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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】撮像装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 7/093 20210101AFI20220908BHJP
   G03B 7/26 20210101ALI20220908BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20220908BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220908BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20220908BHJP
【FI】
G03B7/093
G03B7/26
A61B1/045 632
A61B1/00 C
G03B17/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020570292
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2019004433
(87)【国際公開番号】W WO2020161861
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 拓也
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-80694(JP,A)
【文献】特開2005-80843(JP,A)
【文献】特開平10-243385(JP,A)
【文献】特開昭61-62438(JP,A)
【文献】特開2010-184054(JP,A)
【文献】特開2005-20130(JP,A)
【文献】特開2009-226065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 7/00-7/30
G03B 17/02
A61B 1/00
A61B 1/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の動作モードと、前記第1の動作モードにおける消費電力よりも消費電力が低い第2の動作モードとのいずれか一方で動作する撮像装置であって、
画像を生成する撮像素子と、
前記撮像装置が前記第2の動作モードで動作しているとき、前記画像の明るさを判断する判断回路と、
制御回路と、
を有し、
前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像素子の撮像感度を上げ、
前記制御回路が前記撮像感度を上げた後、前記明るさが前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させる
撮像装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記撮像素子の露光時間を長くすることにより前記撮像感度を上げる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記撮像素子のゲインを上げることにより前記撮像感度を上げる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を第1の撮像感度に上げ、前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも明るく、かつ前記第1の明るさよりも暗く、
前記明るさが前記第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を第2の撮像感度に上げ、前記第2の撮像感度は、前記第1の撮像感度よりも高い
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像感度が前記第1の撮像感度であるときの前記第3の明るさは、前記撮像感度が前記第2の撮像感度であるときの前記第3の明るさよりも暗い
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記判断回路は、前記明るさが前記第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いときに前記撮像素子が観察対象内に挿入されたと判断する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させ、前記第3の明るさは、前記第1の明るさよりも暗く、
前記明るさが前記第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を上げる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも暗い
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像装置が前記第1の動作モードで動作を開始した後、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第2の動作モードで動作させ、
前記撮像装置の動作モードが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更された後、前記明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させ、前記第3の明るさは、前記第1の明るさよりも暗く、
前記撮像装置の動作モードが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更された後、前記明るさが第3の明るさよりも明るく、かつ前記第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を上げる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも暗い
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
第1の動作モードと、前記第1の動作モードにおける消費電力よりも消費電力が低い第2の動作モードとのいずれか一方で動作する撮像装置のコンピュータに、
前記撮像装置が前記第2の動作モードで動作しているとき、撮像素子によって生成された画像の明るさを判断する第1のステップと、
前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断されたとき、前記撮像素子の撮像感度を上げる第2のステップと、
前記撮像感度が上がった後、前記明るさが前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断されたとき、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させる第3のステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリーで動作するワイヤレス内視鏡が開発されている。バッテリー容量が増えるとワイヤレス内視鏡の重さが増すため、携帯性が損なわれる。よって、ワイヤレス内視鏡は、電力を無駄に消費しないことが望ましい。
【0003】
カプセル内視鏡の消費電力を抑えるための技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたカプセル内視鏡は、カプセル内視鏡が被検体内に取り込まれたか否かを以下の方法で判断する。カプセル内視鏡が起動した後、カプセル内視鏡は、撮像装置が取得した画像の輝度を検出する。画像の輝度が所定値以下である場合、カプセル内視鏡が被検体内に取り込まれたとカプセル内視鏡は判断する。その後、カプセル内視鏡は、光源および無線装置等への電力の供給を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2005-080694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内視鏡室のように暗い場所で内視鏡が使用される場合がある。特許文献1に開示された技術では、薄暗い場所と真っ暗な体内とを区別することが難しい。特許文献1に開示された技術では、内視鏡が被検体の外の暗い場所にある場合でも、消費電力が大きい光源等に電力が供給される可能性がある。そのため、消費電力を抑えることが難しい。
【0006】
本発明は、画像の明るさを正確に判断して撮像装置の消費電力を抑えることができる撮像装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、撮像装置は、第1の動作モードと、前記第1の動作モードにおける消費電力よりも消費電力が低い第2の動作モードとのいずれか一方で動作する。前記撮像装置は、撮像素子、判断回路、および制御回路を有する。前記撮像素子は、画像を生成する。前記撮像装置が前記第2の動作モードで動作しているとき、前記判断回路は前記画像の明るさを判断する。前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像素子の撮像感度を上げる。前記制御回路が前記撮像感度を上げた後、前記明るさが前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記制御回路は、前記撮像素子の露光時間を長くすることにより前記撮像感度を上げてもよい。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様において、前記制御回路は、前記撮像素子のゲインを上げることにより前記撮像感度を上げてもよい。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様において、前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を第1の撮像感度に上げてもよい。前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも明るく、かつ前記第1の明るさよりも暗くてもよい。前記明るさが前記第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を第2の撮像感度に上げてもよい。前記第2の撮像感度は、前記第1の撮像感度よりも高くてもよい。
【0011】
本発明の第5の態様によれば、第4の態様において、前記撮像感度が前記第1の撮像感度であるときの前記第3の明るさは、前記撮像感度が前記第2の撮像感度であるときの前記第3の明るさよりも暗くてもよい。
【0012】
本発明の第6の態様によれば、第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、前記判断回路は、前記明るさが前記第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いときに前記撮像素子が観察対象内に挿入されたと判断してもよい。
【0013】
本発明の第7の態様によれば、第1の態様において、前記明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させてもよい。前記第3の明るさは、前記第1の明るさよりも暗くてもよい。前記明るさが前記第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を上げてもよい。
【0014】
本発明の第8の態様によれば、第7の態様において、前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも暗くてもよい。
【0015】
本発明の第9の態様によれば、第1の態様において、前記撮像装置が前記第1の動作モードで動作を開始した後、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第2の動作モードで動作させてもよい。前記撮像装置の動作モードが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更された後、前記明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させてもよい。前記第3の明るさは、前記第1の明るさよりも暗くてもよい。前記撮像装置の動作モードが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更された後、前記明るさが第3の明るさよりも明るく、かつ前記第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと前記判断回路が判断したとき、前記制御回路は、前記撮像感度を上げてもよい。
【0016】
本発明の第10の態様によれば、第9の態様において、前記第3の明るさは、前記第2の明るさよりも暗くてもよい。
【0017】
本発明の第11の態様によれば、撮像装置のコンピュータに、第1のステップ、第2のステップ、および第3のステップを実行させるためのプログラムが提供される。前記撮像装置は、第1の動作モードと、前記第1の動作モードにおける消費電力よりも消費電力が低い第2の動作モードとのいずれか一方で動作する。前記撮像装置が前記第2の動作モードで動作しているとき、前記コンピュータは、前記第1のステップにおいて、撮像素子によって生成された画像の明るさを判断する。前記明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断されたとき、前記コンピュータは、前記第2のステップにおいて、前記撮像素子の撮像感度を上げる。前記撮像感度が上がった後、前記明るさが前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断されたとき、前記コンピュータは、前記第3のステップにおいて、前記撮像装置を前記第1の動作モードで動作させる。
【発明の効果】
【0018】
上記の各態様によれば、撮像装置およびプログラムは、画像の明るさを正確に判断して撮像装置の消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態のワイヤレス内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の送信端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態の受信端末の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図7】本発明の第1の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図8】本発明の第1の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図9】本発明の第1の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図10】本発明の第1の実施形態の第1の変形例のワイヤレス内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の第1の実施形態の第1の変形例の送信端末の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第1の実施形態の第1の変形例の受信端末の構成を示すブロック図である。
図13】本発明の第1の実施形態の第1の変形例の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図14】本発明の第1の実施形態の第1の変形例の受信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図15】本発明の第1の実施形態の第2の変形例の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図16】本発明の第1の実施形態の第3の変形例の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図17】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図18】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図19】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図20】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図21】本発明の第2の実施形態の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図22】本発明の第2の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図23】本発明の第2の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図24】本発明の第2の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図25】本発明の第2の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図26】本発明の第3の実施形態の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図27】本発明の第3の実施形態の送信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
図28】本発明の第3の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
図29】本発明の第3の実施形態における画像の明るさの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のワイヤレス内視鏡システム10の構成を示す。図1に示すワイヤレス内視鏡システム10は、送信端末100、受信端末200、およびモニタ300(ディスプレイ)を有する。送信端末100は、観察対象内に挿入される。送信端末100および受信端末200は無線通信を実行する。受信端末200は、ケーブル等によりモニタ300に接続されている。例えば、モニタ300は、液晶表示装置およびその制御回路で構成されている。受信端末200およびモニタ300は一体化されてもよい。
【0022】
図2は、送信端末100の構成を示す。送信端末100は、撮像装置である。図1に示す送信端末100は、制御回路101、判断回路102、撮像素子103、光源104、通信機105、バッテリー106、ROM107、およびRAM108を有する。
【0023】
送信端末100の概略構成について説明する。送信端末100は、通常モード(第1の動作モード)と省電力モード(第2の動作モード)とのいずれか一方で動作する。省電力モードにおける消費電力は、通常モードにおける消費電力よりも低い。撮像素子103は、画像を生成する。送信端末100が省電力モードで動作しているとき、判断回路102は画像の明るさを判断する。画像の明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を上げる。制御回路101が撮像素子103の撮像感度を上げた後、画像の明るさが第1の明るさよりも暗い第2の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、送信端末100を通常モードで動作させる。
【0024】
送信端末100の詳細な構成について説明する。制御回路101(コントローラ)は、制御対象の消費電力を制御する。制御対象は、撮像素子103、光源104、および通信機105の少なくとも1つである。制御対象は、撮像素子103、光源104、および通信機105のいずれか1つであってもよい。制御対象は、撮像素子103、光源104、および通信機105のいずれか2つであってもよい。制御対象は、撮像素子103、光源104、および通信機105の全てであってもよい。制御回路101が送信端末100を通常モードで動作させる場合、制御回路101は、制御対象の消費電力を、省電力モードにおける制御対象の消費電力よりも大きくする。
【0025】
送信端末100の動作モードは、通常モードおよび省電力モードのいずれか1つである。通常モードでは、送信端末100は観察のための通常の機能を実行する。省電力モードでは、送信端末100は通常の機能を実行せず、電力が削減される。
【0026】
撮像素子103は、空間を有する観察対象内に挿入される。例えば、観察対象は、鼻腔、口腔、耳、のど、胃、十二指腸、胆嚢、膵臓、小腸、大腸、盲腸、肛門、血管、脳、関節、骨、尿道、膀胱、肝臓、腎臓、性器、または横隔膜である。観察対象は、体内において、上記に挙げた例以外の部位であってもよい。複数の部位が互いに接続されている場合、空間は複数の部位のいずれか1つの内部であり、かつ空間の外は複数の部位の外部である。観察対象は、体内の部位に限らない。観察対象は、エンジン、管状のパイプ、または水道管等であってもよい。例えば、空間の入口および空間の出口は同じである。撮像素子103は、空間の入口を通って空間に挿入される。撮像素子103は、空間の出口を通って空間から出る。例えば、空間を囲む物体は、管状の壁面である。撮像素子103は、物体を撮像し、その物体の画像を生成する。
【0027】
撮像素子103は、イメージセンサ(イメージャ)である。例えば、撮像素子103は、CCDまたはCMOSセンサである。撮像素子103は、撮像素子103に入射した光を電気信号すなわち撮像信号に変換する。アナログ撮像信号は、ADコンバータ(アナログ-デジタル変換器)によってデジタル信号すなわち画像データに変換される。つまり、撮像素子103は、被写体を撮像し、かつ画像データを生成する。撮像素子103は、撮像周期毎に被写体を撮像し、かつ各フレームの画像データを生成する。撮像素子103は、画像データを制御回路101および判断回路102に出力する。例えば、撮像素子103の撮像感度は、撮像素子103に入射する光の量に対する画像の信号値の割合として表せる。
【0028】
判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを判断する。例えば、判断回路102は、画像データに含まれる複数の画素値の全部または一部の平均値を算出し、その平均値に基づいて画像の明るさを判断する。判断回路102は、画像の輝度値を算出し、その輝度値に基づいて画像の明るさを判断してもよい。判断回路102は、画像の明るさに基づいて、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを判断する。判断回路102は、判断結果を制御回路101に出力する。
【0029】
例えば、光源104(照明器)はLED(Light Emitting Diode)である。光源104は、照明光を生成する。光源104は、送信端末100が挿入される観察対象内の空間に照明光を照射する。光源104は、撮像素子103によって撮像される範囲を照明光によって照らす。
【0030】
通信機105(送信機)は、無線通信機である。通信機105は、アンテナを含む。あるいは、通信機105はアンテナに接続されている。通信機105は、受信端末200と無線通信を実行する。通信機105は、画像データを無線で受信端末200に送信する。
【0031】
バッテリー106は、電力を制御回路101、判断回路102、撮像素子103、光源104、通信機105、ROM107、およびRAM108に供給する。
【0032】
ROM107は、FlashROM等の不揮発メモリである。プログラムデータと、各種の設定情報とがROM107に格納される。プログラムデータは、送信端末100の制御に使用される。設定情報は、通信設定パラメータを含む。RAM108は揮発メモリである。RAM108は、バッファ、ワークエリア、および一時エリアとして使用される。バッファは、画像データの一時的な格納に使用される。ワークエリアは、制御回路101が実行する演算等に使用される。一時エリアは、各種の設定情報等の一時的な格納に使用される。
【0033】
例えば、制御回路101は、通常モードにおいて、撮像素子103の撮像レートを省電力モードにおける撮像レートよりも上げてもよい。制御回路101は、通常モードにおいて、撮像素子103によって生成される画像データの解像度を省電力モードにおける解像度よりも上げてもよい。制御回路101は、通常モードにおいて、光源104の照射光量を省電力モードにおける照射光量よりも上げてもよい。制御回路101は、通常モードにおいて、通信機105の送信レートを省電力モードにおける送信レートよりも上げてもよい。
【0034】
制御回路101は、省電力モードにおいて、制御回路101と判断回路102と撮像素子103とを除く制御対象の電源をオフにしてもよい。この場合、制御回路101は、バッテリー106に、制御回路101と判断回路102と撮像素子103とを除く制御対象への電力の供給を停止させる。光源104は、省電力モードにおいて消灯し、かつ通常モードにおいて点灯してもよい。通信機105は、省電力モードにおいて通信を停止し、かつ通常モードにおいて通信を実行してもよい。
【0035】
制御回路101は、撮像素子103から出力された画像データを通信機105に出力する。画像データは圧縮されてもよい。制御回路101は、通常モードにおいて、画像データの圧縮率を省電力モードにおける圧縮率よりも上げてもよい。制御回路101は、省電力モードにおいて画像データを圧縮せず、かつ通常モードにおいて画像データを圧縮してもよい。
【0036】
制御回路101および判断回路102は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されている。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。制御回路101および判断回路102は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御回路101および判断回路102は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。制御回路101および判断回路102は、ROM107に格納されているプログラムに従って動作する。
【0037】
プロセッサが、プログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。プログラムは、制御回路101および判断回路102の動作を規定する命令を含む。つまり、制御回路101および判断回路102の機能はソフトウエアにより実現されてもよい。そのプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。そのプログラムは、そのプログラムを保持するコンピュータから、伝送媒体を経由して、あるいは伝送媒体中の伝送波により送信端末100に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、情報を伝送する機能を有する媒体である。情報を伝送する機能を有する媒体は、インターネット等のネットワーク(通信網)および電話回線等の通信回線(通信線)を含む。上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組合せが、前述した機能を実現してもよい。
【0038】
制御回路101は、通信機105を使用することによって画像データを受信端末200に送信する。具体的には、制御回路101は、画像データが受信端末200に送信されるように通信機105を制御する。つまり、制御回路101は、受信端末200に対する画像データを通信機105に送信させる。これによって、通信機105は、画像データを受信端末200に送信する。
【0039】
図3は、受信端末200の構成を示す。図3に示す受信端末200は、通信機201、画像処理回路202、および出力インターフェース203を有する。
【0040】
通信機201(受信機)は、無線通信機である。通信機201は、アンテナを含む。あるいは、通信機201はアンテナに接続されている。通信機201は、送信端末100と無線通信を実行する。通信機201は、画像データを無線で送信端末100から受信する。通信機201は、受信された画像データを画像処理回路202に出力する。
【0041】
画像処理回路202は、通信機201によって受信された画像データに画像処理を施す。例えば、画像処理回路202は、画像データを、画像の表示に使用するフォーマットの表示データに変換する。画像データが圧縮されている場合、画像処理回路202は、画像データを伸長してもよい。画像処理回路202は、表示データを出力インターフェース203に出力する。
【0042】
出力インターフェース203は、モニタ300に接続されている。出力インターフェース203は、画像処理回路202から出力された表示データをモニタ300に出力する。モニタ300は、表示データに基づいて画像を表示する。
【0043】
送信端末100と受信端末200とがケーブルで接続されてもよい。この場合、通信機105および通信機201はケーブルで接続される。通信機105および通信機201は、ケーブルを経由して通信を実行する。
【0044】
図4は、省電力モードにおける送信端末100の動作の手順を示す。図4を参照し、送信端末100の動作を説明する。例えば、送信端末100の電源が投入された直後、送信端末100は省電力モードで動作する。
【0045】
送信端末100は、判断処理を実行する(ステップS101)。判断処理において、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを判断する。判断処理の詳細については後述する。
【0046】
ステップS101の後、制御回路101は、判断処理の結果に基づいて、通常モードに移行するか否かを判断する(ステップS102)。撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断回路102が判断処理において判断した場合、制御回路101は、通常モードに移行すると判断する。撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断回路102が判断処理において判断した場合、制御回路101は、通常モードに移行しないと判断する。
【0047】
ステップS101において、通常モードに移行すると制御回路101が判断した場合、制御回路101は、送信端末100を通常モードで動作させる(ステップS103)。これにより、図4に示す処理が終了する。ステップS101において、通常モードに移行しないと制御回路101が判断した場合、図4に示す処理が終了する。送信端末100が省電力モードで動作している間、図4に示す処理は繰り返し実行される。
【0048】
制御回路101は、ステップS103において、制御対象の消費電力を、省電力モードにおける制御対象の消費電力よりも大きくする。制御回路101は、ステップS103において、送信端末100のモードを省電力モードから通常モードに変更する。通常モードを示すモード情報がRAM108に保持される。
【0049】
通常モードが送信端末100に設定されている間、撮像素子103は空間内の物体を周期的に撮像する。通常モードが送信端末100に設定されている間、光源104は照明光を生成し、かつ照明光を空間内の物体に照射する。通常モードが送信端末100に設定されている間、通信機105は画像データを受信端末200に周期的に送信する。
【0050】
図5は、ステップS101における判断処理の詳細を示す。図5を参照し、判断処理における送信端末100の動作を説明する。
【0051】
判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出し、かつその明るさを示す値が閾値A1以下であるか否かを判断する(ステップS201)。閾値A1は、第1の明るさを示す。例えば、閾値A1は、実験的に決定される。
【0052】
ステップS201において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路102が判断した場合、判断回路102は判断結果を制御回路101に出力する。制御回路101は、判断結果に基づいて撮像素子103の撮像感度を変更する(ステップS202)。
【0053】
例えば、制御回路101は、ステップS202において、撮像素子103の露光時間を長くすることにより撮像感度を上げる。ステップS202が実行された後の露光時間は、ステップS202が実行される前の露光時間よりも長い。あるいは、制御回路101は、ステップS202において、撮像素子103のゲインを上げることにより撮像感度を上げる。ステップS202が実行された後のゲインは、ステップS202が実行される前のゲインよりも大きい。
【0054】
撮像素子103の撮像感度を変更する方法以外の方法が使用されてもよい。例えば、判断回路102は、ステップS202において、画像データにおける複数の画素の値を加算することにより各画素の値を大きくしてもよい。判断回路102は、加算された値に基づいて画像の明るさを判断する。上記の複数の方法のいずれか1つが使用されてもよい。上記の複数の方法が同時に使用されてもよい。
【0055】
撮像素子103が観察対象内に挿入される前、送信端末100の動作モードは省電力モードである。ステップS201において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路102が判断した場合、撮像素子103が観察対象内に挿入された可能性がある。あるいは、撮像素子103は観察対象内に挿入されてなく、観察対象外の暗い場所で使用されている可能性がある。撮像素子103が観察対象内に挿入されたのか、それとも観察対象外の暗い場所で使用されているのかを判断するために、制御回路101は、ステップS202において撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103の撮像感度が上がった場合、撮像素子103の消費電力が増加する。撮像素子103の消費電力を抑えるために、画像がある程度暗くなったときのみ、制御回路101は撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103の撮像感度が上がった後の送信端末100の消費電力は、通常モードにおける送信端末100の消費電力よりも小さい。
【0056】
図4に示す処理が繰り返し実行されるため、図5に示す処理は繰り返し実行される。ステップS202が1回以上実行されて撮像素子103の撮像感度が既に変更されている場合、ステップS202は実行されずにステップS203が実行される。
【0057】
ステップS202の後、判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出し、かつその明るさを示す値が閾値A2以下であるか否かを判断する(ステップS203)。閾値A2は、第2の明るさを示す。閾値A2は、閾値A1よりも小さい。例えば、閾値A2は、実験的に決定される。ステップS202の後に撮像素子103によって生成された画像がステップS203において使用される。
【0058】
ステップS203において、画像の明るさを示す値が閾値A2以下であると判断回路102が判断した場合、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。判断回路102は、判断結果を制御回路101に出力する(ステップS204)。ステップS204が実行されたとき、判断処理が終了する。
【0059】
ステップS201において、画像の明るさを示す値が閾値A1よりも大きいと判断回路102が判断した場合、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。ステップS203において、画像の明るさを示す値が閾値A2よりも大きいと判断回路102が判断した場合も、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。判断回路102は、判断結果を制御回路101に出力する(ステップS205)。ステップS205が実行されたとき、判断処理が終了する。
【0060】
送信端末100が省電力モードで動作しているときに撮像素子103が観察対象内に挿入される可能性がある。送信端末100の周囲の明るさを正確に検出するために、省電力モードにおける光源104の照射光量は、観察対象内に撮像素子103が挿入されたときでも暗い画像が取得されるように設定される。
【0061】
制御回路101が撮像素子103の撮像感度を上げた後、ステップS203において使用される画像が取得される。省電力モードにおける撮像レートが低い場合、ステップS203における判断を早く実行するために制御回路101は撮像素子103の撮像レートを一時的に上げてもよい。ステップS203の後、制御回路101は撮像素子103の撮像レートを省電力モードにおける撮像レートに戻す。
【0062】
暗い画像の圧縮率が高くなる画像圧縮方法が使用されてもよい。その方法が使用される場合、判断回路102は、圧縮率の情報を制御回路101から取得し、かつ圧縮率に基づいて画像の明るさを判断してもよい。
【0063】
図6から図9は、画像の明るさの変化を示す。各図に示すグラフの横軸は時間を示し、かつ各図に示すグラフの縦軸は画像の明るさを示す。
【0064】
図6において、時刻T101よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T101まで省電力モードに保たれる。時刻T101に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1以下である。そのため、制御回路101は撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103が非常に暗い場所で使用されている場合、線L101が示すように、画像は暗くなる。撮像素子103がわずかに暗い場所で使用されている場合、線L102が示すように、撮像感度の増加によって画像が明るくなることがある。送信端末100の動作モードは時刻T101の後も省電力モードに保たれる。
【0065】
図7において、画像の明るさは常に閾値A1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0066】
図8は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。時刻T102よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1よりも小さく、かつ閾値A2よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T102まで省電力モードに保たれる。時刻T102に生成された画像の明るさを示す値は閾値A2以下である。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。制御回路101は、送信端末100の動作モードを通常モードに変更する。
【0067】
図9は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。画像の明るさは常に閾値A1よりも小さく、かつ閾値A2よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0068】
本発明の各態様のプログラムは、第1のステップ(ステップS201およびステップS203)、第2のステップ(ステップS202)、および第3のステップ(ステップS103)を送信端末100に実行させる。
【0069】
本発明の各態様の撮像装置が適用される範囲は、ワイヤレス内視鏡システムに限らない。撮像装置が使用される範囲は制限されない。
【0070】
本発明の各態様の撮像装置が通信機を有する必要はない。したがって、送信端末100が通信機105を有する必要はない。その場合、消費電力の制御対象は、撮像素子103および光源104の少なくとも1つである。
【0071】
第1の実施形態において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を上げる。画像が明るい間、撮像素子103の撮像感度は低い。そのため、送信端末100の消費電力が抑えられる。制御回路101が撮像素子103の撮像感度を上げた後、画像の明るさを示す値が閾値A2以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、送信端末100を通常モードで動作させる。撮像素子103の撮像感度が上がるため、送信端末100は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを正確に判断することができる。
【0072】
(第1の実施形態の第1の変形例)
本発明の第1の実施形態の第1の変形例を説明する。図10は、第1の実施形態の第1の変形例のワイヤレス内視鏡システム10aの構成を示す。図1に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0073】
図10に示すワイヤレス内視鏡システム10aは、送信端末100a、受信端末200a、およびモニタ300(ディスプレイ)を有する。ワイヤレス内視鏡システム10aは、撮像装置である。図1に示す送信端末100は送信端末100aに変更される。図1に示す受信端末200は受信端末200aに変更される。
【0074】
図11は、送信端末100aの構成を示す。図2に示す構成と同じ構成の説明を省略する。図11に示す送信端末100aは、制御回路101、撮像素子103、光源104、通信機105、バッテリー106、ROM107、およびRAM108を有する。送信端末100aは、図2に示す判断回路102を有していない。
【0075】
図12は、受信端末200aの構成を示す。図3に示す構成と同じ構成の説明を省略する。図12に示す受信端末200aは、通信機201、画像処理回路202、出力インターフェース203、および判断回路204を有する。判断回路204は、図2に示す判断回路102と同様の機能を有する。
【0076】
図13は、省電力モードにおける送信端末100aの動作の手順を示す。図13を参照し、送信端末100aの動作を説明する。図4に示す処理と同じ処理の説明を省略する。図13に示す処理と並行して、通信機105は画像データを受信端末200aに周期的に送信する。
【0077】
通信機105は、判断回路204によって実行された判断処理の結果を受信端末200aから受信する。通信機105は、受信された判断処理の結果を制御回路101に出力する(ステップS111)。
【0078】
ステップS111の後、制御回路101は、撮像感度の変更指示が受信端末200aから受信されたか否かを判断する(ステップS112)。撮像感度の変更指示は、撮像素子103の撮像感度を上げることを示す。
【0079】
ステップS112において、撮像感度の変更指示が受信端末200aから受信されていないと制御回路101が判断した場合、ステップS102が実行される。ステップS112において、撮像感度の変更指示が受信端末200aから受信されたと制御回路101が判断した場合、制御回路101は、撮像感度の変更指示に基づいて撮像素子103の撮像感度を変更する(ステップS113)。ステップS113の後、ステップS102が実行される。
【0080】
図14は、受信端末200aの動作の手順を示す。図14を参照し、受信端末200aの動作を説明する。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。図14に示す処理と並行して、通信機201は画像データを送信端末100aから周期的に受信する。
【0081】
ステップS201、ステップS203、ステップS204、およびステップS205の各々は、図5に示す各ステップと同じである。送信端末100の判断回路102が図5に示すステップS201、ステップS203、ステップS204、およびステップS205を実行するが、受信端末200aの判断回路204が図14に示すステップS201、ステップS203、ステップS204、およびステップS205を実行する。
【0082】
ステップS201において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路204が判断した場合、判断回路204は撮像感度の変更指示を通信機201に出力する。通信機201は、撮像感度の変更指示を送信端末100aに送信する(ステップS211)。ステップS211の後、ステップS203が実行される。
【0083】
ステップS204またはステップS205の後、判断回路204は判断処理の結果を通信機201に出力する。通信機201は、判断処理の結果を送信端末100aに送信する(ステップS212)。
【0084】
第1の実施形態の第1の変形例において、送信端末100aの消費電力が抑えられる。また、受信端末200aは、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを正確に判断することができる。
【0085】
(第1の実施形態の第2の変形例)
本発明の第1の実施形態の第2の変形例を説明する。画像の明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を第1の撮像感度に上げる。第3の明るさは、第2の明るさよりも明るく、かつ第1の明るさよりも暗い。画像の明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を第2の撮像感度に上げる。第2の撮像感度は、第1の撮像感度よりも高い。
【0086】
図15は、図4に示すステップS101における判断処理の詳細を示す。図15を参照し、判断処理における送信端末100の動作を説明する。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0087】
ステップS201において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路102が判断した場合、判断回路102は判断結果を制御回路101に出力する。制御回路101は、判断結果に基づいて撮像素子103の撮像感度を変更する(ステップS202a)。
【0088】
制御回路101は、ステップS202aにおいて、画像の明るさを示す値に基づいて撮像感度を変更する。例えば、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であり、かつ閾値A3よりも大きいと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を第1の撮像感度に上げる。閾値A3は、閾値A2よりも大きく、かつ閾値A1よりも小さい。閾値A3は、第3の明るさを示す。閾値A3は、実験的に決定される。画像の明るさを示す値が閾値A3以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を第2の撮像感度に上げる。
【0089】
例えば、制御回路101は、ステップS202aにおいて、撮像素子103の露光時間を長くすることにより撮像感度を上げる。例えば、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であり、かつ閾値A3よりも大きいと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の露光時間をT1に変更する。露光時間T1は、現在の露光時間よりも長い。画像の明るさを示す値が閾値A3以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の露光時間をT2に変更する。露光時間T2は、露光時間T1よりも長い。
【0090】
あるいは、制御回路101は、ステップS202aにおいて、撮像素子103のゲインを上げることにより撮像感度を上げる。例えば、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であり、かつ閾値A3よりも大きいと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103のゲインをG1に変更する。ゲインG1は、現在のゲインよりも大きい。画像の明るさを示す値が閾値A3以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103のゲインをG2に変更する。ゲインG2は、ゲインG1よりも大きい。
【0091】
上記の例では、撮像素子103の撮像感度は、ステップS202aにおいて、2つの撮像感度のいずれか1つに変更される。撮像素子103の撮像感度は、ステップS202aにおいて、3つ以上の撮像感度のいずれか1つに変更されてもよい。その場合、閾値A1と閾値A2との間に2つ以上の閾値が設定される。
【0092】
撮像素子103の撮像感度を変更する方法以外の方法が使用されてもよい。例えば、判断回路102は、ステップS202aにおいて、画像データにおける複数の画素の値を加算することにより各画素の値を大きくしてもよい。例えば、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であり、かつ閾値A3よりも大きいと判断回路102が判断したとき、判断回路102は、N1個の画素の値を加算する。数字N1は、2以上の整数である。画像の明るさを示す値が閾値A3以下であると判断回路102が判断したとき、判断回路102は、N2個の画素の値を加算する。数字N2は、数字N1よりも大きい。判断回路102は、加算された値に基づいて画像の明るさを判断する。
【0093】
上記の例では、加算される画素の数は、ステップS202aにおいて、2つの数のいずれか1つに変更される。加算される画素の数は、ステップS202aにおいて、3つ以上の数のいずれか1つに変更されてもよい。
【0094】
上記の複数の方法のいずれか1つが使用されてもよい。上記の複数の方法が同時に使用されてもよい。
【0095】
送信端末100の周囲の明るさが一定であっても、撮像素子103の撮像感度の変化に応じて、画像の明るさが変化する可能性がある。撮像素子103の撮像感度が上がった後、画像は明るくなりやすい。そのため、第1の撮像感度におけるステップS203の判断結果と、第2の撮像感度におけるステップS203の判断結果とが異なる可能性がある。これを考慮して、ステップS203における閾値A2は、ステップS202aにおいて設定された撮像感度に基づいて変更されてもよい。
【0096】
例えば、ステップS202aにおいて撮像素子103の撮像感度が第2の撮像感度に変更された場合、判断回路102は、ステップS203において閾値A2を使用する。ステップS202aにおいて撮像素子103の撮像感度が第1の撮像感度に変更された場合、判断回路102は、ステップS203において閾値A2aを使用する。第1の撮像感度は、第2の撮像感度よりも小さい。閾値A2aは、閾値A2よりも小さい。つまり、撮像素子103の撮像感度が第1の撮像感度であるときの第3の明るさは、撮像素子103の撮像感度が第2の撮像感度であるときの第3の明るさよりも暗い。
【0097】
図10に示すワイヤレス内視鏡システム10aに対して、第1の実施形態の第2の変形例で説明した方法が適用されてもよい。
【0098】
第1の実施形態の第2の変形例において、画像の明るさを示す値が閾値A1以下であると判断回路102が判断したとき、制御回路101は、画像の明るさに基づいて撮像素子103の撮像感度を変更する。そのため、制御回路101は、送信端末100の周囲の明るさに対応する撮像感度を撮像素子103に設定することができる。その結果、制御回路101は、送信端末100の消費電力を制御することができる。
【0099】
(第1の実施形態の第3の変形例)
図1に示すワイヤレス内視鏡システム10を使用して、本発明の第1の実施形態の第3の変形例を説明する。
【0100】
図16は、図4に示すステップS101における判断処理の詳細を示す。図16を参照し、判断処理における送信端末100の動作を説明する。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0101】
ステップS202の後、判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出する。判断回路102は、画像の明るさを示す値が閾値A1よりも小さく、かつその明るさと閾値A1との差分が閾値A3以上であるか否かを判断する(ステップS203a)。閾値A1から閾値A3だけ低い値は、第2の明るさを示す。閾値A3は、実験的に決定される。ステップS202の後に撮像素子103によって生成された画像がステップS203aにおいて使用される。
【0102】
ステップS203aにおいて、画像の明るさを示す値が閾値A1よりも小さく、かつその明るさと閾値A1との差分が閾値A3以上であると判断回路102が判断した場合、ステップS204が実行される。ステップS203aにおいて、画像の明るさを示す値が閾値A1以上である場合、ステップS205が実行される。ステップS203aにおいて、画像の明るさを示す値が閾値A1よりも小さく、かつその明るさと閾値A1との差分が閾値A3よりも小さいと判断回路102が判断した場合、ステップS205が実行される。
【0103】
図17から図20は、画像の明るさの変化を示す。各図に示すグラフの横軸は時間を示し、かつ各図に示すグラフの縦軸は画像の明るさを示す。
【0104】
図17において、時刻T103よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T103まで省電力モードに保たれる。時刻T103に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1以下である。そのため、制御回路101は撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103が非常に暗い場所で使用されている場合、線L103が示すように、画像は暗くなる。撮像素子103がわずかに暗い場所で使用されている場合、線L104が示すように、撮像感度の増加によって画像が明るくなることがある。送信端末100の動作モードは時刻T103の後も省電力モードに保たれる。
【0105】
図18において、画像の明るさは常に閾値A1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0106】
図19は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。時刻T104よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値A1よりも小さい。また、その明るさと閾値A1との差分は閾値A3よりも小さい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T104まで省電力モードに保たれる。時刻T104に生成された画像の明るさと閾値A1との差分は閾値A3以上である。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。制御回路101は、送信端末100の動作モードを通常モードに変更する。
【0107】
図20は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。画像の明るさは常に閾値A1よりも小さい。また、画像の明るさと閾値A1との差分は常に閾値A3よりも小さい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0108】
図10に示すワイヤレス内視鏡システム10aに対して、第1の実施形態の第3の変形例で説明した方法が適用されてもよい。
【0109】
第1の実施形態の第3の変形例において、判断回路102は、図5に示す方法と同様の方法で、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを判断することができる。
【0110】
(第2の実施形態)
図1に示すワイヤレス内視鏡システム10を使用して、本発明の第2の実施形態を説明する。画像の明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、送信端末100を通常モードで動作させる。第3の明るさは、第1の明るさよりも暗い。画像の明るさが第1の明るさと同じであるかそれよりも暗く、かつ第3の明るさよりも明るいと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を上げる。
【0111】
図21は、図4に示すステップS101における判断処理の詳細を示す。図21を参照し、判断処理における送信端末100の動作を説明する。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0112】
判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出し、かつその明るさを示す値が閾値B1以下であるか否かを判断する(ステップS221)。閾値B1は、第1の明るさを示す。例えば、閾値B1は、実験的に決定される。閾値B1は、図5に示す閾値A1と同じであってもよい。
【0113】
ステップS221において、画像の明るさを示す値が閾値B1よりも大きいと判断回路102が判断した場合、ステップS202が実行される。ステップS221において、画像の明るさを示す値が閾値B1以下であると判断回路102が判断した場合、画像の明るさを示す値が閾値B2よりも大きいか否かを判断する(ステップS222)。閾値B2は、第3の明るさを示す。例えば、閾値B2は、閾値B1よりも小さい。例えば、閾値B2は、実験的に決定される。ステップS221における判断に使用された画像がステップS222において使用される。
【0114】
ステップS222において、画像の明るさを示す値が閾値B2よりも大きいと判断回路102が判断した場合、ステップS205が実行される。ステップS222において、画像の明るさを示す値が閾値B2以下であると判断回路102が判断した場合、ステップS204が実行される。
【0115】
ステップS202の後、判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出し、かつその明るさを示す値が閾値B3以下であるか否かを判断する(ステップS223)。閾値B3は、第2の明るさを示す。閾値B3は、閾値B1よりも小さい。例えば、閾値B3は、実験的に決定される。閾値B3は、図5に示す閾値A2と同じであってもよい。ステップS202の後に撮像素子103によって生成された画像がステップS223において使用される。
【0116】
ステップS223において、画像の明るさを示す値が閾値B3以下であると判断回路102が判断した場合、ステップS204が実行される。ステップS223において、画像の明るさを示す値が閾値B3よりも大きいと判断回路102が判断した場合、ステップS205が実行される。
【0117】
撮像素子103の撮像感度が上がる前に、ステップS222において、判断回路102は、画像の明るさを判断することにより、撮像素子103の使用環境を検出する。ステップS222において画像が十分暗いと判断できる場合、判断回路102は、ステップS204において撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。ステップS222において画像が十分暗くないと判断される場合、撮像素子103は観察対象内に挿入されてなく、観察対象外の暗い場所で使用されている可能性がある。撮像素子103が観察対象内に挿入されたのか、それとも観察対象外の暗い場所で使用されているのかを判断するために、制御回路101は、ステップS202において撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103の撮像感度が上がった後、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを判断するために、ステップS223が実行される。
【0118】
送信端末100の周囲の明るさが一定であっても、撮像素子103の撮像感度の変化に応じて、画像の明るさが変化する可能性がある。撮像素子103の撮像感度が上がった後、画像は明るくなりやすい。そのため、撮像素子103が観察対象内に挿入されている状況において、ステップS222の判断結果とステップS223の判断結果とが異なる可能性がある。これを考慮して、ステップS222における閾値B2は、ステップS223における閾値B3よりも小さくてもよい。つまり、第3の明るさは、第2の明るさよりも暗くてもよい。
【0119】
図22から図25は、画像の明るさの変化を示す。各図に示すグラフの横軸は時間を示し、かつ各図に示すグラフの縦軸は画像の明るさを示す。
【0120】
図22において、時刻T111よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T111まで省電力モードに保たれる。時刻T111に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1以下であり、かつ閾値B2よりも小さい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。制御回路101は、送信端末100の動作モードを通常モードに変更する。
【0121】
図23において、時刻T112よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T112まで省電力モードに保たれる。時刻T112に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1以下であり、かつ閾値B2よりも大きい。そのため、制御回路101は撮像素子103の撮像感度を上げる。時刻T112よりも後に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1以下であるが、閾値B2および閾値B3のいずれよりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T112の後も省電力モードに保たれる。
【0122】
図24は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。時刻T113よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値B1よりも小さく、かつ閾値B3よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T113まで省電力モードに保たれる。時刻T113に生成された画像の明るさを示す値は閾値B3以下である。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。制御回路101は、送信端末100の動作モードを通常モードに変更する。
【0123】
図25は、撮像素子103の撮像感度が上がった後に生成された画像の明るさの変化を示す。画像の明るさは常に閾値B1よりも小さい。また、画像の明るさは常に閾値B2および閾値B3よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0124】
図10に示すワイヤレス内視鏡システム10aに対して、第2の実施形態で説明した方法が適用されてもよい。
【0125】
第2の実施形態において、送信端末100の消費電力が抑えられる。また、送信端末100は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを正確に判断することができる。
【0126】
撮像素子103の撮像感度が上がる前に、ステップS222において、撮像素子103の使用環境が検出される。撮像素子103が既に観察対象内に挿入されている場合、送信端末100は通常モードに早く移行することができる。
【0127】
(第3の実施形態)
図1に示すワイヤレス内視鏡システム10を使用して、本発明の第3の実施形態を説明する。送信端末100が通常モードで動作を開始した後、制御回路101は、送信端末100を省電力モードで動作させる。送信端末100の動作モードが通常モードから省電力モードに変更された後、画像の明るさが第3の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、送信端末100を通常モードで動作させる。第3の明るさは、第1の明るさよりも暗い。送信端末100の動作モードが通常モードから省電力モードに変更された後、画像の明るさが第3の明るさよりも明るく、かつ第1の明るさと同じであるかそれよりも暗いと判断回路102が判断したとき、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を上げる。
【0128】
図26は、送信端末100の動作の手順を示す。図26を参照し、送信端末100の動作を説明する。図4に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0129】
制御回路101は、省電力モードに移行するか否かを判断する(ステップS131)。ワイヤレス内視鏡システム10は、様々な方法で省電力モードに移行することができる。観察対象内の観察が終了するとき、撮像素子103は観察対象から抜かれる。画像の明るさは観察対象に応じて異なる。光源104が点灯している場合であっても、撮像素子103が観察対象外に出ると、画像は観察時の画像よりも暗くなる。そのため、制御回路101は、省電力モードに移行すると判断する。制御回路101は、画像を使用する方法以外の方法でステップS131の判断を実行してもよい。送信端末100が既に省電力モードで動作している場合、制御回路101は、省電力モードに移行しないと判断する。
【0130】
ステップS131において、省電力モードに移行しないと制御回路101が判断した場合、ステップS101aが実行される。図4に示すステップS101は、ステップS101aに変更される。ステップS131において、省電力モードに移行すると制御回路101が判断した場合、制御回路101は、送信端末100を省電力モードで動作させる(ステップS132)。
【0131】
制御回路101は、ステップS132において、制御対象の消費電力を、通常モードにおける制御対象の消費電力よりも小さくする。制御回路101は、ステップS132において、送信端末100のモードを通常モードから省電力モードに変更する。省電力モードを示すモード情報がRAM108に保持される。
【0132】
ステップS132の後、制御回路101は、撮像素子103の撮像感度を変更する(ステップS133)。例えば、制御回路101は、ステップS133において、撮像素子103の露光時間を短くすることにより撮像感度を下げる。ステップS133が実行された後の露光時間は、ステップS133が実行される前の露光時間よりも短い。あるいは、制御回路101は、撮像素子103のゲインを下げることにより撮像感度を下げる。ステップS133が実行された後のゲインは、ステップS133が実行される前のゲインよりも小さい。ステップS133の後、ステップS101aが実行される。
【0133】
図27は、図26に示すステップS101aにおける判断処理の詳細を示す。図27を参照し、判断処理における送信端末100の動作を説明する。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0134】
判断回路102は、撮像素子103から出力された画像の明るさを検出し、かつその明るさを示す値が閾値C1以下であるか否かを判断する(ステップS231)。閾値C1は、閾値A1よりも小さい。閾値C1は、第3の明るさを示す。例えば、閾値C1は、実験的に決定される。
【0135】
ステップS231において、画像の明るさを示す値が閾値C1よりも大きいと判断回路102が判断した場合、ステップS201が実行される。ステップS231において、画像の明るさを示す値が閾値C1以下であると判断回路102が判断した場合、ステップS204が実行される。
【0136】
送信端末100が省電力モードに移行した直後、ステップS231において、判断回路102は、画像の明るさを判断することにより、撮像素子103の使用環境を検出する。ステップS231において画像が十分暗いと判断できる場合、判断回路102は、ステップS204において撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。ステップS231において画像が十分暗くないと判断される場合、撮像素子103は観察対象内に挿入されてなく、暗い場所で使用されている可能性がある。撮像素子103が観察対象内に挿入されたのか、それとも暗い場所で使用されているのかを判断するために、制御回路101は、ステップS202において撮像素子103の撮像感度を上げる。撮像素子103の撮像感度が上がった後、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを判断するために、ステップS204が実行される。
【0137】
ステップS132およびステップS133が実行された後のみ、ステップS231が実行されてもよい。ステップS132およびステップS133が実行されていない場合、送信端末100は通常モードで動作している。その場合、判断処理において、ステップS231が実行されずにステップS201が実行されてもよい。
【0138】
送信端末100の周囲の明るさが一定であっても、撮像素子103の撮像感度の変化に応じて、画像の明るさが変化する可能性がある。撮像素子103の撮像感度が上がった後、画像は明るくなりやすい。そのため、撮像素子103が観察対象内に挿入されている状況において、ステップS231の判断結果とステップS203の判断結果とが異なる可能性がある。これを考慮して、ステップS231における閾値C1は、ステップS203における閾値A2よりも小さくてもよい。つまり、第3の明るさは、第2の明るさよりも暗くてもよい。
【0139】
図28および図29は、画像の明るさの変化を示す。各図に示すグラフの横軸は時間を示し、かつ各図に示すグラフの縦軸は画像の明るさを示す。
【0140】
図28において、送信端末100の動作モードは時刻T121に通常モードから省電力モードに変更される。時刻T121の後、かつ時刻T122よりも前に生成された画像の明るさを示す値は閾値C1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは時刻T122まで省電力モードに保たれる。時刻T122に生成された画像の明るさを示す値は閾値C1以下である。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたと判断する。制御回路101は、送信端末100の動作モードを通常モードに変更する。
【0141】
図29において、送信端末100の動作モードは時刻T123に通常モードから省電力モードに変更される。時刻T123の後、画像の明るさを示す値は閾値C1よりも大きい。そのため、判断回路102は、撮像素子103が観察対象内に挿入されていないと判断する。送信端末100の動作モードは省電力モードに保たれる。
【0142】
図10に示すワイヤレス内視鏡システム10aに対して、第3の実施形態で説明した方法が適用されてもよい。
【0143】
第3の実施形態において、送信端末100の消費電力が抑えられる。また、送信端末100は、撮像素子103が観察対象内に挿入されたか否かを正確に判断することができる。
【0144】
送信端末100が省電力モードに移行した直後、ステップS222において、撮像素子103の使用環境が検出される。撮像素子103が観察対象内に再度挿入された場合、送信端末100は通常モードに早く移行することができる。
【0145】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明の各実施形態によれば、撮像装置およびプログラムは、画像の明るさを正確に判断して撮像装置の消費電力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0147】
10,10a ワイヤレス内視鏡システム
100,100a 送信端末
101 制御回路
102,204 判断回路
103 撮像素子
104 光源
105,201 通信機
106 バッテリー
107 ROM
108 RAM
200,200a 受信端末
202 画像処理回路
203 出力インターフェース
300 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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