(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】送電装置及び車両の充電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220908BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20220908BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20220908BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20220908BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20220908BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20220908BHJP
B60L 53/00 20190101ALI20220908BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
H02J50/12
H02J7/00 301B
H02J50/60
H02J50/90
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L53/00
(21)【出願番号】P 2018138869
(22)【出願日】2018-07-24
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】巳波 敏生
(72)【発明者】
【氏名】深江 唯正
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-021886(JP,A)
【文献】特表2016-506220(JP,A)
【文献】特開2000-152512(JP,A)
【文献】特開2014-225951(JP,A)
【文献】特開2016-059236(JP,A)
【文献】特開2013-048511(JP,A)
【文献】特開2016-101875(JP,A)
【文献】特開2016-192892(JP,A)
【文献】特開2016-105673(JP,A)
【文献】特開2008-120357(JP,A)
【文献】特開2001-178000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/00-50/90
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電コイルと、
該送電コイルの軸方向に直交する方向に沿って延びる送電面を有し、前記送電コイルを収納するケースと、
前記軸方向に沿って前記ケースを前記送電面側に付勢する付勢部材と、
車両に取り付けられた受電部と、
前記受電部に設けられたブラシ又は前記受電部に一体形成され、前記送電面から異物を除去する除去部と
、
前記ケースの上下動を案内するガイド穴を有する断面台形状のフレームと、
該フレームの第一傾斜面の隣に配置されており、停止時に前記車両の車輪が嵌まる凹部又は穴と
を備え、
前記車輪が前記フレームの第二傾斜面に乗り上げ、前記フレームの頂面を移動し、前記第一傾斜面を降りて凹部又は穴に嵌まった場合、前記付勢部材によって付勢された前記ケースが前記受電部に接触する
送受電システム。
【請求項2】
前記送電コイルは前記ケースに支持されており、
前記ケース及び送電コイルは前記付勢部材によって前記送電面側に付勢される
請求項1に記載の送受電システム。
【請求項3】
前記ケースの下側に、前記ケースの内側への異物の侵入を防止する上下に伸縮可能な侵入防止部材が設けられている
請求項1
又は2に記載の送受電システム。
【請求項4】
停止時に車両の車輪が嵌まる凹部又は穴の隣に断面台形状のフレームの第一傾斜面が位置するように、前記フレームを配置し、
送電コイルを収納し、前記送電コイルの軸方向に直交する方向に沿って延びる送電面を有するケースを、前記送電面が上側を向くように
、前記フレームに形成され、前記ケースの上下動を案内するガイド穴の内側に配置し、
付勢部材によって前記ケースを上側に付勢させ、
前記車両を進出させて、前記車両の受電部に設けられたブラシ又は前記受電部に一体成形された除去部によって、前記送電面から異物を除去させ、
前記車輪が前記フレームの第二傾斜面に乗り上げ、前記フレームの頂面を移動し、前記第一傾斜面を降りて凹部又は穴に嵌まった場合、前記付勢部材によって付勢された前記ケースを前記受電部に接触させる
車両の充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電力を送る送電装置及び車両の充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に電力を送る送電装置が提案されている。送電装置には、送電装置を上下動させるリンク機構が設けられている。車両が送電装置に向けて移動し、車両の車輪がリンク機構の一部を押しさげた場合、リンク機構は、車輪から作用する力によって送電装置を上昇させる。送電装置は車両の受電装置に接近するので、給電効率を上げることができる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上昇した送電装置と受電装置との間には隙間が設けられる。そのため、車両への充電中に、前記隙間に、葉及び金属製品(例えば、クリップ若しくは硬貨)などの異物、又は犬若しくは猫などの生体が侵入するおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、送電装置への異物又は生体の侵入を防止することができる送電装置及び車両の充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る送電装置は、送電コイルと、該送電コイルの軸方向に直交する方向に沿って延びる送電面を有し、前記送電コイルを収納するケースと、前記軸方向に沿って前記ケースを前記送電面側に付勢する付勢部材とを備え、前記ケースの上側に車両が停止した場合、前記付勢部材によって付勢された前記ケースが前記車両の受電部に接触する。
【0007】
本開示においては、ケースの上側に車両が停止した場合、付勢部材によって、ケースが車両の受電部に接触する。そのため、ケースと受電部との間に空間は設けられず、異物又は生体の侵入を防止することができる。
【0008】
本開示に係る送電装置は、前記送電コイルは前記ケースに支持されており、前記ケース及び送電コイルは前記付勢部材によって前記送電面側に付勢される。
【0009】
本開示においては、ケースの上昇に伴って、送電コイルも上昇する。車高に拘わらず、送電コイルと受電部との距離を所定距離に保ちやすくなり、予め定めたコイル間距離における給電時の条件(コイルの共振条件)を再現しやすくなり、高い給電効率を維持しやすい。
【0010】
本開示に係る送電装置は、前記送電面から異物を除去する除去部が前記車両に設けられている。
【0011】
本開示においては、車両に除去部を設けているので、車両の移動によって、除去部は送電面に付着した異物を除去する。
【0012】
本開示に係る送電装置は、前記受電部に前記除去部が設けられている。
【0013】
本開示においては、受電部に除去部を設けることによって、送電面の異物を除去した直後に、ケースを受電部に接触させることができる。
【0014】
本開示に係る送電装置は、前記ケースの上下動を案内するガイド穴を有する断面台形状のフレームと、該フレームの第一傾斜面の隣に配置されており、停止時に前記車両の車輪が嵌まる凹部又は穴とを備え、前記車輪が前記フレームの第二傾斜面に乗り上げ、前記フレームの頂面を移動し、前記第一傾斜面を降りて凹部又は穴に嵌まった場合、前記受電部と前記ケースとが接触する。
【0015】
本開示においては、車輪が凹部又は穴に嵌まった時、受電部が下降し、ケースに接近し、接触する。
【0016】
本開示に係る送電装置は、前記ケースの下側に、前記ケースの内側への異物の侵入を防止する上下に伸縮可能な侵入防止部材が設けられている。
【0017】
本開示においては、上下に伸縮可能な侵入防止部材をケースの下側に設けることによって、例えば、上昇したケースと地上との間に空間が発生し、ケースの内側に異物又は生体が侵入することを防ぐことができる。
【0018】
本開示に係る充電方法は、送電コイルを収納し、前記送電コイルの軸方向に直交する方向に沿って延びる送電面を有するケースを、前記送電面が上側を向くように配置し、付勢部材によって前記ケースを上側に付勢させ、車両を進出させて、前記車両に設けられた除去部によって、前記送電面から異物を除去させ、前記付勢部材によって付勢された前記ケースを前記車両の受電部に接触させる。
【0019】
本開示においては、送電面から異物を除去させた後に、ケースを受電部に接触させて、ケースと受電部との間に異物又は生体が侵入することを防止する。
【発明の効果】
【0020】
本開示に係る送電装置及び充電方法にあっては、ケースの上側に車両が停止した場合、付勢部材によって、ケースが車両の受電部に接触する。そのため、ケースと受電部との間に空間は設けられず、異物又は生体の侵入を防止することができる。また異物又は生体の侵入を防止するための構造を簡素化し、信頼性の向上及び製造費用の削減を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施の形態1に係る送電装置、ロック装置及び車両を示す模式図である。
【
図3】
図2のIII-III線を切断線とした断面図である。
【
図4】送電ユニット及び受電コイル部の接触を説明する説明図である。
【
図5】実施の形態2に係る送電ユニットを示す断面図である。
【
図6】実施の形態3に係る送電ユニット及び受電コイル部を示す側面図である。
【
図7】実施の形態4に係る送電ユニット及び受電コイル部を示す側面図である。
【
図8】実施の形態5に係る送電ユニット、送電制御ユニット、ガイド及び車止めなどを示す模式図である。
【
図9】送電ユニット及び受電コイル部の接触を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施の形態1に係る送電装置を示す図面に基づいて説明する。
図1は、送電装置、ロック装置及び車両を示す模式図である。送電装置は、送電ユニット1及び送電制御ユニット10を備える。送電制御ユニット10は地上に設置されている。送電制御ユニット10は、例えば、直方体状の筐体11を備える。筐体11には、例えば、高周波電源装置及び制御装置(図示略)が収納されている。
【0023】
送電制御ユニット10には、配線9を介して送電ユニット1が接続されている。送電ユニット1は地上に設置されている。送電ユニット1は、後述する送電コイル3(
図2、
図3参照)を備える。送電制御ユニット10は送電コイル3に電力を供給する。送電コイル3には電流が流れる。
【0024】
車両20には、受電コイル部21、受電ユニット22及びバッテリ23が搭載されている。受電コイル部21は、筐体及び該筐体に収納された受電コイルを有する。受電コイルは上下方向を軸方向とする。受電コイル部21は受電ユニット22を介してバッテリ23に接続されている。受電コイル部21は車両20の底面に配置されており、受電コイル部21の底面(以下、受電面21aという)は露出している。所定位置に車両20を停止させた場合、例えば、車止め(図示略)に接触させて車両20を停止させた場合、受電コイル部21は送電ユニット1に対向する。受電ユニット22は、整流回路、共振コンデンサなどを備える。受電コイルは送電コイル3と磁気結合し、送電コイル3から受電コイルに、非接触給電が行われ、バッテリ23は蓄電する。なお受電コイル部21の筐体と、車両20の底面との間に付勢部材を設け、受電コイル部21の筐体を下向きに付勢してもよい。
【0025】
図2は、送電ユニット1を略示する平面図、
図3は、
図2のIII-III線を切断線とした断面図である。送電ユニット1は、送電コイル3を収納するケース2を備える。ケース2は、底面が開口した角錐台状をなす。ケース2の頂面は送電面2aを形成する。ケース2は、送電面2aを上に向けて配置されている。ケース2の側面は傾斜しているので、異物が側面に到達しても、傾斜によって下方に移動し、残存し難い。なおケース2を円錐台状に形成してもよく、ケース2の側面を外向きに膨らんだ曲面状に形成してもよい。
【0026】
ケース2の下縁部に、付勢部材5を受ける複数の受け部2bが設けられている。付勢部材5は、例えば押しばね又はゴムである。受け部2bは、底面が上側に配置された凹状をなす。複数の受け部2bの下方に複数の第二受け部7がそれぞれ配置されている。第二受け部7は地上に設けられており、凹部7aを有する。受け部2bの底面と、凹部7aの底面とは上下に対向し、二つの前記底面の間に付勢部材5が設けられている。付勢部材5はケース2を上側に付勢する。
【0027】
第二受け部7の隣に支持環8aが設けられている。支持環8aは四角形をなし、支持環8aの内側に第二受け部7は配置されている。支持環8aはケース2の下縁部に対向する。支持環8aは地上に設けられており、支持環8aとケース2との間に、上下に伸縮する四角環状の蛇腹8が設けられている。蛇腹8は、ケース2と地上との間の空間を封止する。
【0028】
ケース2は送電コイル3を収納している。支持環8aの径方向において、送電コイル3は、第二受け部7よりも内側に配置されている。送電コイル3と支持環8aとは同軸的に配置されている。ケース2の下側にて設置板4が地上に固定されている。設置板4の上に送電コイル3が設置されている。送電コイル3とケース2とは同軸的に配置されている。地面と略平行になるように、地面に近い位置に送電コイル3は配置されている。複数の付勢部材5は、送電コイル3の軸周りに、略同じ位相間隔を空けて並んでいる。
【0029】
図4は、送電ユニット1及び受電コイル部21の接触を説明する説明図である。車両20の底面に、異物を除去する除去部、例えばブラシ24が設けられている。車両20が送電ユニット1に接近する場合、車両20の進行方向を前側とした場合、ブラシ24は受電コイル部21よりも前側に配置されている。なおブラシ24と、車両20の底面との間に付勢部材を設け、ブラシ24を下方に付勢してもよい。
【0030】
ケース2は、付勢部材5の付勢力によって上方に付勢され、ケース2に下方への力が作用していない場合、ケース2の送電面2aは受電コイル部21の受電面21aよりも上側に配置される。なおブラシ24と、車両20の底面との間に付勢部材を設け、ブラシ24を下方に付勢してもよい。
【0031】
車両20が送電ユニット1に接近する場合、車両の20の進行方向を前側としたとき、車両20の車輪20aは送電ユニット1よりも右側又は左側に配置され、送電ユニット1に接触しない。
図4Aの白抜矢符にて示すように、車両20が送電ユニット1に接近する場合、ブラシ24がケース2の上面に接触し(
図4A参照)、送電面2aに接触しながら移動する(
図4B参照)。ブラシ24がケース2の上面に接触して移動するので、ケース2の上面に付着した葉又は金属製品(例えば、クリップ又は硬貨)などの異物が除去される。
図4Bの矢印にて示すように、ブラシ24の接触によって、ケース2は下方に移動する。
【0032】
図4Cの矢印にて示すように、ブラシ24がケース2の上側を通過した場合、ケース2は上昇し、送電面2aは受電面21aよりも上側に配置される。車両20が更に進行した場合、ケース2は受電コイル部21に接触して、若干下降し、送電面2aと受電面21aとが接触する。
図4Dに示すように、車両20が所定位置にて停止した場合、送電面2aと受電面21aとは対向し、接触する。送電面2aと受電面21aとの間に空間は設けられない。送電面2aから受電面21aに向けて送電が開始される。
【0033】
実施の形態1に係る送電装置及び充電方法にあっては、ケース2の上側に車両20が停止した場合、付勢部材5によって、ケース2が車両20の受電コイル部21に接触する。そのため、ケース2と受電コイル部21との間に空間は設けられず、異物又は生体の侵入を防止することができる。また異物又は生体の侵入を防止するための構造を簡素化し、信頼性の向上及び製造費用の削減を促進させることができる。
【0034】
また車両20ブラシ24を設けているので、車両20の移動によって、ブラシ24は送電面2aに付着した異物を除去することができる。
【0035】
また複数の付勢部材5によってケース2を支持することによって、一つの付勢部材5を使用する場合に比べて、ケース2がより安定に支持される。また上下に伸縮可能な蛇腹8をケース2の下側に設けることによって、例えば、上昇したケース2と地上との間に空間が発生し、ケース2の内側に異物又は生体が侵入することを防ぐことができる。
【0036】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る送電装置を示す図面に基づいて、説明する。
図5は、送電ユニット1を示す断面図である。実施の形態2に係る構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
ケース2の内側に支持板4aが固定されている。支持板4aは、送電面2aと略平行であり、支持板4aの周縁部はケース2の内周面に固定されている。支持板4aの上面に送電コイル3が設けられている。
【0038】
実施の形態2に係る送電装置にあっては、ケース2の上昇に伴って、送電コイル3も上昇する。そのため、車高に拘わらず、送電コイル3と受電コイル部21との間の距離を所定距離に保ちやすくなり、予め定めたコイル間距離における給電時の条件(コイルの共振条件)を再現しやすくなり、高い給電効率を維持しやすい。
【0039】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る送電装置を示す図面に基づいて説明する。実施の形態3に係る構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6は、送電ユニット1及び受電コイル部21を示す側面図である。受電コイル部21の受電面21aにブラシ24が設けられている。車両20の進行方向を前側とした場合、ブラシ24は受電面21aの前端部に設けられている。
【0040】
実施の形態3に係る送電装置にあっては、受電コイル部21にブラシ24を設けることによって、送電面2aの異物を除去した直後に、ケース2を受電コイル部21に接触させることができる。異物の除去の完了後、速やかにケース2を受電コイル部21に接触させて、異物又は生体が侵入可能な時間を削減することができる。
【0041】
(実施の形態4)
以下本発明を実施の形態4に係る送電装置を示す図面に基づいて説明する。実施の形態4に係る構成の内、実施の形態1~3と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、送電ユニット1及び受電コイル部21を示す側面図である。
【0042】
受電コイル部21は、異物を除去する除去部24aを備える。除去部24aは、例えば受電コイル部21の筐体の一部を構成する。車両20の進行方向を前側とした場合、除去部24aは前記筐体の前端部に一体形成されている。
【0043】
実施の形態4に係る送電装置にあっては、受電コイル部21に除去部24aを一体形成することによって、送電面2aの異物を除去した直後に、ケース2を受電コイル部21に接触させることができる。異物の除去の完了後、速やかにケース2を受電コイル部21に接触させて、異物又は生体が侵入可能な時間を削減することができる。また受電コイル部21に一体形成するので、車両20に、別途、除去部24aを設ける必要が無く、部品数を削減することができる。
【0044】
(実施の形態5)
以下本発明を実施の形態5に係る送電装置を示す図面に基づいて説明する。実施の形態5に係る構成の内、実施の形態1~4と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は、送電ユニット1、送電制御ユニット10、ガイド12及び車止め30などを示す模式図である。
【0045】
筐体11の一側面11aから、車両20を案内する二つのガイド12が同じ方向に突出している。二つのガイド12は帯状をなし、地表に沿って延びている。二つのガイド12は、地表に対して略直角に配置され、間隔を空けて対向している。二つのガイド12の突出端部は、相互間距離が漸次長くなるように、外向きに曲がっている。二つのガイド12の間に、横長のフレーム13が設けられている。長手方向に直角な切断面におけるフレーム13の断面形状は台形をなし、フレーム13は、平坦な横長の頂面13dと、該頂面13dの二つの長手縁部それぞれから下降傾斜した第一傾斜面13b及び第二傾斜面13cとを備える。フレーム13の長手方向中央部には、上下に貫通したガイド穴13aが形成されている。ガイド穴13aに、送電ユニット1が設置されている。ガイド穴13aの内側面は、ケース2の上下動を案内する案内面を構成する。
【0046】
第一傾斜面13bと送電制御ユニット10との間、且つ二つのガイド12の間に、例えば横長の車止め30が配置される。車止め30は、筐体11の一側面11aに一体的に設けられている。車止め30と、送電ユニット1との間に、車両20の車輪20aを嵌める為の凹部又は穴17が形成されている。凹部又は穴17は第一傾斜面13bに隣接している。
【0047】
図9は、送電ユニット1及び受電コイル部21の接触を説明する説明図である。
図9Aの白抜矢符にて示すように、車両20が送電ユニット1に向けて移動した場合、車輪20aはフレーム13の第二傾斜面13cに乗り上げ、ブラシ24がケース2に接触し、送電面2aに付着した異物を除去する。車輪20aはフレーム13の頂面13dを移動する。このとき、付勢部材5の付勢力によって、送電ユニット1のケース2は上昇した位置に配されている。また車両20の進行方向を前側とした場合、受電コイル部21は送電ユニット1よりも後側に配されている。
【0048】
図9Bの白抜矢符にて示すように、車両20が更に進行し、車輪20aが第一傾斜面13bを降りて、凹部又は穴17に嵌まり、車両20が下降した場合、受電コイル部21は送電ユニット1の略真上に配置され、受電コイル部21の受電面21aは下降し、ケース2の送電面2aに接触する。ケース2は受電コイル部21によって、押し下げられる。付勢部材5による上向きの付勢力がケース2に作用し、送電面2aは受電面21aに押しつけられる。送電面2aから受電面21aに向けて送電が開始される。
【0049】
実施の形態5に係る送電装置にあっては、車輪20aが凹部又は穴17に嵌まった時、受電コイル部21が下降し、ケース2に接近して、送電面2aに接触する。そのため、ケース2と受電コイル部21との間に異物又は生体が侵入することが防止される。
【0050】
上述した実施の形態において、除去部の一例として、ブラシ24を示したが、ブラシ24に代えて、合成樹脂部材製のブレードを除去部として使用してもよい。また蛇腹8は、上下に伸縮可能な侵入防止部材の一例であり、蛇腹8に代えて、柔軟な合成樹脂部材からなる筒状部を使用してもよい。
【0051】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
1 送電ユニット
2 ケース
2a 送電面
3 送電コイル
5 付勢部材
8 蛇腹(侵入防止部材)
10 送電制御ユニット
17 凹部又は穴
21 受電コイル部(受電部)
24 ブラシ(除去部)