IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 全球株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図1
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図2
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図3
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図4
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図5
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図6
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図7
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図8
  • 特許-フォトマスク保管ボックス 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】フォトマスク保管ボックス
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/66 20120101AFI20220909BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
G03F1/66
H01L21/68 T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019554657
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2019007203
(87)【国際公開番号】W WO2020149466
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2019-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0006335
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519353776
【氏名又は名称】全球株式会社
【氏名又は名称原語表記】PMCGLOBAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66-9,Gwanho 1-gil,Yakmok-myeon,Chilgok-Gun Gyeongsangbuk-do 39828 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉 萬
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-233335(JP,A)
【文献】特開2001-033943(JP,A)
【文献】特開2013-097047(JP,A)
【文献】特開2004-247718(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01531363(EP,A1)
【文献】特開2012-186391(JP,A)
【文献】特開2006-184442(JP,A)
【文献】特開2019-129267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0140199(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2009-0067095(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30、21/68
B65D 85/30-85/48、85/86、85/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスク保管ボックスであって、
前記固定部は、
合成樹脂素材から直方体形に形成され、上端にボルト移動空間部が備えられ、前記ボルト移動空間部の上端にボルトガイドホールが形成される胴体と、
中央部にノブが結合され、後方に前記ノブを固定させるナットが結合され、前方にボルト用ブッシュが結合され、前記ボルトガイドホールに水平に締結され、前記胴体のボルト移動空間部で前記ノブが回転することによって前後進するボルト部材と、
合成樹脂素材から形成され、前記ボルト部材の前面にボルト結合され、前記ノブの回転時に前記ボルト部材とともに回転しながら前後進する回転キャップ部材と、
ポリテトラフルオロエチレン製の素材から円筒状に形成され、前記回転キャップ部材に押し込まれて結合され、前記回転キャップ部材の回転時に回転なしに前記フォトマスクに圧力を加えて固定させる加圧固定部材とを含み、
前記胴体は、前記ボルトガイドホールの内部に前記ボルト部材が締結されるように、コイルインサートを備え、
前記胴体は、前記コイルインサートと前記ボルト部材間の摩擦時に発生する微細チップが外部に流出することをスポンジ及びシリコンカバーによって防止するために、前記ボルトガイドホールの前後にチップ保存空間部が形成され、前記チップ保存空間部の入出口側に係止突起が形成され、ボルト貫通ホールが形成された弾性素材のシリコンカバーが前記係止突起に結合され、前記チップ保存空間部にオイルの含浸されたスポンジが収納されることを特徴とする、フォトマスク保管ボックス。
【請求項2】
前記胴体は、前記ボルト部材と結合するように、前記ボルトガイドホールと対応する位置に前記ボルト部材のボルト用ブッシュが貫通するブッシュ貫通ホールが備えられた板状の胴体カバーが前面に分解可能に結合されることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク保管ボックス。
【請求項3】
前記胴体カバーは、前記ブッシュ貫通ホールに合成樹脂素材のカバー用ブッシュが結合されることを特徴とする、請求項2に記載のフォトマスク保管ボックス。
【請求項4】
前記回転キャップ部材は、前記加圧固定部材が押し込まれて結合されるように、外周部の外側に切開部が形成され、外周部の内側に係止突起が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク保管ボックス。
【請求項5】
前記加圧固定部材は、外側面に前記係止突起に結合されるように段差部が形成されることを特徴とする、請求項4に記載のフォトマスク保管ボックス。
【請求項6】
前記加圧固定部材は、前記フォトマスクと点接触して前記フォトマスクにパーティクルが発生することを防止するために、前面に曲面部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク保管ボックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトマスク保管ボックスに係り、より詳しくは内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスクケースの構造であって、固定部は、胴体においてボルト部材を用いて回転キャップ部材を前後に移動させるとともに、回転キャップ部材に押し込まれた加圧固定部材が回転なしに前進するようにして、フォトマスクのパーティクルが発生することを防止し、加圧固定部材の前面に曲面部を形成して、加圧固定部材の表面によってフォトマスクにパーティクルが発生することを防止するフォトマスク保管ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
LCDモニターの製造に使われるフォトマスクは一般的にガラス素材からなるため、移送及び保管の際に易しく破損されるおそれがある。脆性が高くて強度が弱いフォトマスクを移送するか保管するときには、フォトマスクのサイズに合うケースを使う。すなわち、フォトマスク保管ボックスは一般的に上部ケースと下部ケースからなり、前記上部及び下部ケースは適切な締結器具で固定される。
【0003】
一般的なフォトマスク保管ボックスの構造を説明すれば次のようである。
【0004】
一面が開放した直方体であり、外周部に沿って複数のロック具が断続的に形成されており、前記ロック具を除いた残りの外周部には強度を補強するための第1補強部が形成されており、内部の角部及び隅部にはフォトマスクを載置させるための複数の支持部が設けられた下部ケースと、一面が開放した直方体であり、外周部に沿って前記下部ケースのロック具に対応するロック片が形成されており、前記ロック片を除いた残りの外周部には前記下部ケースの第1補強部と接するように形成された第2補強部が形成され、下面には前記保管ボックスを地面に沿って移送することができるように構成された移送部を含む上部ケースとを含み、前記下部及び上部ケースの間に介在されるシーリング部材をさらに含み、前記第1補強部及び/又は第2補強部の一部には把持部が形成されたフォトマスク保管ボックスが使われている。
【0005】
このようなフォトマスク保管ボックスは、前記下部ケースと前記上部ケースの間に形成される空間部にフォトマスクを載置させ、前記上部及び下部ケースの間に前記シーリング部材を介在させた後、前記ケースの外側に形成された前記ロック具及びロック片を結合させた後、移送するか保管することになる。
【0006】
しかし、従来のフォトマスク保管ボックスは、下部ケースの内部に形成される支持部がフォトマスクを安全に支持することができなくてフォトマスクが遊動することになることによってフォトマスクに外形的な欠陷を発生させる問題が発生し、特に、非常に敏感で脆性が高いフォトマスクはガラス素材からなるため、応力が集中する角又は角部がよく破損された。
このような問題点を解決するために、韓国特許登録第10-1121176号のフォトマスクケースの構造、及び日本特許公開第2010-72420号のフォトマスクケースなどが開示されている。
【0007】
前記フォトマスクケースの構造は、図1及び図2に示したように、それぞれの外側面にロック具(本体と保持片からなる)11が間欠的に2個ずつ形成され、前記ロック具11が形成されていない残りの外側面にはケースの強度を補強するための第1補強部12が形成されており、外部の外周面から突出したガイド部13が形成された下部ケース1と、前記下部ケース1のロック具11がかかるようにそれぞれの外側面に2個ずつ装着されたロック片21、及び前記下部ケース1の第1補強部12と接するように形成されてケースの強度を補強するための第2補強部22が形成された上部ケース2と、前記下部ケース1の前記ガイド部13に装着され、前記下部ケース1と前記上部ケース2の間に介在されるシーリング部材3と、それぞれの前記下部ケース1と前記上部ケース2の下面に形成されたコマからなる移送部4とからなり、下部ケース1の底面にはケースの強度を補強するためのフレームFが離隔部材として形成され、下部ケース1の内部の2個の上側角部と2個の両側面にはボルトからなる締結部材111aが設けられた第1及び第2支持部111があり、下部ケース1の内部の上面及び下面にはそれぞれ3個と4個の第3及び第4支持部112が形成され、前記第1及び第2支持部111は、フォトマスクを載置するとき、フォトマスクの上面及び横面を確かに支持するために上下又は左右に移動することができるように構成されることを特徴とする。
【0008】
しかし、このような従来のフォトマスクケースの構造はスライド方式でフォトマスクを押し付けて固定するため、局所的に圧力が発生してフォトマスクを破損することができる危険がある。
【0009】
また、前記フォトマスクケースは、図3に示したように、フォトマスクを支持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの周囲を覆う外装容器2と、前記外装容器に設けられた支持棒挿入孔と、前記支持棒挿入孔に挿入されて前記フォトマスク1の側面部を支持する支持棒と、支持棒のフォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体4とを備えたことを特徴とする。
【0010】
しかし、従来のフォトマスクケースは、支持棒の固定力が相対的に落ち、弾性力の調節が難しくてフォトマスクを破損することができる危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国特許登録第10-1121176号公報
【文献】日本特許公開第2010-72420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が達成しようとする技術的課題は、内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスク保管ボックスであって、固定部は、胴体でボルト部材を用いて回転キャップ部材を前後に移動させ、回転キャップ部材に押し込まれた加圧固定部材が回転なしに前進するようにして、フォトマスクのパーティクルが発生することを防止し、加圧固定部材の前面に曲面部を形成して、加圧固定部材の表面によってフォトマスクにパーティクルが発生することを防止するフォトマスク保管ボックスを提供することにその目的がある。
【0013】
また、本発明は、固定部の胴体に空間部を形成し、内部にオイルの含浸されたスポンジを収納した状態で、空間部の入口に弾性素材のシリコンカバーを結合することにより、金属素材のボルト部材と胴体内に挿入された金属素材のナット部材間の摩擦時に発生する微細チップが外部に流出することをスポンジとシリコンカバーによって防止するフォトマスク保管ボックスを提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を果たすための本発明の特徴は、内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスク保管ボックスであって、前記固定部は、合成樹脂素材から直方体形に形成され、上端にボルト移動空間部が備えられ、前記ボルト移動空間部の上端にボルトガイドホールが形成される胴体と、中央部にノブが結合され、後方に前記ノブを固定させるナットが結合され、前方にボルト用ブッシュが結合され、前記ボルトガイドホールに水平に締結され、前記胴体のボルト移動空間部で前記ノブが回転することによって前後進するボルト部材と、合成樹脂素材から形成され、前記ボルト部材の前面にボルト結合され、前記ノブの回転時に前記ボルト部材とともに回転しながら前後進する回転キャップ部材と、テフロン素材から円筒状に形成され、前記回転キャップ部材に押し込まれて結合され、前記回転キャップ部材の回転時に回転なしに前記フォトマスクに圧力を加えて固定させる加圧固定部材とを含んでなることを特徴とする。
【0015】
ここで、前記胴体は、前記ボルト部材と結合するように、前記ボルトガイドホールと対応する位置に前記ボルト部材のボルト用ブッシュが貫通するブッシュ貫通ホールが備えられた板状の胴体カバーが前面に分解可能に結合されることができる。
【0016】
また、前記胴体カバーは、前記ブッシュ貫通ホールに合成樹脂素材のカバー用ブッシュが結合されることができる。
【0017】
また、前記胴体は、前記ボルトガイドホールの内部に前記ボルト部材が締結されるように、コイルインサートを備えることができる。
【0018】
また、前記胴体は、前記コイルインサートと前記ボルト部材間の摩擦時に発生する微細チップが外部に流出することを前記スポンジ及びシリコンカバーによって防止するために、前記ボルトガイドホールの前後にチップ保存空間部が形成され、前記チップ保存空間部の入出口側に係止突起が形成され、ボルト貫通ホールが形成された弾性素材のシリコンカバーが前記係止突起に結合され、前記チップ保存空間部にオイルの含浸されたスポンジが収納されることができる。
【0019】
また、前記回転キャップ部材は、前記加圧固定部材が押し込まれて結合されるように、外周部の外側に切開部が形成され、外周部の内側に係止突起が形成されることができる。
【0020】
また、前記加圧固定部材は、外側面に前記係止突起に結合されるように段差部が形成されることができる。
【0021】
また、前記加圧固定部材は、前記フォトマスクと点接触して前記フォトマスクにパーティクルが発生することを防止するために、前面に曲面部が形成されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスク保管ボックスであって、固定部は、胴体でボルト部材を用いて回転キャップ部材を前後に移動させ、回転キャップ部材に押し込まれた加圧固定部材が回転なしに前進するようにして、フォトマスクのパーティクルが発生することを防止し、加圧固定部材の前面に曲面部を形成して、加圧固定部材の表面によってフォトマスクにパーティクルが発生することを防止することができる。
【0023】
また、本発明によれば、固定部の胴体に空間部を形成し、内部にオイルの含浸されたスポンジを収納した状態で、空間部の入口に弾性素材のシリコンカバーを結合することにより、金属素材のボルト部材と胴体内に挿入された金属素材のナット部材間の摩擦時に発生する微細チップが外部に流出することをスポンジとシリコンカバーによって防止して、フォトマスクに異物が付着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のフォトマスクケースを示した図である。
図2】従来のフォトマスクケースを示した図である。
図3】従来のフォトマスクケースを示した図である。
図4】本発明によるフォトマスク保管ボックスの構成を示した斜視図である。
図5】本発明によるフォトマスク保管ボックスの下部ケースの構成を示した平面図である。
図6】本発明によるフォトマスク保管ボックスの固定部の構成を示した斜視図である。
図7図6の分解斜視図である。
図8図6の側断面図である。
図9】本発明によるフォトマスク保管ボックスの支持部の動作を説明するための動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明によるフォトマスク保管ボックスの最良の形態は、内部にフォトマスクが載置されるように支持部を備える下部ケース、下部ケースと締結される上部ケース、及び下部ケースの内側縁部に設けられ、下部ケースの支持部に装着されたフォトマスクを固定させるための固定部を含むフォトマスク保管ボックスであって、前記固定部は、合成樹脂素材から直方体形に形成され、上端にボルト移動空間部が備えられ、前記ボルト移動空間部の上端にボルトガイドホールが形成される胴体と、中央部にノブが結合され、後方に前記ノブを固定させるナットが結合され、前方にボルト用ブッシュが結合され、前記ボルトガイドホールに水平に締結され、前記胴体のボルト移動空間部で前記ノブが回転することによって前後進するボルト部材と、合成樹脂素材から形成され、前記ボルト部材の前面にボルト結合され、前記ノブの回転時に前記ボルト部材とともに回転しながら前後進する回転キャップ部材と、テフロン素材から円筒状に形成され、前記回転キャップ部材に押し込まれて結合され、前記回転キャップ部材の回転時に回転なしに前記フォトマスクに圧力を加えて固定させる加圧固定部材とを含んでなる。
【0026】
以下、本発明によるフォトマスク保管ボックスの構成を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
以下の本発明の説明において、関連の公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。そして、後述する用語は本発明の機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図又は慣例などによって変わることができる。したがって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて決定されなければならないであろう。
【0028】
図4は本発明によるフォトマスク保管ボックスの構成を示した斜視図、図5は本発明によるフォトマスク保管ボックスの下部ケースの構成を示した平面図、図6は本発明によるフォトマスク保管ボックスの固定部の構成を示した斜視図、図7図6の分解斜視図、図8図6の側断面図である。
【0029】
図4図8を参照すると、本発明によるフォトマスク保管ボックス200は、下部ケース210と、上部ケース220と、固定部300とから構成される。
【0030】
まず、下部ケース210は通常の構造のもので、フォトマスク(図示せず)が載置されるように支持部211が備えられる。ここで、支持部211はフォトマスクのサイズによって前後にスライドして間隔を調節することもできる。
【0031】
そして、上部ケース220は通常の構造のもので、下部ケース210と締結される。
【0032】
また、固定部300は、図6図8に示したように、胴体310と、ボルト部材320と、回転キャップ部材330と、加圧固定部材340とから構成される。
【0033】
胴体310は合成樹脂素材から直方体形に形成され、上端にボルト移動空間部S1が備えられ、ボルト移動空間部S1の上端にボルトガイドホール311が形成される。ここで、胴体310は底面又は背面が下部ケース210にボルト結合されて固定されることが好ましい。
【0034】
そして、胴体310は、ボルト部材320を結合するように、ボルトガイドホール311と対応する位置にボルト部材320のボルト用ブッシュ325が貫通するブッシュ貫通ホール312aが備えられた板状の胴体カバー312が前面に分解可能に結合される。ここで、胴体カバー312は、ブッシュ貫通ホール312aに合成樹脂素材のカバー用ブッシュ313が結合される。
【0035】
また、胴体310は、ボルトガイドホール311の内部にボルト部材320が締結されるようにコイルインサート314が備えられ、コイルインサート314とボルト部材320間の摩擦時に発生する微細チップが外部に流出することを防止するために、ボルトガイドホール311の前後にチップ保存空間部S2が形成され、チップ保存空間部S2の入出口側に係止突起315が形成され、ボルト貫通ホール316aが形成された弾性素材のシリコンカバー316が係止突起315に結合され、チップ保存空間部S2にオイルの含浸されたスポンジ317が収納される。
【0036】
そして、ボルト部材320は、金属素材の中央部にノブ321が結合され、後方にノブ321を固定させるナット323が結合され、前方にボルト用ブッシュ325が結合され、ボルトガイドホール311に備えられたコイルインサート314と水平に締結されることにより、胴体310のボルト移動空間部S1でノブ321が回転しながら前後進する。
【0037】
また、回転キャップ部材330は合成樹脂素材から形成され、ボルト部材320の前面にボルト結合され、ノブ321の回転時にボルト部材320とともに回転しながら前後進する。ここで、回転キャップ部材330は、加圧固定部材340が押し込まれて結合されるように、外周部の外側に切開部331が形成され、外周部の内側に係止突起333が形成される。
【0038】
一方、加圧固定部材340はポリテトラフルオロエチレン製のテフロン(登録商標)素材から円筒状に形成され、回転キャップ部材330に押し込まれて結合され、回転キャップ部材330の回転時に回転せずにフォトマスクに圧力を加えて固定させる。ここで、加圧固定部材340の外側面には、係止突起333に結合するように、段差部341が形成される。

【0039】
また、加圧固定部材340は、フォトマスクと点接触してフォトマスクにパーティクルが発生することを防止するために、前面に曲面部Rが形成される。
【0040】
以下、本発明によるフォトマスク保管ボックスの動作を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
図9は本発明によるフォトマスク保管ボックスの支持部の動作を説明するための動作説明図である。
【0042】
まず、固定部300のボルト部材320のノブ321を一方向に回転させてボルト部材320を後進させることにより、加圧固定部材340を下部ケース210の支持部211との干渉がない位置に後退させる。
【0043】
このような状態で、フォトマスクPを下部ケース210の支持部211に装着させる。
【0044】
そして、固定部300のボルト部材320に備えられたノブ321を他方向に回転させれば、ボルト部材320が胴体310のボルトガイドホール311に備えられたコイルインサート314で回転しながら前進することになる。
【0045】
これにより、ボルト部材320の前面に結合された回転キャップ部材330が前進することになる。
【0046】
回転キャップ部材330の前進によって加圧固定部材340がともに前進し、加圧固定部材340の前面に形成された曲面部RがフォトマスクPと点接触する。
【0047】
すると、加圧固定部材340は回転キャップ部材330に拘束されていない状態を維持するので、ボルト部材320と回転キャップ部材330が前進しながら回転しても、加圧固定部材340はフォトマスクPと接触した状態で回転なしに前進しながらフォトマスクPを加圧することになる。
【0048】
これにより、加圧固定部材340がフォトマスクPと点接触した状態で回転なしに前進してフォトマスクPとの摩擦が発生しないから、パーティクルの発生が防止される。
【0049】
また、ボルト部材320の回転時、胴体310に金属素材のコイルインサート314が挿入されているので、合成樹脂と金属素材間の摩擦によって合成樹脂が摩耗されることが防止され、ボルト部材320とコイルインサート314間の摩擦によって発生する金属微細チップの場合、ボルトガイドホール311の前後に形成されたチップ保存空間部S2と、チップ保存空間部S2の入出口側に備えられた係止突起315と結合されたシリコンカバー316及びチップ保存空間部S2内のオイルの含浸されたスポンジ317によって、下部ケース210の内部に排出されてフォトマスクPに付着することを防止することができる。
【0050】
本発明は多様に変形可能であり、さまざまな形態を取ることができ、前記発明の詳細な説明ではそれによる特別な実施例についてのみ記述した。しかし、本発明は詳細な説明で言及した特別な形態に限定されないものに理解されなければならなく、添付の請求範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内にある全ての変形物、均等物及び代替物を含むものに理解されなければならない。
【符号の説明】
【0051】
210 下部ケース
220 上部ケース
300 固定部
310 胴体
320 ボルト部材
330 回転キャップ部材
340 加圧固定部材
R 曲面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9