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特許7137553凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置
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  • 特許-凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置 図1
  • 特許-凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置 図2
  • 特許-凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置 図3A
  • 特許-凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】凝縮気化および非凝縮気化を用いたエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20220907BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20220907BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220907BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F47/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019500378
(86)(22)【出願日】2017-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2017054018
(87)【国際公開番号】W WO2018007936
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】15/205,775
(32)【優先日】2016-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,マイケル・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,パーシー
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,エルシリア・エルナンデス
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/079197(WO,A1)
【文献】特表2006-524494(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121143(WO,A1)
【文献】米国特許第06158431(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
A61M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、
少なくとも1つのハウジング内に収容され、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成するように構成された第1の要素および第2の要素であって、凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である、当該第1の要素および第2の要素と、
第1の要素または第2の要素に導かれたエアロゾル前駆体の量がエアロゾル送達装置の使用者により調整されるように、リザーバからエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成された制御弁と、
を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
第1の要素および第2の要素がそれぞれ、それぞれ加熱作用および機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータおよび電気機械装置である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
少なくとも1つのハウジング内に収容された第1の要素および第2の要素が、少なくとも1つのハウジングに取り外し可能に連結された第1の要素および第2の要素を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
リザーバが再充填可能であり、少なくとも1つのハウジングが、リザーバを再充填するためにエアロゾル前駆体組成物の対応する容器のみと嵌合可能なポートをさらに画定する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
第1の要素が、リザーバからエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素と、作動して液体輸送要素によってそのように輸送されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータとを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
第2の要素が、非凝縮蒸気を形成し、第1の要素に導くように構成され、第1の要素が、作動し、非凝縮蒸気の成分を気化させて、それにより凝縮蒸気を形成するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
第1の要素と第2の要素との間の距離が、1ミリメートルから10センチメートルの範囲である、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
作動するように構成されている第1の要素が、非凝縮蒸気が第1の要素に導かれるのと同時に作動するように構成されていることを含む、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れが、空気の流れの速度に基づいて、非凝縮蒸気に向かって導かれる、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
エアロゾル送達装置であって、
エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、
少なくとも1つのハウジング内に収容された第1の要素および第2の要素であって、第2の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより非凝縮蒸気を形成するように構成され、第1の要素が、非凝縮蒸気を改質するように構成され、その非凝縮蒸気が、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である、当該第1の要素および第2の要素と、
第1の要素または第2の要素に導かれたエアロゾル前駆体の量がエアロゾル送達装置の使用者により調整されるように、リザーバからエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成された制御弁と、
を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項11】
第1の要素および第2の要素がそれぞれ蒸気改質要素および電気機械装置であり、電気機械装置が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成され、蒸気改質要素が、水分除去作用によって非凝縮蒸気を改質するように構成されている、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
第1の要素および第2の要素がそれぞれ蒸気改質要素および電気機械装置であり、電気機械装置が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成され、蒸気改質要素が、非凝縮蒸気に揮発性香味を注入することによって非凝縮蒸気を改質するように構成されている、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
蒸気改質要素である第1の要素が、水分除去作用および香味注入作用によって、それぞれ非凝縮蒸気を改質するように構成された乾燥管または香味改質器のうち少なくとも1つを含む、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
第3の要素をさらに含み、第3の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより凝縮蒸気を形成するように構成され、第1の要素が、凝縮蒸気または非凝縮蒸気を改質するようにさらに構成され、その凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
第2および第3の要素がそれぞれ、それぞれ機械的作用および加熱作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された電気機械装置およびヒータであり、第1の要素が、凝縮蒸気または非凝縮蒸気に揮発性香味を注入することによって凝縮蒸気または非凝縮蒸気を改質するように構成された蒸気改質要素である、請求項14に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項16】
エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含むエアロゾル送達装置を制御する方法であって、方法が、
第1の要素および第2の要素を作動させることと、そのように作動させられた第1の要素および第2の要素では、
エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって、凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成することであって、第1の要素および第2の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である、気化させることとを含み、
エアロゾル送達装置は、第1の要素または第2の要素に導かれたエアロゾル前駆体の量がエアロゾル送達装置の使用者により調整されるように、リザーバからエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成された制御弁をさらに含む、
方法。
【請求項17】
第1の要素および第2の要素がそれぞれヒータおよび電気機械装置であり、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させることが、それぞれ加熱作用および機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含むエアロゾル送達装置を制御する方法であって、方法が、
第1の要素および第2の要素を作動させることと、そのように作動させられた第2の要素では、
少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより非凝縮蒸気を形成することと、そのように活性化された第1の要素では、
非凝縮蒸気を改質することであって、その非凝縮蒸気が、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である、改質することとを含み、
エアロゾル送達装置は、第1の要素または第2の要素に導かれたエアロゾル前駆体の量がエアロゾル送達装置の使用者により調整されるように、リザーバからエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成された制御弁をさらに含む、
方法。
【請求項19】
蒸気改質要素である第1の要素が、水分除去作用および香味注入作用によって、それぞれ非凝縮蒸気を改質するように構成された乾燥管または香味改質器のうち少なくとも1つを含み、第2の要素が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された電気機械装置である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾルの生成のために電気的に発生させた熱を利用してもよい喫煙品(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)などのエアロゾル送達装置に関する。喫煙品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコをかなりの程度燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7726320号明細書およびCollettらの米国特許第8881737号明細書に記載の背景技術に述べられている様々な代替の喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々なタイプの喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源を参照されたい。さらに、様々なタイプの電気式エアロゾルおよび蒸気送達装置もまた、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書およびMinskoffらの米国特許出願公開第2014/0283859号明細書ならびに2014年5月20日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/282,768号明細書、2014年5月23日に出願されたBrinkleyらの米国特許出願番号第14/286,552号明細書、2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書および2014年8月21日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/465,167号明細書に提案されている。
【0003】
凝縮蒸気および非凝縮蒸気を発生させるための機能を備えたエアロゾル送達装置を提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7726320号明細書
【文献】米国特許第8881737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0216232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0283859号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、そのような装置を形成する方法およびそのような装置の要素に関する。したがって、本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0006】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達装置であって、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容され、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成するように構成された第1の要素および第2の要素とを含み、凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であるエアロゾル送達装置。
【0007】
例示的な実施形態2:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第1の要素および第2の要素がそれぞれ、それぞれ加熱作用および機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータおよび電気機械装置であるエアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実施形態3:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1の要素および第2の要素が、少なくとも1つのハウジングに取り外し可能に連結された第1の要素および第2の要素を含むエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態4:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、リザーバから第1の要素および第2の要素へのエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成された制御弁をさらに含むエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態5:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、リザーバが再充填可能であり、少なくとも1つのハウジングが、リザーバを再充填するためにエアロゾル前駆体組成物の対応する容器のみと嵌合可能なポートをさらに画定するエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態6:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第1の要素が、リザーバからエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素と、作動して液体輸送要素によってそのように輸送されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータとを含むエアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態7:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第2の要素が、非凝縮蒸気を形成し、第1の要素に導くように構成され、第1の要素が、作動し、非凝縮蒸気の成分を気化させて、それにより凝縮蒸気を形成するように構成されているエアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態8:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第1の要素と第2の要素との間の距離が、1ミリメートルから10センチメートルの範囲であるエアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態9:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、作動するように構成されている第1の要素が、非凝縮蒸気が第1の要素に導かれるのと同時に作動するように構成されていることを含むエアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態10:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れが、その速度に基づいて、非凝縮蒸気に向かって横方向または長手方向に導かれるエアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態11:エアロゾル送達装置であって、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1の要素および第2の要素とを含み、第2の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより非凝縮蒸気を形成するように構成され、第1の要素が、非凝縮蒸気を改質するように構成され、その非凝縮蒸気が、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であるエアロゾル送達装置。
【0017】
例示的な実施形態12:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第1の要素および第2の要素がそれぞれ蒸気改質要素および電気機械装置であり、電気機械装置が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成され、蒸気改質要素が、水分除去作用によって非凝縮蒸気を改質するように構成されているエアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態13:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第1の要素および第2の要素がそれぞれ蒸気改質要素および電気機械装置であり、電気機械装置が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成され、蒸気改質要素が、非凝縮蒸気に揮発性香味を注入することによって非凝縮蒸気を改質するように構成されているエアロゾル送達装置。
【0019】
例示的な実施形態14:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、蒸気改質要素である第1の要素が、水分除去作用および香味注入作用によって、それぞれ非凝縮蒸気を改質するように構成された乾燥管または香味改質器のうち少なくとも1つを含むエアロゾル送達装置。
【0020】
例示的な実施形態15:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第3の要素をさらに含み、第3の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより凝縮蒸気を形成するように構成され、第1の要素が、凝縮蒸気または非凝縮蒸気を改質するようにさらに構成され、その凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であるエアロゾル送達装置。
【0021】
例示的な実施形態16:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、第2および第3の要素がそれぞれ、それぞれ機械的作用および加熱作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された電気機械装置およびヒータであり、第1の要素が、凝縮蒸気または非凝縮蒸気に揮発性香味を注入することによって凝縮蒸気または非凝縮蒸気を改質するように構成された蒸気改質要素であるエアロゾル送達装置。
【0022】
例示的な実施形態17:エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含むエアロゾル送達装置を制御する方法であって、方法が、第1の要素および第2の要素を作動させることを含み、そのように作動させられた第1の要素および第2の要素では、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって、凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成し、第1の要素および第2の要素が、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、凝縮蒸気または非凝縮蒸気のうち少なくとも1つが、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である方法。
【0023】
例示的な実施形態18:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの方法であって、第1の要素および第2の要素がそれぞれヒータおよび電気機械装置であり、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させることが、それぞれ加熱作用および機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させることを含む方法。
【0024】
例示的な実施形態19:エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するためのリザーバを画定する少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含むエアロゾル送達装置を制御する方法であって、方法が、第1の要素および第2の要素を作動させることを含み、そのように作動させられた第2の要素では、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより非凝縮蒸気を形成し、そのように活性化された第1の要素では、非凝縮蒸気を改質し、その非凝縮蒸気が、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である方法。
【0025】
例示的な実施形態20:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの方法であって、蒸気改質要素である第1の要素が、水分除去作用および香味注入作用によって、それぞれ非凝縮蒸気を改質するように構成された乾燥管または香味改質器のうち少なくとも1つを含み、第2の要素が、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された電気機械装置である方法。
【0026】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に説明される特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に説明されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0027】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上述の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0028】
本開示は上述の一般的な用語で説明しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の例示的な実施形態による、凝縮気化機能および非凝縮気化機能を有するエアロゾル送達装置の正面図を示す。
図2図1のエアロゾル送達装置の断面図を示す。
図3A】本開示の例示的な実施形態による図2のエアロゾル送達装置の第1および第2の要素を示す。
図3B】本開示の例示的な実施形態による図2のエアロゾル送達装置の第1および第2の要素を示す。
図4】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を制御する方法での様々な動作を示す。
図5】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を制御する方法での様々な動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に述べられている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、前後関係により他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、例えば、本明細書では定量的尺度、値、関係などに言及し得る。特記しない限り、これらのすべてではないにしても1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変化を考慮するように絶対的または近似的であり得る。
【0031】
以下に説明されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、材料を気化させる電力要素に電気エネルギーを使用して(好ましくは、材料をかなりの程度燃焼させることなく、および/または材料を著しく化学変化させることなく)、吸入可能な物質を形成し、そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なされるのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコに由来する成分を送達する。
【0032】
特定の好ましいエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の作法、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用作法、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来のタイプの喫煙品を使用するのと同じように、その部品を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0033】
本開示のエアロゾル送達システムはまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態またはタイプの蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0034】
本開示のエアロゾル送達システムは、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられる多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。エアロゾル送達装置は、多くの場合、紙巻タバコまたは葉巻などの特定の従来の喫煙装置の態様を模倣するように構成されている。これに関して、エアロゾル送達装置は、典型的には、実質的に円筒形の構成を画定する。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を含むことができる。エアロゾル送達装置は、多くの場合、端面を重ね合わせた関係で取り付けられて、実質的に円筒形の構成を画定する制御部およびカートリッジを含む。代替実施形態では、ハウジングは、ユーザの手の中に快適に収まるように構成された人間工学的形状を画定してもよい。しかしながら、ハウジングの形状は限定されず、本明細書に説明する様々な要素を収容する任意の形状であってよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、明確に非円筒形であってよい。
【0035】
このような構成は、従来の喫煙品に類似した外観や雰囲気を提供し得るが、これらの構成は、特定の不利益を被る可能性がある。例えば、円筒形に構成されたエアロゾル送達装置は、使用しない時にエアロゾル送達装置を所望の位置に保持するために使用可能な取付け点を画定し得ない。さらに、円筒形の構成では、マウスピースが周囲の環境に露出され、ひいては汚染の影響を受けやすくなる可能性がある。したがって、従来の喫煙品に関連する形状とは異なる構成のエアロゾル送達装置を提供することが望ましい場合がある。
【0036】
一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能なバッテリおよび/またはコンデンサなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御部を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを他端に取り外し可能に連結可能に有することができる。
【0037】
本開示のエアロゾル送達システムは、最も好ましくは、電源(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)への電流の流れを制御することなどによって、気化のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱または機械的作用を加えるとエアロゾルを生じさせることができる液体)、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるための1つ以上の要素(例えば、単独でまたは1つ以上の追加要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得るヒータまたは電気機械装置など)ならびにエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスエンド領域および先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸入によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。
【0038】
様々な例では、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを含むことができる。リザーバは、特に、多孔質材料(例えば、剛性多孔質材料または主に繊維質材料)から形成することができ、したがって、多孔質基材と呼ばれ得る。
【0039】
エアロゾル送達装置のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成することができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料、再生セルロース、有機綿またはポリエチレンテレフタレートを使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。さらなる例示的な実施形態では、有機綿、ポリエチレンテレフタレート、再生セルロース、多孔質セラミックまたは多孔質焼結セラミックを使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。他の実施形態では、リザーバは、ガラス、プラスチック、または本明細書に明示的に述べられていない他の材料から形成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、1つ以上の発光ダイオード、またはディスプレイを介したグラフィカルユーザインターフェイスを含んでもよいインジケータを含むことができる。インジケータは、コネクタ回路を介して制御構成要素と通信することができ、例えば、フローセンサによって検出されるようにユーザがマウスエンドを吸引する間に発光することができる。
【0041】
本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、様々なエアロゾル送達システム構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照された代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0042】
本開示の例示的な実施形態に従って、図1は、エアロゾル送達装置100の正面図を示し、図2は、エアロゾル送達装置の改変された断面図を示す。図示されるように、エアロゾル送達装置は、制御部102およびタンク部104を含んでもよい。具体的には、図1は互いに連結された制御部とタンク部とを示している。制御部およびタンク部は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がタンク部を制御部に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの例では、示されるように、エアロゾル送達装置は略長方形であってよい。他の例では、エアロゾル送達装置は、タンク部および制御部が組み立てられた構成にある場合、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。さらに他の例では、追加の形状および寸法、例えば、三角形の断面、多面体形状などが包含される。
【0043】
制御部102およびタンク部104は、多数の異なる材料のうちのいずれかから形成されてもよい一体型のハウジング106もしくは外側本体または別個のそれぞれのハウジングもしくは外側本体を含む、および/またはその中に画定されてもよい。ハウジングは、好適な構造的に安定した材料の任意の組合せから形成されてもよい。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどのような金属または合金のうち少なくとも1つから形成されてもよい。他の好適な材料には、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネートまたはコポリエステル)、実質的に生分解性のプラスチック(例えば、ポリヒドロキシアルカノエート)、プラスチック上の金属めっき、ガラスなどが挙げられる。
【0044】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の制御部102またはタンク部104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。エアロゾル送達装置は、制御部またはタンク部内に配置されるか、そうでなければそれに連結される様々な他の構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、様々な方法のいずれかで制御部とタンク部との間に分散されてもよい。例えば、制御部は、交換可能なバッテリまたは取り外し可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリを有してもよく、したがって、典型的なウォールチャージャーへの接続、車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタなどを介したコンピュータへの接続、または光起電力電池(時に太陽電池と呼ばれる)もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続を含む任意のタイプの再充電技術と組み合わされてもよい。例えば、一端にUSBコネクタと、対向端に制御部コネクタとを含むアダプタが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されている。
【0045】
1つの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100を形成する制御部102およびタンク部104は、恒久的におよび/または取り外し可能に互いに連結されてもよい。使い捨てであるように構成されてもよく、および/または恒久的な連結のために構成された第1および第2の外側本体を含んでもよいエアロゾル送達装置の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に開示されている。別の例示的な実施形態では、タンク部および制御部は、単一部品の取り外し不可能な形態で構成されてもよく、本明細書に開示された構成要素、態様および特徴を組み込んでもよい。しかしながら、別の例示的な実施形態では、例えば、タンク部が再充填または交換されてもよいように、制御部およびタンク部は分離可能に構成されてもよい。
【0046】
図2は、エアロゾル送達装置100のさらに特定の例を示し、ここで構成要素は、好適な制御部102およびタンク部104内に存在し得る構成要素を表し、本開示に包含される制御部およびタンク部構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0047】
タンク部104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ208を含んでもよく、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるための要素210、212などの1つ以上の要素を含み、時には、これらの要素は気化要素とも呼ばれ得る。以下にさらに詳細に説明されるように、これらの気化要素は第1および第2の要素を含んでもよく、いくつかの例では、これらの要素はそれぞれ、それぞれ加熱作用および機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータおよび電気機械装置であり得る。様々な構成では、タンク部構造はカートリッジと呼ばれてもよい。したがって、「タンク部」、「タンク」、「カートリッジ」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを囲み、気化要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために区別なく使用されてもよい。
【0048】
いくつかの例では、タンク部104のリザーバ208は、再充填可能なリザーバを含んでもよい。リザーバは、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、リザーバは、特に、多孔質材料(例えば、繊維質材料)から形成することができ、したがって、多孔質基材(例えば、繊維質基材)と呼ばれてもよい。エアロゾル送達装置のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成することができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。他の実施形態では、リザーバは、ガラス、セラミック、プラスチック、または本明細書に明示的に述べられていない他の材料から形成されてもよい。
【0049】
リザーバ208は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を気化要素210、212に吸い上げるか、そうでなければ輸送するように構成された液体輸送要素と流体連通してもよい。いくつかの例では、リザーバと気化要素との間に弁214が配置され、リザーバから気化要素に送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0050】
内部に画定された開口部を有するマウスピース216が、(例えば、マウスエンドで)ハウジング106に連結されて、形成されたエアロゾルをタンク部から流出するのを可能にしてもよい。
【0051】
タンク部104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品を含んでもよい。電子部品は、有線または無線手段によって制御部102の制御構成要素218および/または外部装置と通信するように構成されてもよい。電子部品は、タンク部内のどこに配置されてもよい。
【0052】
制御構成要素218に加えて、制御部102は、電源220、および発光ダイオード(LED)などの1つ以上のインジケータを含んでもよく、そのような構成要素は可変に位置合わせすることができる。電源は、例えば、バッテリ(使い捨てまたは再充電可能)、スーパーキャパシタなどを含んでもよい。LEDに加えて、またはLEDの代替として、追加のインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含めることができる。発光ダイオード(LED)構成要素など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的なタイプならびにそれらの構成および使用は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5154192号明細書、Newtonの米国特許第8499766号明細書およびScatterdayの米国特許第8539959号明細書ならびに2014年2月5日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/173,266号明細書に記載されている。
【0053】
制御構成要素218は、電源220から気化要素210、212に電力を導いて、タンク部104内に保持されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、蒸気を生成するように構成されてもよい。これらは、ユーザがハウジングのマウスピース216を吸引する間に起こり得る。制御構成要素は、多数の電子部品を含んでもよく、いくつかの例では、電子部品を支持し電気的に接続する電子回路基板またはプリント回路基板(PCB)から形成されてもよい。好適な電子部品の例には、マイクロプロセッサまたはプロセッサコア、メモリ装置、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などが挙げられる。
【0054】
いくつかの例では、制御構成要素218は、統合されたプロセッサコアおよびメモリを有するマイクロコントローラを含んでもよく、1つ以上の統合された入力/出力周辺機器をさらに含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置または他の適切にイネーブルされた装置との無線通信を可能にするために通信インターフェイスに連結されてもよい。好適な通信インターフェイスの例は、2015年3月4日に出願されたMarionらの米国特許出願番号第14/638,562号明細書に開示されており、その内容はその全体が参照により組み込まれる。また、エアロゾル送達装置が無線通信するように構成されてもよい好適な方法の例は、2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書および2015年1月29日に出願されたHenry,Jr.らの米国特許出願番号第14/609,032号明細書に開示されており、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0055】
制御部102およびタンク部104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。制御部はコネクタを含むことができる。タンク部は、コネクタに係合するように構成することができ、コネクタ内に嵌合するように構成された突起を含むことができる。そのような係合は、制御部とタンク部との間の安定した接続を容易にするとともに、制御部内の電源220および制御構成要素218とタンク部内の気化要素210、212との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御部は、吸気口を含むことができ、吸気口は制御部のシェル内のノッチであってよく、ここでノッチは、周囲空気がコネクタの周りを通過してシェル内に入り、次いでコネクタを通過し、突起を介してタンク部内に入ることを可能にするコネクタに接続する。
【0056】
本開示による有用なコネクタおよび基部は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。しかしながら、様々な他の例の構造、形状および構成要素を使用して、基部をコネクタに連結してもよい。いくつかの例では、タンク部104の基部と制御部102のコネクタとの間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の例では、それらの間の接続は、例えば、制御部が、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のタンク部とともに再利用され得るように、解放可能であってよい。
【0057】
図2に示されるリザーバ208は、容器であってもよいし、本明細書に説明されるようにリザーバであってもよい。例えば、リザーバは、この例では、タンク部の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成することができる。エアロゾル前駆体組成物をリザーバに保持することができる。例えば、リザーバによって液体成分を保持することができる。リザーバは、液体輸送要素と流体接続することができる。液体輸送要素は、いくつかの例では、毛細管作用を介して、金属ワイヤコイルの形態である気化要素210、212に、リザーバ内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。そのため、気化要素は液体輸送要素を伴った構成にある。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実施形態がさらに以下に説明され、本明細書に説明される装置に、このようなリザーバおよび/または輸送要素を組み込むことができる。具体的には、後述する気化要素と輸送要素との特定の組合せが、装置に組み込まれてもよい。
【0058】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引すると、フローセンサによって空気流が検出され、気化要素210、212が作動してエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。いくつかの実施形態では、手動ボタンのみを使用するか、手動ボタンをフローセンサと組み合わせて使用して気化要素を作動させてもよい。あるいは、フローセンサの代わりに手動ボタンを押して気化要素を作動させてもよい。エアロゾル送達装置のマウスピース216を吸引すると周囲空気が吸気口に入り、コネクタと、タンク部104内の中央開口部とを通過する。タンク部では、吸引された空気が形成された蒸気と混合して、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、気化要素から吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、エアロゾル送達装置のマウスピースの開口部から出る。
【0059】
別個には示されていないが、エアロゾル送達装置100は、ユーザが装置の機能を制御することを可能にするため、および/またはユーザに情報を出力するための入力要素をさらに含んでもよい。例えば、ユーザは、入力要素を利用して、エアロゾル前駆体組成物を気化し、および/またはオンオフ機能を作動させてもよい。入力要素は、ユーザからの入力を受け取るように構成された押しボタンまたは他のスイッチを含んでもよい。入力要素を作動させると、エアロゾル送達装置が、エアロゾル送達装置の状態に対応する出力を生成してもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、音、振動または光を出力してもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる2014年2月28日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/193,961号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれる2015年3月10日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/643,626号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。追加の例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれる2014年12月9日に出願されたHenryらの米国特許出願番号第14/565,137号明細書を参照されたい。
【0060】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置自体の入力要素に加えて、またはその代わりに、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ)などのコンピューティング装置が、入力要素として使用されてもよい。具体的には、エアロゾル送達装置100は、USBコードまたは類似のプロトコルの使用を介するなどして、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して入力として作用するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書に記載されているように、読み出し要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、コンピューティング装置に関連してアプリケーションソフトウェアを使用して、エアロゾル送達装置に制御命令を入力してもよく、そのような制御命令は、例えば、ニコチン含有量および/または含有される追加の香味の含有量を選択することによって、特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0061】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、多数の追加のハードウェア実装機能またはソフトウェア制御機能を含んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、バッテリ入力、バッテリ端子への負荷、および充電入力を検出するように構成されたバッテリ保護回路を含んでもよい。バッテリ保護回路は、短絡保護および低電圧ロックアウトを含んでもよい。エアロゾル送達装置はまた、周囲温度測定のための構成要素を含んでもよく、その制御構成要素218は、充電開始前または充電中に、周囲温度が特定の温度(例えば、0℃)を下回るか、特定の温度(例えば、45℃)を超えた場合にバッテリ充電を禁止するために、少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよい。
【0062】
電源220からの電力供給は、電力制御機構に従って、装置100を用いた各吸煙の経過にわたって変化してもよい。装置は、ユーザまたは偶発的な機械的作用によって装置が連続的に吸煙を試みる場合に、制御構成要素218が、少なくとも1つの機能要素を制御して、ある期間(例えば、4秒)後に自動的に吸煙を終了させてもよいように、「長期吸煙」安全タイマを含んでもよい。さらに、装置を用いた吸煙の間の時間は、ある時間(例えば、100ミリ秒)を超えるように制限されてもよい。ウォッチドッグ安全タイマは、エアロゾル送達装置上で実行されるその制御構成要素またはソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)内にタイマに情報を提供しない場合、エアロゾル送達装置を自動的にリセットしてもよい。フローセンサの欠陥、そうでなければ故障の場合には、不慮の気化を防止するためにエアロゾル送達装置を恒久的に使用不能にするなどにより、追加の安全保護が提供されてもよい。圧力センサが故障して、4秒の最大吸煙時間後に装置を停止させることなく連続的に作動させた場合には、吸煙リミットスイッチが装置を停止させてもよい。
【0063】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術分野で述べられ市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができるバッテリの例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
エアロゾル送達装置100は、吸引中に気化要素210、212への電力量を制御するための制御構成要素218または別の制御機構を組み込むことが最も好ましい。いくつかの実施形態では、制御構成要素は、エアロゾル送達装置に対して様々な出力設定の制御を実施してもよい。例えば、エアロゾル送達装置内のエアロゾル生成を調節するために、少なくとも低、中、高出力の設定を制御してもよい。代表的なタイプの電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、Gerthらの米国特許第4735217号明細書、Brooksらの米国特許第4947874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5372148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6040560号明細書、Nguyenらの米国特許第7040314号明細書、Panの米国特許第8205622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書および2014年3月13日に出願されたHenryらの米国特許出願番号第14/209,191号明細書に記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
エアロゾル送達装置100は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)、気化要素210、212への電力の供給を制御するためのフローセンサもしくは別のセンサまたは検出器を組み込むこともできる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合に気化要素への電力供給をオフにし、吸引中に気化要素によるエアロゾル前駆体組成物の気化を作動させるか誘発するために電力供給をオンにする、様式または方法が提供される。追加の代表的なタイプの感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、Sprinkel,Jr.の米国特許第5261424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5372148号明細書およびFlickのPCT特許出願国際公開第2010/003480号パンフレットに記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的なタイプの基材、リザーバまたは他の構成要素は、Newtonの米国特許第8528569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、2013年8月28日に出願されたDavisらの米国特許出願番号第14/011,992号明細書および2014年2月3日に出願されたBlessらの米国特許出願番号第14/170,838号明細書に記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定のタイプの電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および操作は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0209105号明細書に記載されている。
【0067】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込むことが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末状のタバコ薄片などのタバコの部分または片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味料などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0068】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物に含まれ得る様々な成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7726320号明細書に記載されている。追加の代表的なタイプのエアロゾル前駆体組成物は、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4793365号明細書、Jakobらの米国特許第5101839号明細書、Biggsらの米国特許第6779531号明細書、Zhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書およびR.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)によるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobaccoに記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0069】
代表的なタイプのエアロゾル前駆体成分および調合物もまた、Robinsonらの米国特許第7217320号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットに記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCのBLU(TM)製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0070】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが非常に好ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品あたりの所望の吸煙の数などの因子に応じて決まってもよい。典型的には、エアロゾル送達システム内、特にエアロゾル生成部品内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約5グラム未満、一般に約2.5グラム未満、多くの場合約2グラム未満、頻繁に約1グラム未満である。
【0071】
LEDおよび関連構成要素、聴覚要素(例えば、スピーカ)、振動要素(例えば、振動モータ)など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的なタイプがエアロゾル送達装置100に使用されてもよい。好適なLED部品の例ならびにそれらの構成および使用は、Sprinkelらの米国特許第5154192号明細書、Newtonの米国特許第8499766号明細書、Scatterdayの米国特許第8539959号明細書および2014年2月5日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/173,266号明細書に記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0072】
本開示のエアロゾル送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、Harrisらの米国特許第5967148号明細書、Watkinsらの米国特許第5934289号明細書、Countsらの米国特許第5954979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6040560号明細書、Honの米国特許第8365742号明細書、Fernandoらの米国特許第8402976号明細書、Kataseの米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0073】
前述のように、エアロゾル送達装置100の制御構成要素218は、電源220から気化要素210、212に電力を導いて、タンク部104に保持されたエアロゾル前駆体組成物を気化させ、それによって、蒸気を形成するように構成されてもよい。これらは、ユーザがタンク部のマウスピース216を吸引する間に起こり得る。タンク部では、エアロゾルを形成するために、吸引された空気が形成された蒸気と混合可能であってよい。本開示の例示的な実施形態によれば、形成された蒸気は、それぞれ凝縮エアロゾル、非凝縮エアロゾルまたはそれらの組合せを形成するために空気と混合可能であり得る凝縮蒸気および/または非凝縮蒸気であってよいか、それらを含んでもよい。
【0074】
いくつかの例では、気化要素210、212は、凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成するための機構を含んでもよい。これらの例では、2つのエアロゾル送達機構(例えば、凝縮および非凝縮機構)を単一のエアロゾル送達装置に統合することにより、凝縮エアロゾルのみを生成する従来のまたは改変されたシステムを超えるいくつかの利点を提供し得る。利点には、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール熱劣化化合物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリシドール、プロピレンオキシドなど)の量の減少、カスタマイズ可能なエアロゾル送達プロファイル、ヒータでの要素および/またはそれを支持する流体輸送要素のうちの1つの焦げ付きの軽減ならびに非凝縮エアロゾル蒸気の非加熱電気機械的生成の結果としての改善された感覚的経験が挙げられ得る。具体的には、非凝縮エアロゾル蒸気では、液体輸送要素(例えば、繊維状ウィック束)に含まれるエアロゾル前駆体組成物の成分と比較して、堆積されたエアロゾル前駆体組成物の成分を蒸発させるためにヒータで必要とするエネルギーが少なくて済み得る。その場合、ヒータで必要とされるエネルギーが減少することにより、結果として、熱劣化または分解化合物の量が低下し得る。
【0075】
したがって、いくつかの例では、図2の気化要素210、212はそれぞれ、凝縮気化要素(例えば、第1の要素)および非凝縮気化要素(例えば、第2の要素)を含んでもよい。いくつかの例では、凝縮気化要素および非凝縮気化要素は、ハウジング106に取り外し可能に連結されてもよく、したがって必要に応じて消費者によって交換可能であってよい。凝縮気化要素および非凝縮気化要素は、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによってそれぞれ凝縮蒸気および非凝縮蒸気を形成するように構成されてもよい。凝縮蒸気または非凝縮蒸気は、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であってよい。これらの例では、エアロゾル送達装置は両方の気化要素を含んでもよいが、気化要素は独立しておよび/または交換可能に使用されて、エアロゾル吸入のためのエアロゾル送達装置の吸引中に凝縮蒸気または非凝縮蒸気のいずれか一方のみを形成してもよいことに留意されたい。
【0076】
前述のように、いくつかの例示的な実施形態では、ハウジング106内に画定されたリザーバ208は、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵するための再充填可能なリザーバであってよい。これらの例示的な実施形態では、ハウジングはまた、リザーバを再充填するためのエアロゾル前駆体組成物の対応する容器のみと嵌合可能なポート222を画定してもよい。
【0077】
また前述のように、制御弁214は、リザーバから各気化要素210、212(例えば、凝縮気化要素および非凝縮気化要素)へのエアロゾル前駆体組成物の流れを制御するように構成されてもよい。いくつかの例では、リザーバ208は、それぞれのチャネルを介して両方の気化要素にエアロゾル前駆体組成物を提供してもよい。弁は、消費者などが、いずれかの要素に導かれたエアロゾル前駆体の量を調整し得るように、リザーバからのエアロゾル前駆体組成物の流れを制御してもよい。このように、エアロゾル送達プロファイル(例えば、送達される非凝縮エアロゾルに対する凝縮の制御可能な比率)が、それによってカスタマイズされてもよい。例えば、エアロゾル送達プロファイルは、100%の凝縮エアロゾルおよび0%の非凝縮エアロゾルまたは50%の凝縮エアロゾルおよび50%の非凝縮エアロゾルの送達を含んでもよい。
【0078】
気化要素210が凝縮気化要素を含むいくつかの例示的な実施形態では、上述で示唆したように、凝縮気化要素は、作動し、加熱作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されたヒータを含んでもよい。いくつかの例では、凝縮気化要素はまた、リザーバ208からエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成された液体輸送要素を含んでもよく、これらの例では、ヒータは、作動し、液体輸送要素によってそのように輸送されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されてもよい。
【0079】
電流が印加されると熱を発生するように構成された様々な例の材料を使用して、ヒータを形成してもよい。これらの例のヒータは、コイルなどの抵抗加熱要素であってよい。コイルを形成してもよい材料の例には、チタン(Ti)、白金(Pt)、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。ヒータは、液体輸送要素の周りに配置されたメッシュ、スクリーンまたは格子構造を画定するワイヤ構造を含んでもよい。ワイヤメッシュ、スクリーンまたは格子を形成してもよい材料の例には、チタン、白金、銀、パラジウム、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、銀パラジウム(Ag/Pd)導電性インク、黒鉛および黒鉛系材料ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。
【0080】
気化要素210、212がそれぞれ凝縮気化要素および非凝縮気化要素を含むいくつかの例示的な実施形態では、非凝縮気化要素(例えば、第2の要素)は、作動し、機械的作用によってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された電気機械装置であってよい。好適な電気機械装置の例は、参照により本明細書に組み込まれる2005年5月2日に出願されたNgの米国特許第7954730号明細書に記載されているような圧電超音波噴霧器であるか、それを含んでもよく、または、参照により本明細書に組み込まれる2001年7月13日に出願されたFjieldらの米国特許第6763722号明細書に記載されているような圧電超音波トランスデューサであるか、それを含んでもよい。いくつかの例では、凝縮気化要素(例えば、第1の要素)のヒータは、作動し、液体輸送要素および/または電気機械装置によってそこに輸送されたエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成されてもよい。さらに、少なくとも1つの例では、ヒータは、液体輸送要素および電気機械装置の両方によってそこに輸送されたエアロゾル前駆体組成物の成分を同時に気化させて、凝縮エアロゾルおよび非凝縮エアロゾルの組合せを形成してもよい。
【0081】
例えば、非凝縮気化要素(例えば、第2の気化要素212)は、非凝縮蒸気を形成し、凝縮気化要素(例えば、第1の気化要素210)に導くように構成されてもよい。この場合、凝縮気化要素は、作動し、非凝縮蒸気の成分を気化させて、それにより凝縮エアロゾルを形成するように構成されてもよい。例えば、非凝縮気化要素は、エアロゾル「ミスト」を生成し得、第1の気化要素(例えば、ヒータ)によってエアロゾル「ミスト」を下流でさらに気化させて、エアロゾルミストをエアロゾル蒸気または気体に変換し、その後これを凝縮して凝縮エアロゾルを形成することができる。
【0082】
特定の実施形態では、非凝縮気化要素212は、例えば圧電超音波振動によって非凝縮エアロゾルを生成するように構成された電気機械装置であるか、それを含んでもよい。凝縮エアロゾルは、「ミスト」よりも実質的に小さい平均粒径を有する。いくつかの例示的な実施形態では、非凝縮蒸気は、粒子の実質的に大部分が直径1μm未満である粒径分布を含んでもよい。結果として得られる凝縮エアロゾルは、小さい粒径分布を有する粒子を同様に含み、マウスピース216を通して粒子を容易に引き込むことを可能にしてもよい。
【0083】
気化要素210、212がそれぞれ凝縮気化要素および非凝縮気化要素を含むいくつかの例示的な実施形態では、作動し、非凝縮蒸気の成分を気化させるように構成された凝縮気化要素は、非凝縮蒸気が凝縮気化要素に導かれるのと同時に作動するように構成された凝縮気化要素を含んでもよい。例えば、凝縮気化要素は、非凝縮気化要素(例えば、電気機械装置)が凝縮気化要素に非凝縮蒸気を導く際に、相前後してまたは同時に作動する加熱モジュールを含んでもよい。凝縮気化要素は、次に、加熱面上に堆積した非凝縮蒸気を気化させてもよい。別の例示的な実施形態では、凝縮気化要素は、非凝縮気化要素が凝縮気化要素の表面に非凝縮蒸気(例えば、エアロゾルミスト)を導く少し前、少し後に作動してもよい。
【0084】
前述のように、いくつかの例では、気化要素210、212はそれぞれ凝縮気化要素および非凝縮気化要素を含んでもよく、エアロゾル送達装置は、凝縮気化要素(例えば、従来のウィックおよびコイル構成)を使用して凝縮蒸気を生成してもよく、および/または非凝縮気化要素(例えば、代替的な電気機械的流体送達および加熱機構)を使用して非凝縮蒸気を生成してもよい。代替的な電気機械的流体送達および加熱機構の追加の例は、参照により本明細書に組み込まれるBrammerらの米国特許出願番号第14/524,778号明細書に記載されている。
【0085】
図3Aおよび図3Bは、本開示の例示的な実施形態による凝縮(例えば、第1の要素)気化要素および非凝縮(例えば、第2の要素)気化要素210、212をさらに詳細に示す。図3Aおよび図3Bに示されるように、いくつかの例示的な実施形態では、凝縮気化要素および非凝縮気化要素は互いに近接して平行に配置されてもよい。これらの例示的な実施形態では、並列構成は、凝縮気化要素の表面(例えば、マイクロヒータの表面)上への非凝縮エアロゾルの最適な堆積を促進し得る。凝縮気化要素と非凝縮気化要素との間の距離は、1ミリメートルから10センチメートルの範囲であり得る。これらの例示的な実施形態では、少なくとも1つのハウジング106の少なくとも一部を通る空気の流れは、その速度に基づいて、非凝縮蒸気に向かって横方向または長手方向に導かれてもよい。凝縮気化要素の表面上に導かれたおよび/または堆積された蒸気の気化の後、横方向および/または長手方向の空気流は、凝縮気化要素の周りおよびマウスピース216の外に凝縮エアロゾルを導いてもよい。
【0086】
いくつかの他の例では、気化要素210、212は、それぞれ蒸気を改質し、非凝縮蒸気を形成するための機構を含んでもよい。したがって、これらの例では、図2の気化要素210、212はそれぞれ、蒸気改質要素(例えば、第1の要素)および非凝縮気化要素(例えば、第2の要素)を含んでもよい。いくつかの例では、蒸気改質要素および非凝縮気化要素は、ハウジング106に取り外し可能に連結されてもよく、したがって必要に応じて消費者によって交換可能であってよい。非凝縮気化要素は、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって非凝縮蒸気を形成するように構成されてもよく、その中で非凝縮蒸気は蒸気改質要素によって改質される。非凝縮蒸気は、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であってよい。
【0087】
気化要素210、212がそれぞれ蒸気改質要素および非凝縮気化要素を含むいくつかの例示的な実施形態では、蒸気改質要素は、水分除去作用によって非凝縮蒸気を改質するように構成された乾燥管を含んでもよい。具体的には、乾燥管は、非凝縮気化要素によって形成された非凝縮蒸気から水分を除去し、それによって非凝縮蒸気の粒径を小さくするように構成されてもよい。いくつかの例では、蒸気改質要素は、追加的におよび/または代替的に、香味注入作用によって非凝縮蒸気を改質するように構成された香味改質器を含んでもよい。具体的には、香味改質器は、後述する様々な手段に従って、非凝縮気化要素によって形成された非凝縮蒸気に揮発性香味を注入するように構成されてもよい。好適な香味改質器の例は、サーマルバブルジェットプリントヘッド、揮発性香味の充填層(例えば、タバコ、メントールなどから製造された複数のビーズ)、または本明細書で明示的に企図されない別の好適な機構香味注入機構であるか、それを含んでもよい。
【0088】
これらの例では、そのような機構(例えば、蒸気改質機構および非凝縮機構)を単一のエアロゾル送達装置に統合することにより、いくつかの利点を提供し得る。蒸気改質要素が乾燥管を含む場合、利点には、電気機械的手段によって形成された蒸気(例えば、非凝縮蒸気)の従来の粒径を小さくすることが挙げられ得る。蒸気改質要素が香味改質器を含む場合、電気機械装置は水系溶液との適合性が高く、従来の香味は疎水性であり得るため、利点には、水系溶液に香味を注入することが挙げられ得る。エアロゾル形成に続いて、様々な手段(例えば、サーマルバブルジェット、または充填層からの溶出)を用いた香味改質器を加えることができる。これにより、主に水をベースとした一次エアロゾル前駆体の組成が可能になり得る。
【0089】
気化要素210、212がそれぞれ蒸気改質要素および非凝縮気化要素を含むいくつかの例示的な実施形態では、非凝縮蒸気を改質するように構成された蒸気改質要素は、非凝縮蒸気が蒸気改質要素に導かれるのと同時に作動するように構成された蒸気改質要素を含んでもよい。例えば、非凝縮蒸気は、非凝縮気化要素によって蒸気改質要素に向かっておよび/または蒸気改質要素内に導かれて、それによって改質されてもよい。蒸気改質要素が乾燥管である特定の例では、対応するエアロゾル液滴から水の殻を取り除くことによって蒸気から水分を除去し、全体の粒径を小さくするように構成された乾燥管全体に、非凝縮蒸気を分散させてもよい。
【0090】
凝縮気化要素および非凝縮気化要素の組合せまたは蒸気改質要素および非凝縮気化要素の代替の組合せをそれぞれ含む気化要素210、212に関していくつかの例示的な実施形態が説明されているが、気化要素が、ヒータ、電気機械装置、乾燥管または香味改質器のうち1つ以上を含む凝縮、非凝縮および/または蒸気改質要素の任意の組合せを含んでもよいことに留意されたい。例えば、一実施形態では、気化要素は、第1、第2、第3および/または第4の気化要素を含んでもよい。さらに、蒸気改質要素および非凝縮気化要素が、凝縮気化要素および非凝縮気化要素に関して説明された例示的な実施形態と同様に配置されてもよいことに留意されたい。
【0091】
図4は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を制御する方法400での様々な動作を示す。エアロゾル送達装置は、少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含んでもよい。ブロック402に示されるように、方法は、第1の要素および第2の要素を作動させることを含んでもよい。そのように作動させられた第1の要素および第2の要素では、方法はまた、ブロック404に示されるように、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させ、それによって凝縮蒸気および非凝縮蒸気をそれぞれ形成することを含んでもよい。第1の要素および第2の要素は、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させてもよく、凝縮蒸気または非凝縮蒸気は、エアロゾルを形成するために空気と混合可能であってよい。
【0092】
図5は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を制御する方法500での様々な動作を示す。エアロゾル送達装置は、少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に収容された第1および第2の要素とを含んでもよい。ブロック502に示されるように、方法は、第1の要素および第2の要素を作動させることを含んでもよい。そのように作動させられた第2の要素では、方法はまた、ブロック504に示されるように、少なくとも1つのハウジングの少なくとも一部を通る空気の流れに応答して、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させて、それにより非凝縮蒸気を形成することを含んでもよい。そのように作動させられた第1の要素では、ブロック506に示されるように、非凝縮蒸気を改質し、その非凝縮蒸気は、エアロゾルを形成するために空気と混合可能である。
【0093】
物品の使用の上述の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に述べられた様々な例示的な実施形態に適用され得る。しかしながら、上述の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。図1から図4に示されたか、そうでなければ上述に説明された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれ得る。
【0094】
上述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有するこれらの開示が関連する当業者には、本明細書に述べられた開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。さらに、上述の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例の組合せの観点から例示的な実施形態を説明しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって要素および/または機能の異なる組合せが提供されてもよいことが理解されるべきである。これに関して、例えば、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載され得るように、明示的に上述されたもの以外の要素および/または機能の異なる組合せも考えられる。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5