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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】リレーのコイル線を巻くための巻線装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/082 20160101AFI20220908BHJP
   H01F 41/09 20160101ALI20220908BHJP
   H01F 41/064 20160101ALI20220908BHJP
【FI】
H01F41/082
H01F41/09
H01F41/064
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021521335
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2019075688
(87)【国際公開番号】W WO2020083595
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】BE2018/5740
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルトマン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】アーベンロート マリオ
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-205034(JP,A)
【文献】特開平07-312323(JP,A)
【文献】特開平04-254314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/082
H01F 41/09
H01F 41/064
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーのコイルヨーク(108)の第1の巻型(105-1)および第2の巻型(105-2)にコイル線を巻くための巻線装置(100)であって、前記コイルヨーク(108)が、第1の巻型(105-1)付きの第1のヨークリム(108-1)および第2の巻型(105-2)付きの第2のヨークリム(108-2)を有し、前記第1の巻型(105-1)が第1の長手方向軸(105-11)の方向に延び、前記第2の巻型(105-2)が第2の長手方向軸(105-22)の方向に延び、前記第1の巻型(105-1)と前記第2の巻型(105-2)が互いに隣り合って配置され、また互いに平行な方向に向けられており、巻線装置が、
前記コイルヨーク(108)を保持するための、回転軸(101-1)のまわりに回転可能な回転コイルレセプタクル(101)を備え、前記回転軸(101-1)が、前記第1の長手方向軸(105-11)および前記第2の長手方向軸(105-22)に平行な方向に向けられており、前記コイルレセプタクル(101)は、前記第1の長手方向軸(105-11)が前記回転軸(101-1)と一致するように前記第1の巻型(105-1)を配置してコイル線を前記第1の巻型(105-1)に巻き付けるために、また、前記第2の長手方向軸(105-22)が前記回転軸(101-1)と一致するように前記第2の巻型(105-2)を配置してコイル線を前記第2の巻型(105-2)に巻き付けるために、前記回転軸(101-1)に対して横方向に移動可能に前記コイルヨーク(108)を支持するように設計され、さらに、
前記コイル線を前記回転軸(101-1)に平行に供給するように設計されている巻線ノズル(102)を備えることを特徴とする巻線装置。
【請求項2】
請求項1に記載の巻線装置(100)であって、前記コイルレセプタクル(101)は前記巻線ノズル(102)の前記コイル線を、長手方向軸(105-11、105-22)が前記回転軸(101-1)に一致する前記巻型(105-1、105-2)に、前記回転軸(101-1)のまわりで回転することによって巻き付けるように設計されていることを特徴とする巻線装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の巻線装置(100)であって、前記コイルレセプタクル(101)が、第1の巻線方向を有する前記第1の巻型(105-1)の第1の巻線(307-1)を生成するために、前記回転軸(101-1)のまわりを第1の回転方向に回転するように、また、前記第1の巻線方向の反対である第2の巻線方向を有する前記第2の巻型(105-2)の第2の巻線(507-2)を生成するために、前記回転軸(101-1)のまわりを第2の回転方向に回転するように設計されていることを特徴とする巻線装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の巻線装置(100)であって、前記巻線ノズル(102)は、コイル線による前記巻型(105-1、105-2)の均一な巻線を実現するために、長手方向軸(105-11、105-22)が前記回転軸(101-1)と一致する前記巻型(105-1、105-2)に沿って、前記回転軸(101-1)と平行に前後に動かせることを特徴とする巻線装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の巻線装置(100)であって、前記コイルレセプタクル(101)が上受け部(103)および下受け部(104)を備え、前記コイルヨーク(108)が、前記上受け部(103)と下受け部(104)の間に保持されることを特徴とする巻線装置。
【請求項6】
請求項5に記載の巻線装置(100)であって、前記上受け部(103)および/または前記下受け部(104)は、前記第1のヨークリム(108-1)および前記第2のヨークリム(108-2)が貫入できる、互いに隣り合って配置されている通路(103-1)を有し、前記第1の巻型(105-1)および前記第2の巻型(105-2)が前記通路(103-1)の外側に配置されていることを特徴とする巻線装置。
【請求項7】
請求項6に記載の巻線装置(100)であって、互いに隣り合って配置された前記通路(103-1)が、前記コイルヨーク(108)の第1の位置および前記コイルヨーク(108)の第2の位置を前記コイルレセプタクル(101)内に画定し、前記第1の位置において前記第1の巻型(105-1)の前記第1の長手方向軸(105-11)が前記回転軸(101-1)と一致し、前記第2の位置において前記第2の巻型(105-2)の前記第2の長手方向軸(105-22)が前記回転軸(101-1)と一致することを特徴とする巻線装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の巻線装置(100)であって、前記コイルレセプタクル(101)が複数の通路(103-2)を有し、前記複数の通路が、前記コイルレセプタクル(101)を前記回転軸(101-1)に対し垂直に貫通しており、コイル線の電気的接続のために、前記コイルヨーク(108)の電気接続部、具体的には接続ピン(109)を露出するように設けられていることを特徴とする巻線装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の巻線装置(100)であって、前記コイルレセプタクル(101)が、巻線作業中に前記コイル線を前記コイルレセプタクル(101)に固定するように設計されている複数の支持ピン(103-3)を有することを特徴とする巻線装置。
【請求項10】
請求項8に記載の巻線装置(100)であって、前記巻線ノズル(102)は、前記コイルヨーク(108)の前記接続ピン(109)が巻線されることを可能にするために、前記回転軸(101-1)に平行な位置から垂直に旋回できることを特徴とする巻線装置。
【請求項11】
請求項10に記載の巻線装置(100)であって、前記巻線ノズル(102)が、前記コイルヨーク(108)の別々の接続ピン(109)および/または前記コイルレセプタクル(101)の別々の支持ピン(103-3)に到達してコイル線を巻くために、垂直位置において回転軸(101-1)に対し横方向に旋回できることを特徴とする巻線装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の巻線装置(100)であって、前記巻線ノズル(102)が、前記コイルヨーク(108)の前記接続ピン(109)をコイル線で巻くことを実現するために、前記コイルレセプタクル(101)の前記回転軸(101-1)に対して直角の方向に向いている第2の回転軸(102-2)のまわりに垂直位置において回転できることを特徴とする巻線装置。
【請求項13】
請求項10、11または12に記載の巻線装置(100)であって、前記巻線ノズル(102)が、巻線作業を終了するために、巻線された接続ピン(109)と巻線された支持ピン(103-3)の間でコイル線を分離するように設計されていることを特徴とする巻線装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の巻線装置(100)であって、前記第1および第2の巻型(105-1、105-2)が誘電体材料からスリーブ状に形成されることを特徴とする巻線装置。
【請求項15】
リレーのコイルヨーク(108)の第1の巻型(105-1)および第2の巻型(105-2)にコイル線を巻くための方法であって、前記コイルヨーク(108)が、第1の巻型(105-1)付きの第1のヨークリム(108-1)および第2の巻型(105-2)付きの第2のヨークリム(108-2)を有し、前記第1の巻型(105-1)が第1の長手方向軸(105-11)の方向に延び、前記第2の巻型(105-2)が第2の長手方向軸(105-22)の方向に延び、前記第1の巻型(105-1)と前記第2の巻型(105-2)が互いに隣り合って配置され、また互いに平行な方向に向けられており、前記方法は、
回転軸(101-1)のまわりに回転可能な回転コイルレセプタクル(101)に前記コイルヨーク(108)を配置するステップを含み、前記回転軸(101-1)が、前記第1の長手方向軸(105-11)および前記第2の長手方向軸(105-22)に平行な方向に向けられており、さらに、
前記コイルヨーク(108)を、前記コイルレセプタクル(101)内で前記回転軸(101-1)に対し横方向に、また前記第1および第2の巻型(105-1、105-2)のうちの1つをその長手方向軸(105-11、105-22)が前記回転軸(101-1)に一致するように配置して、移動させるステップと、
巻型(105-1、105-2)の前記長手方向軸(105-11、105-22)に平行にコイル線を、前記長手方向軸(105-11、105-22)が前記回転軸(101-1)に一致する前記巻型(105-1、105-2)に巻線ノズル(102)を通して供給するステップと、
長手方向軸(105-11、105-22)が前記回転軸(101-1)に一致する前記巻型(105-1、105-2)に前記巻線ノズル(102)の前記コイル線を巻き付けるために、前記コイルレセプタクル(101)を前記回転軸(101-1)のまわりに回転させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイルの巻線装置に関し、詳細にはリレーのコイルを巻くための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル線を巻型に巻くために、巻型は通常、その長手方向軸に沿って回転し、巻型に巻き付けられるコイル線は、巻型の回転軸に垂直の方向に巻型へ供給される。コイル線ガイドを長手方向軸に沿って移動させることによって、螺旋巻線を巻型上に形成することができる。しかし、このような方法は、互いに平行に配置されている、また、たとえばU字形のコイルヨーク上に配置されている、2つの巻型に2本の別個の巻線を巻くことになると役に立たない。したがって、このように配置された2つの巻型に2本の別個の巻線を巻くには、まず2つの巻型に別々に巻き、コイルヨークのヨークリムに巻線がすでに設けられている巻型をただ配置することだけが必要である。しかし、このような方法は効率的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、リレーの巻型にコイル線を巻くためのより効率的な巻線装置と、リレーの巻型にコイル線を巻くための改善された方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。本発明の有利な諸実施形態は、従属請求項、本明細書および添付の図の主題である。
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、リレーのコイルヨークの第1の巻型および第2の巻型にコイル線を巻くための巻線装置に関し、コイルヨークが、第1の巻型付きの第1のヨークリムおよび第2の巻型付きの第2のヨークリムを有し、第1の巻型が第1の長手方向軸の方向に延び、第2の巻型が第2の長手方向軸の方向に延び、第1の巻型と第2の巻型が互いに隣り合って配置され、また互いに平行な方向に向けられており、巻線装置は、コイルヨークを保持するための、回転軸のまわりに回転可能な回転コイルレセプタクルを備え、回転軸が、第1の長手方向軸および第2の長手方向軸に平行な方向に向けられており、コイルレセプタクルは、第1の長手方向軸が回転軸と一致するように第1の巻型を配置してコイル線を第1の巻型に巻き付けるために、また、第2の長手方向軸が回転軸と一致するように第2の巻型を配置してコイル線を第2の巻型に巻き付けるために、回転軸に対して横方向に移動可能にコイルヨークを支持するように設計され、さらに、コイル線を回転軸に平行に供給するように設計されている巻線ノズルを備える。
【0006】
この態様は、取付けスペースが最小限であり、巻線速度が増加している巻線装置を実現する技術的な利点を実現し、この利点により、互いに隣り合って配置される2つの巻型のために2つの別個の巻型を生成することが可能になる。
【0007】
第1および第2の巻型のうちの1つを、その長手方向軸が回転軸に一致するように回転軸上に配置することによって、回転軸のまわりにコイルレセプタクルが回転すれば、この特定の巻型がその長手方向軸のまわりに回転することが実現される。それぞれの他方の巻型が回転軸のまわりに、および回転軸上に配置された巻型の長手方向軸のまわりに回転する。
【0008】
巻線ノズルを回転軸と、回転軸上に配置された巻型の長手方向軸とに平行に位置合わせすると、また巻線ノズルを、回転軸上に配置された巻型のすぐ隣に配置すると、巻線ノズルのコイル線が、長手方向軸が回転軸と一致するコイルレセプタクルの回転により、巻型にだけ巻き付けられることが達成される。
【0009】
コイルレセプタクル内のコイルヨークを回転軸に対して横方向に移動させることによって、前もって巻線されていない巻型を、その長手方向軸が回転軸と一致するように配置することができる。コイルレセプタクルが回転軸のまわりに、また、ここでは回転軸上に配置されている巻型の長手方向軸のまわりに回転すると、この巻型のまわりの巻線だけを実現することができる。したがって、1つの巻線作業で、第1および第2の巻型の2つの別個の連続巻線が、コイルヨークが巻線装置から取り外されなくても実現可能になる。
【0010】
コイルレセプタクルが回転することにより、したがって、巻線されるべき巻型が、回転軸に平行に配置された巻線ノズルに対して回転することにより、個々の巻型に巻線するためにそれぞれの巻型のまわりに回転できる巻線ノズルを使用しないことが可能になる。その結果、巻線ノズルの高価な回転可能および旋回可能な支持体の必要性がないので、また対応する巻線ノズルの駆動装置を省くことができるので、巻線装置の取付けスペースを減らすことができる。
【0011】
加えて、巻線ノズルの外側に配置された回転軸のまわりに巻線ノズルが回転するのとは対照的に、コイルレセプタクルそれ自体が、コイルレセプタクルから延びる回転軸のまわりに回転するだけであるので、コイルレセプタクルの回転支持体は、技術的に単純な方法で設計することができる。これにより、より大きい回転速度、およびその結果としての短い巻線時間、さらにはより高い巻線精度、およびこれと関連した、生産される巻線のより高い品質が可能になる。
【0012】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクルは、巻線ノズルのコイル線を、長手方向軸が回転軸に一致する巻型に、回転軸のまわりで回転することによって巻き付けるように設計されている。この実施形態では、コイル線を巻型に巻き付けるために巻線ノズルを適所に保持できるという技術的な利点が得られる。この実施形態は、取付けスペースが少ない巻線装置を設計することが可能になるので有利である。さらに、巻線作業中に固定して保持される巻線ノズルは、巻型のまわりを回転する巻線ノズルよりも正確でエラーを起こしにくい巻線を可能にする。
【0013】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクルは、第1の巻線方向を有する第1の巻型の第1の巻線を生成するために、回転軸のまわりを第1の回転方向に回転するように、また、第1の巻線方向の反対である第2の巻線方向を有する第2の巻型の第2の巻線を生成するために、回転軸のまわりを第2の回転方向に回転するように設計されている。この実施形態には、巻線装置が、2つのコイルコア付きのコイルヨークへの1回の巻線作業で、巻線方向がそれぞれ反対である2つの巻線を実現できるという利点がある。
【0014】
1つの実施形態によれば、巻線ノズルは、コイル線による巻型の均一な巻線を実現するために、長手方向軸が回転軸と一致する巻型に沿って、回転軸と平行に前後に動かせる。この実施形態には、巻型の全長にわたって延びる螺旋巻線という技術的な利点がある。さらに、非回転巻線ノズルの並進運動は、実施するのに技術的に可能な限り単純な螺旋巻線を得るための解決策を実現する。巻線ノズルを前後に繰り返し動かすことによって、数層のコイル線による螺旋巻線もまた得ることができる。
【0015】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクルは上受け部および下受け部を備え、コイルヨークは上受け部と下受け部の間に保持される。この実施形態には、コイルヨークがコイルレセプタクル内に確実に保持されるという技術的な利点がある。
【0016】
1つの実施形態によれば、上受け部と下受け部は、連結手段を介して互いに解放可能に連結される。この実施形態には、上受け部と下受け部の間のクランプ連結部によって、コイルヨークがコイルレセプタクル内に確実に保持されるという技術的利点がある。さらに、上受け部と下受け部の連結部を解放することによって、コイルヨークを上受け部と下受け部のそばの位置から容易に再び解放できることが実現される。
【0017】
1つの実施形態によれば、上受け部および/または下受け部は、第1のヨークリムおよび第2のヨークリムが貫入できる、互いに隣り合って配置されている通路を有し、第1の巻型および第2の巻型が通路の外側に配置されている。この実施形態では、コイルヨークが上受け部と下受け部の間で確実に保持されるという技術的な利点が得られる。さらに、通路がヨークリムを貫通することにより、コイルヨークが回転軸に対して横方向にスリップすることを防止する。さらに、巻型を通路の外側に配置することによって、巻型をコイル線で完全に巻くことが達成される。
【0018】
1つの実施形態によれば、互いに隣り合って配置された通路が、コイルヨークの第1の位置およびコイルヨークの第2の位置をコイルレセプタクル内に画定し、第1の位置において、第1の巻型の第1の長手方向軸が回転軸と一致し、第2の位置において、第2の巻型の第2の長手方向軸が回転軸と一致する。この実施形態では、第1および第2の長手方向軸が回転軸と一致するようにして第1および第2の巻型を配置することが容易であるという技術的な利点が得られる。これにより、第1および第2の巻型の一方がいつでも、コイル線を巻き付けるためのコイルレセプタクルの回転軸の方へ正確に向いているようにして、コイルヨークがコイルレセプタクルに保持されることが確実になる。
【0019】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクルは複数の通路を有し、これらの通路が、コイルレセプタクルを回転軸に対し垂直に貫通しており、コイル線の電気的接続のために、コイルヨークの電気接続部、具体的には接続ピンを露出するように設けられている。この実施形態には、コイルヨークの接続ピンを巻線ノズルからのコイル線で巻くには、コイルヨークがコイルレセプタクルから取り外されなくてもよく、そうしないで、巻くことを巻線作業中に実行できるという技術的な利点がある。
【0020】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクルは、巻線作業中にコイル線をコイルレセプタクルに固定するように設計されている複数の支持ピンを有する。コイルレセプタクルへのコイル線の簡単な固定が、支持ピンによって実現される。その結果、コイル線は、巻線作業中および完成後にコイルレセプタクルに保持され、巻線ノズルのコイル線の張力が維持される。
【0021】
1つの実施形態によれば、細長い巻線ノズルは、コイルヨークの接続ピンが巻線されることを可能にするために、回転軸に平行な位置から垂直に旋回することができる。この実施形態には、コイルヨークの接続ピンに巻線するのに追加の装置が不要であり、巻線は巻線ノズルによって行うことができるという技術的な利点がある。さらに、旋回可能に支持された巻線ノズルは、取付けスペースが最小限である巻線装置を実現する。
【0022】
1つの実施形態によれば、巻線ノズルは、コイルヨークの別々の接続ピンおよび/またはコイルレセプタクルの別々の支持ピンに到達してコイル線を巻くために、垂直位置において回転軸に対し横方向に旋回することができる。この実施形態では、接続ピンに巻線するのに追加の装置が必要とされず、回転軸に対して垂直に巻線ノズルを旋回させることによって、巻線ノズル、コイルヨークのすべての接続ピン、およびコイルレセプタクルの支持ピンに到達することができるという技術的な利点を得ることができる。さらに、旋回可能に支持された巻線ノズルは、取付けスペースが最小限である巻線装置を実現する。
【0023】
1つの実施形態によれば、巻線ノズルは、回転軸に平行な向きの第1の方向に沿って、第1の方向に垂直の向きの第2の方向に沿って、また第1および第2の方向に垂直な向きの第3の方向に沿って、垂直の位置で並進移動可能である。この実施形態では、コイルヨークのすべての接続ピン、およびコイルレセプタクルのすべての支持ピンに巻線ノズルを介して到達できることが確実になる。
【0024】
1つの実施形態によれば、巻線ノズルは、コイルヨークの接続ピンおよび/またはコイルレセプタクルの支持ピンをコイル線で巻くことを実現するために、コイルレセプタクルの回転軸に対して直角の方向に向いている第2の回転軸のまわりに垂直位置において回転することができる。この実施形態には、接続ピンおよび支持ピンに巻線するのに追加の装置が必要とされず、むしろ、回転軸に対して垂直の巻線ノズルの回転運動により、巻線ノズルは、巻線レセプタクルのすべての接続ピンおよび支持ピンに巻線できるという技術的な利点がある。さらに、回転可能に支持された巻線ノズルは、取付けスペースが最小限である巻線装置を実現する。
【0025】
1つの実施形態によれば、巻線ノズルは、巻線作業を終了するために、コイルヨークの巻線された接続ピンと巻線された支持ピンとの間でコイル線を分離するように設計されている。この実施形態には、巻線作業の終わりに、コイル線がコイルヨークの接続ピンと、対応する支持ピンとの間で自動的に分離され、それにより、コイル線の手作業の切断、すなわち、完成した第1および第2の巻線付きのコイルヨークを巻線ノズルのコイル線から手作業で切り離すことが回避可能になるという技術的な利点がある。さらに、コイル線は、コイルレセプタクルの少なくとも1つの支持ピンにとどまり、それにより、巻線ノズルの巻線の張力を維持することができる。
【0026】
1つの実施形態によれば、第1および第2の巻型は、誘電体材料からスリーブ状に形成される。この実施形態により、技術的に可能な限り効率的なコイル巻線という技術的な利点が得られる。
【0027】
第2の態様によれば、本発明は、リレーのコイルヨークの第1の巻型および第2の巻型にコイル線を巻くための方法に関し、コイルヨークが、第1の巻型付きの第1のヨークリムおよび第2の巻型付きの第2のヨークリムを有し、第1の巻型が第1の長手方向軸の方向に延び、第2の巻型が第2の長手方向軸の方向に延び、第1の巻型と第2の巻型が互いに隣り合って配置され、また互いに平行な方向に向けられており、この方法は、回転軸のまわりに回転可能な回転コイルレセプタクルにコイルヨークを配置するステップを含み、回転軸が、第1の長手方向軸および第2の長手方向軸に平行な方向に向けられており、方法はさらに、コイルヨークを、コイルレセプタクル内で回転軸に対し横方向に、また第1および第2の巻型のうちの1つをその長手方向軸が回転軸に一致するように配置して、移動させるステップと、巻型の長手方向軸に平行にコイル線を、長手方向軸が回転軸に一致する巻型に巻線ノズルを通して供給するステップと、長手方向軸が回転軸に一致する巻型に巻線ノズルのコイル線を巻き付けるために、コイルレセプタクルを回転軸のまわりに回転させるステップとを含む。
【0028】
この態様では、巻線作業中に、互いに平行に隣り合って配置された2つの巻型が、連続して別個にコイル線で巻線され、それゆえに2つの巻線が得られることが確実になり、第1の巻線が第1の巻型に配置され、第2の巻線が第2の巻型に配置されている。
【0029】
この方法は、第1の態様による装置によって実行することができる。この方法のさらなる特徴は、この装置の諸実施形態および/または機能から直接もたらされる。
【0030】
さらなる例示的な実施形態について、添付の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図1B図1Aの巻線装置の概略側面図である。
図1C図1Aの巻線装置の概略平面図である。
図1D図1Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図2A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図2B図2Aの巻線装置の概略側面図である。
図2C図2Aの巻線装置の概略平面図である。
図2D図2Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図3A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図3B図3Aの巻線装置の概略平面図である。
図3C図3Aの巻線装置の概略側面図である。
図3D図3Aの巻線装置の概略平面図である。
図3E図3Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図4A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図4B図4Aの巻線装置の概略平面図である。
図4C図4Aの巻線装置の概略側面図である。
図4D図4Aの巻線装置の別の概略平面図である。
図4E図4Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図5A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図5B図5Aの巻線装置の概略平面図である。
図5C図5Aの巻線装置の概略側面図である。
図5D図5Aの巻線装置の別の概略平面図である。
図5E図5Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図6A】一実施形態による巻線装置の概略斜視図である。
図6B図6Aの巻線装置の概略平面図である。
図6C図6Aの巻線装置の概略側面図である。
図6D図6Aの巻線装置の別の概略平面図である。
図6E図6Aの巻線装置の概略拡大前面図である。
図7A】一実施形態による巻線装置の概略拡大前面図である。
図7B図7Aの巻線装置の概略平面図である。
図7C図7Aの巻線装置の概略斜視図である。
図8A】一実施形態による巻線装置の概略拡大前面図である。
図8B図8Aの巻線装置の概略平面図である。
図8C図8Aの巻線装置の概略斜視図である。
図9A】一実施形態による巻線装置の概略拡大前面図である。
図9B図9Aの巻線装置の概略平面図である。
図9C図9Aの巻線装置の概略斜視図である。
図10】一実施形態によるリレーのコイルヨークのそれぞれ異なる概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1Aは、一実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第1の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置に配置されている。
【0033】
図1Aによれば、リレーのコイルヨーク108の第1の巻型105-1および第2の巻型105-2にコイル線を巻くための巻線装置100は、第1の巻型105-1付きの第1のヨークリム108-1を有する、および第2の巻型105-2付きの第2のヨークリム108-2を有するコイルヨーク108を備え、第1の巻型105-1が第1の長手方向軸105-11の方向に延び、第2の巻型105-2が第2の長手方向軸105-22の方向に延び、第1の巻型105-1と第2の巻型105-2は互いに隣り合って配置され、また互いに平行な方向に向けられており、巻線装置はさらに、コイルヨーク108を保持するための、回転軸101-1のまわりに回転可能な回転コイルレセプタクル101を備え、回転軸101-1は、第1の長手方向軸105-11および第2の長手方向軸105-22に平行な方向に向けられており、コイルレセプタクル101は、第1の長手方向軸105-11が回転軸101-1と一致するように第1の巻型105-1を配置してコイル線を第1の巻型105-1に巻き付けるために、また、第2の長手方向軸105-22が回転軸101-1と一致するように第2の巻型105-2を配置してコイル線を第2の巻型105-2に巻き付けるために、回転軸101-1に対して横方向に移動可能にコイルヨーク108を支持するように形成され、巻線装置はさらに、コイル線を回転軸101-1に平行に供給するように構成されている巻線ノズル102を備える。
【0034】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101は、上受け部103および下受け部104と共に設計され、上受け部103および下受け部104はそれぞれ、コイルヨーク108をコイルレセプタクル101で保持するように設計されている。
【0035】
図1Aに示されるように、1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101の上受け部103は、第1のヨークリム108-1および第2のヨークリム108-2が貫入するように設計されている複数の通路103-1を備える。上受け部103の複数の通路103-1により、コイルヨーク108をコイルレセプタクル101の第1の位置および第2の位置に配置することが可能になる。図1Aには、図1B~1Dとも同様に、コイルレセプタクル101の第1の位置に配置されたコイルヨーク108が示されている。
【0036】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101におけるコイルヨーク108の第1の位置では、第1の巻型105-1が回転軸101-1上に配置され、それにより、第1の長手方向軸105-11がコイルレセプタクル101の回転軸101-1と一致する。
【0037】
図1Aに示されるように、1つの実施形態によれば、通路103-1は、コイルヨーク108の第1のヨークリム108-1および第2のヨークリム108-2が貫入できるように設計され、第1の巻型105-1および第2の巻型105-2は、コイルレセプタクル101の外面に配置される。
【0038】
図1Aによれば、1つの実施形態では、コイルレセプタクル101は複数の開口部103-2を有する。開口部103-2は、コイルレセプタクル101を垂直方向に貫通しており、巻線ノズル102がコイルヨーク108の接続ピン109にアクセスできるように、また接続ピン109にコイル線を巻き付けることができるように設計されている。
【0039】
図1Aに示されるように、支持ピン103-3は、コイルレセプタクル101の回転軸101-1に垂直の方向に延びる。1つの実施形態によれば、巻線ノズル102は、コイルレセプタクル101の支持ピン103-3およびコイルヨーク108の接続ピン109に巻線するために、第2の回転軸102-2のまわりで回転運動を実行するように設計される。図1Aによれば、第2の回転軸102-2は、垂直位置に沿った方向に向いている。
【0040】
1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101の支持ピン103-3およびコイルヨーク108の接続ピン109に巻線するための巻線ノズル102は、垂直位置へ旋回することができ、またコイルレセプタクル101の回転軸101-1に対し横の方向に沿って旋回することができる。
【0041】
1つの実施形態によれば、巻線ノズル102はまた、回転軸101-1に沿って、また回転軸101-1に対し垂直の2つの方向に沿って横方向に動かすこともできる。図1Aによれば、これら3つの垂直方向は、3つの空間方向に対応し、それにより、巻線ノズル102は、コイルレセプタクル101に対して長手方向に、コイルレセプタクル101に対して横方向に、またコイルレセプタクル101に対して垂直に移動させることができる。
【0042】
図1Bは、図1Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図1Cは、図1Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図1Dは、図1Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0043】
巻線作業を開始するために、コイルヨーク108はコイルレセプタクル101の第1の位置に配置され、それにより、第1の巻型105-1の第1の長手方向軸105-11が回転軸101-1と一致する。さらに、巻線ノズル102は、垂直位置へ旋回しており、コイルレセプタクル101の支持ピン103-3には巻線ノズル102からのコイル線が巻かれる。
【0044】
図2Aは、一実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第1の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置に配置されている。
【0045】
図1Aと比較すると、図2Aでは巻線ノズル102が、コイルレセプタクル101に対してコイルヨーク108に向かう方向に垂直方向に下げられている。1つの実施形態によれば、巻線ノズル102は、垂直方向に沿って垂直位置で横方向に移動可能である。さらに、1つの実施形態によれば、巻線ノズル102は、コイル線をコイルヨーク108に固定するために、回転軸102-2のまわりの回転運動によってコイル線を接続ピン109に巻き付けるように設計されている。
【0046】
さらに、図2Aによれば、第1の位置で、コイルヨーク108は、通路103-2でコイルヨーク108の接続ピン109が露出し、巻線ノズル102が接続ピンにアクセスできるようにして、コイルレセプタクル101に配置される。
【0047】
図2Bは、図2Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図2Cは、図2Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図2Dは、図2Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0048】
図3Aは、一実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、コイルヨークがコイルレセプタクルの第1の位置に配置され、巻線ノズルが平行位置に配置されている。
【0049】
図2Aと比較すると、図3Aでは巻線ノズル102が平行位置へ旋回しており、したがって、コイルレセプタクル101の回転軸101-1に平行な方向に向いている。図3Aに示されるように、巻線ノズル102は、第1の巻型105-1および第1のヨークリム108-1に隣接して配置される。
【0050】
巻線ノズル102の平行位置では、巻線装置100は、第1の巻型105-1に巻線する準備ができている。この目的のために、コイルレセプタクル101は、回転軸101-1および第1の巻型105-1の第1の長手方向軸105-11のまわりに回転する。1つの実施形態によれば、巻線ノズル102は、回転軸101-1に沿って、および第1の巻型105-1の第1の長手方向軸105-11に沿って並進運動を行うように設計される。
【0051】
図3Dは、図3Aの巻線装置100の概略上面図を示し、巻線ノズル102が回転軸101-1に沿ってコイルレセプタクル101の方へ移動している。図3Dによれば、第1の巻型105-1の第1の巻線307-1を巻くために、巻線ノズル102は、コイルレセプタクル101に隣接する位置から出発し、巻線作業中、回転軸101-1に沿った交互並進前後運動として、第1の巻型105-1の第1の長手方向軸105-11に沿ってコイルレセプタクル101から遠ざかったりコイルレセプタクル101に近づいたりする。この動きにより、コイル線のいくつかの層を含む螺旋巻線を得ることが可能になる。
【0052】
図3Bは、図3Aの巻線装置100の概略上面図を示し、巻線ノズルが回転軸に沿ってコイルレセプタクルから遠ざかっている。図3Dと比較すると、図3Bでは第1の巻線307-1の巻線作業が完了しており、巻線ノズル102が第1の巻型105-1の一端に達している。
【0053】
図3Cは、図3Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図3Eは、図3Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0054】
図4Aは、一実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、第1の巻線307-1が第1の巻型105-1に形成されており、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第2の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置に配置されている。
【0055】
図3Aと比較すると、図4Aでは第1の巻型105-1の第1の巻線307-1の巻線作業が完了している。巻線ノズル102は垂直位置へ旋回しており、コイルヨーク108は第2の位置でコイルレセプタクル101に配置され、それにより、第2の巻型105-2が回転軸101-1に配置され、第2の巻型105-2の第2の長手方向軸105-22が回転軸101-1と一致する。図4Aに示されるように、巻線ノズル102は、第1の巻型105-1と第2の巻型105-2の間に配置される。さらに、コイルレセプタクル101の通路103-2を通して、巻線ノズル102は、コイル線をコイルヨーク108の接続ピン109に巻き付けることができる。
【0056】
1つの実施形態によれば、第1の巻型105-1および第2の巻型105-2は、それぞれ巻型ポケット405-3を有する。
【0057】
図4Bは、図4Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図4Cは、図4Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図4Dは、図4Aの巻線装置100の別の概略上面図を示す。図4Eは、図4Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0058】
図5Aは、1つの実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、第1の巻線307-1が第1の巻型105-1に形成されており、第2の巻線507-2が第2の巻型105-2に形成されており、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第2の位置に配置され、巻線ノズル102が平行位置に配置されている。
【0059】
図4Aと比較すると、図5Aでは巻線ノズル102が、コイルレセプタクル101の回転軸101-1に平行な平行位置へ旋回している。
【0060】
図5Aに示されるように、巻線ノズル102は、第2の巻型105-2の第2の巻線507-2の巻線作業のために、第1の巻型105-1と第2の巻型105-2の間に配置される。回転軸101-1のまわりと、コイルヨーク108の第2の位置で回転軸101-1に一致する第2の長手方向軸105-22のまわりとをコイルレセプタクル101が回転する結果として、コイル線は、巻線ノズル102によって第2の巻型105-2に巻線することができ、第2の巻型105-2の第2巻線507-2を生成することが可能になる。
【0061】
図5Bは、図5Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図5Cは、図5Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図5Dは、図5Aの巻線装置100の別の概略上面図を示す。図5Eは、図5Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0062】
図6Aは、一実施形態による巻線装置100の概略斜視図を示し、第1の巻線307-1が第1の巻型105-1に形成されており、第2の巻線507-2が第2の巻型105-1に形成されており、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第2の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置に配置されている。
【0063】
図5Aと比較すると、図6Aでは巻線ノズル102が垂直位置へ旋回している。第2の巻型105-2の第2の巻線507-2が完成後、巻線ノズル102は、接続ピンにコイル線を巻くために、コイルヨーク108の接続ピン109のまわりで回転運動を行う。最後に、巻線ノズル102は、コイルレセプタクル101の別の支持ピン103-3をコイル線で巻き、このコイル線を接続ピン109と支持ピン103-3の間で分離し、それにより、第1の巻型105-1の完成した第1の巻線307-1および第2の巻型105-2の完成した第2の巻線507-2を含むコイルヨーク108が、巻線ノズル102のコイル線、およびコイルレセプタクル101から解放される。
【0064】
図6Bは、図6Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図6Cは、図6Aの巻線装置100の概略側面図を示す。図6Dは、図6Aの巻線装置100の別の概略上面図を示す。図6Eは、図6Aの巻線装置100の概略拡大前面図を示す。
【0065】
図7Aは、一実施形態による巻線装置100の概略拡大前面図を示し、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第1の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置と平行位置の両方に配置されている。
【0066】
巻線作業を開始するために、コイルヨーク108は、コイルレセプタクル101の第1の位置に配置され、第1の巻型105-1は回転軸101-1上に配置され、それにより、第1の長手方向軸105-11が回転軸101-1と一致する。次に、巻線ノズル102は、コイル線をコイルレセプタクル101に固定するために、垂直位置でコイル線をコイルレセプタクル101の支持ピン103-3に巻き付ける。次に、巻線ノズル102は、コイル線をコイルヨーク108に固定するために、コイル線をコイルヨーク108の接続ピン109に巻き付ける。
【0067】
第1の巻線307-1を巻くために、巻線ノズル102は平行位置へ旋回し、第1の巻型105-1に隣接して配置される。巻線ノズル102の平行位置で、コイルレセプタクル101は、第1の巻型105-1の、第1の巻線方向を有する第1の巻線307-1を生成するために、回転軸101-1のまわり、および第1の巻型105-1の第1の長手方向軸105-11のまわりを第1の回転方向に回転する。この目的のために、1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101は、第1の回転方向に回転するように設計される。
【0068】
図7Bは、図7Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図7Cは、図7Aの巻線装置100の概略斜視図を示す。
【0069】
図8Aは、一実施形態による巻線装置100の概略拡大前面図を示し、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第2の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置に配置されている。
【0070】
第1の巻線307-1が完成後、巻線ノズル102は垂直位置へ旋回し、コイルヨーク108はコイルレセプタクル101の第2の位置へシフトされ、それにより、第2の巻型105-2の第2の長手方向軸105-22が回転軸101-1と一致する。
【0071】
図8Bは、図8Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図8Cは、図8Aの巻線装置100の概略斜視図を示す。
【0072】
図9Aは、一実施形態による巻線装置100の概略拡大前面図を示し、コイルヨーク108がコイルレセプタクル101の第2の位置に配置され、巻線ノズル102が垂直位置と平行位置の両方に配置されている。
【0073】
第2の巻型105-2の第2の巻線507-2を巻くために、巻線ノズル102は平行位置へ旋回し、第1の巻型105-1と第2の巻型105-2の間に配置される。巻線ノズル102の平行位置で、コイルレセプタクル101は、第2の巻型105-2の、第2の巻線方向を有する第2の巻線507-2を生成するために、回転軸101-1のまわり、および第2の巻型105-2の第2の長手方向軸105-22のまわりを第2の回転方向に回転する。この目的のために、1つの実施形態によれば、コイルレセプタクル101は、第1の回転方向とは反対である第2の回転方向に回転するように設計される。このようにして、第1の巻線方向を有する第1の巻線307-1、および第1の巻線方向と反対の第2の巻線方向を有する第2の巻線507-2を巻くことが可能になる。
【0074】
第2の巻線507-2が完成後、巻線ノズル102は垂直位置へ旋回する。次に、巻線ノズル102は、コイル線をコイルヨーク108の別の接続ピン109と、コイルレセプタクル101の別の支持ピン103-3とに巻き付け、第1の巻線307-1および第2の巻線507-2を含むコイルヨーク108を巻線ノズル102のコイル線およびコイルレセプタクル101から解放するために、コイルヨーク108の巻線された接続ピンと、それに対応するコイルレセプタクル101の巻線された支持ピン103-3との間で、コイル線を分離する。
【0075】
図9Bは、図9Aの巻線装置100の概略上面図を示す。図9Cは、図9Aの巻線装置100の概略斜視図を示す。
【0076】
図10は、本発明の一実施形態によるリレーの、2つのヨークリム108-1、108-2および2つの巻型105-1、105-2を含むU字形コイルヨーク108のそれぞれ異なる概略斜視図を示す。
【0077】
1つの実施形態によれば、U字形コイルヨーク108は、互いに平行に配置された第1のヨークリム108-1および第2のヨークリム108-2を備える。第1の巻型105-1は第1のヨークリム108-1に配置され、第2の巻型105-2は、それに対応して第2のヨークリム108-2に配置される。コネクタピン109が、コイルヨーク108の各側面の、第1の巻型105-1および第2の巻型105-2の下方に配置される。
【符号の説明】
【0078】
100 巻線装置、 101 巻線レセプタクル、 101-1 回転軸、 102 巻線ノズル、 102-2 第2の回転軸、 103 上受け部、 103-1 通路、 103-2 通路、 103-3 支持ピン、 104 下受け部、 105-1 第1の巻型、 105-11 第1の長手方向軸、 105-2 第2の巻型、 105-22 第2の長手方向軸、 108 コイルヨーク、 108-1 第1のヨークリム、 108-2 第2のヨークリム、 109 コネクタピン、 307-1 第1の巻線、 405-3 巻型レセプタクル、 507-2 第2の巻線。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10