(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
A63F7/02 319
(21)【出願番号】P 2018135815
(22)【出願日】2018-07-19
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2017216998
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】中本 隆三
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-244496(JP,A)
【文献】特開平09-019552(JP,A)
【文献】特開2008-000420(JP,A)
【文献】特開2017-127760(JP,A)
【文献】特開2008-073334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の抽選条件が成立した場合に遊技者に有利な特別遊技状態の抽選を実行する抽選手段と、
図柄を変動表示することが可能であり、並べて設けられた第1変動表示部、第2変動表示部、及び第3変動表示部と、
前記第1変動表示部、前記第2変動表示部、及び前記第3変動表示部によって形成される通常入賞ライン
において、それらの変動表示部
に停止表示
された図柄の組み合わせが、前記特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせである場合に前記特別遊技状態を発生させる通常発生手段と、
図柄を変動表示すると共に、前記第1変動表示部と重なって設けられた内側変動表示部と、
前記第1変動表示部が前記内側変動表示部と重なって当該内側変動表示部を遮蔽した通常位置から、遊技者が前記内側変動表示部を視認可能な位置であり、前記第1変動表示部、前記内側変動表示部、及び前記第2変動表示部によって特別入賞ラインを形成する位置である特別位置に、当該第1変動表示部を移動させる移動手段と、
前記特別入賞ラインにおいて、前記第1変動表示部、前記内側変動表示部、及び前記第2変動表示部
に停止表示
された図柄の組み合わせが、前記特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせである場合に前記特別遊技状態を発生させる特別発生手段と、を備え
、
前記移動手段は、前記通常入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせに対応した抽選結果が外れであるが、前記第1変動表示部及び前記第2変動表示部に停止表示されている図柄が、当該第1変動表示部を前記特別位置に移動させると、前記特別入賞ラインにおいて前記特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせの一部を形成することになる図柄である場合に、前記第1変動表示部の前記特別位置への移動を開始させるものであり、
前記内側変動表示部は、前記第1変動表示部の前記特別位置への移動が開始される場合、当該第1変動表示部が前記特別位置に到達する前に、前記特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせの一部を形成する図柄を停止表示することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くのパチンコ遊技機では、大当たり状態の抽選を実行した場合、図柄変動の後に停止表示した図柄によってその抽選結果を報知する。例えば下記の特許文献1のパチンコ遊技機では、リール(ドラム)を用いた図柄の変動表示によって大当たり状態の抽選結果を報知している。
【0003】
上記のパチンコ遊技機では、図柄変動が単調化することを抑制するために様々な工夫がなされており、例えば特許文献1では、リールの内側にさらにリールを設け、外側のリールが透明な部位で停止した場合に、内側リールの図柄が視認可能になる図柄変動を実行することが記載されている。このように、従来のパチンコ遊技機では、図柄変動の実行態様を工夫することで、遊技者の遊技への注目度を高めようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の遊技機では、遊技者が遊技に慣れてくると、同様の図柄変動を実行しても遊技への注目度を高める効果が充分に得られなくなる。このため、遊技者の遊技への注目度を高めることができる斬新な図柄変動を実行可能な遊技機の開発が求められている。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、通常入賞ラインを形成する第1変動表示部、第2変動表示部、及び第3変動表示部に加えて、第1変動表示部と重なって設けられた内側変動表示部を有していると共に、内側変動表示部が視認可能となる特別位置に第1変動表示部を移動させる移動手段を有している。
【0008】
この遊技機では、特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせが、第1~第3変動表示部によって形成される通常入賞ライン上に停止表示された場合に特別遊技状態が発生する。さらに、特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせが通常入賞ライン上で停止しなくても、第1変動表示部が特別位置に移動して第2変動表示部及び内側変動表示部と共に形成する特別入賞ライン上で、特別遊技状態の発生に対応した図柄の組み合わせが停止すれば、特別遊技状態が発生する。
【0009】
このように本発明の遊技機では、第1変動表示部が移動することで特別入賞ラインを形成すると共に内側変動表示部が視認可能になる。つまり、この遊技機では、第1変動表示部の移動により単に内側変動表示部が視認可能になるだけではなく、内側変動表示部による図柄変動に第1変動表示部の停止図柄が関係することになる。これにより、第1変動表示部が移動するか否か、及び第1変動表示部に停止している図柄に遊技者が注目することになる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
【0010】
このように本発明の遊技機は、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能な優れた遊技機である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】可動部が左右にせり出した状態の図柄変動表示ユニットを示す斜視図。
【
図3】可動部が左右にせり出した状態の図柄変動表示ユニットの構造を示す断面図。
【
図4】可動部を収納する状態の図柄変動表示ユニットを示す斜視図。
【
図5】可動部を収納する状態の図柄変動表示ユニットの構造を示す断面図。
【
図7】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、図柄を変動表示する機能を備えたパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。この内容について、
図1~
図12を用いて説明する。
【0013】
パチンコ遊技機1は、パチンコ玉(玉)を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機1は、始動口への入賞に応じて大当たり状態(特別遊技状態)の抽選(大当たり抽選)が実行され、当否の抽選結果を報知する図柄変動(図柄の変動表示)が実行される、いわゆるセブン機である。パチンコ遊技機1では、大当たり状態以外の遊技状態として、遊技者側の有利度合いが低い通常状態のほか、図柄の変動時間が短くなる時短状態等が設定されている。
【0014】
図1に例示のパチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13を有し、その内側の遊技盤面に遊技領域130が形成された遊技機である。略円形状の遊技領域130の下部両側には左右一対のスピーカ孔131Sが配置され、遊技領域130の下側には玉供給皿135が遊技者側に張り出すように設けられている。玉供給皿135の右下には、玉供給皿135の玉を遊技領域130に向けて発射するための操作ハンドル15が立設されている。
【0015】
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側に位置するヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ部132と、が設けられている。
【0016】
玉供給皿135は、入賞に応じて払い出された賞球の玉や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。玉供給皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置341(
図7を参照。)に供給される。
【0017】
遊技領域130は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域130には、図柄を変動表示する中央表示器19を中心として、遊技領域130を流下した玉が入賞可能な入賞口である始動口12、通過ゲート14、大入賞装置16等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。遊技領域130の左側縁部にはLEDよりなる普図表示部182及び普図保留表示部183が配置されている。
【0018】
通過ゲート14は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート14には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート14を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。普図当選確率は、通常状態では1/30、確変状態及び時短状態では1/1となっている。
【0019】
普図表示部182は、普図判定結果の表示部である。普図表示部182は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。なお、普図の変動時間は通常状態で30秒、確変状態及び時短状態で1秒となっている。
普図保留表示部183は、普図保留として記憶(保留)された普図判定結果を表示できるよう、4つのLEDが縦に連設された表示部である。普図保留表示部183は、LEDの点灯個数により普図保留の保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0020】
始動口12は、大当たり抽選の契機となる入賞口(払出3個)である。始動口12に玉が入賞すると、大当たり抽選の抽選用乱数が抽出され大当たり抽選が実行される。始動口12は、一対の可動羽根121を開口部120に設けた電チュー(電動チューリップ)により構成されている。
【0021】
通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(
図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ玉が入賞する可能性がある。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(同図中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように機能する。このような開放状態では、始動口12への入賞が容易に発生する。始動口12の開放時間は、通常状態では0.2秒、確変状態及び時短状態では1.5秒×3回となっている。
【0022】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー16は、始動口12の下側に配置されている。アタッカー16は、横長略矩形状を呈する大入賞口160と、この大入賞口160を封止する蓋部材161と、を有している。
【0023】
平常時のアタッカー16では、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置し、大入賞口160が閉鎖状態となっている。蓋部材161が手前側に回動すると大入賞口160が開放状態となり、大入賞口160に玉を導くための受け皿として蓋部材161が機能する。なお、大入賞口160に入賞したときの払出は15個となっている。
【0024】
中央表示器19は、枠体191の内側に図柄表示窓190が配置された大型の表示器である。枠体191のうち、図柄表示窓190の上側に当たる部分には、大当たり抽選の抽選結果である特図保留の数を表示する特図保留表示部192が配置されている。この特図保留表示部192は、水平方向に配置された4箇所の表示ランプ192Sにより構成され、表示ランプ192Sの点灯数により特図保留の保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0025】
図柄表示窓190は、大当たり抽選の抽選結果を報知するために図柄を変動表示する表示窓である。図柄表示窓190の内側には、後述する可動機構を備える図柄変動表示ユニット5(
図2)が配置されている。図柄変動表示ユニット5は、通常3桁の図柄を図柄表示窓190に表示させる一方、リーチ演出等の特別な演出の実行時には左右方向に伸張して4桁あるいは5桁の図柄を図柄表示窓190に表示可能である。
【0026】
図柄変動表示ユニット5(
図2~
図5)は、5つのリール41、42を保持する筐体51を備えている。筐体51は、本体部511と、本体部511に収納可能なように両側に設けられた可動部512L、Rと、の組み合わせにより構成されている。本体部511は、角筒形状を元にして、4面の外周側面のうち遊技者側に対面する手前側の一面を取り外したような断面コの字状を呈する部材である。この本体部511では、角筒形状の筒方向に当たる長手方向の寸法を略三等分する2箇所に隔壁516L、Rが設けられ、内部に3か所の空間が形成されている。
【0027】
可動部512L、Rは、本体部511と同様、断面コの字状をなす一方、角筒形状の筒方向に当たる前記長手方向の一方の端部に側端壁を設けた部材である。この可動部512L、Rのコの字状の断面形状の大きさは、本体部511の内側に収納可能なように本体部511の断面形状よりもひと回り小さく設定されている。また、可動部512L、Rの前記長手方向の寸法については、本体部511の上記の3か所の空間のうち、隔壁516L、Rの外側に位置する空間に収納可能なように、この空間の前記長手方向の寸法よりも若干、短く設定されている。
【0028】
本体部511は、前記長手方向に沿うように取り付けられ、可動機構を構成するスライドレール518を介して可動部512L、Rを進退可能に支持している。可動部512L、Rは、可動機構を構成する駆動ギア(図示略)を介して移動モータ47L、Rによって駆動され、スライドレール518を利用して長手方向(左右方向、水平方向)に進退する。可動部512L、Rが長手方向外側に移動すると、本体部511の外側に可動部512L、Rがせり出し、これにより筐体51が長手方向に伸張する(
図2、
図3)。一方、可動部512L、Rが長手方向内側に移動すると、本体部511の内部に可動部512L、Rが収納されて、筐体51の長手方向の寸法が本体部511の寸法に略一致する(
図4、
図5)。
【0029】
なお、
図2~
図5では、可動部512L、Rの両方がせり出した場合と、両方が本体部511に収納された場合と、を例示しているが、可動部512L、Rの一方のみが外側にせり出し、他方が本体部511に収納される作動状態も設定可能となっている。また、
図2及び
図4では、構成の理解の容易のため、リール41、42を破線で図示している。
【0030】
図柄変動表示ユニット5(
図2~
図5)では、本体部511の隔壁516Lの両側の側面、隔壁516Rの側面のうち前記長手方向外側を向く側面、可動部512L、Rの側端壁の内側面、にそれぞれ、リール41(42)を回転駆動するためのリールモータ44(46)が同軸をなすように固定されている。リールモータ44(46)はいずれも同じ仕様のステッピングモータである一方、リールモータ44(46)に取り付けるリールには大きさの異なる2種類のリール41、42がある。
【0031】
隔壁516Lの前記長手方向内側を向く側面、及び可動部512L、Rの側端壁の内側面のリールモータ44C、L、Rには、大径のリール41C、L、Rが取り付けられている。隔壁516L、Rの長手方向外側を向く側面のリールモータ46L、Rには、小径の内側リール42L、Rが取り付けられている。各リール41、42は、リールモータ44、46の取付面とは反対側が開口するカップ形状のリールとなっている。
【0032】
ここで、隔壁516L、Rの前記長手方向外側を向く側面には、内側リール42L、Rに対して外挿配置される円筒形状の外筒52(
図3、
図5)が立設されている。この外筒52は、大径のリール41L、Rの内側に収容され得るよう、リール41L、Rよりも小径となっている。外筒52の外周面では、遊技者側に対面する位置に表示窓520(
図1参照。)が1箇所穿設されている。この表示窓520は、同時に2以上の図柄を表示できず、停止図柄を1個のみ表示する大きさの窓である。外筒52は遊技者の視線を遮断可能な素材で作られており、内側リール42の図柄は、表示窓520を介してのみ遊技者側から視認可能である。なお、
図2及び
図4では、外筒52の図示を省略している。
【0033】
可動部512L、Rに取り付けられた大径のリール41L、Rは、そのカップ形状の内側に、外筒52及び内側リール42L、Rを収容可能である。また、隔壁516L、Rの前記長手方向外側を向く側面のリールモータ46L、Rに取り付ける小径の内側リール42L、Rは、そのカップ形状により、可動部512L、Rに取り付けられたリールモータ44L、Rとの干渉を回避できる。例の図柄変動表示ユニット5では、大径のリール41L、Rを回転駆動する可動部512L、Rのリールモータ44L、Rと、小径の内側リール42L、Rを回転駆動するリールモータ46L、Rと、が同軸をなすように対向配置されている。そしてリール41L、R、内側リール42L、Rのカップ形状によって、大径のリール41L、Rと小径の内側リール42L、R及び外筒52との間、内側リール42L、Rとリールモータ44L、Rとの間、の干渉が回避されている。
【0034】
図柄変動表示ユニット5においては、
図2及び
図3のごとく、可動部512L(R)が前記長手方向外側に移動して本体部511からせり出すと、リール41L(R)と小径の内側リール42L(R)とが並列して遊技者側から視認可能な状態(特別位置)となる。一方、
図4及び
図5のごとく、可動部512L、Rが長手方向内側に移動して本体部511に収納されると、小径の内側リール42L、Rに対して大径のリール41L、Rが外挿配置されて重なる状態となり、小径の内側リール42L、Rが遊技者側から視認できなくなる(通常位置)。このとき、小径の内側リール42L、Rの内側に、可動部512L、Rに取り付けられたリールモータ44L、Rが収容される状態になって干渉が回避され、本体部511による可動部512L、Rの収納が可能となっている。
【0035】
このように本例のパチンコ遊技機1では、図柄を変動表示することが可能であり、並べて設けられた第1変動表示部、第2変動表示部、及び第3変動表示部として3つのリール41が設けられている。そして、図柄を変動表示すると共に、第1変動表示部と重なって設けられた内側変動表示部として、小径の内側リール42が設けられている。
【0036】
図柄変動表示ユニット5が備えるリール41、42は、外周面に複数種類の図柄415(
図1)が描かれた回転リールである。リール41、42は、上記のように、リール毎に個別に設けられたリールモータ44、46により独立して回転駆動される。リール41及び42の外周面には、略一定の間隔を空けて1~9までの9種類9個の数字の図柄415が配置されている。また、リール41、42には、図示しない基準位置片が回転方向の所定位置に取り付けられている。基準位置片の検出により、リール41、42の回転位置の検出が可能となっている。
【0037】
大径のリール41と、小径の内側リール42と、では、図柄表示窓190を介して遊技者側から視認され得る図柄415の個数が相違している。大径のリール41は、遊技者側に対して最大3個の停止図柄を表示可能である。一方、内側リール42は、外挿配置された外筒52の表示窓520を介して、1個の停止図柄のみを遊技者側に表示可能である。つまり、大径のリール41L、C、Rは、3個の図柄を変動表示する図柄表示領域195L、C、R(
図1)を形成し、小径の内側リール42L、Rは、1個の図柄を変動表示する特別図柄表示領域196L、R(
図1)を形成する。
【0038】
図柄変動表示ユニット5では、両外側のリール41L、Rが上記の特別位置(
図2、
図3参照。)にあるか、通常位置(
図4、
図5参照。)にあるか、に応じて、図柄表示窓190を介して遊技者側から視認できる図柄表示領域の構成が変化する。両外側のリール41L、Rがいずれも通常位置にあるときの図柄表示窓190には、
図6(a)のごとく、縦方向3図柄分の表示領域である図柄表示領域195L、C、Rが配置され、図柄表示窓190全体で3行3列の9個の図柄415が表示される。この場合、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ラインとして通常入賞ライン611A~Eが設定される。通常入賞ライン611A~Cは、上中下段、3本の水平方向の入賞ラインであり、通常入賞ライン611D、Eは、上記の3行3列のエリアの対角方向の入賞ラインである。
【0039】
一方、リール41L(R)が前記長手方向外側の特別位置に移動し、内側リール42L(R)が遊技者側から視認可能となったときには、
図6(b)あるいは(c)のごとく、図柄表示領域195L(R)と195Cとの間に間隙が生じ、内側リール42L(R)による特別図柄表示領域196L(R)が現れる。そしてこのときには、図柄表示領域195L(R)、C及び特別図柄表示領域196L(R)の組み合わせにおいて、縦方向1図柄分の特別図柄表示領域196L(R)を通過する水平方向の特別入賞ライン613(615)B、及び対角方向の特別入賞ライン613(615)D、Eが設定される。
【0040】
パチンコ遊技機1は、大当たり当選が発生したとき、大当たり状態の発生契機となる大当たり図柄をいずれかの入賞ラインに停止表示させてその当選を報知し、大当たり状態を発生させる。なお、大当たりの当選確率が高くなる確変状態の契機となる確変大当たりは、333、777など奇数の図柄415の組み合わせにより報知される。
【0041】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、
図7を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主制御回路20を中心として構成されている。主制御回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路33、玉の打込を制御する発射制御回路34、図柄の変動表示を含む遊技演出を制御する表示制御回路35、入賞玉あるいは通過玉のセンサ312~315、始動口(電チュー)12を開放させる電チューソレノイド322、アタッカー16を開放させる大入賞ソレノイド324、及び電力供給のための電源回路部328等が電気的に接続されている。
【0042】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、始動口12への入賞玉を検出する始動入賞部センサ313、通過ゲート14の通過玉を検出するゲート通過部センサ312、アタッカー16への入賞玉を検出する大入賞部センサ314、及び入賞せずにアウト孔138へ流下した玉を検出し計数する玉排出部センサ315等がある。
【0043】
払出制御回路33は、いずれかの入賞口で入賞が発生した旨の主制御回路20からの指示に応じて払出装置331を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作角度に応じて発射装置341を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0044】
表示制御回路35は、アンプ/スピーカ131や装飾ランプ部132による音や光の演出を制御する機能と、リール41L、C、R、及び内側リール42L、Rによる図柄の変動表示を制御する機能と、可動部512L、Rの位置を制御する機能と、を有する回路である。
【0045】
この表示制御回路35は、CPU(Central Processing Unit)351、記憶素子であるROM(Read Only Memory)352・RAM(Random Access Memory)353、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)354等が設けられて構成されている。表示制御回路35には、アンプ/スピーカ131や装飾ランプ部132等のほか、複数のモータが電気的に接続されている。表示制御回路35により制御されるモータとしては、全部で5個のリールモータ44L、C、R及び46L、Rのほか、可動部512L、Rを駆動する移動モータ47L、R等がある。さらに、この表示制御回路35には、基準位置検出センサ49が電気的に接続されている。この基準位置検出センサ49は、各リール41、42に取り付けられた基準位置片(図示略)を検出したときに検出信号を出力する。
【0046】
表示制御回路35は、リールモータ44、46の駆動によりリール41、42を回転させることで図柄の変動表示を実行させる。表示制御回路35では、基準位置検出センサ49の検出信号に応じてリール41、42の回転位置を特定可能である。そして、所定時間に亘って図柄の変動表示を実行した後、大当たり抽選の抽選結果に対応した図柄415を入賞ラインに停止表示させる。
【0047】
表示制御回路35は、移動モータ47L、Rとの組み合わせにより、第1変動表示部であるリール41L(R)が内側変動表示部である内側リール42L(R)と重なってこの内側リール42L(R)を遮蔽した通常位置から、遊技者が内側リール42L(R)を視認可能な位置であり、リール41L(R)、内側リール42L(R)、及び第2変動表示部であるリール41Cによって特別入賞ライン613(615)を形成する位置である特別位置に、リール41L(R)を移動させる移動手段としての機能を実現する。この移動手段は、リール41L、C、Rによる通常入賞ライン611に停止表示した図柄415の組み合わせに対応した抽選結果がハズレ(外れ)である場合に、例えば移動モータ47L(R)の回転に連動した前記駆動ギアの回転に伴って第1変動表示部としてのリール41L(R)を水平方向(前記長手方向に当たる左右方向)に駆動し、特別位置(
図2、
図3)に移動させる。
【0048】
主制御回路20は、
図7に示すごとく、CPU28、記憶素子であるROM29・RAM24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O25等を備えている。
【0049】
RAM24は、CPU28のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア241、及び普図保留エリア243が割り当てられている。特図保留エリア241は、大当たり抽選の抽選結果である特図保留の記憶領域である。普図保留エリア243は、普図判定結果の記憶領域である。
【0050】
ROM29は、CPU28に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり抽選用の抽選テーブル、及び普図判定用の抽選テーブルのほか、後述する演出抽選テーブルを記憶している。
大当たり抽選用の抽選テーブルでは、通常状態及び確変状態についてそれぞれ大当たりの当選乱数が規定されている。時短状態については、通常状態について規定された当選乱数が適用される。本例では、通常状態及び時短状態における大当たりの当選確率が1/300、確変状態における大当たりの当選確率が1/60になるように当選乱数が規定されている。なお、大当たり当選のうちの確変大当たりの割合は、大当たり当選時の50%に設定されている。
【0051】
演出抽選テーブルは、大当たり当選の場合に、上記の通常入賞ライン611、特別入賞ライン613、615のうち、いずれの入賞ラインで大当たり抽選結果を報知するか、及びその際の図柄変動の内容等を決定するための演出抽選用の抽選テーブルである。演出抽選テーブルでは、3種類の入賞ライン611、613、615毎にそれぞれ当選乱数が規定されている。演出抽選テーブルに対して大当たり抽選の抽選用乱数を照合することで、大当たり抽選の抽選結果を報知する入賞ラインや、その際の図柄変動の内容等が決定される。また、演出抽選テーブルは、大当たり抽選結果がハズレの場合に、リーチ演出を発生させるか否か、発生させる場合にはいずれの入賞ラインでリーチ演出を発生させるか、及びその際の図柄変動の内容等を決定するためにも用いるものである。
【0052】
通常入賞ライン611で大当たり抽選の抽選結果が報知される場合には、リーチ演出が発生する場合と、発生しない場合と、がある。演出抽選で通常入賞ライン611による報知が決定された場合には、併せてリーチ演出を発生させるか否かが決定される。
【0053】
一方、特別入賞ライン613、615で大当たり抽選の抽選結果が報知される場合、リーチ演出が発生する。特別入賞ライン613、615で報知が行われる場合のリーチ演出には、2種類のリーチ演出がある。
1つめのリーチ演出は、一の入賞ラインに先に停止表示した図柄415が大当たり図柄の組み合わせの一部を形成した状態で、その一の入賞ライン上の残りの図柄415が変動表示を継続するという通常のリーチ演出である。この通常のリーチ演出は、内側リール42で大当たり図柄(大当たり図柄を構成する図柄)が停止すれば大当たりというリーチ状態下で実行される。
2つめのリーチ演出は、リール41が上記の特別位置へ移動して特別入賞ライン613あるいは特別入賞ライン615が成立すれば、その特別入賞ライン上に大当たり図柄が表示されるというリーチ演出である。このリーチ演出は、リール41が特別位置へ移動できれば大当たりというリーチ状態下で実行される。なお、リール41の特別位置への移動が完了しなければ特別入賞ラインが成立せず、特別入賞ライン上での報知が行われない。この場合には、通常入賞ライン611上に停止表示済みのハズレ図柄によりハズレが確定する。以下の説明では、このリーチ演出を、特別入賞ラインの成否演出によるリーチ演出という。
【0054】
したがって、上記の演出抽選によれば、(1)通常入賞ライン611上の非リーチ演出による大当たり抽選結果(ハズレ)の報知演出パターン、(2)通常入賞ライン611上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン、(3)特別入賞ライン613上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン、(4)特別入賞ライン615上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン、(5)特別入賞ライン613、615の成否演出(リーチ演出)による大当たり抽選結果の報知演出パターン、のうちのいずれかの報知演出パターンが択一的に決定される。なお、これらの報知演出パターンの内容については後で詳しく説明する。
【0055】
大当たり抽選の抽選用乱数のうちの大当たりの当選乱数は、リーチ演出を含む上記の(2)~(5)の報知演出パターンのうちのいずれかに対応している。したがって、大当たり当選は必ずリーチ演出により大当たりが報知される。一方、大当たり抽選のハズレ乱数については、リーチ演出が実行されない上記の(1)の報知演出パターンに対応するハズレ乱数のほか、リーチ演出を含む上記の(2)~(5)の報知演出パターンに対応するハズレ乱数が設定されている。したがって、大当たり抽選がハズレのときでも、リーチ演出によりそのハズレが報知されることがある。
【0056】
主制御回路20は、
図7のごとく、ROM29から読み出した処理プログラムをCPU28に実行させることにより、以下の(1)~(6)の各手段としての機能を実現している。
(1)抽選手段:所定の抽選条件が成立した場合に遊技者に有利な特別遊技状態の一例である大当たり状態の抽選(大当たり抽選)を実行する手段。抽選手段は、始動口12に玉が入賞した場合に、抽選条件の成立に応じて乱数抽出部26が抽出する抽選用乱数を取得することで大当たり抽選等を実行する。
(2)記憶手段:抽選手段による抽選結果の一例である抽選用乱数を特図保留として記憶する手段。記憶手段は、所定の上限保留数の一例である4個を限度として、特図保留エリア241に特図保留を記憶する。なお、普図判定結果については、4個を上限として普図保留エリア243に普図保留として記憶する。
(3)読出手段:記憶手段により記憶されている特図保留を1つずつ読み出すと共に、特図保留の読み出しに応じて記憶手段の保留数(特図保留の記憶数)を減少させる手段。読出手段は、特図保留を読み出す際、記憶時点が古いものから順番に読み出す。なお、普図保留エリア243の普図保留についても同様に読み出される。
(4)当否判定手段:読出手段が読み出した特図保留の当否(大当たり当選か否か)を判定する手段。
(5)通常発生手段:リール41(第1変動表示部、第2変動表示部、及び第3変動表示部)によって形成される通常入賞ライン611において、それらのリール41L、C、Rが停止表示した図柄415の組み合わせが、大当たり状態(特別遊技状態)の発生に対応した図柄の組み合わせ(大当たり図柄)である場合に大当たり状態を発生させる手段。
(6)特別発生手段:特別入賞ライン613(615)において、第1変動表示部をなすリール41L(R)、内側変動表示部をなす内側リール42L(R)、及び第2変動表示部をなすリール41Cが停止表示した図柄415の組み合わせが、大当たり状態(特別遊技状態)の発生に対応した図柄の組み合わせ(大当たり図柄)である場合に大当たり状態を発生させる手段。
【0057】
次に、以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1の基本動作を概説する。このパチンコ遊技機1は、操作ハンドル15が右回転方向に操作されたとき、その操作角度に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート14などが配置された遊技領域130を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
【0058】
主制御回路20は、通過ゲート14を通過する玉を検出したとき、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主制御回路20は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部182を構成するLEDが点滅の後、点灯状態となる。ハズレのときには、点滅の後、消灯状態となる。主制御回路20は、普図判定に当選したとき、始動口(電動チューリップ)12の可動羽根121を開放させる。
【0059】
主制御回路20は、始動口12に入賞した玉を検出すると大当たり抽選の抽選用乱数の抽出を実行し、特図保留として特図保留エリア241に記憶する。ただし、特図保留エリア241の保留数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は特図保留エリア241に記憶されることなくそのまま消去される。
【0060】
大当たり状態が発生中ではないとき、主制御回路20は、図柄変動の停止中に特図保留エリア241の特図保留を記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を大当たり抽選用の抽選テーブルと照合して大当たり抽選の当否を決定する。さらに、同じ抽選用乱数を演出抽選用の抽選テーブルと照合し、大当たり抽選の抽選結果を報知するための報知演出パターン(後述)を決定する。
【0061】
特図保留を読み出した後、主制御回路20は、大当たり抽選の抽選結果、及び演出抽選の抽選結果を表示制御回路35に入力する。表示制御回路35は、大当たり抽選及び演出抽選の結果の入力を受けて、中央表示器19による図柄の変動表示を開始する。なお、図柄の変動表示の開始時には、図柄変動表示ユニット5の可動部512L、Rが本体部511に収納された状態、すなわちリール41L、Rが上記の通常位置に位置する状態(
図4、
図5参照。)を起点として図柄の変動表示が開始される。
【0062】
表示制御回路35は、リールモータ44、46に制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつ回転させることにより対応するリール41、42を回転させ、図柄の変動表示を実行する。なお、図柄の変動表示を実行する際、リール41L、C、Rは必ず回転駆動される一方、内側リール42L、Rについては、上記の演出抽選の結果に応じて適宜、回転駆動される。
【0063】
表示制御回路35は、リールモータ44、46に入力した制御パルス数、すなわちリールモータ44、46が回転したステップ数をカウントしている。このステップ数は、リール41、42の基準位置片の検出信号を取り込むごとにゼロリセットされ、直近の検出信号が発生した後のステップ数となっている。表示制御回路35は、ステップ数に基づいてリール41、42の回転位置を特定し、これにより表示中の図柄415を特定する。
【0064】
表示制御回路35は、大当たり当選の場合、リーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組み合わせである大当たり図柄を上記の通常入賞ライン611あるいは特別入賞ライン613、615に停止表示させる。確変大当たり当選の場合には、奇数の同じ数字の図柄の組み合わせが停止表示され、通常大当たり当選の場合には、偶数の同じ数字の図柄の組み合わせが停止表示される。一方、ハズレの場合には、揃いの図柄ではないハズレ図柄が停止表示される。
【0065】
大当たり当選が発生したとき、主制御回路20は、大当たりの報知を待って大当たり状態を発生させる。大当たり状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞口160を開放するラウンド処理が15回繰返し実行される。なお、1回の大当たり状態が発生したときの出玉(差玉=払出玉-打込玉)は約1500個となっている。
【0066】
主制御回路20は、通常大当たり状態の終了後には、始動口(電チュー)12が開放される電動サポート有りの時短状態を、図柄変動50回転に渡って発生させる。また、確変大当たり状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当たり状態の発生に応じて終了する。
【0067】
次に、本例のパチンコ遊技機1で実行される図柄の変動表示による演出内容について説明する。このパチンコ遊技機1では、大当たり抽選結果の報知演出パターンとして上記の(1)~(5)の報知演出パターンが設定されており、演出抽選によりいずれかの報知演出パターンが択一的に決定される。以下、各報知演出パターンにおける演出の内容を説明する。
【0068】
(1)通常入賞ライン611上の非リーチ演出による大当たり抽選結果(ハズレ)の報知演出パターン
この報知演出パターンは、大当たり抽選がハズレの場合にのみ実行されるパターンであり、リール41L、C、Rによる通常入賞ライン611でハズレを確定的に報知する。この報知演出パターンでは、リール41L、C、Rの回転が一斉に開始された後、左→右→中の順番で図柄が停止表示される。この報知演出パターンでは、
図8(a)のごとく、左リール41Lでいずれかの図柄415が停止表示された後、右リール41Rで異なる図柄415が停止表示され、この時点で、全ての通常入賞ライン611上でのハズレ図柄が確定する。そして、同図(b)のごとく、中リール41Cが停止した後、可動部512L、Rが移動することなく、リール41L、Rが通常位置(
図4、
図5参照。)に保持されたまま、大当たり抽選のハズレが確定する。
【0069】
(2)通常入賞ライン611上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン
この報知演出パターンは、いずれかの通常入賞ライン611上でのリーチ演出を経由して大当たり抽選結果を確定的に報知するパターンである。この報知演出パターンで報知される大当たり抽選結果としては、大当たり及びハズレの両方がある。この報知演出パターンは、リール41L、Rが通常位置に保持されたままで実行される。
【0070】
この報知演出パターンでは、
図9(a)のごとく、例えば通常入賞ライン611Bにおいて、左リール41Lでいずれかの図柄415が停止表示された後、右リール41Rで同じ図柄415が停止表示される一方、中リール41Cでは図柄の変動表示が継続中というリーチ状態が発生する。その後、大当たりのときは、中リール41Cで同じ図柄415が停止表示されて大当たりが確定的に報知される(同図(b))。一方、ハズレのときには、中リール41Cで異なる図柄415が停止表示されてハズレが確定的に報知される(同図(c))。
【0071】
(3)特別入賞ライン613上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン
この報知演出パターンは、
図10のごとく、リール41Lが移動して出現する特別入賞ライン613上でのリーチ演出により大当たり抽選結果を報知するパターンである。この報知演出パターンでは、同図(a)のごとく、リール41L、C、Rによる通常入賞ライン611にハズレ図柄が疑似的に停止表示された後、リール41Lに遮蔽された内側リール42Lの回転が開始される。そして同図(b)のごとく、移動モータ47Lにより可動部512Lが駆動されて外側に移動し、特別入賞ライン613上で中央の内側リール42Lのみが遊技者から(前側から)視認可能な状態で回転中という図柄変動の状態となる。なおここで、通常入賞ライン611上でのハズレ図柄の停止表示は、リーチ演出を経由しても良いし、経由しなくても良い。通常入賞ライン611上でリーチ演出を実行するか否かは演出抽選により決定すると良い。
【0072】
この報知演出パターンの実行時には、リール41L、C、Rが図柄を停止表示する際(
図10(a))、リール41Lの上段の図柄とリール41Cの下段の図柄とが同じであるか、リール41Lの下段の図柄とリール41Cの上段の図柄とが同じであるか、リール41Lの中段の図柄とリール41Cの中段の図柄とが同じであるように、リール41L、C、Rが制御される。つまり、第1変動表示部としてのリール41Lを外側の特別位置に移動させる上記の移動手段は、リール41L及び第2変動表示部としてのリール41Cが停止表示している図柄が、リール41Lを特別位置に移動させると、特別入賞ライン613において大当たり図柄の組み合わせの一部を形成することになる図柄である場合に、リール41Lを特別位置に移動させる。
【0073】
このようにリール41L、Cが停止していれば、その後、
図10(b)のごとく、リール41Lが外側の特別位置に移動して図柄変動中の内側リール42Lが現れたとき、例えば特別入賞ライン613Eでのリーチ状態となる。つまり、内側変動表示部としての内側リール42Lは、第1変動表示部としてのリール41L及び第2変動表示部としてのリール41Cが特別入賞ライン613において大当たり図柄の組み合わせの一部を形成している状況で、図柄を変動表示する。このリーチ状態の後、大当たりのときは、内側リール42Lの停止により、例えば特別入賞ライン613Eに図柄415が揃って大当たりが確定的に報知される(同図(c))。一方、ハズレのときは、特別入賞ライン613に同じ図柄415が揃わないように内側リール42Lが停止し、ハズレが確定的に報知される。
【0074】
(4)特別入賞ライン615上のリーチ演出による大当たり抽選結果の報知演出パターン
この報知演出パターンは、リール41Lが移動して出現する特別入賞ライン613上でのハズレ図柄の疑似的な停止表示(
図11(b))に続いて、リール41Rが移動して出現する特別入賞ライン615上でリーチ演出を実行して大当たり抽選結果を報知するパターンである。特別入賞ライン613にハズレ図柄を停止表示するまでの演出の流れは上記(3)の報知演出パターンと同様である。
【0075】
この報知演出パターンでは、特別入賞ライン613にハズレ図柄が疑似的に停止表示された後(
図11(b))、リール41Rに遮蔽された内側リール42Rの回転が開始される。そして同図(c)のごとく、移動モータ47Rにより可動部512Rが駆動されて外側に移動し、特別入賞ライン615上で中央の内側リール42Rのみ、遊技者から(前側から)視認可能な状態で回転中という図柄変動の状態となる。
【0076】
なお、この報知演出パターンの実行時には、最初にリール41L、C、Rが停止する際(
図11(a))、リール41Rの上段の図柄とリール41Cの下段の図柄とが同じであるか、リール41Rの下段の図柄とリール41Cの上段の図柄とが同じであるか、リール41Rの中段の図柄とリール41Cの中段の図柄とが同じであるようにリール41L、C、Rが制御される。つまり、第1変動表示部としてのリール41Rを外側の特別位置に移動させる上記の移動手段は、リール41R及び第2変動表示部としてのリール41Cが停止表示している図柄が、リール41Rを特別位置に移動させると、特別入賞ライン615において大当たり図柄の組み合わせの一部を形成することになる図柄である場合に、リール41Rを特別位置に移動させる。
【0077】
このようにリール41C、Rが停止していれば、その後、リール41Rが外側に移動して図柄変動中の内側リール42Rが現れたとき、例えば特別入賞ライン615Dでのリーチ状態となる(
図11(c))。つまり、内側変動表示部としての内側リール42Rは、第1変動表示部としてのリール41R及び第2変動表示部としてのリール41Cが特別入賞ライン615において大当たり図柄の組み合わせの一部を形成している状況で、図柄を変動表示する。このリーチ状態の後、大当たりのときは、内側リール42Rの停止により、例えば特別入賞ライン615Dに同じ図柄415が揃って大当たりが確定的に報知される(同図(d))。一方、ハズレのときは、特別入賞ライン615に同じ図柄415が揃わないように内側リール42Rが停止し、ハズレが確定的に報知される。
【0078】
(5)特別入賞ラインの成否演出(リーチ演出)による大当たり抽選結果の報知演出パターン
この報知演出パターンは、特別入賞ライン613(615)が成立するか否かという成否演出(リーチ演出)により大当たり抽選結果を報知するパターンである。この報知演出パターンは、
図12(a)のごとく、通常入賞ライン611にハズレ図柄が疑似的に停止表示された後、リール41が特別位置に向けて移動を開始する時点において既に内側リール42L(R)が停止している点で、(3)のパターンとは相違している。なお、通常入賞ライン611上でのハズレ図柄の停止表示の制御については(3)のパターンと同様である。この報知演出パターンとしては、リール41Lが特別位置に移動できるかどうかの演出パターンと、リール41Rが特別位置に移動できるかどうかの演出パターンと、の2種類がある。
図12は、リール41Lを利用する演出パターンを例示している。
【0079】
この報知演出パターンの実行時には、リール41L、C、Rが図柄を停止表示する際(
図12(a))、リール41Lの上段の図柄とリール41Cの下段の図柄とが同じであるか、リール41Lの下段の図柄とリール41Cの上段の図柄とが同じであるか、リール41Lの中段の図柄とリール41Cの中段の図柄とが同じであるように、リール41L、C、Rが制御される。さらに、内側変動表示部としての内側リール42Lについては、リール41Lとリール41Cが停止表示する“同じ図柄”と同じ図柄を停止表示するように回転位置が制御される。
【0080】
このようにリール41L、C、及び内側リール42Lが停止していれば、その後、リール41Lが外側の特別位置への移動を開始した後(
図12(b))、特別入賞ライン613Eが成立すれば、この特別入賞ライン613E上の図柄415が揃って大当たりが確定的に報知される(同図(c))。一方、ハズレのときは、リール41Lが外側の特別位置への移動を開始しても(同図(b))、特別位置への移動を完了できずに通常位置に戻ってしまう。この場合、特別入賞ライン613Eが成立せず、これにより、通常入賞ライン611に停止表示されたハズレ図柄によりハズレが確定的に報知される(同図(d))。
【0081】
特に、この特別入賞ライン613の成否演出(リーチ演出)である(5)の報知演出パターンでは、通常位置と特別位置との間の中間的な位置において、内側リール42Lが外側への移動と内側への移動を交互に繰り返すような制御が実行される。これにより、特別位置への移動の途中で、リール41Lが左右にガタガタと揺れるような進退を繰り返し、内側リール42Lの大当たり図柄が見え隠れするような演出が行われる(
図12(b))。リール41Lが特別位置への移動を完了できれば、特別入賞ライン613が成立して大当たりが確定するため、リール41Lが特別位置に移動できるかどうかについて、遊技者を注目させ、ワクワク感やドキドキ感を感じさせることができる。
【0082】
なお、(3)~(5)の報知演出パターンが実行されてリール41Lあるいはリール41Rが特別位置に移動した場合、図柄変動が全て終了して1回の大当たり抽選結果が確定的に報知された後、次の図柄変動が開始されるまでにリール41L、Rが元の通常位置に戻る。具体的には、移動モータ47L、Rの回転に連動した前記駆動ギアの回転に伴って可動部512L、Rが駆動されて内側に移動し、リール41L、Rが特別位置から通常位置に戻る。これにより、内側リール42L、Rは、リール41L、Rに再度遮蔽されて遊技者側から視認できない状態となる。
【0083】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1は、通常入賞ライン611を形成するリール41L、C、Rに加えて、リール41L(R)と重なって設けられた内側変動表示部である内側リール42L(R)を有していると共に、内側リール42L(R)が視認可能となる特別位置にリール41L(R)を移動できる。
【0084】
このパチンコ遊技機1では、リール41L、C、Rによって形成される通常入賞ライン611上に大当たり図柄が停止表示された場合に大当たり状態が発生する。さらに、通常入賞ライン611にハズレ図柄が停止した場合であっても、リール41L(R)が特別位置に移動してリール41C及び内側リール42L(R)と共に形成する特別入賞ライン613(615)に大当たり図柄が停止すれば大当たり状態が発生する。
【0085】
このようにパチンコ遊技機1では、リール41L(R)が移動することで特別入賞ライン613(615)を形成すると共に内側リール42L(R)が視認可能になる。つまり、このパチンコ遊技機1では、リール41L(R)の移動により単に内側リール42L(R)が視認可能になるだけではなく、内側リール42L(R)による図柄変動にリール41L(R)の停止図柄が関係することになる。これにより、このパチンコ遊技機1では、リール41L(R)が移動するか否か、及びリール41L(R)に停止している図柄に遊技者が注目するように仕向けることができ、この結果、遊技に対する遊技者の注目度を向上できる。
【0086】
さらに、本例のパチンコ遊技機1では、通常入賞ライン611にハズレ図柄が停止表示された場合に、第1変動表示部としてのリール41Lが特別位置に移動する。通常入賞ライン611にハズレ図柄が停止表示されても、まだ、大当たりの可能性が残るため、遊技者は、リール41Lの移動開始に望みをつなぐことができる。このようにパチンコ遊技機1では、ハズレ図柄が通常入賞ライン611に停止表示された場合であっても、遊技者の期待感を維持でき、遊技に対する遊技者の注目度を高めることができる。
【0087】
なお、通常入賞ライン611にハズレ図柄が停止表示されたとき、そのハズレ図柄の組み合わせによらずリール41L(R)が移動を開始する訳ではない。上記の(3)、(4)の報知演出パターンでは、リール41L(R)が特別位置に移動すれば、リール41L(R)及びリール41Cが停止表示している図柄が特別入賞ライン613(615)上でのリーチ状態を発生させる場合に、リール41L(R)の特別位置への移動可能性が生じる。そして、リール41L(R)が特別位置へ移動し、リール41L(R)及びリール41Cが特別入賞ライン613(615)上でリーチ状態となっている状況で、内側リール42L(R)が図柄を変動表示する。したがって、仮にリール41L(R)が通常位置から特別位置に移動すれば、リール41L(R)とリール41Cとで特別入賞ライン613(615)にてリーチ状態が発生する状況であれば、リール41L(R)の移動開始に遊技者が一層期待するようになり、遊技への注目度を高める効果を顕著なものにできる。
【0088】
また、上記の(5)の報知演出パターンでは、移動手段としての表示制御回路35は、リール41L(R)及びリール41Cが停止表示している図柄が、リール41L(R)を特別位置に移動させれば大当たり図柄の一部を形成することになる図柄である場合に、リール41L(R)の特別位置への移動を開始させる。そして、リール41L(R)の特別位置への移動が開始される場合、内側変動表示部である内側リール42L(R)は、リール41L(R)が特別位置に到達する前に、大当たり図柄の一部を形成する図柄を停止表示する。
【0089】
このように、上記の(5)の報知演出パターンでは、内側リール42L(R)で大当たり図柄が既に停止しており、リール41L(R)が特別位置へ移動して特別入賞ライン613(615)が成立すれば、大当たりが確定するというリーチ状態で、特別位置に向かうリール41L(R)の移動が実行される。なお、内側リール42L(R)が大当たり図柄を停止表示するタイミングとしては、リール41L(R)が特別位置に到達する前であれば良いが、リール41L(R)が特別位置への移動を開始する前、すなわちリール41L(R)がまだ通常位置に位置している時点であっても良い。さらに、リール41L(R)が通常入賞ライン611上でハズレ図柄を停止表示するよりも前の時点であっても良い。リール41L(R)が特別位置に移動する途中で、通常位置に戻りかける演出を実行しても良いが、この戻りかける演出の実行時点よりも前に、内側リール42L(R)が停止していると良い。
【0090】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
【0091】
本例では、遊技領域130に発射した玉が入賞したときに遊技価値である玉を払い出すパチンコ遊技機1を例示したが、その他の遊技機に本願発明の構成を適用しても良い。例えば、玉が封入してあり、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、スタートレバーの操作に応じて抽選を実行するスロットマシンに本願発明の構成を適用することも可能である。
【0092】
本例では変動表示部の一例としてリール41、内側リール42を用いる構成を例示したが、かかる構成に限定されるものではない。例えばリールを回転させるのではなく、液晶画面にて図柄を表示し、表示図柄にて図柄の変動表示を実行する構成が考えられる。また、人形を動作させることで変動表示を行い、停止した人形の種類や人形のポーズによって抽選結果を報知する図柄変動を実行する構成にすることも可能である。
【0093】
本例では、抽選結果の報知演出の際に内側リール42が移動しない構成を採用しているが、内側リール42を移動可能としても良い。例えば、可動部512が移動したときに内側リール42が遊技者から視認できる場合に加えて、可動部512が移動したときに内側リール42が遊技者側から視認不可能な位置に移動していることによりハズレが報知される場合などを設けることも良い。また、内側リール42を備えておらず、可動部512が移動するのみの演出を実行する構成を採用しても良い。この場合、例えば可動部512が上下に移動することで、通常入賞ラインにてリーチ状態を発生させる構成が考えられる。本構成においては、可動部512が移動してリーチ状態を発生させた場合、移動が伴わない場合に比べて大当たり当選が発生している期待度(当選期待度)が高くなるように演出の実行頻度を設定すると良い。
【0094】
本例では、入賞ラインとして一直線のものを例示したが、直線ではなく途中で曲がっている入賞ラインを採用することも可能である。また、3個の図柄(3つのリール)にて大当たり当選に対応した図柄の組み合わせを形成する構成にしたが、4個以上の図柄にて大当たり当選に対応した図柄の組み合わせを形成することも可能である。
【0095】
本例では、第1変動表示部としてのリール41L(R)が特別位置に移動するとリール41L(R)及び第2変動表示部としてのリール41Cの図柄の組み合わせでリーチ状態となる場合に、第1変動表示部としてのリール41L(R)が移動することがある構成を例示したが、かかる構成に限定されるものではない。第1変動表示部を特別位置に移動させても第1変動表示部及び第2変動表示部の図柄の組み合わせでリーチ状態となる図柄を停止表示していない場合に、第1変動表示部が移動することがある構成にしても良い。この構成の場合には、第1変動表示部の移動に応じて、第1変動表示部及び第2変動表示部の少なくとも一方で停止表示している図柄を変更してリーチ状態とする構成にすれば良い。
【0096】
本例では、1回の抽選結果を表示(報知)する図柄の変動表示の過程において、第1~第3変動表示部であるリール41L、C、Rにてハズレ図柄を停止表示した状態でその停止図柄を確定表示させることなく、内側変動表示部である内側リール42L、Rによる演出を実行する構成を例示している。この構成に代えて、第1~第3変動表示部であるリール41L、C、Rにてハズレ図柄を停止表示することなく、第1変動表示部としてのリール41L(R)が移動した後、リール41L(R)と、内側変動表示部である内側リール42L(R)と、第2変動表示部であるリール41Cと、による図柄の変動表示を開始する構成にしても良い。
【0097】
本例では、第1変動表示部としてのリール41Lが移動してリーチ演出が発生した後、第1変動表示部としてのリール41Rが移動してリーチ演出が発生する構成を例示している。これに代えて、リール41Rが移動してリーチ演出が発生した後で、リール41Lが移動するようにしても良いし、リール41L、Rが同時に移動する構成を採用することも良い。
【0098】
確変大当たり当選の場合と、通常大当たり当選の場合とで、第1変動表示部としてのリール41L、Rが移動する演出の発生確率に差を設けることも良い。例えば、確変大当たりの場合には、リール41L、Rが移動する演出の発生確率を高くする一方、通常大当たりの場合には、リール41L、Rが移動する演出の発生確率を抑えることも良い。この場合には、第1変動表示部としてのリール41が移動する演出に応じて、確変大当たり当選に対する遊技者の期待感を高揚できる。
【0099】
本例では、第1変動表示部としてのリール41L、Rの移動方法として、移動モータ47L、Rの回転動作をスライドレールに沿う直線的な動作に変換してリール41L、Rを移動させる構成を例示している。移動方法は、この構成に限らず、任意に変更しても良い。例えば磁力によって第1変動表示部を磁気的に吸引して移動させる構成や、進退可能なプランジャを備える電磁ソレノイドを設け、プランジャの電磁的な突出及び引き込みによって第1変動表示部を移動させる構成等が考えられる。
【0100】
第1変動表示部としてのリール41L(R)が、内側変動表示部としての内側リール42L(R)を遮蔽する面積は適宜変更可能であり、通常位置において遊技者が内側変動表示部の一部を視認可能であっても良い。つまり、第1変動表示部と内側変動表示部との少なくとも一部が前後方向又は左右方向に重なっていれば良い。この場合、通常位置よりも特別位置の方が内側変動表示部における図柄の変動表示を遊技者が視認し易くすると良い。
【0101】
本例では、上記(5)の報知演出パターンとしてリール41L(R)が外側に移動する演出を例示している。リール41Lの移動による特別入賞ライン613の成否演出(リーチ演出)を実行した後、さらにリール41Rを利用して特別入賞ライン615の成否演出(リーチ演出)を実行しても良い。このとき、リール41L及びリール41Rが移動する順番を逆にしても良いし、リール41L、Rの移動を同時進行で実行しても良い。また例えば、リール41Lを利用して上記の(3)の報知演出パターンを実行した後、リール41Rを利用して上記の(5)の報知パターン演出を実行しても良い。さらに、上記の(5)の報知演出パターンの開始後に、内側リール42L(R)が図柄変動を開始し、これにより上記の(3)の報知演出パターンに途中で切り替わる場合を設定しても良い。
【0102】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0103】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
12 始動口
130 遊技領域
15 操作ハンドル
16 大入賞装置(アタッカー)
19 中央表示器
190 図柄表示窓
195 図柄表示領域
196 特別図柄表示領域
20 主制御回路(抽選手段、記憶手段、読出手段、当否判定手段、通常発生手段、特別発生手段)
35 表示制御回路(移動手段)
41 リール(第1~第3変動表示部)
42 内側リール(内側変動表示部)
44、46 リールモータ
47 移動モータ(移動手段)
5 図柄変動表示ユニット
51 筐体
511 本体部
512 可動部
518 スライドレール
52 外筒
520 表示窓
611 通常入賞ライン
613、615 特別入賞ライン