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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】照光表示装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20220907BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
B25J19/06
G09F19/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020206311
(22)【出願日】2020-12-11
(62)【分割の表示】P 2017128470の分割
【原出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2021053801
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103241
【弁理士】
【氏名又は名称】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 繁年
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-013203(JP,A)
【文献】国際公開第2007/085330(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0201292(US,A1)
【文献】特開平10-301202(JP,A)
【文献】特開2007-082514(JP,A)
【文献】特開2009-121053(JP,A)
【文献】特開2011-221214(JP,A)
【文献】特開2014-140920(JP,A)
【文献】特開2016-123074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0182155(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/16-19/06
G09F 19/00
A01K 15/02
G08B 21/00-21/02
H04N 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照光表示装置であって、
可視光を出射するLED光源と、前記LED光源から射光を集束させて結像させる光学要素とをそれぞれ有し、前記出射光の照射角度をそれぞれ調整することにより、機械の作業領域の外縁を前記出射光により床面上にそれぞれラインで照光表示させる複数の照光表示ユニットと、
前記作業領域の前記外縁に検出領域の外縁を一致させた状態でレーザースキャンを行うレーザースキャナとを備え、
前記機械が無人搬送車であり、前記照光表示ユニットおよび前記レーザースキャナが前記無人搬送車に設けられており、前記作業領域が前記無人搬送車の前後左右方向に設定されるとともに、前記無人搬送車の走行中には、前記照光表示ユニットからの可視光による床面上へのラインによる照光表示が前記レーザースキャナの前記レーザースキャンによる前記検出領域の前記外縁と一致した状態を維持している、
ことを特徴とする照光表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記無人搬送車の前後左右方向に設定される前記作業領域がそれぞれ、危険領域である防護領域と、その外側に設定された警告領域とから構成され、前記照光表示ユニットが、前記防護領域および前記警告領域の各外縁をそれぞれラインで照光表示するとともに、前記レーザースキャナの前記レーザースキャンによる前記検出領域の前記外縁が、前記防護領域および前記警告領域の各外縁にそれぞれ一致している、
ことを特徴とする照光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人と機械が協調する環境において、生産性および安全性を向上させるための照光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-105049号公報には、監視エリア内に侵入した侵入物を検知して工作機械やロボット等の外部機器の動作を停止させるための停止信号を生成する安全装置として、エリア監視センサが記載されている(同公報の段落[0001]~[0002]、[0004]参照)。エリア監視センサは、外部に向かって周方向に検出光を走査させつつ、対象物で反射した反射光を受光して処理を行うことにより、侵入物を検知している(同公報の段落[0002]参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記公報に示すエリア監視センサにおいては、検出光として、波長が赤外領域のレーザー光を用いると記載されており(同公報の段落[0031]参照)、そのため、検出光は人の目には見えない。したがって、とくに、人と機械が協調して作業を行う作業環境においては、人が機械に接近した際にエリア監視センサが人を検知することで、機械が頻繁に停止する(いわゆる「チョコ停」が発生する)といったことが起こり得る。このような作業者による不用意なチョコ停によって、生産性(生産効率/作業効率)は低下する。その一方、作業領域の安全性は維持したいとする要請がある。
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、人と機械が協調する作業環境において、生産性および安全性を向上できる照光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る照光表示装置は、可視光を出射するLED光源と、LED光源からの出射光を集束させて結像させる光学要素とをそれぞれ有し、前記出射光の照射角度をそれぞれ調整することにより、機械の作業領域の外縁を前記出射光により床面上にそれぞれラインで照光表示させる照光表示ユニットと、作業領域の外縁に検出領域の外縁を一致させた状態でレーザースキャンを行うレーザースキャナとを備えている。そして、機械が無人搬送車であり、照光表示ユニットおよびレーザースキャナが無人搬送車に設けられ、作業領域が無人搬送車の前後左右方向に設定されるとともに、無人搬送車の走行中には、照光表示ユニットからの可視光による床面上へのラインによる照光表示がレーザースキャナのレーザースキャンによる検出領域の外縁に一致した状態を維持している。
【0006】
本発明では、無人搬送車の前後左右方向に設定される作業領域がそれぞれ、危険領域である防護領域と、その外側に設定された警告領域とから構成され、照光表示ユニットが、防護領域および警告領域の各外縁をそれぞれラインで照光表示するとともに、レーザースキャナーのレーザースキャンによる検出領域の外縁が、防護領域および警告領域の各外縁にそれぞれ一致している。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る照光表示装置によれば、機械作業領域に応じて可視光源からの出射光の照射領域を設定するようにしたので、機械作業領域を可視光源からの出射光により可視化して表示でき、これにより、人と機械が協調する作業環境において、生産性および安全性を向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による照光表示装置において機器がロボットの場合の照光表示の一例を示す全体斜視図である。
図2】本発明による照光表示装置において機器がロボットの場合の照光表示の他の例を示す全体斜視図である。
図3】本発明による照光表示装置において機器がロボットの場合の照光表示のさらに他の例を示す全体斜視図である。
図4】本発明による照光表示装置において機器がロボットの場合の照光表示の別の例を示す全体斜視図である。
図5】本発明による照光表示装置において機器がロボットの場合の照光表示のさらに別の例を示す平面概略図である。
図6】本発明による照光表示装置において機器がレーザースキャナの場合の照光表示の一例を示す全体斜視図である。
図7】本発明による照光表示装置が採用された無人搬送車(Automatic Guided Vehicle)の全体斜視図である。
図8】前記無人搬送車(図7)による照光表示の一例を示す平面概略図である。
図9】本発明による照光表示装置において機器がライトカーテンの場合の照光表示の一例を示す全体斜視図である。
図10】本発明の第1の実施例による照光表示装置の全体斜視図である。
図11図10のXI-XI線断面図である。
図12図11のXII矢視図である。
図13図11のXIII矢視図である。
図14】本発明の第2の実施例による照光表示装置を斜め下方から見た全体斜視図である。
図15】前記照光表示装置(図14)の底面図である。
図16】前記照光表示装置(図14)の側面図である。
図17】本発明の第3の実施例による照光表示装置を斜め上方から見た全体斜視図である。
図18】前記照光表示装置(図17)の下面図である。
図19】前記照光表示装置(図17)の側面図である。
図20】前記照光表示装置(図14)の照光表示の一例を示す全体斜視図である。
図21】前記照光表示装置(図17)の照光表示の一例を示す全体斜視図である。
図22】前記照光表示装置の制御システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図22は、本発明による照光表示装置を説明するための図である。
【0014】
まず、図1ないし図9を用いて、本発明による照光表示装置の照光表示の具体例について説明する。
図1ないし図5は機器が機械(この例ではロボット)である場合の照光表示の例を示しており、図6ないし図9は機器がセンサ(この例ではレーザースキャナまたはライトカーテン)である場合の照光表示の一例を示している。
【0015】
<照光表示例1>
図1に示すように、ロボットRは、先端にエンドエフェクタEを有する複数のロボットアームRaを備えている。ここでは、ロボットRとして垂直多関節ロボットを例にとる。ロボットRの上方には、照光表示装置(グラフィカル・ライティングユニット)1が設けられている。照光表示装置1は、ロボットアームRaの旋回範囲(すなわち、ロボットRの作業領域)を可視光で照光表示するためのものである。ここでは、ロボットアームRaの旋回範囲を床面に細い円環状(平面視円形、楕円形、オーバル等を含む)のラインで照光表示する例が示されている。図1中、2つの円環状のラインLhおよびLhが床面に同心円で表示されているが、この例では、照光表示装置1はこれら2つのラインLhおよびLhの双方を表示するように構成されている。照光表示装置1は、単一のユニットから構成されていても、複数のユニットから構成されていてもよい。照光表示装置1の詳細な構造は後述する。
【0016】
ロボットアームRaの旋回範囲は、運転中のロボットアームRaの移動の軌跡を床面上に水平投影すること等により求められる。たとえばロボットアームRaが高頻度で移動する危険領域(防護領域)の外縁は、2つの円環状のラインLhおよびLhのうち小径の円環状のラインLhで表示されており、これは照光表示装置1からの出射光Lで描かれている。また、たとえばロボットアームRaが低頻度または中程度の頻度で移動する領域(警告領域)の外縁は、2つの円環状のラインLhおよびLhのうち大径の円環状のラインLhで表示されており、これは照光表示装置1からの出射光Lで描かれている。なお、ラインLhおよびLhは、ロボットアームRaの旋回範囲の水平投影領域の外縁よりも若干外側(または内側)の近傍位置に配置されるようにしてもよい(後述する他の照光表示例2、3においても同様)。また、各ラインLhおよびLhの位置の設定の際には、作業者Pの熟練度や安全資格情報等を考慮するようにしてもよい。たとえば、作業者Pの熟練度が低い場合や作業者Pが低中レベルの安全資格を有する場合には、各ラインLhおよびLhの径を大きくして大形にし、その一方、作業者Pの熟練度が高い場合や作業者Pが高レベルの安全資格を有する場合には、各ラインLhおよびLhの径を小さくして小形にする等。
【0017】
このように、ロボットRの作業領域に応じて(また必要に応じて作業者Pの熟練度や安全資格情報等を加味しつつ)照光表示装置1からの出射光L1、の照射領域であるラインLhおよびLhの位置が設定されるので、ロボットRの作業領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者PとロボットRが協調する作業環境において、作業者PがロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0018】
この例では、ロボットRの基台の周囲に一対のレーザースキャナLSが180度間隔で配置されている(図1では一方のみ図示)。照光表示装置1による円環状のラインLhおよびLhの位置は、各レーザースキャナLSのセンシング領域(検出領域)である防護領域(作業者Pが近づくと危険と判断される領域)および警告領域(防護領域の外側に形成される領域)の外縁またはその近傍位置にそれぞれ一致している。したがって、この例では、各レーザースキャナLSの防護領域および警告領域の外縁は、ロボットアームRaの防護領域および警告領域の外縁にもそれぞれ一致している。
【0019】
ロボットRの制御においては、作業者PがラインLhを越えた際には、レーザースキャナLSの検出信号を受けて、たとえばロボットアームRaの移動速度を減速させるとともに、警告音を出したり警告灯を点灯させたりして作業者Pの注意を喚起するようにし、また、作業者PがラインLhを越えた際には、レーザースキャナLSの検出信号を受けて、たとえばロボットアームRaを緊急停止させて作業者Pの安全を確保するようにするのが好ましい。したがって、ロボットRの運転モードとしては、作業者PがラインLhの外側にいる場合には、ロボットRは定常運転を行い、作業者Pの体の一部がラインLhを越えた場合または作業者PがラインLhおよびLhで囲繞された円環状の領域にいる場合には、ロボットRは減速運転(たとえば低速運転)を行い、作業者Pの体の一部がラインLhを越えた場合または作業者PがラインLhの内側にいる場合には、ロボットRは停止する。
【0020】
このように、レーザースキャナLS等の人体検出用のセンサを用い、そのセンシング領域(防護領域および警告領域)に応じて照光表示装置1からの出射光L1、の照射領域であるラインLhおよびLhの位置が設定されるので、センサのセンシング領域(一般に赤外レーザーを用いるため人の目には見えない)を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者PとロボットRが協調する作業環境において、作業者PがロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0021】
<照光表示例2>
図2において、図1と同一符号は同一または相当部分を示している。図1の例では、照光表示装置1により、2つの円環状のラインLhおよびLhを同心円で表示したが、図2に示す例では、照光表示装置1により円環状のラインLhを表示するとともに、照光表示装置1の側方に離間配置された照光表示装置1により、円環状のラインLhを表示している。この場合、2つの円環状のラインLhおよびLhは同心円ではなく、中心位置がずれている。
【0022】
この場合には、離間配置された2つの照光表示装置1、1を用いることで、円環状の各ラインLh、Lhを容易に位置ずれさせることができる。なお、このような各ラインLh、Lhの設定は、防護柵内でのロボットRの配置や作業者Pの立ち位置等に応じて適宜行われる。
【0023】
この例においても、ロボットRの作業領域/レーザースキャナLSのセンシング領域に応じて照光表示装置1、1の各出射光L1、の照射領域であるラインLhおよびLhの位置が設定されるので、ロボットRの作業領域/レーザースキャナLSのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者PとロボットRが協調する作業環境において、作業者PがロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0024】
<照光表示例3>
図3において、図1図2と同一符号は同一または相当部分を示している。図1図2では、照光表示装置1、1、1により照光表示されるラインがいずれも円環状である例を示したが、図3の例では、離間配置された2つの照光表示装置1、1がいずれも半円環状のラインを照光表示しており、それぞれの半円環状のラインがつながることで全体として円環状のラインを構成している。
【0025】
この場合には、照光表示装置1、1をロボットRの上方ではなく側方に配置できるので、照光表示装置1、1からの出射光L1、の照射によってロボットRの影が床面に生じにくく、また、照光表示装置1、1を低い位置に設置できるので、防護柵やポールを用いて容易に設置可能である。これに対して、図1図2の例では、照光表示装置1、1、1がロボットRの上方に設置されるので、照光表示装置1、1、1からの出射光の照射によってロボットRの影が床面に生じやすく、また、天井等の高い位置に設置することになるため、設置が容易ではない。
【0026】
この例においても、ロボットRの作業領域/レーザースキャナLSのセンシング領域に応じて照光表示装置1、1の各出射光L1、の照射領域であるラインLhの位置が設定されるので、ロボットRの作業領域/レーザースキャナLSのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者PとロボットRが協調する作業環境において、作業者PがロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0027】
<照光表示例4>
図4において、図1ないし図3と同一符号は同一または相当部分を示している。図1ないし図3では、照光表示装置1、1、1により照光表示されるラインがいずれも床面上に形成される例を示したが、図4の例では、照光表示装置1からの出射光LによるラインLhがベルトコンベアBCの搬送面BCa上に照光表示されている。また、ラインLhはベルトコンベアBCの搬送方向(図示矢印方向)に沿って直線状に形成されている。
【0028】
この場合には、ベルトコンベアBCを挟んで一方の側にロボットRが配置され、他方の側に作業者が位置して協調作業を行う。ラインLhは、ロボットRの作業領域と作業者の作業領域との境界線を表している。図示していないが、レーザースキャナLS等の人体検出用センサを設け、そのセンシング領域の外縁(またはライトカーテンのような平面視直線状のセンシング領域)をラインLhと一致させるようにしてもよく、この場合、作業者の体の一部がラインLhを越えた際にロボットRを減速運転に移行させたり、ロボットRを停止させたりすることができるようになる。なお、ラインLhは、レーザースキャナLS等の人体検出用センサのセンシング領域の外縁よりも若干外側(または内側)の位置に配置されるようにしてもよい(後述する他の照光表示例6~7においても同様)。
【0029】
この例においても、ロボットRの作業領域/センサのセンシング領域に応じて照光表示装置1の出射光Lの照射領域であるラインLhの位置が設定されるので、ロボットRの作業領域/センサのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者とロボットRが協調する作業環境において、作業者がロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0030】
<照光表示例5>
図1ないし図3では、照光表示装置1により照光表示されるラインLh、Lh、LhがロボットアームRaの旋回範囲(すなわち、ロボットRの作業領域)を示しており、図4では、照光表示装置1により照光表示されるラインLhが、ロボットRの作業領域と作業者の作業領域との境界線(したがって、ロボットRの作業領域)を示しているが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0031】
図5はレストランの調理場の一例を示すレイアウト図であって、同図において図1ないし図4と同一符号は同一または相当部分を示している。図5に示すように、ロボットRの側方には作業者(調理補助者)Pが位置しており、ロボットRと作業者Pが協調して調理作業を行っている。ロボットRは、コンベアCにより搬送されてくるトレイtの中から必要な具材をロボットアームRaの先端のハンドによりピックアップし、それを作業テーブルTの上に載置された容器Bの中に次々と入れていく。一方、作業者Pは、所望の具材で一杯になった容器Bを作業テーブルTの上から取り上げるとともに、空の容器Bを作業テーブルTの上に載置する。
【0032】
調理場の天井には、照光表示装置(図示せず)が設けられており、照光表示装置からの出射光が作業テーブルTの上に照射されて、円環状のラインLhで照光表示される。ラインLhは容器Bの位置に対応しており、ロボットアームRaが次にテーブルTまで移動してきたときの到達位置を示している。ロボットアームRaがテーブルTに向かって移動してくる前に照光表示装置がラインLhで照光表示することにより、作業者PはロボットアームRaの次の到達位置や動作方向を予め知ることができるようになる。これにより、作業者PとロボットRが協調する作業環境において、作業者PがロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0033】
ロボットアームRaの次の到達位置は作業中のロボットRが移動する位置であるため、本明細書中では、このロボットアームRaの次の到達位置についてもロボットRの作業領域に含ませることにする。
【0034】
<照光表示例6>
図6において、図1ないし図5と同一符号は同一または相当部分を示している。図1ないし図5では、照光表示装置1、1、1により照光表示されるラインが主にロボットRの作業領域に応じて設定される例を示したが、図6の例では、照光表示装置1、1により照光表示される直線状のラインLh、Lhは、レーザースキャナLSのセンシング領域(図中グレーの領域)の外縁と一致しており、センシング領域に応じて設定されている。
【0035】
図6においては、ロボットRはワークWをピックアップしてこれをコンベアC上に載せるという作業を行っている。作業者がレーザースキャナLSのセンシング領域(グレー領域)に侵入すると、レーザースキャナLSが作業者を検知して、ロボットRが減速運転に移行し、またはロボットRが停止するという安全制御が行われる。
【0036】
この例においても、レーザースキャナLSのセンシング領域に応じて照光表示装置1、1からの出射光L1、によるラインLhおよびLhの位置が設定されるので、人の目には見えない、レーザースキャナLSのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者とロボットRが協調する作業環境において、作業者がロボットRに不用意に接近するのを防止でき、その結果、ロボットRのチョコ停等を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0037】
なお、図6に示す例では、レーザースキャナLSのセンシング領域(グレー領域)の外縁のうち、左右の外縁は照光表示装置1、1によるラインLh、Lhで照光表示されており、手前側の外縁は照光表示されていないが、この手前側の外縁についても別の照光表示装置を用いることで照光表示するようにしてもよい。これにより、作業者によるロボットRの不用意なチョコ停をより確実に防止でき、生産性および安全性をさらに向上できる。
【0038】
<照光表示例7>
図7および図8は、床面を無人で走行する無人搬送車AGV(Automatic Guided Vehicle)の前後左右の各側面にレーザースキャナLS、LS、LS、LS図7では一部のみ図示)および照光表示装置1、1、1、1図7では一部のみ図示)がそれぞれ設けられた例を示している。各照光表示装置1、1、1、1は、各々対応する各レーザースキャナLS、LS、LS、LSの上方に配置されており、各レーザースキャナLS、LS、LS、LSの矩形状のセンシング領域の外縁に沿って直線状のラインLh、Lh、Lh、Lhで矩形状に照光表示している。各レーザースキャナLS、LS、LS、LSのセンシング領域は、最も外側に配置された淡いグレーのセンシング領域(第1警告領域)10と、最も内側に配置された濃いグレーのセンシング領域(防護領域)11と、これらの間に配置され、センシング領域10、11の中間の濃さのグレーのセンシング領域(第2警告領域)12とから構成されている。
【0039】
図7および図8においては、無人搬送車AGVは、上述した各レーザースキャナLS、LS、LS、LSによる各センシング領域10、11、12、および各照光表示装置1、1、1、1による各ラインLh、Lh、Lh、Lhを形成しつつ、床面上を走行する。走行中の無人搬送車AGVは、作業者が第1警告領域10に侵入すると減速し、第2警告領域12に侵入するとさらに減速し、防護領域11に侵入した場合には停止するよう制御されている。
【0040】
この例においても、レーザースキャナLS、LS、LS、LSの各センシング領域10、11、12に応じて、照光表示装置1、1、1、1からの各出射光によるラインLh、Lh、Lh、Lhの位置が設定されるので、人の目には見えない、レーザースキャナLS、LS、LS、LSの各センシング領域10、11、12を照光表示装置1、1、1、1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者と無人搬送車AGVが協調する作業環境において、作業者が無人搬送車AGVに不用意に接近するのを防止でき、その結果、作業者が意図しない無人搬送車AGVの停止を防止して生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0041】
<照光表示例8>
図9は、ライトカーテンLCを示している。ライトカーテンLCは、赤外線Lcを出射する投光ユニットLCと、投光ユニットLCから出射された赤外線Lcを受光する受光ユニットLCとから構成されている。ライトカーテンLCの上方には、照光表示装置1が設けられており、照光表示装置1からの出射光Lの床面への照射位置は、投光ユニットLCからの赤外線Lcと同じ鉛直面内に位置している。すなわち、ライトカーテンLCのセンシング領域の外縁は、照光表示装置1の出射光Lにより照光表示されるラインLhと一致している。
【0042】
これにより、人の目には見えない、ライトカーテンLCのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者が不用意にライトカーテンLCのセンシング領域に侵入することによる機械のチョコ停を防止できる。その結果、作業者と機械が協調する作業環境において、生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0043】
<照光表示装置>
次に、照光表示装置1について図10ないし図21を用いて説明する。
なお、照光表示装置1、1、1、1についても同様の構成を有するので、ここでは、照光表示装置1についてのみ説明する。
【0044】
図10ないし図13は、照光表示装置1を構成する単一の照光表示ユニット10を示している。これらの図に示すように、照光表示ユニット10は、筐体10Aと、その左右端面から延びる一対の軸部11と、筐体10Aの内部に設けられ、可視光を出射するLED12と、LED12から出射した光を集束させ、床面に照射させて結像させる光学要素13とを備えている。LED12および光学要素13は、筐体10Aの内部に形成されかつその前面に開口する筒状の内部空間10aに設けられており、LED12はベース板10bに取り付けられ、光学要素13はLED12の前方に配置されている。
【0045】
LED12は、単一のLED素子から構成されていても、複数のLED素子から構成されていてもよい。光学要素13は、単一または複数のレンズからなり、LED12からの出射光を床面上に円環状、半円環状または直線状のラインとして集光させるように構成されている。なお、光学要素13の前方/後方にスリット/可変スリットを配置するようにしてもよく、また、LED12を構成する複数のLED素子を円環状、半円環状、直線状に配列するようにしてもよい。筐体10Aの背面には、放熱フィン10cが設けられている。
【0046】
図14ないし図19は、照光表示装置1が複数の照光表示ユニットから構成された例を示している。これらの図において、図14ないし図16は各照光表示ユニットが円周上に等間隔で配置された例を、図17ないし図19は各照光表示ユニットが直線上に整列して配置された例をそれぞれ示している。これらの図において、図10ないし図13と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0047】
図14ないし図16に示すように、照光表示装置1は、半球状の本体部1Aを有しており、本体部1Aには、4つの凹部1A、1A、1A、1Aが円周上に等間隔で設けられている。各凹部1A、1A、1A、1Aには、照光表示ユニット10、10、10、10がそれぞれ収容されており、各照光表示ユニット10、10、10、10は円周上に等間隔で配置されている。各照光表示ユニット10、10、10、10の構造は、上述した照光表示ユニット10の構造と同様であって、それぞれ内部にLEDおよび光学要素を有している。照光表示ユニット10、10、10、10の各軸部11、11、11、11は、対応する各凹部1A、1A、1A、1Aを画成する壁面に形成された穴(図示せず)に回転自在に支持されている。これにより、各照光表示ユニット10、10、10、10の照射角度を手動で調整できるようになっている。なお、小型モータおよびギア等からなる回転駆動機構を採用して、各照光表示ユニット10、10、10、10をそれぞれ独立して回転駆動することにより、各照光表示ユニット10、10、10、10の照射角度を電動で調整できるようにしてもよい。また、本体部1Aの背面1Abは、天井面等への取付面になっている。
【0048】
図17ないし図19に示すように、照光表示装置1は、平板状のベース1Bを有しており、ベース1B上には、照光表示ユニット10、10、10が直線上に配置されている。この例では、ベース1B上において照光表示ユニット10、10、10の隣り合う各軸部11、11、11は連結されている。ベース1Bの長手方向端部には、支持部1B、1Bがそれぞれ設けられており、支持部1Bは照光表示ユニット10の軸部11を、支持部1Bは照光表示ユニット10の軸部11をそれぞれ支持している。
【0049】
支持部1Bの内部にはギア機構およびこれに駆動連結されたモータ(図示せず)が設けられており、支持部1Bにはケーブル15が接続されている。当該ギア機構は、照光表示ユニット10の軸部11に連結されている。この構成により、モータを駆動すると、ギア機構を介して、各照光表示ユニット10、10、10が各々対応する各軸部11、11、11の中心軸線の回りを一体に回転するようになっている。なお、図17ないし図19においては、照光表示ユニット10、10、10の各々の周方向の向きがずれているものが示されているが、ベース1B上において隣り合う各照光表示ユニット10、10、10の各軸部11、11、11をたとえばラチェット機構等を介して周方向の一方向にのみ回転可能に連結することにより、照光表示ユニット10、10、10のそれぞれの周方向の向きを独立して調整できるようになる。また、ベース1Bの下面1Bbは、壁面等への取付面になっている。
【0050】
次に、図14ないし図19の照光表示装置1における具体的な照光表示の例を図20図21に示す。図20図14ないし図16に示した照光表示装置1の照光表示例を、図21図17ないし図19に示した照光表示装置1の照光表示例をそれぞれ示している。
【0051】
図20に示すように、照光表示装置1の各照光表示ユニット10、10、10、10から出射された光L、L、L、Lは、それぞれ床面に直線状のラインLh、Lh、Lh、Lhを照光表示しており、各ラインLh、Lh、Lh、Lhによって床面に矩形または矩形状の図形が形成されている。各ラインLh、Lh、Lh、Lhをロボットの作業領域/センサのセンシング領域と一致させることにより、ロボットの作業領域/センサのセンシング領域を照光表示装置1により可視光で可視化して表示することができ、これにより、作業者とロボットが協調する作業環境において、作業者によるロボットの不用意なチョコ停等を防止でき、その結果、生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0052】
図21に示すように、照光表示装置1の各照光表示ユニット10、10、10から出射された光L、L、Lは、それぞれ床面に直線状のラインLh、Lh、Lhを照光表示している。各ラインLh、Lh、Lhをロボットの作業領域/センサのセンシング領域と一致させることにより、ロボットの作業領域/センサのセンシング領域を可視光により可視化して表示することができ、これにより、作業者とロボットが協調する作業環境において、作業者によるロボットの不用意なチョコ停等を防止でき、その結果、生産性を向上できるとともに、作業環境の安全性を向上できる。
【0053】
<制御システム>
次に、照光表示装置の照射角度を自動調整する場合の制御システムの概略ブロック構成を図22に示す。
同図に示すように、制御システム100は、各種プログラミングやデータ入力、出力表示等を行うパソコン(PC)101およびこれに接続されたプログラマブルコントローラ(PLC)102と、PLC102に接続されたロボット制御部103とを備えている。PLC102およびロボット制御部103には、レーザースキャナ(LS)104、モニタカメラ105、非常停止スイッチ106、ロボット駆動部107および照光表示ユニット駆動部108が接続されている。制御システム100のPC101/PLC102には、照光表示ユニット駆動部108を駆動制御するための照光表示制御プログラムが格納されており、PLC102/ロボット制御部103には、ロボット制御プログラムが格納されている。また、照光表示装置を構成する単一または複数の照光表示ユニットは、照射角度を電動で調整できるように構成されている。
【0054】
PC101/PLC102に格納された照光表示制御プログラムにより、ロボットの作業領域に応じて照光表示装置の照射角度を自動調整する際には、まず、PLC102/ロボット制御部103に格納されたロボット制御プログラムが解析されて、ロボットアームの作業領域の外縁が求められる。次に、照光表示装置からの出射光により照光表示されるラインがこの外縁と一致する(または外縁の若干内側/外側に配置される)ようにするための照光表示ユニットの照射角度が求められ、現在の照射角度からの差分が算出される。そして、当該差分に応じて照光表示ユニット駆動部により照光表示ユニットが駆動されることで、照光表示装置の照射角度が自動調整される。
【0055】
同様に、PC101/PLC102に格納された照光表示制御プログラムにより、レーザースキャナ104のセンシング領域に応じて照光表示装置の照射角度を自動調整する際には、まず、操作者が、PC101によりレーザースキャナ104のセンシング領域を設定する。次に、照光表示装置1からの出射光により照光表示されるラインがこのセンシング領域の外縁と一致する(または外縁の若干内側/外側に配置される)ようにするための照光表示ユニットの照射角度が求められ、現在の照射角度からの差分が算出される。そして、当該差分に応じて照光表示ユニット駆動部により照光表示ユニットが駆動されることで、照光表示装置の照射角度が自動調整される。
【0056】
このようにして、機器の作動範囲(すなわち、ロボットの作業領域/センサのセンシング領域)に応じて可視光源からの出射光の照射領域を設定するよう、可視光源の出射光が制御される。
【0057】
〔第1の変形例〕
前記実施例では、照光表示装置により照光表示される図形として、円環状、半円環状または直線状の連続したラインを例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。点線またはドット等を円周または直線に沿って配列することにより、同様の図形を描くようにしてもよい。また、線や点以外の任意の図形でもよく、文字でもよい。さらに、照光表示は、光源の点灯による点灯表示のみならず、光源の点滅による点滅表示(フリッカー表示)でもよい。
【0058】
〔第2の変形例〕
前記実施例の図1および図2においては、照光表示装置が円環状のラインLhおよびLhの双方を照光表示するようにした、すなわち、照光表示装置による照光表示領域が2つの領域から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。照光表示装置による照光表示領域は、3つ以上の領域から構成するようにしてもよい。
【0059】
また、ロボットRの減速運転が不要な場合には、ラインLhによる照光表示をなくして、ラインLhのみによる照光表示を行う、すなわち、照光表示装置1による照光表示領域を単一の領域から構成するようにしてもよい。この場合、ロボットRの運転モードとしては、作業者PがラインLhの外側にいる場合には、ロボットRは定常運転を行い、作業者Pの体の一部がラインLhを越えた場合または作業者PがラインLhの内側にいる場合には、ロボットRは停止するようになる。
【0060】
〔第3の変形例〕
前記実施例の図1ないし図3においては、レーザースキャナLSをロボットRの基台の周りに180度間隔で2つ配置した例を示したが、防護柵の位置や工場内のレイアウト等により、レーザースキャナLSがロボットRの全周囲をカバーする必要のない場合には、いずれか一方のレーザースキャナLSを省略するようにしてもよい。
【0061】
〔第4の変形例〕
前記実施例の図14ないし図21においては、照光表示装置1を構成する各照光表示ユニットを円周上または直線上に配列した例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、その他の任意の配列を採用するようにしてもよい。また、照光表示ユニットとして、円環状のラインを照光表示するタイプと、直線状のラインを照光表示するタイプとを適宜組み合わせることにより、機器の作動範囲(すなわち、ロボットの作動領域/センサのセンシング領域)が複雑な形状を有する場合にも対応可能である。
【0062】
〔第5の変形例〕
前記実施例の図22においては、PC101、PLC102およびロボット制御部103を用いて、本発明による制御システムの中枢部を構成した例を示したが、本発明による制御システムの構成はこれに限定されない。PLC102にロボット制御機能を持たせることで、ロボット制御部103を省略するようにしてもよい。
【0063】
〔第6の変形例〕
前記実施例では、可視光源としてLEDを用いた例を示したが、本発明による照光表示装置の可視光源としては、LEDに限定されるものではなく、レーザーその他の光源であってもよい。また、本発明による照光表示装置としては、画像を拡大して投影表示するプロジェクタ等のディスプレイ装置であってもよい。
【0064】
〔第7の変形例〕
前記実施例では、ロボットとして垂直多関節ロボットを例にとって説明したが、本発明は、スカラロボットやパラレルリンクロボット等のその他のロボットに適用するようにしてもよい。
【0065】
〔第8の変形例〕
本発明が適用される機械としては、ロボット以外でもよく、自動車等の車両やパワーショベル等の特殊車両等にも適用可能である。本発明が適用されるセンサとしては、レーザースキャナに限定されるものではなく、上述したライトカーテンの他、光電センサや超音波センサ等のセンサでもよく、またカメラ等で撮影した画像を解析して監視エリア内への侵入者や不審者を検知するシステムであってもよい。
【0066】
ライトカーテンや光電センサ、超音波センサ等のセンサの場合、レーザースキャナと異なり、センサ自身がセンシング領域の外縁を把握していないため、これらのセンサのセンシング領域の外縁に合わせて、照光表示装置1からの出射光の照光表示位置を自動調整する際には、センサの設置位置をビジョンカメラ等の画像センサで撮影しておくのが好ましい。画像センサは、カメラで捉えた画像を処理して対象物の位置、長さ等の特徴量を算出するので、設置されたセンサを画像センサで撮影することにより、センサの設置位置データを作成することが可能である。
【0067】
この場合において、センサが投光部/送信部および受光部/受信部を有するタイプの場合には、投光部/送信部および受光部/受信部の設置位置を画像センサで撮影し、その画像データを処理することでセンサのセンシング領域を特定する。また、センサが投光部/送信部のみを有するタイプの場合には、投光部/送信部の設置位置および向きを画像センサで撮影して得られた画像データ、ならびにセンサの検出距離およびビームの広がり角度等のデータを処理することにより、センサのセンシング領域を特定する。
【0068】
〔第9の変形例〕
前記実施例および前記各変形例では、照光表示装置が機械やセンサとは別個に設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。照光表示装置は、機械または(および)センサと一体化されていてもよい。
【0069】
〔その他の変形例〕
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
【0070】
〔他の適用例〕
前記実施例および前記各変形例では、本発明が適用される分野として、FA(ファクトリーオートメーション)を例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、製造業以外のその他の分野、たとえば、飲食業や食品業、建設業、土木業、運輸業、運送業、医療業、流通業等の分野にも同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、人と機械が協調する環境において、生産性および安全性を向上させるための照光表示装置に有用である。
【符号の説明】
【0072】
1、1、1、1、1: 照光表示装置(グラフィカル・ライティングユニット)
10、10、10、10、10: 照光表示ユニット

12: LED(可視光源)

100: 制御システム(制御手段)

L、L、L、L、L: 出射光
Lh、Lh、Lh、Lh、Lh: (照光表示)ライン
R: ロボット(機械、機器)
LS、LS、LS、LS、LS: レーザースキャナ(センサ、機器)
LC: ライトカーテン(センサ、機器)
P: 作業者(人)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【文献】特開2016-105049号公報(段落[0001]、[0002]、[0004]、[0031]参照)
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