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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20220908BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F7/007 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018127524
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2020008187
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山岸 智和
(72)【発明者】
【氏名】小松 晃
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-139945(JP,A)
【文献】特開2014-145518(JP,A)
【文献】特開2012-177496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24F 7/007
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、
前記排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、
前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを変化させる間は前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを個別に制御し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量を、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けた時から一定の時間(t2)をかけて、一段階上の段階の風量まで増加させ、前記フィルタの回転数を、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けた時から前記一定の時間(t2)よりも短い時間(t1)の間に、前記一段階上の段階の回転数まで増加させる、レンジフード。
【請求項2】
調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、
前記排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、
前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを変化させる間は前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを個別に制御し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量を、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けた時から一定の時間(t1)の間に、一段階上の段階の風量まで増加させ、前記フィルタの回転数を、前記排気ファンの風量の風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けた時から前記一定の時間(t1)よりも長い時間(t2)をかけて、前記一段階上の段階の回転数まで増加させる、レンジフード。
【請求項3】
調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、
前記排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、
前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを変化させる間は前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを個別に制御し、
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させ、さらに次の前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、さらに前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるが、前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率よりも、前記さらに前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率の方が大きい、レンジフード。
【請求項4】
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けて、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させている最中に、さらに次の前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、現在の風量および回転数からさらに直接前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させる、請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記制御部は、前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けて、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させている最中に、さらに次の前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数を増加させる前記移行指令を受けたときには、前記排気ファンの風量および前記フィルタの回転数を、現在の風量および回転数から前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させた後、さらに前記一段階上の段階の風量および回転数まで増加させる、請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項6】
さらに、
前記調理器の種類がガス調理器かIH調理器かを選択する選択スイッチと、
前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させるための、ガス調理器用の閾値温度と前記ガス調理器用の閾値温度よりも小さいIH調理器用の閾値温度を記憶する閾値温度記憶部と、を有し、
前記制御部は、温度センサが検知する天面温度を前記選択スイッチによって選択された前記ガス調理器用の閾値温度または前記IH調理器用の閾値温度と比較することにより、前記温度センサが検知する天面温度に応じて前記排気ファンの風量と前記フィルタの回転数とを段階的に変化させる、請求項1から5のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項7】
前記移行指令は、温度センサが検知する前記調理器の天面温度に応じて出される、請求項1から6のいずれかに記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンジフードに設けた温度センサにより調理器の天面温度を検知し、検知温度に基づいて、レンジフードの風量を制御するレンジフードが知られている(特許文献1)。また、排気ファンと同時に回転することがあるフィルタを備えたレンジフードであって、排気ファンの風量変更時にはフィルタの回転も同時に変更するレンジフードも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-121751号公報
【文献】特許第5684106号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの特許文献1、2に記載されている技術を用いれば、温度センサが検知した天面温度を用いて風量とフィルタの回転数とを変化させるレンジフードは提供できる。しかし、発明者は、風量とフィルタの回転数を単に連動させただけでは、油煙の捕集と騒音の面で問題が生じる恐れがあることを見出した。
【0005】
つまり、発明者は、風量とフィルタの回転数を単に連動させるのではなく、風量とフィルタの回転数とを変化させている間も風量とフィルタの回転数との関係を制御することによって、油煙の吸込みを良好にし、かつ、油煙からの油の分離を向上させることができ、また、騒音を減少させることができるのではないかと考えた。
【0006】
そこで、本発明は、風量とフィルタの回転数とを変化させている間の、油煙の吸込みを良好にし、かつ、油煙からの油の分離を向上させることができ、また、騒音を低減させることができる、レンジフードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のレンジフードは、調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを変化させる間は排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に制御し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量を、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けた時から一定の時間(t2)をかけて、一段階上の段階の風量まで増加させ、フィルタの回転数を、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けた時から一定の時間(t2)よりも短い時間(t1)の間に、一段階上の段階の回転数まで増加させる。
さらに、上記目的を達成するための本発明のレンジフードは、調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを変化させる間は排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に制御し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量を、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けた時から一定の時間(t1)の間に、一段階上の段階の風量まで増加させ、フィルタの回転数を、排気ファンの風量の風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けた時から一定の時間(t1)よりも長い時間(t2)をかけて、一段階上の段階の回転数まで増加させる。
さらに、上記目的を達成するための本発明のレンジフードは、調理器からの油煙を吸気し外部に排気させる排気ファンと、排気ファンが吸気する油煙から油分を取り除くフィルタと、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる制御部と、を有し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを変化させる間は排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に制御し、制御部は、排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量およびフィルタの回転数を、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させ、さらに次の排気ファンの風量とフィルタの回転数を増加させる移行指令を受けたときには、排気ファンの風量およびフィルタの回転数を、さらに一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるが、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率よりも、さらに一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率の方が大きい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移行指令を受けたときには、排気ファンの風量とフィルタの回転数とを変化させる間は排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に制御するので、排気ファンの風量とフィルタの回転数の制御を最適化することによって、油煙の吸込みを良好にし、かつ、油煙からの油の分離を向上させることができ、また、騒音を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のレンジフードをキッチンに設置した場合の正面図である。
図2】本実施形態のレンジフードをキッチンに設置した場合の側面図である。
図3】本実施形態のレンジフードが備える操作パネルの正面図である。
図4】本実施形態のレンジフードの制御系のブロック図である。
図5】本実施形態のレンジフードの動作フローチャートである。
図6】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様1を示す図である。
図7】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様2を示す図である。
図8】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様3を示す図である。
図9】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様4を示す図である。
図10】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様5を示す図である。
図11】排気ファンの風量とフィルタの回転数とを個別に増加させる場合の態様6を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態のみに限定されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されている。したがって、各図面における各構成要素の寸法比率は実際とは異なる。また、図面において同一の要素には同一の符号を付し、明細書において重複する説明は省略する。
【0011】
(レンジフードの構成)
図1は、本実施形態に係るレンジフードをキッチンに設置した場合の正面図である。また、図2は、本実施形態に係るレンジフードをキッチンに設置した場合の側面図である。
【0012】
図1および図2に示すように、本実施形態のレンジフード100は、調理器200の上部に設置される。レンジフード100は調理器200の調理時に生じる臭い、煙、油などを含む臭気や油煙を吸い込み外部に排気する。なお、例示する調理器200は、3つの熱源210(3つの熱源の総称)およびグリルの吹出口220を有する。なお、本明細書において、熱源とは、ガス用の調理器に対してはバーナーを、IH用の調理器に対してはヒーターを、それぞれ意味する。
【0013】
レンジフード100は、その中央部より左側の前面側の下面に、調理器200の天面温度を検知する温度センサ300を有する。温度センサ300は、図示点線で示される領域の温度を検出する。温度センサ300は、たとえば、8×8の64個のエリアセンサから形成される複眼温度センサである。したがって、温度センサ300は、調理器200の天面温度を64の領域ごとに検出できる。なお、本実施形態では、複眼温度センサを用いているが、単眼温度センサを用いても良い。
【0014】
レンジフード100は、その上部に排気部110を備えている。排気部110は、調理器200からの臭気や油煙を排気する。排気部110は、調理器200からの油煙を吸い込む吸気口112、屋外と連通する排気口114、吸気口112と排気口114とを結ぶ通路内に吸気口112から吸い込んだ油煙を排気口114に排気させる排気ファン116を備えている。排気ファン116はファンモータ117によって駆動される。吸気口112と排気ファン116との間には、吸気口112から吸い込んだ油煙から油分を取り除くフィルタ(ディスク)118が設けられている。フィルタ118はフィルタモータ119によって駆動される。
【0015】
レンジフード100は、その上部の前面側に、レンジフード100の動作を指示するための操作パネル120を備えている。
【0016】
図3は、本実施形態のレンジフード100が備える操作パネル120の正面図である。操作パネル120は、運転スイッチ121、風量スイッチ122、風量自動スイッチ123、タイマースイッチ124、照明スイッチ125、および常時換気スイッチ126を有する。
【0017】
運転スイッチ121は、レンジフード100を動作させるためのスイッチである。風量スイッチ122は、排気ファン116の風量を、弱、中、強に手動で切り替えるためのスイッチである。風量自動スイッチ123は、温度センサ300が検知する調理器200の天面温度に応じて、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数のモードを、自動的に最適なモードに切り替える制御を行わせるためのスイッチである。タイマースイッチ124は、排気ファン116を調理終了後に回転させる時間を設定するためのスイッチである。照明スイッチ125は、調理器200の上面を照らすLED電球の点灯/消灯させるためのスイッチである。常時換気スイッチ126は、排気ファン116を手動で回転/停止させることで常時換気の運転/停止を行うためのスイッチである。
【0018】
図4は、本実施形態のレンジフード100の制御系のブロック図である。レンジフード100は、排気ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、操作パネル120、制御装置130、および温度センサ300を有する。
【0019】
排気ファン116、ファンモータ117、フィルタ118、フィルタモータ119、および操作パネル120、温度センサ300は上記の通りである。制御装置130は、レンジフード100に内蔵されている。
【0020】
制御装置130は、ガス/IH選択スイッチ132、閾値温度記憶部134、および制御部136を有する。なお、ガス/IH選択スイッチ132は、操作パネル120に設けても良い。
【0021】
ガス/IH選択スイッチ132は、レンジフード100が設置されるキッチンの調理器の種類がガス調理器かIH調理器かを選択する選択スイッチである。ガス/IH選択スイッチ132は、レンジフード100を現場に設置するときに作業者が、または、レンジフード100の使用開始前に使用者が操作する。
【0022】
閾値温度記憶部134は、ファンモータ117の風量とフィルタ118の回転数とを選択するための閾値温度を、温度センサ300が検知する天面温度の領域ごとに対応させて記憶する。閾値温度記憶部134は、ガス用の調理器200に対して使用するガス用閾値温度とIH用の調理器200に対して使用するIH用閾値温度の両方を記憶する。閾値温度記憶部134に記憶されている閾値温度の大きさは、ガス調理器用の閾値温度よりもIH調理器用の閾値温度の方が小さい。IH用の調理器200の調理温度の方がガス用の調理器200の調理温度よりも低いからである。
【0023】
なお、本実施形態では、ファンモータ117の風量とフィルタ118の回転数のモードとして、ファンモータ117の風量が「弱」およびフィルタ118の回転数が「低」である第1モード、ファンモータ117の風量が「中」およびフィルタ118の回転数が「中」である第2モード、ファンモータ117の風量が「強」およびフィルタ118の回転数が「高」である第3モード、の3つのモードを備えている。このため、ガス用閾値温度およびIH用閾値温度は、第1モードから第2モードに移行させるときの閾値温度と第2モードから第3モードに移行させるときの閾値温度を、それぞれ有している。
【0024】
制御部136は、温度センサ300が検知する天面温度に応じて排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを段階的に変化させる。制御部136は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを段階的に変化させる移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを変化させる間は排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に制御する。
【0025】
(制御部136の動作)
図5は、本実施形態のレンジフード100の動作フローチャートである。この動作フローチャートは制御部136によって処理される。なお、この動作フローチャートは、操作パネル120(図3および図4参照)の風量自動スイッチ123が選択されているときに動作する。以下に、レンジフード100の動作を詳細に説明する。
【0026】
制御部136は、ガス/IH選択スイッチ132が、「ガス」、「IH」のどちらを選択しているのかを判断する(S100)。「ガス」を選択していれば(S100:ガス)、制御部136は、閾値温度記憶部134に記憶されている閾値温度のうち、温度センサ300が検知した天面温度との比較をする閾値温度として、ガス用閾値温度を選択する(S110)。一方、「IH」を選択していれば(S100:IH)、制御部136は、IH用閾値温度を選択する(S120)。
【0027】
上記のように、IH用閾値温度はガス用閾値温度よりも低い値が設定されている。IH用の調理器200の火力は、ガス用の調理器200の火力よりも小さいからである。ガス用の調理器200とIH用の調理器200に同一の閾値温度を適用すると、IH用の調理器200ではガス用の調理器200ほど天面温度が上がっていなくとも、多量の臭気と油煙を発生することがある。IH用閾値温度をガス用閾値温度よりも低い値とすることで、IH用の調理器200でも、適切な風量で臭気と油煙を排出できるようになる。すなわち、臭気と油煙の吸込み、油煙からの油分除去性能をガス用の調理器200とIH用の調理器200とで同一にでき、臭気と油煙の吸込み、油煙からの油分除去性能が調理器200の種類に依らない。
【0028】
次に、制御部136は、複眼の温度センサ300により、調理器200の天面温度を検出する。天面温度は、調理器200の領域ごとに検知される(S130)。制御部136は、検知された調理器200の天面温度とS100で選択したガス用またはIH用の閾値温度を比較する(S140)。
【0029】
次に、制御部136は、S140の比較結果により、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数を選択する(S150)。排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数の組み合わせは、モードとして設定されている。上記のように、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数のモードとして、第1モードから第3モードの3つのモードを備えている。
【0030】
次に、制御部136は、増加の移行指令があるか否かを判断する(S160)。すなわち、第1モードから第2モードへの移行指令、第2モードから第3モードへの移行指令、および第1モードから第3モードへの移行指令の、いずれかの移行指令があるか否かを判断する。
【0031】
増加の移行指令がなければ(S160:NO)、制御部136は、S130~S150までの処理を再実行し、選択されたモードで排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを制御する。一方、増加の移行指令があれば(S160:YES)、下記の態様1から態様6のいずれかで、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数を増加させる(S170)。
【0032】
次に、制御部136は、停止信号があるか否かを判断する(S180)。停止信号がなければ(S180:NO)、S130のステップに戻り、S130~S170までの処理を再実行する。一方、停止信号があれば(S180:YES)、レンジフード100の運転を停止する(S190)。
【0033】
(態様1~態様6の動作)
次に、S170のステップで処理される、態様1~態様6における制御部136動作について詳細に説明する。
【0034】
<態様1の動作>
態様1では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量を、移行指令を受けた時から一定の時間(t2)をかけて、一段階上の段階の風量(第2モードの排気ファン116の風量)まで増加させ、フィルタ118の回転数を、移行指令を受けた時から一定の時間(t2)よりも短い時間(t1)の間に、一段階上の段階の回転数(第2モードのフィルタ118の回転数)まで増加させる。
【0035】
この態様は、具体的には、排気ファン116の風量が「弱」およびフィルタ118の回転数が「低」の第1モードから、排気ファン116の風量が「中」およびフィルタ118の回転数が「中」の第2モードへの移行指令があった場合に行われる。本実施形態では、第1モードと第2モードを例示するが、さらに多くのモードが設けられている場合には、たとえば、第2モードから第3モードへの移行指令があった場合、さらに第3モードから第4モードへの移行指令があった場合にも適用できる。
【0036】
図6は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様1を示す図である。この図に示すように、第2モードへの移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、フィルタ118は、t1の時間で第2モードのフィルタ118の回転数まで増加する。一方、排気ファン116は、t1の時間よりも長い時間のt2の時間をかけて第2モードの風量まで増加する。
【0037】
つまり、第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数に至るまで、フィルタ118の回転数の方が排気ファン116の風量よりも早く第2モードに到達する。
【0038】
調理器200の天面温度が上昇すると、臭気および油煙の発生量が増加する傾向がある。このため、この態様1を採用することにより、より多くの油煙に含まれる油分をフィルタ118で除去することができ、排気ファン116への油煙の付着が防止できる。
【0039】
<態様2の動作>
態様2では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量を、移行指令を受けた時から一定の時間(t1)の間に、一段階上の段階の風量(第2モードの排気ファン116の風量)まで増加させ、フィルタ118の回転数を、移行指令を受けた時から一定の時間(t1)よりも長い時間(t2)をかけて、一段階上の段階の回転数(第2モードのフィルタ118の回転数)まで増加させる。
【0040】
この態様は、たとえば、態様1と同様に、第1モードから第2モードへの移行指令があった場合に行われる。本実施形態では、第1モードと第2モードを例示するが、さらに多くのモードが設けられている場合には、たとえば、第2モードから第3モードへの移行指令があった場合、さらに第3モードから第4モードへの移行指令があった場合にも適用できる。
【0041】
図7は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様2を示す図である。この図に示すように、第2モードへの移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、排気ファン116は、t1の時間で第2モードの風量まで増加する。一方、フィルタ118は、t1の時間よりも長い時間のt2の時間をかけて第2モードのフィルタ118の回転数まで増加する。
【0042】
つまり、第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数に至るまで、排気ファン116の風量の方がフィルタ118の回転数よりも早く第2モードに到達する。
【0043】
調理器200の天面温度が上昇するときには火力が強くなっており、汚染空気が増加している恐れがある。このため、この態様2を採用することにより、汚染空気が室内に拡散されることを防止できる。また、フィルタ118の回転数が増加しているときに排気ファン116の回転数の増加が終了するので、騒音の発生を抑えることができる。
【0044】
<態様3の動作>
態様3では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、移行指令を受けた時から同一の時間(t0)をかけて、一段階上の段階の風量および回転数(第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させる。
【0045】
この態様は、たとえば、態様1および態様2と同様に、第1モードから第2モードへの移行指令があった場合に行われる。本実施形態では、第1モードと第2モードを例示するが、さらに多くのモードが設けられている場合には、たとえば、第2モードから第3モードへの移行指令があった場合、さらに第3モードから第4モードへの移行指令があった場合にも適用できる。
【0046】
図8は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様3を示す図である。この図に示すように、第2モード移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、排気ファン116とフィルタ118は、同一のt0の時間で第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させる。
【0047】
つまり、第2モードの排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数に、同一の時間で到達する。
【0048】
この態様3を採用することにより、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数の切り替わりの変化点が少ないため、使用者が感じる煩わしさを抑えることができる。
【0049】
<態様4の動作>
態様4では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、一段階上の段階の風量および回転数(第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させ、さらに次の第3モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、さらに一段階上の段階の風量および回転数(第3モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させるが、一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率(第1モードから第2モードへの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数の増加率)よりも、さらに一段階上の段階の風量および回転数まで増加させるときの風量および回転数の増加率(第2モードから第3モードへの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数の増加率)の方が大きくしている。
【0050】
この態様4は、たとえば、排気ファン116の風量が「弱」およびフィルタ118の回転数が「低」の第1モードから、排気ファン116の風量が「中」およびフィルタ118の回転数が「中」の第2モードへの移行指令があった場合、および排気ファン116の風量が「中」およびフィルタ118の回転数が「中」の第2モードから、排気ファン116の風量が「強」およびフィルタ118の回転数が「強」の第3モードへの移行指令があった場合に行われる。
【0051】
図9は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様4を示す図である。この図に示すように、第2モードへの移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、排気ファン116とフィルタ118は、それぞれt1およびt2の時間で第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させる。なお、図ではt1=t2であるがt1≠t2であっても良い。さらに、第3モードへの移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第2モードの排気ファン116の風量で、また、フィルタ118は第2モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第3モードへの移行指令を受けると、排気ファン116とフィルタ118は、それぞれt3およびt4の時間で第3モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させる。なお、図ではt3=t4であるがt3≠t4であっても良い。この時、第1モードから第2モードに移行するときの風量の増加率とフィルタ118の回転数の増加率のそれぞれは、第2モードから第3モードに移行するときの風量の増加率とフィルタ118の回転数の増加率の方が大きくなっている。
【0052】
このため、この態様4を採用することにより、調理器200の天面温度が高くなるほど多く発生する熱や油煙をより早く除去することができる。
【0053】
<態様5の動作>
態様5では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けて、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、一段階上の段階の風量および回転数(第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させている最中に、さらに次の第3モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、現在の風量および回転数からさらに直接一段階上の段階の風量および回転数(第3モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させる。
【0054】
図10は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様5を示す図である。この態様は、第1モードから第2モードへの移行中に第3モードへの移行指令を受けた場合には、直ちに第3モードへの移行に切り替えるものである。
【0055】
この図に示すように、第2モードへの移行指令を受ける前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、排気ファン116とフィルタ118は、第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させようとする。この間に、調理器200の天面温度が急激に高くなり、第2モードの排気ファン116の風量またはフィルタ118の回転数に達する前に第3モードへの移行指令を受けた場合、図10に示すように、第2モードの排気ファン116の風量またはフィルタ118の回転数に達するのを待ってから第3モードに移行するのではなく、第3モードへの移行指令を受けた時点から直ちに排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数を排気ファン116の風量が「強」およびフィルタ118の回転数が「強」の第3モードに移行させる。図10では、第3モードの移行指令を受けた時にはフィルタ118の回転数は第2モードのフィルタ118の回転数に達しているが、排気ファン116の風量は第2モードの風量にまで達していない。この態様5では、図に示すように、排気ファン116の風量は第3モードの移行指令を受けた時から第3モードの排気ファン116の風量に向けて増加させる。
【0056】
調理器200の天面温度が上がると油煙の発生量が増加する傾向がある。このため、フィルタ118を早めに目標回転数に移行させることにより、油煙からより多くの油分をフィルタ118で除去させることができ、ファンへの油付着を防止できる。また、ファンをより早く目標回転数に移行させることによって汚染空気が室内に拡散することを防止できる。
【0057】
<態様6の動作>
態様6では、制御部136は、第2モードへの移行指令を受けて、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、一段階上の段階の風量および回転数(第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させている最中に、さらに次の第3モードへの移行指令を受けたときには、排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数を、現在の風量および回転数から一段階上の段階の風量および回転数(第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させた後、さらに一段階上の段階の風量および回転数(第3モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数)まで増加させる。
【0058】
図11は、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数とを個別に増加させる場合の態様6を示す図である。この態様は、第1モードから第2モードへの移行中に第3モードへの移行指令を受けた場合には、排気ファン116およびフィルタ118が第2モードの回転数に到達するのを待ってから第3モードへの移行に切り替えるものである。
【0059】
この図に示すように、第2モード移行指令がある前に、排気ファン116は、第1モードの風量で、また、フィルタ118は第1モードのフィルタ118の回転数で回転していたとする。この状態で、第2モードへの移行指令を受けると、排気ファン116とフィルタ118は、第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させようとする。この間に、調理器200の天面温度が急激に高くなり、第2モードの排気ファン116の風量またはフィルタ118の回転数に達する前に第3モードへの移行指令を受けた場合、図11に示すように、第2モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数に達するのを待ってから、排気ファン116の風量が「強」およびフィルタ118の回転数が「強」の第3モードに移行させる。図11では、第3モードの移行指令を受けた時にフィルタ118の回転数は第2モードの回転数に達しているが、排気ファン116の風量は第2モードの風量にまで達していない。この場合には、排気ファン116の風量が第2モードの風量に達するまではフィルタ118の回転数は第2モードのフィルタ118の回転数に維持させる。そして、排気ファン116の風量が第2モードの風量に達したら、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数を第3モードの排気ファン116の風量およびフィルタ118の回転数まで増加させる。
【0060】
排気ファン116の回転数とフィルタ118の回転数にギャップが生じると、以下のことが生じるが、この態様6であれば、これらのことが回避できる。
【0061】
フィルタ118の回転数に比較して排気ファン116の風量が大きすぎるとフィルタ118の油の除去効率が低下する。また、フィルタ118の回転数に比較して排気ファン116の風量が小さすぎるとフィルタ118を無駄に回転していることになり、省エネ上好ましくない。
【0062】
以上のように、本実施形態のレンジフード100によれば、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数の増加の態様を最適化することによって、油煙の吸込みを良好にし、かつ、油煙からの油の分離を向上させることができ、また、騒音を低減させることができる。
【0063】
以上の実施形態では、排気ファン116の風量を上げる場合について説明しているが、排気ファン116の風量を下げる場合についても、上記の思想を適用させた制御を行っても良い。
【0064】
また、レンジフード100を自動運転させる場合、設定したモードのうち、全てのモードから最適なモードを選択して風量を変更する仕様を採用しても良いし、特定のモードから最適なモードを選択して風量を変更する仕様を採用しても良い。たとえば、排気風量の選択が弱・中・強の3段階から選べるレンジフード100の場合、自動運転では、弱・中・強の3段階のモードから、たとえば中と強の2つの段階のモードを制御対象として中と強とで排気風量が切り替わり、手動運転の場合のみ、弱も選択可能とする仕様を採用しても良い。
【0065】
なお、上記の態様1から6を採用することにより、排気ファン116の風量とフィルタ118の回転数の切り替わりの変化点を少なくすることができるため、使用者が感じる煩わしさを抑えることができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想に基づいて様々な形態として実施可能であり、それらもまた本発明の範疇であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
100 レンジフード、
110 排気部、
112 吸気口、
114 排気口、
116 排気ファン、
117 ファンモータ、
118 フィルタ、
119 フィルタモータ、
120 操作パネル、
121 運転スイッチ、
122 風量スイッチ、
123 風量自動スイッチ、
124 タイマースイッチ、
125 照明スイッチ、
126 常時換気スイッチ、
130 制御装置、
132 ガス/IH選択スイッチ、
134 閾値温度記憶部、
136 制御部、
200 調理器、
210 熱源、
220 グリルの吹出口、
300 温度センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11