(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B31B 70/81 20170101AFI20220908BHJP
B31B 70/14 20170101ALI20220908BHJP
B31B 70/26 20170101ALI20220908BHJP
B31B 70/64 20170101ALI20220908BHJP
B31B 160/20 20170101ALN20220908BHJP
B31B 170/20 20170101ALN20220908BHJP
【FI】
B31B70/81
B31B70/14
B31B70/26
B31B70/64
B31B160:20
B31B170:20
(21)【出願番号】P 2019504599
(86)(22)【出願日】2018-03-06
(86)【国際出願番号】 JP2018008561
(87)【国際公開番号】W WO2018164117
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2017042350
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017042351
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017042352
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 忠
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴史
(72)【発明者】
【氏名】稲川 義則
(72)【発明者】
【氏名】児玉 大輔
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-517418(JP,A)
【文献】特表2017-501060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/00-70/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートに第2シートを重ね合わせる第1重合工程と、
前記第1シートと前記第2シートとの一部同士を接合することにより、前記第1シートと前記第2シートとの非接合領域によって構成された充填材を封入するための充填材封入部を形成する封入部形成工程と、
少なくとも1つの折り位置を介して連接した両側に前記充填材封入部がその内部を通じた状態で存在するように、前記第1シートを外側として前記第1シート及び前記第2シートを折りたたむ折りたたみ工程と、
前記第1シート及び前記第2シートの少なくともいずれかを含む複数箇所の接合により収容部を形成する収容部形成工程と、
少なくとも前記第1シートを切断することにより軟包材容器用中間材を形成する切断工程と、を備え
、
前記収容部形成工程では、少なくとも対面する前記第1シートの一部同士を接合し、
前記折りたたみ工程の前において、前記第2シートが、前記第1シートよりも平面視寸法が小さい特定形状である、軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項2】
前記第1重合工程では、前記特定形状よりも大である原反状態の前記第2シートと前記第1シートとを重ね合わせ、
前記折りたたみ工程の前に、前記原反状態の前記第2シートから前記特定形状以外の部分を除去する除去工程を備える、請求項
1に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項3】
前記第1重合工程の後、前記封入部形成工程の前に、前記除去工程を行う、請求項
2に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項4】
前記封入部形成工程の後、前記折りたたみ工程の前に、前記除去工程を行う、請求項
2に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項5】
前記第1重合工程は、前記原反状態の前記第2シートに前記特定形状の切断予定線を形成する切断予定線形成工程を含む、請求項
2ないし
4のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項6】
前記第1重合工程は、前記第2シートの一部と前記第1シートとを接合する予備接合工程を含む、請求項
1ないし
5のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項7】
前記予備接合工程は、前記第2シートの前記特定形状に含まれる一部と前記第1シートとを接合する、請求項
6に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項8】
前記予備接合工程は、前記第2シートの前記特定形状以外の一部と前記第1シートとを接合する、請求項
6に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項9】
前記封入部形成工程の後に、第3シートを前記第2シート側に重ね合わせる第2重合工程をさらに備え、
前記折りたたみ工程では、前記第1シート及び前記第2シートと前記第3シートとを折りたたみ、
前記収容部形成工程では、前記第1シートの対面する一部同士の接合、前記第1シートと前記第3シートとの接合、及び前記第3シートの対面する一部同士の接合、の全部又はいずれかにより前記第3シートによって規定された前記収容部を形成する、請求項
1ないし
8のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項10】
第1シートに第2シートを重ね合わせる第1重合工程と、
前記第1シートと前記第2シートとの一部同士を接合することにより、前記第1シートと前記第2シートとの非接合領域によって構成された充填材を封入するための充填材封入部を形成する封入部形成工程と、
少なくとも1つの折り位置を介して連接した両側に前記充填材封入部がその内部を通じた状態で存在するように、前記第1シートを外側として前記第1シート及び前記第2シートを折りたたむ折りたたみ工程と、
前記第1シート及び前記第2シートの少なくともいずれかを含む複数箇所の接合により収容部を形成する収容部形成工程と、
少なくとも前記第1シートを切断することにより軟包材容器用中間材を形成する切断工程と、を備え、
前記収容部形成工程では、前記第2シートを含む複数箇所の接合を行い、
前記封入部形成工程の後に、第3シートを前記第2シート側に重ね合わせる第2重合工程をさらに備え、
前記折りたたみ工程においては、前記第1シート及び前記第2シートと前記第3シートとを折りたたみ、
前記収容部形成工程においては、前記第2シートと前記第3シートとの接合、及び前記第3シートの対面する一部同士の接合、の全部又はいずれかにより前記第3シートによって規定された前記収容部を形成する、軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項11】
前記第2シートは、外面及び内面がシーラントフィルム層によって構成されており、
少なくとも前記軟包材容器用中間材の完成時においては、前記第1シート及び前記第2シートが同形状且つ同サイズである、請求項10に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項12】
前記収容部と外部とを通じさせるスパウトを取り付けるスパウト取付工程を更に備える、請求項1ないし
11のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項13】
前記収容部形成工程は、
第3シートにより形成された収容部を有する収容容器を、前記折りたたみ工程で折りたたまれた前記第1シート及び前記第2シートの、対面した前記第2シート間に挿入する収容容器挿入工程と、
前記第1シート及び前記第2シートと、前記収容容器と、を結合させる結合工程と、
を含む、請求項2ないし
8のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項14】
第1シートに第2シートを重ね合わせる第1重合工程と、
前記第1シートと前記第2シートとの一部同士を接合することにより、前記第1シートと前記第2シートとの非接合領域によって構成された充填材を封入するための充填材封入部を形成する封入部形成工程と、
少なくとも1つの折り位置を介して連接した両側に前記充填材封入部がその内部を通じた状態で存在するように、前記第1シートを外側として前記第1シート及び前記第2シートを折りたたむ折りたたみ工程と、
前記第1シート及び前記第2シートの少なくともいずれかを含む複数箇所の接合により収容部を形成する収容部形成工程と、
少なくとも前記第1シートを切断することにより軟包材容器用中間材を形成する切断工程と、を備え、
前記収容部形成工程では、前記第2シートを含む複数箇所の接合を行い、
前記収容部形成工程は、
第3シートにより形成された収容部を有する収容容器を、前記折りたたみ工程で折りたたまれた前記第1シート及び前記第2シートの、対面した前記第2シート間に挿入する収容容器挿入工程と、
前記第1シート及び前記第2シートと、前記収容容器と、を結合させる結合工程と、
を含む、軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項15】
前記第2シートは、外面及び内面がシーラントフィルム層によって構成されており、
少なくとも前記軟包材容器用中間材の完成時においては、前記第1シート及び前記第2シートが同形状且つ同サイズである、請求項14に記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項16】
前記収容容器挿入工程では、個片状の前記収容容器を用いる、請求項
13ないし15
のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項17】
前記収容容器挿入工程では、複数の前記収容容器が連接された収容容器集合体を用いる、請求項
13ないし15
のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法の後に、
前記充填材封入部に充填材を充填する充填材封入工程を備える、軟包材容器の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の軟包材容器の製造方法の後に、前記収容部に内容物を充填する内容物充填工程を備える、軟包材容器包装体の製造方法。
【請求項20】
請求項1ないし17のいずれかに記載の軟包材容器用中間材の製造方法の後に、
前記収容部に内容物を充填する内容物充填工程と、
前記内容物充填工程の後に、前記充填材封入部に充填材を充填する充填材封入工程と、を備える、軟包材容器包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟包材容器は、各種の洗剤や飲料及び食品等の内容物を収容する容器として広く用いられている。一般的に、軟包材容器は、可撓性を有する、柔軟性に富んだ合成樹脂製のシートを用いて形成されている。このような軟包材容器においては、内容物を収容した軟包材容器包装体となった状態で、一定の外形を保つことは容易ではなく、たとえば自立させることが困難である。
【0003】
特許文献1,2には、より自立に適した構成の軟包材容器が開示されている。これらの文献に開示された軟包材容器は、充填材封入部を有する。充填材封入部は、積層されたシートの間に設けられた非接合領域によって構成されており、内容物以外の空気や水等の充填材が封入されることにより、軟包材容器の剛性を向上させる機能を果たす。充填材封入部を有することにより、軟包材容器の外形が一定形状により確実に維持され、たとえば自立させることが容易となる。
【0004】
しかしながら、充填材が内容物に混入することは確実に避ける必要があるため、充填材封入部は、内容物を収容するための収容部とは隔離されたものであることが求められる。このため、充填材封入部を有する軟包材容器の製造方法においては、より多くの枚数のシートを用いることや、より多くの接合工程を行うこととなる。また、軟包材容器の剛性を向上させるには、充填材封入部は軟包材容器のより多くの領域に設けられることが好ましい。したがって、このような軟包材容器の製造方法は、困難となり易く、十分な密閉性等が確保された軟包材容器を製造することは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-27697号公報
【文献】特開2002-104431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より多くの領域に充填材封入部を有する軟包材容器をより容易且つ確実に製造することが可能な軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される軟包材容器用中間材の製造方法は、第1シートに第2シートを重ね合わせる第1重合工程と、前記第1シートと前記第2シートとの一部同士を接合することにより、前記第1シートと前記第2シートとの非接合領域によって構成された充填材を封入するための充填材封入部を形成する封入部形成工程と、少なくとも1つの折り位置を介して連接した両側に前記充填材封入部がその内部を通じた状態で存在するように、前記第1シートを外側として前記第1シート及び前記第2シートを折りたたむ折りたたみ工程と、前記第1シート及び前記第2シートの少なくともいずれかを含む複数箇所の接合により収容部を形成する収容部形成工程と、少なくとも前記第1シートを切断することにより軟包材容器用中間材を形成する切断工程と、を備える。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容部形成工程では、少なくとも対面する前記第1シートの一部同士を接合し、前記折りたたみ工程の前において、前記第2シートが、前記第1シートよりも平面視寸法が小さい特定形状である。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1重合工程では、前記特定形状よりも大である原反状態の前記第2シートと前記第1シートとを重ね合わせ、前記折りたたみ工程の前に、前記原反状態の前記第2シートから前記特定形状以外の部分を除去する除去工程を備える。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1重合工程の後、前記封入部形成工程の前に、前記除去工程を行う。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封入部形成工程の後、前記折りたたみ工程の前に、前記除去工程を行う。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1重合工程は、前記原反状態の前記第2シートに前記特定形状の切断予定線を形成する切断予定線形成工程を含む。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1重合工程は、前記第2シートの一部と前記第1シートとを接合する予備接合工程を含む。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記予備接合工程は、前記第2シートの前記特定形状に含まれる一部と前記第1シートとを接合する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記予備接合工程は、前記第2シートの前記特定形状以外の一部と前記第1シートとを接合する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容部形成工程では、前記第2シートを含む複数箇所の接合を行う。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2シートは、外面及び内面がシーラントフィルム層によって構成されており、少なくとも前記軟包材容器用中間材の完成時においては、前記第1シート及び前記第2シートが同形状且つ同サイズである。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封入部形成工程の後に、第3シートを前記第2シート側に重ね合わせる第2重合工程をさらに備え、前記折りたたみ工程では、前記第1シート及び前記第2シートと前記第3シートとを折りたたみ、前記収容部形成工程では、前記第1シートの対面する一部同士の接合、前記第1シートと前記第3シートとの接合、及び前記第3シートの対面する一部同士の接合、の全部又はいずれかにより前記第3シートによって規定された前記収容部を形成する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封入部形成工程の後に、第3シートを前記第2シート側に重ね合わせる第2重合工程をさらに備え、前記折りたたみ工程においては、前記第1シート及び前記第2シートと前記第3シートとを折りたたみ、前記収容部形成工程においては、前記第2シートと前記第3シートとの接合、及び前記第3シートの対面する一部同士の接合、の全部又はいずれかにより前記第3シートによって規定された前記収容部を形成する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容部と外部とを通じさせるスパウトを取り付けるスパウト取付工程を更に備える。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容部形成工程は、第3シートにより形成された収容部を有する収容容器を、前記折りたたみ工程で折りたたまれた前記第1シート及び前記第2シートの、対面した前記第2シート間に挿入する収容容器挿入工程と、前記第1シート及び前記第2シートと、前記収容容器と、を結合させる結合工程と、を含む。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容容器挿入工程では、個片状の前記収容容器を用いる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容容器挿入工程では、複数の前記収容容器が連接された収容容器集合体を用いる。
【0024】
本発明の第2の側面によって提供される軟包材容器の製造方法は、本発明の第1の側面によって提供される軟包材容器用中間材の製造方法の後に、前記充填材封入部に充填材を充填する充填材封入工程を備える。
【0025】
本発明の第3の側面によって提供される軟包材容器包装体の製造方法は、本発明の第2の側面によって提供される軟包材容器の製造方法の後に、前記収容部に内容物を充填する内容物充填工程を備える。
【0026】
本発明の第4の側面によって提供される軟包材容器包装体の製造方法は、本発明の第1の側面によって提供される軟包材容器用中間材の製造方法の後に、前記収容部に内容物を充填する内容物充填工程と、前記内容物充填工程の後に、前記充填材封入部に充填材を充填する充填材封入工程と、を備える。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、より多くの領域に充填材封入部を有する軟包材容器をより容易且つ確実に製造することができる。
【0028】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図6】
図4のVI-VI線に沿う要部断面図である。
【
図7】
図4のVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】
図4のVIII-VIII線に沿う要部断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部拡大平面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図21】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図22】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材の一例を示す平面図である。
【
図23】
図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【
図25】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器の製造方法を示す斜視図である。
【
図27】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器の製造方法によって製造された軟包材容器を示す斜視図である。
【
図28】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器包装体の製造方法によって製造された軟包材容器包装体を示す斜視図である。
【
図30】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例における一工程を示す要部拡大平面図である。
【
図31】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例における一工程を示す要部拡大平面図である。
【
図32】本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第3変形例によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。
【
図33】本発明の第2実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。
【
図34】本発明の第3実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。
【
図35】本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図36】本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部拡大平面図である。
【
図37】本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例を示す要部拡大平面図である。
【
図38】本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例を示す要部拡大平面図である。
【
図39】本発明の第5実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図40】本発明の第5実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部拡大平面図である。
【
図41】本発明の第5実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す断面図である。
【
図42】本発明の第5実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材の一例を示す断面図である。
【
図43】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図44】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図45】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図46】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部拡大平面図である。
【
図47】
図46のXLVII-XLVII線に沿う断面図である。
【
図48】
図46のXLVIII-XLVIII線に沿う要部断面図である。
【
図49】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図51】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図52】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図54】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図57】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図58】本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材の一例を示す平面図である。
【
図61】本発明の第7実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。
【
図62】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す斜視図である。
【
図63】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図65】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図67】
図65のLXVII-LXVII線に沿う断面図である。
【
図68】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示す要部斜視図である。
【
図69】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材の一例を示す平面図である。
【
図72】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。
【
図73】本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0031】
[第1実施形態]
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示している。本実施形態の軟包材容器用中間材の製造方法は、第1重合工程P1、除去工程PA、封入部形成工程P2、第2重合工程P3、折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を備えており、軟包材容器用中間材A1を製造するための方法である。軟包材容器用中間材A1は、後述する軟包材容器B1の製造に用いられるものである。
【0032】
[第1重合工程P1]
本実施形態の第1重合工程P1は、
図1、
図3及び
図4に示すように、第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせる工程である。第1原反シート110は、後述の第1シート11となる十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。第2原反シート120は、帯状の原反状態の合成樹脂製のシートであり、後述の第2シート12を形成するためのものである。なお、第2シート12は、製造される軟包材容器用中間材A1の構造及び形状に依存する形状とされた個片状態の合成樹脂製のシートである。本発明においては、この軟包材容器用中間材A1の構造及び形状に依存する形状を特定形状と定義する。図示された例においては、第1重合工程P1は、切断予定線形成工程P11及び予備接合工程P12を含む。
【0033】
ここで、第1原反シート110及び第2原反シート120(第2シート12)は、後述する工程を経ることにより、軟包材容器用中間材A1を形成可能なものであれば、その具体的な材料や層構成は特に限定されない。第1原反シート110及び第2原反シート120は、後述する内容物や充填材を密閉状態で適切に収容し、適度な強度及び柔軟性を有するものであればよい。また、第1原反シート110及び第2原反シート120は、軟包材容器用中間材A1を形成するために選択される接合手法を施すことが可能な材質等によって形成されればよい。
【0034】
本実施形態においては、第1原反シート110が外面111及び内面112を有しており、第2原反シート120が外面121及び内面122を有している。第1重合工程P1においては、第1原反シート110と第2原反シート120とは、内面112と外面121とが対面するように重ね合わされる。この後の接合工程において、たとえばヒートシールが用いられる場合、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とは、ともにヒートシールが可能なヒートシール性を有するシーラントフィルム層によって構成される。
【0035】
また、第1原反シート110の外面111は、軟包材容器用中間材A1の最外表面となるものであるため、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性等を有する基材フィルム層によって構成されることが好ましい。第2原反シート120の内面122は、ヒートシール性の有無や、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性の有無は特に限定されないが、後述する製造工程をスムーズに実施するためには、外面111と同様の基材フィルム層によって構成されることが好ましい。
【0036】
以上より、図示された例においては、第1原反シート110の内面112及び第2原反シート120の外面121が、同種のシーラントフィルム層によって構成され、第1原反シート110の外面111及び第2原反シート120の内面122が、同種の基材フィルム層によって構成されている。また、第1原反シート110及び第2原反シート120に高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、第1原反シート110及び第2原反シート120は、シーラントフィルム層と基材フィルム層との間に介在する中間層としてのバリアフィルム層を有することが好ましい。このような構成の第1原反シート110及び第2原反シート120は、上述したシーラントフィルム層、バリアフィルム層及び基材フィルム層が積層された1枚の原反状態のシートを、2分割することによって形成してもよい。
【0037】
ここで、基材フィルム層、シーラントフィルム層及びバリアフィルム層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、共押出しラミネーション、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション等により行うことができる。
【0038】
基材フィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66等)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0039】
シーラントフィルム層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0040】
バリアフィルム層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、基材フィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0041】
図3に示すように、切断予定線形成工程P11は、第2原反シート120に切断予定線125を形成する工程である。切断予定線125は、第2原反シート120の切断を所定の方向及び位置に誘導するものであり、上述の特定形状とされた閉じた曲線あるいは屈曲線である。切断予定線125は、切断を誘導し得るものであれば、その具体的構成は特に限定されず、たとえば切断部と非切断部とが連続したミシン目線(切断部及び非切断部の位置、大きさ等はそれぞれに限定されない)や厚さが部分的に減じられた薄肉線等が適宜採用される。図示された例においては、ミシン目線が採用されている。なお、例えば、予め切断予定線125が形成された第2原反シート120を用いて第1重合工程P1を行う場合、第1重合工程P1において切断予定線形成工程P11を行わない構成であってもよい。
【0042】
切断予定線125の特定形状の具体的な形状は特に限定されない。図中において想像線で示した充填材封入部予定領域500は、実際に第1原反シート110及び第2原反シート120に形成されているものではなく、以降の工程を想定して、図示された位置に後述する充填材封入部50が設けられることを示すものである。そして、切断予定線125の特定形状は、充填材封入部予定領域500を内包する形状とされる。
【0043】
また、図示された例においては、切断予定線形成工程P11においてミシン目線からなる切断予定線125を形成する際に、第2原反シート120にスパウト用孔127を形成している。スパウト用孔127は、第2原反シート120を貫通しており、後述するスパウト70を後述する第2シート12を貫通する姿勢で後述の第3原反シート130に取り付けるためのものである。また、切断予定線形成工程P11において、第1原反シート110に底部切り欠き用孔115を形成している。底部切り欠き用孔115は、第1原反シート110を貫通しており、後述する底部を形成するために必要な接合に用いられる。
【0044】
予備接合工程P12は、切断予定線形成工程P11の後に第1原反シート110と第2原反シート120とを互いに重ね合わせた状態で仮接合する工程である。予備接合工程P12をおこなうことで、以降の工程において第1原反シート110と第2原反シート120の位置ずれを防止することができる。
図4、
図5及び
図6に示すように、図示された例においては、第1原反シート110と第2原反シート120とをたとえばヒートシールによって部分的に接合する複数の補助接合部14が形成されている。補助接合部14を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。また、補助接合部14は、後述する除去工程PAが適切に行われ、且つ後述する封入部形成工程P2において充填材封入部50の形成を阻害しない範囲内であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されない。本実施形態においては、複数の補助接合部14は、第2原反シート120のうち特定形状に含まれる一部と第1原反シート110とが接合されたものである。また、複数の補助接合部14の形成位置としては、切断予定線125に内包された位置であって、充填材封入部予定領域500を避けた位置が好ましい。具体的には、複数の補助接合部14は、切断予定線125のごく内側であって、充填材封入部予定領域500の外側の領域に設けられることが好ましい。このような位置であれば、後述する除去工程PAがより適切に行えると共に、後述する封入部形成工程P2における副シール部40が形成されたときに副シール部40と重なる。これにより、補助接合部14を目立たなくすることができ、最終製品が美観に優れたものとなる。なお、図示された例においては、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の部分は、第1原反シート110に対して接合されていない。
図5及び
図6においては、補助接合部14において互いに仮接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分同士が密着して示されており、補助接合部14以外の部分は若干の隙間を隔てて離れた態様で示されているが、これは理解の便宜であり、補助接合部14以外の部分においても第1原反シート110と第2原反シート120とが接触し得る。この点は、以降の断面図においても同様である。
【0045】
[除去工程PA]
次いで、
図1、
図4、
図7及び
図8に示すように、除去工程PAを行う。除去工程PAは、第2原反シート120のうち特定形状以外の部分、即ち特定形状とされた切断予定線125の外側の部分を除去する工程である。図示された例においては、切断予定線形成工程P11及び予備接合工程P12を含む第1重合工程P1を経ることにより、切断予定線125が形成された第2原反シート120が複数の補助接合部14によって第1原反シート110に仮接合されている。この状態で、第2原反シート120を切断予定線125に沿って切断する。これにより、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の部分が除去され、切断予定線125の内側の部分が、複数の補助接合部14によって第1原反シート110に仮接合された状態で残存する。この切断予定線125に沿った切断によって得られた部材を、第2シート12とする。第2シート12は、特定形状とされた個片のシートである。なお、本実施形態とは異なり、第2原反シート120を用いずに、特定形状とされた個片の第2シート12を第1原反シート110に重ね合わせる構成であってもよい。この場合、除去工程PAは、行われない。
【0046】
[封入部形成工程P2]
次いで、
図1、
図9~
図12に示すように、封入部形成工程P2を行う。封入部形成工程P2は、第1原反シート110と第2シート12(または第2原反シート120)との一部同士を接合することにより、第1原反シート110と第2シート12(または第2原反シート120)との非接合領域によって構成された充填材59を封入するための充填材封入部50を形成する工程である。本実施形態の封入部形成工程P2は、第1原反シート110と第2シート12との一部同士を接合することにより、充填材封入部50を形成する工程である。充填材封入部50は、後述する充填材59が密閉状態で封入される部位である。充填材封入部50の形成は、第1原反シート110の内面112と第2シート12の外面121とを部分的に接合し非接合領域を残存させることによりおこなう。この第1原反シート110と第2シート12との非接合領域によって充填材封入部50が構成される。第1原反シート110と第2シート12との接合手法は特に限定されず、ヒートシール接合、接着剤による接着や圧着等が挙げられる。中でも好ましくは、製造工程の煩雑化を防止することができるヒートシール接合であり、本実施形態においては、ヒートシール接合によって行われている。なお、ヒートシール接合とは、加熱されたヒートシール金型(金型の形状は、棒形状、板形状、ロール形状等、通常公知の金型を用いることができる)による熱溶着に限定されず、超音波シール、高周波シール等、接合部を熱により溶着することができる全ての熱溶着を意味する。また、ヒートシール金型による熱溶着は、第1原反シート110或いは第2シート12のいずれか或いは双方に熱溶着を阻害する剥離剤等を印刷等により充填材封入部予定領域500に設けた後、全面をヒートシール金型で加熱することにより行ってもよいし、後述するように所定の熱溶着形状を加工形成したヒートシール金型を用いて行ってもよい。
【0047】
図示された例においては、封入部形成工程P2の第1段階において、ヒートシール金型81によって第1原反シート110及び第2シート12が挟まれる。ヒートシール金型81は、第1原反シート110の内面112と第2シート12の外面121とを適切にヒートシール接合可能な程度に第1原反シート110及び第2シート12を加熱するものである。ヒートシール金型81には、非加熱領域が設定されており、この非加熱領域の形状は、充填材封入部50の形状とされている。また、ヒートシール金型81の加熱領域の形状は、副シール部40の形状と略一致する。ヒートシール金型81の加熱によって互いにヒートシール接合された第1原反シート110及び第2シート12の部分は、副シール部40を構成する。次いで、冷却金型82によって、第1原反シート110及び第2シート12を冷却する。これにより、第1原反シート110及び第2シート12が部分的にヒートシール接合された部位である副シール部40が形成される。また、平面視において副シール部40に囲まれた第1原反シート110及び第2シート12の非接合領域によって充填材封入部50が構成される。なお、上述した例においては、ヒートシール金型81を用いたヒートシール接合と冷却金型82を用いた冷却がそれぞれ1回ずつ行われているが、これに限定されず、それぞれ複数回行われてもよい。ヒートシール接合が複数回行われる場合、各回のヒートシール金型81の温度を同じにしてもよいし変更してもよい。また、切断予定線17は、後述する切断工程において切断されることが予定された線であり、説明の便宜上想像線で示された仮想の線である。図示された例においては、切断予定線17は、第2シート12から若干の距離をおいて第2シート12を取り囲む形状とされている。
【0048】
図10~
図12に示された例においては、副シール部40は、一対の胴部副シール部41、底側副シール部42、天側副シール部43及び充填口副シール部44を有する。胴部副シール部41は、第1原反シート110の幅方向に互いに離れて設けられている。底側副シール部42は、一対の胴部副シール部41の間に設けられており、一対の胴部副シール部41を繋いでいる。天側副シール部43は、一方の胴部副シール部41に対して底側副シール部42とは反対側に繋がっている。充填口副シール部44は、他方の胴部副シール部41に対して底側副シール部42とは反対側に繋がっている。なお、図示された例においては、充填口副シール部44は、
図10における左右方向である搬送方向において胴部副シール部41から上流側に突出している。この充填口副シール部44は、上流側でも下流側でもどちらに突出していてもよいが、上流側に突出しているほうが好ましい。本例とは異なり、充填口副シール部44が搬送方向下流側に突出する形状であると、
図4に示す除去工程PAにおいて切断予定線125に沿って第2原反シート120を切断する際に、切断予定線125のうち充填口副シール部44を形成する部分から切断されることになる。この場合、比較的細い充填口副シール部44を形成する部分に過度な力がかかり、充填口副シール部44を形成する部分が破断するなど、第2原反シート120の切断が適切に行われないおそれがある。本例によれば、搬送方向に対して突出方向が逆らわずに位置することになるため、切断予定線125のうち充填口副シール部44を形成する部分をより確実に切断することが可能であり、充填口副シール部44の破断等が生じることを抑制することができる。
【0049】
副シール部40の各部の形状は特に限定されず、意図した形状の充填材封入部50を形成しうるものであればよい。
【0050】
充填材封入部50は、第1原反シート110と第2シート12との間に隙間が生じうる部位であり、副シール部40によって囲まれている。図示された例においては、充填材封入部50は、一対の胴部充填材封入部51、底部充填材封入部52及び充填口53を有する。胴部充填材封入部51は、胴部副シール部41によって区画された部分である。底部充填材封入部52は、底側副シール部42によって区画された部分であり、一対の胴部充填材封入部51を繋いでいる。充填口53は、充填口副シール部44によって挟まれており、胴部充填材封入部51と外部とを繋いでいる。即ち、一対の胴部充填材封入部51と底部充填材封入部52は、その一部が連続して繋がっている一つの充填材封入部50となっている。このように、図示された例においては、充填口53が設けられていることにより、充填材封入部50が外部に繋がっている。
【0051】
[第2重合工程P3]
次いで、
図1、
図2、
図9、
図13及び
図14に示すように、第2重合工程P3を行う。第2重合工程P3は、第3原反シート130を第2シート12側に重ね合わせる工程である。第3原反シート130は、本実施形態により形成される軟包材容器用中間材A1において後述する内容物69を収容するための収容部60を構成する第3シート13になる原反シートである。第3原反シート130の材質及び層構造は、内容物69を適切に収容することが可能であり、収容部60を有する軟包材容器用中間材A1形成するための接合手法等に適したものが好ましい。本実施形態においては、接合手法としてヒートシール接合を採用することから、第3原反シート130の外面131及び内面132は、上述したシーラントフィルム層によって構成される。また、第3原反シート130に所定のバリア性を付与することが好ましい場合、外面131を構成するシーラントフィルム層と内面132を構成するシーラントフィルム層との間に上述したバリアフィルム層を設けることが好ましい。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130を用いることなく、第1原反シート110及び第2原反シート120(第2シート12)を用いて軟包材容器用中間材を製造してもよい。この場合、後述する収容部60は、たとえば第2シート12によって構成される。
【0052】
図示された例においては、第2シート12側に第3原反シート130を重ねた状態で、複数の補助接合部16を形成している。補助接合部16は、第3原反シート130の位置ずれを防止するものであり、軟包材容器用中間材の製造を阻害しない範囲であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されない。本実施形態においては、複数の補助接合部16は、切断予定線17の外側において切断予定線17から離れた位置に設けられている。補助接合部16は、たとえば第1原反シート110の内面112と第3原反シート130の外面131とをヒートシール接合することによって形成される。なお、補助接合部16を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。図示された例においては、補助接合部16は、第1原反シート110及び第3原反シート130の幅方向に延びる帯形状である。また、図示された補助接合部16は、第1原反シート110および第3原反シート130の幅方向両端に到達しているか、近接している。
【0053】
[折りたたみ工程P4]
次いで、
図2、
図15、
図16及び
図17に示すように、折りたたみ工程P4を行う。折りたたみ工程P4は、第1原反シート110が外側となり第3原反シート130の内面132同士が対面するように、重ね合わされた第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を折りたたむ工程である。また、折りたたみ工程P4においては、充填材封入部50が、その内部が通じた状態で後述する折り位置を介した両側の所定の面に存在するように折りたたむ。本実施形態においては、折りたたみ工程P4は、底部折りたたみ工程P41、胴部折りたたみ工程P42及び天部折りたたみ工程P43を含む。
【0054】
底部折りたたみ工程P41は、
図15に示すように、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を概ね二つ折りにする工程である。第1原反シート110の幅方向中央寄りに位置する3つの折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を折りたたむ。図示された例においては、3つの折り曲げ線151のうち中央に位置する折り曲げ線151に沿って、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を図中上方(内面132側)に凸となるように山折りに折り、両側の折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を図中下方(外面111側)に凸となるように谷折りに折る。これは、後述する軟包材容器用中間材A1において底部にガゼット部分を設けるためである。折りたたまれた後の第1原反シート110及び第2シート12においては、上述した底部を挟んだ両側に分かれて一対の胴部充填材封入部51が存在している。一対の胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって連結されており、互いの内部が通じている。
【0055】
胴部折りたたみ工程P42は、
図13において、3つの折り曲げ線151を挟んで両側に設けられた2つの折り曲げ線152に沿って、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を内面132側に凸になるように山折りに折る工程である。また、図示された例においては、胴部折りたたみ工程P42において、
図16及び
図17に示すように、第1原反シート110及び第3原反シート130を部分的に切断することにより、スパウト用孔117、スパウト用孔137及び充填口用開口18を形成する。スパウト用孔117及びスパウト用孔137は、第2シート12のスパウト用孔127の内側に位置する貫通孔である。このようにすることで、第1原反シート110の内面112と第3原反シート130の外面131とが、スパウト用孔117及びスパウト用孔137とスパウト用孔127との間の領域において、互いに対面する。これにより、当該領域において、第1原反シート110と第3原反シート130とをヒートシール接合することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、胴部折りたたみ工程P42において、スパウト取付工程を行う。具体的には、スパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137に、スパウト70を挿入する。スパウト70は、軟包材容器用中間材A1において内容物69を摂取するための開口となる部位であり、また内容物69を充填するための充填口として用いられてもよい。図示された例においては、スパウト70は、筒状部分とフランジ状部分とを有している。第3原反シート130の側から筒状部分がスパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137に挿入され、フランジ部分が第3原反シート130の内面132に当接することにより、スパウト70の位置が定まる。
【0057】
スパウト用孔137がスパウト用孔127の内側に位置することにより、スパウト70のフランジ部分と第3原反シート130の内面132とが対面する。次いで、スパウト70のフランジ部分と第3原反シート130とをヒートシール接合する。この結果、第1原反シート110、第3原反シート130及びスパウト70のフランジ部分を互いに強固に且つ安定して接合することが可能であり、スパウト70を第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130に取り付けることができる。なお、スパウト取付工程は、スパウト用孔117及びスパウト用孔137を形成した後であれば、任意のタイミングで行うことができる。ただし、収容部形成工程P5が完了するまでにスパウト取付工程を終えることが好ましい。充填口用開口18は、切断予定線17を挟んで副シール部40の天側副シール部43に隣り合う位置に設けられている。後の工程において、充填口用開口18は、副シール部40の充填口副シール部44及び充填口53と重なり合うことが意図されている。このようにすることで、後述する切断工程P6において、充填口53に余分なシートが残存することなく、充填材59をより容易に充填することができる。
【0058】
天部折りたたみ工程P43においては、
図13において最も下側に位置する折り曲げ線153に沿って、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を谷折りに折る。これにより、
図2及び
図17から理解されるように、天側副シール部43が設けられた領域と、充填口副シール部44、充填口53及び胴部副シール部41が設けられた領域とが、内面132同士が対面するように重ね合わされる。
【0059】
[収容部形成工程P5]
次いで、
図2、
図18、
図19及び
図20に示すように、収容部形成工程P5を行う。収容部形成工程P5は、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130に主シール部30を形成する工程である。主シール部30の形成に用いられる接合手法としては、特に限定されないが、所望の部位を確実に接合しうることから、ヒートシール接合が好ましい。本実施形態においては、
図18に示すヒートシール金型83を用いて、ハッチングが新たに施された領域を加熱する。主シール部30を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130が用いられない構成の場合、主シール部30は、たとえば第1原反シート110同士を接合することによって形成される。
【0060】
収容部形成工程P5においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分を含む複数箇所を接合する。本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分と第3原反シート130とをヒートシール接合し、第3原反シート130の対面する一部同士をヒートシール接合する。第1原反シート110は、特定形状とされた第2シート12よりも大きなシートであり、第2シート12からはみ出した部分を有する。特に、本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分であって副シール部40と隣接する部分の内面112と第3原反シート130の外面131とを加熱する。また、折りたたみ工程P4によって第3原反シート130の内面132同士が対面するように第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130が折りたたまれているため、ヒートシール金型83によって加熱される領域においては、対面する第3原反シート130の内面132同士が加熱される。次いで、ヒートシール金型83によって加熱された領域を冷却金型84によって冷却することにより、
図18~
図20に示す主シール部30が形成される。なお、主シール部30はすでに形成された副シール部40の一部と重なる構成であってもよいが、充填材封入部50と重なるものでないことが好ましい。
【0061】
主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。サイド主シール部31は、胴部副シール部41の外側に位置し切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。サイド主シール部31においては、重なり合う第3原反シート130の内面132同士がヒートシール接合されており、またこれらの第3原反シート130の外面131に両側から第1原反シート110の内面112がヒートシール接合されている。なお、底部切り欠き用孔115においては、底部切り欠き用孔115を通じてガゼット部分の第3原反シート130の外面131同士がヒートシール接合されている。これにより、ガゼット部分が開かないように拘束される。
【0062】
底側主シール部32は、副シール部40の底側副シール部42の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。天側主シール部33は、天側副シール部43の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。
【0063】
図19及び
図20に示すように、第3原反シート130が折りたたまれた後に主シール部30が形成されることにより、第3原反シート130が収容部60を構成している。収容部60は、第3原反シート130と主シール部30とによって気密性を有する空間とされており、内容物69を収容するためのものである。なお、本実施形態においては、スパウト70を通じて収容部60が外部に通じている。また、充填材封入部50は、第1原反シート110と第2シート12との非接合領域によって形成されているため、収容部60の外側に位置している。
【0064】
[切断工程P6]
次に、
図2及び
図21に示すように、切断工程P6を行う。切断工程P6は、切断予定線17に沿って第1原反シート110及び第3原反シート130を切断する工程である。この工程により、第1原反シート110及び第3原反シート130の不要部分が取り除かれ、第1シート11及び第3シート13が形成され、
図22~
図24に示す軟包材容器用中間材A1が得られる。なお、胴部折りたたみ工程P42において充填口用開口18が形成されたことにより、充填口53に余分なシートが残存することなく、後述する工程において、充填材59をより容易に充填することができる。
【0065】
[軟包材容器用中間材A1]
図22~
図24に示すように、本実施形態の製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A1は、第1シート11、第2シート12、第3シート13及びスパウト70によって形成されており、一対の胴部21、底部22及び天部23、主シール部30、副シール部40、充填材封入部50及び収容部60を有している。
【0066】
一対の胴部21は、収容部60を挟むように前後に位置する部分であり、それぞれが充填材封入部50の胴部充填材封入部51を有している。また、一対の胴部21の両側方同士は、主シール部30のサイド主シール部31によって互いに繋がっている。
【0067】
底部22は、一対の胴部21の底辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においてはガゼット状の部位とされている。底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52を有している。また、底部22の両側方は、主シール部30の底側主シール部32によって閉じられている。なお、切断工程P6における切断によって、底部切り欠き用孔115が切断されて底部切り欠き116となっている。底部切り欠き116は、ガゼット状に折られた底部22の両側方部分が開かないように、第3シート13同士を接合させる機能を果たしている。
【0068】
天部23は、一対の胴部21の天辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においては、略六角形状の部位とされている。天部23は、スパウト70が取り付けられている。また、図示された例においては、天部23には、充填材封入部50は形成されていない。
【0069】
図示された状態の充填材封入部50は、未だ充填材59が充填されておらず、平坦な形状にしぼんでいる。本実施形態においては、一方の胴部21と天部23との間から充填口53が延出している。充填口53は、充填材封入部50に充填材59を充填するために用いられる。収容部60は、内容物69を収容するための空間であり、第3シート13によって構成されている。なお、本実施形態とは異なり、第3シート13を備えない構成の場合、収容部60は、第2シート12によって構成される。
【0070】
[軟包材容器B1の製造方法]
図25、
図26及び
図27は、軟包材容器用中間材A1を用いた軟包材容器B1の製造方法の一例を示している。
図25は、
図22における背面側の下方から軟包材容器用中間材A1を見た場合の斜視図である。まず、
図25及び
図26に示すように、充填材封入部50に充填材59を充填する充填材封入工程を行う。充填材59としては、窒素、空気等の気体、水、水溶液、油剤から選ばれる流体を好ましく用いることができる。また、粉粒体、樹脂、発泡材等を用いることもできる。発泡材としては、UV硬化性発泡ガスケット等の、紫外線を照射することにより発泡する材料を用いることもできる。UV硬化性発泡ガスケットは、充填材封入部50に封入された後に、外側から紫外線を照射することにより、発泡すると共に硬化して、膨らんだ状態を保持する。なお、上記の流体、粉粒体等を適宜混合して充填材封入部50に充填してもよい。これらの充填材としては、充填の容易性や軽量化の観点から窒素、空気等の気体がより好ましい。
【0071】
充填材59としてたとえば空気を採用した場合、充填材59の充填は、充填口53から空気を吹き込むことにより行えばよい。これにより、充填材封入部50は、各所が膨らんだ形状となる。即ち、胴部21は、充填材封入部50の胴部充填材封入部51が膨らむことにより、上下方向に沿った形状をより強固に維持するものとなる。また、底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52が膨らむことにより、ガゼット状であった形状が平板状に近い形状となり、底部22が開かれる格好となる。ただし、図示された例においては、底部切り欠き116が設けられていることにより、底部22の両側方が閉じられた状態が維持されており、底部22の中央部分が平板状に開かれる。このように、充填材封入部50の胴部充填材封入部51及び底部充填材封入部52が膨らむことにより、軟包材容器B1が完成する。軟包材容器B1は、底部22を載置面等に当接させた状態で直立させることが可能となる。なお、後述する内容物69の充填に先立ち、
図27に示すように、充填材封入部50の封緘及び充填口53の切断を行っておくことが好ましい。たとえば、充填口53を横断するように、対面する第1シート11の内面112と第2シート12の外面121とをヒートシール接合によって接合した後に、この接合部分を分割するように第1シート11、第2シート12及び第3シート13を切断する。
【0072】
[軟包材容器包装体C1の製造方法]
図28及び
図29は、軟包材容器B1を用いて製造された軟包材容器包装体C1を示している。本製造方法では、これらの図に示すように、内容物69の充填を行う。具体的には、スパウト70を通じて、各種の洗剤や飲料及び食品等の内容物69を収容部60に充填する内容物充填工程を行う。この後は、所定の蓋71によってスパウト70を閉じる等の工程を経ることにより、充填材59及び内容物69が充填された軟包材容器B1からなる軟包材容器包装体C1が得られる。
【0073】
なお、本実施形態とは異なり、軟包材容器用中間材A1の内容物収容部60に内容物69を充填する内容物充填工程を行い、当該内容物充填工程の後に、充填材封入部50に充填材59を充填する充填材封入工程を行うことにより、軟包材容器包装体C1を製造してもよい。
【0074】
次に、軟包材容器用中間材A1、軟包材容器B1及び軟包材容器包装体C1の製造方法の作用について説明する。
【0075】
本実施形態によれば、
図9に示すように、重ね合わされた第1原反シート110及び第2シート12に接合領域と非接合領域とを設けることにより、所望の形状及び大きさの充填材封入部50を形成することができる。また、
図13に示すように、すくなくとも折りたたみ工程P4の前には、特定形状とされた第2シート12から第1原反シート110の一部がはみ出す。そして、
図18に示すように、収容部形成工程P5において、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分を含む複数箇所を接合する。このため、第2シート12の内面122が接合に適した表面性状ではないものであっても、軟包材容器用中間材A1を構成する主シール部30を適切に形成することが可能である。また、第2シート12の内面122が接合され難い性状であれば、
図4に示す第1原反シート110と第2シート12とを重ね合わせた以降の工程において、第2シート12の内面122が意図しない箇所に付着してしまうことなどを回避することが可能である。また、
図15~
図17に示すように、折りたたみ工程P4においては、底部22を挟んで両側に位置する胴部21に充填材封入部50の胴部充填材封入部51がそれぞれ存在するように折りたたむ。これらの胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって互いの内部が繋がっている。このため、
図25及び
図26に示すように、充填口53から充填材59を充填すると、一方の胴部充填材封入部51から底部充填材封入部52を介して他方の胴部充填材封入部51へと充填材59を充填することができる。これにより、膨らんだ充填材封入部50によって軟包材容器用中間材A1の大部分の剛性をバランス良く高めることができる。以上より、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器用中間材A1をより容易且つ確実に製造することができる。
【0076】
また、本実施形態においては、
図1、
図3及び
図4に示すように、第1重合工程P1の後であって封入部形成工程P2の前に、除去工程PAを行う。このため、封入部形成工程P2においては、第1原反シート110よりも平面視寸法が小である特定形状の第2シート12が第1原反シート110と重ね合わされた状態である。これにより、たとえば、
図9に示す封入部形成工程P2において、特定形状よりも大きなヒートシール金型81を用いてヒートシールを行っても、第2シート12の外側において意図しないシール部分を形成してしまうことを回避することができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、第2重合工程P3において第1原反シート110及び第2シート12に第3原反シート130を重ね合わせ、
図18に示すように、収容部形成工程P5において、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分と第3原反シート130とを接合し、第3原反シート130のうち互いに対面する部分同士を接合することにより、第3原反シート130によって収容部60を構成する。このため、収容部60の形成を含む軟包材容器用中間材A1の製造工程においては、第2シート12の内面122を接合する必要がない。したがって、内面122を接合が困難である性状とすることにより、製造における各工程をスムーズに行うことができる。
【0078】
図3及び
図4に示すように、第1重合工程P1においては、切断予定線形成工程P11において原反状態の第2原反シート120に特定形状とされた切断予定線125を形成した後に、この第2原反シート120を第1原反シート110に重ね合わせる。そして、除去工程PAにおいて切断予定線125に沿って第2原反シート120を切断することにより、第2原反シート120のうち切断予定線125より外側の部分を除去し、第2シート12を形成する。したがって、第1原反シート110に対して個片状態の複数枚の第2シート12を貼り付ける作業を繰り返す必要がなく、製造効率の向上に好ましい。また、第1原反シート110に第2原反シート120を重ね合わせた後に、予備接合工程P12において複数の補助接合部14を形成することにより、第1原反シート110と第2原反シート120とを仮接合する。これにより、除去工程PAにおける第2原反シート120の切断をより容易に行うことが可能である。また、切断予定線125に沿って第2原反シート120を切断すれば、第1原反シート110に接合された第2シート12が容易に得られる。
【0079】
第1原反シート110と第2原反シート120とは、互いの層構造が同一であり、1枚の原反状態のシートを、2分割することによって形成することができる。これにより、たとえば、
図1及び
図3に示す切断予定線125、スパウト用孔127及び底部切り欠き用孔115を、第1原反シート110及び第2原反シート120に分割される前の1枚の原反状態のシートに形成することができる。これにより、第1原反シート110と第2原反シート120とに分割された後も、切断予定線125及びスパウト用孔127と底部切り欠き用孔115との搬送方向(第1原反シート110及び第2原反シート120の長手方向)における位置をより正確に合わせることが可能である。また、原反状態の1枚のシートに第1原反シート110(第1シート11)及び第2原反シート120(第2シート12)に付するべき商品表示等の印刷を施しておくと、第1原反シート110(第1シート11)と第2原反シート120(第2シート12)との印刷の位置合わせを容易に行う事ができる。
【0080】
図30~
図73は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0081】
[第1実施形態 第1変形例]
図30は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例を示している。本変形例においては、上述した例において
図13を参照して説明した第2重合工程P3において形成された補助接合部16の構成が異なっている。本変形例の補助接合部16は、第1原反シート110および第3原反シート130の幅方向寸法に対して顕著に小さい小領域であり、図示された例においては、円形状である。また、複数の補助接合部16が搬送方向において同じ位置に形成されており、第1原反シート110および第3原反シート130の幅方向に互いに離間している。複数の補助接合部16の個数は特に限定されない。本変形例から理解されるように、補助接合部16の形状や大きさ及び位置等は特に限定されない。
【0082】
[第1実施形態 第2変形例]
図31は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例における一工程を示している。同図は、上述した
図10と同様の工程を示す平面図であり、封入部形成工程P2が完了した状態を示している。本変形例においては、充填材封入部50が、一対の胴部充填材封入部51、底部充填材封入部52及び充填口53に加えて天部充填剤封入部54を有している。天部充填剤封入部54は、一方の胴部充填材封入部51と繋がっており、第1原反シート110及び第2シート12のうち、上述した軟包材容器用中間材A1における天部23となる領域に形成されている。当該領域における天部充填剤封入部54の位置や形状及び大きさは特に限定されないが、スパウト用孔127を避けた位置に設けられる。本変形例において製造された軟包材容器用中間材A1は、天部23に天部充填剤封入部54が設けられた構成となる。このため、この軟包材容器用中間材A1を用いて形成した軟包材容器B1および軟包材容器包装体C1は、天部充填剤封入部54にも充填材59が封入されるため、天部23の剛性を向上することができる。また、本変形例から理解されるように、充填材封入部50が設けられる領域や大きさ及び形状は、様々に設定可能である。
【0083】
[第1実施形態 第3変形例]
図32は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第3変形例によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本変形例においては、
図15に示した底部折りたたみ工程P41において、1つの折り曲げ線151のみに沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を谷折りにする。この製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A1は、
図32に示すように、底部22が所謂ガゼット部分を有しておらず、単純な二つ折りの形状となる。本変形例から理解されるように、底部折りたたみ工程P41によって形成される底部22の具体的構造は、特に限定されず、底部22を挟んだ両側に充填材封入部50の内部同士が繋がった状態で存在する構成であればよい。
【0084】
[第2実施形態]
図33は、本発明の第2実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本実施形態の軟包材容器用中間材A2は、軟包材容器用中間材A1における天部23が形成されていない。即ち、本実施形態においては、
図2に示した胴部折りたたみ工程P42及び天部折りたたみ工程P43は行われない。また、スパウト70は、例えば、底部折りたたみ工程P41においてまたはその後に、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を折りたたむ際に、一対の胴部21となる部分の間に挿入される。そして、収容部形成工程P5においては、スパウト70を挟んで互いに向かい合う第1原反シート110及び第3原反シート130同士をヒートシール接合し、天側主シール部33を形成する。この際、例えば第3原反シート130の内面132とスパウト70とをヒートシール接合することが好ましい。なお、このような収容部形成工程P5を実現するために、底部折りたたみ工程P41を終えた状態において、第2シート12の上端は、第1原反シート110及び第3原反シート130の上端よりも若干低い位置にあることが好ましい。本実施形態から理解されるように、本発明においては、天部23を有する構成及び天部23を有さない構成のいずれであっても、より容易且つ確実に製造することが可能である。
【0085】
軟包材容器用中間材A2を用いた軟包材容器の製造及び軟包材容器包装体の製造は、軟包材容器用中間材A1を用いた場合と同様である。
【0086】
[第3実施形態]
図34は、本発明の第3実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本実施形態の軟包材容器用中間材A3は、第3シート13を有していない点が、上述した実施形態と異なっている。即ち、本実施形態においては、
図1、
図2及び
図9に示す第2重合工程P3を行わない。このため、
図18に示す収容部形成工程P5においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分同士の内面112がヒートシール接合される。そして、
図34に示すように軟包材容器用中間材A3においては、第2シート12の内面122によって規定された空間が、収容部60とされる。本実施形態から理解されるように、本発明においては、第3シート13(第3原反シート130)を用いる構成及び第3シート13(第3原反シート130)を用いない構成のいずれであっても、より容易且つ確実に製造することが可能である。
【0087】
軟包材容器用中間材A3を用いた軟包材容器の製造及び軟包材容器包装体の製造は、軟包材容器用中間材A1を用いた場合と同様である。
【0088】
[第4実施形態]
図35及び
図36は、本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示している。本実施形態においては、第1重合工程P1及び封入部形成工程P2を行った後であって、第2重合工程P3を行う前に、除去工程PAを行う。
【0089】
[第1重合工程P1]
本実施形態の第1重合工程P1においては、
図1、
図4及び
図5で示した第1実施形態と同様に、第1重合工程P1が切断予定線形成工程P11を含む。また、図示された例においては、第1重合工程P1は、上述した予備接合工程P12を含んでいない。このため、第1重合工程P1に引き続いて行われる封入部形成工程P2では、第1原反シート110と切断予定線125が形成された第2原反シート120とが重ね合わされた状態で、充填材封入部50を形成する。
【0090】
[封入部形成工程P2]
図36に示すように、本実施形態の封入部形成工程P2は、第1原反シート110と第2原反シート120との一部同士を接合することにより、第1原反シート110と第2原反シート120との非接合領域によって構成された充填材59を封入するための充填材封入部50を形成する。本例の封入部形成工程P2においては、互いに重ね合わされた第1原反シート110および第2原反シート120をヒートシール金型81によってヒートシールすることにより副シール部40および充填材封入部50を形成する。なお、冷却金型82は、ヒートシールによって加熱された第1原反シート110および第2原反シート120を冷却するものであるため、図示されたような副シール部40よりも大きなものであってもよい。
【0091】
[除去工程PA]
図示された例においては、封入部形成工程P2を終えると、第1原反シート110と第2原反シート120とは、副シール部40によって互いに部分的に接合された状態となる。ただし、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の領域においては、第1原反シート110と第2原反シート120とは接合されていない。そして、除去工程PAにおいては、第2原反シート120を切断予定線125に沿って順次切断し、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の部分を除去する。これにより、特定形状とされた第2シート12が形成され、第2シート12が第1原反シート110に接合された状態で残存する。
【0092】
この後は、たとえば、上述した実施形態における折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を順次実施することにより、上述した軟包材容器用中間材A1が得られる。
【0093】
本実施形態によっても、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器B1をより容易且つ確実に製造することができる。また、封入部形成工程P2の後に除去工程PAを行うことにより、上述した予備接合工程P12で形成される補助接合部14の代わりとして、封入部形成工程P2で形成された副シール部40が機能するため、第1重合工程P1において上述した予備接合工程P12を行うことが必須ではない。これにより、軟包材容器用中間材A1の製造効率を高めることができる。なお、本実施形態の第1重合工程P1においても、上述した予備接合工程P12を行ってもよい。
【0094】
[第4実施形態 第1変形例]
図37は、本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例を示している。本例では、第1重合工程P1の切断予定線形成工程P11において、上述した切断予定線125に加えて切断予定線129を形成する。切断予定線129は、第2原反シート120のうち第2シート12となる領域と補助接合部19とを区画するためのものである。次に、予備接合工程P12を行う。本例の予備接合工程P12は、補助接合部19を形成する工程であり、上述した補助接合部14の形成は必須ではない。補助接合部19は、上述した第1実施形態における補助接合部14と同様に、重ね合わされた第1原反シート110と第2原反シート120とが位置ずれすることを抑制するためのものである。たとえば、第1重合工程P1を行った後、封入部形成工程P2を行うまでに相応の搬送区間が存在する場合に、当該搬送区間において第1原反シート110と第2原反シート120とがずれてしまうことを抑制するのに適している。
【0095】
補助接合部19及び切断予定線129の形状や位置等は特に限定されない。図示された例においては、第2原反シート120の長手方向(搬送方向)に沿った2本の切断予定線129が、第2原反シート120の幅方向両端付近に設けられている。そして、2本の切断予定線129と第2原反シート120の幅方向両端との間に、第2原反シート120の長手方向(搬送方向)に沿った2つの補助接合部19が設けられている。なお、上述した第1実施形態の予備接合工程P12において、補助接合部14に加えて補助接合部19を形成してもよい。
【0096】
また、本変形例においては、除去工程PAを行った後に、第2原反シート120のうち補助接合部19を構成していた部分が、2つの残存部128として第1原反シート110に残存する。すなわち、除去工程PAが完了した状態においては、第1原反シート110は、第2シート12のみと重なるのではなく、2つの残存部128とも重なっている。
【0097】
たとえば、除去工程PAを行った後、第2重合工程P3を行う前に、複数の第2シート12が接合された状態の第1原反シート110をロール状態に巻き取る製造形態が想定される。第2シート12は、第1原反シート110の幅方向において非対称な形状である。このため、第1原反シート110をロール状態に巻き取った際に、第2シート12の非対称な形状に起因して、第1原反シート110の積層厚さが幅方向において不均一となりうる。この積層厚さの不均一は、第1原反シート110の巻取りを不安定にさせたり、ロール状態の第1原反シート110の形状を歪なものとしうる。
【0098】
本例においては、第1原反シート110に2つの残存部第2シート128が残存している。2つの残存部第2シート128は、幅方向両端付近に離間して設けられている。このため、第2シート12が非対称な形状であっても、第1原反シート110の幅方向両端においては、第1原反シート110の積層厚さが略同じとなる。したがって、第1原反シート110の積層厚さが幅方向において不均一となることを回避可能であり、第1原反シート110をより安定して巻取ることや、ロール状態の第1原反シート110の形状を整えるのに適している。なお、本例とは異なり、除去工程PA、又はその前後において、第1原反シート110及び第2原反シート120を切断予定線129が形成された位置で切断する構成であってもよい。この場合、補助接合部19は、第1原反シート110に残存しない。また、この場合は、切断予定線129は形成しなくてもよい。
【0099】
[第4実施形態 第2変形例]
図38は、本発明の第4実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例を示している。本例においては、補助接合部19及び切断予定線129の構成が、上述した例と異なっている。
【0100】
本変形例においては、補助接合部19は、比較的小領域の円形状とされている。また、切断予定線129は、補助接合部19を囲む円形状とされている。切断予定線129は、たとえば切断予定線形成工程P11において切断予定線125とともに形成される。補助接合部19は、予備接合工程P12において形成される。
【0101】
このような変形例によっても、第1原反シート110と第2原反シート120との位置ずれを抑制することができる。また、本変形例から理解されるように、補助接合部19及び切断予定線129の形状や大きさ及び位置等は、何ら限定されない。
【0102】
[第5実施形態]
図39~
図42は、本発明の第5実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法及び軟包材容器用中間材を示している。本実施形態においては、副シール部40が、天側副シール部43を含まない。このような構成は、充填材封入部50が、
図31及び
図32に示す例における天部充填剤封入部54を含まない構成である場合に、実現し得る構成である。なお、本例は、充填材封入部50が天部充填剤封入部54を含まない構成であることに起因する相違点を除き、上述した第1実施形態と同様の構成を前提に説明するが、適宜他の実施形態と組み合わせてもよい。
【0103】
上述した第1実施形態においては、第1重合工程P1の切断予定線形成工程P11において、天側副シール部43を構成する部分を含む形状の切断予定線125を形成していたのに対し、本例においては、
図39に示すように、切断予定線125は、天側副シール部43を構成する部分を含まない形状である。このため、除去工程PAにおいて切断予定線125に沿って第2原反シート120が切断されることにより形成された特定形状の第2シート12は、天側副シール部43を構成する部分を有していない。また、スパウト70を囲む部分に第2シート12が存在しないため、本例においては、上述したスパウト用孔127は形成されていない。
図40に示すように、本例の封入部形成工程P2においては、一対の胴部副シール部41、底側副シール部42及び充填口副シール部44を有し、天側副シール部43を有さない副シール部40を形成する。
【0104】
図41は、第1実施形態における
図19に示された状態と同様の状態を示す断面図である。本例においては、図示された状態において、スパウト70が、第1原反シート110及び第3原反シート130に囲まれており、第2シート12には囲まれていない。天側主シール部33が形成されることにより、スパウト70の周囲において、第1原反シート110の内面112と第3原反シート130の外面131とが接合されたものとなっている。
【0105】
図42は、本実施形態の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材A5を示している。軟包材容器用中間材A5は、スパウト70が第1シート11及び第3シート13によって囲まれており、第2シート12によっては囲まれていない。
【0106】
軟包材容器用中間材A5を用いた軟包材容器の製造及び軟包材容器包装体の製造は、軟包材容器用中間材A1を用いた場合と同様である。
【0107】
このような実施形態によっても、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器B1をより容易且つ確実に製造することができる。また、折りたたみ工程P4の天部折りたたみ工程P43において、折り曲げ線153に沿った折り曲げをする際には、第1原反シート110及び第3原反シート130の2枚のシートが重ね合わされたものを折り曲げることとなる。このため、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130の3枚のシートが重ね合わされたものを折り曲げる場合と比べて、より容易に折り曲げを行うことができる。また、収容部形成工程P5において主シール部30の天側主シール部33を形成する際には、より確実に接合可能である。さらに、スパウト用孔117及びスパウト用孔137のみを形成すればよいため、製造工程も簡略化でき、スパウト接合工程もより確実に行えるという利点がある。
【0108】
[第6実施形態]
図43及び
図44は、本発明の第6実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示している。本実施形態の軟包材容器用中間材の製造方法は、第1重合工程P1、封入部形成工程P2、第2重合工程P3、折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を備えており、軟包材容器用中間材A6を製造するための方法である。軟包材容器用中間材A6は、軟包材容器B1の製造と同様の工程を経て軟包材容器を製造するために用いられるものである。
【0109】
[第1重合工程P1]
第1重合工程P1は、
図43に示すように、第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせる工程である。第1原反シート110と第2原反シート120とは、内面112と外面121とが対面するように重ね合わされる。この後の接合工程において、たとえばヒートシールが用いられる場合、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とは、ともにヒートシールが可能なヒートシール性を有するシーラントフィルム層によって構成される。
【0110】
また、第1原反シート110の外面111は、軟包材容器用中間材A6の最外表面となるものであるため、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性等を有する基材フィルム層によって構成されることが好ましい。第2原反シート120の内面122は、ヒートシール性の有無や、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性の有無は特に限定されないが、後述する収容部形成工程P5をより好適に実施するためには、外面121と同様のシーラントフィルム層によって構成されることが好ましい。このようにすれば、第2原反シート120を特定形状に成形するような工程を必要とせず、使用する全てのシートを接合できるため、製造工程をより簡易にすることができる。なお、第2原反シート120の外面121を基材フィルム層によって構成する場合、第2原反シート120の適所に孔あけ加工等を施すことにより、第1原反シート110の内面112を適宜露出させることにより、後述の収容部形成工程P5を行うことができる。
【0111】
以上より、図示された例においては、第1原反シート110の内面112、第2原反シート120の外面121及び内面122が、同種のシーラントフィルム層によって構成され、第1原反シート110の外面111が、基材フィルム層によって構成されている。また、第1原反シート110及び第2原反シート120に高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、第1原反シート110及び第2原反シート120は、中間層としてのバリアフィルム層を有することが好ましい。
【0112】
図示された例においては、第1原反シート110に底部切り欠き用孔115を形成している。底部切り欠き用孔115は、第1原反シート110を貫通しており、後述する底部22を形成するために必要な接合に用いられる。
【0113】
[封入部形成工程P2]
次いで、
図43、
図45~
図48に示すように、封入部形成工程P2を行う。本実施形態の封入部形成工程P2は、第1原反シート110及び第2原反シート120に充填材封入部50を形成する工程である。図示された例においては、封入部形成工程P2の第1段階において、ヒートシール金型81によって第1原反シート110及び第2原反シート120が挟まれる。ヒートシール金型81は、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とを適切にヒートシール接合可能な程度に第1原反シート110及び第2原反シート120を加熱するものである。ヒートシール金型81には、非加熱領域が設定されており、この非加熱領域の形状は、充填材封入部50の形状とされている。ヒートシール金型81の加熱によって互いにヒートシール接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分は、副シール部40を構成する。次いで、冷却金型82によって、第1原反シート110及び第2原反シート120を冷却する。これにより、第1原反シート110及び第2原反シート120が部分的にヒートシール接合された部位である副シール部40が形成される。また、平面視において副シール部40に囲まれた第1原反シート110及び第2原反シート120の非接合領域によって充填材封入部50が構成される。なお、切断予定線17は、後述する切断工程P6において切断されることが予定された線であり、説明の便宜上想像線で示された仮想の線である。図示された例においては、切断予定線17は、充填材封入部50から若干の距離をおいて充填材封入部50を取り囲む形状とされている。
【0114】
[第2重合工程P3]
次いで、
図43、
図44、
図45、
図49及び
図50に示すように、第2重合工程P3を行う。本実施形態の第2重合工程P3は、第3原反シート130を第2原反シート120側に重ね合わせる工程である。第3原反シート130は、本実施形態により形成される軟包材容器用中間材A6において後述する内容物69を収容するための収容部60を構成する第3シート13になる原反シートである。第3原反シート130の材質及び層構造は、上述した実施形態と同様である。本実施形態においては、接合手法としてヒートシール接合を採用することから、第3原反シート130の外面131及び内面132は、上述したシーラントフィルム層によって構成される。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130を用いることなく、第1原反シート110及び第2原反シート120を用いて軟包材容器用中間材を製造してもよい。この場合、後述する収容部60は、たとえば第2シート12によって構成される。
【0115】
図示された例においては、第2原反シート120側に第3原反シート130を重ねた状態で、複数の補助接合部162を形成している。補助接合部162は、第3原反シート130の位置ずれを防止するものであり、軟包材容器用中間材の製造を阻害しない範囲であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されない。本実施形態においては、複数の補助接合部162は、切断予定線17の外側において切断予定線17から離れた位置に設けられている。補助接合部162は、たとえば、少なくとも第2原反シート120の内面122と第3原反シート130の外面131とをヒートシール接合することによって形成される。なお、補助接合部162を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。なお、補助接合部162は、図示された円形状のもの以外に、たとえば上述した実施形態における帯形状であってもよい。
【0116】
[折りたたみ工程P4]
次いで、
図44、
図51、
図52及び
図53に示すように、折りたたみ工程P4を行う。本実施形態の折りたたみ工程P4は、第1原反シート110が外側となり第3原反シート130の内面132同士が対面するように、重ね合わされた第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を折りたたむ工程である。また、折りたたみ工程P4においては、充填材封入部50が、その内部が通じた状態で後述する折り位置を介した両側の所定の面に存在するように折りたたむ。本実施形態においては、折りたたみ工程P4は、底部折たたみ工程P41、胴部折りたたみ工程P42及び天部折りたたみ工程P43を含む。
【0117】
底部折たたみ工程P41は、
図51に示すように、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を概ね二つ折りにする工程である。第1原反シート110の幅方向中央寄りに位置する3つの折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を折りたたむ。図示された例においては、3つの折り曲げ線151のうち中央に位置する折り曲げ線151に沿って、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を図中上方(内面132側)に凸となるように山折りに折り、両側の折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を図中下方(外面111側)に凸となるように谷折りに折る。これは、後述する軟包材容器用中間材A6において底部にガゼット部分を設けるためである。折りたたまれた後の第1原反シート110及び第2原反シート120においては、上述した底部を挟んだ両側に分かれて一対の胴部充填材封入部51が存在している。一対の胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって連結されており、互いの内部が通じている。
【0118】
胴部折りたたみ工程P42は、
図49において、3つの折り曲げ線151を挟んで両側に設けられた2つの折り曲げ線152に沿って、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を内面132側に凸になるように山折りに折る工程である。また、
図52及び
図53に示すように、図示された例においては、胴部折りたたみ工程P42において、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を部分的に切断することにより、スパウト用孔117、スパウト用孔127、スパウト用孔137及び充填口用開口18を形成する。第2原反シート120及び第3原反シート130それぞれの外面及び内面の双方がシーラントフィルム層によって構成されている場合、スパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137の孔径を異ならせる必要がない。これにより、互いの孔径が同じであるスパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137を、各シートを重ねた状態で一度に形成することができるため、製造工程をより簡易にすることができる。
【0119】
また、本実施形態においては、胴部折りたたみ工程P42において、スパウト取付工程を行う。具体的には、スパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137に、スパウト70を挿入する。スパウト70は、軟包材容器用中間材A6において内容物69を摂取するための開口となる部位であり、また内容物69を充填するための充填口として用いられてもよい。図示された例においては、スパウト70は、筒状部分とフランジ状部分とを有している。第3原反シート130の側から筒状部分がスパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137に挿入され、フランジ部分が第3原反シート130の内面132に当接することにより、スパウト70の位置が定まる。
【0120】
次いで、スパウト70のフランジ部分と第3原反シート130の内面132とをヒートシール接合する。この結果、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130及びスパウト70のフランジ部分を互いに強固に且つ安定して接合することが可能である。なお、スパウト取付工程は、スパウト用孔117、スパウト用孔127及びスパウト用孔137を形成した後であれば、任意のタイミングで行うことができる。ただし、収容部形成工程P5が完了するまでにスパウト取付工程を終えることが好ましい。充填口用開口18は、切断予定線17を挟んで副シール部40の天側副シール部43に隣り合う位置に設けられている。後の工程において、充填口用開口18は、副シール部40の充填口副シール部44及び充填口53と重なり合うことが意図されている。このようにすることで、後述する切断工程P6において、充填口53に余分なシートが残存することなく、充填材59をより容易に充填することができる。
【0121】
天部折りたたみ工程P43においては、
図49において最も下側に位置する折り曲げ線153に沿って、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を谷折りに折る。これにより、
図44及び
図53から理解されるように、天側副シール部43が設けられた領域と、充填口副シール部44、充填口53及び胴部副シール部41が設けられた領域とが、内面132同士が対面するように重ね合わされる。
【0122】
[収容部形成工程P5]
次いで、
図44、
図54、
図55及び
図56に示すように、収容部形成工程P5を行う。本実施形態の収容部形成工程P5は、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130に主シール部30を形成する工程である。主シール部30の形成に用いられる接合手法としては、特に限定されないが、所望の部位を確実に接合しうることから、ヒートシール接合が好ましい。本実施形態においては、
図54に示すヒートシール金型83を用いて、ハッチングが新たに施された領域を加熱する。主シール部30を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。
【0123】
収容部形成工程P5においては、第2原反シート120を含む複数箇所を接合する。本実施形態においては、互いに重なり合った第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130をヒートシール接合し、第3原反シート130の対面する一部同士をヒートシール接合する。すなわち、第1原反シート110の内面112及び第2原反シート120の外面121と第2原反シート120の内面122及び第3原反シート130の外面131とをヒートシール金型83によって加熱する。また、折りたたみ工程P4によって第3原反シート130の内面132同士が対面するように第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130が折りたたまれているため、ヒートシール金型83によって加熱される領域においては、対面する第3原反シート130の内面132同士が加熱される。次いで、ヒートシール金型83によって加熱された領域を冷却金型84によって冷却することにより、
図54~
図56に示す主シール部30が形成される。なお、主シール部30はすでに形成された副シール部40の一部と重なる構成であってもよいが、充填材封入部50と重なるものでないことが好ましい。
【0124】
主シール部30は、上述した第1実施形態と同様の構成としてもよく、たとえば一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。
【0125】
図55及び
図56に示すように、第3原反シート130が折りたたまれた後に主シール部30が形成されることにより、第3原反シート130が収容部60を構成している。収容部60は、第3原反シート130と主シール部30とによって気密性を有する空間とされており、内容物69を収容するためのものである。なお、本実施形態においては、スパウト70を通じて収容部60が外部に通じている。また、充填材封入部50は、第1原反シート110と第2原反シート120との非接合領域によって形成されているため、収容部60の外側に位置している。
【0126】
[切断工程P6]
次に、
図44及び
図57に示すように、切断工程P6を行う。切断工程P6は、切断予定線17に沿って第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を切断する工程である。この工程により、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130の不要部分が取り除かれ、同形状且つ同サイズである第1シート11、第2シート12及び第3シート13が形成され、
図58~
図60に示す軟包材容器用中間材A6が得られる。なお、胴部折りたたみ工程P42において充填口用開口18が形成されたことにより、充填口53に余分なシートが残存することなく、後述する工程において、充填材59をより容易に充填することができる。
【0127】
[軟包材容器用中間材A6]
図58~
図60に示すように、本実施形態の製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A6は、第1シート11、第2シート12、第3シート13及びスパウト70によって形成されており、一対の胴部21、底部22及び天部23、主シール部30、副シール部40、充填材封入部50及び収容部60を有している。第1シート11、第2シート12及び第3シート13は、同形状且つ同サイズである
【0128】
一対の胴部21は、収容部60を挟むように前後に位置する部分であり、それぞれが充填材封入部50の胴部充填材封入部51を有している。また、一対の胴部21の両側方同士は、主シール部30のサイド主シール部31によって互いに繋がっている。
【0129】
底部22は、一対の胴部21の底辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においてはガゼット状の部位とされている。底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52を有している。また、底部22の両側方は、主シール部30の底側主シール部32によって閉じられている。なお、切断工程P6における切断によって、底部切り欠き用孔115が切断されて底部切り欠き116となっている。底部切り欠き116は、ガゼット状に折られた底部22の両側方部分が開かないように、第2シート12同士を接合させる機能を果たしている。
【0130】
天部23は、一対の胴部21の天辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においては、略六角形状の部位とされている。天部23は、スパウト70が取り付けられている。また、図示された例においては、天部23には、充填材封入部50は形成されていない。
【0131】
図示された状態の充填材封入部50は、未だ充填材59が充填されておらず、平坦な形状にしぼんでいる。本実施形態においては、一方の胴部21と天部23との間から充填口53が延出している。充填口53は、充填材封入部50に充填材59を充填するために用いられる。収容部60は、内容物69を収容するための空間であり、第3シート13によって構成されている。なお、本実施形態とは異なり、第3シート13を備えない構成の場合、収容部60は、第2シート12によって構成される。
【0132】
軟包材容器用中間材A6を用いた軟包材容器および軟包材容器包装体の製造方法は、たとえば、上述した軟包材容器用中間材A1を用いた軟包材容器および軟包材容器包装体の製造方法と同様の製造方法を採用すればよい。
【0133】
次に、軟包材容器用中間材A6の製造方法の作用について説明する。
【0134】
本実施形態によれば、
図45に示すように、重ね合わされた第1原反シート110及び第2原反シート120に接合領域と非接合領域とを設けることにより、所望の形状及び大きさの充填材封入部50を形成することができる。第2原反シート120として、外面121及び内面122がシーラントフィルム層によって構成されたものを用いることが可能であるため、
図54及び
図55に示すように、収容部形成工程P5において、互いに重なり合った第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を一括して接合する事ができる。このため、軟包材容器用中間材A6を構成する主シール部30を適切に形成することが可能である。また、
図51~
図53に示すように、折りたたみ工程P4においては、底部22を挟んで両側に位置する胴部21に充填材封入部50の胴部充填材封入部51がそれぞれ存在するように折りたたむ。これらの胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって互いの内部が繋がっている。このため、充填口53から充填材59を充填すると、一方の胴部充填材封入部51から底部充填材封入部52を介して他方の胴部充填材封入部51へと充填材59を充填することができる。これにより、膨らんだ充填材封入部50によって軟包材容器用中間材A6の大部分の剛性をバランス良く高めることができる。以上より、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器用中間材A6をより容易且つ確実に製造することができる。
【0135】
また、本実施形態によれば、第2重合工程P3において第1原反シート110及び第2原反シート120に第3原反シート130を重ね合わせ、
図54に示すように、収容部形成工程P5において、互いに重なり合った第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を一括して接合し、第3原反シート130のうち互いに対面する部分同士を接合することにより、第3原反シート130によって収容部60を構成する。これにより、収容部形成工程P5をスムーズに行うことができる。
【0136】
[第7実施形態]
図61は、本発明の第7実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本実施形態の軟包材容器用中間材A7は、第3シート13を有していない点が、上述した第6実施形態と異なっている。即ち、本実施形態においては、
図43、
図44及び
図45に示す第2重合工程P3を行わない。このため、
図54に示す収容部形成工程P5においては、第2原反シート120の内面122同士がヒートシール接合される。そして、
図61に示すように軟包材容器用中間材A7においては、第2シート12の内面122によって規定された空間が、収容部60とされる。本実施形態から理解されるように、本発明においては、第3シート13(第3原反シート130)を用いる構成及び第3シート13(第3原反シート130)を用いない構成のいずれであっても、より容易且つ確実に軟包材容器用中間材を製造することが可能である。
【0137】
[第8実施形態]
図62~
図71は、本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法及び軟包材容器用中間材を示している。本実施形態の軟包材容器用中間材の製造方法は、第1重合工程P1、封入部形成工程P2、除去工程PA、折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を備えており、上述した第2重合工程P3を備えない。収容部形成工程P5は、後述する収容容器挿入工程P51及び結合工程P52を含む。
【0138】
本実施形態においては、第1重合工程P1、封入部形成工程P2及び除去工程PAにおいて、上述した第5実施形態と同様に天側副シール部43を形成しない。また、折りたたみ工程P4において、底部折りたたみ工程P41及び胴部折りたたみ工程P42を行い、天部折りたたみ工程P43は行わない。
【0139】
[収容部形成工程P5]
本実施形態の収容部形成工程P5は、収容容器挿入工程P51及び結合工程P52を含む。
【0140】
[収容容器挿入工程P51]
収容容器挿入工程P51は、
図62及び
図63に示すように、折りたたみ工程P4において、折りたたまれた第1原反シート110及び第2シート12の、対面した第2シート12間に収容容器13Aを挿入する工程である。収容容器13Aは、第3シート13によって形成されており、収容部60を有する。図示された例においては、収容容器13Aには、スパウト70が取り付けられている。収容容器13Aは、第1原反シート110及び第2シート12(第2原反シート120)を用いた上述の工程に先立ち又は並行して形成されたものである。
【0141】
図64に示すように、収容容器13Aは、本実施形態により形成される軟包材容器用中間材A1において後述する内容物69を収容するための収容部60が形成されている。収容容器13Aを構成する第3シート13の材質及び層構造は、内容物69を適切に収容することが可能であり、収容部60を有する軟包材容器用中間材A1形成するための接合手法等に適したものが好ましい。本実施形態においては、接合手法としてヒートシール接合を採用することから、第3シート13の外面131及び内面132は、上述したシーラントフィルム層によって構成される。また、第3シート13に所定のバリア性を付与することが好ましい場合、外面131を構成するシーラントフィルム層と内面132を構成するシーラントフィルム層との間に上述したバリアフィルム層を設けることが好ましい。
【0142】
本実施形態の収容容器13Aは、一対の胴部133、底部134及び天部135を有し、先行シール部45が形成されており、収容部60及びスパウト70が設けられている。
【0143】
一対の胴部133は、収容部60を挟むように前後に位置する部分である。また、一対の胴部21の両側方同士は、先行シール部45のサイド先行シール部46によって互いに繋がっている。先行シール部45は、第3シート13の一部同士が、たとえばヒートシール接合によって接合された部位であり、後述の主シール部30の形成に先立って先行して第3シート13に形成されるシール部分である。
【0144】
底部134は、一対の胴部133の底辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においてはガゼット状の部位とされている。底部134の両側方は、先行シール部45の底側先行シール部47によって閉じられている。
【0145】
天部135は、一対の胴部133の天辺同士を繋ぐ部位である。天部135には、スパウト用孔137が設けられており、スパウト用孔137にスパウト70の筒状部分が挿入されている。そして、スパウト70のフランジ上部分との天部135の内面132とが例えばヒートシール接合によって接合されている。
【0146】
収容部60は、第3シート13と先行シール部45とによって気密性を有する空間とされており、内容物69を収容するためのものである。なお、本実施形態においては、スパウト70を通じて収容部60が外部に通じている。
【0147】
また、図示された例においては、収容容器13Aに充填口用開口18が形成されている。充填口用開口18は、後述の工程において切断予定線17を挟んで副シール部40の天側副シール部43に隣り合うこととなる位置に設けられている。後の工程において、充填口用開口18は、副シール部40の充填口副シール部44及び充填口53と重なり合うことが意図されている。このようにすることで、後述する切断工程P7において、充填口53に余分なシートが残存することなく、充填材59をより容易に充填することができる。
【0148】
図63に示すように、本実施形態においては、収容容器13Aの一対の胴部133及び底部134が第1原反シート110及び第2シート12のうち折り曲げ線151と折り曲げ線152との間に位置する部分に挟まれるように、収容容器13Aが挿入される。また、収容容器13Aの天部135は、第1原反シート110及び第2シート12の折り曲げ線152よりも外側の部分に重なるように配置される。
【0149】
なお、先行シール部45及び収容部60の形成とスパウト70の取り付けとが完了した収容容器13Aは、収容容器挿入工程P51の前に、収容部60のリークチェック工程を行うことが好ましい。リークチェック工程は、例えばスパウト70から収容部60に空気を吹き込むことにより、収容容器13Aの意図しない孔や先行シール部45の接合不良箇所から空気が漏れていないかをチェックする工程である。このリークチェック工程の結果、リーク無しの良品であると判断された収容容器13Aを収容容器挿入工程P51に用い、リークが認められた収容容器13Aは、収容容器挿入工程P51には用いない。
【0150】
なお、収容容器挿入工程P51は、図示された例のように上下方向の位置が固定された第1原反シート110及び第2シート12に対して収容容器13Aを下降させる構成に限定されない。収容容器挿入工程P51は、例えば、上下方向の位置が固定された収容容器13Aに対して、第1原反シート110及び第2シート12を折りたたみながら上昇させる構成であってもよい。
【0151】
[結合工程P52]
次いで、
図62、
図65、
図66及び
図67に示すように、結合工程P52を行う。結合工程P52は、主シール部30を形成することにより、第1原反シート110及び第2シート12と、収容容器13Aと、を結合する工程である。主シール部30の形成に用いられる接合手法としては、特に限定されないが、所望の部位を確実に接合しうることから、ヒートシール接合が好ましい。本実施形態においては、
図65に示すヒートシール金型83を用いて、ハッチングが新たに施された領域を加熱する。主シール部30を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。
【0152】
結合工程P52においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分を含む複数箇所を接合する。本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分と収容容器13Aの第3シート13とをヒートシール接合する。第1原反シート110は、特定形状とされた第2シート12よりも大きなシートであり、第2シート12からはみ出した部分を有する。特に、本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分であって副シール部40と隣接する部分の内面112と第3シート13の外面131とを加熱する。次いで、ヒートシール金型83によって加熱された領域を冷却金型84によって冷却することにより、
図65~
図67に示す主シール部30が形成される。なお、主シール部30はすでに形成された副シール部40及び先行シール部45の一部と重なる構成であってもよいが、充填材封入部50と重なるものでないことが好ましい。
【0153】
主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。サイド主シール部31は、胴部副シール部41の外側に位置し切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。サイド主シール部31においては、重なり合う第3シート13の外面131に両側から第1原反シート110の内面112がヒートシール接合されている。あるいは、サイド主シール部31は、第1原反シート110の内面112同士がヒートシール接合され、第3シート13を含まないものであってもよい。なお、底部切り欠き用孔115においては、底部切り欠き用孔115を通じてガゼット部分の第1原反シート110の内面112同士がヒートシール接合されている。これにより、ガゼット部分が開かないように拘束される。
【0154】
底側主シール部32は、副シール部40の底側副シール部42の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。天側主シール部33は、天側副シール部43の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。天側主シール部33においては、第1原反シート110の内面112と第3シート13の外面131とがヒートシール接合されている。
【0155】
結合工程P52を行うことにより、収容容器13Aが第1原反シート110及び第2シート12に挟まれた状態で固定される。これにより、収容容器13Aの収容部60が第1原反シート110及び第2シート12によって構成される充填材封入部50の内側に配置された構成となる。この結果、収容部60の形成が実現され、収容部形成工程P5が完了する。
【0156】
[切断工程P6]
次に、
図62及び
図68に示すように、切断工程P6を行う。切断工程P6は、切断予定線17に沿って第1原反シート110及び収容容器13Aを切断する工程である。この工程により、第1原反シート110及び収容容器13Aの不要部分が取り除かれ、第1原反シート110から第1シート11が形成され、
図69~
図71に示す軟包材容器用中間材A8が得られる。なお、収容容器13Aに充填口用開口18が形成されたことにより、充填口53に余分なシートが残存することなく、後述する工程において、充填材59をより容易に充填することができる。
【0157】
[軟包材容器用中間材A8]
図69~
図71に示すように、本実施形態の製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A8は、第1シート11、第2シート12及び収容容器13Aによって形成されており、一対の胴部21、底部22、天部23、主シール部30、副シール部40、先行シール部45、充填材封入部50及び収容部60を有している。
【0158】
一対の胴部21は、第1シート11及び第2シート12のうち収容部60を構成する一対の胴部133を挟むように前後に位置する部分であり、それぞれが充填材封入部50の胴部充填材封入部51を有している。また、一対の胴部21の両側方同士は、主シール部30のサイド主シール部31によって互いに繋がっている。
【0159】
底部22は、一対の胴部21の底辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においてはガゼット状の部位とされている。底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52を有している。また、底部22の両側方は、主シール部30の底側主シール部32によって閉じられている。なお、切断工程P7における切断によって、底部切り欠き用孔115が切断されて底部切り欠き116となっている。底部切り欠き116は、ガゼット状に折られた底部22の両側方部分が開かないように、収容容器13Aの第3シート13同士を接合させる機能を果たしている。
【0160】
天部23は、一対の胴部21の天辺同士を繋ぐ部位であり、第1シート11、第2シート12及び収容容器13Aの第3シート13からなり、本実施形態においては、略六角形状の部位とされている。収容容器13Aの天部135にスパウト70が既に取り付けられていたことにより、天部23には、スパウト70が取り付けられている。また、図示された例においては、天部23には、充填材封入部50は形成されていない。
【0161】
図示された状態の充填材封入部50は、未だ充填材59が充填されておらず、平坦な形状にしぼんでいる。本実施形態においては、一方の胴部21と天部23との間から充填口53が延出している。充填口53は、充填材封入部50に充填材59を充填するために用いられる。収容部60は、内容物69を収容するための空間であり、第3シート13によって構成されている。
【0162】
軟包材容器用中間材A8を用いた軟包材容器の製造及び軟包材容器包装体の製造は、軟包材容器用中間材A1を用いた場合と同様である。
【0163】
本実施形態によっても、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器B1をより容易且つ確実に製造することができる。また、収容容器挿入工程P51における収容容器13Aの挿入に先立ち、収容容器13Aの収容部60のリークチェック工程を実行することが可能である。これにより、リークが生じた収容部60を有する収容容器13Aが軟包材容器用中間材A8に設けられることを回避することができる。
【0164】
なお、上述した例の第1重合工程P1、封入部形成工程P2、除去工程PAおよび折りたたみ工程P4は、第1実施形態と概ね共通しているが、上述した他の実施形態と類似の工程を採用してもよい。例えば、上述した第6実施形態と同様の構成を採用してもよい。この場合、第2原反シート120として、たとえば、外面121および内面122のいずれもがシーラントフィルム層からなるものを採用する。また、結合工程P52においては、収容容器13Aの第3シート13の外面131と第2原反シート120の内面122との所定箇所をヒートシールによって接合する手法を採用しうる。この例によって形成された軟包材容器用中間材A8においては、第1シート11と第2シート12が同形状且つ同サイズとなる。この点は、以下に述べる変形例においても同様である。
【0165】
[第8実施形態 第1変形例]
図72は、本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第1変形例によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本変形例においては、折りたたみ工程P4において、1つの折り曲げ線151のみに沿って第1原反シート110及び第2シート12を谷折りにする。また、収容容器13Aの底部134は、単に二つ折りにされた部位であり、ガゼット状とはされていない。この製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A8は、
図72に示すように、底部22が所謂ガゼット部分を有しておらず、単純な二つ折りの形状となる。本変形例から理解されるように、底部折りたたみ工程P41によって形成される底部22及び収容容器13Aの底部134の具体的構造は、特に限定されず、底部22を挟んだ両側に充填材封入部50の内部同士が繋がった状態で存在する構成であればよい。
【0166】
[第8実施形態 第2変形例]
図73は、本発明の第8実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の第2変形例を示している。変形例においては、複数の収容容器13Aが連接された収容容器集合体13Bを用いている。図示された例においては、収容容器集合体13Bは、第3原反シート130によって形成されている。第3原反シート130は、複数の第3シート13を形成しうるサイズのシートである。各々の収容部60は、先行シール部45によって閉じた空間とされている。隣り合う収容部60(収容容器13A)のピッチは、第1原反シート110に接合された隣り合う第2シート12のピッチと同じである。
【0167】
収容容器挿入工程P51においては、第2シート12と収容部60との位置を合わせながら収容容器集合体13Bを第1原反シート110及び第2シート12の間に順次挿入する。そして、切断工程P6において第1原反シート110とともに収容容器集合体13Bを切断することにより、軟包材容器用中間材A8を構成する収容容器13Aが得られる。
【0168】
本変形例においても、収容容器挿入工程P51に先立ち、収容容器集合体13Bの収容部60のリークチェック工程を実行しておくことが好ましい。例えば、リークチェック工程においていずれかの収容部60にリークが生じていた場合、当該収容部60を含む収容容器集合体13Bの部分を例えば切断等により除去すればよい。
【0169】
このような変形例によっても、軟包材容器用中間材A8をより容易且つ確実に製造することができる。また、複数の収容部60が設けられた収容容器集合体13Bを用いることにより、収容容器挿入工程P51における収容容器集合体13Bの挿入を連続的に行うことが可能であり、軟包材容器用中間材A8の製造効率の向上に好ましい。
【0170】
本発明に係る軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。