(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】調合デバイスシステム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
(21)【出願番号】P 2020529548
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 US2018063493
(87)【国際公開番号】W WO2019109048
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-07-10
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505411125
【氏名又は名称】オムニセル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マカッチャン、ラリー
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0088590(US,A1)
【文献】特表2006-502814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0195246(US,A1)
【文献】国際公開第2014/123147(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を調合するためのシステムであって、
複数の調合デバイスであって、前記複数の調合デバイスの各々は、調合支援デバイス、ロボット調合器、および危険薬物ロボット調合器からなる調合デバイスのグループから選択され、前記複数の調合デバイスの各々はコンピュータ化されている、複数の調合デバイスと、
中央サーバコンピュータと
を備え、前記複数の調合デバイスの各々は、電子ネットワークを介して前記中央サーバコンピュータと双方向通信しており、
前記中央サーバコンピュータおよび前記複数の調合デバイスは、協調的に、
前記中央サーバコンピュータにおいて、少なくともそのうちのいくつかが1つまたは複数の薬剤の調合を必要とする複数の要求を受信すること、
調合リソースの効率的な使用を促進し、無駄を回避するように設計されたルールのセットに従って、前記複数の調合デバイスのうちの選択された1つに調合タスクを割り当てるように構成されている前記中央サーバコンピュータによって、前記電子ネットワークを介して前記複数の調合デバイスのうちの選択された1つへの調合タスクの割り当てをプッシュすること、
前記調合デバイスを使用して、それぞれの指示された調合オペレーションを実行またはガイドすること
を行うように構成されて
おり、
前記中央サーバコンピュータは、前記複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つにバッチ調合タスクのそれぞれの部分を割り当てるように構成されており、前記複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つの各々に割り当てられた前記バッチ調合タスクのそれぞれの部分は、前記少なくとも2つの調合デバイスに割り当てられた前記バッチ調合タスクの部分が同時に完了することが見込まれるように、前記少なくとも2つの調合デバイスの性能記録に少なくとも部分的に基づいて選択されている、システム。
【請求項2】
前記複数の調合デバイスは、単一の薬局内に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の調合デバイスは、単一の施設内の複数の薬局間で分散されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の調合デバイスは、複数の施設間で分散されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記中央サーバコンピュータは、前記複数の調合デバイスの物理的位置を考慮するルールに従って、前記複数の調合デバイスのうちの選択された1つに調合タスクを割り当てるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ルールのセットは、設定可能である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ルールのセットは、無駄を回避するように要求を並べ替えるか、またはグループ化するための1つまたは複数のルールを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
調合タスクは、特定の医薬品の使用期限日または時間に少なくとも部分的に基づいて割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
調合タスクは、特定の調合タスクが実行されるべき時刻、曜日、または月の日付のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つのバッチ調合タスクは、前記調合デバイスがさもなければアイドル状態である場合に、調合された製剤のバッチを準備するために当該調合デバイスを利用する方法で割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
調合タスクは、少なくとも部分的に患者のデモグラフィックに基づいて割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
同じ医薬品を含む少なくともいくつかの調合タスクは、グループ化され、単一の調合デバイス上で実行されるように割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記中央サーバコンピュータは、前記複数の調合デバイスの各々の性能の記録を維持するように構成されており、調合タスクは、少なくとも部分的に前記記録に基づいて前記調合デバイスに割り当てられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
調合システムにおける負荷分散の方法であって、
中央サーバコンピュータにおいて、少なくともそのうちのいくつかが1つまたは複数の薬剤の調合を必要とする複数の要求を受信すること、
複数の調合デバイスの利用可能性および性能を監視すること
を含み、前記複数の調合デバイスの各々は、調合支援デバイス、ロボット調合器、および危険薬物ロボット調合器からなる調合デバイスのグループから選択され、前記複数の調合デバイスの各々はコンピュータ化されており、前記方法は、調合を必要とする前記要求の各々について、
前記薬剤の調合のタスクを割り当てる前記複数の調合デバイスのうちの1つを選択することであって、前記選択は、調合リソースの効率的な使用を促進し、無駄を回避するように設計されたルールのセットに従って実行される、選択すること、
前記薬剤を調合するタスクを割り当てる電子メッセージを選択された調合デバイスに送信すること、
前記選択された調合デバイスを使用して、割り当てられた調合タスクを実行またはガイドすること
を含
み、
前記選択することは、前記複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つにバッチ調合タスクのそれぞれの部分を割り当てるように前記複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つを選択することを含み、前記複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つの各々に割り当てられる前記バッチ調合タスクのそれぞれの部分は、前記少なくとも2つの調合デバイスに割り当てられた前記バッチ調合タスクの部分が同時に完了することが見込まれるように、前記少なくとも2つの調合デバイスの性能記録に少なくとも部分的に基づいて選択される、方法。
【請求項15】
前記複数の調合デバイスは、すべて単一の施設に存在する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の調合デバイスは、複数の施設間で分散されている、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記要求のうちの少なくとも特定の1つについて、前記選択された調合デバイスは、ロボット調合器であり、前記方法は、前記割り当てられた調合タスクを、前記ロボット調合器を使用して実行することを含む、請求項
14乃至
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の場所での薬剤の在庫レベルを追跡することをさらに含み、特定のタスクを割り当てる前記複数の調合デバイスのうちの1つを選択することは、前記在庫レベルに少なくとも部分的に基づいて前記調合デバイスを選択することを含む、請求項
14乃至
16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医薬品調合は、成分の処理または組み合わせによる患者固有の薬剤の調製である。多くの薬剤、特に錠剤の形で経口投与される薬剤は、現在、さまざまな形態および投与量で製造されているため、薬局では、特定の患者のための医師の処方箋を満たすために適切な数の錠剤を瓶に入れる以外は、ほとんど準備が必要とされていない。しかしながら、静脈内送達のための薬剤は、例えば病院の薬局で日常的に調合されている。
【0002】
典型的には、医師は、静脈内(IV)送達のために、特定の患者のための特定の薬剤または薬剤の組み合わせを処方する。薬局は処方箋を受け取り、各処方された薬剤の適切な量を有するIV溶液を準備する。調合された薬剤は、患者への投与のために病院フロアへ送られる。
【0003】
汚染物質を導入することなく、正しい薬剤を正しい比率で調製することが最も重要である。調剤師が従うための詳細なプロトコルが開発され得る。さまざまなプロトコルの数は非常に多い可能性があり、その理由は、さまざまなパッケージから選択し、複数の投与量で調製し、複数の異なる送達手段で提供するために、多数の異なる薬剤が存在し得るからである。
【0004】
調合作業の多くは、薬剤師として登録されていない従事者またはロボットマシンに委託され得る。したがって、各薬剤の調製に関する詳細な記録が保持され、その結果、薬剤師は、各薬剤が薬局を離れる前にどのように作成されたかを確認できる。記録は、その正確性について何か疑義がある場合に、後で特定の薬剤の調製のレビューを可能にもする。
【0005】
さらに、薬局のリソースを効率的に使用し、薬剤および供給品の過剰な浪費を回避することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
一態様によれば、薬剤を調合するためのシステムは、複数の調合デバイスを備え、複数の調合デバイスの各々は、調合支援デバイス、ロボット調合器、および危険薬物ロボット調合器からなる調合デバイスのグループから選択され、複数の調合デバイスの各々はコンピュータ化されている。システムは、中央サーバコンピュータをさらに備え、複数の調合デバイスの各々は、電子ネットワークを介して中央サーバコンピュータと双方向通信している。中央サーバコンピュータおよび複数の調合デバイスは、協調的に、中央サーバコンピュータにおいて、少なくともそのうちのいくつかが1つまたは複数の薬剤の調合を必要とする複数の要求を受信すること、調合リソースの効率的な使用を促進し、無駄を回避するように設計されたルールのセットに従って、複数の調合デバイスにそれぞれの調合タスクを割り当てるように構成されている中央サーバコンピュータによって、電子ネットワークを介して複数の調合デバイスへのそれぞれの調合タスクの割り当てをプッシュすること、調合デバイスを使用して、それぞれの指示された調合オペレーションを実行またはガイドすることを行うように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
特許または出願ファイルは、カラーで作成された図面を少なくとも1つ含む。カラー図面を有するこの特許または特許出願公報のコピーは、要求に応じて、必要な手数料を支払うことにより、官庁から提供される。
【
図1】本発明の実施形態による調剤薬局を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による手動調合ステーションを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による調合支援デバイスを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による、
図3の調合支援デバイスの下方斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による、
図3の調合支援デバイスによるバーコード走査を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による、調合プロセスのステップを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態による、可視光カメラを使用して撮影され得る写真を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態による、赤外線カメラを使用して撮影され得る注射器の写真を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態における、
図3の調合支援デバイスの面光源および赤外線カメラの配置を示す図である。
【
図15】赤外線カメラを使用して撮影され、本発明の実施形態による画像分析を示す、
図11の写真と類似の写真を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態による、
図15の画像の列ラインに沿ったピクセルの輝度のトレースの例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態による、赤外線画像に注釈を付ける方法を示す図である。
【
図18】本発明の一実施形態における、
図3の調合支援デバイスにおける可視光カメラの配置を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態による可視光カメラによって撮影され得るような、複数の注射器の例示的な写真を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態による、
図3の調合支援デバイスの簡略化されたブロック図である。
【
図21】本発明の実施形態による、すべてが薬局サーバと通信する、複数の施設における複数の薬局の1つの例示的な構成を概略的に示す図である。
【
図22】開示される実施形態による、リソース制御システムの高レベルのブロック図である。
【
図23】特定の実施形態による、
図22の場合のシステムのアーキテクチャスタックの一部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態による調剤薬局100を示す。薬局100のオペレーションは、以下により詳細に説明される薬局サーバ101によって調整される。薬局サーバ101は、例えば、医師からの処方箋などの調合される薬剤のオーダーを受信する。薬局サーバ101は、受信したオーダーの広範な記録、薬剤の調合のための詳細なプロトコル、オーダーに応じた薬剤の調製の記録、および他のアイテムを維持する。薬局サーバ101は、ステーション102aおよび102bなどの手動調合ステーション、ならびに1つまたは複数のロボット調合器103を含み得る、1つまたは複数の調合ステーションにタスクを割り当てもする。調合ステーションは、例えばオーダーされた各薬剤の調合の記録などの情報を薬局サーバ101に報告することもできる。
【0009】
薬局サーバ101は、プロセッサ105およびメモリ106を含む。メモリ106は、プロセッサ105によって実行されると、本発明の実施形態に従って薬局サーバにその機能を実行させる命令を保持する。メモリ106は、薬局100のオペレーションにおいて収集および生成された記録、プロトコル、および他の情報も保持し得る。本開示の目的上、用語「メモリ」は、多くの異なる種類のデータ記憶デバイスおよびそのようなデバイスの組み合わせ、例えば、動的メモリ、静的メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および磁気または光ディスクストレージまたはテープストレージなどの大容量記憶ストレージを包含する。
【0010】
薬局サーバ101は、
図1では単一のブロックとして示されており、メモリ106および1つまたは複数のプロセッサ105を有する単一のスタンドアロンコンピュータシステムであり得るが、他の実装形態も可能である。例えば、薬局サーバは、同じ場所にあるか、複数の場所にある、相互接続された複数のコンピュータを使用して実装され得る。特に、薬局サーバ101は、薬局サーバ101の機能が異なる時間に異なるプロセッサによって実行され、メモリ106も分散され得る「クラウド」サービスとして実装され得る。薬局サーバ101は、電子ディスプレイ107上に示されるユーザインタフェースを介してユーザに情報を提示し、任意の1つまたは複数の入力デバイス108、例えばキーボード、マウス、他のポインティングデバイス、または他の入力デバイスまたは入力デバイスの組み合わせを介してユーザから入力を受け取ることができる。
【0011】
作業材料は、供給ストア104から調合ステーションに供給される。薬局サーバ101は、供給ストア104にある材料の在庫を維持することができ、薬局100内の薬剤および供給品の動きを追跡することができる。
【0012】
完成した製品は、薬剤師によってレビューされ、薬局100からそれらの使用場所、例えば看護師による患者への投与のために病室に届けられる。上記の説明は非常に一般化されており、実際の調剤薬局は他の多くのシステムおよび設備を有し得ることが理解されよう。
【0013】
図2は、本発明の実施形態による手動調合ステーション102aを示す。調合ステーション102aは、面202上に調合支援デバイス201を含む。本開示の目的上、調合支援デバイスは、人間のオペレータによる調合タスクの実行を容易にするための特徴および能力を有する電気機械デバイスである。調合支援デバイス201は、作業中の材料の汚染を回避するのを助け、調合ステーション102aのユーザを保護するために、フィルタリングされた空気を調合支援デバイス201および面202の上に流す層流フード203の下に配置され得る。
【0014】
図示の例では、調合ステーション102aは、単純な調合タスクのための供給品を受け取っている。バイアル204で供給される薬剤は、IV点滴バッグ205に追加されるべきものである。注射器206は、移し替えを達成するために使用され得る。
【0015】
調合支援デバイス201は、調合器がIV点滴バッグ205で製剤を適切に調製し、プロセスを完全に文書記録するのを支援するいくつかの特徴および能力を有する。調合支援デバイス201は、薬局サーバ101へのネットワーク接続207を有し、それを介して、調合支援デバイス201は、調合タスクを実行するのに必要なステップを記述するプロトコルを薬局サーバ101から受信することができる。
【0016】
本開示の目的上、プロトコルは、特定の薬剤を含む特定の調合タスクのための一連のステップである。ワークフローは、特定の薬剤および特定の調合タスクの投与量とは独立して指定される、一般的なステップのセットである。1つのワークフローは、ある種の調合タスクに必要な一般的なステップを記述し得る。多くの異なるプロトコルは、特定の薬剤および量のために、ワークフローを実装し得る。例えば、特定のワークフローでは、バイアルから薬剤を抜き取り、IV点滴バッグに追加するために必要な高レベルのステップを記述し得る。次に、個別のプロトコルで、特定の投与量の特定の薬剤を点滴バッグに入れるステップが記述され得る。
【0017】
調合支援デバイス201は、ユーザへの指示を提示することができる、またはユーザが情報を入力することができる表示画面208を含む。例えば、表示画面208は、タッチを感知し、タッチの位置を区別できるタッチスクリーンディスプレイであってよい。調合支援デバイス201は、以下でより詳細に説明されるように、それらが計量または撮影される間、アイテムを保持するためのキャリアを提供するトレイ209を含む。
【0018】
図3は、本発明の実施形態による、トレイ209が取り外された状態の調合支援デバイス201を示す。
図3で見ることができるのは、トレイ209およびその内容物を計量するための、例えばロードセルなどの重量センサ301である。面光源302も見ることができる。面光源302は、二次元的に拡張された光源または面光源であり、多数の点から、またはその面にわたって連続的に光を放射する。面光源302は、例えば、トレイ209の一部を下から赤外光で照明する赤外光パネルであってもよい。
【0019】
図4は、本発明の実施形態による、調合支援デバイス201の下方斜視図を示す。ガントリー401はトレイ209にまたがっている。ガントリー401には、バーコードスキャナ402、可視光カメラ403、赤外線カメラ404が配置されている。可視光カメラ403は、上からトレイ209の少なくとも一部を照明するための1つまたは複数の光源405をさらに含み得る。光源405は、例えば、可視光カメラ403を取り囲む1つまたは複数の白色光発光ダイオード(LED)、または別の種類の光源であってよい。本開示の目的上、約400から700ナノメートルの間の光波長を含む場合、光は「可視」である。光は、合理的に完全な色認識を可能にするのに十分な波長を可視範囲に含む場合、「白色」である。
【0020】
トレイ209の上の領域は、赤外線カメラ404または可視光カメラ403によって撮影されるか、またはバーコードスキャナ402によってスキャンされるべきアイテムの観察領域と呼ばれ得る。他の実施形態では、アイテムは、必ずしも、下から照明されて上から撮影されなくてもよい。例えば、調合ロボットでは、ロボット機構が、カメラの視野内で撮影されるべきアイテムを任意の向きで保持することができる。例えば、アイテムは下から、または水平に撮影され得る。
【0021】
バーコードスキャナ402は、トレイ209とバーコードスキャナ402との間の観察領域に保持されたアイテムのバーコードを読み取るように配置されている。可視光カメラ403および赤外線カメラ404は、トレイ209上のアイテムの写真を撮るための位置にある。
【0022】
薬剤の調合中、重量センサ301、バーコードスキャナ402、可視光カメラ403、および赤外線カメラ404のうちの1つまたは複数を使用して、薬剤がどのように調合されたかを文書記録し、エラーを回避することができる。
【0023】
例えば、
図2に示される調合タスクを実行するために、薬局サーバ101は、詳細な逐次命令を調合支援デバイス201に送信し、次いで、調合支援デバイス201は、特定の送達手段での送達のために、特定の薬剤を必要とされる特定の用量で調合するのに必要なステップを介してユーザを導く。この例では、タスクは、30000ユニットのヘパリン(一般的な抗凝固剤)を、溶液中、5000ユニット/mlのヘパリンを含むバイアルからIV点滴バッグに移し替えることを含む。したがって、移し替えに必要な溶液量は、6mlである。バイアル204およびIV点滴バッグ205は、移し替えを行うために必要となる注射器206とともに調合ステーション102aに供給されている。
【0024】
第1に、調合支援デバイス201は、ユーザがバイアル204をバーコードスキャナ402に提示することを要求して、バイアル204上の識別バーコードが読み取られ、正しい濃度の正しいバイアルが提供されたことをシステムが確認できるようにする。そうでない場合は、エラーメッセージが生成され、調合タスクが停止される。走査プロセスは、画面208に示される例示的なプロンプトとともに
図5に示されている。調合支援デバイス201は、バーコードが検出されたことを自動的に認識し、次のステップに進むことができる。代替的に、このステップおよび他のステップで、ユーザからの確認が必要とされてもよい。
【0025】
図6は、バイアル204の初期重量が収集されている調合プロセスの第2のステップを示す。この目的のために、バイアル204は、トレイ209上に配置されている。トレイ209は、バイアル204が配置されるべき場所を示すアイコン601を含んでいてよく、バイアル204の適切な配置を補助するための機械的特徴も含んでいてよい。例えば、穏やかなV字形のトラフが、トレイ209に形成され得る。調合支援デバイス201は、トレイ209上のバイアル204の重量を自動的に認識し、その重量を記録し、調合プロセスの次のステップに進むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、バイアル204は、可視光カメラ403を使用して、周囲光、光源405からの光、またはそれらの組み合わせを使用して、トレイ209上にある間に撮影されてもよい。
【0027】
図7は、IVバッグ205の初期重量が収集されている第3のステップを示す。次に、調合支援デバイス201は、バイアル204から注射器206に正しい量(6ml)の溶液を吸い出すようにユーザに促し得る。
【0028】
図8は、
図6に示されている初期バイアル重量を取得するのと同様の方法で、吸い出された後のバイアル204の重量が取得されている第4のステップを示す。システムは、記録を保持し、適切な量の溶液が引き出されたことを確認するために、バイアル204の2つの重量を比較して、バイアル204から抜き取られた溶液の量を計算することができる。
【0029】
図9は、充填された注射器が撮影される第5のステップを示す。この目的のために、トレイ209は、注射器206を配置するためのアイコン901を含んでもよく、トレイ209上での注射器206の正しい配置および位置合わせを容易にする機械的特徴、例えば、V字型トラフ、または注射器206のバレルフランジの端を収容するような形状およびサイズの溝902を含み得る。他の基準マークも存在し得る。
【0030】
注射器206は、可視光カメラ403を使用して撮影されてもよいが、好ましくは、赤外線カメラ404を使用して撮影される。
図10は、可視光カメラ403を使用して撮影され得るような写真を示す。(可視光カメラ403は、好ましくは
図10に示されるよりも大きい視野を有するが、説明を容易にするために、注射器206は、より大きな視野から分離されている。)注射器206は、
図10の写真で容易に視認可能であるが、写真は、グレアスポット1001の影響を受けており、調合支援デバイス201の制御下にない周囲光源の影響を受けている可能性がある。
【0031】
図11は、赤外線カメラ404を使用して撮影され得るような注射器206の写真を示す。トレイ209は、赤外線放射に対して不透明ではないので、注射器206は、赤外光源302によってバックライトを当てられている。例えば、トレイ209は、赤外線放射に対して実質的に透明であってもよく、または半透明であってもよい。いくつかの実施形態では、トレイ209は、ポリカーボネートまたは別の適切なポリマーまたはポリマーのブレンドから作製され得る。赤外線カメラ404は、赤外光をカメラ404に通過させるが、可視スペクトルを遮断する波長選択性光学フィルタを有し得る。したがって、可視光から形成されるグレアスポットは、
図11の写真から除外されており、その結果、注射器206の特徴がより明確になる。
【0032】
どの種類のカメラが使用されても、調合支援デバイス201は、複数の目的のうちの任意のもののために、結果として得られる写真を自動的に分析することができる。例えば(
図11を参照)、注射器206のプランジャー1101の位置は、自動的に認識され、吸い出された液体1102の量は、注射器206の既知の寸法に基づいて計算される。いくつかの実施形態では、気泡1103などの気泡は、それらが準備されている薬剤の投与量に著しく影響するのに十分なほど大きい場合、検出され、フラグが立てられ得る。いくつかのプロトコルでは、バイアル204から液体を吸い出す前後の注射器206の重量を使用して、正しい量の液体が注射器206に入れられたことを確認することができる。その場合、調合支援デバイス201は、各計量で注射器206を撮影し、写真を分析して、注射器キャップ1104がある計量では誤って含まれていたが、別の計量では含まれていなかった可能性があるかどうかを検出し得る。トレイ209上の基準マーク1105は、既知の位置に配置され、写真で検出され、写真の距離を較正するために使用され得る。
【0033】
図12は、注射器206からの溶液の追加後にIVバッグ205が再計量される第6のステップを示す。調合支援デバイス201は、バッグ205の前後の重量を比較して、正しい量のヘパリン溶液がバッグ205に入れられたことを確認することができる。
【0034】
図13は、(システム内のチェックのすべてが、調合プロセスが正しく行われたことを確認したと仮定して)調合支援デバイス201が、ラベルプリンタ1303を使用してバッグ205に取り付けられるべきラベル1301を印刷し、ユーザが、ラベル1301をバッグ205に貼るように促される第7のステップを示す。その後、完成した薬剤は、その使用場所に届けられ、例えば注射器206などの任意の消耗品を廃棄することができる。ユーザは、ディスプレイ208を使用して、ラベル1301が貼付されていることを確認1302するように求められ得る。いくつかの実施形態では、完成したバッグ205の最終的な写真は、薬剤師のレビューのために撮影され得る。
【0035】
上記の調合プロセスは一例に過ぎず、異なるステップ、異なる薬剤容器を使用する、プロセス検証のために異なるまたは追加の情報を収集する、または図示の例とは他の点で異なる多くの異なる調合ワークフローが実装され得る。
【0036】
上記の例は調合ワークステーション102aの文脈で示されたが、
図1に示されるロボット調合器103などのロボット調合器を使用して調合するために類似のプロセスに従うことができる。ロボット調合器は、通常は囲われた機械であり、ロボット機構を使用して、バイアル、注射器、バッグなどを扱い、調合される薬剤を準備する。ロボット調合器は、スケール、1つまたは複数のカメラ、攪拌デバイス、廃棄ポート、材料および供給ローディングウィンドウ、および完成した薬剤を送達するための送達ウィンドウを含み得る。ロボット調合器は、調合プロセスで人的エラーの影響を受けないが、材料の不適切なローディング、機械的誤動作、プログラミングエラーなどから保護するために、それらの作業に関するさまざまな重量チェックおよび写真チェックを含む。
【0037】
調合が手動で行われるかロボットで行われるかにかかわらず、調合プロセス中に収集されたデータは、例えば薬局サーバ101に格納され、担当の薬剤師により確認されることが可能である。例えば、薬剤師は、正しい薬剤を含む正しい種類のバイアルがバーコードスキャンによって識別されたことを確認できる。投与量は、注射器の写真、バイアルの前後の重量、バッグの前後の重量、またはこれらの組み合わせを見ることにより確認されることが可能である。調合プロセス中に撮影されたデジタル写真は、薬剤師による検査に利用可能とされ得る。例えば、薬剤師は、
図11の写真のような写真を見て、注射器206に吸引された液体に過剰な気泡が含まれていたかどうかを判定し得る。
【0038】
調合タスクが完了すると、薬局サーバ101は、調合ステーション102aに別の調合タスクを割り当て、新しいタスクに従って調合支援デバイス201に別のプロトコルをダウンロードすることができる。
【0039】
図14は、本発明の実施形態における、調合支援デバイス201の面光源302および赤外線カメラ404の配置を示す。
この例では、面光源302は、回路基板1402に取り付けられた赤外線発光ダイオード(LED)1401のアレイを含む。赤外LED1401からの光は、拡散器1403を通過し、上方に散乱される。光の一部は、赤外線カメラ404のレンズ1404に到達し、電子アレイ光センサ1405に画像を形成し、電子アレイ光センサ1405は、プリント回路基板1406に取り付けられている。プリント回路基板1406は、調合支援デバイス201内のコントローラとインタフェースして、電子アレイ光センサ1405を制御するための信号を受信することができる。
【0040】
赤外線LED1401は、例えば約700から900ナノメートルの間の近赤外波長で光を放出することができる。他の実施形態では、他の波長を使用することができる。拡散器1403は、例えば注射器206などの面光源302上に配置されたアイテムのための概して均一なバックライトを提供する。面光源302は、調合支援デバイス201内の電子コントローラによって制御され得る。いくつかの実施形態では、トレイ209は、拡散材料で作られてもよく、拡散器1403に加えて、または拡散器1403の代わりに使用されて、面光源302からの光を拡散させてもよい。
【0041】
他の実施形態では、他の種類の光源、例えば、片側に散乱フィーチャを有するエッジライト導光板が使用されてもよい。この配置では、光源が、光を導光板の1つまたは複数のエッジに向け、光は、散乱フィーチャの1つに当たるまで導光板内での全内部反射によって伝播する。散乱光の一部は、導光板の散乱フィーチャとは反対の側から散乱されている。散乱フィーチャは、好ましくは、導光板を出る光の強度が導光板の領域全体で実質的に均一になるように分布している。拡散器を用いて、輝度をさらに均一にするために導光板を出る光をさらに拡散することもできる。
【0042】
電子アレイ光センサ1405は、例えば、電荷結合素子(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、または別の適切な種類のセンサであり得る。一般に、このようなセンサは、材料に光が当たると、光の強度に比例して自由電子が生成されるという、いくつかの半導体材料の特性を利用する。センサは、「ピクセル」と呼ばれる特定の感光領域に分割されている。画像をキャプチャするには、ピクセルをリセットしてから、露光時間にわたり、露光する。露光時間の終わりに、各ピクセルに蓄積された電荷の量が測定され、数値に変換される。これらの数値の配列は、「デジタル画像」と呼ばれ、配列の各値は、対応するピクセルに当たる光の明るさを表す。
【0043】
CCDセンサでは、蓄積された電荷は、センサから電荷増幅器にシフトされ、その出力は各ピクセルに対しデジタル化されている。CMOSセンサでは、蓄積された電荷は、シフトせずに各ピクセルから直接読み取ることができる。
【0044】
電子アレイ光センサ1405は、トレイ209で関心のある特徴を分解するのに十分な任意の数のピクセルを有することができる。いくつかの実施形態では、電子アレイ光センサ1405は、2560×1920ピクセル、または約5メガピクセルのアレイを含むことができる。他の実施形態では、他のアレイサイズを使用することができる。電子アレイ光センサ1405は、面光源302によって放射される赤外波長の光に感度を有する。例えば、電子アレイ光センサ1405は、近赤外光に感度を有するシリコンベースのセンサであってよい。赤外線カメラ404は、他の波長を除外する光学フィルタ(図示せず)を含み得る。光学フィルタは、例えば、関心のある波長の光を通過させるが、他の波長の光、例えば可視光を遮断するダイクロイックフィルタであってもよい。
【0045】
上で説明したように、赤外線カメラ404は、可視光カメラ403を使用して撮影された写真よりも、医薬品の調合に関連するいくつかの側面においてより鮮明であり得る、トレイ209上のアイテムの写真を生成できる。例えば、周囲の室内光によって引き起こされるグレアスポットを大幅に除去することができる。この鮮明さは、レビューする薬剤師に役立ち得る測定および注釈のために赤外線カメラ404を使用して撮影されたデジタル写真の分析を容易にする。
【0046】
図15は、赤外線カメラ404のような赤外線カメラを使用して撮影され、本発明の実施形態による画像分析を示す、
図11の写真と類似の写真を示す。調合支援デバイス201内のコントローラは、トレイ209上の基準マーク1105の既知の位置、電子画像センサ1405のピクセル数、およびレンズ1404を含む光学系の倍率に基づいて、画像ピクセルで測定された基準マーク1105の相対位置を「知る」ことができる。コントローラは、画像内の基準マークの予想される位置の近くにある暗いスポットのパターンを探すことにより、画像内の基準マークをすばやく見つけることができる。画像内の基準マークのピクセル位置は、参照のために記録され得る。
【0047】
図15に見られるように、注射器206のバレルフランジ1501は、トレイ209の溝902に配置されており、したがって、バレルフランジ1501は、
図15に示される「X」方向において、基準マーク1105に対して正確に配置されている。次に、コントローラは、基準マークの近くの画像内のピクセルの輝度値を照会して、「Y」方向に注射器206のエッジを配置することができる。例えば、列ライン1502、1503、および1504に沿ったピクセルを分析して、注射器206の部品のエッジの存在を示す急激な明から暗および暗から明への遷移を探すことができる。
【0048】
図16は、左下の基準マーク1505から+Y方向に移動する、列ライン1502に沿ったピクセルの輝度のトレースの例を示す。幅Wがまたがる遷移は、注射器206の針を含むと推定され得る。輝度の低下が針の予想される位置で検出されない場合、コントローラは、針が注射器206に取り付けられていないと見なすことができる。低下が検出されたと仮定すると、幅Wがまたがる領域の中心線が、針の中心線であると推定することができる。幅Wは、注射器の部品の既知の寸法と比較され、キャップが針に存在するかどうかを判定することができる。
【0049】
再び
図15を参照すると、類似のトレースが、他のラインに沿って実行されて、ルアーロック1506の存在およびサイズ、または注射器206のプランジャー(ラベル付けされていない)の存在およびサイズを検出することができる。検出された寸法は、標準的な注射器の格納されている寸法と比較されることができ、その結果、注射器206のサイズが自動的に判定される。
【0050】
他の実施形態では、他の画像処理技術を使用して、デジタル画像から注射器の位置およびサイズを確認することができる。例えば、事前に準備された注射器の写真を用いて相関操作を実行することができる。以前の写真が、現在の写真と複数の向きおよび位置で比較され、現在の写真の注射器と最もよく相関する場所を見つけ、現在の写真の注射器の場所を確認できる。このようにして、基準マーク1105を見つけることもできる。他の実施形態では、合成注射器画像を相関演算で使用することができる。他の多くの技術が可能である。
【0051】
注射器206のサイズおよび位置がピクセル空間でわかると、コントローラは、注射器のデジタル画像に注釈を付けて、画像が撮影された調合作業を薬剤師が確認するのを支援することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、同様の画像処理技術を使用して、デジタル画像内でプランジャー1507の位置を特定することができる。プランジャー1507の位置、注射器206の位置および向き、ならびに注射器206のサイズが与えられると、注射器206内の液体の体積の推定値を計算することができる。
【0053】
図17は、本発明の実施形態による、赤外線画像に注釈を付ける1つの方法を示す。注射器206のサイズおよび位置が確認されると、サイズは、プランジャー位置に基づく注射器内の液体の体積を示す注射器バレル上のグラデーションマーク1701の位置を含む、事前に記録された測定値を有する標準注射器に関連付けられることが可能である。グラデーションマーク1701は、
図17では視認性が高いが、これは常にそうであるとは限らない。トレイ209上の注射器の配置に応じて、グラデーションマーク1701は、どのような画像でも容易に視認可能でない場合がある。例えば、注射器206は、グラデーションマーク1701が下を向くようにトレイ209上に配置されているかもしれず、または注射器206内の液体が不透明であり、グラデーションマーク1701を隠している可能性もある。
【0054】
注射器206の既知のサイズおよび位置を使用して、調合支援デバイス201は、そのカメラいずれかによって撮影された画像に注釈を付けて、プランジャー位置の可読性を向上させることができる。
図17において、調合支援デバイスは、画像のピクセルのいくつかを変更して、グラデーションマーク1701の計算された位置に対応する線1702を示し、線1702によって表される液体体積を示すテキスト1703も追加している。他の実施形態では、例えば、異なる色を使用して、他の種類の注釈が提供され得る。
【0055】
図18は、本発明の実施形態における調合支援デバイス201の可視光カメラ403の配置を示す。可視光カメラ403は、正しい成分が調合タスクで使用されたことの確認、結果として得られた製品があるべき外観をしていることの最終確認、または他の目的で、トレイ209上のアイテムを撮影するために使用され得る。可視光カメラ403は、カラーカメラであってよく、製剤がおそらく正しいことのさらなる検証として、製剤の色を記録するために特に有用であり得る。(上記の例示的な赤外線カメラ404は、記録する赤外波長が狭帯域であり、そのピクセルにカラーフィルタがないため、色を区別できない。)
可視光カメラ403は、その視野内で受け取られた光を電子センサアレイ光センサ1802に集束させるレンズ1801を含み、電子センサアレイ光センサは、プリント回路基板1803に取り付けられている。可視光カメラ403は、赤外波長がセンサ1802に到達するのを実質的に防止するダイクロイックフィルタなどの光学フィルタ(図示せず)を含み得る。光源405を使用して、トレイ209を照明する任意の周囲光を補うことができる。例えば、光源405は、トレイ209に向けられた白色LEDであってもよく、調合支援デバイス201内のコントローラによって制御可能であり得る。
【0056】
電子アレイ光センサ1802は、トレイ209で関心のある特徴を分解するのに十分なピクセルを有するCCDセンサ、CMOSセンサ、または上述のような別の適切な種類のセンサであってよい。例えば、センサ1802は、2560×1920ピクセル、または約5メガピクセルのアレイを含み得る。他のセンササイズを使用することもできる。センサ1802は、好ましくは、可視光カメラ403がカラー画像を記録できるように、個々のピクセル上に配置されたカラーフィルタを含む。例えば、センサ1802は、周知のベイヤーパターンの赤、緑、および青のフィルタを含み得る。
【0057】
可視光カメラ403および赤外線カメラ404は、調合支援デバイス201による制御のための標準インタフェースを含む事前に組み立てられたカメラモジュールとして提供され得る。適切なカメラモジュールは、ドイツのAhrensburgにあるBaslerAGおよびドイツのObersulmにあるIDS Imaging Development SystemsGmbHから入手可能である。
【0058】
図19は、光源405を使用して可視光カメラ403によって撮影され得る、複数の注射器1901a~1901fの例示的な写真を示す。注射器1901a~1901fの各々は、異なる色の流体を含む。
図19の液体は、必ずしも医薬品である必要はないが、
図19は、可視光カメラ403が広範囲の色を識別できることを示し、可視光カメラ403で撮影された写真は、調合された液体が期待された色であることを薬剤師が検証することを可能にし、調合が正しく行われたという信頼を強化するか、または、調合された液体が期待された色ではないことを薬剤師が検出することを可能にし、調合が正しく行われていない可能性があることを示すことができる。
【0059】
図20は、本発明の実施形態による、調合支援デバイス201の簡略化されたブロック図を示す。調合支援デバイス201は、プロセッサ2002、メモリ2003、およびネットワークインタフェース2004を備えるコントローラ2001を含む。メモリ2003は、ダイナミックメモリ、不揮発性メモリ、大容量記憶装置、または他の種類のメモリを任意の適切な組み合わせで含むことができる。メモリ2003の一部は、実行されると調合支援デバイス201の動作を制御するプロセッサ2002のための命令を保持している。他の種類の情報、例えばデジタル画像のワーキングコピー、一時変数、および他の種類の情報も、同様にメモリ2003に格納され得る。ネットワークインタフェース2004は、コントローラ2001が外部、例えば、上述の薬局サーバ101などのサーバと通信することを可能にする。
【0060】
調合支援デバイス201は、すべてコントローラ2001と通信し、コントローラ2001の制御下にある上述のような赤外線カメラ404、バーコードスキャナ402、および可視光カメラ403をさらに含む。赤外光源302および可視光源405も、コントローラ2001の制御下にあり、異なる時間にオンおよびオフにされる。いくつかの実施形態では、いずれかまたは両方の光源によって生成される光の強度は、コントローラ2001の制御下で調整可能であり得る。タッチスクリーンディスプレイ208は、調合支援デバイス201のユーザに情報を伝達することができ、ユーザから指示を受け取ることができる。
【0061】
ラベルプリンタ1303は、ラベルの印刷のためにコントローラ2001からコマンドおよびデータを受け取る。重量センサ301は、トレイ209およびその上の任意のアイテムの重量を示す信号をコントローラ2001に提供する。
【0062】
調合支援デバイス201の他のアーキテクチャが使用されてもよい。
調合に関する追加情報は、2017年11月30日に出願された「IV調合システムおよび方法」というタイトルの米国特許出願第15/827,336号に見出すことができ、その開示の全体は、いかなる目的に対しても参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
例示的な調合プロセスについての上記の理解により、成分の異なる数および組み合わせを使用して、多くの異なる調合タスクが可能であることが認識されよう。例えば、粉末形状で受け取った薬剤の再構成および調合、直接注入するために注射器で送達される薬剤、濃縮された形態で受け取った薬剤の希釈、または他のシナリオについて、異なるタスクが定義され得る。より複雑なワークフローは、例えば、同時送達のために複数の薬剤を単一のIV点滴バッグに入れるなど、複数の薬剤の調合のために設計され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、薬局サーバ101は、複数の薬局を監督することができる。例えば、単一の病院は、中央薬局と、薬局サーバ101に接続された1つまたは複数のサテライト薬局とを含み得る。他の実施形態では、薬局サーバ101は、複数の場所にある複数の薬局を監督することができる。例えば、病院グループ内の複数の病院は、薬局サーバ101のサービスを共有することができる。
【0065】
図21は、本発明の実施形態による、すべてが薬局サーバ101と通信する、複数の施設における複数の薬局の1つの例示的な構成を概略的に示す。第1の病院2101は、2つの薬局2102および2103を含む。第2の病院2104は、薬局2105を含み、第3の病院2106は、別の薬局2107を含む。各薬局は、1つまたは複数の調合デバイスを収容し、医薬品および供給品を保管する。薬局サーバ101は、調合デバイスレベルとでさえ、薬局の各々と通信することができる。
【0066】
安全性および正確性の基本的な要件に加えて、
図21に示されるシステムなどのシステムにおける調剤薬局の効率的なオペレーションは、多くの考慮事項の対象である。
オーダーのスケジュールおよび配達に関する考慮事項
異なる薬剤のオーダーは、異なる優先順位を有し得る。例えば、「至急(stat)」オーダーとして指定された一部のオーダーは、できるだけ早く患者に届けるために、即時の調合を必要とし得る。他のオーダーは、やがて満たされる必要があるだけかもしれないが、もちろん不当な遅延の影響を受けるべきではない。例えば、次の数時間にわたって患者に必要な薬剤のセットに対する「カートフィル」オーダーは、やがて満たされ得る。いくつかの場合には、例えば、「事前に製造された(premade)」薬剤などの薬剤は、バッチで準備され得る。事前に製造された薬剤は、各個別のオーダーに対して調合するのではなく、使用を見越してそれらの供給を蓄積することを正当化するのに十分に一般的に使用される調合された製剤であり得る。事前製造されるものは、空いている時間に、または薬局のうちの1つまたは複数で調合能力が利用可能な他の時間に、バッチで準備され得る。
【0067】
医薬品の使用期限に関する考慮事項
薬剤には通常、許容される保存期限があり、多くの場合「使用期限」の日付または時刻として表される。使用期限日とは、薬剤の有効性の喪失または他の問題のリスクを回避するために、その後に薬剤が使用されるべきではない日(または時刻)である。単一の薬剤は、その使用状況に応じて、いくつかの使用期限日または時刻を有し得る。例えば、製造元から直接受け取った薬剤のバイアルは、未開封のままで正しく保管されている限り、製造日から数週間または数か月またはそれ以上の使用期限日を有し得る。バイアルが開封されると、それはわずか数時間または数日という有効な保存期限を有することがあり、その後は、未使用の量は廃棄する必要がある。また、バイアルの内容物の一部がIV点滴バッグに調合されると、バッグ自体が、調合の時点から測定された使用期限日または時刻を有し得る。複数の薬剤または成分が単一の調合タスクで使用される場合、調合された製剤の使用期限日または時刻は、将来最も近い、成分の使用期限日または時刻であり得る。
【0068】
在庫管理に関する考慮事項
異なる協働している薬局は、異なる時点に異なるレベルの在庫を有している可能性があり、それらは異なる物理的ロケーションに配置され得る。ロケーション間のアイテムの過度の輸送を回避しながら、在庫を効率的に共有するために、調合タスクの管理を協調的に調整することが望ましい場合がある。
【0069】
施設の利用に関する考慮事項
調合タスクの割り当ては、異なるサテライト薬局で異なる作業時間を可能にするように調整され得る。また、異なる薬局は、異なる機器を有する可能性があり、その一部は、異なる薬局の機器よりも特定の調合タスクに適しているか、または適していない場合がある。他のすべてが等しい場合、特定のタスクは、最も適切な機器を備えた薬局に割り当てられ得る。別の例では、頻繁に使用される製剤へのバッチ調合を実行する能力が利用可能である場合、異なる施設は、他の施設とは異なる「オフ」時間を有する場合がある。
【0070】
調合管理
本発明の実施形態では、薬局サーバ101は、上記および他の考慮事項に照らして、すべての時間に安全に、実現可能な最小レベルのリソースの消費で、実行可能な最大数の調合タスクの完了を効率的に達成することを目標として、さまざまな調合デバイスに調合タスクを割り当てるようにプログラムされている。薬局サーバ101は、この目標を追求するために多くのルールでプログラムされ得る。
【0071】
サーバ101がその効率改善を実施する能力は、サーバ101が調合タスクを調合デバイスに割り当てる、または「プッシュ」するという事実によって部分的に可能になる。少なくともいくつかの事前の取り決めでは、各調合器は、1つの調合タスクが完了すると、キューから次の利用可能なタスクを「プル」する(引き出す)。個々の調合器は、オーダーのフロー全体、または他の薬局または施設のステータスに対する可視性を有していないので、「プル」システムは、本発明の実施形態におけるように、グローバルビューを有し、「プッシュ」システムを実装するシステムの性能を達成することができない。
【0072】
例えば、バッチ調合タスクが計画されている場合、サーバ101は、タスクを行うために2つの異なる調合デバイスが利用可能であるが、2つは異なる過去の性能速度を有することを認識し得る。仮想的な例では、調合ワークステーション102bが利用可能であってよく、作業中のオペレータによって使用される場合、手元にあるタスクの1回の複製を従来は5分で完了することができる。同時に、ロボット調合器103が利用可能であってよく、1回の複製を4分で完了することができる場合がある。この例では、調合された製剤の20ユニットがオーダーされたと仮定する。サーバ101は、現在の必要性に応じて、2つのデバイスのいずれかまたは両方にバッチ準備を割り当てることができる。例えば、バッチ全体を最も迅速に配信するために、サーバは、タスクの一部を両方のデバイスに割り当て得る。しかしながら、各デバイスに10ユニットが割り当てられている場合、ロボット調合器103は、その10ユニットを40分で完了するが、調合ステーション102bのオペレータは、50分を必要とする。オーダー全体の配送は、ロボット調合器103が終了した後、調合ステーション102bを待たなければならない。
【0073】
サーバ101は、代わりに、タスクの不均等な部分を2つのデバイスに割り当ててもよい。上記の例では、サーバ101は、ユニットのうちの11個をロボット調合器103に割り当て、9個だけを調合ワークステーション102bに割り当てることができる。ロボット調合器103は、その11ユニットを44分で完了させることができ、ステーション102bのオペレータは自分の9ユニットを45分で完了させることができる。全体で20ユニットが、タスクの均等な部分が利用可能な2つのデバイスに割り当てられている場合よりも5分早い、45分で配送可能となっている。丸め誤差内で、この例のサーバ101は、2つの部分が同時に完了するように、タスクの部分を2つのデバイスに割り当てた。
【0074】
多数のこのような戦略が可能である。
別の例では、調合タスクは、並べ替えられ、またはグループに割り当てられて、医薬品の無駄を最小限に抑えることができる。例えば、1つのバイアルが、50,000ユニットの医薬品を含み、2つの薬剤のオーダーが、医薬品をIV点滴バッグに調合するために薬局に到着する可能性があり、1つは30,000ユニットの医薬品を含み、1つは20000ユニットの医薬品を含む。これらの2つのオーダーが、単純に次に利用可能な調合デバイスに順番に割り当てられた場合、デバイスの各々が、1つのバイアルの医薬品を使用する可能性があり、一方のデバイスで20,000ユニット、もう一方のデバイスで30,000ユニットを無駄にすることになる。代わりに、サーバ101は、両方が同じ調合デバイスに割り当てられ、同じ50,000ユニットのバイアルから充填されて、無駄が生じないように、他のうちの1つを順番に進めない可能性がある。たとえ2つのオーダーが同じ調合デバイスに割り当てられていたが、時間的に離れていたとしても、開封されたバイアルの保存期間がタスク間で超過した場合には、無駄が生じる可能性がある。タスクを即座に順番に並べ替えることで、この無駄の可能性も回避できる。
【0075】
同様に、異なる患者に同じ薬剤を調合するためのいくつかのオーダーが受信された場合、これらのオーダーは、グループ化され、同じ調合デバイスに割り当てられ得る。このようにして、複数のオーダーの供給品が同時に引き出され、調合デバイスでの切り替え時間なしに調合タスクが実行され得る。
【0076】
サーバ101は、調合された製剤のスケジュールされた投与時間をその割り当てルールに含めることもできる。例えば、上記のシナリオでは、両方の調合されたIVバッグが、それらのそれぞれの患者に、完成したバッグの保存期間中に届けられるように、2つの調合タスクがスケジュールされることもできる。言い換えれば、調合タスクを早く完了し過ぎて、調合された製剤がスケジュールされた投与時間までに使用できなくなる危険を冒さないことも重要である。
【0077】
別の例では、サーバ101は、例えば無駄を避けるために、調合タスクを特定の薬局に割り当ててもよい。例えば、サーバ101は、薬局2102、2103、2105、および2107などの複数の薬局の在庫記録を保持しているか、またはそれらにアクセスでき、複数の薬局のうちの1つの薬局の特定の医薬品の在庫が、複数の薬局のうちの別の薬局の在庫よりも古く、その使用期限日が近付いている可能性があることを認識し得る。サーバ101は、医薬品の調合のオーダーを受信し、調合された製剤が適時に患者に届けられることが可能であると仮定して、調合タスクを最も古い実行可能な在庫のある薬局に割り当てることができる。他の実施形態では、サーバ101は、この状況における様々な薬局の場所を考慮してもよい。例えば、「至急(stat)」オーダーは、処方された患者とは異なる病院の薬局に割り当てられない可能性があり、これは、調合された製剤を患者の病院に輸送するのに必要とされる時間が「至急」要件を満たすには長すぎるからである。この場合、オーダーは、同じ医薬品がその使用期限を過ぎてしまい別の病院で無駄になってしまう可能性があるにもかかわらず、患者と同じ病院での調合に割り当てられる可能性がある。
【0078】
同様に、サーバ101は、小さいバイアルがその使用期限日に近く、さもなければ無駄になる可能性がある場合、薬局に、利用可能なより大きく単位あたりでは安価なバイアルよりも、小さく単位あたりでは高価なバイアルから医薬品を取り出すように指示し得る。
【0079】
別の例では、より大きな単位あたりでは安価なバイアルの都合のよい在庫がない場合、調合の期限を満たすために、より小さく単位あたりでは高価なバイアルが使用され得る。いくつかの実施形態では、処方された在庫切れの成分を在庫のある成分で置き換えることが許容され得る。例えば、オーダーで指定されたものとは異なる希釈剤を含むIV点滴バッグは、好ましくは薬剤師および/または医師の承認を得て、代替され得る。場合によっては、サーバ101は、承認された代替のリストを保持することができる。
【0080】
もう1つの管理手法は、1回限りの調合タスクを実行する代わりに、可能な場合は事前に製造された製剤を使用することである。他の状況では、特定の薬剤師または医師が、たとえ事前に製造されたものが利用できる場合であっても、特定のケースでは、新しい製剤を準備するように指定する可能性がある。
【0081】
サーバ101は、調合タスクの割り当てにおいて、患者のデモグラフィックを考慮し得る。例えば、投与量の正確さは、小児科医療では特に重要であり得る。幼児向けの調合製剤のオーダーが受信された場合、それほど厳密ではないプロトコルに従って製造され、成人患者に適している同じ製剤の事前に製造されたバージョンが在庫にあるとしても、投与量の正確さについて特定のチェックを備えたプロトコルを使用して新しい製剤が準備される必要があり得る。この状況が発生する可能性がある1つの状態は、処方が2ml未満の投与量に変換される小児の投与量のオーダーである。このような少ない体積では、重量検証の測定の不確実性が10%以上と大きくなる可能性があるため、重量検証を使用するのではなく、注射器のプランジャーの位置を示す写真検証を使用するプロトコルが指定され得る。この決定は、処方されている特定の薬物に基づいて行うこともできる。例えば、インスリンはしばしば1ml未満の用量で処方されるため、写真による検証が特に適切であり得る。
【0082】
特に重要な薬物または用量サイズの場合、サーバ101は、第2の技術者が第1の技術者の仕事をレビューするために呼び出され、承認されるべき準備のために資格情報を入力しなければならない、インワークフローレビューの指定を許可し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、サーバ101は、調合タスクを割り当てる際に、時刻、曜日、月の日、または他の時間的データを考慮してもよい。簡単な例では、病院の主要な薬局は、1日24時間営業し、サテライト薬局は夜間休業し得る。サーバ101は、サテライト薬局の営業時間中にタスクを完了できる場合、意図された患者に最も近いサテライト薬局に調合タスクを割り当て得る。そうでなければ、配達により多くの輸送時間および労力が必要になるにもかかわらず、タスクは、メイン薬局に割り当てられる場合がある。同様に、タスクは、営業時間に応じて異なる施設の薬局に割り当てられ得る。
【0084】
時刻、週、または月は、他の理由も考慮され得る。例えば、郊外の薬局では、都市部の薬局と比較して、歴史的に平日の午後に調合する需要が低い可能性がある。したがって、郊外の薬局は、平日の午後にバッチ調合タスクを受け入れることが可能である場合がある。
【0085】
いくつかの実施形態では、サーバ101は、調合タスクを割り当てる際に、調合された薬剤が送達されるパッケージの種類を考慮してもよい。例えば、ロボット調合器による調合に適した一連の同様のタスクをグループ化して、特定のロボット調合器に割り当てる一方で、「1回限り(one-off)」の調合タスクを人間のオペレータがいるワークステーションに割り当てることができる。場合によっては、例えば、アンプル、エラストマーポンプ、通常と異なるサイズの注射器など、特定の送達パッケージは、単純に人間による調合に適している。これらの送達手段を含む調合タスクは、人間のオペレータがいるデバイスに割り当てられ得る。
【0086】
好ましくは、サーバ101は、その管轄内の薬局の変化する状態にリアルタイムで適応することができる。例えば、機器の故障やオペレータの急病が発生した場合、機能していない調合デバイスへの割り当てがスケジュールされたタスクは、他のデバイスに再割り当てされ得る。
【0087】
上記の戦略は、従来の「プル」システムとは対照的な「プッシュ」割り当てシステムの利点の例をさらに含む。薬局サーバ101は、様々な調合場所での在庫の可視性を有し、より幅広い範囲の入ってくる薬剤オーダーを「見る」ことができる。したがって、既存の在庫の利用を最大化するような方法で調合タスクを割り当てることができ、例えば、同じ薬剤のオーダーを同じ調合デバイスに送信して、バイアルを完全に使用し、または薬剤をその使用期限日近くで使用することができる。各デバイスまたはサイトが自分の場所のみに対する可視性を有する「プル」システムでは、同じ効率を達成することはできない。
【0088】
別の例示的な利点では、サーバ101は、複数の場所での調合デバイスの使用状況に対する可視性を有し、さもなければアイドル状態であるデバイスを利用するか、さもなければ過負荷であるデバイスの負荷を減らすためにタスクを割り当てることができる。プルシステムは、これらの選択を行うことができない。
【0089】
別の例示的な利点として、プッシュシステムは、反復バッチ調合タスクの一部を、タスクの全体的な完了速度を最大化する比率で異なるデバイスに割り当てることができる。
このようなシステムの技術的効果は、負荷分散および効率的な在庫使用を通じて、プルシステムで可能であり得る資産および在庫をより効率的に利用できることである。
【0090】
図22および
図23は、リソース制御システム2200として実装された、実施形態で使用可能な追加の技術的詳細を示す。リソース制御システム2200は、本明細書で開示される方法および技法を実装するために使用され得る。
図22は、本開示の開示される実施形態による、リソース制御システム2200の高レベルのブロック図を示している。リソース制御システム2200は、少なくとも部分的に、リソース容量およびリソースへの動作の割り当てに基づいて、リソースバランシングおよびリソースバランシングに関する通知を容易にすることができる。様々な実施形態では、リソース制御システム2200は、少なくとも部分的にイベント認識に基づいて、リソースバランシング、通知、およびリソースバランシングに関連する制御も容易にすることができる。リソース制御システム2200は、適応処理および制御システム2201を含み得る。適応処理および制御システム2201は、リソースメトリックおよび瞬時リソース状態情報を集約および/または判定して、リソースバランスおよび需要を動的に評価することができる。適応処理および制御システム2201は、リソース負荷処理仕様を定義することができるリソースモデルに少なくとも部分的に基づいて負荷をインテリジェントに管理することができる。
【0091】
様々な実施形態では、適応処理および制御システム2201は、オンサイトおよび/またはオフサイトのリソース制御ゲートウェイを介してリソース管理制御を提供することができる。図示のように、リソース制御システム2200は、適応処理および制御システム2201、要求インタフェース2208、および複数のリソースインタフェース2202のうちの2つ以上の間の対話(interaction)を可能にすることができ、複数のリソースインタフェース2202は、1つまたは複数の供給リソースインタフェース2204と、1つまたは複数のロボット調合器インタフェース2203と、1つまたは複数のガイド付き調合器インタフェース2202a、2202bとを含み得る。本明細書で開示されるように、1つまたは複数のロボット調合器インタフェース2203および1つまたは複数のガイド付き調合器インタフェース2202a、2202bは、ロボット調合器およびガイド付き調合ステーションを含み得る1つまたは複数の調合ステーションに対応し得る。図示されるように、リソース制御システム2200の構成要素は、1つまたは複数のネットワーク2210に通信可能に結合されているか、または結合可能であり得る。
【0092】
1つまたは複数のネットワーク2210は、リソース制御システム2200におけるデータ転送を容易にする適切な手段である可能性があり、複数のネットワークおよび/またはネットワーク構成要素を含むことができる。様々な実施形態では、1つまたは複数のネットワーク2210は、限定ではなく、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、イーサネット(登録商標)ベースのようなローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、イントラネット、エクストラネット、トークンリングおよび/または同様のもの、赤外線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)で動作するネットワーク、電気電子学会(IEEE)802.11のプロトコルスイートのいずれか、および/また任意の他の無線プロトコル)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、1G、3G、GSM(登録商標)(GlobalSystem for MobileCommunications)などを介したセルラーネットワーク、別の無線ネットワーク、ゲートウェイ、公衆交換電話網(PSTN)、共通企業ネットワーク、および/または、信号、データ、および/またはメッセージの通信を容易にする任意の他の適切なアーキテクチャまたはシステムのうちの1つまたは複数で実装され得る。様々な実施形態では、1つまたは複数のネットワーク2210は、限定ではなく、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)、SNA(システムネットワークアーキテクチャ)、IPX(インターネットパケット交換)、AppleTalkおよび/または同様のものなどの任意の適切な通信プロトコル(複数可)を使用してデータを送信することができる。様々な実施形態では、1つまたは複数のネットワーク2210およびその様々なコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、およびワイヤ、光ファイバ、マイクロ波、電波、および他の電磁および/または光キャリア、および/または前述のものおよび/または同様のものの任意の他の組み合わせなどの通信媒体を使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク2210は、回路交換された、パッケージ交換された、または部分的に回路交換および部分的にパッケージ交換されることが可能な電話ネットワークを含み得る。
【0093】
様々な実施形態において、適応処理および制御システム2201は、本明細書に記載の実施形態に適した情報および/またはデータを、処理、変換、エンコード、翻訳、送信、受信、検索、検出、生成、計算、編成、分類、認定、モデル化、保存、表示、提示、処理、または使用するように構成されたデバイスのセットを含み得る。適応処理および制御システム2201は、各々が1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを備える1つまたは複数のサーバを含むサーバシステムを含み得る。例えば、システム2201の1つまたは複数のサーバを使用して、ソフトウェアプログラムおよびデータを格納することができる。本明細書に記載のシステムおよび方法を実装するソフトウェアは、サーバの記憶媒体に格納され得る。したがって、ソフトウェアは、サーバ内の記憶媒体から実行され得る。例えば、1つまたは複数のサーバのメモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、本発明の実施形態に従って負荷分散サーバにその機能を実行させる命令を保持することができる。記憶装置は、システム2200の動作で収集および生成された記録、プロトコル、および他の情報を格納することもできる。本開示の目的上、用語「メモリ」は、多くの異なる種類のデータ記憶デバイスおよびそのようなデバイスの組み合わせ、例えば、動的メモリ、静的メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および磁気または光ディスクストレージまたはテープストレージなどの大容量記憶ストレージを包含する。様々な実施形態では、本明細書で説明されるシステムおよび方法を実装するソフトウェアは、本明細書で説明される他のデバイスの記憶媒体に格納されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、リソース制御システム2200は、本明細書で開示される様々な実施形態の機能を実装するための分散システムであり得る。リソース制御システム100は、
図22に示されている1つまたは複数のインタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205を含むか、そうでなければそれらとインタフェースすることができる。
図23は、本開示の特定の実施形態による、システム2201のアーキテクチャスタックの一部の図を示す。
図23のアーキテクチャスタックは、本明細書で説明される方法および技法の実装において用いられてもよい。インタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205のうちの少なくともいくつかは、1つまたは複数のネットワーク2210を介して、ウェブブラウザ、専用クライアントインタフェース、アプリケーションプログラミングインタフェース、および/または同様のものなどのクライアントアプリケーションを実行および操作するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のサーバを含むサーバシステムを含み得るシステム2201は、ネットワーク2210を介して、リモートインタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205と通信可能に結合され得る。
【0095】
様々な実施形態では、適応処理および制御システム2201は、システムのコンポーネントのうちの1つまたは複数によって提供される1つまたは複数のサービスまたはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合され得る。いくつかの実施形態では、これらのサービスは、ウェブベースまたはクラウドサービスとして、またはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)モデルの下で、リモートインタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205のユーザに提供され得る。リモートインタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205を操作するユーザは、次に、1つまたは複数のクライアントアプリケーションを利用して、適応処理および制御システム2201と対話し、これらのコンポーネントにより提供されるサービスを利用することができる。
【0096】
リソース制御システム2200のソフトウェアコンポーネントは、適応処理および制御システム2201上で、例えば、1つまたは複数のサーバ上で実装され得る。加えて、または代替として、リソース制御システム2200のコンポーネントのうちの1つまたは複数、および/またはこれらのコンポーネントによって提供されるサービスは、インタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205のうちの1つまたは複数によって実装され得る。次に、インタフェースデバイス2208-1、2202-1、2203-1、2204-1、および/または2205を操作するユーザは、1つまたは複数のクライアントアプリケーションを利用して、これらのコンポーネントによって提供されるサービスを使用することができる。これらのコンポーネントは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装され得る。リソース制御システム2200とは異なり得る様々な異なるシステム構成が可能であることを理解されたい。したがって、図に示された実施形態は、特定の実施形態を実装するための一例であり、限定することを意図するものではない。
【0097】
再び
図22を参照すると、インフラストラクチャ2201は、1つまたは複数の負荷分散サーバ、データ取得サーバ、アプリケーションサーバ、リソースデータ管理サーバ、および/または同様のものを含むことができ、それらのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の負荷分散プロセッサを含むことができる。サーバシステムは、リソースを生成、維持、供給、および/または別の方法で提供する1つまたは複数のサイトに対して、リモートおよび/またはローカルに配置され得る。サーバシステムは、例えば、リソースインタフェース2202を介して、情報を取得し、管理し、および/または1つまたは複数のサイトのサイトコンポーネントを制御し得る。例えば、リソース記述、リソース状態、リソース属性、および/または同様のものが、リソースインタフェース2202を介して1つまたは複数のサイトからプッシュおよび/またはプルされる。いくつかの実施形態は、サイトコンポーネントの情報、管理、および/または制御を提供する1つまたは複数のオンサイトゲートウェイを実装することを含み得る。
【0098】
様々な実施形態では、リソースインタフェース2202のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のデータソースとの通信を可能にすることができ、その1つまたは複数のインタフェース2202は、1つまたは複数のイベントモニタとして動作するように構成されている。サーバシステムは、1つまたは複数のデータソースからデータをアクティブに検索および/またはその他の方法で受信するために、1つまたは複数のイベントモニタに対応し、それを含み、またはそうでなければ利用し得る。1つまたは複数のデータソースは、本明細書でさらに開示される実施形態を容易にするための任意の適切なデータソースを含み得る。
【0099】
様々な実施形態では、1つまたは複数のデータソースからのデータは、ネットワーク2210(複数可)および/または任意の他の適切なデータ転送の手段を通じて1つまたは複数のイベントモニタを介して、適応処理および制御システム2201によって検索および/または受信され得る。いくつかの実施形態では、適応処理および制御システム2201およびデータソースは、直接通信のための任意の適切な手段を使用することができる。特定の実施形態によれば、データは、例えば、サードパーティのリポジトリにアクセスすることによって、および/または様々なリポジトリを「巡回(crawling)」することによって、1つまたは複数のデータソースからアクティブに収集および/またはプルされ得る。1つまたは複数のデータソースからプルおよび/またはプッシュされる特定のデータが変換され、変換されたデータおよび/または他のデータが本明細書に開示されるように生成され得る。
【0100】
様々な実施形態では、リソースインタフェース2202のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のゲートウェイ、および/またはデータソースとインタフェースするためのプロトコルおよびルーチンを定義するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を含み得る。APIは、データソースシステムとの間のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)呼び出しを指定できる。いくつかの実施形態は、1つまたは複数のウェブAPIを使用することができる。いくつかの実施形態では、APIは、データソースシステムのアプリケーションと統合するためのプラグインを含み得る。リソースインタフェース2202のうちの1つまたは複数は、いくつかの実施形態では、データソースの1つまたは複数の追加のアプリケーションとのインタフェースを可能にするように構成された複数のAPI変換プロファイルを使用して、データソースのデータ(例えば、データベースまたは他のデータストア)にアクセスできる。API変換プロファイルは、データソースシステムのプロトコルおよびルーチンを変換して、少なくとも一時的にシステムと統合し、API呼び出しによるシステムとの通信を可能にする。本明細書で参照されるデータは、未加工データ、非構造化データ、構造化データ、情報、および/または、メディアコンテンツと、テキストと、ドキュメントと、ファイルと、命令と、コードと、実行可能ファイルと、画像と、ビデオと、オーディオと、および/または本開示の実施形態に適した任意の他の適切なコンテンツとを含み得るコンテンツのうちの任意の1つまたは組み合わせに対応し得る。
【0101】
特定の実施形態によれば、適応処理および制御システム2201は、リソース管理プラットフォームを含むか、または提供することができる。管理デバイスは、通知を受信し、および/または1つまたは複数の要求インタフェース2208を介して適応処理および制御システム2201にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、リソースインタフェース2202は、リモートサイトのリソース制御システムとインタフェースすることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202は、例えば、リソース割り当ておよびスケジュールのリアルタイムの、およびスケジュールされた変更を可能にし得るウェブインタフェースを含むことができる。クライアントインタフェース2205および/またはリソースデータインタフェース2202は、本明細書で開示される特定の実施形態に従って、情報の転送および情報へのアクセスを可能にすることができる。様々な実施形態において、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202は、ユーザとリソース管理プラットフォームとの間のインタフェースとして機能するように動作可能な1つまたは複数の適切な入力/出力モジュール、および/または他のシステム/デバイスを含み得る。要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)は、任意の適切な送信/通信プロトコルおよび/または規格を使用して、ネットワーク2210を介した通信を容易にすることができる。
【0103】
様々な実施形態では、システム2201は、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)を含み、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)を提供し、および/または、例えば、ウェブサイト、ウェブページ、ウェブポータル、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、エンタープライズソフトウェア、および/または任意の適切なアプリケーションソフトウェアのうちの1つまたは複数を利用可能にすること、および/またはそれらと通信することによって、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)と共に動作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)は、対話システム2201と対話するためのAPIを含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)は、本明細書で論じられるモバイルアプリケーションなど、1つまたは複数のインタフェースで利用可能にされたアプリケーションを含むか、またはそれと連携することができる。いくつかの実施形態では、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース2202(複数可)は、ウェブページをブラウザに表示させることができる。ウェブページ(複数可)は、出力を表示し、(例えば、ウェブベースのフォームを使用することにより、ハイパーリンク、電子ボタン等を介して)ユーザからの入力を受信することができる。JavaScript(登録商標)、Java(登録商標)アプリケーションまたはアプレット、JSON、動的HTMLおよび/またはAJAXテクノロジーなどのさまざまな技術を使用して、Webページを作成、および/または情報を表示/受信することができる。したがって、適応処理および制御システム2201は、管理ポータルなどの、そのような情報へのアクセスを提供するウェブサイト(複数可)/ポータル(複数可)を有することができる。様々な実施形態では、要求インタフェース2208および/またはリソースインタフェース102(複数可)は、各々が1つまたは複数のユーザインタフェース要素を含むことができる1つまたは複数の表示画面画像を提供することを含み得る。ユーザインタフェースは、ユーザに情報を提供するため、および/またはユーザ入力を受信するために表示画面上に表示され得る任意のテキスト、画像、および/またはデバイスを含み得る。ユーザインタフェースは、1つまたは複数のウィジェット、ウィンドウ、ダッシュボード、テキスト、テキストボックス、テキストフィールド、テーブル、グリッド、チャート、ハイパーリンク、ボタン、リスト、コンボボックス、チェックボックス、ラジオボタン、および/または同様のものを含み得る。
【0105】
再び
図23を参照すると、描かれた部分は、少なくとも部分的に、アプリケーション/デバイス層、ならびにシステム2201の負荷分散アプリケーションサービスシステム2341および負荷分散データ管理システム2366を含む。いくつかの実施形態では、負荷分散アプリケーションサービスシステム2341は、少なくとも部分的に、インタフェース層および負荷分散アプリケーションサービス管理層に対応し得る。いくつかの実施形態では、データ記憶システムは、少なくとも部分的に、負荷分散データ記憶層に対応し得る。
【0106】
負荷分散アプリケーションサービスシステム2341は、アプリケーション/デバイス層2210および負荷分散データ記憶システム2366とインタフェースすることができる。いくつかの実施形態では、負荷分散アプリケーションサービスシステム2341は、アプリケーション/デバイス層2210の少なくとも一部を含み得る。負荷分散アプリケーションサービスシステム2341は、いくつかの実施形態では、対話システム2201の中間層であり得、いくつかの実施形態では、負荷分散データ記憶システム2366は、バックエンドに対応する。
【0107】
いくつかの実施形態では、負荷分散アプリケーションサービスシステム2341および負荷分散データ記憶システム2366は、それぞれ、1つまたは複数のサーバを含む負荷分散サーバシステム2345およびリソースデータ管理サーバシステム2367であるか、またはそれらを含み得る。他の実施形態は、単一のサーバシステムのみを含み得る。いくつかの実施形態では、負荷分散アプリケーションサービスシステム2341および負荷分散データ記憶システム2366は統合され得る。様々な実施形態では、サーバシステム2345、2367は、1つまたは複数のコンピュータ、専用サーバコンピュータ(例として、負荷分散サーバ、負荷制御サーバ、他のサイト制御サーバ、データ取得サーバ、アプリケーションサーバ、データ管理サーバ、PC(パーソナルコンピュータ)サーバ、UNIX(登録商標)サーバ、ミッドレンジサーバ、メインフレームコンピュータ、ラックマウントサーバなど)、サーバファーム、サーバクラスター、または任意の他の適切な構成および/または組み合わせを含み得る。様々な実施形態では、サーバシステム2345、2367は、本明細書で説明される1つまたは複数のサービス、動作、処理、またはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合され得る。サーバシステム2345、2367は、例えば、サーバ2312に関して上で開示された例を含む、様々な追加のサーバアプリケーションおよび/または中間層アプリケーションのうちの任意のものを実行してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、サーバシステム2345、2367は、様々なデータソースから受信されたデータフィードおよび/またはイベント更新をプル、受信、分析、集約、および/または統合するための1つまたは複数のアプリケーションを含み得る。一例として、データフィードおよび/またはイベント更新は、アプリケーション2206、2208、2312、および/または2312-1の更新および/またはデータフィード、インタフェース/デバイス更新および/または、センサシステムおよび/またはそのコンポーネントに関連するリアルタイムのイベントおよび/またはデータフィード、1つまたは複数のサードパーティの情報ソースから受信された更新(リアルタイムおよび/またはその他)、および/または連続データストリームおよび/または同様のものを含み得る、示されたフィードバック通信に対応するデータフィードを含んでよいが、これらに限定されない。サーバシステム2345は、対話システム2201の内部のインタフェース/デバイスおよび/またはデバイスを介してデータフィードおよび/またはリアルタイムイベントを表示するための1つまたは複数のアプリケーションも含み得る。
【0109】
アプリケーションサービスシステム2341および/またはデータ管理システム2366は、1つまたは複数のリソースデータ記憶装置2368も含み得る。リソースデータ記憶装置2368は、ソリッドステートストレージ、ディスクストレージ、データベース(リレーショナル、カラム、ドキュメント、キーバリューおよびグラフタイプのデータベースを含む)およびキャッシュを含む、様々な形態のデータストレージを含み得る。リソースデータ記憶装置2368は、サーバシステム2345、2367に対してローカル(および/またはサーバシステム2345、2367に常駐)、および/またはサーバシステム2345、2367からリモートであり、ネットワークベースまたは専用の接続を介したサーバシステム2345、2367と通信する非一時的な記憶媒体など、さまざまな場所に存在し得る。特定の実施形態では、リソースデータ記憶装置2368は、ストレージエリアネットワーク(SAN)に常駐することができる。同様に、サーバシステム2345、2367に帰属される機能を実行するために必要なファイルは、サーバシステム2345、2367上にローカルに、および/またはリモートに適宜格納され得る。一組の実施形態では、リソースデータ記憶装置2368は、SQLフォーマットのコマンドに応答してデータを格納、更新、および検索するように適合されたリレーショナルデータベースを含み得る。リポジトリに対応する情報は、選択された実装形態に応じて、他の場所および/または他の方法で格納されてもよいし、格納されなくてもよいことを理解されたい。同様に、リポジトリに対応するデータのさまざまな分離が本明細書で提供されているが、そのような例は非限定的であり、一部またはすべてのデータは、任意の適切な方法で処理され得ることを理解されたい。
【0110】
特定の実施形態では、適応システム2201は、複数のサーバおよびクラウドで実装される処理、メモリ、およびデータリソースを有する分散コンピューティングおよび/またはクラウドコンピューティング環境で、またはそれとともに実装され得る。このように、サービス情報の付加により、システムは、追加の処理リソース、サーバリソース、データ記憶リソース、データ管理リソースなどを使用してスケールアウトすることができる。いくつかの実施形態は、異なるタイプのサーバを使用して、異なるタイプのインタフェースデバイスにサービスを提供し得る。適応システム2201は、適応システム2201の1つまたは複数のコンポーネントによって促進されるサービスを提供することができ、いくつかの実施形態では、サービスのうちの1つまたは複数が、クラウドサービスとして提供され得る。適応システム2201によって提供されるサービスの特定のインスタンス化は、本明細書ではサービスインスタンスと呼ばれ得る。いくつかの例では、適応システム2201によって提供されるサービスは、リソース割り当て、割り当ての無効化、変更、再割り当てなどのリソース割り当てを生じさせるための通信など、本明細書に開示される通信のうちの任意の1つまたは組み合わせに対応することができる制御通信2201を含み得る。
【0111】
図示された実施形態では、1つまたは複数のインタフェースデバイスが、適応システム2201と対話するためにユーザによって使用され得る。限られた数のインタフェースデバイスのみが示されているが、任意の数のインタフェースデバイスがサポートされ得る。様々な実施形態では、インタフェースデバイスは、要求インタフェース2205および/またはリソースインタフェース2202に対応し得る。様々な実施形態では、インタフェースデバイスは、本明細書でさらに開示されるように、サイトコンポーネントコントローラおよび/またはサイトコンポーネントを含み得る。
【0112】
第1の実施形態によれば、薬剤を調合するためのシステムは、複数の調合デバイスを備え、複数の調合デバイスの各々は、調合支援デバイス、ロボット調合器、および危険薬物ロボット調合器からなる調合デバイスのグループから選択され、複数の調合デバイスの各々はコンピュータ化されている。システムは、中央サーバコンピュータをさらに備え、複数の調合デバイスの各々は、電子ネットワークを介して中央サーバコンピュータと双方向通信している。中央サーバコンピュータおよび複数の調合デバイスは、協調的に、中央サーバコンピュータにおいて、少なくともそのうちのいくつかが1つまたは複数の薬剤の調合を必要とする複数の要求を受信し、中央サーバコンピュータによって、電子ネットワークを介して複数の調合デバイスへのそれぞれの調合タスクの割り当てをプッシュし、調合デバイスを使用して、それぞれの指示された調合オペレーションを実行またはガイドするように構成されている。中央サーバコンピュータは、調合リソースの効率的な使用を促進し、無駄を回避するように設計されたルールのセットに従って、複数の調合デバイスにそれぞれの調合タスクを割り当てるように構成されている。
【0113】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態における複数の調合デバイスは、単一の薬局内に存在する。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態における複数の調合デバイスは、単一の施設内の複数の薬局間で分散されている。
【0114】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態における複数の調合デバイスは、複数の施設間で分散されている。
第5の実施形態によれば、上記の実施形態のうちのいずれかにおける中央サーバコンピュータは、複数の調合デバイスの物理的位置を考慮するルールに従って、複数の調合デバイスにそれぞれの調合タスクを割り当てるように構成されている。
【0115】
第6の実施形態によれば、上記の実施形態のうちのいずれかにおけるルールのセットは、設定可能である。
第7の実施形態によれば、上記の実施形態のうちのいずれかにおけるルールのセットは、無駄を回避するように要求を並べ替えるか、またはグループ化するための1つまたは複数のルールを含む。
【0116】
第8の実施形態によれば、上記の実施形態のうちのいずれかにおける中央サーバコンピュータは、複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つにバッチ調合タスクのそれぞれの部分を割り当てるように構成されており、複数の調合デバイスのうちの少なくとも2つの各々に割り当てられたバッチ調合タスクのそれぞれの部分は、少なくとも2つの調合デバイスに割り当てられたバッチ調合タスクの部分が同時に完了することが見込まれるように、少なくとも2つの調合デバイスの性能記録に少なくとも部分的に基づいて選択されている。
【0117】
第9の実施形態によれば、調合タスクは、上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、特定の医薬品の使用期限日または時間に少なくとも部分的に基づいて割り当てられている。
【0118】
第10の実施形態によれば、上記の実施形態のうちのいずれかにおける調合タスクは、特定の調合タスクが実行されるべき時刻、曜日、または月の日付のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて割り当てられている。
【0119】
第11の実施形態によれば、少なくとも1つのバッチ調合タスクは、上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、調合デバイスがさもなければアイドル状態である場合に、調合された製剤のバッチを準備するために当該調合デバイスを利用する方法で割り当てられている。
【0120】
第12の実施形態によれば、調合タスクは、上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、少なくとも部分的に患者のデモグラフィックに基づいて割り当てられている。
第13の実施形態によれば、同じ医薬品を含む少なくともいくつかの調合タスクは、上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、グループ化され、単一の調合デバイス上で実行されるように割り当てられている。
【0121】
第14の実施形態によれば、中央サーバコンピュータは、上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、複数の調合デバイスの各々の性能の記録を維持するように構成されており、調合タスクは、少なくとも部分的に記録に基づいて調合デバイスに割り当てられている。
【0122】
第15の実施形態によれば、調合システムにおける負荷分散の方法は、中央サーバコンピュータにおいて、複数の要求を受信することを含み、少なくともその複数の要求のうちのいくつかが1つまたは複数の薬剤の調合を必要とする。この方法は、複数の調合デバイスの利用可能性および性能を監視することをさらに含み、複数の調合デバイスの各々は、調合支援デバイス、ロボット調合器、および危険薬物ロボット調合器からなる調合デバイスのグループから選択され、複数の調合デバイスの各々はコンピュータ化されている。この方法は、調合を必要とする要求の各々について、薬剤の調合のタスクを割り当てる複数の調合デバイスのうちの1つを選択することをさらに含み、選択は、調合リソースの効率的な使用を促進し、無駄を回避するように設計されたルールのセットに従って実行されており、方法は、薬剤を調合するタスクを割り当てる電子メッセージを選択された調合デバイスに送信すること、選択された調合デバイスを使用して、割り当てられた調合タスクを実行またはガイドすることをさらに含む。
【0123】
第16の実施形態によれば、第15の実施形態における複数の調合デバイスは、すべて単一の施設に存在する。
第17の実施形態によれば、第15の実施形態における複数の調合デバイスは、複数の施設間で分散されている。
【0124】
第18の実施形態によれば、第15~17の実施形態のいずれかにおける要求のうちの少なくとも特定の1つについて、選択された調合デバイスは、ロボット調合器であり、方法は、割り当てられた調合タスクを、ロボット調合器を使用して実行することを含む。
【0125】
第19の実施形態によれば、第15~18の実施形態のいずれかの方法は、1つまたは複数の場所での薬剤の在庫レベルを追跡することをさらに含み、特定のタスクを割り当てる前記複数の調合デバイスのうちの1つを選択することは、在庫レベルに少なくとも部分的に基づいて調合デバイスを選択することを含む。
【0126】
添付の特許請求の範囲において、用語「a」または「an」(英語で単数を意味する冠詞)は、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。「備える(comprise)」という用語、ならびに「備えている(comprising)」などのその変形は、ステップまたは要素の記載に続く場合、さらなるステップまたは要素の追加は任意であり、除外されないことを意味することが意図されている。本明細書に開示された要素および特徴の任意の実現可能な組み合わせも開示されたものとみなされることを理解されたい。
【0127】
本発明は、明確化および理解を目的として詳細に説明された。しかしながら、当業者は、ある特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲内で実施され得ることを理解するであろう。