(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】エアコン無風感自動制御方法、エアコン及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
F24F 11/65 20180101AFI20220908BHJP
F24F 11/76 20180101ALI20220908BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20220908BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20220908BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/76
F24F11/80
F24F11/86
(21)【出願番号】P 2019557500
(86)(22)【出願日】2018-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2018076023
(87)【国際公開番号】W WO2019127861
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2019-10-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】201711499153.5
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201711498378.9
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】屈金祥
(72)【発明者】
【氏名】司徒洪杰
(72)【発明者】
【氏名】張武軍
(72)【発明者】
【氏名】馬閲新
【合議体】
【審判長】西村 泰英
【審判官】槙原 進
【審判官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-220405(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107036251(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコン送風方向において目標障害物が在るか否か、前記目標障害物とエアコンとの距離は
予め設定された閾値以下であるか否かを検知することと、
前記目標障害物とエアコンの距離
が前記
閾値以下であれば、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することと、を含
み、
前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、
風吹感指数と、局部空気流速、乱流強度、および温度と、の間の予め定められた関係と、前記目標障害物に対応する無風感モードに対応する風吹感指数の設定値と、に基づいて局部空気温度の目標値を得ることと、
局部空気温度の現在値を得ることと、
前記目標値と前記現在値との差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することと、
を含むことを特徴とするエアコン無風感自動制御方法。
【請求項2】
前記関係は、
DR=(34-tas)(Va-0.05)0.62(0.37×Va×Tu+3.14)
の式で表される関係であり、
前記式において、
DRは風吹感指数であり、
tasは温度であり、
Vaは局部空気流速であり、
Tuは乱流強度である、
請求項1に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項3】
前記エアコン無風感自動制御方法は床置き形エアコンに応用され、前記床置き形エアコンは上赤外モジュールと下赤外モジュールとを含み、前記上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離
は、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離
より大きく、
前記エアコン送風方向において目標障害物が在るか否かを検知することは、
上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かとを判断することを含み、
上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在することを判定し、
上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在することを判定することを特徴とする請求項1
または2に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項4】
前記目標障害物とエアコンとの距離は前記
閾値以下であるか否かを検知することは、
赤外モジュールにより前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンとの距離を検知することと、
前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンとの距離は前記
閾値以下であるか否かを判断することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項5】
前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、
前記差の値が第一のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第一のプリセット値だけ上げて、持続時間を第一のプリセット時間とすることを含むことを特徴とする請求項
1または2に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項6】
前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、
前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることをさらに含むことを特徴とする請求項
1または2に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項7】
前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることは、
前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値であるか否かを検知することと、
調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値である場合、現在の局部空気流速を第三プリセット値だけ下げて、調整後の現在の局部空気流速により、目標送風機回転数を得て、持続時間を第二のプリセット時間とすることと、を含むことを特徴とする請求項
6に記載のエアコン無風感自動制御方法。
【請求項8】
メモリー、プロセッサー及び前記メモリーに記憶されて且つ前記プロセッサー上で実行できるエアコン無風感自動制御プログラムを含み、前記エアコン無風感自動制御プログラムが前記プロセッサーにより実行された時に請求項1から
7の何れか一項に記載のエアコン無風感自動制御方法のステップを実現することを特徴とするエアコン。
【請求項9】
エアコン無風感自動制御プログラムが記憶されており、前記エアコン無風感自動制御プログラムがプロセッサーにより実行された時に請求項1から
7の何れか一項に記載のエアコン無風感自動制御方法のステップを実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアコン機器分野に関し、特にエアコン無風感自動制御方法、エアコン及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活レベルの向上につれて、家庭用電器の人々の日常生活における役割はますます重要になる。特にエアコンは、現代人の生活にとってなくてはならない家電になっている。使用者のエアコンに対する使用につれて、使用者のエアコンに対する要求も高まりつつある。エアコンの中で、送風機が送風の役割を果たしている。使用者がエアコンを使用する過程において、使用者がエアコンに近づく場合、送風機の送風能力が依然として変わらないので、この場合、使用者は風が体に吹きあてられていることを明らかに感じる可能性がある。即ち、風吹感の現象が生じてしまう。特にエアコンが冷房モードにある時、使用者がエアコンに近づく場合、エアコンの送風能力は依然として変わらないので、使用者が風邪を引きやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の主な目的は、先行技術において、使用者がエアコンに近づく時、エアコンは自動的に送風能力を調節できないという技術問題を解決するための、エアコン無風感自動制御方法、エアコン及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本願はエアコン無風感自動制御方法を提供し、前記エアコン無風感自動制御方法は、エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得することと、エアコン送風方向において目標障害物が在るか否か、前記目標障害物とエアコンとの距離は前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知することと、前記目標障害物とエアコンの距離は前記最大トリガー距離以下であれば、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することと、を含む。
【0005】
好ましくは、前記エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得することは、エアコン冷房モードの起動を検知した時、現在のデューティ比を取得することと、前記現在のデューティ比により現在の最大トリガー距離を算出することと、を含む。
【0006】
好ましくは、前記エアコン無風感自動制御方法は床置き形エアコンに応用され、前記床置き形エアコンは上赤外モジュールと下赤外モジュールとを含み、前記上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さく、前記エアコン送風方向において目標障害物が在るか否かを検知することは、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かとを判断することを含み、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在することを判定し、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在することを判定する。
【0007】
好ましくは、前記目標障害物とエアコンとの距離は前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知することは、赤外モジュールにより前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンとの距離を検知することと、前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンとの距離は前記最大トリガー距離以下であるか否かを判断することと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記目標障害物が属する類型により、対応する無風感モードを起動し、エアコン運転の現在の環境パラメーターを取得し、前記現在の環境パラメーター中の現在の風吹感指数、現在の局部空気流速及び現在の乱流強度により、目標温度を得ることと、前記現在の環境パラメーター中の現在の局部空気温度を取得し、前記現在の局部空気温度と前記目標温度との差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記差の値が第一のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第一のプリセット値だけ上げて、持続時間を第一のプリセット時間とすることを含む。
【0010】
好ましくは、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することはさらに、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることを含む。
【0011】
好ましくは、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることは、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値であるか否かを検知することと、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値である場合、現在の局部空気流速を第三プリセット値だけ下げて、調整後の現在の局部空気流速により、目標送風機回転数を得て、持続時間を第二のプリセット時間とすることと、を含む。
【0012】
そして、上記目的を実現するために、本発明はさらにエアコンを提案する。前記エアコンは、赤外モジュールグループ、メモリー、プロセッサー及び前記メモリーに記憶されて且つ前記プロセッサー上で実行できるエアコン無風感自動制御プログラムを含み、前記エアコン無風感自動制御プログラムが前記プロセッサーにより実行された時に上記のようなエアコン無風感自動制御方法のステップを実現する。
【0013】
そして、上記目的を実現するために、本発明はさらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはエアコン無風感自動制御プログラムが記憶されており、前記エアコン無風感自動制御プログラムがプロセッサーにより実行された時に上記のようなエアコン無風感自動制御方法のステップを実現することを特徴とする。
【0014】
本発明において、エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得し、目標障害物が存在すると検知し、目標障害物とエアコンとの距離が当該最大トリガー距離以下であれば、目標障害物に対応する無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、当該運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。本発明によれば、エアコンが冷房モードにある時、人体がエアコンに近づき、人体とエアコンとの距離が最大トリガー距離以下であると、当該人体の類型に対応する無風感モードを起動するようにエアコンを作動させることにより、エアコンから吹き出される風が人体にとって快適であるように、エアコン運転パラメーターに対する調整を実現する。これにより人体がエアコンに近すぎて風邪をひくことを避けて、使用者がエアコンを使用する過程において、使用者の健康を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例の技術案に関わるハードウェア運転環境のエアコン構造模式図である。
【
図2】本発明のエアコン無風感自動制御方法の第一実施例のフローチャートである。
【
図3】本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例におけるエアコン送風シーンのシーンビューである。
【
図4】本発明のエアコン無風感自動制御方法のもう一つの実施例のフローチャートである。
【
図5】室内温度が下がる傾向にある時はTs<24℃、或いは室内温度が上がる傾向にある時はTs<25℃の場合の送風温度の経時変化模式図である。
【
図6】室内温度が下がる傾向にある時は24℃≦Ts<26℃、或いは室内温度が上がる傾向にある時は25℃≦Ts<27℃の場合の送風温度の経時変化模式図である。
【
図7】室内温度が下がる傾向にある時は26℃≦Ts<28℃、或いは室内温度が上がる傾向にある時は27℃≦Ts<29℃の場合の送風温度の経時変化模式図である。
【
図8】室内温度が下がる傾向にある時はTs≧28℃、或いは室内温度が上がる傾向にある時はTs≧29℃の場合の送風温度の経時変化模式図である。
【0016】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するためだけに使われるのであって、本発明を限定するために使われるのではないと理解しておくべきである。
【0018】
図1に示すように、
図1は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例の技術案に関わるハードウェア運転環境のエアコン構造模式図である。
【0019】
図1に示すように、当該エアコンは、プロセッサー1001(例えばCPU)、送風機1004、赤外モジュールグループ1003、メモリー1005、通信バス1002を含んでもよい。ここで、通信バス1002はこれらの部品の間の接続や通信を実現するために使われる。赤外モジュールグループ1003は上赤外モジュールと下赤外モジュールを含んでも良い。上、下赤外モジュールグループはその検知方向上に人体の赤外信号が在るか否かを検知し、さらに、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、下赤外モジュールは目標障害物との距離を検知するために使われる。送風機1004は入力される機械エネルギーで気体の圧力を上げるとともに気体を輸送する。メモリー1005は高速RAMメモリーであってもよく、安定しているメモリー(non-volatile memory)、例えば磁気ディスクメモリーでもよい。好ましくは、メモリー1005は前記プロセッサー1001とは独立した記憶装置でもよい。
【0020】
好ましくは、エアコンにはさらにジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計など他のセンサーを配置してもよく、ここでは贅言しない。
【0021】
当業者にとっては、
図1に示すエアコンの構造はエアコンに対する限定を構成せず、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせたり、異なる部品の配置をしてもよいことは、理解できるであろう。
【0022】
図1に示すように、コンピュータ記憶媒体としてのメモリー1005には、オペレーティングシステム及びエアコン無風感自動制御プログラムを含んでも良い。
【0023】
図1に示すエアコンにおいて、プロセッサー1001はメモリー1005内に記憶されているエアコン無風感自動制御プログラムを呼び出して、且つ以下の操作を実行できる。
エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得する。
エアコン送風方向において目標障害物が在るか否か、前記目標障害物とエアコンの距離は前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知する。
前記目標障害物とエアコンの距離は前記最大トリガー距離以下であれば、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
【0024】
さらに、前記エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得することは、エアコン冷房モードの起動を検知した時、現在のデューティ比を取得することと、現在のデューティ比により現在の最大トリガー距離を算出することを含む。
【0025】
さらに、前記エアコン無風感自動制御方法は床置き形エアコンに応用され、前記床置き形エアコンは上赤外モジュールと下赤外モジュールを含み、前記上赤外モジュールと床置き形エアコンの底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコンの底部との距離は子供の平均身長より小さく、前記エアコン送風方向において目標障害物が在るか否かを検知することは、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かを判断することを含み、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在し、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在する。
【0026】
さらに、前記目標障害物とエアコンの距離が前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知することは、赤外モジュールにより前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンの距離を検知することと、前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記最大トリガー距離以下であるか否かを判断することを含む。
【0027】
さらに、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記目標障害物が属する類型により、対応する無風感モードを起動し、エアコン運転の現在の環境パラメーターを取得し、前記現在の環境パラメーター中の現在の風吹感指数、現在の局部空気流速及び現在の乱流強度により、目標温度を得ることと、前記現在の環境パラメーター中の現在の局部空気温度を取得し、前記現在の局部空気温度と前記目標温度の差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0028】
さらに、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記差の値が第一のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第一のプリセット値だけ上げて、持続時間を第一のプリセット時間とすることを含む。
【0029】
さらに、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することはさらに、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることを含む。
【0030】
さらに、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることは、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値であるか否かを検知することと、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値である場合、現在の局部空気流速を第三プリセット値だけ下げて、調整後の現在の局部空気流速により、目標送風機回転数を得て、持続時間を第二のプリセット時間とすることを含む。
【0031】
図2を参照し、
図2は本発明のエアコン無風感自動制御方法の第一実施例のフローチャートである。
【0032】
一実施例において、エアコン無風感自動制御方法は以下のステップを含む。
ステップS10において、エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得する。
本実施例において、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、対応するデューティ比を取得する。デューティ比とは、一つのパルスサイクル内で、通電時間が総時間に対して占める割合である。赤外の発射パワーが高いほど、対応するデューティ比も高いため、赤外モジュールが検知できる距離も長い。これにより、赤外モジュールの赤外発射パワーの調整により、対応するデューティ比を得て、デューティ比xにより最大トリガー距離Dを算出できる(D=-a*x^2+b*x+c、ただし、a,b,cは定数値で、a=-0.001、b=0.07、c=0.997とする)。固定のエアコンにとって、実際の需要により赤外モジュールの赤外発射パワーを調整することで、固定のデューティ比xを得ることができる。このため、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、対応するデューティ比を取得することにより、上記計算式により現在の最大トリガー距離L0を算出する。
【0033】
ステップS20において、エアコン送風方向において目標障害物が在るか否か、前記目標障害物とエアコンの距離は前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知する。
本実施例では、目標障害物とは子供或いは大人を指す。即ち、子供か大人が存在するか否か、子供と大人のエアコンとの距離Lは最大トリガー距離L0以下であるか否かを検知する。本実施例において、エアコンとは床置き形エアコンを指し、床置き形エアコン上には上赤外モジュールグループ及び下赤外モジュールグループを含む赤外モジュールグループが取り付けられている。ここで、上赤外モジュールと床置き形エアコンの底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコンの底部との距離は子供の平均身長より小さい。子供の平均身長は実際の状況に基づいて、例えば1.2mに設定されている。
図3を参照し、
図3は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例におけるエアコン送風シーンのシーンビューである。
【0034】
本実施例において上赤外モジュールと下赤外モジュールは何れも検知範囲内の赤外線を受信でき、上、下赤外モジュールの検知方向はエアコンの送風方向と一致するか、或いは大体同じである。例えば、水平面と平行で、エアコンの正面(エアコンの送風口がある面)と垂直である。人体が放射する赤外線の波長は主に約10000nm前後に集中するため、人体が放射する赤外線のこの特徴に基づき、一つの区間(例えば9500nm~10500nm)を設定できる(具体的には、実際の状況により設定する)。下赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmにあり、上赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmの区間にない場合、下赤外モジュールは人体を検知し、上赤外モジュールは人体を検知していない、即ち、現在では第一類型の目標障害物である子供が存在することを確認できたということになる。上赤外モジュールが検知した赤外線が9500nm~10500nmの区間にある場合、上赤外モジュールが人体を検知した、即ち、現在では第二類型の目標障害物である大人が存在することを確認できたということになる。
【0035】
目標障害物が存在すると確定した後、さらに目標障害物とエアコンとの距離を確認する。本実施例では、例えば、上、下赤外モジュールの中には、一対の赤外信号発射及び受信ダイオードを有する赤外距離測定センサーが含まれている。赤外距離測定センサーを利用して一束の赤外光を発射し、物体を照射してから反射する過程を形成し、センサーに反射する信号を受信し、CCD画像処理を利用して発射と受信との時間差のデータを処理する。信号プロセッサーの処理を経てから物体との距離を算出する。即ち、目標障害物が存在すると確定した場合、赤外モジュールにおける赤外距離測定センサーの発射チューブで特定の周波数の赤外信号を発射し、受信チューブでこの種の周波数の赤外信号を受信する。赤外の検知方向で目標障害物にぶつかった時、赤外信号は反射されて受信チューブに受信される。処理を経てから、赤外の帰還信号を利用して目標障害物とエアコンの距離Lを計算により得ることができる(第一類型の目標障害物が存在すると確定した場合、下赤外モジュールによって第一類型の目標障害物とエアコンの距離Lを検知する。第二類型の目標障害物が存在すると確定した場合、上赤外モジュールによって第二類型の目標障害物とエアコンの距離を検知する)。
【0036】
目標障害物とエアコンとの距離Lを計算により得てから、Lが最大トリガー距離L0以下であるか否かを判断し、LがL0以下であれば、目標障害物はエアコンに比較的近いということになる。
【0037】
ステップS30において、前記目標障害物とエアコンの距離が前記最大トリガー距離以下であれば、前記目標障害物に対応する無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
【0038】
本実施例では、目標障害物とエアコンとの距離Lが最大トリガー距離以下である場合、人体がエアコンに比較的近いということになる。一方、エアコンもまた冷房モードなので、この状況では人体が風に吹かれて風邪をひくことになりかねない。このため、目標障害物とエアコンの距離Lが最大トリガー距離以下である場合、目標障害物の類型により、対応する無風感モードを起動する。目標障害物が第一目標障害物、即ち子供である場合、エアコン下無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、この運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。目標障害物が第二目標障害物、即ち大人である場合、エアコン全体無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、この運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
【0039】
本発明の一実施例において、目標障害物が第一目標障害物である子供である場合、エアコン下無風感モードを起動し、先ずは現在のエアコン運転環境中の局部空気温度、風吹感指数、局部空気流速、送風機回転数、乱流強度を取得し、風吹感指数、局部空気流速、乱流強度に基づいて理論目標温度を計算により得て、理論目標温度と設定温度に基づいて目標温度を得て、最後に目標温度と局部空気温度に基づいて運転パラメーターを得る。
【0040】
本発明の一実施例において、局部空気温度は送風口の温度で決まり、起動する無風感形式によって、送風口の温度tcを採集する。上無風感を起動する場合はtc1、下無風感を起動する場合はtc2、全体無風感を起動する場合はtc3である。関連する計算式に基づいて、2.5メートルにおける局部空気温度値taを計算する。上無風感を起動する場合はta1、下無風感を起動する場合はta2、全体無風感を起動する場合はta3である。送風口温度と局部空気温度の関係式はta=atc+bである(ここで、taは局部空気温度、tcは送風口温度)。a,bは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するa,bの値も異なる。例えば、無風感形式が下無風感である場合、送風口温度と局部空気温度の関係式は、ta=0.2307tc+23.955である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、下送風口における所定の温度センサーが採集する温度、即ち送風口温度tcを取得し、上記計算式に代入し、現在の局部空気温度を得る。
【0041】
本実施例では、風吹感指数は現在の無風感形式によって決まる。上無風感の風吹感指数DR1=5、下無風感の風吹感指数DR2=10、全体無風感の風吹感指数DR3=5を予め設定する。例えば、現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の風吹感指数DR=10を取得する。
【0042】
本発明の一実施例において、局部空気流速は風道構造、送風機回転数などの要素に関係する。近似的に、局部空気流速Vaは送風機(即ちエアコンの送風機、以下同じ)の回転数F(F=1%~100%)にだけ関係すると見なせる。局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=cF+dであり、ここで、c、dは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するc、dの値も異なる。即ち、上無風感はc1、d1、下無風感はc2、d2、全体無風感はc3、d3に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=0.0352F+0.1366である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の局部空気流速Vaにより、例えば現在の局部空気流速は初期選択値0.3m/sであり、上記の計算式に代入すると、現在の送風機の回転数Fを得られる。
【0043】
本発明の一実施例において、乱流強度は風道構造、送風機回転数及びその安定性に関係する。近似的に、乱流強度は送風機回転数にだけ関係すると見なせる。乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=eF2+fF+gであり、ここで、e,f,gは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するe,f,gの値も異なる。即ち、上無風感はe1=0、f1=0、g1=36.4、下無風感はe2=-12.858、f2=29.244、g2=21.424、全体無風感はe3=0、f3=0、g3=29.6に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=-12.858F2+29.244F+21.424である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、送風機の現在回転数Fを取得し、上記計算式に代入し、現在の乱流強度Tuを得る。
【0044】
本実施例では、現在の設定温度は即ち使用者が予め設定した温度値である。例えば、使用者がエアコンを起動させた後、一つの温度、例えば25℃、即ち現在の設定温度を設定する。
【0045】
1988年に、Fangerが風吹感不快度を予測するモデルを提案した。このモデルに基づき、IS07730-2005では風吹感指数DRを使って風吹感により引き起こした人体不快度を表現する。風吹感指数の表現式は、DR=(34-tas)(Va-0.05)0.62(0.37×Va×Tu+3.14)であり、ここで、DRは風吹感指数であり、DR>100%であれば、DR=100%になり、tasは論理目標温度であり、その単位は℃、Vaは局部空気流速であり、その単位はm/s、Tuは乱流強度である。
【0046】
現在の風吹感指数DR、現在の局部空気流速Va及び現在の乱流強度を上記風吹感指数表現式に代入すると、理論目標温度tasが得られる。
【0047】
本発明の一実施例において、目標障害物が子供である場合、理論目標温度及び現在の設定温度により、目標温度を得ることができる。
設定温度が24℃より小さい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0048】
設定温度が24℃以上で、28℃以下である時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を28℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0049】
設定温度が28℃より大きい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0050】
目標温度を得てから、目標温度tasと現在局部空気温度taを比較する。まず、tasとtaの差の値がプリセット値より大きいか否かを判断する。例えば、tasとtaの差の値が1より大きいか否かを判断し、tasとtaの差の値が1より大きくなければ、エアコンに現在のパラメーターを維持して運転させる。tasとtaの差の値が1より大きければ、二つの状況が存在する。一つ目は、tasはtaより大きく、差の値が1より大きい。二つ目は、tasはtaより小さく、差の値が1より大きい。即ち、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(1,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が1より大きい。第二区間は(-∞,-1)、即ちtasはtaより大きく、差の値が1より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz上げて、且つ3minの運転時間を保つ。taとtasの差の値が第二区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ下げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz下げて、且つ3minの運転時間を保つ。本発明のもう一つの実施例において、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。下無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式:Va=0.0352F+0.1366により、この時の送風機回転数F=1.8011を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数1.8011で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。
【0051】
本発明のもう一つの実施例において、目標障害物が大人である場合、エアコン全体無風感モードを起動し、後続の処理過程は目標障害物が子供である場合の処理とは類似する。即ち、先ずは、エアコンの全体無風感モードにおいて、エアコン運転環境中の局部空気温度、風吹感指数、局部空気流速、送風機回転数、乱流強度を取得し、風吹感指数、局部空気流速、乱流強度に基づいて理論目標温度を計算により得る。理論目標温度と設定温度により目標温度を得るステップでは、目標温度の値範囲は24℃~27℃である。目標温度を得てから、目標温度tasと現在局部空気温度taを比較する。まず、tasとtaの差の値がプリセット値より大きいか否かを判断する。例えば、tasとtaの差の値が0.5より大きいか否かを判断し、tasとtaの差の値が0.5より大きくなければ、エアコンに現在のパラメーターを維持して運転させる。tasとtaの差の値が0.5より大きければ、二つの状況が存在する。一つ目は、tasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。二つ目は、tasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。即ち、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(0.5,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。第二区間は(-∞,-0.5)、即ちtasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz上げて、且つ3minの運転時間を保つ。taとtasの差の値が第二区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ下げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz下げて、且つ3minの運転時間を保つ。本発明のもう一つの実施例において、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。全体無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式により、この時の送風機回転数を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。
【0052】
本発明において、エアコン冷房モードを起動する時、現在の最大トリガー距離を取得し、目標障害物が存在すると検知し、目標障害物とエアコンの距離は当該最大トリガー距離以下であれば、目標障害物に対応する無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、当該運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。本発明によれば、エアコンが冷房モードにある時、人体がエアコンに近づき、人体とエアコンとの距離が最大トリガー距離以下であると、当該人体の類型に対応する無風感モードを起動するようにエアコンを作動させることにより、エアコンから吹き出される風が人体にとって快適であるように、エアコン運転パラメーターに対する調整を実現する。これにより人体がエアコンに近すぎて風邪をひくことを避けて、使用者がエアコンを使用する過程において、使用者の健康を保証する。
【0053】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、ステップS10は、エアコン冷房モードの起動を検知した時、現在のデューティ比を取得することと、現在のデューティ比により現在の最大トリガー距離を算出することを含む。
【0054】
本実施例において、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、PWM信号に対応するデューティ比を取得する。デューティ比とは、一つのパルスサイクル内で、通電時間が総時間に対して占める割合である。赤外の発射パワーが高いほど、対応するデューティ比も高いため、赤外モジュールが検知できる距離も長い。これにより、赤外モジュールの赤外発射パワーの調整により、対応するデューティ比を得て、デューティ比xにより最大トリガー距離Dを算出できる(D=-a*x^2+b*x+c、ここで、a,b,cは定数値で、a=-0.001,b=0.07,c=0.997とする)。固定のエアコンにとって、実際の需要により赤外モジュールの赤外発射パワーを調整することで、固定のデューティ比xを得て、それによって最大トリガー距離L0を得ることができる。即ち、赤外モジュールの赤外発射パワーの調整によって最大トリガー距離を調整できる。このため、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、対応するデューティ比を取得することにより、上記計算式により現在の最大トリガー距離L0を算出する。
【0055】
本実施例において、最大トリガー距離を算出し、後で目標障害物である子供或いは大人とエアコンとの距離は当該最大トリガー距離以下であると検知した時、目標障害物がエアコンに比較的近いことになり、エアコンから吹き出される冷風が子供或いは大人の健康を害することを避けるように、目標障害物の類型に対応するエアコン無風感モードを起動する必要がある。
【0056】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、エアコン無風感自動制御方法は床置き形エアコンに応用され、前記床置き形エアコンは上赤外モジュールと下赤外モジュールを含み、前記上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さく、前記エアコン送風方向において目標障害物が在るか否かを検知することは、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かを判断することを含み、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在し、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在する。
【0057】
本実施例では、目標障害物とは子供或いは大人を指す。即ち、子供か大人が存在するか否か、子供と大人のエアコンとの距離Lは最大トリガー距離L0以下であるか否かを検知する。本実施例において、エアコンとは床置き形エアコンを指し、床置き形エアコン上には上赤外モジュールグループ及び下赤外モジュールグループを含む赤外モジュールグループが取り付けられている。ここで、上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さい。子供の平均身長は実際の状況に基づいて、例えば1.2mに設定されている。
図3を参照し、
図3は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例におけるエアコン送風シーンのシーンビューである。
【0058】
本実施例において上赤外モジュールと下赤外モジュールは何れも検知範囲内の赤外線を受信でき、上、下赤外モジュールの検知方向はエアコンの送風方向と一致するか、或いは大体同じである。例えば、水平面と平行で、エアコンの正面(エアコンの送風口がある面)と垂直である。人体が放射する赤外線の波長は主に約10000nm前後に集中するため、人体が放射する赤外線のこの特徴に基づき、一つの区間(例えば9500nm~10500nm)を設定できる(具体的には、実際の状況により設定する)。下赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmにあり、上赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmの区間にない場合、下赤外モジュールは人体を検知し、上赤外モジュールは人体を検知していない、即ち、現在第一類型の目標障害物である子供が存在することを確認できたということになる。上赤外モジュールが検知した赤外線が9500nm~10500nmの区間にある場合、上赤外モジュールが人体を検知した、即ち、現在では第二類型の目標障害物である大人が存在することを確認できたということになる。
【0059】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記目標障害物とエアコンの距離が前記最大トリガー距離以下であるか否かを検知することは、赤外モジュールにより前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンの距離を検知することと、前記第一/第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記最大トリガー距離以下であるか否かを判断することを含む。
【0060】
目標障害物が存在すると確定した後、さらに目標障害物とエアコンとの距離を確認する。本実施例では、例えば、赤外モジュールには、一対の赤外信号発射及び受信ダイオードを有する赤外距離測定センサーが含まれている。赤外距離測定センサーを利用して一束の赤外光を発射し、物体を照射してから反射する過程を形成し、センサーに反射する信号を受信し、CCD画像処理を利用して発射と受信との時間差のデータを処理する。信号プロセッサーの処理を経てから物体との距離を算出する。即ち、目標障害物が存在すると確定した場合、下赤外モジュールにおける赤外距離測定センサーの発射チューブで特定の周波数の赤外信号を発射し、受信チューブでこの種の周波数の赤外信号を受信する。赤外の検知方向で目標障害物にぶつかった時、赤外信号は反射されて受信チューブに受信される。処理を経てから、赤外の帰還信号を利用して目標障害物とエアコンの距離Lを計算により得ることができる。
【0061】
目標障害物とエアコンとの距離Lを計算により得てから、Lが最大トリガー距離L0以下であるか否かを判断し、LがL0以下であれば、目標障害物はエアコンに比較的近いということになる。これで、対応する無風感モードを起動するようにエアコンを作動させることにより、エアコンから吹き出される風が人体にとって快適であるように、エアコン運転パラメーターに対して調整できる。これにより人体がエアコンに近すぎて風邪をひくことを避けて、使用者がエアコンを使用する過程において、使用者の健康を保証する。
【0062】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、エアコン下無風感モードを起動し、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記目標障害物が属する類型により、対応する無風感モードを起動し、エアコン運転の現在の環境パラメーターを取得し、前記現在の環境パラメーター中の現在の風吹感指数、現在の局部空気流速及び現在の乱流強度により、目標温度を得ることと、前記現在の環境パラメーター中の現在の局部空気温度を取得し、前記現在の局部空気温度と前記目標温度の差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0063】
本実施例では、目標障害物とエアコンとの距離Lが最大トリガー距離以下である場合、人体がエアコンに比較的近いということになる。一方、エアコンもまた冷房モードなので、この状況では人体が風に吹かれて風邪をひくことになりかねない。このため、目標障害物とエアコンの距離Lが最大トリガー距離以下である場合、目標障害物の類型により、対応する無風感モードを起動する。目標障害物が第一目標障害物、即ち子供である場合、エアコン下無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、この運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。目標障害物が第二目標障害物、即ち大人である場合、エアコン全体無風感モードを起動し、運転パラメーターを得て、この運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
【0064】
本発明の一実施例において、目標障害物が第一目標障害物である子供である場合、エアコン下無風感モードを起動し、先ずは現在のエアコン運転環境中の局部空気温度、風吹感指数、局部空気流速、送風機回転数、乱流強度を取得し、風吹感指数、局部空気流速、乱流強度に基づいて理論目標温度を計算により得て、理論目標温度と設定温度に基づいて目標温度を得て、最後に目標温度と局部空気温度に基づいて運転パラメーターを得る。
【0065】
本発明の一実施例において、局部空気温度は送風口の温度で決まり、起動する無風感形式によって、送風口の温度tcを採集する。上無風感を起動する場合はtc1、下無風感を起動する場合はtc2、全体無風感を起動する場合はtc3である。関連する計算式に基づいて、2.5メートルにおける局部空気温度値taを計算する。上無風感を起動する場合はta1、下無風感を起動する場合はta2、全体無風感を起動する場合はta3である。送風口温度と局部空気温度の関係式はta=atc+bである(ここで、taは局部空気温度、tcは送風口温度)。a,bは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するa,bの値も異なる。例えば、無風感形式が下無風感である場合、送風口温度と局部空気温度の関係式は、ta=0.2307tc+23.955である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、下送風口における所定の温度センサーが採集する温度、即ち送風口温度tcを取得し、上記計算式に代入し、現在の局部空気温度を得る。
【0066】
本実施例では、風吹感指数は現在の無風感形式によって決まる。上無風感の風吹感指数DR1=5、下無風感の風吹感指数DR2=10、全体無風感の風吹感指数DR3=5を予め設定する。例えば、現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の風吹感指数DR=10を取得する。
【0067】
本発明の一実施例において、局部空気流速は風道構造、送風機回転数などの要素に関係する。近似的に、局部空気流速Vaは送風機(即ちエアコンの送風機、以下同じ)の回転数F(F=1%~100%)にだけ関係すると見なせる。局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=cF+dであり、ここで、c,dは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するc,dの値も異なる。即ち、上無風感はc1,d1、下無風感はc2,d2、全体無風感はc3,d3に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=0.0352F+0.1366である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の局部空気流速Vaにより、例えば現在の局部空気流速は初期選択値0.3m/sであり、上記の計算式に代入すると、現在の送風機の回転数Fを得られる。
【0068】
本発明の一実施例において、乱流強度は風道構造、送風機回転数及びその安定性に関係する。近似的に、乱流強度は送風機回転数にだけ関係すると見なせる。乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=eF2+fF+gであり、ここで、e,f,gは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するe,f,gの値も異なる。即ち、上無風感はe1=0、f1=0、g1=36.4、下無風感はe2=-12.858、f2=29.244、g2=21.424、全体無風感はe3=0、f3=0、g3=29.6に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=-12.858F2+29.244F+21.424である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、送風機の現在回転数Fを取得し、上記計算式に代入し、現在の乱流強度Tuを得る。
【0069】
本実施例では、現在の設定温度は即ち使用者が予め設定した温度値である。例えば、使用者がエアコンを起動させた後、一つの温度、例えば25℃、即ち現在の設定温度を設定する。
【0070】
1988年に、Fangerが風吹感不快度を予測するモデルを提案した。このモデルに基づき、IS07730-2005では風吹感指数DRを使って風吹感により引き起こした人体不快度を表現する。風吹感指数の表現式は、DR=(34-tas)(Va-0.05)0.62(0.37×Va×Tu+3.14)であり、ここで、DRは風吹感指数であり、DR>100%であれば、DR=100%になり、tasは論理目標温度であり、その単位は℃、Vaは局部空気流速であり、その単位はm/s、Tuは乱流強度である。
【0071】
現在の風吹感指数DR、現在の局部空気流速Va及び現在の乱流強度を上記風吹感指数表現式に代入すると、理論目標温度tasが得られる。
【0072】
本発明の一実施例において、目標障害物が子供である場合、理論目標温度及び現在の設定温度により、目標温度を得ることができる。
設定温度が24℃より小さい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0073】
設定温度が24℃以上で、28℃以下である時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を28℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0074】
設定温度が28℃より大きい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0075】
目標温度を得てから、目標温度tasと現在局部空気温度taを比較する。まず、tasとtaの差の値がプリセット値より大きいか否かを判断する。例えば、tasとtaの差の値が1より大きいか否かを判断し、tasとtaの差の値が1より大きくなければ、エアコンに現在のパラメーターを維持して運転させる。tasとtaの差の値が1より大きければ、二つの状況が存在する。一つ目は、tasはtaより大きく、差の値が1より大きい。二つ目は、tasはtaより小さく、差の値が1より大きい。即ち、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(1,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が1より大きい。第二区間は(-∞,-1)、即ちtasはtaより大きく、差の値が1より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz上げて、且つ3minの運転時間を保つ。taとtasの差の値が第二区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ下げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz下げて、且つ3minの運転時間を保つ。本発明のもう一つの実施例において、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。下無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式:Va=0.0352F+0.1366により、この時の送風機回転数F=1.8011を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数1.8011で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。
【0076】
本発明のもう一つの実施例において、目標障害物が大人である場合、エアコン全体無風感モードを起動し、後続の処理過程は目標障害物が子供である場合の処理とは類似する。即ち、先ずは、エアコンの全体無風感モードにおいて、エアコン運転環境中の局部空気温度、風吹感指数、局部空気流速、送風機回転数、乱流強度を取得し、風吹感指数、局部空気流速、乱流強度に基づいて理論目標温度を計算により得る。理論目標温度と設定温度により目標温度を得るステップでは、目標温度の値範囲は24℃~27℃である。目標温度を得てから、目標温度tasと現在局部空気温度taを比較する。まず、tasとtaの差の値がプリセット値より大きいか否かを判断する。例えば、tasとtaの差の値が0.5より大きいか否かを判断し、tasとtaの差の値が0.5より大きくなければ、エアコンに現在のパラメーターを維持して運転させる。tasとtaの差の値が0.5より大きければ、二つの状況が存在する。一つ目は、tasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。二つ目は、tasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。即ち、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(0.5,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。第二区間は(-∞,-0.5)、即ちtasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz上げて、且つ3minの運転時間を保つ。taとtasの差の値が第二区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ下げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz下げて、且つ3minの運転時間を保つ。本発明のもう一つの実施例において、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。全体無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式により、この時の送風機回転数を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。
【0077】
本実施例では、目標障害物が属する類型により、対応する無風感モードを起動し、無風感モード及び取得された環境パラメーターに基づいて目標温度を得ることにより、目標温度と現在の空気温度との差の値に基づいて、対応する制御方針を得て、さらにエアコンの自己適応制御を実現する。
【0078】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記差の値が第一のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第一のプリセット値だけ上げて、持続時間を第一のプリセット時間とすることを含む。
【0079】
本実施例では、目標障害物が第一目標障害物である子供である時、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(1,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が1より大きい。第二区間は(-∞,-1)、即ちtasはtaより大きく、差の値が1より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、局部空気温度が目標温度より高く、差の値がプリセット値より大きいということになり、現在降温処理が必要になる。所定の方針に基づいて、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz(即ち第一のプリセット値)上げて、且つ3minの運転時間(即ち第一のプリセット時間)を保つ。
【0080】
本実施例では、目標障害物が第二目標障害物である大人である時、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(0.5,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。第二区間は(-∞,-0.5)、即ちtasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、局部空気温度が目標温度より高く、差の値がプリセット値より大きいということになり、現在降温処理が必要になる。所定の方針に基づいて、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz(即ち第一のプリセット値)上げて、且つ3minの運転時間(即ち第一のプリセット時間)を保つ。
【0081】
本実施例では、目標温度が局部空気温度より低く、差の値がプリセット値より大きい時、現在局部空気温度が比較的高く、降温処理が必要だということになる。所定の調整方針に基づいてエアコン運転パラメーターを調整し、エアコンの下無風感モードにおける自動化制御を実現する。
【0082】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記差の値の位置する区間により、エアコンの運転パラメーターを得て、前記運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することはさらに、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることを含む。
【0083】
本実施例では、目標障害物が第一目標障害物である子供である時、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(1,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が1より大きい。第二区間は(-∞,-1)、即ちtasはtaより大きく、差の値が1より大きい。taとtasの差の値が第二区間にある時、局部空気温度が目標温度より低く、差の値がプリセット値より大きいということになり、現在昇温処理が必要になる。対応する所定の方針に基づいて、例えばコンプレッサー周波数を1hz(即ち第二のプリセット値。この値は実際の状況により自由に設定できる)上げて、且つ3minの運転時間(即ち第二のプリセット時間。この値は実際の状況により自由に設定できる)を保つ。
【0084】
本実施例では、目標障害物が第二目標障害物である大人である時、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(0.5,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が0.5より大きい。第二区間は(-∞,-0.5)、即ちtasはtaより大きく、差の値が0.5より大きい。taとtasの差の値が第二区間にある時、局部空気温度が目標温度より低く、差の値がプリセット値より大きいということになり、現在昇温処理が必要になる。対応する所定の方針に基づいて、例えばコンプレッサー周波数を1hz(即ち第二のプリセット値。この値は実際の状況により自由に設定できる)上げて、且つ3minの運転時間(即ち第二のプリセット時間。この値は実際の状況により自由に設定できる)を保つ。
【0085】
本実施例では、目標温度が局部空気温度より高く、差の値がプリセット値より大きい時、現在局部空気温度が比較的低く、昇温処理が必要だということになる。対応する所定の調整方針に基づいてエアコン運転パラメーターを調整し、エアコンの下無風感モードにおける自動化制御を実現する。
【0086】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、持続時間を第二のプリセット時間とすることは、前記差の値が第二のプリセット区間にある場合、所定のコンプレッサー周波数を第二のプリセット値だけ下げて、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値であるか否かを検知することと、調整を経た後の所定のコンプレッサー周波数がプリセット最小値である場合、現在の局部空気流速を第三プリセット値だけ下げて、調整後の現在の局部空気流速により、目標送風機回転数を得て、持続時間を第二のプリセット時間とすることを含む。
【0087】
本発明の一実施例において、下無風感モードにおいて、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1(即ち第三プリセット値。この値は実際の状況により自由に設定できる)下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。下無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式:Va=0.0352F+0.1366により、この時の送風機回転数F=1.8011を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数1.8011で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。全体無風感モードにおいて、処理ステップは下無風感モードとは類似するので、ここでは贅言をしない。
【0088】
本実施例では、コンプレッサー周波数が最小値にある時、送風機の回転数を下げる方法で昇温を実現することで、目標温度に達するまでの所要時間を短縮する。
【0089】
ところで、本発明の実施例はさらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはエアコン無風感自動制御プログラムが記憶されており、前記エアコン無風感自動制御プログラムがプロセッサーにより実行された時に上記のようなエアコン無風感自動制御方法のステップを実現する。
【0090】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の記憶媒体の具体的な実施例は上記エアコン無風感自動制御方法の各実施例とは基本的に同じであり、ここでは贅言しない。
【0091】
図1に示すように、
図1は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例の技術案に関わるハードウェア運転環境のエアコン構造模式図である。
【0092】
図1に示すように、当該エアコンは、プロセッサー1001(例えばCPU)、送風機1004、赤外モジュールグループ1003、メモリー1005、通信バス1002を含んでもよい。ここで、通信バス1002はこれらの部品の間の接続や通信を実現するために使われる。赤外モジュールグループ1003は上赤外モジュールと下赤外モジュールを含んでも良い。上、下赤外モジュールグループはその検知方向上に人体の赤外信号が在るか否かを検知し、さらに、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、下赤外モジュールは目標障害物との距離を検知するために使われる。送風機1004は入力される機械エネルギーで気体の圧力を上げるとともに気体を輸送する。メモリー1005は高速RAMメモリーであってもよく、安定しているメモリー(non-volatile memory)、例えば磁気ディスクメモリーでもよい。好ましくは、メモリー1005は前記プロセッサー1001とは独立した記憶装置でもよい。
【0093】
好ましくは、エアコンにはさらにジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計など他のセンサーを配置してもよく、ここでは贅言しない。
【0094】
当業者にとっては、
図1に示すエアコンの構造はエアコンに対する限定を構成せず、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせたり、異なる部品の配置をしてもよいことは、理解できるであろう。
【0095】
図1に示すように、コンピュータ記憶媒体としてのメモリー1009の中には、オペレーティングシステム及びエアコン無風感自動制御プログラムを含んでも良い。
【0096】
図1に示すエアコンでは、プロセッサー1006はメモリー1009内に記憶されているエアコン無風感自動制御プログラムを呼び出して、且つ以下の操作を実行できる。
エアコン冷房モードを起動する時、エアコンの送風方向において目標障害物が存在するか否かを検知する。
目標障害物が存在し、前記目標障害物が第一類型の目標障害物である場合、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離はプリセット閾値以下であるか否かを検知する。
前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、エアコンの設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得する。
前記設定温度、環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコンの第一の運転パラメーターを得て、前記第一の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
【0097】
さらに、前記エアコン無風感自動制御方法は床置き形エアコンに応用され、前記床置き形エアコンは上赤外モジュールと下赤外モジュールを含み、前記上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さく、前記エアコン冷房モードを起動する時、エアコン送風方向において目標障害物が在るか否かを検知することは、エアコン冷房モードを起動する時、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かを判断することを含み、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在し、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在する。
【0098】
さらに、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを検知することは、上赤外モジュールにより前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離を検知することと、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを判断することを含む。
【0099】
さらに、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、エアコンの設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得することは、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、エアコン運転環境における現在の環境温度及び設定温度を取得し、前記現在の環境温度と前記設定温度の差の値がプリセット値より小さいか否かを検知することと、前記現在の環境温度と前記設定温度の差の値がプリセット値より小さければ、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得することを含む。
【0100】
さらに、前記エアコン送風温度を取得することは、エアコン運転環境における現在の環境温度及び所定の蒸発器コイルの現在の運転温度を取得することと、前記現在の環境温度及び現在の運転温度により、エアコン送風温度を計算により得ることを含む。
【0101】
さらに、前記設定温度、環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコンの第一の運転パラメーターを得て、前記第一の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記設定温度、環境温度変化傾向及びエアコン送風口温度により、対応するエアコン導風ストリップの目標運転状態、エアコンコンプレッサー目標周波数及びエアコン送風機目標回転数を得ることと、エアコン導風ストリップの運動状態を前記目標運転状態、エアコンコンプレッサーの周波数を前記目標周波数、エアコン送風機の回転数を前記目標回転数に調整することを含む。
【0102】
さらに、前記エアコン冷房モードを起動する時、エアコンの送風方向において目標障害物が存在するか否かを検知した後で、目標障害物が存在し、前記目標障害物が第二類型の目標障害物である場合、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを検知することと、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、下無風感モードを起動し、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0103】
さらに、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、下無風感モードを起動し、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下である時、エアコン下無風感モードを起動することと、エアコン運転環境の現在の環境パラメーターを取得し、前記現在の環境パラメーター中の現在の風吹指数、現在の局部空気流速及び現在の乱流強度により、目標温度を得ることと、前記現在の環境パラメーター中の現在の局部空気温度を取得し、前記現在の局部空気温度と前記目標温度の差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0104】
図4を参照し、
図4は本発明のエアコン無風感自動制御方法のもう一つの実施例のフローチャートである。
【0105】
一実施例において、エアコン無風感自動制御方法は以下のステップを含む。
ステップS40において、エアコン冷房モードを起動する時、エアコンの送風方向において目標障害物が存在するか否かを検知する。
本実施例において、エアコンは例えば床置き形エアコンであり、床置き形エアコン上には上赤外モジュールグループ及び下赤外モジュールグループを含む赤外モジュールグループが取り付けられている。ここで、上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さい。子供の平均身長は実際の状況に基づいて、例えば1.2mに設定されている。
図3を参照し、
図3は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例におけるエアコン送風シーンのシーンビューである。
【0106】
本実施例において上赤外モジュールと下赤外モジュールは何れも検知範囲内の赤外線を受信でき、上、下赤外モジュールの検知方向はエアコンの送風方向と一致するか、或いは大体同じである。例えば、水平面と平行で、エアコンの正面(エアコンの送風口がある面)と垂直である。人体が放射する赤外線の波長は主に約10000nm前後に集中するため、人体が放射する赤外線のこの特徴に基づき、一つの区間(例えば9500nm~10500nm)を設定できる(具体的には、実際の状況により設定する)。下赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmにあり、上赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmの区間にない場合、下赤外モジュールは人体を検知し、上赤外モジュールは人体を検知していない、即ち、現在第二類型の目標障害物である子供が存在することを確認できたということになる。上赤外モジュールが検知した赤外線が9500nm~10500nmの区間にある場合、上赤外モジュールが人体を検知した、即ち、現在では第一類型の目標障害物である大人が存在することを確認できたということになる。
【0107】
ステップS50において、目標障害物が存在し、前記目標障害物が第一類型の目標障害物である場合、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離はプリセット閾値以下であるか否かを検知する。
目標障害物が存在すると確定した後、さらに目標障害物とエアコンとの距離を確認する。本実施例では、例えば、上、下赤外モジュールには、一対の赤外信号発射及び受信ダイオードを有する赤外距離測定センサーが含まれている。赤外距離測定センサーを利用して一束の赤外光を発射し、物体を照射してから反射する過程を形成し、センサーに反射する信号を受信し、CCD画像処理を利用して発射と受信との時間差のデータを処理する。信号プロセッサーの処理を経てから物体との距離を算出する。即ち、目標障害物が存在すると確定した場合、赤外モジュールにおける赤外距離測定センサーの発射チューブで特定の周波数の赤外信号を発射し、受信チューブでこの種の周波数の赤外信号を受信する。赤外の検知方向で目標障害物にぶつかった時、赤外信号は反射されて受信チューブに受信される。処理を経てから、赤外の帰還信号を利用して目標障害物とエアコンの距離Lを計算により得ることができる(第二類型の目標障害物が存在すると確定した場合、下赤外モジュールによって第二類型の目標障害物とエアコンの距離Lを検知する。第一類型の目標障害物が存在すると確定した場合、上赤外モジュールによって第一類型の目標障害物とエアコンの距離を検知する)。
【0108】
本実施例では、プリセット閾値は使用者によって予め設定される。例えば05m(この値は実際の状況により自由に設定できる)に設定される。
【0109】
本発明のもう一つの好ましい実施例において、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、対応するデューティ比を取得してもよい。デューティ比とは、一つのパルスサイクル内で、通電時間が総時間に対して占める割合である。赤外の発射パワーが高いほど、対応するデューティ比も高いため、赤外モジュールが検知できる距離も長い。これにより、赤外モジュールの赤外発射パワーの調整により、対応するデューティ比を得て、デューティ比xによりプリセット閾値Dを算出できる(D=-a*x^2+b*x+c、ここで、a,b,cは定数値で、a=-0.001,b=0.07,c=0.997とする)。固定のエアコンにとって、実際の需要により赤外モジュールの赤外発射パワーを調整することで、固定のデューティ比xを得ることができる。このため、エアコン冷房モードの起動を検知した時、エアコンにおける所定の赤外モジュールのPWM信号を検知し、対応するデューティ比を取得することにより、上記計算式によりプリセット閾値L0を算出する。
【0110】
ステップS60において、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、エアコンの設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得する。
ステップS70において、前記設定温度、環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコンの第一の運転パラメーターを得て、前記第一の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御する。
本実施例では、目標障害物は第一類型の目標障害物の大人と第二類型の目標障害物の子供に分かれる。子供と大人はそれぞれ異なる制御方針に対応する。
【0111】
本発明の一つの好ましい実施例において、目標障害物が第一類型の目標障害物であり、第一類型の目標障害物とエアコンとの距離Lがプリセット閾値L0以下である場合、エアコンの設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得し、設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコン導風ストリップの運転状態、コンプレッサー周波数及び送風機回転数を調節する。ここで、設定温度、エアコンの設定温度とは、使用者がリモコン或いは他の手段でエアコンに対して設定する目標室内調節温度である。エアコンの設定温度は使用者の意思を体現するとともに、エアコンの調節目標も表す。エアコン室内機上には温度センサーが取り付けられている。エアコンが冷房モードにある時、プリセット時間ごとに室内温度を一回収集する。例えば、10分間を一周期として、現在測定した温度値をt1、10分間前に測定した温度値をt0とする。t1がt0より大きければ、環境温度変化傾向は上昇であり、t1がt0より小さければ、環境温度変化傾向は降下である。エアコンの送風温度とはエアコン室内機の送風口から吹き出される冷風のリアルタイムの温度であり、本実施例では室内の運転パラメーターに基づいて計算式により計算して得られる。送風温度を計算する計算式は、Ta=-0.534+T1*0.853+T2*0.146であり、ここで、T1はエアコン運転環境における現在の環境温度で、T2は所定の蒸発器コイルの現在の運転温度値である。室内環境温度はエアコン室内機上に設置されている温度センサーによって測定して得られる。蒸発器コイルはまた銅管と呼ばれ、銅管とアルミ箔でフィンチューブ構造を有する熱交換器を構成する。銅管温度は熱交換器銅管上の温度センサーにより測定して得られる。
【0112】
本実施例において、設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコン導風ストリップの運転状態、コンプレッサー周波数及び送風機回転数を調節する。即ち、設定温度、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度によりエアコンの対応する無風感モードを起動する。エアコンが無風感モードに入った時、垂直の導風ストリップは閉じて、この時、風は閉じた導風ストリップの小さい孔から吹き出されて、無風感効果を果たす。無風感モードはさらに上無風感と下無風感に分かれている。ここで、上無風感とは上の垂直導風ストリップが閉じて、コンプレッサーの周波数が35hzに制限され、自動風であれば風速は35%を超えないようにする。下無風感とは下の垂直導風ストリップが閉じて、周波数が40hzに制限され、自動風であれば風速は45%を超えないようにする。同時に上下無風感を起動するとは上下の垂直導風ストリップを閉じて、周波数が最小周波数に制限され、自動風であれば風速は35%を超えないようにする。上無風感の周波数と風速が下無風感の周波数と風速より低いのは、エアコンの上部エリアが比較的高く、送風距離が比較的遠く、起動時の冷房効果が下無風感よりよいので、周波数と風速を下げて同じ効果を実現できるからである。
【0113】
本実施例によって、エアコンが冷房モードにある時、人体がエアコンに近づき、人体とエアコンとの距離がプリセット閾値以下であると、当該人体の類型に対応する制御方針を実行するようにエアコンを作動させることにより、エアコンから吹き出される風が人体にとって快適であるように、エアコン運転パラメーターに対する調整を実現する。これにより人体がエアコンに近すぎて風邪をひくことを避けて、使用者がエアコンを使用する過程において、使用者の健康を保証する。
【0114】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、ステップS40は、エアコン冷房モードを起動する時、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かと、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知したか否かを判断することを含み、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第二類型の目標障害物が存在し、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、第一類型の目標障害物が存在する。
【0115】
本実施例において、エアコンは例えば床置き形エアコンであり、床置き形エアコン上には上赤外モジュールグループ及び下赤外モジュールグループを含む赤外モジュールグループが取り付けられている。ここで、上赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より大きく、前記下赤外モジュールと床置き形エアコン底部との距離は子供の平均身長より小さい。子供の平均身長は実際の状況に基づいて、例えば1.2mに設定されている。
図3を参照し、
図3は本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例におけるエアコン送風シーンのシーンビューである。
【0116】
本実施例において上赤外モジュールと下赤外モジュールは何れも検知範囲内の赤外線を受信でき、上、下赤外モジュールの検知方向はエアコンの送風方向と一致するか、或いは大体同じである。例えば、水平面と平行で、エアコンの正面(エアコンの送風口がある面)と垂直である。人体が放射する赤外線の波長は主に約10000nm前後に集中するため、人体が放射する赤外線のこの特徴に基づき、一つの区間(例えば9500nm~10500nm)を設定できる(具体的には、実際の状況により設定する)。下赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmにあり、上赤外モジュールが検知した赤外線の波長が9500nm~10500nmの区間にない場合、下赤外モジュールは人体を検知し、上赤外モジュールは人体を検知していない、即ち、現在第二類型の目標障害物である子供が存在することを確認できたということになる。上赤外モジュールが検知した赤外線が9500nm~10500nmの区間にある場合、上赤外モジュールが人体を検知した、即ち、現在では第一類型の目標障害物である大人が存在することを確認できたということになる。
【0117】
本実施例では、上下の赤外モジュールを設置し、上下の赤外モジュールが検知した赤外信号の状況により、目標障害物は大人なのか、それとも子供なのかを見分けられる。
【0118】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを検知することは、上赤外モジュールにより前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離を検知することと、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを判断することを含む。
【0119】
本実施例では、第一類型の目標障害物である大人が存在する場合、即ち、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、上赤外モジュールにおける赤外距離測定センサーの発射チューブで特定の周波数の赤外信号を発射し、受信チューブでこの種の周波数の赤外信号を受信する。赤外の検知方向で第一類型の目標障害物にぶつかった時、赤外信号は反射されて受信チューブに受信される。処理を経てから、赤外の帰還信号を利用して第一類型の目標障害物とエアコンとの距離Lを計算により得ることができる。これによりLとL0の大きさを判断する。
【0120】
本実施例では、第一類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下である場合、第一類型の目標障害物である大人がエアコンに比較的近いということになり、エアコンの風が大人に不快感を生じさせないように、エアコンの送風能力に対して制御を行う必要がある。
【0121】
本実施例では、第二類型の目標障害物である子供が存在する場合、即ち、上赤外モジュールが人体の赤外信号を検知せず、下赤外モジュールが人体の赤外信号を検知した場合、下赤外モジュールにおける赤外距離測定センサーの発射チューブで特定の周波数の赤外信号を発射し、受信チューブでこの種の周波数の赤外信号を受信する。赤外の検知方向で第二類型の目標障害物にぶつかった時、赤外信号は反射されて受信チューブに受信される。処理を経てから、赤外の帰還信号を利用して第二類型の目標障害物とエアコンとの距離Lを計算により得ることができる。これによりLとL0の大きさを判断する。
【0122】
本実施例では、第二類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下である場合、第二類型の目標障害物である子供がエアコンに比較的近いということになり、エアコンの風が子供に不快感を生じさせないように、エアコンの送風能力に対して制御を行う必要がある。
【0123】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、ステップS60は、前記第一類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、エアコン運転環境における現在の環境温度及び設定温度を取得し、前記現在の環境温度と前記設定温度の差の値がプリセット値より小さいか否かを検知することと、前記現在の環境温度と前記設定温度の差の値がプリセット値より小さければ、エアコン運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度を取得することを含む。
【0124】
本実施例では、無風感機能の実用的な意義は、部屋の温度は既に下げられて、目標設定温度に達した或いは目標設定温度に近い時、次に現在の部屋の温度を維持しつつ、冷風の風吹感が人にもたらす影響をできるだけ減らすように、風速とコンプレッサー周波数を下げる必要があることである。このため、現在の環境温度T1-エアコン設定温度Tsの差の値がプリセット値より小さいか否かを検知する必要がある。当該プリセット値は使用者が実際の状況により、例えば2に設定する。即ち、T1-Ts<2の場合だけ、後続の操作を行う。エアコンの快適度を高めるとともに、エアコンの降温能力を保証した。
【0125】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、エアコン送風温度を取得することは、エアコン運転環境における現在の環境温度及び所定の蒸発器コイルの現在の運転温度を取得することと、前記現在の環境温度及び現在の運転温度により、エアコン送風温度を計算により得ることを含む。
【0126】
本実施例では、エアコンの送風温度とはエアコン室内機の送風口から吹き出される冷風のリアルタイムの温度であり、本実施例では室内の運転パラメーターに基づいて計算式により計算して得られる。送風温度を計算する計算式は、Ta=-0.534+T1*0.853+T2*0.146であり、ここで、T1はエアコン運転環境における現在の環境温度で、T2は所定の蒸発器コイルの現在の運転温度値である。室内環境温度はエアコン室内機上に設置されている温度センサーによって測定して得られる。蒸発器コイルはまた銅管と呼ばれ、銅管とアルミ箔でフィンチューブ構造を有する熱交換器を構成する。銅管温度は熱交換器銅管上の温度センサーにより測定して得られる。
【0127】
本実施例では、現在の送風温度を得て、現在の送風温度と設定温度を比較することにより、エアコンの送風温度の自己適応調整を実現するように、エアコン運転パラメーターを制御する。
【0128】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、ステップS70は、前記設定温度、環境温度変化傾向及びエアコン送風口温度により、対応するエアコン導風ストリップの目標運転状態、エアコンコンプレッサー目標周波数及びエアコン送風機目標回転数を得ることと、エアコン導風ストリップの運動状態を前記目標運転状態、エアコンコンプレッサーの周波数を前記目標周波数、エアコン送風機の回転数を前記目標回転数に調整することを含む。
【0129】
本実施例では、設定温度、エアコンの運転環境における環境温度変化傾向及びエアコン送風温度により、エアコン導風ストリップの運転状態、コンプレッサー周波数及び送風機回転数を調節することは以下を含む。
A)環境温度変化傾向が上昇傾向である場合、エアコンの設定温度Ts及びエアコン送風温度Taにより、エアコン導風ストリップの運転状態、コンプレッサー周波数及び送風機回転数を調節することは、
1)Ts<25℃である場合、
図5に示す通りである。
Ta>29℃である場合、上、下無風感は全てオフにする。
27℃<Ta≦29℃である場合、下無風感をオンにし、上無風感をオフにする。
25℃<Ta≦27℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<25℃になるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、25℃<Ta≦27℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<25℃になるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<25℃である場合、同時に上、下無風感をオンにする。
2)25℃≦Ts<27℃である場合、
図6に示す通りである。
Ta>29℃である場合、上、下無風感は全てオフにする。
27℃<Ta≦29℃である場合、下無風感をオンにし、上無風感をオフにする。
Ts<Ta≦27℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、Ts<Ta≦27℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<Tsである場合、同時に上、下無風感をオンにする。
3)27℃≦Ts<29℃である場合、
図7に示す通りである。
Ta>29℃である場合、上、下無風感は全てオフにする。
Ts<Ta≦29℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、Ts<Ta≦29℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<Tsである場合、同時に上、下無風感をオンにする。
4)Ts≧29℃である場合、上、下無風感を全てオフにする。即ち、
図8に示すように、同時に上、下の垂直導風ストリップを開いて、風速を自動制御に設定する。
B)環境温度変化傾向が降下傾向である場合、エアコンの設定温度Ts及びエアコン送風温度Taにより、エアコン導風ストリップの運転状態、コンプレッサー周波数及び送風機回転数を調節することは、
1)Ts<24℃である場合、
図5に示す通りである。
Ta>28℃である場合、上、下無風感を全てオフにする。即ち、同時に上、下の垂直導風ストリップを開いて、風速を自動制御に設定する。
26℃<Ta≦28℃である場合、下無風感をオンにし、上無風感をオフにする。
24℃<Ta≦26℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<24℃になるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、24℃<Ta≦26℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<24℃になるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<24℃である場合、同時に上、下無風感をオンにする。
2)24℃≦Ts<26℃である場合、
図6に示す通りである。
Ta>28℃である場合、上、下無風感を全てオフにする。即ち、同時に上、下の垂直導風ストリップを開いて、風速を自動制御に設定する。
26℃<Ta≦28℃である場合、下無風感をオンにし、上無風感をオフにする。
Ts<Ta≦26℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、Ts<Ta≦26℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<Tsである場合、同時に上、下無風感をオンにする。
3)26℃≦Ts<28℃である場合、
図7に示す通りである。
Ta>28℃である場合、上、下無風感は全てオフにする。
Ts<Ta≦28℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。即ち、上、下の垂直導風ストリップを交替で開いたり閉じたりする。具体的に、まずは上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転し、上無風感をオフにすると同時に、下無風感をオンにして、第二のプリセット時間運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにして、第一のプリセット時間運転する。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替をする。例えば、Ts<Ta≦28℃である場合、上無風感と下無風感を交替でオンとオフにする。まずは上無風感をオンにして、時間t1=120s運転し、上無風感をオフにして下無風感をオンにして、時間t2=60s運転し、再び下無風感をオフにして、上無風感をオンにする。Ta<Tsになるまで、上記の過程で循環して交替で運転する。
Ta<Tsである場合、同時に上、下無風感をオンにする。
4)Ts≧28℃である場合、
図8に示すように、上、下無風感は全てオフにする。
【0130】
ここで、上無風感をオンにするとは上の垂直導風ストリップが閉じて、コンプレッサーの周波数が35hz(この値は実際の状況により設定できる)に制限され、自動風であれば風速は35%(この値は実際の状況により設定できる)を超えないようにする。下無風感をオンにするとは下の垂直導風ストリップが閉じて、周波数が40hz(この値は実際の状況により設定できる)に制限され、自動風であれば風速は45%(この値は実際の状況により設定できる)を超えないようにする。同時に上下無風感をオンにするとは上下の垂直導風ストリップを閉じて、周波数が最小周波数に制限され、自動風であれば風速は35%を超えないようにする。上無風感の周波数と風速が下無風感の周波数と風速より低いのは、エアコンの上部エリアが比較的高く、送風距離が比較的遠く、起動時の冷房効果が下無風感よりよいので、周波数と風速を下げて同じ効果を実現できるからである。
【0131】
本実施例では、大人とエアコンとの距離がプリセット値より小さいと検知した場合、エアコンの設定温度、現在の温度変化傾向、及び送風温度の三者の間の関係により対応する自動無風感制御動作を実行する。主には、エアコン室内機の送風がより快適でスマートになるように、上下の垂直導風ストリップの開閉を調節し、コンプレッサーの周波数を制御し、室内送風機の回転数を調節することで、使用者の体験を改善する。
【0132】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、ステップS40の後で、目標障害物が存在し、前記目標障害物が第二類型の目標障害物である場合、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下であるか否かを検知することと、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、下無風感モードを起動し、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0133】
本発明の一つの好ましい実施例において、目標障害物が第二類型の目標障害物であり、第二類型の障害物とエアコンとの距離Lがプリセット閾値L0以下である場合、エアコン下無風感モードを起動し、先ずは現在のエアコン運転環境中の局部空気温度、風吹感指数、局部空気流速、送風機回転数、乱流強度を取得し、風吹感指数、局部空気流速、乱流強度に基づいて理論目標温度を計算により得て、理論目標温度と設定温度に基づいて目標温度を得て、最後に目標温度と局部空気温度に基づいて運転パラメーターを得る。
【0134】
本実施例を通して、エアコンが冷房モードにある時、人体がエアコンに近づき、人体とエアコンとの距離がプリセット閾値以下であると、当該人体の類型に対応する制御方針を実行するようにエアコンを作動させることにより、エアコンから吹き出される風が人体にとって快適であるように、エアコン運転パラメーターに対する調整を実現する。これにより人体がエアコンに近すぎて風邪をひくことを避けて、使用者がエアコンを使用する過程において、使用者の健康を保証する。
【0135】
さらに、本発明のエアコン無風感自動制御方法の一実施例において、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離が前記プリセット閾値以下であれば、下無風感モードを起動し、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することは、前記第二類型の目標障害物とエアコンの距離がプリセット閾値以下である時、エアコン下無風感モードを起動することと、エアコン運転環境の現在の環境パラメーターを取得し、前記現在の環境パラメーター中の現在の風吹指数、現在の局部空気流速及び現在の乱流強度により、目標温度を得ることと、前記現在の環境パラメーター中の現在の局部空気温度を取得し、前記現在の局部空気温度と前記目標温度の差の値を計算し、前記差の値の位置する区間により、エアコンの第二の運転パラメーターを得て、前記第二の運転パラメーターに従って運転するようにエアコンを制御することを含む。
【0136】
本実施例では、下無風感をオンにした後、エアコンの風が導風ストリップの小さい孔から吹き出されるように、エアコンの下導風ストリップを閉じてもよい。これにより使用者のエアコンの風に対する感覚を低下させる。
【0137】
本発明の一実施例において、局部空気温度は送風口の温度で決まり、起動する無風感形式によって、送風口の温度tcを採集する。上無風感を起動する場合はtc1、下無風感を起動する場合はtc2、全体無風感を起動する場合はtc3である。関連する計算式に基づいて、2.5メートルにおける局部空気温度値taを計算する。上無風感を起動する場合はta1、下無風感を起動する場合はta2、全体無風感を起動する場合はta3である。送風口温度と局部空気温度の関係式はta=atc+bである(ここで、taは局部空気温度、tcは送風口温度)。a,bは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するa,bの値も異なる。例えば、無風感形式が下無風感である場合、送風口温度と局部空気温度の関係式は、ta=0.2307tc+23.955である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、下送風口における所定の温度センサーが採集する温度、即ち送風口温度tcを取得し、上記計算式に代入し、現在の局部空気温度を得る。
【0138】
本実施例では、風吹感指数は現在の無風感形式によって決まる。上無風感の風吹感指数DR1=5、下無風感の風吹感指数DR2=10、全体無風感の風吹感指数DR3=5を予め設定する。例えば、現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の風吹感指数DR=10を取得する。
【0139】
本発明の一実施例において、局部空気流速は風道構造、送風機回転数などの要素に関係する。近似的に、局部空気流速Vaは送風機(即ちエアコンの送風機、以下同じ)の回転数F(F=1%~100%)にだけ関係すると見なせる。局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=cF+dであり、ここで、c,dは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するc,dの値も異なる。即ち、上無風感はc1,d1、下無風感はc2,d2、全体無風感はc3,d3に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式は、Va=0.0352F+0.1366である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、現在の局部空気流速Vaにより、例えば現在の局部空気流速は初期選択値0.3m/sであり、上記の計算式に代入すると、現在の送風機の回転数Fを得られる。
【0140】
本発明の一実施例において、乱流強度は風道構造、送風機回転数及びその安定性に関係する。近似的に、乱流強度は送風機回転数にだけ関係すると見なせる。乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=eF2+fF+gであり、ここで、e,f,gは何れも定数であり、異なる無風感形式に対応するe,f,gの値も異なる。即ち、上無風感はe1=0、f1=0、g1=36.4、下無風感はe2=-12.858、f2=29.244、g2=21.424、全体無風感はe3=0、f3=0、g3=29.6に対応する。例えば、無風感形式が下無風感である場合、乱流強度Tuと送風機回転数Fの関係式は、Tu=-12.858F2+29.244F+21.424である。現在の無風感形式が下無風感であると確定した場合、送風機の現在回転数Fを取得し、上記計算式に代入し、現在の乱流強度Tuを得る。
【0141】
本実施例では、現在の設定温度は即ち使用者が予め設定した温度値である。例えば、使用者がエアコンを起動させた後、一つの温度、例えば25℃、即ち現在の設定温度を設定する。
【0142】
1988年に、Fangerが風吹感不快度を予測するモデルを提案した。このモデルに基づき、IS07730-2005では風吹感指数DRを使って風吹感により引き起こした人体不快度を表現する。風吹感指数の表現式は、DR=(34-tas)(Va-0.05)0.62(0.37×Va×Tu+3.14)であり、ここで、DRは風吹感指数であり、DR>100%であれば、DR=100%になり、tasは論理目標温度であり、その単位は℃、Vaは局部空気流速であり、その単位はm/s、Tuは乱流強度である。
【0143】
現在の風吹感指数DR、現在の局部空気流速Va及び現在の乱流強度を上記風吹感指数表現式に代入すると、理論目標温度tasが得られる。
【0144】
本発明の一実施例において、目標障害物が子供である場合、理論目標温度及び現在の設定温度により、目標温度を得ることができる。
設定温度が24℃より小さい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0145】
設定温度が24℃以上で、28℃以下である時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を28℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0146】
設定温度が28℃より大きい時、理論目標温度tasが24℃より小さければ、目標温度の値を24℃とする。理論目標温度tasが29℃より大きければ、目標温度の値を29℃とする。理論目標温度が24℃~29℃にあれば、理論目標温度は即ち目標温度である。
【0147】
目標温度を得てから、目標温度tasと現在局部空気温度taを比較する。まず、tasとtaの差の値がプリセット値より大きいか否かを判断する。例えば、tasとtaの差の値が1より大きいか否かを判断し、tasとtaの差の値が1より大きくなければ、エアコンに現在のパラメーターを維持して運転させる。tasとtaの差の値が1より大きければ、二つの状況が存在する。一つ目は、tasはtaより大きく、差の値が1より大きい。二つ目は、tasはtaより小さく、差の値が1より大きい。即ち、ta-tasの差の値には、二つの区間が存在する。第一区間は(1,∞)、即ちtasはtaより小さく、差の値が1より大きい。第二区間は(-∞,-1)、即ちtasはtaより大きく、差の値が1より大きい。taとtasの差の値が第一区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ上げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz上げて、且つ3minの運転時間を保つ。taとtasの差の値が第二区間にある時、コンプレッサー周波数をプリセット値だけ下げる。例えばコンプレッサー周波数を1hz下げて、且つ3minの運転時間を保つ。本発明のもう一つの実施例において、コンプレッサー周波数を最小値、例えば20hzに下げる時、局部空気流速の初期選択値0.3m/sをプリセット値だけ、例えば0.1下げる。即ち、コンプレッサー周波数を20hzに下げる時、局部空気流速を0.2m/sに下げる。下無風感時、局部空気流速Vaと送風機回転数Fの関係式:Va=0.0352F+0.1366により、この時の送風機回転数F=1.8011を計算により得る。そして、現在のコンプレッサー周波数20hz、及びこの時の送風機回転数1.8011で運転し、運転時間は3minとする(この時間は実際の需要により設定でき、ここでは制限しない)。
【0148】
本実施例では、子供とエアコンとの距離がプリセット値より小さいと検知した場合、エアコン下無風感モードを起動し、さらに、エアコンの無風感モードにおける自己適応制御を実現し、使用者により良い使用感を提供するように、エアコン運転環境の環境パラメーターにより自動的にエアコンの運転パラメーターを制御する。
【0149】
ところで、本発明の実施例はさらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはエアコン無風感自動制御プログラムが記憶されており、前記エアコン無風感自動制御プログラムがプロセッサーにより実行された時に上記のようなエアコン無風感自動制御方法のステップを実現する。
【0150】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の記憶媒体の具体的な実施例は上記エアコン無風感自動制御方法の各実施例とは基本的に同じであり、ここでは贅言しない。
【0151】
本文において、「含む」、「含める」という用語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いはシステムがそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いはシステムに固有の要素を含むようにすることは、説明する必要がある。それ以上の制限がない状況で、「一つの...を含む」という語句により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いはシステムの中に他の同じ要素が存在することを除外しない。
【0152】
上記本発明の実施例の番号は説明用だけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0153】
以上の実施態様の説明によって、当業者は明確に上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアでも良いが、多くの場合では前者はより良い実施方法)で実現できると理解できる。このような理解に基づいて、本発明の技術案は、本質としては、或いは先行技術に対し貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該コンピュータソフトウェア製品は上記のような記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)の中に記憶でき、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアコン、或いはネットワーク機器等でもよい)に本発明の各実施例で説明する方法を実行させる幾つかの命令を含む。
【0154】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、それによって本発明の保護範囲を制限するわけではない。本発明の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構造或いは等価フローの変換、或いは直接または間接的な他の関連する技術分野への応用は、同じ理由で本発明の特許の保護範囲に含まれる。