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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】空調機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/41 20180101AFI20220908BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20220908BHJP
【FI】
F24F11/41 120
F24F11/41 250
F24F11/84
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020511161
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2019117906
(87)【国際公開番号】W WO2021082076
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】201911061927.5
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921870642.1
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911061213.4
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921870650.6
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517383847
【氏名又は名称】海信家電集団股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】517383858
【氏名又は名称】海信(広東)空調有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】彭 炳全
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ 根▲貴▼
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-200128(JP,A)
【文献】特開2018-200129(JP,A)
【文献】特開昭62-217041(JP,A)
【文献】特開2018-189351(JP,A)
【文献】国際公開第2018/198390(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/41
F24F 11/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧冷媒を圧縮して高圧冷媒を生成するための圧縮機と、
室内気流と室内熱交換器を流れる冷媒とを熱交換するための室内熱交換器と、
室外気流と室外熱交換器を流れる冷媒とを熱交換するための室外熱交換器と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間に接続され、開度の大きさによって前記室内熱交換器及び前記室外熱交換器との間を流れる冷媒の圧力を調整する膨張弁と、
少なくとも前記膨張弁の開度及び前記圧縮機の運転周波数を制御するために配置される室外制御部と、
前記圧縮機、前記室外熱交換器、前記膨張弁、及び前記室内熱交換器が順次に接続されてなり、冷媒が循環する冷媒回路とを備え、
前記室内熱交換器は、蒸発器として作動して前記室内熱交換器の表面に氷層を形成するように配置され、前記圧縮機は、前記室内熱交換器の表面に氷層を形成した後、所定の停止時間に応じて運転停止するように、前記室外制御部によって制御され
前記圧縮機は、前記所定の停止時間を経過した後、前記室外制御部によって、運転が開始するように制御され、且つ、前記室内熱交換器は、凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層を融解するように配置され、
前記膨張弁は、前記圧縮機の運転停止時の開度と、前記室内熱交換器が前記蒸発器として運転する時の開度とが一定となるように、前記室外制御部によって制御され、
前記膨張弁は、前記室内熱交換器が前記凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層を融解する時の開度が、前記室内熱交換器が前記蒸発器として運転して前記室内熱交換器の表面に氷層を形成する時の開度より小さくなるように、前記室外制御部によって制御される、
とを特徴とする空調機。
【請求項2】
前記冷媒回路内に接続され、前記室外制御部の制御下で、前記室内熱交換器が蒸発器又は凝縮器で運転するように前記冷媒回路中の冷媒の流れを切り替える四方弁を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項3】
前記膨張弁は、前記圧縮機が運転停止となる前記所定の停止時間内に開度が一定となるように、前記室外制御部によって制御される、ことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項4】
前記膨張弁は、前記室内熱交換器が前記凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層を融解する時に、開度が一定となるように、前記室外制御部によって制御される、ことを特徴とする請求項に記載の空調機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年11月1日に出願された出願番号が201911061927.5で、発明の名称が「空調機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、2019年11月1日に出願された出願番号が201921870642.1で、発明の名称が「空調機」である中国特許出願を基礎とする優先権と、2019年11月1日に出願された出願番号が201911061213.4、発明の名称が「空調機」である中国特許出願を基礎とする優先権と;2019年11月1日に出願された出願番号が201921870650.6で、発明の名称が「空調機」である中国特許出願を基礎とする優先権とを主張し、その開示内容の全ては参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本出願は、空調機技術の分野に関し、特に空調機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
空調機は、長期放置や使用した後、熱交換器の表面にある程度の塵埃が付着されるようになり、これらの塵埃は熱交換器の熱交換効率を低下させ、空調機の性能低下やエネルギー消費の増大を招く。従来の空調機の主な洗浄方法は、冷房運転で室内機コイルの表面を凍結して氷層を形成させ、冷房運転から暖房運転に切り替えることにより氷層を融解させて凝縮水を形成し、この凝縮水がファンからの送風によって熱交換器の表面の塵埃を取り除き、空調機の洗浄効果を得ているが、既存の空気機では、洗浄運転の実行時に、その表面の氷層の融解速度が速すぎるが故に、融解して生じた凝縮水の量が少なく、室内熱交換器の表面の塵埃に対する洗浄性能が低いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、従来技術に存する空調機洗浄効果が低いという問題を解決し、空調機を効果的に洗浄するための空調機及び空調機洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本出願の実施例は、以下のような技術案を採用する。
【0006】
本出願の実施例に係る空調機は、低圧冷媒を圧縮して高圧冷媒を生成するための圧縮機と;室内気流と室内熱交換器を流れる冷媒とを熱交換するための室内熱交換器と;室外気流と室外熱交換器を流れる冷媒とを熱交換するための室外熱交換器と;前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間に接続され、開度の大きさによって前記室内熱交換器及び前記室外熱交換器との間を流れる冷媒の圧力を調整する膨張弁と;少なくとも前記膨張弁の開度及び前記圧縮機の運転周波数を制御するために配置される室外制御部と;前記圧縮機、前記室外熱交換器、前記膨張弁、及び前記室内熱交換器が順次に接続されてなり、冷媒が循環する冷媒回路とを備え;前記室内熱交換器は、蒸発器として作動して前記室内熱交換器の表面に氷層を形成するように配置され、前記圧縮機は、前記室内熱交換器の表面に氷層を形成した後、所定の停止時間に応じて運転停止するように、前記室外制御部によって制御され;前記膨張弁は、前記圧縮機の運転停止時の開度と、前記室内熱交換器が前記蒸発器として運転する時の開度とが一定となるように、前記室外制御部によって制御される。
【0007】
前記圧縮機は前記所定の停止時間を経過した後、前記室外制御部によって、運転が開始するように制御され、且つ、前記室内熱交換器は、凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層融解するように配置される。
【0008】
前記膨張弁は、前記室内熱交換器が前記凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層を融解する時の開度が、前記室内熱交換器が前記蒸発器として運転して前記室内熱交換器の表面に氷層を形成する時の開度よりも小さくなるように、前記室外制御部によって制御される。
【0009】
前記冷媒回路内には四方弁が接続され、前記四方弁は、前記室外制御部の制御下で、前記室内熱交換器が蒸発器又は凝縮器として運転するように前記冷媒回路中の冷媒の流れを切り替える。
【0010】
前記膨張弁は、前記圧縮機が運転停止となる前記所定の停止時間内で開度が一定となるように、前記室外制御部によって制御される。
【0011】
前記膨張弁は、前記室内熱交換器が前記凝縮器として運転して前記室内熱交換器の表面の氷層を融解する時に、開度が一定となるように、前記室外制御部によって制御される。
【0012】
本出願の実施例に係る空調機において、室内熱交換器はその表面に氷層を形成するように、室外制御部によって、蒸発器として運転するように制御され、そして室内熱交換器の表面に氷層を形成した後、室内熱交換器は、凝縮器として運転して室内熱交換器の表面に形成された氷層を融解させるように制御され;膨張弁は、圧縮機が運転を停止する時の開度と、室内熱交換器が蒸発器として運転する時の開度とが一定となるように、室外制御部によって制御され、その結果、圧縮機の運転停止時の膨張弁の開度の増大により室内熱交換器内を冷媒が急速に流通して、室内熱交換器表面の氷層の融解速度が過大となることを回避することができ、膨張弁の開度が一定に維持されると、室内熱交換器の表面の氷層の融解速度を低下させ、氷層の融解により生じた凝縮水を室内熱交換器の表面にゆっくりと形成させることができ、こうして、凝縮水が室内熱交換器の表面に十分に接触してその表面に付着した塵埃を吸塵することが確保されると共に、凝縮水の量を増やして塵埃に対する洗浄力を増大させることもでき、これにより、室内熱交換器の表面の塵埃に対する凝縮水による洗浄効果を向上させ、従来の空調機に存する洗浄効果の低下を解決して、室内熱交換器の効果的な洗浄が実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本出願の実施例に係る空調機の構造を示す図である。
図2】本出願の実施例に係る空調機のシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本出願の実施例をさらに詳しく説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本出願の実施例に係る空調機は、室外機10と室内機20からなる分離型空調機であり、室外機10と室内機20は、配管を介して接続されて冷媒を搬送すると共に、データ接続線を介して接続されて通信情報を伝送する。
【0016】
また、空気機は、室外機10と室内機20のほか、空気清浄手段、通風手段、加湿手段、除湿手段、ヒーター等を備えてもよい。これらの手段は、室外機10及び室内機20に結合された状態で一体的に制御され得る。
【0017】
室外機10は、圧縮機11と、室外熱交換器12と、膨張弁13と、室外制御部14と、室外ファン15と、四方弁16とを含む。
【0018】
圧縮機11は、低圧冷媒を圧縮して高圧冷媒とするために冷媒を圧縮するものである。
【0019】
室外熱交換器12は、室外気流と室外熱交換器12内を流れる冷媒とを熱交換させるものである。具体的には、室外熱交換器12は、空調機の冷房運転時に凝縮器として作動し、圧縮機11で圧縮された冷媒を室外熱交換器12内で凝縮させ;室外熱交換器12は、空調機の暖房運転時に蒸発器として作動し、減圧された冷媒を室外熱交換器12内で蒸発させる。
【0020】
本出願の幾つかの実施例において、室外熱交換器12の冷却フィン(図示せず)は、室外空気と冷媒が通過する室外熱交換器12の冷媒配管(図示せず)との間の表面積を拡大して、室外空気と冷媒との間の熱交換効率を向上させるために用いられる。
【0021】
膨張弁13は、室内熱交換器21と室外熱交換器12との間に接続されており、膨張弁13の開度によって、室内熱交換器21と室外熱交換器12との間を流れる冷媒の圧力が調整されて、室内熱交換器21と室外熱交換器12との間を流れる冷媒流量が調整される。ここでは、室内熱交換器21と室外熱交換器12との間を流れる冷媒の流量値及び圧力値は、室内熱交換器21及び室外熱交換器12の熱交換性能に影響を及ぼす。膨張弁13は、電子弁であってもよく、膨張弁13を流れる冷媒の流量及び圧力を制御するため、膨張弁13の開度が調整可能となっている。
【0022】
室外制御部14は、膨張弁13の開度と圧縮機11の運転周波数を制御するように配置される。
【0023】
室外ファン15は、室外空気を室外吸込口から室外機10内に吸い込み、室外熱交換器12で熱交換した後に室外吹出口から送り出すためのものであり、室外ファン15によって、空気の流れに動力を与える。
【0024】
四方弁16は、冷媒回路に接続されており、室外制御部14の制御下で、室内機20が冷房運転又は暖房運転を実行するように、冷媒回路中の冷媒の流れを切り替える。
【0025】
冷媒回路は圧縮機11、室外熱交換器12、膨張弁13、及び室内熱交換器21が順次に接続されてなり、冷媒回路に冷媒を循環させて室内熱交換器21と室外熱交換器12とでそれぞれ空気と熱交換させて、室内機20の冷房運転又は暖房運転を実現する。
【0026】
室内機20は、室内熱交換器21と、室内ファン22と、室内制御部23とを含む。
【0027】
室内熱交換器21は、室内気流と室内熱交換器21内を流れる冷媒とを熱交換させるためのものである。
【0028】
室内ファン22は、室内空気を室内吸込口から室内機20内に吸い込み、室内熱交換器21で熱交換した後に室内吹出口から送り出すためのものであり、室内ファン22によって、空気の流れに動力を与える。
【0029】
室内制御部23は、室内ファン22の回転数を制御するように配置され、室内制御部23と室外制御部14とは、データ線を介して接続されて通信情報を伝送する。
【0030】
室内熱交換器21の表面に付着した塵埃を洗浄するため、室内機20が冷房運転を実行し、圧縮機11が作動するように制御される。具体的には、四方弁16は、室外制御部14によって、室内機20が冷房運転で作動するように冷媒が冷媒回路内を所定の流れ方向で流れるように制御され、室内機20が冷房運転で作動する時、室内熱交換器21が蒸発器として作動するように配置され、空気中の水分子が室内熱交換器21の表面で凝縮し、室内熱交換器21の表面に結露してさらに氷層を形成する。
【0031】
室内熱交換器21の表面に氷層が形成された後、室外制御部14は、所定の停止時間に従い、圧縮機11が運転停止するように制御して、圧縮機11が所定の停止時間で停止状態を維持させて、圧縮機11に対する室内機20の運転モード切換時の過電圧保護を実現する。一例として、圧縮機11の所定の停止時間は3分間である。
【0032】
圧縮機11が所定の停止時間で停止状態を維持した後、室外制御部14によって圧縮機11が運転開始するように制御される。四方弁16は、室外制御部14によって、室内機20が暖房運転するように冷媒が冷媒回路内を所定の流れ方向で流れるように制御され、室内機20が暖房運転する時、室内熱交換器21が凝縮器として運転するように配置され、こうして、室内熱交換器21は凝縮器として運転するように配置されて、室内熱交換器21の表面に形成された氷層を融解させ、氷層が融解して生じた凝縮水は、氷層に含有された塵埃を洗浄すると共に、室内熱交換器21の表面に凝縮水が流れて室内熱交換器21の表面を洗浄することができ、室内熱交換器21の表面に対する洗浄が保証される。
【0033】
室内熱交換器21の表面の洗浄効果を向上させるため、本出願の実施例において、膨張弁13は室外制御部14によって、圧縮機11が運転停止となる所定の停止時間内の膨張弁13の開度と、室内熱交換器21が蒸発器として運転する時の膨張弁13の開度とが一定となるように、即ち、圧縮機11の運転停止時の膨張弁13の開度と、室内機20が冷房運転で氷層を形成するように運転する時の開度とが同じになるように、膨張弁13は室外制御部14によって制御される。一例として、圧縮機11の運転停止時の膨張弁13の開度は400°で、室内機20が冷房運転で氷層を形成するように運転する時の開度は400°である。
【0034】
膨張弁13の開度が、圧縮機11が運転停止となる所定の停止時間内に一定に維持されることにより、室内熱交換器21内を冷媒が急激に流れることが防止でき、流速の遅い冷媒が室内熱交換器21を通過する際に、室内熱交換器21の熱交換性能を低下させ、よって、室内熱交換器の表面の氷層融解速度を低下させて氷層融解により生じた凝縮水を室内熱交換器21の表面にゆっくりと形成させる。ゆっくりと融解して生じた凝縮水は室内熱交換器21の表面に十分に接触して、室内熱交換器21に付着した塵埃を吸塵し、洗い流すことができると共に、凝縮水の量を増やして熱交換器の表面の塵埃に対する流し洗いを強化することができ、室内熱交換器21の表面の洗浄性をさらに向上される。
【0035】
圧縮機11が所定の停止時間内に運転停止する目的は、室内機20冷房運転から暖房運転に切り替える前に圧縮機11を過電圧から保護することである。その後の暖房運転を速やかに開始するためには、室内機と室外機との間の圧力が過大になって圧縮機11の再起動と冷媒回路の安定化に影響を与えないように膨張弁13の開度を小さくするべきではない
【0036】
室内熱交換器21の表面の洗浄効果を向上させるため、本出願の実施例において、膨張弁13は、室外制御部14によって、室内熱交換器21が凝縮器として運転する時の膨張弁13の開度が、室内熱交換器21が蒸発器として運転する時の膨張弁13の開度より小さくなるように、即ち、膨張弁13は室内機20が暖房運転で氷層を融解する運転を実行する時の開度が室内機20が冷房運転で氷層を形成する運転を実行する時の開度より小さくなるように制御される。一例として、膨張弁13は、室内機20が暖房運転で氷層を融解する運転を実行する時の開度が300°であり、室内機20が冷房運転で氷層を形成する運転を実行する時の開度は400°である。
【0037】
なお、室内機20の暖房運転時の膨張弁13の開度を小さくして圧縮機11から出力される高圧冷媒を室内熱交換器21内にゆっくりと流入させることにより、流速の遅い冷媒が室内熱交換器21を流れる際に室内熱交換器21の熱交換性能を低下させ、よって、室内熱交換器の表面の氷層融解速度を低下させて氷層融解により生じた凝縮水を室内熱交換器21の表面にゆっくりと形成させることができ、ゆっくりと融解して生じた凝縮水が室内熱交換器21の表面に十分に接触し、室内熱交換器21に付着した塵埃を吸塵、流し洗うと共に、凝縮水の量を増やして熱交換器表面の塵埃に対する流し洗いを強化することができ、本願の一部の実施例では室内熱交換器21の表面に対する清掃性が向上された。
【0038】
冷媒回路中の冷媒の流れの安定化を確保し、熱交換システムの作動を安定化させるために、膨張弁13は、室外制御部14によって、圧縮機11が運転停止となる所定の運転停止時間内に開度が一定となるように制御され、よって圧縮機11の運転停止時に冷媒回路中の冷媒の流れの波動を防止できる。本出願のいくつかの実施例において、膨張弁13は、室外制御部14によって、室内熱交換器21が凝縮器として運転する時、開度が一定となるように制御され、室内機20が暖房運転する時の冷媒回路中の冷媒の流れの波動が防止でき、室内熱交換器21の表面の氷層の融解安定化と凝縮水の量の安定化が保証できる。
【0039】
説明すべきなのは、上記の各手段(例えば、空気清浄手段、通風手段、加湿手段、除湿手段、ヒーター等)は、個別に設けられたプロセッサであってもよいし、コントローラのいずれかのプロセッサに集積されて実現されてもよいし、さらに、プログラムコードの形態でコントローラのメモリに記憶され、コントローラのいずれかのプロセッサにより上述の各手段の機能を呼び出して実行してもよい。ここで、プロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は、特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)であってもよく、又は本出願の実施例を実現するために構成された1つ又は複数の集積回路であってもよい。
【0040】
本出願の種々の実施例において、上述した各過程の順序番号の大小は、実行順序の前後を意味せず、各過程の実行順序は、その機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本発明の実施例の実施過程に対して如何なる限定を意図しないと理解すべきである。
【0041】
本明細書に開示される実施例に記載の各例示的な手段及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組合せで実現し得ることは、当業者であれば理解できるだろう。これらの機能がハードウェアで実行されるかソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定適用や設計上の規制条件に依存する。当業者は、特定適用の各々に関して、記載の機能を実現するために異なる方法を用いることができるが、この実施は、本願の保護範囲から逸脱するものと考えられるべきではない。
【0042】
当業者であれば明確に理解できるように、説明の便宜上及び簡潔さのために、上述のシステム、装置及び手段の具体的な作動過程は、前述の方法の実施例における対応過程を参照すればよく、ここではその説明を省略する。
なお、本出願に係る幾つかの実施例に開示されたシステム、装置及び方法は、他の方法でも実現されることが理解されるだろう。例えば、上述に記載の装置の実施例は単なる概略的なものであり、一例として、前記手段の区分は、論理的機能の区分のみであり、実際に実現される時は、別の区分方法があってもよく、例えば、複数の手段又は要素が、別のシステムに結合又は統合されてよく、又は幾つかの特徴が省略されてもよいし、又は実施しなくてもよい。別の点では、以上に表示又は検討された互いの結合、又は直接結合、又は通信接続は、幾つかの接続口を介して実現されてもよく、設備又は手段の間接結合又は通信接続は、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0043】
分離部材として説明される前記手段は、物理的に分離されるものであってもよいし、分離されないものであってもよいし、手段として示される部材は、物理的な手段であってもよいし、物理的な手段でなくてもよいし、即ち一箇所に位置してもよいし、複数のネットワーク手段に分布してもよい。本実施例の方案の目的は、実際の必要に応じて、手段の一部又は全部を選択して実現することができる。
【0044】
なお、本出願の各実施例における各機能手段は、1つの処理手段に統合されてもよいし、又は各手段は、物理的に個別で存在してもよく、又は2つ以上の手段が1つの手段に統合されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 室外機
11 圧縮機
12 室外熱交換器
13 膨張弁
14 室外制御部
15 室外ファン
16 四方弁
20 室内機
21 室内熱交換器
22 室内ファン
23 室内制御部
図1
図2