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特許7138195車両情報制御システム、車両情報制御装置、および車両情報制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】車両情報制御システム、車両情報制御装置、および車両情報制御方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/04 20060101AFI20220908BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20220908BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B61L25/04
B60L3/00 Q
H04N7/18 D
H04N7/18 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020567407
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2019048083
(87)【国際公開番号】W WO2020153019
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2019011188
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】綾部 和則
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-098705(JP,A)
【文献】国際公開第2009/157227(WO,A1)
【文献】特開2013-047066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 25/04
B60L 3/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置を備える車両情報制御システムであって、
前記列車の運行に係る運行情報と、前記列車の機器の操作に係る操作情報と、前記列車の動作に係る動作情報とを入力とし、前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて設けられる前記列車の運用状態に応じて、前記列車に接続されている複数のカメラから前記車両情報制御装置に接続されている表示装置に表示する画像のカメラを選定することにより、前記車両情報制御装置の通信に係るデータのデータ量を制御する制御部を備え、
前記表示装置に表示される画面には、前記列車の運用状態において、主として用いられる第1の表示領域と、従として用いられる第2の表示領域とが設けられ、
前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて規定され、前記第1の表示領域または前記第2の表示領域が対応付けられ、前記表示装置に表示する画像を特定可能な特定情報を有し、
前記制御部は、前記特定情報に基づいて、前記第1の表示領域に表示する画像のデータ量を前記第2の表示領域に表示する画像のデータ量より優先することで、前記車両情報制御装置が通信する画像のデータ量を、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさめる、
ことを特徴とする車両情報制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさまるデータ量を、特定したカメラに通知し、
通知を受けたカメラは、通知されたデータ量の画像を前記制御部に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両情報制御システム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記列車の操作者が乗車する車両に設けられ、
前記制御部は、特定したカメラの画像を前記表示装置に送信し、
前記表示装置は、受信した画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両情報制御システム。
【請求項4】
列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置であって、
前記列車の運行に係る運行情報と、前記列車の機器の操作に係る操作情報と、前記列車の動作に係る動作情報とを入力とし、前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて設けられる前記列車の運用状態に応じて、前記列車に接続されている複数のカメラから前記車両情報制御装置に接続されている表示装置に表示する画像のカメラを選定することにより、前記車両情報制御装置の通信に係るデータのデータ量を制御する制御部を備え、
前記表示装置に表示される画面には、前記列車の運用状態において、主として用いられる第1の表示領域と、従として用いられる第2の表示領域とが設けられ、
前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて規定され、前記第1の表示領域または前記第2の表示領域が対応付けられ、前記表示装置に表示する画像を特定可能な特定情報を有し、
前記制御部は、前記特定情報に基づいて、前記第1の表示領域に表示する画像のデータ量を前記第2の表示領域に表示する画像のデータ量より優先することで、前記車両情報制御装置が通信する画像のデータ量を、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさめる、
ことを特徴とする車両情報制御装置。
【請求項5】
列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置を備える車両情報制御システムにおける車両情報制御方法であって、
制御部が、前記列車の運行に係る運行情報と、前記列車の機器の操作に係る操作情報と、前記列車の動作に係る動作情報とを入力する第1のステップと、
前記制御部が、前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて設けられる前記列車の運用状態に応じて、前記列車に接続されている複数のカメラから前記車両情報制御装置に接続されている表示装置に表示する画像のカメラを選定することにより、前記車両情報制御装置の通信に係るデータのデータ量を制御する第2のステップと、
備え、
前記表示装置に表示される画面には、前記列車の運用状態において、主として用いられる第1の表示領域と、従として用いられる第2の表示領域とが設けられ、
前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて規定され、前記第1の表示領域または前記第2の表示領域が対応付けられ、前記表示装置に表示する画像を特定可能な特定情報を有し、
前記制御部は、前記特定情報に基づいて、前記第1の表示領域に表示する画像のデータ量を前記第2の表示領域に表示する画像のデータ量より優先することで、前記車両情報制御装置が通信する画像のデータ量を、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさめる、
ことを特徴とする車両情報制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両情報制御システム等に関し、例えば列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御システム等に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鉄道車両運用に係り、列車の状態情報に基づいて運転台表示器に画像表示を行う乗務員支援機能としては、車両外、客室内、デッキ等に設置した監視カメラ画像を運転台表示器に表示している。
【0003】
この種の技術としては、特許文献1に記載されるように、A-NDR7は、NDR4からの映像データの録画を行う際に、映像データそれぞれに重要度のランク付けを行い、制御装置5は、車両外部への転送時は、重要度のランクが高い順に映像データを読み出すように制御する技術がある。
【0004】
また、特許文献2に記載されるように、測定されたトラフィック量と、記憶された優先度とから、ポート毎に、当該ポートから送信できるパケットの最大トラフィック量を超えないように、発信元アドレス毎に上限値を設定する技術がある。
【0005】
また、特許文献3に記載されるように、メイン画面の映像がなぜ優先的に表示されているかを容易に認識でき、より重大な事故や障害を優先的に表示できる技術がある。
【0006】
また、特許文献4に記載されるように、伝送が行われる予定であった位置に特定の経路を介して移動装置(3)が到着している場合にのみ伝送をデータ伝送手段(9)によって可能にする技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第4603603号公報
【文献】特許第4902484号公報
【文献】特開2004-104398号公報
【文献】特許第5227409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記技術を用いれば、車両の各箇所に配置されたカメラの画像または映像を乗務員に表示することは可能であるが、車両の各箇所に配置された複数カメラの画像データが車両内の通信網に大量に流れることにより、列車の運用状態に合わせて乗務員が確認したい画像データが欠落する可能性がある。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、列車の運用状態に合わせて通信に係るデータのデータ量を制御し得る車両情報制御システム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置を備える車両情報制御システムであって、前記列車の運行に係る運行情報と、前記列車の機器の操作に係る操作情報と、前記列車の動作に係る動作情報とを入力とし、前記運行情報と前記操作情報と前記動作情報とに応じて設けられる前記列車の運用状態に応じて、前記列車に接続されている複数のカメラから前記車両情報制御装置に接続されている表示装置に表示する画像のカメラを選定することにより、前記車両情報制御装置の通信に係るデータのデータ量を制御する制御部を設けるようにした。
【0011】
上記構成によれば、例えば、運用状態に応じてカメラを選定し、表示する必要のない画像データの通信を抑止することで、不要な画像データが通信網に大量に流れることにより、乗務員が確認したい画像が欠落する事態を回避できるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定の画像が欠落してしまう事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施の形態による車両情報制御システムに係る構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態による車両情報制御装置に係る構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態によるカメラ選定情報の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態による運用状態推定処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態によるデータ量決定処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態によるデータ量通知処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
図7】第1の実施の形態による表示データ送信処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態による画面表示の一例を示す図である。
図9】第1の実施の形態による運転台表示器に表示された画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。本本実施の形態は、列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置に関し、本実施の形態では、特に、列車の運用を制御(運用支援制御)する方法とシステム内のデータ量を制御(カメラ画像のデータ量の制御)する方法について説明する。
【0015】
なお、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、車両情報制御装置を特に区別しないで説明する場合には、「車両情報制御装置111」と記載し、個々の車両情報制御装置を区別して説明する場合には、「車両情報制御装置111-1」、「車両情報制御装置111-2」のように記載することがある。
【0016】
(1)第1の実施の形態
図1において、100は全体として第1の実施の形態による車両情報制御システムを示す。
【0017】
図1は、車両情報制御システム100に係る構成の一例を示す図である。車両情報制御システム100は、列車の運用を支援するための画像を表示する運用支援画像表示システム110を含んで構成される。運用支援画像表示システム110は、列車の運用状態に合わせて、各所に配置された複数のカメラの画像(以下では、カメラ画像と称することもある。)を表示装置に表示する構成を有する。なお、これらのカメラには各画像データを記録するストレージを各々有しており、記録したデータは取り出しができるものとする。
【0018】
運用支援画像表示システム110において、列車の先頭車両(1号車)には、車両情報制御装置111-1および運転台表示器112-1が搭載され、中間車両(2号車など)には、車両情報制御装置111-2が搭載され、列車の先頭車両(N号車)には、車両情報制御装置111-3、運転台表示器112-3が搭載されている。
【0019】
車両情報制御装置111は、車両間のネットワークで順次に接続されている。車両情報制御装置111は、各車両の動作情報と機器情報とを授受し、収集、管理し、制御情報を伝達し、列車の制御を行うと共に、車両の状態情報、故障情報、制御情報などを運転台表示器112に表示する。
【0020】
車両情報制御装置111は、プリント基板等のコントローラであり、プロセッサなどの処理部113と、メモリなどの記憶部114とを含んで構成される。
【0021】
車両情報制御装置111の機能(後述の制御部200、運用状態推定部201、カメラ画像データ量決定部202、カメラ画像データ量通知部203、カメラ画像表示データ送信部204など)は、例えば、処理部113がプログラムを記憶部114に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、車両情報制御装置111の機能の一部は、車両情報制御装置111と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0022】
車両情報制御装置111は、各車両の操作スイッチ、回路、機器などの構成要素と接続されている。
【0023】
例えば、車両情報制御装置111-1,111-3は、マスターコントローラ120-1,120-3、扉121-1,121-3、各種機器122-1,122-3、放送装置123-1,123-3(放送装置および自動放送装置)、速度発電機等124-1,124-3(速度発電機、接続機器など)、非常通報装置125-1,125-3、各種スイッチ126-1,126-3、各種操作コック127-1,127-3、電気連結器128-1,128-3と車両内のネットワークで接続されている。
【0024】
また、例えば、車両情報制御装置111-2は、扉121-2、各種機器122-2、非常通報装置125-2、各種スイッチ126-2、各種操作コック127-2、パンタグラフ129と車両内のネットワークで接続されている。
【0025】
また、車両情報制御装置111は、車両の各箇所に配置されたカメラと接続されている。なお、車両情報制御装置111は、車両外の各箇所に配置されたカメラと接続されていてもよい。
【0026】
例えば、車両情報制御装置111-1,111-3は、前方向を撮影するカメラ130-1,130-3(前方向状況を確認するためのカメラ)、停車目標位置を撮影するためのカメラ131-1,131-3、電気連結器128-1,128-3を撮影するカメラ132-1,132-3、非常通報装置125-1,125-3を撮影するカメラ133-1,133-3、各種スイッチ126-1,126-3を撮影するカメラ134-1,134-3、車両の側面を撮影するカメラ135-1,135-3、荷棚、座席下等を撮影するカメラ136-1,136-3、扉121-1,121-3を撮影するカメラ137-1,137-3、各種操作コック127-1,127-3を撮影するカメラ138-1,138-3と車両内のネットワークで接続されている。
【0027】
また、例えば、車両情報制御装置111-2は、非常通報装置125-2を撮影するカメラ133-2、各種スイッチ126-2を撮影するカメラ134-2,荷棚、座席下等を撮影するカメラ136-2、扉121-2を撮影するカメラ137-2、各種操作コック127-2を撮影するカメラ138-2,パンタグラフ129を撮影するカメラ139と車両内のネットワークで接続されている。
【0028】
運転台表示器112は、表示装置の一例であり、各種の情報を表示するディスプレイを含んで構成される。なお、表示装置は、車両内に設けられていてもよいし、車両外(ホーム、監視室など)に設けられていてもよい。
【0029】
付言するならば、本実施の形態では、放送装置123、または図示していない運転台のスピーカを通して報知が行われる。
【0030】
図2は、車両情報制御装置111に係る構成の一例を示す図である、車両情報制御装置111は、制御部200を有する。
【0031】
制御部200は、列車の運用状態に応じ、車両の各箇所に配置されたカメラの画像から運転台表示器112に表示する画像を選択送信する機能、運転台表示器112に表示するための画像のデータ量を通知する機能などを備えている。
【0032】
より具体的には、制御部200は、運用状態推定部201、カメラ画像データ量決定部202、カメラ画像データ量通知部203、およびカメラ画像表示データ送信部204を備える。
【0033】
運用状態推定部201は、列車の運行に係る運行情報と、列車の機器の操作に係る操作情報と、列車の動作に係る動作情報に基づいて、列車の運用状態を推定(判別)する。
【0034】
カメラ画像データ量決定部202は、運用状態推定部201による推定結果に基づいて、列車の運用状態に応じたカメラの画像のデータ量(カメラ画像データ量)を決定する。また、カメラ画像データ量決定部202は、決定したデータ量の画像の表示データ(画像データであってもよい。)を運転台表示器112に送信する旨の指令(画像表示指令)をカメラ画像表示データ送信部204に送信する。
【0035】
カメラ画像データ量通知部203は、カメラ画像データ量決定部202により決定されたデータ量を対象のカメラに通知する。なお、通知を受けたカメラは、撮像した画像を決定されたデータ量にして車両情報制御装置111に送信する。付言するならば、通知を受けたカメラは、例えば、撮像した画像のデータ量を削減する場合、画像を粗くしたり、画像のサイズを小さくしたりする等、公知の技術を用いてデータ量を削減する。
【0036】
カメラ画像表示データ送信部204は、画像表示指令に基づいて、車両の各箇所に配置されたカメラから受信した画像データを表示データとして運転台表示器112に送信する。
【0037】
次に、記憶部114に記憶されているデータについて説明する。
【0038】
図3は、カメラ選定情報の一例(カメラ選定テーブル300)を示す図である。カメラ選定テーブル300は、列車の運用状態に応じて、運転台表示器112に表示する画像を撮像したカメラを選定するための情報が格納される。
【0039】
カメラ選定テーブル300には、列車の運用状態301ごとに、運行情報302と、操作情報303と、動作情報304と、メイン画像カメラ情報305と、サブ画像カメラ情報306とが対応付けられて格納されている。
【0040】
運用状態301は、運行情報302と、操作情報303と、動作情報304とにより識別される列車の運用状態を示す。運行情報302は、列車の運行に係る情報(現在駅、列車速度、走行距離など)である。操作情報303は、列車の機器の操作に係る操作情報(マスターコントローラ120の操作情報、各種スイッチ126の操作情報、各種操作コック127の操作情報など)である。動作情報304は、列車の動作に係る動作情報(扉121の動作情報、各種機器122の動作情報、非常通報装置125の動作情報、パンタグラフ129の動作情報など)である。メイン画像カメラ情報305は、メイン画像として運転台表示器112に表示する画像を特定可能な特定情報の一例であり、例えば、カメラの識別情報(本例では、カメラ番号を示しているが、カメラ名などであってもよい。)である。サブ画像カメラ情報306は、サブ画像として運転台表示器112に表示する画像を特定可能な特定情報の一例であり、例えば、カメラの識別情報である。
【0041】
次に、列車の運用状態を推定する処理(運用状態推定処理)について説明する。
【0042】
図4は、運用状態推定部201にて実行される運用状態推定処理に係るフローチャートの一例を示す図である。運用状態推定処理は、所定の時間間隔で(定期的に)実行されている。
【0043】
ステップS401では、運用状態推定部201は、入力される列車の運行情報から走行路線情報(例えば、列車番号、時刻表情報、列車種別、現在駅、次停車駅、編成分割/併結運用等の特殊運用実施駅など)を取得し、列車の運用状態の推定要素の1つとして用いる。
【0044】
ステップS402では、運用状態推定部201は、入力される速度発電機等124(速度発電機、接続機器など)から得られる列車の速度情報をもとに、列車の走行距離の演算を行い、自列車の位置および列車の走行状態を特定し、列車の運用状態の推定要素の1つとして用いる。
【0045】
ステップS403において、運用状態推定部201は、入力される乗務員の操作情報(例えば、マスターコントローラ120の操作情報、各種スイッチ126の操作情報、各種操作コック127の操作情報)を取得し、列車の運用状態の推定要素の1つとして用いる。
【0046】
ステップS404において、運用状態推定部201は、入力される列車の動作情報(例えば、各種車両回路の動作情報(扉121、パンタグラフ129等の動作情報)、各種機器122の動作情報、故障情報など)を取得し、列車の運用状態の推定要素の1つとして用いる。
【0047】
ステップS405において、運用状態推定部201は、上述のステップS401~ステップS404において取得した情報に基づいて、自列車の運用状態を推定し、推定した結果をカメラ画像データ量決定部202に通知する。例えば、運用状態推定部201は、カメラ選定テーブル300を用いて、取得した運行情報、操作情報、動作情報に応じて規定される列車の運用状態を取得する。
【0048】
以上により、運用状態推定部201における一連の処理が終了する。
【0049】
次に、カメラ画像データ量決定部202が列車の運用状態に基づいて運転台表示器112に表示する画像のデータ量を決定する処理(データ量決定処理)について説明する。データ量決定処理は、例えば、運用状態推定部201により列車の運用状態の推定結果がカメラ画像データ量決定部202に通知されることを契機に開始される。
【0050】
図5は、カメラ画像データ量決定部202によって実行されるデータ量決定処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【0051】
ここで、車両情報制御装置111は、データ量決定処理で使用するパラメータ500を備える。パラメータ500は、例えば、記憶部114に記憶されている。パラメータ500には、例えば、画像の通信用(画像配信用)に割り当てるデータ帯域X[bit/sec]、メイン画像の配信周期a[sec]、サブ画像の配信周期b[sec]、メイン画像のデータ量A[bit]、サブ画像のデータ量B[bit]が含まれる。
【0052】
データ帯域Xは、先頭車両の車両情報制御装置111と中間車両の車両情報制御装置111とを接続するネットワークの帯域であってもよいし、先頭車両内のネットワークの帯域であってもよいし、両ネットワークの帯域うち、小さい方の帯域であってもよいし、その他の帯域であってもよい。また、データ帯域Xは、固定の値であってもよいし、制御情報配信用に割り当てるデータ帯域に応じて動的に変動する値であってもよい。メイン画像の配信周期aとサブ画像の配信周期bとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。メイン画像のデータ量Aとサブ画像のデータ量Bとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0053】
ステップS501では、カメラ画像データ量決定部202は、運用状態推定部201から通知される列車の運用状態の推定結果を取得する。
【0054】
ステップS502では、カメラ画像データ量決定部202は、ステップS501で取得した列車の運用状態の推定結果に対応する表示候補(メイン画像およびサブ画像)を判別する。例えば、カメラ画像データ量決定部202は、カメラ選定テーブル300を用いて、メイン画像に表示するための画像を配信する対象のカメラと、サブ画像に表示するための画像を配信する対象のカメラ(例えば、カメラ番号)と、サブ画像の表示数nとを決定する。なお、対象のカメラは、図1に示す車両の各箇所に配置された複数のカメラに対してユニークに割り振られるものとする。
【0055】
ステップS503では、カメラ画像データ量決定部202は、ステップS502で決定した結果およびパラメータ500を用いて、メイン画像のデータ帯域P(=A÷a)を算出する。
【0056】
ステップS504では、カメラ画像データ量決定部202は、ステップS503で算出したメイン画像のデータ帯域Pと画像配信用に割り当てるデータ帯域Xとを比較する。カメラ画像データ量決定部202は、XがP以下であると判定した場合、ステップS505に処理を移し、XがPより大きいと判定した場合、ステップS507に処理を移す。
【0057】
ステップS505では、カメラ画像データ量決定部202は、メイン画像のデータ帯域情報Pが画像配信用に割り当てるデータ帯域X以上であるので、メイン画像のデータ量A’(=X×a)を算出する。
【0058】
ステップS506では、カメラ画像データ量決定部202は、サブ画像のデータ量を「0(ゼロ)」として算出する。
【0059】
ステップS507では、カメラ画像データ量決定部202は、メイン画像のデータ帯域Pが画像配信用に割り当てるデータ帯域X未満であるので、メイン画像のデータ量をAとして算出する。
【0060】
ステップS508では、カメラ画像データ量決定部202は、サブ画像のデータ量B’(=(X-P)×b÷n)を算出する。
【0061】
ステップS509では、カメラ画像データ量決定部202は、ステップS508で算出したサブ画像のデータ量をB’とサブ画像のデータ量Bとを比較する。カメラ画像データ量決定部202は、BがB’以下であると判定した場合、ステップS510に処理を移し、BがB’より大きいと判定した場合、ステップS511に処理を移す。
【0062】
ステップS510では、カメラ画像データ量決定部202は、算出したサブ画像のデータ量B’がサブ画像のデータ量B以上であるので、サブ画像のデータ量をBとして算出する。
【0063】
ステップS511では、カメラ画像データ量決定部202は、算出したサブ画像のデータ量B’がサブ画像のデータ量B未満であるので、サブ画像のデータ量をB’として算出する。
【0064】
例えば、列車に設けられるカメラに、異なるスペックのカメラ(例えば、高画質の画像を撮像するカメラ、低画質の画像を撮像するカメラ)が含まれる場合、上述したように、列車の運用状態に応じてデータ量を計算することが好適である。
【0065】
以上により、カメラ画像データ量決定部202における一連の処理が終了する。
【0066】
データ量決定処理では、列車の運用状態に応じて、データ量を計算する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、列車の運用状態に応じて、記憶部114に記憶した情報を読込むことでデータ量を決定してもよい。例えば、カメラ選定テーブル300にけるメイン画像カメラ情報305おいて、カメラの識別情報とデータ量とが規定され、サブ画像カメラ情報306おいて、カメラの識別情報とデータ量とが規定され、カメラ選定テーブル300を用いてデータ量が決定されてもよい。
【0067】
次に、選定したカメラに対して画像のデータ量を通知する処理(データ量通知処理)について説明する。データ量通知処理は、例えば、カメラ画像データ量決定部202によりメイン画像のデータ量などがカメラ画像データ量通知部203に通知されることを契機に開始される。
【0068】
図6は、カメラ画像データ量通知部203にて実行されるデータ量通知処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【0069】
ステップS601では、カメラ画像データ量通知部203は、カメラ画像データ量決定部202から通知されるメイン画像およびサブ画像の表示対象のカメラ番号および各画像のデータ量と、各画像の配信周期a,bとを取得する。
【0070】
ステップS602では、カメラ画像データ量通知部203は、メイン画像の表示対象のカメラ番号のカメラに、メイン画像のデータ量を、メイン画像の配信周期aにて通知する。
【0071】
ステップS603では、カメラ画像データ量通知部203は、サブ画像の表示対象のカメラ番号のカメラに、サブ画像のデータ量を、サブ画像の配信周期bにて通知する。
【0072】
以上により、カメラ画像データ量通知部203における一連の処理が終了する。
【0073】
次に、運転台表示器112に画像の表示データを送信する処理(表示データ送信処理)について説明する、表示データ送信処理は、カメラより送信された画像データをカメラ画像表示データ送信部204が受信したことを契機に開始される。
【0074】
図7は、カメラ画像表示データ送信部204にて実行される表示データ送信処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【0075】
ステップS701では、カメラ画像表示データ送信部204は、車両の各カメラから画像(画像データ)を受信する。また、ステップS701では、カメラ画像表示データ送信部204は、カメラ画像データ量決定部202から通知されるメイン画像表示指令とメイン画像およびサブ画像の表示対象のカメラ番号とを受信する。
【0076】
ステップS702では、カメラ画像表示データ送信部204は、メイン画像の表示対象のカメラから受信した画像データをメイン画像表示指令とともに表示データとして運転台表示器112に送信する。
【0077】
ステップS703では、カメラ画像表示データ送信部204は、サブ画像の表示対象のカメラから受信した画像データをサブ画像表示指令とともに表示データとして運転台表示器112に送信する。
【0078】
以上により、カメラ画像表示データ送信部204における一連の処理が終了する。
【0079】
次に、運転台表示器112における、列車の運用を支援するカメラの画像(運用支援カメラ画像)の画面表示について説明する。
【0080】
図8は、運用支援カメラ画像の画面表示の一例(運用支援カメラ画像表示画面800)を示す図である。
【0081】
運用支援カメラ画像表示画面800では、メイン画像表示指令に基づいてメイン画像を表示するためのメイン画像表示領域801と、サブ画像表示指令に基づいてサブ画像を表示するためのサブ画像表示領域802とを含んで構成される。
【0082】
図9は、運転台表示器112に表示された画像(メイン画像およびサブ画像)の一例を示す図である。
【0083】
A駅から列車が出発し、列車速度がCkm/hに達する第1の運用状態では、乗務員による各種操作が行われる推定で、メイン画像として、各種スイッチ126を撮影するカメラ134のカメラ画像901が表示され、第1のサブ画像として、乗務員による各種操作が行われる推定で、各種操作コック127を撮影するカメラ138のカメラ画像902が表示され、第2のサブ画像として。列車の発車後に乗客などの扉121への挟まりの可能性を推定して、扉121を撮影するカメラ137のカメラ画像903が表示された。
【0084】
列車速度がCkm/hに達した第2の運用状態では、速度が速い状態であるため、列車正面と障害物との衝突による事態を推定し、メイン画像として、前方向状況を確認するためのカメラ130のカメラ画像911が表示され、第1のサブ画像として、列車側面と障害物との衝突による事態を推定し、車両の側面を撮影するカメラ135のカメラ画像912が表示され、第2のサブ画像として、乗務員による各種操作が行われる推定で、各種スイッチ126を撮影するカメラ134のカメラ画像913が表示された。
【0085】
B駅への到着が近くなり、列車速度がCkm/hから減速が開始された第3の運用状態では、駅への停車を推定し、メイン画像として、停車目標位置を撮影するためのカメラ131のカメラ画像921が表示され、第1のサブ画像として、駅のホームに列車が進入した際に列車側面と障害物との衝突による事態を推定し、車両の側面を撮影するカメラ135のカメラ画像922が表示され、第2のサブ画像として、駅への到着後に扉121が開く際の乗客の接触防止を監視する推定で、扉121を撮影するカメラ137のカメラ画像923が表示された。
【0086】
上述の例では、各運用状態が継続するケースについて説明したが、これに限られるものではない。例えば、第1の運用状態において、非常通報装置125が作動して他の運用状態になったときには、メイン画像、サブ画像は、他の運用状態に対応した画像に切り替えられる。
【0087】
このように、列車の運用状態に合わせて画像のデータ量を制御することで、車両内の通信網で逼迫しても、列車の運用状態に合わせて乗務員が確認したい画像を優先できるようになる。
【0088】
上述した構成によれば、列車の運用状態に合わせて画像のデータ量を制御することで、列車の運用状態に合わせて乗務員が確認したい画像のデータ量を車両内の通信網に流す指令を各カメラへ行うことができ、当該画像の車両内の通信網での欠落防止効果が期待できる。
【0089】
本実施の形態によれば、列車の運用状態を推定し、車両各箇所に配置されたカメラ画像の中から運用状態に応じて運転台表示器に画面表示するために必要なデータ量を制御することにより、画面表示する必要のないカメラから画像データの送信を抑止することができる。また、画面表示する必要のある画像データの中でも、メイン画像に表示する画像の通信に用いるデータ帯域を優先して確保することができる。
【0090】
(2)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を車両情報制御システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0091】
また上述の実施の形態においては、カメラに画像データの送信を許可する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、各カメラは、接続されている車両情報制御装置111に画像データを送信し、各車両情報制御装置111は、画像データを受信して記憶部114に記憶し、データ量の制御を行う車両情報制御装置111(車両情報制御装置111-1、車両情報制御装置111-2、または車両情報制御装置111-3)は、決定したデータ量の画像データを各車両情報制御装置111から取得するようにしてもよい。
【0092】
また上述の実施の形態において、メイン画像表示領域801は、サブ画像表示領域802よりも大きくてもよいし、メイン画像表示領域801とサブ画像表示領域802とは、同じ大きさであってもよい。同じ大きさである場合、例えば、メイン画像表示領域801を運用支援カメラ画像表示画面800の中央に配置し、サブ画像表示領域802をメイン画像表示領域801の周囲に配置してもよい。なお、運用支援カメラ画像表示画面800におけるメイン画像表示領域801およびサブ画像表示領域802は、特定の位置、大きさ、配置に限定されるものではない。
【0093】
また上述の実施の形態において、メイン画像表示領域801は、1つ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。サブ画像表示領域802は、1つ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。メイン画像表示領域801とサブ画像表示領域802との区別がなくてもよい(例えば、サブ画像表示領域802が設けられていなくてもよい)。
【0094】
また、上述の実施の形態において、「記憶部」は、メモリ部とPDEV部の少なくとも一部とのうちの少なくとも1つ(典型的には少なくともメモリ部)である。
【0095】
また、上述の実施の形態において、「メモリ部」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
【0096】
また、上述の実施の形態において、「PDEV部」は、1以上のPDEVであり、典型的には補助記憶デバイスでよい。「PDEV」は、物理的な記憶デバイス(Physical storage DEVice)を意味し、典型的には、不揮発性の記憶デバイス、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)である。
【0097】
また、上述の実施の形態において、「処理部」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0098】
また、上述の実施の形態において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、処理部によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部(例えばメモリ)及び/又はインターフェース部(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主語がプロセッサとされてもよい。プログラムを主語として説明された処理は、処理部あるいはその処理部を有する装置が行う処理としてもよい。また、処理部は、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでもよい。プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0099】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0100】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、XXテーブル、XX指令を用いて各種のデータを説明したが、データ構造は限定されるものではなく、XX情報などと表現してもよい。
【0101】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0102】
また、上述した実施の形態には、例えば、下記の特徴的構成が含まれる。
【0103】
例えば、列車の車両に係る情報を制御する車両情報制御装置(例えば、車両情報制御装置111)を備える車両情報制御システム(車両情報制御システム100)であって、上記列車の運行に係る運行情報(例えば、運行情報302)と、上記列車の機器の操作に係る操作情報(例えば、操作情報303)と、上記列車の動作に係る動作情報(例えば、動作情報304)とを入力とし、上記運行情報と上記操作情報と上記動作情報とに応じて設けられる上記列車の運用状態(例えば、列車の運用状態301)に応じて、上記列車に接続されている複数のカメラ(例えば、カメラ130~139)から上記車両情報制御装置に接続されている表示装置(例えば、運転台表示器112)に表示する画像のカメラを選定することにより、上記車両情報制御装置の通信に係るデータのデータ量を制御(例えば、カメラに画像データの送信許可を与えるように制御、各車両情報制御装置111に記憶された画像データを取得するように制御)する制御部(例えば、制御部200)を備える、ことを特徴とする。
【0104】
上述した構成によれば、例えば、列車の運用状態に応じてカメラを選定し、表示する必要のない画像データの通信を抑止することで、不要な画像データが通信網に大量に流れることにより、乗務員が確認したい画像が欠落する事態を回避できるようになる。
【0105】
また、例えば、上記表示装置に表示される画面(例えば、運用支援カメラ画像表示画面800)には、上記列車の運用状態において、主として用いられる第1の表示領域(例えば、メイン画像表示領域801)と、従として用いられる第2の表示領域(例えば、サブ画像表示領域802)とが設けられ、上記運行情報と上記操作情報と上記動作情報とに応じて規定され、上記第1の表示領域または上記第2の表示領域が対応付けられ、上記表示装置に表示する画像を特定可能な特定情報(例えば、カメラ選定テーブル300)を有し、上記制御部は、上記特定情報に基づいて、上記第1の表示領域に表示する画像のデータ量を上記第2の表示領域に表示する画像のデータ量より優先する(例えば、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさめるように、メイン画像に用いるデータ量を決定してから、サブ画像に用いるデータ量を決定する)ことで、上記車両情報制御装置が通信する画像のデータ量を、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさめる(ステップS503~ステップS511を参照)、ことを特徴とする。
【0106】
上述した構成によれば、例えば、列車の運用状態に応じて画像に優先順位をつけることで、優先順位の高いメイン画像が欠落してしまう事態を極力回避できるようになる。
【0107】
また、例えば、上記制御部は、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさまるデータ量を、特定したカメラに通知し、通知を受けたカメラは、通知されたデータ量の画像を上記制御部に送信する、ことを特徴とする。
【0108】
上述した構成によれば、例えば、画像の通信用に割り当てられているデータ帯域におさまるデータ量の画像データが通信されるので、列車の制御に用いるデータ等の通信に影響を与えることなく、画像データの通信を行うことができる。
【0109】
また、例えば、上記表示装置は、上記列車の操作者が乗車する車両に設けられ、上記制御部は、特定したカメラの画像を上記表示装置に送信し、上記表示装置は、受信した画像を表示する、ことを特徴とする。
【0110】
上述した構成によれば、例えば、操作者は、列車の運用状態に応じた画像を表示装置で確認でき、各種の操作を行うことができる。
【0111】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0112】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変化例が含まれる。また、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0113】
100……車両情報制御システム、111……車両情報制御装置、200……制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9