(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】半導体装置および連続読出し方法
(51)【国際特許分類】
G11C 16/26 20060101AFI20220907BHJP
G11C 16/24 20060101ALI20220907BHJP
G11C 5/02 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G11C16/26 110
G11C16/24 100
G11C5/02 100
(21)【出願番号】P 2021171465
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2019138606の分割
【原出願日】2019-07-29
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 真言
(72)【発明者】
【氏名】水藤 克年
(72)【発明者】
【氏名】谷口 務
(72)【発明者】
【氏名】岡部 翔
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-184874(JP,A)
【文献】特開2007-305284(JP,A)
【文献】特開2013-235642(JP,A)
【文献】特開2018-73448(JP,A)
【文献】特開2000-20409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/26
G11C 16/24
G11C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルアレイと、当該メモリセルアレイから読み出されたデータを受け取るページバッファ/センス回路とを含み、前記ページバッファ/センス回路は、それぞれ1/2ページ分のデータを保持する第1の保持領域と第2の保持領域とを含む、NAND型フラッシュメモリの連続読出し方法であって、
第1の保持領域に保持されたデータの出力後、第2の保持領域に保持されたデータの出力中に、メモリセルアレイから次のページのデータを第1の保持領域に保持し、第2の保持領域に保持されたデータの出力後、第1の保持領域に保持されたデータの出力中に、メモリセルアレイから次のページのデータを第2の保持領域に保持するステップを有し、
前記ページバッファ/センス回路は、行方向の各ピッチ内に2列×複数段に配置され、第1の保持領域のデータを出力するとき、前記2列の一方の列のページバッファ/センス回路に接続されたビット線を選択してメモリセルアレイの読出しが行われ、第2の保持領域のデータを出力するとき、前記2列の他方の列のページバッファ/センス回路に接続されたビット線を選択してメモリセルアレイの読出しが行われ、非選択のビット線はGNDにシールドされる、方法。
【請求項2】
前記メモリセルアレイは、列アドレスが連続する方向に順に、データの記憶に利用される第1のメイン領域、データの記憶に利用される第2のメイン領域、第1のメイン領域のデータに関する情報を記憶する第1のスペア領域、第2のメイン領域のデータに関する情報を記憶する第2のスペア領域を含み、
メモリセルアレイのデータを読み出すとき、第1の保持領域が第1のメイン領域のデータと第2のメイン領域のデータの一部とを含み、かつ第2の保持領域が第2のメイン領域の残りのデータと前記第1および第2のスペア領域のデータとを含むようにメモリセルアレイのデータの列アドレス位置が変換される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メモリセルアレイから第1の保持領域へのデータの読出しは、第1の保持領域に保持されたデータを出力する列アドレスが1/2ページの最終列アドレスに到達したときに開始され、前記メモリセルアレイから第2の保持領域へのデータの読出しは、第2の保持領域に保持されたデータを出力する列アドレスが1/2ページの最終列アドレスに到達したときに開始される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
NAND型のメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイの各ビット線に接続され、かつメモリセルアレイから読み出されたデータを受け取るページバッファ/センス回路であって、当該ページバッファ/センス回路は、それぞれ1/2ページ分のデータを保持する第1の保持領域と第2の保持領域とを含み、かつ行方向の各ピッチ内に2列×複数段に配置される、前記ページバッファ/センス回路と、
前記メモリセルアレイの読出しを制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、ページの連続読出しを行うとき、第1の保持領域に保持されたデータの出力後、第2の保持領域に保持されたデータの出力中に、メモリセルアレイから次のページのデータを第1の保持領域に保持し、第2の保持領域に保持されたデータの出力後、第1の保持領域に保持されたデータの出力中に、メモリセルアレイから次のページのデータを第2の保持領域に保持し、
前記制御手段はさらに、第1の保持領域のデータを出力するとき、前記2列の一方の列のページバッファ/センス回路に接続されたビット線を選択してメモリセルアレイの読出しを行い、第2の保持領域のデータを出力するとき、前記2列の他方の列のページバッファ/センス回路に接続されたビット線を選択してメモリセルアレイの読出しを行い、非選択のビット線をGNDにシールドする、半導体装置。
【請求項5】
前記メモリセルアレイは、列アドレスが連続する方向に順に、データの記憶に利用される第1のメイン領域、データの記憶に利用される第2のメイン領域、第1のメイン領域のデータに関する情報を記憶する第1のスペア領域、第2のメイン領域のデータに関する情報を記憶する第2のスペア領域を含み、
前記制御手段は、メモリセルアレイのデータを読み出すとき、第1の保持領域が第1のメイン領域のデータと第2のメイン領域のデータの一部とを含み、かつ第2の保持領域が第2のメイン領域の残りのデータと前記第1および第2のスペア領域のデータとを含むようにメモリセルアレイのデータの列アドレス位置を変換する、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記メモリセルアレイから第1の保持領域へのデータの読出しは、第1の保持領域に保持されたデータを出力する列アドレスが1/2ページの最終列アドレスに到達したときに開始され、前記メモリセルアレイから第2の保持領域へのデータの読出しは、第2の保持領域に保持されたデータを出力する列アドレスが1/2ページの最終列アドレスに到達したときに開始される、請求項4または5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記読出し手段は、第1および第2の保持領域に保持されたデータをクロック信号に同期して外部に出力する、請求項4ないし6いずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ページバッファ/センス回路は、1ページ分のデータを保持する単一のラッチを含んで構成される、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ページバッファ/センス回路は、各ピッチ内に2列×4段のレイアウトに配置される、請求項8に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特にNAND型フラッシュメモリ等の連続読出しに関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型のフラッシュメモリには、外部からのコマンドに応答して複数のページを連続で読み出す連続読出し機能(バースト読出し機能)が搭載されている。ページバッファ/センス回路は、例えば2つのラッチを含み、連続読出し動作が行われるとき、一方のラッチにアレイから読み出されたデータを保持する間に、他方のラッチに保持されたデータの出力を可能にしている(例えば、特許文献1、2、3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5323170号公報
【文献】特許5667143号公報
【文献】米国特許出願US2014/0104947A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に、オンチップECC機能を搭載したNAND型フラッシュメモリの概略構成を示す。フラッシュメモリは、NANDストリングを含むメモリセルアレイ10と、ページバッファ/センス回路20と、データ転送回路30、32と、誤り検出訂正回路(以下、ECC回路)40と、入出力回路50とを含む。ページバッファ/センス回路20は、読出しデータやプログラムすべき入力データを保持する2つのラッチL1、L2(1つのラッチは、例えば4KB)を含み、ラッチL1、L2は、それぞれキャッシュC0とキャッシュC1(1つのキャッシュは、例えば2KB)とを含む。キャッシュC0、C1は、それぞれ独立した動作が可能である。また、ECC回路40は、ユーザーオプションによりイネーブルまたはディスエーブルさせることが可能である。
【0005】
図2に、従来の連続読出しを行うときのタイミングチャートを示す。連続読出しは、複数ページからデータを連続的に読み出すものであり、この動作は、コマンドにより実行することが可能である。初めに、ページP0のアレイ読出しが行われる。このときの読出し時間tRD1は、約24μsである。読み出されたページP0のデータがラッチL1のキャッシュC0、C1に保持され(P0C0、P0C1)、次いでラッチL1のキャッシュC0、C1のデータがラッチL2のキャッシュC0、C1に転送される。キャッシュC0、C1の一方がデータ出力されている間に他方がECC処理され、他方がデータ出力されている間に一方がECC処理される。また、ラッチL1からラッチL2へのデータ転送後に、次のページP1のアレイ読出しが行われ、これがラッチL1に保持される。
【0006】
連続読出しでは、行アドレスが自動的にインクリメントされ、ページP1から複数ページの連続読出しが開始される。連続読出し中のアレイ読出し時間tRは、約18μSである。アレイ読出しは、内部クロック信号に同期して行われ、入出力回路50によるデータ出力は、内部クロック信号とは非同期の外部クロック信号ExCLKに同期して行われる。1ページのデータを出力する時間tDOUTは、外部クロック信号ExCLKの周波数に依存し、例えば、外部クロック信号ExCLKが104MHzであるとき、tDOUTは約39.4μsである。連続読出しでは、アレイ読出し時間tRは、1ページのデータ出力時間tDOUTよりも小さくなければならない。
【0007】
メモリセルアレイ10は、データを記憶するメイン領域と、ECC処理による誤り検出符号やユーザー情報などを記憶するスペア領域とを含んでいる。
図1(B)に、メモリセルアレイ10のメイン領域とスペア領域の構成を示す。メイン領域は、キャッシュC0に対応するメイン部分C0_MとキャッシュC1に対応するメイン部分C1_Mとを含み、メイン部分C0_Mの列アドレスは、000F~3FFhであり、メイン部分C1_Mの列アドレスは、400h~7FFhである。スペア領域は、キャッシュC0に対応するスペア部分C0_SとキャッシュC1に対応するスペア部分C1_Sとを含み、スペア部分C0_Sの列アドレスは、800h~83Fhであり、スペア部分C1_Sの列アドレスは、840h~87Fhである。
【0008】
ユーザーが使用するキャッシュC0、C1は、C0=メイン部分C0_M+スペア部分C0_S、C1=メイン部分C1_M+スペア部分C1_Sで定義される。このユーザー定義は、フラッシュメモリが内部で動作するときの定義と同じである。なお、メモリセルアレイの列アドレスとページバッファ20のラッチL1、L2の列アドレスは一対一に対応しており、同じである。そして、連続読出し動作では、列アドレス000hから87Fhの順序でシーケンシャルにデータが出力される。
【0009】
高集積化により1ページのサイズが大きくなると、それに比例してページバッファ/センス回路の専有面積が大きくなる。もし、ラッチL2を取り除くことができれば、ページバッファ/センス回路の占有面積を大幅に削減することが可能である。
図3は、単一のラッチL1(ラッチL2無し)で連続読出しを行うことを想定したタイミングチャートである。この場合、ラッチL1のデータを退避させる場所が無くなるため、ラッチL1のデータが空にならないと、アレイ読出しをすることができない。つまり、事実上、シームレスな読出しを行うことは不可能である。
【0010】
そこで、1ページのデータをキャッシュC0とキャッシュC1の1/2ページに分けて読み出すことが検討される。この場合、同一ページを2度読出すことになるため、読出し動作によるディスターブの懸念がある。すなわち、読出し動作では、全ビット線へのプリチャージ/ディチャージが行われるため、ビット線間の容量カップリングによる不所望な電圧がビット線やメモリセルに影響を及ぼすおそれがある。
【0011】
図4は、連続読出し動作においてキャッシュC0、C1の1/2ページの読出し(2度のアレイ読出し)を行うときのタイミングチャートである。メモリセルアレイの選択ページのキャッシュC0を読み出すとき、
図1(B)に示すように、メイン部分C0_Mとスペア部分C0_Sが読み出され、これらのデータがラッチL1に転送され、キャッシュC1を読み出すとき、メイン部分C1_Mとスペア部分C1_Sが読み出され、これらのデータがラッチL1に転送される。
【0012】
このため、次のページP1のキャッシュC0のデータ転送は、ラッチL1のページP0のキャッシュC0が出力された後でなければならない。それより前にページP1のキャッシュC0のデータ転送が行われると、ページP0のキャッシュC0が上書きされてしまう。キャッシュC0のデータ出力が完了するのは、キャッシュC0のスペア部分C0_Sが出力された時点であり、言い換えれば、キャッシュC1のスペア部分C1_Sのデータ出力中に、ページP1のキャッシュC0のデータ転送が行われなければ、ページP1のデータをシームレスに出力することができない。しかしながら、キャッシュC1のスペア部分C1_Sのデータ出力時間tDOUT_C1Spは約1.2μsであり、この短い期間中に、次のページのキャッシュC0のデータ転送を行うには、シビアなタイミング調整が必要であり、これを実現することは非常に難しい。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するために成されたものであり、ページバッファ/センス回路の規模を削減しつつ、連続読出しを行うことができる半導体装置および連続読出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るNAND型フラッシュメモリの連続読出し方法は、ページバッファ/センス回路のデータ保持部の第1の保持領域に保持された第1のページデータの出力後に、メモリセルアレイから次のページの第1のページデータを読出し、読み出した第1のページデータを第1の保持領域に保持し、前記データ保持部の第2の保持領域に保持された第2のページデータの出力後に、メモリセルアレイから前記次のページの第2のページデータを読出し、読み出した第2のページデータを第2の保持領域に保持するステップを含む。
【0015】
ある実施態様では、第1の保持領域に保持された第1のページデータを出力後に連続的に第2の保持領域に保持された第2のページデータを出力する。ある実施態様では、第1および第2のページデータはそれぞれ、メモリセルアレイの選択ページの列アドレス方向に連続する1/2ページのデータである。ある実施態様では、第1のページデータは、データの記憶に利用されるメイン領域のデータを含み、第2のページデータは、メイン領域のデータとスペア領域のデータとを含む。ある実施態様では、第1のページデータを読み出すとき、m本の第1のグループのビット線が選択され、第2のページデータを読み出すとき、m本の第2のグループのビット線が選択され、第1のグループのビット線と第2のグループのビット線が交互に配置される。ある実施態様では、第1および第2の保持領域に保持された第1および第2のページデータは、クロック信号に同期して外部に出力される。
【0016】
本発明に係る半導体装置は、NAND型のメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイの各ビット線に接続されたページバッファ/センス回路と、前記メモリセルアレイの選択ページの読出しを行う読出し手段と、前記読出し手段によって読み出されたデータを出力する出力手段とを含み、前記読出し手段は、複数ページの連続読出しを行うとき、前記ページバッファ/センス回路のデータ保持部の第1の保持領域に保持された第1のページデータが前記出力手段により出力された後、メモリセルアレイから次のページの第1のページデータを読出し、読み出した第1のページデータを第1の保持領域に保持し、前記データ保持部の第2の保持領域に保持された第2のページデータが前記出力手段により出力された後、メモリセルアレイから前記次のページの第2のページデータを読出し、読み出した第2のページデータを第2の保持領域に保持する。
【0017】
ある実施態様では、前記出力手段は、第1の保持領域に保持された第1のページデータを出力後に連続的に第2の保持領域に保持された第2のページデータを出力する。ある実施態様では、第1および第2のページデータはそれぞれ、メモリセルアレイの選択ページの列アドレス方向に連続する1/2ページのデータである。ある実施態様では、第1のページデータは、データの記憶に利用されるメイン領域のデータを含み、第2のページデータは、メイン領域のデータとスペア領域のデータとを含む。ある実施態様では、前記読出し手段は、第1のページデータを読み出すとき、m本の第1のグループのビット線を選択し、第2のページデータを読み出すとき、m本の第2のグループのビット線を選択し、第1のグループのビット線と第2のグループのビット線が交互に配置される。ある実施態様では、前記出力手段は、第1および第2の保持領域に保持された第1および第2のページデータを、クロック信号に同期して外部に出力する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1のページデータの出力後にメモリセルアレイから次のページの第1のページデータを読出し、読み出した第1のページデータを第1の保持領域に保持し、第2のページデータの出力後にメモリセルアレイから前記次のページの第2のページデータを読出し、読み出した第2のページデータを第2の保持領域に保持するようにしたので、ページバッファ/センス回路の回路規模を削減しつつ連続読出しが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来のNAND型フラッシュメモリの概略構成を示す図である。
【
図2】ラッチL1、L2を用いた従来の連続読出し時のタイミングチャートである。
【
図3】ラッチL1を用いた従来の連続読出し時のタイミングチャートである。
【
図4】ラッチL1を用いた従来の他の連続読出し時のタイミングチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係るフラッシュメモリの構成を示す図である。
【
図6】本発明の実施例に係るキャッシュC0、C1の定義を説明する図である。
【
図7】本発明の実施例に係る連続読出し動作時のタイミングチャートである。
【
図8】本発明の実施例に係るページバッファ/センス回路のレイアウトを示す図である。
【
図9】本実施例のキャッシュC0、C1の読出し時のページバッファ/センス回路の行方向の選択を説明する図である。
【
図10】本実施例のキャッシュC0、C1の読出し時のページバッファ/センス回路の列方向の選択を説明する図である。
【
図11】本実施例のキャッシュC0、C1の読出し時に選択されるページバッファ/センス回路を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る半導体装置は、例えば、NAND型フラッシュメモリあるいはこのようなフラッシュメモリを埋め込むマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ロジック、ASIC、画像や音声を処理するプロセッサ、無線信号等の信号を処理するプロセッサなどである。
【実施例】
【0021】
図5は、本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの構成を示す図である。本実施例に係るフラッシュメモリ100は、複数のメモリセルが行列状に配列されたメモリアレイ110と、外部クロック信号ExCLKに応答してデータを外部に出力したり、外部から入力されるデータを取り込むことが可能な入出力回路120と、データの誤り検出・訂正を行うECC回路130と、入出力回路120を介してアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ140と、入出力回路120を介して受け取ったコマンドや外部端子に印加された制御信号に基づき各部を制御するコントローラ150と、アドレスレジスタ140から行アドレス情報Axを受け取り、行アドレス情報Axをデコードし、デコード結果に基づきブロックの選択やワード線の選択等を行うワード線選択回路160と、ワード線選択回路160によって選択されたページから読み出したデータを保持したり、選択されたページへプログラムするデータを保持するページバッファ/センス回路170と、アドレスレジスタ140から列アドレス情報Ayを受け取り、列アドレス情報Ayをデコードし、当該デコード結果に基づきページバッファ/センス回路170内の列の選択等を行う列選択回路180と、データの読出し、プログラムおよび消去等のために必要な種々の電圧(書込み電圧Vpgm、パス電圧Vpass、読出しパス電圧Vread、消去電圧Versなど)を生成する内部電圧発生回路190とを含んで構成される。
【0022】
メモリアレイ110は、例えば、列方向に配置されたm個のメモリブロックBLK(0)、BLK(1)、・・・、BLK(m-1)を有する。1つのメモリブロックには、複数のメモリセルを直列に接続したNANDストリングが複数形成される。NANDストリングは、基板表面上に2次元的に形成されてもよいし、基板表面上に3次元的に形成されてもよい。また、メモリセルは、1ビット(2値データ)を記憶するSLCタイプでもよいし、多ビットを記憶するMLCタイプであってもよい。1つのNANDストリングは、複数のメモリセル(例えば、64個)と、ビット線側選択トランジスタ(選択ゲート線SGD)と、ソース線側選択トランジスタ(選択ゲート線SGS)とを直列に接続して構成される。ビット線側選択トランジスタのドレインは、対応する1つのビット線GBLに接続され、ソース線側選択トランジスタのソースは、共通のソース線SLに接続される。
【0023】
フラッシュメモリ100の読出し動作では、ビット線に或る正の電圧を印加し、選択されたワード線に或る電圧(例えば0V)を印加し、非選択ワード線にパス電圧Vpass(例えば4.5V)を印加し、選択ゲート線SGD、SGSに正の電圧(例えば4.5V)を印加し、NANDストリングのビット線側選択トランジスタ、ソース線側選択トランジスタをオンし、共通ソース線に0Vを印加する。プログラム(書込み)動作では、選択されたワード線に高電圧のプログラム電圧Vpgm(15~20V)を印加し、非選択のワード線に中間電位(例えば10V)を印加し、ビット線側選択トランジスタをオンさせ、ソース線側選択トランジスタをオフさせ、「0」または「1」のデータに応じた電位をビット線に供給する。消去動作では、ブロック内の選択されたワード線に0Vを印加し、Pウエルに高電圧(例えば20V)を印加し、フローティングゲートの電子を基板に引き抜くことで、ブロック単位でデータを消去する。
【0024】
ページバッファ/センス回路170は、
図1に示すような2つのラッチL1、L2を備えるのではなく、単一のラッチL1を含んで構成される。また、フラッシュメモリ100の内部的な動作では、キャッシュC0、C1は、列アドレスが連続する1/2ページで定義されることに留意すべきである。
図6(A)は、メモリセルアレイ上のメイン領域とスペア領域との構成を示し、
図6(B)は、内部的なキャッシュC0、C1の定義を示す。
【0025】
メイン領域は、キャッシュC0に対応するメイン部分C0_MとキャッシュC1に対応するメイン部分C1_Mとを含み、メイン部分C0_Mの列アドレスは、000h~3FFhであり、メイン部分C1_Mの列アドレスは、400h~7FFhである。スペア領域は、キャッシュC0に対応するスペア部分C0_SとキャッシュC1に対応するスペア部分C1_Sとを含み、スペア部分C0_Sの列アドレスは、800h~83Fhであり、スペア部分C1_Sの列アドレスは、840h~87Fhである。
【0026】
フラッシュメモリ100の内部的な動作では、キャッシュC0は、列アドレス000h~43Fhと定義され、キャッシュC1は、列アドレス440h~87Fhと定義される。従って、キャッシュC0は、メイン部分C0_Mと一部のメイン部分C1_Mとを含み、キャッシュC1は、一部のメイン部分C1_Mとスペア部分C0_S、C1_Sとを含む。一方、ユーザーから見た定義では、キャッシュC0は、メイン部分C0_Mとスペア部分C0_Sを含み、キャッシュC1は、メイン部分C0_Mとスペア部分C0_Sを含む。
【0027】
メモリセルアレイの選択ページから読み出されたデータは、ページバッファ/センス回路170のセンスノードで感知され、感知されたデータがラッチL1に転送され、そこで保持される。連続読出し動作では、同一ページの読出しが2度行われ、最初にキャッシュC0のデータが読み出され、これがラッチL1の列アドレス000h~43Fhに転送され、次にキャッシュC1のデータが読み出され、これがラッチL1の列アドレス440h~87Fhに転送される。ラッチL1のキャッシュC0、C1は、それぞれ独立した動作が可能である。つまり、連続読出し動作では、アレイからの読み出しやデータの出力は、1/2ページ単位で独立に行われる。アレイ読出しは、内部クロック信号に基づき行われ、ラッチL1と入出力回路120との間のデータ転送や入出力回路120からのデータ出力は、外部クロック信号ExCLKに基づき行われる。
【0028】
列選択回路180は、入力された列アドレスAyに従いページ内のデータの読出し開始位置を選択したり、あるいは列アドレスを用いることなくページの先頭位置からデータを自動的に読み出す。さらに列選択回路180は、クロック信号に応答して列アドレスをインクリメントする列アドレスカウンタを含むようにしてもよい。
【0029】
次に、本実施例のフラッシュメモリ100の連続読出し動作について説明する。連続読出し動作は、例えば、SPI(Serial peripheral Interface)機能を搭載したフラッシュメモリにおいて実施される。
図7は、本実施例の連続読出し動作時のタイミングチャートである。同図に示すように、ページP0のキャッシュC0のデータが出力された後、ページP0のキャッシュC1のデータ出力中に、次のページP1のキャッシュC0のアレイ読出しが行われ、読み出されたキャッシュC0のデータがラッチL1に転送される。コントローラ150は、ラッチL1に保持されたデータの出力が列アドレス43Fに到達したとき、キャッシュC0のアレイ読出しを開始させる。
【0030】
次に、ページP0のキャッシュC1のデータが出力された後、ページP1のキャッシュC0のデータ出力中に、ページP1が再度選択され、ページP1のキャッシュC1のデータがラッチL1に転送される。コントローラ150は、ラッチL1に保持されたデータの出力が列アドレス87Fに到達したとき、キャッシュC1のアレイ読出しを開始させる。
【0031】
このように本実施例では、ラッチL1のキャッシュC1が出力中に次のページのキャッシュC0のデータをラッチL1に読出し、キャッシュC0が出力中に次のページのキャッシュC1のデータをラッチL1に読み出すようにしたので、高速周波数の外部クロック信号ExCLKを用いても、1/2ページのキャッシュのデータ出力時間tDOUT>1/2ページのアレイ読出し時間tRを容易に満足させ、複数ページのシームレスなデータ出力を行うことができる。
【0032】
次に、本実施例のページバッファ/センス回路170の模式的なレイアウトを
図8(A)に示す。
図8(B)は、ページバッファ/センス回路<0>~<7>、サブビット線SBL<0>~<7>、グローバルビット線<0>~<15>の接続関係を示すテーブルである。ページバッファセンス回路170は、同図に示すように、行方向の1ピッチ内に2列×4段となるように配置される。1つのページバッファ/センス回路は、1つのセンス回路と1つのラッチ回路を含んで構成される。1つのページバッファ/センス回路のセンスノードに接続された1本のサブビット線SBLは、ビット線選択回路172を介して偶数グローバルビット線GBL_eと奇数グローバルビット線GBL_oに接続される。偶数グローバルビット線GBL_eおよび奇数グローバルビット線GBL_oは、メモリセルアレイ110の複数のブロック上を列方向に延在する。従って、1ピッチ内には、16本の偶数グローバルビット線GBL_eおよび奇数グローバルビット線GBL_oにビット線選択回路172を介して接続された8本のサブビット線がレイアウトされ、かつ8本のサブビット線に接続された8個のページバッファ/センス回路170が配置される。ページバッファ/センス回路を、2列×4段にレイアウトすることで、ページバッファ/センス回路170の列方向の段数を減らし、面積効率が改善される。さらに本実施例では、ページバッファ/センス回路170が複数のラッチL1、L2を含まないため、高さ方向のサイズを小さくすることができる。なお、連続読出し動作では、キャッシュC0を読み出すときは、ページバッファ/センス回路<0>~<3>に接続されるサブビット線SBL<0、2、4、6>に対応した偶数グローバルビット線GBL_eもしくは奇数グローバルビット線GBL_oのいずれかを読出し、キャッシュC1を読み出すときは、ページバッファ/センス回路<4>~<7>に接続されるサブビット線SBL<1、3、5、7>に対応した偶数グローバルビット線GBL_eもしくは奇数グローバルビット線GBL_oのいずれかを読出し、その際、非選択の偶数グローバルビット線または奇数グローバルビット線はGNDに電気的に接続され、シールド読出しが行われる。
【0033】
図9、
図10、
図11は、キャッシュC0、C1と
図8に示すページバッファ/センス回路(サブビット線)との接続関係を示している。これらの図において、Y1_PB_SA×8<0>、Y1_PB_SA×8<1>は、8つのページバッファ/センス回路のレイアウトを表す。YAEb<*>信号、YAOb<*>信号、YBC<*>信号は、列選択回路180によって列アドレスをデコードしたことにより生成される選択信号であり、
図10(A)に、列アドレスCAのデコード表を示す。
【0034】
キャッシュC0、C1の読出しが行われるとき、対応するセンスアンプ/センス回路170は、YBC<*>によって選択される。
図10(B)において、YBC<0>~<67>は、キャッシュC0の読出しのときにページバッファ/センス回路<0>~<3>を選択し、YBC<68>~<135>は、キャッシュC1の読出しのときにページバッファ/センス回路<4>~<7>を選択する。YBC[0、68]、YBC[1、69]、…YBC[67、135]は、Y1_PB_SA×8のページバッファ/センス回路におけるキャッシュC0、C1のペアである。このように、キャッシュC0、C1の読出しにおいて、列方向の活性化されるページバッファ/センス回路と列方向の非活性化されるページバッファ/センス回路とを交互に配置させることで、
図6(B)に示すような物理的に分離されたキャッシュC0、C1への接続を行い、さらに活性化されるページバッファ/センス回路が物理的に離間されるため(間に非活性化されるページバッファ/センス回路が介在されるため)、キャッシュC0またはC1で同時に選択されるビット線を離間させることが可能になり、同一ページの読出しを繰り返したときのページバッファ/センス回路間やビット線間の容量カップリングの影響を抑制している。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
100:フラッシュメモリ
110:メモリセルアレイ
120:入出力回路
130:ECC回路
140:アドレスレジスタ
150:コントローラ
160:ワード線選択回路
170:ページバッファ/センス回路
180:列選択回路