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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】エアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20220907BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20220907BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/465
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020573382
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2020012839
(87)【国際公開番号】W WO2021085861
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138772
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/178114(WO,A2)
【文献】国際公開第2018/092040(WO,A1)
【文献】特表平08-511175(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085242(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物品を加熱するサセプタと、
前記サセプタを取り囲んで交流電圧が印加されれば、磁場を発生させることで、前記サセプタを加熱するコイルと、
前記コイルと電気的に連結される制御部と、を含み、
前記制御部は、
ユーザ入力に応答して(in response to)前記コイルにテスト電圧を印加して、
前記テスト電圧の周波数を変更して前記コイルの出力電流を測定して、
前記出力電流の最大値が既設定の基準値以上である場合、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、前記決定された周波数を有する動作電圧を前記コイルに印加し、
前記最大値が前記既設定の基準値未満である場合、前記コイルに電力を供給しない、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
既設定の範囲内で前記テスト電圧の周波数を変更することで、前記既設定の範囲内で前記出力電流が最大となるときの周波数を決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
バッテリから直流電圧を供給されて前記直流電圧のPWM(pulse width modulation)信号を発生させ、前記PWM信号を交流の前記テスト電圧に変換し、前記変換されたテスト電圧を前記コイルに印加する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記エアロゾル生成装置は、
フィードバック回路をさらに含み、
前記制御部は、
前記テスト電圧の周波数が変更されることにより、変化する前記コイルの出力電流を前記フィードバック回路を通じて入力され、
前記入力された出力電流を測定して前記出力電流が最大となるときの周波数を決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
テストモードにおいて、前記コイルに印加されるテスト電圧の周波数を変更することで、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、
前記テストモードで前記出力電流が最大となるときの周波数を決定した後、加熱モードに進入し、前記サセプタが目標温度プロファイルによって加熱されるように前記決定された周波数を有する前記動作電圧を前記コイルに印加する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記既設定の範囲内で測定された前記出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値未満である場合、
前記コイルを異常と判断する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
エアロゾル生成システムにおいて、
メモリと、
シガレットの少なくとも一部を収容する空洞と、
前記空洞の周辺に位置するコイルと、
前記コイルによって加熱されるサセプタと、
前記コイルと電気的に連結される制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記コイルに印加されるテスト電圧の周波数を変更し、前記コイルの出力電流を測定し、
前記出力電流の最大値が既設定の基準値以上である場合、前記コイルの出力電流が最大となるときの周波数を前記メモリに保存し、前記保存された周波数を有する動作電圧を前記コイルに印加することで、前記サセプタの加熱を開始し、
前記最大値が前記既設定の基準値未満である場合、前記コイルに電力を供給しない、エアロゾル生成システム。
【請求項8】
前記エアロゾル生成システムは、
シガレットをさらに含み、
前記シガレットは、
前記サセプタによって加熱されるニコチン移送部と、
前記ニコチン移送部の下流端部に連結され、前記サセプタによって加熱されるニコチン発生部と、
前記ニコチン発生部の下流端部に連結されたフィルタ部と、を含む、請求項7に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項9】
前記制御部は、
既設定の範囲内で前記テスト電圧の周波数を変更することで、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、前記決定された周波数を前記メモリに保存する、請求項7に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記コイルの出力電流が最大となるときの周波数が前記メモリに保存された後には、前記サセプタを加熱するためのユーザの入力に応答し、前記テスト電圧を印加する過程を省略し、前記動作電圧を前記コイルに印加する、請求項7に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記既設定の範囲内で測定された前記出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値未満である場合、
前記コイルを異常と判断する、請求項9に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないシガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。
【0003】
エアロゾル生成物質を加熱するために内部加熱方式、外部加熱方式以外にも、コイルとサセプタを用いた誘導加熱方式が用いられている。誘導加熱方式の場合、交流電圧がコイルに印加されれば、磁場が発生し、磁場によってヒータ(または、サセプタ)の温度が上昇する。エアロゾル生成物質がヒータによって加熱されることで、エアロゾルが生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル生成装置のメモリには、コイルの設計規格に対応する共振周波数が保存されている。しかし、同一規格及び材料からなるコイルであっても、生産・組付け過程で抵抗偏差が発生して共振周波数が異なり、これにより、エアロゾル生成装置内のサセプタの実際加熱温度は、目標温度プロファイルと異なってもくる。これにより、本発明は、コイルの抵抗偏差が発生する場合にも、サセプタを目標温度プロファイルによって加熱することができるエアロゾル生成システムを提供することを目的とする。一方、本実施例が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、エアロゾル生成物品を加熱するサセプタと、前記サセプタを取り囲んで交流電圧が印加されれば、磁場を発生させることで、前記サセプタを加熱するコイルと、前記コイルと電気的に連結される制御部と、を含み、前記制御部は、ユーザ入力に応答して(in response to)前記コイルにテスト電圧を印加し、前記テスト電圧の周波数を変更して前記コイルの出力電流を測定し、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、前記決定された周波数を有する動作電圧を前記コイルに印加する、エアロゾル生成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、抵抗の偏差が発生したコイルに対する共振周波数を決定し、決定された共振周波数を有する動作電圧をコイルに印加することで、サセプタを目標温度プロファイルによって加熱することができる。これにより、本発明では、生産・組付け過程で抵抗の偏差が発生してコイルの共振周波数が設計規格によるコイルと互いに異なるとしても、設計規格によるコイルの使用時と同一であり、ユーザに最適の喫煙経験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】エアロゾル生成物品が内部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成物品が外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成物品が外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された他の例を示す図面である。
図4】誘導加熱方式を説明するためのRLC回路図及び周波数による負荷に伝達する電力を示すグラフである。
図5】誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図6】エアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7】シガレットの一例を示す図面である。
図8】シガレットが収容されたエアロゾル生成システムの一例を示す図面である。
図9】コイルの抵抗偏差による共振周波数の変化を示すグラフの例示である。
図10】PWM信号の周波数が変更する一例を示すグラフである。
図11】エアロゾル生成装置を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
図12図11のエアロゾル生成装置を制御する方法をさらに具体的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、エアロゾル生成物品を加熱するサセプタと、前記サセプタを取り囲んで交流電圧が印加されれば、磁場を発生させることで、前記サセプタを加熱するコイルと、前記コイルと電気的に連結される制御部と、を含み、前記制御部は、ユーザ入力に応答して(in response to)前記コイルにテスト電圧を印加し、前記テスト電圧の周波数を変更して前記コイルの出力電流を測定し、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、前記決定された周波数を有する動作電圧を前記コイルに印加する、エアロゾル生成装置を提供することができる。
【0009】
また、前記制御部は、既設定の範囲内で前記テスト電圧の周波数を変更することで、前記既設定の範囲内で前記出力電流が最大となるときの周波数を決定することができる。
【0010】
また、前記制御部は、バッテリから直流電圧を供給されて前記直流電圧のPWM(pulse width modulation)信号を発生させ、前記PWM信号を交流の前記テスト電圧に変換し、前記変換されたテスト電圧を前記コイルに印加することができる。
【0011】
また、前記エアロゾル生成装置は、フィードバック回路をさらに含み、前記制御部は、
前記テスト電圧の周波数が変更されることにより、変化する前記コイルの出力電流を前記フィードバック回路を通じて入力され、前記入力された出力電流を測定して前記出力電流が最大となるときの周波数を決定することができる。
【0012】
また、前記制御部は、テストモードにおいて、前記コイルに印加されるテスト電圧の周波数を変更することで、前記出力電流が最大となるときの周波数を決定し、前記テストモードで前記出力電流が最大となるときの周波数を決定した後、加熱モードに進入し、前記サセプタが目標温度プロファイルによって加熱されるように、前記決定された周波数を有する前記動作電圧を前記コイルに印加することができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記既設定の範囲内で測定された前記出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値未満である場合、前記コイルを異常と判断し、前記コイルに電力を供給しない。
【0014】
本開示の第2側面は、メモリ、シガレットの少なくとも一部を収容する空洞、前記空洞の周辺に位置するコイル、前記コイルによって加熱されるサセプタ、及び前記コイルと電気的に連結される制御部を含み、前記制御部は、前記コイルに印加されるテスト電圧の周波数を変更して前記コイルの出力電流を測定し、前記コイルの出力電流が最大となるときの周波数を前記メモリに保存し、前記保存された周波数を有する動作電圧を前記コイルに印加することで、前記サセプタの加熱を開始する、エアロゾル生成システムを提供することができる。
【0015】
また、前記エアロゾル生成システムは、シガレットをさらに含み、前記シガレットは、前記サセプタによって加熱されるニコチン移送部と、前記ニコチン移送部の下流端部に連結され、前記サセプタによって加熱されるニコチン発生部と、前記ニコチン発生部の下流端部に連結されたフィルタ部と、を含んでもよい。
【0016】
また、前記制御部は、既設定の範囲内で前記テスト電圧の周波数を決定し、前記決定された周波数を変更することで、前記出力電流が最大となるときの周波数を前記メモリに保存することができる。
【0017】
また、前記制御部は、前記コイルの出力電流が最大となるときの周波数が前記メモリに保存された後には、前記サセプタを加熱するためのユーザの入力に応答し、前記テスト電圧を印加する過程を省略し、前記動作電圧を前記コイルに印加することができる。
【0018】
また、前記制御部は、前記既設定の範囲内で測定された前記出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値未満である場合、前記コイルを異常と判断し、前記コイルに電力を供給しない。
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0020】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0022】
本明細書で使用されたように、要素のリストの前にあるとき、「少なくとも1つ」のような表現は、全体要素リストを修正し、リストの個別要素を修正しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b及びc」を含むと理解されうる。
【0023】
要素または層が他の要素または層が「上方に」、「上に」、「連結されて」または「結合されて」いると記載された場合、それは、他の要素または層の、直上に、上に、連結されて、または結合されているか、または介入された要素または層が存在するものでもある。逆に、ある要素が他の要素または層に「直ぐ上に」、「直上に」、「直接に連結されて」、「直接に結合されて」いると記載されたとき、介入された要素または層は存在しない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0024】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図1は、エアロゾル生成物品が内部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。図2は、エアロゾル生成物品が外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。図3は、エアロゾル生成物品が外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された他の例を示す図面である。以下では、図1ないし図3に基づいて説明する。
【0027】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、エアロゾル生成物品(シガレット)2が挿入される。
【0028】
図1ないし図3に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1ないし図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0029】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ13は省略されてもよい。
【0030】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図1ないし図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、及び蒸気化器14の配置は変更されうる。
【0031】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要によって、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0033】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または、蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0034】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13、及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0035】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0036】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置してもよい。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0037】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、前述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能であるならば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望温度に設定されてもよい。
【0038】
一方、他の例において、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するためのコイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによっても加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0039】
例えば、ヒータ13は、細長型(例えば、棒状、針状、ブレード状)や、円筒状でもあり、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0040】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置されてもよく、シガレット2の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、ヒータ13の形状は、図1ないし図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0041】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0042】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0043】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から脱/付着されるようにも作製され、蒸気化器14と一体として作製されてもよい。
【0044】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0045】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0046】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達する液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0047】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0048】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、及び蒸気化器14以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット挿入感知センサーなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0049】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されてもよい。
【0050】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分21とフィルタなどを含む第2部分22に区分される。または、シガレット2の第2部分22にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分22に挿入されてもよい。
【0051】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分21の全体が挿入され、第2部分22は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分21の一部だけ挿入されてもよく、第1部分21の全体及び第2部分22の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分22を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分21を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分22を通過してユーザの口に伝達される。
【0052】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット2の内部に流入されてもよい。
【0053】
図4は、誘導加熱方式を説明するためのRLC回路図及び周波数による負荷に伝達される電力を示すグラフである。
【0054】
コイルは、バッテリから交流電流を供給される。バッテリから交流電流を供給されたコイルによって磁場(magnetic field)が発生する。コイルによって発生した磁場が負荷(例えば、サセプタ)を貫通することで負荷が加熱されうる。
【0055】
図4を参照すれば、コイルは、RLC回路410によっても表現される。RLC回路410は、インダクタンスL、抵抗R及びキャパシタンスCを含む。RLC回路410のトータルインピーダンスZTOTALは、インダクタンスのインピーダンスZ、抵抗のインピーダンスZ及びキャパシタンスのインピーダンスZの和によって算出される。
【0056】
インダクタンスのインピーダンスZ、抵抗のインピーダンスZ及びキャパシタンスのインピーダンスZそれぞれは、下記数式1のように表現されうる。
【数1】
【0057】
一方、共振(resonance)とは、振動系がその固有振動数のような振動数を有する外力を周期的に受けて振幅が明らかに増加する現象を言う。共振は、力学的振動及び電気的振動など全ての振動で起きる現象である。一般に外部から振動系に振動させうる力を加えたとき、その振動系の固有振動数と外部から加えられる力の振動数が同一であれば、その振動は激しくなり、振幅も大きくなる。
【0058】
同じ原理で、一定距離内において離れている複数の振動体が互いに同じ周波数で振動する場合、前記複数の振動体は、互いに共振し、その場合、前記複数の振動体の間には、抵抗が減少する。
【0059】
RLC回路410の共振周波数fresoは、例えば、下記数式2によって決定されうる。
【数2】
【0060】
図4のグラフ420を参照すれば、RLC回路410に共振周波数fresoを有する交流電流が印加されるとき、負荷(例えば、サセプタ)側に最大電力を伝達することができる。RLC回路410に印加される交流電流の周波数が共振周波数fresoと異なるほど負荷側に伝達される電力値が減る。
【0061】
一方、数式2を参照すれば、RLC回路410の共振周波数fresoは、コイルのインダクタンスL及びキャパシタンスCによって決定される。コイルを使用して磁場を形成する回路において、インダクタンスLは、コイルの回転数などによって決定され、キャパシタンスCは、コイル間の間隔、面積などによっても決定される。
【0062】
図5は、誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0063】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、コイル51及びサセプタ52を含む。また、エアロゾル生成装置1の空洞53には、シガレット2の少なくとも一部が収容される。
【0064】
図5に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図5に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0065】
コイル51は、空洞53周辺に位置してもよい。図5には、コイル51が空洞53を取り囲むように配置されると図示されているが、それに限定されない。
【0066】
シガレット2がエアロゾル生成装置1の空洞53に収容されれば、エアロゾル生成装置1は、コイル51が磁場を発生させるように、コイル51に電力を供給することができる。コイル51によって発生した磁場がサセプタ52を貫通することによってサセプタ52が加熱される。
【0067】
このような誘導加熱現象は、ファラデーの誘導法則(Faraday’s Law of induction)で説明される公知の現象である。具体的に、サセプタ52内の磁気誘導が変化する場合、電場がサセプタ52内に生成されることで、渦電流(eddy current)がサセプタ52内に流れる。渦電流は、サセプタ52内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0068】
サセプタ52が渦電流によって加熱され、シガレット2内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ52によって加熱されることにより、エアロゾルが生成される。エアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0069】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、コイル51が磁場を発生させるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0070】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。制御部12は、コイル51と電気的に連結される。具体的に、制御部12は、バッテリ11及びコイル51だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0071】
コイル51は、バッテリ11から供給された電力によって磁場を発生させる導電性コイルでもある。コイル51は、空洞53の少なくとも一部を取り囲むように配置される。コイル51によって発生した磁場は、空洞53の内側端部に配置されるサセプタ52に印加される。
【0072】
サセプタ52は、コイル51から発生する磁場が貫通されることにより、加熱され、金属、または炭素を含んでもよい。例えば、サセプタ52は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(aluminum)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0073】
また、サセプタ52は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような準金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタ52は、前述した例に限定されず、磁場が印加されることにより、希望温度まで加熱可能であるならば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望温度に設定されてもよい。
【0074】
シガレット2がエアロゾル生成装置1の空洞53に収容されれば、サセプタ52は、シガレット2の少なくとも一部を取り囲むように配置される。したがって、加熱されたサセプタ52は、シガレット2内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0075】
図5には、サセプタ52がシガレットの少なくとも一部を取り囲むように配置されると図示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ52は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0076】
また、エアロゾル生成装置1には、サセプタ52が複数個配置されてもよい。この際、複数個のサセプタ52は、シガレット2の外部に配置されてもよく、内部に挿入されるように配置されてもよい。また、複数個のサセプタ52のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、サセプタ52の形状は、図5に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0077】
図6は、エアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0078】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、コイル51、サセプタ52、フィードバック回路640、及びメモリ650を含んでもよい。
【0079】
バッテリ11は、直流電源であって、エアロゾル生成装置1の動作のために直流電圧を制御部12に供給する。一実施例において、バッテリ11と制御部12との間には、バッテリ11の電圧を一定に保持させるレギュレータ(regulator)が含まれてもよい。
【0080】
制御部12は、MCU(microcontroller unit)621及びインバータ回路622を含み、インバータ回路622は、Amp(amplifier)623及びFET(field effect transistor)624を含んでもよい。但し、図6に図示された構成要素以外に他の構成要素がさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0081】
制御部12は、バッテリ11から直流電圧を供給されて制御信号を生成し、生成された制御信号をエアロゾル生成装置1の他の構成に伝送することができる。制御部12は、制御信号を用いて、バッテリ11、コイル51、フィードバック回路640、及びメモリ650を総括的に制御する。
【0082】
MCU 621は、バッテリ11から直流電圧を供給されてPWM(pulse width modulation)信号を発生させる。MCU 621は、PWM信号の周波数を既設定の範囲内で変更し、PWM信号をインバータ回路622に伝達する。具体的に、MCU 621は、2個のポートを含み、各ポートで同一波形のPWM信号をインバータ回路622に送信する。実施例によって、MCU 621から出力されるPWM信号は、デジタルPWM信号でもある。
【0083】
インバータ回路622は、MCU 621から受信した直流電圧のPWM信号を交流電圧に変換することができる。インバータ回路622は、MCU 621から同一波形の2つのPWM信号を受信し、2つのPWM信号を交流電圧に変換するための演算及び増幅を行うことができる。インバータ回路622は、交流電圧をコイル51に印加することができる。
【0084】
インバータ回路622からコイル51に交流電圧が印加されれば、コイル51では、磁場が発生する。MCU 621からインバーター回路622に伝達されるPWM信号の周波数によって、インバータ回路622からコイル51に伝達される交流電圧の周波数が決定されうる。すなわち、MCU 621で発生するPWM信号の周波数が変更されることにより、コイル51に印加される交流電圧の周波数も同一に変更される。
【0085】
具体的に、インバータ回路622は、Amp 623とFET 624を含んでもよい。Amp 623は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現される。Amp 623は、MCU 621の2個のポートで発生したPWM信号を受信し、多数の論理ゲートを用いて演算を行うことができる。また、Amp 623は、MCU 621から受信したPWM信号を既設定の増幅率によって増幅することができる。Amp 623は、PWM信号に対して演算及び増幅を遂行し、PWM信号をFET 624に伝達することができる。Amp 623で遂行されるPWM信号に対する演算及び増幅は、PWM信号がFET 624で交流電圧に変換されるようにする。
【0086】
FET 624は、Amp 623から受信したPWM信号を交流電圧に変換して、交流電圧をコイル51に印加することができる。FET 624は、PWM信号によって開閉されるか、タイマー(Timer)を内蔵して周期的に開閉されうる。FET 624は、実施例によって、スイッチにも代替されうる。
【0087】
コイル51は、制御部12から交流電圧を印加されうる。制御部12からコイル51に交流電圧が印加されれば、コイル51は、磁場を発生させうる。コイル51によって発生する磁場の強度は、コイル51の抵抗などによって異なってもいる。
【0088】
サセプタ52は、コイル51内部に位置してもよい。サセプタ52は、コイル51から発生した磁場内で熱を発生させる方式でエアロゾル生成物品を加熱することができる。サセプタ52で発生する熱は、コイル51で発生する磁場の強度によって異なってもいる。
【0089】
フィードバック回路640は、コイル51に流れる出力電流をMCU 621に伝達することができる。コイル51に印加される交流電圧の周波数が変更されることにより、コイル51に流れる出力電流が異なる。すなわち、フィードバック回路640は、コイル51に印加される交流電圧の周波数が変更されることにより、持続的に変わるコイル51の出力電流を測定してMCU 621に伝達することができる。
【0090】
MCU 621は、フィードバック回路640から受信したコイル51の出力電流が最大となるときのコイル51に印加される交流電圧の周波数を決定することができる。MCU 621は、決定された周波数を有するPWM信号を発生させ、サセプタ52を加熱させうる。決定された周波数は、コイル51の共振周波数でもある。
【0091】
メモリ650は、エアロゾル生成装置1内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ650は、制御部12で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ650は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0092】
メモリ650は、エアロゾル生成装置1の動作時間、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどを保存することができる。また、メモリ650は、制御部12で決定したコイル51の共振周波数に係わる情報を保存することができる。メモリ650に保存されたコイル51の共振周波数に係わる情報は、サセプタ52を加熱するのに用いられる。
【0093】
一実施例において、エアロゾル生成装置1は、複数のモードを有することができる。例えば、エアロゾル生成装置1のモードは、スリープモード、テストモード、加熱モードを含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置1のモードは、その限りではない。
【0094】
エアロゾル生成装置1が用いられていない状態で、エアロゾル生成装置1は、スリープモードを保持することができる。制御部12は、スリープモードにおいて、コイル51に電力が供給されないように、バッテリ11の出力電力を制御することができる。例えば、エアロゾル生成装置1の使用前または後に、エアロゾル生成装置1は、スリープモードで動作することができる。
【0095】
制御部12は、エアロゾル生成装置1に対するユーザ入力に応答して、エアロゾル生成装置1のモードをテストモードに設定(または、スリープモードからテストモードに転換)することができる。制御部12は、テストモードにおいて、コイル51に印加されるテスト電圧の周波数を変更することで、コイル51に対応する共振周波数を決定することができる。テスト電圧は、テストモードで使用されるコイル51に印加される交流電圧である。テスト電圧は、共振周波数を決定するコイル51に印加される電圧であって、加熱モードでサセプタ52を加熱するために使用される動作電圧と区分される。
【0096】
また、共振周波数が決定された後、制御部12は、エアロゾル生成装置1のモードをテストモードから加熱モードに切り替えることができる。制御部12は、加熱モードで、テストモードで決定された共振周波数を有する動作電圧をコイル51に印加することで、サセプタ52の加熱を開始することができる。動作電圧は、加熱モードで使用されるコイル51に印加される交流電圧である。共振周波数を有する動作電圧がコイル51に印加されることにより、加熱モードでサセプタ52が目標温度プロファイルによって加熱される。
【0097】
一方、温度プロファイルとは、経時的なサセプタ52の温度変化を指称し、サセプタ52が目標温度プロファイルによって加熱されるとき、ユーザに最適の喫煙経験を提供することができる。
【0098】
他の実施例において、エアロゾル生成装置1は、ユーザの入力によってテストモードへの進入如何を決定することができる。コイル51の共振周波数を決定するためのユーザの入力がある場合、エアロゾル生成装置1は、スリープモードからテストモードに進入して共振周波数を決定し、テストモードからモードに進入してサセプタ52の加熱を開始することができる。
【0099】
共振周波数に係わる情報がメモリ650に保存された後には、サセプタ52を加熱するためのユーザの入力がある場合、エアロゾル生成装置1は、テストモードへの進入を省略し、スリープモードから加熱モードに進入して、メモリ650に保存された共振周波数を有する動作電圧をコイル51に印加することで、サセプタ52の加熱を開始することができる。
【0100】
さらに他の実施例において、テストモードは、エアロゾル生成装置1がユーザに流通される前に、コイル51の製造上の誤差を検査する検査工程で実行されうる。エアロゾル生成装置1の検査工程において、エアロゾル生成装置1は、テストモードに進入し、検査工程で決定された共振周波数がメモリ650に保存されうる。
【0101】
エアロゾル生成装置1がユーザに流通された後、エアロゾル生成装置1は、テストモードを経ず、スリープモードから直ちに加熱モードに転換されうる。加熱モードでは、検査工程で決定された共振周波数を有する動作電圧がコイル51に印加されることで、サセプタ52の加熱が開始される。
【0102】
但し、テストモードの実行のための入力方式及び入力主体に係わる説明は、前述した例に限定されず、それらから、多様な変形及び均等な他の実施例が可能である。
【0103】
図7は、シガレットの一例を示す図面である。
【0104】
図7を参照すれば、シガレット2は、ニコチン移送部710、ニコチン発生部720及びフィルタ部を含む。フィルタ部は、冷却部730及びマウスフィルタ740を含む。必要によって、フィルタ部には、他の機能を行うセグメントをさらに含んでもよい。
【0105】
ニコチン移送部710は、エアロゾル生成物質を含む。ニコチン移送部710は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つが含まれるが、それらに制限されない。ニコチン移送部710が加熱されることにより、エアロゾルが発生することができる。
【0106】
ニコチン発生部720は、ニコチンが含まれたタバコ物質を含む。ニコチン発生部720は、タバコ葉、再構成タバコ及びタバコ顆粒のようなタバコ物質を含んでもよい。ニコチン発生部720は、シート(sheet)にも、ストランド(strand)にも作製され、タバコシートが細かく切られた刻みタバコにも作製される。
【0107】
冷却部730は、ニコチン移送部710及びニコチン発生部720のうち、少なくとも1つが加熱されることで生成されたエアロゾルを冷却させる。したがって、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸い込むことができる。
【0108】
マウスフィルタ740は、酢酸セルロースフィルタでもある。
【0109】
マウスフィルタ740は、円筒状でも、内部に中空を含むチューブ状でもある。また、マウスフィルタ740は、リセス状でもある。
【0110】
ニコチン移送部710及びニコチン発生部720で生成されたエアロゾルは、冷却部730を通過することにより、冷却され、冷却されたエアロゾルは、マウスフィルタ740を通じてユーザに伝達される。したがって、マウスフィルタ740に加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進する効果が発生しうる。
【0111】
図7には、図示されていないが、シガレット2は、少なくとも1枚のラッパによって包装されうる。ラッパには、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット2は、1枚のラッパによって包装される。他の例として、シガレット2は、2以上のラッパによって重畳的に包装されてもよい。
【0112】
図8は、シガレットが収容されたエアロゾル生成システムの一例を示す図面である。
【0113】
エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成装置1及びシガレット2を含む。
【0114】
エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、コイル51、サセプタ52及び空洞820を含んでもよい。シガレット2は、ニコチン移送部710、ニコチン発生部720、冷却部730、及びマウスフィルタ740を含んでもよい。但し、図8に図示された構成要素以外に他の構成要素がさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0115】
サセプタ52は、エアロゾル生成装置1の一部でもある。サセプタ52は、空洞820を形成する内側壁830に沿って空洞820の長手方向に延びる。
【0116】
シガレット2は、ニコチン移送部710及びニコチン移送部710の下流端部に連結されるニコチン発生部720を含んでもよい。
【0117】
ニコチン移送部710は、保湿剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコールなど)を含み、ニコチン移送部710が加熱されることにより、エアロゾル(霧化)が発生する。ニコチン発生部720は、ニコチンが含まれたタバコ物質(タバコ葉、再構成タバコ、タバコ顆粒など)を含み、ニコチン発生部720が加熱されることにより、ニコチンが生成される。
【0118】
シガレット2がエアロゾル生成装置1の空洞820に収容されれば、サセプタ52は、シガレット2の外部を取り囲むように位置してもよい。この際、サセプタ52は、ニコチン移送部710及びニコチン発生部720と対応する位置に位置してもよい。
【0119】
サセプタ52は、シガレット2の一部でもある。サセプタ52は、シガレット2の外側面に位置してシガレット2の長手方向に沿って延びる。また、サセプタ52は、少なくとも1枚のラッパによっても包装される。
【0120】
シガレット2がエアロゾル生成装置1の空洞820に収容されれば、エアロゾル生成装置1は、コイル51が磁場を発生させるように、バッテリ11からコイル51に電力を供給することができる。コイル51によって発生した磁場がサセプタ52を貫通することによって、サセプタ52は、ニコチン移送部710及びニコチン発生部720を加熱することができる。
【0121】
他の実施例において、サセプタ52は、サセプタの第1部分810aとサセプタの第2部分810bとで構成される。サセプタの第1部分810aは、ニコチン移送部710と対応する位置に、サセプタの第2部分810bは、ニコチン発生部720と対応する位置に位置してもよい。
【0122】
ニコチン移送部710とニコチン発生部720に含まれた物質が互いに異なっているので、ユーザに最上のタバコ風味を提供するためのニコチン移送部710及びニコチン発生部720の加熱温度は、互いに異なってもいる。
【0123】
ニコチン移送部710及びニコチン発生部720を互いに異なる温度で加熱するために、サセプタの第1部分810a及びサセプタの第2部分810bの加熱温度は、互いに異なってもいる。すなわち、サセプタの第1部分810aは、ニコチン移送部710を加熱して、サセプタの第2部分810bは、ニコチン発生部720を加熱するところ、ニコチン移送部710とニコチン発生部720の加熱温度が異なってもいる。
【0124】
サセプタの第1部分810a及びサセプタの第2部分810bがシガレット2の一部である場合、サセプタの第1部分810a及びサセプタの第2部分810bは、互いに連結されて単一加熱体を形成するか、分離された状態でそれぞれニコチン移送部710及びニコチン発生部720と対応する位置に位置してもよい。
【0125】
図9は、コイルの抵抗偏差による共振周波数の変化を示すグラフの例示である。
【0126】
設計規格による抵抗を有するコイルに対するグラフ910を見れば、コイルは、共振周波数f1を有し、生産・組付け過程で抵抗の偏差が発生したコイルに係わるグラフ920を見れば、コイルは、共振周波数f2を有する。
【0127】
既存に設計したコイルに対する共振周波数であるf1をコイル及びコイルに印加する場合、コイルは、共振して最大の出力電流I1が流れるが、コイルは、f1が共振周波数に該当しないところ、最大の出力電流I1よりも低い出力電流I2が流れる。これにより、抵抗の偏差が発生したコイルに対して周波数の補正なしに、既設定の周波数(例えば、f1)を有する交流電圧が印加される場合、サセプタを目標温度プロファイルによって制御不可能になる。
【0128】
コイルに交流電圧が印加されてサセプタが加熱される場合、サセプタを目標温度プロファイルによって制御するためには、コイルに印加される交流電圧の周波数は、コイルの共振周波数であるf1からコイルの共振周波数であるf2に補正されねばならない。
【0129】
図10は、PWM信号の周波数が変更される一例を示すグラフである。
【0130】
エアロゾル生成装置に対してユーザ入力が受信されることにより、制御部は、エアロゾル生成装置の動作を開始することができる。例えば、制御部は、インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)を通じてユーザ入力を受信することで、エアロゾル生成装置の動作を開始することができる。
【0131】
図10を参照すれば、制御部で発生する直流電圧のPWM信号に対する波形が図示される。PWM信号の周波数によって、コイルに印加される交流電圧の周波数が決定されうる。すなわち、PWM信号の周波数がf1からf6に変更されることにより、コイルに印加される交流電圧の周波数も同一にf1からf6に変更される。
【0132】
制御部は、t1において、エアロゾル生成装置のモードをスリープモードからテストモードに切り替えることで、共振周波数を決定するための段階を開始することができる。
【0133】
周波数f1、f2、f3、f4及びf5それぞれにおける入力電圧は同一であり、それぞれのPWMデューティー比も同一である。周波数f1とf5の周波数は、同一であり、周波数f2とf4の周波数も同一である。制御部で発生するPWM信号の周波数は、既設定の範囲内で増加していて減少することを繰り返して変更される。
【0134】
一方、図10では、t1からt2までの一回の周期のみ示したが、制御部は、共振周波数を決定するために、数回の周期を繰り返し、PWM信号を発生させうる。図10による一実施例において、周波数f1からf3に変更される過程で、周波数f2のみを経たが、他の実施例において、周波数の変更幅がさらに細分化されうる。しかし、周波数変更方式は、前述した例に限定されない。
【0135】
一実施例において、制御部で測定したコイルの出力電流が周波数f2及びf4で最大と示された場合、制御部は、周波数f2及びf4と同じ周波数であるf6を共振周波数として決定しうる。共振周波数が決定された後、制御部は、t2において、エアロゾル生成装置のモードをテストモードから加熱モードに切り替えることができる。加熱モードで制御部は、周波数f6を有するPWM信号を発生させることで、共振周波数f6を有する交流電圧をコイルに印加することができる。
【0136】
図10では、テストモードにおいて、周波数が既設定の範囲内で増加していて減少する例を記載した。しかし、周波数変更方式は、前述した例に限定されず、既設定の範囲内で減少していて増加する場合はもとより、一方向に増加または減少する方式なども可能である。
【0137】
テストモードであるt1からt2までの所要時間は、ユーザが体感し難い程度の短い時間でもある。例えば、t1からt2までの所要時間は、0.5秒~2秒でもある。望ましくは、1秒でもある。
【0138】
他の実施例において、制御部で発生するPWM信号の周波数は固定され、デューティー比は既設定の範囲で変更されつつ発生しうる。例えば、周波数f1、f2、f3、f4及びf5それぞれでのデューティー比は異なってもいる。また、f1とf5でのデューティー比は、同一であり、周波数f2とf4でのデューティー比も同一である。制御部で発生するPWM信号のデューティー比は、既設定の範囲内で増加していて減少することを繰り返して変更される。デューティー比が変更されることにより、コイルに供給される電力の大きさが変更される。PWM信号のデューティー比が大きくなることにより、コイルに供給される電力の大きさが大きくなり、サセプタの加熱が加速される。
【0139】
しかし、デューティー比の変更方式は、前述した例に限定されず、既設定の範囲内で減少していて増加する場合はもとより、一方向に増加または減少する方式などを含んでもよい。
【0140】
図11は、一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【0141】
図11を参照すれば、段階1110において、エアロゾル生成装置は、ユーザ入力に応答してコイルにテスト電圧を印加することができる。
【0142】
エアロゾル生成装置には、コイルの設計規格に対応する共振周波数がメモリに保存されている。しかし、同一規格及び材料からなるコイルであっても、生産・組付け過程で抵抗偏差が発生して共振周波数が異なってもいる。エアロゾル生成装置は、サセプタ加熱前に変わった共振周波数を決定するために、ユーザ入力に応答してコイルにテスト電圧を印加することができる。
【0143】
段階1120において、エアロゾル生成装置は、テスト電圧の周波数が変更されることにより、変化するコイルの出力電流を測定することができる。
【0144】
段階1130において、エアロゾル生成装置は、出力電流が最大となるときの周波数を決定することができる。
【0145】
出力電流が最大となるときの周波数は、コイルの共振周波数でもある。エアロゾル生成装置は、変わった共振周波数を決定するために、コイルの出力電流を測定して、最大の出力電流を流す周波数を共振周波数と決定しうる。
【0146】
段階1140において、エアロゾル生成装置は、決定された周波数を有する動作電圧をコイルに印加することができる。
【0147】
エアロゾル生成装置は、決定された周波数を有する動作電圧をコイルに印加することで、コイルに最大の出力電流を流せる。共振周波数ではない周波数を有する交流電圧がコイルに印加されるときと比べて、エアロゾル生成装置が共振周波数を有する動作電圧をコイルに印加する場合には、同じ電力がコイルに供給されても、共振によってさらに大きい出力電流がコイルに流れる。これにより、コイルによって発生する磁場の強度も大きくなり、サセプタが目標温度プロファイルによっても加熱される。
【0148】
図12は、一実施例による図11のエアロゾル生成装置を制御する方法をさらに具体的に示すフローチャートである。
【0149】
図12を参照すれば、段階1210において、エアロゾル生成装置は、PWM信号を用いてコイルにテスト電圧を印加することができる。
【0150】
具体的に、エアロゾル生成装置は、バッテリから直流電圧を供給されて直流電圧のPWM信号を発生させる。エアロゾル生成装置は、PWM信号を交流電圧に変換し、コイルに交流電圧を印加することができる。
【0151】
段階1220でエアロゾル生成装置は、コイルに印加されるテスト電圧の周波数を既設定の範囲内で変更することができる。
【0152】
エアロゾル生成装置が発生させるPWM信号は、固定電圧でもあり、PWM周波数が変更される信号でもある。制御部が周波数を変更する既設定の範囲は、コイルの設計規格によって異なってもいる。例えば、コイルの設計規格による共振周波数が300kHzである場合、制御部が周波数を変更する既設定の範囲は、280kHz~320kHzでもある。但し、これは、一実施例に過ぎず、制御部が周波数を変更する既設定の範囲は、それに限定されない。
【0153】
段階1230において、エアロゾル生成装置は、コイルの出力電流を測定することができる。
【0154】
コイルに印加される交流電圧の周波数が変更されることにより、コイルに流れる出力電流が変わる。エアロゾル生成装置は、フィードバック回路を用いて、コイルに印加される交流電圧の周波数が変更されることにより、持続的に変わるコイルの出力電流を制御部に伝達することができる。
【0155】
段階1240において、エアロゾル生成装置は、測定された出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値以上であるか否かを判断する。エアロゾル生成装置は、段階1240の結果に基づいて、コイルに供給される電力を制御することができる。
【0156】
出力電流の基準値は、エアロゾル生成装置が正常動作するために要求されるコイルに流れる出力電流の最小値でもある。出力電流の基準値は、エアロゾル生成装置の設計規格に基づいて設定される。エアロゾル生成装置が測定された出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値未満であると判断する場合、加熱モードに進入せず、コイルに電力の供給を中断することができる。また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の動作が不可能であるという通知を出力してもよい。エアロゾル生成装置は、コイルが有効ではなく、動作が不可能であるという情報をユーザに認知させることで、エアロゾル生成装置の交換を誘導することができる。
【0157】
エアロゾル生成装置が測定された出力電流の最大値が既設定の出力電流の基準値以上であると判断する場合、段階1250に進めることができる。段階1250において、エアロゾル生成装置は、出力電流が最大となるときの周波数を決定することができる。決定された周波数は、コイルの共振周波数でもある。
【0158】
段階1260において、エアロゾル生成装置は、決定された周波数を有する動作電圧をコイルに印加することができる。エアロゾル生成装置は、テストモードから加熱モードに切り替えることで、サセプタの加熱を開始する。
【0159】
制御部12、蒸気化器14、またはMCU621のように図面においてブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落では、「構成要素」と総称する)のうち、少なくとも1つは、一実施例によって、前述した個別的な機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウエア構造によって具現されうる。例えば、このような構成要素のうち、少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じて個別的な機能を行うメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような直接回路構造を用いてもよい。また、かような構成要素のうち、少なくとも1つは、特定の論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令語を含むモジュール、プログラム、またはコードの一部によって具体的に具現され、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によって実行されうる。また、このような構成要素のうち、少なくとも1つは個別的な機能を処理する中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、プロセッサによっても具現される。そのような構成要素の2つ以上は、全ての動作または組み合わせられた2つ以上の構成要素の機能を行う1つの単一構成要素によっても組み合わせられる。また、このような構成要素のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、そのような構成要素のうち、他の1つによっても行われる。また、前述したブロック図にバスが図示されていないにしても、構成要素間の連結は、バスを通じて行われる。前述した例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサを行うアルゴリズムによっても具現される。これに付け加えて、ブロックまたは処理段階によって表現される構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理のための任意の数の関連技術を用いてもよい。
【0160】
前述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載の内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12