(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】気相中で細孔性の固体に有機化合物を加える方法
(51)【国際特許分類】
B01J 37/02 20060101AFI20220908BHJP
B01J 31/34 20060101ALI20220908BHJP
C10G 45/08 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B01J37/02 101C
B01J31/34 M
C10G45/08 A
(21)【出願番号】P 2019559370
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2018060406
(87)【国際公開番号】W WO2018202467
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-21
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】ギユー フロラン
(72)【発明者】
【氏名】カレット ペ-ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ギシャール ベルトラン
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-122296(JP,A)
【文献】特開2016-195969(JP,A)
【文献】特開平10-235207(JP,A)
【文献】特開2016-007552(JP,A)
【文献】特表2006-521921(JP,A)
【文献】特公昭47-015927(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J
B01D
C10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒担体から選ばれる細孔性の固体に
、酸素を含有している有機分子から選ばれる有機化合物を加える方法であって、
触媒担体は、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属をさらに含み、該細孔性の固体は、アルミナおよび/またはシリカをベースとしており、細孔性の固体と、液体の状態にある有機化合物とを、同時にかつ固体と液体の状態にある有機化合物との間の物理的な接触なく、有機化合物の沸点より低い温度で、前記有機化合物の一部が気体で細孔性の固体に移されるような圧力および時間の条件下に一緒にまとめる工程a)を含む、方法。
【請求項2】
前記有機化合物を加えるための1個のユニットによって工程a)を行い、該ユニットは、第1の区画と第2の区画とを含んでおり、これらは、両区画の間で気体の流体の通過を可能にするように連絡しており、第1の区画は、細孔性の固体を含有し、第2の区画は、液体の状態にある有機化合物を含有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユニットは、第1および第2の区画を含む1個のチャンバを含み、両区画は、気体連絡している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユニットは、2個のチャンバを含み、これらは、それぞれ、第1および第2の区画を形成し、両チャンバは、気体連絡している、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
細孔性の固体を、液体の状態にある有機化合物と一緒にまとめる工程a)を、第2の区画から第1の区画に流れるキャリアガスの流れの存在下に行う、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
絶対圧力:0~1MPaで工程a)を行う、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
工程a)において、前記有機化合物を含有している気体の流出物を、第1の区画から抜き出し、その流出物を、第1および/または第2の区画に再循環させる、請求項2~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
工程a)において、気体の状態にある前記有機化合物を含有している気体の流出物を、第1の区画から抜き出し、前記流出物を凝結させて、液体の状態にある有機化合物を含有している液体フラクションを回収し、前記液体フラクションを、第2の区画に再循環させる、請求項2~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
細孔性の担体と、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属と、少なくとも1種の有機化合物とを含んでいる触媒を調製する方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 請求項1~
8のいずれか1つに記載の方法を用いて細孔性の担体上に有機化合物を沈着させる工程;
ii) 細孔性の担体上に第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を沈着させる工程であって、該担体を、第VIII族からの前記金属(1種または複数種)の少なくとも1種の前駆体および/または第VIB族からの前記金属(1種または複数種)の少なくとも1種の前駆体を含有している溶液と接触させることによる、工程;
iii) 工程ii)の終わりに得られた固体を乾燥させる工程
を含み、
工程ii)およびiii)の前またはその後に工程i)を行う
方法。
【請求項10】
工程ii)の溶液は、工程i)において用いられた有機化合物とは異なる少なくとも1種の追加の有機化合物をさらに含んでいる、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
工程i)において用いられた有機化合物とは異なる有機化合物を含んでいる溶液を細孔性の担体に含浸させる少なくとも1回の工程をさらに含む、請求項
9または
10に記載の調製方法。
【請求項12】
炭化水素供給原料を処理するための方法であって、水素、該炭化水素供給原料および触媒を、180℃~450℃の温度および0.5~30MPaの圧力で接触させ、毎時空間速度は、0.1~20h
-1であり、水素/供給原料の比は、標準の温度および圧力の条件下に測定される水素の容積/液体の供給原料の容積として表されて、50L/L~5000L/Lであり、前記触媒は、請求項
9~
11のいずれか1つに記載の方法によって調製されかつ少なくとも1回の硫化工程に付されたものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細孔性の固体、特に、細孔性の触媒担体に有機化合物を加える方法に関する。本発明による方法は、有機化合物を「添加(additivated)」され、かつ、細孔性の担体を含み、該担体上に第VI族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属が沈着させられたと言われる不均一系の触媒を調製する方法に組み入れられてよい。
【背景技術】
【0002】
従来の水素化処理触媒は、一般的に、金属(例えばアルミニウム)の酸化物または半金属(例えばケイ素)の酸化物をベースとする担体と、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属をベースとし、かつ、それらの酸化物の形態にある活性相と、場合によるリンとを含む。これらの触媒の調製は、一般的に、金属およびリンを担体上に含浸させる工程と、場合によるその後の熟成の工程と、その後の、乾燥させるかまたは活性相が酸化物の形態で得られることを可能にするための焼成する工程とを含む。水素化処理および/または水素化分解の反応におけるその使用の前に、これらの触媒は、一般的に、硫化に付され、硫化物の形態にある活性種が形成させられる。
【0003】
水素化処理触媒に有機化合物を加えて、それらの活性を改善することは、当業者によって、とりわけ、含浸の工程と、場合によるその後の熟成の工程と、その後の乾燥工程とによって調製された触媒について推奨された。多くの文献には、種々の範囲の有機化合物の使用が記載されており、例えば、窒素含有の有機化合物および/または酸素含有の有機化合物である。
【0004】
文献から現在周知である化合物の一つの系統は、キレート化窒素含有化合物に関し(特許文献1~3)、例として、エチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたはニトリロトリ酢酸(nitrilotriacetic acid:NTA)がある。
【0005】
酸素含有の有機化合物の系統において、エーテル化されていてもよい、モノオール、ジオールまたはポリオールを使用することが、特許文献4~9に記載されている。従来技術がエステル官能基を含む化合物に言及する頻度はより低い(特許文献10および11)。
【0006】
カルボン酸の使用を特許請求している複数の特許も見出されている(特許文献12および13)。特に、特許文献13において、クエン酸、さらには、酒石酸、酪酸、ヒドロキシヘキサン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリセリン酸、グリコール酸およびヒドロキシ酪酸が記載されている。
【0007】
添加型触媒を調製する方法は、一般的に、含浸工程を用いる。この含浸工程では、担体の孔隙(porosity)の全体を満たすように有機化合物が導入され、場合によっては、金属前駆体を含浸させられ、これにより、均一な分配が得られる。この結果、大量の有機化合物が用いられるか、または有機化合物が溶媒に希釈されることになる。含浸の後に、乾燥工程が必要である。これは、過剰な有機化合物または溶媒を除去し、これにより、触媒の使用のために必要とされる孔隙をフリーにするためである。過剰の有機化合物に関連する追加コストまたは溶媒の使用に加えられるのは、追加のエネルギー消費の乾燥工程のコストである。
【0008】
特許文献14には、有機化合物を含んでいる気体雰囲気中で、金属相を含んでいる触媒担体を熱処理するための方法が記載されている。この有機化合物は、したがって、気体の状態にある。熱処理は、それ故に、前記有機化合物の沸点より高い温度で行われる。特許文献14によると、熱処理が行われる際の温度は、150~500℃である。この方法を実施するに際してリスクがないというわけではない。具体的には、多くの有機化合物、例えば、この文献において挙げられたエチレングリコールについて、引火点はその沸点より低い。したがって、沸点より高い温度で作動させる時に出火のリスクがある。さらに、高い温度により、添加物の一部または全体が分解する結果、添加物の効果は大きく低減させられるかもしれない。例えばクエン酸は、有機性添加物として一般に用いられるものであるが(特許文献15)、このものは、175℃で分解するのに対して、その沸点は、大気圧において368℃である。
【0009】
本発明の一つの目的は、したがって、細孔性の触媒担体上に有機化合物を沈着させるための代替の方法であって、有機化合物を含有している溶液によって担体に含浸させる工程を必要とせず、その工業的実施においてより安全でありかつより安価である方法を提案することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】欧州特許出願公開第181035号明細書(特開昭61-114737号公報)
【文献】欧州特許出願公開第1043069号明細書(特開2000-325797号公報)
【文献】米国特許第6540908号明細書
【文献】国際公開第96/41848号
【文献】国際公開第01/76741号
【文献】米国特許第4012340号明細書
【文献】米国特許第3954673号明細書
【文献】欧州特許出願公開第601722号明細書(特開平6-226108号公報)
【文献】国際公開第2005/035691号
【文献】欧州特許出願公開第1046424号明細書(特開2000-342971号公報)
【文献】国際公開第2006/077326号
【文献】欧州特許出願公開第1402948号明細書(特開2003-299960号公報)
【文献】欧州特許出願公開第482817号明細書(特開平4-156948号公報)
【文献】中国特許出願公開第102463151号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0321320号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要)
本発明は、細孔性の固体に有機化合物を加える方法であって、細孔性の固体および液体の状態にある有機化合物を、同時にかつ固体と液体の状態にある有機化合物との間で物理的な接触なく、有機化合物の沸点より低い温度、前記有機化合物の一部が細孔性の固体に気体移送されるような圧力および時間の条件下に一緒にまとめる工程a)を含む方法に関する。
【0012】
本発明による有機化合物を加える方法は、有機化合物が希釈されている溶媒を含有している溶液を用いる含浸の従来の工程を伴わない。その結果として、溶媒を除去するために固体を乾燥させる工程を行うことは必ずしも必要ではなく、それ故に、高温のユーティリティおよび原材料の点でより経済的である方法である。本発明によると、有機化合物を加える工程は、前記有機化合物の沸点より低い温度で行われ、それ故に、文献CN 102463151に記載された実施と比べてエネルギーの観点からおよび安全性に関して実質的な利得がある。本発明による方法は、有機化合物の細孔性の固体への付与は、液体の状態にある有機化合物との物理的な接触なしで、すなわち、液体による細孔性の固体の含浸なしで行われるという事実によっても特徴付けられる。本方法は、所与の温度および所与の圧力にある液相によって発生する有機化合物の蒸気圧が存在するという原理に基づいている。それ故に、液体の状態にある有機化合物の分子の一部は、気体の状態に移行し(蒸気化)、次いで、細孔性の固体に(気体で)移送される。この一緒にまとめる工程a)は、細孔性の固体中の有機化合物の目標含有率を達成するのに十分な時間にわたって行われる。
【0013】
有利には、工程a)は、前記有機化合物を加えるための1つのユニットによって行われる。このユニットは、第1の区画と第2の区画とを含み、両区画の間で気体の流体の通過を可能にするように連絡しており、第1の区画は、細孔性の固体を含み、第2の区画は、液体の状態にある有機化合物を含んでいる。一実施形態によると、このユニットは、1つのチャンバを含み、このチャンバは、第1および第2の区画を含み、両区画は、気体連絡している。別の実施形態によると、このユニットは、2つのチャンバを含み、これらは、それぞれ、第1および第2の区画を形成し、両チャンバは、気体連絡している。
【0014】
有利には、細孔性の固体を液体状態の有機化合物と一緒にまとめる工程a)は、第2の区画から第1の区画に流れるキャリアガスの流れの存在下に行われる。
【0015】
一般的には、工程a)は、0~1MPaの絶対圧力において行われる。
【0016】
好ましくは、工程a)の操作温度は、200℃以下、好ましくは10℃~150℃、より好ましくは25℃~120℃である。
【0017】
有利には、工程a)において、前記有機化合物を含有している気体の流出物は、第1の区画から抜き出され、この流出物は、第1および/または第2の区画に再循環させられる。
【0018】
一実施形態によると、工程a)において、気体の状態にある前記有機化合物を含有している気体の流出物は、第1の区画から抜き出され、前記流出物は、凝結させられて、液体の状態にある有機化合物を含有している液体フラクションが回収され、前記液体フラクションは、第2の区画に再循環させられる。
【0019】
本発明によると、細孔性の固体は、触媒担体から選ばれ、触媒担体は、さらに、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を含んでいる。好ましくは、細孔性の担体は、金属および/または半金属の酸化物をベースとしている。好ましくは、細孔性の担体は、アルミナおよび/またはシリカをベースとしている。
【0020】
本方法において用いられる有機化合物は、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有している有機分子から選ばれる。
【0021】
本発明は、細孔性の担体と、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属と、少なくとも1種の有機化合物とを含んでいる触媒を調製する方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 本発明による方法を用いて有機化合物を細孔性の担体上に沈着させる工程;
ii) 第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を細孔性の担体上に沈着させる工程であって、該担体を第VIII族からの前記金属(1種または複数種)の少なくとも1種の前駆体および/または第VIB族からの前記金属(1種または複数種)の少なくとも1種の前駆体を含有している溶液と接触させることにより行われる工程;
iii) 工程ii)の終わりに得られた固体を乾燥させる工程
を含み、
工程ii)およびiii)の前またはその後に工程i)を行う
方法にも関する。
【0022】
本発明によると、工程ii)の溶液は、工程i)において用いられた有機化合物とは異なる少なくとも1種の追加の有機化合物をさらに含んでよい。
【0023】
触媒を調製するための本発明による方法は、細孔性の担体に、工程i)において用いられた有機化合物とは異なる有機化合物を含んでいる溶液を含浸させる少なくとも1回の工程をさらに含んでよい。
【0024】
最後に、本発明は、炭化水素供給原料を処理する方法であって、水素、該炭化水素供給原料および触媒が、180℃~450℃の温度および0.5~30MPaの圧力で接触させられ、毎時空間速度は0.1~20h-1であり、水素/供給原料の比は、標準の温度および圧力の条件下に測定される水素の容積/液体供給原料の容積として表されて、50L/L~5000L/Lであり、前記触媒は、本発明による方法によって調製されかつ少なくとも1回の硫化工程に付されたたものである、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(発明の詳細な説明)
本発明の一つの主題は、細孔性の固体に有機化合物を加える方法である。この細孔性の固体は、例えば、細孔性の触媒担体、すなわち、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を既に含有している細孔性の担体であり、これは、本説明の以降において用語「触媒前駆体」によって表記されることになる。細孔性の担体は、好ましくは、金属または半金属の少なくとも1種の酸化物をベースとしている。好ましくは、細孔性の担体は、アルミナまたはシリカまたはシリカ-アルミナをベースとしている。
【0026】
担体がアルミナをベースとしている場合、それは、50重量%超のアルミナを含有している。好ましくは、アルミナは、ガンマアルミナである。
【0027】
あるいは、担体は、シリカ-アルミナである。すなわち、それは、最低50重量%のアルミナを含有している。担体中のシリカの含有率は、最高50重量%であるが、通常は45重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0028】
前記触媒の担体がシリカをベースとしている場合、それは、50重量%超のシリカを含有し、一般的には、それは、シリカのみを含有している。
【0029】
一つの特に好ましい変形例によると、担体は、アルミナ、シリカまたはシリカ-アルミナからなる。
【0030】
担体は、有利には、0.1重量%~50重量%のゼオライトをさらに含有してもよい。好ましくは、ゼオライトは、FAU、BEA、ISV、IWR、IWW、MEI、UWYの群から選ばれ、好ましくは、ゼオライトは、FAUおよびBEAの群から選ばれ、例えば、Yおよび/またはベータのゼオライトである。
【0031】
所定の特定の場合において、担体は、少なくとも1種のドーパント元素を含有してよく、例えば、リンである。
【0032】
細孔性の固体が有する全細孔容積は、好ましくは0.1~1.5cm3/g、より好ましくは0.4~1.1cm3/gである。全細孔容積の測定は、
規格ASTM D4284に従う水銀ポロシメトリによって、濡れ角140°で、例えば、Rouquerol F.; Rouquerol J.; Singh K.による成書“Adsorption by Powders & Porous Solids: Principle, methodology and applications”, Academic Press, 1999において記載されたようにして、例えば、商標Micromeritics(登録商標)からのAutopore III(登録商標)モデルデバイスにより行われる。
【0033】
細孔性の固体の比表面積は、有利には5~400m2/g、好ましくは10~350m2/g、より好ましくは40~350m2/gである。比表面積は、本発明では、規格ASTM D3663に従うBET法によって決定され、この方法は、上記と同一の成書において記載されている方法である。
【0034】
細孔性の固体は、一般的に、ビーズ状、押出物状、ペレット状または不規則かつ非球状の凝集物の形態にあり、その具体的な形状は、圧潰工程に由来してよい。
【0035】
上記に言及されたように、有機化合物を加える方法は、触媒前駆体である細孔性の固体上、すなわち、細孔性の担体上で行われてよく、これは、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属をさらに含んでいる。化学元素の族は、CAS分類に従って与えられる(CRC Handbook of Chemistry and Physics, published by CRC Press, Editor in Chief D.R. Lide, 81st edition, 2000-2001)。例えば、CAS分類による第VIII族は、新IUPAC分類による8、9および10族の金属に相当する。
【0036】
本発明の背景の中で、触媒前駆体は、新しい触媒の前駆体、すなわち、触媒ユニットにおいて、とりわけ、水素化処理および/または水素化分解において前もって用いられていなかったものであってよい。
【0037】
本発明による触媒前駆体は、いわゆる「再生された」触媒であってもよい。用語「再生された触媒(regenerated catalyst)」は、触媒ユニットにおいて、とりわけ、水素化処理および/または水素化分解においてすでに用いられ、かつ、少なくとも1回の焼成工程に付されて、コークが焼き払われた(再生)触媒を表す。
【0038】
細孔性の固体に有機化合物を加える方法は、前記有機化合物を加えるための1つのユニットにおいて行われてよい。用いられる付与ユニットは、第1の区画と第2の区画とを含み、これらは、両区画の間で気体流体の通過を可能にするように連絡しており、第1の区画は、細孔性の固体を含有するのに適しており、第2の区画は、液体の形態にある有機化合物を含有するのに適している。本方法は、工程a)を含み、この工程a)において、細孔性の固体と、液体の形態にある有機化合物とが同時に、固体と液体の形態にある有機化合物との間の物理的な接触なく、有機化合物の沸点より低い温度で、第2の区画から第1の区画への気体の形態にある有機化合物の流れの流通により前記有機化合物の一部が細孔性の固体に気体移送されるような圧力および時間の条件下に一緒にまとめられ、これにより、最終的に、有機化合物を含有している細孔性の固体が提供される。
【0039】
一実施形態によると、一緒にまとめるユニットは、1つのチャンバを含み、このチャンバは、第1および第2の区画を含み、両区画は、気体連絡している。例えば、両区画は、並んで配され、仕切り板によって分けられている。この仕切り板は、例えば、実質的に垂直な仕切り板であり、チャンバの底部に取付けられており、かつ、チャンバの高さの一部だけ超えて延び、頭部上の気体が一方の区画から他方の区画に拡散することを可能にするようになっている。あるいは、両区画は、上下に配置されかつ両区画の間で気体の状態にある有機化合物の通過を可能にするように連絡している。好ましくは、チャンバは、閉じられている。
【0040】
別の実施形態によると、ユニットは、2つのチャンバを含み、それらは、それぞれ、第1および第2の区画を形成し、両チャンバは、例えば、ダクトによって気体連絡している。好ましくは、両チャンバは閉じられている。
【0041】
好ましくは、液体の有機化合物を含有することを意図された区画は、一方の区画から他方の区画への気体の状態にある有機化合物の移送を促進するように前記液体を可動に設定するための手段を含む。一つの好ましい実施形態によると、両区画は、液体および細孔性の固体を可動にそれぞれ設定する手段を含む。有利には、液体の状態にある有機化合物を含有している区画は、気/液の界面の表面積を最大にすることを意図された内部構造を備えている。これらの内部構造は、例えば、毛管現象、流下薄膜、充填または当業者に知られている任意の他の手段によって含浸させられた細孔性のモノリスである。
【0042】
一つの好ましい実施形態において、細孔性の固体を有機化合物と一緒にまとめる工程a)は、第2の区画から第1の区画に流れ、気体状態にある有機分子を、細孔性の固体を含有している区画に同伴する、(キャリア)ガスの存在下に行われる。例えば、キャリアガスは、二酸化炭素、アンモニア、制御された含有率の湿気を有する空気、不活性ガス、例えば、アルゴン、窒素、水素、天然ガスまたはIUPACによって公表された分類による冷媒ガスから選ばれてよい。
【0043】
好ましい実施形態によると、工程a)は、前記有機化合物を含有している気体流出物を第1の区画から抜き出し、かつ、その流出物を第1および/または第2の区画に再循環させる工程を含む。
【0044】
別の実施形態によると、気体の状態にある前記有機化合物を含有している気体流出物は、第1の区画から抜き出され、前記流出物は凝結させられ、液体の状態にある有機化合物を含有している液体フラクションが回収され、前記液体フラクションは、第2の区画に再循環させられる。
【0045】
一緒にまとめる工程は、好ましくは、0~1MPaの絶対圧力のところで行われる。上記のように、一緒にまとめる工程の温度は、有機化合物の沸点より低い温度に設定される。一緒にまとめる工程の温度は、一般的には200℃以下、好ましくは10℃~150℃、より好ましくは25℃~120℃である。
【0046】
本発明によると、工程a)において用いられる温度および圧力の条件下に有機化合物が液体の状態にあるという条件のもとにあらゆる有機化合物が用いられてよい。有機化合物は、例えば、酸素および/または窒素および/または硫黄を含有している有機分子から選ばれてよい。有機化合物は、例えば、カルボキシル基、アルコール基、チオール基、チオエーテル基、スルホン基、スルホキシド基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルボナート基、アミン基、ニトリル基、イミド基、オキシム基、ウレア基およびアミド基から選ばれる1個または複数個の化学官能基を含んでいる化合物から選ばれる。例として、それは、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、1,4-ブタンジオール、1-ペンタノール、マロン酸、コハク酸、γ-ケト吉草酸、マレイン酸、クエン酸、アラニン、グリシン、イミノアセト酢酸、ニトリロ三酢酸、オルトフタル酸、ジエチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセト酢酸メチル、コハク酸ジメチル、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル、3-オキソブタン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、γ-バレロラクトン、4-ヒドロキシ吉草酸、2-ペンテン酸、3-ペンテン酸、4-ペンテン酸、2-アセチルブチロラクトン、2-(2-ヒドロキシエチル)-3-オキソブタン酸、3-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2-ブテン酸、N-メチルピロリドン、プロピレンカルボナート、スルホラン、亜リン酸ジエチル、亜リン酸トリエチル、リン酸トリエチル、アセトフェノン、テトラメチルウレア、チオグリコール酸から選ばれてよい。本発明の背景の中で、液体の状態にある有機化合物の混合物からなる組成物を用いることも可能である。
【0047】
本発明による有機化合物を加える方法は、有機化合物を「添加される(additivated)」と言われる触媒を製造するためのラインに組み入れられてよい。
【0048】
第2の局面によると、本発明は、細孔性の担体と、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属と、少なくとも1種の有機化合物とを含んでいる、有機化合物を添加された触媒を調製する方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 本発明による方法を用いて有機化合物を細孔性の担体上に沈着させる工程;
ii) 第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を該担体上に沈着させる工程であって、細孔性の担体を、第VIII族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体および/または第VIB族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体を含有している溶液と接触させることによる、工程;
iii) 工程ii)の終わりに得られた固体を乾燥させる工程
を含み、
工程ii)およびiii)の前またはその後に工程i)を行う
方法に関する。
【0049】
本発明による有機化合物を加える方法は、添加型触媒の製造ラインにおいて1回または複数回行われてよく、これにより、活性金属相の含浸の工程の前に1種または複数種の有機化合物が導入され、かつ/または、活性金属相を既に含有している細孔性の担体上への1種または複数種の有機化合物の導入が可能にされ、この活性金属相は、適宜硫化されてもよい。
【0050】
有機化合物を添加された触媒を調製する方法の第1の実施形態A)によると、細孔性の担体は、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を含んでいる溶液を含浸させる工程に付され、これにより、活性金属相が沈着させられる(工程ii))。活性金属相を含浸させられた細孔性の担体は、場合によっては、熟成工程に付され、次いで、工程ii)によって導入された溶媒を除去するために乾燥させられる(工程iii))。活性金属相を含有している乾燥済みの細孔性の担体は、工程i)に従って、液体の状態にある有機化合物と一緒にするためのユニットにおいて処理されて、これにより、前記有機化合物を添加された触媒が提供される。
【0051】
実施形態A)において、細孔性の担体は、とりわけ、工程i)において用いられたものとは異なる追加の有機化合物をすでに含有してよい。この追加の有機化合物は、本発明による付与方法によってまたは当業者に知られている任意の他の方法によって、例えば、追加の有機化合物を含有している溶液の含浸によって担体に組み入れられてよい。
【0052】
有機化合物を添加された触媒を調製するための別の実施形態B)によると、活性相を含有していない触媒担体が用いられる。担体は、最初に、本発明による有機化合物を加える工程に付され、これにより、有機化合物を添加された触媒担体が提供され(工程i))、これは、場合による熟成段階の後に、活性相の含浸の工程に送られる(工程ii))。この工程は、添加済み担体を、第VIII族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体および/または第VIB族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体を含有している溶液と接触させることからなってよい。このようにして得られた添加済み触媒は、場合によっては、放置熟成させられ、次いで、活性相の金属前駆体の含浸の工程の間に導入された溶媒を除去するために乾燥工程(工程iii))に付される。この実施形態B)において、用いられた細孔性の担体は、工程i)において用いられたものとは異なる追加の有機化合物をすでに含有してもよく、この追加の有機化合物は、本発明による付加方法を用いてまたは当業者に知られている任意の他の方法により触媒担体に組み入れられたものである。
【0053】
留意されるべきことは、実施形態A)およびB)に拘わらず、活性金属相を沈着させる工程ii)は、第VIII族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体および/または第VIB族からの少なくとも1種の金属の少なくとも1種の前駆体を含有し、さらに、工程i)からのものとは異なる1種または複数種の追加の有機化合物を含有している溶液を用いてよいということである。
【0054】
本発明によると、上記の工程i)~iii)の終わりに得られた添加済み触媒は、工程i)において用いられたものとは異なる1種または複数種の他の追加の有機化合物を組み入れるための1回または複数回の続く工程によって処理されてもよい。1種または複数種の他の異なる追加の有機化合物の組み入れは、本発明による付与方法を用いてまたは当業者に知られている任意の他の方法により行われてよい。前記追加の有機化合物(1種または複数種)は、例えば、文献FR 3 035 008において記載された実施形態の一つにより導入されてよい。
【0055】
本発明による触媒は、活性相として、第VIB族および/または第VIII族からの1種または複数種の金属を含有してよい。好ましい第VIB族からの金属は、モリブデンおよびタングステンであり、好ましい第VIII族からの金属は、非貴金属元素、特にコバルトおよびニッケルである。有利には、活性相は、元素コバルト-モリブデン、ニッケル-モリブデン、ニッケル-タングステンまたはニッケル-コバルト-モリブデン、またはニッケル-モリブデン-タングステンの組み合わせによって形成される群から選ばれる。
【0056】
本発明によると、触媒は、一般的に、第VIB族および/または第VIII族からの金属を、乾燥触媒の全重量に対する酸化物として表されて6重量%超の全含有率で有する。
【0057】
好ましくは、第VIB族からの金属の全含有率は、乾燥触媒の全重量に対する第VIB族からの金属の酸化物として表されて5重量%~40重量%、好ましくは8重量%~35重量%、より好ましくは10重量%~32重量%である。
【0058】
第VIII族からの金属の全含有率は、乾燥触媒の全重量に対する第VIII族からの金属の酸化物として表されて一般的に1重量%~10重量%、好ましくは1.5重量%~9重量%、より好ましくは2重量%~8重量%である。
【0059】
触媒中の第VIII族からの金属対第VIB族からの金属のモル比は、優先的には0.1~0.8、好ましくは0.15~0.6、一層より好ましくは0.2~0.5である。
【0060】
触媒は、ドーパントとしてリンを含んでもよい。前記触媒中のリンの含有率は、乾燥触媒の全重量に対する、P2O5として表される重量で好ましくは0.1重量%~20重量%、より好ましくはP2O5として表される重量で0.2重量%~15重量%、非常に好ましくはP2O5として表される重量で0.3重量%~11重量%である。
【0061】
触媒中のリン対第VIB族からの金属のモル比は、0.05以上、好ましくは0.07以上、好ましくは0.08~1、好ましくは0.01~0.9、非常に好ましくは0.15~0.8である。
【0062】
触媒は、有利には、ホウ素、フッ素およびホウ素とフッ素の混合物から選ばれる少なくとも1種のドーパントをさらに含有してよい。触媒がホウ素を含有している場合、ホウ素の含有率は、乾燥触媒の全重量に対する酸化ホウ素として表されて好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~7重量%、非常に好ましくは0.2重量%~5重量%である。触媒がフッ素を含有している場合、フッ素の含有率は、乾燥触媒の全重量に対するフッ素として表されて好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~7重量%、非常に好ましくは0.2重量%~5重量%である。
【0063】
このようにして調製された添加済み触媒は、とりわけ、炭化水素供給原料、例えば、石油留分を水素化処理するためまたは合成ガスから炭化水素を合成するための反応に用いられる。本発明によると、用語「水素化処理する(hydrotreating)」は、とりわけ、炭化水素供給原料の全体的または選択的な水素化、水素化脱窒、水素化脱芳香族、水素化脱硫、水素化脱酸素、水素化脱金属、および水素化分解の反応を包含する。
【0064】
水素化処理の適用のために、添加済み触媒は、一般的に、その使用の前に硫化工程を経る。水素化処理方法において用いられる供給原料は、例えば、ガソリン、ガスオイル、真空ガスオイル、常圧残渣、真空残渣、常圧蒸留物、真空蒸留物、重質燃料油、オイル、ワックスおよびパラフィン、使用済みオイル、脱アスファルト残渣または粗油(crude)、熱転化方法または接触転化方法を起源とする供給原料、リグノセルロース供給原料、または、バイオマスに由来する供給原料であり、これらは、単独または混合物として利用される。上記の炭化水素供給原料を水素化処理するための反応を行う方法において用いられる操作条件は、一般的に、以下の通りである:温度は、有利には180℃~450℃、好ましくは250℃~440℃であり、圧力は、有利には0.5~30MPa、好ましくは1~18MPaであり、毎時空間速度は、有利には0.1~20h-1、好ましくは0.2~5h-1であり、水素/供給原料の比は、標準の温度および圧力の条件下に測定される水素の容積/液体の供給原料の容積として表されて、有利には50L/L~5000L/1、好ましくは80~2000L/Lである。
【0065】
(図面の詳細な説明)
本発明の他の特徴および利点は、例証のためにのみかつ限定なく与えられた、本発明の特定の例示的な実施形態の説明を、以下の図面を参照しながら読む際に明らかになるだろう:
・
図1は、当業者に知られている標準的な実施による有機化合物を加える原理を例証する図である;
・
図2は、第1の実施形態による有機化合物を加えるための本発明による方法を例証する図である;
・
図3は、第2の実施形態による有機化合物を加える方法の図を示す;
・
図4は、第3の実施形態による有機化合物を加える方法の図である。
【0066】
概して、図面において、同様の要素は、同一の参照符号によって指し示されている。
【0067】
図1は、上述されたような細孔性の触媒担体または触媒前駆体(以降において一般用語「固体(solid)」によって表記される)に有機化合物を加えるための既知の方法を示すブロック図に対応する。
【0068】
一群の固体(1)は、固体の予備処理のためのユニット(2)において任意の予備処理に付される。これは、必要ならば、有機化合物の含浸の工程の前に固体の条件調整をすることを目的としたものである。この予備処理工程は、例えば、望まれる効果に応じて、残留する湿気の含有率を調節するための予備的乾燥工程であってよい。
【0069】
この予備処理は、ライン(3)を通じて導入される、有機化合物の含浸段階の間のあまりに活発な固体の反応を回避するための、有機化合物の含浸の間に用いられる溶媒と同一の溶媒の制御された付与による付与であってもよい。回避することが望まれる反応の種類は、例えば、固体の活性部位上の溶媒(例えば水)の突然の吸着に関連づけられる熱の大放出である。
【0070】
予備処理工程に由来する一群の固体(4)は、有機化合物の含浸のためのユニット(5)に送られる。従来技術によると、この工程は、溶媒、例えば、水を含有している溶液を用い、この溶媒中に、含浸させられるべき有機化合物が溶解させられている。
図1において、含浸溶液は、ライン(6)を介して運ばれる。含浸は、当業者に知られているあらゆる方法により、例えば、乾式含浸によって行われる。この含浸方法において、可動に設置された固体は、含浸溶液の噴射に付され、スプレーされる溶液の容積は、一般的に、含浸させられるべき固体の接近可能な細孔容積と等価である。従来技術の実施によると、含浸済み固体は、ライン(7)を介して乾燥ユニット(8)に排出される。この乾燥ユニット(8)は、有機化合物と同時に固体中に組み入れられた溶媒を除去するためのものである。流れ(9)は、固体を乾燥させるために用いられる高温物(utility)を示し、この高温物は、例えば、高温の空気である。これにより、選ばれた有機化合物を含んでいる乾燥済みの細孔性の固体(10)が得られる結果となる。
【0071】
選ばれた有機化合物および含浸工程の間の用いられる溶媒中のそれの溶解性に応じて、単一の含浸工程の終わりに導入量が十分でないことが考えられる。このような場合、上記の複数回の含浸および乾燥の工程の使用がなされてよい。
【0072】
有機化合物の含浸の後に、細孔性の固体は、活性な金属相を沈着させるために第VIB族および/または第VIII族からの1種または複数種の金属の含浸の1回または複数回の工程を経てよい。金属(1種または複数種)の含浸の工程(1回または複数回)の後、場合によっては熟成工程の後に、中程度の温度、一般的には200℃以下の温度で乾燥させる工程が行われてよい。
【0073】
図2は、本発明による有機化合物を加える方法のブロック図を示し、これは、ユニット(11)において、処理されるべき細孔性の固体を、液体の状態にある有機化合物と一緒にまとめることからなり、この一緒にまとめる工程は、細孔性の固体と液相との間の物理的な接触なして行われる。
【0074】
図2を参照すれば、細孔性の固体(1)は、場合によっては、上記と同様に予備処理ユニット(2)に送られる。予備処理は、固体を乾燥させる工程からなってよい。これは、例えば、この細孔性の固体が、第VIB族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族からの少なくとも1種の金属を含有している溶液の含浸によって得られた触媒前駆体である場合である。予備処理に由来する細孔性の固体(4)は、ユニット(11)に運ばれる。このユニット(11)は、固体を、液体の状態にある有機化合物と一緒にまとめるためのものである。
図2を参照すれば、ユニット(11)は、2つの区画AおよびBに分割された1つのチャンバを含む。これらの2つの区画AおよびBは、仕切り手段(12)によって互いに分離され、両区画は、有機化合物の気体の流れの通過を可能にするように連絡しており、その結果、区画AおよびBは、同一の気体雰囲気を共有している。この実施形態において、区画Aは、細孔性の固体(4)を受け取るのに適している一方で、区画Bは、液体の有機化合物を受け取るのに適している。
図2からの実施形態において、仕切り手段(2)は、気体流体の通過を可能にする有孔板であってよい。
【0075】
この一緒にまとめる工程は、制御された方法において、前記有機化合物の沸点より低い温度で行われる。これらの条件下に、有機化合物の液相によって発生する有機化合物の蒸気圧がある。それ故に、液体の状態にある有機化合物の分子の一部は、気体の形態に変化し(蒸気化)、次いで、細孔性の固体に(気体で)移される。有機化合物の蒸気相が固体によって徐々に消費されるという前提で、液体は、蒸気化し続ける。「一群(batch)」様式と呼ばれる、一実施形態によると、区画Bに含有される液体有機化合物の量は、細孔性の固体に導入することが望まれる有機化合物の量より少なくとも多い。あるいは、細孔性の固体によって消費されるように液体の状態にある有機化合物を連続的に供給することまたは区画B中の最小限の液体レベルを維持するように規則的な間欠性により半連続的に供給することが可能である。
図2において、液体の状態にある有機化合物の補給は、導管(13)を介して保証される。
【0076】
本発明による一緒にまとめる工程は、区画B中の液体の撹拌を維持することおよび/または区画A中の処理されるべき固体を可動に設定することによって行われてよい。
【0077】
一つの好ましい実施形態によると、一緒にまとめる工程は、液体の状態にある有機化合物を含有している区画Bから、添加されるべき細孔性の固体を含有している区画Aの方への、気体の流れの強制流通により行われる。非制限の例として、気体の流れは、二酸化炭素、アンモニア、制御された含有率の湿気を有する空気、不活性ガス、例えば、アルゴン、窒素、水素、天然ガスまたはIUPACによって公表された分類による冷媒ガスであってよい。このガスは、圧力下に提供されか、または、気体の圧力を増大させるための設備、例えば、コンプレッサまたはファンによる流通によって誘導される圧力降下を克服するように加圧されるかのいずれかである。好ましくは、このガスは、有機化合物による気相の飽和を促進するためにその撹拌を保証するようにライン(14)を介して液体に注入され、これにより、気/液の交換領域が増大する。
【0078】
一緒にまとめる工程は、制御された時間、温度および圧力の条件下に行われ、これにより、最終的に、有機化合物を含有している固体(15)が提供される。特定の理論に結び付けられることなく、細孔性の固体への有機化合物の導入は、毛管凝縮および/または吸着の方法に由来してよい。
【0079】
図2において指し示されるように、本発明による一緒にまとめる工程は、ライン(16)を介して区画Aから抽出された蒸気相を再循環させることを伴ってよい。このライン(16)は、区画Aおよび/または区画Bまたは場合によってはライン(14)につながっている。あるいは、区画Aから抽出された気相(16)は、冷却されて、有機化合物は液体の形態に凝結させられ、このものは、その結果、ラインを介してまたは場合によってはライン(13)を介して区画Bに再循環させられる。
【0080】
図3は、細孔性の固体に有機化合物を加える方法の別の実施形態であり、これが
図2の実施の形態と異なっているのは、固体を液体の有機化合物と一緒にまとめるためのユニット(11)が、2つのチャンバ(18)および(19)を含み、これらは、それぞれ、場合によっては予備処理された細孔性の固体(4)および液体の状態にある有機化合物を含有することができ、両チャンバは、導管(20)によって連絡しており、これにより、気体の状態にある有機化合物を含有している蒸気相の通過のみが可能になっている点である。
【0081】
図4は、本発明による細孔性の固体に有機化合物を加える方法の変形例であり、この方法では、添加されるべき細孔性の固体は、液体の状態にある有機化合物と一緒にまとめる工程の温度より高い温度での加熱処理を経、加熱された同伴気体は、一緒にまとめるためのユニット(11)に注入される。
【0082】
図4を参照すると、細孔性の固体(1)は、予備処理工程を経る。この予備処理工程は、ユニット(11)における一緒にまとめる工程において適用される温度より高い温度での加熱処理からなる。
図4の方法は、キャリアガスを用いることからなる熱集中形手順を伴い、このキャリアガスは、ライン(21)によって供給される。このキャリアガス(21)は、例えばかつ非制限的に、別の方法に由来する流出物または専用のキャリアガスであってよい。専用のキャリアガスの場合、このキャリアガスは、例えばかつ非制限的に、二酸化炭素、アンモニア、制御された含有率の湿気を有する空気、不活性ガス、例えば、アルゴン、窒素、水素、天然ガスまたはIUPACによって公表された分類に従う冷媒ガスであってよい。このガスは、圧力下に提供されるか、または、ガスの圧力を高めるための設備、例えば、コンプレッサまたはファンによる流通によって誘導される圧力降下に打ち勝つように加圧されるかのいずれかである。キャリアガスの温度が、固体を液体の状態にある有機化合物と一緒にまとめる工程において適用される温度より下であるならば、熱交換を、例えば、供給原料-流出物のタイプの交換器(22)により行って、以下に記載されるユニット(11)に由来する気体の流出物(17)によりキャリアガス(21)を加熱することが有利である。
図4において示されるように、再加熱されたキャリアガスの流れ(21)は、ライン(26)を介して熱交換器(23)に送られ、この熱交換器(23)において、熱処理済みの固体(4)と熱交換する。この熱交換は、ガスと固体との間の直接的または間接的な接触によって行われてよい。直接接触の場合、熱交換は、キャリアガス(21)と細孔性の固体(4)との、例えば、流動床における接触によって行われる。間接接触の場合、気体/固体の交換器を用いることが可能である。この気体/固体の交換器は、一式の菅を含んでおり、この一式の菅は、キャリアガスによって移動され、細孔性の固体の床中を通過する。この熱交換の終わりに、冷却された細孔性の固体の流れ(24)および再加熱されたキャリアガスの流れ(25)があり、これらは、一緒にまとめるユニット(11)における、それぞれ、区画Aおよび区画Bに送られる。加熱済みのキャリアガス(25)を、液体の有機化合物を含有している区画に供給することは、例えば、バブリングデバイスによって行われてよい。この高温キャリアガス(25)の役割は、2通りある:それは、一緒にまとめる工程のための温度維持デバイスの置換としてまたはこれに加えて熱を提供し、かつ、それは、区画Bの区画Aの方への気相の動きを作り出し、それ故に、気体の状態にある有機化合物を、添加されるべき細孔性の固体に輸送することに貢献する。
【0083】
気体の流出物(17)は、キャリアガスを含有し、場合によっては気体の状態にある有機化合物を含有しており、このものは、区画Aから排出され、熱交換器(22)に供給され、熱交換器(22)によりキャリアガス(21)は再加熱される。交換器(22)を離れる冷却後の気体の流出物(17)は、完全にまたは部分的に、ライン(28)を介して、キャリアガス(21)と共に再循環させられるか、または、ライン(27)を介してユニット(11)から完全に排出される。
【0084】
熱の回収を除いて、熱交換器(22)によって、気体の流出物(17)の冷却が十分である時に、キャリアガスによって同伴される有機化合物の部分を凝結させることが場合によっては可能となる。凝結物は、次いで、液体の状態にある有機化合物を含有している区画Bに再循環させられてよい。
【0085】
(実施例)
(実施例1:有機化合物なしのアルミナ担持CoMoP触媒C1およびC2(本発明に合致しない)の調製)
BET比表面積230m2/g、水銀ポロシメトリによって測定される細孔容積0.78mL/gおよび水銀ポロシメトリによる容積メディアン径として定義される平均細孔径11.5nmを有しているアルミナ担体であって、「押出物(extrudate)」の形態にあるものに、コバルト、モリブデンおよびリンが加えられる。含浸溶液の調製は、90℃で、酸化モリブデン(21.1g)および水酸化コバルト(5.04g)を85重量%のリン酸水溶液11.8g中に溶解させることによって行われる。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中24時間にわたって周囲温度で放置熟成させられ、次いで、それらは、90℃で16時間にわたって乾燥させられる。このようにして得られた乾燥済みの触媒前駆体は、C1で表記される。触媒前駆体C1を450℃で2時間にわたって焼成することにより、焼成済み触媒C2が得られる。触媒前駆体C1および触媒C2の最終的な金属の組成は、酸化物の形態で表されてかつ乾燥触媒の重量に対して、以下の通りである:MoO3=19.5±0.2重量%、CoO=3.8±0.1重量%およびP2O5=6.7±0.1重量%。
【0086】
(実施例2:共含浸によるアルミナ担持CoMoP触媒C3(本発明に合致していない)の調製)
実施例1において上記のように記載されかつ「押出物(extrudate)」の形態にあるアルミナ担体に、コバルト、モリブデンおよびリンが加えられる。含浸溶液の調製は、90℃で、酸化モリブデン(28.28g)および水酸化コバルト(6.57g)を85重量%のリン酸水溶液15.85gに溶解させることによって行われる。混合物の均質化の後、クエン酸38gが加えられ、その後に、水の添加によって溶液の容積が担体の細孔容積に調節された。(クエン酸)/Moのモル比は、1モル/モルに等しく、(クエン酸)/Coのモル比は、2.7モル/モルに等しい。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中24時間にわたって周囲温度で放置熟成させられ、次いで、それらは、120℃で16時間にわたって乾燥させられる。このようにして得られたクエン酸を添加された乾燥済みの触媒は、C3で表記される。触媒C3の最終的な金属の組成は、酸化物の形態で表されかつ乾燥触媒の重量に対して、以下の通りである:MoO3=19.6±0.2重量%、CoO=3.7±0.1重量%およびP2O5=6.7±0.1重量%。
【0087】
(実施例3:後含浸によるアルミナ担持CoMoP触媒C4(本発明に合致しない)の調製)
上記の実施例1において記載されかつ「押出物(extrudate)」の形態にある触媒前駆体C1 18gが、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル3.2gを含有している水溶液を含浸させられる。この水溶液の容積は、触媒前駆体の細孔容積に等しい。用いられる量は、3-オキソブタン酸2-メトキシエチルの量が、コバルトのモル当たり0.8モルになるようにされる(コバルトのモル当たり2.2モルに相当する)。押出物は、水飽和雰囲気中16時間にわたって周囲温度で放置熟成させられる。触媒前駆体C4は、次いで、120℃で2時間にわたって乾燥させられ、触媒C4が得られる。触媒C4の最終的な金属の組成は、乾燥触媒の重量に対して以下の通りである:MoO3=19.5±0.2重量%、CoO=3.8±0.1重量%およびP2O5=6.7±0.1重量%。
【0088】
(実施例4:金属の含浸の後の蒸気相中の有機化合物の導入によるアルミナ担持CoMoP触媒C5(本発明に合致する)の調製)
閉鎖チャンバ中に配置されるのは、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル4gを含有している結晶化皿である。触媒前駆体C1 12gが、同一の閉鎖チャンバに導入されかつステンレススチールグリッド上に配置され、液体の3-オキソブタン酸2-メトキシエチルが、触媒前駆体C1と物理的に接触しないようにされる。閉鎖チャンバは、オーブン中に120℃で6時間にわたって置かれる。触媒前駆体C1が、気体の状態にある3-オキソブタン酸2-メトキシエチル化合物と一緒にまとめられた後に、触媒C5 14.1gが、それ故に得られる。このように触媒に移される3-オキソブタン酸2-メトキシエチルの量は、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル/Moのモル比がモリブデンのモル当たり0.8モル(コバルトのモル当たり2.2モルに相当する)になるようにされる。触媒C5の最終的な金属の組成は、乾燥触媒の質量に対して以下の通りである:MoO3=19.5±0.2重量%、CoO=3.8±0.1重量%およびP2O5=6.7±0.1重量%。
【0089】
(実施例5:金属の含浸の前の蒸気相中の有機化合物の導入によるアルミナ担持CoMoP触媒C6(本発明に合致する)の調製)
閉鎖チャンバに配置されるのは、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル4gを含有している結晶化皿である。実施例1において用いられた担体と同一の担体8.4gが、同一の閉鎖チャンバに導入され、ステンレススチールグリッド上に、液体の3-オキソブタン酸2-メトキシエチルが担体と物理的に接触していないように配置される。閉鎖チャンバは、オーブン中に120℃で6時間にわたって置かれる。3-オキソブタン酸2-メトキシエチルを添加された担体10.5gがこうして得られる。担体上に導入された3-オキソブタン酸2-メトキシエチルの量は、金属の含浸の後に、3-オキソブタン酸2-メトキシエチル/Moのモル比:0.8モル/モル(モリブデン)を得るように固定される(すなわち再度、コバルトのモル当たり2.2モル)。
【0090】
改変された担体は、次いで、含浸溶液によって含浸させられる。この含浸溶液の調製は、水の添加によって、先行する改変された担体の細孔容積に対するこの溶液の容積を調節するように注意しながら、高温で、酸化モリブデン(2.4g)および水酸化コバルト(0.6g)を85重量%のリン酸水溶液1.4gに溶解させることによって行われる。乾式含浸の後、押出物は、水飽和雰囲気中24時間にわたって室温で放置熟成させられ、次いで、120℃で16時間にわたって乾燥させられ、これにより、触媒C6が得られる。触媒C6の最終的な金属の組成は、乾燥触媒の重量に対して以下の通りである:MoO3=19.8±0.2重量%、CoO=3.9±0.1重量%およびP2O5=6.9±0.1重量%。
【0091】
(実施例6:触媒C1、C2、C3およびC4(本発明外)と触媒C5およびC6(本発明内)のディーゼル燃料のHDSにおける評価)
触媒C1、C2、C3およびC4(本発明外)と触媒C5およびC6(本発明内)を、ディーゼル燃料のHDSにおいて試験した。
【0092】
用いられたディーゼル燃料供給原料の特徴は、以下の通りである:
・15℃における密度: 0.8522g/cm3、
・硫黄含有率: 1.44重量%、
・模擬蒸留:
IP: 155℃
10%: 247℃
50%: 315℃
90%: 392℃
FP: 444℃
【0093】
試験は、等温の横断型固定床試験用反応器において行われ、流体は、底部から頂部に流通する。
【0094】
触媒前駆体は、最初に、350℃で、加圧下の反応器中、試験のディーゼル燃料に2重量%のジメチルジスルフィドを加えたものによって現場内(in situ)硫化される。
【0095】
以下の操作条件下に水素化脱硫試験を行った:全圧:7MPa、触媒の容積:30cm3、温度:330~360℃、水素流量:24L/hおよび供給原料の流量:60cm3/h。
【0096】
試験された触媒の触媒性能は、表1に与えられる。それらは、基準として選ばれた(比較の)触媒C2に対するセ氏温度で表される:それらは、流出物中の硫黄50ppmを達成するために適用されることになる温度差に相当する。負の値は、目標の硫黄含有率がより低い温度で達成されること、したがって、活性における増加があることを意味する。正の値は、目標の硫黄含有率がより高い温度で達成されること、したがって、活性の喪失があることを意味する。得られた結果は、表1に報告される。
【0097】
【0098】
表1が明らかに示していることは、本発明による有機化合物を導入する方法により、溶媒の使用が回避され、その結果として、乾燥工程が回避されることが可能になる一方で適正な量の有機化合物を、それの沸点よりはるかに低い温度で導入することが可能になることである。具体的には、触媒C5およびC6を調製するために、3-オキソブタン酸2-メトキシエチルが、120℃で用いられる一方で、大気圧におけるそれの沸点は254℃である。さらに、本発明に合致する触媒は、従来技術により調製された触媒と少なくとも同等に効率的である。具体的には、本発明に合致する触媒C5およびC6は、全ての他の比較の触媒より効率的である。有機分子を用いない触媒(C1およびC2)または当業者によって一般的に用いられているクエン酸を用いている触媒(C3)との比較において増加は非常に有意である。さらに、同一の有機分子を用いているが、この有機分子は、水溶液中の後添加に基づいて当業者に周知である手順により導入されている触媒C4より触媒C5およびC6は効率的である。有機化合物は、したがって、活性金属相を形成する金属の含浸の前とその後の両方で本発明により導入されてよい。したがって、これらの実施例が実際に示したことは、特に、従来技術の触媒の性能と少なくとも同等に高い性能を有するかもしれない触媒を調製するに当たっての本発明による有機化合物を導入する方法の実行可能性および適用可能性である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】当業者に知られている標準的な実施による有機化合物を加える原理を例証する図である。
【
図2】第1の実施形態による有機化合物を加えるための本発明による方法を例証する図である。
【
図3】第2の実施形態による有機化合物を加える方法の図を示す。
【
図4】第3の実施形態による有機化合物を加える方法の図である。