垂直面及びヨー)、又は5自由度(例えば、ポータブルサーベイメータの水平面、垂直面及びピッチ、ヨー)で特定するように構成することもできる。
【0027】
図1に示すように、ポータブルサーベイメータは、任意に2つの距離センサ1、2を含む。しかしながら、これは必ずしもそうでなくてもよい。別の実施形態では、ポータブルサーベイメータが1つの距離センサ1しか含まず、又は2つよりも多くのセンサを含む。
【0028】
任意に、第1の距離センサ1は、ポータブルサーベイメータから実際の構造物までの距離のデータを水平(XY)面内で測定するように構成される。任意に、距離センサ1、2は、光検出及び測距(LIDAR)、音ナビゲーション及び測距(SONAR)、又は無線検出及び測距(RADAR)を用いて距離データを測定するように構成される。第1の距離センサ1は、LIDAR計器、SONAR計器又はRADAR計器とすることができる。第1の距離センサ1は、ポータブルサーベイメータからポータブルサーベイメータを取り囲む実際の構造物までの距離を測定することができる。
【0029】
第1の距離センサ1がLIDAR計器である場合、LIDAR計器は、
図2に示すZ軸の周囲でX軸に対して角度シータを成して回転するように構成される。第1の距離センサ1は、XY平面を走査して、LIDAR計器によって放出され表面から反射されたレーザーパルスの飛行時間に基づいて最も近い表面に対して角度シータで一連の距離測定を行うように構成される。現在の距離データを前回の(例えば、最初の)距離データと最適に整合させる並進及び回転を計算することにより、一定期間にわたるポータブルサーベイメータの位置の変化を測定することができる。測定された距離データの整合先である基準距離データは、調査の開始時に測定された最初の距離データとすることができる。従って、調査すべき領域の地図が分かっている必要はない。たとえこのような地図を使用しなくても、調査中に領域のモデルを構築することができる。
【0030】
本発明のサーベイメータは、ポータブルであるように設計される。ポータブルサーベイメータは、ハンドヘルド型とすることができる。この結果、ポータブルサーベイメータが調査全体を通じてXY平面内に固定されたままではなく、及び/又はポータブルサーベイメータが垂直に移動し得る可能性もある。さらに、ポータブルサーベイメータが傾いて、誤った周囲世界の印象をもたらす恐れもある。これを防ぐために、任意に、(水平位置測定装置と呼ぶこともできる)第1の距離センサ1からの出力を後述するように傾斜について補正する。
【0031】
ポータブルサーベイメータは、任意に配向検出器3を含む。配向検出器3は、実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの瞬間的ヨー、瞬間的ロール及び瞬間的ピッチのうちの少なくとも1つを特定するように構成される。配向検出器3は、XYデータに補正係数を適用して水平面がより正確に表されることを保証できるようにポータブルサーベイメータの傾斜を測定するよう構成される。任意に、配向検出器は、少なくとも6自由度を測定するように構成された慣性測定ユニット(IMU)である。任意に、ポータブルサーベイメータは、配向精度を改善するための磁力計を含む。
【0032】
任意に、ポータブルサーベイメータは、機械的安定化装置を含む。任意に、機械的安定化装置は、あらゆる傾斜を阻止又は低減するようにポータブルサーベイメータの残り部分に適合される。
【0033】
任意に、ポータブルサーベイメータは、位置フィードバックプロバイダを含む。位置フィードバックプロバイダは、ユーザがポータブルサーベイメータを実際の構造物に対する目標位置及び/又は目標配向に動かすのに役立つ情報をユーザに出力するように構成される。任意に、位置フィードバックプロバイダは、ユーザがポータブルサーベイメータのヨー、ロール及びピッチのうちの少なくとも1つを目標ヨー、目標ロール及び目標ピッチにそれぞれ変更するのに役立つ情報をユーザに出力するように構成される。任意に、位置フィードバックプロバイダは、ユーザがあらゆる傾斜を手動で補正できるようにするフィードバックを提供するように構成される。
【0034】
IMUを配向検出器3として使用する場合には、ポータブルサーベイメータの瞬間的ピッチ、ロール及びヨーを、第1の距離センサ1によって測定されたデータと組み合わせた時に6自由度のうちの5つ(X、Y、ピッチ、ロール及びヨー)が既知となるように測定することができる。
【0035】
Z方向における検出器の位置、又は地面よりも上の高さを求めるには、別のセンサ、すなわち第2の距離センサ2が必要である。任意に、第2のLIDAR、SONAR又はRADAR検出器を使用することができる。任意に、ポータブルサーベイメータは、(メイン処理ユニットとも呼ばれる)処理ユニット4を含む。ポータブルサーベイメータの(垂直から離れた)角度が分かると、地面が平坦であるという仮定を利用して、三角法を用いてポータブルサーベイメータの高さを計算することができる。任意に、処理ユニット4は、配向検出器3によって測定されたポータブルサーベイメータの角度に基づいてポータブルサーベイメータの高さを計算するように構成される。任意に、第2の距離センサ2は、第1の距離センサ1にしっかりと取り付けられる。距離センサ1、2によって出力されたデータを用いて3Dモデルを構築することができる。6つの自由度が全て分かると、処理ユニット4は、3Dモデル内のポータブルサーベイメータの位置を正確にプロットすることができる。任意に、処理ユニット4は、第1の距離センサ1から、また第2の距離センサ2が提供される場合には第2の距離センサ2からも距離データを受け取るように構成される。処理ユニット4は、距離データを前回の距離データ(恐らくは最初の距離データ)と比較するように構成される。処理ユニット4は、現在の距離データを前回の(最初の)距離データに最適に整合させる並進及び回転を計算して、一定期間にわたるポータブルサーベイメータ位置及び/又は配向の変化を測定するように構成される。或いは、距離データを比較して並進及び回転を計算して位置の変化を測定する工程は、ポータブルサーベイメータから遠隔に位置するプロセッサによって行うこともできる。
【0036】
これとは別に、又はこれに加えて、ポータブルサーベイメータは、ポータブルサーベイメータの瞬間的な床上の高さを求めるように構成された高さ検出器も含む。任意に、高さ検出器は、Z方向の位置の変化と共に予想通りに変化する特性を直接測定するセンサである。例えば、ポータブルサーベイメータは、任意に気圧センサを含む。
【0037】
放射線データは、例えばガイガーミュラー管、総数検出器又はシンチレータなどの好適な放射線検出器7を用いて収集される。測定される放射線のタイプはガンマ線に限定されず、1又は複数のあらゆるタイプの電離放射線又は非電離放射線とすることができる。装置は、上述した距離センサ1、2及びソフトウェアによって特定される記録位置において照射場の一連の測定値を収集する。任意に、放射線検出器7は、距離センサ1、2にしっかりと取り付けられる。
【0038】
距離センサ1、2、ソフトウェア及び放射線検出器7の各々からの出力は、施設、一連の放射線測定値及びモデル内の各放射線測定の位置を表す(任意にポータブルサーベイメータの配向に対して補正された)座標の組の2次元又は3次元モデルを提供する。任意に、ポータブルサーベイメータは、ローカルメモリを含む。ローカルメモリは、各放射線測定が行われたポータブルサーベイメータの位置を放射線測定に関連付けて記録するように構成される。この情報は、後の時点でさらなる処理又は操作のために取り出すことができるように、ポータブルサーベイメータに搭載された好適な記憶装置に記憶される。
【0039】
任意に、ポータブルサーベイメータは、データアップローダを含む。データアップローダは、各放射線測定値と、放射線測定が行われたポータブルサーベイメータの位置とを示す情報を外部メモリに送信するように構成される。
【0040】
この工程の任意の最終ステージは、上述したポータブルサーベイメータによって収集された情報を利用して施設内の放射線源の分布を予測することである。これを行うために、欧州特許第2074442号に概説されている方法を使用することができる。
【0041】
図1に示すポータブルサーベイメータは、距離センサ1、2として一方がXZ垂直面を走査して他方がXY水平面を走査するように取り付けられた2つのLIDARセンサを含む装置である。2つの距離センサ1、2を有することは本質的な特徴ではない。別の実施形態では、ポータブルサーベイメータが、ポータブルサーベイメータの位置を2次元で(すなわち、XY平面で)特定できるような1つの距離センサ1しか含まない。任意に、ポータブルサーベイメータは、ポータブルサーベイメータの高さを測定するように構成された高さ検出器を含む。これらの実施形態では、LIDARデータを用いて、各走査中に連続するLIDARエコー間のベクトルでヒストグラムが構成されるようにロール補正の精度及び安定性を改善する。90度だけ分離したヒストグラムには、実際の構造物としての床/天井及び壁を表すピークが現れる。周囲領域の構造が基本的に走査間で変化しないと仮定すると、連続走査から取得されるヒストグラムは類似するが、ユニットのロール角のあらゆる変化によってオフセットされる。従って、これにより、配向検出器3としてのIMUから取得されたデータを精細化するために使用される、ロール角の変化を検出して補正する手段がもたらされる。
【0042】
他の実施形態では、SONAR、RADAR又は他の形態の走査又は開始距離測定センサを使用することができる。この実施形態では、(放射線センサとも呼ばれる)放射線検出器7としてガイガーミュラー管が使用される。しかしながら、他の実施形態では、例えば放射線検出器7を、用途に必要な非平行総数ガンマ放射線センサ(uncollimated total-counts gamma radiation sensor)、非平行総吸収線量放射線センサ(un-collimated total absorbed dose radiation sensor)又は他のいずれかのタイプの放射線検出器とすることができる。任意に、放射線検出器7は、所定の期間にわたって受け取られたあらゆる方向からの放射線量を検出することによって放射線測定を行うように構成される。放射線検出器7によって検出される放射線はガンマ放射線に限定されず、1又は複数のあらゆるタイプの電離放射線又は非電離放射線とすることができる。
【0043】
任意に、放射線検出器7、距離センサ1、2及び配向検出器3は共に取り付けられる。任意に、ポータブルサーベイメータは、フレーム11を含む。放射線検出器7、距離センサ1、2及び配向検出器3は、相対的に固定されるようにフレーム11上に取り付けることができる。フレーム11は、ハンドヘルド型とすることができる。フレーム11は、例えば長いポール、或いはロボットアームを含む遠隔制御可能なプラットホーム又はクワッドコプターなどの遠隔作業機などの遠隔展開プラットホーム上に取り付けることができる。このことは、予想放射線レベルが高過ぎて人間が進入できない領域における展開が必要な場合に特に有利となり得る。
【0044】
上述したように、ポータブルサーベイメータは、任意に位置フィードバックプロバイダを含む。任意に、ポータブルサーベイメータは、位置フィードバックプロバイダの一部を成すことができるディスプレイ8を含む。ディスプレイ8は、ユーザを次の目標位置(すなわち、測定点)に導く命令を表示できるようにフレーム11に取り付けることができる。
【0045】
任意に、位置フィードバックプロバイダは、ユーザがポータブルサーベイメータの高さを床に対する目標高さに変更するのに役立つ情報をユーザに出力するように構成される。
【0046】
任意に、放射線検出器7は、ポータブルサーベイメータの瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満である時に放射線測定を自動的に実行するように構成される。換言すれば、ポータブルサーベイメータが意図する位置(すなわち、目標位置)に十分に近くなると自動的に測定が引き起こされる。しかしながら、測定を自動的に行う必要はない。
【0047】
任意に、ポータブルサーベイメータは、ユーザが放射線検出器7にポータブルサーベイメータの現在位置において放射線測定を行うために命令することを可能にするように構成された入力装置を含む。
図1に示す実施形態では、入力装置がトリガ10である。トリガ10は、正しい位置にある時に、ポータブルサーベイメータによる空間的にタグ付けされた放射線測定値の採取を引き起こす入力をユーザが提供できるように設けられる。或いは、他のユーザ入力手段によって測定を引き起こすこともできる。
【0048】
任意に、放射線検出器7は、ソフトウェアを兼ね備えた距離センサ1、2がポータブルサーベイメータの瞬間的位置を特定するのと同時に放射線測定を行うように構成される。従って、各放射線測定値は空間的にタグ付けされる。各放射線測定値は、ポータブルサーベイメータの位置と、任意にその配向とに関する情報と共に記憶される。
【0049】
任意に、ポータブルサーベイメータはハンドル5を含む。このハンドルは、ユーザが調査を行うために施設をあちこち移動しながらポータブルサーベイメータを容易に保持できるようにする。
【0050】
任意に、ポータブルサーベイメータはバッテリ6を含む。バッテリ6は、ポータブルサーベイメータの電源として提供される。任意に、ポータブルサーベイメータはスイッチ9を含む。スイッチ9は、ポータブルサーベイメータの電源スイッチである。
【0051】
ポータブルサーベイメータは、モデル化すべき施設に運ばれ、スイッチ9を用いて電源を入れられる。電源投入シーケンスが完了すると、自動的に調査を開始することができる。ポータブルサーベイメータは、距離センサ1、2がそれぞれの測定平面内における実際の構造物までの距離を記録し、配向検出器3が相対的位置及び配向を連続して記録する形で位置データを記録し始める。このデータは、処理ユニット4内の記憶媒体に記憶されるとともに、調査領域の2Dモデルを構築するアルゴリズムを用いてリアルタイムで処理される。任意に、処理ユニット4は、固定基準フレームとしての実際の構造物に対するポータブルサーベイメータの瞬間的位置を少なくとも2次元で特定するために、測定された距離データを基準距離データに整合させるように構成されたソフトウェアを含む。
【0052】
処理では、Z軸に沿って狭い間隔を空けた観察点から構造が少し異なって見えるというマンハッタンワールド仮説が使用される。このモデルは、処理ユニット4内に保持される。処理ユニット4には、施設構造に対する一連の目標位置(すなわち、一連の調査位置)も読み込まれる。
【0053】
任意に、ポータブルサーベイメータは、処理ユニット4内に具現化できる目標位置設定ユニットを含む。処理ユニット4が施設構造内における自機の位置を特定できるほど十分に2Dモデルが構築されると、次の調査位置までの方向及び距離がディスプレイ8上に示される。任意に、目標位置設定ユニットは、放射線検出器7が目標位置において放射線測定を行った後に、一連の目標位置の中から新たな目標位置を設定するように構成される。任意に、目標位置設定ユニットは、ユーザからの目標位置をスキップする旨の命令によって一連の目標位置の中から新たな目標位置を設定するように構成される。
【0054】
他の実施形態では、測定順を重要とせず、ポータブルサーベイメータが、順番上の次の測定点ではなく最も近い測定点にユーザを導くこともできる。ポータブルサーベイメータが所望の測点に来ると、自動的に、又はユーザがトリガ10を押したことに基づいてオンデマンドで測定が行われる。実施形態は、ユニットが測点から離れすぎている時に測定が行われるのを防ぐソフトウェアインターロックを特徴とすることも、或いは必要な調査位置の許容距離内にセンサが存在する時には、測定が自動的に引き起こされることを支持してユーザ入力を排除することもできる。
【0055】
任意に、放射線検出器7は、ポータブルサーベイメータの瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満であって、ポータブルサーベイメータの瞬間的ヨー、瞬間的ロール及び瞬間的ピッチのうちの少なくとも1つと目標ヨー、目標ロール及び目標ピッチとの間の差分がそれぞれ閾値ヨー差分、閾値ロール差分及び閾値ピッチ差分未満である時に、自動的に放射線測定を行うように構成される。
【0056】
任意に、放射線検出器7は、ポータブルサーベイメータの瞬間的位置と目標位置との間の差分が閾値位置差分未満であって、ポータブルサーベイメータの瞬間的高さと閾値高さとの間の差分が閾値高さ差分未満である時に、自動的に放射線測定を行うように構成される。
【0057】
実施形態は、測定の進行及び完了を示す視覚フィードバック、音声フィードバック又はその他の感覚フィードバックをオペレータに提供することができる。各放射線測定が完了すると、その放射線測定には、LIDARセンサ及びIMUから計算されて、処理ユニット4に取り付けられた記憶装置に記憶された、2D領域モデルに対する位置がタグ付けされる。
【0058】
施設は、建物内の単一の部屋、複数の部屋、ビル壁部の外面、或いは固有の幾何学的センサ、すなわち距離センサ1、2及び配向検出器3を用いて位置及び配向を特定できる、未知の放射性物質分布を含む実際に全ての3次元環境とすることができる。「領域」という一般用語は、このような放射性物質の分布を特定するように意図されたあらゆる施設又は空間について使用するものである。
【0059】
必要な観察回数はオペレータの調査要件によって決まるが、このユニットが提供する自動化された空間的記録及びユーザフィードバックは、既存の手動法と比較した時に同じ時間内で多くの測点の記憶を容易にする。
【0060】
データ収集の完了後には、これらのデータが解析のために装置から別個のコンピュータシステムに転送される。収集されたデータは、調査領域内の複数の位置における線量情報を提供する。このデータは、施設の間取図上に各測定位置を単純に近似的にマーク付けする手動で行われる放射線調査によって取得されるデータと本質的に類似するが、本発明のこの実施形態を使用することにより、各測定の空間的位置が従来の放射線調査よりもはるかに正確に記録される。
【符号の説明】
【0061】
1 第1の距離センサ
2 第2の距離センサ
3 配向検出器
4 処理ユニット
5 ハンドル
6 バッテリ
7 放射線検出器
8 ディスプレイ
9 スイッチ
10 トリガ
11 フレーム