特許 7138183 洗濯機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-09-07

(45)【発行日】2022-09-15

(54)【発明の名称】洗濯機

(51)【国際特許分類】

   D06F 37/12 20060101AFI20220908BHJP

【ＦＩ】

D06F37/12 H

【請求項の数】 8

(21)【出願番号】P 2020544782

(86)(22)【出願日】2019-02-15

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2021-10-14

(86)【国際出願番号】 CN2019075167

(87)【国際公開番号】W WO2019165898

(87)【国際公開日】2019-09-06

【審査請求日】2021-02-10

(31)【優先権主張番号】201810161827.9

(32)【優先日】2018-02-27

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(73)【特許権者】

【識別番号】512128645

【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司

【氏名又は名称原語表記】ＱＩＮＧＤＡＯ ＨＡＩＥＲ ＷＡＳＨＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ ＣＯ．，ＬＴＤ．

(73)【特許権者】

【識別番号】518357782

【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司

(73)【特許権者】

【識別番号】520148792

【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司

【氏名又は名称原語表記】ＨＡＩＥＲ ＳＭＡＲＴ ＨＯＭＥ ＣＯ．， ＬＴＤ．

【住所又は居所原語表記】Ｎｏ．１ Ｈａｉｅｒ Ｒｏａｄ， Ｌａｏｓｈａｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ Ｑｉｎｇｄａｏ， Ｓｈａｎｄｏｎｇ ２６６１０１ Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】100091683

【弁理士】

【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄

(74)【代理人】

【識別番号】100179316

【弁理士】

【氏名又は名称】市川 寛奈

(72)【発明者】

【氏名】▲ハォ▼興慧

(72)【発明者】

【氏名】呉迪

(72)【発明者】

【氏名】労春峰

【審査官】村山 達也

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１３－１４１５０８（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１３／００３６７７６（ＵＳ，Ａ１）

【文献】中国特許出願公開第１０５７１４５１４（ＣＮ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１４／００３３７７２（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｄ０６Ｆ ３７／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ハウジング（１２）、
前記ハウジング（１２）内に設けられた洗浄槽（１）と、
前記ハウジング（１２）内に設けられた水受装置（６）と、
前記水受装置（６）に設けられた、洗浄水を排出するための排水経路（７）と、
前記洗浄槽（１）の槽壁に設置された導水室構造であり、前記洗浄水を前記水受装置（６）まで導出するよう配置される導水構造（２）と、
前記洗浄槽（１）の槽壁に設けられて、前記導水構造（２）と連通するよう配置される脱水口（３）を含み、
前記導水構造（２）は、前記洗浄槽（１）の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部（４）、及び、前記第１導水部（４）の吐水端と連通する第２導水部（５）を含み、
前記導水構造（２）は、前記洗浄槽（１）と共に回転し、前記洗浄水を前記洗浄槽（１）の下部まで案内するように構成されており、
前記水受装置（６）は、上部に開口を有する凹室構造をなしており、前記洗浄槽（１）より下方に位置するとともに、前記洗浄槽（１）と同軸線に設けられており、
前記水受装置（６）の底壁には、下方に窪んだ集水槽（８）が設けられており、
前記集水槽（８）は、前記水受装置（６）の底壁の周方向に沿って環状に設けられ、
前記集水槽（８）の上縁は前記第２導水部（５）の吐水端が位置する高さよりも高くなっている、ことを特徴とする洗濯機。

【請求項2】

前記洗浄槽（１）は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置され、
洗浄槽（１）の槽壁のうち脱水口（３）以外の部分は封止状に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【請求項3】

前記導水構造（２）は前記洗浄槽（１）の外壁に嵌め込まれていることを特徴とする請求項２に記載の洗濯機。

【請求項4】

前記導水構造（２）は独立した構造であり、前記導水構造（２）内に導水経路が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【請求項5】

前記導水構造（２）と前記洗浄槽の前記外壁が組み合わされることで導水経路が形成されることを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【請求項6】

前記第１導水部（４）の外壁は、前記洗浄槽（１）の上部から底部に向かって、前記洗浄槽（１）の軸線からの距離が次第に変化する傾向にあることを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【請求項7】

前記第２導水部（５）の外壁は、洗浄槽（１）の上部から底部に向かって、洗浄槽（１）の軸線からの距離が次第に変化する傾向にあることを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【請求項8】

前記集水槽（８）の上縁は、洗浄槽（１）の下から半分の高さを超えないことを特徴とする請求項１に記載の洗濯機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は家電製品の分野に属し、具体的には、洗濯機の洗浄槽及びその洗濯機に関する。

【背景技術】

【0002】

洗濯機は、電気を利用して衣類を洗浄する装置として設計される。一般的に、洗濯機は、洗浄水を蓄える槽と、回転可能に槽の内部に装着される回転槽と、回転可能に回転槽の底部に装着されるパルセータと、回転槽とパルセータを回転させるよう構成されるモータ及びクラッチを含む。衣類及び洗剤が回転槽に投入された状態で回転槽とパルセータが回転すると、回転槽に投入された衣類とともにパルセータが洗浄水を攪動することで、衣類から汚れが除去される。洗濯機の洗浄容量を増大させるためには、より大きな回転槽が必要となる。即ち、回転槽の高さ又は直径を拡大する必要がある。また、回転槽がより大きなサイズを有する場合には、回転槽を収容する槽及び槽を収容するハウジングもまた回転槽の拡大に伴って拡大する必要がある。且つ、従来のパルセータ洗濯機の場合には、洗浄過程において内槽と外槽が連通状態となるため、内槽と外槽のいずれにも水が存在する。しかし、実際に洗濯に使用されるのは内槽内の水のみであるため、水が無駄になってしまう。更に、長期間使用しているうちに、内槽と外槽の間に汚れが蓄積し、細菌が繁殖するため、内槽と外槽の間で水を交換する過程で衣類が二次汚染されてしまう。そこで、洗浄槽内の洗浄水を速やかに排出し、洗濯機の内部空間の汚染を回避することが早急に解決を要する課題となっている。

【0003】

特許文献１は、ハウジングと、ハウジング内に設置される貯水槽と、前記貯水槽内に設置されるとともに洗浄槽を含む洗浄槽アセンブリと、前記洗浄槽の上端に装着されるバランスリング、を含み、前記洗浄槽の周壁における前記バランスリング寄りの箇所に、洗浄槽内の水を排出するための脱水孔が設けられる洗濯機を開示している。

【0004】

また、特許文献２は、制御ベース、筐体、孔無し洗浄内槽、パルセータ、貯水槽、駆動系及び制御系を含む孔無し内槽節水型洗濯機を開示している。前記筐体には制御ベースが装着されており、制御ベースに制御系が装着されている。また、筐体内には貯水槽が懸架されている。貯水槽内には孔無し洗浄内槽が装着されており、孔無し洗浄内槽内にパルセータが装着されている。また、駆動系は孔無し洗浄内槽とパルセータに接続されている。前記孔無し洗浄内槽は、槽体に吐水孔が設けられておらず、上部に吐水孔が設けられている。また、底部に遠心式の排水構造が設けられている。

【0005】

そのため、従来技術の瑕疵及び欠陥を改良し、洗浄槽の上部に脱水口を設けるとともに、導水構造によって水を下方に案内して排出し、且つ、洗浄槽の容積を極めて大幅に増大しつつ、内部空間のクリーニング度合を保証する洗濯機の洗浄槽を提供することが求められている。

【0006】

以上に鑑みて、本発明を提案する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【文献】中国特許出願第２０１５２０５２８６７１．５号明細書

【文献】中国特許出願第２０１１２０２００８５８．４号明細書

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、上記の課題を解決可能であるか、上記の課題のうち少なくとも一部を解決可能な洗濯機の洗浄槽及びその洗濯機を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。

【0010】

洗濯機の洗浄槽は、洗浄槽の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽の下部まで導出するよう配置される導水構造と、洗浄槽の槽壁に設けられて、導水構造と連通するよう配置される脱水口を含む。

【0011】

前記洗浄槽は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽の槽壁のうち脱水口以外の部分は封止状に設けられている。

【0012】

また、前記導水構造は洗浄槽の外壁に嵌め込まれており、好ましくは、導水構造と洗浄槽の外壁は平滑に移行する曲面を形成する。洗浄槽が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄及び脱水効率が向上する。

【0013】

前記導水構造（２）は独立した構造であり、導水構造（２）内に導水経路が設けられている。或いは、前記導水構造（２）と洗浄槽の内周壁が組み合わされることで導水経路が形成される。

【0014】

且つ、前記導水構造は、洗浄槽の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部を更に含む。

【0015】

一実施例において、前記第１導水部の外壁は、洗浄槽の上部から底部に向かって、洗浄槽の軸線からの距離が次第に変化する傾向にあり、好ましくは、洗浄槽の軸線からの距離が次第に増大するよう変化する傾向を示す。

【0016】

また、第１導水部の吐水端と連通する第２導水部を更に含む。第２導水部は、洗浄水を洗浄槽の下部まで案内する。

【0017】

一実施例において、前記第２導水部の外壁は、洗浄槽の上部から底部に向かって、洗浄槽の軸線からの距離が次第に変化する傾向にあり、好ましくは、洗浄槽の軸線からの距離が次第に縮小するよう変化する傾向を示す。

【0018】

本発明は、更に、上記の洗浄槽を備える洗濯機を提供する。当該洗濯機はハウジングを含む。ハウジング内には、導水構造により案内されて排出された洗浄水を収集するための水受装置が更に設けられている。好ましくは、水受装置は洗浄槽の外側における下寄りの位置に設けられており、水受装置には、洗浄水を排出するための排水経路が設けられている。更に好ましくは、水受装置は、上部に開口を有する凹室構造をなしており、底壁が洗浄槽の下方に設けられている。より好ましくは、水受装置の上部の開口は、洗浄槽の脱水口よりも低くなるよう設けられる。いっそう好ましくは、水受装置は洗浄槽の下方に位置するとともに、洗浄槽と同軸線に設けられる。

【0019】

また、更に、前記水受装置の底壁には、下方に窪んだ集水槽が設けられている。集水槽は、水受装置の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0020】

また、更に、前記導水構造の第２導水部は、洗浄槽内の洗浄水を集水槽内に案内する。一実施例において、前記集水槽の上縁は第２導水部の吐水端が位置する高さよりも高くなっている。一実施例において、前記集水槽の上縁は、洗浄槽の下から半分の高さを超えない。

【発明の効果】

【0021】

上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。

【0022】

１．本発明では、洗浄槽の脱水口を洗浄槽の槽壁に配置するとともに、導水構造と脱水口を連通させている。これにより、洗浄槽の脱水時における水流の勢いを効果的に利用することで、機能を保証しつつ、エネルギー消費を低下させている。

【0023】

２．ハウジングの容積を変化させないか、わずかに変化させた状態で、洗浄槽の容量を増大させることで洗濯機の容量増大効果を実現している。

【0024】

３．洗浄過程において、水は洗浄槽内にのみ存在する。これにより、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と洗浄槽の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避されるため、いっそう良好な洗浄効果を有する。

【0025】

４．外槽を省略し、洗浄槽を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が溜まることがないため、洗浄用水量が減少し、洗浄用水量の節約となる。

【0026】

５．水受装置の集水室の底壁には、水流を排水口まで案内する導水構造が設置されているため、いっそう良好な導水及び排水がなされる。これにより、水受装置における集水及び排水が確実に保証され、溜水の溢流が防止される。

【0027】

６．複数の部分からなる導水構造は、洗浄槽の高速回転時における水流の勢いを利用することで、排水過程における水流の逆流を回避するとともに、排出過程における水流の集中的な排出を保証する。

【0028】

７．独立した空間における導水構造によって洗浄槽の使用寿命が延長されるほか、メンテナンスや交換も容易となる。

【0029】

以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。

【0030】

図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【0031】

【図1】図１は、本発明における洗濯機の洗浄槽の構造を示す第１の図である。

【図2】図２は、本発明における洗浄槽の脱水口の第１の拡大図である。

【図3】図３は、本発明における導水構造の第１の断面図である。

【図4】図４は、本発明における洗濯機の洗浄槽の構造を示す第２の図である。

【図5】図５は、本発明における洗浄槽の脱水口の第２の拡大図である。

【図6】図６は、本発明における導水構造の第２の断面図である。

【図7】図７は、本発明における洗濯機の密封構造を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0032】

説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。

【0033】

本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。

【0034】

本発明の記載において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。

【0035】

本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。

【0036】

図１～図７に示すように、本発明の洗濯機は、洗濯機に設けられるハウジング１２と、ハウジング１２の内部に設置される洗浄槽１を含む。洗浄槽１の槽壁には、洗浄水を洗浄槽１の下部に導出するよう配置される導水構造２が設けられている。また、洗浄槽１の槽壁には、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３が導水構造２に対応して設けられている。本発明では、導水構造２を洗浄槽１の外壁に嵌め込むことで、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄及び脱水効率が向上する。

【0037】

本発明で記載する洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。簡単に言うと、本発明では、洗浄槽１のうち脱水口３よりも下の部分を封止構造とするとともに、洗浄槽１の外部に設置される外槽を省略している。また、外槽を省略したうえで、洗浄槽１の容積を大幅に増大させることで、ハウジング１２を変更しないか、それほど変更することなく、洗浄槽１の１回あたりの洗浄容量を増大させている。

【0038】

図１及び図４に示すように、本発明で記載する洗濯機の洗浄槽１の導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４と、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含んでいる。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。複数の部分からなる導水構造２は、洗浄槽１の高速回転時における水流の勢いを利用することで、排水過程における水流の逆流を回避するとともに、排出過程における水流の集中的な排出を保証する。

【0039】

更に、図１及び図４に示すように、本発明で記載する洗濯機では、ハウジング１２内に、導水構造２により案内されて排出された洗浄水を収集するための水受装置６が更に設けられている。水受装置６は洗浄槽１の外側における下寄りの位置に設けられている。水受装置６には、洗浄水を排出するための排水経路７が設けられている。洗浄槽１の内部の洗浄水は、水受装置６に排出されたあと、排水経路７から排出される。また、排水経路７に対応して、水受装置６の底部には排水口が設けられている。

【0040】

更に好ましくは、水受装置６は、上部に開口を有する凹室構造をなしており、底壁が洗浄槽１の下方に設けられている。また、周壁が上方に延伸しており、少なくとも導水構造２の排水位置の高さよりも高く、洗浄槽１の脱水口３の高さよりも低くなっている。

【0041】

また、更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0042】

且つ、洗濯機の洗浄作業時に洗濯機の正常な動作を保証するために、洗浄槽１の底部の外側における水受装置６にはロック構造１０が設けられている。洗浄時には、ロック構造１０が飛び出して洗浄槽１の底部におけるフランジに位置決め及び結合されることで、洗浄槽１のロックが実現される。また、洗浄過程において洗濯機の洗浄水の流失を回避するために、洗浄槽１の槽底の排水口に対応してバルブプラグ１３が設けられている。洗濯機の洗浄作業時には、バルブプラグ１３が洗浄槽１の底部における排水孔と係合することで排水孔を閉塞し、洗浄槽１内の洗浄水の溢出を防止する。

【0043】

図７に示すように、本発明の前記洗濯機は、洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３を含む。前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。また、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。また、更に、洗浄槽１の槽壁と導水構造２の間に設置されて、洗浄槽１の槽壁と導水構造２との隙間からの洗浄水の飛散を防止するよう配置される密封構造９が設けられている。

【0044】

本発明の具体的実施例について以下に述べる。

【実施例1】

【0045】

図１～図７に示すように、本発明の洗濯機の洗浄槽は、洗濯機に設けられるハウジング１２と、ハウジング１２の内部に設置される洗浄槽１を含む。洗浄槽１の槽壁には、洗浄水を洗浄槽１の下部に導出するよう配置される導水構造２が設けられている。また、洗浄槽１の槽壁には、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３が導水構造２に対応して設けられている。本発明では、導水構造２を洗浄槽１の外壁に嵌め込むことで、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄及び脱水効率が向上する。

【0046】

本発明で記載する洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。簡単に言うと、本発明では、洗浄槽１のうち脱水口３よりも下の部分を封止構造とするとともに、洗浄槽１の外部に設置される外槽を省略している。また、外槽を省略したうえで、洗浄槽１の容積を大幅に増大させることで、ハウジング１２を変更しないか、それほど変更することなく、洗浄槽１の１回あたりの洗浄容量を増大させている。

【0047】

更に、図１に示すように、本発明で記載する洗濯機では、洗浄槽１の底部の外側に、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６は槽体構造をなしており、下から上に向かって洗浄槽１の下部に覆設されている。また、導水構造２の下端は水受装置６内に位置している。洗浄槽１の内部の洗浄水は、水受装置６に排出されたあと、容量が一定のレベルに達すると排水経路７から排出されるか、直接排出される。

【0048】

また、更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0049】

且つ、洗濯機の洗浄作業時に洗濯機の正常な動作を保証するために、洗浄槽１の底部の外側における水受装置６にはロック構造１０が設けられている。洗浄時には、ロック構造１０が飛び出して洗浄槽１の底部におけるフランジに位置決め及び結合されることで、洗浄槽１のロックが実現される。また、洗浄過程において洗濯機の洗浄水の流失を回避するために、洗浄槽１の槽底の排水口に対応してバルブプラグ１３が設けられている。洗濯機の洗浄作業時には、バルブプラグ１３が洗浄槽１の底部における排水孔と係合することで排水孔を閉塞し、洗浄槽１内の洗浄水の溢出を防止する。

【0050】

また、本発明は更に、洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３を含む。前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。また、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。また、更に、洗浄槽１の槽壁と導水構造２の間に設置されて、洗浄槽１の槽壁と導水構造２との隙間からの洗浄水の飛散を防止するよう配置される密封構造９が設けられている。

【0051】

本発明では、洗浄槽１の脱水口３を洗浄槽１の槽壁に配置するとともに、導水構造２と脱水口３を連通させている。これにより、洗浄槽１の脱水時における水流の勢いを効果的に利用することで、機能を保証しつつ、エネルギー消費を低下させている。また、ハウジング１２の容積を変化させないか、わずかに変化させた状態で、洗浄槽１の容量を増大させることで洗濯機の容量増大効果を実現している。また、洗浄過程において、水は洗浄槽１内にのみ存在する。これにより、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と洗浄槽１の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避されるため、いっそう良好な洗浄効果を有する。また、外槽を省略し、洗浄槽１を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が溜まることがないため、洗浄用水量が減少し、洗浄用水量の節約となる。

【実施例2】

【0052】

図１～図３に示すように、本実施例では上記実施例１を更に限定する。本発明で記載する洗濯機の洗浄槽は、洗浄槽１の槽壁の独立した導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３を含む。

【0053】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。また、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。且つ、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を更に含む。

【0054】

更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【0055】

また、更に、本発明で記載する洗濯機では、洗浄槽１の下部に、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６は、洗浄槽の下方に位置する水受部と、洗浄槽の外周を取り囲む止水部を含む（図示しない）。止水部の高さは、洗浄槽の槽底の高さを超えないよう設ければよい。また、導水構造２の下端は水受装置６内まで延伸している。

【0056】

また、更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0057】

本発明の上記実施例では、洗浄槽１の底部の外側に水受装置６が設けられている。また、前記水受装置６の集水室の底壁には、水流を排水口まで案内する導水構造２が設置されているため、いっそう良好な導水及び排水がなされる。これにより、水受装置６における集水及び排水が確実に保証され、溜水の溢流が防止される。また、複数の部分からなる導水構造２は、洗浄槽１の高速回転時における水流の勢いを利用することで、排水過程における水流の逆流を回避するとともに、排出過程における水流の集中的な排出を保証する。また、独立した空間における導水構造２によって洗浄槽１の使用寿命が延長されるほか、メンテナンスや交換も容易となる。

【実施例3】

【0058】

図４～図６に示すように、本実施例では上記実施例１を更に限定する。本発明で記載する洗濯機の洗浄槽は、洗浄槽１の槽壁に設置され、洗浄槽１の槽壁と組み合わされることで導水室構造を形成するとともに、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３を含む。

【0059】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。また、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。且つ、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を更に含む。

【0060】

更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【0061】

本発明で記載する洗濯機では、ハウジング１２内に、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６は洗浄槽１の外側における下寄りの位置に設けられている。また、水受装置６の上部の開口は洗浄槽１の脱水口３よりも低くなるよう設けられる。水受装置６には、導水構造２によって導出された洗浄水を排出するための排水経路７が設けられている。

【0062】

また、更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0063】

本発明の上記実施例では、洗浄槽１の底部の外側に水受装置６が設けられている。また、前記水受装置６の集水室の底壁には、水流を排水口まで案内する導水構造２が設置されているため、いっそう良好な導水及び排水がなされる。これにより、水受装置６における集水及び排水が確実に保証され、溜水の溢流が防止される。また、複数の部分からなる導水構造２は、洗浄槽１の高速回転時における水流の勢いを利用することで、排水過程における水流の逆流を回避するとともに、排出過程における水流の集中的な排出を保証する。また、導水構造２の第１導水部４と洗浄槽１の槽壁を結合して導水室を形成することで、脱水作業の過程で、槽内の洗浄水が導水構造２と洗浄槽１の槽壁との隙間から飛散するとの事態が効果的に減少する。

【実施例4】

【0064】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例３のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３と、洗浄槽１の槽壁と導水構造２の間に設置されて、洗浄槽１の槽壁と導水構造２との隙間からの洗浄水の飛散を防止するよう配置される密封構造９を含む。

【0065】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0066】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。

【0067】

更に、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を含む。

【0068】

また、更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【0069】

且つ、洗浄槽１の下部の外側には、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６は、底壁が洗浄槽１の下方に設けられ、周壁が洗浄槽の槽底よりも高くなっている。且つ、上部の開口は洗浄槽１の脱水口３よりも低くなるよう設けられている。水受装置６には、導水構造２によって導出された洗浄水を排出するための排水経路７が設けられている。

【0070】

更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0071】

また、更に、前記導水構造２の第２導水部５は、洗浄槽１内の洗浄水を集水槽８内に案内する。

【0072】

本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽１の脱水口３を洗浄槽１の槽壁に配置するとともに、導水構造２と脱水口３を連通させている。これにより、洗浄槽１の脱水時における水流の勢いを効果的に利用することで、機能を保証しつつ、エネルギー消費を低下させている。また、ハウジング１２の容積を変化させないか、わずかに変化させた状態で、洗浄槽１の容量を増大させることで洗濯機の容量増大効果を実現している。また、洗浄過程において、水は洗浄槽１内にのみ存在する。これにより、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と洗浄槽１の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避されるため、いっそう良好な洗浄効果を有する。また、外槽を省略し、洗浄槽１を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が溜まることがないため、洗浄用水量が減少し、洗浄用水量の節約となる。また、水受装置６の集水室の底壁には、水流を排水口まで案内する導水構造２が設置されているため、いっそう良好な導水及び排水がなされる。これにより、水受装置６における集水及び排水が確実に保証され、溜水の溢流が防止される。また、複数の部分からなる導水構造２は、洗浄槽１の高速回転時における水流の勢いを利用することで、排水過程における水流の逆流を回避するとともに、排出過程における水流の集中的な排出を保証する。また、導水構造２と洗浄槽１の槽壁の間に密封構造９を設けることで、脱水作業の過程で、槽内の洗浄水が導水構造２と洗浄槽１の槽壁との隙間から飛散するとの事態が効果的に減少する。

【実施例5】

【0073】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例４のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機では、導水構造２が洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されるとともに、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される。また、脱水口３が、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される。

【0074】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0075】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄及び脱水効率が向上する。

【0076】

更に、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を含む。前記第１導水部４の外壁は、洗浄槽１の上部から底部に向かって、洗浄槽１の軸線からの距離が次第に増大する傾向にある。これにより、洗濯機の脱水作業時に、洗浄槽１の高速回転に伴って、水が導水構造２の外壁に沿って洗浄槽１の内部に逆流するとの事態が効果的に回避される。また、更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【実施例6】

【0077】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例４のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機では、導水構造２が、洗浄槽１の槽壁に設置され、洗浄槽１の槽壁と組み合わされることで導水室構造を形成するとともに、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される。また、脱水口３が、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される。

【0078】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0079】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。

【0080】

更に、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を含む。前記第１導水部４の外壁は、洗浄槽１の上部から底部に向かって、洗浄槽１の軸線からの距離が次第に増大する傾向にある。これにより、洗濯機の脱水作業時に、洗浄槽１の高速回転に伴って、水が導水構造２の外壁に沿って洗浄槽１の内部に逆流するとの事態が効果的に回避される。また、更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【0081】

また、前記第２導水部５の外壁は、洗浄槽１の上部から底部に向かって、洗浄槽１の軸線からの距離が次第に縮小する傾向にある。このように設置することで、水は第２導水部５から排出される際に、洗浄槽１の軸方向に向かって流出する傾向を示し得るため、集水構造から飛散して洗濯機の内部環境を汚染するとの事態が回避される。

【実施例7】

【0082】

図３～図６に示すように、本実施例では上記実施例６を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機では、導水構造２が、洗浄槽１の槽壁に設置され、洗浄槽１の槽壁と組み合わされることで導水室構造を形成するとともに、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される。また、脱水口３が、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される。

【0083】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0084】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。

【0085】

更に、前記導水構造２は、洗浄槽１の槽壁の外側にしっかりと密着する第１導水部４を含む。前記第１導水部４の外壁は、洗浄槽１の上部から底部に向かって、洗浄槽１の軸線からの距離が次第に増大する傾向にある。これにより、洗濯機の脱水作業時に、洗浄槽１の高速回転に伴って、水が導水構造２の外壁に沿って洗浄槽１の内部に逆流するとの事態が効果的に回避される。また、更に、第１導水部４の吐水端と連通する第２導水部５を含む。第２導水部５は、洗浄水を洗浄槽１の下部まで案内する。

【0086】

また、前記第２導水部５の外壁は、洗浄槽１の上部から底部に向かって、洗浄槽１の軸線からの距離が次第に縮小する傾向にある。このように設置することで、水は第２導水部５から排出される際に、洗浄槽１の軸方向に向かって流出する傾向を示し得るため、集水構造から飛散して洗濯機の内部環境を汚染するとの事態が回避される。

【0087】

上記のほか、本実施例の前記第２導水部５の内壁は、洗浄槽１の外壁に接続されることで、独立した密封状の導水室を形成する。

【0088】

且つ、前記洗浄槽１の底部の外側には、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６の上部の開口は、洗浄槽１の脱水口３よりも低くなるよう設けられる。水受装置６には、導水構造２によって導出された洗浄水を排出するための排水経路７が設けられている。

【0089】

更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0090】

また、更に、前記導水構造２の第２導水部５は、洗浄槽１内の洗浄水を集水槽８内に案内する。

【実施例8】

【0091】

図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例７のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３と、洗浄槽１の槽壁と導水構造２の間に設置されて、洗浄槽１の槽壁と導水構造２との隙間からの洗浄水の飛散を防止するよう配置される密封構造９を含む。

【0092】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0093】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。

【0094】

且つ、前記密封構造９は、脱水口３の辺縁に周設されるとともに、導水構造２と洗浄槽１の脱水口３とが連通する導水室が密封された空間となるよう保証すべく配置される。これにより、洗浄槽１の脱水口３と導水構造２との隙間から洗浄水が飛散するとの事態が防止される。

【実施例9】

【0095】

図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例７のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽１の槽壁の導水室構造に設置されて、洗浄水を洗浄槽１の下部まで導出するよう配置される導水構造２と、洗浄槽１の槽壁に設けられて、導水構造２と連通するよう配置される脱水口３と、洗浄槽１の槽壁と導水構造２の間に設置されて、洗浄槽１の槽壁と導水構造２との隙間からの洗浄水の飛散を防止するよう配置される密封構造９を含む。

【0096】

前記洗浄槽１は、洗浄過程においては洗浄水を貯えるための槽体構造として配置される。また、洗浄槽１の槽壁のうち脱水口３よりも下に位置する部分は封止状に設けられている。

【0097】

このほか、前記導水構造２は洗浄槽１の外壁に嵌め込まれており、洗浄槽１の外壁と平滑に移行する曲面を形成している。洗浄槽１が高速回転する際には、平滑に移行する曲面によって風抵抗を効果的に低下させられるため、エネルギー消費が低下し、洗浄効率が向上する。

【0098】

また、前記密封構造９は、導水構造２が洗浄槽１の槽壁に嵌め込まれる構造の辺縁に周設されるとともに、導水構造２が洗浄槽１の槽壁に嵌め込まれた部分の隙間から洗浄水が飛散するとの事態を防止するよう配置される。

【実施例10】

【0099】

図７に示すように、本実施例では、上記実施例９～実施例１０のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する密封構造９は、脱水口３の辺縁に周設されるパッキンである。

【実施例11】

【0100】

図７に示すように、本実施例では、上記実施例９～実施例１０のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する密封構造９は、脱水口３の辺縁に周設されるシール剤である。

【実施例12】

【0101】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１～実施例１１のいずれかの実施例を更に限定する。本実施例で記載する洗浄槽１の底部の外側には、導水構造２から排出された洗浄水を収集するための水受装置６が設けられている。水受装置６の上部の開口は、洗浄槽１の脱水口３よりも低くなるよう設けられる。水受装置６には、導水構造２によって導出された洗浄水を排出するための排水経路７が設けられている。

【0102】

また、更に、前記水受装置６の底壁には、下方に窪んだ集水槽８が設けられている。集水槽８は、水受装置６の底壁の周方向に沿って環状に設けられる。

【0103】

本発明で記載する水受装置６の集水室の底壁には、水流を排水口まで案内する導水構造２が設置されているため、いっそう良好な導水及び排水がなされる。これにより、水受装置６における集水及び排水が確実に保証され、溜水の溢流が防止される。

【実施例13】

【0104】

図１～図７に示すように、本実施例では上記実施例１２を更に限定する。本実施例で記載する集水槽８の上縁は、第２導水部５の吐水端が位置する高さよりも高くなっている。これにより、洗浄水が第２導水部５から排出されたときに水受装置６から飛散して、洗濯機の内部空間を汚染するとの事態が効果的に回避される。

【実施例14】

【0105】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１２～実施例１３のいずれかの実施例を更に限定する。前記集水槽８の上縁は、洗浄槽１の下から半分の高さを超えない。また、本実施例では、洗濯機の外槽構造を省略している。これにより、ハウジング１２の容積を変化させないか、わずかに変化させた状態で、洗浄槽１の容量を増大させることで洗濯機の容量増大効果を実現している。また、洗浄過程において、水は洗浄槽１内にのみ存在する。これにより、従来の洗濯機のように、内槽と外槽の間に水が溜まり、外槽の内壁と洗浄槽１の外壁に「汚れや垢が付着する」との課題が回避されるため、いっそう良好な洗浄効果を有する。また、外槽を省略し、洗浄槽１を貯水槽とすることで、洗浄過程において内槽と外槽の間に水が溜まることがないため、洗浄用水量が減少し、洗浄用水量の節約となる。

【実施例15】

【0106】

図１～図７に示すように、本実施例では、上記実施例１２～実施例１４のいずれかの実施例を更に限定する。前記水受装置６は、洗浄槽１の下方に位置しており、且つ洗浄槽１と同軸線に設けられている。よって、洗濯機の脱水作業過程において、偏心に起因して遠心力が大きくなり過ぎる結果、洗濯機の使用寿命が短縮するとの事態が効果的に減少する。

【0107】

以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。

【符号の説明】

【0108】

１ 洗浄槽
２ 導水構造
３ 脱水口
４ 第１導水部
５ 第２導水部
６ 水受装置
７ 排水経路
８ 集水槽
９ 密封構造
１０ ロック構造
１１ バランスリング
１２ ハウジング
１３ バルブプラグ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】