(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】蛍光体由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20220907BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20220907BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20220907BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220907BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20220907BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20220907BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20220907BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A61B1/00 511
A61B1/045 610
A61B1/07 735
A61B1/00 731
A61B1/045 622
G02B23/24 B
G02B21/00
G01N21/64 Z
A61B1/04 531
A61B1/045 611
A61B1/06 611
(21)【出願番号】P 2020191479
(22)【出願日】2020-11-18
(62)【分割の表示】P 2019000506の分割
【原出願日】2014-04-23
【審査請求日】2020-12-18
(32)【優先日】2013-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514135801
【氏名又は名称】シーダーズ-サイナイ メディカル センター
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ビュート プラモッド
(72)【発明者】
【氏名】ママラク アダム
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-031590(JP,A)
【文献】特開2008-033263(JP,A)
【文献】特表2011-528918(JP,A)
【文献】国際公開第2012/043771(WO,A1)
【文献】特開平10-151104(JP,A)
【文献】米国特許第06293911(US,B1)
【文献】特開平10-201707(JP,A)
【文献】特開2001-178672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063427(US,A1)
【文献】特開2012-088304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G01N 21/62 -21/74
G02B 5/20 - 5/28
G02B 19/00 -21/00
G02B 21/06 -21/36
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための画像化システムであって、
可視光及び放射光を検出しかつセンサシグナルを発生させるためのイメージセンサ、
該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出するためのレーザー、
該レーザーから該試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタであって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を狭め、狭められた該励起光が、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が、該イメージセンサに導通される、レーザークリーンアップフィルタ、
該レーザーから該試料までの光路内および該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタであって、該励起光が、該ノッチビームスプリッタによって該試料に反射され、該励起光が、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起し、放射光を放出し、かつ該放射光が、該ノッチビームスプリッタを通って該イメージセンサに伝送される、ノッチビームスプリッタ、
可視光を含む光を放出するための白色光源であって、該可視光が該試料に導通され、該試料が該可視光を反射し、該反射された可視光が該イメージセンサに導通される、白色光源、および
該イメージセンサに結合され、画像フレームを生成するための画像処理ユニットであって、センサシグナルを処理して、該試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)を生成し、該試料が可視光も前記励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)を生成し、かつ、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)を生成し、並びに各NIFから該SLFを減算し、その後、SLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する、画像処理ユニット
を備える、画像化システム。
【請求項2】
前記ノッチビームスプリッタが、700nm、725nm、750nm、780nm、または785nmの波長を有する光を反射する、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項3】
前記イメージセンサが、前記試料からの前記放射光および前記可視光の両方を検出するように構成され、かつセンサシグナルを生成するよう構成された、一つのイメージセンサであり、該イメージセンサが、青色、緑色、および赤色の画素センサを含む、請求項1または2に記載の画像化システム。
【請求項4】
前記赤外蛍光体または前記近赤外蛍光体が、インドシアニングリーン(ICG)、ICGの機能的等価物、ICGの類似体、ICGの誘導体、ICGの塩、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項5】
前記イメージセンサが、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサである、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項6】
前記レーザーがパルス型(pulsed)であるか、前記光源がパルス型であるか、または該レーザーおよび該光源の両方がパルス型である、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項7】
前記励起光が775nm~795nmの波長を有する光を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項8】
前記励起光が785nmの波長を有する光を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項9】
前記レーザークリーンアップフィルタが、775nm~795nmの波長を有する光を選択的に伝送する、請求項1~8のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項10】
前記レーザークリーンアップフィルタが、785nmの波長を有する光を選択的に伝送する、請求項1~8のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項11】
前記画像処理ユニットが、前記最終的なNIFに疑似カラーを付ける、請求項1~10のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項12】
前記画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた前記最終的なNIFを前記WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、請求項11に記載の画像化システム。
【請求項13】
前記画像処理ユニットから生成された前記画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に備え、該画像表示ユニットが該画像処理ユニットに接続されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項14】
前記レーザーからの前記励起光が第1のチャネルを通して前記試料に導通され、前記白色光源からの前記可視光が第2のチャネルを通して該試料に導通され、該試料から放射された放射光が第3のチャネルを通して前記イメージセンサに導通され、かつ該試料から反射された可視光が第4のチャネルを通して該イメージセンサに導通される、請求項1~13のいずれか一項に記載の画像化システム。
【請求項15】
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが、4個の別々のチャネルであるか、または、組み合わされて1個、2個、もしくは3個のチャネルとなっている、請求項14に記載の画像化システム。
【請求項16】
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが、内視鏡または顕微鏡である、請求項14または15に記載の画像化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、蛍光体由来の可視光画像及び赤外光(IR)画像を同時に記録するためのシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本明細書に引用される全ての刊行物は、それらの全体が、あたかも各個別的な刊行物または特許出願が参照により組み入れられることを具体的かつ個別的に示され場合と同程度まで参照により組み入れられる。以下の記載は、本発明を理解する上で有用となり得る情報を含む。本明細書に提供されるあらゆる情報が、先行技術であることまたは特許請求の範囲に記載された発明に関連していることを、容認するものではなく、かつ、具体的にまたは黙示的に参照された刊行物が先行技術であることを、容認するものではない。
【0003】
近年、臨床の場での腫瘍の外科的切除中に標識された組織、例えば腫瘍及び血管等を検出するための、赤外線(IR)色素の使用が関心を持たれている。赤外線色素は、組織をマークするための優れた標織色素であると考えられており、その理由としては、侵入深さがより高く、画像化に雑音を加え得るスペクトルの領域での自己蛍光が無く、かつ、蛍光シグナルを減少させ得るスペクトルの領域において、ヘモグロビン(すなわち血液)及び水からの吸収が無いことが挙げられる。これらの色素を例えば臨床手術室の環境で用いるためには、IRに敏感な画像化システムが必要であり、このシステムは、通常の白色光可視スペクトルにおいて高い分解能の画像を得ることができると同時に、手術中にコントラストを外科医に提供するために赤外線のシグナルを獲得して通常の可視スペクトル画像上にオーバーレイする。
【0004】
しかしながら、外科腫瘍学において、蛍光性腫瘍リガンドの応用例は一般に無いため、現在、腫瘍を近赤外(NIR)蛍光ベースで切除する手法を最適化するために使用可能な商業的画像化システムは存在しない。既存の臨床システムは主として、未結合の血管内インドシアニングリーン(ICG)、FDA承認NIR蛍光色素を検出するために設計された。ICGは、より高い投与量により典型的に静注で投与され、かつ、画像化は注入の30~60分後に実行される。このアプローチで達成される血管内蛍光量はより高いため、承認された臨床撮像デバイスは、これらの用途のために適切な感応性を有する。そのシステムの例としては、手術用顕微鏡(OPMI Pentero Infrared800,Carl Zeiss)に組み込まれた蛍光性モジュール、ないしSPY(登録商標)及びPinpoint(登録商標)システム(Novadaq)、及びFluoBeam(登録商標)800(Fluoptics)携帯端末が挙げられる。
【0005】
これらのシステムは、血管内画像化のために適切な感応性を有するものの、例えば標的腫瘍特異性NIR蛍光に対しての使用には、実用的ではない。例えば、Fluobeamは、白色光画像のオーバーレイのない携帯用デバイスであるものの、白色光でのHD品質画像、操縦性能、拡大倍率、照度、及びNIR画像の自動同時位置合わせを必要とする外科ツールとしての実用的用途のために設計されていない。このように感度が低い理由の1つは、画像化システムによって捕捉される蛍光光子の量が少ないことにあり、それは、このタイプのシステムは主に、ロングパスフィルタを有するカメラを1台(NIRのみ)または2台(NIR及び可視)使用し得るからである。可視及びNIRの同時捕捉の画像化システムでは、1台のカメラが可視スペクトルで画像を捕捉し、2台目のカメラが蛍光性画像を捕捉する。これは、ビームスプリッタを用いて、視野からの入射光を2個のチャネルに分割することによって達成される。一方のビームは、NIR蛍光をカメラの1台に伝送し、可視光の他方のビームは、ビームスプリッタを通過して第2のカメラに到達する。ICG等のNIR色素の蛍光励起及び放出のストークスシフトが、非常に狭いため、ロングパスフィルタは、蛍光(
図1)及びその後の検出感度に、大きな損失を与えてしまう。腫瘍の蛍光画像化は、標的指向化部分がより高い特異性を達成して、癌組織と周囲の正常組織との間の確実な区別を可能にすることを必要とする。これを達成するため、投与量を低く保ち、薬物投与と画像化との間の時間を非常に長く(ほとんどの場合12~48時間)することにより、腫瘍によるプローブの取り込み及び正常組織からの未結合の物質の洗浄を可能にする。これにより、蛍光シグナルが非常に小さくなり、現在市場に出ているシステムを検出には不十分にさせている。さらに、2つのカメラアタッチメントがあり、既存のセットアップでは完全な変更が必要であるという事実により、これらのシステムは、臨床の場での使用では扱いにくい場合がある。既存のシステムはこのように不十分であるため、これらの新規画像化剤の特異性を利用するための装置の技術革新が必要となる。
【0006】
従って、蛍光色素由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録することが可能である高感度のシステム及び方法の必要性が存在する。本明細書に記載される本発明は、蛍光体由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録するためのシステム及び方法を提供することにより、これまで満たされていなかった必要性を満たす。
【発明の概要】
【0007】
本発明の様々な実施形態は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を単独で含むか、または、ペプチド、タンパク質、ナノ粒子、ナノ複合体、抗体、及び核酸(例えばDNA及びRNAストランド)等の標的指向化部分に結合した、若しくは任意の他の生物学的に特異的な標的指向化実体に結合した赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための画像化システムを提供する。この画像化システムは、イメージセンサ、レーザー、レーザークリーンアップフィルタ、ノッチフィルタ、及び白色光源を有している。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、かつ、センサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体のための励起光を放出する。レーザークリーンアップフィルタは、レーザーから試料までの光路内に設置されて、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭める。狭められた励起光は試料においてピーク吸収において赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、励起光を遮断する。白色光源は、可視光を含む光を放出する。様々な実施形態において、イメージセンサは、NIRロングパスフィルタを有していない。様々な実施形態において、画像化システムは、高速トリガユニットを更に備える。
【0008】
本発明の様々な実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための画像化システムが提供される。このシステムは、イメージセンサ、レーザー、ノッチビームスプリッタ、ノッチフィルタ、及び同期モジュールを有している。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつオンとオフの状態を交互に繰り返す。ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、放射光はノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。同期(トリガ)モジュールは、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させることにより、単一のセンサシグナルが、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期する。
【0009】
また、試料を画像化する方法も提供される。この方法は、試料を提供するステップと、本明細書に記載される画像化システムを提供するステップと、当該画像化システムで試料を画像化するステップとを含む。
【0010】
本発明の様々な実施形態は、腫瘍を画像化すること、診断すること、及び/または治療することという文脈において記載されるが、本発明がそのような用途に限定されると解釈されてはならない。実際、本発明では、組織の差異、すなわち組織の正常対異常、に対する全ての検出及び診断における有用性が見出されてもよく、この正常対異常は、腫瘍、損傷、外傷、虚血、感染、炎症、または自己炎症を非限定的に含むありとありうる事由による。本発明は、限定されないが、腫瘍組織、損傷組織、虚血組織、感染組織、及び炎症組織を画像化、診断、及び/または、治療することを含む、画像化システム及び広範囲にわたる用途のためのシステムを提供する。関心対象の組織(例えば癌性、損傷、虚血性、感染、または炎症組織)が、それを包囲する組織(例えば、健康な組織)と、生理的または病理学的原因のために異なっているあらゆる状況において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を、関心対象の組織及び周囲の組織を特異的に標識するために用いることができ、かつ、それらの領域に対して、本発明の画像化システム及び方法により画像化して、適切な診断及び治療のための視覚的ガイダンスを提供することができる。したがって、この画像化システム及び方法は、限定されないが、腫瘍、癌、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳卒中、脳出血、脳虚血、虚血性心疾患、虚血性再灌流傷害、心血管疾患、心臓弁狭窄、感染症、微生物感染症、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、及び自己免疫性疾患を含む様々な状態を有する対象を画像化、診断、及び/または、治療するために用いられてもよい。本発明の画像化システムは、例えば、血管系を特定するために健康な対象の正常組織を画像化するために、用いられてもよい。
[本発明1001]
可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるためのイメージセンサ、
赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出するためのレーザー、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタであって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、レーザークリーンアップフィルタ、
該励起光を遮断する、該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタ、並びに
可視光を含む光を放出するための白色光源
を備える、該試料を画像化するための画像化システム。
[本発明1002]
前記試料が、腫瘍、細胞、組織、器官、または身体部分である、本発明1001の画像化システム。
[本発明1003]
前記試料が対象から分離されている、本発明1001の画像化システム。
[本発明1004]
前記試料が対象と一体化している、本発明1001の画像化システム。
[本発明1005]
前記赤外蛍光体または前記近赤外蛍光体が、インドシアニングリーン(ICG)、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである、本発明1001の画像化システム。
[本発明1006]
前記イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、本発明1001の画像化システム。
[本発明1007]
前記イメージセンサが、可視光及び赤外光を検出するため及びCCD映像シグナルを発生させるためのCCDイメージセンサである、本発明1001の画像化システム。
[本発明1008]
前記イメージセンサが、可視光及び赤外光を検出するため及びCMOS映像シグナルを発生させるためのCMOSイメージセンサである、本発明1001の画像化システム。
[本発明1009]
前記レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする、本発明1001の画像化システム。
[本発明1010]
前記レーザーが狭帯域レーザーである、本発明1001の画像化システム。
[本発明1011]
前記ノッチフィルタの遮断範囲が、前記レーザークリーンアップフィルタの透過範囲より広い、本発明1001の画像化システム。
[本発明1012]
前記励起光が、約785nmの波長を有している光を含む、本発明1001の画像化システム。
[本発明1013]
前記レーザークリーンアップフィルタが、約785nmの波長を有する光を選択的に透過させる、本発明1001の画像化システム。
[本発明1014]
前記ノッチフィルタが、約785nmの波長を有する光を選択的に遮断する、本発明1001の画像化システム。
[本発明1015]
前記レーザーから前記試料までの光路内にノッチビームスプリッタを更に備え、前記励起光が該ノッチビームスプリッタによって該試料へ反射される、本発明1001の画像化システム。
[本発明1016]
前記白色光源から前記試料までの光路内にノッチビームスプリッタを更に備え、前記可視光が該試料に伝送される、本発明1001の画像化システム。
[本発明1017]
約700、725、または750nmの波長で光を分割するノッチビームスプリッタを更に備える、本発明1001の画像化システム。
[本発明1018]
約785nmの波長を有する光を反射するノッチビームスプリッタを更に備える、本発明1001の画像化システム。
[本発明1019]
前記試料から前記イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがない、本発明1001の画像化システム。
[本発明1020]
前記レーザーから前記試料までの光路内には赤外フィルタがない、本発明1001の画像化システム。
[本発明1021]
センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える、本発明1001の画像化システム。
[本発明1022]
前記画像処理ユニットが、センサシグナルを処理して、前記試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)を生成し、該試料が可視光も前記励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)を生成し、かつ、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)を生成し、かつ該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後、SLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する、本発明1021の画像化システム。
[本発明1023]
前記画像処理ユニットが、前記最終的なNIFに疑似カラーを付ける、本発明1022の画像化システム。
[本発明1024]
前記画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた前記最終的なNIFを前記WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、本発明1023の画像化システム。
[本発明1025]
前記画像処理ユニットが、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、本発明1024の画像化システム。
[本発明1026]
前記画像処理ユニットから生成された前記画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に備える、本発明1021の画像化システム。
[本発明1027]
前記画像表示ユニットが、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する、本発明1026の画像化システム。
[本発明1028]
前記レーザーから前記試料まで前記励起光を導通するための第1のチャネルと、前記白色光源から該試料まで前記可視光を導通するための第2のチャネルと、該試料から前記イメージセンサまで前記放射光を導通するための第3のチャネルと、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通するための第4のチャネルとを更に備える、本発明1001の画像化システム。
[本発明1029]
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが、4個の別々のチャネルであるか、または、組み合わされて1個、2個、もしくは3個のチャネルとなっている、本発明1028の画像化システム。
[本発明1030]
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが内視鏡または顕微鏡である、本発明1028の画像化システム。
[本発明1031]
(a)可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるためのイメージセンサであって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、イメージセンサ、
(b)該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出するためのレーザー、
(c)該レーザーから該試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタであって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、レーザークリーンアップフィルタ、
(d)該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための第1のチャネル、
(e)可視光を含む光を放出するための白色光源、
(f)該白色光源から該試料まで該可視光を導通させるための第2のチャネル、
(g)該レーザーから該試料までの光路内及び該白色光源から該試料までの光路内のノッチビームスプリッタであって、該励起光が、該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、かつ該可視光が該ノッチビームスプリッタを通して該試料に伝送される、ノッチビームスプリッタ、
(h)該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための第3のチャネル、
(i)該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための第4のチャネル、
(j)該励起光を遮断する、該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタ、並びに
(k)センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットであって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、該試料が可視光も該励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、該画像処理ユニットが、該最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該最終的なNIFを該WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、画像処理ユニット、
(l)該画像処理ユニットに接続された、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニット
を備える、該試料を画像化するための画像化システム。
[本発明1032]
可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるためのイメージセンサ、
赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつオンとオフの状態を交互に繰り返すレーザー、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタであって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、ノッチビームスプリッタ、
該励起光を遮断する、該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタ、並びに
該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための同期モジュールであって、単一のセンサシグナルを、該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、同期モジュール
を備える、該試料を画像化するための画像化システム。
[本発明1033]
前記試料が、腫瘍、細胞、組織、器官、または身体部分である、本発明1032の画像化システム。
[本発明1034]
前記試料が対象から分離されている、本発明1032の画像化システム。
[本発明1035]
前記試料が、対象と一体化している、本発明1032の画像化システム。
[本発明1036]
前記赤外蛍光体または前記近赤外蛍光体が、インドシアニングリーン(ICG)、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである、本発明1032の画像化システム。
[本発明1037]
前記イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、本発明1032の画像化システム。
[本発明1038]
前記イメージセンサが、可視光及び赤外光を検出するため及びCCD映像シグナルを発生させるためのCCDイメージセンサである、本発明1032の画像化システム。
[本発明1039]
前記イメージセンサが、可視光及び赤外光を検出するため及びCMOS映像シグナルを発生させるためのCMOSイメージセンサである、本発明1032の画像化システム。
[本発明1040]
前記レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする、本発明1032の画像化システム。
[本発明1041]
前記レーザーのオン/オフ周波数が、センサシグナルを発生する前記イメージセンサの周波数の半分である、本発明1032の画像化システム。
[本発明1042]
前記レーザーが、60Hzの周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返す、本発明1032の画像化システム。
[本発明1043]
前記イメージセンサが、120Hzの周波数でセンサシグナルを発生させる、本発明1032の画像化システム。
[本発明1044]
前記励起光が、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を含む、本発明1032の画像化システム。
[本発明1045]
前記ノッチビームスプリッタが、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を選択的に反射する、本発明1032の画像化システム。
[本発明1046]
前記ノッチフィルタが、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を遮断する、本発明1032の画像化システム。
[本発明1047]
前記試料から前記イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがない、本発明1032の画像化システム。
[本発明1048]
前記レーザーから前記試料までの光路内には赤外フィルタがない、本発明1032の画像化システム。
[本発明1049]
可視光を含む光を放出するための光源を更に備える、本発明1032の画像化システム。
[本発明1050]
センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える、本発明1032の画像化システム。
[本発明1051]
前記画像処理ユニットが、前記レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、該レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した前記画像フレーム間の差によって生成される、本発明1050の画像化システム。
[本発明1052]
前記画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付ける、本発明1051の画像化システム。
[本発明1053]
前記画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた前記赤外線のみの画像フレームを、前記レーザーがオフの場合に生成された前記画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、本発明1052の画像化システム。
[本発明1054]
前記画像処理ユニットが、60Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、本発明1053の画像化システム。
[本発明1055]
前記画像処理ユニットから生成された前記画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に備える、本発明1050の画像化システム。
[本発明1056]
前記画像表示ユニットが、60Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する、本発明1055の画像化システム。
[本発明1057]
前記レーザーから前記試料まで前記励起光を導通するための第1のチャネルと、前記光源から該試料まで前記可視光を導通するための第2のチャネルと、該試料から前記イメージセンサまで前記放射光を導通するための第3のチャネルと、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通するための第4のチャネルとを更に備える、本発明1032の画像化システム。
[本発明1058]
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが、4個の別々のチャネルであるか、または、組み合わされて1個、2個、または、3個のチャネルとなっている、本発明1057の画像化システム。
[本発明1059]
前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、前記第3のチャネル、及び前記第4のチャネルが内視鏡または顕微鏡である、本発明1057の画像化システム。
[本発明1060]
(a)可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるためのイメージセンサであって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、イメージセンサ、
(b)該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつ、該第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すレーザー、
(c)該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための第1のチャネル、
(d)可視光を含む光を放出するための光源、
(e)該光源から該試料まで該可視光を導通させるための第2のチャネル、
(f)該レーザーから該試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタであって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、ノッチビームスプリッタ、
(g)該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための第3のチャネル、
(h)該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための第4のチャネル、
(i)該励起光を遮断する、該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタ、
(j)該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための同期モジュールであって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、同期モジュール、
(k)センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットであって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該画像処理ユニットが、該レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した該画像フレーム間の差によって生成され、該画像処理ユニットが、該赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該赤外線のみの画像フレームを、該レーザーがオフの場合に生成された該画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、画像処理ユニット、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続された、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニット
を備える、該試料を画像化するための画像化システム。
[本発明1061]
試料を提供すること、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供すること、及び、
該画像化システムを用いて該試料を画像化すること
を含む、該試料を画像化する方法。
[本発明1062]
前記試料が、腫瘍、細胞、組織、器官、または身体部分である、本発明1061の方法。
[本発明1063]
対象に対して手術を実行して、前記試料にアクセスするかまたは該試料を分離することを更に含む、本発明1061の方法。
[本発明1064]
赤外蛍光体または近赤外蛍光体で前記試料を標識することを更に含む、本発明1061の方法。
[本発明1065]
前記赤外蛍光体または前記近赤外蛍光体が、インドシアニングリーン(ICG)、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである、本発明1064の方法。
[本発明1066]
腫瘍を有する対象に赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与し、それにより、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体で該腫瘍を標識することと、
該対象に対して手術を実行して、標識された該腫瘍の領域にアクセスすることと、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供することと、
該画像化システムに従って、標識された該腫瘍を特定することと、
標識された該腫瘍を除去し、それにより、該腫瘍を有する該対象を治療することと
を含む、該対象を治療する方法。
[本発明1067]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1068]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータシステム。
[本発明1069]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させて、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令
を含む、該試料を画像化するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1070]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
(c)該レーザーから該試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、
(d)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(f)第2のチャネルを動作させて、該白色光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(g)該レーザーから該試料までの光路内及び該白色光源から該試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、かつ該可視光が該ノッチビームスプリッタを通して該試料に伝送される、命令、
(h)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(i)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(j)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、該試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、該画像処理ユニットが、該最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該最終的なNIFを該WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1071]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
(c)該レーザーから該試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、
(d)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(f)第2のチャネルを動作させて、該白色光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(g)該レーザーから該試料までの光路内及び該白色光源から該試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、かつ該可視光が該ノッチビームスプリッタを通して該試料に伝送される、命令、
(h)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(i)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(j)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、該試料が可視光も該励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、該画像処理ユニットが、該最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該最終的なNIFを該WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータシステム。
[本発明1072]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、
(c)該レーザーから該試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、該レーザークリーンアップフィルタが、該励起光の波長帯を該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、
(d)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(f)第2のチャネルを動作させて、該白色光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(g)該レーザーから該試料までの光路内及び該白色光源から該試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が、該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、かつ該可視光が、該ノッチビームスプリッタを通して該試料に伝送される、命令、
(h)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(i)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(j)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、該試料が可視光も該励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、該画像処理ユニットが、該最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該最終的なNIFを該WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1073]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させ、かつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、
該レーザーから赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1074]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータシステム。
[本発明1075]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、
レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、
該レーザーから該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を含む試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が、該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、並びに
同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令
を含む、該試料を画像化するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1076]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるため、及び該第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、
(c)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(e)第2のチャネルを動作させて、該光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(f)該レーザーから該試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
(g)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(h)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(i)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(j)同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該画像処理ユニットが、該レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、該レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した該画像フレーム間の差によって生成され、該画像処理ユニットが、該赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該赤外線のみの画像フレームを、該レーザーがオフの場合に生成された該画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1077]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるため、及び該第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、
(c)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(e)第2のチャネルを動作させて、該光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(f)該レーザーから該試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
(g)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(h)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(i)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(j)同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該画像処理ユニットが、該レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、該レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した該画像フレーム間の差によって生成され、該画像処理ユニットが、該赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該赤外線のみの画像フレームを、該レーザーがオフの場合に生成された該画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するためのコンピュータシステム。
[本発明1078]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料から該イメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつ該イメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、
(b)レーザーを動作させて、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体のための励起光を放出させるため、及び該第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態に交互に繰り返すための命令、
(c)第1のチャネルを動作させて、該レーザーから該試料まで該励起光を導通させるための命令、
(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、
(e)第2のチャネルを動作させて、該光源から該試料まで該可視光を導通させるための命令、
(f)該レーザーから該試料までの光路内及び該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、該励起光が該ノッチビームスプリッタにより該試料へ反射され、該励起光が、該試料中の該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ該放射光が該ノッチビームスプリッタを通して該イメージセンサに伝送される、命令、
(g)第3のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該放射光を導通させるための命令、
(h)第4のチャネルを動作させて、該試料から該イメージセンサまで該可視光を導通させるための命令、
(i)該試料から該イメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、該ノッチフィルタが該励起光を遮断する、命令、
(j)同期モジュールを動作させて、該イメージセンサを該レーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを該レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、
(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、該画像処理ユニットが該イメージセンサに接続され、該画像処理ユニットが、該レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、該レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した該画像フレーム間の差によって生成され、該画像処理ユニットが、該赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、該画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた該赤外線のみの画像フレームを、該レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに
(l)該画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、該画像処理ユニットから生成された該画像フレームに基づいて画像を表示するための命令
を含む、該試料を画像化するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1079]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
試料を提供するための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び、
該画像化システムを用いて該試料を画像化するための命令
を含む、試料を画像化するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1080]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
試料を提供するための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び、
該画像化システムを用いて該試料を画像化するための命令
を含む、試料を画像化するためのコンピュータシステム。
[本発明1081]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
試料を提供するための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び
該画像化システムを用いて該試料を画像化するための命令
を含む、試料を画像化するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1082]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、
該1つ以上のプログラムが、
腫瘍を有する対象に赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与し、それにより、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体で該腫瘍を標識するための命令、
該対象に対して手術を実行して、標識された該腫瘍の領域にアクセスするための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、
該画像化システムに従って、標識された該腫瘍を特定するための命令、及び、
標識された該腫瘍を除去し、それにより、該腫瘍を有する該対象を治療するための命令
を含む、該対象を治療するためのコンピュータ実装方法。
[本発明1083]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
腫瘍を有する対象に赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与し、それにより、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体で該腫瘍を標識するための命令、
該対象に対して手術を実行して、標識された該腫瘍の領域にアクセスするための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、
該画像化システムに従って、標識された該腫瘍を特定するための命令、及び、
標識された該腫瘍を除去し、それにより、該腫瘍を有する該対象を治療するための命令
を含む、該対象を治療するためのコンピュータシステム。
[本発明1084]
コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
腫瘍を有する対象に赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与し、それにより、該赤外蛍光体または該近赤外蛍光体で該腫瘍を標識するための命令、
該対象に対して手術を実行して、標識された該腫瘍の領域にアクセスするための命令、
前記本発明のいずれかの画像化システムを提供するための命令、
該画像化システムに従って、標識された該腫瘍を特定するための命令、及び、
標識された該腫瘍を除去し、それにより、該腫瘍を有する該対象を治療するための命令
を含む、該対象を治療するための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1085]
デバイス上に1つ以上のプロセッサと該1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載すること
を含み、該1つ以上のプログラムが、
並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、
未加工の画像を伝送するための命令、及び、
該1つ以上のプロセッサに対する、該未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令
を含む、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータ実装方法。
[本発明1086]
前記1つ以上のプロセッサが図形処理ユニット(GPU)を備え、かつ前記並列処理ソフトウェアコーディングが、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備える、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1087]
前記並列処理ソフトウェアコーディングが直接ビデオカードに格納される、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1088]
前記未加工の画像が、8ビットの未加工の画像である、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1089]
前記画像が、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含み、フルHD(1080p)8ビットの画像が、約2Mbのサイズであり、PCIe3.0データ転送速度が約7Gb/sであり、かつ該画像が、300マイクロ秒で前記1つ以上のプロセッサへ伝送される、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1090]
前記1つ以上のプロセッサに前記画像を伝送した後に画像処理操作を実行する、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1091]
前記画像処理操作が、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤色、緑色、及び青色のチャネルを加算すること、疑似カラーを蛍光画像に与えること、並びに疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することから成る群の一つである、本発明1090のコンピュータ実装方法。
[本発明1092]
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに前記画像を戻す代わりに、前記1つ以上のプロセッサのopenGL/directx機能を動作させて、最終的な画像を表示する、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1093]
医療グレードHD品質ビデオモニタで画像が表示される、本発明1085のコンピュータ実装方法。
[本発明1094]
1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、
該1つ以上のプログラムが、
並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、
未加工の画像を伝送するための命令、及び、
該1つ以上のプロセッサに対する、該未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令
を含む、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータシステム。
[本発明1095]
前記1つ以上のプロセッサが図形処理ユニット(GPU)を備え、かつ前記並列処理ソフトウェアコーディングが、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備える、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1096]
前記並列処理ソフトウェアコーディングが直接ビデオカードに格納される、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1097]
前記未加工の画像が、8ビットの未加工の画像である、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1098]
前記画像が、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含み、フルHD(1080p)8ビットの画像が、約2Mbのサイズであり、PCIe3.0データ転送速度が約7Gb/sであり、かつ該画像が、300マイクロ秒で前記1つ以上のプロセッサへ伝送される、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1099]
前記1つ以上のプロセッサに前記画像を伝送した後に、画像処理操作を実行する、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1100]
前記画像処理操作が、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤色、緑色、及び青色のチャネルを加算すること、疑似カラーを蛍光画像に与えること、並びに疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することから成る群の一つである、本発明1099のコンピュータシステム。
[本発明1101]
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに前記画像を戻す代わりに、前記1つ以上のプロセッサのopenGL/directx機能を動作させて、最終的な画像を表示する、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1102]
医療グレードHD品質ビデオモニタで画像が表示される、本発明1094のコンピュータシステム。
[本発明1103]
保存媒体のプロセッサの1つ以上による実行のための1つ以上のプログラムが、
並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、
未加工の画像を伝送するための命令、及び、
1つ以上の該プロセッサに対する、該未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令
を含む、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のための該1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体。
[本発明1104]
前記1つ以上のプロセッサが図形処理ユニット(GPU)を備え、かつ前記並列処理ソフトウェアコーディングが、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備える、本発明1103の保存媒体。
[本発明1105]
前記並列処理ソフトウェアコーディングが直接ビデオカードに格納される、本発明1103の保存媒体。
[本発明1106]
前記未加工の画像が、8ビットの未加工の画像である、本発明1103の保存媒体。
[本発明1107]
前記画像が、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含み、フルHD(1080p)8ビットの画像が、約2Mbのサイズであり、PCIe3.0データ転送速度が約7Gb/sであり、かつ該画像が、300マイクロ秒で前記1つ以上のプロセッサへ伝送される、本発明1103の保存媒体。
[本発明1108]
前記1つ以上のプロセッサに前記画像を伝送した後に、画像処理操作を実行する、本発明1103の保存媒体。
[本発明1109]
前記画像処理操作が、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤色、緑色、及び青色のチャネルを加算すること、疑似カラーを蛍光画像に与えること、並びに疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することから成る群の一つである、本発明1108の保存媒体。
[本発明1110]
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに前記画像を戻す代わりに、前記1つ以上のプロセッサのopenGL/directx機能を動作させて、最終的な画像を表示する、本発明1103の保存媒体。
[本発明1111]
医療グレードHD品質ビデオモニタで画像が表示される、本発明1103の保存媒体。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の様々な実施形態に従って、カメラを2台用いるソリューションにおいて、ロングパスフィルタを用いた際に推定される蛍光の損失を示す。
【
図2】本発明の様々な実施形態に従って、カラーセンサの典型的な感度を示す。
【
図3】本発明の様々な実施形態に従って、イメージセンサの上のカラーフィルタアレイを示す。
【
図4】本発明の様々な実施形態に従って、蛍光色素由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録するための典型システムを示す。このシステムは、波長785nmのレーザー01、785nmのノッチビームスプリッタ02、785nmのノッチフィルタ03、IRフィルタを有しないCCDカメラ04、及びトリガまたは同期ユニット05を備えている。レーザーは、CCDカメラの速度の約半分の周波数(たとえば60Hz)で、オンとオフの状態を交互に繰り返すことができる。CCDカメラは、120Hzの周波数で画像フレームを取り込む。同期ユニットは、CCDイメージセンサをレーザーと同期させることにより、単一の画像フレームがレーザーのオンまたはオフの単一の状態に対応することを確実にする。組織は、IR(またはNIR)蛍光体で標識されている。可視光源06は、関心対象の試料を照射する。785nmの波長は非限定的な例であり、その他の波長をこのシステムで用いることも可能である。
【
図5A】本発明の様々な実施形態に従って、蛍光色素由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録する典型な方法を示す。レーザーがオフの場合には、電荷結合素子(CCD)カメラはフレーム1を取り込み、そこでは、赤緑青(RGB)画素センサは、可視光を検出するが、近赤外範囲(NIR)の蛍光は検出しない。レーザーがオンの場合には、CCDカメラはフレーム2を取り込み、そこでは、RGB画素センサは、可視光及び追加的にNIRの蛍光の両方を検出する。フレーム1をフレーム2から減算した差は、追加的なNIRの蛍光を示す。このように計算された追加的な蛍光のフレームは、疑似カラーが与えられ、かつこれを再びフレーム1に加算され、それにより、外科医に表示される可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成することができる。このプロセスを連続的に繰り返して、手術中にリアルタイムにビデオを表示及び録画することができる。
【
図5B】本発明の様々な実施形態に従って、蛍光色素由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録する典型な方法を示す。レーザーがオフの場合には、電荷結合素子(CCD)カメラはフレーム1を取り込み、そこでは、赤緑青(RGB)画素センサは、可視光を検出するが、近赤外範囲(NIR)の蛍光は検出しない。レーザーがオンの場合には、CCDカメラはフレーム2を取り込み、そこでは、RGB画素センサは、可視光及び追加的にNIRの蛍光の両方を検出する。フレーム1をフレーム2から減算した差は、追加的なNIRの蛍光を示す。このように計算された追加的な蛍光のフレームは、疑似カラーを与えられ、かつこれを再びフレーム1に加算され、それにより、外科医に表示される可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成することができる。このプロセスを連続的に繰り返して、手術中にリアルタイムにビデオを表示及び録画することができる。
【
図5C】本発明の様々な実施形態に従って、蛍光色素由来の可視光画像及び赤外光画像を同時に記録する典型な方法を示す。レーザーがオフの場合には、電荷結合素子(CCD)カメラはフレーム1を取り込み、そこでは、赤緑青(RGB)画素センサは、可視光を検出するが、近赤外範囲(NIR)の蛍光は検出しない。レーザーがオンの場合には、CCDカメラはフレーム2を取り込み、そこでは、RGB画素センサは、可視光及び追加的にNIRの蛍光の両方を検出する。フレーム1をフレーム2から減算した差は、追加的なNIRの蛍光を示す。このように計算された追加的な蛍光のフレームは、疑似カラーを与えられ、かつこれを再びフレーム1に加算され、それにより、外科医に表示される可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成することができる。このプロセスを連続的に繰り返して、手術中にリアルタイムにビデオを表示及び録画することができる。
【
図6A】本発明の様々な実施形態に従って、臨床プロトタイプの非限定的な例を示す。デザイン及び光学スペック。レーザー01は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出する。励起光はカメラ内部に進行し、折り返しミラー08で反射されレーザークリーンアップフィルタ07に至る。レーザークリーンアップフィルタ07を通して、励起光は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体の励起波長まで狭められる。狭められた励起光は、ノッチビームスプリッタ02によって反射され、別の折り返しミラー08によって反射され、様々な光学部品(たとえば、コリメーティングレンズ09及びディフューザ10)を通過し、かつ試料に向かって、カメラのウインドウ11から外へ出る。狭められた励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。放射光は別のウインドウ11を通ってカメラに進入し、折り返しミラー08によってノッチフィルタ03へ反射され、ノッチフィルタ03及び様々な光学部品(たとえば、VIS-NIRレンズ12)を通過する。ノッチフィルタ03を通して、試料から反射されるあらゆる励起光が遮断される。放射光は、励起光を検出してセンサシグナルを発生させるイメージセンサ(たとえば、Baslerカメラ)に到達する。放射光で発生したセンサシグナルは、赤外画像フレームを生成するため、データリンクによってカメラから画像処理ユニットに伝送される。白色光源06は、可視光を放出する。可視光は、カメラ内部に進行し、ノッチビームスプリッタ02を通過し、折り返しミラー08によって反射され、様々な光学部品(たとえば、コリメーティングレンズ09及びディフューザ10)を通過し、かつ、試料に向かって、カメラのウインドウ11から外へ出る。試料は、可視光によって照射される。可視光は別のウインドウ11を通ってカメラに戻って進入し、別の折り返しミラー08によってノッチフィルタ03へ反射され、ノッチフィルタ03及び様々な光学部品(たとえば、VIS-NIRレンズ12)を通過する。可視光は、可視光を検出してセンサシグナルを発生させるイメージセンサ(たとえば、Baslerカメラ)に到達する。可視光で発生したセンサシグナルは、可視光画像フレームを生成するために、カメラから画像処理ユニットへ伝送される。
【
図6B】本発明の様々な実施形態に従って、臨床プロトタイプの非限定的な例を示す。特注の統合レンズおよびカメラソリューションのための照明視野。一つの非限定的な例においては、このユニットは、7.75"×3.74"×2.06"の大きさを有し、重さは約3.8ポンドであるため、市販の内視鏡ホルダに結合させることが可能である。一つの非限定的な例においては、焦点距離が約45cmの状態で、それは、外科切除術中に、外科的視野のはるか外側に置かれてもよく、機器及び検体を、その下に容易に通過させることができる。カメラ出力は画像処理コンピュータに接続され、次いで、表示のためにHDビデオモニタに供給される。
【
図6C】本発明の様々な実施形態に従って、臨床プロトタイプの非限定的な例を示す。画像化システムのスキーム。赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光は、レーザーから放出され、第1の導光チャネルを通り、レーザークリーンアップフィルタによって浄化され、かつ赤外蛍光体または近赤外蛍光体で標識された試料に到達し、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起する。放射光は、試料中の励起赤外蛍光体または近赤外蛍光体から放出され、第3の導光チャネルを通り、ノッチフィルタを通過して、イメージセンサに到達する。可視光は白色光源から放出され、第2の導光チャネルを通り、試料に到達してこれを照射する。照らされた試料からの可視光は、第4の導光チャネルを通して、イメージセンサに到達する。第1、第2、第3、および第4のチャネルは、様々な光学部品を含んでもよく、それらには、限定されないが、光ファイバ、光フィルタ、光エンハンサ、光減衰器、ビームスプリッタ、コンデンサ、ディフューザ、ウインドウ、ホール、ミラー、シャッター、及びレンズが含まれる。それらは、一部または完全に重なってもよくそれらは別々のチャネルでもよいか、または組み合わされて1個、2個、または、3個のチャネルとなってもよく、かつ、それらは内視鏡及び顕微鏡等の装置またはその装置の一部分を含んでもよい。イメージセンサは、放射光を検出して、赤外光ベースのセンサシグナルを発生させ、また、可視光を検出して可視光ベースのセンサシグナルを発生する。イメージセンサは画像処理ユニットに接続されて、画像処理ユニットにセンサシグナルを伝送する。画像処理ユニットは、センサシグナルを処理して、赤外光及び可視光の複合画像フレームを生成し、かつ、赤外光及び可視光の複合画像を表示する画像表示ユニットに複合画像フレームを伝送する。画像化システムはリアルタイムビデオとして複合画像のストリームを連続的に提供することにより、例えば、外科医の腫瘍の除去手術を助ける。
【
図7】本発明の様々な実施形態に従って、フィルタ構成の非限定的な例を示す。非常に狭い帯レーザー光線を使用し、クリーンアップフィルタの使用による支援により、785nmのピーク吸収波長でICGを励起することにより、励起効率を最大にすることが可能になる。カメラの前にノッチフィルタを設けることにより、画像から励起光を除去することができ、よって、ターゲットから蛍光放出のみを取り込むことができるようになる。この構成は、高いSNRで、最高効率で蛍光を画像化することを可能にする。
【
図8】本発明の様々な実施形態に従って、フレーム取り込みのタイミングの詳細の非限定的な例を示す。この図は、単一の表示されるフレームを製作するために処理される10個の取り込まれたフレームのタイミングの詳細を示す。カメラは、毎秒300フレームでフレームを取り込み、ビデオディスプレイは毎秒30フレームを表示する。各取り込まれたフレームは、「オン」及び「オフ」を切り換える白光及びNIRレーザーに同期する。レーザーが「オフ」(蛍光はない)でかつ白色光のみが「オン」の時に、可視光または自然光フレームが取り込まれる。両方の光源が「オフ」であるとき、次いでSIRISは迷光(バックグラウンド)を取り込む。レーザーのみが「オン」でありかつ白色光が「オフ」である時に、このバックグラウンドは蛍光フレームから減算される。このフレームキャプチャを5つのフレームのグループに分割することにより、そのそれぞれはカメラの移動中のゴースト発生効果を減少させる。
【
図9】本発明の様々な実施形態に従って、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリを備えるデバイスまたはコンピュータシステムの非限定的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
全ての引用文献はその全体として、あたかも完全に記載されたのと同じように、参照により本明細書に組み入れられる。別段に定義しない限り、本文中の全ての技術的な及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により共通に理解されるのと同じ意味を有する。 Allen et al.,Remington: The ScIence and practice of pharmacy 22nd ed.,Pharmaceutical Press(September 15,2012);Hornyak et al.,Introduction to Nanoscience and Nanotechnology,CRC Press(2008);Singleton and Sainsbury,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed.,revised ed.,J. Wiley & Sons(New York,NY 2006);Smith,March's Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 7th ed.,J. Wiley & Sons(New York,NY 2013);Singleton,Dictionary of DNA and Genome Technology 3rd ed.,Wiley-Blackwell(November 28,2012);及びGreen and Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor,NY 2012)は、本出願で用いられる用語の多くに対する一般的な指針を、当業者に提供する。抗体を調製する方法に対する参考文献としては、Greenfield,Antibodies A Laboratory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(Cold Spring Harbor NY,2013);Koehler and Milstein,Derivation of specific antibody-producing tissue culture and tumor lines by cell fusion,Eur. J. Immunol. 1976 Jul,6(7):511-9;Queen and Selick,Humanized immunoglobulins、米国特許第5,585,089号(1996年12月);及びRiechmann et al.,Reshaping human antibodies for therapy,Nature 1988 Mar 24,332(6162):323-7を参照されたい。
【0013】
当業者は、本明細書に記載される方法及び物質と同様または等価な、多くの方法及び物質を認識し、それらは本発明の実施に用いることができるものである。本発明のその他の特徴および効果は、添付図面とともになされる以下の詳細説明から明らかになり、それらは、一例として、本発明の実施形態の様々な特徴を例示する。実際、本発明はいかなる場合も、記載される方法及び物質に限定されない。便宜のため、本明細書において、すなわち明細書、実施例、及び添付の請求項で用いる特定の用語を、ここにまとめる。
【0014】
別段に述べられるか、または、文脈から内在しない限り、以下の用語及び表現は、下記に提供される意味を含む。明示的に別段に述べられるか、または、文脈から明らかでない限り、下記の用語および表現は、その用語また表現が関連する技術分野において得られている意味を除外するものではない。これら定義は、特定の実施形態の説明に役立つようにために提供され、特許請求の範囲に記載の発明を限定する意図は無く、何故なら、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるからである。別段に定義されない限り、本明細書に用いられる全ての技術的及び科学的な用語は、この発明が属する技術分野の当業者に共通して理解されていると同じ意味を有する。
【0015】
本明細書に用いられる場合において、「備えている」または「備える」という用語は、実施形態に有用であり、さらに、有用であるか否かを問わず明示されていない要素の包含も受け入れる組成物、方法、及びそのそれぞれのコンポーネントに関して用いられる。本明細書に用いられる用語は一般に、「オープン」な用語として意図されていることが、当業者には理解されよう。(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるが、これに限定されるものではない」ことと解釈されなければならず、「有している」という用語は、「少なくとも有している」ことと解釈されなければならず、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されるものではない」と解釈されなければならない等である。)
【0016】
特に明記しない限り、本出願の特定の実施形態(特に請求項の文脈において)を説明するという文脈において用いられる用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び類似の参照用語は、単数及び複数をカバーするものと解釈することができる。数値の範囲の引用は本明細書では単に、この範囲に入る別個の数値それぞれを個々に示すための短縮した方法としての機能を果たすと、意図されるのみである。本明細書に別段に示されない限り、個別の数値のそれぞれは、あたかも個々に引用されるように、本明細書に組み入れられる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段に示されない限り、または別段に明らかに文脈により否定されない限り、あらゆる適切な順序で実行することができる。本明細書に記載の特定の実施形態に関して提供される全ての例または例示的な言語の使用(例えば、「例えば」)は、単に適切に本出願を明らかにするのみの意図であり、別途特許請求の範囲に記載の本出願の範囲を限定するものではない。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaから誘導されたものであり、非限定的な例を示すために本明細書に用いられる。したがって、略語「例えば(e.g.)」(「例えば」)は、「例えば(for example)」の語と同義である。明細書の言語は、用途の実行に必須であるが特許請求の範囲に記載されていない、あらゆる要素を示すものとして解釈されてはならない。
【0017】
本明細書に用いられるように、用語「治療する」、「治療」、「治療している」、または「改善」は、疾病、疾患、または病状に関して用いられる場合は、治療及び予防または防止処置のことをいい、その目的は、症状または状態の進行または重症度を予防するか、逆転させるか、軽減するか、改善するか、抑制するか、低下させるか、失速させるか、または停止することである。用語「治療している」は、状態に関する少なくとも1つの副作用または症状を減少させるかまたは軽減することを含む。1つ以上の症状または臨床マーカーが減少されれば、治療は一般に「有効である」。代替的に、疾病、疾患、または病状の進行が減少されるかまたは停止するならば、治療は「有効である」。すなわち、「治療」は、症状またはマーカーを改善した場合を含むだけでなく、治療がない場合に予想される症状の進展または悪化を停止することまたは少なくとも減速させることも含むものである。また、「治療」は、有益な結果を追求または獲得すること、または、たとえ治療が最終的に不成功であるとしても、個人の状態発症の可能性を下げることを、意味する。治療が必要な者とは、すでにその状態にある者の他、その状態を有しやすい者またはその状態を防止すべき者を含む。
【0018】
「有益な結果」または「所望の結果」は、疾病状態の重症度を少なくするかまたは軽減すること、疾病状態の悪化を防止すること、疾病状態を治療すること、疾病状態を発症することを防止すること、患者の疾病状態発症の可能性を下げること、罹患率及び死亡率を減少させること、及び患者の生命または寿命を延長することを非限定的に含んでいてもよい。非限定的な例として、「有益な結果」または「所望の結果」は、1つ以上の症状の緩和、損失の範囲の減少、腫瘍の安定化(すなわち、悪化しない)状態、腫瘍成長の遅れまたは緩徐化、及び腫瘍に関係した症状の改良または緩和であってもよい。
【0019】
本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」は、悪性腫瘍性細胞増殖の疾患または疾病(例えば、腫瘍及び癌)のあらゆる形態を、非限定的に含んでいてもよい。本発明に従い、本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」は、組織の差異、すなわち組織の正常対異常、に対する全ての状態を非限定的に含み、この正常対異常は、腫瘍、損傷、外傷、虚血、感染、炎症、または自己炎症を非限定的に含むありとありうる事由による。さらに本発明に従い、本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」とは、関心対象の組織(例えば、癌性、損傷、虚血性、感染、または炎症組織)が、生理的または病理学的原因で、それを包囲する組織(例えば、健康な組織)と異なっているあらゆる状況を非限定的に含む。「状態」及び「疾病状態」の例は、腫瘍、癌、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳卒中、脳出血、脳虚血、虚血性心疾患、虚血性再灌流傷害、心血管疾患、心臓弁狭窄、感染症、微生物感染症、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、及び自己免疫性疾患を非限定的に含む。
【0020】
本明細書で用いられる「癌」または「腫瘍」は、身体の器官及び系統の正常機能に干渉する細胞の無制御な成長、及び/または、悪性のまたは良性を問わず全ての新生細胞成長及び増殖、並びに、全ての前癌性及び癌性細胞及び組織のことをいう。癌または腫瘍を有する対象とは、対象の体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する対象である。この定義では、良性及び悪性癌、並びに、休眠中の腫瘍または微小転移巣が含まれる。もとの場所から移動して重要臓器に播種する癌は、影響を受けた器官の機能劣化を通して、結局、対象の死亡につながる。本明細書に用いられる場合において、用語「侵襲」は、周囲の組織に浸入してこれを破壊する能力のことをいう。黒色腫とは、皮膚腫瘍の浸潤性形態である。本明細書に用いられる場合において、用語「癌腫」は、上皮細胞から生じる癌のことをいう。癌の非限定的な例としては、神経系腫瘍、脳腫瘍、神経鞘腫瘍、乳癌、結腸癌、癌腫、肺癌、肝細胞性癌、胃部癌、膵癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、尿路の癌、甲状腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、癌腫、黒色腫、頭頚部癌、脳癌、並びに、アンドロゲン従属前立腺癌及びアンドロゲン非依存性前立腺癌を非限定的に含む前立腺癌が挙げられる。脳腫瘍の非限定的な例としては、良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍、原発性脳腫瘍、続発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、神経膠腫、多形神経膠芽腫(GBM)、髄芽細胞腫、上衣腫、星細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、希突起膠細胞腫、脳幹神経膠腫、視神経膠腫、並びに、乏突起星細胞腫、低悪性度神経膠腫、高悪性度の神経膠腫、テント上方神経膠腫、テント下神経膠腫、橋膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、及び神経鞘腫瘍等の混合神経膠腫が挙げられる。神経系腫瘍または神経系新生物は、神経系に影響を及ぼすあらゆる腫瘍のことをいう。神経系腫瘍は、中枢神経系(CNS)内、末梢神経系(PNS)内、または、CNS及びPNS内での腫瘍であってもよい。神経系腫瘍の非限定的な例としては、脳腫瘍、神経鞘腫瘍、及び視神経膠腫が挙げられる。
【0021】
本明細書に用いられる場合において、用語「投与している」とは、作用物質の少なくとも一部分が所望の部位に局在化する方法またはルートにより、本明細書に開示される作用物質を対象に配置させることをいう。「投与のルート」は、当該技術分野で公知であるあらゆる投与経路のことを言い得るものであり、それには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、経腸、局所または局部が含まれる。「非経口」は、一般に注入に関連する投与のルートのことをいい、これは、眼窩内、注入、動脈内、包内、心臓内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊椎内、胸骨内、鞘内、子宮内、静脈、クモ膜下、被膜下、皮下、経粘膜、または、経気管を含む。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のためまたは注入のための溶液または懸濁液の形態でもよいか、または凍結乾燥粉体の形態でもよい。経腸ルートに対して、薬学的組成物は、錠剤、ゲルカプセル、糖衣錠、シロップ、懸濁液、溶液、粉体、顆粒、エマルジョン類、小球体もしくはナノ球体、または徐放が可能な脂肪小胞もしくは高分子ベシクルの形態であってもよい。
【0022】
本明細書で用いられる「試料」または「生体試料」という用語は、生物学的生物体の一部を意味する。試料は、細胞、組織、器官、または身体部分であってもよい。試料は更に、生物学的生物体と一体化していてもよい。例えば、外科医が患者から胸腫瘍を除去しようとしている場合に、試料とは、赤外色素で標識され、かつ、本明細書に記載された画像化システムで画像化される胸部組織のことをいう。この状況では、試料はさらに、除去される前の患者の身体の部分である。試料は、生物学的生物体、例えば、対象から除去される腫瘍試料等から取得または分離することができる。例示的な生物学的試料は、生体液試料、血清、血漿、尿、唾液、腫瘍試料、腫瘍生検、及び/または組織試料等を非限定的に含む。また、この用語は、上記の試料の混合物も含む。また、用語「試料」は、非処理のまたは前処理された(または予備処理された)生物学的試料を含む。ある実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の細胞を含んでもよい。ある実施形態では、試料は、腫瘍細胞試料であってもよく、例えば、試料は癌細胞、腫瘍からの細胞、及び/または腫瘍生検を含んでいてもよい。
【0023】
本明細書に用いられる場合において、「対象」とは、人間または動物を意味する。通常、動物は脊椎動物、例えば霊長類、齧歯動物、家畜動物、または狩猟動物等である。霊長類は、チンパンジー、カニクイザル、クモザル及び、マカク、例えばアカゲザルを含む。齧歯動物は、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ及びハムスターを含む。家畜動物、及び狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ科の種、例えばイエネコ、及びイヌ科の種、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ等を含む。用語、「患者」、「個人」、及び「対象」は、本明細書に互換可能に用いられる。一実施形態では、対象は、哺乳類である。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであってもよいが、これらの例に限定されない。付加的に、本明細書に記載される方法は、家畜化された動物及び/またはペットを治療するために用いることができる。
【0024】
本明細書で用いられる「哺乳類」は、哺乳綱類のあらゆるメンバーのことをいい、ヒト及び、チンパンジー及びその他の類人猿及びサル種等の非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、及びウマ等の家畜;イヌ及びネコ等の飼育哺乳類、マウス、ラット、及びモルモット等の齧歯動物を含む実験動物などを、非限定的に含む。この用語は、特定の年齢または性別を意味しない。したがって、成体対象及び生まれたばかりの対象、ならびに胎児は、雌雄を問わず、この用語の範囲内に含まれると意図される。
【0025】
対象は、治療が必要な状態(例えば腫瘍)またはこの状態に関する1つ以上の合併症に罹患しているかまたはこの状態を有していると、あらかじめ診断されたかまたは特定された対象であってもよく、かつ任意にこの状態またはこの状態に関する1つ以上の合併症に対する治療をすでに経た対象であってもよい。代替的に、対象は、ある状態またはその状態に関する1つ以上の合併症を有していると、あらかじめ診断されなかった対象であってもよい。例えば、対象は、ある状態若しくはその状態に関する1つ以上の合併症の1つ以上のリスクファクタを示す対象であってもよいか、または、リスクファクタを示さない対象であってもよい。特定の状態のための治療の「必要がある対象」とは、その状態を有することが疑われる対象、その状態を有すると診断される対象、その状態に対して既に治療がなされたかまたは治療されている対象、その状態に対する治療がされていない対象、またはその状態を発症するリスクを有する対象であってもよい。
【0026】
用語「統計的に有意である」または「有意に」とは、差が存在するという統計学上の証拠のことをいう。それは、帰無仮説が実は真である時に、その帰無仮説を拒絶することを決定する可能性として定義される。p値を用いて決定がなされることが多い。
【0027】
本発明に従い、「チャネル」とは、一箇所から他の箇所へ光を導通させるチャネルを意味する。「チャネル」は、光ファイバ、光フィルタ、光エンハンサ、光減衰器、ビームスプリッタ、コンデンサ、ディフューザ、コリメーティングレンズ、ウインドウ、ホール、ミラー、シャッター、1つのレンズ若しくは一組のレンズ、または内視鏡及び顕微鏡を非限定的に含むデバイス、またはそれらの様々な組合せであってもよい。
【0028】
本発明に従い、様々な赤外蛍光体または近赤外蛍光体が用いられてもよい。これらの蛍光体の非限定的な例としては、様々な赤外線または近赤外蛍光色素及び量子ドットが含まれる。それらは、単独であってもよいか、または、ペプチド、タンパク質、ナノ粒子、ナノ複合体、抗体、並びに核酸(例えばDNA及びRNAストランド)等の標的指向化部分に結合しても、若しくは他の生物学的に特異的な標的指向化実体に結合していてもよい。近赤外波長は、赤外波長の一部であり、人間の目に視認可能な放射に最も近く、中赤外及び遠赤外は、可視スペクトルから漸次遠くなる。このように、近赤外蛍光体は、赤外蛍光体の部分集合である。
【0029】
本明細書に別段定義されない限り、本出願に関連して用いられる科学的な及び技術的な用語は、本開示の属する技術分野の当業者により共通して理解されている意味を有するものである。この発明は、本明細書に記載された特定の方法論、プロトコール及び試薬、その他に限定されず、そのため、変形することが可能であることが理解されるべきである。本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のみに用いられ、特許請求の範囲によってもっぱら定義される本発明の範囲を限定すると意図されない。
【0030】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。この画像化システムは、イメージセンサ、レーザー、レーザークリーンアップフィルタ、ノッチフィルタ、及び白色光源を備える。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出する。レーザークリーンアップフィルタは、レーザーから試料までの光路内に設置されて、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭める。狭められた励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、励起光を遮断する。白色光源は、可視光を含む光を放出する。本発明に従って、可視光は、400~700nmのスペクトルを有していてもよい。様々な実施形態において、画像化システムは、高速トリガユニットを更に含む。
【0031】
ある実施形態では、赤外フィルタが、白色光源から試料までの光路内に存在する。様々な実施形態において、レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする。レーザーが当然単色であり、すなわち広い帯域範囲を有していないことを意味するが、実際には大部分のレーザーは、隣接する色帯域に少量の放射を有する。様々な実施形態において、レーザーは、非限定的に5、10、15、または20nm以下の幅の波長範囲を有しているレーザーを含む狭帯域レーザーである。非限定的な例として、レーザーは、約775~795nmの波長を有し約785nmにピークを有する光を放出することができる(
図7)。
【0032】
様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲より広い。様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲よりも、約5~10nm、10~15nm、または15~20nmだけ広い。様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲よりも、約5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~40%、40~50%、50~100%、または100~200%だけ広い。非限定的な例として、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲は、約775~795nmであってもよく、ノッチフィルタの遮断範囲は約770~800nm、765~805nm、または760~810nmであってもよい。
【0033】
様々な実施形態において、励起光は、約785nmの波長を有する光を含む。様々な実施形態において、レーザークリーンアップフィルタは、約785nmの波長を有する光を選択的に透過させる。様々な実施形態において、ノッチフィルタは、約785nmの波長を有する光を選択的に遮断する。
【0034】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料までの光路内に、ノッチビームスプリッタを更に含み、それにより、励起光は、ノッチビームスプリッタによって試料へ反射される。様々な実施形態において、画像化システムは、白色光源から試料までの光路内に、ノッチビームスプリッタを更に含み、それにより、可視光は、試料に伝送される。レーザーから試料までの光路内のノッチビームスプリッタ及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタは、単一のノッチビームスプリッタであってもよいか、または、2つの別々のノッチビームスプリッタであってもよい。一実施形態では、ノッチビームスプリッタは、約700、725、または750nmの波長で、光を分割することができる。別の実施形態では、ノッチビームスプリッタは、約785nmの波長を有する光を反射する。
【0035】
様々な実施形態において、試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。様々な実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、赤外フィルタがない。ある実施形態では、励起光を遮断する光フィルタが、試料からイメージセンサまでの光路内にある。その他の実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、励起光を遮断する光フィルタがない。
【0036】
様々な実施形態において、画像化システムは、センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える。本発明に従って、画像処理ユニットは、イメージセンサに接続されている。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、センサシグナルを処理して、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)を生成し、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)を生成し、かつ、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)を生成し、画像処理ユニットは、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、最終的なNIFに疑似カラーを付ける。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。
【0037】
様々な実施形態において、可視光及び赤外光の複合画像フレームの1つを生成する1サイクルを行う間、画像化システムは、1つ以上のWLF、1つ以上のSLF、及び1つ以上のNIFを生成する。本発明に従って、1サイクルの間のWLF(W)、SLF(S)及びNIF(N)のシーケンスは、W-S-N、W-N-S、S-W-N、S-N-W、N-S-W、及びN-W-Sを非限定的に含む多くの適切な選択肢を有する。さらに本発明に従って、1サイクルの間のWLF(W)、SLF(S)、及びNIF(N)の数は、1W-1S-1N、1W-1S-2N、1W-1S-3N、2W-2S-6N、及び1W-1S-3N-1W-1S-3Nを非限定的に含む多くの適切な選択肢を有する。様々な実施形態において、画像化システムは、サイクルを連続的に繰り返して、リアルタイムビデオとして複合画像フレームの連続ストリームを生成する。
【0038】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示する画像表示ユニットを更に含む。本発明に従って、画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続されている。画像表示ユニットの非限定的な例としては、モニタ、プロジェクタ、電話、タブレット、及びスクリーンが挙げられる。ある実施形態では、画像表示ユニットは、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する。
【0039】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料まで励起光を導通するための第1のチャネルと、白色光源から試料まで可視光を導通するための第2のチャネルと、試料からイメージセンサまで放射光を導通するための第3のチャネルと、試料からイメージセンサまで可視光を導通するための第4のチャネルとを、更に備える。本発明に従って、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、4個の別々のチャネルであるか、または組み合わされて1個、2個、または3個のチャネルとなっている。さらに本発明に従い4個のチャネルの2個以上は、それらの光路上で、部分的にまたは完全に重なっていてもよい。様々な実施形態において、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、内視鏡または顕微鏡である。
【0040】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。非限定的な例として、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。このシステムは、(a)イメージセンサ、(b)レーザー、(c)レーザークリーンアップフィルタ、(d)第1のチャネル、(e)白色光源、(f)第2のチャネル、(g)ノッチビームスプリッタ、(h)第3のチャネル、(i)第4のチャネル、(j)ノッチフィルタ、(k)画像処理ユニット、及び(l)画像表示ユニットを備える。(a)イメージセンサは可視光及び赤外光を検出して、第1の周波数でセンサシグナルを発生させる。試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。イメージセンサの非限定的な例としては、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサが挙げられる。(b)レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出する。(c)レーザークリーンアップフィルタは、レーザーから試料までの光路内に設置される。レーザークリーンアップフィルタは、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、狭められた励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。(d)第1のチャネルは、励起光を、レーザーから試料へ導通する。(e)白色光源は、可視光を含む光を放出する。(f)第2のチャネルは、可視光を、白色光源から試料へ導通する。(g)ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光はノッチビームスプリッタを通して試料に伝送される。(h)第3のチャネルは、放射光を、試料からイメージセンサまで導通する。(i)第4のチャネルは、可視光を、試料からイメージセンサまで導通する。(j)ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。(k)画像処理ユニットは、イメージセンサに接続され、センサシグナルを処理して、画像フレームを生成する。試料が可視光のみを受ける場合には、少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には、少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には、1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成される。画像処理ユニット置は、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する。画像処理ユニットは、最終的なNIFに疑似カラーを付け、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。(l)画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続され、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づく画像を表示する。
【0041】
様々な実施形態において、イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。一実施形態では、青色、緑色、及び赤色の画素センサの全てが、可視光及び赤外光の両方を感知する。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCCD映像シグナルを発生させるCCDイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCMOS映像シグナルを発生させるCMOSイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、NIRロングパスフィルタを有していない。
【0042】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像化システムの全てのコンポーネントを制御するソフトウェアを更に備える。
図9は、1つ以上のプロセッサ930と、1つ以上のプロセッサ930での実行のための1つ以上のプログラム950を格納するメモリ940とを備えるデバイスまたはコンピュータシステム900を示す。
【0043】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、デバイスまたはコンピュータシステム900のプロセッサ930の1つ以上での実行のための1つ以上のプログラム950を格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体960を更に備えることができる。
【0044】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、外部デバイス(図示せず)、1つ以上のプロセッサ930、メモリ940、非一時的コンピュータ可読保存媒体960、及び1つ以上の出力装置970からなる群のいずれかに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる1つ以上の入力装置910を更に備えることができる。1つ以上の入力装置910は、アンテナ920、トランシーバ(図示せず)、またはその他等の無線通信のための手段によって、ワイヤレスで外部デバイスに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる。
【0045】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、外部デバイス(図示せず)、1つ以上の入力装置910、1つ以上のプロセッサ930、メモリ940、及び非一時的コンピュータ可読保存媒体960からなる群のいずれかに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる1つ以上の出力装置970を更に備えることができる。1つ以上の出力装置970は、アンテナ980、トランシーバ(図示せず)、またはその他等の無線通信のための手段によって、ワイヤレスで外部デバイスに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる。
【0046】
上記に特定されたモジュールまたはプログラムのそれぞれは、上記の機能を実行するための一組の命令に対応する。これらのモジュール及びプログラム(すなわち命令のセット)は、別々のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実行される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々な部分集合を併用してもよいか、または別段に、様々な実施形態において再編成してもよい。ある実施形態では、メモリは、上記に特定されるモジュール及びデータ構造の部分集合を格納してもよい。さらに、メモリは、上記に記載されない追加のモジュール及びデータ構造を格納してもよい。
【0047】
本開示で例示された態様は、分散コンピューティング環境で実行されてもよく、そこでは、通信網により結合されるリモート処理デバイスにより、所定のタスクが実行される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートメモリ記憶機器に設置することができる。
【0048】
更に、本明細書に記載される様々な部品は、本発明の実施形態を実行するために適切な価値のコンポーネント及び回路要素を備えうる電気回路を備えることができることが、認識されよう。さらに、様々なコンポーネントの多くを、1つ以上の集積回路(IC)チップに実装することができることが、認識できる。例えば、一実施形態では、一組のコンポーネントを単一のICチップに実装することができる。その他の実施形態において、一つ以上のそれぞれのコンポーネントは、別々のICチップ上で製作または実装される。
【0049】
上に記載されたことは、本発明の実施形態の例を含む。もちろん、主張される主題を記載する目的で、コンポーネントまたは方法に対して考え得る限りの組合せを、全て記載することは不可能であるものの、この革新対象について、更に多くの組合せ及び置換を行うことは可能であることが、認識されよう。従って、主張される主題は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に入る全てのそのような改変、変更、及び変形を受け入れることが、意図される。更に、要約書の記載を含めた本開示に例示の上記の実施形態の記載は、網羅的であることは意図されないか、または、開示された実施形態を開示された正確な形態に限定することも意図されない。例示目的のために、具体的な実施形態及び実施例が本明細書に記載されるが、関連技術分野における当業者が認識することができるような、この実施形態及び実施例の範囲内とされる様々な変更が可能である。
【0050】
特に、かつ、上記に記載されたコンポーネント、デバイス、回路、システム等で実行される様々な機能に関して、これらのコンポーネントを説明するために用いられる用語は、特に明記しない限り、説明されたコンポーネントの特定の機能を実行するあらゆるコンポーネント(例えば、機能的等価物)と一致すると意図され、それは、たとえ開示された構造に構造的に等しくないとしても、主張される主題に対して本明細書に例示された典型的な態様において、その機能を実行する。この事に関して、本発明は、システムだけでなく、主張される主題の様々な方法の作用及び/またはイベントを実行するためのコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読保存媒体を含むことも認識されよう。
【0051】
いくつかのコンポーネント/ブロックの間でのインタラクションに関して、前述のシステム/回路/モジュールを説明してきた。このようなシステム/回路及びコンポーネント/ブロックは、それらのコンポーネントまたは特定のサブコンポーネント、特定のコンポーネントまたはサブコンポーネントのいくつか、及び/または追加のコンポーネントを含むことができ、また、前述の様々な置換及び組合せに従って構成されることが、認識できよう。サブコンポーネントは、ペアレントコンポーネント(階層的な)に含まれるのではなく、その他のコンポーネントに通信可能に結合するコンポーネントとして、実装することもできる。さらに、1つ以上のコンポーネントを組み合わせて、機能を集積させた単一のコンポーネントにしてもよいか、または、1つ以上のコンポーネントをいくつかの別々のサブコンポーネントに分割し、一体型の機能性を提供するため、任意の1つ以上の中間層、例えば管理層を、そのようなサブコンポーネントに通信可能に結合させてもよいことに、留意する必要がある。本明細書に記載されるあらゆるコンポーネントは、本明細書には具体的に記載されていないが当業者には公知である1つ以上のその他のコンポーネントとやりとりしてもよい。
【0052】
さらに、いくつかの実現形態のうちの1つのみに関して、本発明の特定の特徴を開示してきた可能性があるが、このような特徴は、所望され、かつ、所与または特定の用途に対して有利となる可能性があるため、他の実現形態の他の1つ以上の特徴と組み合わせることもできる。さらに、用語「含む」、「含んでいる」、「有する」、「含有する」、これらの変形、並びに、その他の類似の言葉が、詳細な説明または特許請求の範囲で用いられる範囲まで、これらの用語は、あらゆる追加のまたはその他の要素を排除することなく、オープンな繋ぎ言葉としての「備える」の語と同様に包括的であることが意図される。
【0053】
この出願にて用いられるように、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、またはその他とは、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェア及びソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または1つ以上の特定の機能性を有する操作機械に関する実体である、コンピュータ関連の実体のことをいうと一般に意図される。例えば、コンポーネントは非限定的に、プロセッサ(例えばデジタルシグナル処理装置)上で稼動するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、及び/またはコンピュータであってもよい。一例として、コントローラ上で稼働するアプリケーション及びコントローラの両方共に、コンポーネントとすることができる。1つ以上のコンポーネントが、プロセス内及び/または実行のスレッドに常駐してもよく、また、コンポーネントは、1台のコンピュータにローカライズされてもよく、かつ/または2台以上のコンピュータの間に分配されていてもよい。さらに、「デバイス」は、特注のハードウェア、ソフトウェアの実行により、ハードウェアが特定の機能が実行可能となる、専門化される汎用ハードウェア、コンピュータ可読媒体に格納されるソフトウェア、またはその組合せの形態とすることができる。
【0054】
更に、語「例」または「典型的な」は、例証、事例、または例示としての機能を果たすことを意味するよう、本明細書に用いられる。本明細書に記載される「典型的な」とされるあらゆる態様またはデザインは、他の態様またはデザインよりも好ましいかまたは有利であると、必ずしも解釈されるわけではない。むしろ、語「例」または「典型的な」の使用は、具体的な形態の概念を提示すると意図される。この出願にて用いられる場合、用語は「または」は、排他的「または」ではなく包括的な「または」を意味すると意図される。すなわち、特に明記しない限り、または文脈から明白である場合は、「Xは、AまたはBを用いる」は、自然に包括するいずれの置換の意味が意図される。すなわち、XがAを用いるならば、XはBを用いるか、またはXはA及びBを用い、かつ、「Xは、AまたはBを用いる」は、当該の事例のいずれも満たしている。さらに、この出願及び添付の特許請求の範囲で用いられる冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、特に明記しない限り、または、単数形を指示していると文脈から明白である場合を除き、「一つ以上」を意味すると一般に解釈されなければならない。
【0055】
コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読保存媒体及び/または通信媒体を含み得る様々な媒体を典型的に備え、このコンピュータ可読保存媒体と通信媒体という2つの用語は、本明細書では以下の通りに相互に異なる意味に用いられる。コンピュータ可読保存媒体は、コンピュータによりアクセス可能なあらゆる使用可能な保存媒体であってもよく、典型的には非一時性であり、揮発性及び不揮発性媒体と、リムーバブル及びノンリムーバブル媒体の両方を含むことができる。一例として、かつ非限定的に、コンピュータ可読保存媒体は、コンピュータ可読命令、プログラムモジュール、構造化データまたは構造化されていないデータ等、情報の保存のためのあらゆる方法または技術に関連して、実装することができる。コンピュータ可読保存媒体の非限定的な例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくはその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置デバイス、または所望の情報を格納するために使用可能な他の有形及び/または非一時的媒体が挙げられる。コンピュータ可読保存媒体は、その媒体に格納される情報に関する様々な操作のために、1つ以上のローカルまたはリモートコンピューティングデバイス、例えば、アクセス要求、クエリーまたはその他のデータ検索プロトコルによって、アクセス可能である。
【0056】
他方、通信媒体は、例えば、搬送波またはその他の搬送機構等の変調されたデータシグナル等、一時的とし得るデータシグナル内の、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他の構造化されたか若しくは構造化されていないデータを、典型的に具体化する。用語「変調されたデータシグナル」またはシグナルは、1つ以上のシグナルで情報をコードするような方法でその特性の一つ以上が設定または変化されたシグナルのことをいう。一例として、かつ非限定的に、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、並びに、音響、RF、赤外、及びその他の無線媒体等の無線媒体を含む。
【0057】
上記の典型的なシステムを考慮し、記載された主題に従って実行可能な方法は、各図のフローチャートを参照してより適切に認識される。説明の単純さのために、方法は、一連の作用として示され、記載される。しかしながら、この開示に従う作用は、本明細書に提示も記載もされないその他の作用と共に、様々な順序で及び/或いは同時に、行うことができる。さらに、開示された主題に従って方法を実行するためには、例示された作用が全て必要であるわけではない。さらに、この方法は、状態図またはイベントを通して一連の相互関係のある状態として代替的に示されることもあり得ることを、当業者は、理解及び認識するだろう。さらに、この明細書で開示される方法を製造品に格納して、コンピューティングデバイスにそのような方法を伝達し及び伝送することを容易にすることができる点が、理解されるべきである。本明細書に用いられる場合において、製造品という用語は、あらゆるコンピュータ可読デバイスまたは保存媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含すると意図される。
【0058】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0059】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のプログラムを格納するためのメモリを備え、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0060】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0061】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光がノッチビームスプリッタを通して試料に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0062】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光がノッチビームスプリッタを通して試料に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、かつ、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0063】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、かつ可視光がノッチビームスプリッタを通して試料に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させて、ノッチフィルタが励起光を遮断するための命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0064】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0065】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0066】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させて、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0067】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるため、及び第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0068】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを有し、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させ、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0069】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させ、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつこの放射光がノッチビームスプリッタを通してメージセンサに伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前またはその次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0070】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0071】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0072】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0073】
様々な実施形態において、本発明は、腫瘍を有する対象を治療するためのコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それにより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0074】
様々な実施形態において、本発明は腫瘍を有する対象を治療するためにコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された化腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それにより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0075】
様々な実施形態において、本発明は、腫瘍を有する対象を治療するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0076】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0077】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0078】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0079】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0080】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0081】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0082】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0083】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0084】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0085】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0086】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0087】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0088】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0089】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0090】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0091】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0092】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0093】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0094】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、保存媒体のプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0095】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0096】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0097】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0098】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0099】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0100】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0101】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0102】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0103】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。このシステムは、イメージセンサ、レーザー、ノッチビームスプリッタ、ノッチフィルタ、及び同期モジュールを有している。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、センサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつ、オンとオフの状態を交互に繰り返す。ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内、及び試料からイメージセンサまでの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出し、かつ、放射光はノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。同期モジュールは、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させることにより、単一のセンサシグナルが、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期する。様々な実施形態において、画像化システムは、高速トリガユニットを更に備える。
【0104】
様々な実施形態において、画像化システムは、可視光を含む光を放出するための光源を更に備える。本発明に従って、可視光は、400~700nmのスペクトルを有していてもよい。ある実施形態では、赤外フィルタが、光源から試料までの光路内に存在する。本発明に従って、レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする。
【0105】
本発明に従って、レーザーのオン-オフ周波数は、センサシグナルを発生させるイメージセンサの周波数の半分である。様々な実施形態において、レーザーは、60Hzの周波数で、オンとオフの状態を交互に繰り返す。様々な実施形態において、イメージセンサは、120Hzの周波数で、センサシグナルを発生させる。
【0106】
様々な実施形態において、励起光は、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を含む。様々な実施形態において、ノッチビームスプリッタは、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を選択的に反射する。様々な実施形態において、ノッチフィルタは、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を遮断する。
【0107】
様々な実施形態において、試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。様々な実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、赤外フィルタがない。ある実施形態では、励起光を遮断する光フィルタが、試料からイメージセンサまでの光路内にある。その他の実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、励起光を遮断する光フィルタがない。
【0108】
様々な実施形態において、画像化システムは、センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える。本発明に従って、画像処理ユニットは、イメージセンサに接続されている。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成される。本発明に従って、画像処理ユニットは、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付ける。本発明に従って、画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、それにより、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される。ある実施形態では、画像処理ユニットは、60Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。
【0109】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に含む。本発明に従って、画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続されている。画像表示ユニットの非限定的な例としては、モニタ、プロジェクタ、電話、タブレット、及びスクリーンが挙げられる。ある実施形態では、画像表示ユニットは60Hzの周波数で、可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する。
【0110】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料まで励起光を導通するための第1のチャネルと、光源から試料まで可視光を導通するための第2のチャネルと、試料からイメージセンサまで放射光を導通するための第3のチャネルと、試料からイメージセンサまで可視光を導通するための第4のチャネルとを更に備える。本発明に従って、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、4個の別々のチャネルであるか、または組み合わされて1個、2個、または、3個のチャネルとなっている。さらに本発明に従い4個のチャネルの2個以上は、それらの光路上で、部分的にまたは完全に重なっていてもよい。様々な実施形態において、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、内視鏡または顕微鏡である。
【0111】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。さらに本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。このシステムは、(a)イメージセンサ、(b)レーザー、(c)第1のチャネル、(d)光源、(e)第2のチャネル、(f)ノッチビームスプリッタ、(g)第3のチャネル、(h)第4のチャネル、(i)ノッチフィルタ、(j)同期モジュール、(k)画像処理ユニット、及び(l)画像表示ユニットを備えている。(a)イメージセンサは可視光及び赤外光を検出して、第1の周波数でセンサシグナルを発生させる。試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。イメージセンサの非限定的な例としては、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサが挙げられる。(b)レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数で、オンとオフの状態を交互に繰り返す。(c)第1のチャネルは、励起光を、レーザーから試料へ導通する。(d)光源は、可視光を含む光を放出する。(e)第2のチャネルは、可視光を、光源から試料へ導通する。(f)ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内、及び試料からイメージセンサまでの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出し、かつ、放射光はノッチビームスプリッタを通してイメージセンサに伝送される。(g)第3のチャネルは、放射光を、試料からイメージセンサまで導通する。(h)第4のチャネルは、可視光を、試料からイメージセンサまで導通する。(i)ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。(j)同期モジュールは、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させることにより、単一のセンサシグナルが、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期する。(k)画像処理ユニットは、イメージセンサに接続され、かつセンサシグナルを処理して画像フレームを生成する。画像処理ユニットは、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、それにより、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成される。画像処理ユニットは、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付ける。画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、それにより、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される。(l)画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続され、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づく画像を表示する。
【0112】
様々な実施形態において、イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。一実施形態では、青色、緑色、及び赤色の画素センサの全てが、可視光及び赤外光の両方を感知する。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCCD映像シグナルを発生させるCCDイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCMOS映像シグナルを発生させるCMOSイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、NIRロングパスフィルタを有していない。
【0113】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化する方法を提供する。この方法は、試料を提供するステップ、本明細書に記載される画像化システムを提供するステップ、及び、画像化システムを用いて試料を画像化するステップを含む。さらなる実施態様では、本方法は、対象に対して手術を実行して、試料にアクセスするかまたは試料を分離するステップを更に含む。様々な実施形態において、対象は、癌を有し、癌性組織を除去するための手術を必要とし得るものであり、かつ、試料とは、癌性組織を含む身体部分のことをいう。様々な実施形態において、対象はヒトである。様々な実施形態において、対象は、哺乳類の対象であり、これには、限定されないが、ヒト、サル、類人猿、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、ウサギ、マウス、及びラットが含まれる。さらなる実施形態においては、この方法は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体で試料を標識するステップを更に含む。さらに本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。
【0114】
様々な実施形態において、本発明はまた、腫瘍を有する対象を治療する方法を提供する。この方法は、対象に赤外色素を投与し、それにより、赤外色素で腫瘍を標識するステップ、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするステップ、本明細書に記載される画像化システムを提供するステップ、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するステップ、及び、標識された腫瘍を除去し、それより、腫瘍を有する対象を治療するステップを含む。
【0115】
本発明の画像化システム及び方法を用いて、様々な対象から試料を画像化することができ、この対象には、限定されないが、ヒト及びチンパンジー及びその他の類人猿及びサル種等の非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマ等の家畜;イヌ及びネコ等の飼育哺乳類、マウス、ラット及びモルモット等の齧歯動物を含む実験動物等が、含まれる。様々な実施形態において、対象は、癌を有し、癌性組織を除去するための手術を必要とし得るものであり、かつ、試料とは、癌性組織を含む身体部分のことをいう。様々な実施形態において、試料は、腫瘍、細胞、組織、器官、または身体部分である。ある実施形態では、試料は対象から分離されている。他の実施形態において、試料は、対象と一体化している。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。
【0116】
赤外蛍光体または近赤外蛍光体の実施例には、限定されないが、インドシアニングリーン(ICG)、IR800、Alexa680及びcy5.5、並びに、それらの機能的等価物、類似体、誘導体、または塩が含まれる。本明細書に記載される画像化方法及びシステムにおいて、特定の赤外蛍光体または近赤外蛍光体に適切な要素をどのように選択するかを、当業者は公知であるであろう。1つの非限定的な例として、検出される赤外色素がICG(ピークが785nmにある748~789nm励起;ピークが825nmにある814~851nmの放射)である場合、当業者は、本明細書に記載される様々なシステム及び方法において、約785nmの励起光を放出するレーザー、775~795nmの光を透過するレーザークリーンアップフィルタ、770~800nmの光を遮断するノッチフィルタ、及び/または700nmで光を分割するノッチビームスプリッタを選択するであろう。ICGが、異なる材料に対して異なるピークを有することが公知である。また、ICGは非限定的な例であり、他の蛍光体をICGの代わりに用いてもよい。この非限定的な例に記載されるように、ピークが785にない場合に、それに応じて設定を変えてもよいことが、当業者には理解されよう。例えば、システムは、レーザー励起及び光フィルタを変化させることにより、ほとんど全てのIRまたはNIR波長を用いてもよい。
【0117】
赤外蛍光体または近赤外蛍光体の有効量の典型的な用量は、公知の画像化化合物が用いられる場合、製造者によって推奨される範囲とすることができ、また、細胞内のインビトロでの結果または動物モデルのインビボでの結果により、当業者に示される範囲とすることができる。このような用量は典型的には、関連性のある標識活性を失わずに、多くとも約1桁の濃度または量まで、減少することができる。実際の用量は、医師の判断、患者の状態、及び、例えば、関連性のある培養細胞若しくは組織培養された組織試料のインビトロでの結果に基づくか、または、適切な動物モデルで観測されるインビボの結果に基づく、画像化の方法の効果に、依存され得る。様々な実施形態において、対象へ有効量の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与するように、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1日につき1回(SID/QD)、1日につき2回(BID)、1日につき3回(TID)、1日につき4回(QID)、または、これ以上で投与されてもよく、ここで、有効量は、本明細書に記載されるあらゆる投与量の1つ以上である。
【0118】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、画像化の約5~10、10~20、20~30、または30~60分前に、対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、画像化の約1~6、6~12、12~18、18~24、24~30、30~36、36~42、または42~48時間前に対象に投与されるか、または、試料に適用される。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体若しくは塩である。他の実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ヒトに投与される。
【0119】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約0.1~0.5、0.5~1、1~1.5、1.5~2、2~3、3~4、4~5、5~10、10~20、20~50、または50~100mg/kgで対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約0.001~0.01mg/kg、0.01~0.1mg/kg、0.1~0.5mg/kg、0.5~5mg/kg、5~10mg/kg、10~20mg/kg、20~50mg/kg、50~100mg/kg、100~200mg/kg、200~300mg/kg、300~400mg/kg、400~500mg/kg、500~600mg/kg、600~700mg/kg、700~800mg/kg、800~900mg/kg、または900~1000mg/kgで対象に投与されるか、または、試料に適用される。本明細書では、「mg/kg」は対象の体重1kg当たりのmgのことをいう。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体、若しくは塩である。他の実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体はヒトに投与される。
【0120】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1回、2回、3回、またはそれ以上の頻度で対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1日につき約1~3回、1週間につき1~7回、または、1ヵ月につき1~9回、対象に投与されるか、または、試料に適用される。さらなる実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約1~10日、10~20日、20~30日、30~40日、40~50日、50~60日、60~70日、70~80日、80~90日、90~100日、1~6ヵ月、6~12ヵ月、または1~5年の間、対象に投与されるか、または、試料に適用される。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体、若しくは塩である。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体はヒトに投与される。
【0121】
本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、適切な投与の方法、例えば、製造者によって推奨される投与の方法等を用いて、投与されてもよい。本発明に従い、特許請求の範囲に記載の方法の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与するために、様々なルートが使用されてもよく、このルートには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、埋込可能なポンプ、連続点滴、局所適用、カプセル、及び/または注入が含まれる。様々な実施形態において、レチノイド作動薬は、血管内、静注、動脈内、腫瘍内、筋内、皮下、鼻腔内、腹膜内、または、経口により投与される。
【0122】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、薬学的組成物として提供される。哺乳類に投与される場合、好ましい組成物は最小限の毒性も示す。
【0123】
様々な実施形態において、本発明による薬学的組成物は、あらゆる投与ルートを経由する送達用として調製されてもよい。「投与のルート」とは、技術分野で公知であるあらゆる投与経路のことをいい得るものであり、それには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、経腸、局所、または局部が含まれる。「非経口」とは、一般に注入に関連した投与のルートのことをいい、眼窩内、注入、動脈内、包内、心臓内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊椎内、胸骨内、鞘内、子宮内、静脈、クモ膜下、被膜下、皮下、経粘膜、または、経気管を含む。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のため若しくは注入のための溶液若しくは懸濁液の形態でもよいか、または凍結乾燥粉体の形態でもよい。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のためまたは注入のための溶液または懸濁液の形態でもよい。経腸ルートを経る場合、薬学的組成物は、錠剤、ゲルカプセル、糖衣錠、シロップ、懸濁液、溶液、粉体、顆粒、エマルジョン類、小球体若しくはナノ球体、または、徐放可能な脂肪小胞若しくは高分子ベシクルの形態であってもよい。典型的に、組成物は注射によって投与される。これらの投与のための方法は、当業者には公知である。本発明に従い、薬学的組成物は、静脈、筋肉内、皮下、腹腔内、経口、または、吸入投与用に調製されてもよい。
【0124】
様々な実施形態において、本発明による薬学的組成物は、あらゆる薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般に安全であり、非毒性であり、望ましい薬学的組成物を調製する際に有用な賦形剤を意味し、ヒト用薬学的使用に対してだけでなく、獣医学的使用に対しても許容可能である、賦形剤を含む。そのような賦形剤は固体、液体、半固体でもよいか、または、エアゾール組成物の場合、ガス状でもよい。賦形剤の非限定的な例としては、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、着香料、芳香剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、ゲル化剤、増粘剤、硬化剤(hardener)、硬化剤(setting agent)、懸濁化剤、界面活性剤、湿潤剤、キャリア、安定剤、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0125】
様々な実施形態において、本発明に従った薬学的組成物は、あらゆる薬学的に許容されるキャリアを含むことができる。本明細書で用いられる「薬学的に許容されるキャリア」は、身体の1つの組織、器官、または部分から、身体の他の組織、器官、または部分へ、関心対象の化合物を輸送または移送することに関与する薬学的に許容される物質、組成物、またはビヒクルのことをいう。例えば、キャリアは、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、若しくは封入物質、またはそれらの組合せであってもよい。キャリアのそれぞれの構成物質は、製剤の他の成分と互換性を持たなければならないという意味で、「薬学的に許容され」なければならない。またそれは、それが接触し得るあらゆる組織または器官と接触させた使用に適切でなければならず、すなわちそれは、治療の利益を過度に上回る毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、または、あらゆるその他の合併症のリスクを保有してはならないことを意味する。
【0126】
本発明による薬学的組成物は、経口投与のために、カプセル化されてもよいか、錠剤化されてもよいか、または、エマルジョンまたはシロップに調製されてもよい。薬学的に許容される固体または液体キャリアを添加して、組成物を改良若しくは安定させてもまたは組成物の調製物を容易にしてもよい。液体キャリアには、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリン、生理食塩水、アルコール類、及び精製水が含まれる。固体キャリアには、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム、二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸、タルク、ペクチン、アラビアゴム、寒天またはゼラチンが含まれる。キャリアは、また、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの除放性物質を単独でまたはワックスと共に含む。
【0127】
薬学的調製物は、薬学の従来の技術に従って作製され、これには、錠剤の形態のために必要な場合はミリング、混合、造粒、及び圧縮が含まれるか、または、ハードゼラチンカプセルの形態に対しては、粉砕、混合、及び充填が含まれる。液体キャリアが用いられる場合は、該調製物は、シロップ、エリキシル、エマルジョン、または水性若しくは非含水の懸濁液の形態である。このような液体製剤は直接経口投与されてもよいか、またはソフトゼラチンカプセルに充填されてもよい。
【0128】
本発明による薬学的組成物は、治療有効量で送達されてもよい。正確な治療有効量は、所定の対象内の試料を標識することの有効性に関して、最も有効な結果を与え得る組成物の量である。この量は、様々な因子に左右されて変化し、その因子には、限定されないが、赤外蛍光体または近赤外蛍光体等の標識化合物の特性(活性、薬物動態学、薬力学、及び生物学的利用能を含む)、対象の生理的状態(年齢、性別、疾病のタイプ及び段階、一般の身体状態、所定の用量に対する反応、並びに薬物のタイプを含む)、製剤中の薬学的に許容される単数または複数のキャリアの性質、及び投与のルートが含まれる。臨床分野及び薬理学的技術分野の当業者は、ルーチンの実験、例えば、化合物の投与に対する対象の反応をモニタすることによる、及び、従って用量を調整することによる、実験を通して、試料を標識するための有効量を決定することができる。追加のガイダンスのために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro ed. 20th edition Williams & Wilkins PA, USA) (2000)を参照のこと。
【0129】
対象への投与の前に、配合物(formulant)が、組成物に加えられてもよい。液体製剤が好ましい。例えば、これらの配合物は、油、ポリマー、ビタミン、炭水化物、アミノ酸、塩、緩衝剤、アルブミン、界面活性剤、増量剤、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0130】
炭水化物配合物は、糖または糖アルコール、例えば単糖、二糖、若しくは多糖類、または水溶性グルカンを含む。糖質またはグルカンは、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、蔗糖、デキストラン、プルラン、デキストリン、アルファ及びベータシクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチル澱粉、並びにカルボキシメチルセルロース、またはこれらの混合物を含み得る。「糖アルコール」は、‐OH基を有するC4~C8の炭化水素として定義され、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、及びアラビトールを含む。上記のこれらの糖または糖アルコールは、個々にまたは組合せで用いられてもよい。糖または糖アルコールが水性調製物に対して可溶性である限り、用いられる量に対する一定の制限はない。一実施形態では、糖または糖アルコールの濃度は、1.0w/v%~7.0w/v%、より好ましくは2.0~6.0w/v%である。アミノ酸配合物は、カルニチン、アルギニン、及びベタインの左旋性(L)体を含むが、他のアミノ酸が添加されてもよい。ある実施形態では、配合物としてのポリマーは、平均分子量が2,000~3,000のポリビニルピロリドン(PVP)、または、平均分子量が3,000~5,000のポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0131】
また、真空凍結乾燥の前または還元の後に溶液のpH変化を最小にするために組成物に緩衝剤を用いることも好ましい。ほとんどの生理的緩衝剤は、使用可能であり、それには、限定されないが、シトレート、ホスフェート、スクシネート、かつ、グルタメート、またはそれらの混合物が含まれる。ある実施形態では、濃度は0.01~0.3のモル濃度である。製剤に加えることができる界面活性剤は、EP 270,799及び同268,110に示される。
【0132】
循環の半減期を上昇させるための他の薬物送達系は、リポソームである。リポソーム送達系を調製する方法は、Gabizon et al., Cancer Research (1982) 42:4734; Cafiso, Biochem Biophys Acta (1981) 649:129及びSzoka, Ann Rev Biophys Eng (1980) 9:467で考察されている。他の薬物送達系は当該技術分野で公知であり、例えば、Poznansky et al., DRUG DELIVERY SYSTEMS (R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y. 1980), pp. 253-315;M. L. Poznansky, Pharm Revs (1984) 36:277に記載されている。
【0133】
液体の薬学的組成物が調製された後、これを凍結乾燥させて、分解を防止しかつ無菌性を維持することができる。液体組成物を凍結乾燥する方法は、当該技術分野の当業者には公知である。用いる直前に、組成物は、無菌の希釈剤(例えばリンガー液、蒸留水、または無菌の食塩水)で再構成されてもよく、この希釈剤は、追加の成分を含んでもよい。再構成した後、組成物は、当業者には公知である方法を用いて、対象に投与される。
【0134】
本発明の組成物は、従来から周知の殺菌技術によって殺菌されてもよい。得られた溶液は、使用のためにパッケージ化されてもよいか、または、無菌状態下でフィルタに通された後凍結乾燥されてもよく、この凍結乾燥された調製物は、投与の前に無菌液と混合される。組成物は、生理学的条件に近づけるために、必要に応じて薬学的に許容される補助物質を含んでもよく、この補助物質は例えば、pH調整剤及び緩衝化剤、等張化剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及び、安定剤(例えば、1~20%のマルトース等)が挙げられる。
【0135】
ある実施形態では、例えば、本明細書に記載される本発明は、特注のレンズソリューション(例えば、カメラ)が、使用のための全ての部品を含む完全なシステムとして、提供される。他の実施形態において、本明細書に記載される本発明は、例えば、アドオン方式として、NIRが使用可能な外視鏡及び内視鏡で用いられるように、または、手術用顕微鏡と一体化されるように、ユーザーの既存の装置を補完するために提供される。
【実施例】
【0136】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載された発明をより適切に例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するもの解釈されるべきではない。特定の物質が言及される限度において、これは単に例示目的のみに提示されるものであり、本発明を限定することは意図されていない。当業者は、発明の能力を用いることなく、かつ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で等価的手段または反応物を開発することができる。
【0137】
実施例1
カメラに用いられる電荷結合素子(CCD)または相補型酸化金属半導体(CMOS)センサは、400nm~1000nm(
図2)に亘る感応性の広域スペクトルを有する。赤色、緑色、及び青色センサの全ては、800~1000nmの波長で感度を示す。市販のカメラは、
図3に示すように、画像から色情報を収集するためのカラーフィルタアレイ(CFA)またはカラーフィルタモザイク(CFM)を、センサの上部に有している。このフィルタアレイに加えて、700~1000nmの波長から光を遮断するための追加のNIRショートパスフィルタが提供される。
【0138】
実施例2
本発明者らは、近赤外領域(NIR)において赤色、緑色、及び青色の画素の感応性を用いて、赤外蛍光を検出する。可視光源は、関心対象の試料を照射する。また、組織中の赤外蛍光体のための励起光として、レーザーが用いられ、赤外蛍光体からの放射光はCCDカメラで検出される。その間に、励起光に対して、CCDカメラに到達する前にフィルタリングが行われて、放射光の検出の干渉が回避される。レーザーがオンである(オンフレーム)場合に、画像フレームが取り込まれる。レーザーがオフである(オフフレーム)場合に、他の画像フレームが取り込まれる。オンフレームでは、可視光及び赤外蛍光を検出し、他方、オフフレームでは可視光のみを検出する。したがって、オンフレームとオフフレームの間の強度差は、赤外蛍光シグナルに関する情報を提供する(
図4)。
【0139】
1.励起:
励起は、780または785nmのNIR波長(高吸収)の非常に狭い波長レーザーを用いて達成される。レーザー光線は、特殊なレンズを通過し、そこで、ノッチビームスプリッタ(例えばNFD01-785-25×36)を用いて、焦点を合わせて励起光が加えられる(
図4)。レーザーは、カメラフレームレートの半分の周波数でオン及びオフされる。カメラで視認される領域と同じ領域上での均一な励起を確実にするために、レーザー強度を制御することができる。
【0140】
2.トリガ及び同期調整:
CCDカメラで取り込まれる画像フレームと同期する外部トリガを用いて、レーザー光線が発せられる。CCDカメラのいずれのフレームも、レーザーのオン及びオフに同期する(
図4)。
【0141】
3.CCD:
フレーム露出は、外部トリガを用いて制御される。一例として、レーザーがオフであるときにフレーム1が取り込まれ、レーザーがオンであるときにフレーム2が取り込まれる。フレーム1は、組織から来る正常な可視光を取り込む(
図5の上パネル)。フレーム2は、追加の赤外蛍光を取り込む(
図5の中パネルのピンクのウインドウ)。フレーム1をフレーム2から減算することにより、本発明者らは、赤外蛍光によって加えられる追加の強度を回復させる。この算出された赤外蛍光には、疑似カラーが与えられて、これをフレーム1に再度加えて、可視光及び赤外蛍光の複合画像フレームを示すことが可能である。このプロセスは、外科的手術中に、リアルタイムビデオを表示または録画するために、連続的に繰り返される。
【0142】
実施例3
センサの前段にあったNIRショートパスフィルタを除去することにより、全てのRGBチャネルでNIR蛍光体により放出される蛍光光を検出することが可能となる(
図2)。しかしながら、可視光とNIR光を区別するため、本発明者らは、NIR画像フレームを取り込むとき、可視光がセンサ上にないことを確実にする必要がある。NIR光を取り込むためには、可視光が一切存在してはならない。一部の状況では、本発明者らは、可視光またはNIR光がないときに、1つのフレームを取り込み、その光を記録し、次いで、それをNIR取り込まれたフレームから減算する。臨床プロトタイプは
図6に示される。
【0143】
1.フィルタの組合せ:
本発明者らは、最も高い信号雑音比(SNR)を達成するために、非常に特殊なフィルタの組合せを用いる。最新のNIRシステムで記載される広帯域の励起を用いる代わりに、本発明者らは、785nm(ICGに対して最適、蛍光体により変化し得る)での非常に狭い帯域の励起を用い、レーザークリーンアップフィルタを用いて、励起光をさらに狭め(
図7)、レーザークリーンアップフィルタよりわずかに広いノッチフィルタを用いて、標的から戻る蛍光光からの励起光を除去する。これにより、本発明者らは、
図1で陰を付けた領域から蛍光を失うことなく、全体の蛍光シグナルを取り込むことを確実にする。
【0144】
2.レンズシステム:
レンズシステムは、2つの目標を達成する:(1)パルス状のNIR励起光及び白色光をレンズの末端部へ供給して、外科的視野の完全な照明を確実にすること、及び、放射光の光路内の励起光の強度を減少させること。このレンズシステムのケーシングは、均一な方法でNIR及び白色光を外科的視野に供給するように設計されている。(2)ビルトインタイプのノッチフィルタ(Semrock、785nmのStopLine(登録商標)、単一のノッチフィルタ、NF03-785E-25)を用いて、アポクロマートレンズが確実にカメラに最大光を取り込みかつ伝達して励起光を除去すること。
【0145】
3.フレーム取り込み時間:
フレームは、フレームグラバーを用いて、毎秒300フレームという非常に高いフレームレートで取り込まれる。これより低速または高速のフレームレートを用いることもできる。フレーム取り込みとレーザーストロボ(オン/オフ)とを、多機能DAQを用いて同期させる。これにより、本発明者らは、最後に表示される(30fps)いずれのフレームに対しても、10フレームを取り込むことが可能となっている。10フレームは、各々5つのフレームの2セットに分割される(
図8)。5つの取り込みフレームは、さらに分割され、(1)第1のフレームは、WLFであり(白色光「オン」、NIR光「オフ」)、(2)第2のフレームは、SLFであり(白色光「オフ」、NIR光「オフ」)、(3)その次の3つのフレームは、NIFである(白色光「オフ」、NIR光「オン」)。3つのNIF全てからSLFを減算し、その後に、NIF RGBチャネルを共に加算し、次いで、最終的なNIFは、WLFに加算される前に、疑似カラーが与えられる。両方のフレームから生成されたフレームを最終的に加算して、表示フレームを生じさせる。このプロセスは、十分なビデオレートで鮮明なWL及びNIR画像を生じさせて、外科医に瞬時に見えるのに役立つ。WLF、SLF、及びNIFの正確な順序は、入れ替えることができる。
【0146】
4.コンピュータアーキテクチャ、ハードウェア、およびソフトウェア:
毎秒300フレームで完全なHDフレームを取り込みかつ処理するために、本発明者らは、並列処理技術に依存してもよいが、これは、使用可能な最も高速なCPUであっても、スムーズな画像表示のために十分高いレートで必要なビデオ処理計算を実行することができる可能性が低いからである。このフレームレートで画像処理を実行するために、本発明者らは、直接ビデオカードにコーディングされたGPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)並列処理ソフトウェアを用いることができる。CUDAプログラミングを用いることへの主な限界の1つは、システムメモリからかつGPUへのおよびその逆の、データの移動のためのオーバーヘッドである。この限界を克服するため、本発明者らのアルゴリズムでは、GPUに対するデモザイキング処理の前に、未加工の8ビットの画像を伝送するようになっている。フルHD(1080p)8ビットの画像は、約2Mbのサイズである。PCIe3.0のデータが約7Gb/sのレートで伝送することを考慮すれば、本発明者らは、300μ秒でGPUに画像を伝送することができる。画像がGPUへ伝送された後、本発明者らは画像処理操作を実行し、これは例えば、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤色、緑色、及び青色のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、並びに、最後に、疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算すること等である。最後に、さらに速度を向上させるため、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、本発明者らは、GPUのopenGL/directx機能を用いて、最終的な画像を表示させる。医療グレードHD品質ビデオモニタで、画像を表示させる。本発明者らは、これらの画像の高品位バージョンを得て、かつソフトウェアを用いて外観を調整する能力を、すでに実証した。
【0147】
上記の様々な方法及び技術は、本出願を遂行するための多数の方法を提供する。もちろん、必ずしも、記載される全ての目的または利点が、本明細書に記載されるあらゆる特定の実施形態に従って達成可能であるというわけではないことが、理解されるべきである。したがって、例えば、これらの方法は、本明細書に教示または示唆される他の目的または利益を必然的に達成することなく、本明細書に教示される1つの利点または複数の利益の群を、達成または最適化する方法で実行可能であることを、当業者は認識するだろう。様々な選択肢が、本明細書に言及される。一部の好ましい実施形態は、1つの、別の、または幾つかの特徴を具体的に含む一方で、他の実施形態が、1つの、別の、または幾つかの特徴を具体的に除外し、更に他の実施形態では、1つの、別の、または幾つかの有利な特徴の包含によって特定の特徴に酌量の余地を与えることが、理解されるべきである。
【0148】
さらに、当業者は、異なる実施形態から様々な特徴の適用性を認識するであろう。同様に、上記に考察された様々な要素、特徴、及びステップ、並びに、これら要素、特徴またはステップそれぞれの他の公知の等価物を、当該技術分野の当業者が、様々な組合せで用いることが可能であり、それにより、本明細書に記載される原理に従って本方法を実行することができる。様々な要素、特徴、及びステップには、多様な実施形態において、いくつかは具体的に含まれ、かつ、いくつかは具体的に除外される。
【0149】
本出願は、所定の実施形態及び実施例の文脈において開示されたが、本出願の実施形態は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替的な実施形態及び/またはその用途及びその変更並びにその等価物に広がるものであることが、当業者によって理解されるだろう。
【0150】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載され、これは本出願を遂行するために本発明者らには公知である最良の様式を含む。それらの好ましい実施形態に関する変形は、当該技術分野の当業者にとって、上記の記載を読むことにより、明らかになる。当業者はそのような変形を適切となるように用いることができ、本出願は具体的に本明細書に記載されたこととは異なる方法で実施することができることが企図される。従って、準拠法によって容認されるように、この出願の多くの実施形態は、本文書に添付される特許請求の範囲で引用される主題の全ての変更及び等価物を含む。更に、本明細書に別段示されない限り、または別段文脈により明確に否定されない限り、その全ての可能な変形における上記の要素のあらゆる組合せは、本出願に包含されるものである。
【0151】
本明細書に参照した全ての特許、特許出願、特許出願の公報、及び他の資料、例えば論説、書籍、明細書、刊行物、文書、物事、その他は、全ての目的のためにその全体が、参照により本明細書に組み入れられ、これには、本願に関連したあらゆる出願審査履歴、本文書に矛盾するかまたは両立しない同上の全て、または、本文書に関係した現在または未来の特許請求の範囲の最も広い範囲に対して限定する影響を及ぼし得る同上の全てが、除外される。一例として、組み入れられた資料のいずれかに関係する用語の記載、定義、及び/または用法と、本文書に関係したこれらとの間に、何らかの不整合または矛盾がある場合は、本文書の記載、定義、及び/または用語の使用によるものとする。
【0152】
本明細書に開示される出願の実施形態は、本出願の実施形態の原理を例示するものであることが、理解されるべきである。用いることができる他の変更も、本出願の範囲内となり得る。したがって、一例として、非限定的に、本出願の実施形態の他の構成を、本明細書における教示に従って用いることができる。従って、本出願の実施形態は、精密に示され及び記載されるものに限定されない。
【0153】
本発明の様々な実施形態は、上記の発明の詳細な説明に記載されている。これらの記載が上記の実施形態を直接説明するものであるが、当業者が、本明細書に示され記載された特定の実施形態に対して、変更及び/または変形を考えることができることが、理解される。この記載の範囲に入るそのようなあらゆる変更または変形は、同様にその中に含まれるものと意図される。具体的に注記されない限り、本明細書及び特許請求の範囲の単語及び表現は、本出願に関連する技術分野の当業者にとって通常かつ慣れ親しんだ意味が与えられることが、本発明者の意図である。
【0154】
本出願の出願時点で本出願人には公知である本発明の様々な実施形態の前述の記載が提示され、これらは例示及び説明のためと意図される。この記載は網羅的であることは意図せず、本発明を開示された厳密な形態に限定するための意図も無く、かつ、上記の教示に照らして多くの変更及び変形が可能である。記載された実施形態は、本発明及びその実際の応用の原理を説明する役割を担い、かつ他の当業者が、様々な実施形態及び想定される特定の使用に適した様々な変更において、本発明を用いることができる役割を担うものである。したがって、本発明は、本発明を遂行するために開示される特定の実施形態に限定されないことが、意図される。
【0155】
本発明の特定の実施形態を示し、これを説明してきたが、本明細書における教示に基づいて、本発明及びそのより広い態様を逸脱しない範囲で、変更及び改造がなされてもよいことが、当業者にとって明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変更及び改造を、この発明の真の精神および範囲の範囲内に含まれるものとして、それらの範囲内に含むものである。