(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】変更装置、ロボット制御システム、変更方法、ロボット制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/02 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
B25J13/02
(21)【出願番号】P 2021102507
(22)【出願日】2021-06-21
【審査請求日】2021-10-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】池内 圭
(72)【発明者】
【氏名】甲原 匠
(72)【発明者】
【氏名】富岡 修一
(72)【発明者】
【氏名】古賀 隆二
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-138276(JP,A)
【文献】特開平10-146782(JP,A)
【文献】特開2016-101651(JP,A)
【文献】特開平01-316188(JP,A)
【文献】実開昭64-001886(JP,U)
【文献】特開平01-169510(JP,A)
【文献】特開平05-100737(JP,A)
【文献】特開昭60-218114(JP,A)
【文献】特開平05-313731(JP,A)
【文献】特開2019-063916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置であって、
前記ロボットに対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、
前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部と
を備え、
前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記変更指示部は、前記選択部によって位置変更モードが選択され、且つ前記入力部によって姿勢を変更する操作情報が入力された場合に、前記ロボットへの姿勢の変更の指示を抑制する、変更装置。
【請求項2】
ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置であって、
前記ロボットに対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、
前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部と
、
導出部と、
を備え、
前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、
前記導出部は、前記被押部が押された場合に、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出する、変更装置。
【請求項3】
ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置であって、
前記ロボットに対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、
前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部と
、
前記ロボットの位置の変更の目標又は前記ロボットの姿勢の変更の目標を導出する導出部と、
を備え、
前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記導出部は、前記入力部による指示に応じて前記被押部が押されている場合と押されていない場合とで、前記入力部による指示に応じて変更される位置の変更の量を異ならせる、変更装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記選択部を含む、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項5】
前記入力部は、第1部分と第2部分とを含み、
前記選択部は、ユーザが前記第1部分に接触した場合は前記位置変更モードを選択し、ユーザが前記第2部分に接触した場合は前記姿勢変更モードを選択する、請求項1
から請求項
4のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項6】
前記入力部は、第1部分と第2部分とを含み、
ユーザが前記第1部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記位置変更モードに設定するとともにユーザが前記第2部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記姿勢変更モードに設定し、又はユーザが前記第1部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記姿勢変更モードに設定するとともにユーザが前記第2部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記位置変更モードに設定する設定部
をさらに備える、請求項1
から請求項
4のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項7】
前記入力部は、第3部分をさらに含み、
前記選択部は、ユーザが前記第3部分に接触した場合に前記ロボットに対して位置及び姿勢を変更させる位置姿勢変更モードを選択し、
前記変更指示部は、前記選択部が前記位置姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置及び姿勢の変更を指示する、請求項
4又は請求項
5に記載の変更装置。
【請求項8】
前記入力部は、
ユーザから押される被押部と前記姿勢変更モードを選択する場合に接触される前記入力部の前記部分とを、前記入力部の上部に備える、
請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項9】
前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描く、
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項10】
前記変更指示部は、前記制御点を設定する、
請求項
9に記載の変更装置。
【請求項11】
前記入力部は、力検出部
を備え、
前記変更指示部は、前記力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示する、
請求項1から請求項
10のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項12】
前記選択部が選択した動作モードをユーザに通知する通知部
を備える、請求項1から請求項
11のいずれか一項に記載の変更装置。
【請求項13】
ロボットに位置の変更を指示する変更装置であって、
ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、第1座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第1座標系モードと第2座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第2座標系モードとのいずれかを選択する選択部と、
前記選択部が前記第1座標系モードを選択した場合に前記第1座標系に基づいて前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記第2座標系モードを選択した場合に前記第2座標系に基づいて前記ロボットに位置の変更を指示する変更指示部と
、
導出部と、
を備え
、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記導出部は、前記ロボットの位置の変更の目標を、前記被押部が押されていない場合には第1座標系に基づいて導出し、前記被押部が押されている場合には第2座標系に基づいて導出する、変更装置。
【請求項14】
ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、前記ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置とを備えるロボット制御システムであって、
前記ロボットに対して、位置
を変更
させる動作モードである位置変更モードと姿勢
を変更
させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、
前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部と
、
導出部と、
を備え、
前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、
前記導出部は、前記被押部が押された場合に、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出する、ロボット制御システム。
【請求項15】
ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置が実行する変更方法であって、
前記ロボットに対して、位置
を変更
させる動作モードである位置変更モードと姿勢
を変更
させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択するステップと、
前記選択するステップで前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択するステップで前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示するステップと
、
前記ロボットの姿勢の変更の目標を導出するステップと、
を有し、
前記選択するステップでは、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、
前記導出するステップでは、前記被押部が押された場合に、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出する、変更方法。
【請求項16】
ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、前記ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置とを備えるロボット制御システムが実行するロボット制御方法であって、
前記ロボットに対して、位置
を変更
させる動作モードである位置変更モードと姿勢
を変更
させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択するステップと、
前記選択するステップで前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択するステップで前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示するステップと
、
前記ロボットの姿勢の変更の目標を導出するステップと、
を有し、
前記選択するステップでは、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択
し、
前記入力部は、ユーザから押される被押部をさらに備え、
前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、
前記導出するステップでは、前記被押部が押された場合に、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出する、ロボット制御方法。
【請求項17】
変更装置に、請求項1から請求項
13のいずれか一項に記載の変更装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変更装置、ロボット制御システム、変更方法、ロボット制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間が作業を行うのが困難な環境において、人間に代わって作業を行うさまざまなロボットが知られている。ここで、人間が作業を行うのが困難な環境には、水中、高所又は低温の環境が含まれる。
ロボットの操作デバイスに関して、ジョイスティックの操作によって、操作形マニプレータのハンド部の位置または速度を選択的に指令する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、3自由度のマニプレータ操作に関して、ハンド部の基部に設けられ、このハンド部が受ける外力の所定の各座標軸方向の分力を検出する力覚センサと、この力覚センサからの力覚信号に基づいて各分力の正負各向きの大きさに対応する加圧力を発生させる加圧手段と、ジョイスティックの握り部の内部に設けられ、ハンド部側の各座標軸と対応する握り部側の各座標軸の一つと交差するように握り部の表面に配置されたダイヤフラムと、流体で充満された各加圧力に対応する空間からなる各力フィードバック部とを備える。各分力の正負各向きの大きさに対応する一対の加圧力を、握り部側の対応する各座標軸上にダイヤフラムが位置する一対の力フィードバック部に伝達させ、各分力の正負各向きの大きさに対応して、対応する各ダイヤフラムを変位させる。
【0003】
また、ロボットの操作デバイスに関して、CG(Computer Graphics)重畳表示を用いたロボットの遠隔操作インタフェースが知られている(例えば非特許文献1参照)。この技術によれば、操作対象の作業空間を三人称視点で捉えたカメラ映像がタッチスクリーン上に映し出される。ユーザは、ロボットの操作したい部位に直接指を触れることによってロボットを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】橋本 直、石田 明彦、稲見 昌彦、五十嵐 健夫、「TouchMe: CG 重畳表示を用いたロボットの直接操作手法」、情報処理学会、インタラクション 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
産業用ロボットのうち、特に垂直多関節型6自由度ロボットをオペレータが操作する場合には、以下の課題が想定される。
マニプレータを概念的に捉えた上で3自由度までの操作を可能とするジョイスティック装置で6自由度ロボットを操作可能に構成する場合には、そのジョイスティック装置を2組使用して両手で操作することになる。
CG重畳表示を用いたロボットの遠隔操作インタフェースを使用する場合には、ロボットが見えない状況で操作することはできない。また、CGモデルやマッピングをシステム毎に作成する必要があり、同様の環境下以外では汎用性がなくなるおそれがある。
ティーチング作業を施さずに産業用ロボットを操作する技術として、付属するティーチングペンダントによるジョグ操作があるが、ティーチングペンダントは基本的に片手でイネーブルスイッチをONにし、もう片方の手で操作することとなる。このため、複数の軸を同時に操作することは物理的に困難である。さらにジョグ操作では、一律速度での動作となるため、例えば複数軸を同時に操作する場合、各軸同じ速度で動作してしまい、任意の複合動作を実現することができない。
【0007】
本発明の目的は、ロボットに対して片手で操作ができる変更装置、ロボット制御システム、変更方法、ロボット制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様に係る変更装置は、ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置であって、前記ロボットに対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部とを備え、前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
【0009】
この発明によれば、変更装置は、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置は、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で操作ができる。
【0010】
(2)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)に係る変更装置であって、前記入力部は、前記選択部を含む。
【0011】
変更装置において、入力部は、選択部を含む。このように構成することによって、ユーザが接触した入力部の部分に基づいて、入力部に含まれる選択部は、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択できる。
【0012】
(3)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)又は上記(2)に記載の変更装置であって、前記入力部は、第1部分と第2部分とを含み、前記選択部は、ユーザが前記第1部分に接触した場合は前記位置変更モードを選択し、ユーザが前記第2部分に接触した場合は前記姿勢変更モードを選択する。
【0013】
入力部は、第1部分と第2部分とを含む。選択部は、ユーザが第1部分に接触した場合は位置変更モードを選択し、ユーザが第2部分に接触した場合は姿勢変更モードを選択する。このように構成することによって、変更装置は、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択できる。
【0014】
(4)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)又は上記(2)に記載の変更装置であって、前記入力部は、第1部分と第2部分とを含み、ユーザが前記第1部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記位置変更モードに設定するとともにユーザが前記第2部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記姿勢変更モードに設定し、又はユーザが前記第1部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記姿勢変更モードに設定するとともにユーザが前記第2部分に接触した場合に前記選択部が選択する動作モードを前記位置変更モードに設定する設定部をさらに備える。
【0015】
入力部は、第1部分と第2部分とを含む。設定部は、ユーザが第1部分に接触した場合に選択部が選択する動作モードを位置変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定する。又は設定部は、ユーザが第1部分に接触した場合に選択部が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部が選択する動作モードを位置変更モードに設定する。このように構成することによって、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択する場合に接触する部分を設定できる。
【0016】
(5)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(3)又は上記(4)に記載の変更装置であって、前記入力部は、第3部分をさらに含み、前記選択部は、ユーザが前記第3部分に接触した場合に前記ロボットに対して位置及び姿勢を変更させる位置姿勢変更モードを選択し、前記変更指示部は、前記選択部が前記位置姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置及び姿勢の変更を指示する。
【0017】
入力部は、第3部分をさらに含む。選択部は、ユーザが第3部分に接触した場合は位置姿勢変更モードを選択する。このように構成することによって、変更装置は、ユーザが接触した部分に基づいて、位置姿勢変更モードを選択でき、ロボットに対して位置及び姿勢を変更させることができる。
【0018】
(6)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(5)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記変更指示部は、前記選択部によって位置変更モードが選択され、且つ前記入力部によって姿勢を変更する操作情報が入力された場合に、前記ロボットへの姿勢の変更の指示を抑制する。
【0019】
変更指示部は、選択部によって位置変更モードが選択され、且つ入力部によって姿勢を変更する操作情報が入力された場合に、ロボットへの姿勢の変更の指示を抑制する。このように構成することによって、選択された動作モードと、入力された操作情報とが異なる場合に、操作情報に該当する指示を抑制できる。
【0020】
(7)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記入力部は、ボタンをさらに備え、前記変更装置は、前記ロボットの位置の変更の目標又は前記ロボットの姿勢の変更の目標を、前記ボタンが押されていない場合には第1座標系に基づいて導出し、前記ボタンが押されている場合には第2座標系に基づいて導出する導出部をさらに備える。
【0021】
変更装置において、入力部は、ボタンをさらに備える。導出部は、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンが押されている場合には第1座標系に基づいて導出し、ボタンが押されていない場合には第2座標系に基づいて導出する。第1座標系の一例はロボットの台座を原点などの基準とした直交座標系であり、第2座標系の一例はロボットが把持しているツール(もしくはワーク)の端部(基準)を原点などの基準とした直交座標系である。このように構成することによって、ロボットの位置の変更又はロボットの姿勢の変更を行う場合に、第1座標系又は第2座標系に基づいて、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を導出できる。
【0022】
(8)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記入力部は、ボタンをさらに備え、前記変更装置は、前記ロボットの位置の変更の目標又は前記ロボットの姿勢の変更の目標を、前記ボタンが押された場合に、前記入力部に対する操作に基づいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて導出する導出部をさらに備える。
【0023】
変更装置において、入力部は、ボタンをさらに備える。変更装置は、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンが押されている場合に入力部に対する操作に基づいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて導出する導出部をさらに備える。第3座標系の一例はロボットのワールド座標系を基準とした直交座標系である。このように構成することによって、ロボットの位置の変更又はロボットの姿勢の変更を行う場合に、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を導出できる。
【0024】
(9)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記入力部は、ボタンをさらに備え、前記ロボットの所定点は前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、前記変更装置は、前記ボタンが押された場合に、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、前記入力部による指示に応じて変更される位置に前記制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出する導出部をさらに備える。
【0025】
変更装置において、入力部は、ボタンをさらに備える。ロボットの所定点は姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御される。導出部は、ボタンが押された場合に、入力部による指示に応じて変更される位置に制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、入力部による指示に応じて変更される位置に制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、位置の変更の目標を導出する。このように構成することによって、姿勢を変更する場合に、制御点追従モードと、制御点固定モードとのいずれかによって、姿勢の変更の目標を導出できる。
【0026】
(10)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(7)から上記(9)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記導出部は、前記入力部による指示に応じて前記ボタンが押されている場合と押されていない場合とで、前記入力部による指示に応じて変更される位置の変更の量を異ならせる。
【0027】
変更装置において、導出部は、入力部による指示に応じてボタンが押されている場合と押されていない場合とで、入力部による指示に応じて変更される位置の変更の量を異ならせることができる。このように構成することによって、ロボットの位置を異なる速度で移動させることができる。
【0028】
(11)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(7)から上記(10)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記入力部は、ボタンと前記姿勢変更モードを選択する場合に接触される前記入力部の前記部分とを、前記入力部の上部に備える。
【0029】
入力部は、ボタンと姿勢変更モードを選択する場合に接触される入力部の部分とを、入力部の上部に備える。このように構成することによって、ユーザはボタンを押すとともに姿勢変更モードを選択する場合に接触される入力部の部分に接触できる。
【0030】
(12)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(11)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記ロボットの所定点は、前記ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描く。
【0031】
ロボットの所定点は、ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描いて移動できる。このように構成することによって、ロボットの姿勢を変更できる。
【0032】
(13)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(12)に記載の変更装置であって、前記変更指示部は、前記制御点を設定する。
【0033】
変更指示部は、制御点を設定できる。このように構成することによって、ユーザは任意の点に制御点を設定できる。
【0034】
(14)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(13)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記入力部は、力検出部を備え、前記変更指示部は、前記力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示する。
【0035】
入力部は、力検出部を備える。変更指示部は、力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分が力検出部によって検出されるため、変更指示部は、力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示できる。
【0036】
(15)本発明の一態様に係る変更装置は、上記(1)から上記(14)のいずれか一項に記載の変更装置であって、前記選択部が選択した動作モードをユーザに通知する通知部を備える。
【0037】
変更装置において、通知部は、選択部が選択した動作モードをユーザに通知できる。このように構成することによって、変更装置は、ユーザに選択されている動作モードを知らせることができる。
【0038】
(16)本発明の一態様に係る変更装置は、ロボットに位置の変更を指示する変更装置であって、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、第1座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第1座標系モードと第2座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第2座標系モードとのいずれかを選択する選択部と、前記選択部が前記第1座標系モードを選択した場合に前記第1座標系に基づいて前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記第2座標系モードを選択した場合に前記第2座標系に基づいて前記ロボットに位置の変更を指示する変更指示部とを備える。
【0039】
この発明によれば、変更装置は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、第1座標系モードと第2座標系モードとのいずれかを選択する。変更装置は、第1座標系モードを選択した場合に第1座標系に基づいてロボットに位置の変更を指示し、第2座標系モードを選択した場合に第2座標系に基づいてロボットに位置の変更を指示する。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、第1座標系モードと第2座標系モードとのうち、いずれかを選択できるため、ロボットに対して第1座標系モード又は第2座標系モードに基づいてロボットに位置の変更を指示できる。
【0040】
(17)本発明の一態様に係るロボット制御システムは、ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、前記ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置とを備えるロボット制御システムであって、前記ロボットに対して、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、前記選択部が前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択部が前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部とを備え、前記選択部は、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
【0041】
この発明によれば、ロボット制御システムは、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。ロボット制御システムは、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で操作ができる。
【0042】
(18)本発明の一態様に係る変更方法は、ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置が実行する変更方法であって、前記ロボットに対して、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択するステップと、前記選択するステップで前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択するステップで前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示するステップとを有し、前記選択するステップでは、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
【0043】
この発明によれば、変更装置は、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置は、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で操作ができる。
【0044】
(19)本発明の一態様に係るロボット制御方法は、ロボットと、前記ロボットを制御する制御装置と、前記ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する変更装置とを備えるロボット制御システムが実行するロボット制御方法であって、前記ロボットに対して、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択するステップと、前記選択するステップで前記位置変更モードを選択した場合に前記ロボットに位置の変更を指示し、前記選択するステップで前記姿勢変更モードを選択した場合に前記ロボットに姿勢の変更を指示するステップとを有し、前記選択するステップでは、ユーザが前記ロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、前記位置変更モードと前記姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
【0045】
この発明によれば、ロボット制御システムは、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。ロボット制御システムは、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で動作を行わせる操作ができる。
【0046】
(20)本発明の一態様に係るプログラムは、変更装置に、上記(1)から上記(16)のいずれか一項に記載の変更装置として機能させるプログラムである。
【0047】
この発明によれば、プログラムは、変更装置に、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択させる。プログラムは、変更装置に、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示させ、姿勢変更モードを選択させた場合にロボットに姿勢の変更を指示させる。このように構成することによって、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で操作ができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の実施形態によれば、ロボットに対して片手で操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明の実施形態に係るロボット制御システムを示す図である。
【
図2】本実施形態に係るロボットシステムに設定される座標系の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる制御装置と変更装置との一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
【
図5】本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例1を説明するための模式図である。
【
図6】本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例2を説明するための模式図である。
【
図7】本実施形態に係るロボット制御システムの動作の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るロボット制御システムの動作の例1を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るロボット制御システムの動作の例2を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るロボット制御システムの動作の例3を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の他の例を示す図である。
【
図12】実施形態の変形例1に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例を示す図である。
【
図13】実施形態の変形例1に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
【
図14】実施形態の変形例1に係るロボット制御システムの動作の一例を示す図である。
【
図15】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例を示す図である。
【
図16】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
【
図17】本実施形態の変形例2に係るロボットシステムに設定される座標系の一例を示す図である。
【
図18】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例1を説明するための模式図である。
【
図19】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例2を説明するための模式図である。
【
図20】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例1を示す図である。
【
図21】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例2を示す図である。
【
図22】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例1を説明するための図である。
【
図23】実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例1を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
次に、本実施形態の変更装置、ロボット制御システム、変更方法およびロボット制御方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0051】
(実施形態)
(ロボット制御システム)
図1は、本発明の実施形態に係るロボット制御システムを示す図である。
本実施形態に係るロボット制御システム1は、ロボット2と、ロボット制御装置100とを備える。ロボット制御装置100は、制御装置110と、変更装置120とを備える。制御装置110は、ロボット2を制御する。変更装置120は、ロボット2に対して位置及び姿勢の変更を指示する。変更装置120は、ロボット2に対して、位置の変更を指示する動作モードである位置変更モードと姿勢の変更を指示する動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置120は、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択する。変更装置120は、位置変更モードを選択した場合にロボット2に位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に姿勢の変更を指示する。
ロボット2の一例は、アームAと、アームAを支持する支持台4とを備える単腕ロボットである。単腕ロボットは、アームAのような1本のアーム(腕)を備えるロボットである。なお、ロボット2は、単腕ロボットに代えて、複腕ロボットであってもよい。複腕ロボットは、2本以上のアーム(例えば、2本以上のアームA)を備えるロボットである。なお、複腕ロボットのうち、2本のアームを備えるロボットは、双腕ロボットとも称される。ロボット2は、2本のアームを備える双腕ロボットであってもよいし、3本以上のアーム(例えば、3本以上のアームA)を備える複腕ロボットであってもよい。
【0052】
アームAは、エンドエフェクターEと、マニピュレーターMとを備える。エンドエフェクターEの一例は、空気の吸引や磁力、治具等によって物体を持ち上げることが可能なエンドエフェクター、物体を把持可能な指部を備えるエンドエフェクターである。また、エンドエフェクターEには、制御点TCPが設定される。制御点TCPとは、ロボット2の制御対象となる箇所に設定された座標系の原点である。制御点TCPの一例は、エンドエフェクターEの重心の位置に設定され、エンドエフェクターEの重心が移動するとともに動くTCP(Tool Center Point)である。なお、制御点TCPが設定される位置は、エンドエフェクターEの重心の位置に代えて、エンドエフェクターEに対応付けられた他の位置であってもよい。本実施形態では、一例として、エンドエフェクターEの重心の位置がエンドエフェクターEの制御点TCPの位置とした場合について説明を続ける。なお、エンドエフェクターEの制御点TCPの位置は、これに代えて、エンドエフェクターEに対応付けられた他の位置によって表される構成であってもよい。
【0053】
図2は、本実施形態に係るロボットシステムに設定される座標系の一例を示す図である。
制御点TCPには、制御点TCPの位置及び姿勢、換言すればエンドエフェクターEの位置及び姿勢を表す三次元局所座標系である制御点座標系TCが設定される。制御点TCPの位置及び姿勢は、制御点TCPのロボット座標系における位置及び姿勢である。
また、制御点座標系TCの各座標軸の方向は、制御点TCPの姿勢、換言すればエンドエフェクターEの姿勢を表す。
図2に示されるように、制御点座標系TCの一例は、ロボット2の支持台4を基準(原点)とした直交座標系である。以下、ロボット2の支持台4を基準(原点)とした直交座標系は、第1座標系とも呼ぶ。制御点座標系TCの一例は、鉛直方向をZ軸とし、Z軸に直交し、互いに直交する方向にX軸とY軸とが設定される。X軸とY軸とは水平面に平行である。以下では、一例として、制御点座標系TCPにおけるZ軸と鉛直方向とが一致し、X軸とY軸とがZ軸に直交し、互いに直交する方向である場合について説明する。
図1に戻り説明を続ける。
エンドエフェクターEは、例えばケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。これにより、エンドエフェクターEは、制御装置110から取得される制御信号に基づいて動作を行う。なお、ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。また、エンドエフェクターEは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって制御装置110と接続される構成であってもよい。
【0054】
マニピュレーターMは、エンドエフェクターEを回転させる関節を含む複数の関節を備える。また、複数の関節はそれぞれ、アクチュエーター(図示なし)を備える。マニピュレーターMを備えるアームAの一例は、6軸垂直多関節型のアームである。アームAの一例は、支持台4と、エンドエフェクターEと、マニピュレーターMと、マニピュレーターMが備える複数の関節それぞれのアクチュエーターとによる連携した動作によって6軸の自由度の動作を行う。なお、アームAの一例は、5軸以下の自由度で動作する構成であってもよく、7軸以上の自由度で動作する構成であってもよい。
アームAが6軸の自由度で動作する場合、アームAが5軸以下の自由度で動作する場合と比較して取り得る姿勢が増加する。これによりアームAは、例えば、動作が滑らかになり、更にアームAの周辺に存在する物体との干渉を容易に回避することができる。また、アームAが6軸の自由度で動作する場合、アームAの制御が、アームAが7軸以上の自由度で動作する場合と比較して計算量が少なくなるため制御が容易である。
【0055】
マニピュレーターMが備える複数の関節に備えられたアクチュエーターはそれぞれ、ケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。これにより、アクチュエーターは、制御装置110から取得される制御信号に基づいて、マニピュレーターMを動作させる。なお、ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。また、マニピュレーターMが備える複数のアクチュエーターのうちの一部又は全部は、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって制御装置110と接続される構成であってもよい。
力検出部FDは、変更装置120に備えられる。力検出部FDの一例は、例えば、力覚センサである。力検出部FDは、ケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。なお、力検出部FDと制御装置110とは、力センサーインターフェイスユニットを介して接続される構成であってもよい。また、力検出部FDと制御装置110とは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。力検出部FDは、変更装置120に作用した力やモーメント(トルク)を検出する。力検出部FDは、検出した力やモーメントの大きさを示す値を出力値として含む力検出情報を制御装置110へ送信する。
【0056】
制御装置110は、力検出情報に基づいて、アームAを制御する。なお、力検出部FDの一例は、トルクセンサーなどに加わる力やモーメントの大きさを示す値を検出するセンサであってもよい。
制御装置110は、ロボット2に制御信号を送信することにより、ロボット2を動作させる。これにより、制御装置110は、ロボット2に所定の作業を行わせる。具体的には、制御装置110は、変更装置120が出力する変更指示信号に基づいて、ロボット2の位置又は姿勢を変更させるための制御信号を作成する。制御装置110は、作成した制御信号を、ロボット2へ出力する。なお、制御装置110は、ロボット2の外部に設置される構成に代えて、ロボット2に内蔵される構成であってもよい。
【0057】
変更装置120は、ユーザのロボット2に対する操作を受け付ける入力機器である。変更装置120は、受け付けた操作に基づいて、ロボット2の位置及び姿勢の変更を指示するための変更指示信号を作成する。変更装置120は、作成した変更指示信号を制御装置110へ出力する。具体的には、変更装置120は、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部を備える。変更装置120は、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかのモードを選択する。変更装置120は、位置変更モードを選択した場合にロボット2に位置の変更を指示する変更指示信号を作成し、姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に姿勢の変更を指示する変更指示信号を作成する。
変更装置120は、ケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。また、変更装置120と制御装置110とは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。
【0058】
<ロボット2が行う所定の作業の概要>
以下、本実施形態に係るロボット制御システム1においてロボット2が行う所定の作業の概要について説明する。
図1において、ロボット2は、エンドエフェクターEによって対象物(図示なし)に所定の作業を行う。なお、ロボット2は、予め対象物を把持していてもよいし、所定の給材領域に配置された対象物を把持する構成であってもよい。対象物は、例えば、産業用の部品や部材、製品等である。
対象物の位置及び姿勢を表す三次元局所座標系である対象物座標系を示すマークが用意される。ここで、対象物の位置及び姿勢は、対象物のロボット座標系における位置及び姿勢である。対象物座標系の原点の位置は、例えば、対象物の位置として、対象物の重心の位置である。また、対象物座標系の各座標軸それぞれの方向は、対象物の姿勢を表す。
なお、対象物座標系を示すマークは、対象物座標系を示すことができる印であれば、如何なるマークであってもよいし、対象物の一部であってもよい。また、対象物は、産業用の部品に代えて、産業用と異なる部品や部材、製品等や、生体等の他の物体であってもよい。また、対象物の形状は、上記において説明した形状に代えて、他の形状であってもよい。
【0059】
ロボット2が対象物に所定の作業を行う際に、制御装置110は、ロボット2から現在座標データを読み出す。座標データは、位置情報と、姿勢情報とが対応付けられた情報である。ここで、位置情報は、基準となる位置である基準位置とロボット2がアームAを動かす際に制御点TCPを一致させる点を示す位置との相対的な位置を示す情報である。姿勢情報は、基準となる姿勢である基準姿勢と基準位置における制御点TCPの姿勢との相対的な姿勢を示す情報である。ロボット2の姿勢が変更されることによってロボット2の所定点は、制御点TCPを中心とする円弧を描く。制御装置110は、読み出した現在座標データに対し、変更装置120から受け取った変更指示信号に基づき、移動座標データを生成する。ここで生成された移動座標データに基づいて位置制御によりアームAを動かすことによって制御点TCPの位置及び姿勢、すなわちエンドエフェクターEの位置及び姿勢を変化させることにより、ロボット2に対象物に対して作業させる。
【0060】
位置制御は、座標データに含まれる位置情報が示す位置に制御点TCPの位置を一致させることにより、アームAを移動させる制御である。具体的には、位置制御は、座標データに含まれる位置情報が示す位置に制御点TCPの位置を一致させるとともに、座標データに含まれる姿勢情報が示す姿勢に制御点TCPの姿勢を一致させることにより、アームAを移動させる制御である。
【0061】
作業時において制御点TCPの位置及び姿勢が初期位置及び初期姿勢と一致している場合の対象物の位置及び姿勢と、基準位置及び基準姿勢とが一致している場合、制御装置110は、読み出した現在座標データと変更指示信号から生成する移動座標データに基づいて位置制御によりアームAを動かすことによって制御点TCPの位置及び姿勢、すなわちエンドエフェクターEの位置及び姿勢を変化させることにより、ロボット2に対象物に作業をさせることができる。
以下、ロボット制御システム1に含まれる制御装置110と、変更装置120とについて詳細に説明する。
【0062】
図3は、本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる制御装置と変更装置との一例を示す図である。
(制御装置110)
制御装置110は、第1通信部180-1と、第2通信部180-2と、制御部190と、記憶部200とを備える。
第1通信部180-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部180-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部180-1は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、第1通信部180-1は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。第1通信部180-1は、制御部190が出力した制御信号をロボット2へ送信する。具体的には、第1通信部180-1は、制御部190が出力した制御信号を、マニピュレーターMが備える複数のアクチュエーターの少なくとも一つへ送信する。第1通信部180-1は、ロボット2が送信した座標情報を受信する。
第2通信部180-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部180-2は、外部の通信装置と通信する。第2通信部180-2は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、第2通信部180-2は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。第2通信部180-2は、変更装置120が出力した変更指示信号を受信する。
【0063】
制御部190は、第1通信部180-1が受信した座標情報を取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号にロボット2の位置を変更することを特定する情報が含まれる場合には、取得した座標情報と変更指示信号とに基づいて、ロボット2の位置を変更する制御信号を作成する。制御部190は、作成した制御信号を第1通信部180-1へ出力する。制御部190は、取得した変更指示信号にロボット2の姿勢を変更することを特定する情報が含まれる場合には、取得した座標情報と変更指示信号とに基づいて、ロボット2の姿勢を変更する制御信号を作成する。制御部190は、作成した制御信号を第1通信部180-1へ出力する。
記憶部200は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部200は、教示点情報を記憶する。
【0064】
制御部190は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部200に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0065】
(変更装置120)
変更装置120は、入力部130と、通信部160と、導出部165と、変更指示部170とを備える。入力部130は、選択部140と、力覚センサ150と、タッチセンサTS1と、タッチセンサTS2と、タッチセンサTS3とを備える。選択部140は、第1部分P1と第2部分P2とを備える。
図4は、本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
変更装置120の一例は、ジョイスティックSTと台座PDと力検出部FDとを備える。ジョイスティックSTは柱状の部分と球状の部分とから構成される。球状の部分は、柱状の部分の上部(上側)に形成される。
ジョイスティックSTと台座PDとは、第1部分P1と第2部分P2とを有する。第1部分P1の一例は、台座PDに形成されている第1部分P1-1と、ジョイスティックSTの柱状の部分で台座に近接する部分に形成されている第1部分P1-21と、ジョイスティックSTの柱状の部分で球状の部分に近接する部分に形成されている第1部分P1-22とを含む。第2部分P2の一例は、ジョイスティックSTの球状の部分に形成されている。
図3に戻り説明を続ける。
【0066】
選択部140は、ユーザが第1部分P1に接触した場合は位置変更モードを選択する。位置変更モードは、ロボット2に対して、位置を変更させる動作モードである。タッチセンサTS1は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出する。タッチセンサTS2は、第1部分P1-21と第1部分P1-22とのいずれかに接触したことを検出する。力覚センサ150はユーザによって、ジョイスティックST、あるいは台座PDに加えられた力を検出する。入力部130は、タッチセンサTS1が検出したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報とタッチセンサTS2が検出したユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と力覚センサ150が検出したユーザによって、ジョイスティックST、あるいは台座PDに加えられた力情報を取得する。
【0067】
図5は、本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置120に対する操作の例1を説明するための模式図である。
力覚センサ150は、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととユーザがジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことと、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21または、P1-22に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたこととのいずれかを検出する。入力部130は、タッチセンサTS1が検出したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、タッチセンサTS2が検出したユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかと、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかに動かしたことを特定する情報を取得する。
図3に戻り説明を続ける。
【0068】
選択部140は、ユーザが第2部分P2に接触した場合は姿勢変更モードを選択する。姿勢変更モードは、ロボット2に対して、姿勢を変更させる動作モードである。タッチセンサTS3は、ユーザが第2部分P2に接触したことを検出する。力覚センサ150はユーザによって、ジョイスティックST、あるいは台座PDに加えられたモーメント(トルク)を検出する。入力部130は、タッチセンサTS3が検出したユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、力覚センサ150が検出したユーザによって、ジョイスティックST、あるいは台座PDに加えられたモーメント(トルク)情報を取得する。
図6は、本実施形態に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例2を説明するための模式図である。
力覚センサ150は、タッチセンサTS3によりユーザが第2部分P2に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこと、ユーザがジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたこと、ユーザがジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。入力部130は、タッチセンサTS3が検出したユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととY軸方向回りに回転させたこととZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
図3に戻り説明を続ける。
【0069】
導出部165は、入力部130が取得したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報又はユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれか又はユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報を取得する。
導出部165は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報を取得した場合には、入力部130が取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向とY軸方向のいずれかに動かしたことを特定する情報を取得し、ユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得した場合には、入力部130が取得したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいてX軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいてY軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、Z軸方向の変更量(移動量)を導出する。
【0070】
変更指示部170は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、位置変更モードで、X軸方向にロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、位置変更モードで、Y軸方向にロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170は、ユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、位置変更モードで、Z軸方向にロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0071】
導出部165は、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報を取得した場合には、入力部130が取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととY軸方向回りに回転させたこととZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、X軸方向回りの姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、Y軸方向回りの姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165は、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、Z軸方向回りの姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。
【0072】
変更指示部170は、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、姿勢変更モードで、X軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165が導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170は、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、姿勢変更モードで、Y軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165が導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170は、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、姿勢変更モードで、Z軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165が導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0073】
通信部160は、通信モジュールによって実現される。通信部160は、外部の通信装置と通信する。通信部160は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部160は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部160は、変更指示部170が出力した変更指示信号を制御装置110へ送信する。
選択部140、入力部130、導出部165、及び変更指示部170は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部(図示なし)に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0074】
図7は、本実施形態に係るロボット制御システムの動作の一例を示す図である。ここでは、一例として、(1)Y軸方向にロボット2の位置を変更する場合と、(2)Z軸方向にロボット2の位置を変更する場合と(3)Z軸方向回りにロボット2の姿勢を変更する場合とについて説明する。
(1)Y軸方向にロボット2の位置を変更する場合について説明する。
タッチセンサTS1は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出する。入力部130は、タッチセンサTS1が検出したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報を取得する(1-1)。
力覚センサ150は、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。導出部165は、入力部130が取得したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報を取得する。導出部165は、入力部130が取得したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得する。導出部165は、取得したユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、Y軸方向の変更量(移動量)を導出する(1-2)。
変更指示部170は、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、位置変更モードで、Y軸方向にロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0075】
(2)Z軸方向にロボット2の位置を変更する場合について説明する。
タッチセンサTS2は、ユーザが第1部分P1-21と第1部分P1-22とのいずれかに接触したことを検出する。入力部130は、タッチセンサTS2が検出したユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得する(2-1)。
力覚センサ150は、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21又は第2部分P1-22に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。導出部165は、入力部130が取得したユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得する。導出部165は、第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得する。導出部165は、取得したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、Z軸方向の変更量(移動量)を導出する(2-2)。
変更指示部170は、ユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、位置変更モードで、Z軸方向にロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0076】
(3)Z軸方向にロボット2の姿勢を変更する場合について説明する。
タッチセンサTS3は、ユーザが第2部分P2に接触したことを検出する。入力部130は、タッチセンサTS3が検出したユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報を取得する(3-1)。
力覚センサ150は、タッチセンサTS3によりユーザが第2部分P2に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報を取得する。導出部165は、入力部130が取得したユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得する。導出部165は、取得したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、Z軸方向回りの姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する(3-2)。
変更指示部170は、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、姿勢変更モードで、Z軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165が導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0077】
(ロボット制御システム1の動作)
本実施形態に係るロボット制御システム1の動作について、座標系を設定する処理と、ロボット2の位置又は姿勢を変更する処理とに分けて説明する。
図8は、本実施形態に係るロボット制御システムの動作の例1を示す図である。
図8を参照して、ロボット制御システム1に座標系を設定する処理について説明する。
(ステップS1-1)
ロボット制御装置100において、制御装置110は運転を開始する。
(ステップS2-1)
制御装置110において、制御部190は、第1座標系を特定する情報を含むロボット動作モード設定指令を作成する。制御部190は、作成したロボット動作モード設定指令を第1通信部180-1へ出力する。
(ステップS3-1)
制御装置110において、第1通信部180-1は、制御部190が出力したロボット動作モード設定指令を取得し、取得したロボット動作モード設定指令を、ロボット2へ出力する。
【0078】
(ステップS4-1)
ロボット2は、制御装置110が送信したロボット動作モード設定指令を受信する。ロボット2は、受信したロボット動作モード設定指令に含まれる第1座標系を特定する情報に基づいて、第1座標系に設定する。
(ステップS5-1)
ロボット2は、第1座標系に設定したことを特定する情報を含むロボット動作モード設定応答を作成する。ロボット2は、作成したロボット動作モード設定応答を制御装置110へ送信する。
(ステップS6-1)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信したロボット動作モード設定応答を受信する。制御部190は、第1通信部180-1が送信したロボット動作モード設定応答を取得する。制御部190は、取得したロボット動作モード設定応答に含まれる第1座標系に設定したことを特定する情報を取得する。制御部190は、取得した第1座標系に設定したことを特定する情報に基づいて、指定した動作モードと一致するか否かを判定する。一致しないと判定した場合には、ステップS2-1へ戻る。一致すると判定した場合には、座標を設定する処理を終了する。
【0079】
図9は、本実施形態に係るロボット制御システムの動作の例2を示す図である。
図9を参照して、ロボット制御システム1において、ロボット2の位置を変更する処理について説明する。この処理は、ロボット制御システム1に座標系を設定する処理に引き続いて行われてもよい。
(ステップS1-2)
制御装置110は、ロボット運転開始フラグをオンにする。ロボット運転開始フラグがオンにされたことがロボット2に通知される。
(ステップS2-2)
ロボット2は、ロボット運転開始フラグがオンにされたことが通知される。ロボット2は、ロボットプログラムの運用を開始する。
(ステップS3-2)
ロボット2は、ロボット運転中フラグをオンにする。ロボット運転中フラグがオンにされたことが制御装置110に通知される。
(ステップS4-2)
変更装置120において、タッチセンサTS1、またはタッチセンサTS2は、ユーザが第1部分P1(第1部分P1-1、第1部分P1-21、第1部分P1-22)に接触したか否かを判定する。接触していないと判定した場合にはステップS4-2へ戻り、接触していると判定した場合にはステップS5-2へ移行する。
(ステップS5-2)
変更装置120において、タッチセンサTS1は、ユーザが第1部分P1-1に接触したか否かを判定する。ユーザが第1部分P1-1に接触したと判定した場合にはステップS6-2へ移行し、接触していないと判定した場合(タッチセンサTS2により、ユーザが第1部分P1-21、第1部分P1-22に接触したと判断した場合)にはステップS7-2へ移行する。
【0080】
(ステップS6-2)
変更装置120において、力覚センサ150は、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこと又はユーザがジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報又はユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
(ステップS7-2)
変更装置120において、力覚センサ150は、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
(ステップS8-2)
変更装置120において、導出部165は、X軸方向の変更量(移動量)とY軸方向の変更量(移動量)とZ軸方向の変更量(移動量)とのいずれかを導出する。変更指示部170は、位置変更モードで、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、導出部165が導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。
(ステップS9-2)
変更装置120において、変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170が出力した変更指示信号を取得し、取得した変更指示信号を、制御装置110へ送信する。
(ステップS10-2)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120が送信した変更指示信号を受信する。
【0081】
(ステップS11-2)
ロボット2は、ロボット2の現在位置を取得する。
(ステップS12-2)
ロボット2は、取得したロボット2の現在位置を特定する情報を含むロボット2の現在座標データを、制御装置110へ送信する。
(ステップS13-2)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信した現在座標データを受信する。
(ステップS14-2)
制御装置110において、制御部190は、第1通信部180-1が受信した現在座標データを取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号に含まれるX軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報と、現在座標データとに基づいて、ロボット2を移動させる目標座標を演算する。
(ステップS15-2)
制御装置110において、制御部190は、座標の演算結果を含む移動座標データを作成する。制御部190は、作成した移動座標データを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した移動座標データを取得し、取得した移動座標データを、ロボット2へ送信する。
【0082】
(ステップS16-2)
ロボット2は、制御装置110が送信した移動座標データを受信する。ロボット2は、受信した移動座標データに含まれる座標の演算結果に基づいて移動させる。
(ステップS17-2)
変更装置120において、入力部130は運転終了指令を取得したか否かを判定する。運転終了指令を取得しない場合には、ステップS4-2へ移行する。
(ステップS18-2)
変更装置120において、変更指示部170は、入力部130が取得した運転終了指令を取得する。変更指示部170は、取得した運転終了指令を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170が出力した運転終了指令を取得し、取得した運転終了指令を、制御装置110へ送信する。
(ステップS19―2)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120が送信した運転終了指令を受信する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した運転終了指令を含む運転指令フラグを作成する。
(ステップS20―2)
制御装置110において、制御部190は、作成した運転指令フラグを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した運転指令フラグを取得し、取得した運転指令フラグをロボット2へ送信する。
【0083】
(ステップS21―2)
ロボット2は、制御装置110が送信した運転指令フラグを受信する。ロボット2は、受信した運転指令フラグに基づいて、運転終了フラグがオンであるか否かを判定する。運転終了フラグがオンでない場合ステップ11-2に戻り、運転終了フラグがオンである場合終了する。
(ステップS22―2)
制御装置110において、制御部190は、運転を終了するか否かを判定する。運転を終了しない場合ステップS13-2に戻り、運転を終了する場合終了する。
図9に示されるロボット制御システム1の動作の例2において、ステップS4-2からステップS10-2と、ステップS11-2からステップS13-2とは、同時に実行されてもよい。また、ステップS11-2からステップS13-2は、周期的に実行されてもよい。
【0084】
図10は、本実施形態に係るロボット制御システム1の動作の例3を示す図である。
図10を参照して、ロボット制御システム1において、ロボット2の姿勢を変更する処理について説明する。この処理は、ロボット制御システム1に座標系を設定する処理に引き続いて行われてもよい。
ステップS1-3からS3-3は、
図9のステップS1-2からS3-2を適用できる。
(ステップS4-3)
変更装置120において、タッチセンサTS3は、ユーザが第2部分P2に接触したか否かを判定する。接触していないと判定した場合にはステップS4-3へ戻り、接触していると判定した場合にはステップS5-3へ移行する。
(ステップS5-3)
変更装置120において、力覚センサ150は、タッチセンサTS3によりユーザが第2部分P2に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報とジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報とジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とのいずれかを取得する。
【0085】
(ステップS6-3)
変更装置120において、導出部165は、X軸方向回りの変更量(移動量)とY軸方向回りの変更量(移動量)とZ軸方向回りの変更量(移動量)とのいずれかを導出する。変更指示部170は、姿勢変更モードで、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれか周りにロボット2を、導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。
(ステップS7-3)
変更装置120において、変更指示部170は、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170が出力した変更指示信号を取得し、取得した変更指示信号を、制御装置110へ送信する。
(ステップS8-3)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120が送信した変更指示信号を受信する。
(ステップS9-3)
ロボット2は、ロボット2の現在位置を取得する。
(ステップS10-3)
ロボット2は、取得したロボット2の現在位置を特定する情報を含むロボット2の現在座標データを、制御装置110へ送信する。
【0086】
(ステップS11-3)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信した現在座標データを受信する。
(ステップS12-3)
制御装置110において、制御部190は、第1通信部180-1が受信した現在座標データを取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号に含まれるX軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれか回りにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報と、現在座標データとに基づいて、ロボット2を移動させる座標を演算する。
(ステップS13-3)
制御装置110において、制御部190は、座標の演算結果を含む移動座標データを作成する。制御部190は、作成した移動座標データを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した移動座標データを取得し、取得した移動座標データを、ロボット2へ送信する。
【0087】
(ステップS14-3)
ロボット2は、制御装置110が送信した移動座標データを受信する。ロボット2は、受信した移動座標データに含まれる座標の演算結果に基づいて移動させる。
(ステップS15-3)
変更装置120において、入力部130は運転終了指令を取得したか否かを判定する。運転終了指令を取得しない場合には、ステップS4-3へ移行する。
ステップS16-3からS20-3は、
図9のステップS18-2からS22-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
図10に示されるロボット制御システム1の動作の例3において、ステップS4-3からステップS8-3と、ステップS9-3からステップS11-3とは、同時に実行されてもよい。また、ステップS9-3からステップS11-3は、周期的に実行されてもよい。
【0088】
前述した実施形態では、変更装置120において、選択部140は、ユーザが第1部分P1に接触した場合は位置変更モードを選択し、ユーザが第2部分P2に接触した場合は姿勢変更モードを選択する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、変更装置120において、ユーザが第1部分P1に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定するとともにユーザが第2部分P2に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するようにしてもよい。又は変更装置120において、ユーザが第1部分P1に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するとともにユーザが第2部分P2に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定するようにしてもよい。
また、変更装置120において、選択部140が選択した動作モードをユーザに通知するようにしてもよい。
図11は、本実施形態に係るロボット制御システム1に含まれる変更装置120の他の例を示す図である。
図11に示される例では、変更装置120において、入力部130は、設定部155をさらに備える。設定部155は、ユーザが第1部分P1に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定するとともにユーザが第2部分P2に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定する。又は、設定部155は、ユーザが第1部分P1に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するとともにユーザが第2部分P2に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定する。
また、変更装置120は、通知部175を備える。通知部175は、選択部140が選択した動作モードをユーザに通知する。ユーザへの通知は、音声で行われてもよいし、表示部(図示なし)を介して行われてもよい。
【0089】
前述した実施形態において、変更指示部170は、選択部140によって位置変更モードが選択され、且つ入力部130によって姿勢を変更する操作情報が入力された場合に、ロボット2への姿勢の変更の指示を抑制するようにしてもよい。また、変更指示部170は、選択部140によって姿勢変更モードが選択され、且つ入力部130によって位置を変更する操作情報が入力された場合に、ロボット2への位置の変更の指示を抑制するようにしてもよい。
前述した実施形態において、導出部165及び変更指示部170が、変更装置120ではなく、制御装置110に備えられてもよい。この場合、変更装置120において、通信部160は、タッチセンサTS1が検出したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報とタッチセンサTS2が検出したユーザが第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と力覚センサ150が検出したユーザによってジョイスティックST、あるいは台座PDに加えられた力情報とを、制御装置110へ送信する。
【0090】
本実施形態に係るロボット制御システム1によれば、変更装置120は、ロボット2に対して位置及び姿勢の変更を指示する。変更装置120は、ロボット2に対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部140と、選択部140が位置変更モードを選択した場合にロボット2に位置の変更を指示し、選択部140が姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に姿勢の変更を指示する変更指示部170とを備える。選択部140は、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部130の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
変更装置120は、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部130の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置120は、位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、入力部130の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択できるため、ロボットに対して片手で操作ができる。
【0091】
入力部130は、選択部140を含む。このように構成することによって、ユーザが接触した入力部130の部分に基づいて、入力部130に含まれる選択部140は、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択できる。
入力部130は、第1部分と第2部分とを含み、選択部140は、ユーザが第1部分に接触した場合は位置変更モードを選択し、ユーザが第2部分に接触した場合は姿勢変更モードを選択する。このように構成することによって、変更装置120は、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択できる。
【0092】
入力部130は、第1部分と第2部分とを含み、ユーザが第1部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定し、又はユーザが第1部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定する設定部155をさらに備える。
入力部130は、第1部分と第2部分とを含む。設定部155は、ユーザが第1部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定する。又は設定部155は、ユーザが第1部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを姿勢変更モードに設定するとともにユーザが第2部分に接触した場合に選択部140が選択する動作モードを位置変更モードに設定する。このように構成することによって、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択する場合に接触する部分を設定できる。
【0093】
変更指示部170は、選択部140によって位置変更モードが選択され、且つ入力部130によって姿勢を変更する操作情報が入力された場合に、ロボット2への姿勢の変更の指示を抑制する。このように構成することによって、選択された動作モードと、入力された操作情報とが異なる場合に、操作情報に該当する指示を抑制できる。
ロボット2の所定点は、ロボット2の姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描く。ロボットの所定点は、ロボットの姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描いて移動できる。このように構成することによって、ロボットの姿勢を変更できる。
変更指示部170は、制御点を設定する。このように構成することによって、任意の点に制御点を設定できる。
入力部130は、力覚センサ150などの力検出部を備え、変更指示部170は、力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部130の部分のうち、ユーザが接触した部分が力検出部によって検出されるため、変更指示部170は、力検出部が検出した力に基づいて位置又は姿勢の変更を指示できる。
選択部140が選択した動作モードをユーザに通知する通知部175を備える。変更装置120において、通知部175は、選択部140が選択した動作モードをユーザに通知できる。このように構成することによって、変更装置120は、ユーザに選択されている動作モードを知らせることができる。
【0094】
(変形例1)
実施形態の変形例1に係るロボット制御システム1aは、
図1を適用できる。実施形態の変形例1に係るロボット制御システム1aは、ロボット2と、ロボット制御装置100aとを備える。ロボット制御装置100aは、制御装置110と、変更装置120aとを備える。
変更装置120aは、ユーザのロボット2に対する操作を受け付ける入力機器である。変更装置120aは、受け付けた操作に基づいて、ロボット2の位置及び姿勢を変更させるための変更指示信号を作成する。変更装置120aは、作成した変更指示信号を制御装置110へ出力する。
【0095】
具体的には、変更装置120aは、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部を備える。変更装置120aは、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、ロボット2の位置を変更させる動作モードである位置変更モードとロボット2の姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとロボット2の位置及び姿勢を変更させる動作モードである位置姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置120aは、位置変更モードを選択した場合にロボット2に位置の変更を指示する変更指示信号を作成し、姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に姿勢の変更を指示する変更指示信号を作成し、位置姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に位置又は姿勢の変更を指示する変更指示信号を作成する。
変更装置120aは、ケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。また、変更装置120aと制御装置110とは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。
【0096】
図12は、実施形態の変形例1に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例を示す図である。
(変更装置120a)
変更装置120aは、入力部130aと、通信部160と、導出部165aと、変更指示部170aとを備える。入力部130aは、選択部140aと、力覚センサ150とタッチセンサTS1~タッチセンサTS4を備える。選択部140aは、第1部分P1と第2部分P2と第3部分P3とを備える。
図13は、実施形態の変形例1に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
変更装置120aの一例は、ジョイスティックSTと台座PDと力検出部FDとを備える。ジョイスティックSTは柱状の部分と球状の部分とから構成される。球状の部分は、柱状の部分の上側に形成される。
ジョイスティックSTと台座PDとは、第1部分P1と第2部分P2と第3部分P3とを有する。第1部分P1の一例は、台座PDに形成されている第1部分P1-1と、ジョイスティックSTの柱状の部分で台座PDに近接する部分に形成されている第1部分P1-21と、ジョイスティックSTの柱状の部分で球状の部分に近接する部分に形成されている第1部分P1-22とを含む。第2部分P2の一例は、ジョイスティックSTの球状の部分に形成されている。第3部分P3の一例は、ジョイスティックSTの柱状の部分で台座PD及び球状の部分に近接しない部分に形成されている。
図12に戻り説明を続ける。
【0097】
選択部140aは、選択部140を適用できる。ただし、選択部140aは、ユーザが第3部分P3に接触した場合は位置姿勢変更モードを選択する。位置姿勢変更モードは、ロボット2に対して、位置又は姿勢を変更させる動作モードである。タッチセンサTS4は、ユーザが第3部分P3に接触したことを検出する。入力部130aは、タッチセンサTS4が検出したユーザが第3部分P3に接触したことを特定する情報を取得する。
力覚センサ150は、タッチセンサTS4によりユーザが第3部分P3に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことと力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向周りに回転させたこととジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。
【0098】
入力部130aは、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをY軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTをY軸方向周りに回転させたこととジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
導出部165aは、導出部165を適用できる。ただし、導出部165aは、入力部130が取得したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、第1部分P1-21と第1部分P1-22とのいずれかに接触したことを特定する情報と、第2部分P2に接触したことを特定する情報と、第3部分P3に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得する。
導出部165aは、ユーザが第3部分P3に接触したことを特定する情報を取得した場合には、入力部130aが取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととY軸方向に動かしたこととZ軸方向に動かしたこととX軸方向回りに回転させたこととY軸方向回りに回転させたこととZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
【0099】
導出部165aは、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととY軸方向に動かしたこととZ軸方向に動かしたこととX軸方向回りに回転させたこととY軸方向回りに回転させたこととZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報に基づいて、X軸方向の変更量(移動量)とY軸方向の変更量(移動量)とZ軸方向の変更量(移動量)とX軸方向回りの変更量(移動量)とY軸方向回りの変更量(移動量)とZ軸方向回りの変更量(移動量)とのいずれかを導出する。
変更指示部170aは、ユーザが第3部分P3に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととY軸方向に動かしたこととZ軸方向に動かしたこととのいずれかを特定する情報を取得した場合には、位置姿勢変更モードで、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、導出部165aが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170aは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0100】
変更指示部170aは、ユーザが第3部分P3に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととY軸方向周りに回転させたこととZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得した場合には、位置姿勢変更モードで、X軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかにロボット2の姿勢を、導出部165aが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170aは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
選択部140a、入力部130a、導出部165a、及び変更指示部170aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部(図示なし)に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0101】
(ロボット制御システム1aの動作)
実施形態の変形例1に係るロボット制御システム1aの動作は、
図8から
図10を適用できる。ロボット制御システム1aは、
図8から
図10に示した動作に加えて以下の動作を行う。
図14は、実施形態の変形例1に係るロボット制御システムの動作の一例を示す図である。
図14を参照して、ロボット制御システム1aにおいて、ロボット2の位置又は姿勢を変更する処理について説明する。この処理は、ロボット制御システム1aに座標系を設定する処理に引き続いて行われてもよい。
ステップS1-4からS3-4は、
図9のステップS1-2からS3-2を適用できる。
(ステップS4-4)
変更装置120aにおいて、タッチセンサTS4は、ユーザが第3部分P3に接触したか否かを判定する。接触していないと判定した場合にはステップS4-4へ戻り、接触していると判定した場合にはステップS5-4へ移行する。
【0102】
(ステップS5-4)
変更装置120aにおいて、力覚センサ150は、タッチセンサTS4によりユーザが第3部分P3に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向周りに回転させたこととジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。
入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをY軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたこととジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
【0103】
(ステップS6-4)
変更装置120aにおいて、導出部165aは、X軸方向の変更量(移動量)とY軸方向の変更量(移動量)とZ軸方向の変更量(移動量)とX軸方向回りの変更量(移動量)とY軸方向回りの変更量(移動量)とZ軸方向回りの変更量(移動量)とのいずれかを導出する。変更指示部170aは、位置姿勢変更モードで、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、導出部165aが導出した変更量移動させることを特定する情報又はX軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかにロボット2を、導出部165aが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。
(ステップS7-4)
変更装置120aにおいて、変更指示部170aは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170aが出力した変更指示信号を取得し、取得した変更指示信号を、制御装置110へ送信する。
(ステップS8-4)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120aが送信した変更指示信号を受信する。
(ステップS9-4)
ロボット2は、ロボット2の現在位置を取得する。
(ステップS10-4)
ロボット2は、取得したロボット2の現在位置を特定する情報を含むロボット2の現在座標データを、制御装置110へ送信する。
【0104】
(ステップS11-4)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信した現在座標データを受信する。
(ステップS12-4)
制御装置110において、制御部190は、第1通信部180-1が受信した現在座標データを取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号に含まれるX軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報又はX軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報と、現在座標データとに基づいて、ロボット2を移動させる目標座標を演算する。
(ステップS13-4)
制御装置110において、制御部190は、座標の演算結果を含む移動座標データを作成する。制御部190は、作成した移動座標データを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した移動座標データを取得し、取得した移動座標データを、ロボット2へ送信する。
(ステップS14-4)
ロボット2は、制御装置110が送信した移動座標データを受信する。ロボット2は、受信した移動座標データに含まれる座標の演算結果に基づいて移動させる。
【0105】
(ステップS15-4)
変更装置120aにおいて、入力部130は運転終了指令を取得したか否かを判定する。運転終了指令を取得しない場合には、ステップS4-4へ移行する。
ステップS16-4からS20-4は、
図9のステップS18-2からS22-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
図14に示されるロボット制御システム1aの動作の一例において、ステップS4-4からステップS8-4と、ステップS9-4からステップS11-4とは、同時に実行されてもよい。また、ステップS9-4からステップS11-4は、周期的に実行されてもよい。
【0106】
実施形態の変形例1に係るロボット制御システム1aによれば、変更装置120aは、変更装置120aにおいて、入力部130aは、第3部分P3をさらに含む。選択部140aは、ユーザが第3部分P3に接触した場合にロボット2に対して位置及び姿勢を変更させる位置姿勢変更モードを選択する。変更指示部170aは、選択部140aが位置姿勢変更モードを選択した場合にロボット2に位置及び姿勢の変更を指示する。このように構成することによって、変更装置120aは、ユーザが接触した部分に基づいて、位置姿勢変更モードを選択できる。
【0107】
(変形例2)
実施形態の変形例2に係るロボット制御システム1bは、
図1を適用できる。実施形態の変形例2に係るロボット制御システム1bは、ロボット2と、ロボット制御装置100bとを備える。ロボット制御装置100bは、制御装置110と、変更装置120bとを備える。
変更装置120bは、ユーザのロボット2に対する操作を受け付ける入力機器である。変更装置120bは、受け付けた操作に基づいて、ロボット2の位置及び姿勢を変更させるための変更指示信号を作成する。変更装置120bは、作成した変更指示信号を制御装置110へ出力する。
具体的には、変更装置120bは、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部を備える。変更装置120bは、入力部に含まれるボタンへの操作に基づいて、座標系を設定する。変更装置120bは、ボタンが押されていない場合には第1座標系に設定し、ボタンが押されている場合には第2座標系に設定する。第2座標系の一例はツール座標系である。
【0108】
変更装置120bは、入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、ロボット2の位置を変更させる動作モードである位置変更モードとロボット2の姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する。変更装置120bは、位置変更モードを選択した場合に第1座標系と第2座標系とのうち設定した座標系でロボット2に位置の変更を指示する変更指示信号を作成し、姿勢変更モードを選択した場合に第1座標系と第2座標系とのうち設定した座標系でロボット2に姿勢の変更を指示する変更指示信号を作成する。
変更装置120bは、ケーブル(図示なし)によって制御装置110と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。また、変更装置120bと制御装置110とは、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。
【0109】
図15は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例を示す図である。
(変更装置120b)
変更装置120bは、入力部130bと、通信部160と、導出部165bと、変更指示部170bとを備える。入力部130bは、選択部140bと、力覚センサ150とタッチセンサTS1~タッチセンサTS3とを備える。選択部140bは、第1部分P1と第2部分P2とボタンBUとを備える。
図16は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置の一例の模式図である。
変更装置120bの一例は、ジョイスティックSTと台座PDと力検出部FDとを備える。ジョイスティックSTは柱状の部分と球状の部分とから構成される。球状の部分は、柱状の部分の上部(上側)に形成される。
ジョイスティックSTと台座PDとは、第1部分P1と第2部分P2とを有する。第1部分P1の一例は、台座PDに形成されている第1部分P1-1と、ジョイスティックSTの柱状の部分で台座PDに近接する部分に形成されている第1部分P1-21と、ジョイスティックSTの柱状の部分で球状の部分に近接する部分に形成されている第1部分P1-22とを含む。第2部分P2の一例は、ジョイスティックSTの球状の部分に形成されている。第3部分P3の一例は、ジョイスティックSTの柱状の部分に形成されている。ボタンBUの一例は、ジョイスティックSTの球状の部分で柱状の部分とは反対側に形成されている。
図15に戻り説明を続ける。
【0110】
選択部140bは、選択部140を適用できる。ただし、選択部140bは、ユーザがボタンBUを押していない場合は第1座標系に設定し、ボタンBUを押した場合には第2座標系に設定する。第2座標系について説明する。
図17は、本実施形態に係るロボットシステムに設定される座標系の一例を示す図である。
制御点TCPには、制御点TCPの位置及び姿勢、換言すればエンドエフェクターEの位置及び姿勢を表す三次元局所座標系である制御点座標系TCが設定される。制御点TCPの位置及び姿勢は、制御点TCPのロボット座標系における位置及び姿勢である。
また、制御点座標系TCの各座標軸の方向は、制御点TCPの姿勢、換言すればエンドエフェクターEの姿勢を表す。
図17に示されるように、制御点TCPなどの把持しているツール(もしくはワーク)の端部(基準)に配置されるツール座標系が設定される。ツール座標系では、メカニカルインタフェース座標系の原点を任意の点にオフセットし、各軸回りを回転させる。
【0111】
図18は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例1を説明するための模式図である。
力覚センサ150は、ユーザがボタンBUを押したことと、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたこととのいずれかを検出する。入力部130は、ユーザがボタンBUを押したことを特定する情報と、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこととY軸方向に動かしたこととのいずれかを特定する情報を取得する。
力覚センサ150は、ユーザがボタンBUを押したことと、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21又は第2部分P1-22に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、ユーザがボタンBUを押したことを特定する情報と、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21または、第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
【0112】
図19は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムに含まれる変更装置に対する操作の例2を説明するための模式図である。
力覚センサ150は、ユーザがボタンBUを押したことと、タッチセンサTS3によりユーザが第2部分P2に接触したこととを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこと、ジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたこと、ジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。入力部130bは、ユーザがボタンBUを押したことを特定する情報とタッチセンサTS3が検出したユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかに回転させたことを特定する情報とを取得する。
図15に戻り説明を続ける。
【0113】
ユーザがボタンBUを押していない場合について説明する。
導出部165bは、入力部130bが取得したユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と第2部分P2に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得する。
導出部165bは、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報を取得した後に、入力部130が取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に移動させたこととY軸方向に移動させたことのいずれかを特定する情報を取得し、第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得した後に、入力部130が取得したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に移動させたことを特定する情報を取得する。
導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でX軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でY軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でZ軸方向の変更量(移動量)を導出する。
【0114】
導出部165bは、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報を取得した後に、入力部130bが取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかに回転させたことを特定する情報を取得する。
導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でX軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でY軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第1座標系でZ軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。
【0115】
変更指示部170bは、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、位置変更モードで、X軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、位置変更モードで、Y軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、位置変更モードで、Z軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0116】
変更指示部170bは、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、姿勢変更モードで、X軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、姿勢変更モードで、Y軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第1座標系を使用し、姿勢変更モードで、Z軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0117】
ユーザがボタンBUを押している場合について説明する。
導出部165bは、入力部130bが取得したユーザがボタンBUを押していることを特定する情報とともに、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と第2部分P2に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得する。
導出部165bは、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報を取得した後に、入力部130bが取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に移動させたこととY軸方向に移動させたことのいずれかを特定する情報を取得し、第1部分P1-21に接触したことを特定する情報と第1部分P1-22に接触したことを特定する情報とのいずれかを取得した後に、入力部130bが取得したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に移動させたことを特定する情報を取得する。
導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でX軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でY軸方向の変更量(移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でZ軸方向の変更量(移動量)を導出する。
【0118】
導出部165bは、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報を取得した後に、入力部130bが取得したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りとY軸方向回りとZ軸方向回りとのいずれかに動かしたことを特定する情報を取得する。
導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でX軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でY軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。導出部165bは、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報に基づいて、第2座標系でZ軸方向の姿勢変更量(姿勢移動量)を導出する。
【0119】
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、位置変更モードで、X軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第1部分P1-1に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、位置変更モードで、Y軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、位置変更モードで、Z軸方向にロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0120】
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、姿勢変更モードで、X軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、姿勢変更モードで、Y軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
変更指示部170bは、ユーザがボタンBUを押していることを特定する情報と、ユーザが第2部分P2に接触したことを特定する情報と、ユーザがジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とを取得した場合には、第2座標系を使用し、姿勢変更モードで、Z軸方向回りにロボット2の姿勢を、導出部165bが導出した姿勢変更量変更させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。
【0121】
選択部140b、入力部130b、導出部165b、及び変更指示部170bは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部(図示なし)に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0122】
(ロボット制御システム1bの動作)
実施形態の変形例2に係るロボット制御システム1bの動作は、
図8を適用できる。ロボット制御システム1bは、
図8に示した動作に加えて以下の動作を行う。
図20は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例1を示す図である。
図20を参照して、ロボット制御システム1bにおいて、ロボット2の位置を変更する処理について説明する。この処理は、ロボット制御システム1bに座標系を設定する処理に引き続いて行われてもよい。
ステップS1-5からS3-5は、
図9のステップS1-2からS3-2を適用できる。
(ステップS4-5)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、ユーザがボタンBUを押したか否かを判定する。押していないと判定した場合にはステップS5-5へ移行し、押していると判定した場合にはステップS6-5へ移行する。
(ステップS5-5)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、第1座標系に設定する。
【0123】
(ステップS6-5)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、第2座標系に設定する。
(ステップS7-5)
変更装置120bにおいて、タッチセンサTS1、またはタッチセンサTS2は、ユーザが第1部分P1(第1部分P1-1、第1部分P1-21、第1部分P1-22)に接触したか否かを判定する。接触していないと判定した場合にはステップS7-5へ戻り、接触していると判定した場合にはステップS8-5へ移行する。
(ステップS8-5)
変更装置120bにおいて、タッチセンサTS1は、ユーザが第1部分P1-1に接触したか否かを判定する。ユーザが第1部分P1-1に接触したと判定した場合にはステップS9-5へ移行し、接触していないと判定した場合(タッチセンサTS2により、ユーザが第1部分P1-21、第1部分P1-22に接触したと判断した場合)はステップS10-5へ移行する。
(ステップS9-5)
変更装置120bにおいて、力覚センサ150は、タッチセンサTS1によりユーザが第1部分P1-1に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向に動かしたこと又はユーザがジョイスティックSTに力Fyを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを検出する。入力部130は、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向に動かしたことを特定する情報又はユーザがジョイスティックSTをY軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
【0124】
(ステップS10-5)
変更装置120bにおいて、力覚センサ150は、タッチセンサTS2によりユーザが第1部分P1-21又は第1部分P1-22に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Fzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを検出する。入力部130b、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをZ軸方向に動かしたことを特定する情報を取得する。
(ステップS11-5)
変更装置120bにおいて、導出部165bは、第1座標系と第2座標系とのうち設定した座標系でX軸方向の変更量(移動量)とY軸方向の変更量(移動量)とZ軸方向の変更量(移動量)とのいずれかを導出する。変更指示部170bは、設定した座標系を使用して、位置変更モードで、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、導出部165bが導出した変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。
(ステップS12-5)
変更装置120bにおいて、変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170bが出力した変更指示信号を取得し、取得した変更指示信号を、制御装置110へ送信する。
(ステップS13-5)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120bが送信した変更指示信号を受信する。
【0125】
(ステップS14-5)
ロボット2は、ロボット2の現在位置を取得する。
(ステップS15-5)
ロボット2は、取得したロボット2の現在位置を特定する情報を含むロボット2の現在座標データを、制御装置110へ送信する。
(ステップS16-5)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信した現在座標データを受信する。
(ステップS17-5)
制御装置110において、制御部190は、第1通信部180-1が受信した現在座標データを取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号に含まれる座標系を特定する情報と、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれかにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報と、現在座標データとに基づいて、座標系を特定する情報に該当する座標系で、ロボット2を移動させる目標座標を演算する。
【0126】
(ステップS18-5)
制御装置110において、制御部190は、座標の演算結果を含む移動座標データを作成する。制御部190は、作成した移動座標データを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した移動座標データを取得し、取得した移動座標データを、ロボット2へ送信する。
(ステップS19-5)
ロボット2は、制御装置110が送信した移動座標データを受信する。ロボット2は、受信した移動座標データに含まれる座標の演算結果に基づいて移動させる。
(ステップS20-5)
変更装置120bにおいて、入力部130bは運転終了指令を取得したか否かを判定する。運転終了指令を取得しない場合には、ステップS4-5へ移行する。
ステップS21-5からS25-5は、
図9のステップS18-2からS22-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
図20に示されるロボット制御システム1bの動作の例1において、ステップS4-5からステップS13-5と、ステップS14-5からステップS16-5とは、同時に実行されてもよい。また、ステップS14-5からステップS16-5は、周期的に実行されてもよい。
【0127】
図21は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例2を示す図である。
図21を参照して、ロボット制御システム1bにおいて、ロボット2の姿勢を変更する処理について説明する。
ステップS1-6からS3-6は、
図9のステップS1-2からS3-2を適用できる。
(ステップS4-6)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、ユーザがボタンBUを押したか否かを判定する。押していないと判定した場合にはステップS5-6へ移行し、押していると判定した場合にはステップS6-6へ移行する。
(ステップS5-6)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、第1座標系に設定する。
(ステップS6-6)
変更装置120bにおいて、選択部140bは、第2座標系に設定する。
(ステップS7-6)
変更装置120bにおいて、タッチセンサTS3は、ユーザが第2部分P2に接触したか否かを判定する。接触していないと判定した場合にはステップS7-6へ戻り、接触していると判定した場合にはステップS8-6へ移行する。
(ステップS8-6)
変更装置120bにおいて、力覚センサ150は、タッチセンサTS3によりユーザが第2部分P2に接触したことを検出した後に、ユーザがジョイスティックSTに力Mxを加えることによってジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Myを加えることによってジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたこととジョイスティックSTに力Mzを加えることによってジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたこととのいずれかを検出する。入力部130bは、力覚センサ150が検出したユーザがジョイスティックSTをX軸方向回りに回転させたことを特定する情報とジョイスティックSTをY軸方向回りに回転させたことを特定する情報とジョイスティックSTをZ軸方向回りに回転させたことを特定する情報とのいずれかを取得する。
【0128】
(ステップS9-6)
変更装置120bにおいて、導出部165bは、第1座標系と第2座標系とのうち設定した座標系でX軸方向回りの変更量(移動量)とY軸方向回りの変更量(移動量)とZ軸方向回りの変更量(移動量)とのいずれかを導出する。変更指示部170bは、設定した座標系を使用して、姿勢変更モードで、X軸方向周りとY軸方向周りとZ軸方向周りとのいずれかにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報を含む変更指示信号を作成する。
(ステップS10-6)
変更装置120bにおいて、変更指示部170bは、作成した変更指示信号を通信部160へ出力する。通信部160は、変更指示部170bが出力した変更指示信号を取得し、取得した変更指示信号を、制御装置110へ送信する。
(ステップS11-6)
制御装置110において、第2通信部180-2は、変更装置120bが送信した変更指示信号を受信する。
(ステップS12-6)
ロボット2は、ロボット2の現在位置を取得する。
(ステップS13-6)
ロボット2は、取得したロボット2の現在位置を特定する情報を含むロボット2の現在座標データを、制御装置110へ送信する。
(ステップS14-6)
制御装置110において、第1通信部180-1は、ロボット2が送信した現在座標データを受信する。
【0129】
(ステップS15-6)
制御装置110において、制御部190は、第1通信部180-1が受信した現在座標データを取得する。制御部190は、第2通信部180-2が受信した変更指示信号を取得する。制御部190は、取得した変更指示信号に含まれる座標系を特定する情報と、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とのいずれか回りにロボット2を、変更量移動させることを特定する情報と、現在座標データとに基づいて、座標系を特定する情報に該当する座標系で、ロボット2を移動させる座標を演算する。
(ステップS16-6)
制御装置110において、制御部190は、座標の演算結果を含む移動座標データを作成する。制御部190は、作成した移動座標データを第1通信部180-1へ出力する。第1通信部180-1は、制御部190が出力した移動座標データを取得し、取得した移動座標データを、ロボット2へ送信する。
【0130】
(ステップS17-6)
ロボット2は、制御装置110が送信した移動座標データを受信する。ロボット2は、受信した移動座標データに含まれる座標の演算結果に基づいて移動させる。
(ステップS18-6)
変更装置120bにおいて、入力部130bは運転終了指令を取得したか否かを判定する。運転終了指令を取得しない場合には、ステップS4-6へ移行する。
ステップS19-6からS23-6は、
図9のステップS18-2からS22-2を適用できるため、ここでの説明は省略する。
図21に示されるロボット制御システム1bの動作の例2において、ステップS4-6からステップS11-6と、ステップS12-6からステップS14-6とは、同時に実行されてもよい。また、ステップS12-6からステップS14-6は、周期的に実行されてもよい。
【0131】
前述した実施形態の変形例2では、変更装置120bにおいて、選択部140bは、ユーザが、ボタンBUを押していない場合に第1座標系に設定し、ボタンBUを押している場合に第2座標系に設定し、導出部165bは、第1座標系と第2座標系とのうち設定した座標系で、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を導出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、導出部165bは、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンBUが押された場合に、入力部130に対する操作に基づいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて導出するようにしてもよい。ここで、第3座標系の一例は、ユーザが定義できる座標系であり、具体的には、3軸直交ジョグモードである。例えば、変更装置120bは、ボタンBUが押されることよって動作切替モードに遷移し、この動作切替モードにおいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とを含む3つの座標系が、入力部130に対する操作に応じて切り替えられるようにしてもよい。
【0132】
前述した実施形態の変形例2において、ロボット2の所定点は、姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御される。導出部165bは、ボタンBUが押された場合に、入力部130bによる指示に応じて変更される位置に制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、入力部130bによる指示に応じて変更される位置に制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、ロボットの姿勢の変更の目標を導出するようにしてもよい。
図22は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例1を説明するための図である。
図22を参照して、制御点固定モードについて説明する。
図22には、ロボット2と、ロボット2が把持しているツールTOと、制御点TCPとが示されている。制御点追従モードは、ロボット2の位置が変更装置120bによって変更された場合に(1)、変更されたロボット2の位置に伴って制御点TCPの位置も変更される。ロボット2の姿勢が変更装置120bによって変更される場合に(2)、ロボット2は、制御点TCPを中心とした円弧上に位置する。
図23は、実施形態の変形例2に係るロボット制御システムの動作の例2を説明するための図である。
図23を参照して、制御点固定モードについて説明する。
図23には、ロボット2と、ロボット2が把持しているツールTOと、制御点TCPとが示されている。制御点固定モードは、ロボット2の位置が変更装置120bによって変更された場合に(1)、制御点TCPの位置は変更されない。ロボット2の姿勢が変更装置120bによって変更される場合に(2)、ロボット2は、制御点TCPを中心とした円弧上に位置する。
【0133】
前述した実施形態の変形例2において、導出部165bは、入力部130bによる指示に応じてボタンBUが押されている場合と押されていない場合とで、入力部130bによる指示に応じて変更される位置の変更の量を異ならせてもよい。
前述した実施形態の変形例2において、変更装置120bは、ユーザがロボット2へ操作情報を入力する入力部130bの部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、第1座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第1座標系モードと第2座標系に基づいて位置の変更を指示する動作モードである第2座標系モードとのいずれかを選択する選択部140bと、選択部140bが第1座標系モードを選択した場合に第1座標系に基づいてロボット2に位置の変更を指示し、選択部140が第2座標系モードを選択した場合に第2座標系に基づいてロボットに位置の変更を指示する変更指示部170bを備えてもよい。
【0134】
実施形態の変形例2に係るロボット制御システム1bによれば、変更装置120bは、変更装置120において、入力部130bは、ボタンBUをさらに備える。変更装置120bは、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンが押されていない場合には第1座標系に基づいて導出し、ボタンBUが押されている場合には第2座標系に基づいて導出する導出部165bをさらに備える。
変更装置120bにおいて、入力部130bは、ボタンBUをさらに備える。導出部165bは、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンBUが押されている場合には第1座標系に基づいて導出し、ボタンBUが押されていない場合には第2座標系に基づいて導出する。第1座標系の一例はロボットの台座を原点などの基準とした直交座標系であり、第2座標系の一例はロボットが把持しているツール(もしくはワーク)の端部(基準)を原点などの基準とした直交座標系である。このように構成することによって、位置の変更又は姿勢の変更を行う場合に、第1座標系又は第2座標系に基づいて、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を導出できる。
【0135】
入力部130bは、ボタンBUをさらに備える。変更装置120bは、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンBUが押された場合に、入力部130bに対する操作に基づいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて導出する導出部165bをさらに備える。
変更装置120bにおいて、入力部130bは、ボタンBUをさらに備える。変更装置120bは、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を、ボタンBUが押されている場合に入力部130bに対する操作に基づいて、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて導出する導出部165bをさらに備える。第3座標系の一例はロボットのワールド座標系を基準とした直交座標系である。このように構成することによって、位置の変更又は姿勢の変更を行う場合に、第1座標系と第2座標系と第3座標系とのいずれかに基づいて、ロボットの位置の変更の目標又はロボットの姿勢の変更の目標を導出できる。
入力部130bは、ボタンBUをさらに備え、ロボット2の所定点は姿勢の変更によって制御点を中心とする円弧を描くように制御され、ボタンBUが押された場合に、入力部130bによる指示に応じて変更される位置に制御点を追従させる動作モードである制御点追従モードと、入力部130bによる指示に応じて変更される位置に制御点を追従させない動作モードである制御点固定モードとのいずれかによって、ロボットの位置の変更の目標を導出する導出部165bをさらに備える。このように構成することによって、ロボットの姿勢を変更する場合に、制御点追従モードと、制御点固定モードとのいずれかによって、ロボットの姿勢の変更の目標を導出できる。
導出部165bは、入力部130bによる指示に応じてボタンBUが押されている場合と押されていない場合とで、入力部130bによる指示に応じて変更される位置の変更の量を異ならせる。力覚センサ150が検出した力に基づいて、位置又は姿勢の変更量を導出する場合に、入力部130bが取得した力覚センサ150が検出した入力値(力)に比例して位置又は姿勢の変更量(操作量)を異ならせてもよいし、入力部130bが取得した入力値(力)に対して段階的に位置又は姿勢の変更量(操作量)を異ならせてもよい。このように構成することによって、ロボット2の位置又は姿勢を異なる変更量で移動させることができる。位置又は姿勢の変更量は、X軸とY軸とZ軸とで同じであるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。
【0136】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述した制御装置110、変更装置120、変更装置120a、変更装置120bは、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
【0137】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGAである。
【0138】
なお、上述の制御装置110、変更装置120、変更装置120a、変更装置120bは内部にコンピュータを有している。そして、上述した制御装置110、変更装置120、変更装置120a、変更装置120bの各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0139】
1、1a、1b ロボット制御システム
2 ロボット
4 支持台
100、100a、100b ロボット制御装置
110 制御装置
180-1 第1通信部
180-2 第2通信部
190 制御部
200 記憶部
120、120a、120b 変更装置
130、130a、130b 入力部
140、140a、140b 選択部
150 力覚センサ
155 設定部
160 通信部
165、165a、165b 導出部
170、170a、170b 変更指示部
【要約】
【課題】ロボットに対して片手で操作ができる変更装置、ロボット制御システム、変更方法、ロボット制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】変更装置は、ロボットに対して位置及び姿勢の変更を指示する。変更装置は、ロボットに対して、位置を変更させる動作モードである位置変更モードと姿勢を変更させる動作モードである姿勢変更モードとのうち、いずれかの動作モードを選択する選択部と、選択部が位置変更モードを選択した場合にロボットに位置の変更を指示し、選択部が姿勢変更モードを選択した場合にロボットに姿勢の変更を指示する変更指示部とを備え、選択部は、ユーザがロボットへ操作情報を入力する入力部の部分のうち、ユーザが接触した部分に基づいて、位置変更モードと姿勢変更モードとのいずれかを選択する。
【選択図】
図3