(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示装置、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20220908BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20220908BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220908BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/14 350A
G09G5/00 510V
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/38 A
(21)【出願番号】P 2018223634
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大野 千代
(72)【発明者】
【氏名】山崎 航史
(72)【発明者】
【氏名】河野 美沙子
(72)【発明者】
【氏名】大内 敏
(72)【発明者】
【氏名】林 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】宇都木 契
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 欣穂
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156205(JP,A)
【文献】特開2017-063844(JP,A)
【文献】特表2016-506530(JP,A)
【文献】特開2008-059511(JP,A)
【文献】特開2017-009741(JP,A)
【文献】特開2006-267604(JP,A)
【文献】特開2015-184920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/14-3/153
G09G 5/00-5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが着用可能な第1の表示装置と、前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置とを有した表示制御システムであって、
前記第1の表示装置は、
第1の表示部と、
前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示する第1の制御部と、を備え、
前記第2の表示装置は、
第2の表示部と、
前記第2の表示部に実画面である第2の画面を表示する第2の制御部と、を備え、
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および前記第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する
場合において、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、画面に含まれる情報に設定されたアクセスレベルと、ユーザ周辺の環境情報とを用いて、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであるか否かを判定し、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであると判定した場合、前記画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
ユーザが着用可能な第1の表示装置と、前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置とを有した表示制御システムであって、
前記第1の表示装置は、
第1の表示部と、
前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示する第1の制御部と、を備え、
前記第2の表示装置は、
第2の表示部と、
前記第2の表示部に実画面である第2の画面を表示する第2の制御部と、を備え、
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および前記第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する場合において、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、参照頻度が低い画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする表示制御システム。
【請求項3】
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記ユーザのスキルに関する情報である前記特徴情報に基づいて、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、コミュニケーションアプリケーションにより表示されている画面のうち、間接的に使用される画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、グラフィックアプリケーションにより表示されている画面のうち、間接的に使用される画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記第1の表示装置は、
撮像部と、
前記ユーザの視線を検知する検知部とを備え、
前記第1の制御部は、前記撮像部が撮像した動画像を前記第1の表示部に表示し、前記第2の表示部であって前記検知部が前記ユーザの視線を検知した位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記第1の表示装置は、前記ユーザの頭部に着用可能なウェアラブルデバイスである、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項8】
ユーザが着用可能な表示装置であって、
第1の表示部と、
前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示する第1の制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および第2の表示部を有した前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置に表示される実画面である第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する
場合において、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、画面に含まれる情報に設定されたアクセスレベルと、ユーザ周辺の環境情報とを用いて、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであるか否かを判定し、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであると判定した場合、前記画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
ユーザが着用可能な第1の表示装置と、前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置とを有した表示制御システムで行われる表示制御方法であって、
第1の表示部を有する前記第1の表示装置が、前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示し、
第2の表示部を有する前記第2の表示装置が、前記第2の表示部に実画面である第2の画面を表示し、
前記第1の表示装置または前記第2の表示装置が、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および前記第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する
場合において、前記第2の表示部に表示されている前記第2の画面のうち、画面に含まれる情報に設定されたアクセスレベルと、ユーザ周辺の環境情報とを用いて、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであるか否かを判定し、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであると判定した場合、前記画面を前記第1の表示部に表示させることにより、前記表示方法を調整する、
ことを特徴とする表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御システム、表示装置、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサ等のデバイスの小型化が進む中、スマートグラスと呼ばれるウェアラブルな透過型HMD(Head Mounted Display)が製品化され、工場作業や機器メンテナンス作業などの作業支援に利用されている。一般的には、透過型HMDを装着したユーザは、自身の作業対象を見ながら透過型の仮想画面に作業支援に関する情報を投影表示することで、作業手順の確認や操作を行うことが可能となる。
【0003】
透過型HMDには、仮想画面を表示する他に、加速度センサやジャイロセンサ等を用いてユーザの視線方向や位置を検出する機能を搭載している場合がある。この機能を利用し、仮想画面に情報表示する際に、情報の表示位置を調整することができる。例えば、特許文献1のように、各種センサで仮想画面の位置情報を検出し、さらに仮想画面上に表示する描画オブジェクトに予め描画優先度を設定することで、複数の描画オブジェクトが同じ場所に干渉して表示されないように位置調整する方法が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術で示したように、透過型HMDを装着したユーザは、仮想画面上に干渉することなく重畳された複数の情報を見ながら、自身の作業を行うことができる。しかしながら、現状は、仮想画面上に表示する情報は予め画一的な条件で表示位置や表示内容が定義されており、例えば、専門性の高い作業を「専門外のユーザが行う場合」あるいは「作業に精通したユーザが行う場合」に、同じ表示位置、同じ内容を表示することで、作業自体の理解不足や作業効率の低下が生じるという課題がある。
【0006】
またIT(Information Technology)技術の進化により、検索ワードのヒット率に基づく推薦機能や過去の閲覧履歴情報の保持機能を用いて、ユーザは多くの情報を効率的に取得できるようになった。しかし、それら多くの情報を用いて作業するには多くの画面を表示する必要があり、当然ながら設置可能な表示装置の数には制限があるという課題がある。さらには、表示装置上での多くの情報提示は情報漏えいに繋がる可能性が高い。
【0007】
本発明の目的は、ユーザの特徴に応じて情報の表示を調整することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様にかかる表示制御システムは、ユーザが着用可能な第1の表示装置と、前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置とを有した表示制御システムであって、前記第1の表示装置は、第1の表示部と、前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示する第1の制御部と、を備え、前記第2の表示装置は、第2の表示部と、前記第2の表示部に実画面である第2の画面を表示する第2の制御部と、を備え、前記第1の制御部または前記第2の制御部は、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および前記第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する、ことを特徴とする表示制御システムとして構成される。
【0009】
また、本発明の一態様にかかる表示装置は、ユーザが着用可能な表示装置であって、第1の表示部と、前記第1の表示部に仮想画面である第1の画面を表示する第1の制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記ユーザの特徴として定められた特徴情報に基づいて、前記第1の画面または/および第2の表示部を有した前記第1の表示装置と通信可能な第2の表示装置に表示される実画面である第2の画面の前記第1の表示部または/および前記第2の表示部への表示方法を調整する、ことを特徴とする表示装置として構成される。
【0010】
また、本発明の一態様では、上記表示制御システムで行われる表示制御方法としても把握される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、ユーザの特徴に応じて情報の表示を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1B】透過型HMDの表示装置の実施例を示す図(他の例)
【
図1C】透過型HMDの表示装置の実施例を示す図(他の例)
【
図5】表示装置の使用開始における処理フローを示す図
【
図6】表示装置の画面表示条件を判断する処理フローを示す図
【
図7】表示装置の画面表示条件を判断する処理フローを示す図
【
図8】表示装置の画面表示条件を学習する処理フローを示す図
【
図9A】表示装置の管理データの一構成を示す図(ユーザ情報)
【
図9B】表示装置の管理データの一構成を示す図(作業履歴)
【
図9C】表示装置の管理データの一構成を示す図(スキル情報)
【
図9D】表示装置の管理データの一構成を示す図(優先モード)
【
図14】表示装置がキャプチャした画像を情報処理装置の表示内容にリンク付けする例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0014】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0015】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0016】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0017】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0018】
以下、透過型HMDの表示装置および表示システムの実施例を示し、多くの情報を複数の画面上で効率良く表示することで、ユーザの作業を効果的に支援可能な表示装置が実現できることを示す。
【0019】
まず、本実施例における透過型HMDの表示装置と、当該表示装置を用いた表示システムの構成を説明する。
【0020】
図1A(a)に、本実施例における透過型HMDの表示装置101(第1の表示装置)の概略図を示す。表示装置101は、演算機能、操作機能、表示機能を備え、複数のセンサを有するセンサ部102、情報を表示する表示部103(第1の表示部)、光源部104、操作部105、全体制御部106を有している。透過型HMDの表示装置101は、頭部に装着できる形状であれば眼鏡型で無くても良く、表示部103は片眼でも良い。センサ部102は、例えば表示装置101の中央部ではなく端に設置しても良いし、複数個所に分離して設置しても良い。また、光源部104は、センサ部102を利用する場合や周囲環境が暗い場合などに照射できるように設置する。例えば光源の照射範囲が狭い場合は複数の光源を設置する、両端に設置することにより照射範囲を広げることが可能である。
【0021】
操作部105は、ボタンやスイッチ、タッチパッドのようにユーザが本表示装置101の電源ON/OFFや各種設定、データ入力が可能であれば良く、通信機能を備えて外付けの入力装置と連携することも可能である。全体制御部106は、CPU(Central Processing Unit)とメモリ、電源、通信モジュールを含む。これらが独立して存在しても良いし、センサ部102や操作部105と一体型でも良い。
【0022】
本形態は、ユーザは本表示装置101のみで作業実施することを想定し、表示装置101上で複数の仮想画面を表示することで多くの情報を空間上に提示する。
【0023】
また、
図1A(b)に示す通り、透過型HMDの表示装置101は表示機能のみを備え、通信線107を介して接続した別装置108に演算機能、操作機能を備える形態でも良い。機能を分割して別装置に搭載することで、頭部に装着する装置部分の小型化や軽量化を図ることが出来る。通信線107は、有線通信でも無線通信でも良い。無線通信の場合は、表示部101と別装置108を繋ぐ通信線が不要となり、ユーザが通信線の存在を気にすることなく作業を実施することができるため使用勝手が向上する。
【0024】
図1Bは、前記表示装置101の別形態の概略図を示す。本例は別装置108と連携して表示機能を拡張する例を示している。別装置108の一例としては、PC(Personal Computer)108a、携帯端末やスマートフォン108bのほか、プロジェクタを用いることができる。具体的には、
通信線107を介して、透過型HMDの表示装置101と別装置108(第2の表示装置)が表示すべき画面を分担して表示する。例えば、表示すべき画面が3つ存在する場合、表示装置101が表示部103(仮想画面領域)に2つ、携帯端末108の表示部108a(実画面領域)に1つ表示する。実画面領域は、PCの表示部108bであってもよい。それぞれの表示部への操作は、個々の操作部を使用しても良いし、どちらか一方の操作部を使用しても良い。
【0025】
本形態は、ユーザへ提示する情報を増やすことができると同時に省スペース化が実現できる。また、表示するデータの“アクセスレベル”や“種類(図表あり、文書のみ等)”、使用するアプリの種類等によって仮想画面領域か実画面領域のいずれかへ表示するような制御も可能となる。例えば、顧客情報や機密情報は仮想画面領域に表示する、コミュニケーションアプリなど複数人と画面を共有するようなアプリは実画面領域に表示する、などが挙げられる。また、通信線107を介して複数の表示装置101の間で仮想画面領域を共有、あるいは各表示装置で異なる仮想画面領域を表示することが可能である。
【0026】
図1Cは、前記表示装置101の別形態の概略図を示す。表示装置101、別装置108は、通信線107を介してインターネット109上にあるクラウドサービス110と接続している。クラウドサービス110は、複数の装置により提供され、画像認識サービスや翻訳サービス、情報検索サービスなど各種サービスを無料、有料で表示装置101や別装置108に提供する。別装置108は、表示装置101と同じ場所にあっても良いし、クラウドサービス110と同じ場所にあっても良く、それぞれ離れた場所に存在しても良い。
【0027】
本形態は、上記
図1Bの実画面、仮想画面への表示制御をよりきめ細かく、精度よく実行するために、クラウドサービス110から提供されるユーザの能力や習慣、作業内容を考慮して、画面の表示方法や表示内容を設定することが可能となる。
【0028】
図2は、本実施の形態による表示装置101における構成の一例を示すブロック図である。本例は、頭部に装着する表示装置に操作機能と演算処理機能が一体となっている例(すなわち
図1A(a))である。
【0029】
表示装置101は、センサ群102と、表示制御部207、表示部208a、208bを含む表示部103と、光源部104と、入力操作部205、音声入出力部206を含む操作部105と、制御部201、通信部202、電源部203、AIエンジン群209、記憶部210を含む全体制御部106を有する。
【0030】
制御部201は、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)を有し、表示装置101全体の制御処理やリアルタイム画像処理についての演算を行う。
【0031】
通信部202は、通信線107やインターネット109を介して他の装置やクラウドサービスとの間で制御コマンドや各種データの通信を行う。LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、LPWA(Low-Power Wide Area),USB(Universal Serial Bus)など、1つ以上の通信方式を搭載する。通信部202は、外付けの操作部205を使用する場合、操作コマンドのやり取りにも使用する。
【0032】
電源部203は、内蔵あるいは外付けの電池やバッテリである。
【0033】
操作部205は、ボタンやタッチパネル、スイッチ、ダイヤル、外付けのマウス、キーボードを利用して、ユーザが表示装置101を操作する1つ以上の入力デバイスとデバイス制御用のドライバである。
【0034】
音声入出力部206は、内蔵あるいは外付けのマイク、イヤホンである。
【0035】
表示制御部207は、表示部208a、208bに表示する画面の位置やタイミングを制御する。
【0036】
表示部208a、208bは、表示制御部207の指示に従い、表示部103(仮想画面)に画面を表示する。
【0037】
AIエンジン群209は、機械学習や深層学習で学習した結果のパラメータや閾値を用いて、AI(Artificial Intelligence)が様々な事象を推測、判断する。
【0038】
記憶部210は、ROM(Read only memory)やFROM(Flash ROM)などの不揮発性メモリを有し、各種のパラメータやプログラムを格納する。記憶部210は、認証部2101、表示生成部2102、表示管理部2103、スキル管理部2104、ユーザ状態管理部2105を機能させるためのプログラムを記憶する。
【0039】
認証部2101は、表示装置101と別装置108、クラウドサービス110との間で個人認証、機器認証、サービス認証などのアクセス制限を行う。
【0040】
表示生成部2102は、表示制御部207を介して表示部208a、208bに表示する画面の内容や表示位置情報を生成する。
【0041】
表示管理部2103は、表示制御部207を介して表示部208a、208bに表示中の画面の数やサイズ、画面とアプリケーションとの関連付け、アクティブ状態などを管理する。
【0042】
スキル管理部2104は、ユーザの職種や職務経歴、経験年数、所有する資格などの静的情報と、使用するアプリやサービスの種類、使用する端末への操作の種類や使用頻度、作業履歴などの動的情報を生成し、管理する。静的情報は、スキルに関するユーザの属性情報であるとも言える。また、動的情報は、ユーザによるスキルの発揮対象についての使用情報であるとも言える。さらに、これらの静的情報や動的情報は、ユーザのスキルに関する特徴を示す情報であるとも言える。
【0043】
ユーザ状態管理部2105は、後述するバイタル計測部2115を用いて表示装置101を装着したユーザの作業状態や疲労度などを取得し、管理する。
【0044】
センサ群102は、画像センサやGPS(Global Positioning System)、加速度センサ、ジャイロセンサ、照度計などの各種センサを有し、撮像部2111、撮像部2112、慣性計測部2113、環境計測部2114、バイタル計測部2115を有している。
【0045】
撮像部2111、撮像部2112は、静止画や動画を撮影する。撮像部2111はユーザの視界を撮影対象とし、撮像部2112はユーザ自身を含む周囲環境を撮影対象とする。
【0046】
慣性計測部2113は、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、GPSを有し、ユーザの視線方向や視線位置、姿勢、現在位置を取得、推定する。
【0047】
環境計測部2114は、照度計や温度・湿度計、マイクなどを有し、ユーザの周囲環境に関する情報を取得、推定する。
【0048】
バイタル計測部2115は、心拍計や体温計、血圧計、脈拍計、脳波計などを有し、ユーザの身体情報を取得し、ユーザの体調や感情を推定する。
【0049】
なお、記憶部210やAIエンジン群209は、本システムの外部に設けられていてもよい。例えば、記憶部210やAIエンジン群209が、本システムにネットワークを介して接続されているサーバ装置に設けられ、本システムから必要に応じてアクセスしてもよい。後述する
図3、
図4に示す記憶部やAIエンジン群の場合も同様である。
【0050】
前述した
図1A(a)のケースは、ユーザが外出中や自宅、ハンズフリー作業中に、必要な情報をすべて仮想画面領域の任意の場所に表示して使用することを想定する。ユーザは、通信部202、操作部205を介して、Bluetooth(登録商標)や無線USBのマウスやキーボード、リモコン、音声で入力操作を行う。
【0051】
前述した
図1A(b)のケースは、表示装置101と別装置108が通信部202を介して接続される。表示装置101は、少なくとも
図2の表示制御部207、表示部208a、208b、センサ群211の撮像部2111、慣性計測部2113、制御部201の一部(例えば、これらの各部を制御するIC(Integrated Circuit)チップ)を搭載する。それ以外は別装置108に搭載することを想定する。
【0052】
図1Bのケースは、表示装置101は
図2と同様の構成でも良いし、前述した
図1A(b)と同様の構成でも良い。
【0053】
ユーザは、オフィス以外の場所では
図1A(a)、1A(b)の形態で使用し、オフィスに戻ってくると
図1Bの形態にシームレスに移行することができる。また、オフィスで
図1Bの形態で作業した後、外出する時は
図1A(a)の形態に移行できる。移行する方法は、例えば、制御部201が、後述する表示装置101に搭載した各種センサを用いてユーザの現在位置を特定し、ユーザの現在位置がオフィス内か否かを判定する。そして、制御部201は、ユーザの現在位置がオフィス内であると判定した場合、自動的にあるいはユーザの指示により後述する
図5の処理フローを行う。
【0054】
図3は、本実施の形態による別装置108における構成
図1Bの一例を示すブロック図である。本例は、前記表示装置101と連携、分担して画面表示を行う例である。
【0055】
別装置108は、制御部301、通信部302、時間管理部303、電源部304、操作部305、音声入出力部306、表示制御部307、表示部308、AIエンジン群309、記憶部310、センサ群311を有する。
【0056】
AIエンジン群309は、表示装置101のAIエンジン群209と同等以上の性能、あるいは異なる機能やアルゴリズムを備えたAIエンジンを有する。
【0057】
センサ群311は、表示装置101のセンサ群211と同じセンサの他、ユーザの視線先をリアルタイムにトラッキングする視線追跡部3112を有する。視線追跡部3112は、撮像部2111であってもよい。
【0058】
記憶部310は、認証部3101、表示生成部3102、表示管理部3103、スキル管理部3104、ユーザ状態管理部3105、最適表現変換部3106を有している。
【0059】
認証部3101は、表示装置101の認証部2101との間で、お互いが正規に製造された装置であるか、そして正しいユーザがアクセス/使用しているか、を認証する。
【0060】
表示生成部3102は、表示部308に表示する画面イメージ、あるいはイメージを生成するための情報を生成する。また、表示生成部3102は、制御部201と表示管理部2103の指示により、通信部302を介して接続された表示装置101の表示部208a、208bに表示する画面イメージ、あるいはイメージを生成するための情報を生成する。
【0061】
表示管理部3103は、表示部308の領域を拡張するために、表示生成部3102で生成した表示画面を表示部308で表示するか、通信部302を介して接続された表示装置101で表示するか、あるいは両方で表示するかを判断する。そして、表示管理部3103は、表示装置101に表示すると判断した場合は、表示生成部3102で作成した表示画面あるいは情報を、制御部301と通信部302を経由して表示装置101に渡す。表示装置101の制御部201は、受信した表示画面を表示制御部207に渡して表示部208a、208bに表示する。
【0062】
スキル管理部3104は、表示装置101のスキル管理部2104と同様、ユーザの能力・スキルに関する情報を生成し、管理する。本情報は、前記スキル管理部2104と同じ内容であっても良いし、別々の内容であっても良い。
【0063】
ユーザ状態管理部3105は、センサ群311の撮像部3111や視線追跡部3112を用いて取得した情報を用いてユーザの身体状態、作業状態を管理する。表示装置101のユーザ状態管理部2105が管理する情報の全てあるいは一部を、通信線107を介して取得するようにしても良い。
【0064】
最適表現変換部3106は、スキル管理部3104やユーザ状態管理部3105で管理するユーザのスキルや状態、あるいは表示管理部3103が判断した表示対象(表示部308か表示装置101か)に合わせて、画面に表示する内容を変換する。例えば、前記ユーザ状態管理部3105がユーザの疲労度が高いと判断した場合、最適表現変換部3106は、表示部308で表示する文字サイズを大きくする、あるいは表示装置101の仮想画面領域を小さくする。疲労度が高いか否かの判断は、例えば、ユーザ状態管理部3105が、センサ群311から得られたユーザの状態に関する情報と、あらかじめ定められた閾値とを比較し、ユーザの状態に関する情報が当該閾値よりも大きい場合、疲労度が高いと判断すればよい。上記閾値としては、例えば、過去のユーザの状態に関する情報の平均値を用いることができる。
【0065】
図4は、本実施の形態によるクラウドサービス110における構成の一例を示すブロック図である。
【0066】
クラウドサービス110は、制御部401、通信部402、時間管理部403、電源部404、操作部405、音声入出力部406、表示制御部407、表示部408、AIエンジン群409、記憶部410を有している。
【0067】
記憶部410以外の要素については、
図2、
図3の表示装置101、他の装置108と同様である。なお、時間管理部403は、タイマやクロックである。
【0068】
記憶部410は、ユーザ管理部4101、画面表示条件学習部4102、スキル学習部4103、作業履歴管理部4104を有する。
【0069】
ユーザ管理部4101は、本クラウドサービスを利用するユーザに関する情報を作成、管理する。
【0070】
画面表示条件学習部4102は、前記ユーザ管理部が管理するユーザ毎に、画面表示に関わる条件をAIエンジン群により学習し、最適な配置条件を取得する。
【0071】
スキル学習部4103は、前記ユーザ管理部が管理するユーザ毎に、作業に関わる知識や経験に関わる条件をAIエンジン群により学習し、ユーザのスキル条件を取得する。
【0072】
作業履歴管理部4104は、前記ユーザ管理部が管理するユーザ毎に、実施した作業に関する情報を作成、管理する。
【0073】
図5は、本実施の形態による表示装置101をユーザが使用開始する場合の処理フローを示す。処理に必要なデータや画面例は、
図9A~D、
図10を用いて説明する。
【0074】
本処理フローでは、ユーザが別装置108を使用中に表示装置101を装着した場合(
図1A)を想定している。また、前述した
図1Bのケースを想定する。
【0075】
表示装置101の制御部201は、ユーザが表示装置101の装着を検知すると、認証部2101を用いてユーザの認証処理を行う。認証処理は、操作部205を用いたパスワード入力、音声入出力部206を用いた音声入力、バイタル計測部2115から取得したユーザの身体情報(脈波、脳波)、撮像部2111、2112を用いた指紋や顔、などの1つ以上の情報を用いて、認証部2101に予め登録されたユーザか否かを判定する。
【0076】
図9Aにユーザ情報900の一例を示す。ユーザ情報900は、ユーザID901、パスワード902、所属903、役職904、端末番号905を有する。本ステップではユーザID901、パスワード902を使用する(ステップ501)。ステップ501が行われることにより、ユーザと表示装置101とが紐付けされる。
【0077】
次に、制御部201は、慣性計測部2113を用いてユーザの現在位置を取得し、環境計測部2114を用いてユーザの現在位置の気温や照度、騒音を取得し、撮像部2111を用いてユーザの視線先の画像を取得する(ステップ502)。ステップ502が行われることにより、ユーザの現在位置周辺における環境に関する各種情報が取得される。
【0078】
制御部201は、認証部2101に予め登録した位置情報(例えば、ユーザ情報900内の所属903)とステップ502で取得した情報を用いて、ユーザの位置を特定する。また、制御部201は、AIエンジン群209の画像認識機能を用いて、撮像部2111で撮影した画像の中から、ユーザが作業で使用する実画面領域(PCやスマートフォン等のディスプレイ、プロジェクタ画面、デジタルサイネージ)を検出する(ステップ503)。ステップS503が行われることにより、表示装置101を介したユーザの視線上にある実画面領域と、表示装置101とのペアリングが完了する。
【0079】
ステップ503で実画面領域が検出できた場合、制御部201は、その実画面領域が認証部2101に登録したもの(例えば、ユーザ情報900内の情報アクセスレベル9009や端末番号905)であるか否かを判定する。例えば、ユーザが自分のオフィス内で、複数人で共有するPCを使用する場合などである(ステップ504)。
【0080】
ステップ504において、制御部201は、実画面領域が認証部2101に登録したものであると判定した場合(ステップ504;Yes)、認証部2010と通信部202を介して、実画面領域を表示している別装置108の認証部3101との間で、お互いが正規の装置であり、お互いに情報をやり取りして良いか否かを認証する(ステップ505)。ステップ505が行われることにより、表示装置101とステップ503でペアリングした実画面領域を表示している別装置108とが互いに正規の装置であると認証される。
【0081】
正しく認証できた場合、制御部201は、表示管理部2103や表示制御部207を用いてユーザが現在表示装置101上で作業中か否かを判定し、作業中であればその作業を保存するか否かを決定する(ステップ506)。ステップ506が行われることにより、作業中の画面が一旦保存される。作業中であるか否かは、例えば、実画面領域に表示されている画面がアクティブであるか否かにより判定すればよい。
【0082】
ステップ506で現在作業中の情報を保存した場合(ステップ506;Yes)、制御部201は、別装置108の制御部301と通信部を介して、画面表示内容の同期を行う。例えば、制御部201は、表示装置101で表示されている作業中のファイルが別装置108上でも表示されている場合、必要に応じて更新あるいは別ファイル名で保存するなどの処理を行う(ステップ507)。
【0083】
その後、制御部201は、別装置108の制御部301との間で表示する画面を整理する必要があるか否かを判定する。判定する手順については、後述する(ステップ508)。
【0084】
両者で整理すると判定した場合(ステップ508;Yes)、表示装置101の制御部201は、別装置108の制御部301との間で、それぞれが画面表示する情報について共有する。具体的には、表示装置101の表示管理部2103と他の別装置108の表示管理部3013の間で、
図9Bの作業履歴9000を作成・更新する。
【0085】
作業履歴9000は、作業ID9001、実施日9002、時間9003、端末番号9004、作業名9005、アプリ情報9006、画面情報9007、入力操作情報9008、情報アクセスレベル9009を有する。
【0086】
作業ID9001は、ユーザが現在を含む所定の期間に実施中/実施した作業の識別子である。実施日9002、時間9003、端末番号9004は、前記作業の実施日と使用した時間および端末番号を示す。作業名9005、前記作業の分類名であり、ユーザの所属、役職に応じた分類名を定義できる。アプリ情報9006は、前記作業に使用したアプリケーションの分類名である。画面情報9007は、前記アプリ情報9006を使用した際に表示した画面数や表示サイズ、実画面領域1001(表示部308)や仮想画面領域1002、1003(表示部208a、208b)における画面の位置、画面の参照・更新頻度などを示す。入力操作情報9008は、前記作業に使用した操作方法を示す。情報アクセスレベル9009は、前記作業の実施する際に使用および参照した情報のセキュリティレベルを示す。
【0087】
表示装置101と別装置108は、自身の端末番号9004に係る作業履歴9000を保持・管理し、現在表示中の情報についても画面毎に作成する。作業履歴9000は、両者で同じ情報を共有しても良いし、どちらか一方の装置で保持・管理するようにしても良い(ステップ509)。
【0088】
図10は、別装置108を想定したPCのディスプレイである実画面領域1001と、表示装置101が表示する仮想画面領域1002、1003上に、それぞれ画面表示した例を示す。例えば、表示装置101の表示部208aが仮想画面領域1002を表示し、表示装置101の表示部208bが仮想画面領域1003を表示する。表示装置101の制御部201は、慣性計測部2113と撮像部2111、撮像部2112、AIエンジン群209を用いて、ユーザから見える実画面領域1001の3次元位置を決定し、その位置に重ならないように、仮想画面領域1002、1003を配置する。ここで、表示する画面内容の格納場所を明確にするために、制御部201は、例えば表示装置101の画面のどこかにマーク1004を明示する。
図10では、仮想画面領域1002に表示されている2つの画面には、仮想画面であることを示すマークV(Virtual)が付されており、これらの画面が仮想画面である(すなわち、表示装置101が表示している画面である)ことがわかる。また、実画面領域1001に表示されている手前側の画面1001aには仮想画面であることを示すマークVが付される一方、奥側の画面1001bには当該マークが付されていないため、前者は表示装置101が表示する仮想画面であり、後者は別装置108が表示する実画面であることがわかる。このように、ユーザは、表示画面が、仮想画面領域に表示されていた画面か、実画面領域に表示されていた画面のどちらのものか把握しやすくなる(ステップ510)。
【0089】
以上から、ユーザは、表示装置101を装着すると、眼前周辺に存在する実画面領域を検出して自動的に接続し、実画面領域の周辺に仮想画面領域を表示することができる。これにより、実画面領域を増設することなく表示する情報量を増やすことができる。
【0090】
ここで、上記ステップ503で表示装置101の制御部201が別装置108を検出しているが、別装置108の制御部301が撮像部3111とAIエンジン群309を用いて表示装置101を検出しても良い。
【0091】
また、
図10の画面例では、表示する画面を表示装置101と別装置108のそれぞれに振り分けているが、実画面領域1001と仮想画面領域1002、1003の両方に別装置108が表示する画面を表示しても良い。また、実画面領域1001と仮想画面領域1002、1003に表示させる画面を、表示装置101が表示する画面だけに限定しても良い。さらには、実画面領域1001と仮想画面領域1003は別装置108が表示する画面とし、仮想画面領域1002は表示装置101が表示する画面を表示するなど、画面領域によって使用装置を決めても良い。
【0092】
また、本処理フローは、ユーザが別装置108を使用中に表示装置101を装着した場合を想定しているが、表示装置101を装着時に別装置108を起動した場合でも同様の手順が可能である。
【0093】
図6は、本実施の形態による表示装置101あるいは別装置108が、表示する画面の配置を整理する条件判断処理フロー(
図5のステップ508)を示す。本処理フローでは、ユーザが別装置108を使用中に表示装置101を装着した場合を想定している。処理に必要なデータは、
図9A~Dを用いて説明する。
【0094】
ここで、本条件判断処理フローは、
図9Dの優先モード9200の設定値にしたがい、表示装置101、別装置108のどちらが判断するかを決定する。優先モード9200は、表示管理部2103、3103が保持・管理する。優先モード9200は、ユーザID9201、優先表示対象9202、優先制御対象9203を有する。優先表示対象9202は、どちらの装置を優先して画面表示するかを決定するための項目である。当該項目には、表示先となる別の装置108(「実画面領域」)、または表示先となる表示装置101(「仮想画面領域」)のいずれかが設定される。同様に、優先制御対象9203は、どちらの装置の操作を優先させるかを決定するための項目である。当該項目には、優先表示対象9202の場合と同様、別の装置108(「実画面領域」)、または表示装置101(「仮想画面領域」)のいずれかが設定される。本例では、どちらも「実画面領域」、すなわち別装置108としている。
【0095】
別装置108の制御部301は、環境計測部3114を用いて、ユーザ周辺の温度や湿度、照度、騒音などを計測する。あるいは、表示装置101の環境測定部2114で計測した情報を取得しても良い(ステップ601)。
【0096】
また、制御部301は、自身の表示管理部3103と表示装置101の制御部301から、実画面領域1001と仮想画面領域1002、1003に現在表示している画面の情報を取得する。すなわち、制御部301は、前記作業履歴9000の中から時間9003に終了時刻が未記載の(あるいはウィンドウがアクティブになっている)情報である現在表示中の情報を抽出する。そして、制御部301は、それらの画面のレイアウト(全部表示されている、重なりがある、隠れているなど)を取得する(ステップ602)。
【0097】
次に、制御部301は、スキル管理部3104から
図9に示すスキル情報9100を取得する(ステップ603)。なお、本実施例では、ユーザのスキルに関する情報を用いて、スキルレベルに応じた仮想画面、実画面を表示する際の調整方法について説明しているが、ユーザのスキルレベル以外のユーザに関する情報(例えば、ユーザの年齢、性別、国籍といったユーザの特徴をあらわす属性を示す情報)を用いて、ユーザに応じて仮想画面や実画面の表示を調整してもよい。
【0098】
スキル情報9100は、ユーザID9101、入社年度9102、職務経歴情報9103、資格情報9104、作業別特徴9105を有する。
【0099】
職務経歴情報9103は、ユーザの現在および過去の職務の経歴を示す情報であり、作業IDと当該作業IDにより識別される作業の評価とが対応付けられた職務データが、1または複数記憶される。
【0100】
資格情報9104は、ユーザが保持している、または過去に保持していた資格に関する情報である。
【0101】
作業別特徴9105は、前記作業履歴9000内の作業名9005、アプリ情報9006、入力操作情報9008に記載された作業に対して、表示した画面数や画面サイズの平均値/最大値/最小値、使用したアプリ、入力操作時間、平均作業時間などの統計値、設定値を示す。これらの情報は、例えば、スキル管理部3104が、ユーザ情報900の中から、ユーザID9101と同じユーザID901を含むユーザ情報を検索し、検索したユーザ情報に含まれる端末番号905を読み取る。スキル管理部3104は、作業履歴9000の中から、読み取った端末番号905と同じ端末番号9004を含む作業履歴を読み取り、読み取った作業履歴に含まれる時間9003、作業名9005、アプリ情報9006、画面情報9007、入力操作情報9008等の情報を読み出し、読み出したこれらの情報を集計する等して上記統計値や設定値を算出することにより、設定される。
【0102】
ステップ602で取得した現在表示中の画面情報、ステップ603で取得した作業別特徴9105を用いて、制御部301は、現在の作業内容を特定する(ステップ604)。作業内容の特定は、例えば、制御部301が、作業履歴9000のアプリ情報9007(例えば、文書作成ソフト)を参照して、ユーザが作業中のアプリケーションを特定し、特定したアプリケーションについての作業別特徴9105を読み取る。制御部301は、読み出した作業別特徴9105と、作業履歴9000の時間9003、作業名9005、アプリ情報9006、画面情報9007、入力操作情報9008等の情報とから、現在作業中のアプリケーションの作業内容(例えば、キーボード入力の有無や入力内容、入力時間)に関する情報を集計し、出力する。上記現在作業中のアプリケーションには、アクティブとなっているアプリケーションの画面のほか、操作画面領域に表示中の他のアプリケーションの画面を含む。
【0103】
次に、制御部301は、表示カウンタ(Cnt)を現在の表示画面数(Dn)に設定し(ステップ605)、表示カウンタ(Cnt)が画面数の最大値(Dm)以上であるか否かを判定する(ステップ606)。表示カウンタは、例えば、制御部301が、スキル情報9100の作業別特徴9105として記憶されている画面数の最大値や平均値を設定してもよい。当該画面数を設定することにより、通常、ユーザが同時に操作画面領域に表示する画面数を設定することができる。
【0104】
制御部301は、表示カウンタが最大値に達していると判定した場合、すなわち表示されている全ての画面について、以下の処理を行ったと判定した場合は(ステップ606;Yes)、ステップ604で特定した作業内容のうち、作業履歴9000の時間9003で参照頻度が最小値未満の作業、あるいは画面情報9007から画面サイズが最小値未満の作業を抽出する(ステップ607)。すなわち、制御部301は、現在表示している画面に対する作業履歴の中で、直近の作業時刻から現在までに行われた操作があらかじめ定められた最小値未満である場合、あるいは現在表示している画面の画面サイズがあらかじめ定められた最小値未満である場合には、使用頻度が低く、ユーザにとって優先度が低い作業であると判断し、当該作業を特定する。
【0105】
制御部301は、ステップ607で該当する作業が抽出できたと判定した場合(ステップ607;Yes)、表示管理部3103に指示し、その作業に関する画面の情報を保持する(ステップ608)。一方、制御部301は、ステップ607で該当する作業が抽出できなかったと判定した場合は(ステップ607;No)、参照頻度が最も低い画面情報を保持する(ステップ610)。
【0106】
その後、制御部301は、表示カウンタ(Cnt)を-1デクリメントし、表示カウンタが最大値(Dm)未満になるまでステップ606~609を繰り返す。
【0107】
制御部301は、表示カウンタ(Cnt)が最大値(Dm)未満になったと判定した場合(ステップ606;Yes)、表示カウンタが表示画面数(Dn)と同じであるか否かを判定する(ステップ611)。ステップ611において、値が異なる場合は、画面数が最大値に達しており、ステップ606~609が1回以上実行されたことを示す。
【0108】
制御部301は、ステップ611で値が異なると判定した場合(ステップ611;Yes)、表示管理部3103に指示し、ステップ608あるいはステップ610で保持した画面情報について仮想画面使用フラグを設定する(ステップ612)。そして、制御部301は、仮想画面使用フラグが設定された作業の画面は表示装置101の仮想画面領域で表示するよう、表示装置101に通知する。表示装置101の制御部201は、表示管理部2103に指示し、該当する作業画面を仮想画面領域で表示を行う(ステップ613)。
【0109】
以上から、実画面領域に表示する画面数が増えた場合、あるいは作業対象の画面サイズが小さい場合、あるいは表示中で参照頻度が低下した画面が存在する場合、該当するそれらの画面を実画面領域から仮想画面領域へ移動させることにより、主たる作業対象となる実画面領域に表示する情報を増やすことが可能となる。
【0110】
なお、上記ステップ601から603は順番が入れ替わっても良い。また、優先モード9200の表示優先9202が「仮想画面領域」の場合、
図6の処理フローは表示装置101側が実施しても良い。
【0111】
図7は、
図6と異なる他の例の条件判断処理フローを示す。
図6と同様、本処理フローもユーザが別装置108を使用中に表示装置101を装着した場合について説明する。ステップ701から704については、前述のステップ601から604と同様の処理を行うため、ステップ705以降の処理について説明する。
【0112】
次に、別装置108の制御部301は、アクセス制限カウンタ(Acnt)を初期化し(ステップ705)、ステップ704で抽出した作業に関する作業履歴9000の情報アクセスレベル9009を参照し、当該画面に表示する情報がアクセス制限付きであるか否かを判定する。情報アクセスレベルは任意に定義することができ、例えば、「0:アクセス制限なし」「1:社内アクセス限定」「2:部内アクセス限定」「3:チームアクセス限定」と定義する。ステップ704で特定した作業に関する作業履歴9000内の情報アクセスレベル9009が「2:部内アクセス限定」であった場合、この作業はアクセス制限付きであると判断する(ステップ706)。
【0113】
ここで、制御部301は、ステップ701で取得した環境情報から現在位置を推定し、現在位置と情報アクセスレベルの関係をステップ706の判断に組み込んでも良い。例えば、制御部301は、前記情報アクセスレベル9009が「2:部内アクセス限定」であって、現在位置をオフィスと推定した場合は、作業はアクセス制限付きでは無いと判断する。前記情報アクセスレベル9009が「2:部内アクセス限定」、現在位置をオフィス以外と推定した場合は、作業はアクセス制限付きであると判断する。
【0114】
制御部301は、ステップ706でアクセス制限付きであると判定した場合(ステップ706;Yes)、現在の場所での使用が好ましくないと判断し、表示管理部3103に指示し、その作業に関する画面の情報を保持する(ステップ707)。そして、制御部301は、アクセス制限カウンタ(Acnt)を+1インクリメントする(ステップ708)。制御部301は、ステップ706~708までの処理を、現在表示中のすべての画面について行う。
【0115】
制御部301は、ステップ706でアクセス制限付きでないと判定した場合(ステップ706;No)、アクセス制限付きの作業を全て抽出したと判断し、さらに、作業にコミュニケーションアプリを使用しているものがあるか否かを判定する(ステップ709)。コミュニケーションアプリは、例えばチャットツールやビデオ会議など、複数のユーザがネットワーク接続された複数の場所から情報を送受信可能なアプリケーションを指す。
【0116】
制御部301は、ステップ709でコミュニケーションアプリを使用しているものがあると判定した場合(ステップ709;Yes)、アプリが表示した前画面やコミュニケーションのサマリー、音声を文字に書き起こした表示のほか、現時点のコミュニケーションで使用しない間接的な内容など、現在の表示画面を拡張して表示する内容を決定し(ステップ710)、コミュニケーションアプリ使用フラグを設定する(ステップ711)。すなわち、制御部301は、コミュニケーションアプリを使用している場合、チャットや会話等における個々のコミュニケーション(例えば、1往復の会話)の履歴を一定期間分集約したサマリー画面を、上記拡張して表示する内容として生成し、当該サマリー画面についてコミュニケーションアプリ使用フラグを設定する。以下に示すように、コミュニケーションアプリ使用フラグが設定された上記サマリー画面は、実画面領域の表示対象から仮想画面領域の表示対象となる。コミュニケーションアプリ使用フラグは、拡張して表示する内容が無い場合に0と設定し、それ以外の場合に1以上の値を設定するものとする。
【0117】
次に、制御部301は、ステップ709でコミュニケーションアプリを使用しているものがないと判定した場合(ステップ709;No)、あるいはステップ711でコミュニケーションアプリ使用フラグを設定した場合、作業にグラフィックアプリを使用しているものがあるか否かを判定する(ステップ712)。グラフィックアプリは、例えばCAD(Computer-Aided Design)、画像制作など、2D/3D設計図や回路図、配置図を作成するアプリケーションを指す(ステップ712)。
【0118】
制御部301は、ステップ712でグラフィックアプリを使用しているものがあると判定した場合(ステップ712;Yes)、アプリが表示している画面の拡大表示、あるいは2D(3D)から3D(2D)へ変換した画面のほか、現時点のグラフィック表示で使用しない間接的な内容など、現在の表示画面を拡張して表示する内容を決定し(ステップ713)、グラフィックアプリ使用フラグを設定する(ステップ714)。以下に示すように、グラフィックアプリ使用フラグが設定された上記画面は、実画面領域の表示対象から仮想画面領域の表示対象となる。グラフィックアプリ使用フラグは、拡張して表示する内容が無い場合に0と設定し、それ以外の場合に1以上の値を設定するものとする。
【0119】
制御部301は、アクセス制御カウンタ、コミュニケーションアプリ使用フラグ、グラフィックアプリ使用フラグの設定値を確認し、いずれかの設定値が1以上の場合は、該当する表示画面に仮想画面使用フラグを設定し(ステップ715)、表示装置101の仮想画面領域に表示するよう、表示装置101に通知する。表示装置101の制御部201は、表示管理部2103に指示し、該当する作業画面の表示を行う(ステップ716)。
【0120】
以上から、スキルレベルに応じて表示している画面のうち、顧客情報や経営情報など、セキュリティ上の配慮が必要となる表示内容が存在する場合、該当するそれらの画面を仮想画面領域で表示することにより、ユーザ以外の人がその表示内容を見ることはできないため、情報漏洩を防止することが可能となる。
図11に画面例を示す。
【0121】
図11は、アクセス制限付きの画面を仮想表示領域に表示する場合の例を示す図である。
図11では、仮想画面領域1002には、アクセス制限付きの情報(他社情報、経営情報)を表示する2つの画面が表示され、また、仮想画面領域1003には、アクセス制限付きの他の情報(顧客情報A~C)を表示する3つの画面が表示されていることを示している。また、実画面領域である表示装置101には、
図10の場合と同様に、仮想画面である画面1001aと、実画面である画面1001bとが表示されている。したがって、表示装置101を着用したユーザU1は、実画面領域1001に表示されているアクセス制限付きではない画面1001aと画面1001bのほか、さらにアクセス制限付きの画面の両方を視認することができる一方、表示装置101を着用していないユーザU2は、後者の画面を視認することはできないこととなる。
【0122】
また、チャットツールを使用する場合、1画面で表示できる情報量には制限があり、リアルタイムにその内容が更新されていくため、少し前にやり取りした内容が分からなくなる。そこで、画面上に表示できなくなった内容を仮想画面領域に表示することで、すぐに前のやり取りを参照することができる。また、画面上に表示できなくなった内容のサマリーをAIエンジン群309を用いて作成し、仮想画面領域に常に表示することで、コミュニケーションした内容を容易に把握することができる。
図12に画面例を示す。
【0123】
図12はコミュニケーションアプリ使用フラグが設定された画面を仮想表示領域に表示する場合の例を示す図である。
図12では、仮想画面領域1002には、チャットツールでやりとりしたときのサマリー情報を表示する画面S1が表示され、また、仮想画面領域1003には、チャットツールで過去にやりとりした個々のチャット画面S3、S4が表示されていることを示している。また、実画面領域である表示装置101には、最新のチャット画面S1が実画面として表示されている。したがって、表示装置101を着用したユーザは、実画面領域では最新のチャットの内容を確認しつつ、その両側に表示された仮想画面領域ではチャットのサマリー情報や過去のチャットの内容を必要に応じて確認することができ、最新のチャットの内容に集中することができる。また、
図11の場合と同様に、仮想画面領域に表示された画面S1~S3の内容を第三者に見られてしまうことがなくなる。
【0124】
ここで、前記
図6と
図7の条件判断処理フローは、併用して使用しても良いし、作業毎に個別に使用しても良い。
【0125】
図8は、前記
図6、
図7に示した判断条件(ステップ603、703)を学習するためのデータ生成処理フロー(a)と学習処理フロー(b)を示す。具体的には、作業履歴9000の生成・更新処理と、スキル情報9100の作業別特徴9105の生成・更新処理を指す。本実施例では、表示装置101を使用した場合のデータ生成処理フロー(a)について説明するが、別装置108においても同様である。
【0126】
ユーザが表示装置101の電源を投入すると、制御部201は、図示しないタイマから起動時刻を取得し(ステップ801)、電源投入時に自動的に起動する作業アプリあるいはスケジュールアプリで管理された作業に関する情報(例えば、作業履歴9000の作業ID9001、実施日9002、時間9003、端末番号9004、作業名9005、アプリ情報9006、アクセスレベル9009)を取得する(ステップ802)。実施日9002と開始時間9003については、ステップ801で取得した起動時刻からを設定すればよい。そして、制御部201は、表示カウンタ(Vcnt)を初期化した後、現在表示装置101が電源シャットダウン中か否かを判定する(ステップ804)。電源シャットダウン中か否かを判定する理由は、ユーザが表示装置101を起動中の作業について、以下の処理を行うためである。
【0127】
制御部201は、電源シャットダウン中でないと判定した場合(ステップ804;No)、ステップ802で取得した現在起動中のアプリに関する情報を作業履歴9000に記録、更新し(ステップ805)、それらの情報が作業履歴9000に存在するか否かを判定する(ステップ806)。ここで、電源投入時、ステップ805では、ステップ802で取得したアプリに関する情報が作業履歴9000に記録、更新されるが、新規アプリについては作業履歴9000に存在しないため、一旦メモリに記憶される。
【0128】
制御部201は、ステップ806で取得した情報が作業履歴9000に存在しないと判定した場合(ステップ806;No)、前記表示カウンタ(Vcnt)を+1インクリメントし(ステップ807)、該当作業アプリに対する操作部205および音声入出力部206からの入力操作に関する情報(例えば、作業履歴9000の入力操作情報9008)の記録を開始する。例えば、制御部201は、単位時間あたりのマウスのクリック数、キーボードのタイプ数をカウントする(ステップ808)。
【0129】
また、制御部201は、表示管理部2103で管理するその作業アプリの表示画面数や表示画面サイズを取得し、画面数やサイズが変更されたか否かの検知を開始するとともに、検知したこれらの画面情報(例えば、作業履歴9000の画面情報9007)を取得する(ステップ809)。そして、制御部201は、新規アプリについて、表示管理部2103を用いて作業アプリに関する作業履歴9000を作成し、任意の作業ID9001を付与し、ステップ802で取得した実施日9002と開始時間9003を設定する。また、端末番号9004に自身の端末番号(例えば、表示装置101の端末番号HMD-8)を設定し、作業名9005とアプリ情報9006にステップ805で取得した情報を設定する。そして、制御部201は、画面情報9007には、ステップ809で検知を開始した単位時間辺りの表示画面数や画面サイズを設定する。同様に、制御部201は、入力操作情報9008には、ステップ808でカウントを開始したマウスやキーボードの単位時間あたりの入力数を設定する(ステップ810)。
【0130】
制御部201は、ステップ806で取得した情報が作業履歴9000に存在すると判定した場合(ステップ806;Yes)、該当作業アプリが終了したか否かを判定し(ステップ811)、終了していないと判定した場合(ステップ811;No)は、ステップ804に戻り、シャットダウンされるまで作業履歴9000を記録、更新する。
【0131】
一方、制御部201は、ステップ811で該当作業アプリが終了したと判定した場合(ステップ811;Yes)、現在時刻を取得し(ステップ812)、該当する作業履歴9000の時間9003(終了時刻)を設定し、画面情報9007と入力操作情報9008を最終更新し(ステップ813)、表示カウンタ(Vcnt)を-1デクリメントした後(ステップ814)、ステップ804に戻る。
【0132】
制御部201は、電源が投入されている間は、前記ステップ804から814の処理を継続する。そして、ユーザによりシャットダウンが指示された場合は、作成した1つ以上の作業履歴9000を表示学習データとして表示管理部2103に格納する(ステップ815)。
【0133】
このような処理を行って作業履歴9000を記録、更新することにより、日常的にユーザが表示装置101(あるいは別装置108)に対してどのようなアプリを用いてどのような環境で作業を行っているのかといった学習のための元データを得ることができる。
【0134】
次に、表示装置101を使用した場合の学習処理フロー(b)について説明する。前記ステップ815で表示管理部2103に格納された表示学習データとしての作業履歴9000は、定期的に制御部201によって以下のように使用される。
【0135】
制御部201は、表示管理部2103から任意のタイミングで前記表示学習データを取得し(ステップ820)、AIエンジン群209に入力するデータを生成する(ステップ821)。具体的には、作業ID9001以外の作業履歴9000内の2つ以上の項目と、ユーザID9101以外のスキル情報9101内の1つ以上の項目を利用し、入力データを生成する。
【0136】
その後、制御部201はAIエンジン群2109で保持する学習パラメータを取得し(ステップ822)、その学習パラメータとAIエンジン群2109を用いて機械学習を実行する(ステップ823)。ここで、機械学習の手法は、統計的手法やディープラーニングなど一般的な手法を使用する。
【0137】
制御部201は、ステップ823で学習した結果、得られたパラメータを新たな学習パラメータとしてAIエンジン群2109に登録し(ステップ824)、学習パラメータを使用した結果をスキル情報9100の作業別特徴9105に格納する(ステップ825)。
【0138】
以上から、作業アプリ毎に画面の表示数や表示サイズ、参照頻度の閾値を作成、更新することにより、ユーザのスキルや作業内容に合わせて画面の表示位置を最適化することで、多くの情報を効果的に表示しながら作業を行うことが可能となる。ここで、
図1Cの構成を用いて、
図8(b)の学習処理フローをクラウド側で実行しても良い。
【実施例2】
【0139】
以下、透過型HMDの表示装置および表示システムの実施例を示し、表示装置で取得した静止画あるいは動画を簡単に他の情報処理装置上の表示内容とリンク付けすることで、ユーザの作業を効果的に支援可能な表示装置が実現できることを示す。
【0140】
図13は、本実施例における透過型HMDの表示装置1300の一構成を示すブロック図である。本例は、
図1A(a)と同じ形態を想定しているが、実施例1に記載した
図1B、1Cにも適用できる。
【0141】
表示装置1300は、前記表示装置101の構成に加えて、コンテンツ認識部1301、リンク管理部1302を備える。
【0142】
コンテンツ識別部1301は、別装置108が表示する実画面領域、あるいは表示部208に表示中のコンテンツ、あるいは撮像部2111で記録中/記録済のコンテンツに含まれるテキストや画像情報、それらの位置情報を取得する。具体的には、OCR(Optical Character Recognition/Reader)やAIエンジン群209を用いた画像認識を用いて、これらの情報を取得する。
【0143】
リンク管理部1302は、前記コンテンツ識別部1301で取得したテキストや画像情報を、別の実画面領域や表示中のコンテンツに関連付けを行い、そのリンク情報を管理する。なお、撮像部2112にかえて、視線追跡部3112(検知部)を用いてもよい。
【0144】
例えば、
図14は、ユーザが表示装置1300で撮影した動画像1401を、別装置108で表示中の作業アプリの任意の箇所にリンク付けした場合を示している。
図14では、表示装置1300の制御部201は、撮像部2111、2112が撮像した3つの動画像1401を読み出して仮想画面領域1400に配置(コピー)し、動画像1401を再生するための再生ボタン1402と、動画像1401を別装置108にリンクをはる(ペースト)するためのリンクボタン1403とを配置している。以下では、制御部201は、
図5から
図7で示したように、ユーザのスキルレベルや特徴をあらわす属性に応じて、表示装置101の仮想画面領域に表示する画面の数や別装置108の実画面領域に表示する画面の数を調整された場合を示している。
【0145】
表示装置1300を装着したユーザは、撮像部2111、2112を用いて、オフォス以外の場所に設置した家電製品や実験装置などの実物C1を操作する動画像を撮影、あるいは参照している紙の書類やマニュアルC2の内容を撮影Rする。そして、表示装置1300は、撮像部2111、2112が撮影Rした画像の一覧画面を、表示部208が表示する仮想画面領域1400に表示する。当該一覧画面に表示する画像の数は、ユーザのスキルレベルや特徴をあらわす属性に応じて定められる。
【0146】
ユーザは、操作部105を用いて前記一覧画面上で任意の動画像1401aを選択し、再生ボタン1402の再生指示を受け付けると、制御部201は、表示生成部2102、表示管理部2103を用いて選択画像を再生する。
【0147】
その後、ユーザがオフィスの自席へ戻り、別装置108の操作部305や音声入出力部306を用いて、ディスプレイ1001に表示した任意の作業アプリ、あるいは作業アプリの任意の場所にカーソルを移動させる。制御部201は、操作部105を介して、ユーザから前記一覧画面上のリンクボタン1401の押下を受け付けると、ディスプレイ1001に表示している画面の上記カーソルの位置に選択した画像が移動され、挿入される。
【0148】
具体的には、制御部201は、ユーザから前記一覧画面上のリンクボタン1403の押下を受け付けると、通信部202を介して、別装置108上で動作する作業アプリに選択した動画像1401aを送信Vする。送信Vされる動画像は、表示装置1300で編集されていても良い。
【0149】
上記動画像1401aを受信した別装置108の制御部301は、作業アプリを起動して、その動画像データを、例えばクリップボードなど複数アプリで共有できるバッファ領域にコピーする。別装置108の制御部301は、ユーザから、表示装置1300のリンクボタン1402の押下により前記作業アプリ上でそのバッファ領域の貼り付け指示を受けると、前記カーソルの位置に動画像1404を挿入する。
【0150】
以上示した構成、及び方法により、ユーザは、自身が参照する様々な媒体上の情報を任意のタイミングでデータ化し、現在作業中の内容へ容易に関連付けすることが可能となる。
【0151】
ここで、上記実施例では、ユーザが別装置108の操作部305や音声入出力部306を用いてカーソルを移動させ貼り付け位置を選択しているが、上記のとおり、別装置108の視線追跡部3112によるユーザの視線位置を利用して、貼り付け位置を選択しても良い。また、上記実施例では、表示装置1300が撮像した動画像そのものを張り付けているが、動画像を格納した場所へのパス名などリンク情報といった、動画像の所在を示す情報であればよい。動画像を格納する場所は、例えば、表示装置1300の記憶部210、あるいは別装置108の記憶部310のいずれでもよい。
【0152】
このように、上記各実施例によれば、利用者の特徴などのスキルや状況に対応した情報を表示する際の画面の表示方法を調整することができ、例えば、各種の作業を行うユーザに対して、ユーザのスキルや作業内容に合わせて表示位置や表示内容を調整し、作業を高精度に効率的に行うことができる。また、ユーザに対して表示する情報量を効果的に増やすと同時に省スペース化を実現し、ユーザの表示内容への理解を適切に支援することが可能となる。
【符号の説明】
【0153】
101…表示装置、102…センサ部、103…表示部、104…光源部、105…操作部、106…通信線、107…PC、108…携帯端末、109…インターネット、110…クラウドサービス
201…制御部、202…通信部、203…時間管理部、204…電源部、205…操作部、206…音声入出力部、207…表示制御部、208…表示部、209…AIエンジン群、210…記憶部、211…センサ群
2101…認証部、2102…表示生成部、2013…表示管理部、2014…スキル管理部、2015…ユーザ状態管理部、2016…最適表現変換部
2111…撮像部、2113…慣性計測部、2114…環境計測部、2115…バイタル計測部、3112…視線追跡部、4101…ユーザ管理部、4102…画面表示条件学習部、4103…スキル学習部、4104…作業履歴管理部
900…ユーザ情報、9000…作業履歴、9100…スキル情報