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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-06
(45)【発行日】2022-09-14
(54)【発明の名称】採用支援装置及び採用支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220907BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
G06Q10/10 330
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022006273
(22)【出願日】2022-01-19
【審査請求日】2022-01-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松澤 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】廣田 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴拓
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064467(JP,A)
【文献】特開2020-013410(JP,A)
【文献】特開2020-190798(JP,A)
【文献】特開2020-091539(JP,A)
【文献】国際公開第2020/099550(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0357378(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者のプロフィール情報を管理する管理部と、
前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出し、
前記第1パラメータは、前記プロフィール情報から抽出された単語群が反映された過去に送信済みのスカウト文書と対応するパラメータであり、前記プロフィール情報から抽出された単語群が前記求職者に良い影響を与えたか否かを示すパラメータである、採用支援装置。
【請求項2】
前記第1パラメータは、前記過去に送信済みのスカウト文書に対する返信の有無及び前記求職者の採用成否の少なくともいずれか1つに関するパラメータを含む、請求項1に記載の採用支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1パラメータ前記単語群及び前記求職者の属性に関する第2パラメータを用いて前記学習モデルを生成し、
前記第2パラメータは、前記求職者の希望条件、前記求職者の現在の業種、前記求職者の現在の職種、前記求職者の経歴及び前記求職者の行動の中から選択された1以上の属性を含む、請求項1又は請求項2に記載の採用支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記求職者が第三者から前記スカウト文書を受け取ることを想定した場合に、前記第三者に関する第三者情報を用いて前記学習モデルを生成し、
前記第三者情報は、前記第三者が扱う求人の業種、前記第三者が扱う求人の職種及び前記第三者が扱う求人の文書の中から選択された1以上の属性を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の採用支援装置。
【請求項5】
採用支援装置が、求職者のプロフィール情報を管理するステップAと、
前記採用支援装置が、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成するステップBと、
前記採用支援装置が、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出するステップCと、を備え、
前記第1パラメータは、前記プロフィール情報から抽出された単語群が反映された過去に送信済みのスカウト文書と対応するパラメータであり、前記プロフィール情報から抽出された単語群が前記求職者に良い影響を与えたか否かを示すパラメータである、採用支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援装置及び採用支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求職者と採用者とのマッチングサービスが注目を集めている。このようなマッチングサービスにおいて、求職者は、求職者のプロフィール情報をデータベースに登録し、採用者は、求職者のプロフィール情報に基づいて、採用に関する文書(以下、スカウト文書)を求職者に送信する。
【0003】
さらに、スカウト文書の作成が煩雑であることから、スカウト文書のテンプレートを活用する技術も提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-246453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したスカウト文書のテンプレートは、求職者にとっては月並みな文書であるため、スカウト文書に対する求職者の興味が低くなってしまう。ひいては、スカウト文書に対する返信率が低下し、求職者を適切に採用することができない可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、求職者を適切に採用し得る採用支援装置及び採用支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の一態様は、求職者のプロフィール情報を管理する管理部と、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出する、採用支援装置である。
【0008】
開示の一態様は、求職者のプロフィール情報を管理するステップAと、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成するステップBと、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出するステップCと、を備える、採用支援方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、求職者を適切に採用し得る採用支援装置及び採用支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る採用支援システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る採用支援装置30を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るプロフィール情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るスカウト文書の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る学習方法を示す図である。
図6図6は、変更例1に係る学習方法を示す図である。
図7図7は、変更例2に係る採用支援システム100を示す図である。
図8図8は、変更例2に係るスカウト文書の一例を示す図である。
図9図9は、変更例2に係る学習方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0012】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
【0013】
[開示の概要]
開示の概要に係る採用支援装置は、求職者のプロフィール情報を管理する管理部と、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出する。
【0014】
開示の概要に係る採用支援方法は、求職者のプロフィール情報を管理するステップAと、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成するステップBと、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出するステップCと、を備える。
【0015】
開示の概要では、採用支援装置は、求職者の採用に関連する第1パラメータと単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて抽出された単語群が反映されたスカウト文書を生成する。このような構成によれば、プロフィール情報から適切な単語群を抽出することが可能であり、スカウト文書を用いた求職者の採用の成功率を高めることができる。
【0016】
特に限定されるものではないが、スカウト文書に対する返信率の向上によって、求職者の採用の成功率が高まると考えてもよい。
【0017】
[実施形態]
(採用支援システム)
以下において、実施形態に係る採用支援システムについて説明する。図1は、実施形態に係る採用支援システム100を示す図である。
【0018】
図1に示すように、採用支援システム100は、第1端末10と、第2端末20と、採用支援装置30と、を有する。第1端末10、第2端末20、採用支援装置30は、ネットワーク200によって接続される。特に限定されるものではないが、ネットワーク200は、インターネット網によって構成されてもよい。ネットワーク200は、ローカルエリアネットワークを含んでもよく、移動体通信網を含んでもよく、VPN(Virtual Private Network)を含んでもよい。
【0019】
第1端末10は、求職者が使用する端末である。例えば、第1端末10は、パーソナルコンピュータであってもよく、スマートフォンであってもよく、タブレット端末であってもよい。特に限定されるものではないが、求職者は、第1端末10を用いて、求職者のプロフィール情報を入力してもよい。
【0020】
第2端末20は、採用者が使用する端末である。第2端末20は、パーソナルコンピュータであってもよく、スマートフォンであってもよく、タブレット端末であってもよい。特に限定されるものではないが、採用者は、第2端末20を用いて、求職者のプロフィール情報を閲覧してもよい。
【0021】
採用支援装置30は、人材の採用を支援する装置である。採用支援装置30は、求職者と採用者とのマッチングサービスを提供する。実施形態では、採用支援装置30は、求職者に対するスカウト文書を生成する。採用支援装置30の詳細については後述する。
【0022】
(採用支援装置)
以下において、実施形態に係る採用支援装置について説明する。図2は、実施形態に係る採用支援装置30を示す図である。図2に示すように、採用支援装置30は、通信部31と、管理部32と、制御部33と、を有する。
【0023】
通信部31は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0024】
実施形態では、通信部31は、スカウト文書を送信する送信部を構成してもよい。例えば、通信部31は、スカウト文書を第1端末10に送信してもよい。通信部31は、採用者が閲覧するために、スカウト文書を第2端末20に送信してもよい。スカウト文書は、第1端末10に送信される前に、第2端末20に送信されてもよい。
【0025】
通信部31は、求職者のプロフィール情報を第1端末10から受信してもよい。通信部31は、採用者が閲覧するために、求職者のプロフィール情報を第2端末20に送信してもよい。
【0026】
管理部32は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体によって構成されており、様々な情報を格納する。
【0027】
実施形態では、管理部32は、求職者のプロフィール情報を管理する管理部を構成する。上述したように、プロフィール情報は、第1端末10を用いて求職者によって入力されてもよい。
【0028】
特に限定されるものではないが、プロフィール情報は、図3に示す情報を含んでもよい。図3に示すように、プロフィール情報は、希望条件、現在の業種、現在の職種、経歴などを含んでもよい。
【0029】
希望条件は、求職者が希望する条件に関する情報である。希望条件は、求職者が勤務を希望する地域(例えば、東京、大阪、全国、海外など)を含んでもよい。希望条件は、求職者が希望する年収(例えば、XX円以上、XX円~XX円など)を含んでもよい。希望条件は、求職者が希望する業種(例えば、製造業、情報通信業、金融業、サービス業など)を含んでもよい。希望条件は、求職者が希望する職種(例えば、営業、事務、販売、経理、法務など)を含んでもよい。特に限定されるものではないが、希望条件は、上述した項目以外の項目を含んでもよい。例えば、希望条件は、求職者が希望する役職(例えば、経営職、部長職、課長職、担当職など)を含んでもよい。
【0030】
現在の業種は、現在の時点で求職者が従事している業務に関する業種に関する情報であってもよい。現在の時点で求職者が無職である場合には、現在の業種は、求職者が従事している直近の業務に関する業種に関する情報であってもよい。
【0031】
現在の職種は、現在の時点で求職者が従事している業務に関する職種に関する情報であってもよい。現在の時点で求職者が無職である場合には、現在の職種は、求職者が従事している直近の業務に関する職種に関する情報であってもよい。
【0032】
経歴は、求職者の経歴に関する情報である。経歴は、求職者の学歴に関する情報を含んでもよい。経歴は、求職者の職務経歴に関する情報を含んでもよい。経歴は、求職者の資格に関する情報を含んでもよい。経歴は、求職者のスキルに関する情報を含んでもよい。特に限定されるものではないが、経歴は、上述した項目以外の項目を含んでもよい。例えば、経歴は、求職者のアピールポイント(例えば、業務表彰の実績、性格など)に関する情報を含んでもよい。
【0033】
制御部33は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、1以上のIntegrated Circuit、1以上のDiscrete Circuit、及び、これらの組合せによって構成されてもよい。
【0034】
実施形態では、制御部33は、プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成する制御部を構成する。ここで、単語群は、抽出された1以上の単語を含む文節を意味してもよく、抽出された1以上の単語を含む文を意味してもよい。文節及び文は、プロフィール情報から抜粋されてもよく、抽出された1以上の単語に基づいて自動的に生成されてもよい。
【0035】
特に限定されるものではないが、スカウト文書は、図4に示す情報を含んでもよい。図4に示すように、スカウト文書は、前段、注目/評価ポイント、会社紹介、業務内容、まとめなどを含んでもよい。
【0036】
前段は、挨拶文などの定型文に関する情報である。前段では、プロフィール情報から抽出された単語群が反映されなくてもよい。
【0037】
注目/評価ポイントは、求職者に注目したポイント及び求職者を評価するポイントに関する情報である。注目/評価ポイントでは、プロフィール情報から抽出された単語群が反映されてもよい。例えば、求職者に求める能力に関する単語群が注目/評価ポイントに反映されてもよい。能力に関する単語群は、現在の業種、現在の職種、経歴から抽出された1以上の単語を含んでもよい。求職者に求める実績に関する単語群が注目/評価ポイントに反映されてもよい。実績に関する単語群は、現在の業種、現在の職種、経歴から抽出された1以上の単語を含んでもよい。
【0038】
例えば、注目/評価ポイントは、「XXX様のご経歴を拝見し、YYYYだけではなく、ZZZZにも長けた方なのではと思いご連絡を致しました。」といった文が含まれてもよい。このようなケースにおいて、YYYY及びZZZZは、プロフィール情報から抽出された単語群の一例であってもよい。或いは、プロフィール情報から抽出された1以上の単語に基づいて、上述した文そのものが自動的に生成されてもよい。なお、XXXは、求職者の名称である。
【0039】
会社紹介は、会社の紹介に関する情報である。会社紹介は、会社の事業に関する内容を含んでもよく、会社の事業を取り巻く状況を含んでもよい。特に限定されるものではないが、会社紹介は、第2端末20によって入力されてもよい。
【0040】
業務内容は、スカウト文書で採用する業務に関する情報である。業務内容は、業務の内容の詳細を含んでもよく、業務に期待される能力、業務に関する課題などを含んでもよい。特に限定されるものではないが、会社紹介は、第2端末20によって入力されてもよい。
【0041】
まとめは、会社紹介及び業務内容を踏まえた注目/評価ポイントであってもよい。まとめでは、プロフィール情報から抽出された単語群が反映されてもよい。例えば、会社紹介及び業務内容を踏まえて求職者に求める能力に関する単語群が注目/評価ポイントに反映されてもよい。能力に関する単語群は、現在の業種、現在の職種、経歴から抽出された単語群を含んでもよい。会社紹介及び業務内容を踏まえて求職者に求める実績に関する単語群が注目/評価ポイントに反映されてもよい。実績に関する単語群は、現在の業種、現在の職種、経歴から抽出された単語群を含んでもよい。
【0042】
例えば、注目/評価ポイントは、「今後、組織の拡大を見据えており、XXX様のようなZZZZを経験された方を探しています。XXX様の強みを発揮できるフェーズなのではないかと思っています。」といった文が含まれてもよい。このようなケースにおいて、ZZZZは、プロフィール情報から抽出された単語群の一例であってもよい。或いは、プロフィール情報から抽出された1以上の単語に基づいて、上述した文そのものが自動的に生成されてもよい。なお、XXXは、求職者の名称である。
【0043】
このような前提下において、実施形態では、制御部33は、求職者の採用に関連する第1パラメータと単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。すなわち、制御部33は、上述したYYYY及びZZZZなどのような単語(又は、単語群)の抽出精度の向上を目的として学習モデルを生成する。
【0044】
具体的には、制御部33は、過去に送信済みのスカウト文書を取得する。スカウト文書は、プロフィール情報から抽出された単語群が反映された文書である。制御部33は、単語群と第1パラメータとの相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。学習モデルは、新たなスカウト文書を生成する場合に、プロフィール情報から抽出された単語群を入力として、求職者の採用に良い影響を与えた単語群を出力するモデルである。
【0045】
ここで、第1パラメータは、過去に送信済みのスカウト文書と対応するパラメータであり、単語群が求職者の採用に良い影響を与えたか否かを判定するためのパラメータである。第1パラメータとしては、以下に示すパラメータを用いることができる。
【0046】
第1に、第1パラメータは、スカウト文書に対する返信の有無に関するパラメータであってもよい。具体的には、制御部33は、単語群とスカウト文書に対する返信の有無との相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。言い換えると、制御部33は、求職者から返信のあったスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に高くなるように学習モデルを生成し、求職者から返信のなかったスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に低くなるように学習モデルを生成してもよい。或いは、制御部33は、求職者から返信のなかったスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いずに、求職者から返信のあったスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いてもよい。スカウト文書に対する返信があった事実は、単語群が求職者の採用に良い影響を与えたことを意味する。
【0047】
第1パラメータは、スカウト文書の送信からスカウト文書に対する返信までの時間(以下、リードタイム)に関するパラメータを含んでもよい。具体的には、制御部33は、単語群とリードタイムとの相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。例えば、制御部33は、リードタイムが相対的に短い返信のあったスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に高くなるように学習モデルを生成し、リードタイムが相対的に長い返信のあったスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に低くなるように学習モデルを生成してもよい。或いは、制御部33は、リードタイムが閾値よりも長い返信のあったスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いずに、リードタイムが閾値よりも短い返信のあったスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いてもよい。リードタイムが短いほど、単語群が求職者の採用に良い影響を与えたことを意味してもい。
【0048】
第2に、第1パラメータは、求職者の採用成否に関するパラメータであってもよい。具体的には、制御部33は、単語群と求職者の採用成否との相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。言い換えると、制御部33は、求職者の採用に至ったケースで用いたスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に高くなるように学習モデルを生成し、求職者の採用に至らなかったケースで用いたスカウト文書に含まれる単語群の重み付けが相対的に低くなるように学習モデルを生成する。或いは、制御部33は、求職者の採用に至らなかったケースで用いたスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いずに、求職者の採用に至ったケースで用いたスカウト文書に含まれる単語群を学習パラメータとして用いてもよい。求職者の採用に至った事実は、単語群が求職者の採用に良い影響を与えたことを意味する。
【0049】
第3に、第1パラメータは、スカウト文書に対する返信の有無及び求職者の採用成否の双方に関するパラメータを含んでもよい。
【0050】
制御部33は、新たにスカウト文書を送信する場合に、生成された学習モデルに基づいて単語群を抽出する。制御部33は、抽出された単語群が反映されたスカウト文書を生成する。
【0051】
(学習方法)
以下において、実施形態に係る学習方法について説明する。学習は、新たにスカウト文書を送信する前に実行されることに留意すべきである。
【0052】
図5に示すように、ステップS10において、採用支援装置30は、単語群を取得する。単語群は、過去に送信済みのスカウト文書に反映された単語群であり、プロフィール情報から抽出された単語群である。
【0053】
ステップS12において、採用支援装置30は、過去に送信済みのスカウト文書と対応する第1パラメータを取得する。第1パラメータは、スカウト文書に対する返信の有無及び求職者の採用成否の少なくともいずれか1つに関するパラメータを含んでもよい。
【0054】
ステップS14において、採用支援装置30は、単語群と第1パラメータとの相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。学習モデルは、新たなスカウト文書を生成する場合に、プロフィール情報から抽出された単語群を入力として、求職者の採用に良い影響を与えた単語群を出力するモデルである。
【0055】
(作用及び効果)
実施形態では、採用支援装置30は、求職者の採用に関連する第1パラメータと単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて抽出された単語群が反映されたスカウト文書を生成する。このような構成によれば、プロフィール情報から適切な単語群を抽出することが可能であり、スカウト文書を用いた求職者の採用の成功率を高めることができる。
【0056】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0057】
変更例1では、学習モデルは、求職者の属性に関する第2パラメータを用いて生成される。第2パラメータは、求職者の希望条件、求職者の現在の業種、求職者の現在の職種、求職者の経歴及び求職者の行動の中から選択された1以上の属性を含む。
【0058】
求職者の希望条件は、プロフィール情報から特定可能である。例えば、希望年収が相対的に高い求職者に良い影響を与える単語群が、希望年収が相対的に低い求職者に良い影響を与える単語群と異なる、といったケースが想定され得る。
【0059】
求職者の現在の業種は、プロフィール情報から特定可能である。例えば、現在の業種毎に価値観が異なり、求職者に良い影響を与える単語群が業種毎に異なる、といったケースが想定され得る。
【0060】
求職者の現在の職種は、プロフィール情報から特定可能である。例えば、現在の職種毎に価値観が異なり、求職者に良い影響を与える単語群が職種毎に異なる、といったケースが想定され得る。
【0061】
求職者の経歴は、プロフィール情報から特定可能である。例えば、役職経験のある求職者に良い影響を与える単語群が、役職経験のない求職者に良い影響を与える単語群と異なる、といったケースが想定され得る。
【0062】
求職者の行動は、求人の閲覧状況、求人に対する応募状況、スカウト文書に対する返信状況などである。これらの情報は、採用支援装置30の管理部32で管理されてもよい。例えば、求職者の行動は、現在の時点で転職を検討しているか否かを判断する材料となり得る。例えば、現在の時点で転職を検討している求職者に良い影響を与える単語群が、現在の時点で転職を検討していない求職者に良い影響を与える単語群と異なる、といったケースが想定され得る。
【0063】
このような前提下において、採用支援装置30は、求職者の属性に関する第2パラメータを用いて学習モデルを生成する。
【0064】
例えば、第2パラメータは、学習パラメータとして学習モデルに入力されてもよい。すなわち、採用支援装置30は、単語群、第1パラメータ及び第2パラメータの相関関係を学習することによって学習モデルを生成してもよい。
【0065】
或いは、採用支援装置30は、第2パラメータに基づいて求職者を2以上のカテゴリに分類してもよい。採用支援装置30は、カテゴリ毎に学習モデルを生成してもよい。
【0066】
(学習方法)
以下において、変更例1に係る学習方法について説明する。学習は、新たにスカウト文書を送信する前に実行されることに留意すべきである。
【0067】
図6に示すように、ステップS20において、採用支援装置30は、単語群を取得する。単語群は、過去に送信済みのスカウト文書に反映された単語群であり、プロフィール情報から抽出された単語群である。
【0068】
ステップS22において、採用支援装置30は、過去に送信済みのスカウト文書と対応する第1パラメータを取得する。第1パラメータは、スカウト文書に対する返信の有無及び求職者の採用成否の少なくともいずれか1つに関するパラメータを含んでもよい。
【0069】
ステップS24において、採用支援装置30は、求職者の属性に関する第2パラメータを取得する。
【0070】
ステップS26において、採用支援装置30は、単語群と第1パラメータとの相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。変更例1では、採用支援装置30は、第2パラメータを用いて学習モデルを生成する。
【0071】
(作用及び効果)
変更例1では、採用支援装置30は、求職者の属性に関する第2パラメータを用いて学習モデルを生成する。このような構成によれば、求職者に良い影響を与える単語群が求職者の属性毎に異なるケースを想定した場合であっても、学習モデルを適切に生成することができる。ひいては、プロフィール情報から適切な単語群を抽出することが可能であり、スカウト文書を用いた求職者の採用の成功率を高めることができる。
【0072】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0073】
変更例2では、図7に示すように、第三者40が介在するケースについて考える。例えば、第三者40は、ヘッドハンターであってもよい。第三者40は、採用支援装置30の少なくとも一部の機能を利用する権限を有していてもよい。変更例2では、求職者が第三者40からスカウト文書を受け取るケースが想定される。
【0074】
変更例2では、学習モデルは、第三者40に関する第三者情報を用いて生成される。第三者情報は、第三者40が扱う求人の業種、第三者40が扱う求人の職種及び第三者40が扱う求人の文書の中から選択された1以上の属性を含む。
【0075】
第三者40が扱う求人の業種は、採用支援装置30の管理部32で管理されてもよく、第三者40が扱う求人の文書から特定されてもよい。第三者40が扱う求人の業種は、上述した第2パラメータと同様の考え方で学習モデルの生成に用いられてもよい。すなわち、第三者40が扱う求人の業種は、学習モデルの学習パラメータとして用いられてもよく、学習モデルと対応するカテゴリの特定に用いられてもよい。
【0076】
第三者40が扱う求人の職種は、採用支援装置30の管理部32で管理されてもよく、第三者40が扱う求人の文書から特定されてもよい。第三者40が扱う求人の職種は、上述した第2パラメータと同様の考え方で学習モデルの生成に用いられてもよい。すなわち、第三者40が扱う求人の業種は、学習モデルの学習パラメータとして用いられてもよく、学習モデルと対応するカテゴリの特定に用いられてもよい。
【0077】
第三者40が扱う求人の文書は、第三者40が求職者に送信する文書を含んでもよい。例えば、第三者40が扱う求人の文書は、ヘッドハンティングで用いる文書である。第三者40が扱う求人の文書は、実施形態で説明したスカウト文書と同様の考え方で学習モデルの生成に用いられてもよい。すなわち、第三者40が扱う求人の文書から、学習モデルの学習パラメータとして用いる単語群が抽出されてもよい。さらに、第三者40が扱う求人の文書と対応する第1パラメータ(文書に対する返信の有無及び求職者の採用成否)が管理部32で管理されてもよい。
【0078】
特に限定されるものではないが、第三者40のスカウト文書は、図8に示す情報を含んでもよい。図8に示すように、スカウト文書は、前段、注目/評価ポイント、自己紹介、業務内容、まとめなどを含んでもよい。すなわち、第三者40のスカウト文書は、図4に示すスカウト文書の会社紹介及び業務内容に代えて自己紹介を含む。
【0079】
自己紹介は、第三者40の紹介に関する情報である。自己紹介は、第三者40によって入力されてもよい。自己紹介は、第三者40が現在の時点で担当している求人に関する情報を含んでもよく、第三者40が過去に担当した実績に関する情報を含んでもよく、第三者40の得意領域(業種、職種など)を含んでもよい。
【0080】
このような前提下において、採用支援装置30は、第三者40に関する第三者情報を用いて学習モデルを生成する。
【0081】
例えば、第三者40が扱う求人の業種、第三者40が扱う求人の職種及び第三者40が扱う求人の文書は、学習モデルの学習パラメータとして用いられてもよい。第三者40が扱う求人の業種及び第三者40が扱う求人の職種は、学習モデルと対応するカテゴリの特定に用いられてもよい。
【0082】
(学習方法)
以下において、変更例2に係る学習方法について説明する。学習は、新たにスカウト文書を送信する前に実行されることに留意すべきである。
【0083】
図9に示すように、ステップS30において、採用支援装置30は、単語群を取得する。単語群は、過去に送信済みのスカウト文書に反映された単語群であり、プロフィール情報から抽出された単語群である。
【0084】
ステップS32において、採用支援装置30は、過去に送信済みのスカウト文書と対応する第1パラメータを取得する。第1パラメータは、スカウト文書に対する返信の有無及び求職者の採用成否の少なくともいずれか1つに関するパラメータを含んでもよい。
【0085】
ステップS34において、採用支援装置30は、第三者40に関する第三者情報を取得する。
【0086】
ステップS36において、採用支援装置30は、単語群と第1パラメータとの相関関係を学習することによって学習モデルを生成する。変更例2では、採用支援装置30は、第三者情報を用いて学習モデルを生成する。
【0087】
(作用及び効果)
変更例2では、採用支援装置30は、第三者40に関する第三者情報を用いて学習モデルを生成する。このような構成によれば、学習モデルの生成に用いる情報の母集団を拡大することができ、学習モデルを適切に生成することができる。ひいては、プロフィール情報から適切な単語群を抽出することが可能であり、スカウト文書を用いた求職者の採用の成功率を高めることができる。
【0088】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0089】
上述した開示では特に触れていないが、変更例1及び変更例2は組み合わされてもよい。すなわち、採用支援装置30は、第2パラメータ及び第三者情報を用いて学習モデルを生成してもよい。
【0090】
上述した開示では特に触れていないが、学習は、機械学習であってもよく、AI(Artificial Intelligence)に代表される深層学習であってもよい。
【0091】
上述した開示では特に触れていないが、採用支援装置30は、プロフィール情報から抽出された1以上の単語群を学習モデルに基づいて抽出した上で、スカウト文書そのものを自動的に生成してもよい。スカウト文書は、既存の文章作成ツールによって生成されてもよい。文章作成ツールは、AIを用いたツールであってもよい。
【0092】
上述した開示では、管理部32が採用支援装置30に設けられるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。管理部32は、採用支援装置30とは別体として、採用支援装置30と通信可能な同一の外部サーバに含まれてもよく、採用支援装置30と通信可能な別々の外部サーバに含まれてもよい。
【0093】
上述した開示では、採用支援装置30がスカウト文書を送信するケースについて主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、採用支援装置30は、スカウト文書を管理(保存)する機能のみを提供してもよい。このようなケースにおいて、採用支援装置30は、学習モデルの生成及び学習モデルを用いた単語群の抽出を実行すればよい。このような構成によれば、スカウト文書に含めるべき単語群の提供によって、スカウト文書を用いた求職者の採用の成功率の向上を支援することができる。
【0094】
上述した開示では特に触れていないが、採用支援装置30が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0095】
或いは、採用支援装置30が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…第1端末、20…第2端末、30…採用支援装置、31…通信部、32…管理部、33…制御部、40…第三者、100…採用支援システム、200…ネットワーク
【要約】
【課題】 求職者を適切に採用し得る採用支援装置及び採用支援方法を提供する。
【解決手段】 採用支援装置は、求職者のプロフィール情報を管理する管理部と、前記プロフィール情報から抽出される1以上の単語を含む単語群が反映されたスカウト文書を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、前記求職者の採用に関連する第1パラメータと前記単語群との相関関係を学習することによって学習モデルを生成し、生成された学習モデルに基づいて前記単語群を抽出する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9