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特許7137880画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
G06T1/00 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021196049
(22)【出願日】2021-12-02
【審査請求日】2022-02-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594018832
【氏名又は名称】株式会社岩崎電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】川西 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】西村 明浩
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-198290(JP,A)
【文献】特開2002-310920(JP,A)
【文献】特開2019-074496(JP,A)
【文献】特開2002-188998(JP,A)
【文献】特開2011-008482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を受付ける画像情報受付部と、
前記画像情報から損傷に関する情報を作成する損傷情報作成部と、
前記損傷情報作成部が抽出した前記損傷に関する情報を出力する処理情報出力部とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像処理装置であって、
前記損傷情報作成部が、
前記複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある前記画素との間で前記輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす前記画素を示す前記画素情報を検出する要件外画素検出部と、
前記要件外画素検出部が検出した前記画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する画素内容統一部とを有しており、
前記処理情報出力部が、前記画素内容統一部によってそれぞれ少なくとも一部が前記所定の内容に統一された前記画素情報を含む前記画像情報を前記損傷に関する情報として出力し、
前記要件外画素検出部が、
前記複数の画素情報のうち少なくとも1つである判断対象画素情報と前記複数の画素情報のいずれかであり前記判断対象画素情報とは異なる前記画素情報である共代入画素情報とがそれぞれ示す前記輝度を所定の関数である関数値算出関数に代入することにより前記輝度を示す前記値の前記関係を示す関数値を算出する関数値算出部と、
前記関数値が範囲境界値を超えるか否かを判断する境界判断部とを有しており、
前記共代入画素情報が前記輝度を示す前記画素が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素から見て所定の範囲内の距離にあり、
前記画素内容統一部が、前記範囲境界値を超えると判断された前記関数値の算出に用いられた前記判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部を、前記所定の内容に統一し、
前記関数値算出関数が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素と少なくとも2つの前記共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す前記画素とによって形成される前記画素の集団における前記輝度の最大値と最小値との差を前記関数値として算出する関数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記要件外画素検出部が、前記関数値算出部が算出した複数の前記関数値それぞれを前記関数値算出関数とは異なる所定の関数に代入することにより前記範囲境界値を算出する境界値算出部をさらに有することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記境界値算出部が、
複数の前記判断対象画素情報それぞれについて前記関数値算出部が前記関数値を算出した後、複数の前記判断対象画素情報それぞれについて前記関数値算出部により算出された前記関数値の平均値である関数平均値を算出する関数平均値算出部と、
前記複数の判断対象画素情報それぞれについて前記関数平均値算出部が前記関数平均値を算出した後、前記複数の判断対象画素情報それぞれについて前記関数値算出部により算出された前記関数値の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、
前記標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ前記関数平均値を加えることで得られる値を前記範囲境界値として算出する平均値加算部とを有していることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像情報をコンピュータが受付ける画像情報受付工程と、
前記画像情報から損傷に関する情報を前記コンピュータが作成する損傷情報作成工程と、
前記損傷情報作成工程において作成された前記損傷に関する情報を前記コンピュータが出力する処理情報出力工程とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像処理方法であって、
前記損傷情報作成工程が、
前記複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある前記画素との間で前記輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす前記画素を示す前記画素情報が検出される要件外画素検出工程と、
前記要件外画素検出工程において検出された前記画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一される画素内容統一工程とを有しており、
前記処理情報出力工程において、前記画素内容統一工程においてそれぞれ少なくとも一部が前記所定の内容に統一された前記画素情報を含む前記画像情報が前記損傷に関する情報として出力され
前記要件外画素検出工程が、
前記複数の画素情報のうち少なくとも1つである判断対象画素情報と前記複数の画素情報のいずれかであり前記判断対象画素情報とは異なる前記画素情報である共代入画素情報とがそれぞれ示す前記輝度が、所定の関数である関数値算出関数に代入されることにより、前記輝度を示す前記値の前記関係を示す関数値が算出される関数値算出工程と、
前記関数値が範囲境界値を超えるか否かが判断される境界判断工程とを有しており、
前記共代入画素情報が前記輝度を示す前記画素が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素から見て所定の範囲内の距離にあり、
前記画素内容統一工程において、前記範囲境界値を超えると判断された前記関数値の算出に用いられた前記判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部が、前記所定の内容に統一され、
前記関数値算出関数が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素と少なくとも2つの前記共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す前記画素とによって形成される前記画素の集団における前記輝度の最大値と最小値との差を前記関数値として算出する関数であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
画像情報が受付けられる画像情報受付工程と、
前記画像情報から損傷に関する情報が作成される損傷情報作成工程と、
前記損傷情報作成工程において作成された前記損傷に関する情報が出力される処理情報出力工程とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像処理方法をコンピュータが実施するための画像処理プログラムであって、
前記損傷情報作成工程が、
前記複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある前記画素との間で前記輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす前記画素を示す前記画素情報が検出される要件外画素検出工程と、
前記要件外画素検出工程において検出された前記画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一される画素内容統一工程とを有しており、
前記処理情報出力工程において、前記画素内容統一工程においてそれぞれ少なくとも一部が前記所定の内容に統一された前記画素情報を含む前記画像情報が前記損傷に関する情報として出力され
前記要件外画素検出工程が、
前記複数の画素情報のうち少なくとも1つである判断対象画素情報と前記複数の画素情報のいずれかであり前記判断対象画素情報とは異なる前記画素情報である共代入画素情報とがそれぞれ示す前記輝度が、所定の関数である関数値算出関数に代入されることにより、前記輝度を示す前記値の前記関係を示す関数値が算出される関数値算出工程と、
前記関数値が範囲境界値を超えるか否かが判断される境界判断工程とを有しており、
前記共代入画素情報が前記輝度を示す前記画素が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素から見て所定の範囲内の距離にあり、
前記画素内容統一工程において、前記範囲境界値を超えると判断された前記関数値の算出に用いられた前記判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部が、前記所定の内容に統一され、
前記関数値算出関数が、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す前記画素と少なくとも2つの前記共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す前記画素とによって形成される前記画素の集団における前記輝度の最大値と最小値との差を前記関数値として算出する関数であることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は画像処理によるひび割れの計測方法を開示する。この方法は、ひび割れ計測の対象となる原画像データを画像処理して、ひび割れの面積を求める方法である。この方法においては、まず原画像データがピクセル毎に2値化される。次いで、ひび割れ領域が判定される。次いで、ひび割れ領域内の各画素の輝度値合計が求められる。これがひび割れの見掛面積とされる。次いで、その見掛面積からひび割れ面積が求められる。また、特許文献1には、原画像データに対する画像処理として、その原画像データから濃度むらを除去することが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されているひび割れの計測方法によれば、精度よくよくひび割れを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-214827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたひび割れの計測方法には、原画像データに基づいて示される画像においてひび割れとその周囲との識別が不十分になり得るという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、被撮影品表面における形態が線状である損傷を際立たせ得る画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図面に基づいて本発明の画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムが説明される。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0008】
上述された課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、画像処理装置10は、画像情報受付部62と、損傷情報作成部66と、処理情報出力部72とを備える。画像情報受付部62は、画像情報を受付ける。損傷情報作成部66は、画像情報から損傷280に関する情報を作成する。処理情報出力部72は、損傷情報作成部66が作成した損傷280に関する情報を出力する。画像情報が、複数の画素情報と、複数の位置情報とを含む。複数の画素情報は、それぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には、画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は、画像における位置を示す。損傷情報作成部66が、要件外画素検出部80と、画素内容統一部82とを有している。要件外画素検出部80は、次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は、複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす画素を示すものである。画素内容統一部82は、要件外画素検出部80が検出した画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する。処理情報出力部72が、画素内容統一部82によってそれぞれ少なくとも一部が所定の内容に統一された画素情報を含む画像情報を損傷280に関する情報として出力する。
【0009】
被撮影品表面において、形態が線状である損傷280が存在する箇所はそうでない箇所と態様が大きく異なる。その態様が大きく異なるので、その被撮影品表面の画像においても、形態が線状である損傷280が存在する箇所はそうでない箇所と態様が大きく異なる。その画像における態様が大きく異なるので、損傷を受けた箇所またはその付近をそれぞれ示し相互の距離が所定の範囲内である複数の画素の間においては、その損傷280が存在する箇所を示す画素の輝度とそうでない箇所を示す画素の輝度とが大きく異なることとなる。その画像の画像情報のうち要件外画素検出部80が検出した画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一される。これにより、画像情報が示す画像においてその損傷280が存在する箇所を際立たせ得る。その結果、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0010】
また、上述された要件外画素検出部80が、関数値算出部100と、境界判断部106とを有している。関数値算出部100は、関数値を算出する。関数値は、輝度を示す値の関係を示す。関数値は、判断対象画素情報と共代入画素情報とがそれぞれ示す輝度を所定の関数である関数値算出関数に代入することにより算出される。判断対象画素情報は、複数の画素情報のうち少なくとも1つである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、判断対象画素情報とは異なる画素情報である。境界判断部106は、関数値が範囲境界値を超えるか否かを判断する。共代入画素情報が輝度を示す画素が、判断対象画素情報が輝度を示す画素から見て所定の範囲内の距離にある。この場合、画素内容統一部82が、範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部を、所定の内容に統一する。
【0011】
画素内容統一部82によって少なくとも一部が所定の内容に統一される画素情報が範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報であると、次に述べられる画素が検出されることとなる。その画素は、画像のうち画素のいずれもが受けるものではない特別な影響を受けた箇所に配置される画素である。そのような画素が検出されると、画素のいずれもが受けるに過ぎない影響のみを受けた画素も検出される場合に比べて、損傷280がより的確に検出される可能性が高くなる。そのように検出された画素についての画素情報の少なくとも一部が所定の内容に統一されると、画像情報が示す画像においてその損傷280が存在する箇所を的確に際立たせることができる。その結果、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0012】
もしくは、上述された要件外画素検出部80が、境界値算出部104をさらに有することが望ましい。境界値算出部104は、関数値算出部100が算出した複数の関数値それぞれを関数値算出関数とは異なる所定の関数に代入することにより範囲境界値を算出する。
【0013】
関数値算出部100が算出した複数の関数値それぞれを関数値算出関数とは異なる所定の関数に代入することにより範囲境界値が算出されると、画像のうち画素のいずれもが受けるものではない特別な影響を受けた箇所に配置される画素は、画像情報受付部62が受付けた画像情報に含まれる画素に基づいて検出されることとなる。そのようにして画素が検出されると、画像情報受付部62が受付けた画像情報に基づかず得られた範囲境界値が用いられる場合に比べて、損傷280がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0014】
もしくは、上述された境界値算出部104が、関数平均値算出部120と、標準偏差算出部122と、平均値加算部124とを有していることが望ましい。関数平均値算出部120は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100が関数値を算出した後、関数平均値を算出する。関数平均値は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の平均値である。標準偏差算出部122は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の標準偏差を算出する。その標準偏差は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数平均値算出部120が関数平均値を算出した後に算出される。平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。
【0015】
標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として用いられると、判断対象画素情報が次に述べられる場合に所定の内容に統一されることとなる。その場合とは、その判断対象画素情報が輝度を示す画素と共代入画素情報が輝度を示す画素との間の差異が特異である確率が高い場合である。これにより、画像情報に含まれる画素の中で特異なものが検出され易くなる。そのような画素が検出されると、画素のいずれもが受けるに過ぎない影響のみを受けた画素も検出される場合に比べて、損傷280がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0016】
述された関数値算出関数が、判断対象画素情報が輝度を示す画素と少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素とによって形成される画素の集団における輝度の最大値と最小値との差を関数値として算出する関数である。
【0017】
上述された画素の集団における輝度の最大値と最小値との差が関数値として算出されると、画像情報に含まれる画素の中で特異なものが検出され易くなる。そのような画素が検出されると、損傷280がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、画像情報受付工程S152と、損傷情報作成工程S156と、処理情報出力工程S162とを備える。画像情報受付工程S152において、画像情報をコンピュータ20が受付ける。損傷情報作成工程S156において、画像情報から損傷280に関する情報をコンピュータ20が作成する。処理情報出力工程S162において、損傷情報作成工程S156において作成された損傷280に関する情報をコンピュータ20が出力する。画像情報が、複数の画素情報と、複数の位置情報とを含む。複数の画素情報は、それぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には、画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は、画像における位置を示す。損傷情報作成工程S156が、要件外画素検出工程S170と、画素内容統一工程S172とを有している。要件外画素検出工程S170において、次に述べられる画素情報が検出される。その画素情報は、複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす画素を示すものである。画素内容統一工程S172において、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一される。処理情報出力工程S162において、画素内容統一工程S172においてそれぞれ少なくとも一部が所定の内容に統一された画素情報を含む画像情報が損傷280に関する情報として出力される。要件外画素検出工程S170が、関数値算出工程S190と、境界判断工程S198とを有している。関数値算出工程S190において、関数値が算出される。関数値は、輝度を示す値の関係を示す。関数値は、判断対象画素情報と共代入画素情報とがそれぞれ示す輝度が、所定の関数である関数値算出関数に代入されることにより算出される。判断対象画素情報は、複数の画素情報のうち少なくとも1つである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、判断対象画素情報とは異なる画素情報である。境界判断工程S198において、関数値が範囲境界値を超えるか否かが判断される。共代入画素情報が輝度を示す画素が、判断対象画素情報が輝度を示す画素から見て所定の範囲内の距離にある。この場合、画素内容統一工程S172において、範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部が、所定の内容に統一される。上述された関数値算出関数が、判断対象画素情報が輝度を示す画素と少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素とによって形成される画素の集団における輝度の最大値と最小値との差を関数値として算出する関数である。
【0019】
本発明にかかる画像処理方法によれば、被撮影品表面における形態が線状である損傷280を際立たせ得る。
【0020】
本発明の他の局面に従うと、画像処理プログラムは、画像処理方法をコンピュータ20が実施するためのプログラムである。画像処理方法は、画像情報受付工程S152と、損傷情報作成工程S156と、処理情報出力工程S162とを備える。画像情報受付工程S152において、画像情報が受付けられる。損傷情報作成工程S156において、画像情報から損傷280に関する情報が作成される。処理情報出力工程S162において、損傷情報作成工程S156において作成された損傷280に関する情報が出力される。画像情報が、複数の画素情報と、複数の位置情報とを含む。複数の画素情報は、それぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には、画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は、画像における位置を示す。損傷情報作成工程S156が、要件外画素検出工程S170と、画素内容統一工程S172とを有している。要件外画素検出工程S170において、次に述べられる画素情報が検出される。その画素情報は、複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす画素を示すものである。画素内容統一工程S172において、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一される。処理情報出力工程S162において、画素内容統一工程S172においてそれぞれ少なくとも一部が所定の内容に統一された画素情報を含む画像情報が損傷280に関する情報として出力される。要件外画素検出工程S170が、関数値算出工程S190と、境界判断工程S198とを有している。関数値算出工程S190において、関数値が算出される。関数値は、輝度を示す値の関係を示す。関数値は、判断対象画素情報と共代入画素情報とがそれぞれ示す輝度が、所定の関数である関数値算出関数に代入されることにより算出される。判断対象画素情報は、複数の画素情報のうち少なくとも1つである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、判断対象画素情報とは異なる画素情報である。境界判断工程S198において、関数値が範囲境界値を超えるか否かが判断される。共代入画素情報が輝度を示す画素が、判断対象画素情報が輝度を示す画素から見て所定の範囲内の距離にある。この場合、画素内容統一工程S172において、範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報それぞれの少なくとも一部が、所定の内容に統一される。上述された関数値算出関数が、判断対象画素情報が輝度を示す画素と少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素とによって形成される画素の集団における輝度の最大値と最小値との差を関数値として算出する関数である。
【0021】
本発明にかかる画像処理プログラムによれば、被撮影品表面における形態が線状である損傷を際立たせ得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムによれば、被撮影品表面における形態が線状である損傷を際立たせ得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置の構成が示される概念図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置を実現するコンピュータのハードウェア構成が示される概念図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる要件外画素検出部の機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる境界値算出部の機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる画像処理方法の制御の手順が示されるフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態にかかる要件外画素検出工程における制御の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態にかかる境界値算出工程における制御の手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態において作成された画像情報の概念図である。
図10】本発明の一実施形態において検査対象である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。
図11】本発明の一実施形態において検査対象である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ2番目に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。
図12】本発明の一実施形態において損傷探索領域の画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ代入されるものの右端を示す概念図である。
図13】本発明の一実施形態において画像のうち引掻傷を構成する画素とその周りの画素とを示す概念図である。
図14】本発明の一実施形態において出力された処理情報のうち、損傷に関する情報に相当するものを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態が説明される。その説明において図面が参照される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付される。それらの名称および機能は同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0025】
[画像処理装置の構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる画像処理装置10の構成が示される概念図である。図1に基づいて、本実施形態にかかる画像処理装置10の構成が説明される。
【0026】
本実施形態にかかる画像処理装置10は、周知のコンピュータ20と、周知のマウス22と、周知のプリンタ24と、周知のカメラ26と、周知の照明器28とを備える。
【0027】
コンピュータ20は、情報を処理する。マウス22は、オペレータの入力に応じて信号を生成する。マウス22は、その信号をコンピュータ20に出力する。これにより、コンピュータ20に情報が入力される。プリンタ24は、コンピュータ20から受付けた情報を出力する。カメラ26は、画像を撮影する。本実施形態の場合、このカメラ26は周知の撮像素子と像を結ぶための周知の光学系とを有している。撮影によってその光学系は像を結ぶ。その像はその撮像素子によって画像を示す情報すなわち画像情報となる。照明器28は発光ダイオードを有している。その発光ダイオードが被検査品260へ光を照射する。本実施形態の場合、照明器28はコンピュータ20から電力の供給を受けている。一方、本実施形態の場合、照明器28はコンピュータ20による制御を受けない。この照明器28は人の操作に応じて点灯したり消灯したりする。
【0028】
図2は、上述されたコンピュータ20のハードウェア構成が示される概念図である。図2に基づいて、そのコンピュータ20のハードウェア構成が説明される。
【0029】
上述されたコンピュータ20は、制御部30と、メモリ32と、固定ディスク34と、キーボード36と、表示装置38と、コネクタ40と、第1I/O(Input/Output)42と、第2I/O44と、第3I/O46とを有する。
【0030】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現される。制御部30は、これがメモリ32から読出したプログラムを実行することにより、そのプログラムにおいて定められた手順にしたがってコンピュータ20を構成する各装置を制御する。メモリ32は、ROM(Read only memory)およびRAM(Random access memory)などによって実現される。メモリ32は、プログラムとデータその他の情報とを記憶する。固定ディスク34は、プログラムを記録する。キーボード36は、オペレータの入力に応じて信号を生成する。これにより、コンピュータ20に情報が入力される。表示装置38は、画像を表示することにより情報を出力する。コネクタ40にはUSB(Universal Serial Bus)メモリ140が接続される。USBメモリ140に記録されたプログラムおよび情報はコネクタ40を介して制御部30に読み込まれる。第1I/O42は、マウス22に接続される。第1I/O42は、マウス22と通信する。第2I/O44は、プリンタ24に接続される。第2I/O44は、プリンタ24と通信する。第3I/O46は、カメラ26に接続される。第3I/O46は、カメラ26と通信する。
【0031】
[画像処理装置の機能の説明]
図3は、本実施形態にかかる画像処理装置10の機能ブロック図である。図3に基づいて、本実施形態にかかる画像処理装置10の構成とその機能とが説明される。
【0032】
本実施形態にかかる画像処理装置10は、被検査品260の画像情報を受付け、その画像情報のうちその被検査品260表面における損傷が際立つようにその画像情報を変更し、変更されたその画像情報を出力する装置である。
【0033】
本実施形態にかかる画像処理装置10は、撮影部60と、画像情報受付部62と、画像情報記憶部64と、損傷情報作成部66と、識別情報認識部68と、処理情報作成部70と、処理情報出力部72とを備える。
【0034】
撮影部60は、制御部30、メモリ32、固定ディスク34、キーボード36、表示装置38、第2I/O44、第3I/O46、マウス22、カメラ26、および、照明器28によって実現される。撮影部60は撮影する。上述されたように、本実施形態にかかるカメラ26は周知の撮像素子を備える。撮影された画像はこの撮像素子によって画像を示す情報すなわち画像情報となる。撮像素子によって画像情報となった画像は画素の集合体である。本実施形態にかかる画像情報は、多数の画素情報を含んでいる。それら多数の画素情報は、それぞれ、個々の画素の輝度を示す値と個々の画素の色を示す値とを含んでいる。また、画像情報は、それら多数の画素情報に加え、多数の位置情報も含んでいる。それら多数の位置情報のいずれかに、上述された多数の画素情報が1対1で対応付けられている。
【0035】
画像情報受付部62は、制御部30、コネクタ40、および、第3I/O46によって実現される。画像情報受付部62は、撮影部60から画像情報を受付ける。
【0036】
画像情報記憶部64は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。画像情報記憶部64は、画像情報受付部62が受付けた画像情報を記憶する。
【0037】
損傷情報作成部66は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。損傷情報作成部66は、画像情報から損傷に関する情報を作成する。
【0038】
識別情報認識部68は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する。その識別情報272の例には文字とバーコードとがある。そのような識別情報272を認識するための具体的手段は周知である。したがってここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0039】
処理情報作成部70は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。処理情報作成部70は、識別情報認識部68によって認識された識別情報272、および、損傷情報作成部66によって作成された損傷に関する情報を結合することにより、処理情報を作成する。
【0040】
処理情報出力部72は、制御部30、メモリ32、固定ディスク34、キーボード36、表示装置38、第1I/O42、第2I/O44、マウス22、および、プリンタ24によって実現される。処理情報出力部72は、処理情報を出力する。これにより、損傷情報作成部66が検出した損傷に関する情報が出力されることとなる。
【0041】
本実施形態の場合、損傷情報作成部66は、要件外画素検出部80と、画素内容統一部82とを有している。
【0042】
要件外画素検出部80は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。要件外画素検出部80は、次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は、複数の画素情報のうち所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす画素を示すものである。本実施形態の場合の「所定の範囲内の距離」とは画素1個分以内の距離である。これにより、画像における位置が隣接する画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たす画素情報が検出される。
【0043】
画素内容統一部82は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。画素内容統一部82は、要件外画素検出部80が検出した画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する。本実施形態の場合、具体的には、輝度を示す値と色を示す値との双方が統一される。
【0044】
図4は、本実施形態にかかる要件外画素検出部80の機能ブロック図である。図4に基づいて、本実施形態にかかる要件外画素検出部80の構成とその機能とが説明される。
【0045】
本実施形態の場合、要件外画素検出部80が、関数値算出部100と、関数値記憶部102と、境界値算出部104と、境界判断部106と、範囲外画素位置記憶部108とを有している。
【0046】
関数値算出部100は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。本実施形態の場合、関数値算出部100は、複数の関数値を算出する。関数値は、輝度を示す値の関係を示す。その関係は、判断対象画素情報である輝度を示す値と共代入画素情報である輝度を示す値との関係である。本実施形態における具体的な判断対象画素情報および共代入画素情報は後述される。本実施形態の場合、関数値は、判断対象画素情報と共代入画素情報とを関数値算出関数に代入することにより算出される。関数値算出関数の具体的内容は後述される。
【0047】
関数値記憶部102は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。関数値記憶部102は、関数値算出部100が算出した複数の関数値を順次記憶する。
【0048】
境界値算出部104は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。境界値算出部104は、範囲境界値を算出する。範囲境界値は、関数値算出部100が算出した複数の関数値それぞれを関数値算出関数とは異なる関数に代入することにより算出される。
【0049】
境界判断部106は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。境界判断部106は、関数値が範囲境界値を超えるか否かを判断する。
【0050】
範囲外画素位置記憶部108は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。範囲外画素位置記憶部108は、次に述べられる位置情報を記憶する。その位置情報は、範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応するものである。
【0051】
図5は、本実施形態にかかる境界値算出部104の機能ブロック図である。図5に基づいて、本実施形態にかかる境界値算出部104の構成とその機能とが説明される。
【0052】
本実施形態の場合、境界値算出部104が、関数平均値算出部120と、標準偏差算出部122と、平均値加算部124とを有している。
【0053】
関数平均値算出部120は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100が関数値を算出した後、関数平均値を算出する。関数平均値は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の平均値である。
【0054】
標準偏差算出部122は、次に述べられる標準偏差を算出する。その標準偏差は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の標準偏差である。
【0055】
平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。本実施形態の場合、その係数は「4」であることとする。
【0056】
[プログラムの説明]
本実施形態にかかる画像処理装置10は、上述されたコンピュータ20の制御部30がメモリ32から読出したプログラムを実行することにより実現される。一般的にこうしたプログラムは、USBメモリ140などのコンピュータ20が読取可能な記録媒体に記録された状態で流通する。こうしたプログラムは図示されないインターネットを介して流通することもある。こうしたプログラムは、固定ディスク34にいったん記録される。制御部30が実行するプログラムは、その固定ディスク34に記録されたプログラムをメモリ32が記憶したものである。したがって、本実施形態にかかる画像処理装置10の最も本質的な部分は、USBメモリ140などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたプログラムである。
【0057】
[画像処理方法にかかるフローチャートの説明]
図6は、本実施形態にかかる画像処理方法の手順が示されるフローチャートである。この画像処理方法は、次に述べられる複数の工程を画像処理装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、撮影工程S150、画像情報受付工程S152、画像情報記憶工程S154、損傷情報作成工程S156、識別情報認識工程S158、処理情報作成工程S160、および、処理情報出力工程S162である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0058】
撮影工程S150にて、撮影部60として動作するマウス22およびキーボード36は、作業者の指示を受付ける。その指示が受付けられると、画像情報受付部62として動作する制御部30および第3I/O46は、カメラ26を制御する。画像情報受付部62として動作するカメラ26は撮影を実施する。撮影部60として動作するカメラ26はその撮影の直後に画像情報を作成する。作成された画像情報は画像情報受付部62として動作する第3I/O46へ出力される。
【0059】
画像情報受付工程S152において、画像情報受付部62として動作する第3I/O46は、撮影部60として動作するカメラ26が出力した画像情報を受付ける。これにより、画像情報受付部62は、画像情報を受付けることとなる。
【0060】
画像情報記憶工程S154において、画像情報記憶部64として動作する制御部30は、画像情報受付部62として動作する第3I/O46が受付けた画像情報を画像情報記憶部64として動作するメモリ32に記憶させる。これにより、画像情報記憶部64は、画像情報を記憶することとなる。
【0061】
損傷情報作成工程S156において、損傷情報作成部66は、画像情報記憶部64に記憶された画像情報から損傷に関する情報を作成する。この工程の具体的手順は後述される。
【0062】
識別情報認識工程S158において、識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する。その画像情報は、画像情報受付工程S152において受付けられたものである。この認識のための具体的手順は周知のものと同様である。したがってここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0063】
処理情報作成工程S160において、処理情報作成部70は、処理情報を作成する。処理情報は、識別情報認識工程S158において認識された識別情報272、および、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報を結合することにより作成される。
【0064】
処理情報出力工程S162において、処理情報出力部72は、処理情報作成工程S160において作成された処理情報を出力する。これにより、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報も出力されることとなる。
【0065】
本実施形態の場合、損傷情報作成工程S156が、要件外画素検出工程S170と、画素内容統一工程S172とを有している。
【0066】
要件外画素検出工程S170において、要件外画素検出部80は、次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は、画像における位置が所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たすものである。上述されたように、本実施形態の場合、その「所定の範囲内の距離」とは、画素1個分以内の距離である。すなわち、本実施形態の場合、画像における位置が隣接する画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たす画素情報が検出される。この工程の具体的手順は後述される。
【0067】
画素内容統一工程S172において、画素内容統一部82は、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する。本実施形態の場合、それらの画素情報は、輝度を示す値と色を示す値との双方が統一される。より具体的には、それらの画素情報は、予め定められた最大値となるように輝度を示す値が設定され、原色である赤色を示すように色を示す値が設定される。ここで言う要件外画素検出工程S170において検出された画素情報とは、境界判断部106が範囲外画素位置記憶部108へ出力した位置情報に対応付けられている画素情報である。すなわち、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報が上述された所定の内容に統一されることとなる。
【0068】
図7は、本実施形態にかかる要件外画素検出工程S170における制御の手順を示すフローチャートである。この工程は、次に述べられる複数の工程を画像処理装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、関数値算出工程S190、関数値記憶工程S192、算出終了判断工程S194、境界値算出工程S196、境界判断工程S198、範囲外画素位置出力工程S200、および、検出終了判断工程S202である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0069】
関数値算出工程S190において、関数値算出部100は、関数値を算出する。本実施形態の場合、その関数値の算出にあたり、複数の判断対象画素情報が所定の順序にしたがって関数値算出関数に代入される。その具体的手順は後述される。関数値算出部100は、自らが算出した関数値を関数値記憶部102に順次出力する。この関数値は、次に述べられる情報と共に出力される。それらの情報は、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報である。
【0070】
関数値記憶工程S192において、関数値記憶部102は、関数値算出部100が出力した関数値、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する。
【0071】
算出終了判断工程S194において、関数値算出部100は、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っているか否かを判断する。その値が残っていると判断された場合(S194にてYES)、処理はS190へと移される。そうでない場合(S194にてNO)、処理はS196へと移される。
【0072】
境界値算出工程S196において、境界値算出部104は、関数値算出部100が出力した関数値に基づき、範囲境界値を算出する。そのための具体的手順は後述される。
【0073】
境界判断工程S198において、境界判断部106は、次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する。その位置情報は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。位置情報を出力するか否かは、関数値算出部100が出力した関数値が範囲境界値を超えるか否かに基づき判断される。位置情報を出力すると判断された場合(S198にてYES)、処理はS200へと移される。そうでない場合(S198にてNO)、処理はS202へと移される。
【0074】
範囲外画素位置出力工程S200において、境界判断部106は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報を範囲外画素位置記憶部108へ出力する。
【0075】
検出終了判断工程S202において、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っているか否かを判断する。その関数値が残っていると判断された場合(S202にてYES)、処理はS198へと移される。そうでない場合(S202にてNO)、処理は終了する。
【0076】
図8は、本実施形態にかかる境界値算出工程S196における制御の手順を示すフローチャートである。この工程は、次に述べられる複数の工程を画像処理装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、関数平均値算出工程S220、標準偏差算出工程S222、および、平均値加算工程S224である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0077】
関数平均値算出工程S220において、関数平均値算出部120は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100が関数値を算出した後、関数平均値を算出する。
【0078】
標準偏差算出工程S222において、標準偏差算出部122は、標準偏差を算出する。その標準偏差は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の標準偏差である。その算出手順は周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0079】
平均値加算工程S224において、平均値加算部124は、次に述べられる値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。その値は、標準偏差算出工程S222において算出された標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値である。
【0080】
[動作の説明]
以下、本実施形態にかかる画像処理装置10の動作が説明される。まず、作業者は、撮影部60として動作する照明器28を点灯させる。照明器28が点灯すると、作業者は、撮影部60を操作することによりこれに指示を与える。撮影部60は、その指示を受付ける。その指示が受付けられると、画像情報受付部62として動作する制御部30および第3I/O46は、カメラ26を制御する。撮影部60は、被検査品260の表面を撮影する。撮影部60はその表面にかかる画像情報を作成する。図9は、この画像情報が示された概念図である。この画像情報には、検査対象270を示す領域とこの被検査品260の識別情報272を示す領域とが含まれている。また、検査対象270を示す領域には、引掻傷280が表れている。この場合、作成された画像情報は画像情報受付部62へ出力される(S150)。
【0081】
画像情報が出力されると、画像情報受付部62は、撮影部60が出力した画像情報を受付ける(S152)。画像情報記憶部64は、その画像情報を記憶する(S154)。
【0082】
画像情報が記憶されると、関数値算出部100は、次に述べられるように関数値を算出する(S190)。この場合、検査対象270である領域を構成する画素に関して関数値が算出される。図10は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。図10に示されているのは、検査対象270である領域のうち図9において左上の端にあたる部分である。図10において破線によって形成された1つ1つのマス目が1つ1つの画素を示している。本実施形態の場合、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ最初に代入されるのは、損傷探索領域のうち左から2列目で上から2行目の画素の輝度を示すものである。図10において、右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。本実施形態の場合、その輝度を示す値は、その画素から見て次に述べられる画素の輝度を示す値と共に関数値算出関数へ代入される。それらの画素は、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ最初に代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素である。つまり、1つの判断対象画素情報が示す輝度と8つの共代入画素情報がそれぞれ示す輝度とが関数値算出関数に代入される。図10において、右下がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。本実施形態の場合、関数値算出関数は、これら画素の集団における輝度の最大値と最小値との差を関数値として算出するための関数である。すなわち、この場合の関数値は、これら画素の集団における輝度の最大値と最小値との差である。
【0083】
その関数値が算出されると、関数値記憶部102は、関数値算出部100が出力した関数値、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する(S192)。
【0084】
その関数値が記憶されると、関数値算出部100は、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っているか否かを判断する(S194)。この場合、輝度を示す値が初めて関数値算出関数へ代入されたに過ぎないので(S194にてYES)、再度、関数値算出部100は、関数値を算出する(S190)。図11は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ2番目に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。この場合、検査対象270である領域を構成する画素のうちこれに対応する輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ2番目に代入されるのは、損傷探索領域のうち左から5列目で上から2行目の画素である。図11において、右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。最初に関数値算出関数へ代入された際と同様に、その輝度を示す値は、その画素から見て次に述べられる画素の輝度を示す値と共に関数値算出関数へ代入される。それらの画素は、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ2番目に代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素である。図11において、右下がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。関数値が算出されると、S190乃至S194の処理が繰り返される。これにより、輝度を示す値が関数値算出関数へ代入される画素は、次第に検査対象270である領域の右方の画素となっていく。
【0085】
本実施形態の場合、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素のいずれかが存在しないとき、それらの画素であって存在するものについても輝度を示す値は関数値算出関数へ代入されない。図12は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ代入されるものの右端を示す概念図である。図12において太い枠線に囲まれた領域内の画素の輝度の値が関数値算出関数へ代入され関数値が算出されると、次に輝度の値が関数値算出関数へ代入される画素は図10においてハッチングが示された画素の真下の9つの画素である。図10において太い枠線に囲まれた領域内の画素がそれらの画素である。
【0086】
その後、判断対象画素情報である輝度を示す値がすべて関数値算出関数に代入されたとする。この場合、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っていないと判断されるので(S194にてNO)、関数平均値算出部120は、関数値記憶部102が記憶した関数値に基づき、関数平均値を算出する(S220)。関数平均値が算出されると、標準偏差算出部122は、標準偏差を算出する(S222)。標準偏差が算出されると、平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数(本実施形態の場合は「4」)を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する(S224)。
【0087】
範囲境界値が算出されると、境界判断部106は、次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。その位置情報は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。この位置情報は、関数値記憶部102に記憶されている。最初に判断の対象となる位置情報は、輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入された判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。すなわち、図10において右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目が示す画素の判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。
【0088】
この場合、図9から明らかなように、画素ごとの輝度の差はほぼないので、それらの輝度を示す値に基づく関数値はゼロに近い値である。一方、範囲境界値はゼロより十分大きな値であることとする。これにより、関数値算出部100が算出した関数値は範囲境界値を超えないこととなる。その結果、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応付けられている位置情報は出力されないと判断されるので(S198にてNO)、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っているか否かを判断する(S202)。この場合、その関数値が残っていると判断されるので(S202にてYES)、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。以後同様にしてS190ないしS202の処理が繰り返される。
【0089】
その後、境界判断部106は、次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。その位置情報は、次に述べられる判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。その判断対象画素情報は、図10に示された引掻傷280を構成する画素の輝度の値、又は、この画素に隣接する画素の輝度の値を示すものである。図13は、画像のうち引掻傷280を構成する画素とその周りの画素とを示す概念図である。図13に示されたマス目のうち細かいハッチングが付されたものが引掻傷280を構成する画素である。図13に示されたマス目のうちハッチングが付されていないものが引掻傷280の周りの部分を構成する画素である。図13において太枠で囲まれたマス目がこの場合に画素情報が関数値算出関数へ代入される画素を示す。図13から明らかなように、これらの画素のうち引掻傷280を構成する画素の輝度は低く、その周りの部分を構成する画素の輝度は高い。これにより、これらの画素の画素情報に基づいて算出された関数値は範囲境界値を超えることとなる。その結果、その判断対象画素情報に対応付けられた位置情報を出力すると判断されるので(S198にてYES)、境界判断部106は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報を範囲外画素位置記憶部108へ出力する(S200)。その位置情報が出力されると、以後同様にしてS198ないしS202の処理が繰り返される。
【0090】
その後、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っていないと判断されると(S202にてNO)、画素内容統一部82は、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する(S172)。これにより、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報は、予め定められた最大値となるように輝度を示す値が設定され、原色である赤色を示すように色を示す値が設定される。
【0091】
画素情報それぞれの少なくとも一部が所定の内容に統一されると、識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する(S158)。これにより、被検査品260の識別情報272が認識されることとなる。識別情報272が認識されると、処理情報作成部70は、処理情報が作成される(S160)。この処理情報は、被検査品260の識別情報272と、損傷に関する情報とを含む。それらが含まれた処理情報が作成されると、処理情報出力部72は、処理情報作成工程S160において作成された処理情報を出力する(S162)。
【0092】
図14は、処理情報出力工程S162において出力された処理情報のうち、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報に相当するものを示す概念図である。上述の説明から明らかなように、本実施形態の場合、損傷に関する情報は画像情報である。その結果、本実施形態の場合、損傷に関する情報は画像として示されることとなる。上述の説明から明らかなように、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報は、予め定められた最大値となるように輝度を示す値が設定され、原色である赤色を示すように色を示す値が設定される。引掻傷280を構成するものとは異なる画素の中にも赤く示されるものがあるが、引掻傷280は際立つ。これを構成する画素が連なっているためである。
【0093】
[効果の説明]
本実施形態にかかる画像処理装置10によれば、被撮影品表面における形態が線状である損傷を際立たせ得る。
【0094】
[変形例の説明]
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0095】
例えば、画像情報記憶部64を備えることに代えて、画像情報受付部62自身が画像情報を記憶する機能を有していてもよい。これは画像情報受付部62がメモリ32をその要素とすることで可能となる。
【0096】
また、上述された関数値算出関数に輝度が代入される共代入画素情報の数は特に限定されない。例えば、関数値算出関数に代入される輝度が共代入画素情報の数は1つであってもよい。その場合、関数値算出関数は、判断対象画素情報の輝度と判断対象画素情報が輝度を示す画素に隣接する1つの画素の輝度との差の絶対値を関数値として算出するための関数であってもよい。この場合、多数の画素の間で様々な輝度に基づいて特異な画素が検出される場合に比べ、その検出を迅速化し得る。
【0097】
さらに、境界判断工程S198において境界判断部106が位置情報を出力するか否かを判断するための基準は、関数値算出部100が出力した関数値が範囲境界値を超えるか否かだけに依らなくてもよい。例えば、順次算出された複数の関数値が所定の要件を満たすときに位置情報を出力すると判断されてもよい。そのような要件の例には、それら複数の関数値がいずれも範囲境界値を超えないものの関数平均値よりも大きい場合、および、それら複数の関数値が順次大きくなる場合というものがある。範囲境界値は、予め定められた定数であってもよい。これらにより、ある画素とこれから見て所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす場合に前者の画素を示す画素情報が検出できればよい。
【0098】
さらに、境界判断工程S198において境界判断部106が位置情報を出力するか否かを判断するにあたっては、次に述べられる基準に基づいて判断されてもよい。その基準とは、複数種類の関数値がそれぞれについて定められた要件のうち少なくとも1要件を満たすか否かというものである。そのような複数種類の関数値の例には、それぞれ輝度を示す複数の値の最大値と最小値との差とそれら複数の値の平均値との組合せがある。その場合、範囲境界値はそれらの関数値ごとに定められてもよい。これらにより、ある画素とこれから見て所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす場合に前者の画素を示す画素情報が検出できればよい。
【0099】
また、本発明にかかる画像検査装置はカメラ26を備えていなくてもよい。カメラ26を備えることに代えて、コネクタ40を通じてUSBメモリ140に記録された画像情報を受付けてもよい。
【0100】
また、要件外画素検出部80が検出対象とする画素情報は、画像における位置が画素1個分の距離にある画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たすものに限定されない。画素1個分を超える所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たすものが検出されてもよい。
【0101】
また、本発明において、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれを画素内容統一部82がどのような内容に統一するかという点は特に限定されない。例えば、輝度を示す値のみが予め定められた最大値となるように統一されてもよい。色を示す値が赤色以外の何らかの色を示すように設定されてもよい。画素情報は白又は黒の一方を示すものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…画像処理装置
20…コンピュータ
22…マウス
24…プリンタ
26…カメラ
28…照明器
30…制御部
32…メモリ
34…固定ディスク
36…キーボード
38…表示装置
40…コネクタ
42…第1I/O
44…第2I/O
46…第3I/O
60…撮影部
62…画像情報受付部
64…画像情報記憶部
66…損傷情報作成部
68…識別情報認識部
70…処理情報作成部
72…処理情報出力部
80…要件外画素検出部
82…画素内容統一部
100…関数値算出部
102…関数値記憶部
104…境界値算出部
106…境界判断部
108…範囲外画素位置記憶部
120…関数平均値算出部
122…標準偏差算出部
124…平均値加算部
140…USBメモリ
260…被検査品
270…検査対象
272…識別情報
280…引掻傷
【要約】
【課題】被撮影品表面における形態が線状である損傷を際立たせる。
【解決手段】画像処理装置10は、画像情報受付部62と、損傷情報作成部66と、処理情報出力部72とを備える。画像情報受付部62は、画像情報を受付ける。損傷情報作成部66は、画像情報から損傷に関する情報を作成する。処理情報出力部72は、損傷情報作成部66が検出した損傷に関する情報を出力する。損傷情報作成部66が、要件外画素検出部80と、画素内容統一部82とを有している。要件外画素検出部80は、所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たす画素を示す画素情報を検出する。画素内容統一部82は、要件外画素検出部80が検出した画素情報それぞれの少なくとも一部を所定の内容に統一する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14