(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】対基板作業機、および部品種類認識方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
H05K13/02 D
(21)【出願番号】P 2020567330
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2019002445
(87)【国際公開番号】W WO2020152844
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】近藤 立恵
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-192748(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103334(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/001599(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/189862(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、前記供給位置において部品を供給する部品供給装置と、
前記供給位置を撮像する撮像装置と
を備え、
前記部品供給装置は、前記供給位置で1つの部品を保持するための受け部材を有し、
前記受け部材は、前記受け部材が保持する部品の左右の1対の側面と対向する面を備える部材と、前記部材の間を通って前記供給位置に向って送り出される側の部品の側面と対向するストッパとにより構成され、
前記ストッパは保持対象の部品の種類毎に複数用意されており、それら複数のストッパのうちの保持対象の部品に応じたストッパが前記供給位置に交換可能に装着されており、
前記撮像装置による
前記ストッパの撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する対基板作業機。
【請求項2】
前記供給位置から部品が保持される前に、前記撮像装置による撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する請求項1に記載の対基板作業機。
【請求項3】
前記
ストッパに付された識別情報と、前記
ストッパの形状との少なくとも一方の撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する
請求項1または請求項2に記載の対基板作業機。
【請求項4】
複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、前記供給位置において部品を供給する部品供給装置と、撮像装置とを備えた対基板作業機において、
前記部品供給装置は、前記供給位置で1つの部品を保持するための受け部材を有し、
前記受け部材は、前記受け部材が保持する部品の左右の1対の側面と対向する面を備える部材と、前記部材の間を通って前記供給位置に向って送り出される側の部品の側面と対向するストッパとにより構成され、
前記ストッパは保持対象の部品の種類毎に複数用意されており、それら複数のストッパのうちの保持対象の部品に応じたストッパが前記供給位置に交換可能に装着されており、
前記撮像装置が前記供給位置を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程において撮像された
前記ストッパの撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する認識工程と
を含む部品種類認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、供給位置において部品を供給する対基板作業機、および、対基板作業機において供給される部品の種類を認識する部品種類認識方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品供給装置には、複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、供給位置において部品を供給するものがある。下記特許文献には、そのような部品供給装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の部品が連なった状態で供給位置に向って送り出され、供給位置において部品を供給する部品供給装置において、適切に部品を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、前記供給位置において部品を供給する部品供給装置と、前記供給位置を撮像する撮像装置とを備え、前記部品供給装置は、前記供給位置で1つの部品を保持するための受け部材を有し、前記受け部材は、前記受け部材が保持する部品の左右の1対の側面と対向する面を備える部材と、前記部材の間を通って前記供給位置に向って送り出される側の部品の側面と対向するストッパとにより構成され、前記ストッパは保持対象の部品の種類毎に複数用意されており、それら複数のストッパのうちの保持対象の部品に応じたストッパが前記供給位置に交換可能に装着されており、前記撮像装置による前記ストッパの撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する対基板作業機を開示する。
【0006】
また、上記課題を解決するために、本明細書は、複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出され、前記供給位置において部品を供給する部品供給装置と、撮像装置とを備えた対基板作業機において、前記部品供給装置は、前記供給位置で1つの部品を保持するための受け部材を有し、前記受け部材は、前記受け部材が保持する部品の左右の1対の側面と対向する面を備える部材と、前記部材の間を通って前記供給位置に向って送り出される側の部品の側面と対向するストッパとにより構成され、前記ストッパは保持対象の部品の種類毎に複数用意されており、それら複数のストッパのうちの保持対象の部品に応じたストッパが前記供給位置に交換可能に装着されており、前記撮像装置が前記供給位置を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において撮像された前記ストッパの撮像データに基づいて、前記部品供給装置が供給する部品の種類を認識する認識工程とを含む部品種類認識方法を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、供給位置の撮像データに基づいて部品の種類が認識される。これにより、適切に部品を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る部品実装機を示す斜視図である
【
図5】
図4のスティックフィーダを側方からの視点において示す断面図である。
【
図6】
図4のスティックフィーダの拡大斜視図である。
【
図7】
図4のスティックフィーダの拡大平面図である。
【
図9】
図4のスティックフィーダの供給位置を示す概略図である。
【
図10】
図4のスティックフィーダの供給位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0010】
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の装着作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ26、パーツカメラ28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32、制御装置(
図8参照)36を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0011】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0012】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60、62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60、62の下端面には、
図2に示すように、吸着ノズル66が着脱可能に設けられており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68及びY方向移動装置70は、それぞれ、電磁モータ(図示省略)を有しており、各電磁モータの作動により、2台の作業ヘッド60、62が、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動する。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0013】
マークカメラ26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向、Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。また、パーツカメラ28は、
図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド60、62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
【0014】
ばら部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置30は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0015】
部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置32は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、スティックフィーダ82によって部品を供給する装置である。以下に、スティックフィーダ82について詳しく説明する。なお、ばら部品供給装置30および、部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品、太陽電池の構成部品、パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
【0016】
スティックフィーダ82は、フレーム40の他方側の端部に固定的に設けられたフィーダ保持台86に着脱可能に装着されている。スティックフィーダ82は、部品収容スティック(
図3参照)88から電子回路部品を押し出し、押し出した電子回路部品を部品供給位置において供給する装置である。
【0017】
部品収容スティック88は、
図3に示すように、スティックケース90と複数の電子回路部品92とによって構成されている。スティックケース90は、樹脂により形成されており、内部が空洞のスティック状とされている。つまり、スティックケース90は、両端部が開口するチューブ状とされている。スティックケース90の内部の形状は、電子回路部品92の形状と略同形状をなし、スティックケース90の内寸は、電子回路部品92の外寸より僅かに大きくされている。そして、スティックケース90の内部に、複数の電子回路部品92が一列に並んだ状態で収容されている。これにより、電子回路部品92は、スティックケース90の内部において、殆どガタツクことなく、スティックケース90の軸方向に沿って移動する。なお、スティックケース90内に収容される電子回路部品92には、ヒューズ、ヒューズソケット、コネクタ、DIP(Dual Inline Packageの略)等が有る。
【0018】
また、スティックフィーダ82は、
図4に示すように、フィーダ本体100と、スティック保持部102と、部品バッファ部104と、部品供給部106と、部品送り装置108とによって構成されている。そして、スティックフィーダ82は、スティック保持部102により保持された部品収容スティック88から電子回路部品92を送り出し、送り出された電子回路部品92を部品供給部106において供給する。なお、スティックフィーダ82の部品供給部106が配設されている側を、前方側と記載し、スティック保持部102が配設されている側を、後方側と記載する。
【0019】
詳しくは、フィーダ本体100は、部品実装機10のフレーム40の端部に設けられたフィーダ保持台86に装着されるものである。フィーダ本体100がフィーダ保持台86に装着された状態において、フィーダ本体100の部品供給部106が設けられている前方側の部分は、部品実装機10の内部に位置し、フィーダ本体100のスティック保持部102が設けられている後方側の部分は、部品実装機10の外部に位置する。
【0020】
スティック保持部102は、1対の挟持部材110、112と保持装置114とによって構成されている。1対の挟持部材110、112の一方の挟持部材110は、フィーダ本体100の後方側端部の上面に立設されており、他方の挟持部材112は、フィーダ本体100の概して中央部の上面に立設されている。それら1対の挟持部材110、112は、互いに向かい合っており、それら1対の挟持部材110、112の間に、複数の部品収容スティック88が略水平に積層された状態で、フィーダ本体100の上面に配設されている。
【0021】
保持装置114は、1対の挟持部材110、112の間に配設された複数の部品収容スティック88を固定的に保持する装置であり、第1保持機構(図示省略)と第2保持機構(図示省略)とを含む。第1保持機構は、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの一番下の部品収容スティック88を固定的に保持する。そして、第1保持機構による部品収容スティック88の保持が解除されると、その部品収容スティック88は、フィーダ本体100の上面に形成された穴(図示省略)を介して、フィーダ本体100の下方に離脱する。
【0022】
また、第2保持機構は、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの下から2番目の部品収容スティック88を、1番下の部品収容スティック88と離間した状態で固定的に保持するとともに、その2番目の部品収容スティック88の上に積層された部品収容スティック88も固定的に保持する。そして、第1保持機構による部品収容スティック88の保持が解除され、その部品収容スティック88がフィーダ本体100の下方に離脱した後に、第2保持機構による部品収容スティック88の保持が解除されると、下から2番目の部品収容スティック88が下方に移動し、第1保持機構により固定的に保持される。また、下から3番目以降の部品収容スティック88は、1段ずつ下方に移動した状態で、第2保持機構により固定的に保持される。
【0023】
部品バッファ部104は、
図4乃至
図6に示すように、本体121と蓋122とによって構成されている。なお、
図6では、蓋122が取り外された状態の部品バッファ部104が図示されている。本体121は、概して四角棒形状の部材であり、その本体121の上面には、それの軸方向に延びるように搬送溝123が形成されている。なお、搬送溝123は、本体121の両端面に開口しており、その搬送溝123の幅寸法及び深さ寸法は、部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92の幅寸法及び高さ寸法より僅かに大きくされている。
【0024】
また、蓋122は、平板状の部材であり、本体121の搬送溝123を覆うように、本体121に固定されている。そして、部品バッファ部104は、フィーダ本体100の上面に、前後方向に延びる姿勢で固定されている。また、部品バッファ部104は、2個の装着ブロック125、126の上面に固定されている。そして、部品バッファ部104は、装着ブロック125、126に、ねじ等により着脱可能とされている。
【0025】
装着ブロック125は、フィーダ本体100の挟持部材112の前方側の上面に配設されており、装着ブロック126は、装着ブロック125から前方に向かって離れた状態で、フィーダ本体100の上面に配設されている。尚、
図5に示すように、装着ブロック125、126に固定された部品バッファ部104の搬送溝123の後方側の開口と、スティック保持部102に保持された複数の部品収容スティック88のうちの最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の前方側の開口とが対向する。これにより、その部品収容スティック88のスティックケース90の内部と、部品バッファ部104の搬送溝123とが連通する。また、装着ブロック125、126に固定された部品バッファ部104は、その最下端の部品収容スティック88と平行とされている。
【0026】
また、部品供給部106は、
図6及び
図7に示すように、部品受け部材128と、スライダ130とにより構成されている。スライダ130は、フィーダ本体100の上面において、フィーダ本体100の延びる方向にスライド可能に配設されており、本体121の前方側の端部の下方の位置(以下、「接続位置」と記載する)と、その端部から少し前方側に離間した位置(以下、「離間位置」と記載する)との間でスライドする。なお、スライダ130は、圧縮コイルスプリング132により接続位置に向って付勢されている。そして、電磁モータ(
図8参照)134の駆動により、スライダ130は、圧縮コイルスプリング132の弾性力に抗して、接続位置から離間位置にスライドする。
【0027】
また、部品受け部材128は、概してブロック状をなし、スライダ130の上面に着脱可能に固定されている。そして、スライダ130が接続位置にスライドしている際に、そのスライダ130の上面に固定されている部品受け部材128の側面は、部品バッファ部104の前方側の端面と接触、若しくは、僅かな隙間のある状態で対向している。また、スライダ130が離間位置にスライドすることで、部品受け部材128の側面は、部品バッファ部104の前方側の端面から離間する。その部品受け部材128の上面には、収納凹部136が形成されている。
【0028】
収納凹部136は、部品バッファ部104の前方側の端面と対向する部品受け部材128の側面において開口しており、その収納凹部136の開口(以下、「側面開口」と記載する)と部品バッファ部104の搬送溝123の前方側の開口とが対向している。また、収納凹部136の内寸は、電子回路部品92の外寸より僅かに大きくされている。つまり、収納凹部136の前後方向の長さ寸法、具体的には、収納凹部136の側面開口と、その側面開口と対向する収納凹部136の内壁面(以下、「前方側内壁面」と記載する)との間の距離は、電子回路部品92が収まる程度に電子回路部品92の長さ寸法より僅かに長くされている。なお、電子回路部品92の長さ寸法は、部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92の部品収容スティック88の延びる方向の外寸である。また、収納凹部136の左右方向の長さ寸法、具体的には、収納凹部136の側面開口及び前方側内壁面と直行する収納凹部136の1対の内壁面(以下、「左右側内壁面」と記載する)の間の距離は、電子回路部品92が移動できる程度に電子回路部品92の幅寸法より僅かに長くされている。なお、電子回路部品92の幅寸法は、スティック保持部102に保持された状態での部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92の左右方向の外寸である。また、収納凹部136の上下方向の長さ寸法、具体的には、収納凹部136の底面と部品受け部材128の上面との間の距離は、電子回路部品92が収まる程度に電子回路部品92の高さ寸法より僅かに長くされている。なお、電子回路部品92の高さ寸法は、スティック保持部102に保持された状態での部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92の上下方向の外寸である。
【0029】
このように、収納凹部136の内寸が、電子回路部品92の外寸より僅かに大きくされており、その収納凹部136の側面開口と部品バッファ部104の搬送溝123の前方側の開口とが対向している。このため、スライダ130が接続位置にスライドすることで、
図5乃至
図7に示すように、部品受け部材128の収納凹部136と部品バッファ部104の搬送溝123とが連通する。これにより、部品受け部材128では、収納凹部136において、部品バッファ部104の搬送溝123から1個の電子回路部品92を受け付け、位置決めされた状態で収納することが可能とされている。
【0030】
また、部品受け部材128は、複数の部材により構成されており、それら複数の部材により収納凹部136が区画されている。詳しくは、部品受け部材128は、本体ブロック150と、薄板ブロック152と、押え部材154と、ストッパ156とにより構成されている。本体ブロック150は、部品受け部材128の本体をなし、スライダ130の上面に固定されている。そして、薄板ブロック152は、本体ブロック150の上面に立設した状態で固定されており、薄板ブロック152の側面が収納凹部136の1対の左右側内壁面の一方として機能する。
【0031】
また、押え部材154は、概して板状をなし、本体ブロック150の上面において、薄板ブロック152と対向した状態で立設されている。これにより、押え部材154の薄板ブロック152と対向する側面が収納凹部136の1対の左右側内壁面の他方として機能する。また、押え部材154は、立設された状態で、前方側の側縁において、上下方向に延びる軸157を中心に揺動可能に本体ブロック150の上面に配設されており、薄板ブロック152に接近する方向に、圧縮コイルスプリング158により付勢されている。
【0032】
なお、圧縮コイルスプリング158による押え部材154の付勢は、押え部材154と薄板ブロック152との間の距離が、電子回路部品92の幅寸法より僅かに小さくなるように規制されている。つまり、押え部材154が薄板ブロック152に最も接近するように揺動した状態において、押え部材154と薄板ブロック152との間の距離は、電子回路部品92の幅寸法より僅かに小さくなる。このため、収納凹部136の左右方向の長さ寸法は、押え部材154が薄板ブロック152に最も接近するように揺動した状態において、電子回路部品92の幅寸法より僅かに小さい。ただし、押え部材154が薄板ブロック152から離れる方向に揺動することで、収納凹部136の左右方向の長さ寸法は、電子回路部品92の幅寸法より僅かに大きくなる。
【0033】
また、ストッパ156は、概して板状をなし、本体ブロック150の上面において、薄板ブロック152と直行した状態で立設されており、薄板ブロック152の前方側の側縁にボルト160により締結されている。そして、ストッパ156は、薄板ブロック152の前方側の側縁から押え部材154の側面に向って延び出している。これにより、ストッパ156の側面が収納凹部136の前方側内壁面として機能する。なお、本体ブロック150の上面は、収納凹部136の底面として機能する。このように、収納凹部136は、部品受け部材128を構成する本体ブロック150と薄板ブロック152と押え部材154とストッパ156とにより区画されている。
【0034】
また、部品送り装置108は、
図4に示すように、ワイヤ170と、ワイヤ送り機構172とによって構成されている。ワイヤ170は、可撓性を有しており、それの先端部が、フィーダ本体100の後方から、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されている(
図5参照)。そして、そのワイヤ170は、フィーダ本体100の後方において、フィーダ本体100の下方に向かって湾曲されており、フィーダ本体100の下方において、フィーダ本体100の前方に向かって延在している。さらに、ワイヤ170の前方に向かう側の端部は、フィーダ本体100の内部に挿入されている。
【0035】
ワイヤ送り機構172は、ワイヤ送り機構172の端部が挿入されたフィーダ本体100の内部に配設されており、2個のローラ(図示省略)を有している。そして、フィーダ本体100の内部に挿入されたワイヤ送り機構172が、それら2個のローラによって挟持されており、それら2個のローラは、電磁モータ(
図8参照)176の駆動により回転する。これにより、2個のローラが回転することで、それら2個のローラに挟持されたワイヤ170が送り出される。この際、部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されているワイヤ170の先端部は、スティックケース90の内部に向かって進入する。つまり、スティックケース90の内部に挿入されているワイヤ170の先端部は、スティックフィーダ82の前方に向かって移動する。
【0036】
一方、電磁モータ176の作動により2個のローラが逆回転することで、それら2個のローラに挟持されたワイヤ170が、フィーダ本体100の内部に引き戻される。この際、部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されているワイヤ170の先端部は、そのスティックケース90の内部から後退する方向に移動する。つまり、スティックケース90の内部に挿入されているワイヤ170の先端部は、スティックフィーダ82の後方に向かって移動する。
【0037】
このような構造のスティックフィーダ82では、ワイヤ170がスティックケース90の内部に進入することで、スティックケース90に収容されている電子回路部品92が、部品バッファ部104に向かって押し出される。これにより、部品収容スティック88の前方側の開口から、部品バッファ部104の搬送溝123の内部に、電子回路部品92が押し出される。そして、さらに、ワイヤ170がスティックケース90の内部に進入すると、スティックケース90から順次、電子回路部品92が部品バッファ部104の搬送溝123に押し出され、
図5に示すように、搬送溝123の内部において、複数の電子回路部品92が接触して連なった状態で送り出される。この際、スライダ130が接続位置にスライドしており、部品受け部材128の収納凹部136が、部品バッファ部104の搬送溝123に連通している。そして、ワイヤ170がスティックケース90の内部に、さらに進入することで、連なった状態の複数の電子回路部品92のうちの先頭の電子回路部品92が、搬送溝123の前方側の開口から、部品受け部材128の収納凹部136に押し出される。これにより、1個の電子回路部品92が収納凹部136に収納される。
【0038】
なお、電子回路部品92が収納凹部136に収納される際に、収納凹部136に向って押し出された電子回路部品92が収納凹部136を区画する押え部材154に接触し、押え部材154を圧縮コイルスプリング158の弾性力に抗して、揺動させる。これにより、薄板ブロック152と押え部材154との間の距離、つまり、収納凹部136の左右方向の幅寸法が広がり、電子回路部品92が収納凹部136に位置決めされた状態で収納される。そして、電子回路部品92が収納凹部136に収納されると、スライダ130が電磁モータ134の駆動により離間位置にスライドする。これにより、部品受け部材128が部品バッファ部104の前方側の端部から離間し、収納凹部136に収容された電子回路部品92が、部品バッファ部104の搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92と分離される。なお、収納凹部136に収容された電子回路部品92は、圧縮コイルスプリング158の弾性力に依拠して押え部材154により押さえられている。このため、部品受け部材128が部品バッファ部104の前方側の端部から離間する際に、収納凹部136に収容された電子回路部品92を、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92と確実に分離することができる。そして、搬送溝123に残存している電子回路部品92から分離した状態で、収納凹部136に収容された電子回路部品92が位置決めされた状態で供給される。つまり、スティックフィーダ82では、収納凹部136により区画される供給位置において、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66が受け取りし易いように、電子回路部品92が供給される。
【0039】
なお、スライダ130が接続位置にスライドしている状態において、押え部材154は、
図7に示すように、部品バッファ部104の搬送溝123の内部にまで延び出しており、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92も、押え部材154により押さえられている。このため、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92が、押え部材154により押さえられた状態で、部品受け部材128が部品バッファ部104の前方側の端部から離間すると、その電子回路部品92が押え部材154とともに前方側に移動し、搬送溝123の前方側の開口から脱落する虞がある。
【0040】
このため、搬送溝123の前方側の端部には、脱落防止部材180が配設されている。脱落防止部材180は、短めのアーム状をなし、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92の側方において、前後方向に延びるように配設されている。その脱落防止部材180は、後方側の端部において上下方向に延びる軸182を中心に揺動可能に部品バッファ部104の本体121に連結されている。そして、脱落防止部材180は、搬送溝123の内部に向って、圧縮コイルスプリング(図示省略)により付勢されている。このため、脱落防止部材180の前方側の端部が搬送溝123の内部に向って揺動し、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92の側面を押さえている。このように、搬送溝123の先頭に位置する電子回路部品92が、脱落防止部材180により押さえられることで、搬送溝123からの脱落が防止されている。
【0041】
また、部品受け部材128には、
図6及び
図7に示すように、検出センサ190が配設されている。検出センサ190は、投光部192と受光部194とにより構成されており、投光部192は、部品受け部材128の左右方向の1対の側面の一方に配設され、受光部194は、1対の側面の他方に配設されている。また、それら1対の側面及び、薄板ブロック152,押え部材154には、左右方向に貫通する貫通穴(図示省略)が形成されており、投光部192から投光された光が、収納凹部136を介して、受光部194により受光可能とされている。このため、収納凹部136に電子回路部品92が収納されている場合に、その電子回路部品92により、投光部192から投光された光が遮られる。一方、収納凹部136に電子回路部品92が収納されていない場合に、投光部192から投光された光が、受光部194により受光される。このような構造により、検出センサ190は、収納凹部136に電子回路部品92が収納されているか否かを検出する。そして、検出センサ190により収納凹部136に電子回路部品92が収納されていると検出されたことをトリガーとして、スライダ130が、上述したように、接続位置から離間位置にスライドする。これにより、離間位置にスライドしたスライダ130の上面に配設された部品受け部材128の収納凹部136において電子回路部品92が供給される。
【0042】
また、部品バッファ部104にも、検出センサ190と略同じ構造の検出センサ200が配設されている。検出センサ200は、投光部202と受光部204とにより構成されており、投光部202は、本体121の前方側の端部の左右方向の1対の側面の一方に配設され、受光部204は、1対の側面の他方に配設されている。また、それら1対の側面及び、脱落防止部材180には、左右方向に貫通する貫通穴(図示省略)が形成されており、投光部202から投光された光が、搬送溝123の前方側の端部を介して、受光部204により受光可能とされている。このため、搬送溝123の前方側の端部に電子回路部品92が有る場合に、その電子回路部品92により、投光部202から投光された光が遮られる。一方、搬送溝123の前方側の端部に電子回路部品92が無い場合に、投光部202から投光された光が、受光部204により受光される。このような構造により、検出センサ200は、搬送溝123の前方側の端部に電子回路部品92が有るか否かを検出する。そして、ワイヤ170が検出センサ200の検出位置手前まで進入したにも拘らず、検出センサ200により搬送溝123の前方側の端部に電子回路部品92が無いと検出された場合に、部品バッファ部104内には電子回路部品92が無いと判断され、ワイヤ170が引き戻され、搬送溝123及びスティックケース90の内部から引き抜かれる。そして、上述したように、第1保持機構による部品収容スティック88の保持が解除され、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの一番下の部品収容スティック88がフィーダ本体100から脱落する。続いて、その脱落した部品収容スティック88の上に積層されていた部品収容スティック88が第1保持機構により保持される。そして、その第1保持機構に保持された部品収容スティック88の内部に、再度、ワイヤ170が挿入されることで、新たな部品収容スティック88から電子回路部品92が供給される。
【0043】
また、制御装置36は、
図8に示すように、コントローラ210、複数の駆動回路212、画像処理装置216を備えている。複数の駆動回路212は、上記搬送装置50、クランプ装置52、作業ヘッド60,62、作業ヘッド移動装置64、トレイ型部品供給装置78、電磁モータ134,176、ばら部品供給装置30に接続されている。コントローラ210は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路212に接続されている。これにより、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動が、コントローラ210によって制御される。また、コントローラ210は、画像処理装置216にも接続されている。画像処理装置216は、マークカメラ26およびパーツカメラ28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ210は、画像データから各種情報を取得する。さらに、コントローラ210は、検出センサ190,200に接続されており、検出センサ190,200による検出結果が、コントローラ210に入力される。
【0044】
部品実装機10では、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、マークカメラ26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。具体的には、例えば、スティックフィーダ82において、上述したように、部品収容スティック88から押し出された複数の電子回路部品92が連なった状態で収納凹部136に向って押し出され、その収納凹部136に1個の電子回路部品92が位置決めして収納された状態で供給される。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、収納凹部136の上方に移動し、吸着ノズル66によって電子回路部品92を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、パーツカメラ28の上方に移動し、パーツカメラ28によって、吸着ノズル66に保持された電子回路部品92が撮像される。これにより、電子回路部品92の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、電子回路部品92を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,電子回路部品92の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
【0045】
このように、部品実装機10では、例えば、スティックフィーダ82により供給された電子回路部品92の装着作業が実行される。また、スティックフィーダ82では、電子回路部品92と異なる種類の電子回路部品が収容された部品収容スティック88を、スティック保持部102にセットすることで、電子回路部品92と異なる種類の電子回路部品が供給され、その異なる種類の電子回路部品の装着作業を行うこともできる。ただし、スティックフィーダ82では、スティック保持部102にセットされた部品収容スティック88の電子回路部品は、部品バッファ部104の搬送溝123を介して、部品供給部106の収納凹部136に収納され、収納凹部136において供給される。つまり、搬送溝123及び収納凹部136の内寸は、上述したように、スティックフィーダ82で供給される電子回路部品の外寸に応じた大きさとされている。このため、先に供給されていた電子回路部品の外寸と、新たに供給予定の電子回路部品の外寸とが異なる場合において、新たに供給予定の電子回路部品を、スティックフィーダ82で供給できない虞がある。
【0046】
例えば、先に供給されていた電子回路部品の長さ寸法がL1であり、幅寸法がW1であり、高さ寸法がH1である場合において、スティックフィーダ82の搬送溝123の幅寸法は電子回路部品92が移動可能な程度にW1より僅かに大きく、搬送溝123の高さ寸法は電子回路部品92が収まる程度にH1より僅かに大きくされている。また、収納凹部136の幅寸法はW1より僅かに大きく、収納凹部136の長さ寸法はL1より僅かに大きくされている。一方、新たに供給予定の電子回路部品の幅寸法がW1より大きく、高さ寸法がH1より大きい場合に、その電子回路部品は搬送溝123に入らない。また、新たに供給予定の電子回路部品の幅寸法がW1より大きく、長さ寸法がL1より大きい場合に、その電子回路部品は収納凹部136に入らない。このため、先に供給されていた電子回路部品と外寸の異なる部品が、スティックフィーダ82により供給される場合には、搬送溝123と収納凹部136とを変更する必要がある。
【0047】
ただし、先に供給されていた電子回路部品の外寸と、新たに供給予定の電子回路部品の外寸とが異なる場合であっても、部品の長さ寸法のみが異なる場合には、収納凹部136のみを交換すればよい。つまり、例えば、新たに供給予定の電子回路部品の長さ寸法がL2(≠L1)であり、幅寸法がW1であり、高さ寸法がH1である場合において、その電子回路部品は、先に供給されていた電子回路部品と幅寸法及び高さ寸法において同じであるが、長さ寸法において異なる。このため、その新たに供給予定の電子回路部品は、搬送溝123に入るが、収納凹部136に適切に収容されない。つまり、新たに供給予定の電子回路部品の長さ寸法L2がL1より大きい場合に、その電子回路部品は、収納凹部136からはみ出す。一方、新たに供給予定の電子回路部品の長さ寸法L2がL1より小さい場合に、収納凹部136には、1個の電子回路部品だけでなく、後続の部品の少なくとも一部が入り込む。このため、先に供給されていた電子回路部品の外寸と、新たに供給予定の電子回路部品の外寸とが異なる場合であっても、部品の長さ寸法のみが異なる場合には、不安定な状態で収納凹部136に収納可能な部品もあるものの、基本的には、収納凹部136のみを交換すればよい。
【0048】
そこで、先に供給されていた電子回路部品と、新たに供給予定の電子回路部品とにおいて、例えば、部品の長さ寸法のみが異なる場合には、従来のスティックフィーダでは、段取り替え作業として、部品受け部材128が交換されていた。つまり、スライダ130から部品受け部材128が取り外され、新たに供給予定の電子回路部品に応じた寸法の収納凹部136が形成された部品受け部材128が、スライダ130に取り付けられていた。しかしながら、部品受け部材128の交換作業は手間のかかる作業であり、また、複雑な形状であることから作成に要する時間も長いため、作業者の負担が大きかった。このようなことに鑑みて、スティックフィーダ82では、収納凹部136を複数の部材により区画し、それら複数の部材のうちの1の部材を交換することで、収納凹部136の長さ寸法を変更することが可能とされている。
【0049】
具体的には、収納凹部136は、上述したように、本体ブロック150と薄板ブロック152と押え部材154とストッパ156とにより区画されており、ストッパ156が薄板ブロック152にボルト締結されている。また、ストッパ156は、形状の異なるものが複数種類、用意されている。例えば、
図9に示すように、凸部220が形成されたストッパ156aと、
図10に示すように、凹部222が形成されたストッパ156bとが用意されている。なお、
図9及び
図10では、
図6及び
図7と異なり、薄板ブロック152,押え部材154,電子回路部品92等が簡略化して図示されている。
【0050】
ストッパ156aに形成された凸部220の幅寸法は、
図9に示すように、薄板ブロック152と押え部材154との間の距離より僅かに小さくされている。そして、ストッパ156aが薄板ブロック152にボルト160により締結されることで、凸部220が薄板ブロック152と押え部材154との間に入り込む。これにより、収納凹部136が、長さ方向において縮小され、収納凹部136の長さ寸法が、長さ寸法の短い電子回路部品92aに応じた大きさとなる。また、ストッパ156bに形成された凹部222の幅寸法は、
図10に示すように、薄板ブロック152と押え部材154との間の距離と略同じとされている。そして、ストッパ156bが薄板ブロック152にボルト160により締結されることで、薄板ブロック152と押え部材154との間の空間が凹部222に連続する。これにより、収納凹部136が、長さ方向において拡大され、収納凹部136の長さ寸法が、長さ寸法の長い電子回路部品92bに応じた大きさとなる。このように、スティックフィーダ82では、ストッパ156を交換するだけで、新たに供給予定の電子回路部品の外寸に応じた内寸の収納凹部136に変更することができる。これにより、先に供給されていた電子回路部品と異なる寸法の電子回路部品が供給される際の段取り替え作業や収納凹部136の加工を簡素化し、作業者の負担を軽減することが可能となる。
【0051】
また、ストッパ156の上面には、2次元コード230が付されており、スティックフィーダ82により供給される電子回路部品92の種類が、2次元コード230により認識される。2次元コード230には、その2次元コード230が記されたストッパ156が、薄板ブロック152に固定された場合に供給される電子回路部品92の種類を示す情報が記録されている。具体的には、2次元コード230aには、ストッパ156aが薄板ブロック152に固定された場合に供給される電子回路部品、つまり、電子回路部品92aの種類を示す情報が記録されており、2次元コード230bには、ストッパ156bが薄板ブロック152に固定された場合に供給される電子回路部品、つまり、電子回路部品92bの種類を示す情報が記録されている。
【0052】
このため、ストッパ156の交換作業が完了した後に、収納凹部136がマークカメラ26により撮像される。つまり、マークカメラ26が収納凹部136の上方に移動し、上方からの視点において、収納凹部136が撮像される。なお、マークカメラ26による収納凹部136の撮像のタイミングは、収納凹部136から電子回路部品92が供給される前であればよい。具体的には、例えば、スティックフィーダ82がフィーダ保持台86に装着されたタイミング,収納凹部136から部品が吸着ノズル66により保持される直前,装着作業を実行するためのプログラムによる処理が開始したタイミング等で、収納凹部136が撮像される。
【0053】
この際、ストッパ156の2次元コード230が撮像され、その撮像により得られた2次元コード230の撮像データが、コントローラ210により分析される。これにより、スティックフィーダ82で供給される電子回路部品92の種類が認識される。また、コントローラ210では、新たな供給予定の電子回路部品を用いた装着作業を実行するためのプログラムが実行される際に、プログラミングされている電子回路部品の種類、つまり、新たな供給予定の電子回路部品の種類と、撮像データに基づいて分析された電子回路部品の種類とが一致するか否かが判断される。そして、それらが一致する場合に、プログラムの処理により装着作業が実行され、それらが一致しない場合には、エラー報知がなされる。これにより、部品の取り間違えを防止することが可能となる。
【0054】
なお、部品実装機10は、対基板作業機の一例である。マークカメラ26は、撮像装置の一例である。スティックフィーダ82は、部品供給装置の一例である。部品受け部材128は、受け部材の一例である。2次元コード230は、識別情報の一例である。
【0055】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、上記実施例では、収納凹部136が撮像され、収納凹部136を区画するストッパ156の2次元コード230の画像データに基づいて、部品の種類が認識されているが、2次元コード230のみが撮像され、その2次元コード230の画像データに基づいて、部品の種類が認識されてもよい。なお、部品の種類を認識可能なものであれば、2次元コード230に限定されず、種々の記号,形状,パターンなどの識別情報により、部品の種類を認識してもよい。
【0056】
また、2次元コード230等の識別情報でなく、ストッパ156等の形状を利用して、部品の種類が認識されてもよい。具体的には、ストッパ156の上方からの視点における外形線と、そのストッパ156を用いた際に供給される部品の種類とが対応付けてコントローラ210に記憶されている。また、ストッパ156がマークカメラ26により撮像され、その撮像データがコントローラ210により分析されることで、ストッパ156の外形線が特定される。そして、その特定されたストッパ156の外形線と対応付けられている部品の種類が特定される。これにより、ストッパ156の形状を利用して、部品の種類が認識される。
【0057】
また、ストッパ156の形状でなく、収納凹部136の形状を利用して、部品の種類が認識されてもよい。つまり、ストッパ156が薄板ブロック152に固定された状態の収納凹部136の上方からの視点における外形線と、そのストッパ156を用いた際に供給される部品の種類とが対応付けてコントローラ210に記憶されている。また、収納凹部136がマークカメラ26により撮像され、その撮像データがコントローラ210により分析されることで、収納凹部136の外形線が特定される。そして、その特定された収納凹部136の外形線と対応付けられている部品の種類が特定される。これにより、収納凹部136の形状を利用して、部品の種類が認識される。
【0058】
さらに言えば、収納凹部136に収納された電子回路部品92に基づいて、その電子回路部品92の種類が認識されてもよい。具体的には、収納凹部136が撮像されることで、収納凹部136に収納されている電子回路部品92が撮像される。そして、例えば、電子回路部品92の上面に、その部品の種類を示す2次元コードが記されている場合には、その2次元コードの撮像データに基づいて、電子回路部品92の種類を認識することができる。また、例えば、電子回路部品92の上方からの視点における外形線、つまりは形状と、その部品の種類とが対応付けてコントローラ210に記憶されている場合には、撮像データに基づいて、電子回路部品92の外形線が特定されることで、上記手法と同様に、電子回路部品92の種類を認識することができる。
【0059】
また、2次元コードなどの識別記号,ストッパ156の外形線,収納凹部136の外形線,電子回路部品92の外形線だけでなく、収納凹部136,ストッパ156,電子回路部品92等の特徴的な部位の形状,色などを利用して、電子回路部品92の種類が認識されてもよい。具体的には、例えば、ストッパ156の凸部,凹部222の形状,ボルト160の形状,電子回路部品92を構成するリード,バンプなどの形状を利用して、電子回路部品92の種類が認識されてもよい。例えば、所定の撮像視野を有する撮像装置が、部品供給装置が供給する部品を収容するための受け部材を上方から撮像した撮像データの中に、供給する部品の種類を認識するための識別情報があればよい。
【0060】
また、上記実施例では、収納凹部136を区画する複数の部材のうちのストッパ156のみが交換可能とされているが、押え部材154等の他の部材が交換可能とされてもよい。このように、押え部材154とストッパ156とが交換可能とされ、例えば、押え部材154として、厚さの異なるものが複数種類、用意されることで、収納凹部136の長さ寸法だけでなく、幅寸法も変更することが可能となる。なお、収納凹部136の幅寸法が変更される場合には、搬送溝123、つまり、部品バッファ部104を交換する必要がある。
【0061】
また、収納凹部136は、1個の電子回路部品92を収納する部材であり、1個の電子回路部品92を収納可能な空間を区画しているが、2個以上の電子回路部品92を収納可能な収納凹部が採用されてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、複数の部品が接触して連なった状態で供給位置に向って送り出される部品供給装置として、スティックフィーダ82が採用されているが、バルクフィーダ,ボウルフィーダ等の部品供給装置が採用されてもよい。また、部品を収納する収納凹部を備える部品供給装置として、テープフィーダなどにも本発明を採用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10:部品実装機(対基板作業機) 26:マークカメラ(撮像装置) 82:スティックフィーダ(部品供給装置) 128:部品受け部材(受け部材) 230:2次元コード(識別情報)