(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】スチーマー
(51)【国際特許分類】
D06F 75/40 20060101AFI20220908BHJP
D06F 75/10 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
D06F75/40
D06F75/10
(21)【出願番号】P 2018076687
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】高木 均
(72)【発明者】
【氏名】栗林 正人
(72)【発明者】
【氏名】笠原 浩文
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一也
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-116649(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1542719(KR,B1)
【文献】実開昭51-107982(JP,U)
【文献】特開2002-282598(JP,A)
【文献】特開2015-002820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/40
D06F 75/14-75/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチームを噴出するスチーム噴出孔を備えるスチーマー本体と、
前記スチーマー本体を載置する置台と、を備え、
前記スチーム噴出孔から噴出させたスチームが、前記置台を通過して当該置台の下に達する構成とし
、
前記置台は、中央が隆起して設けられて上面が平坦な上げ底部と、前記上げ底部の周端から上方に立ち上がって形成される筒状の周縁部とを有し、
前記周縁部の上端部の高さが前記上面よりも高く形成され、前記周縁部の上端部の内周が前記スチーマー本体の外周よりも大きく形成されることを特徴とするスチーマー。
【請求項2】
前記スチーマー本体は、スチームを噴出するスチーム噴出孔が開口形成された溝部を底面に有し、
前記置台は、
前記上げ底部の底面に
固定される置台掛面と、前記上面の中央に形成される第1の開口部とをさらに有し、
前記第1の開口部は、当該第1の開口部の外周に、前記スチーマー本体の前記底面と接触して当該スチーマー本体を載置する載置部を有し、当該載置部の内周は、前記溝部の外周と略同一形状に形成されて、前記スチーマー本体を前記置台に載置したときに、前記溝部の外周に前記載置部の内周が位置するように構成され、
前記置台掛面は、前記上げ底部の内側面と下面視略同一形状の第2の開口部を有することを特徴とする請求項1記載のスチーマー。
【請求項3】
前記置台は、前記スチーマー本体を載置する載置面と前記置台の底面との間に空間を有し、
前記スチーム噴出孔から噴出させたスチームを前記空間に蓄積可能に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のスチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類などの繊維製品にスチームを噴出するスチーム噴出孔を備えるスチーマー本体と、このスチーマー本体を載置する置台とを備えるスチーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスチーマーは多数報告されており、スチーマー本体の例としては、スチーマーと同様にスチームを噴出し、布地をプレスして皺伸ばしをするスチームアイロンで、底面に、スチームを噴出するスチーム穴と、窪みと、これらの窪みをつなぐ凹部とを有する掛面を備え、スチーム穴から噴出させたスチームを、スチーム穴のある窪みや凹部を介してスチーム穴のない窪み内の空間にもスチームを到達させて、繊維製品の繊維を膨潤させるものが報告されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繊維製品にスチームを掛ける際、例えばスチームアイロンで当該衣類の仕上がりを柔くする場合や、ふっくらした衣類にスチームを掛ける場合、あるいは高温に耐える素材であるか不明の衣類や熱に弱い衣類にスチームを掛ける場合に、当該スチームアイロンの掛面を繊維製品から浮かせてある程度の距離をとり、スチームのみを当該繊維製品に当てることがあり、掛面を有するスチーマーでも、同様に掛面を繊維製品から浮かせてスチームのみを当該繊維製品に当てていた。特許文献1のスチームアイロンでは、このスチームアイロンをユーザーが持ち上げ、スチーム穴を対象となる繊維製品に向けてスチームを噴出するため、ユーザーの手首などに負担がかかっていた。またスチーム噴出時にスチームアイロンと繊維製品との距離があるため、スチームが繊維製品の布地に浸みこまずに逃げてしまい、当該繊維製品に十分にスチームが到達しない虞があった。そして、スチーム噴出時の操作により持ち上げたスチームアイロンの場所が移動してしまう虞があり、その場合、繊維製品に均一にスチームを当てることができなかった。
【0005】
また、従来のスチーマーの置台は、当該スチーマーがコードレスの場合はスチーマー本体への給電機能も有するものの、スチーマー本体を使用しないときに当該スチーマー本体を載置するだけの機能しか有しておらず、保管を兼ねた付属品であってスチーマーのスチーム機能とは全く関係のないものであった。
図13および
図14を参照して従来のスチーマー100を説明すると、従来のスチーマー100は、スチーマー本体1と、このスチーマー本体1を載置する、中央が隆起した皿状の置台101からなり、スチーマー本体1の後部には、商用電源(図示せず)からの電力をスチーマー本体1内に導く電源コード3が配設される。なお、スチーマー本体1の詳細については後述する。
【0006】
置台101の構成を詳しく説明すると、置台101は、置台101中央に隆起して設けられ、上面が平坦な上げ底部102と、この上げ底部102の上面に設けられ、スチーマー本体1の底面と接触してこのスチーマー本体1を載置する載置部103と、上げ底部102の周端から上方に曲線状に立ち上がって形成される筒状の周縁部104と、床面や机の上などに置台101を載置するための脚部105とを備えて構成され、周縁部104は、この周縁部104の内面に沿って上下方向に延びる梁部104aを複数有して形成される。
【0007】
この従来のスチーマー100の置台101の使用に関する作用を説明すると、床面や机の上などに脚部105を接触させることにより置台101が載置され、載置部103にスチーマー本体1の底面を接触させることにより、スチーマー本体1を置台101に載置している。スチーマー本体1の底面の温度にかかわらずスチーマー本体1を載置できるように載置部103や周縁部104は耐熱性の材料からなり、また梁部104aはスチーマー本体1を置台101に載置したときに底面の周縁と接触して、置台101でスチーマー本体1を所定の位置に載置するためのガイドの役割も有している。しかしながら置台101は、スチーマー本体1の底面の温度にかかわらずスチーマー本体1を載置する機能は有するものの、その他の機能は有しておらず、スチーマー100のスチーム機能には全く関連しないものであった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、ユーザーの手首の負担を軽減し、対象となる繊維製品に均一にスチームを当てることができ、費用および部品点数を節約できるスチーマーを提供することを第1の目的とする。
【0009】
また、本発明は上記事情に鑑み、噴出されたスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができるスチーマーを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のスチーマーは、スチームを噴出するスチーム噴出孔を備えるスチーマー本体と、前記スチーマー本体を載置する置台と、を備え、前記スチーム噴出孔から噴出させたスチームが、前記置台を通過して当該置台の下に達する構成とし、前記置台は、中央が隆起して設けられて上面が平坦な上げ底部と、前記上げ底部の周端から上方に立ち上がって形成される筒状の周縁部とを有し、前記周縁部の上端部の高さが前記上面よりも高く形成され、前記周縁部の上端部の内周が前記スチーマー本体の外周よりも大きく形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ある程度の距離をとってスチームを噴出させる際には、スチーマー本体を置台に載置させたまま、繊維製品に置台を配置してスチームを噴出させればよいため、スチーマー本体を持ち上げる必要がなく、ユーザーの手首の負担軽減ができる。また、繊維製品からのスチームを噴出する距離を一定にすることができ、繊維製品に均一にスチームを当てることができる。そして、置台にこれらの機能を持たせているため、新たな付属品を追加する必要がなく、費用および部品点数を節約できる。また置台にスチーマー本体を載置したとき、置台内でスチーマー本体が前後方向や左右方向にガタつくことを防止できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、置台にスチーマー本体を載置してスチーム噴出孔からスチームを噴出させたとき、このスチームがスチーマー本体の底面と置台の上げ底部の上面との間に入り込むことを防止することができる。また、このスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、繊維製品近傍に滞留しているスチームを空間に一時的に蓄積することができるため、滞留しているスチームは周囲へ拡散されず、蓄積されたスチームは当該繊維製品へと送られて当該繊維製品への膨潤が多くなる。したがって、スチーマー本体から噴出するスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施例におけるスチーマー本体および置台の側面図である。
【
図2】同上、スチーマー本体および置台の下方からの斜視図である。
【
図3】同上、スチーマー本体の下方からの斜視図および置台の断面図である。
【
図4】同上、スチーマー本体および置台の縦断面図である。
【
図5】従来のスチームアイロンにおけるアイロン本体の要部の縦断面図である。
【
図6】同上、アイロン本体の下方からの斜視図である。
【
図7】同上、掛面部材の正面図、側面図および断面斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施例におけるアイロン本体の要部の縦断面図である。
【
図9】同上、アイロン本体の下方からの斜視図である。
【
図10】同上、掛面部材の正面図、側面図および断面斜視図である。
【
図11】従来のスチームアイロンで掛面部にガラス面を密着させて、5秒間スチームを出し続けた後の状態を示した図である。
【
図12】本発明の第2実施例におけるスチームアイロンで掛面部にガラス面を密着させて、5秒間スチームを出し続けた後の状態を示した図である。
【
図13】従来のスチーマーにおけるスチーマー本体および置台の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましいスチーマーの実施例について説明する。ここでいうスチーマーとは、衣類などの繊維製品に向けてスチームを噴出できるあらゆる製品を含む。
【実施例1】
【0016】
図1~
図4は、本発明の第1実施例のスチーマーを示している。先ずスチーマーの全体構成から説明すると、1はスチーマー本体であり、このスチーマー本体1は置台2に着脱自在に載置される。スチーマー本体1の後部には、商用電源(図示せず)からの電力をスチーマー本体1内に導く電源コード3が配設される。なお、本実施例は電源コード3から電源電圧をスチーマー本体1に直接供給する電源コード付きのスチーマーであるが、置台2を中継してスチーマー本体1に給電するコードレス式のスチーマーでも構わない。
【0017】
12は、スチーマー本体1の底部を形成する掛面であり、17は、掛面12に被せるように形成される耐熱プラスチック製の遮熱カバーである。また11は、遮熱カバー17にさらに被せるように形成される耐熱プラスチック製の外カバーであり、スチーマー本体1は、掛面12、遮熱カバー17および外カバー11で外面部が構成されている。13は、外カバー11上部に設けられ、側面から見て後端を開放した略U字状に形成された把手である。把手13の後述する連結部13b前方には液体を貯留するタンクとなる、例えば合成樹脂製の水タンク14が外カバー11内に設けられる。なお貯留する液体は水だけでなく、他のスチーム用の液体でもよい。15は、水タンク14の前部に相当する外カバー11前面に取付自在に設けられた注水口蓋であり、ここから水タンク14内に水を収容したり、水タンク14内の不要水を廃棄したりすることができる。16は、外カバー11前面で注水口蓋15下方に設けられた窓部であり、この窓部16を通して、水タンク14内の水の量を視認することができる。43は、遮熱カバー17上方に設けられ、水タンク14内の水を吸い上げて後述する滴下口42から滴下する電磁ポンプである。
【0018】
水タンク14の前面には、注液口としての注水口21が開口形成され、この注水口21に臨んで、取付可能な注水口蓋15が設けられる。注水口蓋15の下端部と外カバー11の前面との間には、注水口蓋15を指で取り外しやすくするのに、凹状の指掛け部22が形成される。そして、この指掛け部22に指を差し入れて、注水口蓋15の上端部を支点として注水口蓋15の下端部に力を加えることで注水口蓋15を取り外すと、開放した注水口21から水タンク14の内部に水を適宜注入することができ、その後で注水口蓋15を注水口21に嵌合させると、注水口蓋15が注水口21を密着状態で塞ぐことにより、注水口21からの水の漏出を防止する構成となっている。
【0019】
スチーマー本体1は、アルミダイキャスト成形品による基体8を掛面12に固定して備えている。基体8には、加熱手段となるシーズヒータ7が上面視略U字状に屈曲して埋設される。また基体8の上面側には、スチームを発生させるための気化室9がシーズヒータ7近傍に形成され、基体8の下面側には凹部18が形成される。このため掛面12に基体8を固定した際に、凹部18と掛面12上面とで囲まれたスチーム室19が形成され、気化室9とスチーム室19は孔部20を介して連通しており、気化室9で発生したスチームが孔部20を通ってスチーム室19へと流れるように構成される。気化室9への水の滴下は気化室9上方に設けられた滴下口42から行われ、後述するスチーム釦30を押動操作すると、スチーム釦30からのON信号を受けて電磁ポンプ43が動作し、水タンク14内の水を吸い上げ、この水を滴下口42に送って気化室9に滴下する。前記基体8は、この基体8に取付け固定される金属板状の気化室蓋44を備え、この気化室蓋44により気化室9の上面が形成される。
【0020】
25は、前記把手13と、この把手13の上部に配置される把手カバー26との2部品からなるハンドルとしての握り部である。把手部に相当する棒状の握り部25は、スチーマー本体1の腹部27との間に空洞28を有しており、握り部25の後部には、スチーマー本体1の後部から空洞28に手を差し入れて、握り部25を手で握ることができるように、空洞28に連通する開口部29が開口形成される。前記握り部25は、その後部がスチーマー本体1のどの部位にも連結せずに、開口部29を形成して開放した形状を有する。また、前記腹部27は、握り部25に対向したスチーマー本体1の平坦状の中央上面部を指すものであり、本実施例では把手13の基部13aとして形成される。把手13は、この基部13aに加えて、基部13aの前側でU次状に立ち上がる連結部13bと、連結部13bより後側に延び、握り部25の下面部を形成する延設部13cとからなり、延設部13cを把手カバー26で覆うことで、スチーマー本体1の握り部25が構成される。30は、スチーマー本体1下面に配置されているスチーム噴出孔12cからスチーム噴出を行なうスチーム釦であり、連結部13b近傍の延設部13cに設置されている。このスチーム釦30を操作することでONになり、スチーム釦30からのON信号を受けて、電磁ポンプ43が一定速度で気化室9に水を滴下するように構成されている。
【0021】
33はスチーマー本体1の上部に設けられた操作部としての電源スイッチで、この電源スイッチ33を操作することで、スチーマー本体1の電源ON・OFFが行なわれる。34は、表示部としての通電ランプであり、スチーマー本体1の電源がONの際に点灯または点滅表示し、前記基体8の温度が低いときは点滅表示し、適温になると点灯表示になる。把手13の内部には、前記シーズヒータ7を適宜通断電制御することにより、基体8を所定の温度に維持するように制御する温度制御装置35が設けられる。
【0022】
スチーマー本体1の掛面に相当する掛面12の底面12aは、加飾とスチーマー本体1の走行性を兼ねてセラミックコーティングが施される。前記底面12aの中央部分には、上面視略楕円形状の溝部12bが形成され、この溝部12bの底部にスチーム噴出孔12cが、略等間隔ごとに開口形成される。スチーム孔12cはスチーム室19と連通しており、このスチーム室19に流れてきたスチームが、スチーム孔12cを通って外部に噴出するように構成される。
【0023】
続いて、スチーマー本体1を載置する置台2の構成を詳しく説明する。置台2は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製で中央が隆起した皿状の置台本体51と、この置台本体51の底面に固定されるSUS製でプレート状の置台掛面52と、からなる。なお本実施例の置台2は、図示しないが、スチーマー本体1を載置した際に置台2をスチーマー本体1に着脱自在に固定できる構造を有している。
【0024】
本実施例の置台本体51は、置台本体51中央に隆起して設けられ、上面が平坦な上げ底部53と、この上げ底部53の上面に設けられ、底面12aと接触してスチーマー本体1を載置する載置部54と、上げ底部53の上面中央に形成される略楕円状の開口部55と、上げ底部53の周端から上方に曲線状に立ち上がって形成される筒状の周縁部56と、置台本体51と置台掛面52を接続している接続部57とを備えて構成されている。
【0025】
周縁部56の高さは載置部54の底面12aとの接触部よりも高く形成され、また周縁部56の上端部の内周はスチーマー本体1の外周よりも一回り大きく形成されている。そして周縁部56は、この周縁部56の内面に沿って上下方向に延びる梁部56aを複数有しており、この梁部56aが、周縁部56を補強することに加えて、スチーマー本体1を置台2に載置したときに底面12aの周縁と接触して、置台2でスチーマー本体1を所定の位置に載置するためのガイドの役割も有するように構成される。そのため置台2にスチーマー本体1を載置したとき、置台2内でスチーマー本体1が前後方向や左右方向にガタつくことを防止できる。なおスチーマー本体1を置台2に載置したときに、梁部56aが外カバー11の外周と接触する構成としてもよい。また周縁部56の内面や、外カバー11または掛面12の外面に係止部や係止受部を設け、置台2にスチーマー本体1を載置したときに、これらの係止部と係止受部を係合させて、スチーマー本体1と置台2を着脱自在に固定するように構成してもよい。
【0026】
開口部55は、底面12aと接触してスチーマー本体1を載置する上面視楕円状の環状載置部55aを有しており、この環状載置部55aの内周形状は、掛面12の溝部12bの外周の楕円と略同一形状に形成される。また
図2や
図3に示すように、スチーマー本体1を置台2に載置したときに、環状載置部55aの上面に底面12aが接触し、溝部12bの外周に環状載置部55aの内周が位置するよう構成されている。このような構成により、置台2にスチーマー本体1を載置してスチーム噴出孔12cからスチームを噴出させたとき、このスチームが底面12aと上げ底部53の間に入り込むことを防止している。
【0027】
上げ底部53は凸状に形成され、置台本体51に置台掛面52を固定した際に、上げ底部53上面と置台掛面52の後述する底面52aとの間に距離ができ、繊維製品の上に置台2を配置した際に、上げ底部53上面と底面52aとの間に、この上げ底部53と繊維製品とで囲まれる空間58が形成されるようになっている。この空間58は、スチーマー本体1を置台2に載置した状態で、環状載置部55aを介してスチーム噴出孔12cと連通しており、この状態で繊維製品の上に置台2を配置してスチームを噴出させた場合、空間58に噴出したスチームを一時的に蓄積できるように構成される。そのため、蓄積したスチームを繊維製品へと送ることで繊維製品への膨潤が多くなり、スチームを逃さないのでスチーマー本体1から噴出するスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができる。
【0028】
接続部57は壁状に形成され、置台本体51の底部に相当する上げ底部53の周端付近に設けられて置台掛面52の上面と接続し、この接続部57を介して、置台掛面52が置台本体51に固定される。また本実施例では、接続部57は置台本体51の底部全周に設けられておらず、下面視環状ではない。そのため接続部57同士の間に、置台本体51と置台掛面52に挟まれた隙間59が形成されている。このような構成により、空間58に噴出したスチームを一時的に蓄積する際に、余分なスチームを隙間59から置台2外部に放出することができ、蓄積したスチームが上げ底部53内部の空間58で結露することを抑制できる。
【0029】
置台掛面52は楕円環状に形成されており、接続部57を介して置台本体51の底面に固定され、スチーマーの掛面となる底面52aの中央に、略楕円状の開口部52bを形成して構成される。上述したように置台2がスチーマー本体1に着脱自在に固定され、また梁部56aが底面12aの周縁と接触するため、繊維製品の上に置台2ごとスチーマー本体1を配置した状態で、底面52aを掛面としてスチーマーを前後左右に少しの力で軽く動かすことができる。また後述するように、置台掛面52にスチームが直接当たらない構成のため底面52aは低温であり、底面52aに触れてもやけどの心配がない。なお底面52aはセラミックコーティングが施されてもよい。
【0030】
開口部52bは、上げ底部53の内側面と下面視略同形状に形成されており、この上げ底部53の周端の真下に位置するよう配置される。そのため置台2は、スチーマー本体1の掛面となる底面12a側、すなわちスチーム噴出孔12c側にスチームを遮る壁がなく、スチーマー本体1を置台2に載置した状態でスチームを噴出させた場合、噴出したスチームは開口部55と開口部52bを貫通して、そのまま置台2の下に達する構造を有している。また空間58に蓄積したスチームが置台掛面52に接触する面積を最小限にすることで、このスチームを無駄なく繊維製品に到達させるように構成している。
【0031】
次に上記構成において、特にスチーム機能に関する作用を説明すると、注水口蓋15を開けて、所定量の水を水タンク14に収容し、注水口蓋15を閉める。続いて、電源コード3の電源プラグをコンセントに差し込むことで、スチーマー本体1に電源電圧を供給する。この給電状態の時に電源スイッチ33を押動操作すると、スチーマー本体1は電源ON状態となり、スチーマー本体1の内部では、図示しない温度検知手段としてのサーミスタで検知される基体8の温度が所定の温度となるように、温度制御装置35がシーズヒータ7を通断電制御して、気化室9を含む基体8を加熱し、通電ランプ34を点滅表示させる。その一方で、基体8の温度が所定の温度に達したことを温度検知手段で検知すると、温度制御装置35は通電ランプ34を点灯表示させる。そのため、ユーザーはスチーマー本体1の使用可否の目安を一目で理解することができる。
【0032】
次にスチーマー本体1の使用に関する作用を説明すると、握り部25を手で握ってスチーマー本体1をスチーム噴出の対象物となる繊維製品に掛面12の底面12aを向け、スチーム釦30を押動操作すると、スチーム釦30がONになって、電磁ポンプ43が水タンク14内の水を吸い上げて、滴下口42から一定速度で気化室9に水を滴下させる。この時、基体8の温度が所定の温度に達している場合は、加熱した気化室9で水が気化されてスチームが発生し、このスチームが孔部20を通過してスチーム室19へと流れ、スチーム室19と連通したスチーム噴出孔12cを通過して、繊維製品に所定量のスチームを噴出させることができる。したがって、気化室9およびシーズヒータ7を有する基体8は、液体としての水を気化させるスチーム発生装置として作用している。
【0033】
また置台2に載置した状態における、スチーマー本体1の使用に関する作用を説明すると、先ず握り部25を手で握り、置台掛面52の底面52aを下にして、スチーマー本体1を置台2ごとスチーム噴出の対象物となる繊維製品に配置する。このとき、置台2はスチーマー本体1に着脱自在に固定されているため、当該配置時に置台2がスチーマー本体1から外れてしまうことはない。続いてスチーム釦30を押動操作すると、基体8の温度が所定の温度に達している場合は上述したように、加熱した気化室9で水が気化されてスチームが発生し、スチーム噴出孔12cからスチームを噴出させる。このとき置台2はスチーム噴出孔12c側にスチームを遮る壁がないので、噴出したスチームは開口部55と開口部52bを通過して置台2の下にある繊維製品の布地に到達する。したがって、ある程度の距離をとってスチームを噴出させる際には、スチーマー本体1を置台2ごと繊維製品に配置したままスチーム釦30を押動操作すればいいため、スチーマー本体1を持ち上げる必要がなく、ユーザーの手首の負担軽減ができる。またスチーマー本体1を置台2に載置してスチームを噴出させるため、繊維製品の布地にスチームを噴出する距離を一定にすることができ、布地に均一にスチームを当てることができる。そして置台2にこれらの機能を持たせているため、新たな付属品を追加する必要がなく、費用および部品点数を節約できる。
【0034】
布地に到達したスチームの内、一定量はこの布地に速やかに浸みこむ。その一方で、その他のスチームは、すぐには布地に浸みこまずに布地近傍に滞留している。しかしながら、本実施例の置台2は、上げ底部53上面と底面52aとの間に、この上げ底部53と繊維製品とで囲まれる空間58が形成されているため、この滞留しているスチームが空間58に一時的に蓄積される。このため、滞留しているスチームは周囲へ拡散されず、蓄積されたスチームは繊維製品へと送られてこの繊維製品への膨潤が多くなる。したがって、スチーマー本体1から噴出するスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができる。また、このとき余分なスチームは隙間59から置台2外部に放出され、蓄積したスチームが上げ底部53内部の空間58で結露することを抑制している。
【0035】
その後、この繊維製品の皺を延ばす場合、スチーマー本体1を置台2に載置した状態で握り部25を手で握り、置台2ごとスチーマー本体1を前後左右に動かす。このとき、本実施例のスチーマーは置台2がスチーマー本体1に着脱自在に固定され、また置台2に、スチーマー本体1の底面12aの周縁と接触する梁部56aを設けているため、置台2内でスチーマー本体1が前後方向や左右方向にガタつくことがない。そして置台2に、掛面となる置台掛面52の底面52aを設けているため、スチーマー本体1を置台2ごと少しの力で軽く動かすことができる。さらに置台掛面52は開口部52bが形成されているためスチームが直接当たらず、底面52aは低温のままであり、触れてもやけどの心配がない。
【0036】
以上のように、本実施例のスチーマーは、スチームを噴出するスチーム噴出孔12cを備えるスチーマー本体1と、スチーマー本体1を載置する置台2と、を備え、スチーム噴出孔12cから噴出させたスチームが、置台2に設けられた置台本体51の開口部55および置台掛面52の開口部52bを通過して当該置台2の下に達する構成としている。このため、ある程度の距離をとってスチームを噴出させる際には、スチーマー本体1を置台2に載置させたまま、繊維製品に置台2を配置してスチームを噴出させればよいため、スチーマー本体1を持ち上げる必要がなく、ユーザーの手首の負担軽減ができる。また繊維製品の布地にスチームを噴出する距離を一定にすることができ、この布地に均一にスチームを当てることができる。そして置台2に、スチーマー本体1を載置する機能に加えてこれらの機能を持たせているため、新たな付属品を追加する必要がなく、費用および部品点数を節約できる。
【0037】
また本実施例の置台2は底面に掛面としての底面52aを備えており、スチーマーを繊維製品の上に配置したときに、底面52aが当該繊維製品に直接当接可能な掛面となり、スチーマー本体1を置台2に載置した状態でスチーマーを繊維製品の上に配置し、底面52aを掛面として前後左右に少しの力で軽く動かすことができる。また底面52aに開口部52bを形成しているため、スチームが直接置台掛面52に当たらず底面52aは低温であり、触れてもやけどの心配がない。
【0038】
また本実施例の置台2は繊維製品の上に置台2を配置した際に、スチーマー本体1を載置する載置面としての上げ底部53上面と置台2の底面としての底面52aとの間に、この上げ底部53と繊維製品とで囲まれる空間58を有し、スチーム噴出孔12cから噴出させたスチームを空間58に蓄積可能に構成している。このため、繊維製品近傍に滞留しているスチームを空間58に一時的に蓄積することができ、滞留しているスチームは周囲へ拡散されず、蓄積されたスチームは当該繊維製品へと送られて当該繊維製品への膨潤が多くなる。したがって、スチーマー本体1から噴出するスチームを無駄なく繊維製品に到達させることができる。
【実施例2】
【0039】
図8~
図10は、本発明の第2実施例のスチーマーを示し、
図5~
図7は従来のスチームアイロンを示している。なお、第1実施例のスチーマーと共通する構成には、同一の符号を付し、同一の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0040】
本実施例では、第1実施例の掛面12の底面12aに相当する掛面部材71の掛面部75に、第1実施例の溝部12bに相当する凹部77を形成し、掛面部75を繊維製品に当接させた際に凹部77と繊維製品とで囲まれ、内部に蒸気を閉じ込める広い空間79を有する構成としている。
【0041】
従来、スチーマーやスチームアイロンの掛面において溝部を形成し、衣類などの繊維製品にこの掛面を配置してスチームを噴出し、上述の溝部内にスチームを留めてこの溝部の下の繊維製品を膨潤させる方法が提案されている。
図5~
図7を参照して従来のスチームアイロン200を説明すると、基体8の底面にプレート状の掛面部材202を具備してベース部203を構成しており、締結部材であるネジ204により掛面部材202が基体8に密着固定される。このため掛面部材202を基体8に固定した際に、凹部18と掛面部材202上面とで囲まれたスチーム室19’が形成される。
【0042】
掛面部材202の底面202aには、繊維製品に当接する水平で略平坦な掛面部211と、掛面部211の後端から上方に傾斜する傾斜面212が形成される。掛面部211には第1実施例の溝部12bに相当する溝部213,214および215が形成されており、掛面部211の先端側領域には溝部213が掛面部211先端に沿った三日月状に形成され、この溝部213の底部には、第1実施例のスチーム噴出孔12cに相当する複数のスチーム噴出孔216が開口形成される。また溝部214は溝部213の後方領域に掛面部211の側縁に沿った略U字状に形成され、溝部215は溝部214の内側領域に掛面部211の後縁および溝部214の内側に沿った略U字状に形成される。そして、これらの溝部214,215の底部には、やはり第1実施例のスチーム噴出孔12cに相当する複数のスチーム噴出孔217が開口形成される。
【0043】
このような構成のスチームアイロン200で掛面部211を繊維製品に当接させてスチームを噴出させると、スチームを噴出させた溝部213,214および215の内部にスチームが閉じ込められる。しかしながら、これらの溝部213,214および215の内部空間が小さいために閉じ込めたスチームがすぐに気化し、この気化したスチームが、これらの溝部213,214および215の外部に逃げてしまって掛面部211全体にスチームが行き届かず、また繊維製品に与えるスチーム量も少量であった。そこで本実施例では掛面部75全体に凹部77を形成し、この掛面部75全体にスチームが行き届くようにしている。
【0044】
本実施例の構成を、
図8~
図10を参照しながら説明すると、1’はスチーマーの本体に相当するアイロン本体であり、このアイロン本体1’は、従来のスチームアイロン200と同様に、基体8の底面にプレート状の掛面部材71を具備してベース部72を構成しており、掛面部材71上面に設けられた雌ネジ部74にベース部72を締結部材であるネジ73で共締めすることにより、掛面部材71が基体8に密着固定され、このとき凹部18と掛面部材71上面とで囲まれたスチーム室19’が形成される。
【0045】
掛面部材71の底面71aに、繊維製品に当接する水平で略平坦な掛面部75と、掛面部75の後端から上方に傾斜する傾斜面76が形成されるのは従来のスチームアイロン200と同様であるが、本実施例では、掛面部75の略全域にドーム状の凹部77が形成される構成が従来のスチームアイロン200と相違している。掛面部75は、凹部77と、この凹部77の周縁部でもある周縁部78と、からなり、したがって掛面部75を繊維製品に当接させた際に、凹部77と繊維製品とで囲まれた空間79が形成されるようになっている。また凹部77では、従来のスチーム噴出孔216と下面視略同一位置に複数のスチーム噴出孔81が開口形成され、また従来のスチーム噴出孔217と下面視略同一位置に複数のスチーム噴出孔82が開口形成される。
【0046】
このような構成のスチームアイロン1’で掛面部75を繊維製品に当接させてスチームを噴出させると、噴出されたスチームが凹部77内に閉じ込められる。このとき、スチームの一定量はこの繊維製品に速やかに浸みこむ一方で、その他のスチームは、すぐには繊維製品に浸みこまずに、この繊維製品近傍に滞留している。しかしながら本実施例では、凹部77と繊維製品とで囲まれた内部空間である空間79が広く設けてあり、閉じ込めたスチームはすぐには気化せずに、空間79にこのスチームが蓄積される。このため、蓄積されたスチームが空間79全体に広がり、凹部77の全域、すなわち掛面部75全域に行き届き、繊維製品に与えるスチーム量も多くなる。
【0047】
本実施例のスチームアイロン1’は、繊維製品をスチームで膨潤させて皺をほぐした後、軽く皺を延ばす「蒸らし掛け」でアイロン掛けを行なうことができる。この蒸らし掛けに関する作用を説明すると、先ず、繊維製品で皺を延ばす場所にスチームアイロン1’の掛面部75を当接させて、スチーム噴出孔81またはスチーム噴出孔82からスチームを噴出させる。このとき、どちらのスチーム噴出孔81,82からスチームを噴出させても、スチームドームとしての凹部77内にスチームをとどめる構造のため、従来のスチームアイロン200と同一のスチーム量でも、より多くのスチームを繊維製品にかけることができる。
【0048】
続いて、ほぐした皺を掛面部75の周縁部78でプレスして延ばすが、周縁部78は従来のスチームアイロン200と比較して繊維製品との接触面が少ないために摩擦抵抗が低減されて滑り性が向上し、少しの力で軽く皺を延ばすことができる。またプレス面が周縁部78であるため、従来のスチームアイロン200と比較してプレス面が少なく、繊維製品が化繊の衣類の場合は、皺をプレスして延ばしてもこの繊維製品がテカりにくい。
【0049】
図11および
図12は、従来製品と本実施例における性能の比較結果を示したものである。
図11は、従来のスチームアイロン200で掛面部211にガラス面を密着させて、5秒間スチームを出し続けた後の状態を示したものであり、
図12は、本実施例のスチームアイロン1’で掛面部75にガラス面を密着させて、5秒間スチームを出し続けた後の状態を示したものである。
図11および
図12を比較すると、従来のスチームアイロン200では、溝部213,214および215が形成された箇所の下のガラス面のみにスチームが集中して残っており、掛面部211全体にスチームが行き届いていないことが確認できた。また本実施例のスチームアイロン1’と比較してガラス面に残されたスチームの量が少なく、したがって繊維製品に与えるスチーム量も少ないことが確認できた。
【0050】
その一方で本実施例のスチームアイロン1’では、掛面部75の下のガラス面全域にスチームが残っており、掛面部75全体にスチームが行き届いていることが確認できた。また従来のスチームアイロン200と比較してガラス面に残されたスチームの量が多く、したがって繊維製品に与えるスチーム量も多いことが確認できた。
【0051】
以上のように、本実施例のスチーマーの本体に相当するアイロン本体1’では、スチームを噴出するスチーム噴出孔81,82を有する金属板としての掛面部材71を底面に備え、前記掛面部材71の掛面としての掛面部75全体に凹部77を設け、掛面部75を繊維製品に当接させたときに凹部77と繊維製品とで囲まれた空間79を形成するように構成している。このため、掛面部75を繊維製品に当接させてスチームを噴出させると噴出されたスチームが凹部77内に閉じ込められるが、凹部77と繊維製品とで囲まれた内部空間である空間79が広く設けてあるため、閉じ込めたスチームはすぐには気化せずに、空間79にこのスチームが蓄積される。したがって、蓄積されたスチームが空間79全体に広がり、凹部77の全域、すなわち掛面部75全域に行き届き、繊維製品に与えるスチーム量も多くなる。
【0052】
また本実施例のアイロン本体1’では、掛面部75の周縁部78をプレス面としており、従来のスチームアイロン200と比較して繊維製品との接触面が少ないために摩擦抵抗が低減されて滑り性が向上し、少しの力で軽く皺を延ばすことができる。また従来のスチームアイロン200と比較してプレス面が少ないため、繊維製品が化繊の衣類の場合は、皺をプレスして延ばしてもこの繊維製品がテカりにくい。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、第1実施例と第2実施例の構成を組み合わせて構成してもよい。また、第1実施例および第2実施例の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず適宜変更が可能であり、例えば、第1実施例の載置部53や環状載置部55aを耐熱ゴム製にしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 スチーマー本体
2 置台
12a 底面(スチーマー本体の底面)
12b 溝部
12c スチーム噴出孔
52 置台掛面
52a 底面(置台の底面)
52b 開口部(第2の開口部)
53 上げ底部(載置面)
55a 環状載置部(載置部)
55 開口部(第1の開口部)
56 周縁部
58 空間