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特許7137653寸法閾値を超えて延在しているアイテムを検出する検出器を有する自動格納及び取得システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】寸法閾値を超えて延在しているアイテムを検出する検出器を有する自動格納及び取得システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
B65G1/00 511H
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021035767
(22)【出願日】2021-03-05
(62)【分割の表示】P 2019506159の分割
【原出願日】2017-08-03
(65)【公開番号】P2021098610
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】62/370,912
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509196718
【氏名又は名称】オペックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンチ、 クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】デューイット、 ロバート、 アール.
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ、 ウィリアム、 エル.
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522492(JP,A)
【文献】特開平10-120112(JP,A)
【文献】特開昭62-299701(JP,A)
【文献】特開2013-086891(JP,A)
【文献】特開平09-030614(JP,A)
【文献】特開2010-023950(JP,A)
【文献】特開2003-042732(JP,A)
【文献】特開平10-023465(JP,A)
【文献】特開2003-292117(JP,A)
【文献】米国特許第05903355(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の目的地領域と、
アイテムを前記目的地領域へ運搬する、又は前記目的地領域からアイテムを取得する、経路を移動する複数の車両と、
前記複数の車両の移動を制御する手段と、
前記複数の車両のいずれかに載っているアイテムが、前記車両に対する所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出する手段と、を備え、
前記検出する手段が、前記車両が移動する前記経路に隣接して配置され、
前記検出する手段が、複数の深さデータセットを取得可能であり、
各深さデータセットが、前記検出する手段から前記車両および/または前記車両の運搬物への距離を示し、前記複数の深さデータセットを前記車両と前記車両の運搬物とを有する目標領域の3次元画像の生成に使用可能であり、
前記制御する手段が、アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると前記検出する手段が判断することに応答して前記車両の動作を制御する、材料取り扱いシステム。
【請求項2】
アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると前記検出する手段が判断することに応答して、前記制御する手段が、前記アイテムが前記寸法閾値を超えて突出しなくなるまで前記車両の前進を停止させる、請求項1に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項3】
前記検出する手段が、構造化光の3次元スキャナを含み、
前記検出する手段が、光パターンを投射可能なエミッタと、前記エミッタから離間した撮像要素と、を含み、
前記撮像要素が、前記目標領域に放射された前記光パターンを検出可能な、請求項1または請求項2に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項4】
前記検出する手段が、前記車両の上面に略平行な平面を定義する3つの基準点を識別する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の材料取り扱いシステム。
【請求項5】
前記平面が、水平に対してある角度をなす、請求項4に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項6】
前記検出する手段が、前記定義された平面を用いることで前記所定の高さを超えて延在しているアイテムを示す深さデータを識別する、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の材料取り扱いシステム。
【請求項7】
前記車両が前記経路に沿って移動する際に、前記車両が前記検出する手段の近傍を通過するように、前記検出する手段が、配置されている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の材料取り扱いシステム。
【請求項8】
複数の目的地領域と、
アイテムを前記目的地領域へ運搬する、又は前記目的地領域からアイテムを取得する、経路を移動する複数の車両と、
前記複数の車両の移動を制御する手段と、
前記複数の車両のいずれかに載っているアイテムが、前記車両に対する所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出する手段であって、
前記検出する手段が、前記車両が移動する前記経路に隣接して配置され、
前記検出する手段が、複数の深さデータセットを取得可能であり、
各深さデータセットが、前記検出する手段から前記車両および/または前記車両の運搬物への距離を示し、
前記複数の深さデータセットを、前記車両と前記車両の運搬物とを有する目標領域の3次元画像の生成に、使用可能である、検出する手段と、
前記車両を案内する軌道であって、前記目的地領域が、前記軌道のどちらかの側に配置されており、
前記軌道が、前方軌道と、対向する後方軌道と、前記前方軌道と前記後方軌道との間の通路とを含む、軌道と、を備え、
アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると前記検出する手段が判断することに応答して、前記制御する手段が、前記車両の動作を制御する、材料取り扱いシステム。
【請求項9】
採取所が、前記通路の端部に位置し、
前記検出する手段が、前記前方軌道と前記後方軌道との間に配置されている、請求項8に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項10】
前記検出する手段が、前記採取所に隣接して配置され、
前記目標領域が、前記採取所内で前記車両が停止する位置である、請求項9に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項11】
複数の目的地領域と、
アイテムを前記目的地領域へ運搬する、又は前記目的地領域からアイテムを取得する、経路を移動する複数の車両と、
前記車両上のアイテムが、前記車両に対する所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを、複数の深さデータセットを取得することで検出する検出する手段と、を備え、
各深さデータセットが、前記検出する手段から前記車両への距離または前記検出する手段から前記車両の運搬物への距離を示し、
前記複数の深さデータセットを、前記車両と前記車両の運搬物とを有する目標領域の3次元画像の生成に、使用可能であり、
前記検出する手段が、前記車両が移動する前記経路に隣接して配置され、
前記検出する手段が、前記車両が前記経路に沿う位置にある際に、前記車両の1つへ光源を投射するエミッタと、
前記車両へ投射された光を検出するように構成されている撮像要素と、前記検出する手段から前記複数の深さデータセットを受け取り、前記車両上の要素が前記車両から突出している距離を判断するように構成されている画像プロセッサと、を備え、
アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると前記画像プロセッサが判断することに応答して、前記経路に沿う前記車両の移動を変更する、材料取り扱いシステム。
【請求項12】
前記寸法閾値が、前記車両より上の高さである、請求項11に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項13】
アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると前記画像プロセッサが判断することに応答して、前記アイテムが前記寸法閾値を超えて突出しなくなるまで前記経路に沿う前記車両の移動を停止させる、請求項11又は請求項12に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項14】
複数の目的地領域と、
アイテムを前記目的地領域へ運搬する、又は前記目的地領域からアイテムを取得する、経路を移動する複数の車両と、
前記複数の車両の移動を制御する手段と、
アイテムが前記車両の前記経路内へ延在しているかどうかを検出する手段と、を備え、
前記検出する手段が、前記車両が移動する前記経路に隣接して配置され、
前記検出する手段が、複数の深さデータセットを取得可能であり、
各深さデータセットが、前記検出する手段から前記車両への距離または前記検出する手段から前記車両の運搬物への距離を示し、
前記複数の深さデータセットを、前記車両と前記車両の運搬物とを有する目標領域の3次元画像の生成に、使用可能であり、
アイテムが、前記経路内へ突出していると前記検出する手段が判断することに応答して、前記制御する手段が、前記車両の動作を制御する、材料取り扱いシステム。
【請求項15】
アイテムが前記車両のいずれかの前記経路内へ突出していると前記検出する手段が判断することに応答して、前記アイテムが前記車両の前記経路内へ突出しなくなるまで、前記制御する手段が、前記車両の前進を停止させる、請求項14に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項16】
複数の目的地領域にアイテムを格納する、及び/又は前記複数の目的地領域からアイテムを取得する、材料を取り扱う方法であって、
経路に沿って複数の車両の移動を制御するステップであって、前記車両の移動を制御することで、前記目的地領域へアイテムを運搬する、又は前記目的地領域からアイテムを取得する、経路に沿って車両の移動を制御するステップと、
前記複数の車両のいずれかに載っているアイテムが、前記車両に対する所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出する、アイテムの延在を検出するステップと、を含み、
前記アイテムの延在を検出するステップが、複数の深さデータセットを取得するステップを含み、
各深さデータセットが、前記検出する手段から前記車両への距離または前記検出する手段から前記車両の運搬物への距離を示し、
前記車両の移動を制御するステップが、前記寸法閾値を超えてアイテムが突出していると検出することに応答して前記車両を制御するステップを含む、材料を取り扱う方法。
【請求項17】
前記複数の深さデータセットを使用するステップを含み、前記複数の深さデータセットを使用することで、前記車両と前記車両の運搬物とを有する目標領域の3次元画像を生成する、請求項16に記載の材料を取り扱う方法。
【請求項18】
前記寸法閾値が、前記車両または前記車両の運搬物より上の高さである、請求項16又は請求項17に記載の材料を取り扱う方法。
【請求項19】
前記制御するステップが、アイテムが前記寸法閾値を超えて突出していると検出することに応答して前記アイテムが前記寸法閾値を超えて突出しなくなるまで前記車両を前記経路に沿って停止させるステップを含む、請求項16乃至請求項18のいずれかに記載の材料を取り扱う方法。
【請求項20】
前記アイテムの延在を検出するステップが、前記車両の上面に略平行な平面を定義する3つの基準点を識別するステップを含む、請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の材料を取り扱う方法。
【請求項21】
前記アイテムの延在を検出するステップが、前記平面を用いるステップを含み、前記平面を用いることで、前記所定の高さを超えて延在しているアイテムを示す深さデータを識別する、請求項20に記載の材料を取り扱う方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2016年8月4日に出願された米国仮特許出願第62/370,912号の優先権を主張し、その全開示を本明細書で引用により援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、1つ又は複数の物体を第1の位置から第2の位置に搬送するための材料取り扱いシステムに関し、より詳細には、搬送経路に沿う1つ又は複数の寸法制約が課される材料取り扱いシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
アイテムを仕分け及び取得して顧客の注文を履行するには、手間と時間がかかる場合がある。
多くの大規模組織は、無数かつ多様なアイテムを格納し取得する広大な格納領域を有している。
数百又は数千の格納領域に対してアイテムを手動で仕分け及び取得するには、膨大な労力を要する。
多くの分野では、人件費を削減し、顧客注文の履行に必要な時間を減らして顧客サービスを向上させるために、自動採取が開発されている。
しかし、材料を自動で取り扱う既知のシステムは、きわめて高価であるか、又は、その有効性を損なう制限を含んでいる。
よって、さまざまな材料取扱い用途で、アイテムを自動的に仕分け及び/又は取得することが求められている。
【0004】
例として、いくつかの自動化システムは、複数の独立動作する車両を含む搬送システムを利用している。
このような搬送システムでは、車両が搬送するアイテムが、車両の縁からはみ出しているか、又は、一定の高さを超えて上方に延在している場合、問題が生じる。
【0005】
さらに、自動化システムは、作業者が車両からアイテムを取得するための採取所を含んでもよい。
作業車がアイテムを取得している間に車両が採取所から移動する場合、アイテムが損傷したり、操作者がけがをしたりする可能性がある。
よって、操作者がアイテムを採取している間、車両の採取所からの移動を防ぐことが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
上記に鑑み、本発明の材料取り扱いシステムは、アイテムを取り扱う方法及び装置を提供する。
この材料取り扱いシステムは、複数の格納場所又は目的地領域と、アイテムをそれらの目的地領域へ運搬する、又はそれらの目的地領域からアイテムを取得する、複数の運搬車両とを含む。
この運搬車両は、目的地領域への経路をたどる。
【0007】
本発明は、複数の目的地領域と、複数の車両と、中央制御装置と、前記複数の車両のいずれかに載っているアイテムが所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出する手段と、を有する材料取り扱いシステムを提供する。
一実施形態によれば、前記寸法閾値が、車両より上の高さであってもよい。
【0008】
前記車両が、アイテムを目的地領域へ運搬する、又は、前記目的地領域からアイテムを取得するためのものであってもよい。
【0009】
前記車両が、経路に沿って移動してもよい。
【0010】
前記中央制御装置が、複数の車両の移動を制御可能であってもよい。
【0011】
前記検出する手段が、車両が移動する経路に隣接して配置されてもよい。
【0012】
前記検出する手段が、目標領域の3次元表現(3次元画像)を示す深さデータセットを生成可能であってもよい。
【0013】
アイテムが寸法閾値を超えて突出していると、検出する手段が判断することに応答して、中央制御装置が、車両の動作を制御してもよい。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、複数の目的地領域と、複数の車両と、アイテムが所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出する検出アセンブリと、を有する材料取り扱いシステムを提供する。
【0015】
前記検出アセンブリが、車両が移動する経路に隣接して配置されてもよい。
【0016】
前記検出アセンブリが、車両が経路に沿う位置にある際に、車両の1つへ光源を投射するエミッタを含んでもよい。
【0017】
検出アセンブリが、車両へ投射された前記光を検出するように構成されている撮像要素も含んでもよい。
【0018】
また、材料取り扱いシステムは、検出アセンブリから画像データを受け取り、車両上の要素が車両より上に突出している高さを判断するように構成されている画像プロセッサを含んでいてもよい。
【0019】
材料取り扱いシステムは、アイテムが所定の寸法閾値を超えて突出していると、画像プロセッサが判断することに応答して、車両の移動を変更するように構成されてもよい。
【0020】
さらに別の態様によれば、本発明は、アイテムを格納又は取得する方法を提供する。
この方法は、目的地領域にアイテムを運搬する、又は、目的地領域からアイテムを取得する、車両の移動を制御するステップを含む。
前記方法は、複数の車両のいずれかに載っているアイテムが、所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出するステップも含む。
一実施形態によれば、寸法閾値は、車両より上の高さであってもよい。
【0021】
前記アイテムの延在を検出するステップが、目標領域の3次元表現を示す深さデータセットを生成するステップを含んでもよい。
【0022】
前記車両の移動を制御するステップには、アイテムが所定の寸法閾値を超えて突出していると検出することに応答して、車両が制御されるステップが含まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上述した概要と本実施形態の詳細な説明とは、添付の図面を参照しながら読むことで最良に理解されるであろう。
【0024】
図1は、仕分け取得装置の斜視図である。
【0025】
図2は、図1に示す仕分け取得装置の採取所を示す一部拡大した斜視図である。
【0026】
図3は、図2に示す採取所の一部拡大した端面図である。
【0027】
図4は、図2に示す採取所を拡大した平面図である。
【0028】
図5は、図2に示す採取所を拡大した平面図である。
【0029】
図6は、1つ又は複数の実施形態による、予め定義された境界を越えて延在しているアイテムを検出する検出アセンブリを一部拡大した斜視図であり、検出アセンブリは、図1に示すような仕分け取得装置とともに使用可能である。
【0030】
図7Aは、本開示と一致する実施形態による、コンベヤのアイテム支持面上の基準点の位置を判断した後の、3次元空間内のベース面及び基準面の判断を示す斜視図である。
【0031】
図7Bは、1つ又は複数の実施形態による、高さ超過状態(又は他の寸法制約違反)が検出されるかどうかに基づく材料取り扱いシステムの動作方法を示すフロー図である。
【0032】
図7Cは、図2に示す採取所での運搬車両の高さ検出解析である。
【0033】
図8は、1つ又は複数の実施形態による、図1に示す仕分け取得装置で使用する軌道システムの側面図である。
【0034】
図9は、図8に示す軌道システムの軌道を一部拡大した斜視図である。
【0035】
図10は、図8及び図9の軌道システムの軌道に関連して示される、運搬車両の車輪の拡大図である。
【0036】
図11は、図1に示す仕分け取得装置の一部を形成可能な運搬車両の、一実施形態の上面斜視図である。
【0037】
図12は、図2に示す採取所を部分的に分解した拡大斜視図である。
【0038】
図13は、図1に示す仕分け取得装置の高さ超過検出器の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1を参照すると、アイテムを格納及び/又は取得するように適用された材料取扱い装置が、全般的に10で示されている。
材料取扱い装置10は、第1の位置と第2の位置との間の搬送経路に沿ってアイテムを輸送するためのコンベヤネットワークを含む。
本開示と一致する一部の実施形態では、第1の位置は、複数の格納場所100の中から選択可能な格納場所であり、第2の位置は、物体輸送所310(採取所)である。
物体輸送所310でアイテムは、採取され、仕分けられ、かつ/又は容器(トート)15への搬入出が可能である。
コンベヤネットワークは、アイテム(又は、アイテムを含むトート15)を搬送経路に沿って移動させる。
1つ又は複数の実施形態によるコンベヤネットワークには、1つ以上のベルトコンベヤ、1つ以上のローラーコンベヤ、及び/又は1つ以上の物体輸送器具若しくは車両が含まれてもよい。
それらは、搬送経路の少なくとも一部に沿って、(かつオプションで搬送経路の内外へ)アイテム又はトート15を把持、支持、及び/又は移動させるよう用いられる。
搬送経路に沿う1つ又は複数の場所で、最大高さ及び/又は幅方向のクリアランスのような寸法制約があってもよい。
本開示と一致する実施形態は、1つ又は複数の寸法制約が満足されているかどうかを判断し、かつ、たとえば、アイテム又はアイテムの積み重ねが寸法制約に違反した際に、適切な動作を開始する材料取り扱いシステム及び方法に関する。
【0040】
一部の実施形態において、コンベヤネットワークは、複数の運搬車両又は貨車200を含む。
貨車200は、互いに対して独立して移動可能であり、それぞれの貨車200が、搬送経路に近接する複数の格納場所100のいずれかへアイテムを運搬するように構成され、かつ/又は、そこからアイテムを取得するように構成されている。
その後、1つ又は複数の取得されたアイテムを貨車200から中間的な又は最終的な目的地へ移送するために、貨車200のいずれかが、それらのアイテムを物体輸送所310に運搬してもよい。
アイテムの輸送後、貨車200は、格納領域に戻って、移送されていないアイテムを運搬してもよい。
そこで、貨車200は、別の格納領域に進み、次に取得する予定のアイテムを取得してもよい。
本開示と一致する他の実施形態では、搬送経路の少なくとも一部に沿って、コンベヤネットワークの別の要素が、運搬するアイテムを格納場所へ、又は格納場所から移動してもよい。
コンベヤネットワークの別の要素とは、アイテム又はアイテムを含むトートを把持及び/又は支持するように用いられている、ベルトコンベヤ、ローラーコンベヤ又は他の構造体等である。
コンベヤネットワークが車両200を含む場合、搬送経路の一部は、無軌道であってもよい。
あるいは、搬送経路の全部又は一部は、車両200を案内する軌道110を含んでもよい。
例えば、軌道110は、水平軌道区間135と、垂直軌道区間130とを含んでもよく、それらは、図8乃至図12に示すような垂直ループを共通して形成する。
しかし、軌道110の構成は、用途によって多様であってもよいことを理解する必要があり、上述のように、システムは、軌道110を必要とせずに車両200を案内してもよい。
例えば、車両200は、地面に沿って移動してもよく、システムは、地面に沿って各車両200の移動方向を独立制御し、指定された経路に沿って各車両200を操縦してもよい。
【0041】
図8乃至図12に示されている軌道110は、水平な上方レール135と、リターン区間として機能する水平な下方レール140とを含む。
上方レール135と下方レール140のリターン区間との間に、多くの平行な垂直軌道区間130が延在している。
本例では、複数の垂直軌道区間130の間に格納領域100が列状に配置されている。
【0042】
図8及び図12に示すように、出力所310は、湾曲軌道315を備えた採取所を含む。
この湾曲軌道315は、トート15の列から外側に湾曲しており、貨車200によって搬送されるトート15に作業者が容易にアクセスできるようになっている。
採取所310を離れた後、貨車200は、2組の垂直軌道区間130に沿って上方に移動し、次に、2つの上方レール135に沿って水平に移動する。
貨車200は、その貨車200が搬送しているアイテムの格納領域を含む適切な列に到達するまで、上方レール135に沿って移動する。
図9を参照すると、軌道110は、貨車200を垂直軌道区間130に送るゲート180を含んでいてもよく、貨車200は、適切な格納領域で停止してもよい。
その後、貨車200は、アイテムを格納領域内へ排出してもよい。
【0043】
アイテムを排出した後、貨車200は、第2の格納場所に移動して、採取所310に運ぶ次のアイテムを取得してもよい。
アイテムを取得した後、貨車200は、列の垂直軌道区間130を下方に移動して下方レール140に到達してもよい。
ゲート180が貨車200を下方レール140に沿って送ってもよく、貨車200は、下方レール140をたどって採取所310に戻って別のアイテムを運搬してもよい。
【0044】
貨車200は、それぞれが軌道110に沿って移動するための車載電源と車載モーターとを含んでもよい、準自動型の車両である。
また、貨車200は、アイテムの貨車200への積み込みと貨車200からの排出とを行うための積み込み/積み下ろし機構210を含んでもよい。
【0045】
材料取り扱いシステム10は、複数の貨車200を含むため、貨車200どうしが衝突しないように、貨車200の位置が制御される。
一実施形態では、材料取り扱いシステム10は、各貨車200の位置を追跡し、各貨車200に制御信号を提供して貨車200の軌道に沿った進行を制御する中央制御装置450を使用する。
中央制御装置450は、ゲート180など、軌道に沿ったさまざまな要素の動作も制御してもよい。
あるいは、貨車200がゲートを動作してもよい。
【0046】
図1を参照すると、材料取り扱いシステム10は、目的地領域や、アイテムを受け取る格納場所100の列を含んでもよい。
格納場所100は、列状に配置されていてもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、貨車200を格納場所100に案内する軌道110を含んでもよい。
以下の説明では、材料取り扱いシステム10は、格納領域100との間でアイテムを運搬及び/又は取得するものとして説明される。
アイテムは、アイテムが単独で格納場所100に格納されるように構成されてもよい。
ただし、典型的な動作環境では、アイテムは、コンテナやプラットフォームなどの格納機構の中又は上に格納される。
例えば、アイテムは、トート15と呼ばれるコンテナに格納されてもよい。
トート15は、蓋のないカートン又は箱のようなものであってもよく、操作者は、採取所310でトート15に容易に手を伸ばしてアイテムを取得できる。
本材料取り扱いシステム10は、トート15を使用するものとして説明されるが、パレットや類似のプラットフォームなど、さまざまな格納機構の任意のものを使用できることを理解する必要がある。
【0047】
格納場所100は、さまざまな構成のいずれかであってもよい。
たとえば、最も単純な構成は、アイテムを支持する棚又はアイテムを保持するコンテナである。
同様に、格納場所100は、1つ又は複数のブラケットを含んでもよく、ブラケットは、格納場所100に格納機構を、格納機構と連動して支持する。
たとえば、本例では、格納場所100は、トート15の1つを支持する棚ブラケットに似たブラケットを含む。
【0048】
図1を参照すると、採取所と呼ばれる少なくとも1つの出力所310が、格納場所100に隣接して設けられる。
貨車200は、格納場所100からトート15を取得し、そのトート15を採取所310に運搬する。
採取所310では、操作者が1つ又は複数のアイテムをトート15から取得できる。
操作者がアイテムを取得した後、貨車200は、トート15を採取所310から移動し、いずれかの格納場所に戻す。
【0049】
図1及び図3を見てわかるように、軌道110は、前方軌道115と後方軌道120とを含む。
前方軌道115及び後方軌道120は、軌道110に沿って貨車200を協調して案内する平行な軌道である。
図11に示すように、各貨車200は、2つの前方車輪と2つの後方車輪の計4つの車輪220を含む。
前方車輪は、前方軌道115に乗り、後方車輪は、後方軌道120に乗る。
前方軌道115及び後方軌道120は、貨車200の前方車輪及び後方車輪を支持する、同様に構成された対向する軌道である。
よって、前方軌道115及び後方軌道120のいずれか一方の説明は、対向する前方軌道115又は後方軌道120にも当てはまる。
【0050】
図10を参照しながら、軌道110について詳細に説明する。
しかし上述したように、図示の軌道110は、システムと共に使用可能な軌道にすぎないことを理解する必要がある。
正確な構成は、用途に応じて様々であってもよく、そして、上記のように、材料取り扱いシステム10は、軌道を含まなくてもよい。
【0051】
軌道110は、外壁152と、この外壁152から平行に離間する内壁154とを含んでもよい。
さらに、軌道110は、内壁154と外壁160との間に延在している後壁160を含んでもよい。
図10からわかるように、外壁152と、内壁154と、後壁160とは、溝を形成する。
貨車200の車輪220は、この溝に乗る。
【0052】
図9及び図10を参照すると、軌道110は、駆動面156と、案内面158とを含んでもよい。
駆動面156は、貨車200に積極的に係合して、貨車200を軌道に沿って移動させる。
案内面158は、貨車200を案内して、貨車200と駆動面156との動作可能な係合を維持する。
本例では、駆動面156は、以下に説明するように、貨車200の車輪に係合するラックを形成する一連の歯で形成される。
案内面158は、ラック156に隣接する略平坦な面である。
ラック156は、軌道110の約半分に延在し、案内面158は、軌道110の残り半分に延在している。
図9及び図10に示すように、ラック156は、軌道110の内壁154に形成されてもよい。
対向する外壁152は、内壁154の案内面158に対して平行な略平坦な面であってもよい。
【0053】
上述したように、軌道110は、水平な上方レール135と水平な下方レール140との間に延在している複数の垂直軌道区間130を含んでもよい。
軌道110のいずれかの垂直軌道区間130といずれかの水平軌道区間135とが交差する各区画に、交差部170が形成されてもよい。
各交差部170は、湾曲した内側分岐172と、略直線の外側分岐176とを含んでもよい。
垂直軌道区間130が下方レール140と交差する部分は、同様の交差部を含んでいるが、これらの交差部は、逆になっている。
【0054】
各交差部170は、滑らかに湾曲した内側レース182と、軌道110の駆動面156の歯に対応する歯を備えた平坦な外側レース184とを有する枢動可能なゲート180を含んでよい。
ゲート180は、第1の位置と、第2の位置との間で枢動してもよい。
第1の位置では、ゲート180は、閉じられ、ゲートの直線状の外側レース184が交差部170の直線状の外側分岐176と揃う。
第2の位置では、ゲート180が開き、ゲート180の湾曲した内側レース182が交差部170の湾曲した内側分岐172と揃う。
【0055】
よって、閉位置では、ゲート180が下方に枢動して、ゲート180の外側レース184が駆動面156と揃う。
この位置では、ゲート180は、貨車200が湾曲部で下方に曲がるのを阻止し、貨車200は、交差部170を直進する。
これに対し、図9に示すように、ゲート180が開位置に枢動した場合、ゲート180は、貨車200が交差部170を直進するのを阻止する。
代わりに、ゲート180の湾曲した内側レース182が内側分岐172の湾曲面と揃い、貨車200は、交差部170で曲がる。
言い換えると、ゲート180が閉じている場合、交差部170の位置に応じて、貨車200は、上方レール135又は下方レール140に沿って交差部170を直進する。
ゲート180が開いている場合、交差部170の位置に応じて、ゲート180は、貨車200を垂直レールから水平レールに、又は水平レールから垂直レールに送る。
【0056】
上述した説明では、ゲート180により、いずれかの貨車200が同じ方向(たとえば、水平)に進み続けるか、又は、一方向(たとえば、垂直)に曲がる。
ただし、一部の用途では、システムは、垂直列と交差する3つ以上の水平レールを含んでもよい。
そのような構成では、貨車200を複数の方向に曲がらせる異なるレールを含むことが望ましい場合がある。
たとえば、貨車200が列を下方に移動している場合、ゲート180によって貨車200を水平レールに沿って左方向又は右方向に曲がらせるか、又は、垂直列に沿って直進させることができる。
加えて、一部の例では、貨車200は、上方に移動してもよい。
【0057】
ゲート180は、中央制御装置450から受信される信号により制御されてもよい。
詳細には、各ゲート180は、ゲート180を開位置から閉位置に、又は、その逆に移動させるアクチュエータに接続されてもよい。
さまざまな制御可能要素の任意のもので、ゲート180を移動させることができる。
たとえば、アクチュエータは、直線的に移動可能なピストンを備えたソレノイドであってもよい。
【0058】
あるいは、ゲート180は、貨車200上のアクチュエータによって制御されてもよい。
例えば、ゲート180は、貨車200上のアクチュエータに応答する受動アクチュエータを含んでもよい。
貨車200のアクチュエータがゲート180のアクチュエータに係合すると、ゲート180は、第1の位置から第2の位置に移動してもよい。
【0059】
上述した説明では、材料取り扱いシステム10は、複数の格納領域100を含むものとして説明されている。
しかし、この材料取り扱いシステム10は、格納場所だけでなく、さまざまな種類の目的地を含んでもよい。
たとえば、一部の用途では、目的地は、アイテムを他の場所に運ぶ出力装置であってもよい。
出力装置の一例によると、材料取り扱いシステム10は、アイテムを格納場所から異なる材料取扱いシステム又は材料処理システムに運ぶ1つ又は複数の出力コンベヤを含んでもよい。
たとえば、出力コンベヤは、処理センターにアイテムを運ぶことができる。
よって、アイテムが、処理センターに運搬されるべきものである場合、貨車200は、軌道に沿って出力コンベヤまで移動する。
出力コンベヤに到達すると、貨車200は、停止し、アイテムを出力コンベヤに移送する。
さらに、材料取り扱いシステムは、出力コンベヤ等の出力装置を複数含むように構成されてもよい。
【0060】
一部の実施形態では、材料取り扱いシステムは、格納場所に加えて、複数の出力コンベヤを含んでもよい。
他の実施形態では、材料取り扱いシステムは、コンベヤ等の複数の出力装置のみを含んでもよく、さまざまな出力装置にアイテムを仕分けるように構成される。
<運搬車両>
【0061】
図11を参照しながら、運搬車両200の細部について、詳細に説明する。
各運搬車両200は、車載電源を含む車載駆動システムを備えてもよい準自動型の貨車である。
各貨車200は、運搬用のアイテムの積み込み及び積み下ろし機構210も備えてもよい。
オプションで、各貨車200は、ゲート180を選択的に作動させて車両200を選択的に方向転換させるゲートアクチュエータ230も備える。
【0062】
貨車200は、貨車200へのアイテムの積み込みと、貨車200からいずれかの容器へのアイテムの排出のためのさまざまな機構のいずれかを含んでもよい。
加えて、積み込み/積み下ろし機構210は、特定の用途向けに特別に調整されてもよい。
本例では、積み込み/積み下ろし機構210は、格納場所100に格納されたアイテムに係合し、アイテムを貨車200に引き込むように構成された移動可能要素を含んでもよい。
本例では、貨車200は、格納場所100のトート15に向かって移動するように構成された移動可能要素を含む。
トート15に係合した後、移動可能要素は、格納場所100から離れ、それによってトート15を貨車200に引き込む。
【0063】
図11を参照すると、本例では、積み込み/積み下ろし機構210は、移動可能なロッド又はバー212を含んでもよい。
バー212は、貨車200の幅にまたがって延在し、貨車200の側面に沿って延在している駆動チェーン214に両端が連結されていてもよい。
モーターが駆動チェーン214を駆動して、駆動チェーン214を格納場所100に向かう方向又は離れる方向に選択的に動かしてもよい。
たとえば、貨車200が格納場所100に近づいてトート15を取得するとき、駆動チェーン214がロッドを格納場所100に向けて駆動し、それによって、トート15の底部の溝又は切り欠きにバー212を係合させることができる。
その後、駆動チェーン214は、反転し、それによって、バー212が格納場所100から移動する。
バー212は、トート15の切り欠きに係合しているため、バー212が格納場所100から離れるときに、トート15が貨車に引き込まれる。
これにより、積み込み/積み下ろし機構210は、アイテムを格納場所100から取得できる。
同様に、アイテムを格納場所100に格納するには、積み込み/積み下ろし機構210の駆動チェーン214が、アイテムが格納場所100に位置するまで、バー212を格納場所に向けて駆動する。
その後、貨車200は、下方に移動してバー212をトート15から係合解除し、それによって、トート15を解放する。
【0064】
加えて、材料取り扱いシステム10は、軌道110の前方側に隣接する格納場所100の列と、軌道110の後方側に隣接する格納場所100の同様の列とを備えているため、積み込み/積み下ろし機構210は、前方側の列と後方側の列とでアイテムを取得及び格納するように動作可能である。
詳細には、図11に示すように、積み込み/積み下ろし機構210は、相互に離間した2本のバー212を含む。
一方のバー212は、格納場所100の前方側の列のトート15と係合でき、他方のバー212は後方側の列のトート15と係合できる。
【0065】
貨車200は、貨車200を軌道110に沿って運ぶために使用される4つの車輪220を備えてもよい。
車輪220は、2つの車輪が貨車200の前端に沿って設置され、2つの車輪が貨車200の後端に沿って設置されるように、2本の平行に離間した軸215に取り付けられてもよい。
【0066】
貨車200は、車輪220を駆動する駆動モーターを備えてもよい。
より詳細には、駆動モーターは、軸215に動作可能に連結されて軸を回転させ、それによって車輪の歯車222を回転させる。
貨車200の駆動システムは、貨車200を軌道に沿って同期的に駆動するように構成されてもよい。
本例では、駆動システムは、各歯車222が同期的な態様で駆動されるように構成されている。
【0067】
駆動モーターは、モーターの回転を検出して貨車200が移動した距離を判断できるセンサを含んでもよい。
歯車222は、軸215に直結しており、それらの軸215は、駆動モーターに同期的に連結しているため、貨車200が前方に移動する距離を、駆動モーターが動いた距離に対応するように正確に制御することができる。
よって、決定された経路に沿って貨車200が移動した距離は、その間に、貨車200の駆動モーターが回転した距離に依存する。
駆動モーターの回転を検出するため、駆動モーターは、モーターの回転量を検出するセンサを含んでもよい。
【0068】
貨車200は、貨車200を駆動するために必要な電力を提供するレール沿いの接触子などの、外部の電源により動かすこともできる。
しかし、本例では、貨車200は、駆動モーターと積み込み/積み下ろし機構210を駆動する駆動モーターとの両方に必要な電力を提供する車載電源を備える。
さらに、本例では、車載電源は、再充電可能である。
車載電源は、再充電可能な電池等の電源を含んでもよいが、本例では、車載電源は、1つ又は複数の電気二重層キャパシタで構成される。
電気二重層キャパシタは、きわめて高いアンペア数を受け入れて電気二重層キャパシタを再充電できる。
高い電流を使用することで、電気二重層キャパシタを数秒以下等の極めて短い時間で再充電できる。
【0069】
貨車200は、車載電源を再充電するための1つ又は複数の接触子を含む。
本例では、貨車200は、外側に付勢されるようにばね加圧された銅ブラシ等の複数のブラシを含む。
ブラシは、充電レールと連動して、車載電源を再充電する。
【0070】
各貨車200は、アイテムが貨車200に積み込まれたことを検出する積み込みセンサを含んでもよい。
この積み込みセンサにより、アイテムが貨車200に適切に配置されることが保証される。
たとえば、積み込みセンサは、重量の変化を検出する力検出器又はアイテムの存在を検出する赤外線センサを含んでもよい。
【0071】
以下に詳しく説明するように、貨車200は、中央制御装置450から受信した信号に応じて貨車200の動作を制御するプロセッサをさらに含む。
加えて、貨車200は、貨車200が軌道110に沿って移動する際に中央制御装置450と継続的に通信できるようにする無線トランシーバを含む。
あるいは、一部の用途では、軌道110沿いに複数のセンサ又は標識を設けるのが望ましい場合がある。
貨車200は、センサ信号及び/又は標識を感知する読み取り装置と、センサ又は標識に応じて車両200の動作を制御する中央プロセッサとを含んでもよい。
<採取所>
【0072】
上述したように、材料取り扱いシステム10は、貨車200が格納場所100からアイテムを取得し、採取所310にアイテムを運ぶように構成される。
図1図3図8及び図12を参照して、採取所310について、詳しく説明する。
【0073】
材料取り扱いシステム10は、注文の履行に必要なアイテムを取得するために使用される。
注文は、異なる部署での製造工程に必要な部品等の内部注文である場合や、顧客に対して履行及び出荷される顧客注文である場合がある。
いずれの場合も、材料取り扱いシステム10は、格納場所100からアイテムを自動的に取得し、採取所310にアイテムを運んで、操作者が必要な数のアイテムをトート15から採取できるようにする。
アイテムがトート15から採取された後、貨車200は、前進し、注文に必要な次のアイテムを前進させる。
材料取り扱いシステム10は、この態様で動作を継続して、操作者が注文に必要なすべてのアイテムを採取できるようにする。
【0074】
本例では、採取所310は、格納場所100の列の一端に配置される。
しかし、複数の採取所310を軌道110に沿って配置するのが望ましい場合がある。
たとえば、第2の採取所を、格納場所100の列の他端に配置することができる。
あるいは、複数の採取所を一端に設けることもできる。
【0075】
本例では、採取所310は、貨車200が上方に移動して操作者に中身を提示し、それによって、操作者がトート15からアイテムを容易に取得できるように構成されている。
図1を参照すると、採取所310では、上方に湾曲して操作者から離間する湾曲区画315が軌道110に含まれている。
これにより、貨車200は、上方に移動し、操作者がトート15からアイテムを取り出しやすい高さで停止する。
操作者がトート15からアイテムを取り出した後、貨車200は、横方向で操作者から離間し、垂直方向で水平な上方レール135に向けて移動する。
【0076】
材料取り扱いシステム10は、貨車200が、採取所310で傾斜し、それによって操作者がトート15からアイテムを取得しやすくするように構成可能である。
たとえば、貨車200が、採取所に近づいたときに、制御装置450で、前方の車輪が停止した後も後方の車輪が移動し続けるように貨車200を制御できる。
これにより、(操作者の視点で)貨車200の後端が持ち上がる。
操作者が、アイテムをトート15から採取した後、(操作者に対して)前方の車輪が、まず移動して、貨車200を水平にする。
水平になった後、4つの車輪は、同期して駆動される。
【0077】
貨車200の動作を制御することにより貨車200を傾けることが可能だが、貨車200の車輪が、上述したように軌道110の歯にかみ合う歯付き車輪220のように、軌道110の駆動要素にしっかりと噛み合っている場合、後輪が前輪と異なる速度で駆動されると、車輪220が動かなくなる可能性がある。
よって、軌道110が可動してトート15を操作者の方へ傾けるように軌道システムを改良されてもよい。
【0078】
図8及び12を参照しながら、採取所310における軌道システムについて詳しく説明する。
格納場所の列の端部で、軌道が、システムの垂直列から外側に向けて湾曲し、採取所310の湾曲軌道315を形成する。
採取所310の軌道区画は、貨車200の前方の軸215を支持及び案内する平行な前方軌道区画318a、318bと、貨車200の後方の軸215を支持及び案内する平行な後方軌道区画320a、320bとを含む。
前方軌道区画318a、318bは、上方に垂直に延在し、次に湾曲して格納場所の垂直列に戻る。
後方軌道区画320a、320bは、前方軌道区画318a、318bと略平行であり、前方軌道区画318a、318bと略同様に湾曲する。
これにより、前方軌道区画318a、318b及び後方軌道区画320a、320bは、貨車200が湾曲軌道315に沿って移動するときに略水平な向きを維持できるように貨車200を案内する。
【0079】
本例では、後方軌道区画320a、320bは、貨車200が採取所310で停止しているときに貨車200の後方の軸を上昇させることができるように構成される。
貨車200の後方の軸を上昇させることで、貨車200のトート15が傾斜して、トート15の中身が採取作業を容易にするように操作者に提示される。
【0080】
上述したように構成される採取所310の軌道110は、以下のようにして貨車200を採取所310で傾斜させることができる。
採取所310に入った貨車200は、垂直軌道区画318a、318b及び320a、320bの途中まで上方に駆動される。
貨車200が、318a、318b及び320a、320bに沿った所定の垂直位置に達すると、中央制御装置450が、貨車200を制御して採取所310の所定の高さで貨車200を停止させる。
採取所310で停止したとき、貨車200は、全体的又は実質的に水平である。
本例では、貨車200は、貨車200の後輪220が可動軌道324の下方区画に係合するまで垂直に上昇し、貨車200の車輪220が可動軌道324の下方区画に係合した状態で停止する。
貨車200が採取所310で停止すると、可動軌道324を上方に移動することで、貨車200の後輪が上方に移動し、それによって、貨車200のトート15の後端が上方に持ち上がる。
これにより、トート15が水平方向に対して傾斜して、トート15の中身が採取所310の操作者に提示され、操作者がトート15からアイテムを容易に取り出せるようになる。
適切なアイテムをトート15から取り出したことを示す信号を操作者が材料取り扱いシステム10に提供すると、材料取り扱いシステム10は、軌道を制御して貨車200を実質的に水平な位置に下降させる。
【0081】
採取所310は、採取所310の効率を向上させるために、複数の部材を備えてもよい。
たとえば、採取所310は、操作者を支援するために、情報を表示するモニタを備えてもよい。
貨車200が採取所310に近づくときに、材料取り扱いシステム10は、注文に対してトート15から取得する必要があるアイテムの数などの情報を表示してもよい。
加えて、操作者は、複数の注文のアイテムを取得する場合があるため、材料取り扱いシステム10は、各注文に対して取得する必要があるアイテムの数に加えて、取得するアイテムの対象の注文を表示してもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、操作者が適切な数のアイテムをトート15から取得した後にトート15に残っているべきアイテムの数などの情報もまた表示してもよい。
【0082】
材料取り扱いシステム10は、操作者がアイテムを採取した後に貨車200を採取所310から自動的に前進させることができるように、アイテムがトート15から取り出されたことを感知するセンサを備えてもよい。
同様に、材料取り扱いシステム10は、操作者が適切な数のアイテムをトート15から採取した後に作動させることができる、ボタン等の手動で作動させる部材を含んでもよい。
操作者がボタンを作動させた後、材料取り扱いシステム10は、トート15を採取所310から移動させる。
【0083】
上記の説明では、材料取り扱いシステム10は、1つの注文の履行に使用される個別の数のアイテムを取得するために使用されるものとして説明されている。
操作者は、操作者に提示された1つ又は複数のトート15からアイテムを採取し、それらのアイテムを出荷用のコンテナに配置するなどしてアイテムをまとめる。
又は、複数のアイテムをまとめる代わりに、材料取り扱いシステム10は、アイテムをシステムから運び出す1つ又は複数のバッファコンベヤを含んでもよい。
操作者は、採取したアイテムを適切な順序でバッファコンベヤに配置し、バッファコンベヤは、それらのアイテムを材料取り扱いシステム10から運び出す。
<高さ超過検出>
【0084】
上述したように、材料取り扱いシステム10は、アイテムを受け取るための複数の目的地100を含む。
目的地100は、高さ、幅及び深さのような所定の特性を有してもよい。
特性は、各目的地で同じである必要はない。
しかし、この例では、特性は、目的地100ごとに既知である。
例えば、目的地の高さが分かっていてもよい。
よって、アイテムがその場所に運搬され、そのアイテムの高さが目的地100の高さを超えて延在している場合、車両200は、そのアイテムをその目的地100に運搬するのに問題があるか、又は、そのアイテムが、目的地100の端又は壁に衝突する可能性があり、それにより、はみ出したアイテム又は材料取り扱いシステム10の一部が損傷する。
例えば、材料取り扱いシステム10は、アイテムをトート15又はコンテナに格納してもよく、目的地100は、トート15を収容するように構成されていてもよい。
材料取り扱いシステム10の全体的な格納密度は、目的地100の大きさとトート15の大きさとの間の差を最小限に抑えることによって向上する。
よって、目的地100の側面とトート15の側面との間の隙間を最小にしてもよい。
よって、トート15内のアイテムがトート15の外側に確実にはみ出さないようにすることが望ましい。
【0085】
上記に鑑み、材料取り扱いシステム10は、車両200に対して所定の境界を超えて延在しているアイテムを検出する検出アセンブリ500を含んでもよい。
検出アセンブリ500は、車両200の経路に沿う様々な場所のいずれかに配置されてもよい。
この例では、検出アセンブリ500を採取所310に配置することで、車両200が採取所310にいる間に境界を超えて延在している可能性があるアイテムを監視する。
以下の説明では、検出アセンブリ500は、車両200より上の所定の高さを超えて延在しているアイテムを検出するものとして説明されている。
しかし、材料取り扱いシステム10は、車両200のどの側面(右側面、左側面、前面、後面)に対する境界を越えて延在しているアイテムを検出するように構成されてもよいと理解する必要がある。
よって、以下の説明は、高さ超過のアイテムの検出に限定することを意図するものではない。
【0086】
前述のように、材料取り扱いシステム10は、2つの軌道の間の通路を隔てて離間して配置されている前方軌道115と後方軌道120とを含む。
車両200は、通路内の軌道110に沿って移動する。
採取所310は、図3に示すように通路の端部に配置されてもよい。
そのような構成では、検出アセンブリ500を通路内に配置し、車両200が移動する経路に向けてもよい。
特に、検出アセンブリ500は、前方軌道115と後方軌道120との間の採取所310に出っ張ってもよい。
【0087】
一部の実施形態では、検出アセンブリ500は、採取所310より上の所定の高さに固定されてもよい。
このような実施形態では、車両200が採取所310で停止する際、検出アセンブリ500から車両200への距離がほぼ一定となるよう、車両200が採取所310のほぼ一定の場所で停止してもよい。
検出アセンブリ500は、検出アセンブリ500から車両200上の任意のアイテムまでの距離が所定の閾値より小さいかどうかを検出する。
検出アセンブリ500が、この距離が閾値より小さいことを検出すると、材料取り扱いシステム10は、高さ超過エラーを宣言する。
この高さ超過エラーに応答して、材料取り扱いシステム10は(視覚式若しくは聴覚式又はその両方の)信号を操作者に提供してもよい。
次に、操作者は、車両200上の1つ又は複数のアイテムを操作して、高さ超過エラーを解除してもよい。
【0088】
代替の実施形態では、検出アセンブリ500のセンサの位置が高さ超過エラーを判断する重要な根拠となってしまわないように、車両200は、採取所310に対して様々な位置で停止してもよい。
例えば、車両200は、検出アセンブリ500の位置に対して様々な場所(と、距離及び角度方向)で停止してもよい。
検出アセンブリ500の検出器は、一部の実施形態では、相対距離データを取得してもよく、この相対距離データから、アイテムの表面部分が基準面を超えて延在しているかどうか及び/又はその程度についての判断をすることができる。
一部の実施形態では、基準面は、車両200のアイテム支持面と同一平面上にあってもよく、他の実施形態では、基準面は、選択可能な又は所定の距離だけアイテム支持面からオフセットされてもよい。
【0089】
検出アセンブリ500は、取り付けアーム530に取り付けられている検出器510を含む。
取り付けアーム530は、固定アームでもよいが、この例では、取り付けアーム530は、第1のアーム532及び第2のアーム534を有する関節アームである。
第1のアーム532の第1の端部は、採取所310に隣接する材料取り扱いシステム10の壁に枢動可能に接続されている。
第1のアーム532は、前方軌道115と後方軌道120との間の通路内へアームを枢動可能なように垂直軸の回りを枢動する。
さらに、第1のアーム532が通路から枢動可能なように、第1アーム532の枢動軸は前方軌道115と後方軌道120との間の通路の外側に位置していてもよい。
第2のアーム534の第1の端部は、第2のアーム534が第1のアーム532に対して水平に枢動可能なように、第1のアーム532の第2の端部に枢動可能に接続されている。
あるいは、第2のアーム534は、第1のアーム532に対して垂直に枢動可能であってもよい。
検出器510は、第2のアーム534の第2の端部に取り付けられている。
検出器510は、第2のアーム534に固定して接続されてもよいが、この例では、検出器510は、第2のアーム534に枢動可能に接続される。
検出器510を枢動させることで、車両200に対する検出器510の角度を調整可能である。
同様に、ユニバーサル接続を設けて、車両200に対する検出器510の角度を2つ以上の軸に対して調整可能であってもよい。
例えば、検出器510は、ユニバーサル接続を介して第2のアーム534に接続されてもよいし、又は、第1のアーム532若しくは第2のアーム534は、ユニバーサル接続を含んでもよい。
【0090】
検出器510は、距離測定技術又は3次元表面測定技術と呼ばれる、検出器510と物体との間の距離を感知するように設計されている様々な検出要素のいずれかであってもよい。
例えば、飛行時間型システムでは、位置が測定されるべき対象物へ、放出源が変調光(例えば、赤外光)を投射する。
飛行時間型の動作をする検出器510は、反射された変調光に敏感なハードウェアを含む。
投射された光と反射された光との間の位相の差が測定され、推定距離へ変換される。
動作理論は、http://www.ti.com.cn/cn/lit/wp/sloa190b/sloa190b.pdfでテキサスインスツルメンツ(Texas Instruments)から入手可能な報告書で詳細に説明されている。
よって、本開示を理解するにあたり、その説明は、不要であるとして省略する。
「三角測量」として知られる3次元走査技術では、撮像器と投射光源(例えば、レーザ又は発光ダイオード)との間の距離及び角度によって、三角形の底辺が形成される。
表面から撮像器に返ってくる投射光の角度によって、3次元座標が計算可能な三角形が完成する。
複数の三角形を繰り返し導出するというこの原理を適用することで、物体の3次元表現となる3次元画像が生成される。
【0091】
構造化光を用いた3次元感知装置が、さらに別の動作理論に従って動作する。
この3次元感知装置は、測定される3次元物体上に1つのパターン(又は一連のパターン)の光を投射する。
1台以上のカメラが、投射装置から既知の距離と角度に配置されている。
カメラ並びに関連するハードウェア及びソフトウェアは、光パターン(及び既知の距離/角度)の歪みを利用することで1組の3次元表面点を計算する。
最後に、ステレオビジョンシステムでは、2台以上のカメラが、互いに既知の距離及び角度で配置されている。
ハードウェア及びソフトウェアが、異なるカメラから撮影される(同じシーン/物体の)画像間の視差を利用することで、1組の3次元点を計算する。
【0092】
以下でさらに説明するように、本開示と一致する一部の実施形態は、投射光に基づく。
しかし、このシステムは、超音波又はマイクロ波を放射するような他の距離測定技術を組み込んでもよい。
例えば、システムが超音波検出技術を組み込んでいる場合、送信機は、超音波パルスを送信してもよい。
物体が超音波パルスの経路内にある場合、超音波パルスの一部又は全部が反射して戻り、検出器に検出される。
超音波パルスが放射された時間と反射された超音波パルスが検出された時間との間の差を測定することで、経路内の物体までの距離を判断することができる。
【0093】
図13を参照すると、検出器510は、エミッタ512とセンサ514とを含む。
エミッタ512は、構造化光パターンのような光パターン520を投射する光源であってもよい。
センサ514は、CMOS又は他の撮像要素のような撮像要素であってもよい。
センサ514は、投射された光パターン520を検出することで画像データを取得する。
プロセッサは、画像データを分析することで投射された光パターン520と検出された光パターン520との間の差を検出する。
ピクセルごとに分析することで、ピクセルごとの深さ測定値を評価してもよい。
また、検出器510は、カメラ又はビデオ要素の形態の第2の検出器518を含んでもよい。
例えば、第2のカメラは、グレースケール又はRGBCMOS光センサ列として構成されてもよい。
【0094】
あるいは、エミッタ512は、単一の光パルスを放射してもよく、センサ514は、反射された光パルスを検出する画像センサであってもよい。
プロセッサが、ピクセルごとに画像データを処理し、光パルスが、放出された時間と反射された光パルスと検出された時間との間の時間を各ピクセルで評価する。
このように、ピクセルごとに画像データを分析することで、プロセッサは、各ピクセルに対する深さ測定値を評価する。
【0095】
上記のことから分かるように、エミッタ512及びセンサ514は、様々な距離測定技術のいずれかを用いることで、エミッタ512と車両200上の物体との間の距離を示すデータを取得してもよい。
材料取り扱いシステム10は、そのデータを使用して、物体が車両200に対して高さ又は幅の閾値を超えて延在しているかどうかを判断することができる。
特に、材料取り扱いシステム10は、物体が車両200より上の高さ閾値を超えて延在しているかどうかを判定することができる。
【0096】
一実施形態では、検出器510は、物体が車両200より上に延在している高さを以下のように検出可能である。
材料取り扱いシステム10は、各車両200が様々な経路のいずれかに沿って移動する際に各車両200の位置を追跡する。
特定の時間における各車両200の位置が分かっているので、検出器510からの隣接車両200への距離がわかる。
よって、中央制御装置450は、検出器510を制御することで、検出器510に対する車両200の既知の位置に関連する特定の時間に深さデータを取得してもよい。
例えば、特定の時間において、車両200の位置は、検出器510から所定の距離(例えば、36インチ又は1メートル)であってもよい。
車両200が所定の距離にあると、検出器510が車両200を走査することで、検出器510が走査するアイテム毎に深さデータを判断する。
いずれかのアイテムの深さが所定の閾値を超えて車両200から延在している場合、材料取り扱いシステム10は、その車両200にフラグを立て、それに応じて車両200を制御する。
例えば、材料取り扱いシステム10は、アイテムを車両200から除去又は再積み込みすることで、アイテムが車両200より上の高さまで延在しないようにするために、車両200を制御して特定の場所に向かわせてもよい。
あるいは、アイテムを除去又は再積み込みすることによって、高さ超過のアイテムが、修正されるまで車両200がその経路に沿って進まないように、材料取り扱いシステム10は、車両200を停止してもよい。
【0097】
図2を参照すると、この例では、検出器510は、採取所310に隣接して配置され、検出器510は、採取所310で車両200を走査する。
具体的には、エミッタ512が車両200上に光パターン520を投射するように、検出器510が取り付けられている。
センサ514は、車両200から反射される光パターン520とその内容とを検出することで、センサ514と車両200及び車両200上のアイテムとの間の距離を示す画像データを取得する。
特に、材料取り扱いシステム10は、高さ超過検出器510からの画像データを処理するマイクロプロセッサの形態の画像プロセッサを含むことで、車両200に対する平面の垂直上方に延在しているアイテムの存在を判断する。
例えば、材料取り扱いシステム10は、画像データを分析することで、車両200の上部と平行で上方に離間した平面の上方に延在している物体を検出してもよい。
【0098】
一例では、材料取り扱いシステム10は、検出器510からのデータを処理することで、車両200の上部より上の所定の高さの平面より上に突出するアイテムを検出してもよい。
所定の高さは、各格納場所の高さのような、材料取り扱いシステム10の様々な特性の構成に応じて可変である。
例えば、所定の高さは、約12インチであってもよい。
【0099】
図5を参照すると、材料取り扱いシステム10は、車両200上の基準要素を検出することで、車両200の上部の平面を判断するように構成されてもよい。
前述のように、検出器510は、採取所310に対して固定の位置にあってもよく、材料取り扱いシステム10は、車両200の上部の位置及び向きが分かるように車両200の移動を制御してもよい。
このデータは、アイテムが車両200に対して所定の高さを超えて突出しているかどうかを判断するために使用されてもよい。
あるいは、車両200は、複数の基準マーカー240を含んでもよい。
基準マーカー240は、基準マーカー240の1つ以上の物理的特性に基づいて、材料取り扱いシステム10が識別可能なように構成される。
例えば、基準マーカー240の高さ、幅、長さ及び/又は位置によって、車両200及び車両200上のアイテムの他の特徴からこの基準マーカー240を容易に区別可能である。
同様に、高さ超過検出器510は、カラー又はグレースケールの撮像要素を含んでもよく、材料取り扱いシステム10は、画像データを処理することで基準マーカー240の色又は形状に基づいて基準点を識別してもよい。
あるいは、基準マーカー240は、車両200の要素又は車両200上のコンテナの要素であってもよく、それらの要素は、深さデータを分析することによって、又は、2次元光学画像データを分析することによって識別可能である。
例えば、車両200上のコンテナは、標準化され、コンテナの上部リムは、周囲のアイテムと区別可能である。
そして、材料取り扱いシステム10は、コンテナのリム上の3つの点を検出可能であり、それにより、車両200の上面と平行な面を識別する。
【0100】
この例では、各車両200は、3つの基準マーカー240を含んでもよい。
基準マーカー240は、車両200の上面で、又は、その近傍で互いに離間して配置されている。
検出器510からの深さデータを処理することで3つの基準マーカー240を識別し、材料取り扱いシステム10は、3つの既知の基準点を識別する。
これら3つの基準点は、基準面を定義する(すなわち、基準面は、3つの基準点すべてを含む面として定義される)。
そして、材料取り扱いシステム10は、検出器510からの深さデータを処理して、基準面より上の特定の高さより上に位置する任意のデータ点を識別可能である。
あるいは、基準面に平行な面(すなわち、基準面に対して平行か、又は所定の距離だけ上方に離間している面)を定義してもよい。
この所定の距離は、アイテムが基準面より上に延在している可能性のある最大の高さに対応する。
この平行な平面より上にあるという任意の深さデータは、アイテムが高さ超過アイテムであり、そのアイテムの高さが所望の高さ閾値未満になるように車両200上で再配置又は再方向付けされるべきアイテムだと示している。
【0101】
図3図8及び前述の様に、車両200は、車両200の前端部202が車両200の後端部204より下になるよう、採取所310で傾斜されてもよい。
具体的には、前端部202の垂直位置は、後端部の垂直位置よりも低い。
このように、車両200上のコンテナ内の中身が採取所310で操作者に提示されるように、車両200は、前方に傾斜する。
車両200が、採取所310で傾斜すると、車両200の上面は、水平に対してある角度に方向づけられる。
よって、水平に対してではなく、車両200の角度に対しての高さ超過を分析することが望ましい。
このため、材料取り扱いシステム10は、上述のように車両200の上面と実質的に平行な平面を識別してもよい。
次に、高さ超過を分析することで、基準面より上の所定の高さを超えて突出するアイテムを識別する。
この基準面は、水平に対してある角度を成していてもよいので、この所定の高さは、基準面に対して垂直な方向に測定される。
【0102】
上記のように構成されているので、材料取り扱いシステム10は、高さ超過検出器510からのデータを使用して、以下のように車両200の動作を制御してもよい。
高さ超過検出アセンブリ500は、車両200が辿る経路に沿って取り付けてもよい。
高さ超過検出器510は、車両200が経路に沿ったある位置にあるときに車両200の画像データを取得する。
画像プロセッサは、高さ超過検出器510からの画像データを処理することで、車両200上のいずれかのアイテムが所定の閾値を超えて延在しているかどうかを判断する。
例えば、画像プロセッサは、画像データを処理することで、アイテムが車両200の上方に所定の許容可能な高さよりも高く突出しているかどうかを判断してもよい。
【0103】
この例では、車両200が採取所310で停止する際に、高さ超過検出器510が車両200ごとに画像データを取得するよう、高さ超過検出器510が、採取所310に配置されている。
特に、車両200の中身が操作者に提示されるよう、車両200が、水平に対して傾けられて採取所310で停止する。
高さ超過検出器510は、車両200を走査又は撮像することで、複数のデータ点又はピクセルを取得する。
各ピクセルは、高さ超過検出器510から車両200及び/又はその中身までの距離を示す。
このようにピクセルを使用することで、車両200とその車両200の運搬物の3次元距離が生成可能である。
【0104】
画像プロセッサが画像データを処理することで、車両200上の又は車両200が運搬しているアイテム上の既知の基準点を識別する。
この例では、画像プロセッサは、画像データを処理することで、3つの基準点240を識別する。
画像プロセッサは、画像データセット全体を走査することで、基準点240の様々な物理的特性に基づいて基準点となる基準マーカー240を識別してもよい。
しかし、車両200は、採取所310でほぼ一定の位置で停止するので、車両200の基準点240の位置は、高さ超過検出器510に対してほぼ一定の場所に概ね位置する。
よって、テンプレートを使用して、画像プロセッサが基準点240を識別しようとすることで、画像の特定の領域に対応する画像データのサブセットを処理してもよい。
画像プロセッサは、基準点240を識別するために、このようにして、画像全体の小さいサブセットについて画像データ点を処理するだけであってもよい。
画像プロセッサがテンプレートに基づくデータサブセットを使用して3つの基準点240を識別することができない場合、画像プロセッサは、基準点240を識別するために画像データセット全体を分析してもよい。
【0105】
上述のように、材料取り扱いシステム10は、車両200の支持面に対応する平面か、又は、車両200の支持面から既知の距離だけ離れた平面かを定義する3つの関心点を識別してもよい。
しかし、RGB又はグレースケール画像化機構518を使用して関心点を識別することが有利な場合がある。
具体的には、前述のように、高さ超過検出器510は、CCD又はCMOSイメージセンサ518のようなRGB画像化要素を含んでもよい。
車両200上の基準点240は、特定の形状、構成及び/又は色を有するように構成されてもよい。
よって、材料取り扱いシステム10は、車両200の色又はグレースケール画像に対応する画像データを分析してもよい。
画像データを分析することで、基準点240の既知の特性に対応する特性を有する部分を識別する。
基準点240を識別するための画像の分析は、いくつかの処理のうちの1つで実行されてもよい。
例えば、採取所310における車両200の位置は、様々であってもよいが、画像データ内で基準点240が現れると予想される特定の場所を材料取り扱いシステム10が最初に分析可能なほど充分に、車両200の位置は、似通っていてもよい。
あるいは、材料取り扱いシステム10は、単純に画像全体を処理して、基準点240の既知の特性と一致する特性を有する画像データの部分を識別してもよい。
【0106】
カラー又はグレースケールの画像データ内の基準点240を識別した後、識別されたデータ点は、深さ画像データ内の対応する点と関連付けされる。
具体的には、2次元画像データ点が3次元又は深さ画像データと関連付けされることで、識別された基準点240の位置を識別する。
特に、カラー画像又はグレースケール画像の画像データは、深さデータに位置合わせ、登録、又はマッピング可能である。
同様に、材料取り扱いシステム10は、カラー又はグレースケール画像と深さ画像データとを融合してもよい。
いずれの場合も、基準点240が、RGB又はグレースケールデータ内で識別されると、材料取り扱いシステム10は、対応する深さ画像データを識別可能である。
基準点240が識別されると、画像プロセッサは、3つの点すべてと交差する平面を識別してもよい。
次に、この基準面を使用して、アイテムが車両200より上の所定の高さを超えて延在しているかどうかを識別する。
アイテムが高さ閾値を超えて延在していると画像プロセッサが判断した場合、画像プロセッサは、高さ超過エラーを示す信号を中央制御装置450に送信する。
次に、材料取り扱いシステム10は、高さ超過エラーがあることを示す信号を操作者に提供する。
例えば、材料取り扱いシステム10は、聴覚式及び/又は視覚式の警告を操作者に知らせてもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、採取所310の表示スクリーン上に視覚式の警告を提示してもよい。
また、視覚式の警告は、車両200上のどのアイテムが高さ超過エラーを引き起こしたかを操作者に示してもよい。
【0107】
操作者に警報又は警告を提供することに加えて、材料取り扱いシステム10は、高さ超過エラーに応答して車両200の操作者を管理してもよい。
例えば、画像プロセッサからの高さ超過エラー信号の受信に応答して、中央制御装置450は、採取所310で車両200を制御し、高さ超過エラーが修正されるまで車両200を採取所に留めてもよい。
特に、上述のように、操作者がアイテムを車両200から除去したことを示す、かつ/又は、アイテムを車両200に誘導し終えたことを示すボタンを操作者が押すと、材料取り扱いシステム10は、採取所310で車両200を前進させてもよい。
しかし、高さ超過エラーが検出された場合、操作者が前進ボタンを押したとしても、材料取り扱いシステム10は、車両200が採取所310から確実に前進しないようにしてもよい。
【0108】
車両200が採取所310に留まっている間、高さ超過検出器510は、車両200の画像データ/深さデータを取得し続けることを理解する必要がある。
例えば、高さ超過検出器510は、毎秒1フレームを超える速度で車両200を走査してもよい。
一部の実施形態では、高さ超過検出器510は、毎秒約15フレームから約60フレームの速度でデータを取得してもよいが、毎秒60フレームを超える速度又は毎秒15フレームを下回る速度で画像サンプルを取得するセンサも、また本開示に一致する。
実施形態では、高さ超過検出器510は、毎秒約30フレームの速度でデータを取得する。
【0109】
前述の説明では、高さ超過検出器510は、車両200上のアイテムが所定の寸法閾値を超えて延在しているかどうかを検出することに関して説明されている。
しかし、本材料取り扱いシステム10は、車両200上のアイテムに起因してエラーが発生する可能性のある様々な状況を識別するために利用可能なことを理解する必要がある。
よって、上述の高さ超過検出器510は、様々な用途に適用可能であると理解する必要があり、その様々な用途とは、車両200上のアイテムが処理中にエラーを起こす可能性があるというフラグが建てられるべきかどうかを、深さ画像データを処理することで判断する用途である。
【0110】
図7A図7Cに一致する実施形態では、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社から市販されている、全般的に742で示されているKinect画像感知システムのような画像センサが、3次元空間内のベース面の位置を判断するために使用される。
Kinectシステムは、飛行時間型動作理論を使用して、約0.5mから約4.5mの距離から物体の3次元画像を取得するように動作可能である。
オプションで、同じ撮像システムが同じ物体のカラー画像を取得可能であってもよい。
【0111】
図7Aに示されるように、740で示されるベース面は、センサ742の視野内にあり、材料取り扱い装置10のアイテム支持面750と同一平面上にある。
例として、アイテム支持面750は、材料取り扱い装置10の搬送経路沿いの、又は、近くの同じ点に位置する車両200の面であってもよい。
一実施形態では、アイテム支持面750は、上述の採取所310のような物体輸送所又はその近くに位置する車両200によって定義される。
それぞれの車両200は、センサ742に対して可変の位置に停止してもよく、その結果、寸法検査作業から次の作業までの間、ベース面740の距離及び角度方向は、センサ742に対して様々であってもよい。
このような相対位置の多様性を考慮して、自由空間におけるベース面740の位置及び向きは、各寸法制約の順守評価よりも前に判断される。
言い換えれば、材料取り扱いシステム10が車両200を走査して、車両200が運搬する搭載物が寸法上適合しているかどうかを判断する際、材料取り扱いシステム10は、最初に車両200ごとにベース面740を判断する。
ベース面740を決定した後、材料取り扱いシステム10は、搭載物が寸法上適合しているかどうかを決定する。
【0112】
計算によってベース面740の位置を導出するために、例えば、図7Aに示すマーキング752、754、及び756のような3つ以上の基準マーキングを装置の各車両200の同一平面上に定義してもよい。
一部の実施形態では、基準マーキング752、754、及び756は、対応する車両200のアイテム支持面と同一平面内にあってもよい。
他の実施形態では、基準マーキング752、754、及び756は、(例えば、対応する車両200のアイテム支持面の上又は下に既知の距離だけ)オフセットした平行面内にあってもよい。
ある実施形態では、基準マーキング752、754、及び756は、車両200の適切な部分に対して取り付け、固定又はその他の方法で適用される。
前述のように、前述のKinect深さ感知カメラのような画像センサは、同一物体に対して飛行時間による3次元画像とカラー画像との両方を生成可能である。
基準マーキング752、754、及び756の場所は、カラー画像と3次元画像を結合(融合)することで、単純化されてもよい。
【0113】
カラー画像が存在しない場合、3次元画像を分析することで代替的にベース面740の位置を判断し、画像内の既知の幾何学形状の3つ以上の寸法特性(構造要素)の存在と向きとを検出してもよい。
このような分析は、多少複雑であり、カラー画像と3次元画像との融合から得られるもの程正確ではないかもしれないが、それでもなお、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく採用される可能性がある代替手法である。
【0114】
装置が1つ又は複数のベルトコンベヤ又はローラーコンベヤを含み、かつ、コンベヤのアイテム支持面上に配置されている1つ以上の物品からなるグループが寸法を守っているかを判断することが望ましい実施形態では、3つ以上の基準マーキング752、754、及び756(又は既知の幾何学形状の3次元特性)を、コンベアのアイテム支持面と同一平面の(又はそれに対して既知の高さの)コンベヤ面の両側に沿って配置してもよい。
固定された測定システム(例えば、「光平面」を形成するエミッタの列)に対して搬送経路上にアイテムを正確に配置する必要があるシステムとは対照的に、本開示と一致する実施形態は、アイテムの位置が様々であっても、1つ以上の寸法制約を守っているかを判断できる。
3次元画像センサは、調べられているアイテムを障害なく見られることと、そのアイテムに充分近いこととの2つのみを必要とすることで、取り扱われる特徴の検出に関する充分な解像度(ピクセル密度)を有する画像を生成する。
【0115】
ベース面740の位置が決定されると、基準面760の位置を決定することができる。
基準面760は、寸法制約境界を表してもよい。
言い換えれば、基準面760は、閾値又は限界値を表してもよい。
よって、基準面760を超えて突出するアイテムを材料取り扱いシステム10が検出すると、材料取り扱いシステム10は、エラーを宣言するか、又は、操作者に警告を発してもよい。
同様に、アイテムが基準面760を超えて突出していることを検出したことに応答して、材料取り扱いシステム10は、車両200又は他の要素の動作を制御してもよい。
【0116】
図7Aに示すように、基準面760は、ベース面740と平行であり、ベース面740から距離hだけ離間して配置されている。
距離hは、寸法制約に対応していてもよい。
一部の実施形態では、寸法hは、高さ寸法に対応し、1つ以上のアイテムからなるグループを含むトート15(図3)の上端の高さを参照することによって決定される。
精度のばらつきを考慮にいれるために、かつ/又は、トート15若しくはアイテムの端部(例えば上端部)と、例えば、予定格納空間との間の隙間を考慮にいれるために、寸法hに寸法公差が付与されてもよい。
【0117】
基準面760内に、縮小領域分析ウィンドウ770を定義してもよい。
寸法制約の分析をウィンドウ770に限定することで、調査に無関係な可能性のある領域を除外する。
例えば、1つ以上のアイテムからなるグループを含み、採取所310で車両200に支持されるトート15の場合、採取所310の側壁に対応するピクセル及び/又はベース面740の境界内にいる採取者に対応するピクセルは、無関係であり、分析が複雑になるだけである。
【0118】
図7Bは、本開示と一致する実施形態による、高さ超過分析を実施する方法700を示す。
方法700は、開始ブロック702で開始され、ステップ704に進む。
ステップ704で、3次元画像と、オプションで高さ超過検出器510又はセンサ742のような色感知センサとを用いることで、深さ画像と、オプションで1つ以上のアイテムからなるグループのカラー画像とが取得される。
ステップ706で、深さ画像と、オプションでカラー画像とを処理して、ステップ704で取得した画像から生成される3次元点集団内に3つ以上のベース点を設定する。
ステップ706から、方法700は、ステップ708に進む。
ステップ708で、3次元空間内のベース面740の位置が、取得された画像データから3つ以上の既知の基準点を参照することで決定される。
基準点には、1つ以上のアイテムからなるグループを支持する面と同一面上の(又は、それに対して既知の高さにある面上の)3つの基準マークの重心が含まれる。
この面は、材料取り扱い装置10の車両200の支持面であってもよい。
【0119】
ステップ708から、方法700は、ステップ710に進み、そこで、基準面760の位置がベース面740の位置及び向きに基づいて決定される。
同じ基準マークを使用することで、ベース面740内(図7A)の点(ピクセルアドレス)からなる列の境界を計算してもよい。
このような列から、分析ウィンドウ770内の対応する列を形成するピクセルアドレスを、いくつもの方法で決定可能である。
例えば、(前述のように適用可能なオフセットや公差要因を含む)寸法制約hがわかると、境界列の角の点からベース面740に垂直な長さhの3つ以上の線を延ばすことで、分析ウィンドウ770に対応する列内にある各点(つまりピクセルアドレス)を導出することができる。
分析ウィンドウの境界及びベース面740からのオフセットを知ることで、分析ウィンドウ内の各ピクセルアドレスを従来の方法で導出可能である。
方法700は、ステップ712に進む。
【0120】
ステップ712で、方法700は、カウンタnを初期化する。
ここで、nは、分析ウィンドウ770(図7A)によって境界を定められた点集団内のm個のピクセルアドレス(点)のうちの1つである。
方法700は、判定ブロック716に進み、ここで、現在の点nが基準面760よりもカメラセンサ742(図7A)に近いかどうかについての判定が行われる。
近い場合、方法700は、ステップ718に進み、ここで、点nの行及び列の位置が、高さ超過候補のピクセルアドレスのリストに追加される。
ステップ718から(又は点nが基準面よりもカメラに近くない場合はステップ716から)、方法700は、ステップ719に進み、ピクセルアドレスカウンタnが指定する現在のアドレスが、分析ウィンドウのm番目のアドレスに等しいかどうかを判定する。
現在の点nのアドレスがm番目のアドレスと等しくない場合、方法700は、ステップ714に戻り、nのカウンタ値を1だけ増加し、次のピクセルアドレスについて評価が繰り返される。
【0121】
現在の点nがm番目のアドレスである場合、方法700は、ステップ720に進み、ここで、「ノイズ」ピクセルが高さ超過ピクセル候補のリストから除外される。
例として、反射及び他の鏡面現象は、分析中に無視してもよい局所的なピクセルエラーをもたらす場合がある。
同様に、高さ超過ピクセル候補が少なかったり、アイテムを示すには小さすぎる又は分散が大きすぎるピクセル候補のグループは、本開示と一致する評価プロセスから無視してもよい。
ステップ720でそのような無関係なピクセル候補を除去した後、方法700は、ステップ722に進む。
ステップ722で、残りの高さ超過ピクセル候補の数値を所定のしきい値と比較してもよい。
閾値は、方法700が評価するグループをどのアイテムが構成するかということに基づいて選択されてもよい。
ステップ722で閾値を超えると判定された場合、方法700は、ステップ724に進む。
ステップ724でアイテムグループ状態が「高さ超過」に設定され、方法700は、ステップ726に進み、ここで、修正処置が開始及び/又は実施される。
【0122】
高さ超過状態に対する様々な応答が、本開示の範囲で考えられる。
例えば、一実施形態では、視覚的及び/又は聴覚的警告が生成されてもよい。
このような警告に応答して、例えば、採取所310の操作者は、処理されている1つ以上のアイテムからなるグループを検査し、高さ超過状態を修正するようにアイテムを再配置してもよい。
ステップ724でのこのような再配置に続いて、方法700は、ステップ702からステップ722が繰り返されるように再開される。
さらに、又はあるいは、(1つ以上のアイテムからなる「普通の」グループに適用される寸法制約を超える高さ閾値に達する、超過サイズのトート又はアイテムを収容するよう、特別に寸法形成及び配置されている)代わりの格納又は取得場所が、アイテムの異なる目的地に再指定されてもよい。
言い換えれば、材料取り扱いシステム10は、代替の場所又は目的地へ車両200を向かわせることで車両200を制御してもよく、この代替の場所又は目的地は、所定の閾値を超える1つ以上の寸法を有する積み荷(つまり、トート及び/又はアイテム)を有する車両200を受け入れるように構成されている。
ステップ724での修正処置の後、方法700は、ステップ730に進み、ここで、1つ以上のアイテムからなるグループが搬送経路を進む。(この搬送経路は、例えば、寸法制約が課される当初の搬送経路か、又は、選択された場合は、寸法制約が緩和されている代替の搬送経路かのいずれかである。)
ステップ730から、方法700は、ステップ732に進み、ここで、寸法順守評価の対象となる1つ以上のアイテムからなるさらなるグループがあるかどうかについての判断がなされる。
そのようなグループがある場合、方法700は、ステップ734に進み、そこで、1つ以上のアイテムからなる次のグループが構造化光の3次元カメラセンサの視野内に移動され、その後、方法700は、ステップ704から繰り返し開始される。
そのようなグループがない場合、方法700は、ステップ736に進んで終了する。
【0123】
図7Cは、図7Bの方法700に従って、図2に示す採取所での運搬車両200の高さ検出分析によって生成される画像を示す。
【0124】
前述の説明では、検出器アセンブリ500は、アイテムが閾値を超えて車両200から延在しているかどうかを判断するための材料取り扱いシステム10を提供するものとして説明されている。
さらに又はあるいは、検出器アセンブリ500は、アイテムが車両200の経路内へ延在していることで車両200がそのアイテムと衝突する可能性があるかどうかを検出可能であってもよい。
例えば、検出器アセンブリ500は、操作者が車両200の経路内にいるかどうかを検出してもよい。
検出器アセンブリが車両200の経路で操作者を検出した場合、材料取り扱いシステム10は、車両200を停止させることで、車両200が操作者と確実に衝突しないようにして、操作者を傷つけないようにしてもよい。
このようにして、検出アセンブリ500は、衝突を防ぐための安全機構として動作してもよい。
【0125】
安全機構としての検出アセンブリ500の1つの用途は、検出アセンブリ500が図2及び図3に示されるような採取所310に隣接して取り付けられる構成であろう。
そのような構成では、検出アセンブリ500は、高さ超過検出器510としても安全機構としても動作可能である。
具体的には、検出アセンブリ500が採取所310を走査して深さデータを取得すると、上述のように、高さ超過アイテムを検出する。
同時に、操作者が車両200のトート15に手をかけている場合、操作者の手が高さ超過アイテム用の高さ閾値を超えている可能性がある。
よって、たとえ、車両200上のアイテムが適切な高さであっても、操作者の手は、高さ超過アイテムとみなされ、高さ超過エラーを引き起こす。
したがって、操作者の手がトート15から離れ車両200の経路外に出るまで、車両200は、前進しない。
同様に、操作者が車両200の経路内へ寄りかかった場合、操作者が車両200の経路から出るまで、車両200の経路内にある操作者の一部によって、車両200の前進を妨げるエラーが引き起こされるであろう。
【0126】
操作者が貨車200の1つから適切なアイテムを取り除いた後、高さ超過エラーが宣言されていない場合、貨車200は、採取所310から移動する。
貨車200が採取所310から移動するとき、材料取り扱いシステム10は、貨車200が現在搬送しているアイテムを戻す格納場所100と、貨車200が次に取得するアイテムとを決定する。
【0127】
中央制御装置450がアイテムの適切な格納場所100を決定すると、貨車200の経路が決定されてもよい。
詳細には、中央制御装置450、貨車200の経路を決定し、アイテムの運搬先の格納場所100に関する情報を貨車200に伝えてもよい。
次に、中央制御装置450は、貨車200の動作を制御し、アイテムの運搬先となる格納場所100に貨車200を向かわせる。
貨車200が適切な格納場所100に到着すると、貨車200は、格納場所100で停止し、トート15は、適切な格納場所100に移動する。
【0128】
上述したシステムの利点の1つは、貨車200が(上方レール又は下方レールに沿った)水平移動から(いずれかの列を下降する)垂直移動に移行する際に、貨車200の向きが実質的に変わらないことである。
詳細には、貨車200が水平に移動しているとき、前方の2つの歯付き車輪は、前方軌道115の水平な上方レール135又は水平な下方レール140と連携し、後方の2つの歯付き車輪は、後方軌道120の対応する上方レール135又は下方レール140と連携する。
貨車200がゲートを通過して列に入ると、前方の2つの歯付き車輪が前方軌道115の一対の垂直区間130と係合し、後方の2つの歯付き車輪が後方軌道120の対応する垂直区間130と係合する。
なお、貨車200の水平方向に対する向きが変化しないというのは、車両200が軌道に沿って移動することを意味している。
貨車200は、採取所310で水平方向に対して傾斜していても、軌道110に沿って移動する際は、水平方向に対して実質的に一定の向きを維持するといえる。
【0129】
貨車200が水平レールから垂直列へ、又は垂直列から水平レールへ移動するとき、軌道110は、4つの歯付き車輪のすべてを同じ高さに位置させる。
これにより、貨車200が軌道110を移動して水平移動と垂直移動とを移行するときに、歪んだり傾斜したりしない。
加えて、貨車200を単一の軸で構成するのが望ましい場合がある。
そのような構成では、貨車200は、上述した実質的に水平な向きではなく、実質的に垂直な向きになる。
単一軸の構成では、貨車200の重量により、貨車200の向きが維持される。
ただし、単一軸の貨車200を使用する場合、格納場所100の向きは、貨車200の垂直の向きに合わせて再構成される。
【0130】
上述した説明では、アイテムの運搬を、仕分け所の前方に配置された格納場所100の列との関係で説明した。
しかし、仕分け所の後方側に格納場所100の後方列を加えることにより、材料取り扱いシステムの格納場所100の数を二倍にすることができる。
このようにすることで、貨車200を仕分け所の前方側の格納場所100に移動することでその格納場所100にアイテムを運搬し、積み込み/積み下ろし機構210を駆動してアイテムを前方の格納場所100に積み下ろすことができる。
又は、貨車200は、仕分け所の後方側の格納場所100に移動することでその格納場所100にアイテムを運搬し、積み込み/積み下ろし機構210を後方に駆動してアイテムを後方の格納場所100に積み下ろすことができる。
【0131】
当業者は、発明の広範な発明的概念から逸脱することなく、上述した実施形態に変更又は改良を加えられることを理解するであろう。
たとえば、上述した説明では、材料取り扱いシステム10は、貨車200と中央制御装置450との間でワイヤレス通信を使用する。
代替の実施形態では、軌道に通信回線を敷設し、貨車200が結線通信リンク上で中央制御装置450と通信してもよい。
【0132】
したがって、本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された発明の範囲及び精神に含まれるすべての変更及び改良を含むものであることを理解する必要がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
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図11
図12
図13