(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】エチレンオリゴマー化プロセス
(51)【国際特許分類】
C07C 2/32 20060101AFI20220907BHJP
C07C 2/24 20060101ALI20220907BHJP
C07C 11/02 20060101ALI20220907BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20220907BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220907BHJP
【FI】
C07C2/32
C07C2/24
C07C11/02
B01J31/22 Z
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2019535267
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(86)【国際出願番号】 US2017068274
(87)【国際公開番号】W WO2018128861
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-09
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303175
【氏名又は名称】シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビショッフ、スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】スモール、ブルック エル.
(72)【発明者】
【氏名】スネル、ライアン、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】クヌーセン、ロン、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ネテマイヤー、エリック、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シドラ、オルソン、エル.
(72)【発明者】
【氏名】サザーランド、ジェイミー、エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】クライシャー、ブルース、イー.
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ウィリアム、ジェイ.
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0172651(US,A1)
【文献】ORGANOMETALLICS,2010年,29,6723-6731
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)α-ジイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはピリジンビスイミンおよび鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)オリゴマー生成物を形成することであって、前記オリゴマー生成物が、エチレンおよび水素の存在下において、
0℃~200℃の範囲の温度、50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、および0.4g水素/kgエチレン~5g水素/kgエチレンの範囲で形成され、および
1)前記オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、
2)前記オリゴマー生成物が、
(a)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、
(b)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または
(c)
それらの任意の組み合わせ
を含む、
但し、前記重量パーセントは前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記オリゴマー生成物のC
4~C
18の各炭素数画分が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数画分の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された前記オリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
触媒系がα-ジイミン鉄塩錯体を含み、前記α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンが、i)α-ジイミン基、ii)前記α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合したヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基からなる第1のイミン基、およびiii)鉄塩錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基とを含む第2のイミン基、を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
触媒系がα-ジイミン鉄塩錯体を含み、前記α-ジイミン鉄塩錯体の前記α-ジイミンが、i)芳香族ジアシル化合物から誘導されたα-ジイミン基、ii)アリール基または置換アリール基からなる第1のイミン基、およびiii)ジアリールホスフィニル鉄塩錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記第2のイミン窒素原子に連結する-CH
2CH
2-連結基とを含む第2のイミン基、を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
触媒系がα-ジイミン鉄塩錯体を含み、前記α-ジイミン鉄塩錯体の前記α-ジイミンが、i)アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、またはピレンキノンから誘導されるα-ジイミン基、ii)2,6-ジヒドロカルビルフェニル基からなる第1のイミン基、およびiii)ジフェニルホスフィニル鉄塩錯化基またはジ(置換フェニル)ホスフィニル鉄錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記第2のイミン窒素原子に連結する-CH
2CH
2-連結基とを含む第2のイミン基、を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
触媒系がα-ジイミン鉄塩錯体を含み、前記α-ジイミン鉄塩錯体の前記鉄塩が、ハロゲン化鉄、鉄アセチルアセトネート、カルボン酸鉄、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
触媒系がα-ジイミン鉄塩錯体を含み、前記α-ジイミン鉄塩錯体が、
【化1】
からなる群から選択される構造を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記触媒系が、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはピリジンビスイミンおよび鉄塩を含み、前記ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンが、i)2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(
但し、
化合物中のアリール基は同一でも異なっていてもよい)、
またはii)ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(
但し、
化合物中の置換アリール基は同一でも異なっていてもよい)、またはiii)[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含む、
但し、化合物中のビスイミン構造は2つの同一のイミン構造でも2つの異なるイミン構造であってもよい、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒系が、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはピリジンビスイミンおよび鉄塩を含み、前記ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンが、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2、6-ビス[(2,6-ジエチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジンからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記触媒系が有機アルミニウム化合物をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記有機アルミニウム化合物がアルミノキサンを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
オリゴマー生成物が、少なくとも98.5重量%の1-ヘキセン含有量を有するC
6オリゴマー生成物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
オリゴマー生成物が、少なくとも98重量%の1-オクテン含有量を有するC
8オリゴマー生成物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
オリゴマー生成物が、少なくとも97.5重量%の1-デセン含有量を有するC
10オリゴマー生成物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
オリゴマー生成物が、少なくとも96.5重量%の1-ドデセン含有量を有するC
12オリゴマー生成物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)α-ジイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはピリジンビスイミンおよび鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)オリゴマー生成物を形成することであって、前記オリゴマー生成物が、エチレンおよび水素の存在下において、
0℃~200℃の範囲の温度、50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、および0.4g水素/kgエチレン~5g水素/kgエチレンの範囲で形成され、および
1)前記オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、
2)前記オリゴマー生成物のC
4~C
18の各炭素数画分が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された対応する炭素数画分の前記オリゴマー生成物の2倍以下のパラフィン含有量を有する、
形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項17】
前記オリゴマー生成物が、(a)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(b)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(c)それらの任意の組み合わせ、を含み、前記重量パーセントが前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)α-ジイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはピリジンビスイミンおよび鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)オリゴマー生成物を形成することであって、前記オリゴマー生成物が、エチレンおよび水素の存在下において、
0℃~200℃の範囲の温度、50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、および0.4g水素/kgエチレン~5g水素/kgエチレンの範囲で形成され、および0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値、および水素の不在下で生成されたオリゴマー生成物の±5%以内のシュルツ-フローリーK値を有するオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセス。
【請求項19】
前記オリゴマー生成物のC
4~C
18の炭素数画分の各々が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数画分の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された前記オリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記オリゴマー生成物が、(a)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(b)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(c)それらの任意の組み合わせ、を含み、前記重量パーセントが前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、請求項18に記載のプロセス。
【請求項21】
触媒系がアルミノキサンをさらに含み、b)i)0℃~200℃の範囲の温度、ii)50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、iii)1×10
-6mmol Fe/kg~1×10
-1mmol Fe/kgの範囲の鉄塩濃度の鉄、ピリジンビスイミン鉄塩錯体濃度の鉄またはα-ジイミン鉄塩錯体濃度の鉄、iv)100:1~5,000:1の範囲のAl:Feモル比、およびv)任意選択で0.8:1~4.5:1の範囲のエチレン:有機反応媒体質量比で、オリゴマー生成物を形成すること、をさらに含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項22】
触媒系がアルミノキサンをさらに含み、b)i)0℃~200℃の範囲の温度、ii)50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、iii)1×10
-6mmol Fe/kg~1×10
-1mmol Fe/kgの範囲の鉄塩濃度の鉄、ピリジンビスイミン鉄塩錯体濃度の鉄またはα-ジイミン鉄塩錯体濃度の鉄、iv)100:1~5,000:1の範囲のAl:Feモル比、およびv)任意選択で0.8:1~4.5:1の範囲のエチレン:有機反応媒体質量比で、オリゴマー生成物を形成すること、をさらに含む、請求項16に記載のプロセス。
【請求項23】
触媒系がアルミノキサンをさらに含み、b)i)0℃~200℃の範囲の温度、ii)50psi(344kPa)~5,000psi(34.5MPa)の範囲のエチレン分圧、iii)1×10
-6mmol Fe/kg~1×10
-1mmol Fe/kgの範囲の鉄塩濃度の鉄、ピリジンビスイミン鉄塩錯体濃度の鉄またはα-ジイミン鉄塩錯体濃度の鉄、iv)100:1~5,000:1の範囲のAl:Feモル比、およびv)任意選択で0.8:1~4.5:1の範囲のエチレン:有機反応媒体質量比で、オリゴマー生成物を形成すること、をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルファオレフィンの生成プロセスに関する。より具体的には、本開示はエチレンをオリゴマー化するための改良されたプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アルファオレフィンは重要な商用品目である。それらの多くの用途は、洗剤の製造における中間体としての、より環境に優しい精製油の前駆体としての、単量体としての、そして他の多くの種類の製品の前駆体としての使用を含む。アルファオレフィンを作製する1つの方法は、様々な種類の触媒および/または触媒系を含む触媒反応におけるエチレンのオリゴマー化によるものである。アルファオレフィンを生成するために商業的に使用される触媒および触媒系の例には、アルキルアルミニウム化合物、ある種のニッケル-ホスフィン錯体、ルイス酸を有するハロゲン化チタン(例えばジエチルアルミニウムクロリド)、ハロゲン化ジルコニウム、および/またはアルキルアルミニウム化合物を有するジルコニウムアルコキシドが含まれる。さらに、クロム含有化合物(例えば、カルボン酸クロム)、窒素含有配位子(例えば、ピロール)、および金属アルキル(例えばアルキルアルミニウム化合物)を使用する、1-ヘキセンを生成するための選択的エチレン三量化および/または四量化の触媒系が存在する。
【0003】
アルファオレフィンを生成するためのいくつかの非市販のオリゴマー化触媒系は、ピリジンビス-イミンの金属錯体、金属錯化基を有するα-ジイミン化合物の金属錯体、ならびにジホスフィニルアミン、ホスフィニルホルムアミジン、ホスフィニルアミジン、またはホスフィニルグアニジンの錯体の金属化合物(例えば、クロム化合物)を用いる選択的三量化および/または四量化触媒系に基づく。これらの触媒系は、通常、オレフィンオリゴマー化のための触媒系の成分として有機アルミニウム化合物(例えば、アルミノキサン)を使用する。
【0004】
オレフィン(例えば、アルファオレフィン)の用途および需要は増え続けており、それに応じてそれらを供給する競争が激化している。したがって、オレフィンオリゴマー化のためのさらなる新規かつ改良された触媒系およびプロセスが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することであって、1)オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、2)オリゴマー生成物が(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)重量パーセントがオリゴマー生成物の総重量に基づく、それらの任意の組み合わせを含む、形成することと、を含む、プロセスが本明細書で開示される。
【0006】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することであって、1)オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、2)単一炭素数のオリゴマー生成物画分の各々が、水素の不在下で生成された対応する単一炭素数のオリゴマー生成物のパラフィン含有量の2倍以下のパラフィン含有量を有し、重量パーセントは単一炭素数のオリゴマー生成物の総重量に基づく、形成することと、を含む、プロセスもまた本明細書で開示される。
【0007】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)水素の不在下で生成されたオリゴマー生成物の±5%以内の値である0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有するオリゴマー生成物を形成することと、を含むプロセスもまた本明細書で開示される。
また、他の記載と重複するが、以下に本発明の一態様を示す。ただし、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
[1]
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)オリゴマー生成物を形成することであって、1)前記オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、2)前記オリゴマー生成物が、(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)前記重量パーセントが前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、それらの任意の組み合わせを含む、形成することと、を含む、プロセス。
[2]
前記オリゴマー生成物のC
4
~C
18
の各炭素数画分が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数画分の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された前記オリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、[1]に記載のプロセス。
[3]
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)オリゴマー生成物を形成することであって、1)前記オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、2)前記オリゴマー生成物のC
4
~C
18
の各炭素数画分が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された対応する炭素数画分の前記オリゴマー生成物の2倍以下のパラフィン含有量を有する、形成することと、を含む、プロセス。
[4]
前記オリゴマー生成物が、(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)それらの任意の組み合わせ、を含み、前記重量パーセントが前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、[3]に記載のプロセス。
[5]
プロセスであって、
a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体、を接触させることと、
b)0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値、および水素の不在下で生成されたオリゴマー生成物の±5%以内のシュルツ-フローリーK値を有するオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセス。
[6]
前記オリゴマー生成物のC
4
~C
18
の炭素数画分の各々が、前記オリゴマー生成物の前記炭素数画分の総重量に基づいて、水素の不在下で生成された前記オリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、[5]に記載のプロセス。
[7]
前記オリゴマー生成物が、(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000を超えるM
w
を有する化合物、または(d)それらの任意の組み合わせ、を含み、前記重量パーセントが前記オリゴマー生成物の総重量に基づく、[5]または[6]に記載のプロセス。
[8]
前記オリゴマー生成物が、0.05gH
2
/kgオレフィン~5gH
2
/kgオレフィンの範囲内の比率で存在するエチレンおよび水素の存在下で形成される、[1]~[7]のいずれかに記載のプロセス。
[9]
前記触媒系が、前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体を含み、前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体がα-ジイミン鉄塩錯体である、[1]~[8]のいずれかに記載のプロセス。
[10]
前記α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンが、i)α-ジイミン基、ii)前記α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合したヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基からなる第1のイミン基、およびiii)鉄塩錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基とを含む第2のイミン基、を含む、[9]に記載のプロセス。
[11]
前記α-ジイミン鉄塩錯体の前記α-ジイミンが、i)芳香族ジアシル化合物から誘導されたα-ジイミン基、ii)アリール基または置換アリール基からなる第1のイミン基、およびiii)ジアリールホスフィニル鉄塩錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記第2のイミン窒素原子に連結する-CH
2
CH
2
-連結基とを含む第2のイミン基、を含む、[9]に記載のプロセス。
[12]
前記α-ジイミン鉄塩錯体の前記α-ジイミンが、i)アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、またはピレンキノンから誘導されるα-ジイミン基、ii)2,6-ジヒドロカルビルフェニル基からなる第1のイミン基、およびiii)ジフェニルホスフィニル鉄塩錯化基またはジ(置換フェニル)ホスフィニル鉄錯化基と、前記鉄塩錯化基を前記第2のイミン窒素原子に連結する-CH
2
CH
2
-連結基とを含む第2のイミン基、を含む、[9]に記載のプロセス。
[13]
前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体が、
[化1]
からなる群から選択される構造を有する、[9]に記載のプロセス。
[14]
前記触媒系が、ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含み、前記ヘテロ原子配位子または前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体の前記ヘテロ原子配位子が、ピリジンビスイミンである、[1]~[8]のいずれかに記載のプロセス。
[15]
前記ピリジンビスイミンが、i)2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(式中、前記アリール基は同一でも異なっていてもよい)、ii)ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(式中、前記置換アリール基は同一でも異なっていてもよい)、またはiii)[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含む、[14]に記載のプロセス。
[16]
前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体の前記ヘテロ原子配位子が、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2、6-ビス[(2,6-ジエチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチル-フェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニル-イミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)-メチル]ピリジンからなる群から選択される、[14]に記載のプロセス。
[17]
前記ヘテロ原子配位子鉄塩錯体を含む前記触媒系の前記鉄塩、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む前記触媒系の鉄塩が、ハロゲン化鉄、鉄アセチルアセトネート、カルボン酸鉄、またはそれらの任意の組み合わせを含む、[1]~[16]のいずれかに記載のプロセス。
[18]
前記触媒系が有機アルミニウム化合物をさらに含む、[1]~[17]のいずれかに記載のプロセス。
[19]
前記有機アルミニウム化合物がアルミノキサンを含む、[1~18のいずれかに記載のプロセス。
[20]
C
6
オリゴマー生成物が少なくとも98.5重量%の1-ヘキセン含有量を有する、[1]~[19]のいずれかに記載のプロセス。
[21]
C
8
オリゴマー生成物が少なくとも98重量%の1-オクテン含有量を有する、[1]~[20]のいずれかに記載のプロセス。
[22]
C
10
オリゴマー生成物が少なくとも97.5重量%の1-デセン含有量を有する、[1]~[21]のいずれかに記載のプロセス。
[23]
C
12
オリゴマー生成物が少なくとも96.5重量%の1-ドデセン含有量を有する、[1]~[22]のいずれかに記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1、3、4、5、および6で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
【0009】
【
図2】生成されたオリゴマー生成物の質量当たりの生成されたポリマーの質量に換算した、実施例1、3、4、5、および6で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
【0010】
【
図3】実施例7、9、および10で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
【0011】
【
図4】生成されたオリゴマー生成物の質量当たりの生成されたポリマーの質量に換算した、実施例7、9、および10で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において使用される用語をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。別段の指示がない限り、以下の定義が本開示に適用される。ある用語が本開示において用いられるが、本明細書において具体的に定義されていない場合、適用される定義が、本明細書に適用される他の開示または定義のいずれかに矛盾しない限り、あるいは定義が適用されるいずれの特許請求項も不明瞭または不可能にしない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology、2nd Ed(1997)からの定義が適用され得る。参照により本明細書に組み込まれる任意の文書によって提供される任意の定義または使用が、本明細書において提供される定義または使用と矛盾する限りにおいて、本明細書において提供される定義または使用が優先する。
【0013】
周期表の元素の族は、Chemical and Engineering News,63(5),27,1985において公表された元素の周期表のバージョンにおいて示された付番方式を使用して示される。いくつかの場合において、元素の族は、族に割り当てられた一般名、例えば、1族元素についてはアルカリ金属、2族元素についてはアルカリ土類金属、3~12族元素については遷移金属、および17族元素についてはハロゲンを使用して示され得る。
【0014】
特許請求項の移行用語または句に関して、「含む(including)」、「含む(containing)」、「有する」、または「を特徴とする」と同義である「含む(comprising)」という移行用語は、包括的かつ非限定的であり、引用されていないさらなる要素または方法工程を排除しない。「からなる」という移行句は、その特許請求項で指定されていないいかなる要素、工程、または成分も排除する。「から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲を、指定された材料または工程、ならびに特許請求される発明の基本的および新規の特徴(複数可)に重大な影響を及ぼさないものに限定する。「から本質的になる」特許請求項は、「からなる」形式で記載された排他的な特許請求の範囲と、「含む」形式で起草された完全に非限定的な特許請求の範囲との間の、中間領域を占める。矛盾する指示がない場合、「から本質的になる」組成物または方法を記載するとき、「含む」と解釈されるものではなく、該用語が適用された組成物または方法を有意に改変しない材料を含む、列挙された構成要素を記載するものと意図される。例えば、材料Aから本質的になる供給原料は、列挙された構成要素または組成物の商業的に生成されたかまたは市販されている試料中に通常存在する不純物を含み得る。特許請求項が異なる特徴および/または特徴の種類(例えば、他の可能性のうち、方法工程、供給原料の特徴、および/または生成物の特徴)を含む場合、含む、から本質的になる、およびからなるという移行用語は、利用される特徴の種類に対してのみ適用され、特許請求項内の異なる特徴については、異なる移行用語または句を用いることが可能である。例えば、ある方法は、いくつかの列挙された工程(および他の列挙されていない工程)を含み得るが、特定の工程からなる(consisting of)か、もしくは代替的には特定の工程からなる(consist of)触媒系調製物を利用してもよく、ならびに/または列挙された構成要素および他の列挙されていない構成要素を含む触媒系を利用してもよい。
【0015】
組成物および方法は、様々な構成要素または工程を「含む」として記載されるが、組成物および方法はまた、様々な構成要素または工程「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。
【0016】
明細書および特許請求の範囲において、別段明記されない限り、「a」、「an」、および「the」という用語は、複数形、例えば、少なくとも1つまたは1つ以上を含むことが意図される。例えば、「トリアルキルアルミニウム化合物」の開示は、別段指定されない限り、1つのトリアルキルアルミニウム化合物、または2つ以上のトリアルキルアルミニウム化合物の混合物もしくは組み合わせを包含することを意味する。別の例では、aの特定の材料を使用する開示は、少なくとも1つの特定の材料を含む(本質的にからなる、またはからなる)と解釈することができ、あるいは指定された材料のより多くのうちの1つを含む(本質的にからなる、またはからなる)と解釈することができる。例えば、一般的に、「C6~C16化合物から本質的になる」と記載される特許請求項の特徴は、「少なくとも1つのC6~C16化合物から本質的になる」、または「1つ以上のC6~C16化合物から本質的になる」と記載するものと解釈または書き直すことができる。
【0017】
本開示では、とりわけ、第1、第2、および第3という用語は、類似の要素の複数の出現を区別するために利用され得る。例えば、方法は、方法の異なる工程において2つ以上の溶媒を利用することができ、あるいは代替的には、混合物中の2つの異なる溶媒を利用することができる。区別する用語は、区別を提供するために必要なとき、本明細書に記載されている任意の要素に適用することができる。区別する用語の数字またはアルファベットの優先順位は、特段明記しない限り、本明細書に記載の方法または化合物における要素の特定の順序または優先を意味するものではないことを理解されたい。
【0018】
本開示では、プロセスは複数の工程を有することができ、またはいくつかの異なる要素(例えば、他の特徴の中でも、触媒系中の成分またはオレフィンオリゴマー化プロセス中の成分)を有する特徴を含むことができる。これらのステップおよび/または要素は、連続したa)、b)、c)等、i)、ii)、iii)等、(a)、(b)、(c)等、および/または(i)、(ii)、(iii)等を利用して記号表示することができ、(他の記号表示の連続の中で)必要に応じて、各プロセスの工程および/または要素の記号表示を提供する。記号表示の連続内の記号表示の数字またはアルファベットの優先順位は、特段明記しない限り、または他のプロセス工程、要素、および/または要素の特徴によって必然的に生じない限り、本明細書に記載のプロセスにおけるプロセス工程、本明細書に記載の特徴(複数可)、および/または特徴内の要素(複数可)の特定の順序または優先を暗示するものではないことを理解されたい。さらに、これらの記号表示の連続は、必要に応じて、特徴内の異なるプロセス工程および/または要素を区別するために提供され、記号表示の連続が、異なる特徴、異なるプロセス工程、および/または特徴の異なる要素を一貫して区別する限り、記載内で利用される特定の工程、要素または特徴に利用される記号表示の連続に関係なく利用され得る。
【0019】
本明細書に開示される任意の特定の化合物について、別段示されない限り、提示される一般構造または名称は、特定の置換基のセットから生じ得る全ての構造異性体、配座異性体、および立体異性体を包含することも意図される。したがって、化合物への一般的な言及は、別段明示的に示されていない限り、全ての構造異性体を含み、例えば、C6炭化水素への一般的言及は、6個の炭素原子を有する全ての炭化水素を意味し、ペンタンへの一般的な言及は、n-ペンタン、2-メチル-ブタン、および2,2-ジメチルプロパンを含み、ブチル基への一般的な言及はn-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基を含む。さらに、一般構造または名称への言及は、エナンチオマーまたはラセミ体であるかどうかにかかわらず、文脈が許容または要求するように、全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の光学異性体、ならびに立体異性体の混合物を包含する。提示される任意の特定の式または名称について、提示される任意の一般式または名称もまた、特定の置換基のセットから生じ得る全ての配座異性体、位置異性体、および立体異性体を包含する。
【0020】
化学的「基」は、その基がこの様式で文字通り合成されていない場合であっても、その基が参照または「親」化合物からどのように形式的に誘導されるかに従って、例えば、その基を生成するために親化合物から形式的に除去された水素原子の数によって記載される。これらの基は、置換基として利用されてもよく、または金属原子に配位もしくは結合されてもよい。例として、「アルキル基」は、アルカンから1個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができ、「アルキレン基」は、アルカンから2個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる。さらに、親化合物から任意の数(「1個以上」)の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる多様な基を包含するためにより一般的な用語を使用することができ、この例では「アルカン基として記載することができ、これは「アルキル基」、「アルキレン基」、および状況に応じて3個以上の水素原子がアルカンから除去された材料を包含する。全般にわたって、置換基、配位子、または他の化学的部分が特定の「基」を構成することができるという開示は、記載されるようにその基が用いられるとき、化学構造および結合の周知の規則に従うことを意味する。ある基が「によって誘導される」、「から誘導される」、「によって形成される」、または「から形成される」と記載する場合、そのような用語は形式的な意味で使用され、別段指定されない限り、あるいは文脈が別段必要としない限り、任意の特定の合成方法または手順を反映することを意図しない。
【0021】
「置換された」という用語は、基を記載するために使用されるとき、例えば、特定の基の置換類似体を指すとき、その基中の水素を形式的に置換する任意の非水素部分を記載することを意図し、非限定的であることが意図される。1つまたは複数の基はまた、本明細書において、「非置換(unsubstituted)」として、または非水素部分がその基内の水素を置換しない元の基を指す「非置換(non-substituted)」等の同等の用語によって表すこともできる。「置換された」とは、非限定的であることが意図され、無機置換基または有機置換基が含まれる。
【0022】
「オルガニル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、官能タイプにかかわらず、炭素原子において1つの遊離原子価を有する有機置換基である。同様に、「オルガニレン基」とは、官能タイプにかかわらず、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を有機化合物から除去することによって誘導された有機基を指す。「有機基」とは、有機化合物の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成された一般化された基を指す。したがって、「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含むことができ、すなわち、有機基は、炭素および水素に加えて官能基および/または原子を含み得る。例えば、炭素および水素以外の原子の非限定的な例としては、ハロゲン、酸素、窒素、リン等が挙げられる。官能基の非限定的な例としては、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、スルフィド、アミン、ホスフィン等が挙げられる。
【0023】
本出願の目的のために、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその変形は、官能基に存在する炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)が、金属化合物と錯体を形成せず、かつ/または本明細書に定義される処理条件下で不活性である、炭素および水素以外の官能基(複数可)および/または原子(複数可)に制限されるオルガニル基(炭素原子上に遊離原子価を有する)を指す。したがって、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその変形は、不活性官能基から本質的になるオルガニル基内に存在し得る特定のオルガニル基をさらに定義する。さらに、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語は、オルガニル基内の1つ以上の不活性官能基の存在を指してもよい。「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその変形の定義は、(他の基の中でも)ヒドロカルビル基を員として含む。同様に、「不活性官能基から本質的になるオルガニレン基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個または2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することによって形成される有機基を指し、「不活性官能基から本質的になる有機基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個以上の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成される不活性官能基から本質的になる一般化された有機基を指す。
【0024】
本出願の目的のために、「不活性官能基」は、不活性官能基を有する材料が関与し、かつ/または金属錯体の金属化合物と錯体を形成しない、本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない、ヘテロ原子上に遊離原子価を有する基である。「金属化合物と錯体を形成しない」という用語は、金属化合物と錯体を形成することができる基を含み得るが、本明細書に記載される特定の分子において配位子内のその位置関係により金属化合物と錯体を形成しない。例えば、ヒドロカルボキシ基は金属化合物と錯体を形成することができるが、置換ピリジン環のパラ位または置換イミンフェニル基のパラ位に位置するヒドロカルボキシ基は、単一の金属化合物分子が、同一の金属錯体分子内でビス(イミン)ピリジン配位子の3個の窒素原子およびパラヒドロカルボキシ基と錯体を形成することができないので不活性官能基となり得る。したがって、特定の官能基の不活性は、官能基が本質的に金属化合物と錯体化することができないことに関連するだけでなく、金属錯体内の官能基の位置にも関連し得る。本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない不活性官能基の非限定的な例には、ハライド(フルオリド、クロリドオ、ブロミド、およびヨージド)、ニトロ、ヒドロカルボキシ基(例えば、とりわけアルコキシ、および/またはアロキシ)、ならびに/または、とりわけ、ヒドロカルビルスルフィジル基(例えば、RS-)が含まれ得る。
【0025】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、常に、「炭化水素」という用語は、炭素および水素のみを含む化合物を意味する。炭化水素中の特定の基の存在を示すために他の識別子を利用することができる(例えば、ハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。「ヒドロカルビル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、炭化水素から水素原子を除去することによって形成された1価の基である。同様に、「ヒドロカルビレン基」とは、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を炭化水素から除去することによって形成された基を指す。したがって、本明細書で使用される用語法に従い、「炭化水素基」とは、炭化水素から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基を指す。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分岐鎖であり得る。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、炭素および水素のみを含む環、環系、芳香環、および芳香族環系を含むことができる。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」には、例として、他の基の中でも、アリール、アリーレン、アレーン、アルキル、アルキレン、アルカン、シクロアルキル、シクロアルキレン、シクロアルカン、アラルキル、アラルキレン、およびアラルカン基が員として含まれる。
【0026】
「アルカン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、飽和炭化水素化合物を指す。アルカン中の特定の基の存在を示すために他の識別子を利用することができる(例えば、ハロゲン化アルカンは、アルカン中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。「アルキル基」という用語は、IUPACによって定められた定義に従って本明細書において使用され、アルカンから水素原子を除去することによって形成される一価の基である。同様に、「アルキレン基」とは、(1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子から1個の水素原子のいずれかで)2個の水素原子をアルカンから除去することによって形成された基を指す。「アルカン基」とは、アルカンから1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された基を指す一般用語である。「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」は、別段指定されない限り、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分岐鎖であり得る。
【0027】
「シクロアルカン」は、側鎖を有するかまたは有しない飽和環状炭化水素、例えば、シクロブタンである。1個以上の環内二重結合または1個の三重結合を有する不飽和環式炭化水素は、それぞれシクロアルケンおよびシクロアルキンと呼ばれる。1つのみ、2つのみ、3つのみ等の環内二重結合または三重結合を有するシクロアルケンおよびシクロアルキンは、シクロアルケンおよびシクロアルキンの名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」等の用語を使用することにより、特定され得る。シクロアルケンおよびシクロアルキンは、環内二重結合または三重結合の位置をさらに特定することができる。
【0028】
「シクロアルキル基」は、シクロアルカンの環炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される一価の基である。例えば、1-メチルシクロプロピル基、2-メチルシクロプロピル基は以下の通り図示される。
【化1】
【0029】
同様に、「シクロアルキレン基」とは、シクロアルカンから2個の水素原子を除去することによって誘導され、そのうちの少なくとも1個は環炭素である基を指す。したがって、「シクロアルキレン基」は、同一の環炭素から2個の水素原子が形式的に除去されたシクロアルカンから誘導された基と、2個の異なる環炭素から2個の水素原子が形式的に除去されたシクロアルカンから誘導された基との両方、およびシクロアルカンから誘導される基であって、第1の水素原子が環炭素から形式的に除去され、第2の水素原子が環炭素ではない炭素原子から形式的に除去される基を含む。「シクロアルカン基」とは、シクロアルカンから1個以上の水素原子(特定の基に必要な場合、およびその少なくとも1個は環炭素である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。本明細書で提供される定義によれば、一般的なシクロアルカン基(シクロアルキル基およびシクロアルキレン基を含む)には、シクロアルカン環炭素原子に結合した0個、1個、または1個より多いヒドロカルビル置換基(例えばメチルシクロプロピル基)を有し、炭化水素基のグループのメンバーであるものが含まれることに留意すべきである。しかしながら、特定数のシクロアルカン環炭素原子を有するシクロアルカン基(例えば、とりわけシクロペンタン基またはシクロヘキサン基)を指すとき、定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有するシクロアルカン基の基本名は、非置換シクロアルカン基(シクロアルカン基環炭素原子上にヒドロカルビル基を有さないものを含む)を指す。したがって、特定数の環炭素原子を有する置換シクロアルカン基(例えば、とりわけ置換シクロペンタンまたは置換シクロヘキサン)は、1つ以上の、シクロアルカン基環炭素原子に結合した置換基(とりわけ、ハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれの基を指す。定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有する置換シクロアルカン基が炭化水素基のグループのメンバー(またはシクロアルカン基の一般的なグループのメンバー)であるとき、定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有する置換シクロアルカン基の各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。炭化水素基のメンバー(またはシクロアルカン基の一般的なグループのメンバー)として利用することができる特定の数の環炭素原子を有する一般的な基、特定の基および/または個々の置換シクロアルカン基(複数可)を容易に見分けて選択することができる。
【0030】
「オレフィン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、芳香環または芳香族環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する炭化水素化合物を指す。別段に具体的に示されない限り、「オレフィン」という用語は、芳香環または環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する脂肪族および芳香族、環式および非環式、かつ/または直鎖および分岐鎖の炭化水素を含む。1つのみ、2つのみ、3つのみ等の炭素-炭素二重結合を有するオレフィンは、オレフィンの名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」等の用語を使用することにより、特定され得る。オレフィンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。
【0031】
「アルケン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素オレフィンを指す。1つのみ、2つのみ、3つのみ等の炭素-炭素二重結合を有するアルケンは、名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」等の用語を使用することによって識別され得る。アルケンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。アルケン中の特定の基の存在または不在を示すために他の識別子を利用してもよい。例えば、ハロアルケンとは、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルケンを指す。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「アルファオレフィン」という用語は、炭素原子の最も長い連続する鎖の第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有するオレフィンを指す。別段明記されない限り、「アルファオレフィン」という用語には、直鎖および分岐鎖アルファオレフィンが含まれる。分岐鎖アルファオレフィンの場合、分岐は、オレフィン二重結合に対して2位(ビニリデン)および/または3位以上にあり得る。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ビニリデン」という用語は、オレフィン二重結合に対して2位に分岐を有するアルファオレフィンを指す。別段明示されない限り、「アルファオレフィン」という用語自体では、他の炭素-炭素二重結合の存在または不在を示さない。
【0033】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ノルマルアルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有する直鎖脂肪族モノオレフィンを指す。「直鎖アルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間の二重結合および追加の二重結合を有する直鎖オレフィン化合物を含み得るので、「ノルマルアルファオレフィン」は、「線状アルファオレフィン」と同義ではないことに留意されたい。
【0034】
脂肪族化合物は、芳香族化合物を除いた、非環式または環式の、飽和または不飽和の炭素化合物である。「脂肪族基」とは、脂肪族化合物の炭素原子から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基である。脂肪族化合物、およびしたがって脂肪族基は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含むことができる。
【0035】
芳香族化合物は、ヒュッケル(4n+2)則に従い、かつ(4n+2)のπ電子を含む(式中、nは1~5の整数である)環状共役二重結合系を含む化合物である。芳香族化合物には、「アレーン」(炭化水素芳香族化合物)および「ヘテロアレーン」(「ヘタレーン」ともいう)(アレーンから環状共役二重鎖の1個以上のメチン(-C=)炭素原子の、芳香族系に特徴的な連続パイ電子系とヒュッケル則(4n+2)に対応する面外パイ電子の数を維持するような方法での、三価または二価のヘテロ原子による置換により形式的に誘導されるヘテロ芳香族化合物が含まれる。アレーン化合物およびヘテロアレーン化合物は芳香族化合物のグループの相互に排他的なメンバーであるが、アレーン基とヘテロアレーン基の両方を有する化合物は一般にヘテロアレーン化合物と考えられる。芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンは、特段明記しない限り、単環式(例えば、ベンゼン、トルエン、フラン、ピリジン、メチルピリジン)または多環式であり得る。多環式芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンには、特段明記しない限り、芳香環が縮合し得る化合物(例えば、ナフタレン、ベンゾフラン、およびインドール)、芳香族基が分離して結合により結合し得る化合物(例えば、ビフェニルもしくは4-フェニルピリジン)、または芳香族基が連結原子を含む基によって結合されている化合物(例えば、炭素-ジフェニルメタン中のメチレン基、酸素-ジフェニルエーテル、窒素-トリフェニルアミン、とりわけ結合基)が含まれる。本明細書に開示されるように、「置換された」という用語は、芳香族基、アレーン、またはヘテロアレーンを記載するために使用され得、非水素部分は、化合物中の水素原子を形式的に置換し、非限定的であることが意図される。
【0036】
「芳香族基」とは、芳香族化合物から1個以上の水素原子(特定の基に必要な場合、およびその少なくとも1つは芳香環炭素原子である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。一価の「芳香族基」については、除去される水素原子は芳香環炭素からのものでなければならない。芳香族化合物から1より多い水素原子を除去することによって形成される「芳香族基」については、少なくとも1個の水素原子は芳香族炭化水素環炭素からのものでなければならない。さらに、「芳香族基」は、芳香環または環系の同一の環から水素原子を除去することができる(例えば、フェン-1,4-イレン、ピリジン-2,3-イレン、ナフタ-1,2-イレン)、環系の2つの異なる環から水素原子を除去することができる(例えば、ナフタ-1,8-イレンおよびベンゾフラン-2,7-イレン)、または2つ分離した芳香環または環系から水素原子を除去することができる(例えば、ビス(フェン-4-イレン)メタン)。
【0037】
アレーンは、側鎖を有するかまたは有さない芳香族炭化水素である(例えば、とりわけベンゼン、トルエン、またはキシレン)。「アリール基」は、アレーンの芳香環炭素から水素原子を形式的に除去することから誘導される基である。アレーンは、単一の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼンまたはトルエン)を含み得、縮合芳香環(例えば、ナフタレンまたはアントラセン)を含み得、結合を介して共有結合した1以上の分離芳香族環(例えば(ビフェニル)、または非芳香族炭化水素基(複数可)(例えば、ジフェニルメタン)を含み得ることに留意すべきである。
【0038】
同様に、「アリーレン基」とは、アレーンから2個の水素原子(そのうちの少なくとも1個は芳香環炭素に由来する)を除去することによって形成される基を指す。「アレーン基」とは、アレーンから1個以上の水素原子(特定の基に必要な場合、およびその少なくとも1個は芳香環炭素である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。本明細書で提供される定義によれば、一般的なアレーン基(アリール基およびアリーレン基を含む)には、芳香族炭化水素環または環系炭素原子に位置した0、1または1より多いヒドロカルビル置換基(例えば、とりわけ、トルエン基またはキシレン基)を有し、炭化水素基のグループのメンバーであるものが含まれることに留意すべきである。しかしながら、フェニル基(もしくはフェニレン基)および/またはナフチル基(もしくはナフチレン基)は、特定の非置換アレーン基を指す(芳香族炭化水素環または環系炭素原子に位置するヒドロカルビル基を含まない)。したがって、置換フェニル基または置換ナフチル基は、芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置する1以上の置換基(とりわけハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれのアレーン基を指す。置換フェニル基および/または置換ナフチル基が炭化水素基のグループのメンバー(またはアレーン基の一般的なグループのメンバー)であるとき、各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。当業者は、一般的なフェニル基および/またはナフチル基、特定のフェニル基および/またはナフチル基、および/または個々の置換フェニル基または置換ナフチル基を容易に区別して選択することができ、これらは炭化水素基のグループのメンバー(またはアレーン基の一般的なグループのメンバー)として利用できる。
【0039】
「アラルキル基」は、非芳香族炭素原子に遊離原子価を有するアリール置換アルキル基(例えば、とりわけ、ベンジル基、または2-フェニルエタ-1-イル基)である。同様に、「アラルキレン基」は、単一の非芳香族炭素原子に2個の遊離原子価または2個の非芳香族炭素原子に1個の遊離原子価を有するアリール置換アルキレン基であり、一方で、「アラルカン基」は、非芳香族炭素原子(複数可)に1個以上の遊離原子価を有する一般化されたアリール置換アルカン基である。本明細書で提供される定義によれば、一般的なアラルカン基には、アラルカン芳香族炭化水素環または環系炭素原子に位置した0個、1個、または1個より多いヒドロカルビル置換基を有し、炭化水素基のグループのメンバーであるものが含まれることに留意すべきである。しかしながら、特定のアリール基を特定する特定のアラルカン基(例えば、とりわけ、ベンジル基または2-フェニルエチル基中のフェニル基)は、特定の非置換アラルカン基(アラルカン芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置するヒドロカルビル基を含まない)を指す。したがって、特定のアリール基を特定する置換アラルカン基は、1つ以上の置換基(とりわけ、ハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれのアラルカン基を指す。特定のアリール基を特定する置換アラルカン基が炭化水素基のグループのメンバー(またはアラルカン基の一般的なグループのメンバー)であるとき、各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。炭化水素基のグループのメンバー(またはアラルカン基の一般的なグループのメンバー)として利用することができる特定のアリール基を特定する置換アラルカン基を容易に見分けて選択することができる。
【0040】
「第一級炭素原子基」、「第二級炭素原子基」、「第三級炭素原子基」、および「第四級炭素原子基」は、基が基本構造に結合したときに生成する炭素原子の種類を表す。「第一級炭素原子基」とは、基本構造に結合した炭素原子が、基本構造に加えて3個の一価原子(例えば、水素またはハロゲン化物)にも結合している基である。基本構造に結合したメチル基、トリフルオロメチル基(他の基のうちで)は、潜在的な「第一級炭素原子基」を表す。「第二級炭素原子基」は、基本構造に結合した炭素原子が互いに非一価原子(例えば、とりわけ、炭素、窒素、または酸素)および2個の一価原子に結合した基である。基本構造に結合したエチル基、1-クロロエタ-1-イル基、およびメトキシメチル基(とりわけ)は、潜在的な「第二級炭素原子基」を表す。「第三級炭素基」は、基本構造に結合した炭素原子が他の2個の非一価原子および1個の一価原子に結合した基である。基本構造に結合したイソプロピル基、2-クロロプロパ-1-イル基、フェニル基、および1-メトキシエチル-1-イル基(とりわけ)は、潜在的な「第三級炭素基」を表す。「第四級炭素基」は、基本構造に結合した炭素原子が他の3個の非一価原子にも結合している基である。基本構造に結合したtert-ブチル基および2-メトキシプロパ-2-イル基(とりわけ)は、潜在的な「第四級炭素基」を表す。
【0041】
「ハライド」はその通常の意味を有し、したがって、ハライドの例には、フルオリド、クロリド、ブロミド、およびヨージドが含まれる。
【0042】
本開示内では、有機命名法の通常の規則が優先されるであろう。例えば、置換化合物または基に言及する場合、置換パターンへの言及は、示される基(複数可)が示された位置に位置し、全ての他の示されていない位置が水素であることを示す。例えば、4-置換フェニル基への言及は、4位に位置する非水素置換基、ならびに2、3、5、および6位に位置する水素が存在することを示す。別の例として、3-置換ナフチル-2-イルへの言及は、3位に位置する非水素置換基、ならびに1、4、5、6、7、および8位に位置する水素が存在することを示す。示された位置に加えた位置に置換基を有する化合物または基への言及は、含むまたは他の代替言語を使用して参照されるであろう。例えば、4位に置換基を含むフェニル基への言及は、4位に非水素原子を有し、2、3、5、および6位に水素または任意の他の非水素基を有する基を指す。
【0043】
「反応域流出物」という用語およびその派生語(例えば、オリゴマー化反応域流出物)は、一般に、反応域を出る全ての物質を指す。「反応域流出物」という用語およびその派生語はまた、言及されている反応域流出物の部分を限定する他の記述子を前置きすることができる。例えば、「反応域流出物」という用語は、反応域を出る全ての物質(例えば、とりわけ生成物および溶媒または希釈剤)を指す一方、「オレフィン反応域流出物」という用語は、反応域流出物内のオレフィンのみを指し、「オリゴマー生成物反応域流出物」という用語は、反応域流出物内のオリゴマー生成物を指す。
【0044】
「オリゴマー化」という用語およびその派生語は、2~30のモノマー単位を含む生成物を少なくとも70重量%含む生成物の混合物を生成するプロセスを指す。同様に、「オリゴマー」は、2~30個のモノマー単位を含む生成物である一方、「オリゴマー生成物」は、「オリゴマー」を含む「オリゴマー化」プロセスによって生成された全ての生成物、および「オリゴマー」ではない生成物(例えば、30より多いモノマー単位を含む生成物)を含む。「オリゴマー」または「オリゴマー化生成物」中のモノマー単位は同一である必要はないことに留意すべきである。例えば、モノマーとしてエチレンおよび/またはプロピレンを使用する「オリゴマー化」プロセスの「オリゴマー」、「オリゴマー生成物」、または「オリゴマー化生成物」は、エチレン単位および/またはプロピレン単位の両方を含み得る。
【0045】
(しばしばシュルツ-フローリー連鎖成長ファクター、K、またはシュルツ-フローリーのK値と呼ばれる)K値は、式:K=Xq+1/Xqを定義することができ、式中、Xq+1は、q+1のモノマー(例えば、エチレン)単位を有する生成されたオリゴマー生成物のモル数であり、Xqは、qのモノマー(例えば、エチレン)単位を有する生成されたオリゴマー生成物のモル数である。一般に、シュルツ-フローリーK値は、モノマー単位の数が1だけ異なるオリゴマー生成物の任意の2つのオリゴマーを使用して決定することができる。しかしながら、生成物の単離および分析は、特定のオリゴマーを用いて決定されたオリゴマー生成物分布において不正確さをもたらし得る(例えば、生成物単離中の気体状生成物および/または固体生成物の不完全な回収)ことが理解されよう。当業者はそのような問題を認識しており、シュルツ-フローリーK値の決定の基礎となる適切なオリゴマーを選択することができる。
【0046】
触媒系の生産性は、オリゴマー化に利用される触媒系中の金属1グラム(またはモル)当たりに生成される生成物のグラム数として定義される。触媒系の活性は、オリゴマー化の単位時間(例えば、1時間)当たりに利用される金属の金属1グラム(またはモル)当たりに生成される生成物のグラム数として定義される。触媒系の生産性および/または活性は、オリゴマー化の種々の生成物および/または触媒系の成分に関して述べることができる。例えば、鉄塩錯体と有機アルミニウム化合物とを含む触媒系を利用するエチレンオリゴマー化プロセスにおいて、利用可能な触媒系生産性は、他の生産性の中でも、(オリゴマー生成物のグラム)/(Feのグラム)を含む。
【0047】
別段の指定がない限り、「接触した」、「組み合わせた」、および「の存在下で」という用語は、列挙された2つ以上の構成要素を接触または組み合わせるための任意の追加の順番、順序または濃度を指す。本明細書で記載される様々な方法に従う、成分の組み合わせまたは接触させることは、適切な接触条件、例えば温度、圧力、接触時間、流速等の下で1つ以上の接触域において行うことができる。接触域は、容器(例えば、貯蔵タンク、トート、容器、混合容器、反応器等)、ある長さのパイプ(例えば、ティー、入口、注入口、または成分供給ラインを共通ラインに組み合わせるためのヘッダー)、または別段特定されない限り、構成要素を接触させるための任意の他の適切な装置に配置することができる。別段特定されない限り、プロセスは所与の態様に適しているようにバッチまたは連続プロセスで実行することができる。
【0048】
「同時に」、「同時に接触する」、「同時に接触する」という用語およびそれらの派生語は、接触方法に関して言及するとき、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が、同時に、とりわけ、共通の接合部、ポット、容器、または反応器に流入することによって接触する接触方法を指す。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」およびそれらの派生語は、接触方法を指すとき、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物の接触中に、接触プロセス中のある期間、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が同時に、共通接合部、ポット、容器、または反応器に流入するように、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が接触する接触方法を指す。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」という用語およびそれらの派生語は、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物の各々を全体として添加するときに、2つ以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が同時に接触することを意味しないことに留意すべきである。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」という用語、およびその派生語は、列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物のうちの1つ(もしくはその全て未満)の共通接合部、ポット、容器、または反応器への流れが、他のものよりも先に開始し得る、ならびに/または列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物のうちの1つ(もしくはその全て未満)の共通接合部、ポット、容器、もしくは反応器への流れが、他の列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物よりも先に完了、停止、中止し得るというシナリオを含む。本明細書に記載の任意の態様および/または実施形態では、「同時に」、「同時に接触する」、「同時に接触する」という用語およびそれらの派生語は、同時に接触することができる列挙した化合物、混合物、流れ、および/または組成物の各々の量を提供する用語を含めることによって修飾され得、様々な程度の「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触」、「実質的に同時に接触」、およびそれらの派生物のシナリオを示す。例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%のそれぞれの列挙した化合物、混合物、流れ、および/または組成物は、「同時に接触」または「同時に接触」することができる。一般的に、「同時に接触」または「同時に接触」することができる列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物の百分率は、重量(重量%)、体積(体積%)、またはモル(モル%)であり得る。特段明記しない限り、「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触」、「実質的に同時に接触」およびそれらの誘導体である列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物は、列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物のそれぞれの少なくとも50%が「同時に接触させる」または「同時に接触させる」ことができることを意味すべきである。
【0049】
さらに、接触方法またはプロセスに関して、「同時に」、「同時に接触する」、「同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」、およびそれらの派生語は、1つ以上の第1の材料(例えば、化合物、混合物、流れ、および/または組成物)がすでにポット、容器、または反応器に存在し、1つ以上の他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物がポット、容器、または反応器に添加されるプロセスまたは方法と異なる。この場合、ポット、容器、または反応器内の第1の材料は、他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物ならびにポット内の材料とは、同時にポット、容器、または反応器に流入しない。したがって、第1の材料および他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物は、他の成分(複数可)と「同時に接触する」、「同時に接触する」、「実質的に同時に接触する」、または「実質的に同時に接触する」とは言えない。
【0050】
本明細書に開示されるプロセスは、プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、ならびに(iii)水素を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することと、を含むプロセスに関連し得る。一態様では、プロセスは、a)(i)エチレン、(ii)1)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩と、2)有機アルミニウム化合物と、を含む触媒系、ならびに(iii)水素を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。任意選択で、エチレン、触媒系および水素を、少なくとも1つの、または1つ以上の有機反応媒体(複数可)と接触させることができる。一態様では、オリゴマー生成物は反応域で形成することができる。一態様では、オリゴマー生成物を形成することができる条件でオリゴマー生成物を形成することができ、反応域がそのような条件を有することができ、またはオリゴマー生成物を形成することができる条件で反応域が作用することができる。一般に、触媒系のヘテロ原子配位子鉄塩、触媒系のヘテロ原子配位子、触媒系の鉄塩、触媒系で利用できる有機アルミニウム化合物、任意選択での有機反応媒体、反応域、オリゴマー生成物を形成することができる条件、反応域が有することができる条件、および/または反応が作用することができる条件は、適用可能であれば、本明細書に記載のプロセスの独立要素であり、本明細書に独立して記載される。これらの独立して記載されたプロセス要素は、本明細書に提供されるプロセスをさらに記載するために、非限定的に、任意の組み合わせで利用され得る。
【0051】
一態様では、本明細書に記載のプロセスは、オリゴマー生成物を生成することができ、オリゴマー生成物は特定のシュルツ-フローリーK値を有する。さらなる態様では、本明細書に記載のプロセスによって生成されるオリゴマー生成物は、1)オリゴマー生成物が(a)特定量未満のポリマー、(b)特定量未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)特定量未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)それらの任意の組み合わせを含み、重量パーセンテージが、オリゴマー生成物の総重量に基づき、2)C4~C18の単一炭素数のオリゴマー生成物画分の各々が、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成された対応する単一炭素数のオリゴマー生成物画分の特定のパラフィン含有量以下のパラフィン含有量を有し、オリゴマー生成物画分の総重量に基づき、3)オリゴマー生成物が、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成された対応するオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の特定の範囲内であるシュルツ-フローリーK値を有し、4)または、またはそれらの任意の組み合わせである、オリゴマー生成物を形成し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスによって生成されるオリゴマー生成物は、オリゴマー生成物が(a)特定量未満のポリマー、(b)特定量未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)特定量未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)それらの任意の組み合わせを含み、重量パーセンテージが、オリゴマー生成物の総重量に基づき、代替的には、C4~C18の単一炭素数のオリゴマー生成物画分の各々が、オリゴマー生成物画分の総重量に基づいて、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成された対応する単一炭素数のオリゴマー生成物画分の特定のパラフィン含有量以下のパラフィン含有量を有し、または代替的には、3)オリゴマー生成物が、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成された対応するオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の特定の範囲内であるシュルツ-フローリーK値を有する、オリゴマー生成物を形成し得る。特定量のポリマー、特定量の70個を超える炭素原子を有する化合物、特定量の1000g/モルを超える重量平均分子量、特定パラフィン含有量、および特定範囲のシュルツ-フローリーK値を有する化合物は、本明細書に記載のプロセスの独立した要素であり、本明細書に独立して記載されている。これらの独立して記載されたプロセス要素は、本明細書に提供されるプロセスをさらに記載するために、非限定的に、任意の組み合わせで利用され得る。
【0052】
一態様では、本プロセスで使用される触媒系は、ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、または代替的にはヘテロ原子配位子および鉄塩を含むことができる。一態様では、触媒系のヘテロ原子配位子鉄塩錯体は、α-ジイミン鉄塩錯体またはピリジンビスイミン鉄塩錯体、代替的には、α-ジイミン鉄塩錯体、または代替的には、ピリジンビスイミン鉄塩錯体であり得る。一態様では、ヘテロ原子配位子および鉄塩を利用する触媒のヘテロ原子配位子はピリジンビスイミンであり得る。一般に、α-ジイミン鉄塩錯体、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミン、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、鉄塩、およびα-ジイミン鉄塩錯体またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、本明細書に記載のプロセスで利用される触媒系の独立した要素であり、本明細書に独立して記載されている。これらの独立して記載された触媒系要素は、本明細書に提供されるプロセスで利用される触媒系をさらに記載するために、非限定的に、任意の組み合わせで利用され得る。
【0053】
様々な態様および実施形態において、α-ジイミン鉄塩錯体は、本明細書に記載のプロセスにおいて利用することができる。一般に、α-ジイミン鉄塩錯体は、適切な条件下でエチレンおよび任意の他の適切な試薬(複数可)と接触するとオリゴマー生成物を形成することができる任意のα-ジイミン鉄塩錯体であり得る。一般に、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンおよび鉄塩は、α-ジイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して開示されている。α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンおよび鉄塩の独立した記載は、非限定的に任意の組み合わせで、本明細書に記載のプロセスの態様および/または実施形態において、反応に導入することができるα-ジイミン鉄塩錯体をさらに記載するために使用することができる。一態様では、α-ジイミン鉄塩錯体はただ1つのα-ジイミン基、代替的には、少なくとも2つのα-ジイミン基を含むことができ、または代替的には、α-ジイミンは、2つのみのα-ジイミン基を含むことができる。
【0054】
一般に、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンは、i)α-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合した第1のイミン窒素基、およびiii)α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合した第2のイミン窒素基を含むと記載することができる。α-ジイミン基、第1のイミン窒素基、および第2のイミン窒素基は、α-ジイミンの独立した要素であり、これらの各要素は、独立して本明細書に記載されている。α-ジイミンの独立した要素は、α-ジイミンおよびα-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミン要素をさらに記載するために、非限定的に、任意の組み合わせで使用することができる。
【0055】
一態様では、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンは、二座α-ジイミンもしくは三座α-ジイミン、代替的には、二座α-ジイミン、または代替的には、三座α-ジイミンであり得る。三座α-ジイミンの記載は、必ずしも三座α-ジイミン錯体の全ての配位要素が鉄塩に結合していることを意味するわけではないことに留意すべきである。
【0056】
一態様では、α-ジイミンのα-ジイミン基は、α-ジアシル化合物、代替的にはα-ジオンから誘導することができる。したがって、いくつかの態様では、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンは、i)α-ジアシル化合物から誘導されるα-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合した第1のイミン窒素基、およびiii)α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合した第2のイミン窒素基、を含むとして記載することができ、または代替的には、α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンは、i)α-ジオンから誘導されるα-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合した第1のイミン窒素基、およびiii)α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合した第2のイミン窒素基、を含むとして記載することができる。一態様では、α-ジアシル化合物(またはα-ジオン)は、脂肪族α-ジアシル化合物(もしくは脂肪族α-ジオン)または芳香族α-ジアシル化合物(もしくは芳香族α-ジオン)、代替的には、脂肪族α-ジアシル化合物(もしくは脂肪族α-ジオン)、または代替的には、芳香族α-ジアシル化合物(もしくは芳香族α-ジオン)であり得る。他の態様において、α-ジアシル化合物(またはα-ジオン)は、それが脂肪族であるか芳香族であるかにかかわらず、環式α-ジアシル化合物(もしくは環式α-ジオン)、または非環式α-ジアシル化合物(もしくは非環式α-ジオン)、代替的には、環式α-ジアシル化合物(もしくは環式α-ジオン)、または代替的には、非環式α-ジアシル化合物(もしくは非環式α-ジオン)であり得る。本明細書に開示された任意の態様または実施形態では、α-ジアシル化合物(もしくはαジオン)は、それが脂肪族もしくは芳香族および/または環式もしくは非環式であるかどうかにかかわらず、C4~C60α-ジアシル化合物(もしくはC4~C60α-ジオン)、C4~C45α-ジアシル化合物(もしくはC4~C45α-ジオン)、C4~C30α-ジアシル化合物(もしくはC4~C30α-ジオン)、または、C4~C20α-ジアシル化合物(もしくはC4~C20α-ジオン)であり得る。
【0057】
一般に、α-ジオンは構造Rk1-C(=O)-C(=O)-Rk2を有することができる。一態様では、Rk1およびRk2は、独立して、オルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Rk1および/またはRk2として利用され得るオルガニル基は、C1~C30、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態において、Rk1および/またはRk2として独立して利用され得る不活性官能基から本質的になるオルガニル基は、不活性官能基から本質的になるC1~C30、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Rk1および/またはRk2として利用され得るヒドロカルビル基は、独立して、C1~C30、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Rk1および/またはRk2として利用され得るヒドロカルビル基は、独立して、C1~C30、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。
【0058】
一態様では、α-ジイミンのα-ジイミン基が誘導され得るα-ジオンは、非環式α-ジオン、半環式α-ジオン、または環式α-ジオン、代替的には、非環式α-ジオン、代替的には、半環式α-ジオン、または代替的には、環式α-ジオンであり得る。α-ジオンが非環式α-ジオンであるとき、Rk1とRk2は両方とも非環式である。α-ジオンが半環式α-ジオンであるとき、Rk1および/またはRk2は、Rk1およびRk2が結合せずに、α-ジオン基の両方のケトン炭素原子を含む環または環系を形成する環構造であるかまたはそれを含み得る。α-ジオンが環式α-ジオンであるとき、Rk1およびRk2は結合して、α-ジオン基の両方のケトン炭素原子を含む環または環系を形成する。いくつかの半環式および/または環式α-ジオンの態様では、環または環系(複数可)は飽和していてもよい。他の半環式および/または環式α-ジオンの態様では、環または環系(複数可)は炭素-炭素二重(および/または三重)結合を含むことができる。さらなる半環式および/または環式α-ジオンの態様では、環または環系(複数可)は二環式環系であり得る。さらに他の半環式および/または環式α-ジオンの態様では、環または環系(複数可)は芳香環または芳香環構造を含むことができる。
【0059】
非環式α-ジオンの態様では、α-ジオンは、2,3-ブタンジオン、置換2,3-ブタンジオン、2,3-ペンタンジオン、置換2,3-ペンタンジオン、2,3-ヘキサンジオン、置換-2,3-ヘキサンジオン、3,4-ヘキサンジオン、または置換3,4-ヘキサンジオンであり得る。いくつかの態様では、α-ジオンは、2,3-ブタンジオン、2,3-ペンタンジオン、2,3-ヘキサンジオン、または3,4-ヘキサンジオンであり得る。さらなる態様において、α-ジオンは2,3-ブタンジオン、代替的には、2,3-ペンタンジオン、代替的には、2,3-ヘキサンジオン、または代替的には、3,4-ヘキサンジオンであり得る。
【0060】
芳香族半環式α-ジオンの態様では、α-ジオンはベンジルまたは置換ベンジルであり得る。他の態様では、α-ジオンはベンジルであり得る。
【0061】
飽和環式α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-シクロブタンジオン、置換1,2-シクロブタンジオン、1,2-シクロペンタンジオン、置換1,2-シクロペンタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、置換1,2-シクロヘキサンジオン、1,2-シクロヘプタンジオン、または置換1,2-シクロヘプタンジオンであり得る。いくつかの飽和環式α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-シクロペンタンジオン、置換1,2-シクロペンタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、または置換1,2-シクロヘキサンジオンであり得る。いくつかの飽和環式α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-シクロペンタンジオン、または1,2-シクロヘキサンジオンであり得る。さらに他の態様では、α-ジオンは1,2-シクロペンタンジオン、代替的には、1,2-シクロヘキサンジオンであり得る。
【0062】
飽和環系α-ジオンの態様において、α-ジオンはビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1,2-ジオン、置換ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1,2-ジオン、ビシクロ[2.2.2]オクタ-1,2-ジオン、置換ビシクロ[2.2.2]オクタ-1,2-ジオン、またはカンファーキノンであり得る。いくつかの飽和環系の態様では、α-ジオンはビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1,2-ジオン、ビシクロ[2.2.2]オクタ-1,2-ジオン、またはカンファーキノンであり得る。さらに他の飽和環系α-ジオンの態様では、α-ジオンはカンファーキノンであり得る。
【0063】
不飽和環式α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-ベンゾキノン、置換1,2-ベンゾキノン、シクロヘキサ-3-エン-1,2-ジオン、置換シクロヘキサ-3-エン-1,2-ジオン、シクロペンタ-3-エン-1,2-ジオン、置換シクロペンタ-3-エン-1,2-ジオン、シクロヘキサ-4-エン-1,2-ジオン、置換シクロヘキサ-4-エン-1,2-ジオン、3,4-ジヒドロ-1,2-ナフトキノン、置換3,4-ジヒドロ-1,2-ナフタキノン、1,4-ジヒドロナフトキノン、または置換1,4-ジヒドロナフトキノンであり得る。いくつかの不飽和環式α-ジオンの態様において、α-ジオンは、1,2-ベンゾキノン、シクロヘキサ-3-エン-1,2-ジオン、シクロペンタ-3-エン-1,2-ジオン、シクロヘキサ-4-エン-1,2-ジオン、3,4-ジヒドロナフトキノン、または1,4-ジヒドロナフトキノンであり得る。他の不飽和環α-ジオンの態様において、α-ジオンは1,2-ベンゾキノン、代替的には、3,4-ジヒドロナフトキノン、または代替的には、1,4-ジヒドロナフタノキノンであり得る。
【0064】
芳香環系α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-ナフトキノン、置換1,2-ナフトキノン、2,3-ナフトキノン、置換2,3-ナフトキノン、アセナフテンキノン、置換アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、置換フェナントレンキノン、ピレンキノン、または置換ピレンキノンであり得る。いくつかの芳香環系α-ジオンの態様では、α-ジオンは、1,2-ナフトキノン、2,3-ナフトキノン、アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、またはピレンキノンであり得る。他の芳香族環系α-ジオンの態様において、α-ジオンはアセナフテンキノン、フェナントレンキノン、またはピレンキノンであり得る。さらに他の芳香環系α-ジオンの態様では、α-ジオンは1,2-ナフトキノン、代替的には、2,3-ナフトキノン、代替的には、アセナフテンキノン、代替的には、フェナントレンキノン、または代替的にはピレンキノンであり得る。
【0065】
任意の置換α-ジオンの態様において、各置換基は独立して、ハライド、アルキル基、もしくはヒドロキシ基、代替的には、ハライドもしくはアルキル基、代替的には、ハライドまたはヒドロカルボキシ基、代替的には、アルキル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的には、ハライド、代替的には、アルキル基、または代替的には、ヒドロカルボキシ基であり得る。置換基として利用することができるハライド、アルキル基(一般的および特定の)、およびヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書に独立して開示され、非限定的に、任意の組み合わせで、本明細書に記載の任意の置換α-ジオンをさらに記載するのに利用することができる。
【0066】
一態様において、α-ジイミンの第1のイミン窒素原子に結合した第1のイミン基(略して第1のイミン基)および/または第2のイミン窒素原子に結合した第2のイミン基(略して第2のイミン基)は独立してオルガニル基、代替的には、不活性官能基から本質的になる有機基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。
【0067】
一般に、二座α-ジイミンは、不活性官能基から本質的になるオルガニル基およびヒドロカルビル基から独立して選択することができる第1のイミン基および第2のイミン基を有するであろう。したがって、α-ジイミンが二座α-ジイミンであるとき、二座α-ジイミンは、i)α-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合した、不活性官能基から本質的になるオルガニル基(またはヒドロカルビル基)からなる第1のイミン窒素基、およびii)α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合した、不活性官能基から本質的になるオルガニル基からなる第2のイミン窒素基(またはヒドロカルビル基)を含み得る。
【0068】
一般に、三座α-ジイミンは、不活性官能基から本質的になるオルガニル基またはヒドロカルビル基から選択される第1のイミン基を有するが、第2のイミン基はオルガニル基である。α-ジイミンが三座α-ジイミンであるとき、第2のイミン基であるオルガニル基は、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン基として記載することができる。したがって、いくつかの態様では、三座α-ジイミンは、i)α-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合した不活性官能基から本質的になるオルガニル基(またはヒドロカルビル基)からなる第1のイミン窒素基、およびiii)(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン窒素基を含み得る。鉄錯化基ならびに(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン基の連結基は、第2のイミン基の独立した要素であり、独立して本明細書に記載される。鉄錯化基および連結基の独立した記載は、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミンのα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合する連結基をさらに含む第2のイミン基をさらに記載するために、非限定的に任意の組み合わせで使用できる。
【0069】
本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1および/または第2のイミンオルガニル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示された任意の態様および/または実施形態では、不活性官能基から本質的になる第1および/または第2のイミンオルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1および/または第2のイミンヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。一般に、第1のイミン基および第2のイミン基は、独立して、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐鎖、非環式もしくは環式、および/または芳香族もしくはヘテロ芳香族であり得る。他の態様において、第1のイミン基および/または第2のイミン基は、第一級、第二級、第三級、もしくは第四級基、代替的には、第一級基、代替的には、第二級基、代替的には、第三級基、または代替的には、第四級基であり得る。当業者は、どのイミン窒素基が第一級、第二級、第三級、または第四級イミン窒素基のクラスに属するかを容易に認識するであろう。
【0070】
一態様では、第1のイミン基および/または第2のイミン基は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基であり得る。いくつかの態様では、第1のイミン基および/または第2のイミン基は、独立して、アルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、または代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基であり得る。他の態様では、第1のイミン基および/または第2のイミン基は、独立して、アルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基であり得る。
【0071】
本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得るアルキル基は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得る置換アルキル基は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5置換アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得るシクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得る置換シクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得るアリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、第1のイミン基および/または第2のイミン基として利用され得る置換アリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。置換アルキル基(一般的または特定の)、置換シクロアルキル基(一般的または特定の)、置換アリール基(一般的または特定の)、および/または置換アリール基(一般的または特定の)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、第1のイミン基および/または第2のイミン基をさらに記載するために利用することができる。
【0072】
一態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基は独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、またはペンチル基であり得る。いくつかの態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基は独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-1-ブチル基、tert-ペンチル基、3-メチル-1-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、またはネオペンチル基であり得る。いくつかの態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得るアルキル基は置換され得る。置換アルキル基(一般的または特定の)の各置換基は、独立して、ハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る置換アルキル基をさらに記載するために利用することができる。
【0073】
一態様において、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基は、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、アダマンチル基、もしくは置換アダマンチル基、代替的にはシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはアダマンチル基もしくは置換アダマンチル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、代替的には置換シクロヘキシル基、代替的にはアダマンチル基、または代替的には置換アダマンチル基であり得る。指定された数の環炭素原子を有する置換シクロアルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ(一般的および特定の)基は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る置換シクロアルキル基(一般的または特定の)をさらに記載するために利用することができる。
【0074】
一態様において、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基は、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、もしくは置換ナフチル基、代替的には、フェニル基もしくは置換フェニル基、代替的にはナフチル基もしくは置換ナフチル基、代替的にはフェニル基、代替的には置換フェニル基、代替的にはナフチル基、または代替的には置換ナフチル基であり得る。一態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基であり得る各置換フェニル基は、2位の置換基、3位の置換基、4位の置換基、2および3位の置換基、2および4位の置換基、2および5位の置換基、3および5位の置換基、2および6位の置換基、もしくは2および4、および6位の置換基、代替的には、2位の置換基、4位の置換基、2および4位の置換基、2および6位の置換基、もしくは2、4、および6位の置換基、代替的には2および6位の置換基、もしくは2、4、および6位の置換基、代替的には2位の置換基、代替的には3位の置換基、代替的には4位の置換基、代替的には2および3位の置換基、代替的には2および4位の置換基、代替的には2および5位の置換基、代替的には3および5位の置換基、代替的には2および6位の置換基、または代替的には2、4、および6位の置換基を含み得る。いくつかの態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る置換フェニル基は、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,3-二置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,5-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的に2,6-二置換フェニル基もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,3-二置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,5-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。一態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る多置換フェニル基の1つ以上の置換基は、同一かまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同一であってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基は異なってもよい。置換フェニル基(一般的または特定の)の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る置換フェニル基(一般的または特定の)をさらに記載するために利用することができる。
【0075】
非限定的な態様では、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る置換フェニル基は、2-アルキルフェニル基、3-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,3-二アルキルフェニル基、2,4-二アルキルフェニル基、2,5-二アルキルフェニル基、3,5-二アルキルフェニル基、2,6-二アルキルフェニル基、もしくは2,4,6-三アルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-二アルキルフェニル基、2,6-二アルキルフェニル基、もしくは2,4,6-三アルキルフェニル基、代替的に2,6-二アルキルフェニル基もしくは2,4,6-三アルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、代替的には4-アルキルフェニル基、代替的には2,3-二アルキルフェニル基、代替的には2,4-二アルキルフェニル基、代替的には2,5-二アルキルフェニル基、代替的には3,5-二アルキルフェニル基、代替的には2,6-二アルキルフェニル基、または代替的には2,4,6-三アルキルフェニル基であり得る。アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、非限定的に、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基として利用され得る任意のアルキル置換フェニル基をさらに記載するために利用することができる。一般に、ジアルキルフェニル基(一般的または特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的または特定の)のアルキル置換基は同一であってもよく、または代替的には、ジアルキルフェニル基もしくはトリアルキルフェニル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。いくつかの非限定的な態様において、第1のイミン窒素基および/または第2のイミン窒素基であり得る置換フェニル基は、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、もしくは2,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的には2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、もしくは2,6-ジイソプロピルフェニル基、代替的には2,6-ジメチルフェニル基もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的には2,6-ジメチルフェニル基、代替的には2,6-ジエチルフェニル基、代替的には2,6-ジイソプロピルフェニル基、代替的には2,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、代替的には2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0076】
三座α-ジイミンの態様では、第2のイミン窒素基は、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含むことができる。一般に、鉄錯化基および鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、第2のイミン基の独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。鉄錯化基および連結基の独立した記載は、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミンのα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に結合する連結基をさらに含む第2のイミン基をさらに記載するために、非限定的に任意の組み合わせで使用できる。
【0077】
一般に、鉄塩錯化基は、鉄塩と錯化することができるヘテロ原子を含む任意の基であり得、そして連結基は、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結することができる任意の基であり得る。連結基は、第2のイミン窒素原子と鉄塩錯化基との間の全ての原子を含む。鉄塩錯化基が非環式である場合、連結基は第2のイミン窒素原子と鉄塩錯化官能基のヘテロ原子との間の全ての原子を含む。例えば、N,N-ジメチルエチレン基では、連結基は-CH2CH2-であり、鉄塩錯化基はN,N-ジメチルアミニル基であり、2-フェノキシエチル基では、連結基は-CH2CH2-であり、鉄塩錯化基はフェノキシ基である。しかしながら、鉄塩錯化基のヘテロ原子が環内に含まれる場合、連結基は、第2のイミン窒素原子と鉄塩錯化基の鉄塩錯化ヘテロ原子を含む環内の第1の原子との間の全ての原子を含む。例えば、2-エチルピリジニル基では、連結基は-CH2CH2-であり、鉄塩錯化基は2-ピリジニル基であるが、1-エチルピペリジニル基では、連結基は-CH2CH2-であり、鉄塩錯化基は、1-ピペリジニル基である。
【0078】
鉄塩錯化基は、鉄塩と錯化することができるヘテロ原子を含む任意の基であり得る。一態様では、鉄塩錯化基は、鉄塩と錯化可能なヘテロ原子を含むC2~C30、C2~C20、C2~C10、またはC2~C5基であり得る。いくつかの態様の実施形態では、鉄塩錯化基の鉄塩錯化ヘテロ原子は酸素、硫黄、窒素、もしくはリン、代替的には酸素または硫黄、または代替的には窒素もしくはリンであり得る。他の態様では、鉄塩錯化基の鉄塩錯化ヘテロ原子は酸素、代替的には硫黄、代替的には窒素、または代替的にはリンであり得る。任意選択で、鉄塩錯化基は、α-ジイミン鉄錯体中の鉄塩と錯化しない追加のヘテロ原子、例えば不活性ヘテロ原子(例えばハライド、およびケイ素)ならびに/または鉄塩と錯化しない追加の鉄塩錯化ヘテロ原子(複数可)を含み得る。
【0079】
一態様では、鉄塩錯化基は、ジヒドロカルビルアミニル基、ジ(置換ヒドロカルビル)アミニル基、ジヒドロカルビルホスフィニル基、ジ(置換ヒドロカルビル)ホスフィニル基、ヒドロカルビルエテリル(etheryl)基、置換ヒドロカルビルエテリル基、ヒドロカルビルスルフィジル基、置換ヒドロカルビルスルフィジル基、フラニル基、置換フラニル基、テトラヒドロフラニル基、置換テトラヒドロフラニル基、ピリジニル基、置換ピリジニル基、モルフィリニル基、置換モルフィリニル基、ピロリル基置換ピロリル基、ピロリジニル基、置換ピロリジニル基、ピペリジニル基、または置換ピペリジニル基であり得る。いくつかの態様では、鉄塩錯化基は、ジヒドロカルビルアミニル基またはジ(置換ヒドロカルビル)アミニル基、代替的にはジヒドロカルビルホスフィニル基またはジ(置換ヒドロカルビル)ホスフィニル基、代替的にはヒドロカルビルエテリル基または置換ヒドロカルビルエテリル基、または代替的にはヒドロカルビルスルフィジル基またはヒドロカルビルスルフィジル基であり得る。他の態様では、鉄塩錯化基はジヒドロカルビルアミニル基、代替的にはジ(置換ヒドロカルビル)アミニル基、代替的にはジヒドロカルビルホスフィニル基、または代替的にはジ(置換ヒドロカルビル)ホスフィニル基であり得る。置換鉄錯化基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、置換鉄錯化基をさらに記載するために利用することができる。
【0080】
本明細書に開示されるヒドロカルビル基を有する任意の鉄錯化基の各ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得るが、本明細書に開示される置換ヒドロカルビル基を有する鉄錯化基の各置換ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5置換ヒドロカルビル基であり得る。一態様において、本明細書に記載されるヒドロカルビル/置換ヒドロカルビル基を有する鉄錯化基の各ヒドロカルビル/置換ヒドロカルビル基は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、もしくは置換アリール基、代替的にはアルキル基もしくは置換アルキル基、代替的には、シクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基、代替的にはアルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、または代替的には置換アリール基であり得る。置換アルキル基(一般的または特定の)、置換シクロアルキル基(一般的または特定の)、置換アリール基(一般的または特定の)、および/または置換アラルキル基(一般的または特定の)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、置換鉄錯化基をさらに記載するために利用することができる。
【0081】
本明細書に開示の任意の態様および/または実施形態において、本明細書に開示されるアルキル基を有する任意の鉄錯化基のアルキル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得、一方、本明細書に開示されるアルキル基を有する任意の鉄錯化基の置換アルキル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5置換アルキル基であり得る。一態様では、本明細書に開示されるアルキル基を有する任意の鉄錯化基のアルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、またはペンチル基であり得る。いくつかの態様では、本明細書に開示されるアルキル基を有する任意の鉄錯化基のアルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-1-ブチル基、tert-ペンチル基、3-メチル-1-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、またはネオペンチル基であり得る。いくつかの態様では、本明細書に開示されるアルキル基を有する任意の鉄錯化基のアルキル基として利用することができるアルキル基は置換することができる。置換アルキル基(一般的または特定の)の各置換基は、独立して、ハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、鉄錯化基の置換アルキル基として利用され得る置換アルキル基をさらに記載するために利用することができる。
【0082】
本明細書に開示の任意の態様または実施形態において、本明細書に開示されるシクロアルキル基を有する任意の鉄錯化基のシクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得、一方、本明細書に開示のシクロアルキル基を有する任意の鉄錯化基の置換シクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。一態様では、本明細書に記載されるシクロアルキル基/置換シクロアルキル基を有する鉄錯化基の各シクロアルキル基/各置換シクロアルキル基は、独立して、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、または代替的には置換シクロヘキシル基であり得る。指定された数の環炭素原子を有する置換シクロアルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ(一般的および特定の)基は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、鉄錯化基の置換シクロアルキル基として利用され得る置換シクロアルキル基をさらに説明するために利用することができる。
【0083】
本明細書に開示の任意の態様および/または実施形態において、本明細書に開示されるアリール基を有する任意の鉄錯化基のアリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得、一方、本明細書に開示される置換アリール基を有する任意の鉄錯化基の置換アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基である。一態様では、本明細書に開示されるアリール基/置換アリール基を有する任意の鉄錯化基のアリール基/置換アリール基は、独立して、フェニル基もしくは置換フェニル基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。いくつかの態様において、置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基の置換フェニル基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換フェニル基であり得る。一態様では、置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基の置換フェニル基は、独立して、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基もしくは3,5-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基もしくは4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。一態様では、本明細書に記載される置換アリール基または置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基のための置換フェニル基として利用され得る多置換フェニル基の1つ以上の置換基は、同一かまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同一であってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基は異なってもよい。置換アリール基または置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基のための置換フェニル基として利用され得る置換フェニル基(一般的または特定の)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、非限定的に、置換アリール基または置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基のための置換フェニル基として利用され得る置換フェニル基(一般的または特定の)をさらに記載するために利用することができる。
【0084】
一態様では、本明細書に開示される置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基の置換フェニル基は、独立して、2-アルキルフェニル基、3-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、3,5-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には3-アルキルフェニル基もしくは3,5-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、代替的には4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基、代替的には2,6-ジアルキルフェニル基、または代替的には2,4,6-トリアルキルフェニル基であり得る。アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、非限定的に、本明細書に記載される置換アリール基または置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基のための置換フェニル基として利用され得る任意のアルキル置換フェニル基をさらに記載するために利用することができる。一般に、ジアルキルフェニル基(一般的または特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的または特定の)のアルキル置換基は同一であってもよく、または代替的には、ジアルキルフェニル基(一般的もしくは特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的もしくは特定の)のアルキル置換基は異なっていてもよい。いくつかの非限定的な態様において、本明細書に開示される置換フェニル基を有する任意の鉄錯化基の置換フェニル基は、独立して、3,5-ジメチルフェニル基であり得る。
【0085】
鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、結合またはオルガニル基、代替的には結合または不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には結合またはヒドロカルビル基、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的には結合であり得る。本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結するオルガニル連結基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基である不活性官能基から本質的になるオルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基であるヒドロカルビル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。本明細書中に開示される任意の態様および/または実施形態では、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基であるヒドロカルビル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。一般に、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、非環式または環式、および/または芳香族であり得る。
【0086】
一態様では、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、-(CRL1)m-、フェニル-1,2-エン基、または置換フェニル-1,2-エン基、代替的にはフェニル-1,2-エン基もしくは置換フェニル-1,2-エン基、代替的には-(CRL1)m-、代替的にはフェニル-1,2-エン基、代替的には置換フェニル-1,2-エン基であり得る。RL1およびmは、構造-(CRL1)m-を有する連結基の独立した要素であり、本明細書に独立して記載されている。RL1およびmの独立した記載は、鉄塩錯化基を、構造-(CRL1)m-を有する、α-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基をさらに記載するために、限定することなく、任意の組み合わせで利用できる。構造-(CRL1)m-内で、各RL1は独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはブチル基、代替的には、水素、メチル基、またはプロピル基であり得る。構造-(CRL1)m-内で、mは1~5の整数、代替的には2もしくは3、代替的には2、または代替的には3であり得る。鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基として利用することができる置換フェニル-1,2-エン基の各置換基は、ハライド、アルキル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライドもしくはアルキル基、代替的にはハライドおよびヒドロカルボキシ基、代替的にはアルキル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライド、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基として利用することができるハライド、アルキル基(一般的および特定の)、およびヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書に独立して開示され、非限定的に、任意の組み合わせで、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基として利用できる置換フェニル-1,2-エン基をさらに記載するために利用することができる。いくつかの態様において、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、メチレン基、エト-1,2-イレン基、プロパ-1,3-イレン基、ブチル-1,3-エン基、ジメチルメチレン基、ブチル-1,4-エン基、またはフェン-1,2-イレン基等であり得る。いくつかの非限定的な態様において、鉄塩錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基は、エタ-1,2-イレン基、プロパ-1,3-イレン基、もしくは、フェン-1,2-イレン基、代替的にはエタ-1,2-イレン基、もしくはプロパ-1,3-イレン基、代替的には、エタ-1,2-イレン基、代替的には、プロパ-1,3-イレン基、または代替的には、フェン-1,2-イレン基であり得る。
【0087】
非限定的な態様において、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン基は、2-(N,N-ジイソプロピルアミニル)エチル基、2-(N,N-ジフェニルアミニル)エチル基、2-(N,N-ジ-(3,5-ジメチルフェニル)アミニル)エチル基、2-(ジ(イソプロピルフェニル)ホスフィニル)エチル基、2-(ジフェニルホスフィニル)エチル基、2-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)エチル基、3-(ジイソプロピルホスフィニル)プロピル基、3-(ジフェニルホスフィニル)プロピル基、3-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)プロピル基、2-イソプロポキシエチル基、2-フェノキシエチル基、または2-(3,5-ジメチルフェノキシ)エチル基であり得る。非限定的な態様において、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン基は、2-(N,N-ジイソプロピルアミニル)エチル基、2-(N,N-ジフェニルアミニル)エチル基、2-(N,N-ジ-(3,5-ジメチルフェニル)アミニル)エチル基、代替的には、2-(ジ(イソプロピルフェニル)ホスフィニル)エチル基、2-(ジフェニルホスフィニル)エチル基、2-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)エチル基、3-(ジイソプロピルホスフィニル)プロピル基、3-(ジフェニルホスフィニル)プロピル基、3-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)プロピル基、または代替的には、2-イソプロポキシエチル基、2-フェノキシエチル基、または2-(3,5-ジメチルフェノキシ)エチル基であり得る。他の非限定的な態様において、(1)鉄錯化基および(2)鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン基は、2-(ジ(イソプロピルフェニル)ホスフィニル)エチル基、2-(ジフェニルホスフィニル)エチル基、2-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)エチル基、代替的には3-(ジイソプロピルホスフィニル)プロピル基、3-(ジフェニルホスフィニル)プロピル基、3-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)プロピル基、代替的には2-(ジ(イソプロピルフェニル)ホスフィニル)エチル基、代替的には2-(ジフェニルホスフィニル)エチル基、または代替的には2-(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィニル)エチル基であり得る。
【0088】
様々な態様および/または実施形態では、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体を本明細書に記載のプロセスで利用することができる。一般に、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体は、適当な条件下でエチレンおよび他の適当な試薬(複数可)と接触させるときに、オリゴマー生成物を形成することができる任意のピリジンビスイミンまたは任意のピリジンビスイミン鉄塩錯体であり得る。一般に、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、そして本明細書に独立して開示されている。ピリジンビスイミン鉄錯体およびピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の独立した記載は、限定することなく、非限定的に、本明細書に記載されるプロセスの態様および/または実施形態において利用することができるピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載するのに使用することができる。一態様では、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、ただ1つのピリジンビスイミン基を含むことができ、または代替的には、ピリジンビスイミンは、2つのピリジンビスイミン基のみを含むことができる。
【0089】
一態様では、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、構造PBI Iまたは構造PBI II、代替的には構造PBI I、または代替的には構造PBI IIを有することができる。一態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、構造PBIFe Iまたは構造PBIFe II、代替的には構造PBIFe I、または代替的には構造PBIFe IIを有することができる。
【化2】
構造PBI Iを有するピリジンビスイミンまたは構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、およびR
7は、構造PBI Iを有するピリジンビスイミンおよび構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、独立して本明細書に記載される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、およびR
7の独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで、構造PBI Iを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載するために利用できる。同様に、構造PBI IIを有するピリジンビスイミンまたは構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR
2、R
6、R
7、L
1、およびL
2は、構造PBI IIを有するピリジンビスイミンおよび構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体は、構造PBI IIを有するピリジンビスイミンおよび構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して記載されている。R
2、R
6、R
7、L
1、およびL
2の独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで構造PBI IIを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載するために、利用することができる。さらに、本明細書で独立して記載される鉄塩、FeX
nは、非限定的に、独立して記載されるR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、L
1、およびL
2と組み合わせて、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、L
1、および/またはL
2を有する本明細書に記載される適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体の構造をさらに記載することができる。
【0090】
一般に、R1、R2、および/またはR3を有するそれぞれのピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR1、R2、および/またはR3は、独立して、水素、不活性官能基、もしくはオルガニル基、代替的には水素もしくはオルガニル基、代替的には不活性官能基もしくはオルガニル基、代替的には水素、不活性官能基、もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には、不活性官能基もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素、不活性官能基、もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には、不活性官能基もしくはヒドロカルビル基、代替的には、水素もしくは不活性官能基、代替的には水素、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R1、R2、および/またはR3オルガニル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、不活性官能基から本質的になるR1、R2、および/またはR3オルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R1、R2、および/またはR3ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。
【0091】
本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R1、R2、および/またはR3ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。一態様では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R1、R2、および/またはR3アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの態様では、R1、R2、および/またはR3を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R1、R2、および/またはR3アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、またはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。
【0092】
特定の態様では、R
1、R
2、および/またはR
3基を有するピリジンビスイミンのR
1、R
2、および/またはR
3は、それぞれ水素であり得る。これらの態様において、ピリジンビスイミンは構造PBI IIIまたは構造PBI IV、代替的には構造PBI III、または代替的には構造PBI IVを有し得る。同様に、特定の態様では、R
1、R
2、および/またはR
3基を有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR
1、R
2、および/またはR
3は、それぞれ水素であり得る。これらの態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、構造PBIFe IIIまたは構造PBIFe IV、代替的には構造PBIFe III、または代替的には構造PBIFe IVを有することができる。
【化3】
構造PBI IIIを有するピリジンビスイミンまたは構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR
4、R
5、R
6、およびR
7は、構造PBI IIIを有するピリジンビスイミンおよび構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、独立して本明細書に記載される。R
4、R
5、R
6、L
7、およびR
7の独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで構造PBI IIIを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載するために、利用することができる。同様に、構造PBI IVを有するピリジンビスイミンまたは構造PBIFe IVを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR
6、R
7、L
1、およびL
2は、構造PBI IVを有するピリジンビスイミンおよび構造PBIFe IVを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、独立して本明細書に記載される。R
6、R
7、L
1、およびL
2の独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで構造PBI IIIを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載するために、利用することができる。さらに、本明細書で独立して記載される鉄塩、FeX
nは、非限定的に、独立して記載されるR
4、R
5、R
6、R
7、L
1、およびL
2と組み合わせて、R
4、R
5、R
6、R
7、L
1、および/またはL
2を有する本明細書に記載される適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体の構造をさらに記載することができる。
【0093】
一般に、R4および/またはR5を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR4および/またはR5は、独立して、水素もしくはオルガニル基、代替的には水素もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R4および/またはR5オルガニル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、不活性官能基から本質的になるR4および/またはR5オルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R4および/またはR5ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。
【0094】
本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R4および/またはR5ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。一態様では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R4および/またはR5アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの態様では、R4および/またはR5基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、R4および/またはR5アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、またはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。
【0095】
一態様では、R1とR4および/またはR3とR5が結合して、ピリジン基の2個の炭素原子およびイミン基の炭素原子を含む環または環系を形成することができる。そのような態様において、L1は結合したR3とR5を表し、L2は結合したR1とR4を表す。一般に、L1および/またはL2を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のL1および/またはL2は、独立して、オルガニレン基、代替的には本質的に不活性官能基からなるオルガニレン基、または代替的にはヒドロカルビレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、L1および/またはL2基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、L1および/またはL2オルガニレン基は、独立して、C2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5オルガニレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、L1および/またはL2基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、不活性官能基から本質的になるL1および/またはL2オルガニレン基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5オルガニレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、L1および/またはL2基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体の、L1および/またはL2ヒドロカルビレン基は、独立して、C2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5ヒドロカルビレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、L1および/またはL2を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の、L1および/またはL2ヒドロカルビレン基は、独立して、C2~C20、C2~C10、またはC2~C5アルキレン基であり得る。ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体がL1およびL2基を有する任意の態様または実施形態において、L1およびL2は異なっていてもよく、代替的にはL1およびL2は同一であり得る。
【0096】
一態様では、L1および/またはL2は独立して構造-(C(R11)2)p-を有することができる。一般に、R11およびpは、構造-(C(R11)2)p-を有するL1および/またはL2の独立した特徴であり、本明細書に独立して記載されている。R11およびpの独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで、構造-(CR11)p-を有するL1および/またはL2を記載するために利用することができ、L1および/またはL2を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体を記載するためにさらに利用することができる。一態様では、各R11は独立して、水素、不活性官能基、もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一般的および特定の不活性官能基およびヒドロカルビル基は、本明細書で独立して(例えば、潜在的な置換基として)記載されており、これらの記載は、非限定的に、L1およびL2をさらに記載するために利用できる。一態様では、各pは、独立して、2~5の整数、代替的に、2~3の整数、代替的に2、または代替的に3であり得る。非限定的な態様において、L1およびL2は独立して、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-C(CH3)2-、もしくは-CH2CH2CH2CH2-、代替的には-CH2CH2-もしくは-CH2CH2CH2-、代替的には-CH2CH2-、または代替的には-CHCH2CH2-であり得る。一態様では、L1およびL2は異なっていてもよい。他の態様において、L1およびL2は、同一であってもよい。
【0097】
一般に、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7は、独立して、アリール基、置換アリール基、フェニル基、もしくは置換フェニル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはフェニル基もしくは置換フェニル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7置換アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7置換フェニル基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C15置換フェニル基であり得る。R6および/またはR7として利用できる置換アリール基(一般的または特定の)、または置換フェニル基(一般的または特定の)の各置換基は、ハライド、アルキル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライドもしくはアルキル基、代替的にはハライドもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはアルキル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライド、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基として利用することができるハライド、アルキル基(一般的および特定の)、およびヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書に独立して開示され、非限定的に、任意の組み合わせで、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7をさらに記載するのに利用することができる。
【0098】
一態様では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7として独立して利用できる各置換フェニル基は、2位に置換基を含む置換フェニル基、3位に置換基を含む基、4位に置換基を含む置換フェニル基、2および3位に置換基を含む置換フェニル基、2および4位に置換基を含む置換フェニル基、2および5位に置換基を含む置換フェニル基、3および5位に置換基を含む置換フェニル基、2および6位に置換基を含む置換フェニル基、もしくは2、4、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には、2位に置換基を含む置換フェニル基、4位に置換基を含む置換フェニル基、2および4位に置換基を含む置換フェニル基、2および6位に置換基を含む置換フェニル基、もしくは2、4、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には、2および6位に置換基を含む置換フェニル基、もしくは2、4、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には3位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には4位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2および3位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2および4位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2および5位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には3および5位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2および6位に置換基を含む置換フェニル基、または代替的に2、4、および6位に置換基を含む置換フェニル基であり得る。いくつかの態様において、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7として独立して利用され得る各置換フェニル基は、(1)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個、2個、または3個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの残りが水素であり得るか、(2)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の1個が第三級炭素原子であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちのゼロ、1個または2個が独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、(3)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基のうちのゼロまたは1個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の残りが水素であり得るか、(4)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、5)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が、第四級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、または6)R6およびR7置換フェニル基の2および6位の4つ全てがフッ素であり得る。R6および/またはR7として利用できる置換アリール基(一般的または特定の)、または置換フェニル基(一般的または特定の)の各置換基は、ハライド、アルキル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライドもしくはアルキル基、代替的にはハライドもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはアルキル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライド、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基として利用することができるハライド、アルキル基(一般的および特定の)、およびヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書に独立して開示され、非限定的に、任意の組み合わせで、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7をさらに記載するのに利用することができる。さらに、当業者は、置換フェニル基(複数可)についての基準(例えば、他の基準の中でもとりわけ、第一級、第二級、第三級、および第四級炭素原子基)を満たす独立に記載された置換フェニル基を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択することができる。
【0099】
一態様では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7として利用することのできる各置換フェニル基は、独立して、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,3-二置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,5-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的に2,6-二置換フェニル基もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,3-二置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,5-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。いくつかの態様において、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7として独立して利用され得る各置換フェニル基は、(1)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個、2個、または3個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの残りが水素であり得るか、(2)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の1個が第三級炭素原子であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちのゼロ、1個または2個が独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、(3)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基のうちのゼロまたは1個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の残りが水素であり得るか、(4)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、5)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が、第四級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、または6)R6およびR7置換フェニル基の2および6位の4つ全てがフッ素であり得る。R6および/またはR7として利用できる置換アリール基(一般的または特定の)、または置換フェニル基(一般的または特定の)の各置換基は、ハライド、アルキル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライドもしくはアルキル基、代替的にはハライドもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはアルキル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハライド、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基として利用することができるハライド、アルキル基(一般的および特定の)、およびヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書に独立して開示され、非限定的に、任意の組み合わせで、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7をさらに記載するのに利用することができる。さらに、当業者は、置換フェニル基(複数可)についての基準(例えば、他の基準の中でもとりわけ、第一級、第二級、第三級、および第四級炭素原子基)を満たす独立に記載された置換フェニル基を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択することができる。
【0100】
一態様では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7は、独立して、フェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、2-(フェニル)フェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2-フルオロ-3-メチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,4-ジエチルフェニル基、2,4-ジイソプロピルフェニル基、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-フルオロ-4-メチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジフェニルフェニル基、2-フルオロ-6-メチルフェニル基、2,6-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、3,5-ジエチルフェニル基、3,5-ジイソプロピルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、または2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。いくつかの態様において、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR6および/またはR7は、(1)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個、2個、または3個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの残りが水素であり得るか、(2)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の1個が第三級炭素原子であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちのゼロ、1個または2個が独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、(3)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基のうちのゼロまたは1個が、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の残りが水素であり得るか、(4)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が第三級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、5)R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位のうちの1個または2個が、第四級炭素原子基であり得、R6およびR7フェニル基および/または置換フェニル基の2および6位の残りが水素であり得るか、または6)R6およびR7置換フェニル基の2および6位の4つ全てがフッ素であり得る。当業者は、置換フェニル基についての基準(例えば、他の基準の中でもとりわけ、第一級、第二級、および第三級炭素原子基)を満たす独立に記載された置換フェニル基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択することができる。
【0101】
一態様では、ピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、もしくは[(アリールイミン)ヒドロカルビル)],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、代替的には2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、代替的にはビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、または代替的には[(アリールイミン)ヒドロカルビル]もしくは[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。一態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、もしくは[(アリールイミン)ヒドロカルビル)],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、代替的には2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、代替的にはビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、または代替的には[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。いくつかの態様では、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンまたは2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体のアリール基は同一でも異なっていてもよく、代替的には同一であってもよく、または代替的には異なっていてもよい。いくつかの態様では、2,6-ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンまたは2,6-ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体の置換アリール基は同一でも異なっていてもよく、代替的には同一であってもよく、または代替的には異なっていてもよい。一態様では、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、および/または[(アリールイミン)ヒドロカルビル)],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得、1)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個、2個または3個が独立してハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが、水素であり得るか、2)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個が、第三級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちのゼロ、1個または2個が、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが、水素であり得るか、3)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの2個が、独立して、第三級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちのゼロ、または1個がハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であり得るか、4)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個または2個が、独立して、第三級炭素原子基(複数可)であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であり得るか、5)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個または2個が第四級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であり得るか、または6)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位の置換アリール基の4個全てがフッ素であり得る。ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、アリール基(一般的および特定の)、ならびに置換アリール基(一般的および特定の)は、本明細書中で独立して記載される。ヒドロカルビル基、アリール基、および置換アリール基の独立した記載は、非限定的に、任意の組み合わせで、本明細書に記載のプロセスにおいて利用することができるピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体として利用することができる2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、または[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンをさらに記載するために利用できる。当業者は、アリール基および/または置換アリール基についての基準(例えば、他の基準の中でもとりわけ、第一級、第二級、および第三級炭素原子基)を満たす独立に記載されたアリール基(複数可)および/または置換アリール基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のアリール基(複数可)および/または置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切なアリール基(複数可)および/または置換アリール基(複数可)を選択することができる。さらに、鉄塩、FeXnは、本明細書で独立して記載され、非限定的に、独立して記載されるアリール基(複数可)および置換アリール基(複数可)と組み合わせて、本明細書に記載されるプロセスで利用可能な適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載することができる。
【0102】
一態様では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,6-ジエチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチル-フェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、または2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)-メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)]メチル]ピリジンであり得る。鉄塩、FeXnは、本明細書で独立して記載され、非限定的に、ピリジンビスイミンと組み合わせて、本明細書に記載されるプロセスで利用可能な適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに記載することができる。
【0103】
本開示における使用に適したピリジンビスイミン鉄塩錯体のさらなる記載は、US5,955,555、US6,103,946、US6,291,733、US6,489,497、US6,451,939、US6,455,660、US6,458,739、US6,472,341、US6,545,108、US6,559,091、US6,657,026、US6,683,187、US6,710,006、US6,911,505、US6,911,506、US7,001,964、US7,045,632、US7,056,997、US7,223,893、US7,456,284、US7,683,149、US7902,415、US7,994,376およびEP1229020A1に見出すことができる。
【0104】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩は式FeXnを有し得る。式FeXnを有する鉄塩の式の範囲内で、Xはモノアニオン種を表し、nはモノアニオン種の数(または鉄の酸化状態)を表す。一般に、モノアニオン種X、およびアニオン種の数(または鉄の酸化状態)nは、鉄塩の独立した要素であり、本明細書において独立して記載されている。式FeXnを有する鉄塩は、本明細書に記載のモノアニオン種の任意の態様および/または実施形態、ならびに本明細書に記載のモノアニオン種の数(または鉄酸化状態)の任意の態様および/または実施形態を利用して記載できる。
【0105】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種の数(または鉄酸化状態)は、鉄原子に利用可能な酸化状態に対応する任意の正の値であり得る。一態様では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種の数nは、1、2または3、代替的には2または3、代替的には1、代替的には2、または代替的には3であり得る。
【0106】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種Xは、任意のモノアニオン種であり得る。一態様では、モノアニオンXは、ハライド、カルボキシレート、β-ジケトネート、ヒドロカルボキシド、ニトレート、またはクロレートであり得る。いくつかの態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種Xは、ハライド、カルボキシレート、β-ジケトネート、またはヒドロカルボキシド、または代替的にはハライド、カルボキシレート、もしくはβ-ジケトネートであり得る。任意の態様および/または実施形態ではヒドロカルボキシドは、アルコキシド、アリールオキシド、またはアラルコキシドであり得る。一般に、ヒドロカルボキシド(およびヒドロカルボキシドの副区分)は、ヒドロカルボキシ基のアニオン類似体である。他の態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種Xは、ハライド、カルボキシレート、β-ジケトネート、またはアルコキシドであり得る。他の態様において、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン種Xは、ハライド、代替的にはカルボキシレート、代替的にはβ-ジケトネート、代替的にはヒドロカルボキシド、代替的にはアルコキシド、または代替的にはアリールオキシドであり得る。
【0107】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ハライドモノアニオン種Xは、独立して、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、または代替的には塩素、臭素、もしくはヨウ素であり得る。一態様では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ハライドモノアニオン種Xは、塩素、代替的には臭素、代替的にはヨウ素であり得る。
【0108】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボキシレートモノアニオン種Xは、独立して、C1~C20カルボキシレート、または代替的にはC1~C10カルボキシレートであり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボキシレートは、独立して、アセテート、プロピオネート、ブチレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、オクタノエート、ノナノエート、デカノエート、ウンデカノエート、もしくはドデカノエート、代替的にはペンタノエート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、オクタノエート、ノナノエート、もしくはデカノエートであり得る。いくつかの態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボキシレートモノアニオン種Xは、独立して、アセテート、プロピオネート、n-ブチレート、バレレート(n-ペンタノエート)、ネオペンタノエート、カプロネート(n-ヘキサノエート)、n-ヘプタノエート、カプリレート(n-オクタノエート)、2-エチルヘキサノエート、n-ノナノエート、カプレート(n-デカノエート)、n-ウンデカノエート、またはラウレート(n-ドデカノエート)、代替的にはバレレート(n-ペンタノエート)、ネオ-ペンタノエート、カプロネート(n-ヘキサノエート)、n-ヘプタノエート、カプリレート(n-オクタノエート)、2-エチルヘキサノエート、n-ノナノエート、もしくはカプレート(n-デカノエート、代替的にはn-ヘプタノエート、代替的にはカプリレート(n-オクタノエート)、また代替的には2-エチルヘキサノエートであり得る。いくつかの態様において、カルボキシレートはトリフレート(トリフルオロアセテート)であり得る。
【0109】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各βジケトネートモノアニオン種Xは、独立して、C1~C20βジケトネート、または代替的にはC1~C10βジケトネートであり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各β-ジケトネートモノアニオン種Xは、独立してアセチルアセトネート(すなわち、2,4-ペンタンジオネート)、ヘキサフルオロアセチルアセトネート(すなわち1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオネート)、もしくはベンゾイルアセトネート、代替的にはアセチルアセトネート、代替的にはヘキサフルオロアセチルアセトン、または代替的にはベンゾイルアセトネートであり得る。
【0110】
一般に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ヒドロカルボキシドモノアニオン種Xは、独立して、任意のC1~C20ヒドロカルボキシド、または代替的には任意のC1~C10ヒドロカルボキシドであり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ヒドロカルボキシドモノアニオン種Xは、独立して、C1~C20アルコキシド、代替的にはC1~C10アルコキシド、代替的にはC6~C20アリールオキシド、または代替的にはC6~C10アリールオキシドであり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アルコキシドモノアニオン種Xは、独立して、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、またはブトキシドであり得る。いくつかの態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アルコキシドモノアニオン種Xは、独立して、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、もしくはtert-ブトキシド、代替的にはメトキシド、代替的にはエトキシド、代替的にはイソプロポキシド、または代替的にはtert-ブトキシドであり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アリールオキシドモノアニオン種Xは、独立してフェノキシドであり得る。
【0111】
一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩は、ハロゲン化鉄、鉄アセチルアセトネート、カルボン酸鉄、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。いくつかの態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄塩は、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(II)アセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、2-エチルヘキサン酸鉄(II)、2-エチルヘキサン酸鉄(III)、トリフラート鉄(II)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(II)アセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、鉄(II)アセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、代替的には塩化鉄(III)、または代替的には鉄(II)アセチルアセトネートを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。
【0112】
いくつかの態様において、ヘテロ原子配位子鉄塩(例えば、鉄塩錯体)は、
【化4】
からなる群から選択される構造を有し得る。
【0113】
他の態様において、ヘテロ原子配位子鉄塩錯体は、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)-メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2,6-ビス[(2,4-)ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,6-ジエチルフェニル-イミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体、および2-[(2,4,6)-[トリメチル-フェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄ジクロリド錯体からなる群から選択され得る。
【0114】
明確には示されていないまたは述べられていないが、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体は、中性配位子をさらに含むことができることに留意すべきである。鉄塩のための非ピリジンビスイミン中性配位子および/または非α-ジイミン中性配位子、または鉄塩錯体は、本明細書中に提供される名称、構造、または式では提供されないが、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、α-ジイミン鉄塩錯体の名称および叙述は、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体を非ピリジンビスイミン中性配位子または非α-ジイミン中性配位子を有さないものに限定しない。実際、本明細書に開示されている任意の態様または本明細書に開示されている任意の態様で利用することができる鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体は、本明細書に開示される任意の態様が非ピリジンビスイミン中性配位子または非α-ジイミン中性配位子を含み得、本明細書に提供されるこれらの名称および叙述は、鉄塩または鉄塩錯体を記載するのに使用される文言にかかわらず、鉄塩または鉄塩錯体を非ピリジンビスイミン中性配位子または非α-ジイミン中性配位子を含まないものに限定しない。非ピリジンビスイミン中性配位子および非αジイミン中性配位子が本明細書に提供され、非限定的に、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはαジイミン鉄塩錯体をさらに記載するために利用することができる。
【0115】
一般に、存在する場合、中性配位子は、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体と単離可能な化合物を形成する任意の中性配位子であり得る。一態様では、各中性配位子は、独立して、ニトリル、エーテル、もしくはアミン、代替的にはニトリル、代替的にはエーテル、または代替的にはアミンであり得る。鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体の中性配位子の数は、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはα-ジイミン鉄塩錯体と単離可能な化合物を形成する任意の数であり得る。一態様では、鉄塩、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、および/またはαジイミン鉄塩錯体の非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子の数は1、2、3、4、5、もしくは6、代替的に1、代替的に2、代替的に3、代替的に4、代替的に5、または代替的に6であり得る。
【0116】
一般に、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各ニトリル配位子は独立して、C2~C20ニトリル、または代替的にはC2~C10ニトリルであり得る。一態様では、各ニトリルリガンドは独立して、C2~C20脂肪族ニトリル、C7~C20芳香族ニトリル、C8~C20アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC2~C20脂肪族ニトリル、代替的にはC7~C20芳香族ニトリル、または代替的にはC8~C20アラルカンニトリルであり得る。いくつかの態様では、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各ニトリル配位子は独立して、C2~C10脂肪族ニトリル、C7~C10芳香族ニトリル、C8~C10アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC1~C10脂肪族ニトリル、代替的にはC7~C10芳香族ニトリル、または代替的にはC8~C10アラルカンニトリルであり得る。一態様では、非ピリジンビスイミン中性配位子または非αジイミンとして利用することのできる各脂肪族ニトリルは、独立して、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはアセトニトリル、代替的にはプロピオニトリル、代替的にはブチロニトリル、または代替的にはベンゾニトリルであり得る。
【0117】
一般に、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各エーテル配位子は独立して、C2~C40エーテル、代替的にはC2~C30エーテル、または代替的にはC2~C20エーテルであり得る。一態様では、非ピリジンビスイミン中性配位子または非αジイミンとして利用することのできる各エーテル配位子は独立して、C2~C40脂肪族エーテル、C3~C40脂肪族環式エーテル、C4~C40芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C40脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C40脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C40脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C40脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C40芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの態様では、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各エーテルリガンドは独立して、C2~C30脂肪族エーテル、C3~C30脂肪族環式エーテル、C4~C30芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C30脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C30脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C30脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C30脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C30芳香族環式エーテルであり得る。他の態様では、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各エーテル配位子は独立して、C2~C20脂肪族エーテル、C3~C20脂肪族環式エーテル、C4~C20芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C20脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C20脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C20脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C20脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C20芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの態様では、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用することのできる各エーテル配位子は独立して、ジメチルエーテル、ジエチルーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、代替的にはジエチルエーテル、代替的にはジプロピルエーテル、代替的にはジブチルエーテル、代替的にはメチルエチルエーテル、代替的にはメチルプロピルエーテル、代替的にはメチルブチルエーテル、代替的にはテトラヒドロフラン、代替的にはジヒドロフラン、代替的には1,3-ジオキソラン、代替的にはテトラヒドロピラン、代替的にはジヒドロピラン、代替的にはピラン、代替的にはジオキサン、代替的にはフラン、代替的にはベンゾフラン、代替的にはイソベンゾフラン、代替的にはジベンゾフラン、代替的にはジベンゾフラン、代替的にはジフェニルエーテル、または代替的にはジトリルエーテルであり得る。
【0118】
一態様では、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として独立して利用することができる各アミンは、モノヒドロカルビルアミン、ジヒドロカルビルアミン、またはトリヒドロカルビルアミン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはモノヒドロカルビルアミン、代替的にはジヒドロカルビルアミン、または代替的にはトリヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミンまたは非α-ジイミン中性配位子として利用することができるモノヒドロカルビルアミンは、C1~C30、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5モノヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミンまたは非α-ジイミン中性配位子として利用することができるジヒドロカルビルアミンは、C2~C30、C2~C20、C2~C10、またはC2~C5ジヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミンまたは非α-ジイミン中性配位子として利用することができるトリヒドロカルビルアミンは、C3~C30、C3~C20、またはC3~C10ジヒドロカルビルアミンであり得る。ヒドロカルビル基(一般的および特定の)は本明細書に開示され(例えば他の場所でとりわけ置換基として)、非限定的に、非ピリジンビスイミンまたは非α-ジイミン中性配位子として使用することができるモノヒドロカルビルアミン、ジヒドロカルビルアミン、および/またはトリヒドロカルビルアミンをさらに記載するのに利用できる。一般に、ジヒドロカルビルアミン(またはトリヒドロカルビルアミン)の各ヒドロカルビル基は互いに独立していてもよく、同一であってもよく、または代替的には異なっていてもよい。非限定的な態様において、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用され得るモノヒドロカルビルアミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンもしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはメチルアミン、代替的にはエチルアミン、代替的にはプロピルアミン、または代替的にはブチルアミンであり得るか、それらを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。いくつかの態様において、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用され得るジヒドロカルビルアミンは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンもしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルアミン、代替的にはジエチルアミン、代替的にはジプロピルアミン、または代替的にはジブチルアミンであり得るか、それらを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。いくつかの態様において、非ピリジンビスイミンまたは非αジイミン中性配位子として利用され得るトリヒドロカルビルアミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンもしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはトリメチルアミン、代替的にはトリエチルアミン、代替的にはトリプロピルアミン、または代替的にはトリブチルアミンであり得るか、それらを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。
【0119】
一態様では、本明細書に記載のプロセスで利用できる有機アルミニウム化合物は、アルミノキサン、アルキルアルミニウム化合物、もしくはそれらの組み合わせ、代替的にはアルミノキサン、または代替的にはアルキルアルミニウム化合物を含み得る。一態様では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの態様では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはトリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、または代替的にはトリアルキルアルミニウムであり得る。他の態様では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、代替的にはハロゲン化アルキルアルミニウム、代替的にはアルキルアルミニウムアルコキシドであり得る。
【0120】
一態様では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシドまたはアルミノキサン)の各アルキル基は独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C6アルキル基であり得る。一態様では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、またはアルミノキサン)の各アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、またはオクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、またはオクチル基であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。いくつかの態様では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、またはアルミノキサン)の各アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、n-ヘキシル基、もしくはn-オクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、n-ブチル基、もしくはイソ-ブチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル基、代替的にはn-ブチル基、代替的にはイソ-ブチル基、代替的にはn-ヘキシル基、または代替的にはn-オクチル基であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0121】
一態様では、本明細書に開示されている任意のアルキルアルミニウムハライドの各ハライドは、独立して、クロリド、ブロミド、またはヨージドであり得る。いくつかの態様において、本明細書に開示されている任意のハロゲンかアルキルアルミニウムの各ハライドは、クロリドもしくはブロミド、または代替的にはクロリドであり得る。
【0122】
一態様では、本明細書に開示される任意のアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C6アルコキシ基であり得る。一態様では、本明細書に開示される任意のアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は、独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、もしくはオクトキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキソキシ基、もしくはオクトキシ基であり得る。いくつかの態様では、本明細書に開示されるアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は、独立して、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソ-ブトキシ基、n-ヘキソキシ基、もしくはn-オクトキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、もしくはイソ-ブトキシ基、代替的にはメトキシ基、代替的にはエトキシ基、代替的にはn-プロポキシ基、代替的にはn-ブトキシ基、代替的にはイソ-ブトキシ基、代替的にはn-ヘキソキシ基、または代替的にはn-オクトキシ基であり得る。
【0123】
非限定的な態様では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、またはこれらの混合物を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。いくつかの非限定的な態様では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。他の非限定的な態様では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、代替的にはトリエチルアルミニウム、代替的にはトリプロピルアルミニウム、代替的にはトリ-n-ブチルアルミニウム、代替的にはトリ-イソブチルアルミニウム、代替的にはトリヘキシルアルミニウム、または代替的にはトリ-n-オクチルアルミニウムを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。
【0124】
非限定的な態様では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、またはそれらの混合物を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。いくつかの非限定的な態様では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、およびそれらの混合物、代替的には塩化ジエチルアルミニウム、代替的には臭化ジエチルアルミニウム、代替的には二塩化エチルアルミニウム、または代替的にはエチルアルミニウムセスキクロリドを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。
【0125】
非限定的な態様では、アルミノキサンは、式Iによって特徴づけられる繰返し単位を有し、
【化5】
式中、R’は、直鎖または分岐鎖アルキル基である。有機アルミニウム化合物のアルキル基は本明細書に独立して記載されており、非限定的に、式Iを有するアルミノキサンをさらに記載するために利用することができる。一般に、式Iのnは1より大きく、または代替的に2より大きい。一態様では、nは、2~15の範囲、または代替的には3~10の範囲であり得る。
【0126】
非限定的な態様では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-プロピルアルミノキサン、イソ-プロピル-アルミノキサン、n-ブチルアルミノキサン、sec-ブチルアルミノキサン、イソ-ブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、1-ペンチル-アルミノキサン、2-エンチルアルミノキサン、3-ペンチル-アルミノキサン、イソ-ペンチル-アルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、またはこれらの混合物を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。いくつかの非限定的な態様では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、イソブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、またはこれらの混合物を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。他の非限定的な態様では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、代替的にはエチルアルミノキサン、代替的には修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、代替的にはn-プロピルアルミノキサン、代替的にはイソ-プロピル-アルミノキサン、代替的にはn-ブチルアルミノキサン、代替的にはsec-ブチルアルミノキサン、代替的にはイソ-ブチルアルミノキサン、代替的にはt-ブチルアルミノキサン、代替的には1-ペンチル-アルミノキサン、代替的には2-ペンチルアルミノキサン、代替的には3-ペンチル-アルミノキサン、代替的にはイソ-ペンチル-アルミノキサン、または代替的にはネオペンチルアルミノキサンであってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0127】
一態様では、本明細書に記載のプロセスは有機反応媒体を利用することができる。一般に、有機反応媒体は、本明細書に記載されるプロセスにおいて溶媒および/または希釈剤として作用し得る。一態様では、有機反応媒体は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、もしくはそれらの組み合わせ、代替的には、1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上の炭化水素、または代替的には1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上のハロゲン化炭化水素を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。一態様では、有機反応媒体として利用することのできる炭化水素は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上の脂肪族炭化水素(複数可)、または代替的には1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上の芳香族炭化水素(複数可)であり得る。いくつかの態様では、有機反応媒体として利用することのできる1つの、少なくとも1つの、1つ以上の脂肪族炭化水素(複数可)は、飽和脂肪族炭化水素、オレフィン系脂肪族炭化水素、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には、1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上の飽和脂肪族炭化水素(複数可)、または代替的には1つの、少なくとも1つの、もしくは1つ以上のオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。一態様では、有機反応媒体として利用することのできるハロゲン化炭化水素は、ハロゲン化脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはハロゲン化脂肪族炭化水素、または代替的にはハロゲン化芳香族炭化水素であり得る。
【0128】
一態様では、有機反応媒体として利用することができる炭化水素、脂肪族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素、またはオレフィン系脂肪族炭化水素は、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上の、C3~C18、C4~C18、またはC5~C10炭化水素(複数可)、脂肪族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素(複数可)、またはオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。他の態様では、有機反応媒体として有用であり得る、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上の脂肪族炭化水素(複数可)(飽和またはオレフィン系)は、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上の、C8~C18、C8~C16、またはC10~C14炭化水素(複数可)、脂肪族炭化水素(複数可)、飽和脂肪族炭化水素(複数可)、またはオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。炭化水素(複数可)、脂肪族炭化水素(複数可)、飽和脂肪族炭化水素(複数可)、またはオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)は、特段明記しない限り、環式または非環式であってもよく、および/または直鎖または分岐鎖であってもよい。
【0129】
単独でまたは任意の組み合わせで利用できる適切な炭化水素有機反応媒体の非限定的な例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的にはプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、または代替的にはヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、もしくはそれらの任意の組み合わせが含まれる。一態様では、単独または任意の組み合わせで利用することができる好適な非環式脂肪族炭化水素有機反応媒体は、プロパン、イソ-ブタン、n-ブタン、ブタン(n-ブタン、もしくは直鎖および分岐鎖C4非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ペンタン(n-ペンタン、もしくは直鎖および分岐鎖C5非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ヘキサン(n-ヘキサン、もしくは直鎖および分岐鎖C6非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ヘプタン(n-ヘプタン、もしくは直鎖および分岐鎖C7非環式脂肪族炭化水素の混合物)、オクタン(n-オクタン、もしくは直鎖および分岐鎖C8非環式脂肪族炭化水素の混合物)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。別の態様では、飽和脂肪族炭化水素は、1-オクタン、1-デカン、1-ドデカン、1-テトラデカン、1-ヘキサデカン、1-オクタデカン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的に1-デカン、1-ドデカン、1-テトラデカン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的に1-デカン、代替的に1-ドデカン、または代替的に1-テトラデカンを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。一態様では、有機反応媒体として利用することができるオレフィン系脂肪族炭化水素は、1つ、少なくとも1つ、もしくは1つ以上のアルファオレフィン、または代替的に、1つ、少なくとも1つ、もしくは1つ以上のノルマルアルファオレフィンを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらであり得る。非限定的な態様では、有機反応媒体として使用することのできるオレフィン系脂肪族炭化水素は、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的に1-デセン、1-ドドデセン、1-テトラデセン、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的に1-デセン、代替的に1-ドデセン、または代替的に1-テトラデセンであり得るか、それらを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。非限定的な態様において、有機反応媒体として使用することのできる環式脂肪族炭化水素(複数可)は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。
【0130】
一態様では、有機反応媒体として使用することができる芳香族炭化水素(複数可)は、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上のC6~C10芳香族炭化水素(複数可)を含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。非限定的な態様において、有機反応媒体として利用することのできる芳香族炭化水素(複数可)は、ベンゼン、トルエン、キシレン(オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、もしくはそれらの混合物を含む)、エチルベンゼン、またはそれらの組み合わせを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。
【0131】
一態様では、有機反応媒体として使用することができるハロゲン化脂肪族炭化水素(複数可)は、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上のC1~C15、C1~C10、またはC1~C5ハロゲン化脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。有機反応媒体として利用することができるハロゲン化脂肪族炭化水素(複数可)は、特に明記しない限り、環式または非環式であってもよく、および/または直鎖または分岐鎖であってもよい。非限定的な態様において、有機反応媒体として利用することのできるハロゲン化脂肪族炭化水素(複数可)は、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、またはそれらの組み合わせを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。
【0132】
一態様では、有機反応媒体として有用であり得るハロゲン化芳香族炭化水素(複数可)は、1つの、少なくとも1つの、または1つ以上の、C6~C20、またはC6~C10ハロゲン化芳香族炭化水素(複数可)を含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。非限定的な態様において、有機反応媒体として使用することのできるハロゲン化芳香族炭化水素(複数可)は、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るか、またはそれらから本質的になり得る。
【0133】
有機反応媒体の選択は、加工の利便性に基づいて行われ得る。例えば、イソブタンは、本明細書に記載されるプロセスの生成物(複数可)を使用する(例えば、後続の加工工程におけるポリマーの形成のために生成物を使用する)プロセスで使用される溶媒および希釈剤と適合するように選択され得る。いくつかの態様では、有機反応媒体は、オリゴマー生成物中の1つ以上のオリゴマーから容易に分離できるように選択することができる。いくつかの態様では、オリゴマー生成物のオリゴマーを反応系溶媒として利用することができる。
【0134】
一態様では、オリゴマー生成物は反応域で形成することができる。一態様では、本明細書に記載される任意のプロセスの反応域は、連続撹拌タンク反応器、プラグフロー反応器、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には連続撹拌タンク反応器、または代替的にはプラグフロー反応器を含み得る。一態様では、本明細書に記載される任意のプロセスの反応域は、連続撹拌タンク反応器、ループ反応器、溶液反応器、管状反応器、再循環反応器、気泡反応器、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には連続撹拌タンク反応器、代替的にはループ反応器、代替的には溶液反応器、代替的には管状反応器、代替的には再循環反応器、または代替的には気泡反応器を含み得る。いくつかの態様では、オリゴマー生成物を形成することができる反応域は複数の反応器、または代替的には1つの反応器のみを含み得る。複数の反応器が存在する場合、反応器の各々は、同一または異なる種類の反応器であり得る。さらに、反応域が1つより多い反応器を含むことができるとき、各反応器は独立して本明細書に記載の任意の反応器とすることができ、反応器は直列、並列、もしくはそれらの任意の組み合わせ、代替的には直列、または代替的には並列で配置することができる。
【0135】
反応域が複数の反応器を含むことができるとき、各反応器は互いに独立していてもよい(それらが直列で操作されるか並列で操作されるかにかかわらず)ことに留意すべきである。したがって、接触モード(必要ならば)、オリゴマー生成物を形成することができる条件、オリゴマー生成物を形成することができるオリゴマー生成物形成パラメーター、および/または反応域条件は、各反応器ごとに異なり得る。特に、反応域が直列の複数の反応器を含むとき、各反応器は異なる目的を達成するために作用し得る。例えば、第1の反応器が作用して、i)エチレンと触媒系(例えば、a)ピリジンビスイミン鉄塩錯体と有機アルミニウム化合物とを含む触媒系、b)ピリジンビスイミン、鉄塩、および有機アルミニウム化合物、またはc)α-ジイミン鉄塩錯体および有機アルミニウム化合物)、ならびに任意選択での有機反応媒体を接触させ、ii)オリゴマー生成物をいくらかの中間エチレン変換へと精製することが可能な第1のセットの条件下でオリゴマー生成物の生成を開始し、第1の反応器の流出物を、(反応器/反応域に添加される追加のエチレン、1つ以上の触媒系成分(例えば、a)ピリジンビスイミン鉄塩錯体および有機アルミニウム化合物、b)ピリジンビスイミン、鉄塩、および有機アルミニウム化合物、またはc)α-ジイミン鉄塩錯体および有機アルミニウム化合物を含む触媒系の1つ以上の成分)および/または有機反応媒体の有無にかかわらず)オリゴマー生成物を生成することのできる第2のセットの条件で所望のエチレン変換を達成するよう作用する第2の反応器に移すことが可能である。
【0136】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、単独でまたは任意の組み合わせのいずれかで、触媒系の鉄濃度(例えば、利用される触媒系に応じて鉄塩の鉄濃度、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄)、鉄塩およびピリジンビスイミンを含む触媒系を使用する態様のために反応域に仕込まれるピリジンビスイミン対鉄塩当量比鉄塩およびピリジンビスイミン、触媒系の鉄に対する有機アルミニウム化合物のアルミニウムのモル比(例えば、利用される触媒系に応じて、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、または、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対α-ジイミン鉄塩錯体の鉄のモル比)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、温度(または平均温度)、シュルツ-フローリーK値、水素分圧、および/または水素対エチレンの質量比を含むことができる条件で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。一態様では、オリゴマー生成物は、単独でまたは任意の組み合わせのいずれかで、触媒系の鉄濃度(例えば、利用される触媒系に応じて鉄塩の鉄濃度、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対触媒系の鉄のモル比(例えば、利用される触媒系に応じて、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、または、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対α-ジイミン鉄塩錯体の鉄のモル比)、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、または代替的に、触媒系の鉄濃度(例えば、利用される触媒系に応じて鉄塩の鉄濃度、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対触媒系の鉄のモル比(例えば、利用される触媒系に応じて、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、または、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対α-ジイミン鉄塩錯体の鉄のモル比)、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、ならびに任意選択での水素分圧または水素対エチレンの質量比を含み得る条件で、形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。別の態様では、オリゴマー生成物は、単独でまたは任意の組み合わせのいずれかで、触媒系濃度の鉄(例えば、利用される触媒系に応じて鉄塩濃度の鉄、ピリジンビスイミン鉄塩錯体濃度の鉄、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄)、代替的には鉄塩およびピリジンビスイミンを含む触媒系を使用する態様のために反応域に仕込まれるピリジンビスイミン対鉄塩当量比鉄塩およびピリジンビスイミン、代替的には触媒系の鉄に対する有機アルミニウム化合物のアルミニウムのモル比(例えば、利用される触媒系に応じて、鉄塩の鉄に対する有機アルミニウム化合物のアルミニウムのモル比、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄に対する有機アルミニウム化合物のアルミニウムのモル比、または、α-ジイミン鉄塩錯体の鉄に対する有機アルミニウム化合物のアルミニウムのモル比)、代替的には有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、代替的にはエチレン分圧、代替的にはエチレン対有機反応媒体の質量比、代替的には温度(または平均温度)、代替的にはシュルツ-フローリーK値、代替的には水素分圧、または代替的には水素対エチレンの質量比を含むことができる条件で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。
【0137】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、以後鉄濃度またはFe濃度とする、触媒系の特定の鉄濃度(例えば、利用される触媒系に応じて、鉄塩の鉄濃度、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、またはα-ジイミン鉄塩錯体の鉄)で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、反応溶液のkg質量に基づいて、1×10-6mmol Fe/kg、1×10-5mmol Fe/kg、または1×10-4mmol Fe/kgの最小鉄濃度、代替的にまたはさらに、反応溶液のkg質量に基づいて、1×10-2mmol Fe/kg、1×10-2mmol Fe/kg、または1×10-3mmol Fe/kgの最大鉄濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小鉄濃度から本明細書に開示される任意の最大鉄濃度の範囲内の鉄濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、反応溶液のkg質量に基づいて、1×10-6mmol Fe/kg~1×10-1mmol Fe/kg、1×10-5mmol Fe/kg~1×10-2mmol Fe/kg、1×10-4mmol Fe/kg~1×10-3mmol Fe/kgの範囲内の鉄濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。利用され得る他の鉄濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0138】
触媒系が鉄塩およびピリジンビスイミンを含む任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、反応域に入れられた特定のピリジンビスイミン対鉄塩当量(ピリジンビスイミン対鉄塩当量比とも呼ばれる)で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。触媒系が鉄塩およびピリジンビスイミンを含む一実施形態では、オリゴマー生成物は、0.8:1、0.9:1、または0.95:1の最小限のピリジンビスイミン対鉄塩当量比(最小ピリジンビスイミン対鉄塩当量比とも呼ばれる)、代替的には、またはさらに、4:1、2:1、1.5:1、または1.1:1の最大ピリジンビスイミン対鉄塩当量比(最大ピリジンビスイミン対鉄塩当量比とも呼ばれる)でも形成することができ、反応域は、それらを有することができ、または反応域は、そこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小ピリジンビスイミン対鉄塩当量比から本明細書中に開示される任意の最大ピリジンビスイミン対鉄塩当量比までの範囲内のピリジンビスイミン対鉄塩当量比で形成することができ、反応域がそれらを有することができ、反応域がそこで作用することができる。非限定的な実施形態において、ピリジンビスイミン対鉄塩当量比は、0.8:1~4:1、0.9:1~2:1、0.90:1~1.5:1、0.95:1~1.5:1、または0.95:1~1.1:1の範囲内であり得る。利用され得る他のピリジンビスイミン対鉄塩当量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0139】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、アルミニウム:鉄モル比またはAl:Feモル比とも呼ばれる、有機アルミニウム化合物の特定のアルミニウム対触媒系の鉄のモル比(例えば、利用される触媒系に応じて、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、または有機アルミニウム化合物のアルミニウム対α-ジイミン鉄塩錯体の鉄のモル比)で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。一実施形態では、100:1、200:1、300:1、または400:1の最小Al:Feモル比で、代替的またはさらに、5,000:1、2,000:1、1,500:1、または1,000:1の最大反応域Al:Feモル比で、オリゴマー生成物が形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域がそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小Al:Feモル比から本明細書に開示される任意の最大Al:Feモル比の範囲内のAl:Feモル比で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、100:1~5,000:1、200:1~2,000:1、300:1~1,500:1、300:1~1,500:1、400:1~1,000:1、または400:1~1,000:1の範囲内のAl:Feモル比で形成することができ、反応域がそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。利用され得る他のAl:Feモル比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0140】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、アルミニウム濃度またはAl濃度とも呼ばれる有機アルミニウム化合物の特定のアルミニウム濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、反応溶液のkg質量に基づいて0.3mmol Al/kg、0.75mmol Al/kg、0.9mmol Al/kg、または1.1mmol Al/kgの最小Al濃度、代替的にまたはさらに、反応溶液のkg質量に基づいて、15mmol Al/kg、12.5mmol Al/kg、10mmol Al/kg、7.5mmol Al/kg、5mmol Al/kg、2.6mmol Al/kg、2.2mmol Al/kg、1.8mmol Al/kg、または1.5mmol Al/kgの最大Al濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小Al濃度から本明細書に開示される任意の最大Al濃度の範囲内のAl濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。非限定的な実施形態において、オリゴマー生成物は、反応溶液のkg質量に基づいて0.3mmol Al/kg~15mmol Al/kg、0.3mmol Al/kg~10mmol Al/kg、0.5mmol Al/kg~10mmol Al/kg、0.5mmol Al/kg~7.5mmol Al/kg、0.5mmol Al/kg~5mmol Al/kg、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kg、0.75mmol Al/kg~2.2mmol Al/kg、0.9mmol Al/kg~1.8mmol Al/kg、1.1mmol Al/kg~1.8mmol Al/kg、または1.1mmol Al/kg~1.5 mmol Al/kgの範囲内のAl濃度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。利用され得る他のAl濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0141】
任意の態様および/または実施形態では、50psi(344KPa)、100psi(689 KPa)、250psi(1.72MPa)、500psi(3.45MPa)、または800psi(5.52MPa)の最小エチレン分圧で、代替的またはさらには、5,000psi(34.5MPa)、3,000psi(20.9MPa)、2,000psi(13.8MPa)、1,500psi(10.3MPa)、または1000 psi (6.89 MPa)の最大圧力で、オリゴマー生成物が形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小エチレン分圧から本明細書に開示される任意の最大エチレン分圧の範囲内のエチレン分圧で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。いくつかの非限定的な実施形態において、オリゴマー生成物は、50psi(344KPa)~5,000psi(34.5MPa)、100psi(689KPa)~3,000psi(20.9MPa)、250psi(1.72MPa)~2,000psi(13.8MPa)、500psi(3.45MPa)~2000psi(13.8MPa)、500psi(3.45MPa)~1,500psi(10.3MPa)、または800psi(5.52kPa)~1000psi(6.89MPa)の範囲内のエチレン分圧で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。他のエチレン分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0142】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、0.8:1、1:1、1.25:1、または 1.5:1の最小エチレン:有機反応媒体質量比、代替的にまたはさらに、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、または2.5:1の最大エチレン:クロム質量比で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小エチレン:有機反応媒体質量比から本明細書に開示される任意の最大エチレン:有機反応媒体質量比の範囲内のエチレン:有機反応媒体質量比で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0.8:1~4.5:1、1:1~4:1、1:1~3.5:1、1.25:1~3:1、または1.5:1~2.5:1の範囲内のエチレン:有機反応媒体質量比で形成することができ、反応域がそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。利用され得る他の水素:有機反応媒体質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0143】
任意の態様および/または実施形態において、オリゴマー生成物は、0℃、25℃、40℃、50℃、または60℃の最低反応域温度で、代替的またはさらに、200℃、150℃、125℃、110℃、または100℃の最大反応域反応域温度で形成することができ、反応域がそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小温度から本明細書に開示される任意の最大温度の範囲内の反応域温度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0℃~200℃、25℃~150℃、40℃~125℃、50℃~125℃、50℃~110℃、または60℃~100°Cの範囲内の反応域温度で形成することができ、反応域はそれらを有することができ、または反応域はそこで作用することができる。利用され得る他の温度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。温度が反応域内で変化し得る実施形態では、本明細書で提供される温度は代替的に平均温度であり得る。
【0144】
任意の態様および/または態様の実施形態では、オリゴマー生成物は、0.4、0.45、0.5または0.55の最小シュルツ-フローリーK値(または少なくともそれらであり得る)、代替的またはさらに、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、または0.65の最大値を有し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示の任意の最小シュルツ-フローリーK値から本明細書に開示の任意の最大シュルツ-フローリーK値の範囲内のシュルツ-フローリーK値を有することができる。例えば、いくつかの非限定的な実施形態において、オリゴマー生成物は、0.4~0.9、代替的には0.4~0.8、代替的には0.5~0.8、代替的には0.5~0.7、代替的には0.55~0.7の範囲内のシュルツ-フローリーK値を有し得る。他のオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の範囲は本開示から容易に明らかである。
【0145】
任意の態様および/または実施形態において、シュルツ-フローリーK値は、C8、C10、C12、C14、またはC16オリゴマー生成物のうちの任意の1つ以上を使用して決定され得る。一実施形態では、シュルツ-フローリーK値は、本明細書に記載の生成されたオリゴマーの異なる隣接対を用いた任意の2つ以上のシュルツ-フローリーK値の平均であり得る。いくつかの実施形態において、シュルツ-フローリーK値は、本明細書に記載の任意の2つのシュルツ-フローリーK値、代替的に本明細書に記載の任意の3つのシュルツ-フローリーK値、または代替的に本明細書に記載の任意の4つのシュルツ-フローリーK値の平均であり得る。例えば、シュルツ-フローリーK値は、オリゴマー生成物の他の組み合わせの中でも、C8およびC10オリゴマー生成物、代替的にはC10およびC12オリゴマー生成物、代替的にはC12およびC14オリゴマー生成物、代替的にはC14およびC16オリゴマー生成物、代替的にはC8、C10、およびC12オリゴマー生成物、または代替的にはC10、C12、およびC14オリゴマー生成物を用いて決定することができる。
【0146】
水素が利用される任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、1psi(6.9kPa)、2psi(14kPa)、5psi(34kPa)、10psi(69kPa)、15psi(103kPa)、20psi(138kPa)、30psi(206kPa)の最小水素分圧、代替的または追加的には、150psi(1.03MPa)、100psi(689kPa)、75psi(517kPa)、または50psi(345kPa)の最大水素分圧で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小水素分圧から本明細書に開示される任意の最大水素分圧の範囲内の水素分圧で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。水素が利用されるいくつかの非限定的な実施形態では、1psi(6.9kPa)~150psi(1.4MPa)、5psi(34kPa)~100psi(689kPa)、10psi(69kPa)~100psi(689kPa)、または15psi(100kPa)~75psi(517kPa)の水素分圧の範囲内で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。利用され得る他の水素分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0147】
水素が利用される任意の態様および/または実施形態では、(水素0.05g)/(エチレン1kg)、(水素0.1g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)の最小水素対エチレン質量比、代替的または追加的には、(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素1.5g)/(エチレン1kg)の最大水素対エチレン質量比で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小水素:エチレン質量比から本明細書に開示される任意の最大水素:エチレン質量比の範囲内の水素:エチレン質量比で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。いくつかの非限定的な実施形態では、(水素0.05g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素4g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)の範囲内の水素対エチレン質量比で、オリゴマー生成物が形成され得るか、反応域がそれらを有し得るか、または反応域がそこで作用し得る。利用され得る他の水素対エチレン質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0148】
任意の態様および/または実施形態において、本明細書に記載のプロセスは、直鎖状アルファオレフィン、または代替的にノルマルアルファオレフィンに対して高い選択性を有するオリゴマー生成物を生成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、C6オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも98.5重量%、代替的には、少なくとも98.75重量%、代替的には、少なくとも99.0重量%、または代替的には、少なくとも99.25重量%の1-ヘキセン含有量を有する反応器流出物を生成することができる。他の実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、C8オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも98重量%、代替的には、少なくとも98.25重量%、代替的には、少なくとも98.5重量%、代替的には、少なくとも98.75重量%、または代替的には、少なくとも99.0重量%の1-オクテン含有量を有する反応器流出物を生成することができる。さらに他の実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、C10オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも97.5重量%、代替的には、少なくとも97.75重量%、代替的には、少なくとも98重量%、代替的には、少なくとも98.25重量%、または代替的には、少なくとも98.5重量%の1-デセン含有量を有する反応器流出物を生成することができる。さらに他の実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、C12オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも96.5重量%、代替的には、少なくとも97重量%、代替的には、少なくとも97.5重量%、代替的には、少なくとも97.75重量%、または代替的には、少なくとも98.0重量%の1-ドデセン含有量を有する反応器流出物を生成することができる。さらに他の実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、オリゴマー生成物が本明細書に記載の任意のC6オレフィンオリゴマー生成物1-ヘキセン含有量、本明細書に記載の任意のC8オレフィンオリゴマー生成物1-オクテン含有量、本明細書に記載のC10オレフィンオリゴマー生成物1-デセン含有量、および/または本明細書に記載の任意のC12オレフィンオリゴマー生成物1-ドデセン含有量の任意の組み合わせを含み得る、反応器流出物を生成することができる。いくつかの非限定的な例では、本明細書に記載のプロセスは、少なくとも99重量%のC6オレフィンオリゴマー生成物1-ヘキセン含有量および少なくとも97.5重量%のC12オレフィンオリゴマー生成物1-ドデセン含有量、代替的には少なくとも98.5重量%のC8オレフィンオリゴマー生成物1-オクテン含有量および少なくとも97.5重量%のC12オレフィンオリゴマー生成物1-ドデセンオクテン含有量、代替的には少なくとも99重量%のC6オレフィンオリゴマー生成物1-ヘキセン含有量、少なくとも98.5重量%のC8オレフィンオリゴマー生成物1-オクテン含有量、少なくとも98重量%のC10オレフィンオリゴマー生成物1-デセン含有量、および少なくとも97.5重量%のC12オレフィンオリゴマー生成物1-ドデセン含有量を有する反応器流出物を生成することができる。反応器流出物のオレフィンオリゴマー1-アルケン含有量の他の組み合わせは、本開示から容易に明らかである。
【0149】
いくつかの態様および/または実施形態では、本明細書に記載のプロセス、系、および反応系は、水素分圧および/または水素対エチレン質量比の開示された範囲内で作用しないがその他の点で同様のプロセスよりも少ないオリゴマー生成物1グラム当たりのワックスおよび/またはポリマー生成物を生成できる。本明細書において、「ワックス」とは、30~70個の炭素原子を有する生成物を指し、「ポリマー」とは、70個を超える炭素原子を有する生成物を指す。任意の態様および/または実施形態において、本明細書に記載のプロセス、系、および反応系は、水素の実質的不在下で作用する同様のオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系によって生成されるオリゴマー生成物と比較して、生成されるオリゴマー生成物1グラム当たりに生成されるポリマー生成物の量を少なくとも10%、25%、40%、50%、60%、70%、または80%減少させることができるオリゴマー生成物を生成することができる。任意の態様および/または実施形態において、本明細書に記載のプロセス、系、および反応系は、水素の実質的不在下で作用する同様のオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系によって生成されるオリゴマー生成物と比較して、生成されるオリゴマー生成物1グラム当たりに生成されるワックスの量を少なくとも10%、25%、40%、50%、60%、70%、または80%減少させることができるオリゴマー生成物を生成することができる。
【0150】
いくつかの態様および/または実施形態において、水素を利用する本明細書に記載のプロセス、系、および反応系は、特定量のポリマー、特定量の70個を超える炭素原子を有する化合物、特定量の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的には特定量のポリマーを有するオリゴマー生成物、代替的には70個を超える炭素原子を有する特定量の化合物、または代替的に、特定量の1000g/モルより大きい重量平均分子量を有する化合物を有するオリゴマー生成物を生成し得る。任意の態様および/または実施形態では、水素を利用する本明細書に記載のプロセス、系、および反応系によって生成されるポリマーの量は、生成したオリゴマー生成物の総重量に基づいて、1、0.75、0.5、または0.25重量%未満であり得る。任意の態様および/または実施形態では、水素を利用する本明細書に記載のプロセス、系、および反応系によって生成される70個を超える炭素原子を有する化合物の量は、生成したオリゴマー生成物の総重量に基づいて、1、0.75、0.5、または0.25重量%未満であり得る。任意の態様および/または実施形態では、水素を利用する本明細書に記載のプロセス、系、および反応系によって生成される1000g/モルより大きい重量平均分子量を有する化合物の量は、生成したオリゴマー生成物の総重量に基づいて、1、0.75、0.5、または0.25重量%未満であり得る。
【0151】
理論に制限されることなく、オリゴマー化プロセス、系、および/または反応系への水素の添加は、オリゴマー生成物画分中の飽和オリゴマー(パラフィン)の量を増加させることができる。結果として、オリゴマー化プロセス、系、および/または反応系への水素の添加は潜在的な利益(例えば、ポリマー生成の量の減少)を有し得るが、その利益はオリゴマー生成物画分の純度の減少に悪影響を及ぼし得る。水素を利用するいくつかの態様および/または実施形態では、本明細書に記載のプロセス、系、および反応系は、オリゴマー生成物のC4~C18の各炭素数画分が、水素の実質的不在下で作用する同様のオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系によって生成されたオリゴマー生成物の対応する炭素数画分のパラフィン含有量の、2倍、1.8倍、1.6倍、または1.4倍以下のパラフィン含有量を有する。一般に、これらの態様および/または実施形態では、パラフィンの重量パーセントは、オリゴマー生成物の炭素数分率の総重量に基づいている。パラフィン含有量の測定前のオリゴマー生成物の物理的画分による炭素数画分の物理的分離は、炭素数画分のパラフィン含有量の測定が全部または一部に適用される分析技術(例えば、他の技術のうちとりわけガスクロマトグラフィー)を使用してなされ得るので、パラフィン含有量を測定するために必要とされないことに留意すべきである。
【0152】
理論に制限されることなく、オリゴマー化プロセス、系、および/または反応系への水素の添加は、オリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値を低下させる可能性があると考えられる。結果として、オリゴマー化プロセス、系、および/または反応系への水素の添加は潜在的な利益(例えば、ポリマー生成の量の減少)を有し得るが、その利益はオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の減少に悪影響を及ぼし得る。水素が利用されるいくつかの態様および/または実施形態において、本明細書に記載のプロセス、系、および反応システムは、水素の実質的不在下で作用する同様のオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系によって生成された対応するオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の±5、4.5、4、3.5、3、2.5、または2%以内のシュルツ-フローリーのK値を有するオリゴマー生成物画分を生成することができる。
【0153】
本明細書に開示された任意の態様または実施形態において、本明細書に記載された任意のプロセスに対する水素の任意の効果の1つ以上は、本明細書に記載されたプロセスの実施形態の任意の態様において観察され得る。
【0154】
一実施形態では、水素の実質的な不在は、オリゴマー生成物が形成される条件、反応域の条件、または本明細書に記載のプロセスのための反応域を作用するための条件に関するので、0.5psi(3.4kPa)、0.25psi(1.7kPa)、0.1psi(0.69kPa)、0.05psi(0.34kPa)、0.025psi(0.17kPa)、または0.01psi(0.069kPa)より低い水素分圧であり得る。別の実施形態では、水素の実質的な不在は、オリゴマー生成物が形成される条件、反応域の条件、または本明細書に記載のプロセスの反応域を作用する条件に関するので、(0.025g水素)/(kgエチレン)、(0.01g水素)/(kgエチレン)、(0.005g水素)/(kgエチレン)、(0.0025g水素)/(kgエチレン)、または(0.001g水素)/(kgエチレン)の水素対エチレン質量比であり得る。
【0155】
本明細書に記載の様々な態様および/または実施形態は、置換基または化合物を指すことができる。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の各ヒドロカルビル基または置換基は、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の各ヒドロカルボキシ基または置換基は、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルボキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のハライド置換基は、フルオリド、クロリド、ブロミド、またはヨージド、代替的にはフルオリドまたはクロリドであり得る。いくつかの実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のハロゲン化物置換基は、フッ化物、代替的には塩化物、代替的には臭化物、または代替的にはヨウ化物であり得る。
【0156】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のヒドロカルビル基または置換基は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基、代替的にはアルキル基、代替的にはアリール基、または代替的にはアラルキル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-1-ブチル基、tert-ペンチル基、3-メチル-1-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはイソプロピル基、代替的にはtert-ブチル基、または代替的にはネオ-ペンチル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、代替的にはトリル基、代替的にはキシリル基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアラルキル基は、ベンジル基もしくはエチルフェニル基(2-フェニルエチル-1-イルもしくは1-フェニルエチル-1-イル)、代替的にはベンジル基、代替的にはエチルフェニル基、代替的には2-フェニルエチル-1-イル基、または代替的には1-フェニルエチル-1-イル基であり得る。
【0157】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のヒドロカルボキシ基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルコキシ基、代替的にはアルコキシ基、代替的にはアリールオキシ基またはアラルコキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、2-ペントキシ基、3-ペントキシ基、2-メチル-1-ブトキシ基、tert-ペントキシ基、3-メチル-1-ブトキシ基、3-メチル-2-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、代替的にはエトキシ基、代替的にはイソプロポキシ基、代替的にはtert-ブトキシ基、または代替的にはネオ-ペントキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアリールオキシ基は、フェノキシ基、トルオキシ(toloxy)基、キシルオキシ(xyloxy)基、もしくは2,4,6-トリメチルフェノキシ基、代替的にはフェノキシ基、代替的にはトルオキシ基、代替的にはキシルオキシ基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェノキシ基であり得る。一態様では、置換基を必要とする任意の態様または態様の任意のアラルコキシ基は、ベンゾキシ基であり得る。
【0158】
本出願から出願する米国国内段階の目的のために、本開示に記載される全ての刊行物および特許は、本開示の方法に関連して使用され得るそれらの刊行物に記載される構築物および方法論を記載および開示する目的でそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記および本文全体で論じられている刊行物および特許は、本出願の出願日より前のそれらの開示についてのみが提供されている。本明細書中のいかなるものも、発明者が先行発明によりそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるものではない。
【0159】
米国特許商標庁の前のいずれの出願においても、本出願の要約は、米国特許法施行規則第1.72の要件および米国特許法施行規則第1.72(b)に記載された「米国特許商標庁および公衆が、一般に、大まかに検討することで技術的開示の性質および要旨を迅速に決定できる」目的を満たす目的で提供されている。したがって、この出願の要約は、特許請求の範囲の範囲を解釈するために、または本明細書に開示されている主題の範囲を限定するために使用されることを意図したものではない。さらに、本明細書で採用され得るいかなる見出しもまた、特許請求の範囲の範囲を解釈するために、または本明細書に開示されている主題の範囲を限定するために使用されることを意図したものではない。そうでなければ建設的または予言的として示されている実施例を記載するための過去時制の使用は、建設的または予言的な実施例が実際に行われたことを反映することを意図するものではない。
【0160】
本開示は実施例によってさらに記載されるが、それらは決してその範囲に限定を課すものとして解釈されるべきではない。それどころか、本明細書の記載を読んだ後、それらの様々な他の態様、実施形態、修正形、および同等物が、本発明の趣旨または添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、当業者に想到され得ることは明確に理解されるであろう。
【0161】
実施例に提供されるデータおよび記載は、開示された化合物、触媒系、ならびにオレフィンオリゴマー化および/またはオレフィン重合方法の特定の態様および/または実施形態を示し、その多くの実施および利点を実証するために与えられる。実施例は、本明細書に記載の態様および/または実施形態のうちのいくつかのより詳細な実証として与えられており、本開示または特許請求の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0162】
追加の開示
本開示の以下に列挙される態様は、非限定的な例として提供される。
【0163】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することであって、(1)オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、(2)オリゴマー生成物が(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)重量パーセントがオリゴマー生成物の総重量に基づく、それらの任意の組み合わせを含む、形成することと、を含む、プロセスである第1の態様。
【0164】
オリゴマー生成物のC4~C18の炭素数画分の各々が、オリゴマー生成物の炭素数画分の総重量に基づいて、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成されたオリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、第1の態様のプロセスである第2の態様。
【0165】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)オリゴマー生成物を形成することであって、1)オリゴマー生成物が0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有し、2)オリゴマー生成物のC4~C18の炭素数画分の各々が、オリゴマー生成物の炭素数画分の総重量に基づいて、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成されたオリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する、形成することと、を含む、プロセスである第3の態様。
【0166】
オリゴマー生成物が(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000g/モルを超える重量平均分子量を有する化合物、または(d)重量パーセントがオリゴマー生成物の総重量に基づく、それらの任意の組み合わせを含む、形成することと、を含む、第3の態様のプロセスである第4の態様。
【0167】
プロセスであって、a)(i)エチレン、(ii)ヘテロ原子配位子鉄塩錯体、またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含む触媒系、(iii)水素、および(iv)任意選択での有機反応媒体を接触させることと、b)水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成された対応するオリゴマー生成物のシュルツ-フローリーK値の±5%以内であるシュルツ-フローリーK値を有する0.4~0.8のシュルツ-フローリーK値を有するオリゴマー生成物を形成することと、を含むプロセスである、第5の態様。
【0168】
オリゴマーのC4~C18の炭素数画分の各々が、オリゴマー生成物の炭素数画分の総重量に基づいて、水素の実質的不在下で作用する同様のプロセスで生成されたオリゴマー生成物の対応する炭素数画分の2倍以下のパラフィン含有量を有する第5の態様のプロセスである第6の態様。
【0169】
オリゴマー生成物が(a)1重量%未満のポリマー、(b)1重量%未満の70個を超える炭素原子を有する化合物、(c)1重量%未満の1000を超えるMwを有する化合物、または(d)それらの任意の組み合わせを含み、重量パーセントがオリゴマー生成物の総重量に基づく、形成することと、を含む、第5または第6の態様のプロセスである第7の態様。
【0170】
オリゴマー生成物が、0.05グラムH2/kgエチレン~5グラムH2/kgのエチレンの範囲内の水素対エチレンの質量比で形成されている、第1~第7の態様のいずれかのプロセスである第8の態様。
【0171】
触媒系がヘテロ原子配位子鉄塩錯体を含み、ヘテロ原子配位子鉄塩錯体がα-ジイミン鉄塩錯体である、第1~第8の態様のいずれかのプロセスである第9の態様。
【0172】
α-ジイミンが、i)α-ジイミン基、ii)α-ジイミン基の第1のイミン窒素原子に結合したヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基からなる第1のイミン基、およびiii)鉄錯化基および鉄錯化基をα-ジイミン基の第2のイミン窒素原子に連結する連結基を含む第2のイミン窒素基を含む、第9の態様である第10の態様。
【0173】
α-ジイミン鉄塩錯体のα-ジイミンが、i)芳香族ジアシル化合物から誘導されたα-ジイミン基、ii)アリール基または置換アリール基からなる第1のイミン基、ならびにiii)ジアリールホスフィニル鉄塩錯化基および鉄塩錯化基を第2のイミン窒素原子に連結する-CH2CH2-連結基を含む第2のイミン基を含む、第9の態様のプロセスである第11の態様。
【0174】
α-ジイミンが、i)アセナフテンキノン、フェナントレンキノン、またはピレンキノンから誘導されたα-ジイミン基、ii)2,6-ジヒドロカルビルフェニル基からなる第1のイミン基、ならびにiii)ジフェニルホスフィニル鉄塩錯化基またはジ(置換フェニル)ホスフィニル鉄錯化基および鉄塩錯化基を第2のイミン窒素原子に連結する-CH2CH2-連結基を含む第2のイミン基を含む、第9の態様のプロセスである第12の態様。
【0175】
ヘテロ原子配位子鉄塩錯体が、
【化6】
からなる群から選択される構造を有する、第9の態様のいずれかのプロセスである第13の態様。
【0176】
触媒系がヘテロ原子配位子鉄塩錯体またはヘテロ原子配位子および鉄塩を含み、ヘテロ原子配位子もしくはヘテロ原子配位子鉄塩錯体のヘテロ原子配位子が、ピリジンビスイミンである、第1~第8の態様のいずれかのプロセスである第14の態様。
【0177】
ピリジンビスイミンが、i)2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(式中、アリール基は同一でも異なっていてもよい)、ii)ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン(式中、置換アリール基が同一でも異なっていてもよい)、またはiii)[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンである、第14の態様のプロセスである、第15の態様。
【0178】
1)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個、2個または3個が独立してハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが、水素であるか、2)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個が、第三級炭素原子基であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちのゼロ、1個または2個が、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であ、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが、水素であるか、3)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの2個が、独立して、第三級炭素原子基であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちのゼロ、または1個がハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であるか、4)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個または2個が、独立して、第三級炭素原子基(複数可)であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であるか、5)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基のうちの1個または2個が第四級炭素原子基であり、イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位のアリール基および/または置換アリール基の残りが水素であるか、または6)イミン窒素に結合した炭素原子に対してオルト位の置換アリール基の4個全てがフッ素である、第14の態様のプロセスである第15の態様。
【0179】
ヘテロ原子配位子鉄塩錯体のヘテロ原子配位子が、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)-メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)-メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,6-ジエチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)-メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニル-イミン)]メチル]ピリジンからなる群から選択される、第14の態様のプロセスである第17の態様。
【0180】
鉄塩が、ハロゲン化鉄、鉄アセチルアセトネート、カルボン酸鉄、またはそれらの任意の組み合わせを含む、第9~第12の態様または第14~第17の態様のいずれかのプロセスである第18の態様。
【0181】
触媒系が有機アルミニウム化合物をさらに含む、第1~第18の態様のいずれかのプロセスである第19の態様。
【0182】
有機アルミニウム化合物がアルミノキサンを含む、第1~第18の態様のいずれかのプロセスである第20の態様。
【0183】
C6オリゴマー生成物が少なくとも98.5重量%の1-ヘキセン含有量を有する、第1~第20の態様のいずれかのプロセスである第21の態様。
【0184】
C8オリゴマー生成物が少なくとも98重量%の1-オクテン含有量を有する、第1~第21の態様のいずれかのプロセスである第22の態様。
【0185】
C10オリゴマー生成物が少なくとも97.5重量%の1-デセン含有量を有する、第1~第22の態様のいずれかのプロセスである第23の態様。
【0186】
C12オリゴマー生成物が少なくとも96.5重量%の1-ドデセン含有量を有する、第1~第23の態様のいずれかのプロセスである第24の態様。
【実施例】
【0187】
全ての操作は無酸素かつ無水分の環境で実施された。溶媒を13×モレキュラーシーブ上で乾燥し、エチレンをインストリーム脱酸素および水分除去床を使用して精製した。MMAO-3AはAkzo Nobelから購入した。
【0188】
実施例1~6
窒素充填ドライボックス中で、1μmolのADIFe XIIIを含む6mLのトルエンストック溶液を10mmのNMRチューブに充填し、密封した。同様に、ドライボックス中で、500mLガラスチャージャーを、200mLのシクロヘキサン、2mLのn-ノナン、および0.27mLの7重量%のMMAO-3Aで調製し、次いでゴム製の隔壁で密封した。NMR管およびチャージャーをドライボックスから取り出した。NMR管を、ミキサーの始動時にガラスが粉々になるような方法で、500mLオートクレーブ反応器のスターラーシャフトにワイヤで固定した。次いでオートクレーブ反応器を密閉し、高真空下で排気した。添加ロートをオートクレーブ反応器の頂部の充填口に固定した。反応器を数分間排気した後、添加ロートの全内容物を真空下でオートクレーブ反応器に入れた。次いで、オートクレーブ反応器を数回の充填/排気サイクルを実施することによりエチレンで脱気した。最後の排気サイクルに続いて、反応器を所望の水素圧に戻し充填した。次いで反応器をエチレンで600psig(4.1mPa)に加圧した。撹拌を開始することにより、10mmNMR管が破損し、触媒が活性化した。次いで、必要に応じてエチレンをオートクレーブ反応器に供給して、反応の残りの間600psig(4.1mPa)の圧力を維持した。反応温度は、オートクレーブ反応器内の内部冷却コイルを通過する冷却水によって調節された。初期発熱後の反応器温度は60℃に維持した。30分後、反応器を室温に冷却し、大気圧に排気した。反応器を下げ、液体含有量をメスシリンダーにより測定した。内容物を冷却し、少なくとも1時間静置した後、フィルターフリットでろ過して反応固形物を単離した。液体生成物を、フレームイオン化検出器(FID)検出器を備えたガスクロマトグラフにより、n-ノナン内部標準に対して分析した。広い分子量の標準としてChevron Phillips Chemicals CompanyのHDPEポリエチレン樹脂、MARLEX(登録商標)BHB5003を使用して、固形分(ワックス>C
100およびポリエチレン)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析した。MARLEX(登録商標)BHB5003の較正サンプルは、Chevron Phillips Chemicals Company,LPから入手することができる。表1はこれらのエチレンオリゴマー化実験の結果を詳述する。
図1は、実施例1、3、4、5、および6で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
図2は、実施例1、3、4、5、および6で生成されたポリマーの、生成されたオリゴマー生成物の質量当たりに生成されたポリマーの質量に換算した分子量のプロットを提供する。
【表1】
【0189】
実施例1~6の結果は、エチレン供給に対してH2を増加させると、生成されたポリマーの重量パーセントが実質的にゼロに減少することを実証している。
【0190】
実施例7~10
N2充填グローブボックス中で、ADIFe XIIIの溶液をジクロロメタン中0.25mg/mLで調製し、ガラスチャージャーに入れた。MMAO-3Aの溶液を無水n-ノナン中0.1mL/mLで調製し、ガラスチャージャーに入れた。チャージャーをグローブボックスから取り外し、500mLオートクレーブ反応器に取り付けられた別々のISCOシリンジポンプに充填した。次いでオートクレーブ反応器を有機反応媒体としてシクロヘキサンで満たし、次いで有機反応媒体ポンプを始動させ、供給速度を275~200g/時に設定した。次いでオートクレーブ反応器を1150psigの圧力にした。オリゴマー化圧力が達成されると、オートクレーブ反応器のオーバーヘッドマグネチックスターラーのスイッチを入れ、約1200rpmの速度での撹拌を開始した。次いでオートクレーブ反応器の加熱を開始し、オートクレーブ反応器を所望の温度にした。MMAO-3A供給およびADIFe XIII供給のためのISCOポンプを始動し、ADIFe XIIIの供給を1.35mg/時に設定した。MMAO-3Aの供給は、所望のAl:Feモル比を提供するように設定された。MMAO-3Aの供給およびADIFe XIIIの供給を開始してから30分後に、次いでエチレンをオートクレーブ反応器に170~250g/時の速度で導入し、水素(利用する場合)を所望の供給速度でオートクレーブ反応器に導入した。次いでオートクレーブ反応器を定常状態に到達させた。試料を30分毎に反応混合物から取り出した。
【0191】
液体生成物を、フレームイオン化検出器(FID)検出器を備えたガスクロマトグラフにより、n-ノナン内部標準に対して分析した。広い分子量の標準としてChevron Phillips Chemicals CompanyのHDPEポリエチレン樹脂、MARLEX(登録商標)BHB5003を使用して、固形分(ワックス>C
100およびポリエチレン)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析した。MARLEX(登録商標)BHB5003の較正サンプルは、Chevron Phillips Chemicals Company,LPから入手することができる。表2はこれらのエチレンオリゴマー化実験の結果を詳述する。
図3は、実施例7、9、および10で生成されたポリマーの分子量のプロットを提供する。
図4は、実施例7、9、および10で生成されたポリマーの、生成されたオリゴマー生成物の質量当たりに生成されたポリマーの質量に換算した分子量のプロットを提供する。
【表2】
【0192】
実施例7~10の結果は、エチレン供給に対してH
2を増加させると、生成されたポリマーの重量パーセントが実質的にゼロに減少したことを実証している。具体的には、0の添加水素から1.15gのH
2/kgエチレンになると、固形分の量が2重量%超から1重量%未満まで減少した。実施例9および10はまた、水素の使用がエチレンオリゴマー化において形成されたポリマーの分子量に影響を及ぼし得ることを実証する。具体的には、
図4は、水素の添加が、生成されるポリマーの全分子量を減少させることができ、エチレンオリゴマー化において生成されるポリマーの高分子量テールを減少させることができることを示している。
【0193】
実施例11
窒素充填ドライボックス中で、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジンを含むトルエンストック溶液を10mmNMR管に充填し、密封する。また、ドライボックス中で、シクロヘキサン、n-ノナン、およびMMAO-3Aを用いて500mLのガラスチャージャーを調製し、ゴム製の隔壁で密封する。NMR管およびチャージャーをドライボックスから取り出す。NMR管を、スターラーの始動時にガラスが粉々になるような方法で、1リットルオートクレーブ反応器のスターラーシャフトにワイヤで固定する。次いでオートクレーブ反応器を密閉し、高真空下で排気する。添加ロートをオートクレーブ反応器の頂部の充填口に固定する。反応器を数分間排気した後、添加ロートの全内容物を真空下でオートクレーブ反応器に入れる。次にオートクレーブ反応器を数回の充填/排気サイクルを行うことによりエチレンで脱気する。最後の排気サイクルに続いて、反応器に所望量の水素の所定の圧力(0psi(0kPa)、10psi(69kPa)、25psi(172kPa)、40psi(276kPa))60psi(414kPa)、80psi(552kPa)、および100psi(689kPa)で個々に運転)で戻し充填する。次いで反応器をエチレンで所望の圧力に加圧する。撹拌を開始することにより、10mm NMR管を破損し、触媒を活性化する。必要に応じてエチレンをオートクレーブ反応器に供給して、反応の残りの間、所望のように維持する。反応温度は、オートクレーブ反応器内の内部冷却コイルを通過する冷却水によって調節される。初期発熱後の反応器温度は所望の温度に維持する。30分後、反応器を室温に冷却し、大気圧に排気する。反応器を下げ、液体含有量をメスシリンダーにより測定する。内容物を冷却し、少なくとも1時間放置する。次いでメスシリンダーの内容物をフィルターフリットを通してろ過して反応固形分を単離する。液体生成物を、フレームイオン化検出器(FID)検出器を備えたガスクロマトグラフにより、n-ノナン内部標準に対して分析する。広い分子量の標準としてChevron Phillips Chemicals CompanyのHDPEポリエチレン樹脂、MARLEX(登録商標)BHB5003を使用して、固形分(ワックス>C100およびポリエチレン)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析する。MARLEX(登録商標)BHB5003の較正サンプルは、Chevron Phillips Chemicals Company,LPから入手することができる。これらの実験の結果は、エチレン供給に対してH2を増加させると、H2中で生成されたポリマーの量と比較して生成されたポリマーが減少することを実証している。これらの実験の結果はまた、水素の添加が、生成されるポリマーの全分子量を減少させることができ、これらのエチレンオリゴマー化において生成されるポリマーの高分子量テールを減少させることを示している。