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特許7137672決済システムを利用した釣銭自動預金システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】決済システムを利用した釣銭自動預金システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20220907BHJP
【FI】
G06Q20/24
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021118168
(22)【出願日】2021-07-16
(62)【分割の表示】P 2016182457の分割
【原出願日】2016-09-19
(65)【公開番号】P2021168196
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516260741
【氏名又は名称】株式会社ネストエッグ
(74)【代理人】
【識別番号】100167081
【弁理士】
【氏名又は名称】本谷 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】丸山 弘毅
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-163526(JP,A)
【文献】特開2012-64083(JP,A)
【文献】特開2013-156936(JP,A)
【文献】特許第4450329(JP,B2)
【文献】特開2002-352174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客銀行口座を管理する顧客銀行口座情報処理手段と、
イシュアが管理するイシュア情報処理手段と、
アクワイアラが管理するアクワイアラ情報処理手段と、
前記アクワイアラ情報処理手段に対し、少なくとも決済金額及び加盟店情報を提供する加盟店情報処理手段と、
前記イシュア情報処理手段と前記アクワイアラ情報処理手段と通信し、決済に必要な機能を発揮する情報処理手段、を含み、
前記顧客銀行口座情報処理手段、前記イシュア情報処理手段、前記アクワイアラ情報処理手段、前記加盟店情報処理手段、又は、前記イシュア情報処理手段と前記アクワイアラ情報処理手段と通信し、決済に必要な機能を発揮する情報処理手段の間において、少なくとも、前記決済金額、及び、前記加盟店情報を含む決済情報に基づいて、顧客に対する決済を行う決済システムであって、
預金支援情報処理手段が設けられ、
前記預金支援情報処理手段は、
前記加盟店情報に基づく決済予算額を設定する決済予算額設定手段と、
前記イシュア情報処理手段から提供された前記加盟店情報が予め定められた前記加盟店情報である場合、前記決済予算額を反映した釣銭預金の額を演算する釣銭預金額演算手段と、
前記顧客銀行口座情報処理手段に対し、前記釣銭預金の額を前記顧客銀行口座から釣銭預金口座へ移転させる預金手段と、
を含むことを特徴とする決済システムを利用した釣銭自動預金システム。
【請求項2】
前記決済予算額設定手段が、所定期間における前記決済予算額を設定する期間決済予算額設定手段であり、
前記釣銭預金額演算手段が、前記イシュア情報処理手段から提供された前記加盟店情報に基づいて、前記所定期間における同一の前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計である期間釣銭預金額を演算する期間釣銭預金額演算手段であり、
前記預金手段が、前記所定期間における期間決済予算額と前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計額を比較し、前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計額が前記期間決済予算額に対し所定の関係にある場合、それらの間の差額を前記顧客銀行口座から前記釣銭預金口座に移転する、
ことを特徴とする請求項1に記載の決済システムを利用した釣銭自動預金システム。
【請求項3】
前記預金手段における目標金額及び達成時期を設定する目標設定手段と、
所定のアルゴリズムに基づいて、所定の時期における前記預金手段における預金額の総額と達成時期並びに前記目標金額を勘案し、前記達成時期における目標金額到達状況に応じて警報信号を出力する通報手段と、
前記警報信号に基づいて、少なくとも警報を報知する顧客情報処理手段と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の決済システムを利用した釣銭自動預金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂釣銭貯金をカード決済においても可能にしたカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに関する。
詳しくは、カード決済における予算額と代金との差額を釣銭と見なして当該釣銭を貯金(預金)可能にしたカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに関する。
さらに詳しくは、カード決済における用途を特定した予算額と代金との差額を貯金可能にしたカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに関する。
【0002】
本明細書において使用するカード決済システムとは、クレジットカード決済システムに類した決済システムを意味し、例えば、デビットカード決済システム、サーバ型プリペイドカード決済システムをも含む概念である。
クレジットカード決済システムとは、図1に示すように、顧客102がイシュア118と締結したクレジットカード決済契約に基づいて発行されたクレジットカード120を用いて代金を支払う決済システムであって、当該代金は顧客102が所有する顧客銀行128における顧客銀行口座174からイシュア118が引き落とし、商品又はサービス(以下「商品等」という。)を提供する加盟店104は、アクワイアラ108と加盟店契約を締結し、当該加盟店契約によるアクワイアラ108を経由した国際ブランド114のシステムを用いてイシュア118から代金を受け取るシステムである。
デビットカード決済システムは、カードを発行するイシュア118が顧客銀行128に代わる、すなわち、イシュア118と顧客銀行128とが同体である共に即時決済されるという点を除いてはクレジットカード決済と同一である。
プリペイドカード決済システムは、サーバ型プリペイドカード(国際ブランドプリペイドカード)であって、顧客102は予めイシュア118又は顧客銀行128において前払いで所定金額のプリペイドカードを購入し、商品等の代金は購入したプリペイドカードを管理する顧客銀行128又はイシュア118におけるプリペイドカード口座から引き落とされる以外、クレジットカード決済システムと同一である。したがって、デビットカード決済システム、及び、サーバ型プリペイドカード決済システムも本発明におけるカード決済システムに含まれるものである。
また、「釣銭」とは、実代金と加盟店に渡した金額との差額として受け取る釣銭の他、所定のルールで定めた予算額に対し実際に支払った金額が少ない場合にそれらの間の差額をも含む概念である。
さらに、「移転」とは、銀行(口座)間においてお金を送ることの他、同一銀行内における口座間においてお金を送ることをも含む概念である。換言すれば、口座間でのお金の移動する行為の総称である。なお、本明細書において、「送金」についても「移転」と同様の意味合いにおいて用いている。さらにまた、「銀行」とは銀行と同様の機能を有する機関をも含む概念である。
【背景技術】
【0003】
第1の従来技術として、電子マネーを利用して、本人が貯蓄について強く意識したり努力したりしなくても効果的に貯蓄を伸ばすことのできる貯蓄システム等を提供するため、何らかの支払いをする場合に、予め設定しておいた桁数の数値まで支払金額が切り上げられたものと想定し、実際の支払金額と、切り上げられた金額との差額(釣銭に相当)が自動的に指定の貯金箱(電子マネーの貯金用口座)へ振り込まれて貯蓄されることにより、電子マネー決済を利用した貯蓄システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、電子決済方式における商取引においてもアナログ世界における「つり銭」等の「小銭」の発生をもたらすことができ、それにより「つり銭」や「小銭」による募金、貯金等を実施することができるアナログ貨幣方式電子決済装置を提供するため、金融機関の預貯金口座を管理するコンピュータと通信を行なうようにしたPOSターミナルに、カードリーダによって読取った金融機関カードから商品を買上げた顧客の金融機関における預貯金口座を特定し、顧客が買上げた商品の代金とその顧客の支払い金額とから算出される釣銭額が零より大きい場合に、当該顧客の預貯金口座にその釣銭額の一部または全額を入金するようにコンピュータに指令する手段を設けることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
第3の従来技術として、プリペイドカードや電子マネーの残金のうち、端数を自動的に銀行口座に移動できるシステム及びシステムに用いられる装置を提供するため、利用者に所定の商品等を販売する販売装置において、所定の金銭的価値が格納されている有価媒体を読み取り、格納されている金額を読み取る読み取り手段と、前記販売される商品等の価格を前記読み取った金額から減算し、減算後の金額からさらにその端数を減じて、端数のない金額を算出する算出手段と、前記有価媒体に格納されている金額を、前記算出した端数のない金額の額面に書き換える書き込み手段と、前記端数を所定の口座に入金する旨の指示を出す指示手段と、を含むことを特徴とする有価媒体が利用可能な販売装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
第4の従来技術として、クレジットカードのユーザに対し、そのユーザの実社会における行動に即応した情報を提供するため、当該ユーザの居住地情報を店舗ジャンルの識別情報とからイベントを特定し、当該イベントの広告をメールにより送信することが知られている(例えば、特許文献4参照)。
カード利用の使い過ぎによる「のめり込み」を防止することができるデビット決済システムを提供するため、利用客による決済希望金額と、過去のデビット取引による利用累積額との合計値が、利用制限額の範囲内であるかを判定し、この判定により利用制限額を超えていない場合には、決済希望金額分のプリペイドカードを発行すること、換言すれば、デビットカードの利用上限額を定め、当該利用上限額を超えて使用出来ないようにすることが知られている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4450329号(図1図2、段落番号0005~0013)
【文献】特開2002-352174(図1図7、段落番号0004~0047)
【文献】特開2003-51053(図1図7、段落番号0004~0028)
【文献】特許第5335511号(図1図10、段落番号0008~0073)
【文献】特開2006-318403(図1図10、段落番号0008~0073)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術において、電子マネーを用いて商品等の対価を支払う際、その支払に用いられる原資として切りの良い金額に設定される。例えば、支払い原資が1000円単位になるように設定され、980円を対価として支払う場合、差額の20円が自動的に指定の貯金箱(電子マネーの貯金用口座)へ振り込まれて貯蓄されるものである。第1の従来技術においては、電子マネーを用いて対価を支払う場合、毎回端数を貯金することになり貯金を促進できる利点がある。しかし、予算(原資)に限りもあることから、端数を貯金したくない場合も存在する。例えば、通常の食費に関しては貯金に回さず、贅沢な場合又は嗜好品等に対する支払いの場合は貯金をしたい場合である。前述したように、第1の従来技術においては、貯金をする対象を選定できない問題がある。また、所定期間における予算に対し、実際に用いた金額が下回った場合に、その残金(釣銭)を貯金したいとの要請がある。例えば、交際費の上限を月額3万円に設定した場合において、実際の支出が2万5千円であった場合、未使用の5千円を自動的に貯金したいとの要望がある。しかし、第1の従来技術においては所定期間における利用上限額を定める思想がないので、このような多様な要望に対応することができない問題がある。
第2の従来技術は、顧客が手渡した現金と商品等の代金との間に差額がある場合、顧客の銀行口座にその釣銭額の一部または全額を入金するようにコンピュータに指令する手段を設けたものである。第2の従来技術においては、手渡した現金と代金との間に差額があった場合であっても、コンピュータに指令する手段を操作せねば銀行口座に入金されないことから、円滑な貯金ができない問題がある。
第3の従来技術は、プリペイドカード又は電子マネーによって決済を行った場合、決済後のプリペイドカード又は電子マネーの金額に端数がある場合、当該端数を指示手段からの指示に基づいて銀行口座に入金するので、第2の従来技術同様に、円滑な貯金ができない問題がある。
第4の従来技術は、顧客がクレジットカード決済する場合に送信される店舗の業種情報(コード)に基づいて、当該顧客に適切な広告をメール配信するようにしたものであり、店舗の業種情報を広告に利用する思想はあるが、残金を預金させることとの関連は何らの示唆も開示もされていない。
第5の従来技術は、デビットカード利用金額の合計が利用金額の上限を超えた場合、あらたなプリペイドカードが発行されないため、デビットカードの乱用を防止できる利点があるが、残金を預金させることとの関連は何らの示唆も開示もされていない。
【0006】
本発明の基本的目的たる第1の目的は、所定の用途に使用する場合において、カード決済を行う際に自動的(円滑)に釣銭貯金ができるカード決済システムを提供することである。
本発明の従的目的たる第2の目的は、所定の期間において所定の用途に使用する場合において、カード決済を行う際に自動的(円滑)に釣銭貯金ができるカード決済システムを提供することである。
本発明の従的目的たる第3の目的は、釣銭貯金の目標達成確率を高めることができるカード決済システムを提供することである。
本発明の従的目的たる第4の目的は、より多様な釣銭貯金が可能なカード決済システムを提供することである。
本発明の従的目的たる第5の目的は、釣銭預金に関連する店舗の広告機能を高めることができるカード決済システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、請求項1にかかる第1の発明は以下のように構成されている。
顧客銀行口座を管理する顧客銀行口座情報処理手段と、
イシュアが管理するイシュア情報処理手段と、
アクワイアラが管理するアクワイアラ情報処理手段と、
前記アクワイアラ情報処理手段に対し、少なくとも決済金額及び加盟店情報を提供する加盟店情報処理手段と、
前記イシュア情報処理手段と前記アクワイアラ情報処理手段と通信し、決済に必要な機能を発揮する情報処理手段、を含み、
前記顧客銀行口座情報処理手段、前記イシュア情報処理手段、前記アクワイアラ情報処理手段、前記加盟店情報処理手段、又は、前記イシュア情報処理手段と前記アクワイアラ情報処理手段と通信し、決済に必要な機能を発揮する情報処理手段の間において、少なくとも、前記決済金額、及び、前記加盟店情報を含む決済情報に基づいて、顧客に対する決済を行う決済システムであって、
預金支援情報処理手段が設けられ、
前記預金支援情報処理手段は、
前記加盟店情報に基づく決済予算額を設定する決済予算額設定手段と、
前記イシュア情報処理手段から提供された前記加盟店情報が予め定められた前記加盟店情報である場合、前記決済予算額を反映した釣銭預金の額を演算する釣銭預金額演算手段と、
前記顧客銀行口座情報処理手段に対し、前記釣銭預金の額を前記顧客銀行口座から釣銭預金口座へ移転させる預金手段と、
を含むことを特徴とする決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0008】
第2の発明は、
前記決済予算額設定手段が、所定期間における前記決済予算額を設定する期間決済予算額設定手段であり、
前記釣銭預金額演算手段が、前記イシュア情報処理手段から提供された前記加盟店情報に基づいて、前記所定期間における同一の前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計である期間釣銭預金額を演算する期間釣銭預金額演算手段であり、
前記預金手段が、前記所定期間における期間決済予算額と前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計額を比較し、前記加盟店情報に対応する前記決済金額の合計額が前記期間決済予算額に対し所定の関係にある場合、それらの間の差額を前記顧客銀行口座から前記釣銭預金口座に移転する、
ことを特徴とする請求項1に記載の決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0009】
第3の発明は、
前記預金手段における目標金額及び達成時期を設定する目標設定手段と、
所定のアルゴリズムに基づいて、所定の時期における前記預金手段における預金額の総額と達成時期並びに前記目標金額を勘案し、前記達成時期における目標金額到達状況に応じて警報信号を出力する通報手段と、
前記警報信号に基づいて、少なくとも警報を報知する顧客情報処理手段と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0010】
第4の発明は、
さらに、前記イシュア情報処理手段から送信された加盟店情報における前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計である期間釣銭預金額と、与信要求に係る同一の加盟店情報の決済金額との合計である予想釣銭預金決済金額を演算する予想釣銭預金決済金額演算手段と、
前記期間カード決済予算額と予想釣銭預金決済金額を比較し、前記予想釣銭預金決済金額が前記期間カード決済予算額に対し所定の関係にある場合、取引注意信号を出力する取引警報手段と、
前記取引注意信号に基づいて、少なくとも警報を報知する顧客情報処理手段と、
を含むことを特徴とする第3の発明のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0011】
第5の発明は、
前記カード決済予算額は複数の加盟店情報に対して設定されることを特徴とする第1~第4の発明の何れかに記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0012】
第6の発明は、
前記カード決済予算額設定手段によって設定されたカード決済予算額、前記加盟店情報、決済情報、及び、前記釣銭預金額演算手段は、預金支援情報処理手段に内蔵されることを特徴とする第2~第5の発明の何れかに記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0013】
第7の発明は、
前記預金支援情報処理手段は、支援加盟店情報記憶手段を含むと共に、決済情報と共に前記支援加盟店情報記憶手段に記憶された加盟店情報を顧客の顧客情報処理手段に送信し、
前記顧客情報処理手段は、前記加盟店情報を書き換える顧客加盟店情報書換手段を備えることを特徴とする第6の発明に記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0014】
第8の発明は、
前記預金支援情報処理手段は、さらに、
預金目的に関連する広告情報を前記顧客情報処理手段に送信する広告手段を
備えることを特徴とする第7の発明に記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0015】
第9の発明は、
前記預金支援情報処理手段は、さらに、
預金目的を記憶したカード番号顧客口座等テーブルと、
前記預金目的に関連する広告情報を記憶した広告情報テーブルと、
前記預金目的と広告情報とを対比し、それらが一致する場合、前記広告情報を前記顧客情報処理手段に送信する広告手段を
備えることを特徴とする第7の発明に記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【0016】
第10の発明は、
さらに、前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計である期間釣銭預金額と、与信要求に係る同一の加盟店情報の決済金額との合計である予想釣銭預金決済金額を演算する予想釣銭預金決済金額演算手段と、
前記期間カード決済予算額と予想釣銭預金決済金額を比較し、前記予想釣銭預金決済金額が前記期間カード決済予算額に対し所定の関係にある場合、前記顧客情報処理手段に対し通報を行う通報手段と、
を含むことを特徴とする第6~第9の発明の何れかに記載のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムである。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明において、顧客が加盟店における商品等に対する代金を決済する場合、加盟店(加盟店情報処理手段)からアクワイアラ(アクワイアラ情報処理手段)に対して支払額たる決済金額、及び、店舗名や業種情報等の加盟店情報を含む決済情報と共に与信要求され、アクワイアラは通信によって決済に必要な機能を発揮する情報処理手段を介してイシュア(イシュア情報処理手段)に与信要求し、イシュアが与信した場合、決済が実行される。
決済予算額設定手段は、加盟店情報に基づいて決済予算額を設定する。例えば交際費として1回3000円が決済予算額として設定される。今回レストランで食事をし、2500円を決済した場合、加盟店から送信される加盟店情報には、業種情報たるレストラン情報が含まれているから、当該レストラン情報から2500円が釣銭預金の対象であることが判別され、決済金額たる2500円を一回の決済予算額である3000円と比較し、500円下回るので、500円を釣銭預金の額として決定する。
預金手段は、この差額の500円を顧客銀行口座から釣銭預金口座に移転する移転指令を顧客銀行口座情報処理手段に対し出力する。これにより、移転指令を受けた顧客銀行口座情報処理手段は500円を顧客銀行口座から釣銭預金口座に移転(振替)させるので、自動的に釣銭預金が出来る。
したがって、第1の発明においては、顧客の要望する使途における決済予算額に対し、実際の決済金額が下回った場合、その下回る額が自動的に顧客の釣銭預金口座に預金されることから、自動的(円滑)に釣銭貯金ができ、第1の目的を達成できる利点がある。
【0018】
第2の発明において、決済予算額設定手段が、所定期間における決済予算額を設定すること、及び、釣銭預金額演算手段が前記所定期間に対応する期間における決済金額の合計である期間釣銭預金額を演算するものである。よって、基本的構成は第1の発明と同一であるので、第1の発明と同様に第1の目的を達成できる利点がある。さらに、釣銭預金額演算手段は所定期間(インターバル)、例えば1ヶ月間が経過した場合、1ヶ月間における加盟店情報から飲食に関わる決済金額を集計し、決済予算額設定手段に設定された月間の決済予算額と比較し所定の関係にある場合、例えば、当該決済予算額を下回った場合、それらの間の差額を釣銭預金とし、預金手段は顧客銀行口座情報処理手段に対し、顧客銀行口座から釣銭預金口座へ移転指令を出力する。結果、釣銭預金の額が顧客銀行口座から釣銭預金口座に移転され、釣銭預金が実行される。よって、第2の目的をも達成できる利点がある。
【0019】
第3の発明において、第1又は第2の発明において、更に、所定のアルゴリズムに基づいて、所定の時期における預金手段による釣銭預金額と達成時期並びに目標金額を評価し、達成時期における目標金額達成が困難であると判断される場合、顧客情報処理手段に対し警告信号を出力する通報手段を設けたものである。したがって、主たる構成は、第1の発明又は第2の発明と同一であることから、それぞれ第1並びに第2の目的を達成できる利点がある。さらに、通報手段は、達成時期における預金の目標達成が困難であると判断した場合、警告信号を出力し、この警告信号を受信した顧客情報処理手段は顧客に対し所定の手段で警告を伝達する。当該警告を知った顧客は、通常、目標達成に向けて努力するので、目標達成の確率が高まり、第3の目的を達成できる利点がある。
【0020】
第4の発明において、第3の発明において、さらに、与信要求を行う際、予想釣銭預金決済金額を演算する予想釣銭預金決済金額演算手段と、予想釣銭預金決済金額が期間カード決済予算額を超える場合、顧客情報処理手段に対し取引注意信号を出力する取引警報手段とを加えたものである。それ故、第4の発明は第3の発明と同一の作用をなすので、対応する第1の目的~第3の目的を達成できる利点がある。
さらに、与信要求を行う際、今回のカード決済を実行した場合において所定の関係にある場合、例えば、期間カード決済予算額を超えるときは、取引警報手段は顧客情報処理手段に出力し、当該顧客情報処理手段はその旨を顧客に通報する。顧客は、この通報により、釣銭貯金が出来なくなることを理解するので、今回のカード決済をすべきか判断することができ、取引を中止することもできる。したがって、目標達成の確率が高まり、さらに第3の目的を達成できる利点がある。
【0021】
第5の発明において、カード決済予算額は複数の加盟店情報に対して設定される。したがって、基本的構成は第2~第4の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、又は、第3の目的を達成できる利点がある。さらに、カード決済予算額は複数の加盟店情報に対して設定されるため、釣銭預金対象が複数の種類になることから、多様な釣銭預金を採用することができ、第4の目的を達成できる利点がある。
【0022】
第6の発明において、カード決済予算額設定手段によって設定されたカード決済予算額、加盟店情報、決済情報、及び、釣銭預金額演算手段は、預金支援情報処理手段に内蔵されている。したがって、基本的構成は第1~第5の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、又は、第3・第4の目的を達成できる利点がある。さらに、イシュア情報処理手段、アクワイアラ情報処理手段、及び、国際ブランド情報処理手段、とは別に設けた預金支援情報処理手段において、カード決済予算額、加盟店情報、及び、決済情報が保持され、並びに、釣銭預金額演算手段が設けられることから、情報処理の自由度が高まり、多様なサービスを提供できることから、より一層、第4の目的を達成できる利点がある。
【0023】
第7の発明において、預金支援情報処理手段は、支援加盟店情報記憶手段を含むと共に、カード決済情報と共に前記支援加盟店情報記憶手段に記憶された加盟店情報を顧客の顧客情報処理手段に送信し、前記顧客情報処理手段は、前記加盟店情報を書き換える顧客加盟店情報書換手段を備える。したがって、基本的構成は第2~6の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、第3、又は、第4の目的を達成できる利点がある。さらに、預金支援情報処理手段における支援加盟店情報記憶手段の加盟店情報を、顧客が所持する顧客情報処理手段における顧客加盟店情報書換手段によって、書換可能である.換言すれば、預金支援情報処理手段における支援加盟店情報記憶手段の加盟店情報が間違っている場合、釣銭預金を適切に行うことが出来ないが、その間違いを顧客が訂正できるので、釣銭預金の目標達成を早めることができ、第4の目的をさらに達成できる利点がある。
【0024】
第8の発明において、預金支援情報処理手段は、さらに、預金目的に関連する広告情報を顧客情報処理手段に送信する広告手段を備える。したがって、基本的構成は第1~7の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、又は、第3、第4の目的を達成できる利点がある。さらに、広告手段によって、広告情報を受信した顧客は、顧客情報処理手段を操作して当該広告情報を見ることができるので、顧客の釣銭預金意欲を高揚させることができると共に、加盟店等の販売店の当該顧客に対する広告機能を提供できることから、従的目的たる第5の目的をも達成できる利点がある。
【0025】
第9の発明において、預金支援情報処理手段は、さらに、預金目的を記憶したカード番号顧客口座等テーブルと、前記目的に関連する広告情報を記憶した広告情報テーブルと、前記預金目的と前記広告情報を対比し、それらが一致する場合、前記広告情報を前記顧客情報処理手段に送信する広告手段を備える。
したがって、基本的構成は第1~7の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、又は、第3、第4及び第5の目的を達成できる利点がある。さらに、広告手段は預金目的を記憶したカード番号顧客口座等テーブルと、前記目的に関連する広告情報を記憶した広告情報テーブルとを含んでいることから、それら預金目的又は広告情報を簡単に追加又は削除できることから、従的目的たる第5の目的を更に達成できる利点がある。
【0026】
第10の発明において、さらに、前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計である期間釣銭預金額と、与信要求に係る同一の加盟店情報の決済金額との合計である予想釣銭預金決済金額を演算する予想釣銭預金決済金額演算手段と、前記期間カード決済予算額と予想釣銭預金決済金額を比較し、前記予想釣銭預金決済金額が前記期間カード決済予算額に対し所定の関係にある場合、前記顧客情報処理手段に対し通報を行う通報手段とを備える。したがって、基本的構成は第1~9の発明と同一であるため、それぞれに対応した第1及び第2の目的、又は、第3、第4、第5の目的を達成できる利点がある。さらに、期間カード決済予算額と予想釣銭預金決済金額を比較し、予想釣銭預金決済金額が期間カード決済予算額と所定の関係を有する場合、通報手段が顧客に対し通報を行うことから、顧客の釣銭預金意欲を高揚させることができ、第5の目的を達成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムの概略説明図である。
図2図2は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる加盟店情報処理手段の概略説明図である。
図3図3は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる加盟店情報処理手段のブロック図である。
図4図4は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる加盟店情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる加盟店情報処理手段から出力されるレシートの一例である。
図6図6は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられるアクワイアラ情報処理手段のブロック図である。
図7図7は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられるアクワイアラ情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる国際ブランド情報処理手段のブロック図である。
図9図9は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる国際ブランド情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられるイシュア情報処理手段のブロック図である。
図11図11は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられるイシュア情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる顧客銀行情報処理手段のブロック図である。
図13図13は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる顧客銀行情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートであり、(A)はクレジット決済処理フローチャートであり、(B)は釣銭預金処理フローチャートである。
図14図14は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段のブロック図である。
図15図15は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における業種情報テーブルの一例である。
図16図16は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段の作用を説明するための図であり、(A)はフローチャート(カード決済毎)、(B)~(D)は釣銭預金支援表示手段における画面の例である。
図17図17は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段におけるカード番号顧客口座等テーブルの一例である。
図18図18は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における釣銭預金額演算手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図19図19は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における預金手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図20図20は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における支援加盟店情報テーブルの一例である。
図21図21は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における広告情報テーブルの一例である。
図22図22は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における広告手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図23図23は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における通報手段の作用を説明するためのフローチャートであり、(A)は通報対処選定のアルゴリズムを表現したフローチャート、(B)は釣銭預金の実行を通知するフローチャートである。
図24図24は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる預金支援情報処理手段における通報手段の作用を説明するためのグラフである。
図25図25は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる顧客情報処理手段のブロック図である。
図26図26は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムに用いられる顧客情報処理手段の作用を説明するためのフローチャートであり、(A)はメールを閲覧するフローチャート、(B)は加盟店情報書換るフローチャート、(C)は顧客表示手段に表す画面の一例である。
図27図27は、本発明にかかる実施例1のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムの全体連関フローチャートである。
図28図28は、本発明にかかる実施例2のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段のブロック図である。
図29図29は、本発明にかかる実施例2のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段における釣銭預金演算タイミング設定手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図30図30は、本発明にかかる実施例2のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段における期間釣銭預金額演算手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図31図31は、本発明にかかる実施例2のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段における釣銭預金対象判別手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図32図32は、本発明にかかる実施例2のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムの全体連関フローチャートである。
図33図33は、本発明にかかる実施例3のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段のブロック図である。
図34図34は、本発明にかかる実施例3のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段における予想釣銭預金決済金額演算手段の作用を説明するためのフローチャートである。
図35図35は、本発明にかかる実施例3のカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムにおける預金支援情報処理手段における通報手段の作用を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、
顧客銀行口座を管理する顧客銀行口座情報処理手段と、
顧客が前記顧客銀行口座を決済口座とするカード決済契約を交わしたイシュアが管理するイシュア情報処理手段と、
商品等を提供する加盟店とカード決済契約を交わしたアクワイアラが管理するアクワイアラ情報処理手段と、
前記アクワイアラ情報処理手段に対し、少なくとも決済金額及び加盟店情報を提供する加盟店情報処理手段と、
前記イシュア、及び、前記アクワイアラとブランド参加契約を交わした国際ブランドが管理する国際ブランド情報処理手段と、を含み、
これら顧客銀行口座情報処理手段、イシュア情報処理手段、アクワイアラ情報処理手段、加盟店情報処理手段、及び、国際ブランド情報処理手段の間において、少なくとも、決済金額、及び、加盟店情報を含む決済情報に基づいて、前記顧客に対するカード決済を行うカード決済システムであって、
預金支援情報処理手段が設けられ、
前記預金支援情報処理手段は、
前記加盟店情報に基づくカード決済予算額を設定するカード決済予算額設定手段と、
前記イシュア情報処理手段から提供された決済情報に基づいて、前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計である釣銭預金額を演算する釣銭預金額演算手段と、
前記カード決済予算額と前記決済金額を比較し、前記決済金額が前記カード決済予算額を下回る場合、それらの間の差額を前記顧客銀行口座から釣銭預金口座へ移転させる預金手段と、を含み、
前記カード決済予算額設定手段が、所定期間における期間カード決済予算額を設定する期間カード決済予算額設定手段であり、
前記釣銭預金額演算手段が、前記イシュア情報処理手段から提供された決済情報に基づいて、前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計である期間釣銭預金額を演算し、前記期間カード決済予算額と前記期間釣銭預金額を比較し、前記期間釣銭預金額が前記期間カード決済予算額を下回る場合、それらの間の差額を釣銭預金の額として設定する期間釣銭預金額演算手段であり、
さらに、
前記預金手段における目標金額及び達成時期を設定する目標設定手段と、
所定のアルゴリズムに基づいて、所定の時期における前記預金手段による釣銭預金額と達成時期並びに前記目標金額に鑑みて、前記達成時期における釣銭預金の目標金額達成が困難であると判断される場合、警報信号を出力する通報手段と、
前記アクワイアラ情報処理手段が前記イシュア情報処理手段に対し与信要求を行う際、前記イシュア情報処理手段における前記所定期間における同一の前記加盟店情報の決済金額の合計額と、与信要求に係る同一の加盟店情報の決済金額との合計である予想釣銭預金決済金額を演算する予想釣銭預金決済金額演算手段と、
前記期間カード決済予算額と予想釣銭預金決済金額を比較し、前記予想釣銭預金決済金額が前記期間カード決済予算額を超える場合、前記顧客情報処理手段に対し取引注意信号を行う取引警報手段と、
前記警報信号又は取引注意信号に基づいて顧客に報知する顧客情報処理手段と、
を含むことを特徴とするカード決済システムを利用した釣銭自動預金システムによって実現したものである。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例1の概要を図1を参照しつつ説明する。
本実施例1の釣銭自動預金システム100は、顧客102がカード決済システムを利用して商品等に対する代金を支払う場合であっても、代金と支払予算金額との間に差額がある場合、当該差額を、釣銭貯金できる機能を有し、技術的構成として、加盟店104に設置された加盟店情報処理手段106、アクワイアラ108に設置されたアクワイアラ情報処理手段112、国際ブランド114に設置された国際ブランド情報処理手段116、イシュア118に設置されたイシュア情報処理手段122、預金支援事業者124に設置された預金支援情報処理手段126、及び、顧客銀行128に設置された顧客銀行口座情報処理手段132を含んでいる。この構成において、顧客102が加盟店104において商品等の提供を受け、代金の支払いをカード決済システムを利用して行う場合、加盟店情報処理手段106からアクワイアラ108が管理するアクワイアラ情報処理手段112に対しカード番号CN、決済金額STM、加盟店情報MSIとしての業種情報CB等の決済情報SIと共に、与信要求CRが送信される。
アクワイアラ108が管理するアクワイアラ情報処理手段112は、決済情報SI及び与信要求CRを当該カードに係る国際ブランド114が管理する国際ブランド情報処理手段116へ出力する。
国際ブランド情報処理手段116は、クレジットカード120を発行したイシュア118が管理するイシュア情報処理手段122へ決済情報SI及び与信要求CRを送信する。
イシュア情報処理手段122は、決済情報SIに基づいて与信すると共に、預金支援事業者124が管理する預金支援情報処理手段126へ、少なくとも決済情報SIの一部であるカード番号CN、加盟店情報MSI、及び、決済金額STMを送信する。
預金支援情報処理手段126において、加盟店情報MSI、例えば予め指定された業種情報CB別に、或いは、全て同一に釣銭額設定ルールULRが設定されている。例えば、飲食店である場合、釣銭額設定ルールULRによってカード決済予算額SBMが切りの良い金額、例えば100円単位で設定されている。具体的には、決済金額が580円である場合、カード決済予算額SBMは600円に設定され、釣銭預金額演算手段258は、カード決済予算額SBMの600円から決済金額の580円を減算した差額20円を釣銭預金CDの額とする。預金手段264は顧客銀行口座情報処理手段132に対し、顧客銀行口座174から釣銭預金CDの額である20円を、顧客102の釣銭預金口座CAに移転(送金)するように移転指令ROを出力する。したがって、カード決済した場合、決済金額の580円は従来通りのカード決済が行われるが、20円の作為的に生じさせた釣銭CMは、顧客102の釣銭預金口座CAに移転される。他の加盟店情報MSIに対するカード決済は、釣銭預金CDの対象ではないので、釣銭額設定ルールULRは適用されず、釣銭預金CDは行われない。また、加盟店情報MSI別の釣銭額設定ルールULRを所定期間、例えば1ヶ月単位として、当該1ヶ月におけるカード決済予算額SBMを定め、当該対応する月における該当する業加盟店情報MSIのカード決済合計額が当該カード決済予算額SBMを下回った場合、その差額を釣銭預金口座CAへ移転する移転指令ROを顧客銀行口座情報処理手段132へ出力する。この移転指令ROによって、所定の加盟店情報MSIに対する支払いの釣銭CMが顧客102の釣銭預金口座CAに自動的に預金されるので、無理なく円滑に預金をすることが出来る。以下、実施例1を更に詳細に説明する。
【0030】
まず加盟店104を説明する。
加盟店104は、商品等を提供する場所、いわゆる店舗であり、例えば、衣料品店若しくは食料品等の商品、又は、美容若しくは医療等のサービスを提供し、対価を現金、銀行振込、又は、カード決済システムを利用したカード決済方法により支払うが、本実施例1は、カード決済システムの中でも、クレジットカード決済システムを利用する例に関する。
クレジットカード決済は、国際ブランド114が提供するクレジットカード120を用いて決済する国際的なカード決済システムである。
加盟店104においては、商品等の決済金額STM、クレジットカード番号CCN、加盟店情報MSI等のクレジットカード決済のための決済情報SI、及び、与信要求CRをアクワイアラ情報処理手段112へ出力すること、及び、クレジットカード決済を行ったことの控え書類を発行するため、加盟店情報処理手段106が用いられる。
【0031】
次に加盟店情報処理手段106を主に図2及び図3を参照しつつ説明する。
加盟店情報処理手段106は、後述するクレジットカード120の記憶部130に保管されたクレジットカード番号CCN等のクレジットカード決済のための決済情報SIをアクワイアラ情報処理手段112へ送信し、アクワイアラ情報処理手段112から受信したクレジット決済完了情報138に基づいて、クレジット決済レシート142を発行する機能を有する。
加盟店情報処理手段106は各加盟店104に1台又は所望の複数台配置され、顧客102が提示したクレジットカード120に記録されているクレジットカード番号CCNと共に、テンキー144によって決済金額STM及び暗証コードPINを手動入力した後、入力キー146を押すことにより、それら決済金額STM及び暗証コードPINと共に、加盟店情報処理手段106に個別に定められた加盟店情報処理手段コードMSCを加盟店情報処理手段コード出力装置148(図3)から個別の第1通信回線136を介してアクワイアラ情報処理手段112へ送信する。
本実施例1における加盟店情報処理手段106は、図3に示すように、加盟店情報処理手段コード出力装置148、加盟店演算手段152、加盟店記憶手段154、加盟店表示手段156、加盟店通信手段158、加盟店読込手段162、加盟店入力手段164、加盟店プリンタ166、加盟店バスライン168、及び、加盟店情報記憶手段170を含んでいる。
【0032】
次に決済金額STMを説明する。
決済金額STMは、顧客102がカード決済のために契約しているイシュア118を通じて支払う商品等の代金であり、テンキー144の操作によって加盟店情報処理手段106に入力され、入力キー146の押動によって確定された後、加盟店通信手段158、及び、第1通信回線136を介してアクワイアラ情報処理手段112へ送信される。具体的には、決済金額STMは商品等に対する対価、及び、必要な税金(消費税)が加算された金額である。加盟店情報処理手段106においては、商品等に対する対価を入力し、税金は自動的に演算されて加算されるようにしても良い。税金の支払いが不要な場合、当然に、決済金額STMには含まれない。
【0033】
次に暗証コードPINを説明する。
暗証コードPINは、顧客102が使用するクレジットカード120に内蔵された不揮発性記憶装置に記憶されたクレジットカード番号CCNが真のコードであること証明するため、当該顧客102のみが知りうるコードであり、テンキー144の操作によって加盟店情報処理手段106に入力され、アクワイアラ情報処理手段112へ送信される。なお、暗証コードPINの入力を必要としないシステムもあり、本発明は暗証コードPINの入力を必要としない場合であっても、適用されるものである。
【0034】
次に加盟店情報MSIを説明する。
加盟店情報MSIは、加盟店104の業種又は加盟店104自体を特定できる情報であり、本実施例1においては業種情報CB又は加盟店名MSNであるが、同様の機能を発揮する情報であれば、これらに限定されない。業種情報CBは、後述するが、飲食、衣料品等の日本語又は英語の単語表記、又は、これらを数字や文字等によって記号化したものを用いることができるが、日本語単語表記を採用することが直接的に理解しやすく好ましい。
【0035】
次にクレジットカード120を説明する。
クレジットカード120は通常に用いられている四角形であって扁平なカードであり、少なくともクレジットカード番号CCNが磁気テープ、又は、記憶装置を含むICチップ140に暗号化されて記録(記憶)されている。本実施例1におけるクレジットカード120は、ICチップを内蔵したクレジットカード120である。デビットカード決済の場合は同様のデビットカード(図示せず)が用いられ、プリペイドカード決済の場合は同様のプリペイドカード(図示せず)が用いられる。
【0036】
次にテンキー144を説明する。
テンキー144は、決済金額STMや暗証コードPINを入力する機能を有し、一般的に用いられている、少なくとも0~9の数字及び入力した数字を確定し、かつ、入力するための入力(リターン)キー146を含んでいる。テンキー144は、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
【0037】
次に加盟店情報処理手段コード出力装置148を説明する。
加盟店情報処理手段コード出力装置148は、加盟店情報処理手段106に対し個別に付与された加盟店情報処理手段コードMSCを出力する機能を有し、加盟店情報処理手段コードMSCは加盟店104及び当該加盟店における何れの加盟店情報処理手段106であるかを特定するためのコードであり、加盟店104を表すコード及び当該加盟店における個別の数を表すコードとの組み合わせよりなり、世界で唯一のコードである。例えば、加盟店104において、1の加盟店情報処理手段106を使用する場合、加盟店情報処理手段コード出力装置148は、国際ブランド114の識別コード、又は、アクワイアラ108の識別コード、加盟店104の加盟店コード、及び、加盟店104における台数コードを含む。
【0038】
次に加盟店演算手段152を説明する。
加盟店演算手段152は、加盟店記憶手段154に記憶されたプログラムに基づいて、加盟店通信手段158、加盟店読込手段162、及び、加盟店入力手段164からの各種情報を処理し、加盟店通信手段158を介して送信し、及び、受信し、若しくは、加盟店表示手段156、及び、加盟店プリンタ166を適宜制御する機能を有する。
【0039】
次に加盟店記憶手段154を説明する。
加盟店記憶手段154は、加盟店情報処理手段106の機能を発揮させるためのプログラムが記憶されており、公知の記憶装置が用いられる。
【0040】
次に加盟店表示手段156を説明する。
加盟店表示手段156は、必要な情報を操作者に伝えるため必要な表示を行うマンマシンインターフェースとしての機能を有し、LCD(liquid crystal display)等公知の表示装置が用いられる。
【0041】
次に加盟店通信手段158を説明する。
加盟店通信手段158は、加盟店情報処理手段106に入力された決済金額STM、暗証コードPIN等の与信情報CIを第1通信回線136を介してアクワイアラ情報処理手段112へ送信し、また、アクワイアラ情報処理手段112からクレジット決済完了情報138等を受信するための加盟店情報処理手段106とアクワイアラ情報処理手段112との間の通信手段である。
【0042】
次に加盟店読込手段162を説明する。
加盟店読込手段162は、クレジットカード120に記録されたクレジットカード番号CCN等を読み込む機能を有し、公知の接触式又は非接触式のカードリーダが用いられる。
【0043】
次に加盟店入力手段164を説明する。
加盟店入力手段164は、決済金額STMや暗証コードPINを入力する機能を有し、本実施例1においては、前述のテンキー144である。
【0044】
次に加盟店プリンタ166を説明する。
加盟店プリンタ166は、クレジット決済完了情報138を印字紙172に印字する機能を有する機器であり、通常、加盟店情報処理手段106と一体化、又は、近傍に設置するため小型化され、サーマルプリンタ(感熱式プリンタ又は転写プリンタ)が用いられるが、大きさを問わない場合、通常のインク式やトナー式、又は、インパクトプリンタ等を使用することができる。
すなわち、クレジットカード決済処理が実質的に完了した後は、付設された加盟店プリンタ166によって、決済金額STM等のクレジット決済完了情報138を印字したクレジット決済レシート142を発行する。なお、加盟店プリンタ166に代えて、クレジット決済レシート142に印字するクレジット決済完了情報138を、顧客102が保有する携帯電話等宛てのEメールとして送信して確認可能にし、又は、当該顧客102が所有する携帯情報機器に配信し、表示するようにしてもよい。
【0045】
次に加盟店バスライン168を説明する。
加盟店バスライン168は、加盟店通信手段158、加盟店記憶手段154、加盟店表示手段156、加盟店読込手段162、加盟店入力手段164、加盟店プリンタ166、及び、加盟店情報記憶手段170が相互に情報を通信する公知のバスラインである。
【0046】
次に加盟店情報記憶手段170を説明する。
加盟店情報記憶手段170は、業種情報CB及び加盟店名MSN等の加盟店情報MS1を記憶し、要求に応じて出力する機能を有し、公知の不揮発性の記憶(記録)装置が用いられる。なお、業種情報CB及び加盟店名MSN等は加盟店104とアクワイアラ108との契約に基づいて予め所定のルールによって定められ、記憶される。
【0047】
次にクレジット決済レシート142を図5を参照しつつ説明する。
クレジット決済レシート142は、クレジットカード決済した内容を印刷したシートであり、通常、業種情報CB、加盟店名MSN、加盟店電話番号、売り場、係員、IC/MS識別子、クレジットカード発行会社、伝票番号、加盟店情報処理手段コードMSC、利用日、会員コード、カードシーケンスコード、有効期限、ATC(Application Transaction Counter)、処理通番、取引内容、支払区分、取扱区分、承認番号(与信コード)、金額、合計金額(決済金額STM)、カード所有者氏名、及び、伝票の種類等が印字される。
【0048】
次に業種情報CBを説明する。
業種情報CBは、加盟店104の管理会社であるアクワイアラ108が加盟店104の管理のために、当該加盟店104の業種に対応して設定されている情報であり、加盟店情報処理手段106における加盟店情報記憶手段170に記憶されている。詳しくは、図15を参照しつつ後述する。
【0049】
次に加盟店名MSNを説明する。
加盟店名MSNは、加盟店104の名称であり、Aデパート、B衣料品、C書店等であり、加盟店情報記憶手段170に記憶されている。
【0050】
次に加盟店情報処理手段106の作用を図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、クレジットカード決済をするために、クレジットカード120を加盟店情報処理手段106の本体内に挿入すると、ステップTS1において加盟店読込手段162を介して、クレジットカード120に内蔵されたICチップ140に記憶されているクレジットカード番号CCNを読み込んだ後、ステップTS2へ進む。
ステップTS2において、テンキー144を用いて決済金額STM及び支払い方法を入力した後、入力キー146を押すとステップTS3へ進む。
ステップTS3において、クレジットカード120のICチップ140から読み取ったクレジットカード番号CCN、加盟店情報処理手段コード出力装置148に記憶されている加盟店情報処理手段コードMSC、入力された決済金額STM、支払方法、及び、加盟店名MSN等の決済情報SIの送信準備を行い、ステップTS4へ進む。
ステップTS4において、テンキー144を用いて暗証コードPINを入力した後、ステップTS5に進む。
ステップTS5において、入力キー146を押すと、ステップTS4において準備した決済情報SIが与信要求CRと共にアクワイアラ情報処理手段112へ送信された後、ステップTS6へ進む。
ステップTS6において、与信情報CIを受信したか判別し、受信した場合ステップTS7へ進み、受信しない場合ステップTS8へ進む。
ステップTS7において、決済完了処理を行って処理を終了する。決済完了処理とは、例えば、クレジット決済レシート142に加盟店プリンタ166を用いてクレジット決済完了情報138を印字することである。
ステップTS8において、不信情報DIを判別したか判別し、不信情報DIを判別した場合、ステップTS9へ進み、判別しない場合ステップTS6へ戻る。即ち、ステップTS6及びTS8のループは与信情報CIの待ち受け状態である。
ステップTS9において、与信が得られなかった旨を加盟店表示手段156に表示した後、処理を終了する。
【0051】
次にアクワイアラ108を説明する。
アクワイアラ108は特定の国際ブランド114及び加盟店104とカード決済の契約をし、契約した加盟店104において当該特定の国際ブランド114に関連するクレジットカード120がクレジットカード決済に用いられた場合、当該加盟店104に対しクレジットカード決済に関する加盟店決済金額を支払う(移転(送金))等、加盟店104に対するサービスを提供する機能を有する。アクワイアラ108は、アクワイアラ情報処理手段112を管理し、当該アクワイアラ情報処理手段112によって加盟店104に対する各種サービスを提供する。なお、アクワイアラ情報処理手段112は、契約している加盟店104において、契約していない国際ブランド114に関連するクレジットカード120が用いられた場合、当該契約していない国際ブランド114に対し決済情報SI及び与信要求RCを転送する機能を有する。アクワイアラ情報処理手段112と加盟店情報処理手段106とは第1通信回線136によって接続されている。
【0052】
次にアクワイアラ情報処理手段112を図6を参照して説明する。
アクワイアラ情報処理手段112は、加盟店情報処理手段106及び/又は国際ブランド情報処理手段116と通信し、クレジットカード決済に必要なアクワイアラ機能を発揮し、少なくとも、アクワイアラ演算手段184、アクワイアラ記憶手段186、アクワイアラ表示手段188、アクワイアラバスライン190、アクワイアラ通信手段192、及び、アクワイアラ入力手段194を含み、アクワイアラバスライン190を介してそれぞれ情報を伝達し、アクワイアラ演算手段184はアクワイアラ記憶手段186に記憶された所定のプログラムに基づき、アクワイアラ通信手段192を介して受信した情報及び/又はアクワイアラ入力手段194からの入力情報を処理し、アクワイアラ表示手段188に適当な表示を行いつつ加盟店情報処理手段106及び/又は国際ブランド情報処理手段116と必要な情報を通信する。
【0053】
次にアクワイアラ情報処理手段112の作用を図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップAS1において、加盟店情報処理手段106から決済情報SIの送信と共に与信要求CRがあったことを判別した場合、ステップAS2へ進み、与信要求CRが無い場合ステップAS1をループする。ステップAS1のループは、与信要求待機状態である。
ステップAS2において、決済金額STM等の決済情報SIと共に与信要求CRを国際ブランド情報処理手段116へ送信し、ステップAS3へ進む。
ステップAS3において、国際ブランド情報処理手段116から与信情報ICを受信したか判別し、受信した場合ステップAS4へ進み、受信しない場合ステップAS5へ進む。
ステップAS4において、与信情報CIを該当する加盟店情報処理手段106へ送信し、処理を終了する。
ステップAS5において、不信情報DIを受信したか判別し、受信した場合ステップAS6へ進み、受信しない場合ステップAS3へ戻る。ステップAS3及びAS5のリープは、与信情報待受状態である。
ステップAS6において、不信情報DIを該当する加盟店情報処理手段106へ送信し、処理を終了する。
【0054】
次に国際ブランド114を説明する。
国際ブランド114は、国際ブランド情報処理手段116を管理し、当該国際ブランド情報処理手段116を用いてブランド参加契約をしたアクワイアラ108又はイシュア118に対しクレジットカード決済処理を行う国際的なクレジットカード決済システムを提供する機能を有し、通常は、国際ブランド毎にクレジットカード番号の管理、及び、アクワイアラ108と連携して加盟店104に対するクレジットカード決済、及び、イシュア118と連携して顧客102へのクレジットカード決済を行うが、加盟店104を管理するアクワイアラ機能及び/又はクレジットカード120の発行並びに利用者管理を行うイシュア機能を有する場合もある。本実施例1において、国際ブランド114は国際的なクレジットカード決済システムのみを提供する。国際ブランド情報処理手段116とアクワイアラ情報処理手段112とは、第2通信回線160によって接続されている。
【0055】
次に国際ブランド情報処理手段116を図8を参照して説明する。
国際ブランド情報処理手段116は、アクワイアラ情報処理手段112及び/又はイシュア情報処理手段122と通信し、クレジットカード決済に必要な国際ブランド機能を発揮し、少なくとも、国際ブランド演算手段196、国際ブランド記憶手段198、国際ブランドバスライン200、国際ブランド表示装置202、国際ブランド通信手段204、及び、国際ブランド入力手段206を含み、国際ブランドバスライン200を介してそれぞれ情報を伝達する。国際ブランド演算手段196は国際ブランド記憶手段198に記憶された所定のプログラムに基づき、国際ブランド通信手段204を介して受信した情報及び/又は国際ブランド入力手段206からの入力情報を処理し、国際ブランド表示装置202に適当な表示を行いつつアクワイアラ情報処理手段112及び/又はイシュア情報処理手段122と必要な情報を通信する。国際ブランド情報処理手段116とイシュア情報処理手段122とは、第3通信回線178によって接続されている。
【0056】
次に国際ブランド情報処理手段116の作用を図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップBS1において、アクワイアラ情報処理手段112から決済情報SIの送信と共に与信要求CRがあるか判別し、与信要求CRを判別した場合、ステップBS2へ進み、与信要求CRが無い場合ステップBS1をループする。ステップBS1のループは、与信要求待機状態である。
ステップBS2において、決済金額STM等の決済情報SI中のクレジットカード番号CCNからイシュア118を特定し、当該イシュア118が管理するイシュア情報処理手段122へ決済情報SI及び与信要求CRを送信し、ステップBS3へ進む。
ステップBS3において、イシュア情報処理手段122から与信情報CIを受信したか判別し、受信した場合ステップBS4へ進み、受信しない場合ステップBS5へ進む。
ステップBS4において、与信情報CIを該当するアクワイアラ情報処理手段112へ送信し、処理を終了する。
ステップBS5において、不信情報DIを受信したか判別し、受信した場合ステップBS6へ進み、受信しない場合ステップBS3へ戻る。ステップBS3及びBS5のループは、与信情報待受状態である。
ステップBS6において、不信情報DIをアクワイアラ情報処理手段112へ送信し、処理を終了する。
【0057】
次にイシュア118を説明する。
イシュア118は、イシュア情報処理手段122を管理し、当該イシュア情報処理手段122を用いて国際ブランド114(国際ブランド情報処理手段116)と連携してカード決済契約をした顧客102に対し当該国際ブランド114が管理するクレジットカード番号CCNを付与したクレジットカード120を発行すると共に、イシュア(顧客管理)機能を発揮する。イシュア機能とは、国際ブランド114からの与信要求CRに基づき与信情報CI又は不信情報DIを出力し、また、顧客102が指定する顧客銀行128(顧客銀行口座情報処理手段132)における顧客銀行口座174から決済金額STMを引き落として(移転(送金)させて)イシュア118が指定する所定の銀行口座に移転させる機能、及び、預金支援事業者124における預金支援情報処理手段126に対し、少なくともクレジットカード番号CNN、決済金額STM及び加盟店情報MSIを送信する機能を有する。イシュア情報処理手段122は、国際ブランド情報処理手段116と第3通信回線178によって接続されている。さらに、イシュア情報処理手段122は、顧客銀行口座情報処理手段132と第4通信回線180によって、及び、預金支援情報処理手段126と第5通信回線182によって接続されている。
【0058】
次にイシュア情報処理手段122を図10を参照して説明する
イシュア情報処理手段122は、国際ブランド情報処理手段116及び/又は顧客銀行口座情報処理手段132と通信し、クレジットカード決済に必要なイシュア機能、及び、預金支援情報処理手段126に対し所定の情報を提供する機能を発揮し、少なくとも、イシュア演算手段212、イシュア記憶手段214、イシュアバスライン216、イシュア表示手段218、イシュア通信手段222、及び、イシュア入力手段224を含み、イシュアバスライン216を介してそれぞれ情報を伝達し、イシュア演算手段212はイシュア記憶手段214に記憶された所定のプログラムに基づき、イシュア通信手段222を介して受信した情報及び/又はイシュア入力手段224からの入力情報を処理し、イシュア表示手段218に適当な表示を行いつつ国際ブランド情報処理手段116、顧客銀行口座情報処理手段132及び/又は預金支援情報処理手段126と必要な情報を通信する。
【0059】
次にイシュア情報処理手段122の作用を図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップIS1において、国際ブランド情報処理手段116から決済情報SIの送信と共に与信要求CRがあるか判別し、与信要求CRを判別した場合、ステップIS2へ進み、与信要求CRが無い場合ステップIS1をループする。ステップIS1のループは、与信要求待機状態である。
ステップIS2において、クレジットカード番号CCN及び暗証コードPINが真でであるか判別し、真である場合ステップIS3へ進み、偽である場合ステップIS4へ進む。
ステップIS3において、与信情報CIを国際ブランド情報処理手段116に送信して与信処理を行った後、ステップIS5へ進む。
ステップIS4において、不信情報DIを国際ブランド情報処理手段116へ送信した後、処理を終了する。
ステップIS5において、決済情報SIを預金支援情報処理手段126へ出力した後、ステップIS6へ進む。
ステップIS6において、クレジットカード番号CCNに対応する顧客銀行128における顧客銀行口座174から、当該決済金額STMを一回払い、分割払い等の定められた支払い方法によって決定された金額の引き落としを顧客銀行口座情報処理手段132へ送信し、クレジット決済処理を終了する。なお、クレジットカード決済において、この決済金額STMの引き落としは、毎月所定の日に行われ、デビットカード決済、及び、プリペイドカード決済においては、即時に引き落とされる。
【0060】
次に顧客銀行128を説明する。
顧客銀行128は、顧客銀行口座情報処理手段132を管理し、決済金額STM、及び、支払方式に基づいてイシュア情報処理手段122において定められた金額を、顧客102の顧客銀行口座174からイシュア情報処理手段122が指定する銀行口座に振り込ませる処理を行う機能、及び、預金支援事業者124における預金支援情報処理手段126からの移転指令ROに基づいて、当該顧客102の顧客銀行口座174から釣銭貯金口座CAに対し、指定された金額を移転(送金)処理する機能を有する。なお、釣銭貯金口座CAは顧客銀行128とは異なる銀行に設けても良いが、移転(送金)手数料を必要とする場合が多いことから、同一の顧客銀行128の同一支店内に開設することが好ましい。
【0061】
次に顧客銀行口座情報処理手段132を図12を参照して説明する。
顧客銀行口座情報処理手段132は、イシュア情報処理手段122と通信し、クレジットカード決済に必要な顧客銀行128としての機能を発揮し、少なくとも、顧客銀行演算手段226、顧客銀行記憶手段228、顧客銀行バスライン232、顧客銀行表示装置234、顧客銀行通信手段236、及び、顧客銀行入力手段238を含み、顧客銀行バスライン232を介してそれぞれ情報を伝達し、顧客銀行演算手段226は顧客銀行記憶手段228に記憶された所定のプログラムに基づき、顧客銀行通信手段236を介して受信した情報及び/又は顧客銀行入力手段238からの入力情報を処理し、顧客銀行表示装置234に適当な表示を行いつつイシュア情報処理手段122と必要な情報を通信する。さらに、顧客銀行口座情報処理手段132は預金支援情報処理手段126と通信し、預金支援情報処理手段126から指示された釣銭預金CDの金額を顧客102の所定の預金口座である顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへ移転(送金)処理する機能を有する。この移転処理は、顧客銀行記憶手段228に記憶されたプログラムに基づいて顧客銀行演算手段226が行う。
【0062】
次にイシュア情報処理手段122との関係における顧客銀行口座情報処理手段132の作用を図13(A)のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップCS1において、イシュア情報処理手段122からのクレジット決済としての顧客銀行口座174から指定銀行口座に指定額の移転依頼SRが存するか判別し、移転依頼SRを判別した場合、ステップCS2へ進み、移転依頼SRが無い場合ステップCS1をループする。ステップCS1のループは、移転依頼待受状態である。
ステップCS2において、顧客102の顧客銀行口座174から指定額を引き落とし、指定銀行口座に対して移転した後、処理を終了する。なお、この移転は、月末等毎月決まった時期に行われるのが一般的である。
【0063】
次に預金支援情報処理手段126との関連における顧客銀行口座情報処理手段132の作用を図13(B)のフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップCS11において、預金支援情報処理手段126から顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAに指定額の移転指令ROが存するか判別し、移転指令ROを判別した場合、ステップCS12へ進み、移転指令ROが無い場合ステップCS11をループする。ステップCS11のループは、釣銭移転依頼待受状態である。
ステップCS12において、指定額を顧客102の顧客銀行口座174から釣銭貯金口座CAへ移転した後、処理を終了する。なお、この移転は、預金支援情報処理手段126から指令の都度行うことが好ましいが、所定期間、例えば1週間分を纏めて行うこともできる。
【0064】
次に預金支援事業者124を説明する。
預金支援事業者124は、預金支援情報処理手段126を管理し、当該預金支援情報処理手段126によって、顧客102によって定められた釣銭額設定ルールULRに基づいて設定された加盟店情報MSIに対するカード決済予算額SBMから、イシュア情報処理手段122から送信される決済情報SIに含まれる同一の加盟店情報MSIに対する決済金額STMを減算し、当該減算後に残る差額(釣銭)を、顧客銀行128における対応する顧客102の釣銭預金口座CAに自動的に預金させる機能を有する。しかし、預金支援情報処理手段126の機能には、釣銭発生と同様の効果を生じさせる機能をも含んでいる。
【0065】
次に預金支援情報処理手段126を図14を参照して説明する。
預金支援情報処理手段126は、イシュア情報処理手段122と通信し、加盟店情報MSI(業種情報CB他)を用いた釣銭預金CDを実行するために必要な機能を発揮し、本実施例1においては、預金支援演算手段242、預金支援記憶手段244、預金支援バスライン246、預金支援表示手段248、目標設定手段250、預金支援通信手段252、預金支援入力手段254、カード決済予算額設定手段256、釣銭預金額演算手段258、釣銭預金対象判別手段260、釣銭預金対象情報記憶手段262、預金手段264、支援加盟店情報記憶手段266、広告手段268、及び、通報手段270を含み、預金支援バスライン246を介してそれぞれ情報を伝達し、預金支援演算手段242は預金支援記憶手段244に記憶された所定のプログラムに基づき、預金支援通信手段252を介して受信したイシュア情報処理手段122からの決済情報SIに基づいて釣銭預金対象情報記憶手段262と連携して釣銭預金CDの対象であるかを判別し、釣銭預金CDの対象である場合、カード決済予算額設定手段256に設定されたルールに基づいて釣銭預金額演算手段258において釣銭預金CDの額を演算し、預金支援表示手段248に適当な表示を行いつつ預金手段264が顧客銀行口座情報処理手段132へ釣銭預金CDの移転指令ROを出力する。
【0066】
まず、預金支援演算手段242を説明する。
預金支援演算手段242は、イシュア情報処理手段122が与信情報CIを出力した決済情報SIを受信すると、預金支援記憶手段244に記憶された所定のプログラムにしたがって処理し、少なくとも、カード決済予算額設定手段256において加盟店情報MSIに対応して定められた釣銭額設定ルールULRに基づいて設定されたカード決済予算額SBMに対し、実際の決済金額STMが少ない場合、すなわち、カード決済予算額SBMから決済金額STMを減算した場合の釣銭CMを演算し、当該釣銭CMを、顧客銀行128における顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAに移転させる処理を顧客銀行口座情報処理手段132へ指令する移転指令ROを出力する機能を有し、本実施例1においては、所謂マイクロプロセッサが用いられる。
【0067】
次に預金支援記憶手段244を説明する。
預金支援記憶手段244は、預金支援演算手段242が所定の機能を発揮するように設定されたプログラムを記憶する機能を有し、公知の記憶手段によって構成されている。
【0068】
次に預金支援バスライン246を説明する。
預金支援バスライン246は、預金支援情報処理手段126を構成する各手段間の通信を行う機能を有し、公知のバスラインが用いられる。
【0069】
次に預金支援表示手段248を説明する。
預金支援表示手段248は、預金支援演算手段242からの指示に基づいて預金支援情報処理手段126の状態を示す適当な表示をする機能を有し、本実施例1においては公知のLCD等によって構成される。
【0070】
次に預金支援通信手段252を説明する。
預金支援通信手段252は、イシュア情報処理手段122に設けられたイシュア通信手段222、又は、顧客銀行口座情報処理手段132に設けられた顧客銀行通信手段236と通信する機能を有し、有線方式又は無線方式を問わないが、セキュリティを考慮すると、公知の光回線等の有線方式を用いることが好ましい。
【0071】
次に預金支援入力手段254を説明する。
預金支援入力手段254は、預金支援演算手段242において必要な数字情報や文字情報を入力するための機能を有し、公知のキーボードが用いられる。本実施例1においては、加盟店104の加盟店名MSNや業種情報CBの事前登録等に用いられる。
【0072】
次にカード決済予算額設定手段256を説明する。
カード決済予算額設定手段256は、所定の加盟店情報MSI(業種情報CB等)に対するカード決済をする際に決済可能なカード決済予算額SBMを設定する機能を有し、本実施例1においては、預金対象加盟店情報設定手段278及び釣銭額ルール設定手段282を含んでいる。
【0073】
まず預金対象加盟店情報設定手段278を説明する。
預金対象加盟店情報設定手段278は、カード決済における釣銭預金CDを適用するカード支払い対象を選択する設定する機能を有し、本実施例1においては、決済情報SIに含まれる加盟店情報MSI(業種情報CB等)を用いて釣銭預金CDの対象であるカード決済であるかを判別する機能を有し、本実施例1においては、ソフトウエアによって構成されている。
加盟店情報MSIとは、例えば、前述した業種情報CB、加盟店名MSNが代表的なものであり、加盟店104の種類又は名称を特定できる情報である。業種情報CBは、例えば図15に示すように、大区分CB1として、公共料金、小売業、サービス業、運輸等であり、大区分CB1の中で更に細かく区分されている。業種コードCB2は、例えば4ビットのコードにより表される。しかし、業種情報CBは、コード化した場合、顧客102には理解しにくいので、用語情報CB3として電話料金、電気料金、デパート等の用語情報であっても良い。図15における業種情報テーブル280を詳述すると、大区分CB1が公共料金、小売店等、業種コードCB2が用語情報CB3に対応する4桁の数字、及び、用語情報CB3に分けられて記憶されている。因みに、用語情報CB3が電話料金の業種コードCB2は1111、用語情報CB3の電気料金は業種コードCB2が1119であり、大区分CB1が小売店における業種コードCB2の1201は用語情報CB3がデパート、業種コードCB2の1211は用語情報CB3が女性既製服販売、業種コードCB2の1212は、用語情報CB3が小児・幼児服、業種コードCB2の1801は、用語情報CB3が食堂・レストラン、業種コードCB2の1802は湯用語情報CB3が飲食店・居酒屋・バー・ナイトクラブ、業種コードCB2の1803は、用語情報CB3がファーストフード等が設定されている。業種情報CBは、大区分CB1、業種コードCB2、又は、用語情報CB3の内、何れを採用してもよいが、顧客102に対しては用語情報CB3、コンピュータによる演算処理は業種コードCB2を用いることが好ましい。実施例1の説明においては、これらの総称である業種情報CBを用いるが、何れをも採用することができる。
預金対象加盟店情報設定手段278においては、釣銭預金CDの対象となる加盟店情報MSIを、例えば、業種情報CB、又は、加盟店名MSNによって設定する。
設定された業種情報CB、又は、加盟店名MSNは、釣銭預金対象情報記憶手段262に記憶される。
さらに、当該加盟店情報MSIに対するカード決済のカード決済予算額SBMのルールである釣銭額設定ルールULRを釣銭額ルール設定手段282によって設定する。本実施例1において、釣銭額設定ルールULRが適用される業種情報CBである場合、当該釣銭額設定ルールULRによって設定されたカード決済予算額SBMが適用される。したがって、カード決済における加盟店情報MSIが釣銭額設定ルールULRが適用される業種情報CB以外の業種情報CBである場合、カード決済予算額SBMは設定されない。
また、加盟店名MSNを加盟店情報MSIとして設定する場合、特定の加盟店104に対するカード決済に適用したい場合に有効である。また、例えば、夏休みの旅行費用を釣銭預金CDによって確保する場合、遊興業に属するカラオケ店や飲食店に対するカード決済に対して本釣銭預金CDを適用することが有効であることから大区分CB1を採用することができる。
【0074】
次に釣銭額ルール設定手段282を説明する。
釣銭額ルール設定手段282は、加盟店情報MSIに基づいて、釣銭預金CDが適用される場合、その釣銭CMの作り方である釣銭額設定ルールULRを設定する機能を有し、本実施例1においては、ソフトウエアによって構成されている。すなわち、釣銭額ルール設定手段282によって、所定の加盟店情報MSIに対するカード決済時におけるカード決済予算額SBMは、所定の釣銭額設定ルールULRに従って、決済金額STMよりも多い金額に設定される。なお、実施例2に示すように、所定期間毎に釣銭CMたる釣銭預金CDの額を決定する場合、必ずしも決済金額STMよりも多くならない場合も生じるが、本発明は、このような場合も含むものである。本実施例1における第1釣銭額設定ルールULR1は、切りの良い金額、言い換えれば、一の位、十の位、百の位、千の位、及び、万の位等から選択した位において、決済金額STMよりも大きく、かつ、最も近い金額において、選択した位をゼロとする金額に設定するルールに基づいてカード決済予算額SBMが設定される。具体的には、例えば、100円、1000円、2000円、5000円、又は、10000円の通貨単位から選択してカード決済予算額SBMを設定する場合において、カード決済予算額SBMの単位を1000円単位に設定した場合、決済金額STMが980円である場合、カード決済予算額SBMとして1000円が設定され、カード決済予算額SBM の1000円と決済金額STM 980円との差額20円が釣銭CMになり、この釣銭CMが釣銭預金CDに充当される。カード決済予算額SBMの単位を10000円単位に設定した場合、決済金額STM 980円である場合には、それらの間の差額である9020円が釣銭CMになり、釣銭預金CDに充当される。
釣銭額ルール設定手段282における第2釣銭額設定ルールULR2として、決済金額STMに一定金額X円を上乗せするルールとすることが出来る。例えば、決済金額STMに対し、所定金額X円、X円は例えば100円、1000円又は10000円を設定し、このX円を釣銭CMとして釣銭預金CDに充当しても良い。例えば、一定金額として1000円を設定した場合において、決済金額STMが1680円である場合、一定金額1000を加えた2680円をカード決済予算額SBMとすることができる。
また、第3釣銭額設定ルールULR3として、決済金額STMの金額に応じて第2釣銭額設定ルールULR2における所定金額を変動させても良い。例えば、決済金額STMが5000円以下である場合所定金額を100円とし、5000円超~10000円を500円とし、10000円超~の場合は1000円を釣銭CMとして釣銭預金CDに充当するルールとすることが出来る。
第4釣銭額設定ルールULR4として、カード決済予算額SBM が2000円単位に設定された場合、カード決済予算額SBMが2000円ずつ増加される。例えば、決済金額STMが4500円であっても、5500円であっても、即ち、決済金額STMが1~1999円の場合、カード決済予算額SBMは2000円、2000円~3999円の場合カード決済予算額SBMは4000円、決済金額STMが4000円~5999円の場合カード決済予算額SBMは6000円に設定される。
第5釣銭額設定ルールULR5として、カード決済予算額SBMが5000円に設定された場合、決済金額STMが1円~4999円の場合にはカード決済予算額SBMが5000円に設定され、決済金額STMが5000円~9999円の場合にはカード決済予算額SBMは10000円に設定される。
第5釣銭額設定ルールULR5は、次の例の場合も含んでいる。例えば、決済金額STMが10000円を超える場合、カード決済予算額SBMは10000円単位で設定され、決済金額STMが9999円以下である場合、1000円単位で設定することができる。本実施例1において、カード決済予算額設定手段256はソフトウエアによって構成されている。すなわち、預金対象加盟店情報設定手段278及び釣銭額ルール設定手段282は、ソフトウエアによって構成されている。
【0075】
次に釣銭預金額演算手段258を説明する。
釣銭預金額演算手段258は、イシュア情報処理手段122から提供された加盟店情報MSIが予め定められた加盟店情報MSIである場合、カード決済予算額SBMを反映した釣銭預金CDの額を演算する機能を有する。カード決済予算額SBMを反映した釣銭預金CDの額とは、カード決済予算額SBMに関連して釣銭預金CDの額が決定されるという意味で有り、通常の決済のように、多い代金から決済金額STWを減算することの他、決済金額STWに所定の金額を加算すること等を含む概念である。本実施例1においては、釣銭預金額演算手段258は、釣銭額ルール設定手段282に設定された釣銭額設定ルールULRに基づいて設定されるカード決済予算額SBMを演算し、当該カード決済予算額SBMから決済金額STWを減算し、釣銭CMたる釣銭預金CDの金額を演算する機能を有し、プログラムによって構成されている。
第1釣銭額設定ルールULR1においては、最初に設定条件にしたがって、カード決済予算額SBMが設定された後、カード決済予算額SBMから決済金額STMが減算されて釣銭CMが演算され、釣銭CMが釣銭預金CDとして設定される。
第2釣銭額設定ルールULR2においては、決済金額STMにX円が加算されてカード決済予算額SBMが設定され、次いで、カード決済予算額SBMから決済金額STMが減算されて釣銭CMが演算され、釣銭CMが釣銭預金CDとして設定される。第2釣銭額設定ルールULR2においては、処理を簡素化するため、X円を釣銭CMとしても良い。換言すれば、釣銭預金CD対象の業種情報CBである場合、クレジットカード決済毎にX円を釣銭預金CDにすることが出来る。
第3釣銭額設定ルールULR3においては、決済金額STMに対応して釣銭CDたる釣銭預金CD額が設定される。
第4釣銭額設定ルールULR4においては、カード決済予算額SBM が所定単位金額毎に設定され、カード決済予算額SBMが所定単位金額毎に定められた後、カード決済予算額SBMから決済金額STMが減算されて釣銭CMが演算され、釣銭CMが釣銭預金CDとして設定される。
第5釣銭額設定ルールULR5においては、最初に設定条件にしたがって、すなわち決済金額STMの金額に応じてカード決済予算額SBMが設定された後、カード決済予算額SBMから決済金額STMが減算されて釣銭CMが演算され、釣銭CMが釣銭預金CDとして設定される。
【0076】
次にカード決済予算額設定手段256の作用を図16に示すフローチャート及び預金支援表示手段248に表示される画面を参照しつつ説明する。
まず、預金対象加盟店情報設定手段278において、預金対象加盟店情報DMIを設定する場合を説明する。
ステップSSS1において、預金支援表示手段248に預金設定画面DS1を表示し、ステップSSS2へ進む。預金設定画面DS1には、「釣銭預金をしますか?」の文字の下方における左側に「するボタン284」、右側に「しないボタン286」が表示される。
ステップSSS2において、するボタン284が押されたか判別し、するボタン284が押された場合ステップSSS3へ進み、押されない場合ステップSSS4へ進む。
ステップSSS3において、預金支援表示手段248に業種入力画面DS2を表示してステップSSS5へ進む。業種入力画面DS2には、「業種情報又は店名を入力して下さい」の文字列と共に、入力ボックス288と確定ボタン292が表示される。
ステップSSS4において、「しないボタン286」が押されたか判別し、押された場合、処理を終了し、押されない場合ステップSSS2へ戻る。ステップSSS2及びステップSSS4のループは、釣銭貯金設定の待受状態である。
ステップSSS5において、業種入力画面DS2における入力ボックス288に預金支援入力手段254を用いて釣銭預金CDの対象となる業種情報CB又は加盟店名MSNを入力し、ステップSSS6へ進む。業種情報CBは、本実施例1においては図15に示す、大区分CB1、業種コードCB2又は用語情報CB3であり、加盟店名MSNは、当該加盟店名MSNの正規名称である漢字・平仮名・カタカナ、ローマ字又は英語等の表記である。
ステップSSS6において、確定ボタン292が押されたか判別し、押された場合ステップSSS7へ進み、押されない場合ステップSSS8へ進む。
ステップSSS7において、第1釣銭額設定ルールULR1の選択画面及び番号入力ボックス294、及び、選択確認ボタン296を選択画面DS3に表示し、ステップSSS9へ進む。選択画面DS3における左側に表示された番号1は、前述した100円単位、2は前述した1000円単位、3は前述した2000円単位、4は前述した5000円単位、5は前述した10000円単位である。
ステップSSS9において、選択画面DS3における番号入力ボックス294に番号が入力され、選択確認ボタン296が押されたか判別し、押されことを判別した場合ステップSSS10へ進み、押されない場合ステップSSS11へ進む。
ステップSSS10において、釣銭預金対象情報記憶手段262に記憶され、換言すれば、第1釣銭額設定ルールULR1が記憶され、ステップSSS13へ進む。
ステップSSS8において、ステップSSS6に進んでから所定時間が経過したか判別し、当該所定時間が経過した場合ステップSSS12へ進み、経過しない場合ステップSSS6へ戻る。ステップSSS6及びSSS8のループは、対象コード等の入力待受状態である。
ステップSSS11において、ステップSSS9に進んでから所定時間が経過したか判別し、当該所定時間が経過した場合ステップSSS12へ進み、経過しない場合ステップSSS9へ戻る。ステップSSS9及びSSS11のループは、釣銭額設定ルールULRの待受状態である。
ステップSSS12において、所定時間が経過したので処理を終了する旨の表示を預金支援表示手段248に表示した後、処理を終了する。
ステップSSS13において、釣銭預金指令CDOを預金手段264に出力し、処理を終了する。
なお、このカード決済予算額設定手段256における各種設定は、後述の顧客情報処理手段298の操作によって、遠隔設定することができるようにすることが好ましい。本実施例1においては、顧客情報処理手段298を用いた遠隔操作によって、業種情報CB、及び、釣銭額設定ルールULRを設定できるようにも構成されている。
上記例においては、第1釣銭額設定ルールULR1を採用したが、前記した第2釣銭額設定ルールULR2~第5釣銭額設定ルールULR5を採用することができ、その場合、各釣銭設定ルールに適合したフローチャート及び設定画面が採用される。
【0077】
次に釣銭預金額演算手段258を説明する。
釣銭預金額演算手段258は、カード決済予算額設定手段256によって、釣銭額設定ルールULRに基づいて設定されたカード決済予算額SBMから、イシュア情報処理手段122から提供された決済金額STMを減算し、釣銭CMを演算する機能を有する。この機能には、所定期間における同一の加盟店情報MSIの決済金額STMの合計であるクレジット決済済金額合計ISTMを演算する機能をも包含する。本実施例1においては、預金対象加盟店情報設定手段278によって設定された加盟店情報MSIと同一の加盟店情報MSIを含む決済情報SIをイシュア情報処理手段122から受信した場合、釣銭額ルール設定手段282によって設定されたカード決済予算額SBMから決済金額STMを減算した差額を釣銭CMとし、釣銭預金CDの額とする。
【0078】
次に釣銭預金対象判別手段260を説明する。
釣銭預金対象判別手段260は、イシュア情報処理手段122から受信した決済情報SIが釣銭預金CDの対象であるか否かを判別する機能を有し、本実施例1においては、カード番号CN、具体的にはクレジットカード番号CCNと釣銭預金口座CAとのカード番号顧客口座等テーブル272、及び、対象判別手段274を含んでいる。
【0079】
まずカード番号顧客口座等テーブル272を説明する。
カード番号顧客口座等テーブル272は、本実施例1においては、図17に示すように、少なくともクレジットカード番号CCN、釣銭預金CD対象の業種情報CB、釣銭額設定ルールULR、及び、顧客銀行128における顧客銀行口座174及び釣銭預金口座CAとの対比テーブルで有り、顧客102の釣銭預金CDの申し込みによって予め登録し、釣銭預金対象情報記憶手段262に記憶しておく。具体例としては、クレジットカード番号CCNが「1234-1234-1234-1234」の顧客102Aの「クレジットカード120に対し、釣銭預金CD対象の業種情報CBとして業種コードCB2における「1201」、「1202」及び「1203」が設定され、各業種コードCB2毎に前述した釣銭額設定ルールULRの2が設定され、顧客銀行口座174は「001-100-1234567」、釣銭預金口座CAは「001-100-523456」である。釣銭額設定ルールULRは実施例1のように統一することができるが、各業種情報CB毎に異なる設定にすることができる。顧客102Bに対する登録は、クレジットカード番号CCNが「2345-2345-2345-2345」、釣銭預金CD対象の業種コードCB2が「1221」、釣銭額設定ルールULRが前述した5、及び、顧客銀行口座174が「002-200-2345678」、釣銭預金口座CAが「002-200-5345678」である。他の顧客102に対しても同様に登録されている。なお、業種情報CBは、図15における業種情報CBを採用している。さらに、クレジットカード番号CCN及び釣銭預金口座CAに関連づけて貯金目的SOを設定することができる。貯金目的SOは、例えば図17に示すように、1つの業種情報CBに対して1つ、又は、複数の業種情報CB(図17では3)に対して1つの貯金目的SOを設定することができ、また、この逆の設定をすることができる。しかし、釣銭預金口座CAと貯金目的SOとの関係は、一対一でなければならない。貯金目的SOと釣銭預金CDとの関係を明確にするためである。さらにまた、図17に示すように、目標金額MO及び当該目標金額MOに対する達成時期DOを、クレジットカード番号CCNに対応して登録(記憶)することができる。これらの目標金額MO及び達成時期DOを設定する手段が目標設定手段250である。本実施例1におては、顧客102Aがバックの購入を目的として釣銭預金CDの目標金額MOを10万円、達成時期DOを2016年12月に設定し、顧客102Bが貯金目的SOを旅行として釣銭預金CDの目標金額MOが100万円であって、達成時期DOが2017年6月に設定されている。したがって、本実施例1において、目標設定手段250は、預金支援入力手段254及びプログラムによって構成されている。
さらにまた、カード番号顧客口座等テーブル272には、クレジットカード番号CCNに相対して釣銭預金実績CDRの記録領域が設定された業種情報CB毎に設けられ、釣銭預金CDが行われる毎に業種情報CBに対応する釣銭預金実績CDR欄に記憶される。本実施例1においては、顧客102Aに対しては3つの業種情報CBが設定されているので、当該業種情報CBのそれぞれに対応して釣銭預金実績CDRが記録されるようになっている。顧客102Bに対しては、1つの業種情報CBが設定されているので、1つの釣銭預金実績CDRが記録されるようになっている。また、釣銭預金CDが行われる毎に、その日付時刻及び釣銭預金CDの金額が記憶される。したがって、釣銭額設定ルールULRが月毎である場合、月1回釣銭預金CDの金額が記憶される。さらにまた、カード番号顧客口座等テーブル272には、クレジットカード番号CCNに相対して顧客102の顧客情報処理手段298であるスマートフォン、携帯情報機器、又は、PC等に対し設定されたメールアドレスMAが記憶されている。後述する広告や警報を伝えるためである。なお、本実施例1においては、カード番号顧客口座等テーブル272において、クレジットカード番号CCNに対して複数の情報が対比して記録されているが、クレジットカード番号CCNに対して1つの情報を対比して記録し、カード番号顧客口座等テーブルを複数設けることもできる。
【0080】
次に対象判別手段274を説明する。
対象判別手段274は、イシュア情報処理手段122から受信した決済情報SIが釣銭預金CD対象であるか判別する機能を有し、本実施例1においては、クレジットカード番号CCNに基づいて釣銭預金CDの対象であるか判別する。具体的には、イシュア情報処理手段122から受信したクレジットカード番号CCNに対応してカード番号顧客口座等テーブル272に業種情報CBが登録されているか判別し、業種情報CBが登録されている場合、釣銭預金CDの対象であると判別し、業種情報CBが登録されていない場合、釣銭預金CDの対象では無いと判断する。
【0081】
次に対象判別手段274の作用を図18に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップDS11において、決済情報SIを受信したか判別し、受信した場合ステップDS12へ進み、受信しない場合ステップDS11をループする。
ステップDS12において、決済情報SI中のクレジットカード番号CCNと同一のクレジットカード番号CCNがカード番号顧客口座等テーブル272に登録されたクレジットカード番号CCN中に存在するか判別し、存在する場合ステップDS13へ進み、存在しない場合処理を終了する。カード番号顧客口座等テーブル272に該当するクレジットカード番号CCN存在しないということは、釣銭預金CDの対象では無いからである。
ステップDS13において、決済情報SIから加盟店情報MSIを取得した後ステップDS14へ進む。
ステップDS14において、カード番号顧客口座等テーブル272に記憶された業種情報CBが、取得した加盟店情報MSIにおける業種情報CBと一致するか判別し、一致する場合ステップDS15へ進み、一致しない場合処理を終了する。取得した加盟店情報MSI中に登録された業種情報CBが存在しない場合、釣銭預金CDの対象では無いからである。
ステップDS15において、釣銭預金CDの対象であるため、釣銭預金額演算手段258に対し釣銭預金額の演算指令COを出し、処理を終了する。
【0082】
次に釣銭預金対象情報記憶手段262を説明する。
釣銭預金対象情報記憶手段262は、カード決済予算額設定手段256によって設定された釣銭額設定ルールULRを記憶する機能を有し、公知の不揮発形の記憶装置が用いられる。
【0083】
次に預金手段264を説明する。
預金手段264は、釣銭預金額演算手段258において演算された釣銭CMたる釣銭預金CDが生じた場合、当該釣銭CMを釣銭預金CDとして顧客102の顧客銀行口座174から当該顧客102の釣銭預金口座CAへの移転(送金)指令ROを顧客銀行口座情報処理手段132に対して出力する機能を有し、本実施例1においては、プログラムによって構成されている。
【0084】
次に預金手段264の作用を図19に示すフローチャートを参照して説明する。
まずステップSM1において、釣銭預金額演算手段258における演算の結果、本実施例1においては図16におけるステップSSS13において出力された釣銭預金指令CDOが存在するか判別し、存在する場合ステップSM2へ進み、存在しない場合処理を終了する。
ステップSM2において、顧客銀行口座情報処理手段132に対し、釣銭預金CDの金額を顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへ移転するよう移転指令ROを出力し、処理を終了する。顧客銀行口座情報処理手段132は移転指令ROに基づいて釣銭預金CDの金額を顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへ移転させる。
【0085】
次に支援加盟店情報記憶手段266を説明する。
支援加盟店情報記憶手段266は、預金支援情報処理手段126における加盟店104の加盟店情報MSIを記憶する機能を有し、加盟店情報処理手段106から送信される決済情報SIに含まれる加盟店情報MSIがふさわしくない場合、顧客102の判断に基づいて個別的に適用される情報を記憶する機能を有し、本実施例1においては、支援加盟店情報テーブル276によって構成されている。例えば、加盟店104がレストランとケーキ店との複合型店舗であって、アクワイアラ108との契約上はレストランであって、業種情報CBが図15における業種コードCB2が「1801」に設定されている場合において、ケーキを購入する場合、業種情報CBたる業種コードCB2は「1804」にしなければならないが、加盟店情報処理手段106に記憶されている業種コードCB2を変更することができない。その場合、預金支援情報処理手段126において、当該加盟店104の業種情報CBをケーキが属する菓子店である業種コードCB1である「1804」又は用語情報CB3における菓子店として登録することにより、正確な業種情報CB、換言すれば、正確な加盟店情報MSIに基づいて釣銭預金CDをすることができるようになる。
【0086】
支援加盟店情報テーブル276は、図20に示すように、クレジットカード番号CCNに対応付けられて加盟店104の加盟店名MSN、業種コードCB2又は用語情報CB3が記憶されるようになっている。
支援加盟店情報テーブル276に加盟店名MNS又は業種情報CBが記憶されている場合、釣銭預金対象判別手段260におけるステップDS13においては、決済情報SIに含まれている業種情報CBに優先して支援加盟店情報テーブル276において、クレジットカード番号CCNに対応して記憶されている業種情報CB又は加盟店名MSNが用いられる。
【0087】
次に広告手段268を説明する。
広告手段268は、図17に示した貯金目的SOとの関係で登録された商品又はサービスに関する広告を顧客情報処理手段298に提供する機能を有し、本実施例1においてはプログラムによって構成されている。広告手段268は広告情報テーブル302を含んでいる。
【0088】
次に広告情報テーブル302を図21を参照しつつ説明する。
広告情報テーブル302は、貯金目的SOに対応づけられて、当該貯金目的SOに叶った広告情報AI、本実施例1においては広告URL(uniform resource locator)が1つ以上登録(記憶)されている。もちろん、URLが登録されていない貯金目的SOも存在する。このURLは、預金支援事業者124と広告契約を締結した加盟店104又は加盟店以外の事業者の要請に基づき登録される。預金目的SOに対応した広告を顧客情報処理手段298の顧客表示手段314に表示することにより、当該加盟店104での購入の確率が高まり、広告効果が期待できるからである。広告情報AIとしては、上記URLの他、カタログや写真等の画像情報、又は、広告文章等、公知の広告情報を採用することができる。
図21に示す広告情報テーブル302においては、貯金目的SOが旅行である場合、3つのURLが登録され、貯金目的SOがバッグ(の購入)である場合、1のURLが登録されている。なお、顧客情報処理手段298においては、登録されたURLを受信した場合、所定の表示位置にURLに基づく表示を行うように構成されている。
【0089】
次に広告手段268の作用を図22のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップAS1において、予め設定された所定の広告タイミングであるか判別され、広告タイミングであることを判別した場合、ステップAS2へ進み、判別しない場合ステップAS1をループする。広告タイミングは、例えば、毎日早朝7時、昼の12時、午後6時、又は、その他の時刻、一日おきの所定の時刻、複数日おきの所定の時刻、一週間等所定の日数毎の所定の時刻等、広告の効果が出やすいインターバル、且つ、時刻の設定に基づいて判断される。
次にステップAS2において、クレジットカード番号CCNを手がかりとしてカード番号顧客口座等テーブル272に貯金目的SOが登録されているか判別し、登録されている場合ステップAS3へ進み、登録されていない場合処理を終了する。登録されていない場合、効果的な広告対象を絞りきれないからである。しかし、釣銭預金CDを促す広告を顧客情報処理手段298に対し送信することは可能である。
ステップAS3において、預金目的SOに対応する広告URLが広告情報テーブル302に登録されているか判別し、登録されている場合ステップAS4へ進み、登録されていない場合処理を終了する。登録がなければ広告処理ができないからである。
ステップAS4において、預金目的SOに対応するURLが広告URL欄に登録されている場合、当該広告URLをカード番号顧客口座等テーブル272に登録されているメールアドレスMA宛てのメールに記載の上、該当する顧客102の顧客情報処理手段298へ公衆通信回線304を経由して送信した後、処理を終了する。当該メールを受信した顧客情報処理手段298において、顧客102は当該URLにアクセスすることにより、当該広告を見ることができる。また、受信したメールに基づいて、当該URLを顧客102が操作せずとも、顧客表示手段314に表示することができる。
【0090】
次に通報手段270を説明する。
通報手段270は、所定のアルゴリズムに基づいて、所定の時期における預金手段264における預金額の総額と達成時期DO並びに目標金額MOを勘案し、達成時期DOにおける目標金額MO到達状況に応じて警報信号WSを出力する機能を有する。預金額の総額と達成時期DO並びに目標金額MOを勘案とは、釣銭預金CDの総額、達成時期DO、及び、目標金額MOの3つの要素を考慮するとの意味で有り、様々な態様が想定されるが、実際にはコンピュータを用いて演算されることから、演算式化できる勘案方法である。また、目標金額MO到達状況とは、目標金額MOの到達状況という意味合いで有り、達成時期DOにおいて目標金額MOに到達しないと予想される場合の他、達成時期DOにおいて目標金額MOに到達すると予想される場合を含む概念である。その意味において、警報信号WSとは、到達しないと予想されることを通報する信号の他、到達すると予想されることを通報する信号をも含む概念である。本実施例1において、通報手段270は、少なくとも、釣銭預金CDにおける目標金額MO及びその達成時期DOが定められている場合、所定のアルゴリズムに基づいて判断した結果、目標金額MO及び達成時期DOが達成困難であると判断された場合、警報信号WSを顧客情報処理手段298に送信する第1の機能を有し、さらに、第2の機能として釣銭預金CDを実行した場合の釣銭預金通知メールを送信する機能を有し、何れもプログラムによって構成されている。なお、第2の機能は必要に応じて設ければ良い。
【0091】
次に通報手段270の第1の機能の作用を図23のフローチャート及び図24の説明図を参照しつつ説明する。
このプログラムは毎日所定時刻に作動させることも出来るが、一週間又は一月に一度等所定の時間間隔毎に作動させることが好ましい。一日以上の所定の間隔の方が効果的であるからである。
ステップNS1において、カード番号顧客口座等テーブル272に目標金額MO及び目標時期DOが登録されているか判別し、登録されている場合ステップNS2へ進み、登録されていない場合処理を終了する。
ステップNS2において、その時点での目標金額MOに対する釣銭預金CDの額を把握し、ステップNS3へ進む。即ち、カード番号顧客口座等テーブル272における釣銭預金CDの対象になっている業種情報CBに対応する釣銭預金実績CDRに記録されている釣銭預金CDの額を集計する。
ステップNS3において、直近複数月における釣銭預金CDの預金増加率を求め、ステップNS4へ進む。預金増加率の一例を図24の説明において後述する。
ステップNS4において、その時点での釣銭預金CDの額を起点として預金増加率に基づく予想釣銭預金線VB(図24)を描き、ステップNS5へ進む。
ステップNS5において、達成時期DOにおいて、予想釣銭預金線CDLが目標金額MOをオバーしている場合は処理を終了するが、目標金額MOをオバーしていない場合はステップNS6へ進む。
ステップNS6において、対応するメールアドレスMAをカード番号顧客口座等テーブル272から取得した後、ステップNS7へ進む。
ステップNS7において、警報信号WSをメールアドレスMAに載せて公衆通信回線304を介して顧客情報処理手段298へ送信した後、処理を終了する。
後述の顧客情報処理手段298においては、メールの着信が音、振動、又は、発光等によって顧客102に通報する。すなわち、メールの着信の通報も、本発明における通報手段270又は取引警報手段346における通報に含まれる。受信した警報信号WSに基づいて、このままでは釣銭預金CDの目標が達成できないことを表す所定の文字又はイラストを用いて顧客表示手段314に表示し、目標達成の動機付けを図る。
【0092】
第2の機能の作用を図23(B)を参照して説明する。
まずステップNS11において、移転指令ROが存在するか判別し、存在する場合ステップNS12へ進み、存在しない場合ステップNS11をループする。ステップNS11のループは移転指令ROの待機状態である。
ステップNS12において、対応するメールアドレスMAをカード番号顧客口座等テーブル272から取得した後、ステップNS13へ進む。
ステップNS13において、メールアドレスMA宛てメールに釣銭預金CDを行った日時、釣銭預金CDの額、業種情報CBを貼り付けた後、当該メールアドレスMA宛て、公衆通信回線304を介して送信し、処理を終了する。
【0093】
通報手段270の第1の機能の作用を図17における顧客102Aに当てはめて図24を参照しつつ説明する。図24の例は、2015年12月01日から釣銭預金CDを開始し、12月後の2106年12月31日迄に10万円の釣銭預金CDを達成する釣銭預金計画であり、釣銭額設定ルールULR2が適用されるためクレジットカード決済毎に釣銭預金CDがなされるが、便宜的に該当月末に釣銭預金CDが集計されたものとして表示してある。また、通報手段270は、毎月末に新たな釣銭預金CDが積み上がった時点で行い、今回の判定は、開始から8月後の2016年8月31日であるとする。釣銭預金CDが均等になされた場合、所定の傾きを有する均等直線Aに沿って釣銭預金CDがなされる。しかし、実際は曲線Bによって示されるように、開始直後は均等直線Aを上回るペースで釣銭預金CDがなされたが、途中からペースが落ち、今回の判定時においては、均等直線Aよりも大幅に釣銭預金CDの額が大幅に下回っている場合、ステップNS2において、現在までの8月間の釣銭預金CDが、カード番号顧客口座等テーブル272にける釣銭預金実績CDRの記録に基づいて集計される。図24においては48000円積み上がっているものとする。
次にステップNS3において、最近複数月における増加率RIを演算する。この演算は、直近の2ヶ月間における釣銭預金CDの増加額を月数2で除算することにより求めることができ、所定の増加率RI1に基づく所定の傾きを有する直前傾斜線ASL1となる。本実施例1におていは、直前の2ヶ月の増加率は同一であるため、直前の2ヶ月と同一の傾きを有する直前傾斜線ASL2となる。直前の2ヶ月の傾きが異なる場合、直前傾斜線ASLは直前の2ヶ月の平均の傾きを求めることになる。
次にステップNS4において、ステップNS3において求めた傾きで判定時点における釣銭預金CDの預金額48000円を起点として直前傾斜線ASLと同一の増加率RI1(傾き)で予想釣銭預金線VB1を引いた場合、到達時期DOにおいて目標金額MOに達するか判別する。
次にステップNS5において、予想釣銭預金線VB1の場合、目標金額MOとの差額が3万円以上であるので目標金額MOに達することは困難であると判断し、ステップNS6へ進む。
ステップNS6において、警報信号WSを顧客情報処理手段298へ送信し、処理を終了する。
【0094】
次に図24における、曲線Cのケースを説明する
曲線Cは、当初、均等直線Aに対して低調であったが、判定日前2ヶ月前から傾きの角度が大きくなったケースである。この場合、ステップNS3における直前傾斜線ASL2の増加率RI2(傾き)が大きい。
ステップNS4において、予想釣銭預金線VB2を引くと、到達時期DOにおける釣銭預金CDの額が目標金額MOを超えることが予想されるので、ステップNS5へは進まず、処理を終了する。なお、この場合、「釣銭預金は順調です」とう顧客102の釣銭預金CDの意欲を高めるメッセージ等を顧客情報処理手段298に送信することもできる。
したがって、ステップNS5における到達時期DOにおける目標金額MOと予測到達金額との関係を適当に設定することにより、適切な警報を顧客102に対し提供することができる。
通報手段270におけるアルゴリズムは、上記実施例1の他、種々のアルゴリズムに基づいて警報信号WSを出力することができる。
【0095】
次に顧客情報処理手段298を図25を参照しつつ説明する。
顧客情報処理手段298は、公衆通信回線304を介して預金支援情報処理手段126から送信される情報を処理し、又は、顧客入力手段322によって入力された情報を公衆通信回線304を介して預金支援情報処理手段126へ入力する機能を有し、顧客102が所有するディスクトップ型、タワー型、ラップトップ型、ノートブック型、ネットブック型、タブレット型、車載型、ウエアラブル型、PDA(Personal Digital Assistant)型、スマートフォン等のPC(personal computer)であって、少なくとも、通信機能、表示機能、入力機能を有し、本実施例1においては、スマートフォン306を用いている。本実施例1の顧客情報処理手段298は、顧客演算手段308、顧客記憶手段312、顧客表示手段314、顧客通信手段316、顧客加盟店情報書換手段318、顧客入力手段322、及び、顧客バスライン324を含み、顧客バスライン324を介してそれぞれ情報を伝達し、顧客演算手段308は顧客記憶手段312に記憶された所定のプログラムに基づき、顧客通信手段316を介して受信した情報及び/又は顧客入力手段322からの入力情報を処理し、顧客表示手段314に適当な表示を行いつつ預金支援情報処理手段126と必要な情報を通信する。
【0096】
まず顧客演算手段308を説明する。
顧客演算手段308は、顧客記憶手段312に記憶されたプログラムに基づいて、顧客通信手段316、顧客加盟店情報書換手段318、及び、顧客入力手段322からの各種情報を処理し、顧客通信手段316を介して送信し、及び、顧客表示手段314を適宜制御する機能を有する。
【0097】
次に顧客記憶手段312を説明する。
顧客記憶手段312は、顧客情報処理手段298の機能を発揮させるためのプログラムが記憶されており、公知の記憶装置が用いられる。
【0098】
次に顧客表示手段314を説明する。
顧客表示手段314は、必要な情報を操作者である顧客に伝えるため必要な表示を行うマンマシンインターフェースとしての機能を有し、LCD等公知の表示装置が用いられる。
【0099】
次に顧客通信手段316を説明する。
顧客通信手段316は、顧客入力手段322によって顧客情報処理手段298に入力された情報を公衆通信回線304を介して預金支援情報処理手段126へ送信し、また、預金支援情報処理手段126から公衆通信回線304を介して受信するための通信手段である。
【0100】
次に顧客加盟店情報書換手段318を説明する。
顧客加盟店情報書換手段318は、支援加盟店情報テーブル276における加盟店名MSNに対する業種名CBを修正する機能、具体的には、前述のように、決済情報SIに含まれる業種情報CBが不適な場合、支援加盟店情報テーブル276にその加盟店名MSN及び適当な業種名CBを記憶させる機能を有し、本実施例1においては、プログラムによって構成されている。
【0101】
顧客加盟店情報書換手段318の作用を図26のフローチャートを参照しつつ説明する。
業種情報CBを訂正する場合、まず、図26(C)における顧客表示手段314上に表示された修正ボタン326を押すことによりプログラムが起動する。
すなわち、図26(B)のステップRS1において、修正ボタン326が押されたか判別し、押された場合ステップRS2へ進み、押されない場合ステップRS1をループする。ステップRS1のループは、修正待受状態である。
ステップRS2において、顧客表示手段314に修正入力画面328を表示してステップRS3へ進む。修正入力画面328は、「入力して下さい」の文字の下方に、店舗名入力ボックス332及び業種情報CBの業種名入力ボックス334が表示され、さらに、その下方に書換確定ボタン336が表示される。
ステップRS3において、顧客102は、顧客入力手段322によって店舗名入力ボックス332に店舗名を入力し、又は、業種名入力ボックス334に新業種名を入力し、ステップRS4へ進む。
ステップRS4において、書換確定ボタン336が押されたか判別し、押された場合ステップRS5へ進み、押されない場合ステップRS6へ進む。
ステップRS5において、ステップRS3において入力された店舗名MSN又は業種情報CBが支援加盟店情報テーブル276に書き込まれ、記憶保存された後、処理を終了する。
ステップRS6において、ステップRS4に移動してから所定時間経過したか判別し、所定期間経過した場合ステップRS7へ進み、経過していない場合ステップRS4へ戻る。ステップRS4とRS6のループは、店舗名・業種情報CBの確定待受状態である。
ステップRS7において、顧客表示手段314に時間超過表示をして処理を終了する。
したがって、顧客加盟店情報書換手段318は,少なくとも、ステップRS1~RS5によって構成されている。なお、業種情報CBが図15に示すように複数存在する場合、実際に使用されている業種情報CBを入力する必要がある。
【0102】
次に顧客入力手段322を説明する。
顧客入力手段322は、店舗名・業種名等を入力する機能を有し、本実施例1においては、公知のキーボードである。
【0103】
次に顧客バスライン324を説明する。
顧客バスライン324は、顧客演算手段308、顧客記憶手段312、顧客表示手段314、顧客通信手段316、顧客加盟店情報書換手段318、及び、顧客入力手段322間において各種情報を通信する機能を有し、公知のバスラインが用いられる。
【0104】
次に本実施例1の釣銭自動預金システム100の作用を、図27のフローチャートを参照しつつ説明する。
釣銭預金CDを行うおうとする顧客102は、予め顧客銀行128と契約し、カード番号顧客口座等テーブル272において必要な各種情報を、顧客銀行128に提供し、顧客銀行128は預金支援事業者124に委託して預金支援情報処理手段126におけるカード番号顧客口座等テーブル272に記録(記憶)しておく。本実施例1では、図17における顧客102Aを例として説明する。換言すれば、図17における顧客102Aに関連づけられて設定登録されたクレジットカード番号CCN、顧客銀行口座174、釣銭預金口座CA、預金目的SO、達成時期DO、釣銭預金実績CDR、及び、メールアドレスMAが設定登録(記憶)されている。しかし、具体的に釣銭預金CDを行わない場合、業種情報CB、及び、釣銭額設定ルールULRは、登録されていない。
業種情報CBが登録されていない場合、対象判別手段274におけるステップDS13において、対象業種情報CBが存在しないので、釣銭預金CDの移転指令ROが出力されることは無い。
予め、カード番号顧客口座等テーブル272に業種情報CBが登録されていない場合において、釣銭預金CDを行うことを決意した場合、顧客102Aはカード決済予算額設定手段256を立ち上げて業種情報CB及び釣銭額設定ルールULRを設定する。すなわち、顧客102Aが自己の顧客情報処理手段298における顧客表示手段314に表示されたカード決済予算額設定手段256のアイコンをタップすることにより、カード決済予算額設定手段256のプログラムが実行される。ステップSSS1において、預金設定画面DS11が表示され、以降ステップSSS2~SSS10が適宜実行され、業種情報CB、及び、釣銭額設定ルールULRが前述のように設定される。
本実施例1においては、顧客102Aは、業種情報OBが1201のデパート、1211の女性既製服販売、1212の小児・幼児服に設定され、釣銭額設定ルールULRは2の1000円単位に設定されている。例えば、1円の買い物をデパート、女性規制服販売店、又は、小児・幼児服店においてクレジット決済によって行った場合、1000円がカード決済予算額SBMとして設定され、1円は通常のクレジット決済によって顧客102Aの顧客銀行口座174から引き落とされ、残りの999円は預金支援情報処理手段126から顧客銀行口座情報処理手段132への移転指令ROによって、当該顧客銀行128における顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへ移転処理され、預金される。
【0105】
次に、顧客102Aが加盟店104であるデパートにおいて、商品等の提供を受け、対価支払いの際、クレジットカード決済を申し出た場合、加盟店104における店員は、まず、図2に示すように顧客102Aのクレジットカード120を加盟店情報処理手段106のICカードコネクタに挿入する。これにより、図4におけるステップTS1において、ICカードコネクタを介してICチップ140の記憶部130に記憶されているクレジットカード番号CCNが加盟店読込手段162によって加盟店情報処理手段106(加盟店演算手段152)に読み込まれる。
【0106】
次に、店員はステップTS2において、テンキー144によって、決済金額STM、及び、支払方式(一括、分割又はリボルビング払の何れか)を入力する。これによって、加盟店情報処理手段106は、クレジットカード番号CCN、加盟店情報処理手段106毎に設定されている加盟店情報処理手段コードMSC(本実施例1では図5における加盟店情報処理手段コード出力装置148に記憶されている。)、決済金額STM、及び、支払方式(一括、分割又はリボルビング払)の決済情報SIを送信可能に準備した後、ステップTS4へ進み、顧客102に対し、暗証コードPINの入力を求める。決済金額STMは、今回は5600円であるものとする。
【0107】
次にステップTS4において、顧客102が暗証コードPINを入力した後、入力キー146を押すと、ステップTS5へ進み与信要求CRを行う。すなわち、決済情報SI、及び、暗証コードPINが第1通信回線136を介してアクワイアラ情報処理手段112へ送信される。
【0108】
与信要求CRを受けたアクワイアラ情報処理手段112は、図7に示すように、ステップAS1において、与信要求CRを判別するとステップAS2へ進み、クレジットカード番号CCNから利用者の国際ブランド114を特定して与信要求CR及び決済情報SIを国際ブランド情報処理手段116へ第2通信回線160を介して送信し、ステップAS3へ進み、国際ブランド情報処理手段116からの与信情報CIの待受状態になる。
【0109】
国際ブランド情報処理手段116は、図9におけるステップBS1において、アクワイアラ情報処理手段112からの与信要求CRを判別した場合、ステップBS2へ進み、クレジットカード番号CCNからイシュア118を特定し、イシュア情報処理手段122に対して与信要求CR及び決済情報SIをイシュア情報処理手段122に対して送信する。
【0110】
イシュア情報処理手段122は、図11におけるステップIS1において与信要求CRを判別した後ステップIS2においてクレジットカード番号CCN及び暗証コードPINが真であることを判別した場合、ステップIS3へ進み、与信情報CIを国際ブランド情報処理手段116へ出力し、偽である場合、ステップIS4において不信情報DIを国際ブランド情報処理手段116へ出力する。すなわち、イシュア情報処理手段122における顧客テーブル(図示せず)にクレジットカード番号CCN及び暗証コードPINに対応するクレジットカード番号CCN及び暗証コードPINが存在する場合、真であると判別して与信情報CIを出力し、存在しない場合、偽であると判別し、不信情報DIを出力する。
イシュア情報処理手段122は、与信情報CIを国際ブランド情報処理手段116へ出力した場合、ステップIS5において、預金支援情報処理手段126に対し決済情報SIを送信した後、ステップIS6において顧客102Aに対するクレジット決済処理を行う。例えば、一回払いの場合、所定の日に顧客102Aが指定する銀行口座からの引き落としを行うように処理し、分割払いの場合は所定金額を指定された回数に分けて当該銀行口座から引き落とすように処理する。
【0111】
与信情報CI又は不信情報DIを受信した国際ブランド情報処理手段116は、ステップBS3~BS6においてそれらを該当するアクワイアラ情報処理手段112へ送信する。
【0112】
与信情報CI又は不信情報DIを受信したアクワイアラ情報処理手段112は、ステップAS3~AS6においてそれらを該当する加盟店情報処理手段106へ送信する。
【0113】
加盟店情報処理手段106において、ステップTS6において与信情報CIを判別した場合ステップTS7へ進んで決済完了処理を行い、ステップTS8において不信情報DIを判別した場合TS9へ進む。
ステップTS7における与信情報CIによる決済完了処理は、図5に例示するように、業種情報CB、加盟店名MSN、決済金額STM等のクレジット決済完了情報138を加盟店プリンタ166によって、印字紙172に印字してクレジット決済レシート142を所定枚発行し、処理を終了する。クレジット決済レシート142の一枚は顧客102Aに渡し、一枚は利用者にサインを貰った後、及び、もう一枚は加盟店104に保管する。
ステップTS8において不信情報DIを判別した場合、ステップTS9において加盟店表示手段156に与信されなかった旨の表示をして処理を終了する。
なお、暗証コードPINの再入力を許可し、2回までの与信要求CRが可能なように、設定することもできる。ここまでの説明は、通常のクレジットカード決済の説明である。
【0114】
預金支援情報処理手段126は、図18に示すステップDS11において、イシュア情報処理手段122から決済情報SIを受信したことを判別すると、ステップDS3へ進みカード番号顧客口座等テーブル272に決済情報SIに含まれるクレジットカード番号CCNが存在するか判別し、存在しない場合、釣銭預金CDの対象ではないので処理を終了する。
決済情報SIに含まれるクレジットカード番号CCNがカード番号顧客口座等テーブル272に存在する場合、ステップDS13へ進み、同カード番号顧客口座等テーブル272における当該クレジットカード番号CCNに対応する業種情報CBが決済情報SIに含まれているか判別し、含まれていない場合処理を終了し、含まれている場合釣銭預金CDの対象であるため、カード決済予算額SBMの演算指令をカード決済予算額設定手段256へ出力する。
【0115】
ステップDS15において、カード決済予算額設定手段256は、釣銭額設定ルールULRに基づいてカード決済予算額SBMを定めた後、釣銭預金額演算手段258に対し、釣銭預金CDの額を演算を指令する。すなわち、本実施例1におては、支払額が1000円単位で設定されるため、決済金額STMの5600円に対し6000円がカード決済予算額SBMとして設定された後、ステップDS16へ進む。
【0116】
ステップDS16において、釣銭預金額演算手段258は、カード決済予算額SBMから決済金額STMを減算して釣銭預金CDの額を演算する。すなわち、ステップDS16において、決済予定額SMBの6000円から決済金額STMの5600円を減算して釣銭預金CDの額が400円に決定され処理を終了する。
【0117】
釣銭預金CDの額が決定されると処理は預金手段264に引き継がれる。預金手段264は、ステップSM1において釣銭預金CDの額が決定されことを判別するとステップSM2へ進み、判別しない場合はステップSM1をループする。
ステップSM2において、顧客銀行口座情報処理手段132に対して移転指令ROを送信し、釣銭預金CDの額をカード番号顧客口座等テーブル272に登録された顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへの移転を指令してステップMS3へ進む。
ステップMS3において、クレジットカード番号CCN及び業種情報CBに対応づけて釣銭預金CDの額及び日時をカード番号顧客口座等テーブル272の釣銭預金実績CDRに記憶した後、処理を終了する。
【0118】
通報手段270が図23(B)におけるステップNS11において、移転指令ROを判別するとステップNS12へ進む。
ステップNS12において、カード番号顧客口座等テーブル272を参照してメールアドレスMAを読込みNS13へ進む。
ステップNS13において、釣銭預金CDの額、預金日時、加盟店情報MSIたる業種情報CB、及び、店舗店名MSN等を当該メールアドレスMA宛てのメールに記載し、公衆通信回線304を介して顧客情報処理手段298に対して送信した後、処理を終了する。
【0119】
顧客銀行口座情報処理手段132は、図13(B)に示すように、ステップCS1において移転指令ROを判別するとステップCS2へ進み、顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへの移転を実行する。
【0120】
顧客情報処理手段298は、当該メールを受信し、顧客102Aが閲覧を希望する場合、顧客表示手段314に表示された通報手段270のアイコン(図示せず)をタップして通報画面(図示せず)を立ち上げ、当該通報画面に表示された閲覧ボタン(図示せず)を押すことによって釣銭預金CDの額、預金日時、業種情報CB、及び、店舗店名MSN等を顧客表示手段314に表示させ、確認することが出来る。具体的には、図26(A)に示すように、ステップES1において、閲覧ボタンが押されたか判別し、押されたことを判別した場合、ステップES2へ進み、判別しない場合ステップES1をループする。
ステップES2において、顧客表示手段314に釣銭預金CDの額、預金日時、業種情報CB、及び、店舗名MSN等を表示し、処理を終了する。
【0121】
顧客102Aが業種情報CBが相応しくないと判断した場合、顧客情報処理手段298における顧客表示手段314に表示されたアイコンをタップすることにより、顧客加盟店情報書換手段318を起動し、修正することができる。具体的には図26(B)(C)に示すように、顧客表示手段314に表示された修正ボタン326が押されたことを判別するとステップRS1からRS2へ進む。
ステップRS2において、図26(D)に示すように店舗名入力ボックス332及び業種名入力ボックス334が表示されるので、顧客入力手段322を用いて店舗名入力ボックス332及び業種名入力ボックス334に正しいそれらの名称を入力し、書換確定ボタン336を押すことにより、支援加盟店情報テーブル276に記録(記憶)される。支援加盟店情報テーブル276に記録(記憶)された情報については、決済情報SIに含まれる加盟店名MSN、又は、業種情報CBに優先して用いられる。したがって、次回以降に釣銭預金CDが行われた場合、当該クレジットカード番号CCNに対応して加盟店名MSN、又は、業種情報CBが記録されている場合、当該支援加盟店情報テーブル276に記録(記憶)された加盟店名MSN、又は、業種情報CBが採用される。
【0122】
次に預金支援情報処理手段126における通報手段270の第1の機能の作用を図27図23(A)及び図24を参照して説明する。
通報手段270において、まず図27に示すステップNS0において、所定期間毎の処理日を判別した場合、例えば、月毎のクレジットカード決済処理日において、そのクレジットカード決済が行われた直後に、図23(A)に示されるステップNS1~NS7のプログラムを作動させる。
まずステップNS1において、カード番号顧客口座等テーブル272に目標金額MO及び達成時期DOが登録されているか判別し、登録されている場合ステップNS2へ進み、これらが登録されていない場合、処理を終了する。
ステップNS2において、その時点での目標金額MOに対する釣銭預金CDの額の総額を演算する。即ち、カード番号顧客口座等テーブル272における釣銭預金実績CDRに記録されている釣銭預金CDの合計金額を演算する。図17に示す例の場合、3つの業種情報CBに対応して記録されているため、それら3つの業種情報CBの全ての釣銭預金CDの額が合算される。
ステップNS3において、直近複数月、本実施例1においては2月間における釣銭預金CDの増加率RI(傾き)を求めてステップNS4へ進む。
ステップNS4においてその時点での釣銭預金CDの合計額を起点としてステップNS3において求めた増加率RIに基づく予想釣銭預金線VB1又はVB2を描いて後、ステップNS5へ進む。
ステップNS5において、達成時期DOにおいて目標金額MOに達するか判別する。図24の例において、予想釣銭預金線VB2は目標金額MOである10万円を超える見込みであるので処理を終了する。しかし、予想釣銭預金線VB1は目標金額MOである10万円には届かないので、ステップNS6へ進んすでカード番号顧客口座等テーブル272のメールアドレスMA欄から顧客102Aに対応するメールアドレスMAを取得してステップNA7へ進み、警報信号WSを顧客情報処理手段298へ公衆通信回線304を介してメールアドレスMA宛て送信し、処理を終了する。
【0123】
メールによって警報信号WSを受信した顧客情報処理手段298は、図27におけるステップES3において、このままでは釣銭預金CDの目標が達成できないことを表す所定の文字又はイラストを用いた警報を顧客表示手段314に表示し、目標達成の動機付けを図る。なお、この場合、キャッシュローン等のローンの案内もメールに記載し、送信することができる。顧客102はどうしても現金等が必要な場合があり、その際の便のためである。
【0124】
次に広告手段268の作用を図22を参照して説明する。
ステップAS1において、予め設定された所定の広告タイミングであるか判別し、広告タイミングであることを判別した場合、ステップAS2へ進み、判別しない場合ステップAS1をループする。
次にステップAS2において、カード番号顧客口座等テーブル272に貯金目的SOが登録されているか判別し、登録されている場合ステップAS3へ進み、登録されていない場合処理を終了する。
ステップAS3において、預金目的SOに対応する広告URLが広告情報テーブル302に登録されているか判別し、登録されている場合ステップAS4へ進み、登録されていない場合処理を終了する。
ステップAS4において、預金目的SOに対応するURLが広告URL欄に登録されている場合、カード番号顧客口座等テーブル272から取得したメールアドレスMA宛て当該広告URLを記載したメールを公衆通信回線304を経由して顧客102の顧客情報処理手段298へ送信し、処理を終了する。
広告URLを記載したメールを受信した顧客102Aは、当該広告URLにアクセスすることにより、その広告を見ることができる。この広告は、広告URLにアクセスでずとも、メールが顧客情報処理手段298に送信された時点で自動的に当該広告URLに接続し、顧客102Aが何らの操作をせずとも顧客表示手段314において視認できるようにすることが好ましい、
【実施例2】
【0125】
次に実施例2を図28図32を参照して説明する。
実施例2は、実施例1においてはクレジットカード決済毎に釣銭預金CDを適用していたが、所定期間毎、例えば一ヶ月毎の決まった時期にクレジット決済を行うケースに適用した例である。
すなわち、預金支援情報処理手段126において、実施例1においては釣銭預金演算手段258の起動は、クレジット決済のため決済情報SIを受信する毎に行っていたが、本実施例2においては、所定のインターバル毎に行うようになっている。所定のインターバルとは、例えば、毎月定期的に行われるクレジット決済の直後であることが好ましいが、毎週1回、10日毎に1回、又は、15日毎等に1回であっても良い。したがって、本実施例2においては、預金支援情報処理手段126は釣銭預金演算タイミング設定手段342を含んでいる。
実施例2において、実施例1と同一機能部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。なお、カード決済予算額設定手段256は、実施例1と機能的には同一であるが所定の期間(インターバル)に基づいて期間カード決済予算額が設定されるので、名称を期間カード決済予算額設定手段とし、符号は実施例1と同一の符号の末尾に2を付加して表示し、釣銭預金額演算手段258についても、釣銭預金額演算手段258についても、実質同一機能であるが、期間単位で演算するため、期間釣銭預金額演算手段2582として表示し、詳細な説明は省略する。
【0126】
本実施例2において、期間カード決済予算額設定手段2562における設定が実施例1とは異なる。釣銭額ルール設定手段282においては、クレジット決済が行われる所定の期間における釣銭額設定ルールULRが適用される。具体的には、当該期間における期間カード決済予算額SBM2が設定され、例えば、釣銭額ルール設定手段282には期間カード決済予算額SBW2として30000円が設定される。
預金対象加盟店情報設定手段278における業種情報CBにおける設定は、実施例1と同一であり、本実施例2においては、外食費が対象であるとすると、図15における、業種情報CBが1801の食堂・レストランが設定される。
【0127】
次にクレジット決済が行われた場合、釣銭預金対象情報記憶手段262におけるカード番号顧客口座等テーブル272における釣銭預金実績CDRには実施例1と同様に、決済日時と決済金額STMが記憶される。
【0128】
本実施例2において、預金手段264は、期間カード決済予算額SBM2と加盟店情報MSIに対応する決済金額STMの合計額を比較し、加盟店情報MSIに対応する決済金額STMの合計額が期間カード決済予算額SMB2に対し所定の関係にある場合、それらの間の差額を顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAに移転させる移転指令ROを出力する。所定の関係にある場合とは、期間カード決済予算額SBM2よりも加盟店情報MSIに対応する決済金額STMの合計額が少ない場合を言うが、釣銭預金CDの額は、それらの間の差額である釣銭額でも良いし、釣銭額に対応した所定金額であっても良い。
【0129】
次に釣銭預金演算タイミング設定手段342を説明する。
釣銭預金演算タイミング設定手段342は、前もって定められた所定のインターバル毎に釣銭預金CDを実行させる機能を有し、本実施例2においてはプログラムによって構成されている。本実施例2において、インターバルは月末の午前零時に設定され、当該月末が金融機関における休業日である場合、その直前の稼働日に設定される。
【0130】
次に釣銭預金演算タイミング設定手段342の作用を図29に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップEM1において、インターバル処理タイミングであるか判別し、処理タイミングである場合、ステップEM2へ進み、処理タイミングでない場合、ステップEM1をループする。ステップEM1のループは、インターバル処理タイミングの待受状態である。本実施例2においては毎月末の午前零時をもってインターバル処理タイミングになり、ステップEM2へ進む。
ステップEM2において、インターバル信号EMを出力して処理を終了する。
【0131】
次に実施例2における期間釣銭預金額演算手段2582を説明する。
本実施例2における期間釣銭預金額演算手段2582も実施例1と同様に、期間カード決済予算額設定手段2562によって、釣銭額設定ルールULRに基づいて設定されたカード決済予算額SBMから、イシュア情報処理手段122から提供された当該期間に発生した決済金額STMの合計額を減算し、釣銭CMを演算する機能を有する。しかし、実施例2においては所定のインターバル毎に釣銭CM(釣銭預金CDの額)を演算するので、毎カード決済毎に実行する実施例1とはその点において異なる。
【0132】
次に実施例2における期間釣銭預金額演算手段2582の作用を図30のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップEM21において、インターバル信号EMが存在するか判別し、存在する場合ステップEM22へ進み、存在しない場合ステップEM21をループする。ステップEM21のループは、インターバル信号EMの待受状態である。
ステップEM22において、カード番号顧客口座等テーブル272の釣銭預金実績CDRに記憶されているクレジットカード決済を行った記録の日時情報から、今月の対象取引を選択し、対象となる業種情報CBに関連するクレジット決済金額の合計を演算した後、ステップEM23へ進む。
ステップEM23において、カード決済予算額SBMからステップEM22において演算したクレジットカード決済の合計額を減算し、余り、即ち、カード決済予算額SBMに残金がある場合、ステップEM24へ進み、減算結果が0又は負である場合、ステップEM25へ進む。
ステップEM24において、当該残金を釣銭預金CDの額として定め、処理を終了する。この釣銭預金CDの額の決定に基づいて、預金手段264は顧客銀行口座情報処理手段132に対し、移転指令ROを送信する。
ステップEM25において、釣銭預金無しの情報をメールに記載し、該当する顧客102のメールアドレスMA宛て送信し、処理を終了する。
【0133】
次に実施例2における対象判別手段274におけるクレジットカード決済時の作用を図31のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップDS21において、決済情報SIを受信したか判別し、受信した場合ステップDS22へ進み、受信しない場合ステップDS21をループする。
ステップDS22において、決済情報SI中のクレジットカード番号CCNと同一のクレジットカード番号CCNがカード番号顧客口座等テーブル272に登録されたクレジットカード番号CCN中に存在するか判別し、存在する場合ステップDS23へ進み、存在しない場合処理を終了する。カード番号顧客口座等テーブル272に該当するクレジットカード番号CCN存在しないということは、釣銭預金CDの対象では無いと言うことであるからである。
ステップDS23において、決済情報SIから加盟店情報MSIを取得した後ステップDS24へ進む。
ステップDS24において、カード番号顧客口座等テーブル272の業種情報CBが、取得した加盟店情報MSIにおける業種情報CBと一致するか判別し、一致する場合ステップDS25へ進み、一致しない場合処理を終了する。取得した加盟店情報MSI中に登録された業種情報CBが存在しない場合、釣銭預金CDの対象では無いからである。
ステップDS25において、釣銭預金CDの対象であるため、期間釣銭預金額演算手段2582において前述のように設定された釣銭額設定ルールULRに基づいて釣銭CMを演算し、釣銭預金CDの額を決定して、カード番号顧客口座等テーブル272の釣銭預金実績CDRに記録して処理を終了する。
【0134】
次に図32のフローチャートを参照しつつ実施例2の作用を説明する。
クレジットカード決済が行われた場合、預金支援情報処理手段126はイシュア情報処理手段122から決済情報SIを受信すると、対象判別手段274は、ステップDS21~DS25を実行し、釣銭預金CDが設定されているクレジットカード決済対象である場合、釣銭預金対象情報記憶手段262におけるカード番号顧客口座等テーブル272における釣銭預金実績CDRに実施例1と同様に、決済日時と決済金額が記憶される。
釣銭預金演算タイミング設定手段342において、図30におけるそのステップEM1においてインターバル処理タイミングである月末の午前零時を判別するとインターバル信号EMを出力する。
期間釣銭預金額演算手段2582は、ステップEM21においてインターバル信号EMを判別すると、ステップEM22~EM24を実行し、釣銭預金CDの額を決定する。本実施例2においてカード決済予算額SBMが30000円に設定されていることから、ステップEM22における合計額が20000円であった場合、ステップEM24においては30000円から20000円を減算した10000円が釣銭預金CDの額として決定される。
預金手段264は、この釣銭預金CDの額の決定に基づいて、顧客銀行口座情報処理手段132に対し、10000円の移転指令ROを送信する。
移転指令ROに基づいて、顧客銀行口座情報処理手段132は実施例1と同様に顧客銀行口座174から釣銭預金口座CAへ決定された釣銭預金CDの額である10000円が移転(振替)され、預金される。
【実施例3】
【0135】
次に実施例3を図33図35を参照して説明する。
実施例3は、実施例2において、クレジットカード決済を行う際、釣銭預金演算手段によって当該クレジットカード決済後のカード決済予算額に対する到達度を演算し、当該到達度が予め定めた所定の条件に当てはまる場合、当該顧客に通知し、当該クレジットカード決済を実行するか中止するか選択可能としたものである。
実施例3は、実施例2の構成に加え、予想釣銭預金決済金額演算手段344、及び、取引警報手段346を含んでいる。
【0136】
最初に予想釣銭預金決済金額演算手段344を説明する。
予想釣銭預金決済金額演算手段344は、インターバル期間において実際にクレジットカード決済された金額と新たにクレジットカード決済対象になっているクレジットカード決済による金額との合計を演算する機能を有し、本実施例3においては、プログラムによって構成されている。
予想釣銭預金決済金額演算手段344の作用を図34に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップPS1において、決済情報SIを受信したか判別し、受信した場合ステップPS2へ進み、受信しない場合ステップPS1をループする。
ステップPS1において、決済情報SI中のクレジットカード番号CCNと同一のクレジットカード番号CCNがカード番号顧客口座等テーブル272に登録されたクレジットカード番号CCN中に存在するか判別し、存在する場合ステップPS3へ進み、存在しない場合処理を終了する。カード番号顧客口座等テーブル272に該当するクレジットカード番号CCN存在しないということは、釣銭預金CDの対象では無いからである。
ステップPS3において、決済情報SIから加盟店情報MSIを取得した後ステップPS4へ進む。
ステップPS4において、カード番号顧客口座等テーブル272の業種情報CBが、取得した加盟店情報MSIにおける業種情報CBと一致するか判別し、一致する場合ステップPS5へ進み、一致しない場合処理を終了する。取得した加盟店情報MSI中に登録された業種情報CBが存在しない場合、釣銭預金CDの対象では無いからである。
ステップPS5において、決済情報SI中に含まれている決済金額STMを新たな釣銭預金CDの金額である仮決済金額TSTMとして決定し、ステップPS6へ進む。
ステップPS6において、カード番号顧客口座等テーブル272に記憶されているインターバル期間中の釣銭預金CDの対象の釣銭預金カード決済済金額ISTMを演算した後ステップPS7へ進む。
ステップPS7において、クレジット決済済金額合計ISTMと仮決済金額TSTMを加算し予想釣銭預金決済金額FSTMを演算し、取引警報手段346へ出力した後、処理を終了する。
【0137】
次に取引警報手段346を説明する。
取引警報手段346は、予想釣銭預金決済金額演算手段344において演算した予想釣銭預金決済金額FSTMをカード決済予算額SBMと比較し、一定の条件を満たす場合、その旨を顧客102(顧客情報処理手段298)へ通報する機能を有する。
実施例3において、取引警報手段346はプログラムにより構成されているので、図35のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップTAS1において、予想釣銭預金決済金額演算手段344から予想釣銭預金決済金額FSTMを受信したか判別し、受信した場合ステップTAS2へ進み、受信しない場合ステップTAS1へ戻る。ステップTAS1のループは、予想釣銭預金決済金額FSTMの待受状態である。
ステップTAS2において、カード決済予算額SBMから予想釣銭預金決済金額FSTMを減算し、予想差額FDMを演算しステップTAS3へ進む。
ステップTAS3において、所定の条件と比較し、当該条件を満足する場合、クレジット決済可能として、実施例2におけるステップDS25へ進み、その後前述したように処理される。しかし、所定の条件を満たさない場合、ステップTAS4へ進む。所定の条件とは、少なくとも、今回のクレジットカード決済を実行した場合、釣銭預金CDが出来なくなる場合又は出来なくなる恐れが大きい場合であり、換言すれば、予想釣銭預金決済金額FSTMがカード決済予算額SBMを上回る場合、したがって、予想差額FDMがゼロ又は負の場合である。所定の条件は、予想差額FDMが正であっても、カード決済予算額SBMに対して予想差額FDMが10%以内になった場合等にもステップTAS4へ進むように設定することができる。
ステップTAS4において、顧客102のメールアドレスMAを取得し、警報メッセージを顧客情報処理手段298へ送信し処理を終了する。警報メッセージとしては、「このクレジット決済を実行すると今月の釣銭預金はできなくなります」、「このクレジット決済を実行すると今月の釣銭預金は〇〇円です」等適当に選択される。
顧客102は、顧客情報処理手段298の顧客表示手段314に表示された警報を見て、当該クレジット決済を中止し、釣銭預金CDに充当、又は、クレジット決済を実行して釣銭預金CDを行わないことを選択できる。
【符号の説明】
【0138】
CA 釣銭預金口座
CD 釣銭預金
CR 与信要求
DO 達成時期
MO 目標金額
MSI 加盟店情報
STM 決済金額
SBM カード決済予算額
SI 決済情報
STM 決済金額
MSI 加盟店情報
102 顧客
106 加盟店情報処理手段
108 アクワイアラ
112 アクワイアラ情報処理手段
114 国際ブランド
116 国際ブランド情報処理手段
118 イシュア
122 イシュア情報処理手段
126 預金支援情報処理手段
132 顧客銀行口座情報処理手段
174 顧客銀行口座
250 目標設定手段
256 カード決済予算額設定手段
2562 期間カード決済予算額設定手段
258 釣銭預金額演算手段
2582 期間釣銭預金額演算手段
264 預金手段
268 広告手段
270 通報手段
272 カード番号顧客口座等テーブル
302 広告情報テーブル
298 顧客情報処理手段
318 顧客加盟店情報書換手段
344 予想釣銭預金決済金額演算手段
346 取引警報手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35