IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリヒロエンジニアリング株式会社の特許一覧

特許7137809縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋
<>
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図1
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図2
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図3
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図4
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図5
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図6
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図7
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図8
  • 特許-縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法、内容物入りフィルム包装袋
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/14 20170101AFI20220908BHJP
   B31B 70/84 20170101ALI20220908BHJP
   B65B 9/12 20060101ALI20220908BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20220908BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B31B70/14
B31B70/84
B65B9/12
B65B51/10 300
B65B57/00 H
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022532810
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2022004372
【審査請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2021023890
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596088093
【氏名又は名称】オリヒロエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 織寛
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】山口 晶
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/100972(WO,A1)
【文献】特開2002-019790(JP,A)
【文献】特開2015-217985(JP,A)
【文献】特開平10-181703(JP,A)
【文献】西独国特許第1169834(DE,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/14
B31B 70/84
B65B 9/12
B65B 51/10
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳部と、
前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳部と、
前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール部と、
前記第二折込を熱溶着してボトムガセットを形成するボトムシール部と、
前記フィルムを下方に搬送する搬送部と、
前記フィルムの内部に内容物を連続投入する充填部と、
前記内容物が投入された前記フィルムを前後方向から挟持して前記フィルムの充填形状を矯正する矯正部と、
前記矯正部の上方に配置されて、前記フィルムを前後方向から押圧して扱くシゴキローラー部と、
前記矯正部の下方に配置されて、前記フィルムを横方向に熱溶着して袋体を形成するサイドシール部と、
前記フィルムから前記袋体を切り離すカッター部と、
を備え、
前記矯正部は、前記ボトムガセットから前記トップガセットに亘る部位に密着する第一矯正板対と、
前記トップガセットから前記注出部に至る部位に密着する第二矯正板対と、
を備える縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記第二矯正板対は、
前記第一矯正板対の一方から横方向に延伸する延伸片と、
前記第一矯正板対の他方から突出して前記延伸片に対向する押圧片と、
を備える、請求項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記第一矯正板対は、それぞれ半筒形状を有する、請求項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記トップ折畳部は、前記第一折込の山折りを熱溶着して、その長手方向に亘るシールを形成する補助トップシール部を備える、請求項1に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記シールは、前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状を有する、請求項に記載の縦型製袋充填包装機。

【請求項6】
前記注出部の輪郭を整えるデザインカッター部を備え、
前記注出部は、開封するときに切り落とされる切取片を有する、請求項1に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
前記注出部は、前記フィルムの側縁部同士の間に熱溶着されたプラスチック製の口栓を有する、請求項1に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項8】
帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳部と、
前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳部と、
前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール部と、
前記第二折込を熱溶着してボトムガセットを形成するボトムシール部と、
を備え
前記トップ折畳部は、前記第一折込の山折りを熱溶着して、その長手方向に亘るシールを形成する補助トップシール部を備え、前記シールが前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状に形成される、 縦型製袋充填包装機。
【請求項9】
前記トップガセットは、前記注出部が配置された第二プリーツと他方の第一プリーツからなり、前記第二プリーツが前記第一プリーツよりも折り幅が大きい、請求項8に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項10】
帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳工程と、
前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳工程と、
前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール工程と、
前記第二折込を熱溶着してボトムガセットを形成するボトムシール工程と、
前記フィルムを下方に搬送する搬送工程と、
前記フィルムの内部に内容物を連続投入する充填工程と、
前記フィルムを矯正部により前後方向から挟持して前記フィルムの充填形状を矯正する矯正工程と、
前記矯正部の上方に配置されたシゴキローラー部により前記フィルムを前後方向から押圧して扱くシゴキ工程
前記矯正部の下方に配置されたサイドシール部により前記フィルムを横方向に熱溶着して袋体を形成するサイドシール工程と、
カッター部により前記フィルムから前記袋体を切り離す切離工程と、
を有し、
前記矯正工程は、第一矯正板対を前記ボトムガセットから前記トップガセットに亘る部位に密着させると同時に、第二矯正板対を前記トップガセットから前記注出部に至る部位に密着させる、 内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項11】
前記トップ折畳工程は、前記第一折込の山折りに、その長手方向に亘るシールを形成する補助トップシール工程を含む、請求項10記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項12】
前記シールは、前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状を有する、請求項11に記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項13】
帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳工程と、
前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳工程と、
前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール工程と、
を有し、
前記トップ折畳工程は、前記第一折込の山折りに、その長手方向に亘るシールを形成する補助トップシール工程を含み、前記シールが、前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状に形成される、内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項14】
前記トップガセットは、前記注出部が配置された第二プリーツと他方の第一プリーツからなり、前記第二プリーツが前記第一プリーツよりも折り幅が大きい、請求項13に記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項15】
フィルム包装袋に流動体を充填封入した内容物入りフィルム包装袋であって、
前記フィルム包装袋の天面のフィルムがM字形に重なるトップガセットと、
前記フィルム包装袋の底面のフィルムがM字形に重なるボトムガセットと、
前記トップガセットが有する二つのプリーツの一方の頂部に配置された注出部と、
を備え、
前記二つのプリーツは、前記注出部が配置された第二プリーツ他方の第一プリーツからなり、
前記第一プリーツは、その頂部を長手方向に亘って熱溶着したシールを有し、
前記シールは、前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状を有する、 内容物入りフィルム包装袋。
【請求項16】
前記第二プリーツは、前記第一プリーツよりも折り幅が大きい、請求項15に記載の内容物入りフィルム包装袋。
【請求項17】
前記二つのプリーツの長手方向の両端同士が熱溶着により固着される、請求項15に記載の内容物入りフィルム包装袋。
【請求項18】
前記注出部は、前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して形成された切取片を有し、
前記切取片を切り落して前記流動体を取り出す開口を形成する、請求項15に記載の内容物入りフィルム包装袋。
【請求項19】
前記注出部は、プラスチック製の口栓であり、
前記口栓が前記フィルムの側縁部同士の間に配置されて固着される、請求項15に記載の内容物入りフィルム包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップガセット、ボトムガセットおよびトップガセットから突出する注出部を有するフィルム包装袋を製造する縦型製袋充填包装機等に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機は、帯状のプラスチックフィルムから袋体を形成すると共に、この袋体に内容物を充填して、内容物が封入されたフィルム包装袋を連続的に製造する。縦型製袋充填包装機は、食品を自動包装するために用いられることが多い。また、バス・トイレ・ランドリー用洗剤等の自動包装にも用いられる。
【0003】
飲料や洗剤等を充填したフィルム包装袋として、底部にガセットを設けた自立袋が製造されている。このような包装袋は、スタンディングパウチ等と呼ばれ、陳列棚に自立させることにより販売を促進する高いディスプレイ効果を期待できる。
スタンディングパウチ等の自立袋は、底部が楕円形、頂部が扁平形であるため、立てた姿勢にして輸送用の段ボール箱等に箱詰めすると積載効率(空間容積率)が悪化してしまう。そこで、頂部にもガセットを形成したダブルガセット袋が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-208836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のダブルガセット袋は、製袋と内容物の充填が別々に行われている。このため、縦型製袋充填包装機により製袋と充填を同時に行い、ダブルガセット袋の製造効率を向上させることが必要である。
また、ダブルガセット袋を縦型製袋充填包装機で製造すると、内容物の充填量が安定しないことが判明した。充填時にシャッター弁や重量計を用いず、また包装袋を封止(熱溶着)するときにシゴキローラーを用いる場合に、充填量が安定しない。特に、ダブルガセット袋がトップガセットから突出する注出部を有すると、充填量が安定しないことが判明した。
【0006】
本発明は、ダブルガセット袋を効率よく製造することができる縦型製袋充填包装機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施態様に係る縦型製袋充填包装機は、帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳部と、前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳部と、前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール部と、前記第二折込を熱溶着してボトムガセットを形成するボトムシール部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
前記トップ折畳部は、前記第一折込の山折りを熱溶着して前記トップガセットの一部を形成する補助トップシール部を備える、ことを特徴とする。
【0009】
前記フィルムを下方に搬送する搬送部と、前記フィルムの内部に内容物を連続投入する充填部と、前記内容物が投入された前記フィルムを前後方向から挟持して前記フィルムの充填形状を矯正する矯正部と、前記矯正部の上方に配置されて、前記フィルムを前後方向から押圧して扱くシゴキローラー部と、前記矯正部の下方に配置されて、前記フィルムを横方向に熱溶着して袋体を形成するサイドシール部と、前記フィルムから前記袋体を切り離すカッター部と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
前記矯正部は、前記ボトムガセットから前記トップガセットに亘る部位に密着する第一矯正板対を備える、ことを特徴とする。
前記第一矯正板対は、それぞれ半筒形状を有する、ことを特徴とする。
前記矯正部は、前記トップガセットから前記注出部に至る部位に密着する第二矯正板対を備える、ことを特徴とする。
前記第二矯正板対は、前記第一矯正板対の一方から横方向に延伸する延伸片と、前記第一矯正板対の他方から突出して前記延伸片に対向する押圧片と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
前記注出部の輪郭を整えるデザインカッター部を備え、
前記注出部は、開封するときに切り落とされる切取片を有する、ことを特徴とする。
前記注出部は、前記フィルムの側縁部同士の間に熱溶着されたプラスチック製の口栓を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の実施態様に係る内容物入りフィルム包装袋の製造方法は、帯状のフィルムの側部をZ字形に折り畳んで第一折込を形成するトップ折畳工程と、前記フィルムの中央をM字形に折り畳んで第二折込を形成するボトム折畳工程と、前記第一折込と前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して、前記フィルムをチューブ状にすると共に、トップガセットと前記トップガセットから突出する注出部を形成するトップシール工程と、前記第二折込を熱溶着してボトムガセットを形成するボトムシール工程と、を有する、ことを特徴とする。
【0013】
前記トップ折畳工程は、前記第一折込の山折りを任意のシール形状に形成する補助トップシール工程を含む、ことを特徴とする。
【0014】
前記フィルムを下方に搬送する搬送工程と、前記フィルムの内部に内容物を連続投入する充填工程と、前記フィルムを矯正部により前後方向から挟持して前記フィルムの充填形状を矯正する矯正工程と、前記矯正部の上方に配置されたシゴキローラー部により前記フィルムを前後方向から押圧して扱くシゴキ工程前記矯正部の下方に配置されたサイドシール部により前記フィルムを横方向に熱溶着して袋体を形成するサイドシール工程と、カッター部により前記フィルムから前記袋体を切り離す切離工程と、を有する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の実施態様に係る内容物入りフィルム包装袋は、フィルム包装袋に流動体を充填封入した内容物入りフィルム包装袋であって、前記フィルム包装袋の天面のフィルムがM字形に重なるトップガセットと、前記フィルム包装袋の底面のフィルムがM字形に重なるボトムガセットと、前記トップガセットが有する二つのプリーツの一方の頂部に配置された注出部と、を備え、前記二つのプリーツは、前記注出部が配置された第一プリーツが他方の第二プリーツよりも折り幅が大きい、ことを特徴とする。
【0016】
前記第一プリーツおよび前記第二プリーツは、その頂部を長手方向に亘って熱溶着したシールをそれぞれ有する、ことを特徴とする。
前記第一プリーツは、その頂部を長手方向に亘って熱溶着したシールを有し、前記第二プリーツはその頂部を熱溶着したシールを有しない、ことを特徴とする。
前記シールは、前記長手方向の中央が頂部に向かって円弧状に凹んだ形状を有する、ことを特徴とする。
前記二つのプリーツの長手方向の両端同士が熱溶着により固着される、ことを特徴とする。
【0017】
前記注出部は、前記フィルムの側縁部同士を熱溶着して形成された切取片を有し、前記切取片を切り落して前記流動体を取り出す開口を形成する、ことを特徴とする。
【0018】
前記注出部は、プラスチック製の口栓であり、前記口栓が前記フィルムの側縁部同士の間に配置されて固着される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ダブルガセット袋を効率よく製造することができる。特に、トップガセットから突出する注出部を有するダブルガセット袋の充填量の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る内容物入りフィルム包装袋Gを示す図であって、(a)前上方向から見た斜視図、(b)後下方向から見た斜視図である。
図2】実施形態に係る縦型製袋充填包装機1の概略構成を示す正面図である。
図3】矯正部100を示す図であって、(a)側面図、(b)斜視図である。
図4】実施形態に係る内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のトップ折畳工程S2とボトム折畳工程S3を工程順に示す模式図である。
図5】実施形態に係る内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のトップシール工程S4から切離工程S11を工程順に示す模式図である。
図6】実施形態に係る内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の矯正工程S8を工程順に示す斜視図である。
図7】内容物入りフィルム包装袋の第一変形例を示す斜視図である。
図8】内容物入りフィルム包装袋の第二変形例を示す斜視図である。
図9】縦型製袋充填包装機の変形例を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る縦型製袋充填包装機1および内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法について説明する。
【0022】
〔内容物入りフィルム包装袋G〕
図1は、内容物入りフィルム包装袋Gを示す図であって、(a)前上方向から見た斜視図である。
内容物入りフィルム包装袋Gは、一枚のプラスチックフィルムFから形成された袋体に内容物Xを充填したものである。
フィルム包装袋Gは、いわゆるダブルガセット袋であり、天面(上部)にトップガセットG3、底面(下部)にボトムガセットG4を有する。
【0023】
内容物入りフィルム包装袋Gを立てた姿勢にしたときの高さ方向を上下方向ともいう。内容物入りフィルム包装袋Gの幅方向を左右方向ともいう。内容物入りフィルム包装袋Gの厚み方向(膨らむ方向)を前後方向ともいう。フィルム包装袋Gのうち、切取片T2aを有する面(後面G2)側を後方という。
【0024】
トップガセットG3は、第一プリーツG31、第二プリーツG32を有する。第一プリーツG31と第二プリーツG32は、形状が異なる。
第一プリーツG31と第二プリーツG32は、左右方向の長さが同一であるが、上下方向の幅(折り幅、深さ)が異なる。第一プリーツG31よりも第二プリーツG32が上方に突出する。そして、第二プリーツG32の頂部(山折り)に口栓G8が配置される。
ボトムガセットG4は、第一プリーツG41、第二プリーツG42を有する。第一プリーツG41、第二プリーツG42は、同一形状(長方形)である。第一プリーツG41、第二プリーツG42は、左右方向の長さが同一、上下方向の幅(折り幅、深さ)が左右方向に亘って均一(同一)である。
トップガセットG3とボトムガセットG4は、それぞれ左右方向の両端が溶着される。つまり、第一プリーツG31と第二プリーツG32の左右方向の両端、第一プリーツG41と第二プリーツG42左右方向の両端がそれぞれ接続する。このため、フィルム包装袋Gが略楕円柱形になる。言い換えれば、フィルム包装袋Gは、水平方向の断面が凸レンズ形状またはアーモンド形状になる。
【0025】
トップガセットG3は、天面の外周縁に沿って形成されたトップシールTを有する。
トップシールTは、3つのシール(シールT1、シールT2、シールT3)からなる。
シールT1は、フィルム包装袋Gの前面G1(第一プリーツG31)の上端(山折りF3)を熱溶着して形成される。
シールT2は、フィルム包装袋Gの後面G2(第二プリーツG32)の上端(側縁部E1,E2同士)を熱溶着して形成される。シールT2は、フィルム包装袋Gを開封するときに切り取られる切取片T2aを有する。また、シールT2は、切取片T2aの左右方向両端に繋がる一対の傾斜部T2bを有する。切取片T2aと傾斜部T2bの境界にノッチT2cがそれぞれ形成される。ノッチT2cは、フィルムFを切り裂いて開封口(不図示)を形成するときの起点となる。
切取片T2aと一対の傾斜部T2bは、狭小収容部G6を囲う。狭小収容部G6は、切取片T2aを切り取って形成された開封口から露出する内部空間である。
開封口(開口)が形成される部位を注出部G7という。すなわち、注出部G7は、トップガセットG3から突出する部位である。具体的には、切取片T2aと一対の傾斜部T2bの上端部分(切取片T2aに繋がる部位)である。
シールT3は、フィルム包装袋Gの上部の左右方向両端(フィルムFが四重になった重畳部分)を熱溶着して形成される。シールT3は、第一プリーツG31、第二プリーツG32の左右方向の両端同士を連結(固着)する。
【0026】
ボトムガセットG4は、底面の外周縁に沿って形成されたボトムシールBを有する。ボトムシールBは、3つのシール(一対のシールB1、シールB3)からなる。
一対のシールB1は、フィルム包装袋Gの前面G1(第一プリーツG41)と後面G2(第二プリーツG42)の下端(山折りF7)をそれぞれ熱溶着して形成される。一対のシールB1は同一形状であり、同時に形成される。
シールB3は、フィルム包装袋Gの下部の左右方向両端(フィルムFが四重になった重畳部分)を熱溶着して形成される。シールB3は、第一プリーツG41、第二プリーツG42の左右方向の両端同士を連結(固着)する。
【0027】
フィルムFのシーラント層が片面(内面)のみに配置されている場合には、フィルムFを四重に折り畳んでもフィルムFの外面同士を熱溶着できない。このため、第一プリーツG41と第二プリーツG42が分離してしまう。フィルム包装袋Gを立てた姿勢で安定させるためには、第一プリーツG41と第二プリーツG42の左右方向の両端同士を連結する必要がある。
そこで、フィルムFの外面同士が重なる部位にパンチング孔を設けてもよい。それぞれの外面にパンチング孔を設けて、折り畳んときに対向させる。これにより、フィルムFを四重に折り畳んでも、パンチング孔を介してフィルムFの内面(シーラント層)同士が密着して、良好に熱溶着できる。
【0028】
ボトムシールB(シールB1,B3)は、トップシールT(シールT1,T2)よりも幅が太く形成されて、内容物入りフィルム包装袋Gを立てたときの支え(補強)となる。
フィルム包装袋Gのうち、トップシールT,ボトムシールBに囲まれた部位(天面、底面)は、フィルム包装袋Gの折込マチとして機能する。
【0029】
フィルム包装袋Gは、左右方向両端において上下方向に延在する一対のサイドシールSを有する。サイドシールSは、上端がトップシールTのシールT3に接続し、下端がボトムシールBのシールB3に接続する
【0030】
フィルム包装袋Gは、天面と底面にそれぞれ折込マチ(トップガセットG3、ボトムガセットG4)を有するため、前後方向に膨らみやすく、内容物Xを収容する内部空間(収容部G5)を大きくすることができる。
収容部G5は、フィルム包装袋Gのうち、熱溶着されていない非シール部(筒状のフィルム)であって、内容物Xが充填封入される空間である。収容部G5は、トップガセットG3の第二プリーツG32に形成された狭小収容部G6に連通する。狭小収容部G6は、トップガセットG3の第二プリーツG32のうち、第一プリーツG31よりも上方に突出する部位である。
【0031】
フィルムFは、ナイロンやポリエステル等の高強度フィルムを積層したラミネートフィルムである。フィルムFは、横切性(直進カット性)に優れた包装用フィルムを用いことが好ましい。つまり、フィルム包装袋Gを左右方向に切断しやすく、上下方向には切断しにくいフィルムを用いることが好ましい。
【0032】
内容物Xは、液状またはペースト状(半固形物)の飲料、食品、化学製品等である。具体的には、飲料水やゼリー、家庭用洗剤、シャンプー等の流動体である。
【0033】
〔縦型製袋充填包装機1〕
図2は、第一実施形態に係る縦型製袋充填包装機1の概略構成を示す正面図である。
縦型製袋充填包装機1は、帯状のフィルムFからダブルガセット形のフィルム包装袋Gを形成すると同時に、このフィルム包装袋Gに内容物Xを充填する。
【0034】
縦型製袋充填包装機1は、制御部(不図示)により制御されて、フィルムFを下方向に間欠搬送しながら、内容物Xを充填する。縦型製袋充填包装機1は、フィルム包装袋Gの内部に空気を極力残さないように、内容物Xをほぼ満杯に充填する。
縦型製袋充填包装機1は、内容物Xの充填量を計測する計測部や充填量を調整するシャッター弁を備えない。
縦型製袋充填包装機1は、内容物Xを連続充填しながら、内容物Xの充填量にバラつきのない内容物入りフィルム包装袋Gを製造する。
【0035】
フィルムFの長手方向を搬送方向ともいう。フィルムFの幅方向を横方向ともいう。フィルムFの厚み方向を重畳方向ともいう。
縦型製袋充填包装機1におけるフィルムFの長手方向を鉛直方向、上下方向または縦方向ともいう。縦型製袋充填包装機1におけるフィルムFの横方向を左右方向ともいう。縦型製袋充填包装機1におけるフィルムF(フィルム包装袋G)の厚み方向を前後方向ともいう。
【0036】
縦型製袋充填包装機1は、フィルム供給部10、トップ折畳ユニット20、ボトム折畳ユニット30、トップシール部40、ボトムシール部50、デザインカッター部60、フィルム搬送部70、充填部80、シゴキローラー部90、矯正部100、サイドシール部110、カッター部120等を備える。
【0037】
〔フィルム供給部10〕
フィルム供給部10は、ロール(不図示)からフィルムFを繰り出し、複数の従動ローラー等を経由させる。フィルム供給部10は、フィルムFに弛みや蛇行がないように、一定のテンションを掛けて送り出す。フィルム供給部10は、トップ折畳ユニット20に向けてフィルムFを供給する。
【0038】
〔トップ折畳ユニット20〕
トップ折畳ユニット(トップ折畳部)20は、フィルム供給部10の右斜め上方に配置される。トップ折畳ユニット20は、帯状のフィルムFをZ字形に折り込む。フィルムFは、幅方向の一側部(側縁部E1側)がZ字形に折り込まれて、トップガセット用折込F1が形成される。
トップガセット用折込(第一折込)F1は、フィルムFの側縁部E1側の谷折りF2と中央側の山折りF3からなり、三つ折りとも呼ばれる。トップガセット用折込F1には、第一プリーツG31と第二プリーツG32の片面が同時に形成される。
【0039】
トップ折畳ユニット20は、折り畳み板部22、圧着ローラー部24、補助トップシール部26を備える。
折り畳み板部22は、フィルムFの搬送方向(右方向)に沿って延在する複数の板部材を有する。フィルムFは、これらの板部材に沿って摺動する。折り畳み板部22は、フィルムFの一側部(側縁部E1側)を下方に押し曲げ、さらに中央に向けて押し込んで、Z字形に折り畳む。谷折りF2から山折りF3の幅よりも谷折りF2から側縁部E1までの幅が大きくなるよう折り畳まれる。第一プリーツG31よりも第二プリーツG32の方が幅が大きく(異なる深さに)形成される。
【0040】
圧着ローラー部24は、折り畳み板部22の下流に配置され従動ローラー対からなる。圧着ローラー部24は、従動ローラー対でZ字形に折り畳んだ部位を上下方向(重畳方向)に押し潰して、フィルムFに折り目(トップガセット用折込F1)を付ける。圧着ローラー部24は、フィルムFの搬送方向を下方に変える。つまり、フィルムFは、従動ローラー対を経由して下方に送られる。
【0041】
補助トップシール部26は、トップガセット用折込F1の山折りF3を熱溶着して、シールT1を形成する。補助トップシール部26は、第一プリーツG31の頂部等にシールT1を形成する。
補助トップシール部26は、ヒーターバー対を有し、このヒーターバー対で山折りF3を挟持して、第一プリーツG31の上端を上下方向に亘って熱溶着する。補助トップシール部26は、フィルムFにシールT1を形成して、トップガセットG3の一部(第一プリーツG31)を組み立てる。
【0042】
シールT1は、上下方向において、中央の幅が細く、両端の幅が太く形成される。シールT1は、第一プリーツG31の上下方向中央は頂部のみに形成され、上下方向両端は頂部から基部まで形成される。
図1に示すように、シールT1は、フィルム包装袋Gを立てた姿勢にしたときに、第一プリーツG31の左右方向の全長に亘って形成され、左右方向に中央が上方向(頂部)に向かって円弧状に凹んだ形状を有する。これにより、第一プリーツG31が搬送途中に弛みや蛇行することなく、その形状を維持したまま、下流に向けて送り出される。
【0043】
〔ボトム折畳ユニット30〕
ボトム折畳ユニット(ボトム折畳部)30は、トップ折畳ユニット20の直下に配置される。ボトム折畳ユニット30は、帯状のフィルムFをM字形(W字形)に折り込む。フィルムFは、幅方向の中央がM字形に折り込まれて、ボトムガセット用折込F5が形成される。
ボトムガセット用折込(第二折込)F5は、フィルムFの中央の谷折りF6と、その両側の一対の山折りF7からなり、蛇腹折りとも呼ばれる。ボトムガセット用折込F5には、第一プリーツG41と第二プリーツG42が同時に形成される。
【0044】
ボトム折畳ユニット30は、折り畳み板部32、圧着ローラー部34を備える。
折り畳み板部32は、フィルムFの搬送方向に沿って延在する複数の板部材を有する。フィルムFは、これらの板部材に沿って摺動する。折り畳み板部32は、まず、フィルムFの両側部を押圧してU字形に折り曲げる。さらに、折り畳み板部32は、フィルムFの中央を内側に押し込んでM字形(W字形)に折り畳む。これにより、フィルムFの左側にボトムガセット用折込F5が形成される。
【0045】
ボトムガセット用折込F5には、第一プリーツG41と第二プリーツG42が同時に形成される。ボトムガセット用折込F5は、谷折りF6から山折りF7の幅がそれぞれほぼ同一になるよう折り畳まれる。ボトムガセット用折込F5の第一プリーツG41と第二プリーツG42は、同一の幅(均一な深さ)に形成される。
【0046】
圧着ローラー部34は、折り畳み板ぶ32の下流に配置された二組の従動ローラー対35,36からなる。
図2の右側に配置された従動ローラー対35は、フィルムFの側縁部E1,E2同士を前後方向(重畳方向)に挟持して密着させる。
図2の左側に配置された従動ローラー対36は、M字形に折り畳んだ部位を前後方向(重畳方向)に押し潰して、フィルムFに折り目(ボトムガセット用折込F5)を付ける。
そして、圧着ローラー部34は、フィルムFを下方に送る。
【0047】
〔トップシール部40〕
トップシール部40は、ボトム折畳ユニット30の下方に配置される。トップシール部40は、フィルムFの側縁部E1,E2同士を熱溶着して、シールT2を形成する。フィルムFにシールT2を形成することにより、第二プリーツG32が組み立てられ、同時にフィルムFがチューブ状になる。
また、トップシール部40は、第一プリーツG31と第二プリーツG32の上下方向の両端同士(フィルムFが四重になった重畳部分)を熱溶着してシールT3を形成し、トップガセットG3を組み立てる。
【0048】
トップシール部40は、従動ローラー対35の直下に配置された第一トップヒーターバー対42と、第一トップヒーターバー対42の直下に配置された第二トップヒーターバー対44を備える。
第一トップヒーターバー対42は、第一プリーツG31と第二プリーツG32の上下方向の両端同士(フィルムFが四重になった重畳部分)を前後方向から挟持し、熱溶着してシールT3を形成する。
第二トップヒーターバー対44は、フィルムFの側縁部E1,E2同士を前後方向から挟持し、熱溶着してシールT2を形成する。
トップシール部40を経ることにより、トップガセットG3を有するチューブ状のフィルムFが形成される。
【0049】
〔ボトムシール部50〕
ボトムシール部50は、トップシール部40の側方(左側)および下方に配置される。ボトムシール部50は、ボトムガセット用折込F5を熱溶着して、ボトムシールBを形成する。ボトムシール部50は、第一プリーツG41,第二プリーツG42を有するボトムガセットG4を組み立てる。
【0050】
ボトムシール部50は、第二トップヒーターバー対44に並列に配置された第一ボトムヒーターバー対52と、第一ボトムヒーターバー対52の直下に配置された第二ボトムヒーターバー対54を備える。
第一ボトムヒーターバー対52は、ボトムガセット用折込F5の一対の山折りF7(第一プリーツG41、第二プリーツG42)をそれぞれ挟持し、熱溶着して一対のシールB1を形成する。
第二ボトムヒーターバー対54は、第一プリーツG41と第二プリーツG42の上下方向の両端同士を挟持し、熱溶着してシールB3を形成する。これにより、フィルムFが四重になった重畳部分が熱溶着されて、ボトムガセットG4が組み上がる。
ボトムシール部50を経ることにより、ボトムガセットG4を有するチューブ状のフィルムFが形成される。
【0051】
〔デザインカッター部60〕
デザインカッター部60は、第二トップヒーターバー対44の下方に配置される。デザインカッター部60は、ボトムシール部50の第二ボトムヒーターバー対54とほぼ並列に配置される。
デザインカッター部60は、トップシール部40が形成したトップシールT(シールT2)の輪郭を整える。
デザインカッター部60は、シールT2の外縁側を切り取って、シールT2に切取片T2a、一対の傾斜部T2bおよびノッチT2cを形成する。
【0052】
〔フィルム搬送部70〕
フィルム搬送部70は、デザインカッター部60の下方に配置される。
フィルム搬送部70は、フィルムFを下方に向けて間欠搬送する。フィルム搬送部70は、二組の駆動ローラー対を備える。駆動ローラー対は、フィルムFの右側と左側にそれぞれ配置される。各駆動ローラー対は、フィルムFを前後方向に挟持しつつ回転して、フィルムFを下方に送り出す。
【0053】
〔充填部80〕
充填部80は、フィルム搬送部70の下方において、チューブ状のフィルムFの内部(収容部G5、狭小収容部G6)に内容物Xを連続投入する。
充填部80は、充填ポンプ(不図示)、充填ノズル82を備える。充填ポンプは、内容物Xを充填ノズル82に向けて圧送する。
充填ノズル82は、ボトム折畳ユニット30の側方(右側)からU字形に折り曲げられたフィルムFの内側に挿入される。充填ノズル82は、ボトム折畳ユニット30から真っすぐに下方に延在して、フィルム搬送部70の下方に至る。
充填部80は、充填ポンプを駆動して、チューブ状のフィルムFの内部に向けて充填ノズル82から内容物Xを連続して吐出し続ける。
【0054】
〔シゴキローラー部90〕
シゴキローラー部90は、充填ノズル82の下方に配置されて、内容物Xが充填されたチューブ状のフィルムFを扱く。
シゴキローラー部90は、左右方向に延在するシゴキローラー対92を備え、このシゴキローラー対でチューブ状のフィルムFを前後方向に挟持しながら下方に送る。これにより、チューブ状のフィルムFに充填された内容物Xがシゴキローラー対を境にして上下に分断される。チューブ状のフィルムFは、扁平になってサイドシール部110に向けて搬送される。これにより、フィルムFにサイドシールSを確実に形成することが可能になる。
【0055】
〔矯正部100〕
図3は、矯正部100を示す図であって、(a)側面図、(b)斜視図である。
矯正部100は、シゴキローラー部90の直下に配置されて、内容物Xが充填されたチューブ状のフィルムFの充填形状を矯正する。
矯正部100は、シゴキローラー部90が作動する前に、チューブ状のフィルムFの充填形状を前後方向から押圧する。チューブ状のフィルムFのトップガセットG3とボトムガセットG4にまで内容物Xを確実に行き渡らせる。そして、チューブ状のフィルムFに封入される内容物Xの充填量を一定化させる。
【0056】
矯正部100は、第一矯正板対102と第二矯正板対106を備える。
第一矯正板対102は、チューブ状のフィルムFのボトムガセットG4からトップガセットG3に亘る部位(収容部G5)を押圧する。第一矯正板対102は、左右方向に延在する板部材103,104であって、フィルムFを前後方向に挟んで対向配置される。
板部材103,104は、フィルムFを挟んで対称な形状を有する。具体的には、板部材103,104は、それぞれ半筒形状を有し、近接し合うとその間に略楕円形の空間を形成する。つまり、板部材103,104により内容物Xが充填されたフィルムFを押圧すると、フィルムFの充填形状が略楕円形に矯正される。
【0057】
第二矯正板対106は、トップガセットG3から突出する注出部G7を押し潰す。注出部G7は、トップガセットG3から切取片T2aに至る部位である。つまり、第二矯正板対106は、シールT2(切取片T2a、一対の傾斜部T2bの上端部分)に囲まれた狭小収容部G6を押し潰す。
第二矯正板対106は、延伸片107と押圧片108を備える。
延伸片107は、板部材103(第一矯正板対102の一方)から右方向に延伸する部位であり、延伸片107と同様の半筒形状を有する。押圧片108は、板部材104(第一矯正板対102の他方)から後方側に突出して延伸片107に対向する部材であり、延伸片107と同様の半筒形状を有する。
延伸片107と押圧片108は、板部材103,104の近接に伴って移動して、密着する。延伸片107と押圧片108が密着することにより、狭小収容部G6が押し潰されて、収容部G5に向けて内容物Xを押し出す。狭小収容部G6に溜まった空気も収容部G5に向けて押し出される。
【0058】
矯正部100がチューブ状のフィルムFを押圧した後に、シゴキローラー部90がフィルムFを扁平に押し潰す。これにより、フィルムFに封入される内容物Xの充填量が一定化される。
【0059】
〔サイドシール部110〕
サイドシール部110は、矯正部100の下方に配置される。サイドシール部110は、シゴキローラー部90が扁平に押し潰したフィルムFを熱溶着して、サイドシールSを形成する。サイドシールSによりその下方向が封止されて完全な袋体(フィルム包装袋G)になる。
また、サイドシール部110は、次のフィルム包装袋GのサイドシールSも形成する。サイドシールSがその上方向のチューブ状のフィルムFの底部になる。
【0060】
サイドシール部110は、サイドヒーターバー対112を備える。サイドヒーターバー対112は、左右方向に延在して、フィルムFを前後方向に挟んで対向配置される。
サイドヒーターバー対112は、チューブ状のフィルムFを熱溶着して、サイドシールSを形成する。サイドシールSは、左右方向の両端がシールT3とシールB3に重なるように形成される。これにより、チューブ状のフィルムFが左右方向に亘って封止され、フィルムFの下端が袋体(フィルム包装袋G)になる。
【0061】
〔カッター部120〕
カッター部120は、サイドシール部110の下方に配置される。カッター部120は、フィルムFから袋体(フィルム包装袋G)を切り落とす。
カッター部120は、カッターバー対122を備える。カッターバー対122は、左右方向に延在して、フィルムFを前後方向に挟んで対向配置される。カッターバー対122は、フィルムFのサイドシールS(シールT3及びシールB3を含む)を上下方向に二分割する。これにより、フィルムFからフィルム包装袋Gが切り落とされる。
【0062】
〔内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法〕
次に、縦型製袋充填包装機1を用いて、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程について説明する。
図4は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のトップ折畳工程S2とボトム折畳工程S3を工程順に示す模式図であって、フィルムFの形態(折畳形状)を示す。
図5は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のトップシール工程S4から切離工程S11を工程順に示す模式図であって、フィルムFの形態を示す。説明の都合上、図5ではシールT1を省略して図示する。
図6は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の矯正工程S8を工程順に示す斜視図である。
【0063】
内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程は、フィルム供給搬送工程S1、トップ折畳工程S2、ボトム折畳工程S3、トップシール工程S4、ボトムシール工程S5、デザインカット工程S6、充填工程S7、矯正工程S8、シゴキ工程S9、サイドシール工程S10、切離工程S11を有する。
そして、フィルム供給搬送工程S1、トップ折畳工程S2、ボトム折畳工程S3、トップシール工程S4、ボトムシール工程S5、デザインカット工程S6、サイドシール工程S10、充填工程S7、矯正工程S8、シゴキ工程S9、サイドシール工程S10、切離工程S11の順に行われる。
【0064】
(フィルム供給搬送工程S1)
まず、フィルム供給部10のロールから帯状のフィルムFが繰り出される。フィルム搬送部70がフィルムFを下流に向けて間欠搬送する。フィルムFは、一定のピッチで送り出される。1ピッチは、フィルム包装袋Gの左右方向(横方向)の長さと同一である。
フィルム供給搬送工程(搬送工程)S1は、継続して行われる。
【0065】
(トップ折畳工程S2)
図4(a),(b)に示すように、フィルムFは、トップ折畳ユニット20において、幅方向の一側部(側縁部E1側)がZ字形(N字形)に折り込まれる。フィルムFは、折り畳み板部22と圧着ローラー部24を経て、トップガセット用折込F1が形成される。
さらに、図4(c)に示すように、フィルムFは、補助トップシール部26を経て、トップガセット用折込F1の山折りF3(第一プリーツG31の頂部等)にシールT1が形成される(補助トップシール工程S2B)。これにより、トップガセット用折込F1に第一プリーツG31が形成される。
【0066】
(ボトム折畳工程S3)
次に、図4(d)に示すように、フィルムFは、ボトム折畳ユニット30の折り畳み板部32において、両側部を押圧されてU字形に折り曲げられる(二つ折りになる)。続いて、図4(e)に示すように、フィルムFは、折り畳み板部32において、フィルムFの中央が内側に押し込まれてM字形(W字形)に折り込まれて、ボトムガセット用折込F5が形成される。
さらに、フィルムFは、ボトム折畳ユニット30の圧着ローラー部34を経て、トップガセット用折込F1とボトムガセット用折込F5が押し潰されて扁平化される。
【0067】
(トップシール工程S4)
次に、図5(a)に示すように、フィルムFは、トップシール部40において、トップシールT(シールT2,T3)が形成される。
フィルムFにシールT2が形成されると、第二プリーツG32が組み立てられ、同時にフィルムFがチューブ状になる。フィルムFにシールT3が形成されると、第一プリーツG31と第二プリーツG32の上下方向の両端同士(フィルムFが四重になった重畳部分)が接続して、トップガセットG3が組み立てられる。
【0068】
まず、第一トップヒーターバー対42が第一プリーツG31と第二プリーツG32の上下方向の両端同士(フィルムFが四重になった重畳部分)を熱溶着してシールT3を形成する。
続いて、第二トップヒーターバー対44がフィルムFの側縁部E1,E2同士を熱溶着してシールT2を形成する。
フィルムFは、トップシール部40を経てチューブ状になり、さらにトップガセットG3が組み立てられる。
【0069】
(ボトムシール工程S5)
次に、図5(a)に示すように、フィルムFは、ボトムシール部50において、ボトムシールB(シールT1,T3)が形成される。
まず、第一ボトムヒーターバー対52がボトムガセット用折込F5の一対の山折りF7(第一プリーツG41、第二プリーツG42)をそれぞれ熱溶着して一対のシールB1を形成する。
続いて、第二ボトムヒーターバー対54が第一プリーツG41と第二プリーツG42の上下方向の両端同士(フィルムFが四重になった重畳部分)を熱溶着してシールB3を形成する。
フィルムFは、ボトムシール部50を経て、ボトムガセットG4が組み立てられる。
【0070】
(デザインカット工程S6)
次に、図5(b)に示すように、フィルムFは、デザインカッター部60において、シールT2の輪郭が整えられる。
フィルムFは、デザインカッター部60によりシールT2の外縁側を切り取られ、シールT2に切取片T2a、一対の傾斜部T2bおよびノッチT2cが形成される。
【0071】
(サイドシール工程S10)
次に、図5(c)に示すように、フィルムFは、サイドシール部110において、サイドシールSが形成される。サイドシール部110は、サイドヒーターバー対112によりフィルムFを熱溶着してサイドシールSを形成する。
これにより、チューブ状のフィルムFに底部が形成される。
【0072】
(充填工程S7)
次に、フィルムFは、充填部80により内容物Xが充填される。フィルムFがサイドヒーターバー対112に挟持されているときに、充填ノズル82からフィルムFの内部に内容物Xが吐出、充填される。
【0073】
(矯正工程S8)
次に、図6(a),(b)に示すように、フィルムFは、矯正部100により充填形状が矯正される。フィルムFは、内容物Xが充填された状態で、第一矯正板対102と第二矯正板対106により前後方向から押圧される。これにより、フィルムFの内部で偏在していた内容物Xが、フィルムFの内部の隅々まで行き渡る。
【0074】
第一矯正板対102は、ボトムガセットG4からトップガセットG3に亘る部位(収容部G5)を押圧する。板部材103,104は、フィルムFを挟んで対称な半筒形状を有するので、フィルムFの充填形状が略楕円形に矯正される。
【0075】
第一矯正板対102がフィルムF(収容部G5)を押圧すると同時に、第二矯正板対106は、トップガセットG3から突出する部位(狭小収容部G6)を押圧する。
第二矯正板対106は、延伸片107と押圧片108によりフィルムF(狭小収容部G6)を扁平に押し潰す。
これにより、狭小収容部G6から内容物Xが収容部G5に向けて押し出される。
【0076】
(シゴキ工程S9)
次に、図5(c)に示すように、フィルムFは、シゴキローラー部90により扱かれる。矯正部100の直上に配置されたシゴキローラー対92によりフィルムFが挟持される。
シゴキローラー対92は、矯正部100がフィルムFを押圧するまで、僅かに離間して待機する。そして、矯正部100によりフィルムFの充填形状が矯正された後に、シゴキローラー対92が密着してフィルムFを扁平に押し潰す。これにより、フィルムFに封入される内容物Xの充填量が一定化(定量化)される。
続いて、矯正部100がフィルムFから離間すると、フィルムFが下方に送られる。シゴキローラー対92は、フィルムFを押し潰した状態を維持する。これにより、余計な内容物Xがシゴキローラー対92の上方向に残る。
【0077】
(サイドシール工程S10)
次に、図5(c)に示すように、フィルムFは、サイドシール部110において、サイドシールSが形成される。サイドヒーターバー対112は、シゴキローラー対92により押し潰されたフィルムFを熱溶着してサイドシールSを形成する。これにより、フィルムFの下端が完全な袋体(フィルム包装袋G)になる。
【0078】
(切離工程S11)
次に、図5(c)に示すように、フィルムF(フィルム包装袋G)は、カッター部120において、サイドシールSが切断される。サイドシールSが上下に二分割されて、フィルムFから内容物入りのフィルム包装袋Gが切り落とされる。
【0079】
以上により、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程が完了する。
縦型製袋充填包装機1は、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程を繰り返す。これにより、縦型製袋充填包装機1は、複数の内容物入りフィルム包装袋Gを連続して製造する。
【0080】
上述した通り、縦型製袋充填包装機1は、帯状のフィルムFをZ字形に折り畳んむトップ折畳ユニット20、フィルムFをM字形に折り畳んむボトム折畳ユニット30、フィルムFをチューブ状にすると共に、トップガセットG3と注出部G7を形成するトップシール部40、ボトムガセットG4を形成するボトムシール部50、注出部G7の輪郭を整えるデザインカッター部60を備える。
これにより、縦型製袋充填包装機1は、フィルム包装袋Gの製袋と内容物Xの充填を同時に行う。したがって、トップガセットG3とボトムガセットG4を有するダブルガセット袋を効率よく製造できる。
【0081】
トップ折畳ユニット20は、補助トップシール部26を備えて、トップガセット用折込F1の山折りF3(第一プリーツG31)を熱溶着して、トップガセットG3の一部(シールT1)を形成する。
これにより、縦型製袋充填包装機1は、トップガセットG3を有する内容物入りフィルム包装袋Gを良好に製造することができる。特に、シールT1の形状を任意に設定できるので、様々な用途に適したフィルム包装袋Gを製造できる。
【0082】
縦型製袋充填包装機1は、シゴキローラー部90、矯正部100およびサイドシール部110を備える。矯正部100が内容物Xが投入されたフィルムFを前後方向から挟持して、フィルムFの充填形状を矯正する。シゴキローラー部90がフィルムFを前後方向から押圧して扱く。サイドシール部110がフィルムFを横方向に熱溶着して袋体(フィルム包装袋G)を形成する。これにより、縦型製袋充填包装機1は、トップガセットG3、ボトムガセットG4および注出部G7が形成された内容物入りフィルム包装袋Gを、充填量の定量化を図りつつ、製造することができる。
【0083】
矯正部100は、ボトムガセットG4からトップガセットG3に亘る部位(収容部G5)に密着する第一矯正板対102を備える。第一矯正板対102は、それぞれ半筒形状を有する板部材103,104からなる。これにより、縦型製袋充填包装機1は、フィルムFの充填形状を良好に矯正することができる。
【0084】
矯正部100は、トップガセットG3から注出部G7に至る部位(狭小収容部G6)に密着する第二矯正板対106を備える。
第二矯正板対106は、板部材103から横方向に延伸する延伸片107と、板部材104から突出して延伸片107に対向する押圧片108からなる。これにより、縦型製袋充填包装機1は、狭小収容部G6から内容物Xと空気を押し出すことができる。狭小収容部G6に内容物Xを充填させないことにより、フィルム包装袋Gの充填量の定量化が向上する。
【0085】
図7は、内容物入りフィルム包装袋の第一変形例(内容物入りフィルム包装袋H)を示す斜視図である。
内容物入りフィルム包装袋Hは、内容物入りフィルム包装袋Gと同様に、トップガセットH3、ボトムガセットG4および注出部G7を有する。
しかし、トップガセットH3は、トップガセットG3とは異なって、トップシールTのシールT1を有しない。つまり、トップガセット用折込F1の山折りF3(第一プリーツH31の頂部)が熱溶着されていない。
【0086】
内容物入りフィルム包装袋Hは、内容物Xが飲料水等の食品であり、消費者が開封口を口にくわえる用途に好適である。
内容物入りフィルム包装袋Gでは、消費者が開封口を口にくわえるとき、前面G1が上方を向いていると、トップガセットG3(第一プリーツG31)のシールT1が鼻に当たってしまうため、消費者を不快にさせてしまうおそれがある。消費者が開封口を口にくわえるとき、前面G1が下方を向いていると、トップガセットG3のシールT1が顎に当たってしまうため、消費者を不快にさせてしまうおそれがある。
これに対して、内容物入りフィルム包装袋Hは、トップガセットG3の第一プリーツG31にシールT1がなく、柔らかい第一プリーツG31が鼻や顎に当たるだけなので、消費者を不快にさせない。
このように、縦型製袋充填包装機1は、トップ折畳ユニット20の補助トップシール部26がトップガセット用折込F1の山折りF3(第一プリーツG31)を任意のシール形状に熱溶着できる(補助トップシール工程S2B)。第一プリーツG31(山折りF3)を熱溶着しないことも設定できる。つまり、縦型製袋充填包装機1は、シールT1の有無やその形状を任意に設定できるので、食品(飲料水)に適したフィルム包装袋Hを製造できる。
【0087】
図8は、内容物入りフィルム包装袋の第二変形例(内容物入りフィルム包装袋J)を示す斜視図である。
図9は、縦型製袋充填包装機1の変形例を示す拡大正面図である。
【0088】
内容物入りフィルム包装袋Jは、切取片T2aに代えてプラスチック製の口栓J8を備える。つまり、注出部G7の上端に口栓J8が溶着される。口栓J8は、狭小収容部G6に連通するノズルと、このノズルに螺合するキャップからなり、ノズルの基端が一対のフィルムFの両縁(傾斜部T2b)に挟まれて溶着される。そして、口栓J8のノズルからキャップを取り外すことにより、内容物入りフィルム包装袋Jが開封される。
第二プリーツG32は、第一プリーツG31よりも折り幅(上下方向の長さ)が大きく形成される。狭小収容部Gが第一プリーツG31よりも上方に突出する。
【0089】
図9に示す様に、縦型製袋充填包装機1は、口栓取付部130を備える。口栓取付部130は、口栓供給部132と口栓融着部134を備え、これらが従動ローラー対35の直下に配置される。
口栓取付部130を設けた場合には、第二トップヒーターバー対44が第一トップヒーターバー対42の直下に配置される。また、狭小収容部G6(注出部G7)の突出長さに応じて、矯正部100の第二矯正板対106の有無や形状が変更される。狭小収容部G6の突出長さ(トップガセットG3から口栓J8までの距離)が短い場合は、第二矯正板対106が口栓J8に干渉してしまうため、第二矯正板対106を廃止する。
一方、狭小収容部G6の突出長さが十分に長い場合は、第二矯正板対106を口栓J8に干渉しない形状にして、狭小収容部G6から内容物Xと空気を押し出す。
【0090】
内容物入りフィルム包装袋Jを製造する場合には、ボトム折畳工程S3とトップシール工程S4の間に、口栓取付工程S12を行う。口栓取付工程S12では、口栓取付部130が一対のフィルムFの側縁部E1,E2同士の間に、口栓J8(ノズルの基端)を熱溶着する。
【0091】
このように、注出部G7は、開封するときに切り落とされる切取片T2aを有する場合であってもよいし、キャップとノズルからなるプラスチック製の口栓J8を有する場合であってもよい。
また、切取片T2aと口栓J8のいずれの場合であっても、狭小収容部G6の突出長さ(トップガセットG3から切取片T2a,口栓J8までの距離)は任意に設定できる。そして、狭小収容部G6の突出長さや形状に応じて、矯正部100の第二矯正板対106の有無や形状も任意に設定できる。
【0092】
内容物X入りフィルム包装袋G,H,Jは、トップガセットG3が有する二つのプリーツ(第一プリーツG31、第二プリーツG32)の一方(第一プリーツG31)の頂部に注出部G7を備える。二つのプリーツは、注出部G7が配置された第二プリーツG32が他方の第一プリーツG31よりも折り幅が大きい。つまり、第二プリーツG32の注出部G7が第一プリーツG31よりも上方に突出する。このため、消費者が開封口(注出部G7)を口にくわえやすい。また、第二プリーツG32)の頂部に注出部G7(口栓G8や切取片T2a)が溶着不良がなく良好に形成される。
【0093】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
【0094】
矯正部100は、狭小収容部G6に密着する第二矯正板対106を備える場合に限らない。すなわち、第二矯正板対106により狭小収容部G6から内容物Xを押し出す場合に限らず、狭小収容部G6にまで内容物Xが行き渡らせる満注充填を行ってもよい。
【0095】
フィルムFは、帯状に限らず、インフレーションフィルム等であってもよい。つまり、帯状のフィルムFの側縁部E1,E2同士を熱溶着してチューブ状にする場合に限らない。また、複数枚の帯状フィルムを貼り合わせてチューブ状のフィルムに形成してもよい。
【0096】
内容物Xは、液体や流動体(ペースト)に限らず、液体や流動体に固体が含まれる場合等であってもよい。液体や流動体を冷やして固体にする場合等であってもよい。
【0097】
矯正部100は、フィルムFを前後方向から挟持して、充填形状を矯正する場合に限らない。矯正部100は、フィルムFを左右方向から挟持して、充填形状を矯正してもよい。すなわち、トップガセットG3、ボトムガセットG4を押圧して、充填形状を矯正してもよい。さらに、矯正部100は、フィルムFを前後左右方向からそれぞれ挟持して、充填形状を矯正してもよい。
矯正部100は、板形の矯正体を備える場合に限らない。矯正体の形状は、内容物入りフィルム包装袋Gの出荷形状に合わせて、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 縦型製袋充填包装機 10 フィルム供給部 20 トップ折畳ユニット(トップ折畳部) 26 補助トップシール部 30 ボトム折畳ユニット(ボトム折畳部) 40 トップシール部 50 ボトムシール部 60 デザインカッター部 70 フィルム搬送部 80 充填部 90 シゴキローラー部 100 矯正部 102 第一矯正板対 103 板部材(第一矯正板対の一方) 104 板部材(第一矯正板対の他方) 106 第二矯正板対 107 延伸片 108 押圧片 110 サイドシール部 120 カッター部 130 口栓取付部 F フィルム F1 トップガセット用折込(第一折込) F3 山折り F5 ボトムガセット用折込(第二折込) E1,E2 側縁部 G,H,J フィルム包装袋 G3,H3 トップガセット G31,H31 第一プリーツ G32 第二プリーツ G4 ボトムガセット G41 第一プリーツ G42 第二プリーツ G5 収容部 G7 注出部 J8 口栓 T トップシール T1,T2,T3 シール T2a 切取片 T2b 傾斜部 T2c ノッチ B ボトムシール B1,B3 シール S サイドシール X 内容物
【要約】
縦型製袋充填包装機(1)は、帯状のフィルム(F)の側部をZ字形に折り畳んで第一折込(F1)を形成するトップ折畳部(20)と、フィルム(F)の中央をM字形に折り畳んで第二折込(F5)を形成するボトム折畳部(30)と、第一折込(F1)とフィルム(F)の側縁部(E1,E2)同士を熱溶着して、フィルム(F)をチューブ状にすると共に、トップガセット(G3)とトップガセット(G3)から突出する注出部(G7)を形成するトップシール部(40)と、第二折込(F5)を熱溶着してボトムガセット(G4)を形成するボトムシール部(50)と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9